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JP2002246992A - 信号発生装置 - Google Patents

信号発生装置

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Publication number
JP2002246992A
JP2002246992A JP2001041156A JP2001041156A JP2002246992A JP 2002246992 A JP2002246992 A JP 2002246992A JP 2001041156 A JP2001041156 A JP 2001041156A JP 2001041156 A JP2001041156 A JP 2001041156A JP 2002246992 A JP2002246992 A JP 2002246992A
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simulated
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amplitude
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JP2001041156A
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Shintaro Arata
慎太郎 荒田
Kazuhiko Umiga
和彦 海賀
Sakae Manabe
栄 間鍋
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Koden Electronics Co Ltd
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Koden Electronics Co Ltd
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Publication date
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  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Transmission In General (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アレイアンテナの受信性能などを試験するため
に高周波領域にわたって多様な試験信号を発生できる簡
易・安価・高精度の信号発生装置を提供する。 【解決手段】本発明の信号発生装置は、m個の変調信号
発生部(M1 〜Mm) と、それぞれが搬送波を模擬する正弦
波信号を発生するn個のダイレクト・ディジタル・シン
セサイザおよびこの正弦波信号と変調信号とを乗算する
乗算器を備えたm個の模擬受信信号発生部(R1 〜Rm)
と、この模擬受信信号を対応のチャンネルどうし合成す
ることによりn個のチャンネル成分から成る模擬多重化
受信信号を生成する同信号合成部(RM)と、n個の出力端
子(O1 〜On) と、模擬受信信号発生部(R1〜Rm) のダイ
レクト・ディジタル・シンセサイザにアレイアンテナの
想定された受信状況を模擬するための振幅と位相を設定
する制御部(CNT) を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アレイ・アンテナ
の各アレイ・アンテナ素子に受信される受信信号の模擬
信号を発生する信号発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人や車両などの移動体を対象とする無線
通信システムでは、交信中の移動体の方向を探知した
り、交信対象の移動体に対してビームを向けるなどの目
的で、アレイ・アンテナ装置が利用される。この種のア
レイ・アンテナ装置では、複数のアンテナ素子が所定の
配列で空間に配列され、各アンテナ素子の受信信号の位
相差や振幅比と各アンテナ素子どうしの既知の位置関係
とから電波の到来方向が検出される。このようなアレイ
・アンテナの典型的な一例としては、5〜8本程度のア
ンテナ素子を直線上や円周上に等間隔で配置したものが
ある。
【0003】上記アレイ・アンテナを用いた受信装置な
どの製造・開発に際しては、受信状況を定量的に再現す
る必要性と経済性の点から、屋外で実際に電波を受信す
るよりも試験用の模擬信号の発生装置が利用される。す
なわち、各アンテナ素子から出力される到来電波の受信
信号を模擬するために、アンテナ素子と同数の信号発生
チャンネルが形成される。そして、各チャンネルから対
応のアンテナ素子の受信信号を模擬するように位相や振
幅を異ならせた模擬受信信号が発生される。
【0004】従来、この種の試験用模擬信号発生装置と
しては、図9に示すような構成の装置が使用されてい
た。信号発生器で発生された試験用の正弦波信号が信号
分配器で複数チャンネルの信号に分割され、アナログ形
式の遅延回路と増幅器とによってそれぞれに所望の遅延
量と振幅とが付与され、試験用模擬信号として各チャン
ネルの出力端子から出力される。
【0005】他の従来装置として、図10に示す構成の
ものも知られている。この従来装置では、信号発生器か
ら出力されるアナログ試験信号が、A/D変換器で一旦
ディジタル信号に変換される。このディジタル信号は、
信号分配器で複数チャンネルの信号成分に分割され、各
チャンネルの信号はFIFOメモリを通過する際の遅延
を受ける。この遅延を受けたディジタル信号は、ディジ
タル的な振幅の調整が行われたのち、D/A変換回路に
おいて再びアナログ信号に復元され、各チャンネルの出
力端子から出力される。各FIFOメモリの遅延量の変
更は、その縦列段数の変更などにより行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9に示す構成の従来
装置では、アナログ形式の遅延回路が遅延線や遅延素子
を使用して実現される。このような遅延回路では、発生
させる試験信号の周波数や、試験対象のアレイアンテナ
の構成などに応じて遅延量を広範囲にわたって変更する
ことが必要になる。このため、多数の遅延線や遅延素子
を準備することが必要になり、装置が複雑・高価になる
という問題がある。
【0007】また、図10に示す構成の従来装置では、
図9の従来装置とは異なり、ディジタル形式で実現され
る遅延回路の構成は容易である。しかしながら、信号発
生器で発生したアナログ信号を一旦ディジタル信号に変
換するための高精度かつ高周波のA/D変換器を実現す
ることは一般に困難である。このため、発生可能な試験
用信号の最高周波数がこのA/D変換器の性能で制限さ
れてしまうという問題がある。現状では、14ビットの
精度のA/D変換器であれば、動作可能な最高周波数が
数十MHz に制限されてしまう。なお、D/A変換器に関
する限り、14ビットの精度で数百MHz の高周波数で動
