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JP2002216817A - 燃料電池冷却液の導電率管理装置 - Google Patents

燃料電池冷却液の導電率管理装置

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Publication number
JP2002216817A
JP2002216817A JP2001015699A JP2001015699A JP2002216817A JP 2002216817 A JP2002216817 A JP 2002216817A JP 2001015699 A JP2001015699 A JP 2001015699A JP 2001015699 A JP2001015699 A JP 2001015699A JP 2002216817 A JP2002216817 A JP 2002216817A
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coolant
fuel cell
bypass
circulating
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JP2001015699A
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Naoto Kashiwagi
直人 柏木
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池冷却水の導電率を低減するために、
冷却水を導電率低減装置へバイパスさせる構成を備えた
燃料電池装置において、燃料電池の性能低下やポンプ負
荷の増大を起こすことのないように冷却水導電率の管理
を効率よく行う。 【解決手段】 循環ポンプ3により燃料電池2と熱交換
器6とのあいだで冷却水を循環させる循環流路10と、
この循環流路から取り出した冷却水を導電率低減装置4
を通して循環流路に戻すバイパス流路11と、循環流路
からバイパス流路への冷却水バイパス割合を調節するバ
ルブ7と、冷却水の導電率を検出する導電率センサ8
と、冷却水の導電率に基づいて前記バルブにより冷却水
バイパス割合を制御する制御装置1と、冷却水の温度を
検出する温度センサ9とを備える。冷却水の温度が基準
温度以上かつ導電率が基準導電率以下のときには、前記
導電率低減装置へのバイパス割合を減らすことにより、
ポンプ負荷が大きい高温時には導電率低減装置への冷却
水バイパスによる圧力損失を低減してポンプ負荷が過大
となるのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池冷却液の導
電率管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】固体高分子型燃料電池
はその燃料となる水素あるいは水素リッチな改質ガスお
よび空気を供給して電気化学反応を起こし電気エネルギ
を得ている。燃料電池システムには、このような化学反
応で発熱した燃料電池を通常運転温度に維持するために
冷却系統が設けられている。冷却系統は、冷却液を循環
ポンプにより燃料電池へ供給し、燃料電池を通過した冷
却液はラジエータのような熱交換器によって冷却した後
にタンクに戻す循環系を構成している。冷却液としては
一般に純度の高い純水が使用される。純水の導電率が増
加すると燃料電池内でショートして発電量の低下さらに
は発電停止を起こすおそれを生じるので、純水の導電率
を低減するためにイオン除去フィルタなどの導電率低減
装置が設けられる。
【0003】従来のフィルタを設けた循環システムとし
ては、特開平8-7912号公報に開示されているものが知ら
れている。これは、水中の懸濁物濃度が許容上限濃度に
達すると開閉弁を操作し、フィルタ側に水を流して懸濁
物を除去するものである。また、イオン除去フィルタを
設けて純水中の導電率を低減させるシステムとして、特
開2000-208157号公報に開示されているものが知られて
いる。これは、メインの循環系とは別にサブの循環系を
設け、サブの循環系にイオン除去フィルタを設けて導電
率に応じてサブポンプの運転を制御し、純水の導電率を
低減するものである。
