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JP2002289540A - GaN系半導体結晶の製造方法およびGaN系半導体基材 - Google Patents

GaN系半導体結晶の製造方法およびGaN系半導体基材

Info

Publication number
JP2002289540A
JP2002289540A JP2001091129A JP2001091129A JP2002289540A JP 2002289540 A JP2002289540 A JP 2002289540A JP 2001091129 A JP2001091129 A JP 2001091129A JP 2001091129 A JP2001091129 A JP 2001091129A JP 2002289540 A JP2002289540 A JP 2002289540A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gan
crystal
based semiconductor
growth
grown
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001091129A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Tadatomo
一行 只友
Hiroaki Okagawa
広明 岡川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Cable Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority to JP2001091129A priority Critical patent/JP2002289540A/ja
Publication of JP2002289540A publication Critical patent/JP2002289540A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質なGaN系結晶を提供することが可能
な該結晶の製造方法、および該製造方法によって高品質
なGaN系結晶を成長させ得るGaN系半導体基材を提
供すること。 【解決手段】 GaN系半導体とは異なる材料からなる
結晶基板1の表面に凹凸(または段差)1aを加工し、
該凹凸の加工された表面に低温GaN系バッファ層を介
することなく直接的にGaN系結晶2を成長させ、Ga
N系結晶層3とする。結晶基板表面の凹凸(または段
差)によって、GaN系結晶は横方向の成長を抑制さ
れ、バッファ層を介さずとも平坦化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaN系半導体結
晶の製造方法、およびその製造方法によって得られるG
aN系半導体基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaN系半導体結晶(以下、「GaN系
結晶」とも略す)を成長させるための結晶基板には、本
来、GaN系結晶と同質の化学的性質、格子定数、熱膨
張係数を有するGaN結晶基板を使用することが望まし
い。しかし、高品質で安価なGaN結晶基板を市場から
得ることは未だ困難である。
【0003】GaN系結晶を成長させるための結晶基板
の条件としては、先ず六方晶系であって、しかもGaN
系半導体素子用のエピタキシャル結晶成長に通常用いら
れる有機金属気相エピタキシャル成長法(MOVPE:
Metal Organic Vapor PhaseEpitaxy)の成長温度、成長
ガス雰囲気に対する耐性を有し、しかも市場から安価に
入手できなくてはならない。これらの点を完全には満足
し得ないが、他に替る材料が無い点から、サファイア基
板を専ら用いられているのが現状である。
【0004】しかし、サファイア基板上にGaN系結晶
を1000℃前後の高温にて直接成長させると、図4
(a)〜(c)に成長プロセスを示すように、比較的大
きな結晶粒が成長するのみで、半導体素子、特に能動層
の作製に必要な二次元成長による平坦な表面が得られな
い。平坦な表面が得られないと、素子機能を発現する半
導体薄膜(能動層)が形成できず、当然に、素子機能の
高度化には対応できない。
【0005】サファイア基板上にGaN系結晶を直接成
長させた場合に、二次元成長による平坦な表面が得られ
ない原因は、図4(a)に示すように、サファイア基板
上に高温雰囲気で生成する初期の結晶成長核の発生密度
が小さく、これが核となって三次元結晶成長が進行する
ためであり、その後、図4(b)〜(c)に示すよう
に、結晶粒と結晶粒がぶつかりあいながら大きな結晶粒
に成長するために、素子の作製に必要な平坦な表面が得
られないからであると考えられている。
【0006】サファイア基板上に平坦なGaN系結晶を
成長させるためには、例えば、文献(I. Akasakiら、J.
