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JP2002305034A - 蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス

Info

Publication number
JP2002305034A
JP2002305034A JP2002011516A JP2002011516A JP2002305034A JP 2002305034 A JP2002305034 A JP 2002305034A JP 2002011516 A JP2002011516 A JP 2002011516A JP 2002011516 A JP2002011516 A JP 2002011516A JP 2002305034 A JP2002305034 A JP 2002305034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
foil
negative electrode
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002011516A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaya Satou
貴哉 佐藤
Hidenori Nakada
英憲 中田
Hiroshi Yoshida
浩 吉田
Hideto Mihashi
秀渡 三橋
Shigenori Minami
重徳 皆見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Industries Inc, Nisshin Spinning Co Ltd filed Critical Nisshinbo Industries Inc
Priority to JP2002011516A priority Critical patent/JP2002305034A/ja
Publication of JP2002305034A publication Critical patent/JP2002305034A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 集電体の最適な組み合わせにより、高いエネ
ルギー密度及び低い内部抵抗を有する蓄電デバイスを提
供すること。 【解決手段】 活性炭を電極活物質とする正極と、リチ
ウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料を電極活物質と
する負極と、リチウムイオンを含む電解液とを備えて構
成され、正極を構成する正極集電体としてアルミニウム
箔又は酸化アルミニウム箔を用い、負極を構成する負極
集電体として銅箔又は表面が銅めっき膜にて被覆された
金属箔を用いた蓄電デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐電圧及びエネル
ギー密度が大きく、内部抵抗の小さい蓄電デバイスに関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】充電に
より電気エネルギーを蓄積でき、かつ、必要なときに電
気エネルギーを放電できるデバイスを蓄電デバイスと呼
び、その代表例として、ニッケルカドミウム電池、ニッ
ケル水素電池、リチウムイオン電池、電気二重層キャパ
シタ等が挙げられる。特に、大電流で充放電できる電気
二重層キャパシタは、電気自動車、補助電源、深夜電力
貯蔵等を用途としたエネルギー貯蔵装置として有望なも
のである。この電気二重層キャパシタは、同様にエネル
ギー貯蔵装置として近年注目されているリチウムイオン
二次電池と比べて、急速充放電が可能であること、サイ
クル耐久性及び電圧印加時の耐久性が高いという特長を
有する一方、リチウムイオン二次電池に比べてエネルギ
ー密度及び耐電圧が小さいという短所がある。従って、
急速充放電性、高い耐久性を維持しながら、高エネルギ
ー密度、及び高い耐電圧を有する電気二重層キャパシタ
の開発が強く望まれている。
【0003】電気二重層キャパシタは、一対の分極性電
極から構成されている。分極性電極はきわめて表面積の
大きな活性炭などの炭素質材料を主成分とし、炭素質材
料の大きな表面に電解質中のアニオン、カチオンを物理
吸着させて電気を備える原理で作動する。分極性電極
は、微粉砕された炭素質材料、バインダー、溶剤を混合
したスラリーをアルミニウム箔表面に塗工・乾燥して得
るか、あるいは、微粉砕された炭素質材料にテフロン
(登録商標)樹脂などフィブリィル化しやすいポリマー
バインダーを混合、混練りして電極シートを作製し、そ
のシートを、アルミニウム箔に張り合わせる方法で作製
されている。
【0004】キャパシタの一対の分極性電極は、化学反
応を伴う電池の電極とは異なり、正極と負極の区別はな
い。正極とした分極性電極の表面にはアニオンが、負極
の分極性電極の表面にはカチオンが吸・脱着して電気を
蓄える。正極と負極を入れ替えても、理論上はまったく
同様に作動する。しかし、実際の電気二重層キャパシタ
では、電解質中のアニオン,カチオンの大きさや分極性
電極の静電容量と作動電圧などを考慮し、用いる炭素質
材料の表面積,密度,細孔分布,細孔容積、充填量など
をそれぞれの極について最適化し製造しているため、実
際には、正極,負極がそれぞれ区別されて使用される。
【0005】ここで、分極性電極をシート状に保持し、
かつ分極性電極から電気エネルギーを取り出す役割をす
るのが集電体と呼ばれる金属箔である。従来、電気二重
層キャパシタ層の集電体としては、正負極とも、アルミ
ニウム箔、アルミニウム合金箔、酸化アルミニウム箔が
用いられている。
【0006】一方、電気二重層キャパシタにおいて、セ
ルに蓄積されるエネルギーは1/2CV2(Cはセル当
たりの容量(F)、Vはセルに印可可能な電圧(V)で
ある。)で表され、印可電圧Vは、その値の二乗がエネ
ルギーに反映されるため、エネルギー密度の向上にはキ
ャパシタに印可する電圧(耐電圧)を上げる事が有効で
ある。
【0007】また、高エネルギー密度、及び高い耐電圧
を達成するために、正極に活性炭又は活性炭素繊維、負
極にリチウムイオンを吸蔵・脱離し得る炭素材料(黒鉛
等)、さらに電解液にリチウムイオンを用いる蓄電デバ
イスが提案されている(特開昭60−182670号公
報、特開昭64−14882号公報等)。しかし、これ
らの二次電池は、集電体としてニッケル、チタン、ステ
ンレス鋼を使用しているため、内部抵抗が高いという問
題があるだけでなく、ニッケル、ステンレス鋼について
は、長期使用時に正極集電体が溶出する可能性もある。
【0008】上記集電体に求められる特性としては、 (1)使用する充放電電圧領域の中で、腐食したり、電
気化学反応を起こさず、高電圧に耐える材質であるこ
と。 (2)電極面積を大きくするため薄く出来る材質である
こと。 (3)薄くとも分極性電極をシート状に保ちうる強度を
有すること。 (4)導電性が高いこと。 (5)安価であること。 が挙げられ、蓄電デバイスの集電体についても、かかる
点を含めた開発が要望されている。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、集電体の最適な組み合わせにより、高いエネル
ギー密度及び低い内部抵抗を有する蓄電デバイスを提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた
結果、正極に活性炭を、負極にリチウムイオンを吸蔵、
脱離し得る炭素材料を使用し、リチウムイオンを含む電
解液を使用した蓄電デバイスにおいて、正極集電体にア
ルミニウム箔又は酸化アルミニウム箔を用いるととも
に、負極集電体に銅箔又は表面が銅めっき膜にて被覆さ
れた金属箔を用いた場合、エネルギー密度が向上し、内
部抵抗も低い高性能の蓄電デバイスが得られることを知
見した。
【0011】前述の通り、正極に活性炭又は活性炭素繊
維、負極にリチウムイオンを吸蔵・脱離し得る炭素材料
(黒鉛等)、さらに電解液にリチウムイオンを用いる蓄
電デバイスの集電体としてニッケル、チタン、ステンレ
ス鋼を使用しているが、これら集電材は抵抗が高い。な
お、抵抗は、物質の形状に関係し、下記式で表される。 R=ρL/s (式中、Rは電気抵抗(Ω)、ρは抵抗値(Ω・c
m)、sは断面積(cm3)、Lは長さ(cm)を示
し、ρは物質固有の値である。)
【0012】上記ニッケル、チタン、ステンレス鋼、ア
ルミニウム、銅の抵抗率を比較すると、ニッケルが6.
