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JP2002286613A - 高周波特性測定装置 - Google Patents

高周波特性測定装置

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Publication number
JP2002286613A
JP2002286613A JP2001085820A JP2001085820A JP2002286613A JP 2002286613 A JP2002286613 A JP 2002286613A JP 2001085820 A JP2001085820 A JP 2001085820A JP 2001085820 A JP2001085820 A JP 2001085820A JP 2002286613 A JP2002286613 A JP 2002286613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
frequency
sample
cantilever
characteristic measuring
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001085820A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Abe
真之 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001085820A priority Critical patent/JP2002286613A/ja
Publication of JP2002286613A publication Critical patent/JP2002286613A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 励起場の分布が精度よく反映された高い空間
分解能の測定を行えるようにする。 【解決手段】 信号源4から圧電素子3に信号を印加す
ることにより、探針1を試料5表面の法線方向に探針1
の共振周波数もしくはそれに近い周波数で一定の振幅で
振動させ、試料5表面と探針1との相対位置を走査及び
制御する。また、励起源6により、試料5表面に所定の
搬送波周波数と変調周波数で振幅変調された励起場を発
生させる。周波数検出器/位相検出器8および同期検波
器9により、試料5表面に発生した励起場に対応する信
号を探針1の振動周波数変化として検出するか、もしく
は探針1の振動と信号源4の振動との位相変化として検
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物質表面の高周波
特性を測定する高周波特性測定装置に関し、特に、走査
型プローブ顕微鏡(SPM: Scanning Probe Microscope)
の技術を用いて物質表面の高周波特性を測定する高周波
特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、搬送波周波数ωc及び変調周波数
ωmで振幅変調された信号を被測定物である試料に印加
し、その試料から生じた高周波(ωc)の励起された場
(電場や磁場など)を、探針−試料間の相互作用によっ
て低周波(ωm)に変換する技術が知られている。こう
した技術は、例えばH. Yokoyama and T. Inoue, Thin S
olid Films 242 (1994) 33. (電子技術総合研究所)
(以下、先行技術1と称す)や、R. Proksch and P. Ne
ilson, S. Austvold and J. J. Schmidt, AppliedPhysi
cs Letters 74 (1999) 1308. (Digital Instruments e
t al.)(以下、先行技術2と称す)にも示されてい
る。
【0003】先行技術1は、搬送波周波数ωc及び変調
周波数ωmで振幅変調された信号を試料に印加し、探針
−試料間における高周波成分(ωc)の静電気力相互作
用を低周波成分(ωm)の相互作用に変換して測定する
ものである。実際の測定においては、測定に用いるカン
チレバーの機械的共振周波数(ωr)と振幅変調する周
波数の関係を、ωc>ωr及びωm<ωrに設定し、探
針−試料間の相互作用によって生じたカンチレバー変位
の振動振幅(ωmまたは2ωm成分)を同期検波する。
なお、探針としては導電性のものを用いている。
【0004】先行技術2も、搬送波周波数ωc及び変調
周波数ωmで振幅変調された信号を試料に印加し、探針
