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JP2002255558A - フッ化物の酸化物転換方法 - Google Patents

フッ化物の酸化物転換方法

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Publication number
JP2002255558A
JP2002255558A JP2001050931A JP2001050931A JP2002255558A JP 2002255558 A JP2002255558 A JP 2002255558A JP 2001050931 A JP2001050931 A JP 2001050931A JP 2001050931 A JP2001050931 A JP 2001050931A JP 2002255558 A JP2002255558 A JP 2002255558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluoride
reactor
uranium
oxide
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001050931A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuko Kani
祐子 可児
Mamoru Kamoshita
守 鴨志田
Akira Sasahira
朗 笹平
Takashi Nishi
高志 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2001050931A priority Critical patent/JP2002255558A/ja
Publication of JP2002255558A publication Critical patent/JP2002255558A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ化物から酸化物を製造する工程におい
て、発生するFやHFの回収と再利用を容易にし、装
置内の腐食を低減する酸化物製造方法を提供する。 【解決手段】 フッ化物を酸化物に転換する際の酸素の
供給源としてオゾンなどから発生する原子状酸素を使用
する。酸化物に転換する際にHによる還元が必要な場
合は、原子状酸素供給工程とH供給工程の間に不活性
ガス供給工程を挿入することで、酸素とHの反応によ
るHOの生成を回避する。工程内への水の混入を回避
することにより乾燥したFやHFを回収できるため、
精製や再利用を簡便な方法で行なうことができる。ま
た、フッ化水素酸の生成を回避できるため、装置内の腐
食を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフッ化物の酸化物転
換方法に関し、特に、ウランフッ化物を酸化物に転換す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属および非金属のフッ化物は工業的に
有用な化合物が多い。フッ化物は、一般に反応性に富む
化合物が多く、このため、使用後に廃棄する際には、燃
焼、酸化分解、アルカリ処理などにより化学的に安定な
酸化物や単体に転換される。
【0003】フッ化物を酸化物に転換する技術は、例え
ば原子力工業分野における核燃料製造工程での、ウラン
フッ化物からウラン酸化物を製造する再転換工程で開発
が進んでいる。
【0004】従来のウランフッ化物から酸化物を製造す
る方法として、「核燃料・材料の化学工学」(M.Be
nedict他著、清瀬量平訳、原子力化学工業、第II
分冊、日刊工業新聞社)、第157頁以降に、以下のよ
うな方法が記載されている。
【0005】 六フッ化ウラン(UF)を四フッ化
ウラン(UF)に還元した後、UFに水蒸気を作用
させること。あるいはUFに水蒸気と水素(H)を
作用させることで、二酸化ウラン(UO)を得る方法
(以降、高温加水分解法という)。(例えば、特表平9
−501396号公報、特開昭62−70229号公報
等参照)。
【0006】 UFを水に溶解して加水分解により
UOとした後、アンモニアを添加して重ウラン酸
アンモニウムを沈殿させて回収し、これに水素を作用さ
せてUOに還元する方法(以降、ADU法という)。
【0007】 UF、炭酸ガス(CO)、および
アンモニアガス(NH)の混合気体を脱塩水中に供給
し、炭酸ウラニルアンモニウムを沈殿させて回収し、こ
れに水蒸気とHを作用させてUOを得る方法(以
降、AUC法という)。
【0008】上記従来法によるウランフッ化物を酸化物
に転換する再転換工程においては、フッ化物が酸化物に
転換される際に放出されるフッ素は、工程内で水や水蒸
気と反応してフッ化水素酸を生成するか、またはアンモ
ニウム塩等を生成し、アルカリ処理などによって処理後
廃棄される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方、再転換工程以外
では、燃料製造施設や再処理施設などの、核燃料サイク
ル施設で使用される機器や配管の表面に付着したウラン
を除去するため、ウラン乾式除染が行なわれる。
【0010】これは、フッ素(F)やフッ化ハロゲン
を作用させてウランをUFとして揮発除去する方法
で、ウランフッ化物を酸化物に転換する方法の適用が期
待されている。上記ウラン乾式除染においては、揮発回
収されるUFは安定な酸化物に転換することが望まし
い。
【0011】フッ化物を酸化物へ転換する際に放出され
るFあるいはフッ素化合物を、再度ウランの除染に使
用することができれば、フッ素資源を無駄なく有効利用
できることになる。
【0012】また、Fやフッ化水素(HF)は、前出
の「核燃料・材料の化学工学」(第II分冊)の第152
頁以降にあるように、ウランの精製錬の際にウラン酸化
物をフッ化物に転換する転換工程で使用される。
【0013】したがって、今後は原子燃料製造におい
て、転換工程と再転換工程の集中立地化が進む場合、再
転換工程で排出されるHFを転換工程で再利用すること
が求められるようになる。
【0014】このようなFやフッ素化合物の再利用に
対する要請に鑑み、従来のウランフッ化物から酸化物を
製造する方法において、Fやフッ素化合物の回収につ
いて考察すると、以下のような課題が明らかとなる。
