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JP2002303645A - 周波数計測装置、周波数計測方法およびレーダ装置 - Google Patents

周波数計測装置、周波数計測方法およびレーダ装置

Info

Publication number
JP2002303645A
JP2002303645A JP2001151605A JP2001151605A JP2002303645A JP 2002303645 A JP2002303645 A JP 2002303645A JP 2001151605 A JP2001151605 A JP 2001151605A JP 2001151605 A JP2001151605 A JP 2001151605A JP 2002303645 A JP2002303645 A JP 2002303645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
clutter
autoregressive model
solution
predetermined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001151605A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Sekiguchi
高志 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2001151605A priority Critical patent/JP2002303645A/ja
Publication of JP2002303645A publication Critical patent/JP2002303645A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観測できる信号サンプル数が多くない場合、
周波数に関する評価関数の最大値を探索するのは、特に
周波数ステップ幅を小さくすると演算量が多くなり効率
的でない。そのため、工夫して探索する周波数範囲を狭
めているが、その方法では探索範囲を決定する作業が必
要となり問題であった。 【解決手段】 スタガトリガ方式でサンプリングされた
信号を自己回帰モデルによってモデリングを行い自己回
帰モデル係数の計算を行う自己回帰モデル係数計算手段
と、自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を
構成する高次方程式構成手段と、高次方程式を解く高次
方程式求解手段と、この高次方程式求解手段で得られた
解のうちの所定の解に対応する周波数を計算する周波数
抽出手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スタガトリガ方
式でサンプリングされた、正弦波の周波数を計測する周
波数計測装置およびその方法、また、その周波数計測装
置を備えたレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クラッタ抑圧手段の1つである移動目標
指示装置(moving target indicator:以下、MTIと
する)では、レーダの送信波形として等間隔パルスを用
いると、MTIフィルタの阻止域がパルス繰り返し周波
数(PRF)毎に現れる。目標のドップラー周波数がフ
ィルタの阻止域と重なれば目標信号も抑圧してしまう
が、低いパルス繰り返し周波数を用いるレーダでは、M
TIによるブラインド速度領域が広くなってしまう。そ
こで、ブラインド速度領域を狭くするために、巡回的不
等間隔パルスを送信するスタガトリガ方式が用いられる
ことがある。スタガトリガ方式では、スタガ数をLとす
ると、クラッタ抑圧処理におけるサンプリング間隔はτ
1 ,τ2 ,…,τL ,τ1 ,τ2 ,…,τL ,τ1 ,…
のように巡回的な不等間隔である。ここで、τ1 ,τ
2 ,…,τL はどの2つをとっても異なる値である。
【0003】観測できる信号サンプル数が多くない場
合、正弦波の周波数を計測するために、自己回帰(auto
-regressive :以下ARとする)モデルを用いるのは有
効であることが知られている。S. M. Yuen and H. M. S
ubbaram,“A New Super Resolution Spectral Estimat
ion Technique Using Staggered PRFs”,Internationa
l Conference on Acoustics,Speech,and Signal Proc
essing,pp.1360-1363,1985(技術文献1)には、ス
タガトリガ方式においてARモデルを用いて正弦波の周
波数を計測する方法が説明されている。
【0004】図7は上記技術文献1に開示された従来の
周波数計測装置の概念的構成を示したものである。図に
おいて、1は入力信号(観測された信号)に対してAR
モデリングを行ってARモデル係数を計算するARモデ
ル係数計算手段、102はARモデル係数から、周波数
に関する所定の評価関数を構成する評価関数構成手段、
103は評価関数の最大値を探索して、評価関数が最大
となる周波数を出力する最大値探索手段である。
【0005】次に動作について説明する。説明を簡単に
するために、雑音が付加された単一複素正弦波信号につ
いて考える。その正弦波周波数を推定するのに用いるA
Rモデルは1次で十分なので、1次ARモデルによって
モデリングを行うものとする。以降、取り扱う信号や雑
音は複素数とし、扱う信号は定常のものとする。ARモ
デル係数計算手段1では、以下に示すようにしてARモ
デル係数を求める。
