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JP2002341290A - 光アイソレータおよびそれを備える光コネクタならびにレーザ光源装置 - Google Patents

光アイソレータおよびそれを備える光コネクタならびにレーザ光源装置

Info

Publication number
JP2002341290A
JP2002341290A JP2001144131A JP2001144131A JP2002341290A JP 2002341290 A JP2002341290 A JP 2002341290A JP 2001144131 A JP2001144131 A JP 2001144131A JP 2001144131 A JP2001144131 A JP 2001144131A JP 2002341290 A JP2002341290 A JP 2002341290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical isolator
optical
faraday rotator
optical connector
permanent magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001144131A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Sakamoto
文夫 坂本
Masaaki Yamanaka
政明 山中
Akira Makita
顕 槇田
Osamu Yamashita
治 山下
Hiromitsu Fujii
博満 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to JP2001144131A priority Critical patent/JP2002341290A/ja
Publication of JP2002341290A publication Critical patent/JP2002341290A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で高性能な光アイソレータを提供する。 【解決手段】 ファラデー回転子12を有する素子部1
4と、ファラデー回転子12に磁界を印加するための磁
石とを備える光アイソレータ10であって、磁石は、素
子部12を介して互いに対向するように配置され、素子
部12よりも小さな貫通孔16aおよび17aをそれぞ
れが有する一対の永久磁石板16および17を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光アイソレータお
よび光アイソレータを備える光コネクタならびにレーザ
光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気通信システムに代わって、光
通信システムの利用が急速に進展しつつある。光通信シ
ステムの光源としては、半導体レーザを備えるレーザ光
源装置が広く用いられている。このレーザ光源装置は、
半導体レーザと、半導体レーザの動作を安定化させるた
めの光アイソレータとを有している。この光アイソレー
タは、典型的には、ファラデー回転子と、ファラデー回
転子の両側に配置された偏光子と検光子とを備える偏波
依存型の光アイソレータである。
【0003】光アイソレータは、光通信網を構成する光
ファイバ同士の接続部、例えばファイバ型増幅器と通信
用光ファイバとの接続部の近傍にも設けられる。この光
アイソレータとして、ファラデー回転子の両側に複屈折
板を備えた偏波無依存型の光アイソレータも知られてい
る。偏波無依存型の光アイソレータは、ファラデー回転
子の両側に一対の複屈折板を備えている。偏波依存型お
よび偏波無依存型の光アイソレータは用途によって使い
分けられ、偏波無依存型の光アイソレータがレーザ光源
装置に設けられることもある。
【0004】近年の光通信システムの進展、例えば、光
通信の波長多重化(WDM)にともなって、光アイソレータ
の使用数量が急激に増加しており、光アイソレータの小
型化および高性能化が強く望まれている。
【0005】従来の光アイソレータとして、例えば、図
8(a)および(b)に示す構造を有するものが知られ
ている。
【0006】図8(a)に示した光アイソレータ80A
は、偏光子81と、所定の磁界が印加された状態で入射
