JP2002348476A - 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents
室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物Info
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Abstract
た室温硬化性ポリオルガノシロキサンを提供する。 【解決手段】(A1)分子中に珪素官能基として平均2
個を越える数の加水分解性基を有する珪素官能性ポリジ
オルガノシロキサン;および/または(A2)分子中に
2個以上の珪素官能基を有する珪素官能性ポリジオルガ
ノシロキサンおよび架橋剤を含む室温硬化性ポリオルガ
ノシロキサン組成物において、該(A)100重量部に
対し、(B)硬化触媒 0.05〜15重量部(C)加
水分解性基を含有する環状ポリオルガノシロキサン0.
05〜50重量部を配合する。
Description
オルガノシロキサン組成物に関し、さらに詳しくは、湿
気の存在しない密封条件下では安定であり、空気中の水
分と接触することにより、室温で硬化してゴム状弾性体
を生じるポリジオルガノシロキサン組成物に関する。特
に本発明は、機械的強度を損なうことなく高伸張性に優
れた室温硬化性ポリオルガノシロキサンに関する。
硬化し、ゴム状弾性体を生成するポリオルガノシロキサ
ン組成物の中で、空気中の水分と接触することにより硬
化反応が生起するタイプのものは、使用直前に本体(ベ
ースポリマー)や架橋剤、或いは触媒を秤量したり、こ
れらを混合したりする煩雑さが無く、配合上のミスを生
じることがない上、接着性に優れているので、電気・電
子工業などにおける弾性接着剤やコーティング材とし
て、また建築用シーリング材等として広く用いられてい
る。このような組成物は、一般に、分子末端が水酸基で
閉塞されたシラノール基末端ポリジオルガノシロキサン
に、分子中に2個を越える加水分解性基を有する架橋剤
等を配合したものであり、架橋剤の種類に応じて、硬化
の際に酢酸等のカルボン酸、有機アミン、アミド、有機
ヒドロキシルアミン、オキシム化合物、アルコール、ア
セトンなどを放出する。このうち、酢酸を放出するもの
は、接着性および硬化性は極めて優れているが、その刺
激臭のために環境衛生上の配慮が必要であり、また被着
体が金属のときは、金属を錆びさせるため、防錆対策が
必要であるなどの問題がある。また、長鎖カルボン酸放
出型は刺激臭の問題はないが、金属の発錆、特に浸水後
の発錆を防ぐことが困難であった。同様に、脱アミン型
は発生するアミンの臭気と毒性に問題があり、脱ヒドロ
キシルアミン型、脱オキシム型および脱アミド型は、金
属に錆を生じさせやすいという問題があった。さらに脱
アセトン型のものは、硬化が速く腐食性もないが、架橋
剤の合成が難しく、また未硬化物の保存中の黄変が甚だ
しいという問題があった。
架橋剤であるアルコキシシランが安価に入手できるばか
りでなく、放出物質がメタノール、エタノールのような
アルコールなので揮散しやすく、臭気の問題がないとい
う利点がある。しかし、その反面、硬化が遅いことおよ
び保存中に系中に存在する微量の水により架橋剤が加水
分解して発生するアルコールがベースポリマーを切断す
るために保存安定性が悪いという難点があり、その克服
が要望されていた。特に、接着剤、コーティング材など
の目的で、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を
硬化せしめてゴム状弾性体とすることが多く、現在、脱
オキシム型、脱アセトン型、脱アルコール型のものが用
いられてはいるが、夫々の有する上述のような難点の改
善が望まれていた。
合したポリオルガノシロキサン、アルコキシシラン、硬
化触媒から成る1包装型の室温硬化性組成物が近時見出
されている。これは末端が水酸基のポリオルガノシロキ
サンと比較し保存安定性が良好で硬化性も速いなどの特
徴を有している。しかし、一般的に脱アルコール型のも
のは他の脱酢酸型、脱オキシム型のものと比較し、接着
性が乏しく、保存安定性が劣るなどの問題を有してい
る。しかし、このような速硬化性の室温硬化性ポリオル
ガノシロキサン組成物は、接着剤、コーティング材とし
て有用である。
組成物は、夫々の硬化型での問題点を有し、現在までに
種々の改善が施されているが、脱アミン型、脱ヒドロキ
シルアミン型および脱アミド型を除いては、本来、機械
的強度は優れるものの、伸張性が低いという問題点を有
している。
術の問題点を解決すべく検討した結果、加水分解性基を
有する環状ポリシロキサン化合物を配合することによ
り、機械的強度を損なうことなく、高伸張性に優れた組
成物が得られることを見出した。
能基として平均2個を越える数の加水分解性基を有する
珪素官能性ポリジオルガノシロキサン;および/または
(A2)分子中に2個以上の珪素官能基を有する珪素官
能性ポリジオルガノシロキサンおよび架橋剤を含む室温
硬化性ポリオルガノシロキサン組成物において、該