84μΩ・cm、チタンが42μΩ・m、ステンレス鋼
(組成Cr:Ni:Fe=25:20:55)が73μ
Ω・cm、アルミニウムが2.65μΩ・cm、銅が
1.67μΩ・cmであり、銅、アルミニウム、ニッケ
ルの抵抗率が低い傾向にある。
【0013】また、電気二重層キャパシタで最も汎用的
に用いられる酸化アルミニウム箔は、純アルミニウムを
電気的に腐食し、酸化アルミ層を形成するとともに表面
をエッチングして表面積を増大させた箔である。実際
に、酸化アルミニウム箔と銅箔の固有抵抗を比較した結
果は下記の通りである。厚みの判明している酸化アルミ
ニウム箔と銅箔を3cm×3cmの箔を切り出し、NP
S社の抵抗率測定器Σ−10を使用し、4探針プローブ
を使用し測定した。測定に当たっては10回測定を行い
平均とした。その結果、酸化アルミニウムでは体積抵抗
率3.4μΩ・cm、銅箔では1.6μΩ・cmであっ
た。銅箔は先の文献値に近い値であるが、酸化アルミニ
ウム箔は純アルミニウム文献値2.8264μΩ・cm
よりさらに高い抵抗率になっている。これはアルミ箔表
面にある酸化アルミ層の影響で、より抵抗が高くなって
いると考えられるが、それでも上記ニッケルの抵抗率よ
り低い。
【0014】以上の結果から、より導電性の高い銅箔を
正負極に用いる方が効果的であると考え、銅製の集電材
を用いてセルを作成したところ、正極側の集電材の銅が
イオン化し、銅イオンとなって溶媒中に溶出し、負極側
で銅に還元されて析出する現象が生じた。その結果、図
1に示されるように、設定電圧4.3V、充電電流密度
1.59mA/cm2での充電途中で著しい電圧低下が
発生し、二次電池として機能しなくなることがわかっ
た。
【0015】そこで、本発明者は、上記集電材について
正極集電体としての使用可否を検討したところ、チタ
ン、アルミニウム以外は電圧が4.3V以内で集電材の
腐食が始まることが明らかになった。特に、最も導電率
の高い銅の場合は、先の実験結果から明らかなように銅
のイオン化が著しく、正極集電材としては全く用いるこ
とができない。
【0016】一方、負極の集電材としては、抵抗率の低
い銅、アルミニウム、ニッケルについて実際にセルを作
成し、その容量と内部抵抗を調査し、最も適した集電材
を設定した。その結果、正極集電材としてアルミニウム
箔又は酸化アルミニウム箔を使用するとともに、負極集
電材として銅箔又は表面が銅めっき膜にて被覆された金
属箔を使用することが最適であり、この場合に、蓄電デ
バイスの内部抵抗が下がり、かつエネルギー密度も向上
するという事実を見いだし、本発明をなすに至ったもの
である。
【0017】従って、本発明は、下記蓄電デバイスを提
供する。 [請求項1]:活性炭を電極活物質とする正極と、リチ
ウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料を電極活物質と
する負極と、リチウムイオンを含む電解液とを備えて構
成される蓄電デバイスであって、前記正極を構成する正
極集電体としてアルミニウム箔又は酸化アルミニウム箔
を用い、前記負極を構成する負極集電体として銅箔又は
表面が銅めっき膜にて被覆された金属箔を用いることを
特徴とする蓄電デバイス。 [請求項2]:前記活性炭の原料がフェノール、石油コ
ークス又はヤシ殻であることを特徴とする請求項1記載
の蓄電デバイス。 [請求項3]:使用最高電圧が、3.5〜5Vであるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の蓄電デバイス。
【0018】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明に係る蓄電デバイスは、活性炭を電極活物質
とする正極と、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素
材料を電極活物質とする負極と、リチウムイオンを含む
電解液とを備えて構成される蓄電デバイスであって、前
記正極を構成する正極集電体としてアルミニウム箔又は
酸化アルミニウム箔を用い、前記負極を構成する負極集
電体として銅箔又は表面が銅めっき膜にて被覆された金
属箔を用いるものである。
【0019】この場合、正極集電体のアルミニウム箔、
酸化アルミニウムとしては、公知のものが用いられる。
また、負極集電体の銅箔としては、通常の純銅が使用さ
れ、表面が銅めっき膜にて被覆された金属箔としては、
アルミニウム、ニッケルなどの金属箔の表面に電気めっ
き法、無電解めっき法、或いはスパッタリング、真空蒸
着等の気相めっき法により銅めっき膜やニッケルめっき
膜を好ましくは0.1〜20μm程度、特に0.1〜1
5μm程度形成したものが用いられる。なお、箔の形状
は薄い箔状、平面に広がったシート状であれば良い。孔
が空いたスタンパブルシート状でも良い。この場合は単
位面積あたりの箔重量を軽く出来るので良い。さらに、
表面が粗面化されていても良く、またメッシュや網状で
あっても良い。
【0020】厚さは、1〜200μm程度が好ましい。
厚くなると電極全体に占める炭素質材料の密度が低くな
るので、薄いものの方が好ましく、1〜100μm程度
がより好適である。さらには、1〜30μmが特に好適
である。あまりに薄くなると強度に問題が生じる恐れも
あり、その点を考慮すれば8〜50μmが好ましく、特
に8〜30μmが最適である。
【0021】本発明において、上記正極を構成する集電
体上に塗工する電極組成物としては、原料にフェノー
ル、石油コークス又はヤシ殻を使用して、これらを炭化
し、水蒸気又はアルカリ賦活を行って得た活性炭を用い
ることが好ましい。
【0022】また、上記正極用活性炭に導電材を添加す
ることもできる。導電材としては、炭素材料に導電性を
付与できるものであれば、特に制限されず、例えば、カ
ーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラ
ック、カーボンウィスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造
黒鉛、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム,ニ
ッケル等の金属ファイバなどが挙げられ、これらを1種
単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でもカーボンブラックの1種であるケッチェ
ンブラック、アセチレンブラックを用いることが好まし
い。
【0023】ここで、導電材の配合量としては、特に限
定されるものではないが、例えば、正極用炭素材料10
0重量部に対して上記導電材粉末0.1〜20重量部、
好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜7
重量部であることが好適である。なお、導電材粉末の平
均粒径は、10nm〜10μm、好ましくは10nm〜
100nm、より好ましくは20nm〜40nmであ
る。この場合、導電材粉末の平均粒径は、正極用炭素材
料の平均粒径の1/5000〜1/2、特に1/100
〜1/10であることが好ましい。
【0024】上記正極用電極組成物は、正極用炭素材料
と、後述するバインダーポリマー又はその溶液と、必要
に応じて溶媒とを混合容器に収容し、この混合容器を好
ましくは自転かつ公転させながら湿式混合して得ること
ができる。このとき正極電極組成物は、塗工に適した粘
度のスラリーになるように必要に応じて必要最小量の溶
媒を添加する。正極用電極組成物スラリーの粘度は、塗
工方法にもよるが、スラリー温度30℃において、1,
000〜20,000mPa・s、特に、2,000〜
10,000mPa・sであることが好ましい。また、
バインダーポリマーの添加量は、混合粉末100重量部
に対して0.5〜20重量部、特に1〜10重量部であ
ることが好ましい。
【0025】本発明における負極のリチウムイオンを吸
蔵・脱着し得る炭素材料としては、リチウムイオン二次
電池の負極で使用可能な材料を使用し得る。具体的に
は、天然黒鉛、人造黒鉛、MCMB、MCF、カーボン
ナノチューブ、VGCF等を使用し得る。
【0026】また、上記負極用炭素材料に導電材を添加
することもできる。導電材としては、炭素材料に導電性
を付与できるものであれば、特に制限されず、例えば、
カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブ
ラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人
造黒鉛、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム,
ニッケル等の金属ファイバなどが挙げられ、これらを1
種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。これらの中でもカーボンブラックの1種であるケッ
チェンブラック、アセチレンブラックを用いることが好
ましい。
【0027】ここで、導電材の配合量としては、特に限
定されるものではないが、例えば、負極用炭素材料10
0重量部に対して上記導電材粉末0〜20重量部、好ま
しくは0〜10重量部、より好ましくは0〜6重量部で
あることが好適である。なお、導電材粉末の平均粒径
は、10nm〜10μm、好ましくは10nm〜100
nm、より好ましくは20nm〜40nmである。この
場合、導電材粉末の平均粒径は、正極用炭素材料の平均
粒径の1/5000〜1/2、特に1/100〜1/1
0であることが好ましい。
【0028】上記負極用電極組成物は、負極用炭素材料
と、後述するバインダーポリマー又はその溶液と、必要
に応じて溶媒とを混合容器に収容し、この混合容器を好
ましくは自転かつ公転させながら湿式混合して得ること
ができる。このとき負極電極組成物は、塗工に適した粘
度のスラリーになるように必要に応じて必要最小量の溶
媒を添加する。負極用電極組成物スラリーの粘度は、塗
