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JP2002265710A - シリンジ用ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

シリンジ用ポリプロピレン樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002265710A
JP2002265710A JP2001063620A JP2001063620A JP2002265710A JP 2002265710 A JP2002265710 A JP 2002265710A JP 2001063620 A JP2001063620 A JP 2001063620A JP 2001063620 A JP2001063620 A JP 2001063620A JP 2002265710 A JP2002265710 A JP 2002265710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypropylene resin
resin composition
bis
butyl
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001063620A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Okada
和也 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Grand Polymer Co Ltd filed Critical Grand Polymer Co Ltd
Priority to JP2001063620A priority Critical patent/JP2002265710A/ja
Publication of JP2002265710A publication Critical patent/JP2002265710A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶出量が少なく、優れた機械的強
度、透明性、剛性、水蒸気透過性を有するシリンジ、特
にプレフィルシリンジの製造に適したポリプロピレン樹
脂組成物を提供すること。 【解決手段】 ポリプロピレン樹脂100重量部
に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が0.0
1〜0.5重量部、有機リン系酸化防止剤が0.01〜
0.5重量部、および有機リン酸エステル系造核剤が
0.01〜1.0重量部含有された樹脂組成物に関す
る。ここで、前記の造核剤としては、金属フォスフェー
ト化合物、特にヒドロキシアルミニウムフォスフェト化
合物が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用シリンジの
製造に好適に使用され得るポリプロピレン樹脂組成物に
関する。
【0002】
【発明の技術的背景】一般にポリプロピレン樹脂は、化
学的特性、物理的特性、および成形加工性に優れ、しか
も安価であることから、広範な用途に利用されている。
最近は医薬品容器、特にシリンジの製造にも多く使われ
ており、そのシリンジ等の用途では、剛性および耐衝撃
性が高く、透明性、耐熱性、および水蒸気透過性に優れ
た樹脂が必要とされている。
【0003】シリンジの種類の中でもプレフィルシリン
ジと呼ばれる型のものが、近年多く使われようになって
来た。そのプレフィルシリンジとは、予め薬液を蓄えた
予備容器を備えたシリンジであって、使用時にその予備
容器からシリンジ内部へと薬液を導入し、その後その液
をシリンジ先端の針から人体内へと注入する使われ方が
されている。そのようなプレフィルシリンジは、これま
で以上に高度の安全性が要求されており、現在はガラス
製品が使われている。
【0004】樹脂製シリンジには、日本薬局法で定めら
れている各種試験に合格することが要求されており、例
えば灰化試験、溶出物試験、微粒子試験、透明性試験、
水蒸気透過性試験、漏れ試験、細胞毒性試験が行われ
る。特に、樹脂製品には不可欠な各種の安定剤等の溶出
量が厳しくチェックされている。その溶出試験結果は、
樹脂自体の他にシリンジ形状の影響も受けることから、
特に厚肉に成形されるプレフィルシリンジの場合には樹
脂処方に慎重な対応が必要になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、溶出
量の少ないシリンジ用、特にプレフィルシリンジ用ポリ
プロピレン樹脂組成物の提供を目的にする。また、本発
明の他の目的は、シリンジ用、特にプレフィルシリンジ
用に適した強度、透明性、剛性、水蒸気透過性を有する
ポリプロピレン樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、メル
トフローレートが1〜50(g/10分)のポリプロピ
レン樹脂100重量部に対して、ヒンダードフェノール
系酸化防止剤が0.01〜0.5重量部、有機リン系酸
化防止剤が0.01〜0.5重量部、および下記の式
(1)および/または式(2)で表される有機リン酸エ
ステル系造核剤が0.01〜1.0重量部含有されてな
るシリンジ用ポリプロピレン樹脂組成物に関する。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】ここで、R1は炭素数1〜10の2価炭化
水素基であり、R2およびR3は水素または炭素数1〜1
0の炭化水素基であって、R2とR3は同じであっても異
なっていてもよく、Mは1〜3価の金属原子であり、n
は1〜3の整数であり、mは1または2である。
【0010】
【発明の具体的説明】次に本発明に係わるシリンジ用ポ
リプロピレン樹脂組成物について、より具体的に説明す
る。
【0011】ポリプロピレン樹脂 本発明で使用可能なポリプロピレン樹脂は、プロピレン