作するものが実現可能である。
【0008】更に、図10の信号発生装置では、特開平
11ー145917号公報で指摘されているように、遅
延分解能を高めるようとするとFIFOのメモリ量が増
大して装置が複雑・高価になるという問題もある。
【0009】また、到来方向などの検出を行うだけでな
く、搬送波に重畳されている変調信号を復調して雑音の
影響などを試験する場合には、搬送波に変調信号が重畳
された模擬信号が必要となる。さらに、複数の個別の送
信源からの到来電波や、マルチパスなどの実際の受信環
境を模擬するためには、複数の模擬信号源で発生させた
模擬受信信号を合成した模擬多重信号が必要になる。
【0010】このように、搬送波に変調信号を重畳した
り、更に、異なる変調信号を重畳した複数の模擬多重信
号を発生しようとすると、装置の規模が増大する。この
結果、信号線路の電気長が増大すると共に、処理や伝達
の対象の信号に遅延量を付加する素子の個数も多くな
り、試験用の信号として各チャンネル間の位相差や振幅
比が重要であるにもかかわらず、大規模な装置内でこの
チャンネル間の位相差や振幅比を管理することが極めて
困難になる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決する本発明の信号発生装置は、相互に独立な、または
相互に適宜な相関を有する変調信号を発生し出力するm
個の変調信号発生部(mは2以上の自然数)と、アレイ
アンテナへの到来電波の想定された受信状況に応じてこ
のアレイアンテナを構成するn個のアンテナ素子(nは
2以上の自然数)に受信される信号の周波数、振幅およ
び位相を模擬するために変更可能な周波数、振幅および
位相の正弦波信号を各アンテナ素子に対応するn個のチ
ャンネル成分として発生するn個のダイレクト・ディジ
タル・シンセサイザおよび、これらダイレクト・ディジ
タル・シンセサイザから出力されるn個のチャンネル成
分のそれぞれと前記変調信号発生部のm個の変調信号発
生回路の一つから出力される変調信号とを乗算すること
によりそれぞれがn個のチャンネル成分から成る模擬受
信信号を生成する複数の乗算器とをそれぞれ備えたm個
の模擬受信信号発生部と、これらm個の模擬受信信号発
生部から出力されるm個の模擬受信信号を対応のチャン
ネル成分どうし合成することにより各アンテナ素子に受
信されるm個の受信信号が多重化されたn個のチャンネ
ル成分から成る模擬多重化受信信号を生成する模擬多重
信号合成部と、この模擬多重信号合成部で合成された各
模擬多重化受信信号のn個のチャンネル成分を出力する
n個の出力端子と、上記模擬受信信号発生部を制御する
と共に上記各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジ
タル・シンセサイザに前記アレイアンテナの想定された
受信状況を模擬するための周波数、振幅および位相を設
定する制御部とを備えている。すなわち本発明の信号発
生装置によれば、制御可能な周波数、位相および振幅の
正弦波信号を発生する複数のダイレクト・ディジタル・
シンセサイザを制御することによって相互に所望の周波
数および振幅を有する複数の正弦波信号を発生し、これ
らの正弦波信号と分配された変調信号をそれぞれ乗算し
濾波することにより、高周波の試験用信号を簡易・安価
な回路構成のもとに発生できるという効果が奏される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一つの好適な実施の形態
によれば、この信号発生装置は、更に、変調信号発生部
から出力される変調信号が無変調状態に設定された状態
でn個の出力端子に出力される各模擬多重化受信信号の
各チャンネル成分の信号伝達経路を切替えることにより
各模擬多重化受信信号の一つを較正用信号として順次選
択する切替部と、この選択された較正用信号と、変調信
号発生部から出力される無変調状態に設定された無変調
信号に各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジタル
・シンセサイザに設定された周波数と同一の正弦波信号
を乗算した信号との振幅比と位相差を無変調信号を一つ
ずつ有効にしながら検出してゆくことにより、n個の出
力端子のそれぞれにおける各模擬受信信号の振幅比と位
相差を較正値として検出する較正部とを更に備えてい
る。そして、上記制御部は、較正部で検出された較正値
に基づき各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジタ
ル・シンセサイザにアレイアンテナの想定される受信状
況を模擬するための周波数、振幅および位置を設定する
というフィードバック方式が採用される。このフィード
バック方式の採用により、長い信号線路と多数の素子を
含む大規模な装置の内部において各チャンネル間の信号
の位相や振幅の関係を調整するための労力と時間とが大
幅に削減でき、製造費用と使用時の性能を維持するため
の保守費用の低廉化が実現される。また、必ずしも高い
動作の安定性を要としない安価な素子や回路の使用も可
能になり、装置の一層の低廉化が実現される。
【0013】本発明の他の好適な実施の形態によれば、
模擬多重化受信信号合成部と上記n個の出力端子との間
に模擬多重化受信信号の周波数を高域にシフトする周波
数変換部が設置されると共に、上記較正用信号の周波数
を上記高域へのシフト量に等しい周波数だけ低域にシフ
トする周波数変換手段を備え、低周波領域で信号の較正
を行うことにより、回路の簡易化、精度の向上を実現し
ている。
【0014】本発明の他の好適な実施の形態によれば、
上記模擬受信信号を生成する乗算器が、バイポーラ・ト
ランジスタを使用したアナログ乗算器で構成される。こ
れに伴い、この乗算器をミキサーで構成する場合の難点
を解消している。
【0015】本発明の更に他の好適な実施の形態によれ
ば、上記制御部は上記各ダイレクト・ディジタル・シン
セサイザの周波数を無作為的又は疑似無作為的に変更す
ることにより周波数ホッピング信号を疑似する信号を発
生させる手段を備えることにより、発生させる信号の種
類を増加させるように構成されている。
【0016】本発明の更に他の好適な実施の形態によれ
ば、上記制御部は電波源の移動を想定したドップラーシ
フトを受けた模擬受信信号を発生させる手段を備えるこ
とにより、発生させる信号の種類を一層増加させるよう
に構成されている。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の信号発生装置の
構成を示すブロック図である。この信号発生装置は、m
個の変調信号発生部M1〜Mm、m個の模擬受信信号発
生部R1〜Rm、模擬多重化受信信号合成部RM、周波
数変換部FC、振幅・雑音調整部AN、切替部SW、較
正部CL、制御部CNTおよび操作部OPを備えてい
る。
【0018】m個の変調信号発生部M1〜Mmは、m個
の相互に独立な複数の信号源の存在や、マルチパスなど
の相互に適宜な相関を有する複数の信号源から送信され
た電波を模擬するためのものである。m個の模擬受信信
号発生部R1〜Rmは、n個のアンテナ素子のそれぞれ