光の偏光方向を45度旋光させるファラデー回転子82
と、検光子83とを光軸上にこの順で配置して構成され
ている。ファラデー回転子82と検光子83とは、第1
の固定台84に固定され、偏光子81は第2の固定台8
5に固定されている。第2の固定台85を第1の固定台
84に対して回転調整することによって、偏光子81
と、ファラデー回転子82および検光子83との位置関
係を調整し、図中左から右方向に伝搬する光を低損失で
通過させ、逆方向に伝播する光を遮断(吸収)するよう
に構成されている。
【0007】光アイソレータ80Aにおいて、ファラデ
ー回転子82は、一般に、固定台84の平坦な表面に接
着剤を用いて固定されている。このとき、接着剤の固化
に伴う収縮力が、ファラデー回転子82に対して不均一
な機械的歪みを与え、その結果、ファラデー回転子82
の光弾性効果により複屈折性が生じ、この光アイソレー
タ80Aの消光比が低下する。また、光アイソレータ8
0Aの構造では、小型化にも限界がある。
【0008】接着剤による機械的な歪の問題を解決する
ための構成として、図8(b)に示すような光アイソレ
ータ80Bも知られている。
【0009】光アイソレータ80Bにおいては、ファラ
デー回転子86は、筒型の永久磁石87の貫通孔内に、
外力が加わらないように支持されている。すなわち、フ
ァラデー回転子86の外径寸法と永久磁石87の貫通孔
の内径寸法とが精度良く一致するように加工されてお
り、ファラデー回転子86は、接着剤を用いることなく
永久磁石87の貫通孔内に固定されている。ファラデー
回転子86の両側に偏光子88と検光子89とが配置さ
れている。
【0010】しかしながら、図8(b)に示した光アイ
ソレータ80Bでは、接着剤の硬化に伴う機械的歪みに
よる消光比の低下は発生しないが、ファラデー回転子8
6を永久磁石87の内部に挿入するために、これらの間
にある程度の隙間が必要であり、振動や衝撃等の外力に
よって、ファラデー回転子86が、光軸が位置合わせさ
れた偏光子88および検光子89に対して、位置ずれす
ることがあり、信頼性が低いという問題がある。また、
光アイソレータ80Bの構造でも、小型化に限界があ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の技術では、十分に小型で且つ高性能な光アイソレータ
を提供することができなかったため、例えば特開平6−
88926号公報に開示されているような光アイソレー
タ付光ファイバ端子や、特開平9−33860号公報に
開示されているような光アイソレータ付光コネクタが検
討されてはいるものの、十分に小型化できなかったり、
あるいは逆に、小型化のために性能を犠牲せざるを得な
かった。
【0012】本発明はこのような諸点に鑑みてなされた
ものであり、その主な目的は、小型で高性能な光アイソ
レータを提供することにある。本発明のさらなる目的
は、小型で高性能な光アイソレータを備える小型の光コ
ネクタやレーザ光源装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の光アイソレータ
は、ファラデー回転子を有する素子部と、前記ファラデ
ー回転子に磁界を印加するための磁石とを備える光アイ
ソレータであって、前記磁石は、前記素子部を介して互
いに対向するように配置され、前記素子部よりも小さな
貫通孔をそれぞれが有する一対の永久磁石板を有し、そ
のことによって上記目的が達成される。
【0014】前記素子部が前記ファラデー回転子の両側
に配置された偏光子および検光子をさらに有する場合、
前記偏光子、前記検光子および前記ファラデー回転子
は、いずれも略四角形の板状体であって、前記板状体の
対角方向に位置する2つの角部において部分的に相互に
固定されていることが好ましい。
【0015】前記素子部が前記ファラデー回転子の両側
に配置された一対の複屈折板をさらに有する場合、前記
一対の複屈折板および前記ファラデー回転子は、いずれ
も略四角形の板状体であって、前記板状体の対角方向に
位置する2つの角部において部分的に相互に固定されて
いることが好ましい。
【0016】前記素子部は、ガラスまたは接着剤を用い
て一体に固定されていることが好ましい。
【0017】前記光アイソレータは、内径が2.5mm
の筒内に収容され得る大きさを有していることが好まし
い。
【0018】前記一対の永久磁石板は、ネオジム・鉄・
ボロン系焼結磁石板であることが好ましい。
【0019】本発明による光コネクタは、上記のいずれ
