JP2002127486A - カラー画像記録方法および装置 - Google Patents
カラー画像記録方法および装置Info
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- JP2002127486A JP2002127486A JP2000318527A JP2000318527A JP2002127486A JP 2002127486 A JP2002127486 A JP 2002127486A JP 2000318527 A JP2000318527 A JP 2000318527A JP 2000318527 A JP2000318527 A JP 2000318527A JP 2002127486 A JP2002127486 A JP 2002127486A
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Abstract
を用いて、コレステリック液晶性化合物にフルカラー画
像記録を行う方法および装置の提供。 【解決手段】 少なくとも一方が透明な2枚の基板間
に、コレステリック液晶相を形成するサーモトロピック
液晶性化合物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を
等方相またはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱
した後、特定の冷却速度で冷却することにより、コレス
テリック液晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステ
リックガラス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した
選択反射色を示す画像を記録するカラー画像記録方法お
よび装置において、複数の発熱体を有し、個々の発熱体
を選択的に加熱することが可能なサーマルヘッドを用
い、該発熱体に印加するエネルギーを変化させることに
より、前記コレステリックガラス相の選択反射率のピー
ク波長を制御することを特徴とする画像記録方法および
装置。
Description
晶性材料を用いた可逆記録媒体に対する画像記録方法お
よび装置に関し、特にサーマルヘッドを用いたフルカラ
ー画像記録方法および装置に関するものである。
73707号公報には、記録層全体を等方相転移温度以
下で、ガラス転移温度以上の記録設定温度に加熱して適
宜カラーの液晶状態にし、これをガラス転移温度以下に
冷却する際、適宜加圧手段、例えば、一対の加熱ローラ
間に挿通させる時の圧力を調整することにより、この液
晶状態を固定化するコレステリック高分子液晶を用いた
書替え可能な感熱記録媒体が開示されている。特開平1
1−24027号公報には、分子量が2000以下で、
ガラス転移温度が35℃以上のコレステリック液晶性化
合物またはその混合物からなる記録材料において、コレ
ステリック液晶状態から急冷することにより、その反射
色を常温で長期間保存でき、さらに、液晶状態に戻せば
繰り返し書き込むことが出来る書き換え可能なカラー画
像記録媒体及びそれを用いた画像形成方法が開示されて
いる。この画像記録媒体および画像形成方法によれば、
少なくとも一方が透明である2枚の基板間に、分子量が
2000以下でガラス転移温度が35℃以上のコレステ
リック液晶性化合物を含む感熱層を設けた書き換え可能
なカラー画像記録媒体において、該感熱層の温度を、所
望の画像が形成されるように第1の温度から第2の温度
(該第1の温度及び該第2の温度の少なくとも一方の温
度で該コレステリック液晶性化合物はコレステリック液
晶相を形成する)に変化させて画像を形成し、次いで該
記録媒体を急冷して該感熱層を該ガラス転移温度以下ま
で冷却させ該画像を固定することができ、単一の材料系
に対して記録条件を変えるだけで書き換え可能なフルカ
ラー画像記録が可能であるという有望な特徴を持ってい
る。しかしながら、本公報にはサーマルプリンタのよう
な一般的な書き込み装置による具体的な画像記録方法に
ついては何も記載されていない。また、本出願人の出願
に係る特願平11−00159号の明細書には、中分子
コレステリック液晶性化合物を用いた可逆記録媒体にサ
ーマルプリンタで画像記録をおこなう方法であって、加
熱時の目標温度、または、冷却時の目標温度を変えるこ
とにより、青色〜赤色の選択反射色を記録することが出
来る多色画像記録方法および装置が記載されているが、
サーマルヘッドの制御条件については具体的に検討され
ていない。
リンタのような一般的な加熱装置を用いて、コレステリ
ック液晶性化合物にフルカラー画像記録を行う方法およ
び装置の提供を目的とし、詳しくは、サーマルヘッドを
用い発熱体に印加するエネルギーを変化させる方法およ
び装置、サーマルヘッドを簡単に制御する方法および装
置、書き込み時のダメージから可逆記録媒体およびサー
マルヘッドを保護しながら、フルカラー画像を記録する
方法および装置、更には、低エネルギーで、かつ、効率
よく画像を記録する方法および装置、印字のパターンに
よって色変わりのすることのないフルカラー画像を記録
する方法および装置の提供を目的とする。