−試料間における高周波成分(ωc)の磁気力相互作用
を低周波成分(ωm)の相互作用に変換するものであ
る。実際の測定においては、測定に用いるカンチレバー
の機械的共振周波数(ωr)と振幅変調する周波数の関
係を、ωc>ωr及びωm=ωrに設定し、この条件で
相互作用によって生じたカンチレバー変位の振動振幅
(ωm成分)を測定する。この場合、変調周波数ωmを
ωm=ωrと設定することで、カンチレバーのQ値によ
り検出感度を向上させている。また、探針としては、磁
性体もしくは被磁性体探針に磁性体を付着させたものを
用いている。
【0005】先行技術1及び2のいずれにおいても、走
査型プローブ顕微鏡の技術が用いられているが、探針と
試料表面との励起場の相互作用をカンチレバーの変位
(振動振幅)として測定している。このような測定法で
は、励起場が小さい場合には、相互作用が小さく、カン
チレバーの振動振幅が小さくなるという特徴がある。逆
に、励起場が大きい場合には、相互作用が大きく、カン
チレバーの振動振幅が大きくなるという特徴がある。
【0006】なお、その他の技術として、位相もしくは
周波数検出を行う走査プローブ顕微鏡(市販装置に組み
込まれたものがある)を用いて直流(DC)の場を測定
する技術が知られている(USP 5,519,212, RE36,488参
照)。また、真空中において周波数検出を行うことによ
り原子もしくは原子欠陥を明瞭に観察する技術が知られ
ている(F. J. Giessibl, Science 260 (1995) 67.参
照)。しかし、これらの技術は高周波応答を測定するも
のではない。
【0007】また、周波数検出方式を用い、低周波の励
起場(正弦波)を生じさせ、表面電位(特開平11-23588
もしくはUSP 6,073,485参照)や原子欠陥の帯電状況
(Y. Sugawara, T. Uchihashi, M. Abe and S. Morita,
Applied Surface Science 140,(1999) 371.参照)、近
接場光(M. Abe, Y. Sugawara, K. Sawada, Y. Andoh a
nd S. Morita, Applied Surface Science 140, (1999)
383.参照)を画像化する技術が提案されている。これら
の技術は励起している周波数と1倍もしくは2倍に同期
した相互作用の周波数成分を測定するものであるが、そ
の目的は同時に探針に働くファン・デル・ワールス相互
作用との分離をおこなうものであり、周波数応答を測定
するものではない。また、振幅変調の励起場を生じさせ
て測定しているわけでもない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の先行
技術1及び先行技術2で使用されるようなカンチレバー
が振動する走査型プローブ顕微鏡は、一般的にダイナミ
ックモードSPMと呼ばれる。ダイナミックモードSP
Mでは探針−試料間の距離が時間的に変化するため、両
者間の相互作用は時間平均として表され、振動振幅と探
針−試料間距離に依存する(F. J. Giessibl, Physical
Review B 56 (1997) 16010.を参照)。また、試料表面
に生じているあらゆる場は非線形的に減衰していく。
【0009】これらを考慮すると、探針の走査中(画像
測定中)においては探針−試料間距離と振動振幅は一定
であることが望ましい。ここで「探針−試料間距離の一
定」とは、探針の振心の中心位置と試料表面との距離だ
けでなく、振動中の最近接距離も一定であることを意味
する。
【0010】しかしながら、先行技術1及び先行技術2
は、探針−試料間相互作用の大きさによってカンチレバ
ーの変位が異なるため、上述の条件を満たさない。この
ため、探針−試料間距離および振動振幅を一定にした条
件で測定することができず、励起場の分布を精度よく反
映した相互作用の測定を行うことは困難である。
【0011】また、探針は先鋭であるが、角錐の形をし
ており、距離が離れる向きに(カンチレバー側に近づく
向きに)広がっていく。このような探針を用いて高い空
間分解能で測定するためには、領域が微小な探針先端で
の相互作用を測定することが望ましい。逆に、探針の背
面側(広がりをもった部分)で相互作用を測定した場合
は、探針先端よりも相互作用領域が大きくなり分解能が
悪くなる。実際の測定では、探針先端と背面における相
互作用を分離することができないため、測定方式がどち
らの相互作用を支配的に検出するものであるかによって
空間分解能が決まる。言い換えれば、探針背面の効果を
低減する方法で測定しているかどうかによって、空間分