に受信される異なる位相と振幅の信号を模擬するための
ものである。模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれ
は、n本のアンテナ素子に対応するnチャンネルの成分
を有する信号を発生し、この信号と、前段の変調信号発
生部M1〜Mmの一つから供給される変調信号とを乗算
することにより、変調信号が重畳されたnチャンネルの
成分の模擬受信信号を発生する。
【0019】模擬多重化受信信号合成部RMは、前段の
m個の模擬受信信号発生部R1〜Rmで発生された模擬
受信信号を同一チャンネルどうし合成することによって
nチャンネルの成分から構成される模擬多重化受信信号
を発生するためのものである。周波数変換部FCは、模
擬多重化信号の周波数を高域にシフトする周波数変換を
行うためのものである。振幅・雑音調整部AMは、周波
数変換された模擬多重化受信信号の振幅を調整し、これ
に雑音を重畳するためのものである。更に、切替部SW
は、模擬多重化受信信号の一つのチャンネルを順次選択
し較正用信号として較正部CLに供給するためのもので
あり、較正部CLは、この装置から出力される各チャン
ネルの模擬多重化受信信号を較正するためのものであ
る。更に、制御部CNTは、この信号発生装置内の上述
した各部の動作を制御するためのものであり、操作部O
Pは制御部CNTに制御指令を入力するためのものであ
る。
【0020】図1中のm個の模擬受信信号発生部R1〜
Rmのそれぞれは、図2に示すように、試験対象のアレ
イアンテナを構成するアンテナ素子の個数(チャンネル
数)と同一のn個のダイレクト・ディジタル・シンセサ
イザDDSi(i=1〜n)と、前段の変調信号発生部
M1〜Mmの一つから供給される変調信号をn個のチャ
ンネルの信号線上に分配するn分配器と、n個のバイポ
ーラトランジスタなどで構成されるアナログ乗算器M
と、濾波器とを備えている。n個のダイレクト・ディジ
タル・シンセサイザDDSi(i=1〜n)は、n本の
アンテナ素子の受信信号の搬送波、振幅および位相を模
擬するために相互に異なる位相と振幅とを有するn個の
正弦波信号を発生するためのものである。
【0021】変調信号 s(t) を次のようなものとする。 s(t) =2C(t) cos (2πfs t +φ(t)) これに、振幅ai 、初期位相di をもつ信号gi (t) gi (t) =ai ( cos2πfg t+di ) を乗算すると以下のようにzi (t) が得られる。 zi (t) =s(t) ×gi (t) =2C(t) cos(2πfs t+φ(t) )×ai cos(2πfg t+di ) =ai C(t) 〔cos(2π(fs +fg )t+φ(t)+di ) +cos(2π(fs −fg )t+φ(t)−di )〕 ここで、f=fs +fg となるようにfs とfg を設定
し、濾波回路によって(fs −fg )の周波数成分を除
去すると、 z i (t) =ai C(t) cos(2π(fs +fg )t+φ(t)+di ) =ai C(t) cos(2πft+φ(t)+di ) が得られる。なお、f=fs −fg となるようにfs
g とを設定し、濾波回路によって(fs +fg )の周
波数成分を除去してもよい。
【0022】z i (t) を複素帯域信号として表現する
と、 z i (t)=ai u(t) exp(j(2πft+di )) =u(t) exp j(2πft)ai exp(jdi ) となる。u(t) exp j(2πft)は変調信号、ai exp
(jdi )は複素数であるから、これは、E(t) Ai
表記できる。以上のことから、アレイアンテナの受信信
号 Ei (t) =Eo (t) Ai (θ,φ,f) を模擬するためには、図2で示されるように、変調信号
s(t) をn分配し、A i (θ,φ,f)に応じた振幅a
i と位相di をもつ信号gi (t)をそれぞれDDS1か
らDDSnで発生させ、分配された変調信号と乗算し、
濾波すればよい。ここで、θ、φ、f はそれぞれ各アレ
イアンテナに受信される到来波の方位角、仰角および周
波数である。Ai (θ,φ,f)は到来波に対するi番
目のアンテナ素子の応答であり、fsは変調信号の搬送
波の周波数、fgはダイレクト・ディジタル・シンセサ
イザDDSの発振周波数である。
【0023】各信号発生チャンネルのダイレクト・ディ
ジタル・シンセサイザDDSiの原理的な構成について
その前半部分のみを簡略化して図3に例示する。このシ
ンセサイザDDSiの前半部分は、正弦波信号のディジ
タル振幅値を保持する正弦波形保持メモリMMと、この
正弦波形保持メモリMMに読出しアドレスを供給するア
ドレス発生回路Aとから構成されている。なお、このダ
イレクト・ディジタル・シンセサイザの後半部分は図示
を省略するが、振幅調整用の乗算器と、D/A変換器と
から構成されている。アドレス発生回路Aには、図1の
制御部CNTから設定すべき周波数と位相が供給され
る。
【0024】正弦波形保持メモリMMの各記憶領域に
は、0ボルトを中心にして−Vボルトから+Vボルトま
での範囲にわたって変化する1周期分の正弦波形を等し
い時間間隔でサンプリングすることによって得られる振
幅のディジタル値が、この振幅を線分の長さによって図
案化して図示するように、読み出しアドレスの増加の順
番に保持されている。アドレス発生回路Aでは、外部か
ら供給されるクロック信号を基準とし、設定された発振
周波数の全アドレス数倍の周期でアドレスが1ステップ
ずつ増加され、正弦波形保持メモリMMの各アドレスに
保持される振幅のディジタル値が読み出される。読み出
された正弦波形の振幅のディジタル値は、図示しない乗
算器において制御部CNTが指定する係数の乗算によっ
て振幅が調整されたのち、図示しないD/A変換回路に
おいてアナログ信号に変換され、ダイレクト・ディジタ
ル・シンセサイザDDSiから出力される。
【0025】図1の制御部CNTは、ユーザが操作部O
Pを介して入力する制御指令に従って、模擬受信信号発
生部R1〜Rm中のダイレクト・ディジタル・シンセサ
イザDDS1〜DDSnが発生する正弦波信号の周波数
を設定する。この周波数の変更は、必要に応じて数十か
ら百MHz 程度の高周波数領域までにわたって行われる。
【0026】制御部CNTは、同様に、ユーザが操作部
OPを介して入力する制御指令に従って、模擬受信信号
発生部R1〜Rm中のダイレクト・ディジタル・シンセ
サイザDDS1〜DDSnの各チャンネルの正弦波信号
の位相を設定する。さらに、制御回路CNTは、各ダイ
レクト・ディジタル・シンセサイザの内部に設置されて
いる乗算器に振幅調整用の振幅係数を供給することによ
り、各チャンネルの正弦波信号の振幅を設定する。この
ように、各チャンネルの正弦波信号の周波数、振幅およ
び位相が制御部CNTによって制御される。
【0027】再び図2を参照すると、ダイレクト・ディ
ジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnから出力され
濾波器を通過したアナログ正弦波信号は、前段の変調信