【0015】すなわち、ADU法やAUC法では、フッ
素は水溶液中で水と反応してフッ化水素酸を生成する
か、あるいはアンモニウム塩などの化学形態をとるた
め、回収してFを再生成するよりは、ワンス・スルー
方式の方が合理的である。
【0016】また、高温加水分解法では、発生するHF
は未反応の水蒸気に溶解してフッ化水素酸となるため、
フッ化水素酸を脱水して無水HFとした後に、F製造
工程に送る。
【0017】フッ化水素酸を脱水して乾燥HFを得る方
法としては、例えば、「フッ素化学と工業」(別冊化学
工業28、1984年)の102頁以降にあるような、
を作用させて水(HO)をHFに変換する方法が
あるが、余剰のFの消費を必要とする。
【0018】また、乾燥HFからは、Fを製造する方
法としては、例えば、上記「フッ素化学と工業」第27
頁以降にあるような、溶融酸性フッ化カリウム(KF・
HF)を電解浴とした電解法があるが、この方法でF
を製造する際には、電解浴中に水が混入するとF製造
効率が低下することが知られている。
【0019】また、上記の従来法においては、いずれも
工程の中で水または水蒸気を使用しているため、ウラン
フッ化物を酸化物に転換する際に発生するフッ素
(F)やフッ化水素(HF)は、水または水蒸気に溶
解し、フッ化水素酸が生成する。
【0020】フッ化水素酸は種々の金属材料に対して腐
食性が高く、転換装置や配管の腐食による劣化を引き起
こす。また、ADU法やAUC法では、工程内で水など
の溶媒を使用することから、溶媒に由来する廃棄物が発
生する。
【0021】本発明の目的は、フッ化物を酸化物に転換
する方法に関して、その際に発生するHFやFの再利
用を容易にし、転換装置や配管内の腐食の低減および廃
棄物量の削減を可能にする方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、フッ化物を酸化物に転換する際の酸素の
供給源として、水素以外の元素からなる物質を使用す
る。
【0023】具体的には、原子状酸素(O)を酸素の供
給源として使用する。原子状酸素は極めて化学反応性に
富む物質であり、さまざまな物質に作用して結合を形成
し、その物質を酸素を含む物質に転換する。
【0024】原子状酸素を供給する手段としては、オゾ
ンを使用する。オゾン(O)は強力な酸化剤であり、
すべての温度で自己分解して酸素分子(O)と原子状
酸素(O)を生成する。
【0025】また、原子状酸素を発生させる他の手段と
して、酸素への紫外線照射によりO とOを発生させる
方法や、または、日本国特許第1895968号にあ
る、一酸化二窒素(ON)からOを得る方法がある
が、これらも本発明におけるフッ化物から酸化物を製造
する方法に適用可能である。
【0026】酸化物製造を完遂させるためには、必要に
応じて還元性ガスとして水素(H)を作用させる。こ
の場合、酸素源供給工程とH供給工程を分離し、さら
にその間に不活性ガス供給工程を追加することで、酸素
と水素の反応による水の生成を回避する。
【0027】ここでは、本発明のフッ化物を酸化物に転
換する方法として、ウランフッ化物から酸化物を製造す
る場合を例として、前記課題を解決し本発明の目的を達
成する手段の詳細を説明する。ただし、本方法により酸
化物に転換できるフッ化物としては、ウランフッ化物に
限ったものではない。
【0028】ウランフッ化物として、UFあるいはU
を用いる。これらにオゾンを作用させると、以下に
示す化学式1および2により、フッ化ウラニル(UO
)が生成する。
【0029】 UF+2O→UO+2F+2O ……………(化1)
【0030】 UF+2O→UO+F+2O ……………(化2)
【0031】上記化学式1および2には、以下の化学式
3〜5に示す反応過程を含む。
【0032】O→O+O ……………(化3)
【0033】 UF+2O→UO+2F ……………(化4)
【0034】 UF+2O→UO+F ……………(化5)
【0035】例えば、化学反応式 aA+bB→cC+
dD (いずれも気体とする)で表される反応におい
て、反応式の左辺(以降、反応系という)の物質のギブ
ス標準エネルギーの合計をΔG、右辺(以降、生成系
という)の物質のギブス標準エネルギーの合計をΔG
としたとき、ΔG−ΔGにより算出されるΔGを
「反応のギブスエネルギー」と呼ぶ。ΔGが負の値、す
なわちΔG<0のとき、一般に反応は左から右へ、すな
わち正反応が進行する。
【0036】上記ΔGを用いると、化学反応式、aA+
bB→cC+dD、が平衡状態にあるときの平衡定数K
が、以下に示す数式1により計算される。但し、Rは
気体定数、Tは温度である。
【0037】
【数1】
【0038】上記化学反応式、aA+bB→cC+d
D、におけるそれぞれの物質についての反応器内での分
圧を、p、p、p、pと表すと、下記数式2に
より計算されるKの値がKと等しいとき、反応器内は
平衡状態となる。
【0039】
【数2】
【0040】上記数式1および2に示したKおよびK
が、K>Kのとき、反応は左方向に進む、すなわち逆
反応が進行し、K<Kのときは反応は右方向に進む、
すなわち正反応が進行する。
【0041】前出の化学式1〜5においては、化学式2
および5は、ΔGが零度以上で負の値となり、反応は正
方向、つまり、UFが反応してUOが生成する
方向に進行するが、化学式1および4はΔGが零度以上
では正の値となるため、反応を正方向に進行させるため
に、化学式2により計算されるKが、Kより小さくな
るように、反応器内の気体成分の分圧を調整する。
【0042】上記化学式3では、約600度以上でΔG
が負となるが、分圧を調整することにより600度以下
の温度でも反応を正方向、つまりオゾンが分解して原子
状酸素を発生する方向に進行させることができる。
【0043】前出の化学式1および2により生成したU
に、還元性ガス、例えば水素ガス(H)を作
用させると、以下に示す化学式6により二酸化ウラン
(UO )を得ることができる。
【0044】 UO+H→UO+HF ……………(化6)
【0045】上記化学式6の反応を行なう工程の前に、
UOに不活性ガス、例えば窒素ガスを十分供給
し、未反応のオゾンや反応生成物のOを除去する。こ
れにより、化学式6の反応を行なう際に供給するH
オゾンやOが反応してHOが生成することが回避さ
れる。
【0046】上記方法においては、化学式1および2で
は、反応ガスとしてFおよびOが、化学式6ではH