単独重合体が好ましいが、プロピレンとα−オレフィン
とのランダム共重合体であってもよい。α−オレフィン
としては、プロピレン以外の炭素数2〜10のオレフィ
ンが使用でき、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンを挙
げることができ、中でもエチレンが好ましい。共重合体
中のα−オレフィン含量は、ポリプロピレン樹脂組成物
の機械的強度低下および溶出量の増加を招かない範囲内
であれば特に制限されず、通常2重量%以下が好まし
い。
【0012】このポリプロピレンは、ASTM D−1
238に準拠し、230℃、2.16kg荷重下で測定
されるメルトフローレート(MFR)値が、1〜50
(g/10分)、好ましくは2〜30(g/10分)、
特に好ましくは4〜15(g/10分)の範囲が望まし
い。また、13C−NMRで測定したアイソタクチックペ
ンタッド分率が、通常90%以上、好ましくは94〜9
9%である。メルトフローレート値およびアイソタクチ
ックペンタッド分率が前記の範囲内にあると、樹脂の流
動性(成形性)、溶出特性および機械的強度のバランス
が良好になり、見映えの良い外観を持った成形品を得る
ことができる。
【0013】このアイソタクチックペンタッド分率(m
mmm)は、13C−NMRを使用して測定されるポリプ
ロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチッ
ク連鎖の存在割合を示している。具体的には、プロピレ
ン単位で5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるメ
チル基に由来する吸収強度(Pmmmm)のプロピレン
単位の全メチル基に由来する吸収強度(Pw)に対する
比、すなわち {(Pmmmm)/(Pw)}×100 (%) として求められる値である。
【0014】このようなポリプロピレンは、チタン系ま
たはジルコニウム系などの遷移金属化合物成分、有機ア
ルミニウム成分、必要に応じて電子供与体、担体等を含
む立体規則性オレフィン重合触媒の存在下に、プロピレ
ンを重合させ、必要に応じて他のα−オレフィンの共存
下で重合させることによって製造することができる。
【0015】ヒンダードフェノール系酸化防止剤 本発明で使用可能なヒンダードフェノール系酸化防止剤
の例として、次に記す化合物を挙げることができる。
【0016】2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、n
−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−エチ
リデン−ビス(2,4−t−ブチルフェノール)、4,
4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(4−t−
ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−
(3,5−ジ−t−ブチル)−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン、3,9−ビス〔1,1−
ジ−メチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカンなどがある。
【0017】これらの中でも、テトラキス〔メチレン−
3−(3,5−ジ−t−ブチル)−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、3,9−ビス{1,1
−ジ−メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エ
チル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンが好ましく
使用される。特に、テトラキス〔メチレン−3−(3,
5−ジ−t−ブチル)−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕メタンが好ましい。
【0018】有機リン系酸化防止剤 本発明では、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と共に
有機リン系酸化防止剤が含有され、それによって成形性
および耐熱性がさらに向上する。有機リン系酸化防止剤
は、一般的に使用されているリン系酸化防止剤の中から
適宜選択して用いることができ、特に3価のリン化合物
が好ましい。
【0019】その例として、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)フォスファイト、2,2−メチレンビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォス
ファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトが挙
げられる。その有機リン化合物は、1種類を単独で用い
てもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい
が、溶出試験による安全性を高めるために、できるだけ
1種類の使用が好ましい。
【0020】有機リン酸エステル系造核剤 ポリプロピレン樹脂組成物には、ポリプロピレン樹脂の
透明性や剛性を向上させるために、さらに有機リン酸エ
ステル系造核剤が含有されている。
【0021】本発明で使用可能な有機リン酸エステル系
造核剤は、次に示す一般式(1)または(2)で表され
る化合物である。
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】前記の式中、R1は炭素数1〜10の2価
炭化水素基であり、R2およびR3は水素または炭素数1
〜10の炭化水素基であって、R2とR3は同じであって
も異なっていてもよく、Mは1〜3価の金属原子であ
り、nは1〜3の整数であり、mは1または2である。