【0006】サンプリング間隔が等間隔の場合、1次A
R過程の入出力関係は以下の式で表される。w(n)は
入力白色雑音、x(n)は観測される信号、Aは1次A
Rモデル係数である。 x(n)=−Ax(n−1)+w(n) (1)
【0007】スタガトリガ方式では、サンプリング間隔
が一定でないため、信号が定常であってもARモデル係
数もサンプリング間隔に応じて変わることになる。した
がって、スタガ時の1次ARモデル(1次時変ARモデ
ル)は式(2)のようになる。tn はサンプリング時刻
で、サンプリング間隔tn −tn-1 =τi に対する1次
時変ARモデル係数がai1 である(i=1,2,…,
L)。
【0008】 x(tn )=−ai1 x(tn-1 )+w(tn ) (2)
【0009】z-1 を時間δTだけ信号を遅延させる遅
延演算子と定義する。δTは式(3)で定義される。δ
Tはサンプリング間隔の最大公約数である。例えば、ス
タガ数3、サンプリング間隔が400μs、300μ
s、500μsなら、δT=100μsである。R1
2 :…:RL は既約な整数比であるスタガ比である。
遅延演算子z-1 を用いると、式(2)の時変ARモデ
ルに対する伝達関数Hi(z)は式(5)のように表さ
れる。
【0010】 δT=L・PRIav /(R1 +R2 +…+RL ) (3) PRIav =(τ1 +τ2 +…+τL )/L (4)
【数1】
【0011】次に、1次ARモデル係数の計算について
説明する。Burg法による場合、等間隔サンプリング
では式(6)のようになる。*は複素共役、Nは観測さ
れる信号のサンプル数である。一方、スタガトリガ方式
では、1次でもスタガ数と等しい数の係数a11 ,a
21 ,…,aL1 を求めなければならない。式(7)の
ように計算される。使用する信号サンプルは、係数に対
応するサンプリング間隔を持つ隣り合う信号の組であ
る。例えば、a11 を求める場合、x(t1 )とx(t
0 )、x(tL+1 )とx(tL )、x(t2L+1 )とx
(t2L )、…を使用する。式(7)の和をとる範囲を
表す式(8)の集合Qi の要素数は有限で、信号の全サ
ンプル数Nに制約を受ける。
【0012】
【数2】
【0013】 Q1 ={1,L+1,2L+1,…} Q2 ={2,L+2,2L+2,…} … … QL ={L,2L,3L,…} (8)
【0014】こうしてARモデル係数が計算されたら、
次に評価関数構成手段102で周波数に関する評価関数
を構成する。周波数に関する評価関数S(f)を式
(9)乃至(11)のように構成する。式(9)では、
式(10)および(11)でz=exp[j2πfδ
T]とおいている。
【0015】
【数3】
【0016】周波数に関する評価関数を構成したら、最
大値探索手段103で評価関数S(f)の最大値を全周
波数範囲0≦f<1/δTあるいは−1/(2δT)≦
f<1/(2δT)に渡って探索する。図8は評価関数
S(f)の例である。その最大値を与える周波数f0
計測された正弦波周波数として出力するものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、S
(f)の最大値を探索するのは、特に周波数ステップ幅
を小さくすると演算量が多くなり効率的でなくなる。S
(f)の最大値探索を全周波数範囲に渡って行うのは効
率的ではないので、前述の技術文献に示される従来方法
では工夫して探索する周波数範囲を狭めている。しか
し、その方法では探索範囲を決定する作業が必要となる
などの課題があった。
【0018】この発明は以上のような問題を解決するた
めになされたものであり、非効率的な評価関数の最大値
探索を行わずとも、数値的な計算のみによってスタガト
リガ方式における信号の周波数を計測する周波数計測装
置およびその方法を得ることを目的とする。また、この
発明は、その周波数を計測装置を用い、受信信号のドッ
プラー周波数やクラッタ中心周波数を計測できるレーダ
装置を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係る周波数計
測装置は、スタガトリガ方式でサンプリングされた信号
の周波数を計測する周波数計測装置において、前記サン
プリングされた信号を自己回帰モデルによってモデリン
グを行い自己回帰モデル係数の計算を行う自己回帰モデ
ル係数計算手段と、前記自己回帰モデル係数に基づいて
所定の高次方程式を構成する高次方程式構成手段と、前
記高次方程式を解く高次方程式求解手段と、この高次方
程式求解手段で得られた解のうちの所定の解に対応する
周波数を計算する周波数抽出手段とを備えたものであ
る。
【0020】この発明に係る周波数計測方法は、スタガ
トリガ方式でサンプリングされた信号の周波数を計測す
る方法において、前記サンプリングされた信号を自己回
帰モデルによってモデリングを行って自己回帰モデル係
数を算出し、この自己回帰モデル係数に基づいて所定の
高次方程式を構成して解を求め、得られた前記解のうち
の所定の解に対応する周波数を求めるものである。
【0021】この発明に係るレーダ装置は、スタガトリ
ガ方式のレーダ装置において、反射エコーを含む受信信
号から得られた目標信号を自己回帰モデルによってモデ
リングを行って自己回帰モデル係数を算出し、この自己
回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を構成して
解を求め、得られた前記解のうちの所定の解に対応する
周波数を計測してドップラー周波数として出力するもの
である。
【0022】この発明に係るレーダ装置は、反射エコー
を含む受信信号の中から振幅特性の値が零となる零点周
波数をクラッタ中心周波数に設定するクラッタ抑圧フィ
ルタを用いてクラッタを抑圧するクラッタ抑圧手段を有