号発生部M1〜Mmの一つから供給され、n分配器で分
配された変調信号の一つとアナログ乗算器で乗算され
る。各アナログ乗算器は、バイポーラトランジスタで構
成されている。このように、アナログ乗算器をバイポー
ラトランジスタで構成することにより、これをミキサー
で構成する場合の問題点、すなわち、局発信号とする一
方の側の信号を大きなレベルに設定しなければならない
という難点が回避される。各アナログ乗算器から出力さ
れる各チャンネルの信号は、電波の到来方向に応じて振
幅と位相が設定された搬送波を模擬する正弦波信号に、
変調信号が重畳されることにより受信信号を模擬する信
号となる。
【0028】図1を参照すると、模擬受信信号発生部R
1〜Rmのそれぞれから出力された模擬受信信号は、次
段の模擬多重化信号合成部RMに出力され、アンテナ素
子に対応して想定されたチャンネルごとに多重化され
る。図4は、上記模擬受信信号発生部の後段に配置され
る模擬多重化受信信号合成部RMの構成を示すブロック
図である。前段のm個の模擬受信信号発生部R1〜Rm
のそれぞれから供給されるm個の模擬受信信号に含まれ
るnチャンネルの成分が、同一チャンネルの成分どうし
加算器ADで加算され、nチャンネルの模擬多重化受信
信号になる。各チャンネルの模擬多重化受信信号は、m
個の相互に独立な、あるいは、相互に適宜な相関を有す
る複数の信号源から送信され試験対象のアレイ・アンテ
ナに同時に入射し多重化信号として合成された受信信号
をアンテナ素子ごとの成分として分離したものである。
【0029】図1を参照すると、模擬多重化信号合成部
RMから出力されるnチャンネルの多重化信号の周波数
は数十から百MHz 程度である。この多重化信号は、次段
の周波数変換部FCにおいて周波数が数百MHz から数GH
z ほど高域側にシフトされ、数百MHz から数GHz の無線
周波数の多重化信号となる。図5は、周波数変換部FC
の構成を示すブロック図である。この周波数変換部FC
は、各チャンネルごとに設置されたアップコンバータ
と、各アップコンバータに数GHz の周波数の局発信号を
供給する局発信号発生器LCと、各アップコンバータの
出力を濾波する濾波回路とから構成されている。なお、
図5の下段に描かれたダウン・コンバータDCは、高い
周波数の較正用信号を低い周波数の較正用信号に周波数
変換するためのものである。この較正用信号とこれに対
する周波数変換については後述する。
【0030】図1を参照すると、周波数変換部FCで高
い周波数の多重化受信信号に変換された各チャンネルの
模擬多重化受信信号は、次段の振幅・雑音調整部ANに
おいて、ダイナミックレンジを拡張するために振幅の調
整が行われると共に、実際の受信環境を模擬するために
雑音が装加される。図6は、振幅・雑音調整部ANの構
成を示すブロック図である。この振幅・雑音調整部で
は、各チャンネルごとに、可変増幅器VA、雑音発生器
NGと加算器とから成る雑音装加回路および可変減衰器
ATが設置されている。可変増幅器の利得や可変減衰器
ATの減衰量が制御部CNTの制御のもとに調整され
る。また、雑音発生用ダイオードなどから成る雑音発生
回路NGでノイズが発生され、これが加算器ADにおい
て各チャンネルの多重化受信信号に重畳される。雑音発
生回路として、雑音を模擬するディジタル時系列データ
を発生させ、これをD/A変換することによりアナログ
雑音信号を発生させるようなものを使用することもでき
る。
【0031】図1を参照すると、振幅・雑音調整部AN
の後段に切替部SWが設置されており、振幅・雑音調整
部ANから出力された模擬多重化受信信号の各チャンネ
ルがこの切替部SWにおいて較正用信号として順次一つ
ずつ選択され、周波数変換部FCを経て低い周波数の較
正用信号に変換されて較正部CLに供給される。
【0032】図7は切替部SWの構成を示すブロック図
である。前段の振幅・雑音調整部ANから供給された模
擬多重化受信信号は、各チャンネルごとに設置されたス
イッチSW1〜SWnを経て各チャンネルの出力端子O
1〜Onに出力される。スイッチSW1〜SWnの一つ
が制御部CNTから供給される制御信号に従って切替え
られ、各チャンネルの信号が一つずつ順次切替えられて
較正信号選択回路SLに供給される。
【0033】較正信号選択回路SLに供給された各チャ
ンネルの模擬多重化受信信号は、チャンネル間のアイソ
レーションを向上させるために、制御部CNTから供給
される制御指令に従って再度選択され、高い周波数の較
正用信号として図1の周波数変換部FCに供給される。
実際の回路では、スイッチSW1〜SWnの一方の出力
端子から対応のチャンネルの出力端子O1〜Onのそれ
ぞれまでの信号伝達用線路の電気長と、スイッチSW1
〜SWnの他方の出力端子から較正信号選択回路SLま
での線路の電気長とがすべて等しくなるように形成され
ている。例えば、スイッチSW1〜SWnがプリント配
線板上で、較正信号選択回路SLを中心とする円周上に
配列される。
【0034】図5の周波数変換部FCを再び参照する
と、切替部SWで選択されたGHz 帯の高い周波数の較正
用信号が、ダウンコンバータDCの一方の信号入力端子
に供給される。このダウンコンバータの他方の信号入力
端子には、局発信号発生器LCから前述のアップコンバ
ータUCに供給された数GHz の周波数の局発信号が供給
される。ここで発生された低い周波数の較正用信号は、
濾波器を通過し、この周波数変換部FCにおいて周波数
が数GHz の高域にシフトされる前の数十から百MHz 程度
の周波数の多重化受信信号となり、図1の較正部CLに
供給される。
【0035】図8は、較正部CLの構成を示すブロック
図であり、変調信号選択回路MSL、アナログ乗算器
M、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0、
A/D変換器A/D0、A/D1および付属の濾波回路
を備えている。変調信号選択回路SLは図1の変調信号
発生回路M1〜Mmから供給される変調信号の一つを、
制御部CNTから供給される制御信号に従って選択し、
アナログ乗算器Mの一方の信号入力端子に供給する。
【0036】このアナログ乗算器の他方の信号入力端子
には、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0
の内部で発生され内蔵のD/A変換器でアナログ信号に
変換されたアナログ正弦波信号が濾波器を通して供給さ
れる。ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0
で発生されるアナログ正弦波信号の周波数と振幅とは、
図1の制御部CNTから供給されるクロック1と、制御
信号とに従って制御される。また、この正弦波信号の位
相は固定されている。クロック1と図1の模擬受信信号
発生部R1〜Rmのそれぞれに供給されるクロックは発
振周波数が同一のクロックであり、また制御信号により
設定される周波数も図1の模擬受信信号発生部R1〜R
mのそれぞれに設定される周波数と同じである。
【0037】この結果、アナログ乗算器Mから出力され
