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JP2002358910A - 陰極線管用ガラスパネル及び陰極線管用ガラスバルブ - Google Patents

陰極線管用ガラスパネル及び陰極線管用ガラスバルブ

Info

Publication number
JP2002358910A
JP2002358910A JP2001162891A JP2001162891A JP2002358910A JP 2002358910 A JP2002358910 A JP 2002358910A JP 2001162891 A JP2001162891 A JP 2001162891A JP 2001162891 A JP2001162891 A JP 2001162891A JP 2002358910 A JP2002358910 A JP 2002358910A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
face
sealing end
ray tube
panel
cathode ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001162891A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kuwabara
耕治 桑原
Shigeyoshi Ito
茂嘉 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2001162891A priority Critical patent/JP2002358910A/ja
Publication of JP2002358910A publication Critical patent/JP2002358910A/ja
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦化されたフェース部を有する陰極線管用
ガラスパネルに、熱処理に起因する三角割れ等の破損が
発生することを防止し、当該ガラスパネル及びガラスバ
ルブの耐熱強度を向上させる。 【解決手段】 対角軸X上における外表面の曲率半径が
10000mm以上であるフェース部3を備えた陰極線
管用パネル1において、スカート部6の対角部7であっ
て且つ管軸Zと平行な方向における少なくとも封着端面
5またはその近傍を含む領域に厚肉部20を形成する。
この厚肉部20は、好ましくは熱処理時における熱応力
集中領域に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管用ガラスパネ
ル及び陰極線管用ガラスバルブに係り、特にこれらのガ
ラス物品の耐熱強度を向上させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、陰極線管は、主たるガラ
ス部品として、図7(a),(b)にそれぞれ示すよう
に、画像が映し出されるパネル1と、漏斗状のファンネ
ル2とを備える。前記パネル1は、画像を表示する有効
画面を備えた略矩形のフェース部3と、該フェース部3
にブレンドR部4を介して連なり且つ前記ファンネル2
との接合に供される封着端面5を有するスカート部6と
から構成されている。そして、スカート部6は、四つの
対角部7の相互間に各辺部8を備えている。一方、前記
ファンネル2は、電子銃が挿入される円形の小径側開口
端を有するネック部10と、円形から略矩形に除々に拡
径変形して漏斗状を呈するボディ部11とを備えてい
る。そして、ボディ部11は、大径側開口端に略矩形の
封着端面12を有すると共に、該封着端面12側の四つ
の対角部13の相互間に各側壁構成部14を備えてい
る。
【0003】カラー陰極線管の製造工程においては、前
記パネル1の封着端面5と前記ファンネル2の封着端面
12とが、相互間に半田ガラス(以下、フリットガラス
という)を介在させて封合されることにより陰極線管用
ガラスバルブが製作される。この陰極線管用ガラスバル
ブは、内部が真空に排気された状態で陰極線管の外囲器
として使用されるものであり、その壁部には内外気圧差
による応力が負荷される。
【0004】このため、従来の陰極線管用ガラスバルブ
は、適切な機械的強度を維持し且つ前記内外気圧差によ
る応力負荷を抑制すべく、パネル1の肉厚、特に前記フ
ェース部3の肉厚を大きくしているのが通例である。更
に、図8に示すように、前記パネル1の封着端面5は、
各辺部8(長辺部8及び短辺部8)の肉厚tx及び各対
角部7の肉厚tyが全周に亘って均一な肉厚分布を有し
ているのが通例である。また、前記ファンネル2の封着
端面12も同様に、各側壁構成部14の肉厚t x及び各
対角部13の肉厚tyが全周に亘って均一な肉厚分布を
有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におい
ては、パネル1のフェース部外表面の平坦化が推進さ
れ、対角軸X上における外表面の曲率半径が10000
mm以上の有効画面を形成するフェース部3を備えたパ
ネル1(以下、この欄ではフラットパネルという)が製
造されるに至っている。このフラットパネル1は、前述
の陰極線管用ガラスバルブの構成要素となった場合に、
そのフェース部3に負荷される内外気圧差による応力
が、曲面パネル(フラットパネル1が普及される以前に
主流を占めていたパネル)と比較して著しく大きくな
る。このため、フラットパネル1におけるフェース部3