【0024】一般式(1)で表される化合物の具体例と
しては、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェ−ト、ナトリ
ウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−
ブチルフェニル)フォスフェ−ト、リチウム−2,2’
−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスフェ−ト、リチウム−2,2’−エチリデン
−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェ
−ト、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−
i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェ−
ト、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェニル)フォスフェ−ト、リチウム
−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブ
チルフェニル)フォスフェ−ト、
【0025】ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス
(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェ−ト、ナト
リウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t
−ブチルフェニル)フォスフェ−ト、ナトリウム−2,
2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチ
ルフェニル)フォスフェ−ト、ナトリウム−2,2’−
t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスフェ−ト、カルシウム−ビス−(2,
2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)フォスフェ−ト)、マグネシウム−ビス[2,2’
−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)
フォスフェ−ト]、バリウム−ビス[2,2’−メチレ
ン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフ
ェ−ト]、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェ−ト、
ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−
6−t−ブチルフェニル)フォスフェ−ト、
【0026】ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス
(4−m−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフ
ェ−ト、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,
6−ジ−メチルフェニル)フォスフェ−ト、ナトリウム
−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェ
ニル)フォスフェ−ト、カリウム−2,2’−エチリデ
ン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフ
ェ−ト、カルシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フオスフェ−
ト]、マグネシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェ−
ト]、バリウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェ−
ト]、アルミニウム−トリス[2,2’−メチレン−ビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェル)フォスフェ−ト]
およびアルミニウム−トリス[2,2’−エチリデン−
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェ−
ト]、およびこれらの2種以上の混合物を例示すること
ができる。
【0027】一般式(2)で表されるヒドロキシアルミ
ニウムフォスフェート化合物も使用可能な有機リン酸エ
ステル系化合物であって、特にR2およびR3が共にt−
ブチル基(t−Bu)である一般式(3)で表される化
合物が好ましい。ここで、R 1は炭素数1〜10の2価
炭化水素基であり、mは1または2である。
【0028】
【化9】
【0029】特に好ましい有機リン酸エステル系化合物
は、一般式(4)で表される化合物である。ここで、R
1は、メチレン基またはエチリデン基である。具体的に
は、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレ
ン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル)フォスフェー
ト]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’
−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル)フォス
フェート]である。これらの造核剤は、他の造核剤と併
用することもできる。
【0030】
【化10】
【0031】ポリプロピレン樹脂組成物 本発明に係わる樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂10