Crystal Growth、98(1989)209.)で明らか
にされたように、AlN、GaNなどを比較的低温で成
長させたバッファ層(所謂、低温成長AlGaNバッフ
ァ層)を介した成長が極めて有効であり、現在では高品
質GaN系半導体結晶を得るための必須技術となってい
る。
【0007】低温成長AlGaNバッファ層の作用効
果、および該作用効果が発現されるメカニズムは平松ら
の執筆した日本結晶成長学会誌、20(1993)34
6.に詳しいが、簡単に説明すると次の通りである。先
ず、低温成長したGaN系バッファ層は、500℃前後
の比較的低温にてGaN系薄膜として成長した後の昇温
過程において微細な高密度の微結晶粒に変化する。該微
結晶粒は、その上に1000℃前後の成長条件で成長さ
せるGaN系結晶の結晶成長核として作用する。低温成
長AlGaNバッファ層による結晶核密度が高いため
に、その上に成長するGaN系結晶の成長の初期過程
で、成長途中の結晶同士の合体が進行し、速やかに二次
元成長に移行すると考えられる。
【0008】上記の低温バッファ層を使った方法では、
比較的高品質なGaN結晶が得られており、発光ダイオ
ード、半導体レーザ、各種電子デバイス、受光素子など
が実用レベルに到達している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の低温バ
ッファ層を使った方法では、成長の初期段階で進行する
結晶同士の合体および二次元成長への移行が進行する過
程で、結晶にモザイク性が導入されるという問題や、通
常の成長では108〜109cm-2もの高密度の転位が発
生するなどの問題があった。
【0010】本発明の課題は、上記問題を解決し、高品
質なGaN系結晶を提供することが可能な該結晶の製造
方法、および該製造方法によって高品質なGaN系結晶
層を表層として有するGaN系半導体基材を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を達成すべく鋭意研究を行った結果、基板に凹凸・段差
加工を施すことで、GaN系結晶の成長領域を制限する
ことによって、バッファ層を介さずとも、良好な品質の
GaN系結晶を成長させ得ることを見出し、本発明を完
成させた。即ち、本発明は次の特徴を有するものであ
る。
【0012】(1)GaN系半導体とは異なる材料から
なる結晶基板の表面に凹凸または段差が加工され、該凹
凸または段差が加工された表面に、バッファ層を介する
ことなく直接的に、GaN系半導体が結晶成長している
ことを特徴とするGaN系半導体基材。
【0013】(2)上記凹凸または段差が、その上に成
長するGaN系結晶の成長領域を、少なくとも一つの方
向に関して20μm以下に制限し得るパターンとして形
成されている上記(1)または(2)記載のGaN系半
導体基材。
【0014】(3)結晶基板の表面に凹凸が加工され、
該凹凸が加工された面から、第二の結晶層が実質的にフ
ァセット構造を形成しながら成長したものである上記
(1)または(2)記載の半導体基材。
【0015】(4)上記凹凸が、ストライプパターンと
して形成され、該ストライプの長手方向が、その上に結
晶成長するGaN系半導体の〈11−20〉方向、また
は〈1−100〉方向である上記(1)〜(3)のいず
れかに記載のGaN系半導体基材。
【0016】(5)上記凹凸が、断面矩形波状のストラ
イプパターンとして形成され、凹溝の幅が0.2μm〜
20μm、凸条の幅が0.2μm〜20μmである請求
項(1)〜(4)のいずれかに記載のGaN系半導体基
材。
【0017】(6)上記凹凸が、ドット状の凸部が配列
されたパターンとして形成されている上記(1)〜
(3)のいずれかに記載のGaN系半導体基材。
【0018】(7)結晶基板が、サファイア、Si、G
aAs、GaP、またはZnOからなる結晶基板である
上記(1)〜(6)のいずれかに記載のGaN系半導体
基材。
【0019】(8)GaN系半導体とは異なる材料から
なる結晶基板の表面に凹凸または段差を加工し、該凹凸
または段差の加工された表面にバッファ層を介すること
なく直接的にGaN系半導体結晶を成長させることを特
徴とする、GaN系半導体結晶の製造方法。
【0020】(9)上記凹凸または段差が、その上に成
長するGaN系結晶の成長領域を、少なくとも一つの方
向に関して20μm以下に制限し得るパターンとして形
成されている上記(8)記載の製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明によるGaN系結