の肉厚は、少なくとも各辺部8及び対角部7の開口端に
形成されている全周均一な封着端面5及びその近傍の肉
厚よりも厚く設定されているのが通例である。
【0006】この場合、陰極線管用ガラスバルブを製作
するためのフラットパネル1とファンネル2との封着工
程においては、フラットパネル1の封着端面5とファン
ネル2の封着端面12との間にフリットガラスを介在さ
せ、これを最高温度が450℃程度の熱処理炉の内部雰
囲気中に晒すことにより、各封着端面5、12とフリッ
トガラスとを反応させて化学的結合を生じさせることが
行われる。
【0007】この封着工程における昇温過程では、フラ
ットパネル1のフェース部3が略矩形であって且つその
外表面が平坦化されていることに起因して、曲面パネル
の熱膨張変形態様とは異なる熱膨張変形が生じて、フラ
ットパネル1の封着端面5及びその近傍の領域における
対角部7の外面に熱応力集中が発生する。そして、この
熱応力集中に伴って当該対角部外面を起点とするクラッ
クが発生し、このクラックが昇温過程において進展する
ことにより、対角部7の封着端面5またはその周辺から
各辺部8に亘って三角錐状に破損が生じて所謂三角割れ
と称される現象が発生する。
【0008】この三角割れは、フラットパネル1に生じ
る特有の問題であって、曲面パネルについては生じ得な
かった現象であると言える。即ち、このフラットパネル
1は、前述のように対角軸X上における外表面の曲率半
径が10000mm以上のフェース部3と、その周縁か
らブレンドR部4を介して開口端である封着端面5に至
るスカート部6とを有する構造体である。従って、この
フラットパネル1への熱の付与に伴なう膨張によって、
図9及び図10に示すような構造変形が生じる。尚、図
9(a),(b)は、フラットパネル1を長軸A及び短
軸B(図7参照)で切り取ることにより得られる1象限
について、フラットパネル1への熱の付与に伴なって生
じる熱膨張変形の態様を模式化したものであって、同図
における矢印は、熱膨張による変形の方向を示すもので
ある。また、図10(a)は、封着端面5の対角部7周
辺をフェース面に対して垂直方向から見た概略図であっ
て、同図における点線は、熱膨張変形時の形状を模式化
したものであると共に、図10(b)は、スカート部6
の対角部7周辺を対角軸Xに沿って切断した概略縦断面
図であって、同図における点線も、熱膨張変形時の形状
を模式化したものである。
【0009】具体的には、ファンネル2との封合を行う
ための熱処理工程での昇温過程において、図9(a)に
示すように、フェース部3の中心軸Z(管軸)からブレ
ンドR部4に向かう方向、つまりフェース部3の外表面
と平行な方向に熱膨張が生じた場合、スカート部6にお
ける各辺部8の一端が開口端となっているため、図9
(b)に示すように、各辺部8の封着端面長手方向の中
央部、特にその封着端面5側部分が中心軸Z側に倒れ込
むように変形する。このような変形が生じた場合には、
スカート部6の対角部7が自由に膨張変形できないこと
から、図10(a)に示すように封着端面5の対角部7
が部分的に外面側に突出すると共に、図10(b)に示
すようにフェース部3の対角部7側の周縁を起点として
対角部7が外面側上方に傾斜状に反り上がる。
【0010】この結果、フラットパネル1の対角部7、
特に対角部7の封着端面5近傍に、各辺部8の変形に起
因する歪みが集中して、対角部7の封着端面5側部分に
作用する熱応力値が著しく高くなる。これに対して、曲
面パネルであれば、フェース部の曲率半径が小さいこと
等に起因して、中心軸に沿う方向に対してもフェース部
が熱膨張を来すことになり、これに応じて各辺部に及ぼ
す熱膨張の影響が少なくなるため、前述のような対角部
の熱応力集中が緩和される。従って、パネルのフェース
部外表面の曲率半径が大きくなって平坦になるに連れ
て、その構造に由来するフェース部の外周方向への熱膨
張が大きくなり、対角部7の封着端面5近傍に生じる熱
応力値が増大する。
【0011】ここで、フラットパネル1に既述の三角割
れが発生するメカニズムを、図11に基づいて説明す
る。尚、図11において、実線の矢印はスカート部6の
外面に作用する応力を示し、点線の矢印はスカート部6
の内面に作用する応力を示す。また、相反する方向を指
向する矢印は引張応力を示し、相接近する方向を指向す
る矢印は圧縮応力を示す。更に、鎖線で示す矢印はクラ
ックの進展方向を示す。
【0012】同図に示すように、フラットパネル1の昇
温過程においては、前述の熱膨張による変形に起因し
て、対角部7の外面における封着端面5からフェース部
3側の所定位置(モールドマッチライン16より僅かに
封着端面5側の位置)に至る領域に引張応力1aが発生
し、この領域に熱応力集中が生じる。このような応力発
生条件下において、対角部7の封着端面5近傍に微小な
傷等の欠点が存在していると、この微小欠点部を起点と
してクラックが生じる。このクラックは、引張応力1a
に対して略直交する方向に進展するものであるため、対
角部7の封着端面5近傍で発生したクラックは、先ず矢
印2aで示すように、封着端面5と直交する方向(管軸
Zと平行な方向)に進展する。
【0013】この場合、対角部7におけるモールドマッ
チライン16より僅かに封着端面5側の部位において
は、圧縮応力3aが発生しているのに対して、この部位
の近傍からその両側の各辺部8の封着端面5に向かって
傾斜状に延びる線上には、引張応力4aが発生してい
る。このため、対角部7を前述の矢印2aに沿って進展
したクラックは、モールドマッチライン16の僅かに手