かの光アイソレータと、前記光アイソレータと前記光ア
イソレータの少なくとも一方に配置される少なくとも1
つのフェルールとを内嵌する筒状の保持構造とを備え、
そのことによって上記目的が達成される。
【0020】前記少なくとも1つのフェルールは、前記
光アイソレータの両側に配置される一対のフェルールで
あって、前記保持構造は、前記一対のフェルールを内嵌
する構成であってもよい。
【0021】前記素子部は、前記少なくとも1つのフェ
ルールの外径を内径とする筒内に収容され得る大きさを
有していることが好ましい。
【0022】本発明のレーザ光源装置は、半導体レーザ
と、前記半導体レーザの光出射側に配置された上記のい
ずれかの光アイソレータと前記光アイソレータと前記光
アイソレータの一方に配置される1つのフェルールとを
内嵌する筒状の保持構造とを備える光コネクタとを備
え、そのことによって上記目的が達成される。
【0023】本発明の他の光コネクタは、ファラデー回
転子を有する素子部と、前記素子部と、前記素子部の少
なくとも一方に配置される少なくとも1つのフェルール
とを内嵌する筒状の保持構造とを有し、前記固定構造は
永久磁石から形成されており、そのことによって上記目
的が達成される。
【0024】前記素子部が前記ファラデー回転子の両側
に配置された偏光子および検光子をさらに有する場合、
前記偏光子、前記検光子および前記ファラデー回転子
は、いずれも略四角形の板状体であって、前記板状体の
対角方向に位置する2つの角部において部分的に相互に
固定されていることが好ましい。
【0025】前記素子部が前記ファラデー回転子の両側
に配置された一対の複屈折板をさらに有する場合、前記
一対の複屈折板および前記ファラデー回転子は、いずれ
も略四角形の板状体であって、前記板状体の対角方向に
位置する2つの角部において部分的に相互に固定されて
いることが好ましい。
【0026】前記素子部は、ガラスまたは接着剤を用い
て一体に固定されていることが好ましい。
【0027】前記永久磁石板はネオジム・鉄・ボロン系
焼結磁石板であることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態を説明するが、本発明は下記の実施形態に
制限されるものでない。
【0029】まず、図1を参照しながら、本発明の実施
形態による光アイソレータ10の構造と機能を説明す
る。
【0030】光アイソレータ10は、偏光子11と、検
光子13と、偏光子11と検光子13との間に設けられ
たファラデー回転子12とを備える素子部14と、ファ
ラデー回転子12に磁界を印加するための一対の永久磁
石からなる板状体(以下、「永久磁石板」という。)1
6および17とを備えている。ファラデー回転子12は
例えば、YIGや(RBi)3Fe512(R:Yを含む
希土類元素)等の磁気光学効果を有する材料で形成され
ている。永久磁石板16および17は、素子部14より
も小さな貫通孔16aおよび17aを有している。永久
磁石板16および17には、ネオジム・鉄・ボロン系焼
結磁石などの希土類磁石が好適に用いられる。
【0031】ネオジム・鉄・ボロン系焼結磁石は、「ネ
オジム磁石」と称されることもあり、本明細書では、R
−T−(M)−B系焼結磁石と呼ぶこともある。R−T
−(M)−B中のRはYを含む希土類元素、TはFeま
たはFeとCoおよび/またはNiとの混合物、Mは添
加元素(例えば、Al、Ti、Cu、V、Cr、Ni、
Ga、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Hf、Ta、W
の少なくとも1種)、Bはボロンまたはボロンと炭素と
の混合物である。R−T−(M)−B系焼結磁石は、種
々の磁石の中で最も高い最大磁気エネルギー積を示し、
価格も比較的安いために、各種電子機器へ積極的に採用
されている。本発明に好適に用いられるR−T−(M)
−B系焼結磁石は、例えば米国特許第4,770,72
3号および米国特許第4,792,368号の明細書に
記載されている。
【0032】図2(a)〜(c)を参照しながら、本発
明による光アイソレータ10における永久磁石板16お
よび17の配置の特徴を説明する。
【0033】永久磁石板16および17は、上述のよう
に配置されているので、図2(a)に示したような磁界
を発生する。図2(a)中の矢印は、磁力線の方向と大
きさを示している。図2(a)は、厚さが1mmで外径
が1.8mm、貫通孔16aおよび17aの内径が0.