工方法にもよるが、スラリー温度30℃において、1,
000〜20,000mPa・s、特に、2,000〜
10,000mPa・sであることが好ましい。また、
バインダーポリマーの添加量は、混合粉末100重量部
に対して0.5〜20重量部、特に5〜17重量部であ
ることが好ましい。
【0029】上記バインダーポリマーとしては、例えば
(I)不飽和ポリウレタン化合物、(II)相互侵入網
目構造又は半相互侵入網目構造を有する高分子材料、
(III)熱可塑性樹脂、又は(IV)フッ素系高分子
材料などを用いることができる。
【0030】更に、バインダーポリマーのうち(I)〜
(III)の高分子材料を用いると高い接着性を有する
ため、電極の物理強度を向上させることができる。ま
た、(II)の相互侵入網目構造又は半相互侵入網目構
造を有する高分子材料は電解質溶媒分子、及びイオン分
子との親和性が高く、また、イオンの移動性が高く、電
解質塩を高濃度に溶解でき、高いイオン導電性を有する
ものである。(III)の熱可塑性樹脂は熱可塑性なの
で成形加工しやすく、適度に有機電解質を吸収して膨潤
し、高いイオン導電性を示すものである。(IV)のフ
ッ素系高分子材料は、熱的、電気的安定性に優れたもの
である。
【0031】具体的には、上記(I)の不飽和ポリウレ
タン化合物としては、(A)分子中に少なくとも1個の
(メタ)アクリロイル基とヒドロキシル基とを有する不
飽和アルコールと、(B)下記一般式(1)で示される
ポリオール化合物と、(C)ポリイソシアネート化合物
と、必要に応じて(D)鎖延長剤とを反応させてなるも
のが好ましい。 HO−〔(R1a−(Y)b−(R2cd−OH …(1) 〔式中、R1及びR2は同一又は異種のアミノ基、ニトロ
基、カルボニル基又はエーテル基を含有していてもよい
炭素数1〜10の二価炭化水素基を示し、Yは−COO
−、−OCOO−、−NR3CO−(R3は水素原子又は
炭素数1〜4のアルキル基を示す)、−O−又はアリー
レン基を示し、a,b,cは0又は1〜10、dは1以
上の整数を示す。〕
【0032】(A)成分の不飽和アルコールとしては、
分子中に少くとも1個の(メタ)アクリロイル基とヒド
ロキシル基とを有するものであれば特に制限されず、例
えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ
エチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリ
コールモノメタクリレート、トリエチレングリコールモ
ノアクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリ
レートなどが挙げられる。
【0033】(B)成分のポリオール化合物としては、
例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリオキシテトラメチレングリコール、エチレン
グリコール・プロピレングリコール共重合体、エチレン
グリコール・オキシテトラメチレングリコール共重合体
等のポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトン等の
ポリエステルポリオールなどを用いることができるが、
特に、下記一般式(1)で示されるものが好ましい。 HO−〔(R1a−(Y)b−(R2cd−OH …(1)
【0034】上記式(1)中、R1及びR2は、同一又は
異種のアミノ基、ニトロ基、カルボニル基又はエーテル
基を含有していてもよい炭素数1〜10、好ましくは1
〜6の二価炭化水素基、特にアルキレン基を示し、例え
ばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレ
ン基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基など
が挙げられる。
【0035】Yは−COO−、−OCOO−、−NR3
CO−(R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
を示す)、−O−又はフェニレン基等のアリーレン基を
示す。a,b,cは0又は1〜10の整数、dは1以
上、好ましくは5以上、より好ましくは10〜200の
数を示す。
【0036】この場合、(B)成分のポリオール化合物
の数平均分子量は好ましくは400〜10,000、よ
り好ましくは1,000〜5,000の範囲である。
【0037】(C)成分のポリイソシアネート化合物と
しては、例えばトリレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジ
イソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳
香族ジイソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリレン
ジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネー
ト類などが挙げられる。
【0038】上記不飽和ポリウレタン化合物には、上記
(A)〜(C)成分以外にも、必要に応じて鎖延長剤を
配合することが好ましい。このような鎖延長剤として
は、通常熱可塑性ポリウレタン樹脂の合成に用いられて
いるものを用いることができる。例えばエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール;
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒドロキ
シエチル)テレフタレート、キシリレングリコール等の
芳香族ジオール又は脂環式ジオール;ヒドラジン、エチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ピ
ペラジン、ピペラジン誘導体、フェニレンジアミン、ト
リレンジアミン等のジアミン;アジピン酸ヒドラジド、
イソフタル酸ヒドラジド等のアミノアルコールなどが挙
げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組合わせ
て用いることができる。
【0039】なお、上記(B)成分のポリオール化合物
と(C)成分のポリイソシアネート化合物とを予め反応
させて得られるウレタンプレポリマーを用いることもで
きる。
【0040】上記成分の使用量は、(A)成分の不飽和
アルコール100重量部に対して(B)成分のポリオー
ル化合物を100〜20,000重量部、好ましくは
1,000〜10,000重量部、(C)成分のポリイ
ソシアネート化合物を80〜5,000重量部、好まし
くは300〜2,000重量部、更に必要に応じて
(D)成分の鎖伸長剤を5〜1,000重量部、好まし
くは10〜500重量部添加することが好ましい。
【0041】このようにして得られる上記不飽和ポリウ
レタン化合物としては、具体的には、以下に示す化合物
などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を
組合わせて用いることができる。 CH2=C(CH3)COO−C24O−CONH−C
64−CH264−NHCOO−〔(C24O)a(C
2CH(CH3)O)cd−CONH−C64−CH2
64−NHCOO−C24O−COC(CH3)=C
2 (但し、a=7、c=3、d=5〜7である) (A)成分:ヒドロキシエチルメタクリレート (B)成分:エチレンオキシド/プロピレンオキシドラ
ンダム共重合ジオール (上記一般式(1)において、a/c=7/3、数平均
分子量約3,000) (C)成分:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート CH2=C(CH3)COO−C24O−CONH−C
64−CH264−NHCOO−{〔(C24O)
a(CH2CH(CH3)O)cd−CONH−C6 4
CH264−NHCOO−C48O}e−CONH−C
64−CH264−NHCOO−C24O−COC
(CH3)=CH2 (但し、a=7、c=3、d=5〜7、e=2〜20で
ある) (A)成分:ヒドロキシエチルメタクリレート (B)成分:エチレンオキシド/プロピレンオキシドラ
ンダム共重合ジオール (上記一般式(1)において、a/c=7/3、数平均
分子量約3,000) (C)成分:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート (D)成分:1,4−ブタンジオール CH2=C(CH3)COO−C24O−CONH−C
67(CH33−CH2−NHCOO−〔(C24O)a
(CH2CH(CH3)O)cd−CONH−C67(C
33−CH2−NHCOO−C24O−COC(C
3)=CH2 (但し、a=7、c=3、d=5〜7である) (A)成分:ヒドロキシエチルメタクリレート (B)成分:エチレンオキシド/プロピレンオキシドラ
ンダム共重合ジオール (上記一般式(1)において、a/c=7/3、数平均
分子量約3,000) (C)成分:イソホロンジイソシアネート CH2=C(CH3)COO−C24O−CONH−C
64−CH264−NHCOO−CH2CH2O−(C
OC510O)f−CH2CH2O−CONH−C64−C
264−NHCOO−C24O−COC(CH3)=
CH2 (但し、f=20〜30である) (A)成分:ヒドロキシエチルメタクリレート (B)成分:ポリカプロラクトンジオール(数平均分子
量約3,000) (C)成分:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート
【0042】得られる不飽和ポリウレタン化合物の数平
均分子量は、好ましくは1,000〜50,000、よ
り好ましくは3,000〜30,000の範囲である。
数平均分子量が小さすぎると硬化ゲルの架橋点間分子量
が小さくなり、バインダーポリマーとしての可撓性が低
