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JP2002360255A - PCA3dd3、新規前立腺抗原のためのプロモーターを含む核酸分子、及びその使用 - Google Patents

PCA3dd3、新規前立腺抗原のためのプロモーターを含む核酸分子、及びその使用

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Publication number
JP2002360255A
JP2002360255A JP2001164963A JP2001164963A JP2002360255A JP 2002360255 A JP2002360255 A JP 2002360255A JP 2001164963 A JP2001164963 A JP 2001164963A JP 2001164963 A JP2001164963 A JP 2001164963A JP 2002360255 A JP2002360255 A JP 2002360255A
Authority
JP
Japan
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sequence
promoter
pca3
prostate
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001164963A
Other languages
English (en)
Inventor
Marion J G Bussemakers
イェー.ヘー.ブッセマーケルス マリオン
Beruhooku Gerard
ベルホーク ゲラルド
Jack A Schalken
アー.シャルケン ジャック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOSPITAL NIJMEGEN, University of
Original Assignee
HOSPITAL NIJMEGEN, University of
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HOSPITAL NIJMEGEN, University of filed Critical HOSPITAL NIJMEGEN, University of
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Priority to CA 2357073 priority patent/CA2357073C/en
Priority to US09/996,953 priority patent/US6897024B2/en
Publication of JP2002360255A publication Critical patent/JP2002360255A/ja
Priority to US11/085,060 priority patent/US7138235B2/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCA3dd3 遺伝子のためのプロモーター領
域のクローニング及び特徴付けの提供。 【解決手段】 本プロモーター領域は、ユニークな前立
腺特異的転写メカニズムによりPCA3dd3 遺伝子の発
現を調節する。本発明は、前立腺癌治療及び診断のため
の、そしてPCA3の発現を調節する作用物質のスクリ
ーニングのためのツールとして本プロモーター領域の使
用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の分野 本発明は、前立腺癌に関する。より特に、本発明は、P
CA3dd3 、新規前立腺癌抗原のためのプロモーターと
して単離され、かつ、特徴付けされた核酸分子に関す
る。本発明は、前立腺腫瘍の診断、予防、治療その他の
ための、組換えDNA技術の使用に基づくさまざまな方
法にも関する。
【0002】本発明の背景 米国においては、Landis et al. (CA Cancer J.Clin. 1
999 )により1999年に公表された統計データによれ
ば、前立腺癌は最も一般的に診断される癌であり、そし
て男性においては肺癌に続き第2の癌による死亡の原因
である。これらの結果は、西欧国の全てにおいてそれら
が特徴を示すように、米国に特別なものではない。さら
に、この癌の発症率は、低リスク集団、すなわちアジア
の国々からの集団を含むほとんどの国において急速に高
まっている(Hsing et al., Int.J.Cancer 2000 )。
【0003】現在、進行及び/又はホルモン無感応前立
腺癌をもつ患者のために利用されうる有効な治療法は存
在しない。進行した前立腺癌のための治療モダリティー
は、かなりの毒性をもつ医薬に限定されている。その増
殖速度は上記の癌においては低いので、多くの細胞毒性
剤は有効ではない(Millikan, Semin.Oncol. 1999 )。
従って、進行性前立腺癌をもつ患者を治療するための新
規アプローチを開発する緊急の必要性が在る。例えば、
遺伝子治療は、腫瘍細胞の成長を抑制し、アポトーシス
を誘導し、そして/又は腫瘍細胞を殺す遺伝子に連結さ
れた、前立腺特異的遺伝子プロモーターを用いて行われ
ることができる(Taneja et al., Cancer Surv. 1995;
及びBoulikas, Anticancer Res. 1997)。いくつかの遺
伝子の前立腺特異的発現に責任を負うプロモーター配列
はクローン化されており、そしてそれらの転写調節の解
明は進行中である。PSA遺伝子プロモーターは最も詳
しく研究されており、そして上流の前立腺特異的エンハ
ンサーをもつ近位前立腺特異的プロモーターの存在を明
らかにした。両配列が、PSA発現の高い、アンドロゲ
ン調節活性化のために要求される(Schuur et al., J.B
iol.Chim. 1996; Cleutjens et al., Mol. Endocrinol.
1997a; Cleutjens et al., Mol. Endocrinol. 1997b;
Pang et al., Cancer Res. 1997 ;及びWei et al., Pr
oc.Natl.Acad.Sci. USA 1997)。プロドラッグ変換酵素
をコードし、かつ、ヒト・アデノウイルスにより、ヌー
ド・マウスにおいて皮下増殖する前立腺腫瘍細胞内にデ
リベリーされる、HSK−tk遺伝子まで連結されたP
SAエンハンー−プロモーターを用いて、前立腺腫瘍細
胞の増殖は有意に抑制されること、そしてその動物の生
存寿命が延長されたことが示された(Gotoh et al., J.
Urol. 1998;及びMartiniello-Wilks et al., Hum.Gen
e.Ther. 1998 )。この原理の証明は、前立腺癌患者の
ためのプロモーター−ベースの遺伝子治療の適用に向け
ての道を切り開いた。
【0004】前立腺癌のための新規候補マーカーが、数
年前、前立腺癌の発達に関連する遺伝子を際立たせるこ
とを意図された示差ディスプレイ・アッセイにより発見
された。この新規遺伝子はPCA3、そしてまたDD3
と命名された(Bussemakers,PCT/CA98/00346 1998, Sch
alken, Eur.Urol. 1998, Bussemakers et al., Cancer
Res. 1999a 、及びBussemakers Eur.Urol. 1999b )。
PCA3dd3 は第9染色体上に位置し、そしてより正確
には領域9q21−22にある。それは4つのエクソン
から成り、それらは、二者択一スプライシングと二者択
一ポリ−アデニレーションの両者により、異なるサイズ
の転写産物を生じる。RT−PCRにより、PCA3
dd3 発現は、前立腺組織に限定されず、そしてテストさ
れた他の全ての組織であって精巣、精嚢、卵巣、胎盤、
及び膀胱を含むもの中に存在していないことが発見され
た。さらに、ノーザン・ブロット分析は、PCA3dd3
が検査された前立腺癌のほとんど(50中47)で高発
現され、一方、同一患者からのBPH又は正常前立腺細
胞内ではひじょうに低く発現されるか又は全く発現され
ないことを示した。注意すべきは、正常又はBPH組織
に比較して前立腺癌腫内ではPCA3dd3 の少なくとも
20倍の過剰発現が存在しているということである。P
CA3dd3 発現は、腫瘍等級とともに増加するようであ
り、そして転移性病変において検出される。
【0005】従って、PCA3dd3 の調節及び発現に責
任を負うプロモーターを同定する必要性が未だ存在す
る。前立腺癌組織特異的である調節配列を提供し、そし
てこのような配列を前立腺癌を診断、予防又は治療する
ために使用する必要性も未だ存在する。
【0006】本発明は、上記のそして他の必要性の充足
を求めるものである。
【0007】本明細書は多くの文献に言及するが、その
内容を全体として本明細書中に援用する。
【0008】ヌクレオチド配列の寄託 PCA3dd3 プロモーター領域に関するヌクレオチド配
列を、受託番号AF279290の下、GenBank
(商標)データ・ベースに寄託した。
【0009】本発明の要約 本発明は、PCA3dd3 遺伝子のためのプロモーターの
同定に関する。この遺伝子は、新規前立腺癌マーカーで
あり、従来技術の前立腺マーカーの欠点の全てではない
が多くを克服する。このプロモーターの特徴付けは、例
えば前立腺細胞に欠陥、疾患又は損傷をもつ患者、そし
て特に進行前立腺癌、そして特にアンドロゲン無感応性
前立腺癌をもつ患者を治療するための新たな戦略の開発
のためにひじょうに有用なツールである。前立腺癌のマ
ーカーとしてPCA3dd3 が同定され、そして今般、そ
のプロモーターが同定されたので、本発明は、上記癌が
より高い等級に進行することを防止し、そしてその前立
腺腫瘍の癌の状態を逆転させるための手段を提供する。
【0010】本発明は、さらに、異種配列の前立腺組織
特異的発現を可能にする、PCA3 dd3 遺伝子の新規前
立腺特異的プロモーター配列の発見及び特徴付けに関す
る。
【0011】本発明は、さらに、5′〜3′方向に、前
立腺宿主細胞内で転写を開始させるのに有効な前立腺特
異的プロモーター、及び着目の異種DNA配列を含む組
換え核酸分子を提供する。本発明の1の態様において
は、上記前立腺癌特異的プロモーターは、−460位〜
+62位間の、図1に示すPCA3dd3 プロモーターで
ある。しかしながら、配列多型が存在しうる。さらに、
上記配列のサブ領域及び変異体も本発明に従って使用さ
れうる。但し、このようなサブ領域又は変異体は、それ