前位置を頂点として前記引張応力4aにより分岐して向
きを変え、頂点から扇状に矢印5a、5aに沿って進展
して封着端面5に至る。この結果、対角部7周辺の封着
端面5を含む領域が三角錐状に剥離するように破損し
て、前述の三角割れが発生する。
【0014】このような熱処理時における破損の発生
は、フラットパネル1ひいては陰極線管用ガラスバルブ
の製作に致命的な損害を与えるものであって、曲面パネ
ルに取り替わってフラットパネル1が増産されている現
状に鑑みれば、この種の問題が極めて重要視される。
【0015】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、平坦化されたフェース部を有する陰極線管用ガ
ラスパネルに、熱処理に起因する三角割れ等の破損が発
生することを防止し、当該ガラスパネル及びガラスバル
ブの耐熱強度を向上させることを技術的課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を達成す
るためになされた本発明は、対角軸上における外表面の
曲率半径が10000mm以上である有効画面を形成す
る略矩形のフェース部と、該フェース部の周縁にブレン
ドR部を介して連なる各辺部を有し且つ開口端に略矩形
の封着端面を有するスカート部とを備えた陰極線管用パ
ネルにおいて、前記スカート部の対角部であって且つ管
軸平行方向における少なくとも封着端面またはその近傍
を含む領域に、前記各辺部の封着端面長手方向中央部に
おける前記領域に対応する部位よりも厚肉とされた厚肉
部を形成したことを特徴とするものである。ここで、
「管軸平行方向」とは、管軸(パネルの中心軸)と平行
な方向を意味する。また、「その近傍」とは、封着端面
からフェース部側に例えば5mm離隔するに至るまでの
範囲内に存在する位置を意味する。
【0017】このような構成によれば、外表面が平坦化
されたフェース部を有する陰極線管用パネルの対角部に
ついて、その管軸平行方向の少なくとも封着端面を含む
領域、またはその管軸平行方向の少なくとも封着端面の
近傍を含む領域に、厚肉部が形成されていることにな
る。この厚肉部は、各辺部の封着端面長手方向中央部に
おける前記領域に対応する部位、つまり、各辺部の封着
端面長手方向に対して中央部であって且つ管軸平行方向
に対して前記領域に対応する部位よりも厚肉とされてい
る。従って、パネルのモールドマッチラインから封着端
面に至るスカート部のガラス肉厚を、対角部の所定領域
において厚く、且つその所定領域を除く領域において比
較的薄くできることになる。そして、対角部の封着端面
またはその近傍の肉厚を厚くすることにより、スカート
部の熱変形を抑制できると共に、熱変形によって生じる
熱応力に対する機械的強度を高めることができる。これ
により、パネルとファンネルとを熱処理炉を通してフリ
ットガラスにより封合する際の昇温過程において、パネ
ルの熱膨張変形により対角部の封着端面周辺に生じる熱
応力集中が原因となって三角割れ等の破損が発生すると
いう不具合が効果的に回避される。
【0018】このような観点から、前記厚肉部は、熱処
理時における熱応力集中領域に形成されていることが好
ましい。ここで、「熱処理時における熱応力集中領域」
とは、厚肉部を形成した場合及び/または厚肉部を形成
していない場合に、熱応力が集中して作用する領域を意
味する。
【0019】そして、前記厚肉部の対角軸上における肉
厚t1は、前記各辺部の封着端面長手方向中央部におけ
る対応する部位の肉厚t0に対して、1.05≦t1/t
0≦1.50の関係を有していることが好ましい。ここ
で、「対応する部位」とは、管軸平行方向において厚肉
部の形成領域と対応する部位を意味する。この場合、前
記対角軸上における肉厚t1は、例えば前記厚肉部の最
大肉厚とされる。
【0020】この場合において、前記条件設定で、t1
/t0≦1.50としたのは、以下の理由による。即
ち、対角部のガラス肉厚を厚くすれば、対角部の封着端
面に発生する熱応力値は小さくなるが、この対角部の封
着端面またはその近傍の肉厚が、各辺部の封着端面長手
方向中央部の封着端面またはその近傍の肉厚よりも厚過
ぎると、対角部から各辺部の中央部に至るまでの間の肉
厚変化が大きくなる。ところで、この種のパネルを押型
によりプレス成型するに際して、成型用型内で溶融ガラ
スを完全に充填させるに要する時間が最も長くなる部位
は、パネル中心軸(管軸)からの距離が最も長い対角部
であるが、この対角部を前述のように厚肉化した場合に
は、その厚肉化に対応する分だけ成型用型内でのプレス
時間を増大させる必要性が生じる。このように、パネル
のプレス成型に要するトータル時間が増大した場合に
は、溶融ガラスを充填させるに要する時間が最も短くな
る部位、つまりパネル中心軸からの距離が最も短い一対
の辺部(長辺部)の封着端面長手方向中央部が、当初か
らプレス押圧を付与される時間が長いにも拘らず、更に
その増大した分だけプレス押圧を付与される時間が長く
なり、これに起因して、その辺部(長辺部)の封着端面
近傍にシワやクラック等の成型不良が生じる。従って、
1/t0≦1.50とした第1の理由は、このような成
型不良の発生を回避するためである。また、対角部に過
大な厚肉部を形成した結果として、この対角部の封着端
面近傍の肉厚が、そのブレンドR部近傍の肉厚よりも厚
くなった場合には、パネルのプレス成型後の型抜きが困
難となる。従って、t1/t0≦1.50とした第2の理
由は、このような型抜きの困難化を回避するためであ
る。
【0021】これに対して、前記条件設定で、1.05