(A)100重量部に対し、(B)硬化触媒 0.05
〜15重量部(C)加水分解性基を含有する環状ポリオ
ルガノシロキサン0.05〜50重量部を配合したこと
を特徴とする室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物
である。
として用いられる(A)珪素官能性ポリジオルガノシロ
キサンは、上記のような珪素官能基を有する(A1)お
よび/または(A2)である。(A1)成分は、それ自
体が、(B)成分の触媒作用によって架橋反応を起こし
て硬化する。(A2)成分は架橋剤を組み合わせて用い
ることにより、(B)成分の触媒作用によって、(A
2)成分と架橋剤とが架橋反応を起こして硬化する。い
ずれの場合も、反応は加水分解反応とそれに続く縮合反
応であり、空気中の水分の存在で反応が進行する。
には、下記の一般式: 一般式(1)
いてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表
し、R2は−Z1SiR3 3-pXpを表し、Z1は酸素および
/または2価の炭化水素基を表し、R3は互いに同一で
も異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水
素基を表し、Xは加水分解性基を表し、pは1〜3の数
であり;nは該(A)成分の25℃における粘度を20
〜1,000,000cPにする数である。)で示され
る、実質的に直鎖状のポリオルガノシロキサンであり、
その末端基R2は、ケイ素官能基Xを少なくとも1個有
するケイ素官能性シロキシ単位である。すなわち、該
(A)成分は、分子の両末端に、上記のケイ素官能性基
Xをそれぞれ少なくとも1個有する。
置換または非置換の1価の炭化水素基である。R1とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルのようなアルキ
ル基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;フェニ
ル、トリル、キシリルのようなアリール基;2−フェニ
ルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル基
が例示され;さらにこれらの炭化水素基の水素原子の一
部が他の原子または基で置換されたもの、すなわちクロ
ロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフル
オロプロピルのようなハロゲン化アルキル基;3−シア
ノプロピルのようなシアノアルキル基などの置換炭化水
素基が例示される。これらのうち、合成が容易で、
(A)成分が分子量の割に低い粘度を有し、硬化前の組
成物に良好な押出し性を与えることと、硬化後の組成物
に良好な物理的性質を与えることから、全有機基の85
%以上がメチル基であることが好ましく、実質的にすべ
ての有機基がメチル基であることが好ましい。一方、特
に耐熱性、耐放射線性、耐寒性または透明性を付与する
場合は、R1の一部として必要量のフェニル基を;耐油
性、耐溶剤性を付与する場合は、R1の一部として3,
3,3−トリフルオロプロピル基や3−シアノプロピル
基を;また塗布適性を有する表面を付与する場合は、R
1の一部として長鎖アルキル基やアラルキル基を、それ
ぞれメチル基と併用するなど、目的に応じて任意に選択
できる。
がいに同一でも異なっていてもよく、またR1と同一で
も異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水
素基であり、R1と同様なものが例示される。合成が容
易で、Xの反応性が優れていることから、メチル基また
はビニル基が好ましい。また、Z1は、互いに同一でも
異なっていてもよく、酸素原子;ならびにメチレン、エ
チレン、トリメチレンのようなアルキレン基;フェニレ
ン基等の2価の炭化水素基が例示され、合成の容易なこ
とから、酸素原子およびエチレン基が好ましく、酸素原
子が特に好ましい。
ケイ素官能基、すなわち加水分解性基であるアルコキシ
基、ケトキシマト基およびアシロキシ基である。このよ
うなXとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシのようなアルコキシ基;2−メトキシエチキシ、
2−エトキシエトキシのような置換アルコキシ基;イソ
プロペノキシ基のようなエノキシ基、メチルエチルケト
キシマト基のようなケトキシマト基、アセトキシのよう
なアシロキシ基などの加水分解性基が例示され、互いに
同一でも異なっていてもよい。合成の容易さ、硬化前の
組成物の物性、保存中の安定性、硬化性、経済性および
広範囲の用途に用いられることから、アルコキシ基が好
ましい。
は、1〜3である。そのうち、架橋剤を配合する室温硬
化性ポリオルガノシロキサン組成物に用いる(A2)と
しては、合成が容易で、各種の架橋剤と組み合わせて用
いられることから、Xが水酸基で、pが1のものが好ま
しい。このような珪素官能性ポリジオルガノシロキサン
