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JP2002119860A - 触媒及びその製造方法 - Google Patents

触媒及びその製造方法

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JP2002119860A
JP2002119860A JP2000315555A JP2000315555A JP2002119860A JP 2002119860 A JP2002119860 A JP 2002119860A JP 2000315555 A JP2000315555 A JP 2000315555A JP 2000315555 A JP2000315555 A JP 2000315555A JP 2002119860 A JP2002119860 A JP 2002119860A
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thin film
rare earth
alumina
catalyst
earth oxide
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JP2000315555A
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Noriyuki Taoka
紀之 田岡
Kazushige Ono
一茂 大野
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 排気ガスの圧力損失が小さくするとともに、
機械的強度を向上すること。 【解決手段】 リン酸ジルコニウムを含有するセラミッ
ク担体15は、その担体15を形成する粒子単位毎にア
ルミナ薄膜3にて被覆されている。そして、アルミナ薄
膜3の凹凸表面に触媒活性成分が担持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガスを浄化す
る触媒及びその製造方法に関する。詳しくは、ディーゼ
ルエンジンの排気ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)
や炭化水素(HC)の酸化除去、ならびに窒素酸化物
(NOx)の還元除去を効率よく行うことができる他、
圧力損失が小さくかつディーゼルパティキュレートの捕
集効率が高く、そして再生率の良好な触媒及びその製造
方法について提案する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の排気ガス浄化用触媒とし
て、例えば、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する
ものがある。図16(a),(b)に示すような排気ガ
ス通路となる各セル101を、耐熱性及び熱伝導性に優
れた多孔質炭化珪素焼結体にてハニカム状に形成し、か
つそれらのセル101を交互に目封じした触媒担持フィ
ルタ100が用いられている。そして、この触媒担持フ
ィルタ100をデイーゼルエンジンの排気側に接続し、
このフィルタ内に堆積したパティキュレート(PM:粒
子状物質)やHC,CO等を酸化分解する形式としたも
のが普通である。
【0003】このような触媒担持フィルタ100として
は、例えばハニカム状に成形した耐熱性セラミック担体
105のセル壁102の表面に、γ一アルミナからなる
担持層を形成し、さらにその担持層にPt,Pd,Rh
等の貴金属からなる触媒活性成分を担持させたものがよ
く知られている。
【0004】このような触媒担持フィルタ100として
は、特開平5−68892号公報では、γ一アルミナに
無機質バインダを添加して混合、粉砕して得た微粉末を
スラリーとし、このスラリーをハニカム状のセラミック
担体105の壁面に均一に吹き付けて被覆する、いわゆ
るウォッシュコートして触媒コート層103を形成した
ものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術、即ちウ
ォッシュコートされた前記触媒コート層103(ウオッ
シコートアルミナ層)は、図17(a)に示すように、
セル壁102の壁面を均一に覆う薄膜で形成され、図1
7(b)に示した部分拡大図のような細孔構造を持って
いる。このような細孔構造における孔径は20〜500
オングストロームが主体であり、通常、50〜300m
2/gの比表面積を示すのが普通である。また、このよ
うな触媒コート層103は、表面に貴金属等の触媒活性
成分を分散支持させることから、比表面積を大きくなけ
ればならないし、ある程度の厚み(50〜100μm程
度)も必要である。
【0006】しかしながら、ウォッシュコートした触媒
コート層103というのは、気孔径、気孔率が小さく、
排気ガスが触媒担持フィルタ100を通過する際の抵抗
が大きい。そのため、触媒コート層をもたないセラミッ
ク担体105に比べると、著しく圧力損失が増加すると
いう問題があった。なお、「圧力損失」とは、触媒担持
フィルタ100の上流側の圧力値から下流側の圧力値を
引いたものをいう。排気ガスがフィルタを通過する際に
抵抗を受けることが、圧力損失をもたらす最大の要因で
ある。従って、圧力損失が増大すると、耐熱性・機械的
強度・捕集効率が低下し、化学的に不安定となる。
【0007】さらに、ウォッシュコートした触媒コート
層103は、単に、セル壁102である担体表面に万遍
なくコートされているだけなので、密着性が悪く、排気
ガスを浄化する際に堆積する灰分(アッシュ)を洗浄す
る際に剥離するおそれがあった。また、前述したよう
に、触媒コート層103は細孔構造ではあるが、孔径が
20〜500オングストロームと小さく、高温に長時間
さらされると焼結が進行し、α相に相転移して比表面積
が小さくなるため耐熱性に劣るという問題もあった。さ
らには、比表面積が小さいことから、触媒コート層10
3上に担持した触媒活性成分の粒子間距離が小さくな
り、そのために焼結が進行した場合には比表面積がます
ます小さくなり、触媒作用そのものの低下を招くという
問題があった。
【0008】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、排気ガスの圧力損失が小さいばか
りでなく、機械的強度に優れた触媒及びその製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、4価金属酸性不溶性
塩含有セラミック担体の表面に触媒活性成分を分散担持
してなる触媒であって、そのセラミック担体は、この担
体を形成する各粒子単位毎にその表面が希土類酸化物を
含有するアルミナの薄膜にて被覆されたものであり、そ
の希土類酸化物含有アルミナ薄膜の凹凸表面に前記触媒
活性成分が担持されていることを要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明では、ジルコニウム
化合物含有セラミック担体の表面に触媒活性成分を分散
担持してなる触媒であって、そのセラミック担体は、こ
の担体を形成する各粒子単位毎にその表面が希土類酸化
物を含有するアルミナの薄膜にて被覆されたものであ
り、その希土類酸化物含有アルミナ薄膜の凹凸表面に前
記触媒活性成分が担持されていることを要旨とする。
【0011】請求項3に記載の発明では、4価金属のリ
ン酸塩含有セラミック担体の表面に触媒活性成分を分散
担持してなる触媒であって、そのセラミック担体は、こ
の担体を形成する各粒子単位毎にその表面が希土類酸化
物を含有するアルミナの薄膜にて被覆されたものであ
り、その希土類酸化物含有アルミナ薄膜の凹凸表面に前
記触媒活性成分が担持されていることを要旨とする。
【0012】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の触媒において、前記4価金属酸性不溶性塩含有セラ
ミック担体は、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、ヒ
酸ジルコニウム及びヒ酸チタンのうちいずれかを含む、
多孔質体、ファイバー成形体あるいはペレット成形体の
いずれかで構成されていることを要旨とする。
【0013】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれかに記載の触媒において、前記セラミック担体
中の各粒子表面を覆う前記希土類酸化物含有アルミナ薄
膜は、ミクロ断面形状が、直径:2〜50mm、長さ:2
0〜300nmで、全長/直径の比が5〜100の形状
を有する小繊維が林立した植毛構造からなる凹凸表面を
有し、その表面の比表面積が50〜300m2/gであ
ることを要旨とする。
【0014】請求項6に記載の発明では、請求項1〜5
のいずれかに記載の触媒において、前記セラミック担体
を覆う前記希土類酸化物を含有するアルミナ薄膜は、担
体に対してアルミナ量で換算して0.1〜15mass
%の割合で被覆されており、アルミナ薄膜中に含まれる
希土類酸化物の量はそのアルミナに対して10〜80m
ass%の含有量であることを要旨とする。