【0004】しかしながら、このように冷却水の懸濁物
濃度に応じてフィルタヘのバイパス量を決定するもの、
あるいは純水の導電率によってバイパス量を決定するも
のでは、バイパス中のフィルタでの圧力損失が大きく、
それだけ冷却水を循環させるポンプの負荷が増大してし
まうという問題がある。燃料電池の運転状態によってさ
らに大きな冷却性能が要求された場合にはポンプの吐出
能力を超えてしまい、燃料電池の冷却が不十分となって
出力低下を余儀なくされることになる。あるいは、より
大型のまたは多数のポンプが必要となり、電力消費量が
大きくなり、システムとしての効率低下を招来する。
【0005】本発明はこのような従来の問題点に着目し
てなされたもので、導電率低減装置による冷却液導電率
の管理を効率よく行うことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、循環ポン
プにより燃料電池と熱交換器とのあいだで冷却液を循環
させる循環系と、この循環系から取り出した冷却液を導
電率低減装置を通して循環系に戻すバイパス系と、循環
系からバイパス系への冷却液バイパス割合を調節するバ
ルブと、冷却液の導電率を検出する導電率センサと、冷
却液の導電率に基づいて前記バルブにより冷却液バイパ
ス割合を制御する制御装置とを備えた燃料電池装置にお
いて、冷却液の温度を検出する温度センサを設けると共
に、前記制御装置を、冷却液の温度が基準温度以上かつ
導電率が基準導電率以下のときには、前記導電率低減装
置へのバイパス割合を減らすように構成した。
【0007】第2の発明は、循環ポンプにより燃料電池
と熱交換器とのあいだで冷却液を循環させる循環系と、
この循環系から取り出した冷却液を導電率低減装置を通
して循環系に戻すバイパス系と、循環系からバイパス系
への冷却液バイパス割合を調節するバルブと、冷却液の
導電率を検出する導電率センサと、冷却液の導電率に基
づいて前記バルブにより冷却液バイパス割合を制御する
制御装置とを備えた燃料電池装置において、冷却液の温
度を検出する温度センサを設けると共に、前記制御装置
を、冷却液の温度が基準温度以下かつ導電率が基準導電
率以上のときには、前記導電率低減装置へのバイパス割
合を増やすように構成した。
【0008】第3の発明は、循環ポンプにより燃料電池
と熱交換器とのあいだで冷却液を循環させる循環系と、
この循環系から取り出した冷却液を導電率低減装置を通
して循環系に戻すバイパス系と、循環系からバイパス系
への冷却液バイパス割合を調節するバルブと、冷却液の
導電率を検出する導電率センサと、冷却液の導電率に基
づいて前記バルブにより冷却液バイパス割合を制御する
制御装置とを備えた燃料電池装置において、循環ポンプ
の負荷を検出するポンプ負荷検出装置を設けると共に、
前記制御装置を、循環ポンプの負荷が基準負荷以上かつ
導電率が基準導電率以下のときには、導電率低減装置へ
のバイパス割合を減らすように構成した。
【0009】第4の発明は、循環ポンプにより燃料電池
と熱交換器とのあいだで冷却液を循環させる循環系と、
この循環系から取り出した冷却液を導電率低減装置を通
して循環系に戻すバイパス系と、循環系からバイパス系
への冷却液バイパス割合を調節するバルブと、冷却液の
導電率を検出する導電率センサと、冷却液の導電率に基
づいて前記バルブにより冷却液バイパス割合を制御する
制御装置とを備えた燃料電池装置において、循環ポンプ
の負荷を検出するポンプ負荷検出装置を設けると共に、
前記制御装置を、循環ポンプの負荷が基準負荷以下かつ
導電率が基準導電率以上のときには、導電率低減装置へ
のバイパス割合を増やすように構成した。
【0010】第5の発明は、前記各発明の制御装置を、
検出した導電率が予め定めた上限基準値以上であるとき
には、冷却液の全量を導電率低減装置にバイパスさせる
ように構成した。
【0011】第6の発明は、前記第1〜第4の発明の制
御装置を、検出した導電率が燃料電池に応じて定めた許
容限度値以上であるときには、燃料電池への燃料供給を
停止すると共に循環ポンプの運転を停止するように構成
した。
【0012】第7の発明は、前記第1〜第4の発明にお
いて、導電率センサとして、導電率低減装置に流入する
冷却液の導電率を検出する第1の導電率センサと、導電
率低減装置から流出してきた冷却液の導電率を検出する