は、たとえば、オクタメチルシクロシロキサンのような
環状ジオルガノシロキサン低量体を、水の存在下に酸性
触媒またはアルカリ性触媒によって開環重合または開環
共重合させることにより、得られた直鎖状ポリジオルガ
ノシロキサンの末端に、珪素原子に結合する水酸基を導
入することができる。
端に水酸基を有するポリオルガノシロキサンに、2個以
上の任意の加水分解性基を有するシランを縮合させるこ
とによって合成できる。この場合、該シランの加水分解
性基はこの縮合反応によって1個が消費されるので、反
応によって得られたポリオルガノシロキサンの末端基R
2におけるXの数pは、用いられた加水分解性基含有シ
ランが有していたXの数よりも1個少ない。
付与するとともに、硬化後のゴム状弾性体に優れた機械
的特性を与えるために、(A)成分のnは、該(A)の
25℃における粘度が20〜1,000,000cPに
なるように選択される。該粘度が20cP未満では硬化
後のゴム状弾性体の伸びが十分でなく、一方、1,00
0,000cPを越えると均一な組成物が得にくく、押
出し作業性も低下する。特に好ましい粘度は、硬化前お
よび硬化後の組成物に要求される性質を調和させること
から、500〜200,000cPの範囲である。
ノシロキサン組成物においては、上記の(A)成分のう
ち、(A1)成分、すなわちXが加水分解性基であり、
pが平均1を超える数(すなわち、分子中に平均2を超
える数のXを有する)のものをベースポリマーとして用
いる場合には、(A)成分中の該Xが架橋手段となり、
架橋剤がなくても架橋反応が進行し、硬化してゴム状弾
性体を生ずる。この場合、好ましいXはメトキシのよう
なアルコキシ基;アセトキシのようなアシロキシ基;お
よびメチルエチルケトキシマト基である。このようなベ
ースポリマーを用いることは、硬化前の組成物を安定化
させるとともに、優れた硬化性を与えるために好まし
い。
シロキサン組成物においては、(A)成分として、(A
2)成分を、架橋剤と組み合わせて用いることにより、
架橋構造を形成させる。(A2)成分としては、Xが水
酸基であるか、pが1(すなわち、分子中に水酸基およ
び/または上記と同様の加水分解性基である2個のXを
有する)のものを用いることができる。
下に(A)成分中のケイ素官能性基Xと反応し、組成物
を硬化させるためのケイ素官能性基を有するケイ素化合
物および/またはその部分加水分解縮合物が用いられ
る。該架橋剤は、下記の一般式: R4 4-qSiYq (式中、R4はたがいに同一でも異なっていてもよい置
換または非置換の1価の炭化水素基を表し;Yは加水分
解性基を表し;qは平均2を越え、4以下の数である)
で示される。R4としては、(A)成分のケイ素原子に
直接結合した有機基R1と同様な基を例示することがで
き、入手のしやすさと、優れた架橋反応速度が得られる
ことから、メチル基またはビニル基が好ましい。また、
加水分解反応性基Yとしては、(A)成分の末端基に存
在するXとして挙げられたものと同様のものが例示され
る。
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチル
ビニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトライソプロポキシシランおよびそれらの部分加水分
解縮合物のようなアルコキシ基含有化合物;テトラキス
(2−エトキシエトキシ)シラン、メチルトリス(2−
メトキシエトキシ)シラン、ビニル(2−エトキシエト
キシ)シラン、フェニルトリス(2−メトキシエトキ
シ)シランおよびそれらの部分加水分解縮合物のような
置換アルコキシ基含有化合物;メチルトリイソプロペノ
キシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェ
ニルトリイソプロペノキシシラン、ジメチルジイソプロ
ペノキシシラン、メチルビニルジイソプロペノキシシラ
ンおよびそれらの部分加水分解縮合物のようなエノキシ
基含有化合物;テトラ(メチルエチルケトキシマト)シ
ラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシマト)シラ
ン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシマト)シラ
ン、メチルビニルビス(メチルエチルケトキシマト)シ
ランおよびそれらの部分加水分解縮合物のようなケトキ
シマト基含有化合物、メチルトリアセトキシシラン、ビ
ニルトリアセトキシシランおよびそれらの部分加水分解
縮合物のようなアシロキシ基含有化合物などが例示され
る。これらのうち、qが2であるシランは、qが3また
は4であるシランと併用される。
存安定性を損なうことなく、しかも大きな架橋反応速
度、硬化速度を与えることを考慮すると、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリス(イ
ソプロペノキシ)シラン、ビニルトリス(イソプロペノ