12)の発明(以下、本発明1〜12という)によって
解決される。 1) 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、コレス
テリック液晶相を形成するサーモトロピック液晶性化合
物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を等方相また
はコレステリック液晶相を示す温度まで加熱した後、特
定の冷却速度で冷却することにより、コレステリック液
晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステリックガラ
ス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した選択反射色
を示す画像を記録するカラー画像記録方法において、複
数の発熱体を有し、個々の発熱体を選択的に加熱するこ
とが可能なサーマルヘッドを用い、該発熱体に印加する
エネルギーを変化させることにより、前記コレステリッ
クガラス相の選択反射率のピーク波長を制御することを
特徴とする画像記録方法。 2) 発熱体に印加するエネルギーを印加電圧または印
加パルス時間によって制御することを特徴とする1)記
載の画像記録方法。 3) 発熱体に印加するエネルギーを印加電圧および印
加パルス時間によって制御することを特徴とする1)記
載の画像記録方法。 4) 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、コレス
テリック液晶相を形成するサーモトロピック液晶性化合
物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を等方相また
はコレステリック液晶相を示す温度まで加熱した後、特
定の冷却速度で冷却することにより、コレステリック液
晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステリックガラ
ス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した選択反射色
を示す画像を記録するカラー画像記録装置において、複
数の発熱体を有し、個々の発熱体を選択的に加熱するこ
とが可能なサーマルヘッド、および該発熱体に印加する
エネルギーを変化させる手段を備え、該手段により前記
コレステリックガラス相の選択反射率のピーク波長が制
御されるように設定されていることを特徴とするカラー
画像記録装置。 5) 発熱体に印加するエネルギーが印加電圧または印
加パルス時間によって制御されるように設定されている
ことを特徴とする4)記載のカラー画像記録装置。 6) 発熱体に印加するエネルギーが印加電圧および印
加パルス時間によって制御されるように設定されている
ことを特徴とする4)記載のカラー画像記録装置。 7) 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、コレス
テリック液晶相を形成するサーモトロピック液晶性化合
物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を等方相また
はコレステリック液晶相を示す温度まで加熱した後、特
定の冷却速度で冷却することにより、コレステリック液
晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステリックガラ
ス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した選択反射色
を示す画像を記録するカラー画像記録方法において、複
数の発熱体を有し、個々の発熱体を選択的に加熱するこ
とが可能なサーマルヘッドを用い、該サーマルヘッドに
対する記録媒体の走査速度を制御することにより、前記
コレステリックガラス相の選択反射率のピーク波長を制
御することを特徴とする画像記録方法。 8) サーマルヘッドに対する記録媒体の走査速度およ
び発熱体に印加するエネルギーを制御することを特徴と
する7)記載の画像記録方法。 9) 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に、コレス
テリック液晶相を形成するサーモトロピック液晶性化合
物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を等方相また
はコレステリック液晶相を示す温度まで加熱した後、特
定の冷却速度で冷却することにより、コレステリック液
晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステリックガラ
ス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した選択反射色
を示す画像を記録するカラー画像記録装置において、複
数の発熱体を有し、個々の発熱体を選択的に加熱するこ
とが可能なサーマルヘッド、および該サーマルヘッドに
対する記録媒体の走査速度を制御する手段を備え、該手
段により前記コレステリックガラス相の選択反射率のピ
ーク波長が制御されるように設定されていることを特徴