【0015】請求項7に記載の発明では、請求項1〜6
のいずれかに記載の触媒において、前記希土類酸化物
は、少なくともそれの一部がジルコニウムとの複合酸化
物を形成しているものであることを要旨とする。
【0016】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載の触媒において、希土類酸化物とジルコニウムとの複
合酸化物の粒子径は、1〜30nmの大きさであること
を要旨とする。
【0017】請求項9に記載の発明では、4価金属酸性
不溶性塩含有セラミック担体を構成する各粒子の表面
に、下記入(a)〜(e)工程を経て希土類酸化物含有
アルミナ薄膜を形成し、次いでその希土類酸化物含有ア
ルミナ薄膜の凹凸表面に、貴金属などの触媒活性成分を
担持させることによって触媒を製造することができる。 (a)溶液含浸工程:前記セラミック担体をアルミニウ
ム及び希土類酸化物を含有する金属化合物の溶液中に浸
漬する。 (b)乾燥工程:前記セラミック担体を加熱乾燥する。 (c)仮焼成工程:前記セラミック担体を300〜50
0℃以上の温度に加熱焼成することにより、アモルファ
スアルミナ薄膜を形成する。 (d)熱処理工程:前記セラミック担体を100℃の熱
水中に浸漬処理したのち乾燥する。 (e)本焼成工程:500〜1200℃にて本焼成す
る。
【0018】請求項10に記載の発明では、4価金属酸
性不溶性塩含有セラミック担体を構成する各粒子の表面
に、下記(a)〜(f)工程を経て希土類酸化物含有ア
ルミナ薄膜を形成し、次いでその希土類酸化物含有アル
ミナ薄膜の凹凸表面に、触媒活性成分を分散担持させる
ことによって触媒を製造することができる。 (a)予備処理工程:前記セラミック担体を1000℃
〜1500℃の温度に加熱してけい化物の酸化膜を形成
する。 (b)溶液含浸工程:前記セラミック担体をアルミニウ
ム及び希土類酸化物を含有する金属化合物の溶液中に浸
漬する。 (c)乾燥工程:前記セラミック担体を加熱乾燥する。 (d)仮焼成工程:前記セラミック担体を300〜50
0℃以上の温度に加熱焼成することにより、アモルファ
スアルミナ薄膜を形成する。 (e)熱処理工程:前記セラミック担体を100℃の熱
水中に浸濱処理したのち乾燥する。 (f)本焼成工程:500〜1200℃にて本焼成す
る。
【0019】請求項11に記載の発明では、請求項9ま
たは10に記載の触媒の製造方法において、前記4価金
属酸性不溶性塩含有セラミック担体は、リン酸ジルコニ
ウム、リン酸チタン、ヒ酸ジルコニウム及びヒ酸チタン
を含む、多孔質体、ファイバー成形体あるいペレット成
形体のいずれかで構成されていることを要旨とする。
【0020】請求項12に記載の発明では、請求項9〜
11のいずれかに記載の触媒の製造方法において、前記
セラミック担体を覆う前記希土類酸化物を含有するアル
ミナ薄膜は、担体に対してアルミナ量で換算して0.1
〜15mass%の割合で被覆されており、アルミナ薄
膜中に含まれる希土類酸化物の量はそのアルミナに対し
て10〜80mass%の含有量であることを要旨とす
る。
【0021】請求項13に記載の発明では、請求項9〜
12のいずれかに記載の触媒の製造方法において、前記
希土類酸化物は、少なくともそれの一部がジルコニウム
との複合酸化物を形成しているものであることを要旨と
する。
【0022】請求項14に記載の発明では、請求項13
に記載の触媒の製造方法において、希土類酸化物とジル
コニウムとの複合酸化物の粒子径は、1〜30nmの大
きさであることを要旨とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1〜図3に示
すように、本実施形態にかかる触媒10は、多孔質な焼
結体からなるセラミック担体15を備えている。このセ
ラミック担体15は、4価金属酸性不溶性塩を含有した
セラミックから構成されている。本実施形態では、4価
金属酸性不溶性塩としてリン酸ジルコニウム(Zr(H
PO42・nH2O)が使用されている。セラミック担
体15にはセル壁12が形成されている。セル壁12を
構成するリン酸ジルコニウム粒子4の表面には、それぞ
れに触媒コート層2が所定の厚みで個別に被覆されてい
る。
【0024】触媒コート層2は、サポート材上に、触媒
活性成分及び助触媒を担持させたものである。本実施形
態において、前記サポート材は、アルミナ(Al23
からなる薄膜(以下アルミナ薄膜という)3である。ア
ルミナ以外にも、ジルコニア(二酸化ジルコニウム:Z
rO2)、チタニア(酸化チタン:TiO2)、シリカ
(酸化珪素:SiO2)の中から選ばれる少なくとも1
つを含むものであれば任意に変更してもよい。
【0025】具体的にいうと、1種類の酸化物として
は、ZrO2、TiO2又はSiO2ががある。2種類の
酸化物としては、Al23/ZrO2、Al23/Ti
2、Al23/SiO2、ZrO2/TiO2又はZrO
2/SiO2がある。3種類の酸化物としては、Al23
/ZrO2/TiO2、Al23/ZrO2/SiO2、A
23/TiO2/SiO2又はZrO2/TiO2/Si
2がある。4種類の酸化物としてはAl23/ZrO2
/TiO2/SiO2がある。
【0026】前記4価金属酸性不溶性塩含有セラミック
担体15としては、リン酸ジルコニウムの他、例えばリ
ン酸チタン、ヒ酸ジルコニウム及びヒ酸チタンを用いる
ことができる。このようにして、図1(a),(b)及
び図2に示すような、ウォールフローハニカム型フィル
タが形成される。
【0027】以下、4価金属酸性不溶性塩含有セラミッ
ク担体15として、リン酸ジルコニウム焼結体を用いた
例について説明する。上記セラミック担体15は、複数
の貫通孔としてのセル11がその軸線方向に沿って規則
的に形成された断面略正方形状をなすリン酸ジルコニウ
ム焼結体で構成されている。前記セル11は、セル壁1
2によって互いに隔てられており、各セル11の開口部
は一方の端面側においては封止体14により封止されて
おり、該当するセル11の他方の端面は開放され、全体
としては各端面とも開放部と封止部とがそれぞれ市松模
様状を呈するように配置されている。そして、セラミッ
ク担体15には、断面四角形状をした多数のセル11が
形成されている。言い換えると、これらのセラミック担
体15はハニカム構造を有している。
【0028】なお、前記セル11の密度は200〜35
0個/平方インチである。即ち、多数あるセル11のう
ち、約半数のものは上流側端面において開口し、残りの
ものは下流側端面において開口しており、各セル11を
隔てるセル壁12の厚さは0.4mm前後に設定されて
いる。
【0029】このように、リン酸ジルコニウムからなる
セラミック担体15は、図3(a)に示すような多孔質
のセル壁12によって仕切られた構造を有するものであ
って、その多孔質セル壁12の気孔は、水銀圧入法によ
って測定された気孔径の平均値が10μm〜500μm
の範囲内にある。この範囲以外にも、セラミック担体1
5の平均気孔径を20mm〜250mmの範囲内で任意
の値に変更してもよい。
【0030】セル壁12がこの程度の気孔径を有すると
微細なパティキュレートの捕集にも好適である。即ち、
セル壁12の平均気孔径を上記範囲内に設定すること
で、ディーゼルパティキュレートを確実に捕集すること
ができる。一方、このセル壁12の気孔径の平均値が1
0μm未満だと、図6(a)に示すように、セル壁12
を排気ガスが通過する際の圧力損失が極端に大きくな
り、エンジンの停止を引き起こしかねない。また、気孔
径の平均値が300μmを超えると、微細なパティキュ
レートを効率よく捕集することができなくなる。
【0031】また、セラミック担体15における多孔質
セル壁12の気孔率は、30〜70%に設定されてい
る。この値以外にも、セラミック担体15の気孔率を4
0〜60%の範囲内で任意の値に変更してもよい。図6
(b)に示すように気孔率が30%未満だと、セル壁1
2を排気ガスが通過する際の圧力損失が極端に大きくな
り、エンジンの停止を引き起こしかねない。また、気孔
率が70%を超えると、微細なパティキュレートを効率
よく捕集することができなくなる。なお、図6(a),
(b)の圧力損失の特性を示すデータは、いずれも排気
ガスの流速が10m/sの場合を示している。
【0032】それとともに、図6(c)に示すように気
孔率が70%を超えると、機械的強度の低下によってセ
ラミック担体15にクラックが生じやすくなる。つま
り、セラミック担体15の気孔率と機械的強度とは反比
例の関係にある。よって、セラミック担体15のリン酸
ジルコニウム粒子4に触媒コート層2の担持量を増加さ
せようとして気孔率を70%よりも大きくすると、ハニ
カム構造体として成立しなくなる。
【0033】以上のように、セラミック担体15の平均
気孔径が10〜500μm、気孔率が30〜70%に設
定されているため、圧力損失を低くすることができると
ともに、機械的強度を向上することができる。それとと
もに、排気ガス中に含まれるパティキュレートの捕集効
率を高めることができる。
【0034】このようなセラミック担体15を製造する
場合は、例えば、原料として、10μm程度の平均粒子
径を有するリン酸ジルコニウム粉末70重量部に、0.