9mmの円盤状の永久磁石板16および17を用いた場
合の磁界を3次元磁界シミュレーションで求めた結果を
模式的に示している。永久磁石板16および17の残留
磁束密度Brは0.93Tとし、永久磁石板16と永久
磁石板17との間隔Lmを1mmとした。
【0034】図2(a)から明らかなように、本実施形
態の光アイソレータ10において、ファラデー回転子1
2の近傍には、方向および大きさが安定した磁界が形成
されていることがわかる(磁束密度:約0.16T)。
すなわち、ファラデー回転子12を含む素子部14の両
側に永久磁石板16および17を配置しているので、両
永久磁石板16および17の間の中心について対称な磁
界が形成される。また、永久磁石板16および17の貫
通孔16aおよび17aが素子部14に比べて小さいの
で、素子部14の中心(光軸付近)の磁界の強さおよび
方向が安定する。
【0035】永久磁石板16および17は上述のような
磁界を生成するので、ファラデー回転子12の位置が多
少ずれても、ファラデー回転子12に印加される磁界の
強度の変動は小さく、特性の安定した特性の光アイソレ
ータを得ることができる。言い換えると、光アイソレー
タ10の組み立てに高い精度が要求されないので、製造
効率が高いという利点が得られる。
【0036】また、この構成を採用すると、永久磁石板
16および17はその貫通孔16aおよび17a内に素
子部14を収容する必要がないため、貫通孔16aおよ
び17aの大きさを素子部14の大きさよりも小さくで
きる。従って、永久磁石板16および17の外径が制限
されても、十分に強い磁界を印加できるだけの実効体積
(現実に永久磁石が存在する体積)を確保することがで
きる。例えば、ファラデー回転子12(素子部14)を
通過する光ビームの直径は、例えば、約10μmである
ので、この範囲のファラデー回転子12に均一な磁界を
生成できればよい。
【0037】これに対し、図2(b)に示したように、
永久磁石筒18の貫通孔18a内にファラデー回転子1
2を配置する構成を採用すると、永久磁石筒18の外径
が制限された条件では、永久磁石18の実効体積が小さ
くなり、その結果、ファラデー回転子12に十分な強度
の磁界を印加できなくなる。なお、図2(b)は、長さ
が3mmで外径が1.8mm、貫通孔18aの内径が
0.9mmの永久磁石筒18を用いた場合の磁界を3次
元磁界シミュレーションで求めた結果を模式的に示した
ものである。永久磁石筒18の残留磁束密度Brを0.
93Tとすると、ファラデー回転子12の近傍に発生す
る磁界は約0.1Tに過ぎない。逆に、ファラデー回転
子12に十分な強度の磁界を印加できる磁力を得るため
には、永久磁石筒18の外径を大きくする必要が生じ、
小型化が困難となる。
【0038】また、図2(c)に示したように、ファラ
デー回転子12の片側に永久磁石板19を配置する構成
を採用すると、貫通孔19aを小さくしても、磁界の強
度および方向が位置によってかなり変動する。図2
(c)は、図2(a)に示した構成の左側の永久磁石板
16を省略したものについて得られた磁界シミュレーシ
ョン結果を模式的に示したものであり、ファラデー回転
子12の近傍に発生する磁界は約0.1Tに過ぎない。
【0039】このように、この構成を用いて所望の特性
の光アイソレータを作製するためには、ファラデー回転
子12と永久磁石板19との相対位置を高い精度で制御
する必要が生じる。言い換えると、特性のばらつきの小
さい光アイソレータを作製することが難く、製造効率が
低い。また、十分な強度の磁界を印加するためには、図
2(a)に示した一対の永久磁石板16および17の実
効体積の合計よりも大きな永久磁石板19を用いる必要
が生じるので、永久磁石の利用効率が悪く、コストを上
昇させる要因となる。
【0040】本発明によると、例えば、一辺の長さが1
mm正方形の素子部14を用い、ネオジム磁石からなる
永久磁石板16および17の外径を1mm、厚さを1m
m、貫通孔16aおよび17aの内径を0.3mmとす
ると、ファラデー回転子12に約0.12Tの磁界を印
加することができる。
【0041】現在最も多く使用されているフェルールの
外径は、2.5mmであり、外径が1.25mmのもの