晶の製造方法を詳細に説明すると共に、それによって得
られるGaN系半導体基材(以下、「当該基材」ともい
う)を説明する。本発明によるGaN系結晶の製造方法
は、図1(a)、図2(a)に例示するように、GaN
系半導体とは異なる材料からなる結晶基板1の表面に凹
凸(または段差)1aを加工し、該凹凸1aが加工され
た表面に、バッファ層を介することなく直接的に、Ga
N系半導体2を結晶成長させて、図1(c)に示すよう
に凹部が該GaN系結晶によって実質的に充填された、
または図2(c)に示すように凹部が空洞として残され
た状態として、GaN系結晶層3を成長させる工程を有
するものである。図1(c)、図2(c)に示すよう
に、GaN系結晶が、結晶層3として層状に成長した状
態のものが、当該基材である。
【0022】上記構成のように、結晶基板の成長領域を
凹凸または段差によって制限することによって、GaN
系低温バッファ層を介することなく、例えば、サファイ
ア基板上に直接GaN系結晶を成長させても、平坦に成
長させることが可能となる。基板の表面に凸凹・段差を
加工し、GaN系結晶を直接成長させると、大きな結晶
粒への成長途中で横方向成長モード(横方向への成長が
エンハンスされた状態)に変換され、低温バッファ層が
介在しない成長でありながら、平坦な表面の得られる二
次元成長モードとなる。即ち、結晶基板に加工した領域
制限用の凸凹・段差が、GaN系結晶の成長モードを三
次元成長から二次元成長(横方向成長モード)に変換す
るのである。
【0023】これに対して、従来のように、凹凸または
段差を加工せずに、フラットな結晶基板面にGaN系結
晶を直接成長させると、結晶核生成密度が低いために、
図4(a)に示すように、個々のGaN系結晶による結
晶核が発生し、図4(b)に示すように、その結晶核か
ら結晶成長が進行し、図4(c)に示すように、大きな
結晶粒へ成長するだけであり、平坦に成長することがな
い。
【0024】結晶基板は、GaN系結晶とは異なる材料
からなり、GaN系結晶が成長可能なものであればよ
い。また当然に、格子整合のためのバッファ層等も未だ
形成されていない状態のものを言う。好ましい結晶基板
としては、サファイア(C面、A面、R面)、SiC
(6H、4H、3C)、Si、スピネル、ZnO,Ga
As、GaP、NGOなどを用いることができるが、発
明の目的に対応するならばこのほかの材料を用いてもよ
い。なお、基板の面方位は特に限定されなく、更にジャ
スト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良
い。
【0025】GaN系半導体とは、InXGaYAlZ
(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=
1)で示される化合物半導体であって、混晶比は任意で
あるが、例えば、AlN、GaN、AlGaN、InG
aNなどが重要な化合物として挙げられる。
【0026】結晶基板に加工する凹凸または段差は、そ
の上に成長するGaN系結晶の成長領域を、少なくとも
一つの方向に関して20μm以下、好ましくは10μm
以下に制限し得るパターンとして形成すればよく、この
ような領域的な制限によって上記の作用効果が得られ
る。この領域制限の下限は、特に限定されないが、加工
上の限界から、0.2μm〜1μm程度が好ましい下限
である。
【0027】結晶基板の表面に加工する凹凸・段差は、
GaN系結晶の成長領域を種々の段差の組み合せによっ
て制限するものであればよい。よって、図1、2に示す
ような凹凸であっても、図3に示すような段差であって
もよいが、素子構造に用いるための基材として、より薄
く平坦なものとする点からは、凹凸が好ましい態様であ
る。以下、図1、2に示すように、結晶基板の表面に凹
凸を加工する態様について説明する。
【0028】上記したように、結晶基板面に凹凸を加工
することで横方向成長に結晶成長領域の寸法的な制限が
加わる。例えば、凹凸の凹溝の長手方向が〈11−2
0〉方向を向いたストライプ形状であれば、〈1−10
0〉方向の成長に制限が加わるために、C軸方向の成長
速度が上昇し、結晶成長速度が遅く安定な{1−10
1}などの斜めのファセットが形成し得る。
【0029】結晶基板に加工した凹凸面にGaN系結晶
を直接成長させる際には、例えば、図1に示すように、
凹面および凸面の両方から成長を開始させて凹部を実質
的に充填してもよく、専ら凸部の上面から成長を開始さ
せて凹部を空洞として残してもよい。また、専ら凸部の
