JP2002128877A - アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩の使用方法、アルキルジナフタレンエーテルスルホン酸塩の使用方法、導電性高分子材料、および、固体電解コンデンサ - Google Patents
アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩の使用方法、アルキルジナフタレンエーテルスルホン酸塩の使用方法、導電性高分子材料、および、固体電解コンデンサInfo
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Abstract
提供する。 【解決手段】 複素環式モノマーを重合させてなる複素
環式高分子と、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸
塩と、を含有する導電性高分子材料。
Description
びその導電性高分子を電解質として用いる固体電解コン
デンサに関する。
て、高周波領域におけるインピーダンスが低く、小型で
大容量の高周波用のコンデンサが要求されるようになっ
てきた。
ンデンサ、フィルムコンデンサ、セラミックコンデンサ
などが使用されているものの、これらのコンデンサは、
大容量には適さない種類のコンデンサである。
は、アルミ電解コンデンサや、タンタル電解コンデンサ
などがある。しかしながら、アルミ電解コンデンサは、
低コストで大容量が達成可能であるが電解液を使用して
いるために電解液の蒸発による経時変化や高周波数での
インピーダンスが高いなどの問題がある。
固体の二酸化マンガンを用いているために容量劣化が少
ないコンデンサである。しかしながら、タンタル固体電
解コンデンサの固体電解質は、硝酸マンガン水溶液をタ
ンタル燒結体の内部まで含浸させた後、350℃前後で
硝酸マンガンを熱分解して形成され、この含浸を経た熱
分解工程を通常数回から数十回繰り返す必要があり、固
体電解質の形成工程において相当の労力を要した。さら
に、二酸化マンガンの皮膜は自己修復性が乏しいため通
電中に酸化皮膜が損傷した場合、発火などの危険性があ
るなどの短所があった。
開昭58−17609号公報などに、誘電体酸化皮膜の
修復性に優れ、かつ、導電性の良好な固体電解質として
7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン錯塩(TC
NQ錯塩)なるものが提案された。
体電解コンデンサは、浸漬後の冷却・固化の際にTCN
Q錯塩が結晶化して誘電体酸化皮膜に十分密着しないた
めに、初期の静電容量が得られないという問題があっ
た。また、TCNQ錯塩は熱に対する安定性が低く、高
温で溶融状態に保持すると短時間で熱分解を起こして絶
縁化する傾向を有する。したがって、含浸処理をきわめ
て短時間で実施した後急冷する工程と設備とが必要とな
り、その結果製造コストが高くなるという不利益があっ
た。
形成が容易な導電性高分子を固体電解質として用いるこ
とが特開昭60−37114号公報や特開昭60−24
4号公報などにおいて提案されている。この手法によれ
ば、上述した固体電解質コンデンサと比較して製造コス
トが安く、静電容量が確実に得られ、誘電体酸化皮膜の
損傷がなく、漏れ電流の少ない固体電解コンデンサを得
ることができた。
フェン、フランなどの複素環式モノマーを支持電解質と
ともに電解重合することにより、支持電解質のアニオン
をドーパントとして導電性の良好な高分子を陽極酸化皮
膜上に成膜することによって形成される。また、導電性
高分子のドーパントとしては、過塩素酸イオン、四フッ
化ホウ素イオンなどのハロゲン化物、パラトルエンスル
ホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオンなど
が用いられる。
パントを利用した導電性高分子を固定電解質として用い
た場合、脱ドープを起こしやすいという問題があり、脱
ドープは特に高温に暴露された場合に顕著な傾向を示し
た。
タレンスルホン酸イオン、p−フェノールスルホン酸イ
オン、スルホサリチル酸イオン、スルホ安息香酸イオ
ン、ベンゼンスルホン酸イオン、スルホイソフタル酸イ
オン、ナフタレンジスルホン酸イオン、ベンゼンジスル
ホン酸イオン、ナフタレントリスルホン酸イオンなどの
ドーパントが、特許2701798号公報、特開平2−