に作用可能な状態で連結された配列の前立腺癌特異的組
織発現の発現におけるそれらの生物学的活性を保持す
る。事実、以下に例示するように、上記−460〜+6
2核酸領域のサブ領域は未だ前立腺組織プロモーター活
性を保持している。
【0012】本発明は、上記PCA3dd3 プロモーター
配列の中の1、及びそれに作用可能な状態で連結された
異種配列を含む組換えベクターも提供する。
【0013】本発明は、上記組換えベクターを含む細胞
をも提供する。
【0014】本発明は、さらに、PCA3dd3 プロモー
ターの、そしてそれによるそれに作用可能な状態で連結
された配列(例えば、PCA3コーディング配列)の発
現の調節を可能にするように、本発明のPCA3dd3
ロモーター配列に特異的なアンチセンス核酸分子又はリ
ボザイムを含む。1の特別な態様においては、上記アン
チセンスは、図1に示すヌクレオチド−70〜−30に
わたる配列に相補的な配列を含む。本発明の他のプロモ
ーター配列に相補的なアンチセンス配列も本発明の範囲
内にある。
【0015】本発明は、さらに、上記組換えベクターを
含む非ヒト生物にも関する。特に、本発明は、異種配列
に作用可能な状態で連結されたPCA3dd3 プロモータ
ー配列を含む組換えベクターを含む非ヒト生物に関す
る。特別な態様においては、上記プロモーター配列は、
−460〜+62位間の、図1に示す配列、又はその部
分の変異体を含む。
【0016】本発明は、一般に、その前立腺組織特異的
発現を可能にするそれらの能力を保持しつつ、異種配列
の前立腺組織特異的発現を可能にする単離核酸分子、及
びその変異体又は部分を提供する。
【0017】本発明は、異種配列に作用可能な状態で連
結された、本発明に係るPCA3dd 3 プロモーターをコ
ードする核酸配列の全部又は一部、その変異体又は部分
を含む、治療用途のための方法をも提供する。
【0018】PCA3dd3 プロモーターを同定し、か
つ、特徴付け、そしてそれらの組織特異的プロモーター
発現を保持するそれらの領域を決定し、かつ、特徴付け
ることは、PCA3dd3 のプロモーター活性を、そして
これ故、そのプロモーター活性がそれから評価されると
ころのサンプルの癌素因又は癌症状を、測定するための
診断方法の設計を可能にする。プロモーター活性を測定
するための多くの方法が利用可能であり、そして当業者
に知られている。患者からのサンプル中の、PCA3
dd3 プロモーターのプロモーター活性を測定するため
の、上記診断方法の非限定的な例は、配列の異なるメチ
ル化状態の間を区別することができるプライマーを用い
たPCA3dd3 プロモーターのPCR分析により行われ
ることができる(すなわち、CpG; Jarrard et al. 198
8, Cancer Res. 58: 5310-5314 )。このような方法
は、患者における前立腺癌の診断/予後を可能にするで
あろう。重亜硫酸水素ナトリウム(sodium bi
sulfite)は、非メチル化シトシンをチミジンに
変換し(メチル化シトシンはチミジンに変換されな
い)、上記プロモーターの低−対高−メチル化状態の間
を識別することができるPCRプライマーの設計が、当
業者により行われることができる。(上記プロモーター
の活性状態と相関する)プロモーターの低メチル化状態
は、上記前立腺サンプルの癌症状又はそれに対する素因
を示すであろう(例えば、上記プライマーは、CがTに
変更されているであろう配列に結合するであろう)。も
ちろん、プロモーターの活性を測定するための他の方法
を行うこともできる。
【0019】本発明は、さらに、候補作用物質の不存在
下に対して存在下でのその発現レベルを比較することを
含む。本発明のPCA3dd3 プロモーターを調節する作
用物質を同定するためのスクリーニング・アッセイに関
する。当業者により改作されることができるこのような
アッセイは、上記プロモーター配列の構造の働きをさら
に分析するために使用されうる。このようなアッセイの
1のタイプを、以下に、PCA3dd3 プロモーターの配
列及び/又は境界をより正確に定めるために、説明す
る。
【0020】本明細書中に教示するように、PCA3
dd3 プロモーターからの多数の配列は、前立腺特異的プ
ロモーター活性を保持することが示されている(図
7)。従って、本発明は、選ばれた異種配列の発現を指
令するために使用されることができる多数のPCA3
dd3 プロモーター配列を提供する。本分野において周知
であるが、プロモーターは、転写を開始させるためのR
NAポリメラーゼの結合に関係するDNA領域として定
義されるので、本明細書中に特徴付けられるPCA3dd
3 プロモーター配列は、図1の+2〜+62領域を含む
DNA配列に限定されるべきではない。実際、上記プロ
モーター配列を特徴付けるために使用された構築物のほ
とんどが、+2〜+62領域、そしてこれ故、mRNA
開始部位及びその先(全てエクソン1の部分)を含んで
いたので、当業者にとって、上記プロモーター配列が図
1に示すように−1位(又は転写開始部位が含まれる場
合、+1位)で終了することができるということは、明
らかである。従って、本発明のPCA3dd3 プロモータ
ー配列の非限定的例は、図1を参照して、ヌクレオチド
−89〜−1、−89〜+1、−89〜+62;−15
2〜−1、−152〜+1、−152〜+62;−25
4〜−1、−254〜+1、−254〜+62;−36
6〜−1、−366〜+1、−366〜+62;又は−
433〜−1、−433〜+1、−433〜+62を含
むPCA3dd3 配列を含む。もちろん、配列番号1、並
びに−460〜−1、−460〜+1又は−460〜+
62にわたるPCA3dd3 配列も本発明の範囲内にあ
る。
【0021】本明細書中に使用される用語の明確、か
つ、一貫した理解を提供するために、以下に、多くの定
義を提供する。
【0022】本明細書中に使用するとき、用語“非悪性
前立腺又は症状”とは、非癌性の前立腺状態を包含する
と意味される。従って、これらの用語は、正常な状態、
並びに良性な前立腺症状(例えば、BPHなど)を含む
と意味される。
【0023】用語“治療(的)用配列”とは、それがそ
の内で発現されているところの宿主細胞に対してある効
果を間接的又は直接的に有するDNA配列をいう。好ま
しくは、この治療的配列は、その内でPCA3dd3 プロ
モーターの機能的プロモーター活性が上記治療的タンパ
ク質の発現を可能にし、そして上記タンパク質の治療的
効果が直接又は間接的に発揮されているところの宿主細
胞内で治療的効果を示すことができる機能的タンパク質
をコードするアミノ酸配列をコードしている。
【0024】用語“PCA3dd3 プロモーター”とは、
図1又は図5中に示すPCA3dd3プロモーターからの
配列、又はその断片又は誘導体であって、それらの前立
腺組織特異的プロモーター活性を保持しているものをい
う。
【0025】用語“エンハンサー要素”とは、プロモー
ターの活性を高める(すなわち、上記プロモーターから
下流の配列の転写率を増加させるが、プロモーターとは
違って、プロモーター活性を有しておらず、かつ、上記
プロモーターに対してのその位置に拘らず(すなわち、
上記プロモーターの上流、又は下流で)通常働くことが
できる配列を定めると意味される。1の態様において
は、本明細書中に教示するように、プロモーター活性を
もつ単離核酸配列は、PCA3dd3 プロモーターの転写
活性を高めるように、エンハンサー要素と併合されるこ
とができる。エンハンサー要素は、本分野において周知
である。PCA3dd3 プロモーターのプロモーター活性
を高めるために使用されることができるであろうエンハ
ンサー要素(又はその部分)の非限定的な例は、レトロ
ウイルスのLTRs(例えば、MMTVLTR)、又は
SV40エンハンサー配列などに在るエンハンサー要素
を含む。
【0026】本分野において周知であり、前立腺組織特
異的プロモーター活性をもつ配列、及びPCA3dd3
ロモーターの重要な領域(例えば、NF−1ボックス、
及びE−ボックス)が同定されているので、当業者は、
その転写活性をさらに高めるために、上記プロモーター
を修飾することができるであろう。例えば、(1)図1
中四角(ボックス)で囲んだ、前立腺細胞特異的そして
特に前立腺癌細胞特異的又は異なる要素に結合する調節
タンパク質又は因子に結合する配列の数を増幅するこ
と;(2)1以上のエンハンサーを添加することが、P
CA3dd3 プロモーターの強度(すなわち、その転写活
性)を有意に高めることができるであろう。もちろん、
このような修飾は、PCA3dd3 プロモーター配列の前
立腺組織特異的プロモーター活性を保持しなければなら
ない。
【0027】多くの治療的遺伝子が本分野において周知
である。その非限定的リストは、例えば、米国特許第
5,919,652号中に見ることができる。治療的遺
伝子は、それに限定されないが、生産されるとき、その
内でそれが発現されるところの宿主細胞を殺すであろう
自殺遺伝子を含む。自殺遺伝子は、例えば、酵素、毒
素、腫瘍抑制遺伝子、及び癌遺伝子を含む。上記自殺遺
伝子の主要な目的は、その内でそれが発現されるところ
の宿主細胞を殺すことであるけれども、自殺遺伝子は、
宿主細胞の成長を抑制することもできる。上記自殺遺伝
子の抑制又は殺生効果は、直接的又は間接的であること
ができるということが理解されるであろう。
【0028】本発明に従って使用されることができる治
療的配列の非限定的な例は、TK、好適な癌遺伝子及び
腫瘍抑制遺伝子、例えば、Ras,p53,Rb,Wi
lm’s腫瘍遺伝子、毒素、例えば、ジフテリア毒素、
バクテリアの毒素、腫瘍壊死因子、インターフェロンそ
の他を含む。
【0029】さまざまなベクターが、PCA3dd3 プロ
モーターの影響下で、選ばれた異種配列、及びより特に
治療用配列を発現させるために、本発明に従って、使用
されることができる。このようなベクターは、本分野に
おいて周知である。その非限定的な例は:アデノウイル
ス−ベースのベクター、レトロウイルスのベクター、ア
デノ随伴ウイルスのベクター(AAV)、他のヒト及び
動物ウイルス、SV40、及びHSV−1を含む(本発
明に従って使用されることができるであろう非限定的ベ
クターのより詳しいリストについては米国特許第5,9
19,652号を参照のこと)。
【0030】ヌクレオチド配列は、IUPAC-IUB Biochemi
cal Nomenclature Commission の推奨に従って本分野に
おいて一般に使用される1文字ヌクレオチド記号を用い
て、5′〜3′の方向で、左から右に向かって、1本鎖
により、本明細書中提供される。
【0031】別段の定めなき場合、本明細書中に使用す