≦t1/t0としたのは、以下の理由による。即ち、一般
的に、板ガラス表面に、機械的、或いは熱的な等分布荷
重による外力を付与した場合に、これに伴なって生じる
応力値Qは、下記の (1)式によって概算される。
【0022】Q=βWa2×(1/t2)…… (1)
【0023】上記(1)式中、Wは、等分布荷重、tは、
肉厚、aは、四辺形の短辺、βは、b/a(長辺/短
辺)によって決まる係数である。
【0024】この場合、陰極線管用パネルは、略矩形板
状であるフェース部と、該フェース部の周縁から垂直に
屈曲形成された板状スカート部とから構成される略直方
体状の箱形状を呈しているため、パネルの各部に発生す
る応力は、その形状に由来する要素を係数βで補正する
ことにより、上記(1)式を指標として用いて近似で算出
することができる。従って、上記(1)式から明らかなよ
うに、パネルの同一位置に発生する応力値は、その位置
の肉厚を変化させたならば、肉厚の2乗に略反比例する
とみることができる。これを勘案すれば、t1/t0
1.05である場合には、パネルの対角部を厚肉化して
も、熱膨張変形に対する機械的剛性を上昇させる効果が
著しく小さく、熱応力集中を効果的に抑制することが困
難となる。従って、前記条件設定で、1.05≦t1
0としたのは、熱膨張変形に対する機械的剛性の上昇
効果を充分に確保するためである。この熱膨張変形に対
するより一層充分な機械的剛性の上昇効果を得るには、
前記設定条件を、1.10≦t 1/t0≦1.50とする
ことが更に好ましい。
【0025】以上の構成において、前記厚肉部は、対角
軸から前記各辺部の封着端面長手方向中央部側に向かっ
て5mm以上で80mm以下の範囲で均一な肉厚t1
形成されていることが好ましい。
【0026】即ち、前記厚肉部は、スカート部の全周に
亘って形成するものではなく、対角部(及びその周辺
部)のみの領域に形成することが好適である。また、ス
カート部の周方向についてはこのように対角部(及びそ
の周辺部)のみの領域であって、且つ管軸平行方向につ
いては封着端面またはその近傍のみの領域に厚肉部を形
成してもよい。このような厚肉部の形成により、パネル
とファンネルとを封合する際の昇温過程において、対角
部の封着端面側に集中していた熱応力を、対角部(及び
その周辺部)から離れた各辺部方向に分散させて減少さ
せることができ、例えばパネルを大型化した場合であっ
ても、前述の破損の発生を確実に抑制することができ
る。
【0027】この場合、前記厚肉部を、80mm以下の
範囲で均一な肉厚t1に形成する理由は、対角部の封着
端面側に集中していた熱応力を、対角部及びその近傍か
ら離れた各辺部方向に分散させて減少させるため、及
び、厚肉部の形成によるパネルの過度な重量増を回避す
るためである。これに対して、前記厚肉部を、5mm以
上の範囲で均一な肉厚t1に形成する理由は、仮にこれ
が5mm未満であると、パネルサイズの大型化に伴なっ
て熱膨張変形が顕著となった場合に、対角部の封着端面
側で増大する熱応力の発生を抑制するに足る肉厚増加に
よる効果が得られなくなるからである。
【0028】以上の構成において、前記厚肉部は、前記
肉厚t1が前記各辺部の封着端面長手方向中央部に向か
って漸減して前記肉厚t0に至っていることが好まし
い。この場合、前記厚肉部は、対角軸上の部位を含む狭
い領域、例えば対角軸から各辺部の封着端面長手方向中
央部側に向かって5mm未満の狭領域を肉厚t1とし、
この狭領域の端部から肉厚t1が漸減するようにしても
よく、或いは、対角軸から各辺部の封着端面長手方向中
央部側に向かって5mm以上で80mm以下の広領域を
均一な肉厚t1とし、この広領域の端部から肉厚t1が漸
減するようにしてもよい。
【0029】このような構成とすることにより、厚肉部
を形成したにも拘らず急激な肉厚変化が生じず、なだら
かに肉厚がt1からt0に漸減することになるため、パネ
ルの成型時におけるプレス金型内での溶融ガラスの充填
が阻害されることなく円滑に行われ、肉厚変化部におけ
るシワやクラック等の成型不良の発生を防止できる。
【0030】以上の構成において、前記厚肉部は、既存
(従来)のパネルにおける対角部(及びその周辺部)の
内面側もしくは外面側またはその両者を増肉することに
よって厚肉化できるものであるが、既存のパネルの外郭
形状を変更しない場合には、当該パネルを構成要素とす
る陰極線管のキャビネットへの組付けに際して、組付け
部品や組付け位置を変更する必要がないこと等を勘案す
れば、前記対角部(及びその周辺部)の内面側を増肉し
て厚肉部を形成することが好ましい。
【0031】更に、以上の構成において、スカート部の
対角部(及びその周辺部)におけるモールドマッチライ
ンから封着端面にかけて肉厚が漸減する形状となるよう
に、封着端面側におけるモールドマッチラインを含まな
い領域に厚肉部を形成することが好ましい。このように
すれば、厚肉部の形成によるパネルの重量増を適切に抑
制できるばかりでなく、モールドマッチライン側から封
着端面にかけて肉厚変化の少ない形状となり、急激な肉
厚変化が存在する場合におけるフェース部周縁の内面或
いはスカート部内面に発生する熱引張応力の増大を回避
した上で、対角部(及びその周辺部)の機械的強度を効
果的に高めることができる。
【0032】また、本発明は、小径側開口端から漸次拡
径して大径側開口端に略矩形の封着端面を有する漏斗状
のボディ部を備えた陰極線管用ガラスファンネルの前記
封着端面と、陰極線管用ガラスパネルの封着端面とを接
合溶着してなる陰極線管用ガラスバルブにおいて、前記