とするカラー画像記録装置。 10) 更に、発熱体に印加するエネルギーを変化させ
る手段を備え、サーマルヘッドに対する記録媒体の走査
速度および発熱体に印加するエネルギーの双方が制御さ
れるように設定されていることを特徴とする9)記載の
カラー画像記録装置。 11) 記録画像の形状に応じて印字部への印加エネル
ギーを制御することを特徴とする1)、2)、3)、
7)、8)のいずれかに記載の画像記録方法。 12) 記録画像の形状に応じて印字部への印加エネル
ギーを制御する手段を有することを特徴とする4)、
5)、6)、9)、10)のいずれかに記載のカラー画
像記録装置。
1は、本発明の方法および装置で使用できる可逆記録媒
体の構成例である。図1に示すように、支持基板の上
に、サーモトロピック性のコレステリック液晶性化合物
による感熱記録層と、透明な表面保護層とを形成する。
また、液晶の配向性向上や層間の接着性向上の目的で基
板と感熱記録層の間に下地層や中間層を設けても良い。
支持基板としては、たとえば、PET(ポリエチレンテ
レフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES
(ポリエーテルスルフォン)などのプラスチックフィル
ムあるいはこれらの複合体、ガラス板などを用いること
が出来る。シート状の可逆記録媒体とする場合の支持基
板の厚さは通常、50〜500μmとし、好ましくは1
00〜300μm程度とする。その他のディスプレイ装
置とする場合は板状の剛体でも良く、支持体の厚さは特
に限定されない。
吸収層は、図1のように、支持基板の裏面側に例えば黒
色塗料を塗布するなどして設けてもよいが、支持基板中
に黒色顔料を分散することにより光吸収層兼用とするこ
ともできる。表面保護層としては、透明性と耐熱性に優
れるPES、PEI(ポリエーテルイミド)などのプラ
スチックフィルムが好ましいが、これらに限定されるも
のではない。また、記録層を成膜後、紫外線硬化樹脂層
を被覆しても良い。表面保護層の厚さは1〜30μm程
度が好ましい。1μmよりも薄いと機械的強度が不足し
て基板の破損が生じ、30μmよりも厚いと感熱記録層
への熱伝達効率が悪化し好ましくない。感熱記録層とし
ては、分子量が900以上1万以下、好ましくは100
0以上2000以下で且つ分子量分布を持たない中分子
コレステリック液晶性化合物あるいはその混合物を用い
ることが特に好ましく、該化合物あるいはその混合物
は、ガラス転移温度が観測される場合には30℃以上で
あることが好ましい。
の相変化モデル図を示す。結晶相から加熱していくと融
点以上で等方相となる。そこからコレステリック液晶相
を示す温度まで徐冷あるいは急冷すると温度に応じた選
択反射色を示す。ここで、100℃程度以上の比較的高
温でコレステリック液晶相を示すことが好ましい。コレ
ステリック液晶相から室温程度まで徐冷すると、結晶化
して光散乱による白濁状態となる。このとき記録層が薄
い場合はほぼ透明として観測される場合もある。コレス
テリック液晶相から室温程度まで急冷すると、コレステ
リック液晶相の螺旋状分子配列を保持したガラス状固体
(コレステリックガラス相)になり、螺旋ピッチに依存
した選択反射色が観測される。そして急冷開始時の感熱
記録層の温度あるいは冷却速度及びその領域を任意に設
定する事により、任意の選択反射色を示す画像が可逆的
に記録できる。図3a、bに本発明で用いられる中分子
コレステリック液晶性化合物の例を示すが、上記のコレ
ステリックガラス相の記録特性を示すものならばこれら
の化合物に限定されるものではない。
好ましくは1〜20μmの範囲から適宜選択すればよ
い。感熱記録層が薄すぎると最大反射が得られる波長に
おける反射率が低くなるため表示画像のコントラストが
低下する。厚すぎると厚さ方向に熱が均一に伝わらず色
純度が悪くなるし、感熱記録層での光吸収が多くなって
表示画像のコントラストが低下する。なお、感熱記録層
は、選択反射を示す液晶性化合物だけで構成することが
好ましいが、バインダ樹脂やスペーサー粒子を含有する
ものであっても良い。バインダ樹脂としては、例えば、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェ
ノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステ
ルなどが挙げられる。スペーサー粒子としては、一般的
な液晶ディスプレイ用に用いられているものが使用でき
る。また、高分子化合物中に液晶性化合物を分散させた
高分子分散型液晶にすることも可能である。選択反射波
長は、通常、400〜700nm程度の可視光領域に存
在することが好ましく、この場合、人間が視認すること
ができる。ただし、機械により読み取る場合などは、紫
外領域や赤外領域に選択反射波長が存在していてもよ
い。
分けて次の二通りある。第一の方法は、加熱手段を用い
て記録部を等方相転移温度以上に加熱し、冷却手段によ
って等方相の温度から所望の選択反射色を示す液晶相ま
で速やかに冷却した後、他の冷却手段によって液晶相を
室温程度まで一気に急冷して、所望の選択反射色を示す
コレステリックガラス相を固定化する方法である。図3
に例示した化合物は高温側で短波長色を示すため、青色