Fが発生するが、いずれも水分を含まない気体であり、
脱水工程を必要とすることなく分離・精製を容易に行な
うことができ、再利用のための工程を簡素化できる。
【0047】また、反応の際には水や水蒸気は使用せ
ず、反応によるHOを回避することにより、フッ化水
素酸の生成を回避することができるため、反応装置や配
管内の腐食を低減できる。また、本方法は乾式法であ
り、水や溶媒を必要としないため、それらに由来する廃
棄物を削減できる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明になるフッ化物の酸
化物転換方法の実施の形態として、いくつかの実施例
を、図面を参照して説明する。
【0049】実施例1〜3は、核燃料サイクル施設等に
おける機器配管類のウランで汚染された表面を除染する
際に生成するウランフッ化物を酸化物に転換する実施方
法、実施例4〜5は、使用済原子燃料再処理工程におけ
るウランフッ化物から酸化物を製造する実施方法、実施
例6は、原子燃料製造工程におけるウランフッ化物から
酸化物を製造する実施方法、実施例7〜9は、それぞれ
硫黄、窒素、炭素のフッ化物から酸化物を製造する実施
方法である。
【0050】[実施例1]本発明の好適な実施例の一つ
として、核燃料サイクル施設等で発生する機器、配管等
のウラン表面汚染を除染する際に生成するウランフッ化
物を、酸化物に転換する方法が実施される工程を、図1
を用いて説明する。
【0051】機器、配管等の除染を実施する際、例えば
密封空間を形成する除染装置8にウランで汚染した機器
等を収納し、その除染装置8内を減圧した後にFと不
活性ガスを含むガスで満たす。これにより機器表面に付
着したウランはFと反応してUFとなって揮発し、
機器表面は除染される。
【0052】除染装置8での除染操作により生成し回収
したUFおよびFを含むガスは、コールドトラップ
からなるUF分離装置9に送られ、UFとFが分
離される。UF分離装置9のコールドトラップで、U
は固体として回収される。UF分離装置9でUF
から分離されたFは、必要があれば精製した後、再
度除染工程で使用される。
【0053】Fを分離したUFは、UF分離装置
9を加熱して気体とし、転換反応器1に送られる。転換
反応器1は、例えば塔型で縦置式の反応器であり、反応
器の下部にUF供給口、反応ガス供給口、およびUO
取出し口を有し、反応器上部には反応ガス排出口を有
する。また、反応器を加熱するための加熱器をその周囲
に備え、さらに、反応器にオゾンを供給するオゾン発生
器3を備えている。
【0054】転換反応器1には、UFとともに、オゾ
ン発生器3で製造したオゾンを供給する。転換反応器1
内では、UFとオゾンが反応して固体のUO
生成する。このとき、反応の進行を促進するために、転
換反応器1を400度から700度、望ましくは500
度から600度程度に加熱する。
【0055】例えば、転換反応器1の温度が600度の
とき、前記化学式1反応の平衡定数Kは1.5×10
−8である。よって、反応器内の気体成分の分圧より数
式2によって計算されるKの値が、1.5×10−8
下となるように、反応器内雰囲気を調整する。
【0056】前記数式2より、反応の生成系成分の分圧
を小さくし、反応系成分の分圧を大きくすると、Kの値
を小さくできることがわかる。よって、本実施例におい
ては、反応器内のF分圧およびO分圧を小さくする
ために、転換反応器1へのガスの供給はフロー式とし
て、反応により生成したFおよびOを反応器1より
排出する。
【0057】転換反応器1から流出するガス中に未反応
UFが混入する場合は、転換反応器1の後段にコール
ドトラップを設置してUFを回収し、再度転換反応器
1に供給する。
【0058】転換反応器1は、オゾン発生器3を備える
代わりに放電装置を備えたものでもよい。あるいは、紫
外線照射装置を備えたものでもよい。または、それ以外
の原子状酸素を発生させる機能を有する装置でもよい。
放電装置あるいは紫外線照射装置を備えた反応器を使用
する場合、反応器にはオゾンの代わりにOを供給し、
放電あるいは紫外線照射によりオゾンを製造してUF
との反応に使用する。
【0059】転換反応器1から除去されたFとO
混合気体は、深冷分離装置からなるF分離装置5に送
られる。F分離装置5でOを液化することによりF
を分離回収する。これにより回収したFは、除染装
置8で再利用することが可能である。
【0060】転換反応器1内に一定量のUOが生
成した後、オゾンの供給を停止し、不活性ガス、例えば
窒素ガスなどを流通して、未反応のオゾンや反応により
生成したOを十分に除去する。その後、還元性ガスと
してHを転換反応器1に供給し、UOをUO
に転換する。
【0061】このとき、転換反応器1は、500度から
700度程度に加熱する。この工程で生成したHFと未
反応のHの混合気体は、HF分離装置6に送られる。
HF分離装置6では、HFが19.5度以下で液化する
性質を利用し、HFのみが液化する温度、例えば−20
度程度まで冷却することで液体HFをHから分離す
る。
【0062】回収したHFは水分を含まず、乾燥した状
態であるため、さらなる乾燥工程を必要とせず、そのま
まフッ素製造の原料としてF製造装置7に送られ、F
に転換し、除染装置8で再利用する。
【0063】本実施例の応用例として、除染装置8に供
給するガスを、Fの代わりに例えばClFといった
ハロゲン化フッ素を用いる方法がある。この場合、F
分離装置5およびF製造装置7で得られるFは、ハ
ロゲン化フッ素製造の原料として再使用される。また、
本実施例でのフッ化物の酸化物転換方法は、プルトニウ
ムおよび/あるいは核燃料物質のフッ化物を酸化物に転
換する場合にも適用できる。
【0064】以上、本実施例によれば、ウラン汚染機器
からのウラン除染の際に回収するUFを、本発明方法
によりUOに転換することにより、酸化物に転換する
際に生成するHFおよびFを容易に再利用することが
可能となる。また、HFやF を再利用すると、酸化物
転換工程で排出される廃棄物はOとHであり、いず
れも処理後に大気に排出できることから、廃棄物量を大
幅に削減することができる。
【0065】UFをUOに転換する工程は、一つの
装置内で行なうことができ、装置構成も簡素である。さ
らに、工程内では水を使用せず、水の発生も回避できる
ことから、酸化物転換工程で使用する装置や配管内の腐
食を低減することができる。また、オゾンは装置表面に