る信号(以下「基準信号」という)は、図1の模擬受信
信号発生部R1〜Rmのそれぞれで発生される模擬受信
信号とは周波数が同一で、同一の変調信号を含む信号と
なる。この基準信号は、位相が固定されているという点
で、図1の模擬受信信号発生部R1〜Rmのそれぞれで
発生される想定されるアレイアンテナへの到来方向に対
応して相互に種々の位相差が設定される模擬受信信号と
は異なる。
【0038】この基準信号は、濾波器を通ったのちA/
D変換器AD0でディジタル信号に変換され、測定情報
の一部としてバス上を制御部CNTに転送される。同様
に、切替部SWで較正用信号として選択され、周波数変
換部FCにおいて低い周波数の較正用信号に変換された
任意のチャンネルの模擬多重化受信信号がA/D変換器
AD1に供給される。ディジタル信号に変換された模擬
多重化受信信号は、測定情報の一部としてバス上を制御
部CNTに転送される。
【0039】制御部CNTは、較正部CLからバス上を
転送されてきたディジタル較正用信号の基準信号に対す
る振幅と位相差を検出することにより、模擬受信信号発
生部R1〜Rmから各チャンネルの出力端子O1〜On
までの信号線路や各種素子などを含む信号伝達経路上で
生ずる位相差と減衰量とを検出し、較正値として保存す
る。以下、想定された受信状況を試験するための各種の
試験条件に応じて各チャンネルに所望の振幅と位相を設
定する処理を、較正処理を含めて説明する。
【0040】1)変調信号1〜mが無変調かつ所望の周
波数と振幅になるように変調信号発生部M1〜Mmを設
定する。この場合、無変調の正弦波信号が発生される。
振幅・雑音調整部AN内の可変増幅器VAと可変減衰器
ATとを所定の値に設定し、雑音発生器NGの動作を停
止させる。 2)変調信号発生部M1のみを動作させ、残りの変調信
号発生部M2〜Mmの動作を停止させる。 3)模擬受信信号発生部R1のダイレクト・ディジタル
・シンセサイザDDS1〜DDSnを所望の同一周波
数、同位相、同振幅で動作させる。 4)模擬受信信号発生部R2〜Rmの動作を停止させ
る。 5)較正部CL内の変調信号選択回路MSLを制御し、
変調信号1をアナログ乗算器Mに入力させる。 6)較正部CL内のダイレクト・ディジタル・シンセサ
イザDDS0から模擬受信信号発生部R1内のダイレク
ト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDnと同一
の周波数で信号が出力されるように、このダイレクト・
ディジタル・シンセサイザDDS0を制御する。
【0041】7)切替部SWのチャンネル1のスイッチ
SW1を制御し、チャンネル1の模擬多重化受信信号を
較正信号選択回路SLに供給する。 8)切替部SWのチャンネル2〜nのスイッチSW2〜
SWnを制御し、チャンネル2〜nの疑似多重化受信信
号が出力端子O2〜Onに出力されるように設定する。 9)切替部SWの較正部信号選択回路SLを制御し、チ
ャンネル1のSW1から供給される模擬多重化受信信号
を較正用信号として選択させる。 10)較正部CLのA/D変換器A/D0,A/D1から
バス上を転送されてくるディジタル化された基準信号の
位相と振幅を複素数Y0として検出し、チャンネル1の
ディジタル較正用信号Y1を同様に検出する。 11) X1=Y1/Y0を算定し、保存する。ここで、変
数XとYに続く数字「1」は選択中のチャンネル番号
「1」に対応する。
【0042】12) 上記ステップ7)に戻り、切替部SW
のチャンネル1のスイッチSW1を制御してチャンネル
1の模擬多重化受信信号を出力端子O1に出力させ、代
わりにチャンネル2のスイッチSW2を制御し、チャン
ネル2の模擬多重化受信信号を較正信号選択回路SLに
供給する。この状態で、上記ステップ7)からステップ
11)までの処理を反復することにより、チャンネル2
のディジタル較正用信号について、X2=Y2/Y0を
算定し、保存する。 13) 以下同様にして、チャンネル3からチャンネルnま
での模擬多重化受信信号についてステップ7からステッ
プ11までの処理を反復することにより、X3〜Xnを
算定し、保存する。 14) C11=X1/X1,C12=X2/X1,C13
=X3/X1・・・・・C1n=Xn/X1を算定し、
保存する。
【0043】15) ステップ2)に戻り、変調信号発生部
M2のみを動作させる。すなわち、変調信号発生部M1
の動作を停止させ、代わりに、変調信号発生部M2の動
作を開始させる。模擬受信信号発生部R2からの出力に
対して、ステップ3)からステップ14)までの動作を
反復することにより、C21=X1/X1,C22=X
2/X1,C23=X3/X1・・・・・C2n=Xn
/X1を算定し、保存する。 16) 次に、ステップ2)に戻り、変調信号発生器Mi
(i=3〜m)のみを動作させ、対応の模擬受信信号発
生部Riからの出力に対して、ステップ2)からステッ
プ14)までの動作を反復することにより、Ci1=X
1/X1,Ci2=X2/X1,Ci3=X3/X1・
・・・・Cin=Xn/X1(i=3〜m)を算定して
保存する処理をi=3からmまで反復する。 16) 上記処理で得られた複素数C11〜Cmnを較正値
として保存する。 17) 切替部SWの切替器SW1〜SWnの全てを模擬多
重化信号が出力端子O1〜Onに出力されるように切替
える。
【0044】以上のようにして較正が終了する。引き続
き、制御部CNTは、 18) 模擬信号発生部R1〜Rmの各チャンネルのダイレ
クト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnに
想定する到来方向などから算定される位相と振幅とを設
定する。この際、Bpq=Apq/Cpqとして算定さ
れるBpqが設定される。ただし、Apqは出力端子O
1〜Onにおける所望の設定値、Bpqは実際にダイレ
クト・ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnに
設定する値である。 19) 変調信号発生部M1〜Mmに所望の変調方式の変調
信号を発生させる。 20) 振幅・雑音調整部ANの雑音発生器NGが所望の雑
音を発生するように、制御部CNTから制御信号を供給
する。
【0045】操作部OPから制御部CNTに指定される
試験条件(例えば、受信電波の到来方向)に基づいて設
定される各チャンネルの正弦波信号の位相差や振幅比
は、理論的に算定されたものであってもよく、あるい
は、実際のアレイアンテナについて実験的に得られたも
のであってもよい。
【0046】例えば、空間的に配置されたアレイアンテ
ナに方位角θ、仰角φの方向から信号が到来した場合、
( xi , yi , zi )の位置に配置されたi番目のアン
テナ素子の指向性を Bi ( θ,φ, f)とすれば、j番
目の到来波に対するi番目のアンテナ素子の受信電圧E
ij(t) は次式で与えられる。 Eji (t)=Ej0(t)Bi ( θj , φj ,fj ) exp[j( 2πf
j /c ( x i sinθj sin φj +y i cosθj sin φj +z