る科学技術用語及び命名法は、本発明の属する当業者に
より一般に理解されるものと同じ意味をもつ。一般に、
細胞培養、感染、分子生物学的方法その他の手段は、本
分野において使用される一般的方法である。このような
標準的な技術は、参考マニュアル、例えば、Sambrooket
al. (1989, Moleculer Cloning-A Laboratory Manual,
Cold Spring HarborLaboratories )、及びAusubel et
al. (1994, Current Protocols in Molecular Biolog
y, Wiley, New York )中に見られる。
【0032】本明細書は、多数の日常的に使用される組
換えDNA(rDNA)技術用語に言及する。しかしな
がな、このようなrDNA用語の選択された例の定義
は、明確さ、及び一貫性を目的として提供される。
【0033】本明細書中に使用するとき、“核酸分子”
とは、ヌクレオチドのポリマーをいう。その非限定的な
例は、DNA(すなわち、ゲノムDNA、cDNA)、
及びRNA分子(すなわち、mRNA)、並びにそれら
のキメラを含む。上記核酸分子は、クローニング技術に
より得られ又は合成されることができる。DNAは、2
本鎖又は1本鎖(コーディング鎖又は非コーディング鎖
〔アンチセンス〕)であることができる。
【0034】本分野において知られる“組換えDNA”
は、DNAセグメントの連結から生じたDNA分子をい
う。これは、しばしば遺伝子工学といわれる。
【0035】用語“DNAセグメント”は、本明細書
中、ヌクレオチドが線状に延たもの又はその配列を含む
DNAをいうために使用される。この配列は、その遺伝
子コードに従って読むとき、ポリペプチド、タンパク
質、タンパク質断片その他といわれることができるアミ
ノ酸の線状ストレッチ又は配列をコードすることができ
る。
【0036】本明細書中、用語“増幅対”は、多くのタ
イプの増幅方法の中の1、好ましくはポリメラーゼ連鎖
反応による選ばれた核酸配列の増幅において共に使用さ
れるべく選択された、本発明のオリゴヌクレオチド(オ
リゴ)の対をいう。増幅方法の他のタイプは、以下によ
り詳細に説明するような、リガーゼ連鎖反応、鎖変位増
幅(strand displacement amp
lification)、核酸配列に基づく増幅を含
む。
【0037】本分野において一般に知られているよう
に、上記オリゴは、選択された条件下で、相補配列に結
合するように設計される。
【0038】本発明を実施するための核酸(すなわち、
DNA又はRNA)は、周知の方法に従って得られう
る。
【0039】本発明のオリゴヌクレオチド・プローブ又
はプライマーは、使用される特定のアッセイ形式並びに
特定のニーズ及び標的化されたゲノムに依存して、いず
れかの好適な長さをもつことができる。一般に、上記オ
リゴヌクレオチド・プローブ又はプライマーは、長さ少
なくとも12ヌクレオチド、好ましくは15〜24の間
であり、そしてそれらは、選択された核酸増幅系に特に
好適であるように改作される。本分野において一般に知
られているように、上記オリゴヌクレオチド・プローブ
及びプライマーは、その標的配列とのそのハイブリダイ
ゼーションの融点を考慮することにより設計されること
ができる(以下、及びSambrook et al.,1989, Molecula
r Cloning-A Laboratory Manual, 2nd Edition, CSH La
boratories; Ausubel et al., 1989, in Current Proto
cols in Molecular Biology, John Wiley & Sons Inc.,
N.Y.を参照のこと)。
【0040】用語“オリゴヌクレオチド”又は“DN
A”分子又は配列は、一般に、デオキシリボヌクレオチ
ド、アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、
及び/又はシトリン(C)から構成される分子をいう
(修飾され又は稀なヌクレオチドも使用されうる)。2
本鎖型にあるとき、その用語が本明細書中に定義される
ように、それは、本発明に係る“調節要素”を含む(c
omprise or include)ことができ
る。用語“オリゴヌクレオチド”又は“DNA”は、線
状DNA分子又は断片、ウイルス、プラスミド、ベクタ
ー、染色体又は合成誘導DNA内に在ることができる。
本明細書中に使用するとき、特定の2本鎖DNA配列
が、5′から3′方向でだけ配列を記載する通常のやり
方に従って、記載されることができる。“オリゴヌクレ
オチド”は1本鎖形態にあることができ(そして通常そ
うである)ことも理解されるであろう。
【0041】本発明のプローブは、天然の糖−リン酸骨
格、並びにホスホロチオエート、ジチオネート、アルキ
ル・ホスホネート、及び−ヌクレオチドその他を含む修
飾された骨格とともに、使用されることができる。修飾
された糖−リン酸骨格は、一般に、Miller, 1988, Ann.
Reports Med.Chem. 23: 295 、及びMoran et al., 198
7, Nucleic acid molecule.Acids Res., 14: 5019によ
り教示されている。本発明のプローブは、リボ核酸(R
NA)又はデオキシリボ核酸(DNA)のいずれかか
ら、そして好ましくはDNAから構築されることができ
る。
【0042】それにおいてプローブが使用されることが
できるところの検出のタイプは、サザン・ブロット(D
NA検出)、ドット又はスロット・ブロット(DNA,
RNA)、及びノーザン・ブロット(RNA検出)を含
む。あまり好ましくないけれども、標識されたタンパク
質は、それにそれが結合するところの特定の核酸配列を
検出するためにも使用されることができるであろう。よ
り最近、PNAsが記載された(Nielsen et al. 1999,
Current Opin.Biotechnol. 10: 71-75 )。PNAs
も、本発明のmRNAを検出するために使用されること
ができるであろう。他の検出方法は、ディップスティッ
ク・セットアップ上にプローブを含むキットその他を含
む。
【0043】本発明は、特定の核酸配列の検出のための
標識の使用に特別に依存しないけれども、このような標
識は、検出の感度を高めることにより、有益であるかも
しれない。さらに、それは自動化を可能にする。プロー
ブは、多くの周知の方法に従って標識付けされることが
できる(Sambrook et al., 1989 、前掲)。標識の非限
定的な例は、 3H,14C,32P、及び35Sを含む。検出
可能なマーカーの非限定的な例は、リガンド、蛍光団
(fluorophores)、化学発光剤、酵素、及
び抗体を含む、本発明の方法の感度上昇を可能にするこ
とができる、プローブと共に使用されるための他の検出
マーカーは、ビオチンと放射性核種を含む。当業者にと
って、特定の標識の選択が、それがプローブに結合する
やり方を決定することは明らかとなるであろう。
【0044】一般に知られているように、放射性核種
は、いくつかの方法により本発明のプローブ内に取り込
まれることができる。その非限定的に例は、ガンマ32
ATPとポリヌクレオチド・キナーゼを用いた、放射
性dNTPの存在下E.coliのPolIのKlen
ow断片(すなわち、低融点ゲル中でのランダム・オリ
ゴヌクレオチド・プライマーを用いた均一に標識付けさ
れたDNAプローブ)を用いた、1以上の放射性NTP
の存在下DNAセグメントを転写するためのSP6/T
7、などを用いた、上記プローブの5′末端キナーゼ処
理を含む。
【0045】本明細書中に使用するとき、“オリゴヌク
レオチド”又は“オリゴ”は、2以上のヌクレオチド
(リボ又はデオキシリボヌクレオチド)をもつ分子を定
義する。上記オリゴのサイズは、特定の状況により、そ
して最終的には、その特定の使用に基づいて決められる
であろうし、そしてそれ故当業者により改作されるであ
ろう。オリゴヌクレオチドは、周知の方法に従って化学
的に合成され、そしてクローニングにより得られること
ができる。
【0046】本明細書中に使用するとき、“プライマ
ー”は、好適な条件下、標的配列にアリーリングするこ
とができ、それによりDNA合成のための開始点として
役立つことができる2本鎖領域を作り出すことができる
オリゴヌクレオチドを定義する。
【0047】選択された、又は標的の、核酸配列の増幅
は、多くの好適な方法により、行われることができる。
一般に、Kwoh et al., 1990, Am.Biotechnol.Lab. 8: 1
4-25を参照のこと。多くの増幅技術が記載されており、
そして当業者に特定の要求に合うように容易に改作され
うる。増幅技術の非限定的な例は、ポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖変位増
幅(SDA)、転写ベースの増幅、Q−レプリカーゼ
系、及びNASBAを含む(Kwoh et al., 1989,Proc.N
atl.Acad.Sci. USA 86, 1173-1177; Lizardi et al., 1
988, Bio Technology 6: 1197-1202; Malek et al., 19
94, Methods Mol.Biol., 28: 253-260;及びSambrook et
al., 1989、前掲)。好ましくは、増幅は、PCRを用
いて行われるであろう。
【0048】ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、知ら
れた技術に従って行われる。例えば、米国特許第4,6
83,195号;同第4,683,202号;同第4,
800,159号;及び同第4,965,188号(上
記全4つの米国特許の開示を本明細書中に援用する)を
参照のこと。一般に、PCRは、検出されるべき特定の
配列の各々のストランドのための1のオリゴヌクレオチ
ド・プライマーを用いた、ハイブリダイジング条件下で
の(例えば、耐熱性DNAポリメラーゼの存在下での)
核酸サンプルの処理を含む。合成されている各プライマ
ーの伸張生成物は、上記2つの核酸ストランドの各々に
相補的であり、そして上記プライマーは特定の配列の各
々のストランドに十分に相補的でありそれとハイブリダ
イズする。各プライマーから合成された伸張生成物は、
同一プライマーを用いた伸張生成物のさらなる合成ため
の鋳型としても役立つことができる。十分な数の、伸張
生成物の合成ラウンドの後、上記サンプルを分析して、
検出されるべき配列(単数又は複数)が存在するかどう