119213号公報、特開平10−32145号公報な
どに開示されているが、脱ドープの問題を十分に解決す
るに至っていないのが現状である。
り、脱ドープを起こしにくい導電性高分子のドーパント
としての使用方法を提供するともに、そのドーパントを
含む導電性高分子材料を提供するものである。
フェニルエーテルスルホン酸塩の使用方法は、請求項1
に記載のように、アルキルジフェニルエーテルスルホン
酸塩の、導電性高分子のドーパントとしての使用方法で
ある。
エーテルスルホン酸塩の使用方法は、請求項2に記載の
ように、アルキルジナフタレンエーテルスルホン酸塩
の、導電性高分子のドーパントとしての使用方法であ
る。
請求項3に記載のように、複素環式モノマーを重合させ
てなる複素環式高分子と、アルキルジフェニルエーテル
スルホン酸塩と、を含有する導電性高分子材料である。
請求項4に記載のように、複素環式モノマーを重合させ
てなる複素環式高分子と、アルキルジナフタレンエーテ
ルスルホン酸塩と、を含有する導電性高分子材料であ
る。
請求項5に記載のように、請求項3または4記載の発明
において、前記複素環式高分子は、ポリピロール、ポリ
チオフェン、ポリフランのうち少なくともいずれか一つ
を含有するものである導電性高分子材料である。
は、請求項6に記載のように、請求項3または4記載の
導電性高分子材料を使用した固体電解コンデンサであ
る。
エーテルスルホン酸塩を導電性高分子のドーパントとし
て使用した場合、脱ドープ現象を的確に防止することが
でき、しかも高温に曝したとしても脱ドープ現象を防止
できるという新知見に基づいて本発明を完成させた。
エーテルスルホン酸塩を導電性高分子のドーパントとし
て使用した場合、脱ドープ現象を的確に防止することが
でき、しかも高温に曝したとしても脱ドープ現象を防止
できるという新知見に基づいて本発明を完成させた。
酸塩もしくは前記アルキルジナフタレンエーテルスルホ
ン酸塩におけるアルキル基としては、炭素数0〜20の
アルキル基を使用することが好ましい。アルキル基の炭
素数は水に対する溶解性に影響を与え、アルキル基の炭
素数が12の場合に溶解性が極大値をとり、アルキル基
の炭素数が21以上では水に対する溶解性が極端に低下
する傾向にあるからである。なお、炭素数0の場合のア
ルキル基とは、水素であることを意味するものとする。
酸塩もしくは前記アルキルジナフタレンエーテルスルホ
ン酸塩におけるアルキル基には、置換アルキル基をも含
有するものとする。置換アルキル基の具体例としては、
F、Cl、Brなどのハロゲンにて置換されたアルキル
基を好適に使用することが可能である。特に、ハロゲン
にて置換されたハロゲン置換アルキル基の中でも、製造
コストが安価であるため、フッ素にて置換されたフッ素
置換アルキル基を好ましく用いることが可能である。
酸塩もしくは前記アルキルジナフタレンエーテルスルホ
ン酸塩におけるスルホン酸基の数は1〜5であることが
好ましい。したがって、前記アルキルジフェニルエーテ
ルスルホン酸塩において、一方のフェニル基におけるス
ルホン酸基の数をpとし、他方のフェニル基におけるス
ルホン酸基の数をqとした場合、不等式1≦p+q≦5
と、不等式0≦p≦5と、不等式0≦q≦5と、を満た
すことが好ましい。また、スルホン酸基が多いほど水に
対する溶解度は向上するが、製造コスト的な観点から、
スルホン酸基の数は1〜3であることがより好適であ
る。したがって、前記アルキルジフェニルエーテルスル
ホン酸塩において、一方のフェニル基におけるスルホン
酸基の数をpとし、他方のフェニル基におけるスルホン
酸基の数をqとした場合、不等式1≦p+q≦3と、不
等式0≦p≦3と、不等式0≦q≦3と、を満たすこと
が好ましい。なお、スルホン酸基の数が4以上の場合に
おける合成をしようとすると、収率が極端に低下するた
め、大幅なコスト高となる。
酸塩を化学式で説明すると下記式1のようになる。
ルキル基R1、アルキル基R2は炭素数0〜20であるこ
とが好適である。さらには、アルキル基R1、アルキル
基R2には置換アルキル基をも含有され、F、Cl、B
rなどのハロゲンにて置換されたアルキル基が含有され
る。mは、アルキル基R1の数であり、置換可能な範囲
で1以上5以下の任意の自然数をとることが可能であ
る。また、nは、アルキル基R2の数であり、置換可能
な範囲で1以上5以下の任意の自然数をとることが可能
である。また、アルキル基R1、アルキル基R2は、直鎖
状あるいは枝分かれ状のいずれのものであっても使用す
