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JP2002255820A - モノアミン作動性神経の活性化剤 - Google Patents

モノアミン作動性神経の活性化剤

Info

Publication number
JP2002255820A
JP2002255820A JP2001387936A JP2001387936A JP2002255820A JP 2002255820 A JP2002255820 A JP 2002255820A JP 2001387936 A JP2001387936 A JP 2001387936A JP 2001387936 A JP2001387936 A JP 2001387936A JP 2002255820 A JP2002255820 A JP 2002255820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monoaminergic
ipidacrine
nerve
activator
hydrochloride hydrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001387936A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiko Washimi
孝彦 鷲見
Yukio Takamatsu
幸雄 高松
Yuri Umeda
ゆり 梅田
Yutaka Ishii
豊 石井
Kenshiro Yamana
研司郎 山名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kowa Co Ltd
Original Assignee
Nikken Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikken Chemicals Co Ltd filed Critical Nikken Chemicals Co Ltd
Priority to JP2001387936A priority Critical patent/JP2002255820A/ja
Publication of JP2002255820A publication Critical patent/JP2002255820A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 副作用の少ないモノアミン作動性神経の活性
化剤を提供することを目的とする。 【解決手段】 イピダクリン(9-アミノ-2,3,5,6,7,8-
ヘキサハイドロ-1H-シクロペンタ[b]キノリン)若しく
はその水和物又はこれらの薬理学的に許容される塩、好
ましくは塩酸イピダクリン水和物を有効成分とするモノ
アミン作動性神経の活性化剤。 【効果】 塩酸イピダクリン水和物等は老年性痴呆症の
周辺諸症状、うつ、不安、パーキンソン、精神遅滞、器
質性精神病、気分障害、ナルコレプシーを含む過眠症、
多動性症候群、知的機能障害のような中枢神経系疾患及
び肥満等の病態に対して有用な予防剤又は治療剤と成り
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノアミン作動性
神経の活性化剤に関し、更に詳しくは、イピダクリン
(9-アミノ-2,3,5,6,7,8-ヘキサハイドロ-1H-シクロペ
ンタ[b]キノリン)若しくはその水和物又はこれらの薬
理学的に許容される塩を有効成分とするモノアミン作動
性神経の活性化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、我が国の老年期痴呆患者はアルツ
ハイマー型痴呆及び脳血管性痴呆を併せて100万人以上
と推定され増加の一途にある。中でも、アルツハイマー
型痴呆患者の増加率が高く、少子化社会を迎えたわが国
においては深刻な社会問題となっている。ところがこれ
らの疾患に対して、根本的な治療薬が存在しないことが
現状である。
【0003】現在、アルツハイマー型痴呆を含む老年期
痴呆に対する治療薬は大きく二つに分けられている。
記憶力の低下を抑え痴呆症状の進行を抑制するものと、
周辺症状(自発性低下、情緒障害、行動異常、意欲減
退等)を改善するものとに大別される。前者に、塩酸ド
ネペジル、塩酸タクリン等に代表されるアセチルコリン
エステラーゼ(AChE)阻害剤が数種類存在し、後者とし
て脳代謝賦活薬、抗うつ薬及び抗不安薬等が使用されて
いる。しかし、抗うつ薬及び抗不安薬の多くは抗コリン
作用を有し、痴呆症状を呈する患者にはその使用が制限
されている。また、脳代謝賦活剤の多くは1998年6月に
有効性の面からその販売が中止されている。
【0004】精神刺激剤は、一般的に大脳皮質、辺緑