かを評価する。増幅された配列の検出は、ゲル電気泳動
後のDNAのEtBr染色後の可視可により、又は知ら
れた技術に従う検出ラベル等を用いて、行われることが
できる。PCR技術についての文献に関しては、PCR Pr
otocols, A Guide to Methods and Amplications, Mich
ael et al. Eds, Acad.Press, 1990を参照のこと。
【0049】本明細書中に使用するとき、用語“遺伝
子”は、本分野において周知であり、そして単一のタン
パク質又はポリペプチドを定める核酸をいう。“構造遺
伝子”は、RNAに転写され、そして特定のアミノ酸配
列をもつタンパク質に翻訳され、それにより特定のポリ
ペプチド又はタンパク質を生じるDNA配列を定義す
る。当業者により、本発明の核酸配列は本分野において
周知の多くの確立されたキット形式のいずれか1に取り
込まれうることが容易に理解されるであろう。
【0050】DNA分子の“異種”(すなわち、異種遺
伝子)領域は、天然においてはそれと会合していないこ
とが判っている、より大きなセグメント内のDNAのそ
の後のセグメントである。用語“異種(heterol
ogous)”は、天然において一緒に連結されていな
い2つのポリペプチドセグメントを定義するためにも同
様に使用されることができる。異種遺伝子の非限定的な
例は、リポーター遺伝子(reporter gene
s)、例えば、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコール
・アセチル・トランスフェラーゼ、ベータ−ガラクトシ
ダーゼ、成長ホルモン、緑色蛍光タンパク質(米国特許
第5,968,875号)その他であって、異種制御領
域又は異種ポリペプチドに隣接し又は連結されることが
できるものを含む。1の態様によれば又は特に上記スク
リーニング・アッセイのためには、このようなリポータ
ー遺伝子は、PCA3dd3 プロモーター活性の定量を可
能にすることができる。好ましくは、上記異種配列は、
治療的配列をコードする。
【0051】用語“ベクター”は、本分野において一般
に知られており、そして、プラスミドDNA、ファージ
DNA、ウイルスDNAその他であって、その中に本発
明のDNAがクローニングされることができるところの
DNAベクターとして役立つことができるものを定着す
る。多くのタイプのベクターが存在し、そして本分野に
おいて周知である。
【0052】用語“発現”は、それにより遺伝子がmR
NAに転写され(転写)、そして次にそのmRNAが1
以上のポリペプチド(又はタンパク質)に翻訳される
(翻訳)ところのプロセスを定義する。
【0053】用語“発現ベクター”は、上記のようなも
のであるが、宿主内への形質転換後に挿入された配列の
発現を可能にするようにデザインされたベクター又は媒
体を定める。クローン化された遺伝子(挿入された配
列)は、通常、制御要素配列、例えば、プロモーター配
列の制御下に置かれる。このような制御配列の下にクロ
ーン化遺伝子を配置することを、ときどき、制御要素又
は配列に作用可能な状態で連結されているという。
【0054】作用可能な状態で連結された配列は、同一
のRNA転写産物上に転写される2つのセグメントを含
むこともできる。従って、2つの配列、例えば、プロモ
ーターと“リポーター配列”又は“治療的配列”は、上
記プロモーターにおける転写開始が上記リポーター配列
又は治療的配列のRNA転写産物を作り出すである場合
に、作用可能な状態で連結されている。“作用可能な状
態で連結される”ためには、2つの配列が互いにじかに
隣接している必要はない。
【0055】発現制御配列は、上記ベクターが原核又は
真核宿主又は両者(シャトル・ベクター)内で作用可能
に連結された遺伝子を発現するように設計されているか
どうかに依存して変化するであろうし、そしてさらに、
転写要素、エンハンサー要素、終止配列、組織特異性要
素、及び/又は翻訳開始及び終結部位を含むことができ
る。本発明の好ましい態様に従えば、本発明のプロモー
ター配列は、前立腺細胞又はより好ましくは前立腺癌細
胞内での異種配列の発現において用途がある。もちろ
ん、本発明は、前立腺癌組織由来細胞(例えば、転移)
においても利用される。
【0056】上記DNA構築物は、本発明のオリゴヌク
レオチド配列に作用可能な状態で連結されたプロモータ
ーを含むベクターであることができ、そして本発明のオ
リゴヌクレオチド配列は、次に、異種遺伝子、例えば、
ルシフェラーゼ・リポーター分子のための遺伝子に作用
可能な状態で連結される。“プロモーター”は、細胞内
でRNAポリメラーゼに直接又は間接的に結合すること
ができ、そして下流(3′方向)に向かうコーディング
配列の転写を開始することができるDNA調節領域をい
う。本発明の目的のためには、上記プロモーターは、そ
の3′末端において転写開始部位により境界を画され、
そしてバックグラウンドを上廻って検出されることがで
きるレベルにおける転写を開始させるために必要な最少
数の塩基又は要素を含むよう上流(5′方向に)延びて
いる。上記プロモーター内には、(便利には、S1ヌク
レアーゼを用いたマッピングにより定められる)転写開
始部位、及びRNAポリメラーゼの結合に責任を負うタ
ンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が在るであ
ろう。真核プロモーターは、常時ではないが、しばし
ば、“TATA”ボックス、及び“CCAT”ボックス
を含む。
【0057】本明細書中に使用するとき、用語“機能性
誘導体”とは、核酸配列であるかアミノ酸配列であるか
を問わず配列の機能的な誘導体という意味で、その元の
配列のものに実質的に類似の生物学的活性(機能又は構
造のいずれか)を保持する分子を表す。この機能性誘導
体又は等価物は、天然の誘導体であることができ又は合
成により製造されることができる。このような誘導体
は、より正確には、1以上のヌクレオチド(2本鎖)の
置換、欠失、又は付加をもつが、そのプロモーター活性
及び前立腺特異的活性は保存されているようなPCA3
dd3 配列を含む。用語“機能的誘導体”は、本発明の対
象の、“断片”、“セグメント”、“変異体(vari
ants)”、“アナログ”又は“化学的誘導体”を含
むと意図される。
【0058】従って、用語“変異体”は、本明細書中、
本発明の核酸に、構造及び生物学的活性において実質的
に類似する核酸分子をいう。
【0059】本発明の機能的誘導体は化学的に合成され
又は組換えDNA技術を通じて製造されることができ
る。これらの方法の全てが本分野において周知である。
【0060】当業者は、ゲノムがしばしば個体間に僅か
な対立遺伝子変化を含むことを理解するであろう。それ
故、上記単離核酸分子は、その配列がPCA3dd3 プロ
モーター配列の機能的誘導体である限り、対立遺伝子変
化をも含むと意図される。PCA3対立遺伝子が配列番
号1内に存在する配列と同一の配列をコードしていない
とき、それは、本明細書中に使用するものと同じ技術を
用いて、そして特に、本明細書中に開示する配列に基づ
くプライマーを用いて適当な領域を増幅するためのPC
R技術を用いてPCA3dd3 プロモーターとして単離及
び同定されることができる。
【0061】本明細書中に使用するとき、“化学的誘導
体”とは、通常、本発明の対象の一部ではない追加の化
学的成分を包含することを意味される。このような成分
は、その誘導体の物理−化学特性(すなわち、溶解度、
吸収、半減期その他、毒性の低下)に影響を及ぼすこと
ができるであろう。
【0062】このような成分は、Remington's Pharmace
utical Sciences (1980)中に例示されている。このよう
な化学−物理成分をポリペプチドにカップリングさせる
方法は、本分野において周知である。
【0063】用語“対立遺伝子”は、染色体上の所定の
座を占有する遺伝子の代替形態である。
【0064】一般に知られているように、“突然変異”
は、娘細胞に伝達されることができる遺伝子材料におけ
る検出可能な変化である。周知であるが、例えば、突然
変異は、1以上のデオキシリボヌクレオチドにおける検
出可能な変化であることができる。例えば、ヌクレオチ
ドは、付加され、欠失され、置換され、逆位され、又は
転位されることができる。自然発生の突然変異と実験的
に誘導された突然変異が存在する。核酸分子の突然変異
の結果は、突然変異体核酸分子である。突然変異体ポリ
ペプチドは、その突然変異体核酸分子からコードされる
ことができる。
【0065】本明細書中に使用するとき、用語“精製さ
れた”とは、細胞成分から分離されている分子をいう。
従って、例えば、“精製されたタンパク質”は、天然に
は存在しないレベルまで精製されている。“実質的に純
粋な”分子は、他の全ての細胞成分を欠いている分子で
ある。
【0066】本明細書中に使用するとき、用語“分
子”、“化合物”、又は“作用物質(agent)”
は、互換使用され、そして広く、天然、合成又は半合成
の分子又は化合物を指す。それ故、用語“分子”は、例
えば、化学物質、巨大分子、(植物又は動物からの)細
胞又は組織抽出物、その他を表す。分子の非限定的な例
は、核酸分子、ペプチド、リガンド、抗体、炭水化物、
及び医薬作用物質を含む。上記作用物質は、ランダム・
スクリーニング、理論的選択(rational se
lection)を含むさまざまな手段により、そして
例えば、タンパク質又はリガンド・モデリング方法、例
えば、コンピュータ・モデリングを用いた理論的設計に
より、選択され、そしてスクリーニングされることがで
きる。用語“理論的に選択された”又は“理論的に設計
された”とは、本発明の相互作用ドメインの立体形状に
基づき選択された化合物を定義すると意味される。当業
者により理解されるように、非天然の修飾をもつ巨大分
子も、用語“分子”の範囲内にある。例えば、医薬産業
において周知であり、かつ、一般にペプチド・アナログ
といわれる、ペプチド擬態は、上述のようなモデリング
により作製されることができる。本発明の技術に従って
同定された分子は、前立腺細胞及び/又はそれから誘導
された組織又は細胞の病因又は恒常性が損われている疾
患又は症状において治療的価値をもつ。好ましい態様に
おいては、細胞又は組織の欠陥は、PCA3mRNAの
発現における欠陥に関係している。あるいは、本発明の
教示に従って同定される分子は、PCA3dd3 プロモー
ター配列の活性を調節することができる化合物の開発に
おいて有用である。
【0067】本発明は、例えば、PCA3dd3 プロモー
ターの活性を低下させ又は抑止するために使用されるこ
とができるアンチセンス核酸分子をも提供する。本発明