陰極線管用ガラスファンネルの封着端面またはその近傍
の形態を、前述の何れかの陰極線管用ガラスパネルの封
着端面またはその近傍の形態に対応させたことを特徴と
するものである。
【0033】即ち、ファンネルの封着端面側の対角部で
あって且つ管軸平行方向における少なくとも封着端面ま
たはその近傍を含む領域に、厚肉部を形成する。
【0034】詳述すると、このファンネルの厚肉部は、
漏斗状ボディ部の各対角部の相互間に存する各側壁構成
部の封着端面長手方向中央部における前記領域に対応す
る部位よりも厚肉とされる。
【0035】そして、このファンネルに形成される厚肉
部の対角軸上における肉厚t1は、前記各側壁構成部の
封着端面長手方向中央部における対応する部位の肉厚t
0に対して、1.05≦t1/t0≦1.50の関係を有
していることが好ましい。
【0036】また、このファンネルに形成される厚肉部
は、対角軸から前記各側壁構成部の封着端面長手方向中
央部側に向かって5mm以上で80mm以下の範囲で均
一な肉厚t1に形成されていることが好ましい。
【0037】更に、このファンネルに形成される厚肉部
は、前記肉厚t1が前記各側壁構成部の封着端面長手方
向中央部に向かって漸減して前記肉厚t0に至っている
ことが好ましい。
【0038】以上のようなファンネルの厚肉部は、前述
のパネルの厚肉部と比較して、管軸平行方向に対しては
全体的に同一または略同一の形態である必要がないが、
厚肉部が形成された状態のファンネルの封着端面または
管軸平行方向におけるその近傍の形態が、前述のパネル
の封着端面または管軸平行方向におけるその近傍の形態
に対応している必要がある。
【0039】このような構成を備えたファンネルと前述
のパネルとを接合溶着してなる陰極線管用ガラスバルブ
によれば、パネルとファンネルとの封着部、特に両者の
対角部における封着部のミスマッチによる接合部の形状
不良を招く惧れがなく、且つフリットガラスによるパネ
ルとファンネルとの封着強度を上昇させることができ、
しかも封着後の陰極線管用ガラスバルブの機械的強度の
低下を招く惧れもない。特に、パネル或いはファンネル
を大型化した場合であっても、フリットガラスによる封
着不良に由来する陰極線管用ガラスバルブの強度低下、
及びこれに伴なう封着端面を起点とした破損発生等の不
具合が回避される。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に
係る陰極線管用ガラスパネルの斜視図、図2は、該パネ
ルの対角部の周辺を示す概略拡大平面図、図3は、該パ
ネルの対角部を対角軸に沿って切断した縦断面図であ
る。尚、以下の説明において、既述の従来の技術の欄で
説明したものと共通の構成要件については、同一符号を
付してその説明またはその詳細な説明を省略する。ま
た、従来の技術の欄での説明のみに使用した図面の符号
をも適宜使用する。
【0041】図1に示すように、カラー陰極線管用ガラ
スパネル1(以下、単にパネルという)は、対角軸X上
における外表面の曲率半径が10000mm以上の有効
画面を備えた略矩形のフェース部3と、該フェース部3
の周縁にブレンドR部4を介して連なり且つファンネル
2と接合するための封着端面5を有するスカート部6と
から構成される。このスカート部6における各辺部8の
相互間連結部をなす四つの対角部7にはそれぞれ、各辺
部8の他の部位(封着端面長手方向中央部)よりも相対
的に厚肉とされた厚肉部20が一体形成されている。こ
の場合、各辺部8の封着端面長手方向中央部とは、各辺
部8ごとの封着端面長手方向(同図に示すw−w方向)
の中央部を意味し、スカート部6の対角部7を除く領域
であって、厚肉部20の非形成領域をいうものとする。
【0042】図2に示すように、前記厚肉部20は、対
角軸X上で最大肉厚t1となるように形成され、この最
大肉厚t1を有する部位から各辺部8の封着端面長手方
向中央部に向かって肉厚が漸減して、前記各辺部8の封
着端面長手方向中央部の肉厚である肉厚t0となる形状
を呈している。また、この厚肉部20が対角部7に形成
された状態では、図3に示すように、最大外径となるモ
ールドマッチライン16から封着端面5(またはその近
傍)にかけて肉厚が除々に薄くなる形状とされている。
【0043】この場合、同図に示す鎖線は、既存(従
来)のパネルにおける対角部の肉厚分布を示している。
従って、厚肉部20は、既存の対角部の内面側のみを増
肉することにより形成してもよく、また既存の対角部の
外面側のみを増肉することにより形成してもよく、もし
くは同図に示すように内外両面側を増肉することにより
形成してもよい。また、同図に示す構成は、封着端面5
からフェース部3側に向かって厚肉部20を形成した
が、管軸Z平行方向における封着端面5の近傍、例えば
封着端面5からフェース部3側に5mm離隔するに至る
までの範囲内に存在する位置を起点として、この位置か
らフェース部3側に向かって厚肉部20を形成してもよ
い。更に、厚肉部20(増肉部)のフェース部3側の終
端位置は、図示のようにフェース部3の内面3xに対応
する位置であってもよいが、これに限定されるわけでは
なく、少なくとも封着端面5を含む領域、または少なく
とも封着端面5の近傍(前記範囲内に存在する位置)を
含む領域に厚肉部20が形成されていればよい。
【0044】一方、カラー陰極線管用ガラスファンネル
2(以下、単にファンネルという)のボディ部11にお
ける封着端面12側の各側壁構成部14の相互間連結部
をなす四つの対角部13(図7(b)参照)にもそれぞ
れ、各側壁構成部14の他の部位よりも相対的に厚肉と