系、視床下部及び脳幹等において、特にドーパミン作動
神経の活性化作用を介して、覚醒・意欲の増進、気分高
揚及び疲労倦怠感除去等の効果を示すことが知られてい
る。また、モノアミン酸化酵素やモノアミン再取込みの
阻害作用を有する抗うつ薬は、精神運動抑制等の意欲障
害や不安や焦燥等の感情障害を改善することが広く知ら
れている。現在、このような薬剤が前述した様にアルツ
ハイマー型痴呆の周辺症状の治療に用いられている。一
方、アルツハイマー型痴呆での中枢神経において、その
基質及び機能的な変化としてアセチルコリン作動性神経
の機能低下以外にもドーパミン及びノルアドレナリン等
のモノアミン作動性神経の機能低下も多数報告されてお
り、痴呆症状以外にこれら神経の機能低下と周辺症状と
の関連性も考察されている。従って、ドーパミン又はノ
ルアドレナリン等のモノアミン作動性神経を活性化する
薬剤は老年期痴呆の周辺諸症状を改善することが想定さ
れる。また、このようなモノアミン作動性神経を活性化
する薬剤は本来の作用として、うつ、不安、パーキンソ
ン、精神遅滞、器質性精神病、気分障害、ナルコレプシ
ーを含む過眠症、多動性症候群、知的機能障害のような
中枢神経系疾患及び肥満等の病態に対しても有用である
と考えられる。しかしながら、一般的に精神刺激剤の多
くは口渇、胃腸障害、頭痛及び不眠等の副作用が発現す
ることからその使用には注意が必要である。上記のよう
に、抗うつ薬や精神刺激剤は臨床的に有用な効果が想定
されており、有効性と安全性のバランスが取れた治療薬
が望まれている。
【0005】塩酸イピダクリン水和物は、学習促進・記
憶増強用薬剤として有用であり、アルツハイマー型老人
痴呆の治療剤として有用であることが報告されている
(特公平3−54922号公報)。また、この化合物
は、末梢神経系統における興奮伝導の刺激剤として有用
であることも知られている(特公昭63−35611号
公報)。しかしながら、塩酸イピダクリン水和物の末梢
神経系統での興奮伝導の刺激作用は、実験に用いた材料
がラット座骨神経であり、この神経は神経伝達物質をア
セチルコリンとするアセチルコリン作動性の運動神経系
の一種である。従って、塩酸イピダクリン水和物の脳内
中枢神経系、特にモノアミン作動性神経に対する作用の
有無は一切検討されていない。また、これまでアルツハ
イマー型痴呆治療薬として用いられている塩酸ドネペジ
ル及び塩酸タクリン等のAChE阻害剤が脳内モノアミン作
動性神経を活性化することも知られていない。
【0006】塩酸イピダクリン水和物は、AChE阻害作用
を有するためアルツハイマー型痴呆に対する治療薬とし
て現在臨床試験中(フェーズII)の化合物であり、痴呆症
状の改善作用が確認されている。また、これまでの臨床
試験では重篤な副作用は一切認めらておらず、比較的安
全な薬剤である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明はAChE
阻害作用のみならずモノアミン作動性神経の活性化作用
を有する薬剤を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、モノアミ
ン作動性神経を活性化する手段を提供する目的で検討を
重ねてきた。その結果、塩酸イピダクリン水和物が脳切
片からの電気刺激によるドーパミン遊離を促進するこ
と、メタンフェタミンで誘発するラット常同行動を増強
すること及びレセルピン低体温に拮抗することを明らか
にした。一般的に、ドーパミン又はノルエピネフリンの
作動薬や再取り込み阻害剤は、メタンフェタミン誘発常
同行動に対して増強作用を示し、レセルピン低体温に対
しても拮抗作用を有することが報告されている(Psycho
pharmacologia(1972)43,69-74、J.Pharm.Pharmacol.(19
75)27,242-247、臨床精神医学(1981)10,1225-123
9))。従って、これら動物及び脳切片を用いた実験結
果から、塩酸イピダクリン水和物が脳内において、ドー
パミン及びノルアドレナリン作動神経等のモンアミン神
経系に対して神経伝達を促進することと結論した。即
ち、塩酸イピダクリン水和物はモノアミン作動性神経、
特にドーパミン作動性神経及びノルエピンエフリン作動
性神経を活性化することを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0009】
【発明の実施の形態】即ち、本発明はイピダクリン若し
くはその水和物又はこれらの薬理学的に許容される塩、
特に塩酸イピダクリン水和物を有効成分とするモノアミ
ン作動性神経の活性化剤を提供するものである。また、
本発明はこれらの化合物に存するモノアミン作動性神経
の活性化作用及びAChE阻害作用に基づくアルツハイマー
型痴呆等の老年期痴呆の治療剤、特に、軽度及び中等度