に係るアンチセンス核酸分子は、その標的化された核酸
配列(DNA又はRNA)の部分と安定した2本鎖又は
3本鎖を形成することができる分子をいう。アンチセン
ス核酸分子の使用並びにこのような分子の設計及び修飾
は、例えば、WO 96/32966,WO 96/1
1266,WO 94/15646,WO 93/08
845、及びUSP 5,593,974中に記載され
ているように本分野において周知である。本発明に係る
アンチセンス核酸分子は上記核酸配列から誘導され、そ
して周知の方法に従って修飾されることができる。例え
ば、いくつかのアンチセンス分子は、本分野において一
般に知られているように、ヌクレオチド・アナログを用
いて及び/又はその選ばれた化学断片を置換することに
より、分解に対してより抵抗性であるように、それらの
標的配列に対するそれらのアフィニティーを高めるよう
に、選ばれた細胞タイプ又は細胞区画へのそれらの輸送
に影響を及ぼすように、そして/又はそれらの脂質安定
性を高めるように、デザインされることができる。
【0068】本発明に係る指標細胞は、アンタゴニスト
を同定するために使用されることができる。例えば、テ
スト分子(単数又は複数)が、固定された濃度に保たれ
た1以上のアゴニストとともに上記宿主細胞とともにイ
ンキュベートされる。上記分子のアンタゴニスティック
特性の指示及び相対強度は、テスト分子の不存在下対存
在下で、上記アゴニストの存在下で上記指標細胞内での
遺伝子発現のレベルを比較することにより、提供される
ことができる。もちろん、分子のアンタゴニスティック
効果は、上記テスト分子の存在下と不存在下で上記リポ
ーター遺伝子産物の発現レベルを単に比較することによ
り、アゴニストの不存在下で測定されることもできる。
【0069】本明細書中に使用するとき、用語“指標細
胞”とは、検出可能な異種配列に作用可能な状態で連結
されたPCA3dd3 プロモーター配列を含む細胞をい
う。いくつかの態様においては、上記異種配列によりコ
ードされるタンパク質は、同定可能な又は選択可能な表
現型又は特性に結合されることができる。このような指
標細胞は、本発明のスクリーニング・アッセイにおいて
使用されることができる。ある態様においては、上記指
標細胞は、本発明のPCA3dd3 プロモーターの選ばれ
た誘導体、断片、同族体、又は突然変異体を発現するよ
うに操作されている。上記細胞は、PCA3dd3 プロモ
ーターの検出可能なプロモーター活性を可能にするよう
に選ばれなければならない。好ましくは、上記細胞は前
立腺細胞であり、好ましくは、上記前立腺細胞は前立腺
癌細胞である。
【0070】明確さのために、本発明を実施するために
有用な配列及びポリペプチドは、それに限定されない
が、突然変異体、同族体、サブタイプ、対立遺伝子その
他を含む。一般に、本発明に係る配列は(欠陥があるけ
れども)機能的なPCA3dd3プロモーターをコードし
なければならないと理解される。当業者にとって、本発
明のPCA3dd3 プロモーター配列、変異体、誘導体、
又はその断片がそのプロモーター活性を保持しているか
どうかが、本発明の教示及びアッセイ並びに本分野の一
般的技術を用いることにより容易に決定されることがで
きるということは、明らかであろう。
【0071】本明細書中以下に例示するように、本発明
のPCA3dd3 プロモーターは、その構造−機能関係を
分析し、そしてモデリング化合物のより良い設計及び同
定を可能にするために、例えば、インビトロ突然変異誘
発(例えば、点突然変異、実施例6)により又は欠失分
析(実施例4)により、修飾されることができる。
【0072】宿主細胞又は指標細胞は、このようなDN
Aが上記細胞内に導入されているとき、外来又は異種D
NA(例えば、DNA構築物)により“トランスフェク
ト”されている。このトランスフェクティングDNA
は、上記細胞のゲノムを作っている染色体DNA内に組
み込まれ(共有結合され)てもされなくてもよい。安定
したトランスフェクトされた細胞は、それが染色体の複
製を通じて娘細胞により受け継がれるように上記トラン
スフェクティングDNAが染色体内に組み込まれるよう
になっているような細胞である。この安定性は、上記ト
ランスフェクティングDNAを含む娘細胞の集団から構
成される細胞系又はクローンを樹立する真核細胞の能力
により証明される。トランスフェクション方法は、本分
野において周知である(Sambrook et al., 1989 、前
掲;Ausubel et al., 1994 前掲)。
【0073】本明細書及び添付クレームから、用語治療
剤は、少なくとも2つの上記治療剤の組合せ物をも含む
ように広義に解釈されるべきである。さらに、本発明に
係るDNAセグメント又はタンパク質は、多くの方法で
個体内に導入されることができる。例えば、前立腺細胞
は、罹患した個体から単離され、本発明に係るDNA構
築物により形質転換され、そして多くの方法で罹患した
個体に再導入されることができる。あるいは、DNA構
築物は上記の罹患した個体に直接投与されることができ
る。DNA構築物は、リポソームの如き媒体を通じてデ
リバリーされることもでき、これらは、特定の細胞のタ
イプに標的化されるように設計され、そして異なる経路
を通して投与されることができる。
【0074】ヒトへの投与のためには、処方医薬従事者
が、所定の患者のための適当な形態及び投与量を最終的
に決定するであろうし、そしてこれは、選ばれた治療養
生法(すなわち、DNA構築物、タンパク質、細胞)、
患者の応答及び症状、並びに疾患の重度に従って変化す
ると予想されうる。
【0075】本発明の範囲内の組成物は、有害な副作用
を回避しながら所望の治療効果を達成するために有効な
量で上記活性剤(すなわち、組換えベクター、核酸、及
び分子)を含むべきである。典型的には、本発明に係る
核酸は、処置される哺乳動物の体重1kg当り1日当り
0.005〜1mgの範囲にわたる投与量で哺乳動物(す
なわち、ヒト)に投与されることができる。上記活性剤
の医薬として許容される調製物及び塩は、本発明の範囲
内にあり、そして本分野において周知である(Remingto
n's Pharmaceutical Science, 16th Ed., Mack Ed.)。
ポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニストその他の投
与のためには、投与される量は、有害な副作用を回避す
るように選ばれるべきである。この投与量は、疾患の程
度及び患者からの異なるパラメーターの如き慣用の要因
に従って臨床医により適合されるであろう。典型的に
は、0.001〜50mg/kg/日が上記哺乳動物に投与
される。
【0076】本発明は、本発のオリゴヌクレオチド・プ
ライマーを含むキットにも関し、そして上記プライマー
は、本発明の追加の配列を欠くPCA3 mRNA又は
本発明の追加の配列を含むPCA3 mRNAの中のい
ずれか1に特異的である。
【0077】従って、本発明は、前立腺細胞又は前立腺
由来細胞そしてより特に前立腺癌細胞内で、着目の異種
配列を特異的に発現するための手段を提供する。従っ
て、本発明は、前立腺又は前立腺由来細胞内で疾患状態
を直接的又は間接的に矯生するための手段を提供する。
PCA3dd3 プロモーターの高い前立腺特異的発現が本
明細書中に証明される。
【0078】従って、本発明の好ましい態様に従えば、
前立腺細胞又は前立腺由来細胞内で、その前立腺細胞又
は前立腺由来細胞内での疾患を直接又は間接的に改善す
ることができる、選ばれた異種配列、及び好ましくは治
療的配列を、特異的に発現する方法が提供される。特に
好ましい態様においては、本発明は、自殺遺伝子に作用
可能な状態で連絡された本発明のPCA3dd3 プロモー
ター配列を含む組換えベクターのそれへの導入を通じ
て、前立腺癌細胞又は前立腺癌由来細胞を特異的に殺す
手段を提供する。
【0079】本発明のさらなる目的及び利点は、以下の
説明から明らかになるであろう。
【0080】好ましい態様の説明 PCA3dd3 遺伝子は、患者における前立腺癌の、高感
度、かつ、特異的な診断マーカーであることが示されて
いる。GenBank(商標)データ・ベース中に寄託
されたそのプロモーター配列の特徴付けは、前立腺又は
前立腺由来細胞、そしてより特に前立腺癌細胞内での異
種配列の特異的発現、及び前立腺癌に対する治療法の開
発に向けての道を切り拓く。
【0081】本発明を、以下の非限定的実施例により、
より詳細に説明する。
【0082】実施例1 PCA3dd3 プロモーター・クローンの単離及び配列分
析 ヒトPCA3dd3 cDNAの5′末端を含むゲノム・
クローン・ラムダFIX−ME3,−ME4、及び−I
H1を先に得た(Bussemakers, PCT/CA98/00346 1998;
及びBussemakers et al., Cancer Res. 1999a )。ラム
ダ・ファージDNAをエンドヌクレアーゼにより消化
し、そしてプラスミド・ベクターpGEM−3Zf
(+)又はpT2 内にサブクローニングした。2本鎖プ
ラスミドDNAを、標準的な手順により単離し、そして
Thermo Sequeneseサイクル・シークエ
ンシング・キット(Amersham)、及びTexa
s Red標識されたユニバーサル・プライマーを用い
て配列決定した。シークエンシング生成物を分離し、そ
してVistra DNA Sequencer 72
5を用いて分析した。
【0083】図1Aに、PCA3dd3 エクソン1とその
5′−フランキング配列を含む得られたクローンpFS
28,pGV61、及びpME4.6の制限酵素地図を
示す。5′−フランキング領域のヌクレオチド配列を決
定し(図1B)、そしてGenBank受託番号AF2
79290の下GenBankデータベース中に寄託す
る。BLAST(Altschul et al., Nucleic Acids Re
s. 1997)を用いた上記PCA3dd3 5′−フランキ
ング・ヌクレオチド配列と非冗長ヌクレオチド・データ
ベース及び真核プロモーター・データベース中の配列と
の比較は、いずれの遺伝子、記載されたプロモーター配
列に対するホモロジーを全く現わさなかった。TRAN
SFAC 3.5マトリックス(Quandt et al., Nucle
ic Acids Res. 1995)を用いたMatInspecto
rプログラムによる潜在的な転写因子(TF)結合部位
の同定は、コンセンサス位置において正準の結合部位を
全く現わさなかった。すなわち、いずれの開始又はTA
TAボックスも同定されることができなかった。非コン
センサス位置(−374〜−378)においてたった1
つのCAAT要素が発見された。他の可能性のあるTF