5μm程度の平均粒子径を有するリン酸ジルコニウム粉
末約30重量部、バインダーとしてのメチルセルロース
をリン酸ジルコニウム粉末100重量部に対して約6重
量部、その他、有機溶媒及び水からなる分散媒液をリン
酸ジルコニウム粉末100重量部に対して約25重量部
を配合したものを用いる。次いで、この配合原料を混練
したのち押し出し成形によってハニカム状に成形してか
ら、前記セル11の一部を市松模様状に封止する。次い
で、その成形体を乾燥脱脂した後、不活性雰囲気下にて
焼成をすることにより、所望のセラミック担体15とす
る。
【0035】なお、原料に用いられるリン酸ジルコニウ
ムは、以下の表1に示すように非晶性を有するものと、
結晶性を有するものがある。非晶性のリン酸ジルコニウ
ムにすれば、リン酸ジルコニウムの比表面積を大きくす
ることができる。本実施形態では、表1に示すα−リン
酸ジルコニウムが使用されている。このα−リン酸ジル
コニウム以外にも、他の結晶構造を有するリン酸ジルコ
ニウムに変更してもよい。
【0036】
【表1】 本実施形態において最も特徴的な構成は、上記セラミッ
ク担体15を実質的に構成してなるセル壁12の表面、
とくに該セル壁12を構成する各リン酸ジルコニウム粒
子4の表面を希土類酸化物含有アルミナ薄膜3で被覆す
ることにある。このことをもっと正確に言うと、該セル
壁12を構成しているリン酸ジルコニウム焼結体の各リ
ン酸ジルコニウム粒子4を対象として、それぞれのリン
酸ジルコニウム粒子4の表面を個別に、各種の方法によ
って希土類酸化物含有アルミナ薄膜3にて被覆したこと
にある。
【0037】なお、図17(b)は、前記セル壁12表
面に一様に、ウォッシュコート法によって触媒コート層
2を被覆形成した従来技術を示したもので、図3
(a),(b)は、本実施形態で用いているセラミック
担体15の説明図である。セル壁12を構成する各リン
酸ジルコニウム粒子4の表面に、希土類酸化物含有アル
ミナ薄膜3(以下、この「希土類酸化物含有アルミナ薄
膜3」を、単に「アルミナ薄膜3」と略記する)が個別
に被覆された状態のものを示している。
【0038】このように、本実施形態にかかる触媒活性
成分において特徴的な構成である(アルミナ薄膜3)
は、従来のように、単に排気ガスのセル壁12の壁面を
触媒コート層2で一様に被覆したものではない。たとえ
ば、従来のように、セル壁12を一様に被覆すると、リ
ン酸ジルコニウム粒子4間の間隙が封塞され、目封じさ
れて通気性を阻害することになる。これに対し、本実施
形態で用いるセラミック担体15の場合、セル壁12を
構成している各リン酸ジルコニウム粒子4の表面を、個
別にアルミナ薄膜3にて被覆した構造にしてある。
【0039】従って、本実施形態については、セル壁1
2自体の気孔,即ち各リン酸ジルコニウム粒子4間に生
じた間隙を完全に塞ぐようなことなく、気孔は気孔とし
てそのまま維持されることになるから、従来の触媒コー
ト層2に比べると圧力損失が著しく小さい。しかも、耐
熱性にも優れ、さらにはアルミナ薄膜3が各リン酸ジル
コニウム粒子4自体を個別に被覆しているので、例え
ば、洗浄に当たって該薄膜がセル壁12から剥落するよ
うなことがなく、耐洗浄性に優れたものになる。さら
に、排気ガスが触媒活性成分に接触する面積が大きくな
る。よって、排気ガス中のCOやHCの酸化を促進する
ことができる。
【0040】そこで以下に、本実施形態にかかる触媒活
性成分に用いられる担持膜としてのアルミナ薄膜3の圧
力損失特性、耐熱性、耐洗浄性ならびに再生特性につい
て説明する。
【0041】アルミナ薄膜3の圧力損失特性について;
一般に、セル壁12を排気ガスが通過するときの圧力損
失特性は、次のように考えられる。即ち、前記セラミッ
ク担体15をディーゼル排気ガスが通過するときの圧力
損失は、図4のように示すことができる。この場合、抵
抗ΔP1、ΔP2、ΔP3はそれぞれフィルタのセル構
造に依存するものであって、ディーゼルパティキュレー
トの堆積等の時間経過によらない一定の値Δpi=(Δ
P1+ΔP2+ΔP3)であり、初期圧力損失という。
また、ΔP4は堆積したディーゼルパティキュレートを
通過するときの抵抗であり、初期圧力損失の2〜3倍以
上の値となる。
【0042】14/200のセル構造をもつセラミック
担体15の比表面積は8.931cm2/cm3であり、
セラミック担体15の密度は0.675g/cm3であ
るので、セル壁12の比表面積は0.0013m2/g
となる。一方、セル壁12内の細孔比表面積は、水銀ポ
ロシメーターの測定によると0.12m2/gであり、
約50〜100倍の表面積をもつ。このことは、同じ重
量のアルミナ薄膜3をセル壁12の表面に形成する場
合、単にセル壁12の表面を一様に覆うように被覆する
よりも、このセル壁12を構成している各リン酸ジルコ
ニウム粒子4の表面を個別に被覆した方が、同じ効果を
得るためのアルミナ薄膜3の厚みを1/50〜1/10
0にすることができる。
【0043】即ち、ウォッシュコートのような従来技術
の下でアルミナ薄膜3を一様に形成する場合、触媒活性
成分の活性に必要な3mass%程度のアルミナを被覆する
には、アルミナ薄膜3の厚みは50μmが必要である。
このときの圧力損失は、セル壁12内を通過する抵抗Δ
P3に加え、アルミナ薄膜3を通過する抵抗が増加す
る。さらに、開口が小さくなりΔP1も大きくなる。そ
のため、アルミナをコートをしていないフィルタに比較
して圧力損失か著しく大きくなり、その傾向は、フィル
タにパティキュレートが堆積した場合に、より一層顕著
になる。
【0044】この点、本実施形態において用いるセラミ
ック担体15のように、セル壁12を構成するリン酸ジ
ルコニウム粒子4の表面にアルミナをコートする場合、
触媒活性成分の活性化に必要な3mass%程度のアルミナ
薄膜3にするには、その厚みは最大でも0.5μm程度
である。このときの圧力損失の増加は、抵抗ΔP3をわ
ずかに増加させるが、その他の圧力損失は実質的に無視
できる程度であり、従来のウォッシュコートによって形
成されるアルミナ層に比べると、圧力損失特性は飛躍的
に向上する。
【0045】このアルミナ薄膜3の耐熱性について;一
般に、アルミナは高い比表面積を有し、触媒活性成分の
担持膜として好適である。特に、より高温で安定に作動
する耐熱性の高い触媒10の開発が望まれている現在、
それに伴って、アルミナ薄膜3についても、より高い耐
熱性が要求されている。
【0046】この点について本実施形態においては、ア
ルミナの耐熱性を向上させるべく、(1)各アルミナ粒
子の形状を小繊維状にすると共に、(2)セリア(酸化
セリウム)等の希土類酸化物を含有させることにした。
【0047】とくに、前者(1)の構成を採用すること
により、各アルミナ粒子問の接点を減らすことができ、
焼結速度の低下を通じて粒成長を抑制し、もって比表面
積を大きくすることができ、ひいては耐熱性が向上す
る。
【0048】即ち、本実施形態においては、セラミック
担体15の各リン酸ジルコニウム粒子4の表面を覆うア
ルミナ薄膜3は、各アルミナ粒子のミクロ断面形状が小
繊維状か林立した植毛構造を呈している。それ故に隣接
するアルミナ小繊維の互いの接触点が減少するため、著
しく耐熱性が向上するのである。
【0049】次に、(2)について、セリア等の添加に
よっても耐熱性は改善される。その理由は、アルミナ薄
膜3を構成する結晶粒子の表面に新しく化合物を形成
し、アルミナ粒子同士の成長を妨げる効果によるもので
ある。
【0050】アルミナ薄膜3の耐洗浄性について;セル
壁12の表面に堆積したパティキュレートの主体はカー
ボンであり、これは、燃焼等の方法により酸化除去でき
る。ところが燃焼後も灰分として残る物質がある。この
ような物質は、中和剤あるいは潤滑剤等としての役割を
持たすために、エンジンオイル中に添加してあるCa,
Mg,Zn等の化合物が酸化されたり、硫酸塩になった
りしたものがある。また、あらかじめ、燃料中にCeO
2やCuO等のカーボン燃焼のために混入してある触媒
活性成分がパティキュレートと一緒に堆積したものがあ
る。これらの灰分は、車両の長時間走行に伴って堆積し