のアルツハイマー型痴呆における痴呆症状の進行抑制剤
を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0010】本発明ではイピダクリンは、好ましくは一
塩酸塩一水和物として、即ち、塩酸イピダクリン水和物
として使用される。また、イピダクリンは、薬理学的に
許容される他の塩として使用することもできる。具体的
には、臭化水素酸、硫酸、重亜硫酸、リン酸等の無機酸
の塩、及びギ酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、グルコン酸、乳
酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等
の有機酸の塩を挙げることができる。更に、本発明では
これらの塩の水和物も使用することができる。
【0011】イピダクリンは、一般的に経口投与され
る。経口投与製剤としては、散剤、顆粒剤、錠剤、カプ
セル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等に調製することが
できる。その他の投与経路としては、一般に注射剤(皮
下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤
等)、点滴剤、外用剤(経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏
剤等)、坐剤(直腸坐剤、膣坐剤等)等が挙げられる。
これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられ
る公知の方法により製造することができる。以下に、製
剤の具体的な製造方法について詳述する。
【0012】経口剤は、有効成分に、例えば賦形剤(乳
糖、白糖、デンプン、マンニトール、結晶化セルロース
等)、崩壊剤(炭酸カルシウム、カルボキシメチルセル
ロースカルシウム等)、結合剤(α化デンプン、アラビ
アゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロ
リドン等)、または滑沢剤(タルク、ステアリン酸マグ
ネシウム、ポリエチレングリコール6000等)などを添加
して圧縮成型し、ついで必要により味のマスキング、腸
溶性あるいは持続性のため公知の方法でコーティングす
ることにより製造される。
【0013】注射剤は、有効成分を、例えば分散剤(ツ
イーン80(アトラスパウダー製)、HCO 60(日光ケミカ
ルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチル
セルロース、アルギン酸ナトリウム等)、保存剤(メチ
ルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール
等)、等張化剤(塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビ
トール、ブドウ糖等)、などと共に水性溶剤(蒸留水、
生理的食塩水、リンゲル液等)あるいは油性溶剤(オリ
ーブ油、ゴマ油、プロピレングリコール等)などに溶
解、懸濁あるいは乳化することにより製造される。
【0014】外用剤は、有効成分を固状、半固状または
液状の組成物とすることにより製造される。例えば上記
固状の組成物は、有効成分をそのまま、あるいは賦形剤
(ラクトース、マンニトール、デンプン等)、増粘剤
(天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体
等)などを添加、混合して粉状とすることにより製造さ
れる。上記液状の組成物は、注射剤の場合とほとんど同
様にして製造される。半固状の組成物は、水性または油
性のゲル剤、あるいは軟膏状の物がよい。これらの組成
物は、いずれもpH調整剤、防腐剤などを含んでいてもよ
い。
【0015】坐剤は、有効成分を油性または水性の固
状、半固状あるいは液状の組成物とすることにより製造
される。用いる油性基剤としては、例えば高級脂肪酸の
グリセリド、中級脂肪酸、植物油などが挙げられる。水
性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類、プ
ロピレングリコールなどが挙げられる。また、水性ゲル
基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、
ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0016】塩酸イピダクリン水和物は、通常、成人の
場合で1回当たり5〜50mgを1日1回ないし複数回
投与される。また、モノアミン作動性神経の活性化作用
のみならずAChE阻害作用に基づく薬剤として、塩酸イピ
ダクリン水和物をアルツハイマー型痴呆等の老年期痴呆
