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JP2002243926A - カラーフィルタおよびその製造方法並びに液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタおよびその製造方法並びに液晶表示装置

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Publication number
JP2002243926A
JP2002243926A JP2001036870A JP2001036870A JP2002243926A JP 2002243926 A JP2002243926 A JP 2002243926A JP 2001036870 A JP2001036870 A JP 2001036870A JP 2001036870 A JP2001036870 A JP 2001036870A JP 2002243926 A JP2002243926 A JP 2002243926A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color filter
polishing
peripheral
resin
black matrix
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001036870A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiko Hatano
智彦 幡野
Tetsuya Oku
徹也 奥
Shinji Tomimatsu
伸二 富松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001036870A priority Critical patent/JP2002243926A/ja
Publication of JP2002243926A publication Critical patent/JP2002243926A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた平坦性と残渣等の不純物が少ない液晶表
示素子用カラーフィルタで着色層を形成した後に全面研
磨を実施した時に該カラーフィルタの周辺に形成された
周辺マークが欠落、欠損することを防ぐ。 【解決手段】透明基板上に、少なくとも3原色のそれぞ
れの着色層を設けたカラーフィルタにおいて、該カラー
フィルタの非表示領域にあるアライメントマーク等の周
辺マークの周りに保護パターンを設け、着色層形成後に
全面研磨を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子に使
用されるカラーフィルタおよびその製造方法並びに液晶
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラーフィルタは、透明基板上に
形成された赤、緑、青の3原色の着色層を一絵素として
多数の絵素から構成されている。そして、各着色層間に
は、表示コントラストを高めるために遮光領域(画面上
では、一般に黒色に見えることから、ブラックマトリク
スと称されている)が設けられている。
【0003】カラーフィルタ上に着色層を形成する方法
としては、フォトリソグラフィ法を用いて形成した可染
媒体を染色する方法、感光性の顔料分散組成物を用いる
方法、非感光性の顔料分散組成物をエッチングする方
法、パターニングした電極を利用した電着法、低コスト
の製造方法として印刷法やインクジェット法で着色部分
を形成する方法、フィルム上に形成された着色パターン
をガラス基板に転写する方法などがある。
【0004】カラーフィルタのブラックマトリクスは、
微細にパターニングされた金属薄膜、あるいは遮光剤に
より着色された樹脂をパターニングすることにより形成
されることが多い。また、この他に着色層を2層または
それ以上重ねてブラックマトリクス層とすることも可能
である。
【0005】着色層を形成した後、必要によりオーバー
コート層や透明電極が形成される。
【0006】カラー液晶表示素子はこのようなカラーフ
ィルタ基板と他の透明基板を貼り合わせ、これら2枚の
基板の間隙に液晶を90度(TN方式)、あるいはそれ
以上(STN方式)捻って配向させる構成であった。ま
た、液晶分子を基板に平行に同一方向に配向させる方式
(IPS方式)や液晶分子を基板に垂直に配向させる方
式(VA方式)、さらにはスプレイ配向させる方式(O
CB方式)などもある。
【0007】カラーフィルタと対向する他の透明基板と
しては、薄膜トランジスタ(TFT)を形成する場合、
薄膜ダイオードを形成する場合、透明電極をストライプ
状に形成し、カラーフィルタ側に形成されたストライプ
状の透明電極とマトリックスを形成する場合などがあ
る。
【0008】カラーフィルタ基板と他の透明基板を貼り
合わせる時にはμmオーダーまたはそれ以下の精密な位
置合わせ精度が要求されるため、基板上に形成された
「十」や「□」、「○」などの形状をしたアライメント
マークと呼ばれるマーク類を用いて精密に位置合わせが
なされた後に貼り合わせられる。これらのマークは、通
常10〜100μm幅程度の微細なパターンで、孤立し
て形成されている。
【0009】アライメントマークは基板の貼り合わせの
他、配向膜のパターン印刷の位置合わせや偏光板の位置
合わせなど様々な工程で用いられる。使用するマーク読
みとり装置や画像処理方法によりマークの大きさや線幅
は異なり、1枚のカラーフィルター基板に複数の種類の
マークが複数の箇所に形成される。
【0010】カラーフィルタ基板に形成されるアライメ
ントマークは表示領域の外に配置され、周辺マークとも
呼ばれる。ここで表示領域とは図1に示したカラーフィ
ルタ模式図の1で示した領域で、パネルに貼り合わせた
後にはこの領域より外側は切断される。これに対して図
1の2で示した周辺領域に周辺マークは形成される。
【0011】通常このマークはブラックマトリクス形成
時にブラックマトリクスと同一材料で形成されることが
多いが、着色層を形成する時に着色層と同一パターンで
形成する場合もある。
【0012】液晶表示装置は液晶分子に電圧を印加し、
その配向方向を変化させ、これにより液晶層を通過する
光の偏光方向を変化させることで表示を行う。このた
め、カラーフィルタ基板の僅かな凹凸により液晶分子の
配向乱れが生じたり、顔料残渣などに起因する汚れが基
板表面の存在することで液晶に印加される実効電圧が局
所的に異なる場合などには、表示ムラが発生する。特
に、近年広い視野角特性を有することを特徴として広ま
っているIPS方式やVA方式では従来からあるTN方
式に比べて厳しい平坦性が要求される。また低消費電力
および高速応答を目的として低電圧で駆動する液晶が使
用されるようになったため、残渣などの汚れによる実行
電圧の印加ムラが表示に与える影響はより強くなってい
る。
【0013】平坦性の改善や残渣などの汚れを低減させ
る方法として、着色層を形成した後に透明性の高い樹脂