ていき、フィルタの圧力損失を増加させていくので、高
圧水等による洗浄が必要である。このとき30kg/c
2以上の圧力で洗浄すると灰分を完全に除去できる。
【0051】この点に関し、セル壁12の表面にウォッ
シュコートによって形成した従来のアルミナ薄膜の場
合、セル壁12の表面全体に物理吸着による厚いコート
層があるため、上記洗浄時に剥離することが多い。これ
に対し、本実施形態において用いる前記担持膜(アルミ
ナ薄膜3)では、アルミナがセラミック担体15を構成
する各リン酸ジルコニウム粒子4の表面に薄く個別に被
覆されており、しかも化学的にも結合していることか
ら、リン酸ジルコニウム粒子個々と硬く密着した状態と
なっている。従って、密着性が高く、それ故に洗浄に対
する抵抗も高く、被膜としての耐久性が強力である。
【0052】アルミナ薄膜3の再生特性について;本実
施形態においては、上記アルミナ薄膜3は、その中にセ
リア(CeO2)やランタナ(La23)の如き希土類
酸化物を、A123に対して10〜80mass%程度、好
ましくは20〜40mass%程度添加して、アルミナ薄膜
3の表面や内部にこれらの酸化物を均一分散させたもの
である。
【0053】アルミナ薄膜3中にセリア等を添加すると
(好ましくはPt等の触媒活性成分と共に添加すること
の方が望ましい)、セリアのもつ酸素濃度調節作用によ
り、排気ガス中への酸素の供給を活発にして、フィルタ
に付着した“すす(ディーゼルパティキュレート)”の
燃焼除去効率が向上し、ひいては触媒10の再生率が著
しく向上することになる。また、触媒10の耐久性を向
上させることができる。
【0054】即ち、セリア等の希土類酸化物は、アルミ
ナの耐熱性を向上させるだけではなく、触媒表面での酸
素濃度を調節する役割も果たす。一般に、排気ガス中に
存在する炭化水素や一酸化炭素は酸化反応により、また
NOxは、還元反応により除去されるが、排気ガス組成
は燃料のリッチ域とリーン域との間で絶えず変動してい
るため、触媒表面の作用雰囲気も激しく変動することに
なる。ところで、触媒に添加されるセリアは、Ce3+
Ce4+の酸化還元電位が比較的小さく、次式2CeO2
⇔Ce23+1/2O2の反応が可逆的に進行する。即
ち、排気ガスがリッチ域になると上記の反応は右に進行
して雰囲気中に酸素を供給するが、逆にリーン域になる
と左に進行して雰囲気中の余剰酸素を吸蔵する。このよ
うにして、雰囲気中の酸素濃度を調節することにより、
該セリアは、炭化水素や一酸化炭素あるいはNOxを効
率よく除去できる空燃比の幅を広げる作用を担う。
【0055】図12(a)は、セリア(CeO2)を添
加していないアルミナ薄膜3の酸化速度のメカニズムを
説明するものである。これに対して図12(b)は、セ
リアを添加した場合のアルミナ薄膜3の酸化速度のメカ
ニズムを説明するものである。同図に示すように、Ce
2が存在しない触媒は、排気ガス中の酸素を活性化す
ることにより、すす(煤)を酸化させる。この反応は、
流体中の酸素を活性化させなければならないために効率
が悪い。
【0056】一方、CeO2が存在する触媒について
は、次のような反応; CeO2⇔CeO2x+x/2O2 によって、酸素が供給される。つまり、雰囲気中に吐き
出された酸素及び排気ガス中の酸素は、触媒活性成分
(貴金属)によって活性化されてすす(カーボン)と反
応し、CO2となる(CeO2xは、酸化して元のCe
2に戻る)。また、CeO2とすすは、直接接触するた
めに、吐き出される酸素量は少量であっても、このすす
を効率よく酸化できるのである。
【0057】しかも、この場合のCeO2は、触媒活性
成分(貴金属)を担持することによりOSC(酸素貯蔵
機能)を増大させる。というのは、触媒活性成分は、排
気ガス中の酸素を活性化し、貴金属近傍のCeO2表面
の酸素も活性化するため、前記OSCが増大するのであ
る。
【0058】また、図13,図14は、アルミナ薄膜3
中へのセリア等希土類酸化物の添加効果について、触媒
活性成分をPt、助触媒をCeO2、サポート材を針状
Al23とした触媒10(実施形態)、Pt/針状Al
23(比較例)及びPt/Al23(ウォッシュコー
ト)触媒の再生特性に関して実験した結果を示すもので
ある。この実験は、すすが付着したディーゼルパティキ
ュレートフィルタ(DPF,全長=150mm)を電気
炉中に収容して650℃に加熱する一方、1100rp
m,3.9Nmのディーゼルエンジンを接続し、その排
気ガス(350℃)を該フィルタに導入したときのフィ
ルタ温度(導入口より145mm位置での測温)の推移
(図13)、及び再生(燃焼)速度(上昇温度ΔTと経
過時間Δtの比、図14)を調べたものである。
【0059】図13に示すように、従来例(ウォッシュ
コートによって形成された触媒コート層2)はO2が律
速になって50sec−700℃でピーク温度を迎え、そ
して比較例(セリア(助触媒)なし)でもO2が律速に
なって、80sec−800℃でピーク温度を迎えるが、
本実施形態例では45sec−900℃という速い速度で
高いピーク温度を迎えており、すすの酸化除去効率が高
く、高い再生率を示していることがわかる。このことは
また、図14の再生(燃焼)速度の差としても明白に現
れている。
【0060】また、図15は、再生率そのものを比較し
たものであるが、本実施形態(セリア含有触媒)の効果
が際立っていることが明らかである。DPFは、排気ガ
ス中のすすを濾過する。そのため、DPF内にはすすが
堆積する。その堆積したすすを除去する行為を再生と呼
ぶ。そこで、再生したすす重量と堆積したすす重量との
比を百分率で表し、これを再生率と定義する。
【0061】なお、上記希土類酸化物については、上述
した例にある単独酸化物(CeO2)の他に、例えば、
希土類元素とジルコニウムとの複合酸化物を用いること
がより好ましい。それは、希土類酸化物中にジルコニウ
ム酸化物を含有していることで、該希土類酸化物の粒成
長の抑制を通じて酸素濃度の制御特性が向上するからで
あると考えられる。
【0062】ジルコニウムとの複合酸化物の形態をとる
前記希土類酸化物は、その粒子径を1〜30nm程度に
することが好ましく、より好ましくは2〜20mmの大
きさにすることがよい。その理由は、粒子径が1nm未
満の複合酸化物は製造上困難である。一方、粒子径が3
0nm超になると、粒子がシンタリングしやすくなり、
粒子表面積が小さくなり、ひいては排気ガスとの接触面
積が小さくなって、活性が弱まるという問題が残るから
である。しかも、排気ガス通過時の圧力損失も大きくな
ると懸念される。
【0063】アルミナ薄膜3の構造について;図5は、
各リン酸ジルコニウム粒子4の表面にアルミナ薄膜3を
被覆したセラミック担体15と、セル壁12の表面にア
ルミナの膜を均一に被覆した担体(従来技術)とを拡大
して示す図である。各リン酸ジルコニウム粒子4の表面
に針状(小繊維状)のアルミナが林立して、あたかも図
3(b)に示すような植毛構造を呈している。アルミナ
薄膜3を被覆する対象がリン酸ジルコニウム粒子4であ
るため、アルミナを針状に形成しやくなっている。
【0064】かかるアルミナ薄膜3の構造、即ち、各リ
ン酸ジルコニウム粒子4の表面を被覆することによって
形成されたアルミナ薄膜3の結晶構造には、γ一Al2
3、δ−Al23、θ−Al23のうち少なくとも1
つが含まれている。アルミナ薄膜3を構成する小繊維突
起状アルミナの直径は、2〜50nmであり、長さが2
0〜300nmで全長/直径の比が5〜50の形状を有
するものである。そして、このような構造からなるアル
ミナ薄膜3の厚みは0.5μm以下で、アルミナ基準の
アルミナの比表面積は、50〜300m2/gであるこ
とが好ましい。
【0065】ここで言うアルミナ薄膜3の厚みとは、リ
ン酸ジルコニウム粒子4の表面から小繊維突起状のアル
ミナの最遠部までの距離の平均である。なお、アルミナ
の直径は5〜20nmがより望ましく、全長/直径の比
は10〜30がより望ましい。
【0066】上記小繊維突起状アルミナ薄膜3の特性を
上記のように限定する理由は、小繊維突起状アルミナの
長さは20nmよりも小さいと必要な比表面積を確保す