された厚肉部21(図2参照)が一体形成されている。
この厚肉部21は、ファンネル2を封着端面12に垂直
な方向から見た場合に、図2に示す形態及び図2に基づ
く前述の説明事項と同一とされている。そして、このフ
ァンネル2の厚肉部21は、封着端面12またはその近
傍の形態が、前述のパネル1の封着端面5またはその近
傍の形態と同一もしくは略同一であればよい。従って、
ファンネル2の対角部13の封着端面12またはその近
傍における厚肉部21は、パネル1の対角部7の封着端
面5またはその近傍における厚肉部20と同一寸法もし
くは略同一寸法で且つ同一位置もしくは略同一位置に形
成される。尚、ファンネル2の厚肉部21のネック部1
0側における終端位置等については限定されるものでは
ない。
【0045】図4に示すように、陰極線管用ガラスバル
ブ31は、パネル1の封着端面5とファンネル2の封着
端面12との相互間にフリットガラス30を介在させて
封合することにより製作される。この場合、パネル1の
厚肉部20とファンネル2の厚肉部21とは、封合方向
における対応する位置(同一または略同一位置)に形成
されている。詳述すれば、パネル1及びファンネル2の
両封着端面5,12またはこれらの近傍は、封着端面に
垂直な方向から見た場合に同一または略同一の形態とさ
れている。従って、陰極線管用ガラスバルブ31は、パ
ネル1とファンネル2との間に不当な段差を生じること
なく両者の封着が適正に行われている。
【0046】図5は、本発明の第2の実施形態に係るパ
ネルの斜視図、図6は、該パネルの対角部の周辺を示す
概略拡大平面図である。図5に示すように、この第2の
実施形態に係るパネル1についても、スカート部6の各
辺部8の相互間連結部をなす四つの対角部7にそれぞ
れ、各辺部8の他の部位(封着端面長手方向中央部)よ
りも相対的に厚肉とされた厚肉部40が一体形成されて
いる。
【0047】図6に示すように、前記厚肉部40は、対
角軸X上で最大肉厚t1となるように形成されると共
に、この対角軸Xから各辺部8の封着端面長手方向中央
部側に向かってそれぞれ所定寸法a,bの等肉部40
a,40bが形成されている。この二つの等肉部40
a,40bの前記寸法a,bは、本実施形態では両者が
同一寸法とされ、例えば5mm以上で80mm以下の範
囲内に設定されている。そして、前記厚肉部40は、等
肉部40a,40bの封着端面長手方向中央部側の終端
から肉厚が漸減して、各辺部8における該中央部の肉厚
と同一または略同一の肉厚t0となる形状を呈してい
る。また、このパネル1との封合により陰極線管用ガラ
スバルブを構成するファンネルの封着端面またはその近
傍を含む領域についても、前記厚肉部40と同様の厚肉
部が形成されている。尚、この第2の実施形態における
前述の構成以外については、前記第1の実施形態と同一
である。従って、図5及び図6において、前記第1の実
施形態と共通の構成要件については、同一符号を付して
その説明を省略する。
【0048】
【実施例】本発明は、以下のようにして、従来例との比
較において顕著な効果を得ることができる。
【0049】本発明の第1実施例として、アスペクト比
が4:3、対角軸X方向の外径が724.8mm、及び
対角軸X上のフェース部外表面の曲率半径が10000
0mmのパネルを、以下の条件の下で作製した。即ち、
スカート部における対角部の封着端面またはその近傍の
肉厚分布については、図2に示す形態を採用するものと
し、厚肉部における対角軸X上の肉厚t1を13.3m
mとした上で、その肉厚を、対角軸Xから各辺部の封着
端面長手方向中央部側に100mmの寸法範囲で漸減さ
せ、11.4mmの肉厚t0に至らせた。この場合、封
着端面における厚肉部以外の肉厚は、何れの部位におい
ても11.4mmとした。
【0050】本発明の第2実施例として、同様に、アス
ペクト比が4:3、対角軸X方向の外径が724.8m
m、及び対角軸X上のフェース部外表面の曲率半径が1
00000mmのパネルを、以下の条件の下で作製し
た。即ち、スカート部における対角部の封着端面または
その近傍の肉厚分布については、図6に示す形態を採用
するものとし、厚肉部における対角軸X上の肉厚t1
13.3mmとした上で、対角軸Xから各辺部の封着端
面長手方向中央部側に60mmの寸法範囲に亘ってその
肉厚t1でなる等肉部を形成し、これらの等肉部の封着
端面長手方向中央部側の終端から更に前記中央部側に4
0mmの寸法範囲でその肉厚を漸減させ、11.4mm
の肉厚t0に至らせた。この場合、封着端面における厚
肉部以外の肉厚は、何れの部位においても11.4mm
とした。
【0051】本発明の第3実施例として、同様に、アス
ペクト比が4:3、対角軸X方向の外径が724.8m
m、及び対角軸X上のフェース部外表面の曲率半径が1
00000mmのパネルを、以下の条件の下で作製し
た。即ち、スカート部における対角部の封着端面または
その近傍の肉厚分布については、図6に示す形態を採用
するものとし、厚肉部における対角軸X上の肉厚t1
17.0mmとした上で、対角軸Xから各辺部の封着端
面長手方向中央部側に60mmの寸法範囲に亘ってその
肉厚t1でなる等肉部を形成し、これらの等肉部の封着
端面長手方向中央部側の終端から更に前記中央部側に4
0mmの寸法範囲でその肉厚を漸減させ、11.4mm
の肉厚t0に至らせた。この場合、封着端面における厚
肉部以外の肉厚は、何れの部位においても11.4mm
とした。
【0052】従来例、即ち比較例として、同様に、アス
ペクト比が4:3、対角軸X方向の外径が724.8m