解能を向上させることができるかが決まる。
【0012】しかしながら、上述の先行技術1及び先行
技術2では、相互作用の強さによってカンチレバーの変
位が異なるため、探針背面での相互作用の影響が非常に
大きい。このため、空間分解能を向上させることは困難
である。
【0013】このように、従来、SPMで物質表面に局
在する励起場の高周波応答を測定する場合に、(1)励
起場の分布に良く対応した測定信号もしくはその画像を
得ることができない、(2)SPM本来の空間分解能で
測定することができない、という問題があった。
【0014】本発明は上記実状に鑑みてなされたもので
あり、励起場の分布が精度よく反映された高い空間分解
能の測定を行うことのできる高周波特性測定装置を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高周波特性
測定装置は、試料表面の高周波特性の測定に用いられる
探針と、前記探針を前記試料表面の法線方向に前記探針
の共振周波数もしくはそれに近い周波数で一定の振幅で
振動させる振動手段と、前記試料表面と前記探針との相
対位置を走査及び制御する走査制御手段と、前記試料表
面に所定の搬送波周波数と変調周波数で振幅変調された
励起場を発生させる励起手段と、前記励起手段によって
前記試料表面に発生した前記励起場に対応する信号を前
記探針の振動周波数変化として検出する信号検出手段と
を具備することを特徴とする。
【0016】また、本発明に係る高周波特性測定装置
は、試料表面の高周波特性の測定に用いられる探針と、
前記探針を前記試料表面の法線方向に前記探針の共振周
波数もしくはそれに近い周波数で一定の振幅で振動させ
る振動手段と、前記試料表面と前記探針との相対位置を
走査及び制御する走査制御手段と、前記試料表面に所定
の搬送波周波数と変調周波数で振幅変調された励起場を
発生させる励起手段と、前記励起手段によって前記試料
表面に発生した前記励起場に対応する信号を前記探針の
振動と前記振動手段の振動との位相変化として検出する
信号検出手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0018】本実施形態では、圧電素子と外部信号を用
いてカンチレバーを機械的共振周波数(ωr)で場の強
度に関係なく一定の振幅で試料表面の法線方向に振動さ
せ、この状態を保ちながらカンチレバー振動の位相変化
(位相シフト)もしくは周波数変化(周波数シフト:
T. R. Albrecht, P. Grutter, D. Horne, and D. Ruga
r, Journal of Applied Physics, 69 (1991) 668.参
照)に含まれる変調周波数(ωm)に同期した成分を測
定する。この場合、SPMの測定方法である周波数もし
くは位相検出方式を高周波励起場測定系に組み込んでお
く。
【0019】探針(およびカンチレバー)を場の強度に
関係なく一定の振幅で振動させることにより、2点(一
定振幅の両端)における力の差を測定することになる。
この場合、探針背面に働く力は大きいが、振動している
ときの2点における力の差は小さい。一方、探針先端は
体積が小さいにもかかわらず、場の変化が大変大きいた
め、2点における力の差が大きくなる。これにより、探
針先端の効果を増大させ、分解能を向上させることがで
きる。
【0020】また、本実施形態では、探針の材質を選択
することで、電気的ならびに磁気的、光などあらゆる励
起場の測定系に適用できるものとしている。
【0021】図1は、本発明の一実施形態に係る高周波
特性測定装置の構成を模式的に示す概念図である。この
高周波特性測定装置は、高周波走査型プローブ顕微鏡を
用いて実現される。
【0022】本測定装置は、相互作用を測定するための
探針1と、この探針1を支えるカンチレバー2と、この
カンチレバー2を支え、探針1とは反対側に取り付けて
あり、探針1及びカンチレバー2を振動させる圧電素子
3と、この圧電素子3に信号を印加する信号源4と、測
定の対象となる試料5と、この試料5表面に励起場を発
生させる励起源6と、カンチレバー2の変位を検出する
変位検出計7と、この変位検出計7の出力信号からカン
チレバー2の周波数変化もしくは位相変化を測定する周
波数検出器/位相検出器(周波数検出器もしくは位相検
出器)8と、この周波数検出器/位相検出器8の出力か
ら励起源6の変調周波数に同期した成分を検出し、高周
波の応答に対応した信号を出力する同期検波器9とで構
成される。
【0023】次に、測定方法について説明する。信号源
4から圧電素子3に信号を印加することにより、探針1
及びカンチレバー2を試料5表面の法線方向に探針1の