するスタガトリガ方式のレーダ装置において、前記クラ
ッタ抑圧手段は、前記受信信号から自己回帰モデルによ
ってモデリングを行って自己回帰モデル係数を算出し、
この自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を
構成して解を求め、得られた前記解のうちの所定の解に
対応する周波数を計測し前記クラッタ中心周波数として
設定するものである。
【0023】この発明に係るレーダ装置は、反射エコー
を含む受信信号の中から振幅特性の値が零となる零点周
波数をクラッタ中心周波数に設定するクラッタ抑圧フィ
ルタを用いてクラッタを抑圧するクラッタ抑圧手段を有
するスタガトリガ方式のレーダ装置において、前記クラ
ッタ抑圧手段は、前記受信信号の処理対象レンジビン近
傍の処理対象レンジビンを含まない所定の複数レンジビ
ンの信号を用いて自己回帰モデルによってモデリングを
行って自己回帰モデル係数を算出し、この自己回帰モデ
ル係数に基づいて所定の高次方程式を構成して解を求
め、得られた前記解のうちの所定の解に対応する周波数
を計測し前記クラッタ中心周波数として設定するもので
ある。
【0024】この発明に係るレーダ装置は、反射エコー
を含む受信信号の中から振幅特性の値が零となる零点周
波数をクラッタ中心周波数に設定するクラッタ抑圧フィ
ルタを用いてクラッタを抑圧するクラッタ抑圧手段を有
するスタガトリガ方式のレーダ装置において、前記クラ
ッタ抑圧手段は、前記受信信号の処理対象レンジビン近
傍の処理対象レンジビンを含まない所定の複数レンジビ
ンの信号に対してそれぞれ自己回帰モデルによってモデ
リングを行ってそれぞれ対応する複数の自己回帰モデル
係数を算出し、この自己回帰モデル係数に基づいて所定
の高次方程式を構成して解を求め、得られた前記解のう
ちの所定の解を抽出し、対応する複数の抽出された解の
実部と虚部のそれぞれに対して中間値を抽出し、得られ
た前記中間値から対応する周波数を計測し前記クラッタ
中心周波数として設定するものである。
【0025】この発明に係るレーダ装置は、クラッタ抑
圧手段によりクラッタが抑圧処理された受信信号から目
標信号を抽出し、この目標信号を自己回帰モデルによっ
てモデリングを行って自己回帰モデル係数を算出し、こ
の自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を構
成して解を求め、得られた前記解のうちの所定の解に対
応する周波数を計測してドップラー周波数として出力す
るものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る周
波数計測装置の構成を示すブロック図である。図におい
て、1は入力信号(観測された信号)に対してARモデ
リングを行ってARモデル係数を計算するARモデル係
数計算手段である。2はARモデル係数から所定の高次
方程式を構成する高次方程式構成手段、3はその高次方
程式の解を計算する高次方程式求解手段である。4は高
次方程式求解手段3で得られた方程式の解から計測され
る周波数を求める周波数抽出手段である。
【0027】次に動作について説明する。雑音が付加さ
れた互いに周波数の異なるN個の複素正弦波からなる信
号について考える。そのN個の正弦波周波数を推定する
のに必要なARモデルはN次である。ここでは正弦波の
個数Nは既知であるものとする。信号や雑音は複素数で
定常とする。N=1の場合、ARモデル係数計算手段1
については従来技術と動作は同じとすることができる。
ここではN=1の場合も含めて、別の方法によるARモ
デル係数計算手段1におけるARモデル係数計算法につ
いて記す。
【0028】スタガサンプリング時のN次時変ARモデ
ル係数をain とする(n=1,2,…,N;i=
1,2,3,…,L)。サンプリング間隔はLサンプル
周期で変わるので、定常過程でもそれに応じてL組の係
数がある。スタガ時のAR過程は式(12)のように表
される。 x(t )=−ai1 x(tn−1 )−ai2 x(tn−2 )−…−aiN x(tn−N )+w(t ) (12) 時刻と係数との対応関係だが、式(12)でサンプリン
グ間隔t −tn− =τ に対する時変ARモデ
ル係数の組を{ai1 ,ai2 ,…,aiN}とす
る。前述の遅延演算子z−1 を用いると、式(12)
の時変ARモデル伝達関数H (z)(i=1,2,
…,L)は式(13)のように表すことができる。zの指
数に現れるR の添字iが0以下になった場合は、添
字の値を0→L、−1→L−1、−2→L−2、…のよ
うに読み替える。
【0029】
【数4】
【0030】ARモデル係数ain を誤差信号(式
(12)のw(t )に相当)の平均電力が最小にな
るように求めるものとする。このとき、式(14)の正
規方程式を解けば係数が求められる。係数はL組あるか
ら、正規方程式もL通り現れる。行列A とベクトル
は観測される信号から式(15)で定義される。
これらの行数は無限ではなく、観測される信号のサンプ
ル数に依存する。また、ベクトルh は式(16)で
定義されるARモデル係数ベクトルである。上付き文字
のHは共役転置を表す。 A =A (i=1,2,…,L) (14)
【0031】
【数5】
【0032】従来技術では、信号をARモデリングして
ARモデル係数を計算し、前述の式(9)の評価関数を
構成し、その最大値(極大値)を探索した。しかし、式
(9)の極大値を与える周波数は、式(9)を探索しな
くても求められる。式(9)の分母は、式(10)でz
=exp[j2πfδT](その絶対値は1)としたと
きの式であることを考えると、式(10)の零点を求
め、単位円|z|=1に最も近い零点に対応する周波数
を求めればよい。そのような周波数が式(9)の評価関
数の鋭い極大値を与えるからである。さて、式(10)