を記録するためには、比較的高温状態からの急冷が必要
になる。この方法は二段階的な冷却工程が必要になるた
め、比較的複雑な装置構成が必要となる。第二の方法
は、加熱手段を用いて記録部を等方相転移温度以上に加
熱し、等方相の温度から室温程度まで一段階で急冷し
て、結果的に所望の選択反射色を示すコレステリックガ
ラス相を固定化する方法であり、加熱の温度を調整する
ことにより選択反射色をコントロールすることが出来
る。図3に例示した化合物では、加熱温度が低いと短波
長側の選択反射色、高いと長波長側の選択反射色が固定
される。
階で冷却する方法には、サーマルヘッドを用いた既存の
感熱記録装置を用いることができるという利点がある。
しかしながら、固定化されるコレステリック液晶の選択
反射色は加熱温度によって敏感に変化するので、フルカ
ラー画像記録をするためには加熱条件を正確に制御しな
ければならないという問題がある。本発明では、この問
題の解決手段として、サーマルヘッドを用いた感熱記録
装置においてフルカラー画像記録をするための加熱温度
の制御方法および装置を提供する。
ことにより発熱する。印加電圧値をV(v)、発熱体の
抵抗値をR(Ω)、電圧を印加する時間(印加パルス時
間)をt(s)とすると、1つの発熱体(1dot)あ
たりの印加エネルギーe(J/dot)はe=(V×V
/R)×t=V2t/Rで表される。図4にサーマルヘ
ッドに印加したエネルギーと記録された選択反射色のピ
ーク波長との関係の例を示す。この例では、印加エネル
ギーが約0.45mJ/dotで選択反射色のピーク波
長が約400nmであり、印加エネルギーを高くするに
つれて選択反射色のピーク波長が長波長側にシフトし
た。印加エネルギーが約1.2mJ/dotのときに選
択反射色のピーク波長は約680nmとなり、印加エネ
ルギーを変えることによって青色〜赤色までフルカラー
を記録することが可能であった(本発明1に対応)。
圧値と印加パルス時間によって決められる。従って、印
加エネルギーを制御する手段としては、 1.印加電圧値を一定にして印加パルス時間を変調する
方法、 2.印加パルス時間を一定にして印加電圧値を変化させ
る方法、 3.印加電圧値、印加パルス時間を共に変化させる方
法、 の3つの方法が挙げられる。図5に「印加電圧値を一定
にして印加パルス時間を変調する方法」での印加エネル
ギー値と記録された選択反射色のピーク波長との関係の
例を示す。この例では、走査線速5ms、印加電圧20
Vとし、印加パルス時間を2.1〜5.1msの間で変
化させた。図示した結果から明らかなように、印加電圧
値を一定にした場合も、印加パルス時間によって選択反
射色のピーク波長が約400nm〜約650nmになり
青色から赤色のフルカラー記録ができる。また、図6に
「印加パルス時間を一定にして印加電圧値を変化させる
方法」での印加エネルギー値と記録された選択反射色の
ピーク波長との関係の例を示す。この例では、走査線速
5ms、印加パルス時間5msとし、印加電圧値を11
〜20Vの間で変化させた。図示した結果から明らかな
ように、印加パルス時間を一定にした場合も、同様に印
加電圧値によって青色から赤色のフルカラー記録ができ
る。従って、この2つのどちらの方法を利用してもフル
カラー記録ができることが本発明で明らかとなり、要求
される作業効率や制御のし易さに応じて都合のよい方を
選択することが可能となった(本発明2に対応)。
時間を共に変化させる方法」によってもフルカラー記録
が可能なことは自明であるが、一方だけを変化させる方
法に比べてそれぞれの変化幅が小さくても印加エネルギ
ーを大きく変えることができるという利点がある。例え
ば、印加パルス時間を一定にした場合において高エネル
ギーを印加するためには印加電圧値を大きくしなければ
ならないが、印加電圧値を大きくし過ぎると、記録媒体
の表面保護層が損傷を受けたり、サーマルヘッドの発熱
体の寿命が短くなるといった支障を生じることがある。
また、印加電圧値を一定にした場合、高エネルギーを印
加するためには印加パルス時間を長くしなければならな
いが、印加パルス時間はパルス周期より長くできないた
め、結果として書き込み時間が遅くなるといった影響が
で出てくる可能性もある。これに対して両方を変化させ
る場合には、印加電圧値、印加パルス時間を余裕をもっ
て設定することができるし、2つのパラメータを組み合
わせることにより精細に印加エネルギー値を制御するこ
とができる(本発明3に対応)。
成例を示す。本例は、シート状の記録媒体を搬送ローラ
等で移動させ、サーマルヘッドにより加熱して画像を記
録する場合を示している。このとき、冷却手段として加
熱直後の記録媒体に接触して放熱させる能力を持つ物質
や部材、例えば、空気、水、氷、金属部材、更にはそれ
らを冷却するための送風ファン、ペルチェ素子などを用
いても構わない。また、サーマルヘッドの前に記録媒体
を予め加熱する手段、前の記録画像を消去するための手
段等を有していても良い。本例ではサーマルヘッドを1
つだけ設けているが、複数設けても良く、例えば赤色、
緑色、青色を書き込むために3つのサーマルヘッドが並
んだ構成としても良い。更に、記録媒体を往復移動さ
せ、サーマルヘッドにより複数回の書き込みをさせるこ