共振周波数(カンチレバー2の共振周波数)ωrもしく
はそれに近い周波数で一定の振幅で振動させる。
【0024】なお、この場合、探針1を試料に近づけた
ときにファン・デル・ワールス相互作用等により探針先
端が試料に吸着しないよう、カンチレバー2は探針1に
はたらく力勾配より大きいばね定数のものを使用するこ
とが望ましい。
【0025】励起源6により、試料5表面に搬送波周波
数ωcと変調周波数ωmとで振幅変調された励起場を発
生させる。
【0026】なお、この場合、カンチレバー2の共振周
波数ωr、搬送波周波数ωc、ならびに変調周波数ωm
の関係がωc>>ωr及びωm<<ωrとなるように設
定しておく。また、相互作用の検出感度を向上させるた
めに、変調周波数ωmはカンチレバー2の共振周波数ω
rの1/10以下に設定しておくことが望ましい。
【0027】探針1を試料5に近づけたとき、力学的相
互作用が働く。このとき、相互作用によって高周波であ
る搬送波周波数ωc成分が低周波の変調周波数ωm成分
に変換され、周波数検出器/位相検出器8及び同期検波
器9による測定が可能となる。
【0028】周波数検出器/位相検出器8及び同期検波
器9により、励起源6によって試料5表面が発生した励
起場に対応する信号を、探針1の振動周波数変化として
検出するか、もしくは探針1の振動とカンチレバー2の
振動との位相変化として検出する。
【0029】なお、上記の方法において、表面形状を測
定しながら高周波応答の測定を行うことが可能である。
また、振幅変調の搬送波周波数ωcを変更しながら周波
数応答測定を測定することが可能である。
【0030】実際の測定では、図4に示されように、試
料5のどのような物性を測定するかによって励起源なら
びに励起方法、探針の材質を適当に選択する。例えば、
被測定物5の高周波電場応答を測定する場合には、被測
定物5に電圧(絶縁体の場合は背面に電極を設けるなど
して試料5に高周波の電場がかかるようにする)を印加
させ、探針1には導電性のもの(導体や導電性半導体な
ど)を用いる。磁気特性を測定するには、探針1には磁
性体もしくは被磁性体に磁性体を付着させたものを用
い、励起源6としては磁界発生のためにコイルを用い電
流を印加する場合などが考えられる。
【0031】励起源6としては、主に信号発生器を用
い、その電気的信号を直接試料5に印加する、もしくは
励起する場を発生させる装置に信号を入力する。信号発
生器は単体で振幅変調信号を出力するもの、あるいは2
個以上の回路を組み合わせたもので構成される。
【0032】圧電素子3に印加する信号源4の信号は、
前述したようにカンチレバー2の共振周波数もしくはそ
れに近い周波数ωrとする。
【0033】変位検出計7としては、光干渉計で測定す
る場合や4分割フォトダイオードを用いる場合など、様
々な変位検出法を適用することが可能である。また、カ
ンチレバーの変位によって生じる電気信号を測定するよ
うな場合にも適用できる。
【0034】周波数検出器/位相検出器8としては、L
C共振回路とダイオードを用いた簡単な検波方法だけで
なく、ピークディファレンシャル(peak differentia
l)検波、レシオ(ratio)検波、フォスタシーレ(Fost
er Seeley)検波、PLL(phase lock loop)復調、S
SB(single sideband)復調、DSP(digital signa
l processor)を用いたデジタル復調など、様々な検波
方法が適用可能である。
【0035】周波数検出を行う場合は、変位検出計7、
信号源4、圧電素子3、カンチレバー2、及び探針1で
正帰還発信系を構成し、周波数シフトの測定を行う場合
もある。また、位相調節器を正帰還発信系に組み込み、
カンチレバー2を適切に加振できるようにする場合もあ
る。
【0036】また、実際の測定では、走査用圧電素子を
カンチレバー2側と試料5側のいずれか、もしくは両方
に取り付け、探針1と試料5の3次元での相対位置を制
御し、測定の制御もしくはデータ保存のためにコンピュ
ータを用い表面形状(凹凸)と同時もしくは切り替えな
がら測定(USP 5,418,363)を行い、空気中だけでな
く、真空中・溶液中など、様々な環境下で行う場合もあ
る。
【0037】表面形状の測定は、静的モード(contact
mode, G. Binnig, C. F. Quate andCh. Gerber, Physic
al Review Letters 56 (1986) 930.)、タッピングモー
ド(tapping mode, USP 5,412,980)、スロープ検出(s
lop detection, Y. Martin, C. C. Williams and H. K.