ることがむずかしくなり、一方、300nmよりも大き
いと構造的にもろくなるからである。また、直径につい
ては、これが2nmより小さいと貴金属等の触媒活性成
分の大きさと同等以下となり、触媒担持層として機能し
なくなり、一方、50nmより大きくなると望ましい大
きさの比表面積の確保が難しくなるからである。また、
全長/直径の比については、この比が5より小さいと必
要な比表面積を確保することが難しく、一方、50より
大きくなると構造的にもろくなり、洗浄作業等により小
繊維状突起が折れる場合が生じるからである。
【0067】また、アルミナ薄膜3の比表面積につい
て、上記のように限定する理由は、50m2/gより小
さいと小繊維突起状アルミナのシンタリングが過剰に進
むため耐久性が劣るからである。一方、比表面積が30
0m2/gより大きくなると小繊維突起状アルミナが微
細になりすぎることを意味する。いわゆる触媒担持層と
して機能しなくなるか、構造的にもろくなる。なお、好
ましい比表面積は50〜200m2/gの範囲である。
【0068】次に、上記のようなセラミック担体15に
おいて、担持膜となるアルミナ薄膜3の量は、アルミナ
比率で0.1〜15mass%が好ましい。この理由は、
0.1mass%より小さいと耐熱性向上効果が小さく、一
方15mass%より大きいと圧力損失が増大し、フィルタ
機能が低下するからである。より好ましくは1〜4mass
%である。
【0069】上記のリン酸ジルコニウム粒子4の各々の
表面がアルミナ薄膜3にてそれぞれ個別に被覆され、あ
たかもセラミック担体15の表面がアルミナ薄膜(担持
膜)3にて完全に被覆されているかの如き様相を呈する
上記セラミック担体15に対し、触媒活性成分である貴
金属元素、元素周期表のVIa族及び元素周期表のVIII族
の中から選ばれる元素を担持させている。この元素を具
体的にあげると、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、
ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(C
o)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、セリ
ウム(Ce)、銅(Cu)、バナジウム(V)、鉄(F
e)、金(Au)、銀(Ag)等がある。
【0070】従って、触媒活性成分を貴金属元素として
のPt、Au、Ag、Cu、元素周期表VIa族の元素と
してのMo、W、元素周期表VIII族の元素としてのF
e、Co、Pd、Rh、Ni、それら以外の周期表の元
素としてのV、Ceの中から選ばれる少なくとも1つの
単体または化合物をアルミナ薄膜3に担持させてもよ
い。
【0071】例えば、化合物として前記元素の組み合わ
せによる二元系合金や三元系合金が用いられる。これら
の合金は、上述したように助触媒として作用するセリア
やランタナの如き希土類酸化物とともに用いた方が有利
である。こうした触媒10は被毒劣化(鉛被毒,燐被
毒,硫黄被毒)が少なく、かつ熱劣化も小さいので耐久
性に優れる。なお、上記元素の組み合わせによる合金以
外にも、他の元素との組み合わせによる化合物(酸化
物、窒化物又は炭化物)であってもよい。
【0072】ちなみに、二元系合金としては、Pt/P
d、Pt/Rh、Pt/Ni、Pt/Co、Pt/M
o、Pt/W、Pt/Ce、Pt/Cu、Pt/V、P
t/Fe、Pt/Au、Pt/Ag、Pd/Rh、Pd
/Ni、Pd/Co、Pd/Mo、Pd/W、Pd/C
e、Pd/Cu、Pd/V、Pd/Fe、Pd/Au、
Pd/Ag、Rh/Ni、Rh/Co、Rh/Mo、R
h/W、Rh/Ce、Rh/Cu、Rh/V、Rh/F
e、Rh/Au、Rh/Ag、Ni/Co、Ni/M
o、Ni/W、Ni/Ce、Ni/Cu、Ni/V、N
i/Fe、Ni/Au、Ni/Ag、Co/Mo、Co
/W、Co/Ce、Co/Cu、Co/V、Co/F
e、Co/Au、Co/Ag、Mo/W、Mo/Ce、
Mo/Cu、Mo/V、Mo/Fe、Mo/Au、Mo
/Ag、W/Ce、W/Cu、W/V、W/Fe、W/
Au、W/Ag、Ce/Cu、Ce/V、Ce/Fe、
Ce/Au、Ce/Ag、Cu/V、Cu/Fe、Cu
/Au、Cu/Ag、V/Fe、V/Au、V/Ag、
Fe/Au、Fe/Ag、Au/Agがある。
【0073】また、三元系合金としては、Pt/Pd/
Rh、Pt/Pd/Ni、Pt/Pd/Co、Pt/P
d/Mo、Pt/Pd/W、Pt/Pd/Ce、Pt/
Pd/Cu、Pt/Pd/V、Pt/Pd/Fe、Pt
/Pd/Au、Pt/Pd/Ag、Pt/Rh/Ni、
Pt/Rh/Co、Pt/Rh/Mo、Pt/Rh/
W、Pt/Rh/Ce、Pt/Rh/Cu、Pt/Rh
/V、Pt/Rh/Fe、Pt/Rh/Au、Pt/R
h/Ag、Pt/Ni/Co、Pt/Ni/Mo、Pt
/Ni/W、Pt/Ni/Ce、Pt/Ni/Cu、P
t/Ni/V、Pt/Ni/Fe、Pt/Ni/Au、
Pt/Ni/Ag、Pt/Co/Mo、Pt/Co/
W、Pt/Co/Ce、Pt/Co/Cu、Pt/Co
/V、Pt/Co/Fe、Pt/Co/Au、Pt/C
o/Ag、Pt/Mo/W、Pt/Mo/Ce、Pt/
Mo/Cu、Pt/Mo/V、Pt/Mo/Fe、Pt
/Mo/Au、Pt/Mo/Ag、Pt/W/Ce、P
t/W/Cu、Pt/W/V、Pt/W/Fe、Pt/
W/Au、Pt/W/Ag、Pt/Ce/Cu、Pt/
Ce/V、Pt/Ce/Fe、Pt/Ce/Au、Pt
/Ce/Ag、Pt/Cu/V、Pt/Cu/Fe、P
t/Cu/Au、Pt/Cu/Ag、Pt/V/Fe、
Pt/V/Au、Pt/V/Ag、Pt/Fe/Au、
Pt/Fe/Ag、Pt/Au/Agがある。
【0074】これらの触媒活性成分をアルミナ薄膜3に
担持するには、種々の方法が考えられるが、本実施形態
に有利に適合する方法としては、含浸法,例えば蒸発乾
固法、平衡吸着法、インシピアント・ウェットネス法あ
るいはスプレー法が適用できる。なかでもインシピアン
ト・ウェットネス法が有利である。この方法は、所定量
の触媒活性成分を含む水溶液をセラミック担体15に向
けて少しずつ滴下し、担体表面が均一にわずかに濡れは
じめた状態(インシピアント:Incipient)となった時
点で、触媒活性成分がセラミック担体15の孔中に含浸
するのを停止させ、その後、乾燥、焼成する方法であ
る。即ち、セラミック担体15の表面にビュレットや注
射器を用いて触媒活性成分含有溶液を滴下することによ
って行う。触媒活性成分の担持量は、その溶液の濃度を
調節することによって行う。
【0075】次に、触媒10の製造方法について説明す
る。本実施形態にかかる触媒10の製造方法の特徴は、
上記リン酸ジルコニウム含有セラミック担体15の凹凸
表面に、ゾル−ゲル法によって希土類酸化物を含有する
アルミナ薄膜3を形成することにある。特に溶液の浸漬
によるセル壁12を形成するリン酸ジルコニウム粒子4
の各々の表面に対し、希土類酸化物含有アルミナ薄膜3
をそれぞれ個別に被覆する。そして仮焼成の後に、熱水
処理工程を経ることにより、前記アルミナ薄膜3のミク
ロ断面構造をセリア等が分散しているアルミナの小繊維
を林立させたような植毛構造を呈するアルミナ薄膜(担
持膜)3に変化させ、次いで、そのアルミナ薄膜3の表
面に所定量の触媒活性成分を吸着させて固定化(担持)
させる点にある。
【0076】以下に各工程((1)セラミック担体15
の形成、(2)触媒活性成分の担持)について詳しく説
明する。 (1)リン酸ジルコニウム含有セラミック担体15への
アルミナ薄膜3の被覆 a.予備処理工程 この工程では、リン酸ジルコニウム粒子4の各々の表面
に、アルミナとの化学的な結合を助成するために必要な
量のリン酸ジルコニウムを提供すべく、加熱して酸化す
る処理を行う。 b.溶液含浸工程 この工程では、セル壁12を構成する各リン酸ジルコニ
ウム粒子4の表面にそれぞれ、アルミニウムと希土類元
素とを含有する金属化合物の溶液、たとえば、硝酸アル
ミニウムと硝酸セリウムとの混合水溶液等を用いてゾル
−ゲル法により含浸させることにより、希土類酸化物含