の利用が進みつつある。本発明によると、上述したよう
に、外径が1mm程度の光アイソレータを構成できるの
で、フェルールの外径よりも小さな光アイソレータを得
ることが可能となり、その結果、光アイソレータ内蔵型
の光コネクタを小型化できる。すなわち、光ファイバの
端部に設けられるフェルールを内嵌する保持構造の内部
に光アイソレータを配置することが可能であり、光アイ
ソレータを保持するために保持構造を大きくする必要が
ない。
【0042】正方形の素子部14の一辺の長さおよび永
久磁石板16および17の外径をAとして、永久磁石板
16および17の貫通孔16aおよび17aの直径をB
とすると、B/Aは、0.1以上0.8以下の範囲内に
あることが好ましく、0.3以上0.5以下の範囲内に
あることが更に好ましい。B/Aが、0.1よりも小さ
いと貫通孔が小さすぎて光路の確保が困難になるという
不具合が生じることがあり、0.8よりも大きいと永久
磁石の実効体積が小さく十分な強度の磁界を発生するこ
とができないという不具合が生じることがある。
【0043】なお、フェルールの外径(典型的には2.
5mm)よりも小さなネオジム磁石を製造するために
は、プレス成形性を向上するために造粒粉を用いること
が好ましい。特に、特願2000−394080号に記
載されている造粒粉を用いることが好ましい。この出願
に記載されている造粒方法を用いると、サマリウムコバ
ルト磁石と同等もしくはそれ以上の磁気特性を有する非
常に小さなネオジム磁石を高い生産性で製造することが
できる。すなわち、プレス成形によってほぼ所望の形状
の成形体が得られるので、焼結後の機械加工がほとんど
必要なく、材料の歩留まりや生産性が高いばかりでな
く、加工歪が発生することを防止することもできる。な
お、ネオジム磁石は、必要に応じて、表面処理(例え
ば、ニッケルめっき)されることが好ましい。
【0044】素子部14を構成する偏光子11、検光子
13およびファラデー回転子12は例えば、いずれも略
四角形の板状体(厚さはいずれも約1mm)のもので、
偏光子10の透過偏光面と検光子11の透過偏光面とが
互いに45度をなすように固定されている。素子部14
として、例えば、特許第2757045号公報に記載さ
れているような、偏光子11、検光子13およびファラ
デー回転子12があらかじめ一体に相互に固定されたチ
ップ型素子部を用いることが好ましい。また、偏光子1
1、検光子13およびファラデー回転子12の少なくと
も光路部の表面には、あらかじめ反射防止膜(「ARコ
ート」と呼ばれることもある。)が形成されていること
が好ましい。
【0045】なお、偏光子11、検光子13およびファ
ラデー回転子12を相互に固定することによって素子部
14を形成する場合には、図3に示したように、略四角
形の板状体の周辺部において、点状の接着部21および
22で部分的に相互に固定することが好ましい。特に、
対角方向に位置する2つの角部において部分的に相互に
固定することが好ましい。固定する部分を少なくするこ
とによって、これらの光学素子に歪が生成されるのを抑
制・防止することができ、その結果、光アイソレータ1
0の消光比を高い値に維持することができる。
【0046】偏光子11、検光子13およびファラデー
回転子12の固定は、接着剤またはガラス溶着を用いて
行うことが好ましい。ガラスや接着剤は一般に通信用の
光を吸収するので、ガラス溶着もしくは接着剤で固定す
るときに、これらの材料が光路となる中心部に流れ込ま
ないようにするのが好ましい。
【0047】素子部14と永久磁石板16および17と
の固定も接着剤またはガラス溶着を用いて行うことが好
ましい。このときも、素子部14の周辺部において点状
の接着部で部分的に固定することが好ましい。ガラスや
接着剤に代えてはんだを用いて素子部14と永久磁石板
16および17を相互に固定することもできる。例え
ば、素子部14の両面に蒸着法またはスパッタ法を用い
て金属膜(例えば、Ni、PdやAu)を形成(例えば
厚さ数nm)し、金属膜と永久磁石板16および17と
をはんだによって接合すればよい。もちろん、素子部1
4の光路となる部分には金属膜が形成されないようにす
るとともに、素子部14に歪が発生しないように、素子
部14の周辺部に点状に金属膜を形成することが好まし