上面から成長を開始させる場合であっても、凹凸の寸法
形状や成長条件によって、凹部を充填させてもよい。
【0030】凹凸の配置パターンは、ドット状の凸部
(または凹部)が配列されたパターン、直線状または曲
線状の凹溝(または凸尾根)が一定間隔で配列されたス
トライプ状の凹凸パターンが挙げられる。凸条が格子状
をなすように配置されたパターンは、角穴ドット状の凹
部が規則的に配列されたパターンの一種であり、凹溝が
格子状をなすように配置されたパターンは、角錐台ドッ
ト状の凸部が規則的に配列されたパターンの一種であ
る。また、凹凸の断面形状は、基本的に矩形(台形を含
む)波状が好ましい。ピッチは、必ずしも一定である必
要はない。
【0031】凹凸をドット状の凹凸とする場合、ドット
状の凸部が配置されたパターンとする態様が好ましい。
ここでいうドット状の凸部は、例えば角柱や角錐台のよ
うに、上面にGaN系結晶の成長領域となる面を有する
ものである。この凸部の上面が、GaN系結晶の成長を
領域的に制限するように作用する。ドット状の凸部の上
面形状と寸法を選択することによって、その上に成長す
るGaN系結晶の成長領域を、全方向に関して20μm
以下に制限することも可能である。
【0032】ドット状の凸部上面の好ましい形状は限定
されず、GaN系結晶の成長を領域的に制限するもので
あればよいが、例えば、円形、三角形、四角形、ひし
形、六角形などの多角形、異形などが挙げられる。これ
らの上面形状の外形線は、成長するGaN系結晶の〈1
1−20〉方向、または〈1−100〉方向を含んでい
ることが好ましい。
【0033】凹凸を、直線状または曲線状の凹溝(また
は凸尾根)が一定間隔で配列されたストライプ状の凹凸
パターンとする態様は、その作製工程を簡略化できると
共に、パターンの作製が容易であるので好ましい。
【0034】凹凸のパターンをストライプ状とする場
合、そのストライプの長手方向を、これを埋め込んで成
長するGaN系結晶にとって〈11−20〉方向とした
場合、横方向成長に寸法的な制限が加わった時に{1−
101}面などの斜めファセットが形成され易くなる。
この結果、基板側からC軸方向に伝播した転位がこのフ
ァセット面で横方向に曲げられ、上方に伝播し難くな
り、低転位密度領域を形成できる点で特に好ましい。
【0035】一方、ストライプの長手方向を〈1−10
0〉方向にした場合であっても、ファセット面が形成さ
れやすい成長条件を選ぶ事により前述と同様の効果を得
ることができる。
【0036】凹凸をストライプパターンとする場合、凹
溝の幅W1は、0.5μm〜20μm、特に1μm〜1
0μmが好ましい。また、凸部の幅W2は、0.5μm
〜20μm、特に1μm〜10μmが好ましい。また、
凹凸の振幅(凹溝の深さ)dは、0.05μm〜5μ
m、特に0.2μm〜3μmが好ましい。これらの値
は、凹凸をドット状の凹凸とする場合の、各部の寸法
(凸部上面の寸法、凸部間の隙間、凸部の高さなど)と
して適用してよい。
【0037】凹部の幅と凸部の幅との組み合せによっ
て、成長するGaN系結晶に形成されるファセット面は
色々と変化し得るが、このファセット面は転位の伝播を
折曲させ得る程度のものが好ましく、凹凸で制限された
個々の基板面から成長した結晶単位が、それぞれの頂部
に平坦部を有すること無く完全に両ファセット面が頂部
で交差する山形(三角錐や山脈状に長く連なった屋根
形)の態様が好ましい。このようなファセット面であれ
ば、結晶基板との界面で生じた転位線を概ね全て曲げる
ことができ、その直上の転位密度をより低減できる。な
お、凹凸の幅の組み合せだけでなく、凹部の深さ(凸部
の高さ)dを変化させる事でもファセット面形成領域の
制御が可能である。
【0038】凹凸の加工方法としては、例えば、通常の
フォトリソグラフイ技術を用いて、目的の凹凸の態様に
応じてパターン化し、RIE技術等を使ってエッチング
加工を施して目的の凹凸を得る方法などが例示される。
【0039】基板上に半導体結晶層の成長を行う方法は
HVPE、MOVPE、MBE法などがよい。厚膜を作
製する場合はHVPE法が好ましいが、薄膜を形成する
場合はMOVPE法やMBE法が好ましい。
【0040】GaN系結晶をファセット面を形成させな
がら成長させる場合、該ファセット面は結晶成長を行う
時の成長条件(ガス種、成長圧力、成長温度、など)に
より制御する事ができる。減圧成長ではNH3分圧が低
い場合{1−101}面のファセットが出易く、常圧成
長では減圧に比べファセット面が出易い。また成長温度