作用して酸化不動態膜を形成する性質があり、これによ
りさらに装置の腐食低減を達成できる。
【0066】[実施例2]本発明の実施例2として、核
燃料サイクル施設等で発生する機器や配管等のウラン表
面汚染を除染する際に生成するウランフッ化物を、酸化
物に転換する別の方法が実施される工程を、図2を用い
て説明する。
【0067】除染装置8内にウラン汚染機器を収納し、
その表面にFガスを作用させて付着したウランをUF
として揮発させて回収する。回収したUF、F
よび希釈ガスは、コールドトラップであるUF分離装
置9に供給し、UFを固体として回収する。UF
離装置9を通過したFおよび希釈ガスは、必要に応じ
てFを追加し、再度除染装置8に供給されウラン除染
に使用される。
【0068】回収したUFは、UF分離装置9を加
熱して気体とし、UF反応器11に送られる。UF
反応器11は、例えば筒型で横置式の反応器であり、反
応器の一端にはUF供給口、オゾン発生器3で製造し
たオゾンを供給するオゾン供給口、および反応ガス供給
口を有し、他端には生成ガス排出口を有する。また、反
応器11の底面にUO取出口を有する。
【0069】UO取出口は、流動層型のUO
反応器2の下部に接続され、UF 反応器11内で生
成したUOをUO反応器2に供給する役割
を果たす。UF反応器11を加熱するための加熱器を
周囲に装備する。
【0070】UFとともにオゾン発生器3で製造した
オゾンをUF反応器11に供給すると、前記化学式1
によりUOが生成する。このとき、反応の進行を
促進するために、UF反応器11内の温度を400度
から700度、望ましくは500度から600度に加熱
する。
【0071】また、前記化学式2により計算されるKの
値が、化学式1により計算されるK の値より小さくな
るよう、反応器11内のガス組成を調整する。具体的に
は、UF反応器11へのガスの供給はフロー式とし
て、反応により生成するFとOを反応器11内から
継続して排出する。
【0072】UF反応器11から流出するガス中に未
反応UFが混入する場合は、UF 反応器11の後段
に、UF反応器11と同等の構成を有する反応器を設
置し、オゾンを追加供給してUFと反応させるか、あ
るいはコールドトラップによりUFを回収し、再度反
応器11にオゾンとともに供給し、UFを完全にUO
に転換する。
【0073】UF反応器11は、オゾン発生器3を備
える代わりに放電装置を備えたものでもよい。あるい
は、紫外線照射装置を備えたものでもよい。放電装置あ
るいは紫外線照射装置を備えた反応器を使用する場合、
反応器にはオゾンの代わりにO を供給し、放電あるい
は紫外線照射によりオゾンを製造してUFとの反応に
使用する。
【0074】UF反応器11内に生成したUO
は、連続的にUF反応器11から排出され、UO
反応器2に供給される。UO反応器2にH
供給し、UOをUOに転換する。このとき、U
反応器2は、500度から700度程度に加熱
する。この工程で生成したHFと未反応のHの混合気
体は、HF分離装置6に送られる。
【0075】HF分離装置6では、HFのみが液化する
温度、例えば−20度程度まで冷却することで液体HF
をHから分離する。回収したHFは水分を含まず乾燥
した状態であるため、さらなる乾燥工程を必要とせず、
そのままフッ素製造の原料としてF製造装置7に送ら
れ、Fに転換し、除染装置8で再利用する。
【0076】本実施例においても実施例1と同様に、除
染装置8に供給するガスを、Fの代わりに例えばCl
といったハロゲン化フッ素を用いることができる。
また、本実施例のフッ化物を酸化物に転換する方法は、
実施例1と同様、プルトニウムおよび/あるいは核燃料
物質のフッ化物を酸化物に転換する場合にも適用でき
る。
【0077】以上、実施例2によれば、UFをUO
に転換する際に生成するHFおよびFは、いずれも水
分を含まず、簡便な方法により再利用することが可能で
ある。工程内では水を使用せず、水の発生も回避できる
ことから、酸化物転換工程で使用する装置や配管内の腐
食を低減することができる。また、UFからUO
の転換を連続的に行なうことができるため、UFの処
理量を増大することができる。
【0078】[実施例3]本発明の実施例3として、核
燃料サイクル施設等で発生する機器や配管等のウラン表
面汚染を除染する際に生成するウランフッ化物から酸化
物を製造する他の方法が実施される工程を、図3を用い
て説明する。
【0079】除染装置8内に収納したウラン汚染機器の
表面にFガスを作用させ、付着したウランをUF
して揮発させる。回収したUF、Fおよび希釈ガス
としての不活性ガスを含むガスは、コールドトラップで
あるUF分離装置9に供給し、UFを固体として回
収する。
【0080】UFから分離されたFおよび不活性ガ
スの混合ガスは、そのまま、あるいは必要に応じてF
を追加し、除染装置8に再度供給してウラン除染に使用
することができる。
【0081】UF分離装置9で回収したUFは、分
離装置9を例えば80度まで昇温することにより再びガ
ス状にし、転換反応器21に供給する。転換反応器21
は、内部に密閉空間を形成できる構造で、壁面あるいは
底面にUF供給口、反応ガス供給口、オゾン発生器3
で製造したオゾンを供給するオゾン供給口、反応ガス排
出口およびUO取出口を有する。反応器21内のガス
および粉体を撹拌するため、反応器21内には例えばプ
ロペラ型の回転翼やスクリューなどを設置する。
【0082】本実施例においては、転換反応器21内に
は、UFとオゾンとの反応により生成するFの反応
器内における分圧を低下させるため、例えば二酸化けい
素(SiO)からなるF除去剤を装荷しておく。S
iOの装荷量は、UF反応器に供給するUFの総
量に対し化学量論比で等量あるいはわずかに下回る量と
なるようにする。
【0083】UF分離装置9でガス状にしたUF
一定量を、転換反応器21に供給する。また、オゾン発
生器3でオゾンを製造し、転換反応器21に供給する。
転換反応器21を密閉し、反応器21内部のガスおよび
粉体を混合する。
【0084】このとき、UFとオゾンの反応により、
UOとFおよびOが生成するが、生成したF
は、反応器1内に装荷したSiOと反応し、化学式
7により気体状のSiFを生成する。
【0085】 SiO+2F→SiF+O ……………(化7)
【0086】この反応により、UFをUOに転
換する際に発生するFの分圧を低下することができ