キシ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシマ
ト)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシマ
ト)シラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリ
アセトキシシランおよびそれらの部分加水分解縮合物を
用いることが好ましい。
量部に対して、通常、0.5〜25重量部であり、好ま
しくは2〜10重量部である。0.5重量部未満では架
橋が十分に行われず、硬度の低い硬化物しか得られない
ばかりでなく、架橋剤を配合した組成物の保存安定性が
悪い。一方、25重量部を越えて配合すると、保存中に
その一部が系より分離し、硬化の際に著しい収縮を生
じ、得られたゴム状弾性体の物性が低下する。
であるXが加水分解性基で、pが平均1を越えるものを
用いる場合は、前述のように、基本的には架橋剤がなし
でも硬化が可能であるが、このような場合においても、
組成物の硬化性と、硬化して得られるゴム状弾性体の機
械的性質とをバランスよく具現するために、上記の架橋
剤を併用することが好ましく、加水分解性基YがXと同
じである架橋剤を用いることがより好ましい。この場合
の架橋剤の配合量は、(A1)成分100重量部に対し
て、通常、0.1〜25重量部であり、好ましくは0.
3〜10重量部である。25重量部を越えて配合する
と、先に述べたような現象を生ずる。
ような、R4として1価の炭化水素基を有する珪素官能
性化合物のほか、置換された1価の炭化水素基を有す
る、炭素官能性の同様な化合物を、架橋剤の一部または
全部として用いてもよい。このようなR4としては、置
換もしくは非置換のアミノ基、エポキシ基、イソシアナ
ト基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基またはハ
ロゲン原子で置換されたアルキル基やフェニル基が例示
され、このような置換アルキル基としては、置換メチ
ル、3−置換プロピル、4−置換ブチルが例示される
が、合成が容易なことから、3−置換プロピル基が好ま
しい。
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリアセトア
ミドシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル
−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニ
ル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−
ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランのよ
うな置換または非置換のアミノ基含有シラン;3−グリ
シドキシトリメトキシシラン、3−グリシドキシメチル
ジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエ
チルトリメトキシシランのようなエポキシ基含有シラ
ン;3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3
−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシランのよう
なイソシアナト基含有シラン;3−アクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシランのような(メタ)アクリロキシ基含有シ
ラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのよ
うなメルカプト基含有シラン;および3−クロロプロピ
ルトリメトキシシランのようなハロゲン原子含有シラン
が例示される。このような置換炭化水素基含有シランや
前記のビニル基含有シランは、炭素官能性シランであっ
て、これらを配合することにより、組成物が硬化する際
の各種基材への接着性を向上させることができる。これ
らのうち、組成物の硬化性および接着性を向上させる効
果や、その発現性の速いことから、置換または非置換の
アミノアルキル基含有シランを用いることが好ましい。
前記の架橋剤のうち、(A)成分100重量部に対して
0.05〜25重量部が好ましく、0.1〜10重量部
がさらに好ましい。0.05重量部未満では接着性の向
上効果が少なく、またその発現性が遅い。また、25重
量部を越えて配合すると、前記のような問題点のほか、
保存安定性と作業性が悪くなり、また黄変現象を生じ
る。
成分自体の架橋手段として含有されるX同士、および/
または(A)成分のXと架橋剤のYとを、水分の存在下
に反応させて架橋構造を形成させ、ゴム状弾性体を得る
ための硬化触媒である。このような(B)成分として
は、鉄オクトエート、マンガンオクトエート、亜鉛オク
トエート、スズナフテート、スズカプリレート、スズオ
レートのようなカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセ
テート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジ
ラウレート、ジブチルスズジオレート、ジフェニルスズ
ジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメト
キサイド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)ス
ズ、ジオクチルスズジラウレートのような有機スズ化合
物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、
テトラブトキシチタン、1,3−プロポキシチタンビス
(エチルアセチルアセテート)のようなアルコキシチタ
ン類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アル
ミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポ
キシがアルミニウムエチルアセトアセテート、トリエト
キシアルミニウムなどの有機アルミニウム;ジルコニウ
ムテトラアセチルアセトナート、テトライソプロポキシ
ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブト
キシジルコニウムアセチルアセトネート、トリブトキシ
ジルコニウムステアレートなどの有機ジルコニウム化合
物が例示される。中でも、微量の存在で大きな触媒能を
持つことにより、有機錫化合物およびアルコキシチタン
類が好ましい。
重量部あたり0.05〜15重量部、好ましくは0.1
〜5重量部である。0.05重量部未満では、硬化触媒
として十分に作用せず、硬化に長い時間がかかるばかり
でなく、特に空気との接触面から遠いゴム層の深部にお
ける硬化が不十分となり、逆に15重量部を越える場合
には、その配合量に見合う効果がなく、無意味であるば
かりか、経済的に不利益である。
すものである。本発明に用いられる(C)成分は、代表
的には、下記の一般式: 一般式(2)
いてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表
し、R5は−Z2SiR3 3-pXpを表し、Z2は酸素および
/または2価の炭化水素基を表し、R3はたがいに同一
でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化
水素基を表し、Xは加水分解性基を表し、mは0以上の
整数で、1は0より大きい数、m+1≧3で表される数
である。) R1はたがいに同一でも異なっていてもよい置換または
非置換の1価の炭化水素基であり、(A)成分で例示さ
れたものと同様のものを挙げることができる。R5は−
Z2SiR3 3-pXpを表し、Z2は酸素および/または2
価の炭化水素基を表し、末端基R2のケイ素原子に結合
するR3はたがいに同一でも異なっていてもよく、また
R1と同一でも異なっていてもよい置換または非置換の
1価の炭化水素基であり、R1と同様なものが例示され
る。合成が容易で、Xの反応性が優れていることから、
メチル基またはビニル基が好ましい。また、Z2は、互
いに同一でも異なっていてもよく、酸素原子;ならびに
メチレン、エチレン、トリメチレンのようなアルキレン
基;フェニレン基等の2価の炭化水素基および2価の炭
化水素基の間に窒素原子、硫黄原子もしくは酸素原子等
を介する置換基が例示され、合成の容易なことから、エ
チレン基、プロピレン基が好ましく、および以下に示す
ような基が好ましい。 −CH2CH2−S−CH2CH2CH2−Si(OCH3)
3 −CH2CH2C(O)OCH2CH2CH2−Si(OC
H3)3 −CH2CH(CH3)C(O)OCH2CH2CH2−S
i(OCH3)3 −CH2CH2CH2NH−CH2C(OH)O−CH2C
H2CH2−Si(OCH3)3 このような化合物は、ケイ素原子に直接水素原子が結合
した環状ポリオルガノシロキサンに不飽和基含有化合物
を白金等の貴金属触媒を用いて、付加反応することによ
り合成される。あるいは、不飽和基を含有する環状ポリ
オルガノシロキサンに、白金等の触媒を用い、ケイ素原
子に直接水素原子が結合した化合物を付加反応するか、
ラジカル発生剤や、光を照射させることにより、メルカ
プト基を付加させることにより合成される。
に直接加水分解性基が結合した場合、硬化性および選ら
れるゴムの機械的強度が低下するため好ましくない。ま
た、環状体をシロキサン以外のもの、例えば炭素や窒素
等で形成した場合、その化合物の組成物中での相溶性お
よび原子間(結合間)距離等の影響による分子内でのフ
レキシビリティーの観点から充分な伸張性が得られない
場合が有るため好ましくない。
重量部あたり0.05〜50重量部、好ましくは0.1
〜15重量部である。0.05重量部未満では、硬化後
の高伸張性が十分に得られず、逆に50重量部を越える
場合には、その配合量に見合う効果がなく、無意味であ