第2の導電率センサとを設けると共に、前記第1の導電
率センサの出力と第2の導電率センサの出力との差が判
定基準値よりも小さいときに導電率低減装置の性能低下
と判定する判定装置を備えた。
【0013】
【作用・効果】第1の発明では、冷却液の温度が高く、
導電率が低いときには導電率低減装置への冷却液バイパ
ス割合を減らす。高い冷却性能が要求される高温時には
バイパス流量を減らして冷却を優先させるのであり、こ
れにより導電率低減装置での圧力損失を低減してそれだ
け循環ポンプの負荷を軽減することができる。したがっ
て循環ポンプの小型化を図り、あるいは冷却性能の向上
による燃料電池の運転効率改善を図ることができる。
【0014】第2の発明では、冷却液の温度が低<、導
電率が高いときには導電率低減装置へのバイパス割合を
増やす。放熱量が少ない低温時に冷却液の導電率低減を
優先させるのであり、これにより循環ポンプの負荷を軽
減することができる。
【0015】第3の発明では、循環ポンプの負荷が高
く、導電率が低いときには導電率低減装置へのバイパス
割合を減らす。冷却のために循環ポンプの負荷が高いと
きには導電率低減装置へのバイパス量を減じるのであ
り、これにより導電率低減装置での圧力損失によりポン
プ負荷が過大となるのを防止することができる。
【0016】第4の発明では、循環ポンプの負荷が低
く、導電率が高いときには導電率低減装置へのバイパス
割合を増やす。、冷却のための循環ポンプの負荷が低い
ときに冷却液の導電率低減を優先して行うのであり、こ
れによりポンプ負荷が過大となるのを防止することがで
きる。
【0017】第5の発明では、導電率センサの信号が上
限基準値を超えた場合、冷却液の温度、循環ポンプの負
荷にかかわらず冷却液の全量を導電率低減装置にバイパ
スすることで冷却液の導電率を可能な限り低下させる。
これにより、燃料電池に導電率が高い冷却液が供給され
ることに原因する出力低下等の問題を回避することがで
きる。
【0018】第6の発明では、冷却液の導電率が燃料電
池の許容限度値を超えた場合、冷却液の供給を止めて、
燃料電池の発電を停止させる。これにより、燃料電池シ
ステムの故障を未然に防ぐことができる。
【0019】第7の発明によれば、導電率低減装置の入
口側に設けた第1の導電率センサと、出口側に設けた第
2の導電率センサとの出力差に基づき、もし下流側の導
電率が低下していなければ導電率低減装置によって導電
性イオンが除去されていないことがわかるので、導電率
低減装置の性能低下を判定して警告を発し、あるいは導
電率低減装置の交換時期を明示する等の的確な維持管理
が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。図1において、1はマイクロコンピュ
ータおよびその周辺装置等から構成される制御装置、2
は電気化学反応により起電力を得る燃料電池、3は冷却
液として純水を供給する電動式の循環ポンプ、4は冷却
水(純水)の導電率を低減する導電率低減装置、5は冷
却水を一時的に貯蔵するタンク、6は冷却水を冷却する
熱交換器、7は冷却水の流路を切り替える電磁バルブ、
8は冷却水の導電率を検知する導電率センサ、9は冷却
水の温度を検知する温度センサである。10は前記タン
ク6の冷却水を燃料電池2と熱交換器6との間で循環さ
せる循環流路(循環系)、11は循環流路10の途中か
ら前記電磁バルブ7の開度に応じて分流させた冷却水を
導電率低減装置4を通して再び循環流路10に戻すバイ
パス流路(バイパス系)である。
【0021】循環ポンプ3は吐出量の要求に応じて回転
数が可変制御される構成であり、制御装置1はその回転
数の指令値を燃料電池2の運転状態や冷却水温度に応じ
て決定し、循環ポンプ3の駆動を制御する。燃料電池は
水素と酸素の化学反応により電力を発生する。前記循環
ポンプ3や各種電気機器の電源としては前記燃料電池2
の起電力があてられる。
【0022】化学反応に伴う燃料電池2の温度上昇を抑
制するために冷却水を循環ポンプ3により熱交換器6と
のあいだで循環させる。燃料電池2に供給する冷却水
は、燃料電池内でのショートにより発電量が低下するこ
とを防止するために導電率が低く抑えられていなければ
ならない。自動車等の移動体に搭載するような循環シス
テムでは、外部の純水製造装置から導電率の低い冷却水