Wickramasinghe, Journal of Applied Physics 61(198
7) 1307.)、周波数検出方式非接触ダイナミックモード
(noncontact dynamic mode with frequency modulatio
n detection method T. R. Albrecht, P. Grutter, D.
Horne, and D. Rugar, Journal of Applied Physics, 6
9 (1991) 668.)などの方式を測定試料および探針・測
定環境に応じて選択する。
【0038】図2は、磁気記録ヘッドの高周波磁界測定
を行う場合の測定装置の一構成例を示す図である。
【0039】この構成例による測定装置は、磁性体もし
くは非磁性体に磁性体を付着させて磁化された探針10
1と、この探針101を支えるカンチレバー102と、
このカンチレバー102を支え、探針101とは反対側
に取り付けてあり、探針101ならびにカンチレバー1
02を振動させる圧電素子103と、この圧電素子10
3に信号を印加する信号源(共振周波数:ωr)104
と、試料である磁気記録ヘッド105と、この磁気記録
ヘッド105に電流を印加し、磁界を発生させるAM信
号発生器(搬送周波数:ωr,変調周波数:ωm)10
6と、磁気記録ヘッド105に流れる電流を測定する電
流値モニタ107と、探針101と磁気記録ヘッド10
5との3次元の相対位置を定める走査用圧電素子108
と、カンチレバー102の変位を検出する変位検出計1
09と、信号発生器104の出力と変位検出計109の
出力との位相差を出力する位相検出器110と、この位
相検出器110から出力された信号のうち、AM信号発
生器106の変調成分に同期した成分を検波する同期検
波器111と、変位検出計109の出力の実効値(root
mean square)を出力する振幅/直流電圧変換回路11
2と、振幅/直流電圧変換回路(RMS−DC回路)1
12の出力があらかじめ設定しておいた値になるように
(探針−試料間距離が一定となるように)、走査用圧電
素子108を制御するフィードバック回路113と、同
期検波器111の出力から得られる高周波磁界の情報と
フィードバック回路113の出力から得られる表面形状
の情報を記録・保存し、装置全体115の制御および各
種パラメータの監視を行う信号処理装置114とで構成
される。
【0040】次に、図3を参照して、本実施形態による
測定結果と前述の先行技術2による測定結果とを比較し
て説明する。
【0041】図3(a)は高周波磁界測定に係る磁気記
録ヘッドの位置関係を表しており、図3(b)及び図3
(c)は同じヘッドへの電流印加条件で行った本実施形
態による測定結果と、前述の先行技術2による測定結果
とをそれぞれ表している。
【0042】図3(a)の磁気記録ヘッド201におい
て、P1磁極202およびP2磁極203のギャップ位
置206は、図中の2つの黒矢印を延長した位置にあ
る。磁界は磁極エッジ204および205から主に出力
される。
【0043】図3(b)は本実施形態により測定した磁
気記録ヘッドの高周波磁界像及び対応する高周波磁界波
形を示す。搬送波周波数ならびに電流振幅はそれぞれ、
ωc=2π×10MHz、I=20mAである。変調周
波数はωc=2π×300Hzとした。探針は磁気記録
ヘッド表面に垂直になるように着磁してあるため、得ら
れた画像は高周波磁界の垂直成分の振幅に対応する。図
3(b)中の矢印の延長線上には、図3(a)でも示し
たように、磁極エッジ204および205がある。この
図3(b)においては磁極エッジ付近のコントラストが
暗くなっており、また対応する波形が鋭く立ち上がって
いることが確認できる。暗いコントラスト及び波形の立
ち上がりは磁界強度が強いことを示しており、高周波磁
界が磁極エッジ付近に発生していることが確認できる。
また、シミュレーション結果と良く一致しており、本方