とも可能である。サーマルヘッドの印加エネルギーの制
御手段は、記録する画像特性および要求される作業効率
に応じて前述のいずれかの手段を適宜組み合わせて、あ
るいは、切り替えるように設定すれば良い(本発明4〜
6に対応)。
速)の異なる方法で画像を記録した場合の選択反射色の
ピーク波長を示す。
ほうが長波長側の色を記録した。これは、走査線速が大
きいと印加パルスの周期が短くなるために、サーマルヘ
ッド内が蓄熱しやすくなるためである。この原理を利用
することで、より低い印加エネルギーで同じ選択反射色
を記録することができる。さらに走査線速が大きければ
印字が速くなり、作業効率が上がる(本発明7に対
応)。
期が短くなり、印加パルス時間を長くすることができな
いため、印加エネルギーを大きくすることが難しい。従
って、低エネルギーで記録できるとはいえ、赤色のよう
な長波長側の選択反射色を記録することは難しい。そこ
で、青〜緑の短波長色を記録する場合は走査線速を大き
くし、赤色のような長波長色を記録する場合は走査線速
を小さくするというように、走査線速、印加エネルギー
の双方を制御することが望ましい。カラー画像記録装置
においても、赤色、緑色、青色の各色で走査線速が変え
られる構成が望ましい(本発明8〜10に対応)。
状が全面ベタなどで連続的に電圧を印加する場合と、細
線、ドットなどで電圧の印加を頻繁にオン・オフしたり
する場合では、同じエネルギーを印加しても、蓄熱など
の影響で発熱体の温度が異なることがある。先にも述べ
たとおり、コレステリック液晶の選択反射色は加熱温度
によって敏感に変化する。そこで、記録画像の形状によ
って印加エネルギーの量を制御することを行う。例えば
全面ベタを印字する場合より細線を印字するときの方が
印加エネルギーを高くするということを行なえば、記録
画像の形状によって記録画像の色が異なるといった不具
合はなくなる。実際には、プリントアウトするデータの
記録画像の形状をコンピュータ上で解析して、記録画像
の形状により印加エネルギー値を算出する機構をプリン
タドライバー内などに持たせればよい(本発明11、1
2に対応)。
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。
ィルム(住友ベークライト製スミライト)を用い、裏面
に黒色塗料を塗布した。この支持基板上にコレステリッ
ク液晶性化合物(Dicholesteryl10,1
2−Docosadiynedioate、図3aのn
=8)の厚さ約10μmの薄膜を作製した。更にUV
(紫外線)硬化樹脂(JSR製デソライト)を塗布し、
紫外線を照射することにより、厚さ約2μmの表面保護
層をコーティングし、可逆記録媒体を作製した。記録装
置としては、印加電圧値、印加パルス時間、走査線速を
任意に設定することができるサーマルプリンタを用い
た。走査線速を5mm/s、印加電圧値を12Vで一定
にし、印加パルス時間を4〜14msの間で変化させる
ことにより、印加エネルギー値を0.45〜1.2mJ
/dotの間で変化させて、それぞれの画像を記録し
た。印字部の選択反射色を分光測色濃度計(X−rit
e社製、X−Rite938)を用いて測定しピーク波
長を求めた。その結果、上記の印加エネルギー値の間
で、選択反射波長のピークは400nm〜680nmを
示し、フルカラー記録ができることが分かった。
た。走査線速を5mm/s、印加パルス時間を5msで
一定にし、印加電圧値を11〜20Vの間で変化させる
ことにより、印加エネルギー値を0.35〜1.1mJ
/dotの間で変化させて、それぞれの画像を記録し
た。実施例1と同様にして選択反射波長を測定したとこ
ろ、上記の印加エネルギー値の間で、選択反射波長のピ
ークは400nm〜650nmを示し、フルカラー記録
ができることが分かった。
た。印加エネルギー値を0.42mJ/dotに固定
し、走査線速を5mm/sおよび10mm/sにして画
像を記録した。実施例1と同様にして選択反射波長を測
定したところ、走査線速が5mm/sのときは、選択反
射波長のピークは420nmであり、走査線速が10m
m/sのときは、選択反射波長のピークは490nmで
あった。即ち、走査線速の大きいほうが長波長側にシフ
トした。
た。走査線速を5mm/s、印加エネルギー値を0.4
2mJ/dot、および、走査線速を10mm/s、印
加エネルギー値を0.17mJ/dotとして画像を記
録した。実施例1と同様にして選択反射波長を測定した
ところ、いずれの画像も選択反射波長のピークは420
nmであった。即ち、走査線速の大きいほうが低エネル
ギーで同じ色を記録することができた。
た。走査線速を5mm/s、印加エネルギー値を0.7
mJ/dotとして5mm角のベタ画像を記録した。ま
た、走査線速を5mm/s、印加エネルギー値を1.0
mJ/dotとして線幅0.3mmの細線画像を記録し
た。その結果、印加エネルギー値が異なるにも拘わら
ず、記録された選択反射色はほぼ同じであった。
いてフルカラー画像を記録することができる。本発明2
によれば、印加電圧値または印加パルス時間のどちらか
片方でサーマルヘッドの印加エネルギー値を制御するの
で、都合のよい方法を選択してフルカラー画像を記録す
ることができる。本発明3によれば、印加電圧値および