る。これにより、前出の化学式1の逆反応の進行を抑
え、UO の生成を促進できる。
【0087】転換反応器21に供給したUFの全量が
UOに転換された後、反応器21内部のガスおよ
び粉体の混合を停止し、反応器21からSiFとO
を排出する。排出されたSiFとOの混合ガスはS
iF回収装置15に送られ、SiFが回収される。
【0088】SiOの装荷量をUF供給量と等量か
それ以下にしているため、供給したUFの反応が終了
した時点では、SiOは全量が気体状のSiFに転
換されており、反応生成ガスを排出後は反応器21内に
はUOのみが残留する。
【0089】UFのUOへの転換が終了した
後、転換反応器21に不活性ガス、例えば窒素ガスを供
給して、未反応のオゾンの反応により生成したOおよ
びSiFを除去する。その後Hを供給し、UO
をUOに転換する。
【0090】この工程で排出されるガスはHFとH
混合ガスであり、HF分離装置6で例えば−20度に冷
却することにより、HFを液化して分離回収する。回収
したHFは水分を含まず、そのままF製造装置7に供
給できる。F製造装置7でKF・HFの電解によりF
を製造し、このFは除染装置8に供給して再利用す
る。
【0091】以上、本実施例によれば、UFからUO
を生成する際に、同時に生成するFをF除去
剤を使用して除去することにより、UO生成反応
の進行を促進することができるため、UFの転換効率
を向上することができる。また、UOをUO
転換する際に生成するHFは、水分を含まないため、装
置内の腐食を低減でき、Fの製造に再利用することが
できる。
【0092】[実施例4]本発明の他の好適な実施例の
一つとして、使用済原子燃料再処理工程において、ウラ
ンフッ化物から酸化物を製造する方法が実施される工程
を、図4を用いて説明する。
【0093】本実施例4では、本発明の効果が発揮され
る方法として、使用済原子燃料にフッ素ガスを作用させ
てウランとプルトニウムを分離回収するフッ化物揮発法
による再処理方法を用いて説明する。また、フッ化物揮
発法によるウランとプルトニウムの揮発回収工程と、本
発明におけるフッ化物の酸化物転換工程とは、同一敷地
内あるいは近接した地域で行なうことが望ましい。
【0094】図4において、使用済原子燃料をフッ化装
置18に供給し、Fガスを作用させて燃料中のウラン
およびプルトニウムを、UFおよび六フッ化プルトニ
ウム(PuF)として揮発させる。
【0095】揮発したUFおよびPuFは、UF
およびUFとPuFの混合物として回収される。U
はUF精製工程19で精製する。UFとPuF
の混合物は、必要に応じて精製し、MOX燃料製造工
程へ送られる。
【0096】精製したUFを、本発明になるフッ化物
の酸化物転換方法によりUOに転換する。すなわち、
回収したUFは、オゾン発生器3で製造したオゾンと
ともに流動層型反応器31に送られる。
【0097】流動層反応器31は、反応器の下部にUF
供給口、オゾン供給口、および反応ガス供給口を有
し、反応器上部には反応ガス排出口を有する。流動層反
応器31は、反応器を加熱するための加熱器を装備して
いる。
【0098】流動層反応器31には、あらかじめ適当量
のUO粒子を流動媒体として装荷しておく。この
反応器31内で、供給されたUFは前記化学式1によ
りUOに転換され、流動媒体のUO粒子上
に付着する。この際、反応器31の温度は500度から
600度程度にする。
【0099】この工程で排出されるガスは、反応により
生成したFとOを含むが、このガスをF分離装置
5に送り混合ガスを冷却してFとOを分離する。分
離回収したFガスは、フッ化装置18での燃料のフッ
化に再利用する。
【0100】一定量のUFを供給した後、UFとオ
ゾンの供給を停止し、UOを含む反応器31に不
活性ガス、例えば窒素ガスなどを供給して、未反応のオ
ゾンやOを十分除去する。その後、反応器31にH
を供給し、UOをUO に転換して回収する。
【0101】この工程で排出されるHFとHの混合ガ
スをHF分離装置6に送り、HFの沸点以下でかつH
の沸点以上の温度に冷却することで、HFとHを分離
する。分離回収したHFは、F製造装置7でFに転
換して燃料フッ化に再利用する。
【0102】以上、実施例4によれば、フッ化物揮発法
による原子燃料再処理工程と、本発明のフッ化物からの
酸化物製造方法とを連結することにより、酸化物製造の
際に発生するHFやFを、燃料フッ化工程に再利用す
ることができ、フッ化工程で使用するFに係るコスト
を再利用しない場合に比較して削減することができる。
【0103】また、UFからUOを製造する際
に、反応器にあらかじめ装荷するUO粒子の粒径
とUFの供給量を制御することにより、最終的に得ら
れるUO粒子の粒径を制御することが可能となる。実
施例4の方法を用いると、振動充填による燃料ピン製造
に適したUO粒子を簡便な方法で製造することができ
る。
【0104】また、実施例4のフッ化物を酸化物に転換
する方法は、プルトニウムおよび/あるいは核燃料物質
のフッ化物を酸化物に転換する場合にも適用できる。そ
の場合、工程内に水の使用を含まないことから、臨界安
全性を向上させることができる。
【0105】なお、本実施例は反応器31にUF粒子
を装荷し、下記の化学式8によりUFをUFとして
UF粒子に析出させ、前出の化学式2によりUF
UO に転換した後、UOを得るという構成でも
よい。
【0106】 UF+H→UF+2HF ……………(化8)
【0107】UFからUOを得る前記化学式2
による反応は、反応のギブスエネルギーΔGが負であ
り、反応は自発的に進行する。よって、UFからUO
を得る前記化学式1による反応と比較して、低
温、例えば100度程度でも反応を進行させることがで
き、反応の温度条件を緩和できる。
【0108】[実施例5]本発明の他の好適な実施例の
一つである、使用済原子燃料再処理工程において、ウラ
ンフッ化物から酸化物を製造する方法が実施される工程
を、図5を用いて説明する。本実施例5では、実施例4
と同様にフッ化物揮発法による再処理方法を用いて説明
する。
【0109】使用済原子燃料をフッ化装置18に供給
し、Fガスを作用させて燃料中のウランおよびプルト
ニウムをUFおよびPuFとして揮発させる。揮発
したUFおよびPuFは、UF、およびUF
PuFの混合物として回収する。UFはUF精製
工程19で精製する。UFとPuFの混合物は、必
要に応じて精製し、MOX燃料製造工程へ送られる。
【0110】精製したUFをUF反応器11に供給