式は高周波磁界の分布を良く反映していることが確認で
きる。
【0044】一方、図3(c)は、同じヘッド電流印加
条件ωc=2π×10MHz、I=20mAで測定し
た、先行技術2による高周波磁界像及び対応する高周波
磁界波形を示しているが、暗いコントラストが広がって
おり、また、対応する波形の立ち上がりが鈍く、ギャッ
プ位置の磁界が十分に分解できていない。
【0045】したがって、本発明は先行技術に比べて非
常に高空間分解能で実際の磁界の分布を反映しているこ
とが確認できた。
【0046】本実施形態によれば、探針−試料間距離な
らびに振動振幅を一定の条件で測定しているので、より
場の分布を反映させた相互作用の測定が可能となる。特
に探針(およびカンチレバー)を場の強度に関係なく一
定の振幅で振動させているので、探針背面の効果を低減
させた測定が可能となり、高い空間分解能を実現するこ
とができる。
【0047】また、本実施形態によれば、振幅変調され
た高周波の励起場を低周波に変換し、周波数もしくは位
相検出方式を用いて測定しているので、励起場の分布を
よく反映した測定を行うことができ、空間分解能を向上
させることができる。
【0048】また、本実施形態によれば、探針の種類な
らびに被測定物から場を励起する方法(励起源)を適当
に選択することで、高周波の電場および磁場・光などあ
らゆる場を測定することが可能となる。
【0049】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、励
起場の分布が精度よく反映された高い空間分解能の測定
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る高周波特性測定装置
の構成を模式的に示す概念図。
【図2】磁気記録ヘッドの高周波磁界測定を行う場合の
測定装置の一構成例を示す図。
【図3】本実施形態による測定結果と先行技術2による
測定結果とを比較して示す図。
【図4】測定対象とする物性に応じて励起源、励起方
法、探針の材質を適当に選択することを示す図。
【符号の説明】
1…探針 2…カンチレバー 3…圧電素子 4…信号源 5…試料 6…励起源 7…変位検出計 8…周波数検出器もしくは位相検出器 9…同期検波器 101…探針 102…カンチレバー 103…圧電素子 104…信号源 105…磁気記録ヘッド 106…AM信号発生器 107…電流値モニタ 108…走査用圧電素子 109…変位検出計 110…位相検出器 111…同期検波器 112…振幅/直流電圧変換回路 113…フィードバック回路 114…信号処理装置 201…磁気記録ヘッド 202…P1磁極 203…P2磁極 204…磁極エッジ 205…磁極エッジ 206…ギャップ位置

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料表面の高周波特性の測定に用いられる
    探針と、 前記探針を前記試料表面の法線方向に前記探針の共振周
    波数もしくはそれに近い周波数で一定の振幅で振動させ
    る振動手段と、 前記試料表面と前記探針との相対位置を走査及び制御す
    る走査制御手段と、 前記試料表面に所定の搬送波周波数と変調周波数で振幅
    変調された励起場を発生させる励起手段と、 前記励起手段によって前記試料表面に発生した前記励起
    場に対応する信号を前記探針の振動周波数変化として検
    出する信号検出手段とを具備することを特徴とする高周
    波特性測定装置。
  2. 【請求項2】前記信号検出手段は、前記振動周波数変化
    として検出される信号のうち、前記励起手段における前
    記変調周波数の1倍もしくは2倍高調端に同期した成分
    を測定する手段を具備することを特徴とする請求項1記
    載の高周波特性測定装置。
  3. 【請求項3】前記励起手段における前記変調周波数は、
    前記探針を振動させている周波数の10分の1以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載の高周波特性測定装