くなりすぎる場合がある。一方、大きすぎると硬化前の
電極組成物の粘度が大きくなり、均一な塗膜厚の電極作
成が困難になる場合がある。
【0043】なお、不飽和ポリウレタン化合物と共重合
可能なモノマーを併用してもよい。不飽和ポリウレタン
化合物と共重合可能なモノマーとしては、例えばアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類、N−ビニルピロリドン等
が挙げられる。アクリロニトリル、メタクリロニトリル
を併用した場合は、イオン導電性を妨げず、加えて電極
塗膜の強度を向上させることができるので好ましい。
【0044】次に、上記(II)の相互侵入網目構造又
は半相互侵入網目構造を有する高分子材料としては、互
いに相互侵入網目構造又は半相互侵入網目構造を形成す
ることが可能な2種以上の化合物(ポリマー、反応性モ
ノマー等)を用いることができる。
【0045】このような2種以上の化合物としては、
(イ)(a)ヒドロキシアルキル多糖類誘導体と(d)
架橋可能な官能基を有する化合物とを組み合せた高分子
マトリックス、(ロ)(b)ポリビニルアルコール誘導
体と(d)架橋可能な官能基を有する化合物とを組み合
せた高分子マトリックス、又は(ハ)(c)ポリグリシ
ドール誘導体と(d)架橋可能な官能基を有する化合物
とを組み合せた高分子マトリックスなどが挙げられる。
この場合、(d)成分の架橋可能な官能基を有する化合
物の一部若しくは全部として上記(I)の不飽和ポリウ
レタン化合物を用いることが物理強度向上などの点から
好ましい。
【0046】上記(イ)のバインダーポリマーを構成す
る(a)成分のヒドロキシアルキル多糖類誘導体として
は、セルロース、デンプンなどの天然に産出される多
糖類にエチレンオキシドを反応させることによって得ら
れるヒドロキシエチル多糖類、プロピレンオキシドを
反応させることによって得られるヒドロキシプロピル多
糖類、グリシドール又は3−クロロ−1,2−プロパ
ンジオールを反応させることによって得られるジヒドロ
キシプロピル多糖類などが挙げられ、これらヒドロキシ
アルキル多糖類の水酸基の一部又は全てがエステル結合
あるいはエーテル結合を介した置換基で封鎖されたもの
である。
【0047】上記多糖類としては、例えばセルロース、
デンプン、アミロース、アミロペクチン、プルラン、カ
ードラン、マンナン、グルコマンナン、アラビナン、キ
チン、キトサン、アルギン酸、カラゲナン、デキストラ
ンなどが挙げられ、用いる多糖類の分子量、分岐構造の
有無、多糖類の構成糖の種類、配列などの制約はない
が、入手のし易さなどの点から特にセルロースとプルラ
ンが好ましい。
【0048】また、ジヒドロキシプロピルセルロースの
合成方法は、米国特許第4096326号公報に記載さ
れている。また、その他のジヒドロキシプロピル多糖類
は公知の方法により合成可能である〔佐藤ら、Makr
omol.Chem.,193,647(1992),
又はMacromolecules 24,4691
(1991)〕。
【0049】上記ヒドロキシアルキル多糖類はモル置換
度が2以上のものである。モル置換度が2より小さい場
合、イオン導電性金属塩類を溶解する能力が低すぎて使
用することができない。モル置換度の上限は30、好ま
しくは20である。モル置換度が30より高いヒドロキ
シアルキル多糖類を工業的に合成することは、工業的製
造コストや合成操作の煩雑さから考えて困難な場合があ
る。また無理をして製造し、モル置換度を30より増大
させたとしても、モル置換度の増大による導電性の増加
はそれほど期待できないと考えられる。
【0050】(a)成分として上記ヒドロキシアルキル
多糖類の分子鎖の末端OH基の10%以上がハロゲン原
子、非置換又は置換一価炭化水素基、R4CO−基(R4
は非置換又は置換一価炭化水素基)、R4 3Si−基(R
4は上記と同じ)、アミノ基、アルキルアミノ基、H
(OR5m−基(R5は炭素数2〜5のアルキレン基、
mは1〜100の整数)及びリン原子を含む基から選ば
れる1種又は2種以上の一価の基によって封鎖されたヒ
ドロキシアルキル多糖類誘導体を用いる。
【0051】上記非置換又は置換の一価炭化水素基とし
ては、上記R1及びR2と同じものを用いることができ、
特に炭素数1〜10のものが好ましい。なお、置換基は
末端OH基に各種基を導入する公知の手法を用いて封鎖
を行うことができる。
【0052】次に、(ロ)のバインダーポリマーを構成す
る(b)成分のポリビニルアルコール誘導体は、オキシ
アルキレン鎖を持つポリビニルアルコール単位を有する
高分子化合物の水酸基(ポリビニルアルコール単位由来
の残存水酸基、及び導入されたオキシアルキレン含有基
由来の水酸基の合計)の一部又は全部が置換されたもの
である。
【0053】ここで、ポリビニルアルコール単位を有す
る高分子化合物は、分子中にポリビニルアルコール単位
を有する平均重合度20以上、好ましくは30以上、更
に好ましくは50以上の高分子化合物において、上記ポ
リビニルアルコール単位中の水酸基の一部又は全部がオ
キシアルキレン含有基によって置換されたものである。
なお、上記平均重合度の上限は2,000以下、特に2
00以下であることが好ましい。また、ここでの平均重
合度は数平均重合度である。重合度があまりに高い高分
子化合物は、粘度が高くなりすぎ、取り扱いが難しくな
るので、好ましい重合度の範囲は20〜500量体であ
る。
【0054】ここで、上記ポリビニルアルコール単位
は、ポリビニルアルコール誘導体の主鎖を構成し、下記
一般式(2)で示されるものである。
【0055】
【化1】
【0056】上記式(2)において、nは20以上、好
ましくは30以上、更に好ましくは50以上であり、ま
た、その上限は2,000以下、特に200以下である
ことが好ましい。
【0057】上記ポリビニルアルコール単位を有する高
分子化合物は、上記平均重合度範囲を満たし、かつ分子
中のポリビニルアルコール単位の分率が98モル%以上
のホモポリマーが好適であるが、特に制限されず、上記
平均重合度範囲を満たし、かつポリビニルアルコール分
率が好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モ
ル%以上のポリビニルアルコール単位を有する高分子化
合物、例えば、ポリビニルアルコールの水酸基の一部が
ホルマール化されたポリビニルホルマール、ポリビニル
アルコールの水酸基の一部がアルキル化された変性ポリ
ビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコー
ル)、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、その他の変性ポリビ
ニルアルコールなどを用いることができる。
【0058】この高分子化合物は、上記ポリビニルアル
コール単位中の水酸基の一部又は全部が平均モル置換度
0.3以上のオキシアルキレン含有基(なお、このオキ
シアルキレン基は、その水素原子の一部が水酸基によっ
て置換されていてもよい)で置換されているものであ
り、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モ
ル%以上置換されていることが好ましい。
【0059】なお、平均のモル置換度(MS)は、仕込
み質量と反応生成物の質量を正確に測定することで算出
できる。例えば、PVA10gをエチレンオキシドと反
応させ、得られたPVA誘導体の量が15gであった場
合を考える。PVAの単位は−(CH2CH(OH))
−であるから、単位分子量は44である。一方、反応生
成物であるPVA誘導体は、−(CH2CH(OH))
−の−OH基が−O−(CH2CH2O)n−H基になっ
たものであるから、その単位分子量は44+44nであ
る。従って、反応に伴う質量増加分は44nに相当する
ので、下記の通りとなる。
【0060】
【数1】
【0061】それ故、上記の例ではMS=0.5と計算
できる。なお、この値はあくまで平均のモル置換度を表
しているにすぎない。即ち、未反応のPVA単位の量や
反応によって導入されたオキシエチレン基の長さは特定
できない。
【0062】
【化2】
【0063】ここで、上記ポリビニルアルコール単位を
有する高分子化合物にオキシアルキレン含有基を導入す
る方法としては、ポリビニルアルコール単位を有する
高分子化合物にエチレンオキシド等のオキシラン化合物
を反応させる方法、又は、ポリビニルアルコール単位
を有する高分子化合物に水酸基との反応性を有する置換
基を末端に有するポリオキシアルキレン化合物を反応さ
せる方法が挙げられる。
【0064】上記の方法では、オキシラン化合物とし
てエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びグリシ
ドールから選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0065】この場合、エチレンオキシドを反応させれ
ば、下記式で示されるようにオキシエチレン鎖が導入さ
れる。
【0066】
【化3】 〔但し、g=1〜10、特に1〜5が好ましい。〕
【0067】また、プロピレンオキシドを反応させれ
ば、通常、下記式で示されるようにオキシプロピレン鎖
が導入される。
【0068】
【化4】 〔但し、h=1〜10、特に1〜5が好ましい。〕
【0069】更に、グリシドールを反応させれば、下記
式で示されるように2つの分岐鎖,が導入される。
PVAの水酸基とグリシドールの反応は、aアタックと
bアタックの2種が考えられる。1つのグリシドールが
反応すると、新しく2つの水酸基が生じ、その水酸基が
再びグリシドールと反応する。その結果、PVA単位の
水酸基上に下記,の2つの分岐鎖が導入される。
【0070】
【化5】
【0071】なお、x+yの値は1〜10が好ましく、
より好ましくは1〜5である。xとyの量比は特に規定
されないが、一般にはx:y=0.4:0.6〜0.