患者に投与する場合、特に、軽度及び中等度のアルツハ
イマー型痴呆における痴呆症状の進行抑制を目的として
投与する場合は、1回当たり15〜50mg、好ましく
は25mg〜50mgを1日複数回、好ましくは1日3
回経口投与される。
【0017】
【実施例】以下に、実施例(製剤例および試験例)をあ
げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲
は、これらにより限定されるものではない。
【0018】製剤例1 (1)塩酸イピダクリン水和物750g、乳糖2973g、ステアリ
ン酸マグネシウム9gを均一に混合し、乾式造粒法により
造粒する。造粒後、整粒して14メッシュ以下の顆粒を調
製する。次に低置換度ヒドロキシプロピルセルロース15
0g、含水二酸化ケイ素 9gを顆粒と共に混合し、ロータ
リー式打錠機にて重量130mg、7mm¢の糖衣型錠剤を得
た。 (2)塩酸イピダクリン水和物は特有の苦みを有するた
め、苦みのマスキングを次の工程で行った。 あらかじ
めエチルセルロース52gを精製水1000gに懸濁後、別にヒ
ドロキシプロピルセルロース285gをエタノール2400gに
懸濁したものと混合して溶解後、マクロゴールド6000
30gを溶解してコーティング液とした。 (3)(1)で得られた錠剤に(2)で得られたコーティング液
を全自動フィルムコーティング装置にてスプレー圧130k
g/cm2、液流速120mL/minでコーティングし、苦みをマス
キングした錠剤(塩酸イピダクリン水和物25mg含有)を
得た。
【0019】製剤例2 塩酸イピダクリン水和物750g、乳糖3600g、結晶セルロ
ース1140g、ステアリン酸マグネシウム60gを均一に混合
した後、全自動カプセル充填機(KFM-NI-200、新潟機
械)にて3号カプセルに185mg充填し、カプセル剤を得
た。
【0020】試験例1 ラット脳切片からの電気刺激に
よるドーパミン遊離促進作用 電気刺激用チェンバー内(容量:0.17 mL)に約10 mg湿
重量のラット線条体切片(0.4×1.0×1.0 mm)を入れ、
転倒回転(1回/10秒)し、95% O2-5% CO2で飽和したK
rebs-Ringer bicarbonate緩衝液(pH 7.4、37 ℃)を0.
2 mL/minの流速で灌流した。電気刺激の条件は、定電流
電気刺激装置から20 mAで持続時間が5msecの方形波を用
い、28 msecの休止期を置いた双極性に、約15 Hz(30 p
ulses/sec)の頻度で、灌流開始50分後より10分間切片
を刺激(2秒間の刺激と2秒間の休みの繰り返し)した。
塩酸イピダクリン水和物、塩酸ドネペジル及び塩酸タク
リンは緩衝液に溶解し、終濃度で1×10-6〜1×10-9 Mと
なるように灌流開始45分より灌流終了時まで添加した。
尚、灌流液は予め0.5 N 塩酸を含むサンプルチューブに
5分毎に採取した。灌流液中のドーパミン濃度は、電気
化学検出器付き高速液体クロマトグラフィーを用いて測
定した。その結果、塩酸イピダクリン水和物(1×10-6
M、1×10-7 M)は添加5分後より15分後まで電気刺激に
よるドーパミン遊離を促進した(表1)。しかし、塩酸
ドネペジル及び塩酸タクリンではその作用が認められな
かった(表2)。尚、塩酸イピダクリン水和物はいずれ
の用量においても電気刺激前のDA遊離には影響しなかっ
た(表1)。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】試験例2 メタンフェタミン誘発常同行動
に対する作用 恒温・恒湿条件で飼育した8〜9週齢のウィスター系雄性
ラット(日本エスエルシー)を用いた。ラットにメタン
フェタミン6 mg/kgを腹腔内投与し、60分後及び90分後
に個別ケージ(20×20×30cm)に入れて2分間常同行動
(licking)の発現を観察した。塩酸イピダクリン水和
物(0.1、0.3、1 mg/kg)はメタンフェタミンの投与直
後に経口投与し、フィゾスチグミン(0.1、 0.3、1 mg/
kg)は同様に腹腔内投与した。尚、対照群には経口投与
では精製水を、腹腔内投与では生理食塩液をそれぞれ用
いた。その結果、精製水を投与した溶媒対照群では60分
後に10例中4〜6例、90分後に10例中2〜3例にそれぞれli
ckingが発現した(表3)。この時、塩酸イピダクリンは
用量依存的にlickingの発現を増強した(表3)。一方、
フィゾスチグミンでは0.3 mg/kg以上の用量でlickingの
発現を抑制した(表3)。尚、結果には示していないが
塩酸イピダクリン水和物の単独投与では何ら異常行動は
認められなかった。
【0024】
【表3】
【0025】試験例3 レセルピン低体温に対する作用 恒温・恒湿条件で飼育した5〜6週齢のddY系雄性マウス
(日本エスエルシー)を用いた。マウスにレセルピン2.