において、D(z)をここではN=1に限定しない式
(17)とする。
【0033】
【数6】
【0034】式(10)は、N=1の場合、下記の式
(18)のように、またN=2の場合、下記の式(1
9)のように変形できる。式(18)、(19)はz*
が含まれており、zの多項式とならず、式(10)の零
点であるD(z)=0の解を求めにくい。しかし、|z
|=1であれば、z =z−1 が成り立つので、式
(18)、(19)のz の代わりに、z−1 を使っ
た式(20)、(21)のD’(z)を定義すると、
D’(z)=0は実質的にはzの高次方程式となり、数
値的に解きやすくなる。式(20)、(21)は、一般
的には式(10)でzの代わりに、z−1 を使った
式(22)である。
【0035】
【数7】
【0036】Rmax を Ri (i=1,2,…,L)
の最大値と定義する。D’(z)=0の解を求めやすく
するため、式(22)を(23)のように変形する。こ
のとき、式(23)のD”(z)はzの2NRmax
次以下の多項式となる。したがって、式(24)のzの
高次方程式を数値的に解けば、D’(z)=0の解が得
られる。N=1と2の場合、D”(z)はそれぞれ式
(25)、(26)のようになる。
【0037】
【数8】
【0038】高次方程式構成手段2では、ARモデル係
数計算手段1で計算されたARモデル係数から式(2
4)のzに関する高次方程式を構成する。そして、高次
方程式求解手段3では、公知の方法で式(24)解を数
値的に計算する。
【0039】次に、周波数抽出手段4の動作について説
明する。式(24)の解は複数存在するが、それらのう
ち、単位円|z|=1上の2重根に着目し、それをz
0m とする(m=1,2,…,N)。実際には観測され
る信号には雑音が含まれているから、2重根が得られる
ことはまずない。そこで、式(24)の解のうち、互い
に偏角の異なる解から、単位円に最も近い(単位円から
の距離が最も近い)順にN個の解を抽出する。それらを
0m とする。そのような解に対応する周波数は、式
(9)の評価関数S(f)の鋭い極大値を与えると考え
られるためである。z0m に対応する周波数を計測値
0m とする。z0m =exp[j2πf0m δT]で
あるので、周波数計測値f0m は式(27)のように
なる。arg[・]は偏角の主値である。 f0m =arg[z0m ]/(2πδT) (27)
【0040】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、演算量が多く非効率的な式(9)の評価関数の最大
値探索を行わずとも、数値的な計算のみによってスタガ
トリガ方式における正弦波周波数を計測できる効果が得
られる。
【0041】実施の形態2.実施の形態1で説明した周
波数計測装置および方法は、レーダ装置にも応用でき
る。図2はこの発明の実施の形態2に係るレーダ装置の
構成を示す図である。図において、11は送信波を放射
し、反射エコーを受信するアンテナ、12は送信と受信
を切り替えるサーキュレータ、13は送信機、14は受
信した高周波信号を中間周波、あるいはベースバンド信
号にする受信機である。15は受信信号をA/D変換し
てディジタル信号に変換するA/D変換器、16は受信
信号中に含まれるクラッタを抑圧するクラッタ抑圧手
段、17は目標検出手段である。18は目標のドップラ
ー周波数を計測するための周波数計測手段で、実施の形
態1で説明したものである。
【0042】次に動作について説明する。送信機13で
はスタガトリガ方式のパルスを増幅し、そしてサーキュ
レータ12を介してアンテナ11により空中へ高周波信
号を送信する。反射エコーはアンテナ11で受信され、
サーキュレータ12を介して受信機14で中間周波信号
あるいはベースバンド信号にダウンコンバートされる。
そして受信機14の出力はA/D変換器15によりディ
ジタル信号に変換される。A/D変換器15の出力信号
は、ディジタル化された同相・直交信号とする。
【0043】上記同相・直交信号をクラッタ抑圧手段1
6へ入力し、クラッタを抑圧する。勿論、受信信号にク
ラッタが無ければ、この処理は必要とされない。クラッ
タが抑圧された信号を目標検出手段17で検出を行う。
目標が存在するレンジビンの信号をここで抽出し、周波
数計測手段18に出力する。周波数計測手段18では、
実施の形態1で説明した方法により、目標のドップラー
周波数を計測して出力する。
【0044】以上のように、実施の形態2によれば、ス
タガトリガ方式における目標のドップラー周波数計測に
おいて、演算量が多く非効率的な式(9)の評価関数の
最大値探索を行わずとも、数値的な計算のみによって目
標のドップラー周波数を計測できる効果が得られる。
【0045】実施の形態3.実施の形態1で説明した周
波数計測装置および方法は、スタガトリガ方式における
クラッタ中心周波数の推定にも利用できる。実施の形態
2では、クラッタ抑圧手段16の内部構成については言
及しなかったが、この実施の形態3では、受信信号中に
含まれるクラッタ中心周波数を推定し、振幅特性の値が
零となる零点周波数を上記クラッタ中心周波数推定値に
設定するクラッタ抑圧フィルタによってクラッタ抑圧を
行うクラッタ抑圧手段を考える。そのようなクラッタ抑
圧を行うクラッタ抑圧手段としては、例えば特願200
0−192346に記載されたものがある。そして、実
施の形態3は、そのクラッタ中心周波数の推定を実施の
形態1で説明した方法を用いて行うようにしたものであ
る。
【0046】図3は、スタガトリガ方式において、上述
のようにクラッタ抑圧を行うクラッタ抑圧手段16の内
部構成を示した図である。ここでは単峰性スペクトルを
持つクラッタ抑圧を想定する。図において、20は受信
信号中のクラッタ中心周波数を推定するクラッタ中心周