し、オゾン製造装置3で製造したオゾンを供給して作用
させる。UF反応器11は、実施例2で説明したUF
反応器と同等な構成を有するものである。
【0111】UFとオゾンとの反応により生成したU
は、連続的に流動層型のUO反応器2に
送り、Hを供給してUOに作用させることでU
を得る。回収したUOは、その後原子燃料用ペレ
ットの製造に用いられる。
【0112】反応器11および2から排出されるHFと
およびFとOを含むガスを、それぞれHF分離
装置6およびF分離装置5に送り、HFとFを分離
回収する。回収したHFはF製造装置7に供給し、F
製造に使用される。回収されたFおよび製造された
は、フッ化装置18に送られ、再度フッ化剤として
使用される。
【0113】本実施例5のフッ化物を酸化物に転換する
方法は、前記各実施例と同様に、プルトニウムおよび/
あるいは核燃料物質のフッ化物を酸化物に転換する場合
にも適用できる。
【0114】以上、本実施例5によれば、フッ化物揮発
法による原子燃料再処理工程と本発明のフッ化物からの
酸化物製造方法を連結することにより、酸化物製造の際
に発生するHFやFを燃料フッ化工程に再利用するこ
とができ、フッ化工程で使用するFに係るコストを削
減することができる。
【0115】また、UFの処理を連続で行なうことか
ら、UFの処理量を増大することができる。また、工
程内での水の使用および生成を回避していることから、
装置内の腐食を低減することができる。
【0116】本実施例をプルトニウムおよび/あるいは
核燃料物質のフッ化物を含むウランのフッ化物を酸化物
に転換する際に使用する場合、工程内に水の使用を含ま
ないことから、臨界安全性を向上することができる。
【0117】[実施例6]本発明の他の好適な実施例の
一つである、原子燃料製造工程においてウランフッ化物
から酸化物を製造する方法が実施される工程を、図6を
用いて説明する。原子燃料製造の際には、ウラン鉱石を
精製錬し、UOをUFの形態に変換して必要に応じ
てU−235の濃度を増加させ、濃縮UFを製造す
る。濃縮UF をUOに再転換し、燃料ペレットを製
造する。
【0118】濃縮UFをUOに転換する工程で、本
発明になるフッ化物を酸化物に転換する方法を使用す
る。濃縮UFをオゾン発生器3で製造したオゾンとと
もにUF反応器11に供給する。UF反応器11
は、実施例2で説明したものと同様な構成を有し、同等
な操作条件で運転する。
【0119】反応により生成したUOは、連続的
に流動層型のUO反応器2に供給し、Hを作用
させてUOに転換する。UF反応器11とUO
反応器2から排出されるガスは、それぞれF分離装
置5およびHF分離装置6に送られ、FとHFを回収
する。回収したFやHFは、ウラン鉱石から精製して
得たUOをUFに転換する転換工程でフッ化剤とし
て使用できる。
【0120】本実施例6によれば、原子燃料製造工程に
おいてUFをUOに再転換する工程で本発明の方法
を使用することにより、水分を含むHFの発生を回避す
ることができ、装置内の腐食を低減することができる。
再転換工程で水や溶媒を使用しないことから、廃棄物量
を削減できる。
【0121】再転換工場と転換工場が隣接または近接し
ている場合、再転換工程で回収されるHFやFの再利
用が容易となる。また、U−235の含有率が高い高濃
縮UFをUOに再転換する際に本方法を用いると、
工程内で水を使用しないことから臨界安全性を向上する
こともできる。
【0122】[実施例7]本発明の他の実施例7とし
て、六フッ化硫黄(SF)をSOに分解処理する方
法が実施される工程を、図7を用いて説明する。
【0123】SFは化学的安定性が高く、電気的特性
が優れているため、種々の電気装置、例えば、回路遮断
器、変圧器などに広く用いられている。一方、SF
環境中に放出されると、大気寿命が非常に長く地球温暖
化に与える影響が大きいため、近年、大気への放出を抑
えるための回収技術や分解技術が検討され始めており、
吸着剤の使用や放電による分解などが提案されている。
【0124】本発明方法をSFの分解において実施す
る工程を以下に示す。オゾン発生器3を備えた分解反応
器41にSFを供給する。分解反応器41は、縦置式
あるいは横置式の筒型反応器であり、例えば内部にフィ
ンなどを有するといった、気体の混合を十分に行なえる
機能を装備する。
【0125】オゾン発生器3で製造したオゾンを分解反
応器41に供給する。このとき、分解反応器41内で
は、下記化学式9に示す反応が第一に進行し、SO
、F 2、が生成する。
【0126】 SF+2O→SO+2F+2O ……………(化9)
【0127】なお、上記化学式9の反応の進行を促進す
るために、分解反応器41は高温、望ましくは300度
以上、に加熱する。反応器41は、オゾン発生器3を備
える代わりに放電装置を備えたものでもよい。
【0128】放電装置を備えた反応器を使用する場合、
反応器にはオゾンの代わりにOを供給し、放電により
オゾンを製造してSFとの反応に供与する。反応によ
り生成したSOとFガスは、還元反応器42に
供給される。還元反応器42にHを供給し、下記化学
式10に示す反応によりSOをSOとHFに分
解する。
【0129】 SO+H→SO+HF ……………(化10)
【0130】化学式10に示す反応は、室温でも進行す
るが、反応の進行を促進するためには、還元反応器42
を400度程度に加熱することが望ましい。その後、S
とHFの混合ガスは、排ガス処理系15に送り、S
とHFを分離後それぞれ無害化処理される。
【0131】以上、本実施例7によれば、SFの分解
処理の際に本発明方法を使用することにより、化学的に
安定なSFをSOまで分解することができ、SO
を固定化して処理することにより大気への放出量を削減
することができる。また、放電によりSFを分解する
方法と比較して、SFの分解効率を向上し、処理量を
増加することができる。
【0132】[実施例8]本発明の他の実施例8とし
て、三フッ化窒素(NF)をNOに分解処理する方
法が実施される工程を、図7を用いて説明する。本実施
例で用いられるNF の分解処理方法の構成は、SF
の代わりにNFを供給する点、および還元反応器42
を必要としない点を除いて、図7の構成と同じである。
【0133】NFは、ロケット燃料酸化剤や、半導体
エッチングプロセスなどで大量に使用されている。例え
ばエッチングプロセスでは、供給したNFの10〜3