からなるオーバーコート膜を設ける方法や基板を着色層
を形成した後に基板を全面研磨する方法などが知られて
いる。
【0014】しかし、このように、平坦性の向上あるい
は残渣除去を目的に着色層形成後の基板を研磨処理を実
施した場合、表示領域にある着色層の表面を削ることに
要する力が孤立した周辺マーク類にかかるため、周辺マ
ークは削れ易く、時には消滅あるいは部分的な欠落を生
じる。
【0015】また、一般に基板外周部は内側に比べて削
れやすく、特許第3034669号に記載されているよ
うに、ダミー画素を画素周辺部に付けることで表示領域
最外部の画素が過剰に研磨されることを防ぐことが知ら
れている。
【0016】しかし、周辺のマークは研磨されやすい基
板外周部にあることに加えて、微細なマークが孤立して
存在しているという問題があるため、周辺が画素よりさ
らに傷つき易く削れやすくなっている。
【0017】特に、周辺マークが着色層や樹脂ブラック
マトリクスと同一材料で形成されている場合には、Cr
などの金属に比べて傷つき削れ易いので特に問題が生じ
やすい。
【0018】このような場合、カラーフィルタと対向す
る透明基板を重ね合わせる場合などにアライメントマー
クが無いために読みとりが不能となり、表示装置を作る
ことができなくなったり、あるいは誤検出をして貼り合
わせ精度が悪い液晶表示ができ上がり、光漏れなどの表
示不良を引き起こす時もある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決するためになされたもので、カラーフィルタ
の周辺領域にある周辺マークの欠落や欠損がない平坦性
に優れ、残渣などの不純物が少ないカラーフィルタおよ
びその製造方法並びに表示品位にすぐれた液晶表示装置
を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】しかし、本願発明者ら
は、鋭意検討の結果、上記目的を達成するカラーフィル
タ、その製造方法及び液晶表示装置を見出した。すなわ
ち、本発明のカラーフィルター、その製造方法及び液晶
表示装置は以下の構成からなる。
【0021】(1)透明基板上に少なくとも3原色のそ
れぞれの着色層を設けたカラーフィルタにおいて、該透
明基板上の画面外に周辺マークを形成するともに、該周
辺マークの周囲にさらに保護パターンを形成したことを
特徴とするカラーフィルタ。
【0022】(2)透明基板上に少なくとも遮光材を樹
脂中に分散させてなるブラックマトリクス層が形成さ
れ、該ブラックマトリクスの開口部およびブラックマト
リクス上の一部に3原色のそれぞれの着色層を設けたこ
とを特徴とする前記(1)に記載のカラーフィルタ。
【0023】(3)前記周辺マークおよび/または保護
パターンがブラックマトリクス層または3原色の着色層
の少なくとも1つからなることを特徴とする前記(1)
または(2)に記載のカラーフィルタ。
【0024】(4)前記周辺マークの周囲に形成される
保護パターンの膜厚が周辺マークの膜厚と同じかもしく
はより厚くしたことを特徴とする前記(1)ないし
(3)のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【0025】(5)前記保護パターンの研磨速度が周辺
マークの研磨速度よりも遅いことを特徴とする前記
(1)ないし(4)のいずれかに記載のカラーフィル
タ。
【0026】(6)前記保護パターンの上に保護膜およ
び/または透明電極が形成されていることを特徴とする
前記(1)ないし(5)のいずれかに記載のカラーフィ
ルタ。
【0027】(7)前記保護パターンがブラックマトリ
クス層、または3原色の着色層の中で最後に塗布加工さ
れる材料で形成されていることを特徴とする前記(1)
ないし(6)のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【0028】(8)透明基板上に少なくとも3原色のそ
れぞれの着色層を設けたカラーフィルタの製造方法にお
いて、該透明基板上の画面外に周辺マークを形成し、さ
らに該周辺マークの周囲に保護パターンを形成すること
を特徴とするラーフィルタの製造方法。
【0029】(9)前記周辺マークと保護パターンを形
成した後に研磨することを特徴とする前記(8)に記載
のカラーフィルタの製造方法。
【0030】(10)前記研磨を、スラリーおよび研磨
布を用いて行うことを特徴とする前記(9)に記載のカ
ラーフィルタの製造方法。
【0031】(11)前記研磨を、アルミナ粉末を含む
スラリーを用いて行うことを特徴とする前記(9)また
は(10)に記載のカラーフィルタの製造方法。
【0032】(12)前記研磨をシリカ粉末を含むスラ
リーを用いて行うことを特徴とする前記(9)ないし
(11)のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方
法。
【0033】(13)前記(1)ないし(7)のいずれ
かに記載のカラーフィルタを用いたことを特徴とする液
晶表示装置。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0035】本発明の液晶表示素子用カラーフィルタ
は、透明基板上に、3原色からなる着色層を塗布、パタ
ーン加工することからなる。3原色を形成する前に、遮
光剤を樹脂中に分散させてなるブラックマトリクス層を
設ける場合、3原色のうち2色あるいは3色を重ね合わ
せて遮光部を形成することもある。
【0036】本発明に用いられる透明基板としては、特
に限定されるものではなく、石英ガラス、ホウケイ酸ガ
ラス、アルミノケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートし
たソーダライムガラスなどの無機ガラス類、有機プラス
チックのフィルムまたはシートなどが好ましく用いられ
る。
【0037】ブラックマトリクス層としてはCr、Cr
Oxなどの金属薄膜を用いる場合もあるが、遮光剤を樹
脂中に分散させてなる薄膜を用いる方がより好ましい。
また、広視野角特性の点から注目されているIPS方式
のLCD用としてはその表示特性を良好にするためにブ
ラックマトリクス層として遮光剤を分散させた樹脂薄膜
の方が好ましく用いられている。
【0038】ブラックマトリクス層に用いられる樹脂と
しては、特に限定されないが、エポキシ系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
イミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの感光性また
は非感光性の材料が好ましく用いられる。ブラックマト
リクス層用樹脂は、画素や保護膜に用いられる樹脂より
も高い耐熱性を有する樹脂が好ましく、また、ブラック
マトリクス形成後の工程で使用される有機溶剤に耐性を
持つ樹脂が好ましいことからポリイミド系樹脂が特に好
ましく用いられる。
【0039】ここで、ポリイミド樹脂としては、特に限
定されるものではないが、通常下記一般式(I)で表さ
れる構造単位を主成分とするポリイミド前駆体(n=1