波数推定手段である。21はクラッタ中心周波数推定手
段20で推定されたクラッタ中心周波数fc に周波数特
性の零点(ノッチ)を持ち、係数(インパルス応答)が
サンプリング間隔に応じて変わる時変ノッチフィルタで
ある。22はノッチ周波数が0の時変ノッチフィルタの
係数を格納したノッチフィルタ係数格納手段である。2
3はクラッタ中心周波数推定手段20で推定されたクラ
ッタ中心周波数fc にノッチを持つように時変ノッチフ
ィルタ21の係数を計算する係数計算手段である。ここ
で、時変ノッチフィルタ21はFIR形とする。
【0047】クラッタ中心周波数推定手段20では、実
施の形態1で説明した方法を利用してクラッタ中心周波
数を推定する。係数計算手段23では、推定されたクラ
ッタ中心周波数fc にノッチを持つように、ノッチフィ
ルタ係数格納手段22に格納されているノッチ周波数が
0の時変ノッチフィルタの係数him (i=1,2,
…、L;m=0,1,…、M;Mはノッチフィルタの次
数)を読み出して、式(28)に示すように時変ノッチ
フィルタ21の係数ginを計算する。式(28)で、P
RIav は式(4)で与えられる平均サンプリング(パ
ルス)間隔、τの添字の値が0以下やL+1以上になっ
た場合は、巡回するように考える。すなわち、τ0 =τ
L 、τ-1 =τL-1 、…、また、τL+1 =τ1 、τL+2
=τ2 …である。このように計算された係数を持つ時変
ノッチフィルタ21は、中心周波数がf c 近傍の単峰性
クラッタを抑圧することができる。クラッタ抑圧処理さ
れた信号は、目標検出手段17へ出力される。
【0048】
【数9】
【0049】ここでは単峰性スペクトルを持つクラッタ
抑圧を想定しているが、複峰性クラッタを抑圧する場合
にも拡張できる。その場合には、2つ以上のクラッタ中
心周波数を推定できるようにARモデルの次数を定めれ
ばよい。時変ノッチフィルタ21についても、2つ以上
のクラッタ中心周波数にノッチを持つようにすればよ
い。この場合、特願平2000−192346号にある
ように、時変ノッチフィルタ21は複数のフィルタによ
る縦続接続構成も可能である。
【0050】以上のように、実施の形態3によれば、ス
タガトリガ方式におけるクラッタ中心周波数推定におい
て、演算量が多く非効率的な式(9)の評価関数の最大
値探索を行わずとも、数値的な計算のみによってクラッ
タ中心周波数を推定することが可能となる効果が得られ
る。
【0051】実施の形態4.実施の形態3では、クラッ
タ中心周波数推定手段20において、クラッタ抑圧処理
の対象とするレンジビンを、観測される信号としてクラ
ッタ中心周波数推定に用いている。その場合、同一レン
ジビンに目標信号が存在する場合、それがクラッタ中心
周波数推定精度に悪影響を及ぼす可能性がある。そこで
クラッタ中心周波数推定手段20において、クラッタ抑
圧処理の対象とするレンジビンと、クラッタ中心周波数
推定に用いるレンジビンを別にした場合について、実施
の形態1で説明した周波数推定法を応用したクラッタ中
心周波数推定法をさらに2つ説明する。そのうちの1つ
をこの実施の形態4で説明し、他方を実施の形態5で説
明する。
【0052】この実施の形態4において、クラッタ抑圧
手段16は、受信信号の処理対象レンジビン近傍の処理
対象レンジビンを含まない所定の複数レンジビンの信号
を用いて自己回帰モデルによってモデリングを行って自
己回帰モデル係数を算出する。そして、この自己回帰モ
デル係数に基づいて所定の高次方程式を構成してその解
を求める。得られた解のうちの所定の解に対応する周波
数を計測してクラッタ中心周波数として設定する。その
動作の詳細は図5に示される。
【0053】図5はこの発明の実施の形態4に係るクラ
ッタ中心周波数推定に用いるレンジビンを示す説明図で
ある。図において、クラッタ抑圧処理対象とするレンジ
ビン(注目レンジビン)に対して、目標信号が存在した
場合にその影響を避けるために一定のガードレンジビン
(片側K ビン)を設け、その外側の複数のレンジビ
ン(片側K ビン)をクラッタ中心周波数推定に用い
る。なお、必ずしも図5のような注目レンジビンの両側
のレンジビンを使わなくてもよい。多レンジビンの受信
信号をu(k,t )とする。kはレンジビン番号で
ある。注目レンジビン番号をk とし、時変ARモデ
ル係数を前述の方法で求めるものとする。このとき、式
(15)の行列A とベクトルc は複数レンジビン
の信号を用いる。具体的には式(29)のように1つの
レンジビンの信号を1つのブロックとして、ブロックを
縦に並べた形になる。行列A とベクトルc の各ブ
ロック内は式(15)と同様で、式(30)のようにな
る。ただし、レンジビン番号をm、それに対応する行列
とベクトルc 内のブロックをそれぞれAmi
とcmi とする。行列Ami とベクトルcmi の行
数は無限ではなく、ヒット数に制約を受ける。式(1
4)の正規方程式を解いてARモデル係数を求めたら、
それ以降は実施の形態1で説明した正弦波周波数推定と
同じようにしてクラッタ中心周波数が求められる。
【0054】
【数10】
【0055】以上のように、実施の形態4によれば、ク
ラッタ抑圧処理の対象とするレンジビンと、クラッタ中
心周波数推定に用いるレンジビンを別にする場合におい
て、スタガトリガ方式におけるクラッタ中心周波数推定
において、演算量が多く非効率的な式(9)の評価関数
の最大値探索を行わずとも、数値的な計算のみによって
クラッタ中心周波数の推定を可能とする効果が得られ
る。
【0056】実施の形態5.クラッタ抑圧処理対象とす
るレンジビンと、クラッタ中心周波数推定に用いるレン
ジビンを別にする場合について、クラッタ中心周波数推
定手段20のもう1つの動作について説明する。原沢、
真野:“メジアンフィルタを用いたアダプティブMT