ることが可能である。式1において、アルキル基R1、
アルキル基R2はベンゼン環におけるどの場所に位置す
るか記載されていないが、ベンゼン環の水素が置換可能
な範囲かつ配向性の条件を満たす限り、任意の場所に位
置することが可能である。なお、式1に示すように、二
つのベンゼン環の横にそれぞれ記載された環状の図形
に、アルキル基R1、アルキル基R2がそれぞれ設けられ
ているのは、アルキル基R1、アルキル基R2は、ベンゼ
ン環の水素が置換可能な範囲かつ配向性の条件を満たす
限り、任意の場所に位置することが可能であることを意
味するものとする。
3(Y)]qは、スルホン酸基である。スルホン酸基の個
数であるp、qに関しては、不等式1≦p+q≦5と、
不等式0≦p≦5と、不等式0≦q≦5と、を満たすこ
とが好ましい。また、不等式1≦p+q≦5と、不等式
0≦p≦3と、不等式0≦q≦3と、を満たすようにす
ることも可能である。また、製造コスト的な観点から、
不等式1≦p+q≦3と、不等式0≦p≦3と、不等式
0≦q≦3と、を満たすことがより好適である。スルホ
ン酸基[SO3(X)]pにおけるXはSO3 -と対イオン
を形成するものであり、H、Na、NH4 +、(CH3)3
NHなどを用いることが可能である。同様に、スルホン
酸基[SO3(Y)]pにおけるYはSO3 -と対イオンを
形成するものであり、H、Na、NH4 +、(CH3)3N
Hなどを用いることが可能である。式1において、スル
ホン酸基[SO3(X)]p、スルホン酸基[SO
3(Y)]qはベンゼン環におけるどの場所に位置するか
記載されていないが、ベンゼン環の水素が置換可能な範
囲かつ配向性の条件を満たす限り、任意の場所に位置す
ることが可能である。なお、式1に示すように、二つの
ベンゼン環の横にそれぞれ記載された環状の図形に、ス
ルホン酸基[SO3(X)]p、スルホン酸基[SO
3(Y)]qがそれぞれ設けられているのは、スルホン酸
基[SO3(X)]p、スルホン酸基[SO3(Y)]
qは、ベンゼン環の水素が置換可能な範囲かつ配向性の
条件を満たす限り、任意の場所に位置することが可能で
あることを意味するものとする。アルキルジフェニルエ
ーテルスルホン酸塩は、ベンゼン環を二つ有し、かさ高
い分子構造であるから、高温・高湿下で脱ドープが起こ
りにくく、導電性高分子の電気的特性の劣化を極めて小
さく抑制することが可能であるものと思われる。したが
って、本発明に係る導電性高分子を電解質として用いた
場合、損失および漏れ電流が小さく、高温・高湿下にお
けるコンデンサ特性の劣化の少ない固体電解コンデンサ
を得ることができるのである。
スルホン酸塩を化学式で説明すると下記式2のようにな
る。
ルキル基R1、アルキル基R2は炭素数0〜20であるこ
とが好適である。さらには、アルキル基R1、アルキル
基R2には置換アルキル基をも含有され、F、Cl、B
rなどのハロゲンにて置換されたアルキル基が含有され
る。mは、アルキル基R1の数であり、置換可能な範囲
で1以上5以下の任意の自然数をとることが可能であ
る。また、nは、アルキル基R2の数であり、置換可能
な範囲で1以上5以下の任意の自然数をとることが可能
である。また、アルキル基R1、アルキル基R2は、直鎖
状あるいは枝分かれ状のいずれのものであっても使用す
ることが可能である。式2において、アルキル基R1、
アルキル基R2はナフタレン環におけるどの場所に位置
するか記載されていないが、ナフタレン環の水素が置換
可能な範囲かつ配向性の条件を満たす限り、任意の場所
に位置することが可能である。なお、式2に示すよう
に、二つのナフタレン環のそれぞれを貫くように、アル
キル基R1、アルキル基R2がそれぞれ設けられているの
は、アルキル基R1、アルキル基R2は、ナフタレン環の
水素が置換可能な範囲かつ配向性の条件を満たす限り、
任意の場所に位置することが可能であることを意味する
ものとする。
3(Y)]qは、スルホン酸基である。スルホン酸基の個
数であるp、qに関しては、不等式1≦p+q≦5と、
不等式0≦p≦5と、不等式0≦q≦5と、を満たすこ
とが好ましい。また、不等式1≦p+q≦5と、不等式
0≦p≦3と、不等式0≦q≦3と、を満たすようにす
ることも可能である。また、製造コスト的な観点から、
不等式1≦p+q≦3と、不等式0≦p≦3と、不等式
0≦q≦3と、を満たすことがより好適である。スルホ
ン酸基[SO3(X)]pにおけるXはSO3 -と対イオン