〜2)を加熱または適当な触媒によってイミド化したも
のが好適に用いられる。
【0040】
【化1】
【0041】また、ポリイミド系樹脂には、イミド結合
の他に、アミド結合、スルホン結合、エーテル結合、カ
ルボニル結合などのイミド結合以外の結合が含まれてい
ても差し支えない。
【0042】上記一般式(I)中、R1は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する3価または4価の有機基であ
る。耐熱性の面から、R1は環状炭化水素、芳香族また
は芳香族複素環を含有し、かつ、炭素数6〜30の3価
または4価の基が好ましい。R1の例としてフェニル
基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペ
リレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルホン
基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェ
ニルトリフルオロプロパン基、シクロブチル基、シクロ
ペンチル基などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0043】R2は少なくとも2個以上の炭素原子を有
する2価の有機基であるが、耐熱性の面から、R2は環
状炭化水素、芳香族環または芳香族樹脂環を含有し、か
つ炭素数6〜30の2価の基が好ましい。R2の例とし
て、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフ
タレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェ
ニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノ
ン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニル
メタン基、シクロヘキシルメタン基などが挙げられるが
これらに限定されない。構造単位(I)を主成分とする
ポリマーはR1、R2がこれらのうち各々1種から構成
されていてもよいし、各々2種以上から構成される共重
合体であってもよい。さらに、基板との接着性を向上さ
せるために、耐熱性を低下させない範囲でジアミン成分
として、シロキサン構造を有するビス(3−アミノプロ
ピル)テトラメチルジシロキサンなどを共重合するのが
好ましい。
【0044】構造単位(I)を主成分とするポリマーの
具体的な例として、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,
4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルトリフルオロプロパンテト
ラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−ト
リカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物などからなる
群から選ばれた1種以上のカルボン酸二無水物とパラフ
ェニレンジアミン、3,3’−ジアミノフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、3,4’−
ジアミノフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられるが、
これらに限定されない。これらのポリイミド前駆体は公
知の方法、すなわち、テトラカルボン酸二無水物とジア
ミンを選択的に組み合わせて、溶媒中で反応させること
により合成される。
【0045】ブラックマトリクス用遮光剤としては、カ
ーボンブラック、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化
物粉、金属硫化物粉、金属粉の他に、赤、青、緑色の顔
料の混合物などを用いることができる。この中でも、特
にカーボンブラックは遮光性が優れており、特に好まし
い。分散の良い粒径の小さいカーボンブラックは主とし
て茶系統の色調を呈するので、カーボンブラックに対す
る補色の顔料を混合させて無彩色にするのが好ましい。
【0046】ブラックマトリクス用の樹脂は特に制限は
なく、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアル
コール樹脂、ポリエステル樹脂などが可能である。ブラ
ックマトリクス用の樹脂がポリイミドの場合、黒色ペー
スト溶媒としては、通常、N−メチル−2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミドなどのアミド系極性溶媒、γ−ブチロラク
トンなどのラクトン系極性溶媒などが好適に使用され
る。
【0047】カーボンブラックや、カーボンブラックに
対して補色の顔料などの遮光剤を分散させる方法として
は、例えば、ポリイミド前駆体溶液中に遮光剤や分散剤
などを混合させた後、三本ロール、サンドグラインダ
ー、ボールミルなどの分散機中で分散させる方法などが
あるが、この方法に特に限定されない。また、カーボン
ブラックの分散性向上、あるいは塗布性やレベリング性
向上のために種々の添加剤が加えられていてもよい。
【0048】樹脂ブラックマトリクスの製法としては、
黒色ペーストを透明基板上に塗布、乾燥した後に、パタ
ーニングを行う。黒色ペーストを塗布する方法として
は、ディップ法、ロールコーター法、スピナー法、ダイ
コーティング法、ワイヤーバーによる方法などが好適に
用いられ、この後、オーブンやホットプレートを用いて
加熱乾燥(セミキュア)を行う。セミキュア条件は、使
用する樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異なるが、通
常60〜200℃で1〜60分加熱することが好まし
い。
【0049】黒色ペースト被膜は感光性または非感光性
の樹脂を用いたペーストを使用し、上記手法により形成
される。樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上に
ポジ型フォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹
脂が感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸
素遮断膜を形成した後に、露光、現像を行う。必要に応
じて、ポジ型フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去
し、加熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件は、前駆
体からポリイミド系樹脂を得る場合には、塗布量により
若干異なるが、通常200〜300℃で1〜60分加熱
するのが一般的である。以上のプロセスにより、透明基
板上にブラックマトリクスが形成される。
【0050】樹脂ブラックマトリクスの膜厚は、好まし
くは0.5〜1.5μm、より好ましくは0.8〜1.