結合部位を図1Bに示す。
【0084】従って、PCA3dd3 プロモーターの構造
−機能関係が、以下に示すような分子生物学的方法を用
いて分析されなければならなかった。
【0085】実施例2 PCA3dd3 転写開始部位の決定において使用されたオ
リゴヌクレオチドの配列 PCA3dd3 転写開始部位の決定において使用された特
異的オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を図2中に
示す(配列番号2〜4)。BUS2(配列番号2)とB
US7(配列番号3)の配列が、プライマー伸張分析の
ために使用されたPCA3dd3 特異的アンチセンス・オ
リゴヌクレオチドである。BUS21(配列番号4)配
列が、RNase保護アッセイのために使用されるPC
A3dd3特異的オリゴヌクレオチドである。
【0086】実施例3 PCA3dd3 開始部位の決定 単離されたヒトPCA3dd3 cDNAsは、それらの
異なる長さに関連して、異なる5′末端を有することが
示された(Bussemakers et al., Cancer Res.1999a)。
PCA3dd3 転写開始部位を正確に定めるために、ヒト
前立腺癌組織及びネガティブ・コントロールとして正常
ヒト肝及び肺組織からの全RNAを用いた、プライマー
伸張分析及びRNase保護アッセイを行った。
【0087】プライマー伸張分析のために、PCA3
dd3 エクソン1(BUS2)とエクソン3(BUS7)
−特異的オリゴヌクレオチドを、プライマーとして使用
した。このエクソン3−特異的プライマー、BUS7の
使用は正当化される。なぜなら、エクソン2は、代替ス
プライシングに因りほんの小さな転写産物(5<%)中
に存在するからである(Bussemakers et al., Cancer R
es. 1999a )。簡単に言えば、ヒト組織の全RNAを、
標準的な手順によりグアニジウム・イソシアネートを用
いて単離した。PCA3dd3 特異的アンチセンス・オリ
ゴヌクレオチドBUS2(5′−CTCTGTATCATCAGGTCCTT
CC−3′、+120〜+99位)、及びBUS7(5′
−CTGGAAATGTGCAAAAACAT−3′、+420〜+401
位)を、〔ガンマ−32P〕ATP末端ラベルし(300
0mCi /mmol、Amersham)、そして30マイク
ロリッターのハイブリダイゼーション・バッファー(4
0mMPIPES pH6.7、1mM EDTA、0.5M
NaCl、80%ホルムアルデヒド)中30℃で20
マイクログラムのRNAでアニールした。プライマー
を、42℃で1.5時間にわたり、0.5mM dNTP
s、10mM DTT、0.5マイクログラムのアクチノ
マイシンD、及び1ユニット/マイクロリッターのRN
ase阻害剤を補った、25マイクロリッターのRTバ
ッファー(Gibco BRL)中の200ユニットの
SuperScript II−MMLV逆転写酵素(G
ibco BRL)を用いて伸張させた。RNaseA
処理されたプライマー伸張生成物を、6%ポリアクリル
アミド−尿素ゲル電気泳動により分離した。同一のオリ
ゴヌクレオチド・プライマーを用いて生成されたPCA
dd 3 ゲノム配列ラダーを、サイズ・マーカーとして使
用した。ゲルを乾燥させ、そして約3日間−80℃で2
つの増幅性スクリーンを用いてHyperfilm(A
mersham)に露出させた。
【0088】上記RNase保護アッセイのために、推
定された転写開始部位を包含するDNA断片を、プロー
ブとして使用した。クローンpME4.6からの517
bpsのSau3AI DNA断片を、M13mp18の
BamHI部位にライゲートした。1本鎖M13 DN
Aを単離し、PCA3dd3 エクソン1−特異的オリゴヌ
クレオチドBUS21(5′−CCTTCCCACCATGCAGATCTTC
CTGGTCTCCCTCGGCTGCAGCCA-CACAA −3′)とアニールさ
せ、そして〔ガンマ−32P〕dATPとKlenow
DNAポリメラーゼを用いて伸張させた。この放射標識
されたプローブを、HincIIにより線状化し、そして
変性5%ポリアクリルアミド−尿素ゲルから精製した。
全ての反応を、標準的なプロトコールに従って行った。
このプローブ(105cpm)を、30マイクロリッターの
ハイブリダイゼーション・バッファー(40mM PIP
ES pH6.7、1mM EDTA、0.5M NaC
l、80%ホルムアミド)中30℃で40マイクログラ
ムの全RNAと一夜アニールさせた。DNA−RNAハ
イブリッドを、30℃又は37℃で60分間300マイ
クロリッターのS1バッファー(20マイクログラム/
mlの1本鎖ニシン精子DNAを補った、0.28M N
aCl、0.05M NaAc pH4.5、4.5mM
ZnSO4 )中300ユニットのS1ヌクレアーゼ(A
mersham)で消化した。消化を、停止バッファー
(4M NH4 Ac、50mM EDTA、50マイクロ
グラム/ml+RNA)の添加により停止させた。保護さ
れたDNA断片を、6%ポリアクリルアミド−尿素ゲル
電気泳動により分離した。上記BUS21プライマーを
用いて生成されたPCA3dd3 ゲノム配列ラダーを、サ
イズ・マーカーとして使用した。ゲルを乾燥させ、そし
て約3日間−80℃において2つの増幅性スクリーンを
用いてHyperfilm(Amersham)に露出
させた。
【0089】上記プライマー伸張分析のための代表的な
実験の結果を図3A中に示す。2つの前立腺特異的伸張
生成物が図3A中で同定されることができた(レーン
4,5,7,8、及び9)。最も長い伸張生成物から演
繹された転写開始部位を、+1とし、そしてその結果、
最も小さい断片は、+34位における別の開始部位から
開始された。図3B中に示すように、S1ヌクレアーゼ
を用いたRNase保護分析は、2つの前立腺特異的S
1−保護断片を現した(図3B、レーン1〜4)。最も
多量の生成物は、プライマー伸張分析により同定された
転写開始部位(+1位)に対して+3位から開始され
た。僅かなS1保護断片は、+12位にある別の開始部
位から開始された。同定された主要な及び僅かな転写開
始部位を図4中PCA3dd3 ヌクレオチド配列の上に示
す。
【0090】実施例4 ヒトPCA3dd3 プロモーターの転写活性 プロモーター活性を証明するために、PCA3dd3
5′−フランキング領域を、ヒト成長ホルモン(hG
H)リポーター遺伝子の上流にクローニングした(構築
物pDDGH−1.9、−433〜+62位)。簡単に
言えば、プロモーターをもたないプラスミドp0GH
(Nichols Institute)を、上記ヒト
成長ホルモン遺伝子の上流のポリリンカー内にPCA3
dd3 プロモーター断片をクローニングするために使用し
た。PCA3dd3 プロモーター断片を、5′HindII
I −タグ付、及び3′BamHI−タグ付プライマー、
並びにテンプレートとして正常ヒト・ゲノムDNAを用
いて、PCRにより作製した。次に、これらの断片を、
HindIII とBamHIで解裂させ、そして標準的な
手順を用いて、p0GH内にクローニングした。突然変
異体プロモーター構築物を、“Gene Edito
r”インビトロ部位指定突然変異誘発系(Promeg
a)を用いて作製した。異なる細胞系のhGH分泌能は
変動しうるので、各細胞系のために、PCA3dd3 −h
GH構築物の活性を、HSV−チミジン・キナーゼ遺伝
子の構成的プロモーターにより駆動されるヒト成長ホル
モン遺伝子を含むプラスミドpTKGH(Selden et a
l., Mol-Cell.Biol. 1986)の活性と比較した。
【0091】次に、上記構築物を、以下の2つの細胞系
の一過性トランスフェクションにおいて使用した:PC
−346C、(Dr.W.van Weerden; Dept. of Urology,
Erasmus University Rotterdam, The Netherlands によ
り好意により提供された)ヒト前立腺腺癌細胞系LNC
aPの誘導体、及びTSU−pr1。両細胞系を、5%
CO2 及び37℃の雰囲気中、10%胎児ウシ血清
(Gibco BRL)を補った、RPMI1640培
地中で培養した。一過性トランスフェクションのため
に、LNCaP細胞を、トランスフェクションの2日前
に、10cm皿当り1×106 細胞の密度で接種し、そし
てTSU−pr1を、トランスフェクションの1日前
に、10cm皿当り5×105 細胞の密度で接種した。各
トランスフェクションのために、3マイクログラムの適
当なPCA3dd3 −hGH構築物と2.3マイクログラ
ムのpCH110(内部マーカー)を、室温で15分間
無血清培地中、Fugene−6試薬(Boering
er Mannheim)と複合体化させた。このFu
gene−6/DNA複合体を、上記細胞培養物に添加
し、そして細胞を、さらに72時間培養した。トランス
フェクションを、2連で少なくとも3回行った。トラン
スフェクション後、培地を集め、そして使用前−20℃
で保存した。上記培地中のヒト成長ホルモンの分泌を、
製造者の指示に従って、2部位蛍光免疫計測Delfi
a hGHアッセイ・キット(Wallac Oy, Turku, Finl
and )を用いて測定した。hGH値を、対応の細胞抽出
物中で計測されたベータ−ガラクトシダーゼ活性に対し
て正規化した。hGH値、及び比誘導値を、平均とその
平均の標準誤差(SEM)として表す。
【0092】pDDGH−1.9がLNCaP細胞、す
なわちPCA3dd3 mRNAを発現するヒト前立腺癌
腫細胞系内にトランスフェクトされたとき、弱いプロモ
ーター活性が見られた(図5)。すなわち、hGHの生
産は、HSV−tk駆動hGH生産の約20%であっ
た。プロモーターは、方向性をもたないで機能すること
が知られている。それ故、上記pDDGH−1.9プロ
モーター配列を、hGH遺伝子の上流に逆方向でクロー
ニングした(pDDGH−2.1、+62〜−433
位)。このpDDGH−2.1プロモーター構築物はL
NCaP細胞内で不活性であり、そのうえ、hGH生産
は、プロモーターをもたないp0GH構築物によりトラ
ンスフェクトされた細胞内で見られた生産を下廻った。
500−bpsのPCA3dd3 プロモーターの上流の配列
(−433〜+62)は、PCA3dd 3 プロモーター活
性に対し効果を全くもたなかった(図5、構築物pDD
GH−1.5、−1,900〜+62位)。
【0093】500bps のPCA3dd3 プロモーター内
の領域がPCA3dd3 プロモーター活性に寄与するかど
うかを調べるために、一連の5′欠失構築物を作製し
た。LNCaP細胞内への欠失構築物pDDGH−1.