0%がエッチングに使用されるが、残りは未反応のまま
排出される。
【0134】NFは水にほとんど溶けず、化学的にも
安定な化合物であり、排出されるNFを分解除去する
ための方法が種々検討されている。現在実用化されてい
る方法は、水素/酸素、プロパン等で燃焼し分解する燃
焼法である。
【0135】本発明方法をNFの分解において実施す
る工程を以下に示す。オゾン発生器3を備えた分解反応
器41にNFを供給する。オゾン発生器3で製造した
オゾンを反応器41に供給する。このとき、反応器41
内では、化学式11に示す反応が進行し、NOとF
およびOが生成する。
【0136】 2NF+2O→2NO+3F+O ……………(化11)
【0137】なお、上記化学式11の反応の進行を促進
するために、反応器41は100度程度かそれ以上に加
熱する。反応器41は、オゾン発生器3を備える代わり
に放電装置を備えたものでもよい。
【0138】放電装置を備えた反応器を使用する場合、
反応器にはオゾンの代わりにOを供給し、放電により
オゾンを製造してNFとの反応に供与する。反応によ
り生成したNOとFガスは、排ガス処理系15に送
り無害化処理される。
【0139】以上、本実施例8によれば、NFの分解
処理の際に本発明方法を使用することにより、HFの生
成を回避しNFを分解できること、およびオゾンを使
用することから、分解装置内の腐食を低減することがで
きる。また、燃焼法と比較して温和な条件でNFを分
解することができる。
【0140】[実施例9]本発明の他の実施例9とし
て、四フッ化炭素(CF)をCOに分解処理する方
法が実施される工程を説明する。本実施例で用いられる
CFの分解処理方法の構成は、SFの代わりにCF
を供給する点、および還元反応器42を必要としない
点を除いて、図7の構成と同じである。
【0141】CFは、半導体エッチングプロセスなど
で大量に使用されているが、供給量の10〜30%がエ
ッチングに使用されるのみで、残りは未反応のまま排出
される。CFの分解除去方法としては、燃焼法による
方法が実用化されている。
【0142】本発明方法をCFの分解において実施す
る工程を以下に示す。オゾン発生器3を備えた反応器4
1にCFを供給する。オゾン発生器3で製造したオゾ
ンを反応器41に供給する。このとき、反応器41内で
は下記化学式12に示す反応が進行し、COとF
よびOが生成する。
【0143】 CF+2O→CO+2F+2O ……………(化12)
【0144】なお、上記化学式12の反応は常温でも進
行するが、反応を促進するために、反応器41は100
度かそれ以上に加熱することが望ましい。反応器41
は、オゾン発生器3を備える代わりに放電装置を備えた
ものでもよい。
【0145】放電装置を備えた反応器を使用する場合、
反応器にはオゾンの代わりにOを供給し、放電により
オゾンを製造してCFとの反応に供与する。反応によ
り生成したCOとFガスは、排ガス処理系15に送
られる。
【0146】以上、本実施例9によれば、CFの分解
処理の際に本発明方法を使用することにより、実施例8
と同様な理由で分解装置の腐食の低減および温和な条件
でのCF分解が可能となる。
【0147】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、フッ化
物を酸化物に転換する際に、酸素の供給源として原子状
酸素を使用すること、また、原子状酸素を発生させる物
質を供給する工程と還元性ガスを供給する工程との間に
不活性ガス供給工程を追加して、工程内に水が混入する
のを回避することにより、以下の効果がある。
【0148】(1)反応により生成するFおよびHF
を容易に再利用でき、そのための工程を簡素化すること
ができる。(2)フッ化水素酸の生成を回避することが
でき、装置や配管内の腐食を低減することができる。
(3)溶媒を使用しないことから廃棄物量を削減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である、ウラン乾式除
染においてウランフッ化物から酸化物を製造する方法に
用いられるウラン酸化物製造装置の構成図である。
【図2】本発明の他の一実施例である、ウラン乾式除染
においてウランフッ化物から酸化物を製造する方法に用
いられるウラン酸化物製造装置の構成図である。
【図3】本発明の他の一実施例である、ウラン乾式除染
においてウランフッ化物から酸化物を製造する方法に用
いられるウラン酸化物製造装置の構成図である。
【図4】本発明の他の一実施例である、使用済燃料再処
理工程においてウランフッ化物から酸化物を製造する方
法に用いられるウラン酸化物製造装置の構成図である。
【図5】本発明の他の一実施例である、使用済燃料再処
理工程においてウランフッ化物から酸化物を製造する方
法に用いられるウラン酸化物製造装置の構成図である。
【図6】本発明の他の一実施例である、原子燃料製造の
再転換工程においてウランフッ化物から酸化物を製造す
る方法に用いられるウラン酸化物製造装置の構成図であ
る。
【図7】本発明の他の一実施例である、六フッ化硫黄を
分解処理する方法に用いられる六フッ化硫黄分解処理装
置の構成図である。
【符号の説明】
1 転換反応器 3 オゾン発生器 5 F分離装置 6 HF分離装置 7 F製造装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月5日(2001.4.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】前出の化学式1〜5においては、化学式2
および5は、ΔGが零度以上で負の値となり、反応は正
方向、つまり、UFが反応してUOが生成する
方向に進行するが、化学式1および4はΔGが零度以上
では正の値となるため、反応を正方向に進行させるため
に、数式2により計算されるKが、Kより小さくなる
ように、反応器内の気体成分の分圧を調整する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正内容】
【0140】[実施例9]本発明の他の実施例9とし
て、四フッ化炭素(CF)をCOに分解処理する方
法が実施される工程を説明する。本実施例で用いられる
CF の分解処理方法の構成は、SFの代わりにCF
を供給する点、および還元反応器42を必要としない