るばかりか、高伸張性に関して逆効果であり、経済的に
も不利益である。
を与え、硬化して得られるゴム状弾性体に、例えばシー
リング材、接着剤、現場成形ガスケットなどとして用い
る場合に要求される高い機械的強度を付与するために、
この種の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に通
常用いられている充填材として、無機質充填剤に煙霧質
シリカ、焼成シリカ、沈殿シリカ、煙霧質酸化チタン、
およびこれらの表面をオルガノクロロシラン類、ポリオ
ルガノシロキサン類、ヘキサメチルジシラザンなどで疎
水化したもの、ならびにけいそう土、粉砕シリカ、アル
ミノケイ酸、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシ
ウム、有機酸表面処理炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、珪酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄のような非補
強性充填剤が例示され、酸化して得られるゴム状弾性体
に必要な物性に応じて選択される。例えば、透明性が要
求される場合には、煙霧質シリカを用いることが好まし
く、建築用シーリング材として、特に低いモジュラスを
有することが要求される場合には、これらのうち非補強
性充填剤を用いることが好ましい。上記の補強性充填剤
の量が少なすぎると、機械的特性の向上の効果がほとん
ど現れず、逆に多すぎる場合には、モジュラスが大きく
なり、破断時の伸びが小さくなる。従って、これらの充
填剤の添加量は、(A)100重量部に対して1〜20
0重量部の範囲が好ましく、5〜100重量部がより好
ましい。
て、顔料、チクソトロピー性付与剤、押し出し作業性を
改良するための粘度調整剤、紫外線吸収剤、防かび剤、
耐熱向上剤、難燃化剤など、各種の添加剤を加えても良
い。
び必要に応じて各種添加剤を、湿気を遮断した状態で混
合することにより得られる。得られた組成物は、密閉容
器中でそのまま保存し、使用時に空気中の水分に曝すこ
とによってはじめて硬化する、いわゆる1包装型室温硬
化性組成物として使用することができる。また、本発明
の組成物を、例えば架橋剤と硬化触媒を分けた組成物と
して調製し、適宜2〜3個の別々の容器に分けて保存
し、使用時にこれらを混合する、いわゆる多包装型室温
硬化性組成物として使用することもできる。
オルガノシロキサン組成物は、湿気の存在しない密封条
件下では安定であり、空気中の水分と接触することによ
り、室温で硬化してゴム状弾性体を生じるポリオルガノ
シロキサン組成物に関し、特に本発明は、従来品より、
優れた高伸張性を有する室温硬化性ポリオルガノシロキ
サンを提供する。
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部とあるのはいずれも重量
部を表し、粘度などの物性値はすべて23℃、相対湿度
50%での値を示す。
し、密封して保存した組成物について、次のような評価
を行った。
0%RHの雰囲気中に押し出して、指で表面に接触して
乾燥状態にあることを確認するに至る時間を測定した。
シート状に押し出し、23℃、50%RHで168時間
放置し、空気中の湿気により硬化させて、その物理的性
質をJIS K 6301により測定した。
組成物を入れて、70℃にて5日間加熱した後、指触乾
燥時間を23℃、50%RHの雰囲気下で測定した。ま
た、厚さ2mmのシート状に押し出し、23℃、50%
RHで168時間放置し、空気中の湿気により硬化させ
て、その物理的性質をJIS K 6301により測定
した。 実施例1 粘度20,000cPのα,ω−ビス(メチルジメトキ
シシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、オク
タメチルシクロテトラシロキサンで表面を処理した比表
面積200m2/gの煙霧質シリカ14部を添加し均一
に混合した。次にメチルトリメトキシシラン2.0部、
N−トリメチルシリル−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン2.5部、ペンタメチルトリス(トリメトキシ
シリルエチル)シクロテトラシロキサン2.0部および
ジブチルスズジラウレート0.4部を加え、湿気遮断下
にて均一に混合し組成物1を得た。 実施例2 粘度20,000cPのα,ω−ビス(トリメトキシシ
ロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、比表面積
200m2/gの煙霧質シリカ15部を添加し均一に混
合した。次にメチルトリメトキシシラン2.0部、N−
トリメチルシリル−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン2.5部、ヘキサメチルビス(トリメトキシシリル
プロピロキシカルボキシメチルエチル)シクロテトラシ
ロキサン2.3部およびジブチルススジラウレート0.