い。なお、永久磁石板16および17は、素子部14と
接着した後で、着磁されてもよい。接着のために比較的
高い温度(例えば300℃以上)にさらされると永久磁
石板16および17の磁気特性が低下することがあるの
で、このような場合には、接着後に着磁することが好ま
しい。
【0048】また、永久磁石板16および17とファラ
デー回転子12との熱膨張係数の差は比較的に大きいの
で、永久磁石板16および17とファラデー回転子12
とを直接互いに接着すると、熱膨張係数の差に起因する
熱応力によって、光アイソレータ10の消光比が温度に
依存して低下する傾向があるが、本発明のように、偏光
子11および検光子13(または一対の複屈折板)と永
久磁石板16および17とを接着すると、熱応力による
光学特性の低下を抑制できる。
【0049】本実施形態による光アイソレータ10は、
上述のように構成されているので、比較的小さな永久磁
石板16および17を用いて効果的に磁界を発生するこ
とが可能であるとともに、高い消光比を有する。
【0050】上述の例では、ファラデー素子11を偏光
子と検光子とで挟持した構成を有する偏波依存型の光ア
イソレータを説明したが、偏光子および検光子に代えて
一対の複屈折板を用いることによって、偏波無依存型の
光アイソレータを構成することができる。また、必要に
応じて、ファラデー回転子と少なくとも一方の複屈折板
との間にさらに1/2波長板を設けてもよい。このよう
な光アイソレータについても本発明の効果が得られるこ
とは言うまでもない。
【0051】次に、上記の光アイソレータを用いた本発
明による実施形態の光コネクタの構造と機能を説明す
る。
【0052】まず、図4を参照しながら、レーザ光源装
置に取り付けられる光コネクタ100の構造(「ピッグ
テイル型」と称されることがある。)を説明する。
【0053】光コネクタ100は、図1に示した光アイ
ソレータ10と、光アイソレータ10と、光アイソレー
タ10の一方に配置されるフェルール20aとを内嵌す
る筒状の保持構造30とを備えている。フェルール20
aは、光ファイバ31の端部を固定するために設けられ
ている。保持構造30は、一般にスリーブと称されてい
るものを用いることができる。スリーブは、セラミック
スまたは金属から形成された円筒に、スリットが形成さ
れた割スリーブが一般的で、セラミックスまたは金属の
弾性的な性質を利用して、スリーブに内嵌されるフェル
ール20aを保持する。
【0054】光アイソレータ10は、上述したように、
フェルール20aの外径よりも小さいので、フェルール
20を内嵌する保持構造30内に配置される。光アイソ
レータ10は、もちろん、図3を参照しながら説明した
ように、一体に固定されていることが好ましい。
【0055】この光コネクタ100は、図5に示すよう
に、レーザ光源装置200に組み込まれる。レーザ光源
装置200は、半導体レーザ40と、半導体レーザ40
の光出射側に配置された光コネクタ100とを備えてい
る。レーザ光源装置200はさらに、半導体レーザ40
から出射された光を集光するためのレンズ42を備えて
もよい。光コネクタ100の保持構造30の開放側端部
(光ファイバ31が接続される側の反対側)は、半導体
レーザ40を収容するケース45と機械的に接続される
ような構造(例えば嵌合構造)を有している。なお光ア
イソレータ10は、典型的には、偏波依存型光アイソレ
ータであるが、偏波無依存型の光アイソレータであって
もよい。
【0056】次に、図6を参照しながら、光ファイバ3
1の接続部に設けられる光コネクタ300の構造(「イ
ンライン型」と称されることがある。)を説明する。
【0057】光コネクタ300は、光アイソレータ10
と、光アイソレータ10と光アイソレータ10の両側に
配置される一対のフェルール20aおよび20bとを内
嵌する筒状の保持構造50とを有している。保持構造5
0としては、従来の割スリーブを用いることができる。
上述したように本発明による光アイソレータ10は非常
に小さな外形を有しているので、フェルール20aおよ
び20bを内嵌し、保持する従来のスリーブ(保持構造
50)の内部に収容される。従って、本発明によると、
従来よりも小型の光コネクタ300を提供することがで