有アルミナ薄膜3を被覆する処理を行う。
【0077】上記混合水溶液のうち、アルミニウム含有
化合物の溶液については、出発金属化合物としては、金
属無機化合物と金属有機化合物とが用いられる。金属無
機化合物としては、Al(NO33、AlCl3、Al
OCl、AlPO4、Al2(SO43、Al23、Al
(OH)3、Al等が用いられる。なかでも特に、Al
(NO33やAlCl3は、アルコール、水等の溶媒に
溶解しやすく扱い易いので好適である。
【0078】金属有機化合物の例としては、金属アルコ
キシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレ
ートがある。具体例としてはAl(OCH33、Al
(OC 233、Al(iso−OC373等がある。
【0079】一方、上記混合水溶液のうち、セリウム含
有化合物の溶液については、Ce(NO33、CeCl
3、Ce2(SO43、CeO2、Ce(OH)3、Ce2
(CO33等が用いられる。
【0080】上記混合溶液の溶媒としては、水、アルコ
ール、ジオール、多価アルコール、エチレングリコー
ル、エチレンオキシド、トリエタノールアミン、キシレ
ン等のうち選ばれる少なくとも1つ以上を混合して使
う。
【0081】また、溶液を作製するときに触媒活性成分
としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸を加えるこ
ともある。さらに、アルミナ薄膜3の耐熱性を向上させ
るために、希土類酸化物の他に、Ce、La、Pr、N
d、Ba、Ca、Li、K、Sr、Si、Zrの中から
選ばれる少なくとも1つの単体または酸化物以外の化合
物(硝酸塩、塩化物、硫酸塩、水酸化物又は炭酸塩)
を、出発原料に添加してもよい。
【0082】本実施形態において、好ましい金属化合物
の例としては、Al(NO33及びCe(NO33をあ
げることができるが、これらは比較的低温で溶媒に溶解
し、原料溶液の作製が容易である。また、好ましい溶媒
の例としては、1,3−ブタンジオールを推奨する。推
奨の第1の理由は、粘度が適当であり、ゲル状態でリン
酸ジルコニウム粒子4上に適当な厚みのゲル膜をつける
ことが可能だからである。第2の理由は、この溶媒は、
溶液中で金属アルコキシドを形成するので酸素・金属・
酸素の結合からなる金属酸化物重合体、すなわち金属酸
化物ゲルの前駆体を形成しやすいからである。
【0083】かかるAl(NO33の量は、10〜50
mass%であることが望ましい。10mass%未満だと触媒
活性成分の活性を長時間維持するだけの表面積をもつア
ルミナ量を担持することができず、一方、50mass%よ
り多いと溶解時に発熱量が多くゲル化しやすくなるから
である。
【0084】また、Ce(NO33の量は1〜30mass
%であることが好ましい。その理由は、1mass%未満だ
とすすの酸化を促進することができず、30mass%より
多いと焼成後CeO2の粒成長が起こるからである。
【0085】一方、Al(NO33とCe(NO33
の配合割合は、10:2とすることが好ましい。その理
由は、Al(NO33をリッチにすることにより、焼成
後のCeO2粒子の分散度を向上できるからである。
【0086】上記金属化合物の含浸溶液を作製するとき
の温度は、50〜130℃が望ましい。50℃未満だと
溶質の溶解度が低いからであり、一方130℃より高い
と反応が急激に進行しゲル化に至るため、塗布溶液とし
て使用できないからである。攪拌時間は1〜9時間が望
ましい。この理由は、前記範囲内では溶液の粘度が安定
しているからである。
【0087】上記のセリウム含有金属化合物(Al(N
33及びCe(NO33)については、上述した例の
他、ジルコニウムとの複合酸化物または固溶体を生成さ
せるために、ジルコニウム源として、例えばZrO(N
32やZrO2を用いる。そして、これらを水やエチ
レングリコールに溶解して混合溶液とし、その混合溶液
に含浸させた後、乾燥,焼成することにより、前記複合
酸化物を得るようにすることが好ましい。
【0088】本実施形態において重要なことは、上記の
ようにして調整した金属化合物の溶液を、セル壁12内
の各リン酸ジルコニウム粒子4間の間隙である全ての気
孔内に行き渡らせて侵入させることである。そのため
に、例えば、容器内にセラミック担体15を入れて前記
金属化合物溶液を満たして脱気する方法や、セラミック
担体15の一方から該溶液を流し込み、他方より脱気す
る方法等を採用することが好ましい。この場合、脱気す
る装置としては、アスピレータの他に真空ポンプ等を用
いるとよい。このような装置を用いると、セル壁12内
の気孔内の空気を抜くことができ、ひいては各リン酸ジ
ルコニウム粒子4の表面に上記金属化合物の溶液をまん
べんなく行さ渡らせることができる。 c.乾燥工程 この工程では、NO2等の揮発成分を蒸発除去し、溶液
をゲル化してリン酸ジルコニウム粒子4の表面に固定す
ると同時に、余分の溶液を除去する処理であって、12
0〜170℃×2時間程度の加熱を行う。それは、加熱
温度が120℃よりも低いと揮発成分が蒸発し難く、一
方170℃よりも高いとゲル化した膜厚が不均一にな
る。 d.仮焼成工程 この工程では、残留成分を除去して、アモルファスのア
ルミナ薄膜3を形成するための仮焼成の処理を行う。具
体的には、300〜500℃の温度に加熱することが望
ましい。仮燃成の温度が300℃より低いと残留有機物
を除去し難く、一方500℃より高いとAl23が結晶
化し、その後の熱水処理により、小繊維突起状のべーマ
イトが形成できなくなるからである。 e.熱水処理工程 この工程では、上述した本実施形態に特有の構造のアル
ミナ薄膜3を形成するため、仮焼成したセラミック担体
15を熱水中へ浸漬する処理を行う。このような熱水処
理を行うと、その直後にアモルファスアルミナ薄膜3表
面の粒子が解膠作用を受けてゾル状態で溶液中に放出さ
れ、また水和によって生じたべ一マイト粒子が小繊維状
突起となって凝縮し、解膠に対して安定な状態をつく
る。
【0089】即ち、この熱水処理により、各リン酸ジル
コニウム粒子4の表面に個別に付着した希土類酸化物含
有アルミナは、小繊維状(針状粒子)となって林立し、
いわゆる植毛構造を呈して粗い表面となる。それ故に高
い比表面積のアルミナ薄膜3が形成される。一般に、ア
ルミナの焼結は主に表面拡散で進行し、α−アルミナに
相転移するときに急激に比表面積が減少する。しかし、
前記アルミナ粒子にシリカが取り込まれているため、こ
のシリカが熱処理過程においてアルミナの空孔サイトを
埋め、あるいは針状粒子表面に移動して表面拡散や粒子
間の焼結を抑制すると考えられる。したがって、セラミ
ック担体15の焼結初期には、針状粒子間の接触点から
の焼結による粘性流動機構が支配的であるが、後期では
シリカが針状粒子間の物質移動経路を遮断するためにα
−アルミナヘの転移が阻害され、それ以上の焼結が進行
せずに高い比表面積を維持するものと考えられる。
【0090】上記熱水処理の温度は50〜100℃が望
ましい。50℃より低いとアモルファスアルミナ薄膜3
の水和が進行せず、小繊維突起状のべーマイトを形成し
ないからである。一方、100℃より高いと水が蒸発
し、工程を長時間維持しがたい。処理時間については1
時間以上が望ましい。1時間より短いとアモルファスア
ルミナの水和が不十分になるからである。 d.本焼成工程 この工程では、水和によって生じたベーマイトを膜水さ
せてアルミナ結晶とするための処理を行う。好ましい本
焼成の温度は500〜1000℃であり、好ましい本焼
成の温度は5〜20である。この温度が500℃より低
いと結晶化が進まないからであり、一方、1000℃よ
りも高いと、焼結が進行しすぎて、表面積が低下する傾
向にあるからである。
【0091】(2)触媒活性成分の担持 a.溶液調整工程 セラミック担体15の表面に、図3(b)に示すような
植毛構造を有する希土類酸化物含有アルミナ薄膜(担持
膜)3を被覆し、そのアルミナ薄膜3の凹凸状表面に対
しPt等の触媒活性成分を担持させる。この場合、触媒
活性成分の担持量は、Pt等を含む水溶液をセラミック
担体15の吸水量だけ滴下して含浸させ、表面がわずか