3μmである。この膜厚が0.5μmよりも薄い場合に
は遮光性が不十分になることからも好ましくない。一
方、膜厚が1.5μmよりも厚い場合には、遮光性は確
保できるものの、カラーフィルタの平坦性が犠牲になり
易く、段差が生じやすい。画素内段差が生じた場合、カ
ラーフィルタ上部に透明電極や液晶配向膜を形成されて
も段差はほとんど軽減されず、液晶配向膜のラビングに
よる配向処理が不均一になったり、セルギャップにばら
つきが生じたりして、液晶表示素子の表示品位が低下す
る。このような場合には画素内段差を小さくするために
は、着色層上に透明保護膜を設けることが有効である。
【0051】また、樹脂ブラックマトリクスの遮光性は
OD値(透過率の逆数の常用対数)で表されるが、液晶
表示装置の表示品位を向上させるためには、好ましくは
2.0以上であり、より好ましくは3.0以上である。
また、樹脂ブラックマトリクスの膜厚の好適な範囲を前
述したが、OD値の上限は、これとの関係で定められる
べきである。
【0052】樹脂ブラックマトリクスの反射率は、反射
光による影響を低減し、液晶表示素子の表示品位を向上
させるために、400〜700nmの可視領域で視感度
補正された反射率(Y値)で2%以下が好ましく、より
好ましくは1%以下である。
【0053】樹脂ブラックマトリクス間には通常(20
〜200)μm×(20〜300)μmの開口部が設け
られるが、この開口部を少なくとも被覆するように3原
色のそれぞれの着色層が複数配列される。すなわち、1
つの開口部は、3原色のいずれか1つの着色層により被
覆され、各色の着色層が複数配列される。
【0054】カラーフィルタを構成する着色層は、少な
くとも3原色の色彩を含む。すなわち、加色法によりカ
ラー表示を行う場合は、赤(R)、緑(G)、青(B)
の3原色が選ばれ、原色法によりカラー表示を行う場合
は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の
3原色が選ばれる。一般には、これら3原色を含んだ要
素を1単位としてカラー表示の絵素とすることができ
る。着色層には、着色剤により着色された樹脂が用いら
れる。
【0055】着色層に用いられる着色剤としては、有機
顔料、無機顔料、染料などを好適に用いることができ、
さらには、紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤などの
種々の添加剤を添加してもよい。有機顔料としては、フ
タロシアニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリ
ドン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系な
どが好適に用いられる。
【0056】着色剤に用いられる樹脂としては、エポキ
シ樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂な
どの感光性または非感光性の材料が好ましく用いられ、
着色剤をこれらの樹脂中に分散あるいは溶解させて着色
することが好ましい。感光性の樹脂としては、光分解型
樹脂、光架橋型樹脂、光重合型樹脂などのタイプがあ
り、特にエチレン不飽和結合を有するモノマ、オリゴマ
またはポリマと紫外線によりラジカルを発生する開始剤
とを含む感光性組成物、感光性ポリアミック酸組成物な
どが好適に用いられる。非感光性の樹脂としては、上記
の各種ポリマなどで現像処理が可能なものが好ましく用
いられるが、透明導電膜の成膜工程や液晶表示装置の製
造工程でかかる熱に耐えられるような耐熱性を有する樹
脂が好ましく、また、液晶表示装置の製造工程で使用さ
れる有機溶剤への耐性を持つ樹脂が好ましいことから、
ポリイミド系樹脂が特に好ましく用いられる。ここで、
好ましいポリイミド樹脂としては、上記した樹脂ブラッ
クマトリクスの材料として好ましく用いられるポリイミ
ド樹脂を挙げることができる。
【0057】着色層を形成する方法としては、樹脂ブラ
ックマトリクスを形成した基板上に塗布、乾燥した後
に、パターニングを行う。着色剤を分散又は溶解させ着
色ペーストを得る方法としては、溶媒中に樹脂と着色剤
を混合させた後、三本ロール、サンドグラインダー、ボ
ールミル等の分散機中で分散させる方法などがあるが、
この方法に特に限定されない。
【0058】着色ペーストを塗布する方法としては、デ
ィップ法、ロールコーター法、スピナー法、ダイコーテ
ィング法、ワイヤーバーによる方法などが好適に用いら
れ、この後、オーブンやホットプレートを用いて加熱乾
燥(セミキュア)を行う。セミキュア条件は、使用する
樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異なるが、通常60
〜200℃で1〜60分加熱することが好ましい。
【0059】このようにして得られた着色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ
型フォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹脂が
感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮
断膜を形成した後に、露光、現像を行う。必要に応じ
て、ポジ型フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去し、
加熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件は、樹脂によ
り異なるが、前駆体からポリイミド系樹脂を得る場合に
は、塗布量により若干異なるが、通常200〜300℃
で1〜60分加熱するのが一般的である。以上のプロセ
スにより、ブラックマトリクスを形成した基板上にパタ
ーニングされた着色層が形成される。
【0060】上記のようにブラックマトリクスを形成し
た基板上に第1色目の着色層を全面にわたって形成した
後に、不必要な部分をフォトリソグラフィ法により除去
し、所望の第1色目の着色層のパターンを形成する。こ
の場合、ブラックマトリクスの開口部を少なくとも被覆
する部分と、ブラックマトリクス上の一部に着色層を残
す部分とが形成される。第2色目および第3色目も同様
な操作を繰り返して着色層を形成する。
【0061】3原色の膜厚は特に限定されないが、好ま
しくは1層当たり0.5〜3μm、より好ましくは0.