印加パルス時間に余裕をもってサーマルヘッドの印加エ
ネルギー値を制御することができ、書き込み時のダメー
ジから可逆記録媒体およびサーマルヘッドを保護しなが
らフルカラー画像を記録することができるし、上記2つ
のパラメーターを組み合わせることにより、精細に印可
エネルギー値を制御することができる。本発明4〜6に
よれば、印加電圧値、印加パルス時間の片方、または両
方を用いてサーマルヘッドの印加エネルギー値を制御す
るので、記録する画像特性および要求される作業効率に
応じて比較的自由な構成のフルカラー画像記録装置を作
製することができる。本発明7〜10によれば、低エネ
ルギーで、かつ、効率よくフルカラー画像を記録するこ
とができる。本発明11〜12によれば、印字のパター
ンによって色変わりのすることのないフルカラー画像を
記録することができる。
す図。
デル図。
コレステリック液晶性化合物の例を示す図。
された選択反射色のピーク波長との関係の例を示す図。
調する方法」での印加エネルギー値と記録された選択反
射色のピーク波長との関係の例を示す図。
化させる方法」での印加エネルギー値と記録された選択
反射色のピーク波長との関係の例を示す図。
す図。
Claims (12)
- 【請求項1】 少なくとも一方が透明な2枚の基板間
に、コレステリック液晶相を形成するサーモトロピック
液晶性化合物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を
等方相またはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱
した後、特定の冷却速度で冷却することにより、コレス
テリック液晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステ
リックガラス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した
選択反射色を示す画像を記録するカラー画像記録方法に
おいて、複数の発熱体を有し、個々の発熱体を選択的に
加熱することが可能なサーマルヘッドを用い、該発熱体
に印加するエネルギーを変化させることにより、前記コ
レステリックガラス相の選択反射率のピーク波長を制御
することを特徴とする画像記録方法。 - 【請求項2】 発熱体に印加するエネルギーを印加電圧
または印加パルス時間によって制御することを特徴とす
る請求項1記載の画像記録方法。 - 【請求項3】 発熱体に印加するエネルギーを印加電圧
および印加パルス時間によって制御することを特徴とす
る請求項1記載の画像記録方法。 - 【請求項4】 少なくとも一方が透明な2枚の基板間
に、コレステリック液晶相を形成するサーモトロピック
液晶性化合物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を
等方相またはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱
した後、特定の冷却速度で冷却することにより、コレス
テリック液晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステ
リックガラス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した
選択反射色を示す画像を記録するカラー画像記録装置に
おいて、複数の発熱体を有し、個々の発熱体を選択的に
加熱することが可能なサーマルヘッド、および該発熱体
に印加するエネルギーを変化させる手段を備え、該手段
により前記コレステリックガラス相の選択反射率のピー
ク波長が制御されるように設定されていることを特徴と
するカラー画像記録装置。 - 【請求項5】 発熱体に印加するエネルギーが印加電圧
または印加パルス時間によって制御されるように設定さ
れていることを特徴とする請求項4記載のカラー画像記
録装置。 - 【請求項6】 発熱体に印加するエネルギーが印加電圧
および印加パルス時間によって制御されるように設定さ
れていることを特徴とする請求項4記載のカラー画像記
録装置。 - 【請求項7】 少なくとも一方が透明な2枚の基板間
に、コレステリック液晶相を形成するサーモトロピック
液晶性化合物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を
等方相またはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱
した後、特定の冷却速度で冷却することにより、コレス
テリック液晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステ
リックガラス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した
選択反射色を示す画像を記録するカラー画像記録方法に
おいて、複数の発熱体を有し、個々の発熱体を選択的に
加熱することが可能なサーマルヘッドを用い、該サーマ
ルヘッドに対する記録媒体の走査速度を制御することに
より、前記コレステリックガラス相の選択反射率のピー