    置。
  4. 【請求項4】前記探針の材質もしくは付着させる材質が
    前記試料表面から生じる励起場に応じて決定されること
    を特徴とする請求項1記載の高周波特性測定装置。
  5. 【請求項5】前記探針の材質もしくは付着させる材質が
    前記試料に応じて決定されることを特徴とする請求項1
    記載の高周波特性測定装置。
  6. 【請求項6】前記振動手段は、一端に前記探針を支持す
    るカンチレバーを具備し、前記カンチレバーのばね定数
    は、前記探針と前記試料表面との距離、前記試料測定面
    の材質、もしくは測定する励起場に応じて決定されるこ
    とを特徴とする請求項1記載の高周波特性測定装置。
  7. 【請求項7】前記走査制御手段は、前記試料と前記探針
    のいずれかにもしくは両方に対して設けられた圧電素子
    を具備することを特徴とする請求項1記載の高周波特性
    測定装置。
  8. 【請求項8】前記振動手段は、一端に前記探針を支持す
    るカンチレバーと、前記カンチレバーの他の一端を支持
    し且つこのカンチレバーを加振する加振用圧電素子とを
    具備することを特徴とする請求項1記載の高周波特性測
    定装置。
  9. 【請求項9】試料表面の高周波特性の測定に用いられる
    探針と、 前記探針を前記試料表面の法線方向に前記探針の共振周
    波数もしくはそれに近い周波数で一定の振幅で振動させ
    る振動手段と、 前記試料表面と前記探針との相対位置を走査及び制御す
    る走査制御手段と、 前記試料表面に所定の搬送波周波数と変調周波数で振幅
    変調された励起場を発生させる励起手段と、 前記励起手段によって前記試料表面に発生した前記励起
    場に対応する信号を前記探針の振動と前記振動手段の振
    動との位相変化として検出する信号検出手段とを具備す
    ることを特徴とする高周波特性測定装置。
  10. 【請求項10】前記信号検出手段は、前記位相変化とし
    て検出される信号のうち、前記励起手段における前記変
    調周波数の1倍もしくは2倍高調端に同期した成分を測
    定する手段を具備することを特徴とする請求項9記載の
    高周波特性測定装置。
  11. 【請求項11】前記励起手段における前記変調周波数
    は、前記探針を振動させている周波数の10分の1以下
    であることを特徴とする請求項9記載の高周波特性測定
    装置。
  12. 【請求項12】前記探針の材質もしくは付着させる材質
    が前記試料表面から生じる励起場に応じて決定されるこ
    とを特徴とする請求項9記載の高周波特性測定装置。
  13. 【請求項13】前記探針の材質もしくは付着させる材質
    が前記試料に応じて決定されることを特徴とする請求項
    9記載の高周波特性測定装置。
  14. 【請求項14】前記振動手段は、一端に前記探針を支持
    するカンチレバーを具備し、前記カンチレバーのばね定
    数は、前記探針と前記試料表面との距離、前記試料測定
    面の材質、もしくは測定する励起場に応じて決定される
    ことを特徴とする請求項9記載の高周波特性測定装置。
  15. 【請求項15】前記走査制御手段は、前記試料と前記探
    針のいずれかにもしくは両方に対して設けられた圧電素
    子を具備することを特徴とする請求項9記載の高周波特
    性測定装置。
  16. 【請求項16】前記振動手段は、一端に前記探針を支持
    するカンチレバーと、前記カンチレバーの他の一端を支
    持し且つこのカンチレバーを加振する加振用圧電素子と
    を具備することを特徴とする請求項9記載の高周波特性
    測定装置。
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