8〜2.4μmである。着色層の厚さが0.5μm未満
の場合、遮光材を樹脂中に分散させてなるブラックマト
リクスを使用した場合にはブラックマトリクスパターン
エッジ上でのカラーフィルタ表面の傾斜角が大きくな
り、配向不良を引き起こし易いので好ましくない。一
方、膜厚が3μmを越えると着色層の均一塗布が難しく
なるので好ましくない。
【0062】ブラックマトリクス層を形成せずに着色層
を2色あるいは3色重ね合わせる場合もブラックマトリ
クス上に着色層を形成する場合と同様である。
【0063】着色層を形成した後、平坦化と残渣除去を
目的として研磨処理を行う。
【0064】研磨の方法については、CMP(ケミカル
メカニカルポリッシング)などが挙げられるが、特に限
定されない。
【0065】効果的に研磨を行う点から、アルミナ、シ
リカ、酸化クロム、ジルコニアなどの低粒微粉末のスラ
リーを使用したものなどが好ましい。これら低粒微粉末
を適宜組み合わせてスラリーとして用いてもよい。研磨
の対象が着色層の場合には特にアルミナを含有すること
が好ましい。研磨の対象が透明保護膜の場合にはシリカ
を含有することが好ましい。研磨の対象が柱の場合には
シリカを含有することが好ましい。対象とする材料の硬
度に応じて、スラリーの成分・粒径を変えることが好ま
しい。これら粒子の粒径としては0.001〜1.0μ
mの粒子が含まれることが好ましい。スラリーに含まれ
る粒径分布としては、1.0μm以下が70重量%以上
が好ましく、0.5μm以下が50重量%以上が好まし
い。
【0066】研磨布材としては、不織布、スウェードタ
イプ、ポリウレタンなどの発泡布などが好ましい。
【0067】例えば、支持定板上にカラーフィルタを載
せ、その上にアルミナ、シリカ、酸化クロム、ジルコニ
アなどの適当な微細砥粒よりなるスラリー(研磨材)を
流しながら、パット材を有する回転板を載せて回転研磨
する。そして、この研磨装置では、研磨材の種類、粒
度、回転数、回転板の加重(面圧)などを適宜選択する
ことによって目的に応じた適正な研磨を行うことができ
る。
【0068】研磨時の面圧(被研磨物へ研磨材を当接・
加圧する際の加圧量)としては1〜500g/cm2
好ましい。面圧を無加圧にするにしてもよい。面圧値・
回転数を変えた条件を組み合わせることで、荒い研磨、
仕上げ研磨といった効果的な研磨をすることができる。
【0069】さらに、このようなスラリーなどを使用す
る研磨方法の他に、例えば研磨シートを用いたロール研
磨法を用いてもよい。スラリーなどを使用する研磨とロ
ール研磨などを組み合わせて用いてもよい。
【0070】研磨後は洗浄をすることが好ましい。適当
な洗剤や純水を用いて洗浄する。超音波洗浄を施すこと
が、基板についた研磨剤や研磨屑を効果的に除去する点
から好ましい。適宜UV洗浄を組み合わせても構わな
い。
【0071】着色層の上には必要に応じて透明保護膜を
形成できる。保護膜は研磨後のさらなる平坦性の向上や
顔料から溶出される不純物からの保護、あるいは誘電率
などの電気特性をより好適なものにするために形成され
る。 透明保護膜に用いられる樹脂としては、エポキシ
系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
ゼラチンなどが好ましく用いられるが、透明性導電膜の
成膜工程や液晶表示装置の製造工程でかかる熱に耐えら
れるような耐熱性を有する樹脂が好ましく、また、液晶
表示装置の製造装置で使用される有機溶剤への耐性を持
つ樹脂が好ましいことから、ポリイミド系樹脂やアクリ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂が好ましく用いられる。
【0072】透明保護膜を塗布する方法としては、黒色
ペースト、着色ペーストの場合と同様、ディップ法、ロ
ールコーター法、スピナー法、ダイコーティング法、ワ
イヤーバーによる方法などが好適に用いられ、この後、
オーブンやホットプレートを用いて加熱乾燥を行う。こ
のとき、レベリング性向上を目的として、必要に応じて
真空乾燥、予備加熱乾燥(セミキュア)を行ってもよ
い。セミキュア条件は、使用する樹脂、溶媒、ペースト
塗布量により異なるが、通常60〜200℃で1〜60
分加熱することが好ましい。また、加熱乾燥時のキュア
条件は、樹脂により異なるが、前駆体からポリイミド系
樹脂を得る場合には、塗布量により若干異なるが、通常
200〜300℃で1〜60分加熱するのが一般的であ
る。
【0073】本発明の透明保護膜の膜厚は0.05〜
3.0μmが望ましい。画素内段差を小さくする点から
は厚い方が効果的であるが、均一塗布が難しくなる。ま
た、ブラックマトリクス層、着色層の膜厚の組み合わせ
より好適に選べる。
【0074】従来技術では、研磨のみでは十分な平坦性
や残渣除去ができず、研磨した後に透明保護膜が必要と
なる場合が多かったが、本発明により、より強い研磨が
可能になるため、このような透明保護膜が不要となる。
【0075】最後に必要によりカラーフィルタの最上層
に透明導電膜が形成される。導電膜の材料としては特に
制限はないが、透明性に優れた材料が好ましく用いら
れ、特に好ましくはITOが用いられる。
【0076】成膜方法にも特に制限はなく、真空蒸着
法、CVD法、スパッタ法、EB法、導電性微粒子をポ
リイミドなどの樹脂に分散させた材料を黒色ペースト、
着色ペーストの場合と同様、ディップ法、ロールコータ
ー法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバー
により塗布、加熱処理する方法などが好適に用いられ
る。
【0077】通常、透明電極はLCDの表示領域のみに
形成されるが、本発明においては導電膜が非表示領域に
も形成される。特に、透明保護膜を形成しない場合には
周辺マークおよび保護パターンからの顔料残渣などの飛
散防止のため、これらマークおよびパターンの上に透明
導電膜を形成することが有効である。
【0078】また、近年広く採用されはじめた広視野角
特性を特徴とするIPS方式のLCDにおいては表示領
域に透明電極は設けられない。
【0079】アライメントマークなどの周辺マークはブ
ラックマトリクスを作成する工程、あるいは着色層を形
成する工程で同時になされる。露光時に使用するフォト
マスクに予め必要なマーク類が形成されている。
【0080】周辺マーク形状の一例を図2に記すが、こ
れにより本発明の効力がある周辺マークの形状を制限す
るものではない。図2において、(A)は+形状、