を形成するものであり、H、Na、NH4 +、(CH3)3
NHなどを用いることが可能である。同様に、スルホン
酸基[SO3(Y)]pにおけるYはSO3 -と対イオンを
形成するものであり、H、Na、NH4 +、(CH3)3N
Hなどを用いることが可能である。式2において、スル
ホン酸基[SO3(X)]p、スルホン酸基[SO
3(Y)]qはナフタレン環におけるどの場所に位置する
か記載されていないが、ナフタレン環の水素が置換可能
な範囲で、任意の場所に位置することが可能である。な
お、式2に示すように、二つのナフタレン環のそれぞれ
を貫くように、スルホン酸基[SO 3(X)]p、スルホ
ン酸基[SO3(Y)]qがそれぞれ設けられているの
は、スルホン酸基[SO3(X)]p、スルホン酸基[S
O3(Y)]qは、ナフタレン環の水素が置換可能な範囲
かつ配向性の条件を満たす限り、任意の場所に位置する
ことが可能であることを意味するものとする。アルキル
ジナフタレンエーテルスルホン酸塩は、かさ高い分子構
造のナフタレン環を二つ有するから、高温・高湿下で脱
ドープが起こりにくく、導電性高分子の電気的特性の劣
化を極めて小さく抑制することが可能であるものと思わ
れる。したがって、本発明に係る導電性高分子を電解質
として用いた場合、損失および漏れ電流が小さく、高温
・高湿下におけるコンデンサ特性の劣化の少ない固体電
解コンデンサを得ることができるのである。
ては、複素環式化合物から選ばれる少なくとも一種の化
合物をくり返し単位とする高分子化合物を使用すること
ができる。複素環式化合物としてはピロール、チオフェ
ン、フランあるいはそれらの誘導体を使用することがで
きる。導電性高分子は、その内部に適当な物質がドーピ
ングされると、金属的性質を発現し、導電率が著しく上
昇する。このドーピングされる物質をドーパントと称す
るものとする。
式モノマーを重合させてなる複素環式高分子と、アルキ
ルジフェニルエーテルスルホン酸塩と、を含有する導電
性高分子材料である。また、本発明に係る導電性高分子
材料は、複素環式モノマーを重合させてなる複素環式高
分子と、アルキルジナフタレンエーテルスルホン酸塩
と、を含有する導電性高分子材料である。前記複素環式
高分子は、ポリピロール、ポリチオフェン、もしくは、
ポリフランを用いることが可能である。導電性高分子材
料は、ドーパントを均一かつ高濃度にドープしその導電
率を高め、かつまた陽極との密着性を高めるため、上記
の複素環式化合物をモノマーとし、上記のアルキルジフ
ェニルエーテルスルホン酸塩またはアルキルジナフタレ
ンエーテルスルホン酸塩を支持電解質として、電解重合
により行なうことが望ましい。なお、支持電解質として
用いるアルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩または
アルキルジナフタレンエーテルスルホン酸塩は塩の形態
でなく、遊離の酸の形態であっても用いることは可能で
ある。
明に係る導電性高分子材料を使用した固体電解コンデン
サである。固体電解コンデンサの製造においては、ま
ず、Al、Taなどの弁金属からなる陽極体を形成す
る。陽極体は、コンデンサ容量を大きくするため、表面
積が大きいほど望ましい。したがって、陽極体には、エ
ッチングにより粗面となった箔を巻回しまたは積層した
もの、多孔質である焼結体、などが使用される。次に、
陽極体に対し電解酸化処理を行なうことにより、陽極体
の表面に誘電体酸化皮膜を形成する。そして、誘電体酸
化皮膜上に、導電性高分子材料からなる陰極層を形成す
る。この導電性高分子材料には、本発明に係る導電性高
分子材料、すなわち、複素環式モノマーを重合させてな
る複素環式高分子と、アルキルジフェニルエーテルスル
ホン酸塩と、を含有する導電性高分子材料、もしくは、
複素環式モノマーを重合させてなる複素環式高分子と、
アルキルジナフタレンエーテルスルホン酸塩と、を含有
する導電性高分子材料が使用される。導電性高分子材料
からなる陰極層を形成するには、化学的酸化重合や電解
酸化重合を利用する方法があるが、一般に、電解酸化重
合を利用して形成された導電性高分子材料層は、化学的
酸化重合の場合に比べて、強度が強く、導電率が高く、
かつ均一な、良質の導電性高分子材料層となる。以上の
工程を経て形成された固体電解コンデンサ素子に対し、
陽極体と陰極層とからそれぞれ陽極リードと陰極リード
を取り出し、エポキシ樹脂などにより外殻を形成し、エ