きる。光アイソレータ10は、偏波無依存型であっても
よいし、偏波依存型であってもよい。
【0058】次に、図7を参照しながら、本発明による
他のインライン型光コネクタ400の構造を説明する。
【0059】光コネクタ400は、光アイソレータの素
子部14と、素子部14と、素子部14の両側に配置さ
れる一対のフェルール20aおよび20bとを内嵌する
筒状の保持構造60とを有する。固定構造60は永久磁
石から形成されており、光コネクタ400は光アイソレ
ータとしても機能する。ここでは、保持構造60が素子
部14の両側にフェルール20aおよび20bを内嵌す
る構造を例示しているが、素子部14の少なくとも一方
にフェルール20a(または20b)を内嵌する構造と
してもよい。また、素子部14は、偏波依存型アイソレ
ータの素子部であってもよいし、偏波無依存型の素子部
であってもよい。
【0060】この光コネクタ400では、フェルール2
0aおよび20bを内嵌するスリーブ(固定構造60)
を永久磁石で形成することによって、永久磁石に対する
外径の制限が緩和されるので、十分な実効体積を有する
永久磁石を用いることができる。また、フェルール20
aおよび20bの外径が小さくなるほど、すなわち、ス
リーブの内径が小さくなるほど磁界強度は上昇するの
で、光コネクタの小型化に有利である。さらに、光アイ
ソレータ内蔵型光コネクタの部品点数を削減できるとと
もに、組み立て工程を簡略化できるという利点もある。
【0061】
【発明の効果】上述したように、本発明によると、小型
で高性能な光アイソレータが提供される。また、この小
型で高性能な光アイソレータはフェルールの外径よりも
小さくできるので、光アイソレータ内蔵型の小型の光コ
ネクタやレーザ光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光アイソレータ10の構造を示す
模式図である。
【図2】(a)は本発明による光アイソレータ10のフ
ァラデー回転子12に印加される磁界を模式的に示す図
であり、(b)および(c)は、他の光アイソレータに
おける磁界を模式的に示す図である。
【図3】光アイソレータ10の素子部14の接合構造を
説明するための模式図である。
【図4】本発明による光コネクタ100の構造を模式的
に示す断面図である。
【図5】本発明による他の光コネクタ200の構造を模
式的に示す断面図である。
【図6】本発明による他の光コネクタ300の構造を模
式的に示す断面図である。
【図7】本発明による他の光コネクタ400の構造を模
式的に示す断面図である。
【図8】(a)および(b)は、従来の光アイソレータ
の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
10 光アイソレータ 11 偏光子 12 ファラデー回転子 13 検光子 14 素子部 16a、17a、18a、19a 貫通孔 16、17、19 永久磁石板 18 永久磁石筒 20a、20b フェルール 21、22 接着部 30、50、60 保持構造 31 光ファイバ 40 半導体レーザ 42 レンズ 45 ケース 100、200、300、400 光コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 槇田 顕 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 山下 治 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 藤井 博満 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA03 BA31 CA00 DA31 2H099 AA01 BA02 CA05 CA11 5F073 AB27 AB28 AB30 FA06 FA07 FA08 FA30

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファラデー回転子を有する素子部と、前
    記ファラデー回転子に磁界を印加するための磁石とを備
    える光アイソレータであって、 前記磁石は、前記素子部を介して互いに対向するように