(B)は○形状、(C)は□形状、(D)は黒塗りの
○、(E)は中心部が黒塗りの□形状でその周りに破断
された□で囲ったものであり、(F)は黒塗りの□形状
である。周辺マークの線幅は通常10〜100μm程度
である。従来は表示領域以外の場所にこのマークのみが
孤立して形成されていた。本発明では、このマークの周
辺に研磨時にはがれを保護するためのパターンを形成す
るものである。
【0081】保護パターンについて図を用いて説明す
る。
【0082】図3は周辺マーク5「+」の周りを保護パ
ターン6「○」で囲ったものである。囲いの形状は
「○」以外に「□」や「△」でもよく、また五角形、六
角形などでも何ら問題はない。
【0083】周辺マーク5と保護パターン6との距離は
周辺マークを画像読みとりするために影響を生じない範
囲で近い程よい。一般に周辺マークの周り3mm以内に
別なマークが存在すると本来そのマーク読みとりを必要
とする工程で支障が生じるため、これより広げることが
好ましい。ただし、このための必要距離はマークを読み
とる装置や要求精度により異なるため、一様に規定する
ことはできない。
【0084】周辺マークと保護パターンの距離が離れる
と保護する効果は薄れる。
【0085】保護パターンの面積は広いほど研磨時に掛
かる力が分散されるため好ましい。このため、他の周辺
マークや表示領域に影響を及ぼさない限り広い領域に保
護パターンを形成することが好ましい。図4に示すよう
に、周辺マーク5およびその読みとりのために必要な部
分のみ窓(開口部8)を開けて、表示領域1以外の周辺
領域2全体にベタ塗りの保護パターン7を形成するのが
最も好ましい。
【0086】保護パターンの厚さは特に制限はないが、
周辺マークに比べて厚い方が好ましい。周辺マークに比
べて保護パターンの膜厚が厚い場合、研磨時に周辺マー
クに十分な力が掛からなため、損傷されることがなくな
る。マークが厚すぎる場合、対向する基板と張り合わせ
てセルを形成する際にギャップムラが生じる原因となる
ため、その膜厚はセルギャップよりも薄くすることが望
ましい。
【0087】保護パターンの膜厚が薄い場合、その効果
は少なくなる。保護パターンと周辺マークを形成する材
料の硬度、あるいは周辺マークと保護パターンの距離、
面積なども関係があるため一様にその下限値を規定する
ことはできない。
【0088】保護パターンの形成材料および形成方法に
ついて特に制限はないが、ブラックマトリクス層や着色
層形成工程、保護膜をパターン加工する場合にはその保
護膜形成工程、または柱状スペーサーを形成する場合は
その柱状スペーサーを形成する工程で同時に形成するこ
とが、工程数を増やさずにできることから望ましい。
【0089】ブラックマトリクス層や着色層で保護パタ
ーンを形成する場合はその塗布・加工する順番が最後の
層で形成することが望ましい。保護パターンを形成した
後で次の色を塗布・加工する場合に保護パターン上に異
物や残渣などの欠点を生じやすくなり、また従来実施し
ていた工程での検査を実行し難くなる。
【0090】保護パターンの研磨速度は周辺マークに比
べて遅いことがより効果を高める。ここで研磨速度と
は、研磨により単位時間当たりに削られる被研磨物の膜
厚のことである。周辺マークの方が削れすい場合、つま
り研磨速度が速い場合には、長時間の研磨を実施する際
に保護パターンが先に削れてしまい、保護パターンとし
ての機能を果たせないことがあるからである。従って、
周辺マークと保護マークは同一材料であってもよいが、
周辺マークよりも削れにくい材料で保護パターンを形成
することはさらに望ましい方法である。
【0091】ブラックマトリクス層や着色層で保護パタ
ーンを形成する場合、その上に保護膜やITO膜などの
透明電極を設けることはより望ましい構成である。顔料
が分散された保護パターンの上に保護膜やITO膜など
がないと、液晶表示パネルを作る時に行うラビング処理
において顔料から出る不純物をラビングクロスに転写さ
せ、これが表示領域内に持ち込まれるとできあがった液
晶表示素子は表示ムラなどの不具合を起こす可能性があ
るからである。
【0092】
【実施例】以下、好ましい実施例に基づいて本発明をさ
らに詳しく説明するが、下記実施例によって本発明の効
力は何ら制限されるものではない。
【0093】[実施例1] (樹脂ブラックマトリクスの作成)3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4、4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、及び、ビス(3−アミノプ
ロピル)テトラメチルジシロキサンをN−メチル−2−
ピロリドンを溶媒として反応させ、ポリイミド前駆体
(ポリアミック酸)溶液を得た。
【0094】下記の組成を有するカーボンブラックミル
ベースをホモジナイザ−を用いて、7000rpmで3
0分分散し、ガラスビーズを濾過して、ブラックペース
トを調整した。
【0095】カーボンブラックミルベース カーボンブラック (MA100、三菱化成(株)製) 4.6部 ポリイミド前駆体溶液 24.0部 N−メチル−2−ピロリドン 61.4部 ガラスビーズ 90.0部 ガラス基板(コーニング製、1737材)に上記ブラッ
クペーストをカーテンフローコーターで塗布し、ホット
プレートで130℃、10分間乾燥し、黒色の樹脂塗膜
を形成した。ポジ型フォトレジスト(シプレー社製、S
RC−100)をリバースロールコーターで塗布、ホッ
トプレートで100℃、5分間プリベイクし、超高圧水
銀灯を用いて100mj/cm2 紫外線照射してマスク
露光した後、2.25%のテトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド水溶液を用いて、フォトレジストの現像と樹
脂塗膜のエッチングを同時に行い、パターンを形成、メ
チルセロソルブアセテートでレジスト剥離し、ホットプ
レートで300℃、10分間加熱することでイミド化さ
せ、ブラックマトリクス層を形成した。
【0096】ブラックマトリクス層の膜厚を測定したと
ころ、1.15μmであり、OD値は3.5であった。
【0097】ブラックマトリクスの露光で用いたフォト
マスクには周辺マークとその周りの保護マークが形成さ
れており、作成されたブラックマトリクス層の表示領域
の周辺には周辺マークと保護パターンが同時に形成され
た。 (着色層の作成)次に、赤、緑、青の顔料として各々Co