ク波長を制御することを特徴とする画像記録方法。 - 【請求項8】 サーマルヘッドに対する記録媒体の走査
速度および発熱体に印加するエネルギーを制御すること
を特徴とする請求項7記載の画像記録方法。 - 【請求項9】 少なくとも一方が透明な2枚の基板間
に、コレステリック液晶相を形成するサーモトロピック
液晶性化合物を含む感熱記録層を形成し、感熱記録層を
等方相またはコレステリック液晶相を示す温度まで加熱
した後、特定の冷却速度で冷却することにより、コレス
テリック液晶相の螺旋状分子配列を固体化したコレステ
リックガラス相を形成させ、螺旋状分子配列に起因した
選択反射色を示す画像を記録するカラー画像記録装置に
おいて、複数の発熱体を有し、個々の発熱体を選択的に
加熱することが可能なサーマルヘッド、および該サーマ
ルヘッドに対する記録媒体の走査速度を制御する手段を
備え、該手段により前記コレステリックガラス相の選択
反射率のピーク波長が制御されるように設定されている
ことを特徴とするカラー画像記録装置。 - 【請求項10】 更に、発熱体に印加するエネルギーを
変化させる手段を備え、サーマルヘッドに対する記録媒
体の走査速度および発熱体に印加するエネルギーの双方
が制御されるように設定されていることを特徴とする請
求項9記載のカラー画像記録装置。 - 【請求項11】 記録画像の形状に応じて印字部への印
加エネルギーを制御することを特徴とする請求項1、
2、3、7、8のいずれかに記載の画像記録方法。 - 【請求項12】 記録画像の形状に応じて印字部への印
加エネルギーを制御する手段を有することを特徴とする
請求項4、5、6、9、10のいずれかに記載のカラー
画像記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000318527A JP2002127486A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | カラー画像記録方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000318527A JP2002127486A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | カラー画像記録方法および装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002127486A true JP2002127486A (ja) | 2002-05-08 |
Family
ID=18797136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000318527A Pending JP2002127486A (ja) | 2000-10-18 | 2000-10-18 | カラー画像記録方法および装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002127486A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10328742A1 (de) * | 2003-06-25 | 2005-01-13 | Metronic Ag | Verfahren zum Aufbringen von Mitteln mit Flüssigkristallen auf Substrate |
JP2010076253A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Nec Personal Products Co Ltd | プリンタ |
-
2000
- 2000-10-18 JP JP2000318527A patent/JP2002127486A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE10328742A1 (de) * | 2003-06-25 | 2005-01-13 | Metronic Ag | Verfahren zum Aufbringen von Mitteln mit Flüssigkristallen auf Substrate |
US7298427B2 (en) | 2003-06-25 | 2007-11-20 | Kba-Metronic Ag | Method for applying substances with liquid crystals to substrates |
DE10328742B4 (de) * | 2003-06-25 | 2009-10-29 | Kba-Metronic Aktiengesellschaft | Verfahren zum Aufbringen von Mitteln mit Flüssigkristallen auf Substrate |
JP2010076253A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Nec Personal Products Co Ltd | プリンタ |
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