6:0.4の範囲に入る場合が多い。
【0072】ポリビニルアルコール単位を有する高分子
化合物と上記のオキシラン化合物との反応は、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、種々のアミン化合物などの
塩基性触媒を用いて行うことができる。
【0073】具体的には、ポリビニルアルコールとグリ
シドールとの反応を例にとって説明すると、反応容器内
に溶媒とポリビニルアルコールを仕込む。この場合、必
ずしもポリビニルアルコールが溶媒に溶解する必要はな
く、均一に溶けていても、或いはポリビニルアルコール
が溶媒に懸濁状態であっても構わない。この溶液に所定
量の塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウムの水溶液を添
加して暫く撹拌した後、溶媒で希釈したグリシドールを
添加する。所定温度で所定時間反応させた後、ポリビニ
ルアルコールを取り出す。ポリビニルアルコールが溶解
していない場合は、グラスフィルターなどを用いて濾別
する。また、溶解している場合は、アルコールなどを注
下して沈殿させ、その沈殿をグラスフィルターなどを用
いて濾別する。精製は、水に溶解して中和し、イオン交
換樹脂を通すか、透析を行い、凍結乾燥してジヒドロキ
シプロピル化ポリビニルアルコールを得ることができ
る。
【0074】なお、ポリビニルアルコールとオキシラン
化合物との反応比は、モル比で1:10〜1:30、好
ましくは1:10〜1:20の範囲である。
【0075】また、の水酸基との反応性を有する置換
基を末端に有するポリオキシアルキレン化合物は、下記
一般式(3)で示されるものを用いることができる。
【0076】
【化6】
【0077】式(3)中、Aは水酸基との反応性を有す
る一価置換基であり、例えばイソシアネート基、エポキ
シ基、カルボン酸基、カルボン酸塩化物基、エステル
基、アミド基、フッ素,臭素,塩素等のハロゲン原子、
ケイ素を含有する反応性置換基、及びその他の水酸基と
反応可能な一価置換基が挙げられ、これらの中でも反応
性の点からイソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸
塩化物基が好ましい。
【0078】なお、カルボン酸基は酸無水物であっても
よい。また、エステル基としては、メチルエステル基、
エチルエステル基が好ましい。ケイ素を含有する反応性
置換基としては、末端にSiH基、SiOH基等を有す
るものが挙げられる。
【0079】更に、上記イソシアネート基、エポキシ基
等の水酸基との反応性基は、直接R 7Oのオキシアルキ
レン基に結合していてもよく、酸素原子、硫黄原子、カ
ルボニル基、カルボニルオキシ基、NH基、N(C
3)基、N(C25)基等の窒素含有基、SO2基等が
介在してもよい、好ましくは炭素数1〜10、特に1〜
6のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基など
を介してR7Oのオキシアルキレン基に結合してもよ
い。
【0080】例えば、このような置換基Aを持つポリオ
キシアルキレン基として、ポリオキシアルキレン基の末
端水酸基にポリイソシアネート化合物を反応させた物質
も使用できる。この場合、イソシアネート基を有する化
合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ビフェニレン
ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートなどの分子中
に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が使用で
きる。例えば、下記反応で得られるような化合物が使用
できる。
【0081】
【化7】
【0082】R7Oは炭素数2〜5のオキシアルキレン
基、例えば−CH2CH2O−、−CH2CH2CH2
−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(CH2
3)O−、−CH2CH2CH2CH2O−などが挙げら
れる。mはオキシアルキレン基の付加モル数を示し、こ
の付加モル数(o)は好ましくは1〜100、より好ま
しくは1〜50である。
【0083】この場合、上記式(R7O)oで示されるポ
リオキシアルキレン鎖としては、特にポリエチレングリ
コール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、又はポリエチ
レンオキシド(EO)/ポリプロピレンオキシド(P
O)共重合体鎖が好ましい。これらポリオキシアルキレ
ン鎖の重量平均分子量は好ましくは100〜3,00
0、より好ましくは室温で液体状態になる分子領域であ
る重量平均分子量200〜1,000の範囲のものが好
ましい。
【0084】R6は片末端封鎖基であり、水素原子又は
炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基、又
はR6CO−基(R6は炭素数1〜10の非置換又は置換
一価炭化水素基)を示す。R6CO−基としては、例え
ばR6は炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素
基が挙げられ、好ましくはR6はシアノ基で置換されて
いてもよいアルキル基又はフェニル基であり、アシル
基、ベンゾイル基、シアノベンゾイル基などが好まし
い。
【0085】上記炭素数1〜10の非置換又は置換の一
価炭化水素基としては、上記R1及びR2と同じものを用
いることができ、特に炭素数1〜8のものが好ましい。
【0086】上記ポリビニルアルコール単位を有する高
分子化合物と上記水酸基との反応性を有する置換基を末
端に有するポリオキシアルキレン化合物との反応は、上
記オキシラン化合物の場合と同様に行うことができる。
【0087】なお、ポリビニルアルコールと水酸基との
反応性を有する置換基を末端に有するポリオキシアルキ
レン化合物との反応比は、モル比で好ましくは1:1〜
1:20、より好ましくは1:1〜1:10である。
【0088】ポリビニルアルコール単位にオキシアルキ
レン含有基を導入した高分子化合物の構造は、13C−N
MRにより確認することができる。
【0089】この場合、オキシアルキレン鎖を持つポリ
ビニルアルコール単位を有する高分子化合物が、どれだ
けのオキシアルキレン基を有しているかという分析は、
NMRや元素分析など種々の方法で測定可能であるが、
仕込みポリマーと反応により生成したポリマーの質量増
加から求める方法が簡便である。例えば、収量から求め
る方法は、ポリビニルアルコール単位を有する高分子化
合物の仕込み量と反応により得られたオキシアルキレン
基を持つポリビニルアルコール単位を有する高分子化合
物の質量を正確に測定し、その差から導入されたオキシ
アルキレン鎖の量(平均モル置換度)を上述したように
して求めることができる。
【0090】この平均モル置換度(MS)は、ビニルア
ルコール単位当たり何モルのオキシアルキレン基が導入
されているかを示す指標であり、高分子化合物におい
て、平均モル置換度は0.3以上であることが必要であ
り、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以
上、更に好ましくは1.0以上であることが好ましい。
この場合、平均モル置換度の上限値は特に制限されない
が、高くても20以下であることが好ましい。平均モル
置換度が小さすぎるとイオン導電性塩が溶解せず、イオ
ンの移動度も低く、イオン導電性が低い値となってしま
うおそれがあり、一方、ある程度以上高くなればイオン
導電性塩の溶解性や移動度は変わらなくなるので、大き
すぎても無駄になる。
【0091】上記オキシアルキレン鎖を持つポリビニル
アルコール単位を有する高分子化合物は、その平均重合
度の大小により、室温(20℃)で粘度の高い水飴状液
体からゴム状の固体状態まで見かけ形状が変化し、平均
重合度の大きなものほど、室温(20℃)で流動性の低
い、いわば固体(軟性ペースト固体)と呼べるものとな
る。
【0092】また、上記高分子化合物は、平均重合度の
大小に拘わらず、直鎖状ポリマーではなく、高度に分岐
した分子鎖の絡み合いによるアモルファス(無定形)ポ
リマーである。
【0093】上記ポリビニルアルコール誘導体は、その
分子中の水酸基(ポリビニルアルコール単位由来の残存
水酸基、及び導入されたオキシアルキレン含有基由来の
水酸基の合計)の一部又は全部、好ましくは10モル%
以上をハロゲン原子、炭素数1〜10の非置換又は置換
一価炭化水素基、R4CO−基(R4は炭素数1〜10の
非置換又は置換一価炭化水素基)、R4 3Si−基(R4
は上記と同じ)、アミノ基、アルキルアミノ基及びリン
原子を有する基から選ばれる1種又は2種以上の一価の
置換基により封鎖されたものである。
【0094】上記炭素数1〜10の非置換又は置換の一
価炭化水素基としては、上記R1及びR2と同じものを用
いることができ、特に炭素数1〜8のものが好ましい。
【0095】なお、置換基は末端OH基に各種基を導入
する公知の手法を用いて導入することができる。
【0096】次に、上記(ハ)の高分子マトリックスを
構成する(c)成分のポリグリシドール誘導体は、下記
式(4)で示される単位(以下、A単位という)と、下
記式(5)で示される単位(以下、B単位という)とを
有し、分子鎖の各末端が所定の置換基により封鎖された
ものである。
【0097】
【化8】
【0098】ここで、上記ポリグリシドールは、グリシ
ドール又は3−クロロ−1,2−プロパンジオールを重
合させることにより得ることができるが、一般的には、
グリシドールを原料として用いて重合を行うことが推奨
される。
【0099】上記重合反応としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、種々のアミン化合物などの塩基性
触媒を用いて行う方法と、ルイス酸触媒を用いて行う
方法とが知られている(Andrzej Dworak
et al.,Macromol.Chem.Phy
s.196,1963−1970(1995)、R.T
oker.,Macromolecules 27,3
20−322(1994)参照)。
【0100】上記ポリグリシドールは、分子中にA,B
二つの単位を両者合わせて2個以上、好ましくは6個以
上、より好ましくは10個以上存在することが好まし
い。この場合、上限は特に制限されないが、10,00
0個以下であることが好ましい。ポリグリシドールに液
体としての流動性が要求される場合にはA,B単位の合
計が少ない方が好ましく、一方、高い粘性が要求される
場合にはA,B単位の合計が多い方が好ましい。
【0101】これらA,B単位の出現には規則性はな
く、ランダムであり、例えば−A−A−A−、−A−A
−B−、−A−B−A−、−B−A−A−、−A−B−
B−、−B−A−B−、−B−B−A−、−B−B−B
−などの如何なる組み合わせも可能である。
【0102】ポリグリシドールとしては、ゲル濾過クロ
マトグラフィー(GPC)を用いたポリエチレングリコ
ール換算の重量平均分子量(Mw)が好ましくは200
〜730,000、より好ましくは200〜100,0
00、更に好ましくは600〜20,000である。こ
の場合、重量平均分子量が2,000程度までのポリグ
リシドールは、室温で流動する高粘度液体であるが、重
量平均分子量が3,000を超えるポリグリシドールは
室温で軟性ペースト状の固体である。また、平均分子量
比(Mw/Mn)が1.1〜20、より好ましくは1.