lor index No.65300 Pigment Red 177で示されるジアン
トラキノン系顔料、Color index No.74265 Pigment Gre
en 36 で示されるフタロシアニングリーン系顔料、Colo
r index No.74160 Pigment Blue15-4で示されるフタロ
シアニンブルー系顔料を用意した。ポリイミド前駆体溶
液に上記顔料を各々混合分散させて、赤、緑、青の3種
類の着色ペーストを得た。
【0098】つぎに、樹脂ブラックマトリクス基板上に
赤ペーストをカーテンフローコータで塗布し、ホットプ
レートで130℃、10分乾燥、赤色の樹脂塗膜を形成
した。この後、ポジ型フォトレジスト(シプレー社製、
SRCー100)をリバースロールコータで塗布、ホッ
トプレートで100℃、5分間プリベイクし、超高圧水
銀灯を用いて100mj/cm2 紫外線照射してマス
ク露光した後、2.25%のテトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド水溶液を用いて、フォトレジストの現像と
樹脂塗膜のエッチングを同時に行い、パターンを形成、
メチルセロソルブアセテートでレジスト剥離し、ホット
プレートで300℃、10分加熱することでイミド化さ
せ、赤色着色層を形成した。マスクのパターンはアイラ
ンドパターンであり形成された赤色着色層パターンもア
イランドパターンであった。赤色着色層のブラックマト
リクス開口部における膜厚を測定したところ1.6μm
であった。
【0099】水洗後同様にして、樹脂ブラックマトリク
ス上に赤色着色層を形成した基板に緑ペーストを塗布、
パターン加工し、緑色着色層を形成した。緑色着色層の
ブラックマトリクス開口部での膜厚を測定したところ
1.65μmであった。
【0100】さらに水洗後同様にして樹脂ブラックマト
リクス層上に赤、緑の着色層を形成した基板上に青ペー
ストを塗布、パターン加工し、青色着色層を形成した。
青色着色層のブラックマトリクス開口部における膜厚を
測定したところ1.6μmであった。 (着色層形成基板の全面研磨)次に着色層をアルミナ微
粒子を主成分としたスラリーと研磨布からなる研磨装置
により画面内および画面外を研磨した。スラリーに含ま
れる粒径分布としては、1.0μm以下が70重量%以
上、0.5μm以下が50重量%以上であった。
【0101】研磨の構成としては次の4段階で行った。
【0102】第1段階 面圧15g/cm2 時間10秒 第2段階 面圧 xg/cm2 時間30秒 第3段階 面圧30g/cm2 時間10秒 第4段階 面圧20g/cm2 時間5秒 第1段階で研磨微粒子を面内に均一に付着させ、第2段
階で研磨を実施している。
【0103】さらに、第3、第4段階では純水で研磨材
をあらい流している。今回、周辺マークの研磨へのマー
ジンを評価するために第2段階の面圧を変更させてどの
水準からマークの欠損や脱落が起こるかを調べた。
【0104】第2段階の面圧xの4水準を下記する。
【0105】 水準 面圧 1 40 2 60 3 80 4 100 (透明保護膜の作成)この後、ポリアミック酸のN−メ
チル−2ピロリドン/ブチルセロソルブ溶液をスピンコ
ーターで、仕上がり膜厚が1.0μmになるように塗布
し、ホットプレートで280℃、10分加熱して透明保
護膜を形成した。 (導電膜の作成)さらに、透明保護膜の上に金属マスク
を付け、スパッタリング法により表示領域にITOを製
膜した。ITO膜の膜厚は150nmで、表面抵抗は1
7Ω/□であった。
【0106】完成したカラーフィルタの周辺マーク類を
確認した結果、水準4でマークに僅かな傷が確認された
以外はすべての水準でマークの欠落、欠損は認められな
かった。
【0107】[実施例2]ガラス基板(コーニング製、
1737材)に実施例1と同様に青ペーストを塗布、青
のストライプパターンと周辺マーク、保護パターンを形
成した。
【0108】次に赤、緑を実施例1と同様に順次形成し
た。この時、青で形成したストライプパターンの一部に
赤のパターンを、また、青と赤のストライプパターンの
一部に緑のパターンを重ねて形成してブラックマトリク
ス層とした。
【0109】次に、実施例1と同様に4水準で研磨を実
施し、さらに透明保護膜および透明導電膜を形成し、カ
ラーフィルターを完成させた。
【0110】完成したカラーフィルタの周辺マーク類を
確認した結果、実施例1同様、水準4で僅かなマークか
けが認められた以外は欠損はなかった。
【0111】[実施例3]保護パターンを青で形成した
他は実施例1と同様にカラーフィルタを作成した。ここ
で青の膜厚は1.6μm、ブラックマトリクスの膜厚は
1.15μmであった。
【0112】完成したカラーフィルタの周辺マーク類を
確認した結果、水準4を含めてすべての水準で欠落、欠
損は認められなかった。
【0113】[実施例4]周辺パターンを赤で、パター
ンを青で形成した他は実施例2と同様にカラーフィルタ
を作成した。
【0114】完成したカラーフィルタの周辺マーク類を
確認した結果、すべての水準で欠落、欠損はなかった。
【0115】[比較例1]保護パターンを形成しない他
は実施例1と同様にしカラーフィルタを作成した。
【0116】完成したカラーフィルタの周辺マーク類を
確認した結果、水準1では周辺マークは良好に形成され
ていたが、研磨時の圧力の強い水準2、3、4の条件で
は周辺マークの欠落が認められ、研磨圧力に対する加工
マージンが本発明の実施例より狭かった。
【0117】[実施例5]研磨剤の粒子をシリカにした
他は実施例1と同様にカラーフィルタを作成した。
【0118】完成したカラーフィルタの周辺マーク類を
確認した結果、すべての水準で欠落、欠損はなかった。
【0119】[実施例6]実施例1と同様にブラックマ
トリクス層を形成する際に、スクライブラインと周辺マ
ークの周囲3mm□をのぞいて周辺領域部も全面にベタ
パターンを設けた。
【0120】その後、実施例1と同様に着色層を順次設
けた後、全面研磨を行った。
【0121】この後更に透明保護膜、透明導電膜を設
け、さらに感光性アクリル樹脂材料(JSR製 オプト
マNN810)を用いて、柱状のスペーサーを形成し
た。
【0122】カラーフィルタの周辺マークを検査したと
ころすべての研磨水準でマークの欠損、欠落は認められ
なかった。
【0123】また、本カラーフィルタを用いて液晶表示
装置を作成したところ、表示領域内、及び表示領域該の
スペーサーの高さの均一性が極めてよく、また画素の表