10,−1.11、及び−1.12のトランスフェクシ
ョンは、pDDGH−1.9において観察された活性に
比較して、上昇したプロモーター活性をもたらした(図
5)。構築物pDDGH−1.12(−152〜+6
2)は、テストした全ての構築物の中で最も高いPCA
dd3 プロモーター活性を示した。後者の構築物の短縮
化は、低下したプロモーター活性を導き(pDDGH−
1.16)、そして構築物pDDGH−1.18(−4
1〜+62位)において完全な活性損失を導いた。
【0094】実施例5 PCA3dd3 プロモーター活性の細胞タイプ特異性 観察されたPCA3dd3 プロモーター活性の特異性を定
めるために、基本活性を示すプロモーター構築物pDD
GH−1.9、及び最大活性を示すプロモーター構築物
pDDGH−1.12を、異なる組織起源をもつ細胞系
にトランスフェクトさせた。次に、ヒト成長ホルモンの
生産を、各細胞系において計測した。上記実験のための
プロトコールは、実施例4に記載した。上記実験のため
に使用された異なる細胞系は、以下のようなものであっ
た:PC−346C、ヒト前立腺腺癌細胞系LNCaP
の誘導体;TSU−pr1、ヒト前立腺癌細胞系;SW
800、ヒト膀胱癌細胞系;HT29、ヒト結腸癌腫細
胞系;SKRC−7、腎細胞癌腫細胞系、及びA43
1、外陰類表皮腫(vulval epidermoi
d)癌細胞系。
【0095】pDDGH−1.9のPCA3dd3 プロモ
ーター活性は、LNCaP細胞内に見られたが(図
6)、A431(外陰癌腫)、HT−29(結腸癌
腫)、SKRC−7(腎細胞癌腫)、及びSW800
(膀胱癌腫)細胞内では見られなかった。重要なことに
は、このプロモーター構築物は、PCA3dd3 mRN
Aを発現しない前立腺癌腫細胞系内でもサイレントであ
る(TSU−pr1、図6、及びPC−3、データを示
さず)。しかしながら、短縮プロモーター構築物pDD
GH−1.12の上昇したプロモーター活性が、PCA
dd3 −ネガティブ細胞系内でも観察された。但し、そ
の最大プロモーター活性は、LNCaP細胞内のものよ
りも有意に低かった。
【0096】実施例6 部位指定突然変異誘発、及びPCA3dd3 プロモーター
活性に対する効果 PCA3dd3 プロモーター要素をさらに分析し、そして
そのプロモーター活性の潜在的な意義を同定するため
に、リポーター構築物pDDGH−1.9、及びpDD
GH−1.12内でのいくつかの塩基置換突然変異体を
作製した。塩基置換を、1.00のコア類似性及び0.
90のマトリックス類似性をもって、TRANSFAC
3.5マトリックス(Quandt et al., Nucleic Acids
Res. 1995)を用いて、MatInspectorプロ
グラムにより推定されたようなモチーフ内に導入した
(図1B参照)。上記塩基置換の位置、及び性質を図7
A中に示す。プロモーター突然変異体を、LNCaP細
胞内に一過性トランスフェクトさせた。次に、hGH生
産とプロモーター活性を、実施例4中に記載したように
計測した。上記プロモーターの近位領域内の塩基置換
は、その活性を明らかに低下させた(図7B)。NF−
1配列モチーフ(−61〜−60間)内の突然変異は、
1.9/60a構築物と1.12/60a構築物のプロ
モーター活性を、それぞれ、27%と18%に低下さ
せ、そしてE−ボックス・モチーフ(−35〜−33
間)内の突然変異は、リポーター構築物1.9/60c
と1.12/60cからの転写を、それぞれ、43%と
67%に低下させた。これらのデータは、PCA3dd3
プロモーターの近位領域が、この遺伝子の転写の開始に
機能的に関係することを示し、これは、図5中に示すよ
うな、5′欠失分析、並びに−89〜+62構築物(p
DDGH−1.16)のプロモーター活性における有意
な低下、及び−41〜+62構築物(pDDGH−1.
18)内のプロモーター活性のスプライシングを確証す
る。同様に、これらの結果は、有意な前立腺特異的プロ
モーター活性をもつハーバリング配列として−70〜−
30の領域を際立たせる。
【0097】PCA3dd3 遺伝子は、先に、前立腺腺癌
腫のほとんどに高く過剰発現されることが示された(Bu
ssemakers et al., Cancer Res. 1999a )。これらのデ
ータは、PCA3dd3 mRNA発現が、ユニークな前
立腺癌特異的転写メカニズムにより調節されることを示
唆する。ヌクレオチド配列の分析は、いずれの自明のプ
ロモーター要求をも現わさなかった。知られたイニシエ
ーター・モチーフ、TATA−ボックス、CAAT−ボ
ックス、及びGC−リッチ領域のいずれも、PCA3
dd3 プロモーター内のコンセンサス位置に存在しなかっ
た。さらに、PCA3dd3 プロモーターは、主に単一部
位において転写を開始させるが、特徴付けされたイニシ
エーター要素を欠いている。PCA3dd3 プロモータ
ー、イニシエーターなし、そしてGC−リッチでない特
性を示すいくつかのTATAなしプロモーターが記載さ
れている(Brakebusch et al., J.Biol.Chem. 1997)。
【0098】いずれにしても、本明細書に提供したデー
タは、PCA3dd3 遺伝子プロモーターが組織及び細胞
タイプに特異的であり、そしてそれ故、真正な前立腺癌
特異的プロモーターであることを示唆している。しかし
ながら、テストしたPCA3 dd3 プロモーター構築物の
絶対プロモーター活性は、HSV−tkプロモーター活
性に比較してむしろ低い。これは、前立腺癌細胞内での
高いPCA3dd3 発現とは対照的に、LNCaP細胞内
で観察される低レベルの内因性PCA3dd3 mRNA発
現と互いに関連する。
【0099】結論 結論として、本発明は、PCA3dd3 遺伝子プロモータ
ーのクローニング、及び最初の特徴付けを示す。このプ
ロモーターは、治療用途のために興味深いツールであ
る。
【0100】本発明を、以上、その好ましい態様により
記載してきたが、本発明は、添付クレームに定める本発
明の本質及び性質から逸脱せずに修正されうる。
【0101】
【化1】
【0102】
【化2】
【0103】
【化3】
【0104】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> UNIVERSITY HOSPITAL NIJMEGEN <120> NUCLEIC ACID MOLECULES COMPRISING THE PROMOTER FOR PCAdd3, A NEW PROSTATE ANTIGEN, AND USES THEREOF <130> B016163 <140> 2001-164963 <141> 2001-05-31 <160> 5 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 580 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 cactagagga gcaccttagg aattgacctg tggatctcaa cttcgttagg gttaaaagat 60 tatttgttgg gcaagggtag gaccaataac ctcattcaca atgcattcat tgattcgttg 120 attcacagag caaatacttc tgaacaactc ctgtgtttct ggcactgttc taggcaccag 180 tgatatagga gccaacaaga cagacatgtc actgctctca tggagctgca tttcagtgca 240 tggaggcaga aaacaaacaa acaaataaat aaataaataa ataaataaga taatttttaa 300 tagcaacgtg tcaacatagt gtgacgggaa ggagcatgat gagacagaag gaaggtttaa 360 actgggaaat ctgagaaatg gtatggttgt atgtgggttg gcattcttgc atgatgggag 420 tggccacctg ctttcatatt ctgaagtcag agtgttccag acagaagaaa tagcaagtgc 480 cgagaagctg gcatcagaaa aacagagggg agatttgtgt ggctgcagcc gagggagacc 540 aggaagatct gcatggtggg aaggacctga tgatacagag 580 <210> 2 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: synthetic oligonucleotide <400> 2 ctctgtatca tcaggtcctt cc 22 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: synthetic oligonucleotide <400> 3 ctggaaatgt gcaaaaacat 20 <210> 4 <211> 50 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: synthetic oligonucleotide <400> 4 ccttcccacc atgcagatct tcctggtctc cctcggctgc agccacacaa 50 <210> 5 <211> 50 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: synthetic oligonucleotide <400> 5 agtgttccag acagaagaaa tagcaagtgc cgagaagctg gcatcagaaa 50 本発明の他の目的、利点、及び特徴は、添付図面を参照
して上記の非限定的説明を読む間により明確になってい
るはずである。添付図面は、例示であり、本発明の範囲
を限定するものと解釈されてはならない。
【0105】本発明をこれまで一般的に記載してきた
が、例示により、本発明の好ましい態様を示す、添付図