m、及び対角軸X上のフェース部外表面の曲率半径が1
00000mmのパネルを、以下の条件の下で作製し
た。即ち、スカート部の対角部に厚肉部を形成すること
なく、封着端面の肉厚t0を全周に亘って11.4mm
とした。
【0053】以上の各実施例及び比較例に係るパネル
を、所定のプレス金型を用いて成型したが、この成型過
程においては、何れについても、クラック等の成型欠陥
の発生は見られなかった。次に、これらの各実施例及び
比較例に係るパネルを450℃に加熱した時の対角部に
おける封着端面の外面部について、そのパネル中心軸
(管軸Z)に沿う方向の熱変位量z、及び、熱引張応力
値を、シミュレーションにより計算した。その計算結果
を、下記の表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】上記表1からも明らかなように、実施例1
〜3に係るパネルによれば、パネルの熱膨張が対角部の
封着端面近傍で抑制されるため、特にパネルに対する熱
処理工程の実行時に、該パネルの対角部における封着端
面の外面部に発生する最大主応力である熱引張応力の値
を減少させることが可能となった。この結果、例えばパ
ネルとファンネルとを、その両封着端面にフリットガラ
スを塗布して封合する際の封着工程での昇温過程におい
て、パネルの熱膨張に伴なって対角部の封着端面近傍を
起点としてガラスが破損するという不具合を効率良く回
避することが可能となった。
【0056】また、アスペクト比が4:3であって対角
軸方向の外径が724mmのファンネル(偏向角120
°)について、前記実施例1〜3及び比較例に係るパネ
ルの厚肉部に対向するように同一寸法位置に同一の封着
端面肉厚分布を有する厚肉部を形成した。そして、これ
らのファンネルを所定の治具に設置し、該ファンネルの
封着端面上に、フリットガラス(旭硝子(株)製;AS
F−1307B)を有機ビヒクルに分散させてなるスラ
リ−を塗布し、乾燥させた後、その封着端面上に、それ
ぞれに対応するパネルを載置した。この後、これらを、
最高温度450℃で20分間に亘って保持される所定温
度勾配を有する熱処理炉に通し、フリットガラスをパネ
ル及びファンネルの封着端面と反応させることにより、
前記実施例1〜3及び比較例にそれぞれ対応するパネル
とファンネルとを封着してなる陰極線管用ガラスバルブ
を得た。
【0057】この場合、前記実施例1〜3及び比較例に
対応するガラスバルブを、それぞれ10個ずつ熱処理炉
を通してフリットガラスを封合する工程を実行した結
果、実施例1〜3に対応するものは何れも、熱引張応力
に由来する三角割れが発生しなかったが、比較例に対応
するものは、三角割れ或いはこれに近似する破損の発生
が見られた。また、前記実施例1〜3に対応する各ガラ
スバルブについて耐圧強度を調査した結果、何れも3.
5kg/cm2以上と充分大きく、陰極線管用ガラスバ
ルブの内部を高真空に排気した場合においても、厚肉部
の形成に起因してガラスバルブの機械的強度に悪影響が
生じないことを確認した。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、対角軸上
における外表面の曲率半径が10000mm以上である
有効画面を形成する略矩形のフェース部を備えた陰極線
管用パネルにおいて、スカート部の対角部であって且つ
管軸平行方向における少なくとも封着端面またはその近
傍を含む領域に厚肉部を形成したから、スカート部の熱
変形が抑制されると共に、熱応力に対する機械的強度が
高められる。これにより、パネルとファンネルとを熱処
理炉を通してフリットガラスにより封合する際の昇温過
程において、パネルの熱膨張変形により対角部の封着端
面周辺に生じる熱応力集中に伴なう三角割れ等の破損の
発生が効果的に回避される。
【0059】特に、前記厚肉部を、パネルの対角部にお
ける熱処理時の熱応力集中領域に形成することにより、
高い確実性をもって無駄なく且つ効率良く前記三角割れ
等の発生を回避することができる。
【0060】また、前記厚肉部の対角軸上における肉厚
1が、各辺部の封着端面長手方向中央部における対応
する部位の肉厚t0に対して、1.05≦t1/t0
1.50の関係を有していることにより、パネルの成型
時にプレス押圧を付与される時間が長くなることによる
シワやクラック等の成型不良の発生が回避され、更には
パネルのプレス成型後における型抜きの容易化が図られ
ると共に、熱膨張変形に対する充分な機械的剛性の上昇
効果が得られる。
【0061】更に、前記厚肉部が、対角軸から各辺部の
封着端面長手方向中央部側に向かって5mm以上で80
mm以下の範囲で均一な肉厚t1に形成されていること
により、パネルの対角部の封着端面側に集中していた熱
応力を、対角部から離れた各辺部方向に分散させて減少
させることができ、例えばパネルを大型化した場合であ
っても、前述の破損の発生が確実に抑制される。
【0062】しかも、前記厚肉部の肉厚t1が、各辺部
の封着端面長手方向中央部に向かって漸減して前記肉厚
0に至っていることにより、厚肉部を形成したにも拘
らず急激な肉厚変化が生じず、なだらかに肉厚がt1
らt0に漸減することになるため、パネルの成型時にお
けるプレス金型内での溶融ガラスの充填が阻害されるこ
となく円滑に行われ、肉厚変化部におけるシワやクラッ
ク等の成型不良の発生を防止できる。
【0063】また、本発明は、ファンネルの封着端面
と、パネルの封着端面とを接合溶着してなる陰極線管用
ガラスバルブにおいて、ファンネルの封着端面またはそ
の近傍の形態を、既に述べたパネルの封着端面またはそ