を供給することができないため、冷却水の導電率を低く
維持することは重要である。しかしながら導電性イオン
が配管や熱交換器など純水が金属と接触する部分から溶
け出すことから、そのまま放置すれば導電率は経時的に
上昇してゆく。導電率低減装置4はこの溶け出した導電
性イオンを除去する機能を有している。
【0023】導電率低減装置は、例えば図2に示すよう
にイオン交換樹脂12が充填されたフィルタ構造になっ
ており、冷却水を通過させることにより導電性イオンを
除去し、導電率を低下させるものである。このような導
電率低減装置4は、フィルタに純水を通過させる構造
上、圧力損失が発生する。イオン交換樹脂の充填量が多
ければイオン除去性能は向上するが圧力損失は増してし
まう。そこで、導電率低減装置4は圧力損失の影響を抑
えるために、循環流路10とは別に設けたバイパス流路
11に介装し、必要限度で冷却水を通過させるようにし
ている。
【0024】バイパス流路11への流量を切り替える電
磁バルブ7は、制御装置1からの信号によって開度が連
続的または多段階的に可変制御される三方弁であり、循
環流路10全開−バイパス流路11全閉の状態から、そ
の逆の状態まで制御装置1からの信号を受け、2つの流
路10または11への純水量を調節する。
【0025】冷却水の導電率の検出は、純水中の電気抵
抗を測定する原理による導電率センサ8を介して行われ
る。導電率センサ8は、導電率に応じた信号を制御装置
1に送出する。導電率は温度によって変化するので、例
えば25℃に換算した導電率が適用される。制御装置1
は、図3に示すように導電率センサ8から得られる冷却
水の導電率に基づいて電磁バルブ7ヘの指令値を演算
し、循環流路10からバイパス流路11にバイパスさせ
る冷却水流量の割合を決定している。
【0026】燃料電池2を冷却して温度が上昇した冷却
水は、燃料電池2の下流に設けられた熱交換器6で放熱
したのちタンク5に戻される。循環経路10内の冷却水
の温度は温度センサ9で検出され、この検出信号は制御
装置1に送出される。燃料電池温度と冷却水温度は相関
関係があり、図4に示すように始動時は外気温相当だ
が、発電とともに徐々に上昇する。定常では一定温度を
保つが、高出力発電時や過渡時にはこの限りではない。
【0027】冷却水温度を充分に低下させるには熱交換
器6に多量の冷却水を送り込む必要があり循環ポンプ3
の負荷はそれだけ大きなものとなる。その反対に、冷却
水の冷却を必要としない低水温時は低吐出流量で済むた
めポンプ負荷は低い。このように冷却水温度とポンプ負
荷は相関があり、ポンプ能力が不足すれば冷却水温度を
低下させることができない。大型のポンプを使いポンプ
能力を上げることは、外部電源によるポンプ駆動が不可
能かつ、搭載に制約の多い移動体用の燃料電池システム
においては好ましくない。
【0028】そこで本実施形態では、冷却水の導電率に
応じて決定した導電率低減装置4へのバイパス流量に、
冷却水の温度による補正を加えて最適化を図ることで、
限られたポンプ能力の範囲内で冷却要求と導電率低減要
求とを両立させ得るようにしている。具体的には、図5
に示すように、ポンプ負荷の大きい高水温時には導電率
低減装置4への冷却水バイパス割合を減らすことにより
フィルタ部での圧力損失を極力なくしてポンプ負荷を軽
減させ、冷却水の冷却を優先させる。また、ポンプ負荷
の少ない低水温時には、導電率低減装置4ヘのバイパス
割合を増やし、純水のイオン濃度を低減させるのであ
る。これにより、循環ポンプ3の小型化、省電力化がで
きるばかりでなく、燃料電池2の性能向上、熱交換器6
を含めた冷却システムの低価格化、および導電率低減装
置4の最適設計を図ることが可能となる。
【0029】導電率低減装置4への冷却水バイパス割合
の制御に関する第2の実施形態として、冷却水の導電率
に応じて決定した導電率低減装置4への冷却水バイパス
割合を、循環ポンプ3の負荷に応じて補正するようにし
てもよい。図6に示すように、循環ポンプ3の負荷はそ
の回転数と相関があるため、循環ポンプ3の回転数から
負荷状態を判定することができる。このポンプ負荷が大
きいときにはバイパス割合を減らし、ポンプ負荷の小さ
いときにはバイパス割合が増えるように制御するのであ
る。これによりポンプ負荷の少ないときに冷却水の導電
率低減処理を行うので、循環ポンプ3の要求最大負荷を