ージング処理を行なって、本発明に係る固体電解コンデ
ンサを製造することができる。
/0.1Mドデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナト
リウム塩を使用し、作用極および対極にSUS304の
電極板を使用し、定電流(2mA/cm2)で30分間
電解重合を行なった。ドデシルジフェニルエーテルスル
ホン酸ナトリウム塩を下記の式3に示す。
るスルホン酸基の位置は特定されていない。また、式3
においてドデシル基の位置も特定されていない。参照極
は飽和カロメル電極とした。電解重合した後、洗浄して
ポリピロール膜を電極から剥離して、本発明に係る導電
性高分子材料を得た。なお、ピロール単位が6個に対し
て、ドーパントとしてのドデシルジフェニルエーテルス
ルホン酸が1個とりこまれている。その後、150℃の
空気雰囲気中で40時間放置した。その結果、初期抵抗
値は0.10Ωcmである一方で、40時間後の抵抗値
は0.33Ωcmであった。この結果を下記に示す表1
に記載する。このように、ドーパントとしてのドデシル
ジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム塩を使用した
ポリピロール膜は熱劣化による抵抗値の上昇がほとんど
なく良好な特性を示した。
ル/0.1Mジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム
塩を使用した以外は上述した実施例1と同条件でポリピ
ロール膜を作製した。ジフェニルエーテルスルホン酸ナ
トリウム塩を下記の式4に示す。
るスルホン酸基の位置は特定されていない。電解重合し
た後、洗浄してポリピロール膜を電極から剥離して、本
発明に係る導電性高分子材料を得た。なお、ピロール単
位が6個に対して、ドーパントとしてのジフェニルエー
テルスルホン酸が1個とりこまれている。その後、15
0℃の空気雰囲気中で40時間放置した。その結果、初
期抵抗値は0.08Ωcmである一方で、40時間後の
抵抗値は0.47Ωcmであった。この結果を下記に示
す表1に記載する。このように、ドーパントとしてのジ
フェニルエーテルスルホン酸ナトリウム塩を使用したポ
リピロール膜は熱劣化による抵抗値の上昇がほとんどな
く良好な特性を示した。
ル/0.1Mブチルジフェニルエーテルスルホン酸ナト
リウム塩を使用し、作用極および対極にSUS304の
電極板を使用し、定電流(2mA/cm2)で30分間
電解重合を行なった。ブチルジフェニルエーテルスルホ
ン酸ナトリウム塩を下記の式5に示す。
るスルホン酸基の位置は特定されていない。また、式5
においてブチル基の位置も特定されていない。電解重合
した後、洗浄してポリピロール膜を電極から剥離して、
本発明に係る導電性高分子材料を得た。なお、ピロール
単位が6個に対して、ドーパントとしてのブチルジフェ
ニルエーテルスルホン酸が1個とりこまれている。その
後、150℃の空気雰囲気中で40時間放置した。その
結果、初期抵抗値は0.10Ωcmである一方で、40
時間後の抵抗値は0.36Ωcmであった。この結果を
下記に示す表1に記載する。このように、ドーパントと
してのブチルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム
塩を使用したポリピロール膜は熱劣化による抵抗値の上
昇がほとんどなく良好な特性を示した。
ル/0.1Mドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩
を使用した以外は実施例1と同条件でポリピロール膜を
作製した。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩の
構造を下記の式6に示す。
を電極から剥離して、比較例1に係る導電性高分子材料
を得た。その後、150℃の空気雰囲気中で40時間放
置した。その結果、初期抵抗値は0.07Ωcmである
一方で、40時間後の抵抗値は80.40Ωcmであっ
た。この結果を下記に示す表1に記載する。このよう
に、ドーパントとしてのドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム塩を使用したポリピロール膜は熱劣化による抵
抗値の上昇が大きく良好とはいえない特性を示した。
ル/0.1Mp−トルエンスルホン酸ナトリウム塩を使
用した以外は実施例1と同条件でポリピロール膜を作製