に濡れ始める状態になるようにして決定する。
【0092】例えば、セラミック担体15が保持する吸
水量というのは、乾燥担体の吸水量測定値を22.46
mass%とし、この担体の質量が110g、容積が0.1
63lを有するものであれば、この担体は24.79/
lの水を吸水する。
【0093】ここで、Ptの出発物質としては、例えば
ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH3
2(NO22]HNO3、Pt濃度4.53mass%)を使
用する。所定の量1.7g/lのPtを担持させるため
には、担体に1.7(g/l) *0.163(l)=
0.272gのPtを担持すれば良いので、蒸留水によ
りジニトロジアンミン白金硝酸溶液(Pt濃度4.53
%)を希釈する。即ち、ジニトロジアンミン白金硝酸溶
液(Pt濃度4.53mass%)/蒸留水の重量比率X
(%)は、X=0.272(Pt量g)/24.7(含
水量g)/4.53(Pt濃度mass%)で計算され、2
4.8mass%となる。 b.液含浸工程 上記のようにして調整した所定量のジニトロジアンミン
白金硝酸水溶液を、上記セラミック担体15の両端面に
ピペットにて定間隔に滴下する。例えば、片面に40〜
80滴づつ定間隔に滴下し、セラミック担体15を覆う
アルミナ薄膜3表面にPtを均一に分散固定化させる。 c.乾燥、焼成工程 水溶液の滴下が終わったセラミック担体15は、110
℃、2時間程度の処理にて乾燥して水分を除去したの
ち、デシケータの中に移し1時間放置し、電子天秤等を
用いて付着量を測定する。次いで、N2雰囲気中で、約
500℃−1時間程度の条件の下で焼成を行いPtの金
属化を図る。
【0094】本実施形態にかかる触媒10は、排気ガス
浄化用フィルタとしての用途に用いられ、その1つの用
途としては、素通しハニカムセラミック担体15の例と
して、ガソリンエンジン用酸化触媒、三元触媒及びディ
ーゼルエンジン用酸化触媒である。他の用途は、ハニカ
ムを市松模様に交互に目封じしたディーゼルパティキュ
レートフィルタがある。
【0095】このディーゼルパティキュレートフィルタ
(以下、単に「DPF」と略記する)は、それ自体では
パティキュレート(浮遊粒子状物質:PM)をセル壁1
2)で捕集する機能しか持たないが、これに触媒活性成
分を担持することにより、排気ガス中の炭化水素、一酸
化炭素を酸化することができる。
【0096】また、ディーゼル排気ガスのような酸化雰
囲気においても、NOxを還元できるNOx選択還元型
触媒成分や吸蔵型触媒成分を担持すれば、NOxの還元
も可能である。なお、このDPF中に捕集される前記パ
ティキュレートは、堆積とともに上記DPFの圧力損失
の増加を招くため、通常は燃焼処理等により除去して再
生する必要がある。通常のディーゼル排気ガス中に含ま
れるパティキュレートの主成分であるすす(炭素)の燃
焼が開始される温度は約550〜630℃である。この
点、触媒活性成分をDPFに担持すると、そのすすの燃
焼反応パスが変わり、エネルギー障壁を低くすることが
できる。ひいては燃焼温度を300〜400℃と大幅に
低下させることができ、再生に要するエネルギーを削減
でき、いわゆる上述したセリアの作用とも相俟って、再
生効率の高いDPFシステムを構築できるようになる。
【0097】以上説明したように、本実施形態にかかる
触媒10は、とくにディーゼル排気ガス処理システムに
応用することが好ましいと言えるが、それぞれの次のよ
うな機能が期待できる。 A.ディーゼル排気ガス用酸化触媒としての機能 (1)排気ガス浄化機能…THC(全炭化水素)、CO
の酸化 (2)エンジンの運転を妨げない機能…圧力損失 B.触媒付きディーゼルパティキュレートフィルタとし
ての機能 (1)排気ガス浄化機能…すすの燃焼温度、THC,C
Oの酸化 (2)エンジンの運転を妨げない機能…圧力損失
【0098】
【実施例】(実施例1)この実施例は、セラミック担体
15の表面に被覆形成したセリア含有アルミナ薄膜3に
ついての作用・効果を確認するために行ったものであ
る。表2に示す条件の下に製造したセラミック担体15
(実施例1、比較例1及び比較例2)を、ディーゼル車
の排気ガス浄化装置におけるパティキュレートフィルタ
(DPF)に取付けて浄化試験を行った。この試験によ
って該フィルタの圧力損失特性、耐熱性、洗浄耐性につ
いて調査した。その調査結果を同表の中に示すと共に図
6、図7及び図8に示した。
【0099】
【表2】 (a)表2に示すように、パティキュレート(浮遊粒子
状物質:PM)が蓄積する前では実施例1は、アルミナ
薄膜3がないときとほとんど同じ圧力損失特性を示し、
蓄積後も比較例1及び比較例2に比べると、同じガスを
流通させたときの圧力損失は著しく小さいことがわかっ
た。
【0100】(b)また図7に示すように、比較例1に
比べると、実施例1は、同じ温度で熱処理したときのア
ルミナ比表面積の低下が小さく、耐熱性に優れているこ
とがわかった。
【0101】(c)また、洗浄耐性については、表2に
示すように、実施例1は、比較例1及び比較例2よりも
格段に優れることが判明した。 (d)また、図15は、再生率(再フィルタから除去さ
れたC量/再生前のフィルタに付着していたC量)を示
すものである。セリアを含有するアルミナ薄膜3の場
合、45%ものカーボンが除去されているのに対し、ウ
ォッシュコートアルミナ均一膜の場合、僅か20%に止
まった。
【0102】(実施例2)この実施例は、ディーゼルパ
ティキュレートフィルタ(DPF)に、触媒活性成分と
して白金(Pt)をセラミック担体15に担持させたと
きの諸特性について試験した結果を示すものである。実
施の条件及び特性については表3に示す。その結果を図
8、図9、図10に示した。
【0103】なお、この実施例は、セラミック担体15
のリン酸ジルコニウム粒子4の表面にアルミナ担持膜
(8g/l)3を有するものである。参考例は、セラミ
ック担体15の表面にいかなる担持膜もないものであ
る。比較例は、セラミック担体15の表面にウォッシュ
コートによってアルミナ均一膜を形成したものである。
【0104】
【表3】 (1)圧力損失特性;図8に示すように、実施例、参考
例、比較例とを比較すると、本実施例は担持膜をもたな
い参考例の場合とほぼ同じ圧力損失特性を示し、比較例
に比べると格段に効果が認められる。
【0105】(2)耐熱性;図9(a),(b)に示す
ように、実施例と比較例とについて、1200℃に加熱
したときのアルミナ薄膜3の比表面積の推移と、900
℃に加熱したときの平衡温度の推移を比較すると、本実
施例の効果が顕著であることがわかる。
【0106】(3)すす燃焼特性;触媒10のすすを燃
焼させる性能を平衡温度試験法によって評価した。この
試験方法は次のような試験である。即ち、試験装置にデ
ィーゼルエンジンを設置し、その排気管の途中に触媒
(DPF)10を挿入設置し、この状態で運転を開始す
る。すると、運転時間とともにDPFにはすすが捕集さ
れるため圧力損失が増大する。この場合に、何らかの方
法により排気温度を上昇させていくと、ある温度におい
て、すすが堆積する速度とすすの酸化反応速度が平衡す
る点(平衡温度)が現れると共に、このときの圧力(平
衡圧力)が測定できる。この平衡温度、平衡圧力共に低
いほど優れた触媒10であると言える。
【0107】なお、この試験において、排気ガス温度を
上昇させる方法としては、ディーゼルエンジンとDPF
の間に電気ヒーターを挿入して行った。この方法では、
エンジン回転数、負荷を一定にできるので、ディーゼル
排気ガスの組成が試験中に変化せず、平衡温度、平衡圧
力が精度よく求められるという特長がある。試験条件
は、ディーゼルエンジン排気量273cc、回転数12
50rpm、負荷3Nmで定常運転を実施し、供試した
フィルタの堆積は□34×150mmLで0.16Litt
erである。
【0108】上記試験の結果を図10に示す。図10
中、触媒活性成分を担持しないセラミック担体15の例
を参考例とした。同図よりわかるように、排気ガスの温
度上昇とともにフィルタ温度は上昇していくが、500