抑えてその小型化を図ることができる。
【0030】ところで、冷却水の冷却を優先させて導電
率低減装置4へのバイパス量を低減させていると、燃料
電池2の運転状態や環境条件によっては、いずれは燃料
電池2が許容しない導電率に達して、発電量の低下によ
って走行性能の低下や燃料電池2の故障を招くおそれが
ある。そこで、図7に示すように、導電率が予め定めた
上限値を超えた場合、冷却水温度やポンプ負荷にかかわ
らず電磁バルブ7を操作して全ての冷却水を導電率低減
装置4ヘバイパスさせることにより、導電率の低減を優
先させるように図るとよい。さらには、図8に示すよう
に、導電率の低下を防ぐことができず、燃料電池2の許
容範囲を超えて導電率が上昇してしまった場合には、燃
料電池2による発電を停止すると共に、循環ポンプ3を
停止させて燃料電池2への冷却水の供給を止めるように
するのがなお望ましい。
【0031】図9に導電率低減装置4の劣化を判定する
ようにした実施形態を示す。導電率低減装置4は前述し
たようにイオン交換樹脂が充填されたフィルタ構造にな
っている。イオン交換樹脂は化学的に導電性イオンを吸
着するしくみになっているためその吸着量には限界があ
り、定期的な交換が必要である。イオン交換樹脂の性能
低下は外観で判断することは困難であるので、従来は一
定期間毎に交換を行うものとしていた。しかし、交換時
期は時間ではなく本来はイオンの吸着限界によるべきも
のであるので、最適な交換時期を見出すのは困難であっ
た。
【0032】そこでこの実施形態では、図9に示すよう
に、導電率低減装置4通過前の冷却水の導電率を第1の
導電率センサ8Aにより測定すると共に、導電率低減装
置4を通過した冷却水の導電率を第2の導電率センサ8
Bにより測定する。図9のその他の部分の構成は図1と
同一であり、同一の部分には同一の符号を付して示して
ある。
【0033】導電率低減装置4が正常に機能している場
合、通過した冷却水の導電率は低下しているはずであ
る。これに対して、もしも導電率低減装置4を通過した
のちにも導電率が低下していなければ導電率低減装置4
が正常に機能していないことになる。すなわち第1のセ
ンサ8Aによる測定値よりも第2のセンサ8Bによる測
定値は低下しているはずである。このようにして、第1
の導電率センサ8Aの信号と第2の導電率センサ8Bの
信号を比較して導電率の低下幅を検知することにより導
電率低減装置4の性能低下を判断することができる。こ
のときの判断基準となる導電率の低下幅は、第1のセン
サ8Aによる導電率が高いときほど大きく、低いときほ
ど小さくするとよい。冷却水の導電率が低いときにはイ
オン交換樹脂による吸着効率も低下するからである。
【0034】このようにして導電率低減装置4の劣化判
定を行い、もし劣化と判断したときには制御装置1によ
り傾向を発してイオン交換樹脂の交換を促すようにすれ
ば、導電率低減装置4の機能を常時正常に保ち、燃料電
池冷却水の導電率をより適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池装置の実施形態の概
略構成図。
【図2】導電率低減装置の概略構成図。
【図3】導電率と導電率低減装置への冷却水バイパス割
合との関係を示す特性図。
【図4】燃料電池の使用状態と冷却水温度との関係を示
す特性図。
【図5】冷却水温度に応じた導電率と導電率低減装置へ
の冷却水バイパス割合との関係を示す特性図。
【図6】循環ポンプの回転数と負荷との関係を示す特性
図。
【図7】導電率の上限値に関する特性図。
【図8】導電率の許容値に関する特性図。
【図9】本発明を適用した燃料電池装置の他の実施形態
の概略構成図。
【符号の説明】
1 制御装置 2 燃料電池 3 循環ポンプ 4 導電率低減装置 5 タンク 6 熱交換器 7 電磁バルブ 8 導電率センサ 8a 導電率センサ 8b 導電率センサ 9 温度センサ 10 循環流路 11 バイパス流路 12 イオン交換樹脂

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】循環ポンプにより燃料電池と熱交換器との
    あいだで冷却液を循環させる循環系と、この循環系から
    取り出した冷却液を導電率低減装置を通して循環系に戻
    すバイパス系と、循環系からバイパス系への冷却液バイ