4部を加え、湿気遮断下にて均一に混合し組成物1を得
た。湿気遮断下にて均一に混合し組成物2を得た。 実施例3 粘度40,000cPのα,ω−ビス(メチルジメトキ
シシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、オク
タメチルシクロテトラシロキサンで表面を処理した比表
面積200m2/gの煙霧質シリカ14部を添加し均一
に混合した。次にメチルトリメトキシシラン2.0部、
N−トリメチルシリル−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン2.5部、ペンタメチルトリス(トリメトキシ
シリルプロピルチオエチル)シクロテトラシロキサン
2.3部およびジブチルスズジラウレート0.4部を加
え、湿気遮断下にて均一に混合し組成物3を得た。 比較例1 粘度20,000cPのα,ω−ビス(メチルジメトキ
シシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、オク
タメチルシクロテトラシロキサンで表面を処理した比表
面積200m2/gの煙霧質シリカ14部を添加し均一
に混合した。次にメチルトリメトキシシラン2.0部、
N−トリメチルシリル−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン2.5部およびジブチルスルジラウレート0.
4部を加え、湿気遮断下にて均一に混合し比較組成物1
を得た。 比較例2 粘度20,000cPのα,ω−ビス(トリメトキシシ
ロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、比表面積
200m2/gの煙霧質シリカ15部を添加し均一に混
合した。次にメチルトリメトキシシラン2.0部、N−
トリメチルシリル−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン2.5部およびジブチルスズジラウレート0.4部
を加え、湿気遮断下にて均一に混合し組成物1を得た。
湿気遮断下にて均一に混合し比較組成物2を得た。 比較例3 粘度20,000cPのα,ω−ビス(メチルジメトキ
シシロキシ)ポリジメチルシロキサン100部に、オク
タメチルシクロテトラシロキサンで表面を処理した比表
面積200m2/gの煙霧質シリカ14部を添加し均一
に混合した。次にメチルトリメトキシシラン2.0部、
N−トリメチルシリル−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン2.5部、ジブチルスルジラウレート0.4部
およびトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)シク
ロトリイソシアヌレート2.3部を加え、湿気遮断下に
て均一に混合し比較組成物3を得た。 実施例4 粘度20,000cPのα,ω−ビス(メチルジメトキ
シシロキシ)ジヒドロキシポリジメチルシロキサン10
0部に、オクタメチルシクロテトラシロキサンで表面を
処理した比表面積200m2/gの煙霧質シリカ15部
を添加し均一に混合した。次にメチルトリメトキシシラ
ン2.0部、ペンタメチルトリス(トリメトキシシリル
エチル)シクロテトラシロキサン2.0部およびジイソ
プロポキシビス(エチルアセチルアセテート)チタン
2.5部を加え、湿気遮断下にて均一に混合し組成物4
を得た。 比較例4 粘度20,000cPのα,ω−ジヒドロキシポリジメ
チルシロキサン100部に、オクタメチルシクロテトラ
シロキサンで表面を処理した比表面積200m 2/gの
煙霧質シリカ15部を添加し均一に混合した。次にメチ
ルトリメトキシシラン2.0部およびジイソプロポキシ
ビス(エチルアセチルアセテート)チタン2.5部を加
え、湿気遮断下にて均一に混合し比較組成物4を得た。 比較例5 粘度20,000cPのα,ω−ジヒドロキシポリジメ
チルシロキサン100部に、オクタメチルシクロテトラ
シロキサンで表面を処理した比表面積200m 2/gの
煙霧質シリカ15部を添加し均一に混合した。次にメチ
ルトリメトキシシラン2.0部、ジイソプロポキシビス
(エチルアセチルアセテート)チタン2.5部およびト
リス(3−トリメトキシシリルプロピル)シクロトリイ
ソシアヌレート2.3部を加え、湿気遮断下にて均一に
混合し比較組成物5を得た。
燥時間、物理的性質、保存安定性、比重について評価を
行った。結果を表1に示す。
Claims (2)
- 【請求項1】(A1)分子中に珪素官能基として平均2
個を越える数の加水分解性基を有する珪素官能性ポリジ
オルガノシロキサン;および/または(A2)分子中に
2個以上の珪素官能基を有する珪素官能性ポリジオルガ
ノシロキサンおよび架橋剤を含む室温硬化性ポリオルガ
ノシロキサン組成物において、該(A)100重量部に
対し、(B)硬化触媒 0.05〜15重量部(C)加
水分解性基を含有する環状ポリオルガノシロキサン0.
05〜50重量部を配合したことを特徴とする室温硬化
性ポリオルガノシロキサン組成物。 - 【請求項2】架橋剤の少なくとも一部として炭素官能性
シランを、分子中に2個以上の珪素官能基を有する珪素
官能性ポリジオルガノシロキサン100重量部に対し
0.05〜25重量部含む請求項1記載の室温硬化性ポ
リオルガノシロキサン組成物。
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