1〜10であることが好ましい。
【0103】上記ポリグリシドールは、その分子量の大
小により室温(20℃)で粘度の高い水飴状液体からゴ
ム状の固体状態まで見かけ形状が変化し、分子量の大き
なものほど、室温(20℃)で流動性の低い、いわば固
体(軟性ペースト固体)と呼べるものとなる。
【0104】また、ポリグリシドールは分子量の大小に
拘わらず、直鎖状ポリマーではなく、高度に分岐した分
子鎖の絡み合いによるアモルファス(無定形)ポリマー
である。これは、広角エックス線回折の結果から結晶の
存在を示唆するピークは見られないことから認められ
る。
【0105】また、分子中のA単位とB単位の比率は、
モル比でA:B=1/9〜9/1、好ましくは3/7〜
7/3である。
【0106】本発明のバインダーポリマーとしては、
(c)成分として上記ポリグリシドールの分子鎖の末端
OH基の10%以上がハロゲン原子、非置換又は置換一
価炭化水素基、R4CO−基(R4は非置換又は置換一価
炭化水素基)、R4 3Si−基(R4は上記と同じ)、ア
ミノ基、アルキルアミノ基、H(OR5m−基(R5
炭素数2〜5のアルキレン基、mは1〜100の整数)
及びリン原子を含む基から選ばれる1種又は2種以上の
一価の基によって封鎖されたポリグリシドール誘導体を
用いる。
【0107】上記炭素数1〜10の非置換又は置換の一
価炭化水素基としては、上記R1及びR2と同じものを用
いることができ、特に炭素数1〜8のものが好ましい。
【0108】なお、置換基は末端OH基に各種基を導入
する公知の手法を用いて封鎖を行うことができる。
【0109】次に、上記(d)成分の架橋可能な官能基
を有する化合物としては、分子中にエポキシ基を有す
る化合物と該エポキシ基と反応可能な2つ以上の活性水
素基を有する化合物、分子中にイソシアネート基を有
する化合物とこのイソシアネート基と反応可能な2つ以
上の活性水素基を有する化合物、分子中に反応性二重
結合を2つ以上有する化合物を用いることができる。
【0110】分子中にエポキシ基を有する化合物とし
ては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、
ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロール
ポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグ
リシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエー
テル、トリグリシジル・トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエ
ーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル、
レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、エチレン・プロピレングリコール共重合体の
ジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコール
ジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテ
ルなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物
が挙げられる。
【0111】上記エポキシ基を有する化合物に、2つ以
上の活性水素基を有する化合物、例えばアミン化合物、
アルコール化合物、カルボン酸化合物、フェノール化合
物を反応させて、三次元網目構造を形成することができ
る。これらを例示すると、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピ
レングリコール共重合体等の高分子ポリオール、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3
−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−ビス(βヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
p−キシリレンジオール、フェニルジエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン、ポリエチレンイミン、
その他の多官能アミン、多官能カルボン酸などが挙げら
れる。
【0112】分子中にイソシアネート基を有する化合
物としては、例えばトリレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネート、ビフェニレンジイ
ソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートなどの分子中に2
個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられ
る。
【0113】また、上記イソシアネート化合物と多価ポ
リオール化合物を反応させたイソシアネート末端のポリ
オール化合物も使用できる。これらはジフェニルメタン
ジイソシアネートやトリレンジイソシアネートなどのイ
ソシアネート化合物と以下に挙げるポリオール化合物を
反応させることにより得ることができる。
【0114】この場合、イソシアネート化合物の〔NC
O〕と、ポリオール化合物の〔OH〕の化学量論比は
〔NCO〕>〔OH〕であり、具体的には〔NCO〕:
〔OH〕=1.03/1〜10/1の範囲、好ましくは
1.10/1〜5/1の範囲である。
【0115】ポリオール化合物としては、例えばポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレ
ングリコール・プロピレングリコール共重合体等の高分
子ポリオール、エチレングリコール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、1,4−ビス−(β−ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼン、p−キシリレンジオール、フェニ
ルジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、
3,9−ビス−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル)
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕−
ウンデカンなどが挙げられる。
【0116】また、ポリオール化合物の代わりに、2つ
以上の活性水素基を有するアミン化合物をイソシアネー
ト化合物と反応させてもよい。アミン化合物としては、
1級,2級のアミノ基を有するものを使用することがで
きるが、1級アミノ基を有する化合物がより好ましい。
例えばエチレンジアミン、1,6−ジアミノヘキサン、
1,4−ジアミノブタン、ピペラジン等のジアミン類、
ポリエチレンアミン等のポリアミン類、N−メチルジエ
タノールアミン、アミノエタノール等のアミノアルコー
ルなどが挙げられ、これらの中でもより好ましいものは
官能基の反応性が等しいジアミン類である。この場合も
イソシアネート化合物の〔NCO〕と、アミン化合物の
〔NH2〕,〔NH〕の化学量論比は〔NCO〕>〔N
2〕+〔NH〕である。
【0117】これらイソシアネート基を有する化合物の
みでは、三次元網目構造を形成することができない。三
次元網目構造を形成するためには、これらの化合物に2
つ以上の活性水素基を有する化合物、例えばアミン化合
物、アルコール化合物、カルボン酸化合物、フェノール
化合物を反応させることにより、三次元網目構造を形成
することができる。このような2つ以上の活性水素基を
有する化合物としては、例えばポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・
プロピレングリコール共重合体等の高分子ポリオール、
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン、p−キシリレンジオール、フェニルジエタノール
アミン、メチルジエタノールアミン、ポリエチレンイミ
ン、その他の多官能アミン、多官能カルボン酸などが挙
げられる。
【0118】また、反応性二重結合を有する化合物と
しては、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、メタク
リル酸アリル、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジ
メタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸ト
リエチレングリコール、ジメタクリル酸ポリエチレング
リコール(重量平均分子量200〜1,000)、ジメ
タクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル
酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸ネオペン
チルグリコール、ジメタクリル酸ポリプロピレングリコ
ール(重量平均分子量400)、2−ヒドロキシ−1,
3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス−[4−
(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,
2−ビス−[4−(メタクリロキシエトキシ・ジエトキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス−[4−(メタ
クリロキシエトキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパ
ン、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸ジ
エチレングリコール、ジアクリル酸トリエチレングリコ
ール、ジアクリル酸ポリエチレングリコール(重量平均
分子量200〜1,000)、ジアクリル酸1,3−ブ
チレングリコール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオ
ール、ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、ジアクリ
ル酸ポリプロピレングリコール(重量平均分子量40
0)、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパ
ン、2,2−ビス−[4−(アクリロキシエトキシ)フ
ェニル]プロパン、2,2−ビス−[4−(アクリロキ
シエトキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス−[4−(アクリロキシエトキシ・ポリエトキ
シ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート、トリシクロデ
カンジメタノールアクリレート、水素添加ジシクロペン
タジエンジアクリレート、ポリエステルジアクリレー
ト、ポリエステルジメタクリレート、上記(I)の不飽
和ポリウレタン化合物等の分子中に反応性二重結合を2
つ以上有する化合物が挙げられる。
【0119】また必要に応じて、例えばグリシジルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート、メタクリル酸テ
トラヒドロフルフリル等のアクリル酸又はメタクリル酸
エステル、メタクリロイルイソシアネート、2−ヒドロ
キシメチルメタクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリル酸等の分子中にアクリル酸基又はメタクリ
ル酸基を1つ有する化合物を添加することができる。更
に、N−メチロールアクリルアミド、メチレンビスアク
リルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等のアクリル
アミド化合物、ビニルオキサゾリン類、炭酸ビニレン等
のビニル化合物など、又はその他の反応性の二重結合を
有する化合物を添加することもできる。
【0120】この場合にも、三次元網目構造を形成する
ためには、分子中に反応性二重結合を2つ以上有する化
合物を必ず添加する必要がある。即ち、メタクリル酸メ
チルのような反応性二重結合を1つしか持たない化合物
だけでは三次元網目構造を形成することはできないの
で、一部に少なくとも反応性二重結合を2つ以上有する
化合物を必ず添加する必要がある。
【0121】上記反応性二重結合を含有する化合物の中
でも特に好ましい反応性モノマーとしては、上記(I)
の不飽和ポリウレタン化合物、又は下記一般式(6)で
示されるポリオキシアルキレン成分を含有するジエステ
ル化合物が挙げられ、これらと下記一般式(7)で示さ
れるポリオキシアルキレン成分を含有するモノエステル
化合物とを組み合わせて用いることが推奨される。
【0122】
【化9】 (但し、式中、R8、R9、R10は水素原子、又はメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基
等の炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基を示し、X
≧1かつY≧0の条件を満足するものか、又はX≧0か
つY≧1の条件を満足するものであり、X+Yは100
以下、特に1〜30であることが好ましい。特にR8
9、R10はメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチ
ル基、t−ブチル基が好ましい。)
【0123】
【化10】 (但し、式中、R11、R12、R13は水素原子、又はメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基等の炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基を示し、
A≧1かつB≧0の条件を満足するものか、又はA≧0
かつB≧1の条件を満足するものであり、A+Bは10
0以下、特に1〜30であることが好ましい。特に
11、R12、R 13はメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基が好ましい。)
【0124】上記(I)の不飽和ポリウレタン化合物、
又はポリオキシアルキレン成分を含有するジエステル化
合物とポリオキシアルキレン成分を含有するモノエステ
ル化合物は、電極組成物中で加熱又は電子線、マイクロ
波、高周波などを照射することによって、或いは混合物
を加熱することにより三次元網目構造を形成することが
できる。
【0125】この場合、一般には上記(I)の不飽和ポ
リウレタン化合物又はポリオキシアルキレン成分を含有
するジエステル化合物は、これのみを反応させて三次元
網目構造を形成することができるが、上述したように、
不飽和ポリウレタン化合物又はポリオキシアルキレン成
分を含有するジエステル化合物に、更に一官能性モノマ
ーであるポリオキシアルキレン成分を含有するモノエス
テル化合物を添加することが好ましい。これは、このモ
ノエステル化合物の添加によって三次元網目上にポリオ
キシアルキレン分岐鎖を導入することができるためであ
る。
【0126】なお、不飽和ポリウレタン化合物又はポリ
オキシアルキレン成分を含有するジエステル化合物とポ
リオキシアルキレン成分を含有するモノエステル化合物
の組成比は、特に限定されないが、重量比で〔不飽和ポ
リウレタン化合物又はポリオキシアルキレン成分を含有
するジエステル化合物/ポリオキシアルキレン成分を含
有するモノエステル化合物〕=0.2〜10、特に0.