I” 電子情報通信学会論文誌(B-II), vol. J79-B-I
I, No. 12, pp. 1013-1021, Nov. 1996(技術文献
2)にあるように、メディアン操作(中間値抽出)を利
用すると、目標信号の影響をさらに低減できる。なお、
技術文献2はスタガトリガ方式ではなく、等間隔サンプ
リングの場合を想定している。
【0057】実施の形態5において、クラッタ抑圧手段
は、受信信号の処理対象レンジビン近傍の処理対象レン
ジビンを含まない所定の複数レンジビンの信号に対して
それぞれ自己回帰モデルによってモデリングを行ってそ
れぞれ対応する複数の自己回帰モデル係数を算出する。
そして、算出された自己回帰モデル係数に基づいて所定
の高次方程式を構成して解を求める。得られた解のうち
の所定の解を抽出し、対応する複数の抽出された解の実
部と虚部のそれぞれに対して中間値を抽出する。この得
られた中間値から対応する周波数を計測してクラッタ中
心周波数として設定する。その動作の詳細は図6に示さ
れる。
【0058】図6はこの発明の実施の形態5に係るクラ
ッタ中心周波数推定処理の概念を示すもので、図におい
て、スペクトルの山が1つの単峰性クラッタを対象とし
て、1次時変ARモデルを用いるものとする。動作手順
を説明する。 ステップST1:注目レンジビンからガードレンジビン
分離れたブロック内の各レンジビンについて、個別にA
Rモデル係数を求める。 ステップST2:レンジビンごとに、ステップST1で
求めたARモデル係数から実施の形態1で説明したよう
にzの高次方程式D”(z)=0を作って解く。各レン
ジビンに対して得られたD”(z)=0の解のうち、最
も単位円に近い解をz0m とする。mはブロック内の
レンジビンを番号の小さい順に並べたときのブロック内
レンジビン番号である(m=1,2,…,2K )。 ステップST3:z0m の実部と虚部それぞれについ
て、式(31)(32)で示すようにメディアンをとる
(中間値を抽出する)。メディアンをとって得られた結
果をp(実部)、q(虚部)とする。Med[・]はメ
ディアン操作である。
【0059】
【数11】
【0060】ステップST4:式(33)からクラッタ
中心周波数f を求める。この値は当然、注目レンジ
ビンにより異なる。 f =arg[p+jq]/(2πδT) (33)
【0061】クラッタが複峰性の場合はARモデルを2
次にする。D”(z)=0の解のうち、偏角の異なる最
も単位円に近い2つの解をz1m ,z2m とする。式
(34)、(35)で示すようにzim の実部と虚部
それぞれについてメディアンをとる(i=1,2)。そ
の結果をp (実部)、q (虚部)とする。クラッ
タ中心周波数fci は式(36)のようになる(i=
1,2)。
【0062】
【数12】
【0063】以上のように、実施の形態5によれば、ク
ラッタ抑圧処理の対象とするレンジビンと、クラッタ中
心周波数推定に用いるレンジビンを別にする場合におい
て、スタガトリガ方式におけるクラッタ中心周波数推定
において、演算量が多く非効率的な式(9)の評価関数
の最大値探索を行わずとも、数値的な計算のみによって
クラッタ中心周波数の推定を可能とする効果が得られ
る。
【0064】実施例.計算機シミュレーションによる雑
音の混入した単一複素正弦波信号の周波数計測結果を示
す。サンプリング間隔は400μs、300μs、50
0μs(スタガ数L=3、スタガ比4:3:5)、設定
した正弦波周波数は4400Hz(信号対雑音電力比S
NR=5dB)、信号サンプル数32である。この信号
を1次時変ARモデルによってモデリングを行ったとこ
ろ、ARモデル係数としてa11 =−0.0907+j
0.6562,a21 =0.2850−j0.733
8,a31 =−0.3829−j0.5665を得た。
式(25)に示す方程式は10次であり、解は10個あ
る。それらの解の複素平面上での配置は、図4の点で示
すようになった。ここで、小さな四角41で囲んだ単位
円42に最も近い解が周波数計測値に対応する。完全に
は2重根にならない。この解の値は−0.8387+j
0.3583である(その逆数関係にある−1.008
3+j0.4308も同じ周波数を与える)。計測され
た周波数は、式(27)より4357Hzとなった。こ
の例における式(9)の評価関数S(f)は図6であ
る。1HzきざみでS(f)を探索するなら、式(9)
を10000回計算しなければならず、演算量が多く非
効率的である。
【0065】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、スタ
ガトリガ方式でサンプリングされた信号の周波数を計測
する周波数計測装置において、前記サンプリングされた
信号を自己回帰モデルによってモデリングを行い自己回
帰モデル係数の計算を行う自己回帰モデル係数計算手段
と、前記自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程
式を構成する高次方程式構成手段と、前記高次方程式を
解く高次方程式求解手段と、この高次方程式求解手段で
得られた解のうちの所定の解に対応する周波数を計算す
る周波数抽出手段とを備えるように構成したので、演算
量が多く非効率的な式による評価関数の最大値探索を行
わずとも、数値的な計算のみによってスタガトリガ方式
における正弦波周波数を計測できる効果がある。
【0066】この発明によれば、スタガトリガ方式でサ
ンプリングされた信号の周波数を計測する方法におい
て、前記サンプリングされた信号を自己回帰モデルによ
ってモデリングを行って自己回帰モデル係数を算出し、
この自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を
構成して解を求め、得られた前記解のうちの所定の解に