    パス割合を調節するバルブと、冷却液の導電率を検出す
    る導電率センサと、冷却液の導電率に基づいて前記バル
    ブにより冷却液バイパス割合を制御する制御装置とを備
    えた燃料電池装置において、 冷却液の温度を検出する温度センサを設けると共に、 前記制御装置を、冷却液の温度が基準温度以上かつ導電
    率が基準導電率以下のときには、前記導電率低減装置へ
    のバイパス割合を減らすように構成した燃料電池冷却液
    の導電率管理装置。
  2. 【請求項2】循環ポンプにより燃料電池と熱交換器との
    あいだで冷却液を循環させる循環系と、この循環系から
    取り出した冷却液を導電率低減装置を通して循環系に戻
    すバイパス系と、循環系からバイパス系への冷却液バイ
    パス割合を調節するバルブと、冷却液の導電率を検出す
    る導電率センサと、冷却液の導電率に基づいて前記バル
    ブにより冷却液バイパス割合を制御する制御装置とを備
    えた燃料電池装置において、 冷却液の温度を検出する温度センサを設けると共に、 前記制御装置を、冷却液の温度が基準温度以下かつ導電
    率が基準導電率以上のときには、前記導電率低減装置へ
    のバイパス割合を増やすように構成した燃料電池冷却液
    の導電率管理装置。
  3. 【請求項3】循環ポンプにより燃料電池と熱交換器との
    あいだで冷却液を循環させる循環系と、この循環系から
    取り出した冷却液を導電率低減装置を通して循環系に戻
    すバイパス系と、循環系からバイパス系への冷却液バイ
    パス割合を調節するバルブと、冷却液の導電率を検出す
    る導電率センサと、冷却液の導電率に基づいて前記バル
    ブにより冷却液バイパス割合を制御する制御装置とを備
    えた燃料電池装置において、 循環ポンプの負荷を検出するポンプ負荷検出装置を設け
    ると共に、 前記制御装置を、循環ポンプの負荷が基準負荷以上かつ
    導電率が基準導電率以下のときには、導電率低減装置へ
    のバイパス割合を減らすように構成した燃料電池冷却液
    の導電率管理装置。
  4. 【請求項4】循環ポンプにより燃料電池と熱交換器との
    あいだで冷却液を循環させる循環系と、この循環系から
    取り出した冷却液を導電率低減装置を通して循環系に戻
    すバイパス系と、循環系からバイパス系への冷却液バイ
    パス割合を調節するバルブと、冷却液の導電率を検出す
    る導電率センサと、冷却液の導電率に基づいて前記バル
    ブにより冷却液バイパス割合を制御する制御装置とを備
    えた燃料電池装置において、 循環ポンプの負荷を検出するポンプ負荷検出装置を設け
    ると共に、 前記制御装置を、循環ポンプの負荷が基準負荷以下かつ
    導電率が基準導電率以上のときには、導電率低減装置へ
    のバイパス割合を増やすように構成した燃料電池冷却液
    の導電率管理装置。
  5. 【請求項5】前記制御装置を、検出した導電率が予め定
    めた上限基準値以上であるときには、冷却液の全量を導
    電率低減装置にバイパスさせるように構成した請求項1
    から請求項4の何れかに記載の燃料電池冷却液の導電率
    管理装置。
  6. 【請求項6】前記制御装置を、検出した導電率が燃料電
    池に応じて定めた許容限度値以上であるときには、燃料
    電池への燃料供給を停止すると共に循環ポンプの運転を
    停止するように構成した請求項1から請求項4の何れか
    に記載の燃料電池冷却液の導電率管理装置。
  7. 【請求項7】請求項1から請求項4の導電率管理装置に
    おいて、導電率センサとして、導電率低減装置に流入す
    る冷却液の導電率を検出する第1の導電率センサと、導
    電率低減装置から流出してきた冷却液の導電率を検出す
    る第2の導電率センサとを設けると共に、前記第1の導
    電率センサの出力と第2の導電率センサの出力との差が
    判定基準値よりも小さいときに導電率低減装置の性能低
    下と判定する判定装置を備えた燃料電池冷却水の導電率
    管理装置。
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