面平坦製も優れているため、セル厚ムラが少なく、均一
な表示が得られた。
【0124】[実施例7]実施例6で透明保護膜をつけ
る以外は同様にしてカラーフィルタを作成し、さらに液
晶表示装置を作成した。
【0125】この結果、どの研磨水準でもマーク欠けは
なく、また均一な表示が得られた。
【0126】[比較例2]実施例7から更に表示領域外
の透明電極を外し、カラーフィルタおよび液晶表示装置
を作成した。
【0127】この結果、どの研磨水準でもマーク欠けは
認められなかったが、周辺保護パターンよりラビング時
に削れた顔料成分が表示領域内に付着したため、電圧印
可の不均一が生じ、表示ムラとなって観察された。
【0128】[実施例8]実施例1と同様にしてブラッ
クマトリクス層を形成した。この時に周辺マークは形成
したが、保護パターンは形成しなかった。
【0129】次に実施例1と同様赤、緑の層を順次形成
した。最後に青の層を形成したが、そのときに周辺マー
ク部を中心に周囲3mmを除いた領域全面に保護パター
ンを設けた。
【0130】実施例6では第1層目のブラックで保護パ
ターンを形成したために2色目以降の色の膜厚を測定す
る工程検査が実施できなかったのが可能となった。
【0131】この後、実施例1と同様にして4水準で研
磨を実施し、さらに透明保護膜と透明導電膜を付けた。
【0132】このようにして作成したカラーフィルタの
周辺マークを確認したところ、どの研磨水準でもマーク
欠けはなく、また均一な表示が得られた。
【0133】
【発明の効果】カラーフィルタの非表示領域にある周辺
マーク類の周りに周辺マークと同一材料または他の樹脂
材料からなる保護パターンを形成することで、表面平坦
性の向上および/または残渣除去を目的に実施する研磨
処理時に周辺マークの欠落や欠損を抑制することが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示素子用カラーフィルタの一例である。
【図2】本発明で規定される周辺マークの一例である。
【図3】本発明の保護パターンと周辺マークの例を描い
た模式図である。
【図4】本発明の保護パターンと周辺マークの他の例を
描いた模式図である。
【符号の説明】
1:カラーフィルタの表示領域 2:カラーフィルタの周辺領域 3:ブラックマトリクスパターン 4:ブラックマトリクス開口部 5:周辺マーク 6:保護パターン 7:保護パターン 8:保護パターン開口部
フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA11 BA45 BB01 BB02 BB08 BB44 2H091 FA02Y FA35Y FB02 GA13 LA30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に少なくとも3原色のそれぞれ
    の着色層を設けたカラーフィルタにおいて、該透明基板
    上の画面外に周辺マークを形成するともに、該周辺マー
    クの周囲にさらに保護パターンを形成したことを特徴と
    するカラーフィルタ。
  2. 【請求項2】透明基板上に少なくとも遮光材を樹脂中に
    分散させてなるブラックマトリクス層が形成され、該ブ
    ラックマトリクスの開口部およびブラックマトリクス上
    の一部に3原色のそれぞれの着色層を設けたことを特徴
    とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 【請求項3】前記周辺マークおよび/または保護パター
    ンがブラックマトリクス層または3原色の着色層の少な
    くとも1つからなることを特徴とする請求項1または2
    に記載のカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】前記周辺マークの周囲に形成される保護パ
    ターンの膜厚が周辺マークの膜厚と同じかもしくはより
    厚くしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載のカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】前記保護パターンの研磨速度が周辺マーク
    の研磨速度よりも遅いことを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】前記保護パターンの上に保護膜および/ま
    たは透明電極が形成されていることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  7. 【請求項7】前記保護パターンがブラックマトリクス
    層、または3原色の着色層の中で最後に塗布加工される
    材料で形成されていることを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  8. 【請求項8】透明基板上に少なくとも3原色のそれぞれ
    の着色層を設けたカラーフィルタの製造方法において、
    該透明基板上の画面外に周辺マークを形成し、さらに該
    周辺マークの周囲に保護パターンを形成することを特徴
    とするラーフィルタの製造方法。
  9. 【請求項9】前記周辺マークと保護パターンを形成した
    後に研磨することを特徴とする請求項8に記載のカラー
    フィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】前記研磨を、スラリーおよび研磨布を用
    いて行うことを特徴とする請求項9に記載のカラーフィ
    ルタの製造方法。
  11. 【請求項11】前記研磨を、アルミナ粉末を含むスラリ
    ーを用いて行うことを特徴とする請求項9または10に
    記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 【請求項12】前記研磨をシリカ粉末を含むスラリーを
    用いて行うことを特徴とする請求項9ないし11のいず
    れかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1ないし7のいずれかに記載のカ
    ラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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