面を参照のこと。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、PCA3dd3 プロモーターとエクソン
1領域のヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。
(A)PCA3dd3 ゲノム・クローンpFS28,pG
V61、及びpME4.6の制限酵素地図。エクソン1
の位置を灰色ボックスにより示す。(B)PCA3dd3
遺伝子の転写開始部位(1位、* )を取り囲るゲノム領
域のヌクレオチド配列。エクソン1配列に下線を引く。
可能性のある転写因子結合部位は、1.00のコア類似
性と0.90超のマトリックス類似体をもって、TRA
NSFAC 3.5マトリックス(Quandt et al., Nuc
leic Acids Res. 1995)を用いたMatInspect
orプログラムにより同定され、そしてボックスにより
示される。略号:CCAAT:CAAT−ボックス;C
/EBPベータ:CCAAT/エンハンサー結合タンパ
ク質ベータ;E−ボックス:bHLH結合部位;FKH
L:フォークヘッド同族体;FREAC:フォークヘッ
ド関連アクチベーター;NF−1:核因子1;Th1/
E47:シング1/E47(bHLH)ヘテロダイマ
ー。
【図2】図2は、PCA3dd3 転写開始部位の決定にお
いて使用された特定のオリゴヌクレオチドのヌクレオチ
ド配列(配列番号2〜4)を示す。BUS2とBUS7
配列は、プライマー伸張分析のために使用されたPCA
dd3 特異的アンチセンス・オリゴヌクレオチドであ
る。BUS21配列は、RNase保護アッセイのため
に使用されたPCA3dd3 特異的オリゴヌクレオチドで
ある。
【図3】図3は、PCA3dd3 転写開始部位の決定のた
めの2つの相補実験(プライマー伸張分析とRNase
保護アッセイ)の結果を示す。(A)PCA3dd3
5′−フランキング領域のプライマー伸張分析。20μ
gの、前立腺腺癌(レーン4,5,7,8、及び9)、
肝(レーン3、及び10)、又は肺(レーン2、及び1
1)組織からの全RNA又はtRNA(レーン1、及び
6)を、図示したプライマーとしてオリゴヌクレオチド
BUS7(レーン1、及び5)、及びBUS(レーン6
−11)を用いてプライマー伸張のために使用した。プ
ライマー伸張生成物を、矢印により示す(←、BUS、
及び←//+、BUS7生成物)。BUS7でプライム
したPCA3dd3 ゲノム・クローンpME1.5S3の
DNA配列ラダーを、サイズ・マーカーとして使用し
た。(B)RNase(S1ヌクレアーゼ)保護分析の
ために、252bpの放射標識された1本鎖DNAプロー
ブを、プライマーとしてBUS21を用いて、PCA3
dd3 のエクソン1とその5′−フランキング領域を含
む、プラスミドpME4.6から合成した。HincII
消化プローブを、前立腺腺癌(レーン1−4)、肝(レ
ーン5)、又は肺(レーン6)組織からの全RNA又は
tRNA(レーン7)40μgにハイブリダイズさせ、
そして37℃(レーン1−7)又は30℃(データを示
さず)においてS1ヌクレアーゼで処理した。矢印は保
護された断片を指す。BUS21でプライムされたPC
A3dd3 ゲノム・クローンpME4.6のDNA配列ラ
ダーを、サイズ・マーカーとして使用した。
【図4】図4は、PCA3dd3 転写開始部位を取り囲む
ヌクレオチド配列(配列番号5)を示す。プライマー伸
張生成物を、三角により(黒三角、主要な開始部位;白
三角、僅かな部位)、そしてS1ヌクレアーゼ保護され
た断片を、菱形(黒菱形、主要な開始部位;白菱形、僅
かな部位)により示す。
【図5】図5は、一過性トランスフェクション後の、2
つのヒト前立腺癌細胞系TSU−pr1とLN−CaP
におけるPCA3dd3 プロモーター活性を示す。一過性
トランスフェクションのために使用したPCA3dd3
ロモーター構築物を左側に示す。細い線はベクターの配
列を示し、ボックスはヒト成長ホルモン(hGH)遺伝
子を示し、そしてハッチングしたボックスはPCA3
dd3 プロモーター断片を示す。転写開始部位に対する位
置を示す。LNCaP細胞(PCA3dd3 −ポジティ
ブ、黒バー)及びTSU−pr1細胞(PCA3dd3
ネガティブ、明バー)内におけるヒト成長ホルモンの生
産を、対照としてpTKGH(HSV−tkプロモータ
ーにより駆動されたhGH遺伝子の発現)を用いて計算
した。誤差バーは、2連で行った3回の独立した実験の
平均の標準誤差を示す。
【図6】図6は、異なる組織起源からの細胞系における
PCA3dd3 プロモーター活性の特異性を示す。pDD
GH−1.9及びpDDGH−1.12 PCA3dd3
−プロモーター構築物を、LNCaP(L),TSU−
pr1(T),A431(A),SKRC−7(S
K),HT−29(H)、及びSW800(SW)細胞
内に一過性トランスフェクトさせた。PCA3dd3 プロ
モーター活性、すなわち、hGH生産を、図5に記載し
たように測定した。
【図7】図7は、PCA3dd3 プロモーター活性に対す
る部位指定突然変異誘発の効果を示す。(A)PCA3
dd3 最小プロモーター構築物(pDDGH−1.9と−
1.12)を、転写開始部位に対するそれらの位置に対
応する数とともに線として示す。突然変異体構築物を以
下に示す。転写開始部位に対する上記突然変異の位置、
及び置換された塩基を、各構築物の左側に示す。(B)
プロモーター突然変異体を、LNCaP細胞内に一過性
トランスフェクトさせ、そしてhGH生産とプロモータ
ー活性を図5中に記載したように測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 5/00 A (72)発明者 ゲラルド ベルホーク オランダ国,6581 エスエル マデン, ホイシェルフ 15 (72)発明者 ジャック アー.シャルケン オランダ国,6524 エルハー ニェメゲ ン,マドウーレルシュトラーセ 10 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 CA04 CA09 DA02 EA04 FA02 GA11 4B063 QA01 QA18 QQ20 QQ91 QR55 QR60 QR62 QR72 QR80 QS24 QS28 QS34 4B065 AA93X AA93Y AB01 BA02 CA44

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図1のヌクレオチド位−89〜−1間に
    記載の配列を含む単離プロモーター配列であって前立腺
    特異的転写調節を可能にするもの。
  2. 【請求項2】 前記配列が以下の: a)図1の−89〜+1; b)図1の−89〜+62; c)図1の−152〜−1; d)図1の−152〜+1; e)図1の−152〜+62; f)図1の−254〜−1; g)図1の−254〜+1; h)図1の−254〜+62; i)図1の−366〜−1; j)図1の−366〜+1; k)図1の−366〜+62; l)図1の−433〜−1; m)図1の−433〜+1; n)図1の−433〜+62; o)図1の−460〜−1; p)図1の−460〜+1;及び q)図1の−460〜+62; から成る群から選ばれる、請求項1に記載の単離プロモ
    ーター配列。
  3. 【請求項3】 異種配列に作用可能な状態で連結され
    た、請求項1に記載のプロモーター配列を含むベクタ
    ー。
  4. 【請求項4】 異種配列に作用可能な状態で連結され
    た、請求項2に記載のプロモーター配列を含むベクタ
    ー。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のベクターを含む細胞。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のベクターを含む細胞。
  7. 【請求項7】 前立腺細胞内の異種配列の転写を調節す
    る方法であって、上記異種配列を請求項1に記載のプロ
    モーター配列の制御に供するように請求項1に記載の上
    記プロモーター配列の下流に上記異種配列を連結し、そ
    のように連結された異種配列を、上記核酸のプロモータ
    ー活性を促進することができる細胞内に導入し、そして
    上記異種配列の転写レベルを評価する、前記方法。
  8. 【請求項8】 インビトロにおいて前立腺癌細胞内の転
    写の発現を調節する方法であって、請求項1に記載のプ
    ロモーター配列の転写活性を調節することができる作用
    物質を、上記細胞内に投与することを含む、前記方法。
  9. 【請求項9】 インビトロにおいて前立腺細胞内の転写
    の発現を調節する作用物質を同定する方法であって、候
    補化合物の存在下での請求項1に記載のプロモーター配
    列の転写活性対不存在下でのものと比較評価することを
    含み、ここで、上記プロモーター配列の転写活性を調節
    する作用物質が、その転写活性がその化合物の不存在下
    に比較して存在下で有意差があるときに、選択される前
    記方法。
  10. 【請求項10】 前記前立腺細胞が前立腺癌細胞であ
    る、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記異種配列が、リポーター遺伝子を
    コードする配列、及び治療用配列から選ばれる、請求項
    3又は4に記載のベクター。
  12. 【請求項12】 前記治療用配列の発現が、その内でそ
    れが発現されているところの細胞の増殖を阻害し又は殺
    す、請求項11に記載のベクター。
  13. 【請求項13】 前記治療用配列が自殺遺伝子である、
    請求項11又は12に記載のベクター。
  14. 【請求項14】 エンハンサー要素をさらに含む、請求
    項13に記載のベクター。
  15. 【請求項15】 患者のサンプル中の前立腺癌を診断す
    るための、請求項1又は2に記載の核酸分子の使用方
    法。
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