点を除いて、図7の構成と同じである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹平 朗 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 西 高志 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 Fターム(参考) 4G048 AA02 AB01 AC08 AE02 AE06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化物に、酸素の供給源となる物質と
    して、水素以外の元素により構成される酸素供給源物質
    を作用させて酸化物に転換することを特徴とするフッ化
    物の酸化物転換方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、前記酸
    素供給源物質は、原子状酸素であることを特徴とするフ
    ッ化物の酸化物転換方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法において、前記原
    子状酸素を発生させる物質として、オゾンを使用するこ
    とを特徴とするフッ化物の酸化物転換方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の方法にお
    いて、前記フッ化物を酸化物に転換する際の反応器内の
    気体状物質のうち、フッ化物を酸化物に転換する反応の
    際に供給される気体状物質の分圧は一定とし、かつ、前
    記反応により生成する気体状物質の分圧を、前記反応が
    平衡状態に達したときの反応により生成する気体状物質
    の分圧より小さくするように、前記反応器内の気体状物
    質の分圧を調整することを特徴とするフッ化物の酸化物
    転換方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法において、前記反
    応器内の気体状物質の分圧を調整する際に、前記反応器
    内のガスを流通式にすることにより、反応によって生成
    する気体状物質の分圧を調整することを特徴とするフッ
    化物の酸化物転換方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の方法において、前記反
    応器内の気体状物質の分圧を調整する際に、前記反応器
    内に二酸化けい素からなるフッ素吸収剤を装荷すること
    により、反応によって生成するフッ素あるいはフッ素化
    合物の分圧を調整することを特徴とするフッ化物の酸化
    物転換方法。
  7. 【請求項7】 フッ化物に、酸素の供給源となる物質と
    して水素以外の元素により構成される酸素供給源物質を
    作用させ、前記酸素供給源物質を作用させた後に、還元
    性気体である水素を作用させて酸化物を得ることを特徴
    とするフッ化物の酸化物転換方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法において、前記酸
    素供給源物質を作用させる酸素作用工程と、前記還元性
    気体を作用させる還元工程とを分離して行なうことを特
    徴とするフッ化物の酸化物転換方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法において、前記酸
    素作用工程と前記還元工程との間に、窒素またはアルゴ
    ンのいずれか1種の不活性ガスを供給する工程を有する
    ことを特徴とするフッ化物の酸化物転換方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の方法において、前記
    酸素供給源物質として水素以外の元素により構成される
    物質を使用し、前記還元性気体として水素を使用するこ
    とにより、前記フッ化物を酸化物に転換する過程で発生
    するフッ素ガスあるいはフッ化水素ガスを分離回収する
    ことを特徴とするフッ化物の酸化物転換方法。
  11. 【請求項11】 請求項1または7に記載の方法におい
    て、前記フッ化物は、ウラン、プルトニウム、または、
    その他の核燃料物質のいずれかよりなるフッ化物である
    ことを特徴とするフッ化物の酸化物転換方法。
  12. 【請求項12】 請求項1または7に記載の方法におい
    て、前記フッ化物は、硫黄、窒素、または、炭素のいず
    れかよりなるフッ化物であることを特徴とするフッ化物
    の酸化物転換方法。
  13. 【請求項13】 請求項1または7に記載の方法におい
    て、前記フッ化物はウランのフッ化物からなり、該ウラ
    ンのフッ化物は、ウランで汚染された物質の表面にフッ
    素またはハロゲン化フッ素のいずれかからなるフッ化剤
    を作用させ、前記ウランをフッ化物に転換して気化させ
    ることにより、前記物質の表面からウランを除去するウ
    ラン除染工程から回収されるウランフッ化物であること
    を特徴とするフッ化物の酸化物転換方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法において、前
    記ウラン除染工程で回収したウランフッ化物を酸化物に
    転換する過程で発生するフッ素ガスあるいはフッ化水素
    ガスを分離回収し、前記フッ素ガスあるいはフッ化水素
    ガスをウランで汚染された物質表面に作用させる工程で
    再び使用することを特徴とするフッ化物の酸化物転換方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のうちいずれか1項に
    記載の方法によって、フッ化物を酸化物に転換すること
    を特徴とするフッ化物の酸化物転換装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の装置において、前
    記フッ化物に酸素供給源物質を作用させる酸素作用工程
    で使用する装置は、オゾン発生手段、放電手段、紫外線
    照射手段、もしくは原子状酸素生成機能を有する手段の
    いずれかを備えていることを特徴とするフッ化物の酸化
    物転換装置。
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