を上げると横方向成長が促進されるが、低温成長すると
横方向成長よりもC軸方向の成長が速くなり、ファセッ
ト面が形成されやすくなる。以上成長条件によってファ
セット形状の制御が可能である事を示したが、本発明の
効果が出る範囲内であれば、目的に応じ使い分ければよ
い。
【0041】本発明によるGaN系半導体基材上に、種
々のGaN系結晶層を成長させることによって、発光ダ
イオード、半導体レーザ、その他、種々のGaN系デバ
イスを形成することができる。
【0042】
【実施例】実施例1 本実施例では、図1に示すように、C面サファイア基板
にストライプ状の凹凸を加工し、これを埋め込むよう
に、直接GaNを成長させて、その結晶品質を評価し
た。
【0043】C面ジャストのサファイア基板に、凹溝の
幅2μm、周期4μm、深さ2μmのストライプ状の凹
凸をエッチングによって加工した。ストライプの長手方
向は、成長するGaN結晶の〈11−20〉方向とし
た。
【0044】この基板を、通常の常圧横方向成長装置に
装填し、先ず、1100℃まで昇温し、水素雰囲気中で
10分間保持した。その後、1000℃まで降温し、T
MGとアンモニアを流して、サファイア基板上に直接、
GaNの結晶成長を開始した。成長初期の1μmを無添
加のGaNとし、さらにSi添加n型GaN層を3μm
成長させることで、表面を平坦にすることができた。こ
の状態のものが、本発明によるGaN系半導体基材であ
る。
【0045】基板上に成長したGaN結晶は、成長初期
においては三次元成長が支配的であったが、平均して結
晶粒の高さが1μm程度に成長した頃から横方向成長モ
ードが支配的となり、低温バッファ層を介した成長速度
と略同じ成長速度でc軸方向の成長が進行した。
【0046】成長後のGaN結晶層の表面のモザイク性
をCL像によって観察し、転位密度をカソードルミネセ
ンス法によって測定し、結晶品質をXRD−FWHM
(X線回折半値全幅;(10−12)面反射による)に
よって評価した。この結果を、下記表1に示す。
【0047】比較例1 表面が平滑なC面サファイア基板を用いて、450℃で
の成長による低温成長GaNバッファ層を介して、厚さ
4μmのGaN結晶層を成長させた。上記実施例と同様
に、GaN結晶層の表面のモザイク性、転位密度、結晶
品質を観察、測定した結果を、下記表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】上記表1の比較から明らかなとおり、得ら
れたGaN結晶は、従来の低温成長GaNバッファ層を
介して成長したGaN結晶に比べて、低転位化されてお
り、かつ、従来ではGaN結晶をサファイア基板上に直
接成長させた場合の一つの特質であったモザイク性が、
本発明による領域制限によって低減していることが分か
った。
【0050】実施例2 本実施例では、上記実施例1と同様にGaN系半導体基
材を形成し、そのまま引き続いて、成長装置内において
GaN系結晶層の積層を行い、GaN系LEDを製作
し、その発光出力を評価した。
【0051】上記実施例1と同様に形成したGaN結晶
層(アンドープ1μm、n型3μm)に引き続いて、8
00℃まで温度を下げ、発光層として多重量子井戸構造
を形成した。多重量子井戸構造の構成は、厚さ10nm
のIn0.04Ga0.96N障壁層と、厚さ3nmのIn1-X
GaXN井戸層(xは発光ピーク波長が470nmとな
る組成である)とを有し、井戸層は4層である。
【0052】再び1000℃に昇温し、Mg添加による
p型AlGaNクラッド層、Mg添加によるp型GaN
コンタクト層を順次成長させて、発光波長470nmの
LED用エピ基板とした。p型活性化処理、n型層を露
出させるためのエッチング処理、電極形成を行い、発光
ダイオードを作製した。
【0053】基板全体で採取されたLEDチップ(ベア
チップ状態、波長470nm、通電20mAにて)の各
出力を測定した。測定結果(平均値)は、下記のとおり
である。
【0054】比較例2 比較のために、上記比較例1と同様に、サファイア基板
上に低温GaNバッファ層を介してGaN結晶層(アン
ドープ1μm、n型3μm)を形成し、そのまま、装置
内において、上記実施例2と同様に、発光層(多重量子
井戸構造)、Mg添加によるp型AlGaNクラッド
層、Mg添加によるp型GaNコンタクト層を順次成長
させて、発光波長470nmのLED用エピ基板とし、
p型活性化処理、n型層を露出させるためのエッチング
処理、電極形成を行い、発光ダイオードを作製した。基