i cos φj )] これは、 Eji (t)=Ej0(t)Ai ( θj , φj ,fj ) と記述できる。従って、模擬受信信号発生部RjのDD
Siに対し、Ai ( θj , φj ,fj )に対応する周波数
と位相と振幅とを設定すればよい。ただし、fj はj番
目の到来波の周波数、cは電波の伝播速度、Ej0(t)は
基準点におけるj番目の到来波の受信信号である。
【0047】本発明の信号発生装置は、模擬多重化受信
信号として周波数ホッピング信号を発生させることもで
きる。この周波数ホッピング信号は、送信側と受信側と
で予め了解済みの所定の規則に従って搬送波の周波数が
次々に変更されるような信号である。これを模擬するた
めに、模擬受信信号発生部R1〜Rm内のダイレクト・
ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnから出力
される変調信号の周波数が所定の規則に従って変更され
る。これと同時にアンテナ素子の応答を示す複素数A
(θ,Φ,f)を変更するために、DDS1〜DDSn
から出力される振幅や位相が変更される。
【0048】以上、模擬受信信号の周波数を数百MHz か
ら数GHz の高域にシフトするため周波数変換部を設置す
る構成を例示した。しかしながら、そのような高い周波
数の模擬受信信号を必要としない場合には、そのような
周波数変換部の設置が省略できる。また、この場合、較
正用信号に対するダウンコンバータも不要になることは
明らかである。
【0049】また、本発明の信号発生装置を、アレイア
ンテナによる受信信号を模擬するために利用する場合を
例示した。しかしながら、本発明の信号発生装置は、他
の信号を模擬したり、あるいは、音波探知用のマイクロ
ホン・アレイなど他の目的のために利用することもてき
る。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の信
号発生装置によれば、制御可能な周波数、位相および振
幅の正弦波信号群を発生する複数のダイレクト・ディジ
タル・シンセサイザを制御することにより種々の到来方
向の受信信号を模擬する所望の正弦波信号群を発生する
構成であるから、数十から百MHz の周波数の試験信号を
簡易・安価な回路構成のもとに発生できるという効果が
奏される。
【0051】本発明の一つの好適な実施の形態によれ
ば、各チャンネルの出力端子における模擬多重化信号に
含まれる各模擬受信信号と、模擬受信信号発生部で発生
された模擬受信信号との間の振幅比と位相差を検出し
て、設定しようとする模擬受信信号の振幅比と位相差を
較正するというフィードバック方式が採用される。この
ため、各チャンネル間の信号の位相と振幅との関係を、
長い線路長と多数の素子を含む大規模な信号発生装置内
で調整するための労力と時間とが大幅に削減でき、装置
の製造費用と使用中の性能を維持するための保守費用の
低廉化が実現される。また、高い動作の安定性を必ずし
も要しない安価な素子や回路の使用も可能になり、装置
の一層の低廉化が実現される。
【0052】このようなフィードバック方式を採用した
ことにより、本信号発生装置が比較的構成が複雑で規模
が大きいにもかかわらず、各チャンネル間の信号線路の
電気長を正確に一致させなければならない箇所は、図7
に示した切替部SW内だけとなる。より厳密に言えば、
切替部SW内の各チャンネルのスイッチSW1〜SWn
の信号出力端子から較正用信号選択回路SLの各信号入
力端子までの電気長を一致させるだけでよい。その理由
は以下の通りである。
【0053】まず、較正用信号選択回路SLの信号出力
端子から較正部CLのA/D変換器A/D0の信号入力
端子までの較正用信号の伝達線路については、これが各
チャンネルに共通であるため、その電気長は任意の値に
設定できる。この結果、この信号経路内に周波数変換部
FCのダウンコンバータを挿入することも可能になる。
また、各模擬受信信号発生部R1〜Rmの出力端子か
ら、上記切替部SW内のスイッチSW1〜SWnの信号
入力端子までの線路の電気長や各種素子の伝搬遅延時間
の差は各チャンネルについて較正値を検出し、検出した
較正値を用いて所望の設定値を補正することにより、電
気長や素子による遅延時間を合わせ込む必要がなくな
る。特に、各チャンネルの較正値を、上述したように特
定のチャンネル(上記例ではチャンネル1)を基準に規
格化しておくことにより、各チャンネル間の模擬信号に
必要な振幅と位相を容易に設定することが可能になる。
【0054】本発明の他の好適な実施の形態によれば、
周波数変換や雑音装加の機能を有しているので、各種の
試験を行うための実際的な信号を発生させることができ
る。
【0055】本発明の更に他の好適な実施の形態によれ
ば、較正用信号の周波数を高域へのシフト量に等しい周
波数だけ低域にシフトすることにより低い周波数領域で
基準信号に対する振幅比と位相差を検出する構成である
から、一層の回路の簡易化、精度の向上が可能になる。
【0056】本発明の他の好適な実施の形態によれば、
模擬受信信号を生成する乗算器がアナログ乗算器で構成
されている。このため、これをミキサーで構成する場合
のような大きなレベルの局発信号を必要とするという難
点が解決される。
【0057】本発明の更に他の好適な実施の形態によれ
ば、制御部が周波数ホッピング信号を疑似する信号を発
生させたり、電波源の移動を想定したドップラーシフト
を受けた模擬受信信号を発生させる手段を備える構成で
あるから、より広範囲の試験用信号を発生できるという
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の信号発生装置の全体構成を
示す機能ブロック図である。
【図2】図1の信号発生装置の模擬受信信号発生部R1
〜Rmの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】図2中のダイレクト・ディジタル・シンセサイ
ザDDSiの構成と動作を説明するための概念図であ
る。
【図4】図1中の模擬多重化受信信号合成部RMの構成
の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】図1中の周波数変換部FCの構成の一例を示す
機能ブロック図である。
【図6】図1中の振幅・雑音調整部ANの構成の一例を
示す機能ブロック図である。
【図7】図1中の切替部SWの構成の一例を示す機能ブ
ロック図である。
【図8】図1中の較正部CLの構成の一例を示す機能ブ
ロック図である。
【図9】従来の信号発生装置の構成の一例を示す機能ブ
ロック図である。
【図10】従来の信号発生装置の構成の他の一例を示す
機能ブロック図である。
【符号の説明】
M1〜Mm 変調信号発生部 R1〜Rm 模擬受信信号発生部 RM 模擬多重化信号合成部 FC 周波数変換部 AN 振幅・雑音調整部 SW 切替部 CL 較正部 CNT 制御部 O1〜On 出力端子 OP 操作部 DDS0〜DDSn ダイレクト・ディジタル・シンセサイザ M アナログ乗算器 MM 正弦波形保持メモリ A アドレス発生回路 MSL 変調信号選択回路 A/D0,A/D1 A/D変換器 SL 較正用信号選択回路