対応する周波数を求めるように構成したので、この方法
により、演算量が多く非効率的な式による評価関数の最
大値探索を行わずとも、数値的な計算のみによってスタ
ガトリガ方式における正弦波周波数を計測できる効果が
ある。
【0067】この発明によれば、スタガトリガ方式のレ
ーダ装置において、反射エコーを含む受信信号から得ら
れた目標信号を自己回帰モデルによってモデリングを行
って自己回帰モデル係数を算出し、この自己回帰モデル
係数に基づいて所定の高次方程式を構成して解を求め、
得られた前記解のうちの所定の解に対応する周波数を計
測してドップラー周波数として出力するように構成した
ので、スタガトリガ方式における目標のドップラー周波
数計測において、演算量が多く非効率的な式の評価関数
の最大値探索を行わずに、数値的な計算のみによって目
標のドップラー周波数を計測できるレーダ装置を実現で
きる効果が得られる。
【0068】この発明によれば、反射エコーを含む受信
信号の中から振幅特性の値が零となる零点周波数をクラ
ッタ中心周波数に設定するクラッタ抑圧フィルタを用い
てクラッタを抑圧するクラッタ抑圧手段を有するスタガ
トリガ方式のレーダ装置において、前記クラッタ抑圧手
段は、前記受信信号から自己回帰モデルによってモデリ
ングを行って自己回帰モデル係数を算出し、この自己回
帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を構成して解
を求め、得られた前記解のうちの所定の解に対応する周
波数を計測し前記クラッタ中心周波数として設定するよ
うに構成したので、スタガトリガ方式におけるクラッタ
中心周波数推定において、演算量が多く非効率的な式の
評価関数の最大値探索を行わずに、数値的な計算のみに
よってクラッタ中心周波数を推定できる効果がある。
【0069】この発明によれば、反射エコーを含む受信
信号の中から振幅特性の値が零となる零点周波数をクラ
ッタ中心周波数に設定するクラッタ抑圧フィルタを用い
てクラッタを抑圧するクラッタ抑圧手段を有するスタガ
トリガ方式のレーダ装置において、クラッタ抑圧手段
は、受信信号の処理対象レンジビン近傍の処理対象レン
ジビンを含まない所定の複数レンジビンの信号を用いて
自己回帰モデルによってモデリングを行って自己回帰モ
デル係数を算出し、この自己回帰モデル係数に基づいて
所定の高次方程式を構成して解を求め、得られた解のう
ちの所定の解に対応する周波数を計測しクラッタ中心周
波数として設定するように構成したので、クラッタ抑圧
処理の対象とするレンジビンと、クラッタ中心周波数推
定に用いるレンジビンを別にする場合において、スタガ
トリガ方式におけるクラッタ中心周波数推定において、
演算量が多く非効率的な式の評価関数の最大値探索を行
わずとも、数値的な計算のみによってクラッタ中心周波
数の推定を可能とする効果がある。
【0070】この発明によれば、反射エコーを含む受信
信号の中から振幅特性の値が零となる零点周波数をクラ
ッタ中心周波数に設定するクラッタ抑圧フィルタを用い
てクラッタを抑圧するクラッタ抑圧手段を有するスタガ
トリガ方式のレーダ装置において、クラッタ抑圧手段
は、受信信号の処理対象レンジビン近傍の処理対象レン
ジビンを含まない所定の複数レンジビンの信号に対して
それぞれ自己回帰モデルによってモデリングを行ってそ
れぞれ対応する複数の自己回帰モデル係数を算出し、こ
の自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を構
成して解を求め、得られた解のうちの所定の解を抽出
し、対応する複数の抽出された解の実部と虚部のそれぞ
れに対して中間値を抽出し、得られた中間値から対応す
る周波数を計測しクラッタ中心周波数として設定するよ
うに構成したので、クラッタ抑圧処理の対象とするレン
ジビンと、クラッタ中心周波数推定に用いるレンジビン
を別にする場合において、スタガトリガ方式におけるク
ラッタ中心周波数推定において、演算量が多く非効率的
な式の評価関数の最大値探索を行わずとも、数値的な計
算のみによってクラッタ中心周波数の推定を可能とする
効果がある。
【0071】またこの発明によれば、スタガトリガ方式
のレーダ装置において、クラッタ抑圧手段によりクラッ
タが抑圧処理された受信信号から目標信号を抽出し、こ
の目標信号を自己回帰モデルによってモデリングを行っ
て自己回帰モデル係数を算出し、この自己回帰モデル係
数に基づいて所定の高次方程式を構成して解を求め、得
られた解のうちの所定の解に対応する周波数を計測して
ドップラー周波数として出力するように構成したので、
スタガトリガ方式におけるクラッタ中心周波数推定およ
び目標のドップラー周波数計測において、演算量が多く
非効率的な式の評価関数の最大値探索を行わずに、数値
的な計算のみによって、クラッタ中心周波数が推定で
き、かつ目標のドップラー周波数の計測が可能となる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る周波数計測装
置を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置を
示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態3に係るクラッタ抑圧
手段を示すブロック図である。
【図4】 この発明に使用する方程式の解の配置例を示
す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態4に係るクラッタ中心
周波数推定に用いるレンジビンを示す説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態5に係るクラッタ中心
周波数推定に用いるレンジビンと処理の概念を示す説明