板全体で採取されたLEDチップの各出力を実施例2と
同様に測定した結果(ベアチップの発光出力平均値)は
下記のとおりである。
【0055】実施例2:5.3mW。 比較例2:4.2mW。 上記の比較から明らかなとおり、得られた素子特性は、
従来の低温成長GaNバッファ層を介して成長した発光
ダイオードに比べて、発光強度は25%向上しており、
サファイア基板への直接的なGaN系結晶の成長によっ
ても、優れた素子が形成できることがわかった。
【0056】
【発明の効果】以上のように、結晶基板の表面に凹凸ま
たは段差を形成して、成長領域を限定することにより、
低温バッファ層を介さずとも、高品質なGaN系結晶が
直接的に成長できるようになった。また、これによっ
て、高品質なGaN系結晶を成長させ得る結晶成長用基
材が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法およびGaN系半導体基材を
示す模式図である。
【図2】本発明の製造方法およびGaN系半導体基材の
他の態様例を示す模式図である。
【図3】本発明において、結晶基板に加工する段差のパ
ターンの一例を示す模式図である。
【図4】従来において、表面がフラットなサファイア基
板に、低温バッファ層を介さず直接的にGaN系結晶を
成長させた場合の、結晶成長の様子を模式的に示した図
である。
【符号の説明】
1 結晶基板 1a 凹凸 2 GaN系半導体 3 GaN系結晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA40 CA05 CA23 CA34 CA40 CA46 CA65 CA74 CA75 5F045 AA04 AB14 AC08 AC12 AD14 AF03 AF04 AF09 AF12 BB12 CA10 DA52 5F073 AA74 CA07 CB05 DA35

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaN系半導体とは異なる材料からなる
    結晶基板の表面に凹凸または段差が加工され、該凹凸ま
    たは段差が加工された表面に、バッファ層を介すること
    なく直接的に、GaN系半導体が結晶成長していること
    を特徴とするGaN系半導体基材。
  2. 【請求項2】 上記凹凸または段差が、その上に成長す
    るGaN系結晶の成長領域を、少なくとも一つの方向に
    関して20μm以下に制限し得るパターンとして形成さ
    れている請求項1または2記載のGaN系半導体基材。
  3. 【請求項3】 結晶基板の表面に凹凸が加工され、該凹
    凸が加工された面から、第二の結晶層が実質的にファセ
    ット構造を形成しながら成長したものである請求項1ま
    たは2記載の半導体基材。
  4. 【請求項4】 上記凹凸が、ストライプパターンとして
    形成され、該ストライプの長手方向が、その上に結晶成
    長するGaN系半導体の〈11−20〉方向、または
    〈1−100〉方向である請求項1〜3のいずれかに記
    載のGaN系半導体基材。
  5. 【請求項5】 上記凹凸が、断面矩形波状のストライプ
    パターンとして形成され、凹溝の幅が0.2μm〜20
    μm、凸条の幅が0.2μm〜20μmである請求項1
    〜4のいずれかに記載のGaN系半導体基材。
  6. 【請求項6】 上記凹凸が、ドット状の凸部が配列され
    たパターンとして形成されている請求項1〜3のいずれ
    かに記載のGaN系半導体基材。
  7. 【請求項7】 結晶基板が、サファイア、Si、GaA
    s、GaP、またはZnOからなる結晶基板である請求
    項1〜6のいずれかに記載のGaN系半導体基材。
  8. 【請求項8】 GaN系半導体とは異なる材料からなる
    結晶基板の表面に凹凸または段差を加工し、該凹凸また
    は段差の加工された表面にバッファ層を介することなく
    直接的にGaN系半導体結晶を成長させることを特徴と
    する、GaN系半導体結晶の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記凹凸または段差が、その上に成長す
    るGaN系結晶の成長領域を、少なくとも一つの方向に
    関して20μm以下に制限し得るパターンとして形成さ
    れている請求項8記載の製造方法。
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