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月26日(2001.2.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決する本発明の信号発生装置は、相互に独立な、または
相互に適宜な相関を有する変調信号を発生し出力するm
個の変調信号発生部(mは2以上の自然数)と、アレイ
アンテナへの到来電波の想定された受信状況に応じてこ
のアレイアンテナを構成するn個のアンテナ素子(nは
2以上の自然数)に受信される信号の周波数、振幅およ
び位相を模擬するために変更可能な周波数、振幅および
位相の正弦波信号を各アンテナ素子に対応するn個のチ
ャンネル成分として発生するn個のダイレクト・ディジ
タル・シンセサイザおよび、これらダイレクト・ディジ
タル・シンセサイザから出力されるn個のチャンネル成
分のそれぞれと前記変調信号発生部のm個の変調信号発
生回路の一つから出力される変調信号とを乗算すること
によりそれぞれがn個のチャンネル成分から成る模擬受
信信号を生成する複数の乗算器とをそれぞれ備えたm個
の模擬受信信号発生部と、これらm個の模擬受信信号発
生部から出力されるm個の模擬受信信号を対応のチャン
ネル成分どうし合成することにより各アンテナ素子に受
信されるm個の受信信号が多重化されたn個のチャンネ
ル成分から成る模擬多重化受信信号を生成する模擬多重
信号合成部と、この模擬多重信号合成部で合成された各
模擬多重化受信信号のn個のチャンネル成分を出力する
n個の出力端子と、上記模擬受信信号発生部を制御する
と共に上記各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジ
タル・シンセサイザに前記アレイアンテナの想定された
受信状況を模擬するための周波数、振幅および位相を設
定する制御部とを備えている。すなわち本発明の信号発
生装置によれば、制御可能な周波数、位相および振幅の
正弦波信号を発生する複数のダイレクト・ディジタル・
シンセサイザを制御することによって相互に所望の周波
、位相および振幅を有する複数の正弦波信号を発生
し、これらの正弦波信号と分配された変調信号をそれぞ
れ乗算し濾波することにより、高周波の試験用信号を簡
易・安価な回路構成のもとに発生できるという効果が奏
される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一つの好適な実施の形態
によれば、この信号発生装置は、更に、変調信号発生部
から出力される変調信号が無変調状態に設定された状態
でn個の出力端子に出力される各模擬多重化受信信号の
各チャンネル成分の信号伝達経路を切替えることにより
各模擬多重化受信信号の一つを較正用信号として順次選
択する切替部と、この選択された較正用信号と、変調信
号発生部から出力される無変調状態に設定された無変調
信号に各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジタル
・シンセサイザに設定された周波数と同一の正弦波信号
を乗算した信号との振幅比と位相差を無変調信号を一つ
ずつ有効にしながら検出してゆくことにより、n個の出
力端子のそれぞれにおける各模擬受信信号の振幅比と位
相差を較正値として検出する較正部とを更に備えてい
る。そして、上記制御部は、較正部で検出された較正値
に基づき各模擬受信信号発生部のダイレクト・ディジタ
ル・シンセサイザにアレイアンテナの想定される受信状
況を模擬するための周波数、振幅および位相を設定する
というフィードバック方式が採用される。このフィード
バック方式の採用により、長い信号線路と多数の素子を
含む大規模な装置の内部において各チャンネル間の信号
の位相や振幅の関係を調整するための労力と時間とが大
幅に削減でき、製造費用と使用時の性能を維持するため
の保守費用の低廉化が実現される。また、必ずしも高い
動作の安定性を要としない安価な素子や回路の使用も可
能になり、装置の一層の低廉化が実現される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】再び図2を参照すると、ダイレクト・ディ
ジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnから出力され
濾波器を通過したアナログ正弦波信号は、前段の変調信
号発生部M1〜Mmの一つから供給され、n分配器で分
配された変調信号の一つとアナログ乗算器で乗算され
る。各アナログ乗算器は、バイポーラトランジスタで構
成されている。このように、アナログ乗算器をバイポー
ラトランジスタで構成することにより、これをミキサー
で構成する場合の問題点、すなわち、局発信号とする一
方の側の信号を大きなレベルに設定しなければならない
という難点が回避される。各アナログ乗算器から出力さ
れる各チャンネルの信号は、電波の到来方向に応じて振
幅と位相が設定された正弦波信号に、変調信号が重畳さ
れることにより受信信号を模擬する信号となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】図7は切替部SWの構成を示すブロック図
である。前段の振幅・雑音調整部ANから供給された模
擬多重化受信信号は、各チャンネルごとに設置されたス
イッチSW1〜SWnを経て各チャンネルの出力端子O
1〜Onに出力される。スイッチSW1〜SWnの一つ
が制御部CNTから供給される制御信号に従って切替え
られ、各チャンネルの信号が一つずつ順次較正信号選択
回路SLに供給される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】図8は、較正部CLの構成を示すブロック
図であり、変調信号選択回路MSL、アナログ乗算器
M、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザDDS0、
A/D変換器A/D0、A/D1および付属の濾波回路
を備えている。変調信号選択回路SLは図1の変調信
号発生回路M1〜Mmから供給される変調信号の一つ
を、制御部CNTから供給される制御信号に従って選択
し、アナログ乗算器Mの一方の信号入力端子に供給す
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】この基準信号は、濾波器を通ったのちA/
D変換器AD0でディジタル信号に変換され、測定情
報の一部としてバス上を制御部CNTに転送される。同
様に、切替部SWで較正用信号として選択され、周波数
変換部FCにおいて低い周波数の較正用信号に変換され
た任意のチャンネルの模擬多重化受信信号がA/D変換
器AD1に供給される。ディジタル信号に変換された
模擬多重化受信信号は、測定情報の一部としてバス上を
制御部CNTに転送される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】例えば、空間的に配置されたアレイアンテ
ナに方位角θ、仰角φの方向から信号が到来した場合、