の近傍の形態に対応させたから、パネルとファンネルと
の封着部、特に両者の対角部における封着部のミスマッ
チによる接合部の形状不良を回避した上で、両者の封着
強度の上昇、及び破損発生の抑止効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る陰極線管用ガラ
スパネルを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る陰極線管用ガラ
スパネルの要部を示す拡大平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る陰極線管用ガラ
スパネルを示す拡大概略縦断正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る陰極線管用ガラ
スパネルと、陰極線管用ガラスファンネルとを接合溶着
してなる陰極線管用ガラスバルブを示す縦断正面図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る陰極線管用ガラ
スパネルを示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る陰極線管用ガラ
スパネルの要部を示す拡大平面図である。
【図7】図7(a)は、従来における陰極線管用ガラス
パネルを示す斜視図、図7(b)は、従来における陰極
線管用ガラスファンネルを示す斜視図である。
【図8】従来における陰極線管用ガラスパネル(ファン
ネル)の要部を示す概略平面図である。
【図9】図9(a)、(b)は、従来の問題点を示す陰
極線管用ガラスパネルを模式化した概略斜視図である。
【図10】図10(a)は、従来の問題点を示す陰極線
管用ガラスパネルの要部概略平面図、図10(b)は、
従来の問題点を示す陰極線管用ガラスパネルの要部概略
縦断正面図である。
【図11】従来の問題点を示す陰極線管用ガラスパネル
の要部拡大概略正面図である。
【符号の説明】
1 パネル(陰極線管用ガラスパネル) 2 ファンネル(陰極線管用ガラスファンネル) 3 フェース部 4 ブレンドR部 5 封着端面(パネルの封着端面) 6 スカート部 7 対角部(パネルの対角部) 8 辺部 12 封着端面(ファンネルの封着端面) 13 対角部(ファンネルの対角部) 14 ファンネルの側壁構成部 20 厚肉部(パネルの厚肉部) 21 厚肉部(ファンネルの厚肉部) 31 陰極線管用ガラスバルブ 40 厚肉部(パネルの厚肉部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対角軸上における外表面の曲率半径が1
    0000mm以上である有効画面を形成する略矩形のフ
    ェース部と、該フェース部の周縁にブレンドR部を介し
    て連なる各辺部を有し且つ開口端に略矩形の封着端面を
    有するスカート部とを備えた陰極線管用パネルにおい
    て、 前記スカート部の対角部であって且つ管軸平行方向にお
    ける少なくとも封着端面またはその近傍を含む領域に、
    前記各辺部の封着端面長手方向中央部における前記領域
    に対応する部位よりも厚肉とされた厚肉部を形成したこ
    とを特徴とする陰極線管用ガラスパネル。
  2. 【請求項2】 前記厚肉部は、熱処理時における熱応力
    集中領域に形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の陰極線管用ガラスパネル。
  3. 【請求項3】 前記厚肉部の対角軸上における肉厚t1
    が、前記各辺部の封着端面長手方向中央部における対応
    する部位の肉厚t0に対して、 1.05≦t1/t0≦1.50の関係を有することを特
    徴とする請求項1または2に記載の陰極線管用ガラスパ
    ネル。
  4. 【請求項4】 前記厚肉部は、対角軸から前記各辺部の
    封着端面長手方向中央部側に向かって5mm以上で80
    mm以下の範囲で均一な肉厚t1に形成されていること
    を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の陰極線管用
    ガラスパネル。
  5. 【請求項5】 前記厚肉部は、前記肉厚t1が前記各辺
    部の封着端面長手方向中央部に向かって漸減して前記肉
    厚t0に至っていることを特徴とする請求項1〜4の何
    れかに記載の陰極線管用ガラスパネル。
  6. 【請求項6】 小径側開口端から漸次拡径して大径側開
    口端に略矩形の封着端面を有する漏斗状のボディ部を備
    えた陰極線管用ガラスファンネルの前記封着端面と、前
    記請求項1〜5の何れかに記載の陰極線管用ガラスパネ
    ルの封着端面とを接合溶着してなる陰極線管用ガラスバ
    ルブであって、 前記陰極線管用ガラスファンネルの封着端面またはその
    近傍の形態が、前記請求項1〜5の何れかに記載の陰極
    線管用ガラスパネルの封着端面またはその近傍の形態に
    対応していることを特徴とする陰極線管用ガラスバル
    ブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1638128A3 (en) * 2004-09-17 2006-04-19 Samsung SDI Co., Ltd. Cathode ray tube

Cited By (2)

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