5〜5の範囲が電極塗膜強度向上の点から好ましい。
【0127】これら(a)〜(c),(d)成分を含む
バインダーポリマーを、加熱、又は電子線、マイクロ
波、高周波などを照射することによって、(d)成分の
架橋可能な官能基を有する化合物を反応(重合)させて
得られるポリマーの三次元網目構造に、上記(a)〜
(c)成分のポリマーの分子鎖が相互に絡みついた半相
互侵入高分子網目構造を形成するものである。
【0128】次に、上記(III)のバインダーポリマ
ーとしては、下記一般式(8)で表わされる単位を含む
熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0129】
【化11】 (式中、rは3〜5、sは5以上の整数を示す。)
【0130】このような熱可塑性樹脂としては、(E)
ポリオール化合物と、(F)ポリイソシアネート化合物
と、(G)鎖伸長剤とを反応させてなる熱可塑性ポリウ
レタン系樹脂を用いることが好ましい。なお、熱可塑性
ポリウレタン系樹脂には、ウレタン結合を有するポリウ
レタン樹脂以外にも、ウレタン結合とウレア結合を有す
るポリウレタンウレア樹脂も含まれる。
【0131】上記(E)成分のポリオール化合物として
は、下記(i)〜(vi)の化合物の脱水反応又は脱ア
ルコール反応によって得られるものが好ましく、特にポ
リエステルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリカーボネートポリオール、ポ
リカプロラクトンポリオール、又はこれらの混合物を用
いることが好ましい。 (i)一種以上の環状エステル(ラクトン)の開環重合
で得られるポリエステルポリオール (ii)(a)上記環状エステル(ラクトン)の開環重
合で得られるポリエステルポリオールとカルボン酸と、
(b)二価の脂肪族アルコール、カーボネート化合物、
ポリカーボネートポリオール及びポリエーテルポリオー
ルとから選ばれる各々1種以上を反応させることにより
得られるポリエステルポリオール (iii)一種以上のカルボン酸と一種以上の二価脂肪
族アルコールとの反応で得られるポリエステルポリオー
ル (iv)一種以上のカルボン酸と一種以上のポリカーボ
ネートポリオールとの反応で得られるポリエステルポリ
カーボネートポリオール (v)一種以上のカルボン酸と一種以上のポリエーテル
ポリオールとの反応で得られるポリエステルポリエーテ
ルポリオール (vi)一種以上のカルボン酸と二価の脂肪族アルコー
ル、ポリカーボネートポリオール及びポリエーテルポリ
オールから選ばれる2種以上との反応で得られるポリエ
ステルポリオール
【0132】この場合、環状エステル(ラクトン)とし
ては、例えばγ−ブチロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
【0133】カルボン酸としては、例えばグルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの炭素数5〜1
4の直鎖状脂肪族ジカルボン酸;2−メチルコハク酸、
2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メ
チルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−
ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸等の
炭素数5〜14の分岐鎖状脂肪族ジカルボン酸;テレフ
タル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカ
ルボン酸;又はこれらのエステル形成性誘導体などが挙
げられ、これら1種を単独で又は2種以上を組合わせて
用いることができる。これらの中でも、炭素数5〜14
の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族ジカルボン酸が好まし
く、特にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸を用い
ることが好ましい。
【0134】二価の脂肪族アルコールとしては、例えば
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、
1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、
1,10−デカンジオール等の炭素数2〜14の直鎖状
脂肪族ジオール;2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオー
ル等の炭素数3〜14の分岐鎖状脂肪族ジオール;シク
ロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等の
脂環式ジオールなどが挙げられ、これらの1種を単独で
又は2種以上を組合わせて用いることができる。中で
も、炭素数4〜10の分岐又は鎖状の脂肪族ジオールが
好ましく、特に3−メチル−1,5−ペンタンジオール
が好ましい。
【0135】カーボネート化合物としては、例えばジア
ルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、ジアリ
ールカーボネートなどが挙げられる。ジアルキルカーボ
ネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネートなどが挙げられる。アルキレンカーボネ
ートとしては、例えばエチレンカーボネートなどが挙げ
られる。ジアリールカーボネートとしては、例えばジフ
ェニルカーボネート等が挙げられる。
【0136】ポリカーボネートポリオールとしては、多
価アルコールと前記カーボネート化合物から選ばれる1
種以上のカーボネート化合物との脱アルコール反応など
で得られるものが挙げられる。多価アルコールとして
は、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジ
オール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジ
オール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げ
られる。
【0137】ポリエーテルポリオールとしては、例えば
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
EO/PO共重合体、ポリオキシテトラメチレングリコ
ールなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以
上を組合わせて用いることができる。
【0138】このような(E)成分のポリオール化合物
の数平均分子量は1,000〜5,000であることが
好ましく、より好ましくは1,500〜3,000であ
る。ポリオール化合物の数平均分子量が小さすぎると得
られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂フィルムの耐熱性、
引張り伸び率などの物理特性が低下してしまう場合があ
る。一方、大きすぎると合成時の粘度が上昇し、得られ
る熱可塑性ポリウレタン系樹脂の製造安定性が低下する
場合がある。なお、ここでいうポリオール化合物の数平
均分子量は、いずれもJIS K1577に準拠して測
定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量を意味
する。
【0139】上記(F)成分のポリイソシアネート化合
物としては、例えばトリレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシア
ネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等
の芳香族ジイソシアネート類;ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添化キシリ
レンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシア
ネート類などが挙げられる。
【0140】上記(G)成分の鎖伸長剤としては、イソ
シアネート基と反応性の活性水素原子を分子中に2個有
し、かつ分子量が300以下である低分子量化合物を用
いることが好ましい。
【0141】このような低分子量化合物としては、例え
ばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8
−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪
族ジオール;1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β
−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリ
コール等の芳香族ジオール又は脂環式ジオール;ヒドラ
ジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジ
アミン、ピペラジン、ピペラジン誘導体、フェニレンジ
アミン、トリレンジアミン等のジアミン;アジピン酸ヒ
ドラジド、イソフタル酸ヒドラジド等のアミノアルコー
ルなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上
を組合わせて用いることができる。
【0142】熱可塑性ポリウレタン系樹脂においては、
(E)成分のポリオール化合物100重量部に対して
(F)成分のポリイソシアネート化合物を5〜200重
量部、好ましくは20〜100重量部添加し、(G)成
分の鎖伸長剤を1〜200重量部、好ましくは5〜10
0重量部添加することが好ましい。
【0143】また、熱可塑性樹脂は、下記式から求めた
膨潤率が150〜800重量%の範囲であり、好ましく
は250〜500重量%、より好ましくは250〜40
0重量%である。
【0144】
【数2】
【0145】次に、上記(IV)のバインダーポリマー
であるフッ素系高分子材料としては、例えばポリフッ化
ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフ
ルオロプロピレン(HFP)共重合体〔P(VDF−H
FP)〕、フッ化ビニリデン−塩化3フッ化エチレン
(CTFE)共重合体〔P(VDF−CTFE)〕、フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム
〔P(VDF−HFP)〕、フッ化ビニリデン−テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴ
ム〔P(VDF−TFE−HFP)〕、フッ化ビニリデ
ン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテルフッ素ゴム等が挙げられる。フッ化ビニリ
デン系ポリマーとしては、フッ化ビニリデンが50重量
%以上、特に70重量%以上(上限値は97重量%程度
である)であるものが好ましい。これらの中でも、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデンとヘ
キサフルオロプロピレンとの共重合体〔P(VDF−H
FP)〕、フッ化ビニリデンと塩化3フッ化エチレンと
の共重合体〔P(VDF−CTFE)〕が好ましい。
【0146】この場合、フッ素系ポリマーの重量平均分
子量は、500,000以上、好ましくは500,00
0〜2,000,000、より好ましくは500,00
0〜1,500,000である。重量平均分子量が小さ
すぎると物理的強度が著しく低下する場合がある。
【0147】以上のようにして得られる分極性電極組成
物を集電体上に塗布することにより、本発明に係る蓄電
デバイスに用いられる電極が得られる。
【0148】本発明に係る蓄電デバイスは、上記のよう
にして得られる一対の分極性電極間にセパレータを介在
させ、電解質を充填してなるものである。電解質は一般
に液体の電解質を用いる場合が多いが、液もれ防止の為
に液体電解質にポリマー、あるいは反応性の化合物を添
加したポリマーゲル電解質を用いる事も出来る。
【0149】ここで、電解質溶液は、非水電解質溶液で
あることが好ましく、そのイオン導電性塩としては、通
常、リチウムイオン二次電池に用いられるイオン導電性
塩を用いることができるが、Li+のカチオンと、BF4
-、N(CF3SO22 -、CF3SO3 -、ClO4 -、PF
6 -等のアニオンとを組み合わせた塩を用いることが好ま
しい。具体的には、LiClO4、LiBF4、LiPF
6、LiN(CF3SO22、LiCF3SO3等が挙げら
れ、これらを1種単独で又は2種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0150】上記イオン導電性塩を溶解することができ
る溶媒としては、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキ
シエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、メチルジ
グライム、メチルトリグライム、メチルテトラグライ
ム、エチルグライム、エチルジグライム、ブチルジグラ
イム等、グリコールエーテル類(エチルセルソルブ、エ
チルカルビトール、ブチルセルソルブ、ブチルカルビト
ール等)などの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラ
ン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン等の複素環
式エーテル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクト
ン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサ
ゾリジン−2−オン、3−エチル−1,3−オキサゾリ
ジン−2−オン等のブチロラクトン類、その他電気化学
素子に一般に使用される溶剤であるアミド溶剤(N−メ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等)、
カーボネート溶剤(ジエチルカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、スチレンカーボネ
ート等)、イミダゾリジノン溶剤(1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン等)などが挙げられ、これらの溶
媒の中から1種を単独で又は2種以上を混合して用いる
こともできる。
【0151】この場合、電解質の溶媒中のイオン導電性
塩の濃度は0.5〜3.0mol/L、好ましくは0.