5 mg/kgを腹腔内投与し、絶食下で個別ケージ(7×19×
10cm)内で飼育した。レセルピン投与15時間後、塩酸イ
ピダクリン水和物(1、3、10、30 mg/kg)及び塩酸タク
リン(0.3、1、3、10 mg/kg)は経口投与し、フィゾス
チグミン(0.03、 0.1、0.3 mg/kg)は腹腔内投与し
た。対照群には経口投与では精製水を、腹腔内投与では
生理食塩液をそれぞれ用いた。また、体温測定は被験物
質投与3時間後に直腸体温を測定した。尚、レセルピン
を投与したマウスは、被験物質投与30分前に30℃未満の
低体温であることを確認し試験に用いた。その結果、レ
セルピン投与した溶媒対照群ではレセルピン非投与対照
群と比較して約6℃体温の低下が見られた(表4)。こ
の時、塩酸イピダクリン水和物は用量依存的に体温の上
昇が認められ、30 mg/kgの用量において有意であった
(表4)。一方、塩酸タクリン及びフィゾスチグミンで
は体温への影響は見られなかった(表4)。
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明に係るイピダクリン若しくはその
水和物又はこれらの薬理学的に許容される塩、好ましく
は塩酸イピダクリン水和物は、脳切片からの電気刺激誘
発ドーパミン遊離を促進し、さらに、メタンフェタミン
誘発するラット常同行動を増強し、レセルピンによるマ
ウス低体温に対し拮抗した。従って、同化合物はモノア
ミン作動性神経を活性化する薬剤として有用である。具
体的には、塩酸イピダクリン水和物は、AChE阻害作用の
みならずモノアミン作動性神経の活性化作用を有する薬
剤であるため、老年期痴呆の周辺諸症状、うつ、不安、
パーキンソン、精神遅滞、器質性精神病、気分障害、ナ
ルコレプシーを含む過眠症、多動性症候群、知的機能障
害のような中枢神経系疾患及び肥満等の病態に対して予
防薬又は治療薬と成り得る。また、同化合物はモノアミ
ン作動性神経の活性化作用及びAChE阻害作用に基づくア
ルツハイマー型痴呆等の老年期痴呆の治療剤、特に、軽
度及び中等度のアルツハイマー型痴呆における痴呆症状
の進行抑制剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 豊 埼玉県さいたま市北袋町1丁目346番地 日研化学株式会社大宮研究所内 (72)発明者 山名 研司郎 埼玉県さいたま市北袋町1丁目346番地 日研化学株式会社大宮研究所内 Fターム(参考) 4C034 CH02 4C086 AA01 AA02 BC27 MA01 MA04 NA14 ZA16 ZC41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イピダクリン(9-アミノ-2,3,5,6,7,8-ヘ
    キサハイドロ-1H-シクロペンタ[b]キノリン)若しくは
    その水和物又はこれらの薬理学的に許容される塩を有効
    成分とするモノアミン作動性神経の活性化剤。
  2. 【請求項2】塩酸イピダクリン水和物(9-アミノ-2,3,
    5,6,7,8-ヘキサハイドロ-1H-シクロペンタ[b]キノリン
    一塩酸塩一水和物)を有効成分とするモノアミン作動性
    神経の活性化剤。
  3. 【請求項3】薬学的に許容され得る製剤担体を含有して
    なる請求項1又は請求項2記載のモノアミン作動性神経
    の活性化剤。
  4. 【請求項4】経口投与製剤である請求項3記載のモノア
    ミン作動性神経の活性化剤。
  5. 【請求項5】モノアミン作動性神経がドーパミン作動性
    神経又はノルエピネフリン作動性神経であることを特徴
    とする請求項1〜請求項4記載のモノアミン作動性神経
    の活性化剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014031034A1 (ru) * 2012-08-20 2014-02-27 Общество С Ограниченной Ответственностью "Консорциум-Пик" Фармацевтические композиции, содержащие ипидакрин и их применение для лечения нарушений потенции и других форм половой активности

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WO2014031034A1 (ru) * 2012-08-20 2014-02-27 Общество С Ограниченной Ответственностью "Консорциум-Пик" Фармацевтические композиции, содержащие ипидакрин и их применение для лечения нарушений потенции и других форм половой активности
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