0重量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
が0.01〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.
2重量部、より好ましくは0.01〜0.1重量部、有
機リン系酸化防止剤が0.01〜0.5重量部、好まし
くは0.05〜0.3重量部、より好ましくは0.05
〜0.1重量部、および有機リン酸エステル系造核剤が
0.01〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.5
重量部、より好ましくは0.1〜0.3重量部含有され
ている。
【0032】各種安定剤が前記の範囲内で含有されてい
ると、剛性、耐衝撃性、透明性、水蒸気透過性に優れた
樹脂組成物になり、それはシリンジ、特にプレフィルシ
リンジの用途に好適である。
【0033】本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、
本発明の目的から逸脱しない範囲内において、必要に応
じて耐候安定剤、中和剤、滑剤等の添加剤をさらに配合
することができる。
【0034】ポリプロピレン樹脂に所定量の前記した各
種添加剤を配合し、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダ
ー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダーなどを用
いて混合した後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、
バンバリーミキサーなどを用いて溶融混練することによ
って、各成分が均一に分散混合した高品質の樹脂組成物
を得ることができる。
【0035】このような樹脂組成物を通常の条件下で射
出成形することによって、シリンジを成形することがで
きる。特に、薬液保存容器、シリンジ外筒およびシリン
ジ内棒を備えたプレフィルドシリンジを容易に成形する
ことができ、それは溶出量が少ないことは勿論のこと、
機械的強度、透明性、剛性、水蒸気透過性にも優れてい
る。
【0036】
【実施例】次に実施例を通して本発明を説明するが、本
発明はそれらの実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
【0037】実施例および比較例で使用した原料は次の
通りである。 (a)ポリプロピレン樹脂:表1では(A−1)として
示した。 プロピレン単独重合体 MFR=9(g/10分) アイソタクチックペンタッド分率=0.96
【0038】(b)ポリプロピレン樹脂:表1では(A
−2)として示した。 プロピレン単独重合体 MFR=100(g/10分) アイソタクチックペンタッド分率=0.96
【0039】(c)ポリプロピレン樹脂:表1では(A
−3)として示した。 プロピレン単独重合体 MFR=1(g/10分) アイソタクチックペンタッド分率=0.96 (d)ポリプロピレン樹脂:表1ではプロピレン共重合
体として示した。 プロピレン・エチレンランダム共重合体 エチレン含有量=2.4重量% MFR=1(g/10分)
【0040】(e)ヒンダードフェノール系酸化防止
剤: テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン チバガイギー社製品、商品名 イルガノックス1010 分子量=約1177.7
【0041】(f)リン系酸化防止剤: トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト チバガイギー社製品、商品名 イルガフォス168 分子量=643.9
【0042】(g)有機リン酸エステル系造核剤: ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェー
ト] (h)滑剤: ステアリン酸カルシウム
【0043】実施例および比較例で行った物性評価のた
めの各種試験は、次に記載の方法で行った。 (イ)引張り降伏点強度:ASTM D−638に準拠
して引張試験を行って測定した。 (ロ)曲げ弾性率:ASTM D−790準拠して曲げ
試験を行って測定した。
【0044】(ハ)アイゾッド衝撃強度:ASTM D
−256に準拠し、ノッチ付きで衝撃試験を行った。 (ニ)表面硬度:ASTM D−785準拠してロック
ウエル表面硬度試験を行い、硬度を測定した。
【0045】(ホ)熱変形温度:ASTM D−648
準拠して測定した。 (へ)ヘイズ:ASTM D1003に準拠し、厚さ2
mmのシートを用いて測定した。
【0046】(ト)蒸気滅菌試験:オートクレーブ中で
121℃、20分間の条件で行った。 (チ)溶出試験:ポリプロピレン組成物を、射出成形機
(ファナック(株)製、FANUCMODEL100D、100
T)を用いて平板(厚み3mm、長さ120mm、幅1
30mm)に成形し、日本薬局法に定められた試験方法
に準じて溶出量を測定し、また合否の判定を行った。
【0047】(リ)成形性:適度な流動性があり、バ
リ、ヒケ、ソリのないものを良好として○印で示し、そ
れ以外を不良として×印で示した。
【0048】(実施例1)プロピレン単独重合体樹脂
(A−1)、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、有機
リン系酸化防止剤、有機リン酸エステル系造核剤、およ
び滑剤を表1記載の割合でヘンシェルミキサーを用いて
攪拌混合した。次いで、その混合物を二軸押出機(40
mmφ)を用いて樹脂温度200℃で溶融混練し、その
混練物を押し出してポリプロピレン樹脂組成物のペレッ
トを得た。
【0049】次いで、そのペレットを用いて射出成形に
より樹脂温度200℃、金型温度40℃の条件で、厚み
2mmのシート状試験片、曲げ強度試験用の試験片(A
STM D790、厚み3.2mm、長さ127mm、
幅12.7mm)、およびアイゾット衝撃試験用の試験
片(ASTM D256、厚み3.2mm、長さ63.