( xi , yi , zi )の位置に配置されたi番目のアン
テナ素子の指向性を Bi ( θ,φ, f)とすれば、j番
目の到来波に対するi番目のアンテナ素子の受信電圧E
ji (t)は次式で与えられる。 Eji (t)=Ej0(t)Bi ( θj , φj ,fj ) exp[j( 2πf
j /c ( x i sinθj sin φj +y i cosθj sin φj +z
i cos φj )] これは、 Eji (t)=Ej0(t)Ai ( θj , φj ,fj ) と記述できる。従って、模擬受信信号発生部RjのDD
Siに対し、Ai ( θj , φj ,fj )に対応する周波数
と位相と振幅とを設定すればよい。ただし、fj はj番
目の到来波の周波数、cは電波の伝播速度、Ej0(t)は
基準点におけるj番目の到来波の受信信号である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】本発明の信号発生装置は、模擬多重化受信
信号として周波数ホッピング信号を発生させることもで
きる。この周波数ホッピング信号は、送信側と受信側と
で予め了解済みの所定の規則に従って搬送波の周波数が
次々に変更されるような信号である。これを模擬するた
めに、模擬受信信号発生部R1〜Rm内のダイレクト・
ディジタル・シンセサイザDDS1〜DDSnから出力
される周波数や変調信号発生部M1〜Mmから出力され
変調信号の周波数が所定の規則に従って変更される。
これと同時にアンテナ素子の応答を示す複素数A(θ,
Φ,f)を変更するために、DDS1〜DDSnから出
力される振幅や位相が変更される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J021 AA05 AA06 CA06 DB02 DB03 DB04 EA04 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA26 FA29 FA30 FA32 GA02 HA05 HA10 5K042 CA23 DA16 DA21 EA13 EA14 LA11 5K059 CC03 CC04 DD37 5K067 AA41 EE10 KK03 LL08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相互に独立な、または相互に適宜な相関を
    有する変調信号を発生し出力するm個の変調信号発生部
    (mは2以上の自然数)と、 アレイアンテナの想定された受信状況に応じてこのアレ
    イアンテナを構成するn個のアンテナ素子(nは2以上
    の自然数)に受信される信号の周波数、振幅および位相
    の模擬するために変更可能な周波数、振幅および位相の
    正弦波信号を各アンテナ素子に対応するn個のチャンネ
    ル成分として発生するn個のダイレクト・ディジタル・
    シンセサイザおよび、これらダイレクト・ディジタル・
    シンセサイザから出力されるn個のチャンネル成分のそ
    れぞれと前記変調信号発生部のm個の変調信号発生回路
    の一つから出力される変調信号とを乗算することにより
    それぞれがn個のチャンネル成分から成る模擬受信信号
    を生成する複数の乗算器とをそれぞれ備えたm個の模擬
    受信信号発生部と、 これらm個の模擬受信信号発生部から出力されるm個の
    模擬受信信号を対応のチャンネル成分どうし合成するこ
    とにより各アンテナ素子に受信されるm個の受信信号が
    多重化されたn個のチャンネル成分から成る模擬多重化
    受信信号を生成する模擬多重信号合成部と、 この模擬多重信号合成部で合成された模擬多重化受信信
    号のn個のチャンネル成分を出力するn個の出力端子
    と、 前記模擬受信信号発生部を制御すると共に、前記各模擬
    受信信号発生部のダイレクト・ディジタル・シンセサイ
    ザに前記アレイアンテナの想定された受信状況を模擬す
    るための周波数、振幅および位相を設定する制御部とを
    備えたことを特徴とする信号発生装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記変調信号発生部から出力される変調信号が無変調状
    態に設定された状態で前記n個の出力端子に出力される
    前記各模擬多重化受信信号の各チャンネル成分の信号伝
    達経路を切替えることにより各模擬多重化受信信号の一
    つを較正用信号として順次選択する切替部と、 この選択された較正用信号と、前記変調信号発生部から
    出力される無変調状態に設定された無変調信号に前記ダ
    イレクト・ディジタル・シンセサイザに設定された周波
    数と同一の正弦波信号を乗算した信号との振幅比と位相
    差を前記無変調信号を一つずつ有効にしながら検出して
    ゆくことにより、前記n個の出力端子のそれぞれにおけ
    る各模擬受信信号の振幅比と位相差を較正値として検出
    する較正部とを更に備え、 前記制御部は、前記較正部で検出された較正値に基づき
    前記想定された受信状況を模擬するための周波数、振幅
    および位相を前記ダイレクト・ディジタル・シンセサイ
    ザに設定することを特徴とする信号発生装置。
  3. 【請求項3】請求項1と2のそれぞれにおいて、 前記模擬多重化受信信号合成部と前記n個の出力端子と
    の間に模擬多重化受信信号の周波数を高域にシフトする
    周波数変換部が設置されると共に、前記較正用信号の周
    波数を前記高域へのシフト量に等しい周波数だけ低域に
    シフトする周波数変換手段を備えたことを特徴とする信
    号発生装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のそれぞれにおいて、 前記模擬受信信号を生成する乗算器は、前記ダイレクト
    ・ディジタル・シンセサイザで発生されたアナログの正
    弦波信号と前記変調信号発生部で発生されたアナログの
    変調信号とを乗算することによりアナログの模擬受信信
    号を生成するバイポーラ・トランジスタなどから成るの
    アナログ乗算器で構成されることを特徴とする信号発生
    装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のそれぞれにおいて、 前記制御部は、前記各ダイレクト・ディジタル・シンセ
    サイザの周波数を無作為的又は疑似無作為的に変更する
    ことにより周波数ホッピング信号を疑似する信号を発生
    させる手段を備えたことを特徴とする信号発生装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のそれぞれにおいて、 前記制御部は、電波源の移動を想定したドップラーシフ
    トを受けた模擬受信信号を発生させる手段を備えたこと
    を特徴とする信号発生装置。
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