図である。
【図7】 従来の周波数計測装置の概念的な構成を示す
ブロック図である。
【図8】 従来の周波数計測装置における周波数対評価
関数のグラフを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ARモデル係数計算手段、2 高次方程式構成手
段、3 高次方程式求解手段、4 周波数抽出手段、1
1 アンテナ、12 サーキュレータ、13 送信機、
14 受信機、15 A/D変換器、16 クラッタ抑
圧手段、17 目標検出手段、18 周波数計測手段、
20 クラッタ中心周波数推定手段、21時変ノッチフ
ィルタ、22 ノッチフィルタ係数格納手段、23 係
数計算手段、41 小さな四角、42 単位円、102
評価関数構成手段、103 最大値探索手段。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタガトリガ方式でサンプリングされた
    信号の周波数を計測する周波数計測装置において、 前記サンプリングされた信号を自己回帰モデルによって
    モデリングを行い自己回帰モデル係数の計算を行う自己
    回帰モデル係数計算手段と、 前記自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を
    構成する高次方程式構成手段と、 前記高次方程式を解く高次方程式求解手段と、 この高次方程式求解手段で得られた解のうちの所定の解
    に対応する周波数を計算する周波数抽出手段とを備えた
    ことを特徴とする周波数計測装置。
  2. 【請求項2】 スタガトリガ方式でサンプリングされた
    信号の周波数を計測する方法において、 前記サンプリングされた信号を自己回帰モデルによって
    モデリングを行って自己回帰モデル係数を算出し、 この自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次方程式を
    構成して解を求め、得られた前記解のうちの所定の解に
    対応する周波数を求めることを特徴とする周波数計測方
    法。
  3. 【請求項3】 スタガトリガ方式のレーダ装置におい
    て、反射エコーを含む受信信号から得られた目標信号を
    自己回帰モデルによってモデリングを行って自己回帰モ
    デル係数を算出し、この自己回帰モデル係数に基づいて
    所定の高次方程式を構成して解を求め、得られた前記解
    のうちの所定の解に対応する周波数を計測してドップラ
    ー周波数として出力することを特徴とするレーダ装置。
  4. 【請求項4】 反射エコーを含む受信信号の中から振幅
    特性の値が零となる零点周波数をクラッタ中心周波数に
    設定するクラッタ抑圧フィルタを用いてクラッタを抑圧
    するクラッタ抑圧手段を有するスタガトリガ方式のレー
    ダ装置において、前記クラッタ抑圧手段は、前記受信信
    号から自己回帰モデルによってモデリングを行って自己
    回帰モデル係数を算出し、この自己回帰モデル係数に基
    づいて所定の高次方程式を構成して解を求め、得られた
    前記解のうちの所定の解に対応する周波数を計測し前記
    クラッタ中心周波数として設定することを特徴とするレ
    ーダ装置。
  5. 【請求項5】 反射エコーを含む受信信号の中から振幅
    特性の値が零となる零点周波数をクラッタ中心周波数に
    設定するクラッタ抑圧フィルタを用いてクラッタを抑圧
    するクラッタ抑圧手段を有するスタガトリガ方式のレー
    ダ装置において、前記クラッタ抑圧手段は、前記受信信
    号の処理対象レンジビン近傍の処理対象レンジビンを含
    まない所定の複数レンジビンの信号を用いて自己回帰モ
    デルによってモデリングを行って自己回帰モデル係数を
    算出し、この自己回帰モデル係数に基づいて所定の高次
    方程式を構成して解を求め、得られた前記解のうちの所
    定の解に対応する周波数を計測し前記クラッタ中心周波
    数として設定することを特徴とするレーダ装置。
  6. 【請求項6】 反射エコーを含む受信信号の中から振幅
    特性の値が零となる零点周波数をクラッタ中心周波数に
    設定するクラッタ抑圧フィルタを用いてクラッタを抑圧
    するクラッタ抑圧手段を有するスタガトリガ方式のレー
    ダ装置において、前記クラッタ抑圧手段は、前記受信信
    号の処理対象レンジビン近傍の処理対象レンジビンを含
    まない所定の複数レンジビンの信号に対してそれぞれ自
    己回帰モデルによってモデリングを行ってそれぞれ対応
    する複数の自己回帰モデル係数を算出し、この自己回帰
    モデル係数に基づいて所定の高次方程式を構成して解を
    求め、得られた前記解のうちの所定の解を抽出し、対応
    する複数の抽出された解の実部と虚部のそれぞれに対し
    て中間値を抽出し、得られた前記中間値から対応する周
    波数を計測し前記クラッタ中心周波数として設定するこ
    とを特徴とするレーダ装置。
  7. 【請求項7】 クラッタ抑圧手段によりクラッタが抑圧
    処理された受信信号から目標信号を抽出し、この目標信
    号を自己回帰モデルによってモデリングを行って自己回
    帰モデル係数を算出し、この自己回帰モデル係数に基づ
    いて所定の高次方程式を構成して解を求め、得られた前
    記解のうちの所定の解に対応する周波数を計測してドッ
    プラー周波数として出力することを特徴とする請求項4
    から請求項6のうちのいずれか1項記載のレーダ装置。
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