    配置され、前記素子部よりも小さな貫通孔をそれぞれが
    有する一対の永久磁石板を有する、光アイソレータ。
  2. 【請求項2】 前記素子部は、前記ファラデー回転子の
    両側に配置された偏光子および検光子をさらに有し、 前記偏光子、前記検光子および前記ファラデー回転子
    は、いずれも略四角形の板状体であって、前記板状体の
    対角方向に位置する2つの角部において部分的に相互に
    固定されている、請求項1に記載の光アイソレータ。
  3. 【請求項3】 前記素子部は前記ファラデー回転子の両
    側に配置された一対の複屈折板をさらに有し、 前記一対の複屈折板および前記ファラデー回転子は、い
    ずれも略四角形の板状体であって、前記板状体の対角方
    向に位置する2つの角部において部分的に相互に固定さ
    れている、請求項1に記載の光アイソレータ。
  4. 【請求項4】 前記素子部は、ガラスまたは接着剤を用
    いて一体に固定されている、請求項2または3に記載の
    光アイソレータ。
  5. 【請求項5】 内径が2.5mmの筒内に収容され得る
    大きさを有している請求項1から4のいずれかに記載の
    光アイソレータ。
  6. 【請求項6】 前記一対の永久磁石板は、ネオジム・鉄
    ・ボロン系焼結磁石板である、請求項1から5のいずれ
    かに記載の光アイソレータ。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の光ア
    イソレータと、 前記光アイソレータと、前記光アイソレータの少なくと
    も一方に配置される少なくとも1つのフェルールとを内
    嵌する筒状の保持構造と、 を備える光コネクタ。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも1つのフェルールは、前
    記光アイソレータの両側に配置される一対のフェルール
    であって、前記保持構造は、前記一対のフェルールを内
    嵌する、請求項7に記載の光コネクタ。
  9. 【請求項9】 前記素子部は、前記少なくとも1つのフ
    ェルールの外径を内径とする筒内に収容され得る大きさ
    を有している、請求項7または8に記載の光コネクタ。
  10. 【請求項10】 半導体レーザと、 前記半導体レーザの光出射側に配置された請求項1から
    6のいずれかに記載の光アイソレータと、前記光アイソ
    レータと前記光アイソレータの一方に配置される1つの
    フェルールとを内嵌する筒状の保持構造とを備える光コ
    ネクタと、 を備えるレーザ光源装置。
  11. 【請求項11】 ファラデー回転子を有する素子部と、 前記素子部と、前記素子部の少なくとも一方に配置され
    る少なくとも1つのフェルールとを内嵌する筒状の保持
    構造とを有し、 前記固定構造は永久磁石から形成されている、光コネク
    タ。
  12. 【請求項12】 前記素子部は、前記ファラデー回転子
    の両側に配置された偏光子および検光子をさらに有し、 前記偏光子、前記検光子および前記ファラデー回転子
    は、いずれも略四角形の板状体であって、前記板状体の
    対角方向に位置する2つの角部において部分的に相互に
    固定されている、請求項11に記載の光コネクタ。
  13. 【請求項13】 前記素子部は前記ファラデー回転子の
    両側に配置された一対の複屈折板をさらに有し、 前記一対の複屈折板および前記ファラデー回転子は、い
    ずれも略四角形の板状体であって、前記板状体の対角方
    向に位置する2つの角部において部分的に相互に固定さ
    れている請求項11に記載の光コネクタ。
  14. 【請求項14】 前記素子部は、ガラスまたは接着剤を
    用いて一体に固定されている、請求項12または13に
    記載の光コネクタ。
  15. 【請求項15】 前記永久磁石板は、ネオジム・鉄・ボ
    ロン系焼結磁石板である請求項11から14に記載の光
    コネクタ。
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