した。1Mp−トルエンスルホン酸ナトリウム塩の構造
を下記の式7に示す。
を電極から剥離して、比較例2に係る導電性高分子材料
を得た。その後、150℃の空気雰囲気中で40時間放
置した。その結果、初期抵抗値は0.05Ωcmである
一方で、40時間後の抵抗値は5.81Ωcmであっ
た。この結果を下記に示す表1に記載する。このよう
に、ドーパントとしてのp−トルエンスルホン酸ナトリ
ウム塩を使用したポリピロール膜は熱劣化による抵抗値
の上昇が大きく良好とはいえない特性を示した。
ーテルスルホン酸ナトリウム塩をドーパントとして使用
したポリピロール膜は、初期抵抗において同等レベルで
非常に耐熱性に優れたポリピロール膜が得られたことが
理解できる。また、ジフェニルエーテルスルホン酸ナト
リウム塩をドーパントとして使用したポリピロール膜に
おいても、初期抵抗において同等レベルで非常に耐熱性
に優れたポリピロール膜が得られたことが理解できる。
さらに、ブチルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウ
ム塩をドーパントとして使用したポリピロール膜におい
ても、初期抵抗において同等レベルで非常に耐熱性に優
れたポリピロール膜が得られたことが理解できる。
ルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩の場合を示した
が、ドーパントがアルキルジナフタレンエーテルスルホ
ン酸塩である場合であっても、初期抵抗において同等レ
ベルで非常に耐熱性に優れたポリピロール膜が得られ
る。
すべての点で例示であって制限的なものではないと考え
られるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
くて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
環式モノマーを重合させてなる複素環式高分子と、アル
キルジフェニルエーテルスルホン酸塩と、を含有する導
電性高分子材料である。また、本発明に係る導電性高分
子材料は、複素環式モノマーを重合させてなる複素環式
高分子と、アルキルジナフタレンエーテルスルホン酸塩
と、を含有する導電性高分子材料である。本発明に係る
導電性高分子材料は、高温・高湿下で脱ドープが起こり
にくく、導電性高分子の電気的特性の劣化を極めて小さ
く抑制することが可能である。また、本発明に係る固体
電解コンデンサは、高温・高湿下で脱ドープが起こりに
くい導電性高分子材料を使用しているから、初期特性な
かでも漏れ電流特性に優れ、高温無負荷放置時あるいは
高湿無負荷放置時の容量、損失および漏れ電流の劣化が
小さく、信頼性特性の優れた固体電解コンデンサであ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 アルキルジフェニルエーテルスルホン酸
塩の、導電性高分子のドーパントとしての使用方法。 - 【請求項2】 アルキルジナフタレンエーテルスルホン
酸塩の、導電性高分子のドーパントとしての使用方法。 - 【請求項3】 複素環式モノマーを重合させてなる複素
環式高分子と、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸
塩と、を含有する導電性高分子材料。 - 【請求項4】 複素環式モノマーを重合させてなる複素
環式高分子と、アルキルジナフタレンエーテルスルホン
酸塩と、を含有する導電性高分子材料。 - 【請求項5】 前記複素環式高分子は、ポリピロール、
ポリチオフェン、ポリフランのうち少なくともいずれか
一つを含有するものである請求項3または4記載の導電
性高分子材料。 - 【請求項6】 請求項3または4記載の導電性高分子材
料を使用した固体電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000323661A JP2002128877A (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩の使用方法、アルキルジナフタレンエーテルスルホン酸塩の使用方法、導電性高分子材料、および、固体電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
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