5mm、幅12.7mm)をそれぞれ作製した。
【0050】これらの試験片を用いて、引張強度等の各
物性項目を測定し、その結果を表1に示した。さらに、
物性測定結果および成形性評価を考慮して総合評価を3
段階で行い、◎、○、×で示した。
【0051】(比較例1)実施例1において、プロピレ
ン単独重合体(A−1)の代わりにプロピレン単独重合
体(A−2)を用いる以外は、実施例1と同様に行って
組成物を得た。この組成物から実施例1と同様にして試
験片を作成し、物性を評価した。その物性測定結果を表
1に示す。
【0052】(比較例2)実施例1において、プロピレ
ン単独重合体(A−1)の代わりにプロピレン単独重合
体(A−3)を用いる以外は、実施例1と同様に行って
組成物を得た。この組成物から実施例1と同様にして試
験片を作成し、物性を評価した。その物性測定結果を表
1に示す。
【0053】(比較例3)実施例1において、プロピレ
ン単独重合体(A−1)の代わりにプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体(プロピレン共重合体)を用いる以
外は、実施例1と同様に行って組成物を得た。この組成
物から実施例1と同様にして試験片を作成し、物性を評
価した。物性測定結果を表1に示す。
【0054】(比較例4)実施例1において、リン系酸
化防止剤の配合量を0.05重量部から0.3重量部へ
と変更する以外は、実施例1と同様に行って組成物を得
た。この組成物から実施例1と同様にして試験片を作成
し、物性を評価した。物性測定結果を表1に示す。
【0055】
【発明の効果】本発明に係わるポリプロピレン樹脂組成
物は、引張強度、剛性、耐衝撃性、透明性、水蒸気透過
性に優れ、かつ日本薬局法に定められた溶出試験でも溶
出量が少なく、合格水準に十分に達している。従って、
本発明の組成物は、シリンジ用途、特にディスポーザブ
ルシリンジ、プレフィルシリンジの製造に好適に使用す
ることができる。
【0056】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61L 31/00 A61M 5/18 Fターム(参考) 4C066 EE06 EE14 4C081 AC09 BA15 BB02 BB08 CA022 CB012 DA03 EA13 4J002 BB121 BB141 BB151 EJ016 EJ036 EJ046 EU196 EW048 EW067 EW087 FD076 FD077 FD208 GB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレートが1〜50(g/10
    分)のポリプロピレン樹脂100重量部に対して、ヒン
    ダードフェノール系酸化防止剤が0.01〜0.5重量
    部、有機リン系酸化防止剤が0.01〜0.5重量部、
    および下記の式(1)および/または式(2)で表され
    る有機リン酸エステル系造核剤が0.01〜1.0重量
    部含有されてなることを特徴とするシリンジ用ポリプロ
    ピレン樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (ここで、R1は炭素数1〜10の2価炭化水素基であ
    り、R2およびR3は水素または炭素数1〜10の炭化水
    素基であって、R2とR3は同じであっても異なっていて
    もよく、Mは1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の
    整数であり、mは1または2である。)
  2. 【請求項2】前記のヒンダードフェノール系酸化防止剤
    が、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブ
    チル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
    タン、3,9−ビス{1,1−ジ−メチル−2−〔β−
    (3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
    ル)プロピオニルオキシ〕エチル}−2,4,8,10
    −テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリス
    (3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
    イソシアヌレート、および1,3,5−トリメチル−
    2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
    ドロキシベンジル)ベンゼンからなる群から選ばれる少
    なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1
    に記載のシリンジ用ポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記の有機リン系酸化防止剤が、トリス
    (2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、
    2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
    ル)オクチルフォスファイト、およびビス(2,6−ジ
    −t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
    ールジフォスファイトからなる群から選ばれる少なくと
    も1種の化合物であることを特徴とする請求項1または
    2に記載のシリンジ用ポリプロピレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記の有機リン酸エステル系造核剤が、次
    式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のシリンジ用ポリプロピレン
    樹脂組成物。 【化3】 (ここで、R1は炭素数1〜10の2価炭化水素基であ
    り、mは1または2である。)
  5. 【請求項5】前記の有機リン酸エステル系造核剤が、次
    式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載のシリンジ用ポリプロピレン
    樹脂組成物。 【化4】 (ここで、R1は、メチレン基またはエチリデン基であ
    る。)
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