7〜2.2mol/Lである。
【0152】セパレータとしては、通常電気二重層キャ
パシタ用のセパレータ基材として用いられているものを
使用することができる。例えばポリエチレン不織布、ポ
リプロピレン不織布、ポリエステル不織布、PTFE多
孔体フィルム、クラフト紙、レーヨン繊維・サイザル麻
繊維混抄シート、マニラ麻シート、ガラス繊維シート、
セルロース系電解紙、レーヨン繊維からなる抄紙、セル
ロースとガラス繊維の混抄紙、又はこれらを組み合せて
複数層に構成したものなどを使用することができる。
【0153】なお、セパレータとして、上記電気二重層
キャパシタ用分極性電極に用いたポリマーバインダーを
フィルム状に形成したものを用いることができる。これ
により、電極用ポリマーバインダーと組成が共通し、電
極−セパレータ間の界面を一体化制御できるので、更に
内部抵抗を下げることができるものである。
【0154】本発明の蓄電デバイスは、高エネルギー密
度とするために、使用最高電圧が3.5〜5V、特に、
4〜5Vであることが好ましい。
【0155】以上説明した本発明の蓄電デバイスは、パ
ソコンや携帯端末等のメモリのバックアップ電源用途を
はじめとして、パソコン等の瞬時停電対策用電源、電気
自動車又はハイブリッド自動車への応用、太陽電池と併
用したソーラー発電エネルギー貯蔵システム、電池と組
み合わせたロードレベリング電源等の様々な用途に好適
に用いることができるものである。
【0156】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。
【0157】[実施例1、比較例1〜4]正極の作成 活性炭(MSP−20、関西熱化学(株)製)35g、
導電材(HS−100、電気化学工業(株)製)、1.
92gを混合容器に投入し、自転公転ミキサー(マゼル
スターKK−102N、クラボウ製)を用い、公転、自
転共に約1,000rpmで5分間の乾式混合を3回行
い、正極活物質混合粉体を得た。
【0158】この正極活物質混合粉体と、PVDF(平
均分子量約534,000(GPC)、アルドリッチ社
製)を10重量%溶解させたN−メチル−2−ピロリド
ン(以下、NMPと示す。また、PVDFがNMPに溶
解した溶液をPVDF−NMP溶液と示す。)21.1
g、NMP86.16gを混合容器に投入し、自転公転
ミキサー(マゼルスターKK−102N、クラボウ製)
を用い、公転、自転共に約1,000rpmで5分間、
及び公転約1,000rpm、自転270rpmを1分
間の湿式混合と脱泡を3セット行い、ペースト状の正極
用バインダー組成物を得た。得られた組成物を、表1に
示す各種材料の集電体上に、ドクターブレードにて塗布
し、80℃で2時間乾燥、硬化させた後、ロールプレス
して厚さ200μmの正極を得た。
【0159】負極の作成 人造黒鉛34.35g、PVDF−NMP溶液46.9
g、NMP63.36gを混合溶液に投入し、自転公転
ミキサー(マゼルスターKK−102N、クラボウ製)
を用いて公転、自転共に約1,000rpmで5分間、
および公転約1,000rpm、自転270rpmで1
分間の湿式混合と脱泡を3セット行い、ペースト状の負
極用バインダー組成物を得た。得られた組成物を表1に
示す各種材料の集電体上に、ドクターブレードにより塗
布し、80℃で2時間乾燥、硬化させた後、ロールプレ
スして厚さ50μmの負極を得た。
【0160】二次電池の作成 上記で作成した正極、負極用電極を直径1.2cmの円
盤状に打ち抜き、紙セパレータを使用して二次電池を作
成した。ここで、電解液は、1Mの過塩素酸リチウムを
溶解させた炭酸エチレン/炭酸ジエチレン=1/1(容
量比)を使用した。なお、セルの組立は−70℃のアル
ゴンガス雰囲気下で行った。
【0161】
【表1】
【0162】得られた二次電池について、充電電圧を
4.3V、充放電電流密度を1.6mA/cm2、放電
終了電圧を3Vとして充放電を100回繰り返し、エネ
ルギー密度を求めた。ここで、内部抵抗は、放電開始時
から放電終了時間における25%時の近似曲線のy切片
と充電電圧との電圧差を放電電流で除して求めた。ま
た、レート特性は、放電電流を上記放電電流の10倍に
設定して測定を行った。
【0163】
【表2】
【0164】表2において、エネルギー密度および内部
抵抗の値は、100サイクル目の値を用いた。また、レ
ートは、16mA/cm2で放電した場合の放電エネル
ギー密度を、1.6mA/cm2で放電した場合の放電
エネルギー密度で除して100を乗じた値を%で示し
た。
【0165】表2に示されるように、正極集電体として
酸化アルミニウム、負極集電体として銅箔を用いた場
合、他の集電体を使用した時に比較してエネルギー密
度、レート特性が向上し、内部抵抗が低下していること
がわかる。特に、正負極に酸化アルミニウムを使用した
比較例1と比べると、エネルギー密度で348%向上
し、内部抵抗は29%減少していることがわかる。
【0166】
【発明の効果】本発明によれば、正極を構成する正極集
電体としてアルミニウム箔又は酸化アルミニウム箔を用
い、前記負極を構成する負極集電体として銅箔又は表面
が銅めっき膜にて被覆された金属箔を用いているから、
内部抵抗が小さい上、エネルギー密度、レート特性が向
上した蓄電デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】正極集電体に銅箔、負極集電体に酸化アルミニ
ウム箔を使用した二次電池の充電時の電圧変化を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 4/58 H01G 9/00 301F 4/66 301D (72)発明者 吉田 浩 千葉県千葉市緑区大野台1−2−3 日清 紡績株式会社研究開発センター内 (72)発明者 三橋 秀渡 千葉県千葉市緑区大野台1−2−3 日清 紡績株式会社研究開発センター内 (72)発明者 皆見 重徳 千葉県千葉市緑区大野台1−2−3 日清 紡績株式会社研究開発センター内 Fターム(参考) 5H017 AA03 AS02 BB00 CC01 EE01 EE05 HH10 5H029 AJ02 AJ03 AJ06 AK08 AL06 AL07 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ24 DJ07 EJ01 EJ05 EJ12 HJ18 5H050 AA02 AA07 AA08 BA17 CA16 CB07 CB08 DA04 DA07 DA08 EA23 GA24 HA18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭を電極活物質とする正極と、リチ
    ウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料を電極活物質と
    する負極と、リチウムイオンを含む電解液とを備えて構
    成される蓄電デバイスであって、 前記正極を構成する正極集電体としてアルミニウム箔又
    は酸化アルミニウム箔を用い、前記負極を構成する負極
    集電体として銅箔又は表面が銅めっき膜にて被覆された
    金属箔を用いることを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 【請求項2】 前記活性炭の原料がフェノール、石油コ
    ークス又はヤシ殻であることを特徴とする請求項1記載
    の蓄電デバイス。
  3. 【請求項3】 使用最高電圧が、3.5〜5Vであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の蓄電デバイス。
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