℃程度で平衡点が見られる。本実施例と比較例とを比較
すると、平衡温度は、それぞれ400℃、410℃でわ
ずかな優位差であったが、そのときの平衡圧力は11k
Pa、9.2kPaと20%近く向上している。
【0109】また、850℃−20時間の酸化雰囲気中
でのエージングを実施した後、同様の試験を実施したと
ころ、本実施例はほとんど平衡温度、圧力が劣化しなか
ったのに対し、比較例では触媒活性成分を担持していな
いときと同じ状態にまで劣化していた。 (4)THC,CO浄化率;この特性は、酸化触媒を評
価する場合の一般的方法である。いわゆるTHC(全炭
化水素)のCO2と水への浄化及びCOのCO2への浄化
の温度との関係を調査したものである。この特性は、低
温より転換率が高くなる方が優れた触媒システムと言え
る。測定方法としては、エンジンとフィルタとを用い、
フイルタ前後のTHC及びCOの量を排気ガス分析計に
て測定し、温度に対する浄化率を測定することにより行
った。
【0110】図11に示すように、本実施例は比較例に
対してCO、THCのいずれの浄化温度も約30℃低下
しており優れた性能を示す。これは、本実施例はセル壁
12のリン酸ジルコニウム粒子4に均一に触媒活性成分
が分散されているため、ウォッシュコートを通過する時
間に対して、排気ガスがセル壁12内を通過する時間は
明らかに長く、それだけPtの活性点にCO,THCが
吸着する機会が増したためと考えられる。別の見方をす
れば、リン酸ジルコニウム粒子4に均一に触媒活性成分
が分散されているため、触媒コート層2に対する排気ガ
スの接触面積を大きくすることができる。よって、排気
ガス中のCOやHCの酸化を促進することができる。
【0111】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に示す。 (1) 4価金属酸性不溶性塩含有セラミック担体の粒
子上に、触媒活性成分、助触媒及びサポート材からなる
触媒コート層を形成したことを特徴とする触媒。
【0112】(2) ジルコニウム化合物含有セラミッ
ク担体の粒子上に、触媒活性成分、助触媒及びサポート
材からなる触媒コート層を形成したことを特徴とする触
媒。 (3) 4価金属のリン酸塩含有セラミック担体の粒子
上に、触媒活性成分、助触媒及びサポート材からなる触
媒コート層を形成したことを特徴とする触媒。
【0113】(4) 請求項1〜8、前記(1)〜
(3)のいずれかにおいて、前記触媒活性成分は、貴金
属元素、元素周期表VIa族の元素、及び元素周期表VIII
族の元素の中から選ばれる元素を含むことを特徴とする
触媒。
【0114】(5) 前記(1)〜(4)のいずれかに
おいて、前記助触媒は、セリウム(Ce)、ランタン
(La)、バリウム(Ba)及びカルシウム(Ca)の
中から選ばれる少なくとも1つの単体または化合物から
なることを特徴とする触媒。
【0115】(6) 前記(1)〜(5)のいずれかに
おいて、前記サポート材は、アルミナ、ジルコニア、チ
タニア及びシリカの中から選ばれる少なくとも1つを含
むことを特徴とする触媒。
【0116】(7) 請求項1〜8、前記(1)〜
(6)のいずれかにおいて、前記セラミック担体は、セ
ル壁により区画されている複数の貫通孔を有するハニカ
ム構造であることを特徴とする触媒。
【0117】(8) 請求項1〜8、前記(1)〜
(7)のいずれかにおいて、前記セラミック担体は、そ
の両端部が封止体によって市松模様に交互に目封止され
ていることを特徴とする触媒。
【0118】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
排気ガスの圧力損失が小さくすることができるととも
に、機械的強度を向上することができる。また、排気ガ
ス中に含まれるパティキュレートの捕集効率を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態における触媒担体の略線図。
【図2】触媒担体の一部分を示す拡大斜視図。
【図3】本実施形態のアルミナ薄膜の概念図。
【図4】圧力損失特性の説明図。
【図5】触媒担体のリン酸ジルコニウム粒子構造を示す
拡大模式図。
【図6】(a)は気孔径と圧力損失との関係を示すグラ
フ、(b)は気孔率と圧力損失との関係を示すグラフ、
(c)は気孔率とセラミック担体の曲げ強度の関係を示
すグラフ。
【図7】実施例1における耐熱性の比較説明図。
【図8】実施例2における圧力損失特性の比較説明図。
【図9】実施例2におけアルミナ薄膜と触媒の耐熱性の
比較説明図。
【図10】実施例2におけるすす燃焼特性の比較説明
図。
【図11】実施例2におけるTHC、CO浄化特性の比
較説明図。
【図12】CeO2添加による酸化速度向上のメカニズ
ムを説明する模式図。
【図13】DPFの再生特性に影響するすすの酸化特性
の比較グラフ。
【図14】DPFの再生特性に影響する再生(燃焼)速
度の比軟グラフ。
【図15】DPFの再生率の比較グラフ。
【図16】従来技術における触媒担体の略線図。
【図17】同じくウォッシュコートアルミナ層の概念
図。
【符号の説明】
3…アルミナ薄膜、4…リン酸ジルコニウム粒子、10
…触媒、15…セラミック担体。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/10 F01N 3/24 E 3/24 3/28 301P 3/28 301 B01D 53/36 104B Fターム(参考) 3G090 AA03 BA04 CB11 EA02 3G091 AA02 AA18 AB13 BA00 BA07 BA11 BA14 BA15 BA19 BA38 BA39 CA03 FB10 GA01 GA05 GA06 GA16 GA20 GA24 GB01W GB01X GB04W GB04X GB05W GB06W GB07W GB07X GB10X 4D048 AA06 AA13 AA14 AA18 AB05 BA03X BA03Y BA07Y BA08X BA08Y BA10X BA10Y BA18X BA18Y BA19X BA22Y BA44X BA44Y BB01 BB02 BB04 BB05 BB08 BB17 4G069 AA01 AA03 AA08 AA12 BA01A BA01B BA13A BA13B BB14A BB14B BC27A BC38A BC43B BC50A BC51A BC51B BD07A BD07B CA03 CA09 CA18 EA02X EA02Y EA03X EA03Y EA08 EA19 EB10 EB18X EB18Y EC02X EC03X EC03Y EC26 FA02 FB13 FB30 FB57

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4価金属酸性不溶性塩含有セラミック担
    体の表面に触媒活性成分を分散担持してなる触媒であっ
    て、前記セラミック担体は、この担体を形成する各粒子
    単位毎にその表面が希土類酸化物を含有するアルミナの
    薄膜にて被覆されたものであり、その希土類酸化物含有
    アルミナ薄膜の凹凸表面に前記触媒活性成分が担持され
    ていることを特徴とする触媒。
  2. 【請求項2】 ジルコニウム化合物含有セラミック担体
    の表面に触媒活性成分を分散担持してなる触媒であっ
    て、前記セラミック担体は、この担体を形成する各粒子
    単位毎にその表面が希土類酸化物を含有するアルミナの
    薄膜にて被覆されたものであり、その希土類酸化物含有
    アルミナ薄膜の凹凸表面に前記触媒活性成分が担持され
    ていることを特徴とする触媒。
  3. 【請求項3】 4価金属のリン酸塩含有セラミック担体
    の表面に触媒活性成分を分散担持してなる触媒であっ
    て、前記セラミック担体は、この担体を形成する各粒子
    単位毎にその表面が希土類酸化物を含有するアルミナの
    薄膜にて被覆されたものであり、その希土類酸化物含有
    アルミナ薄膜の凹凸表面に前記触媒活性成分が担持され
    ていることを特徴とする触媒。
  4. 【請求項4】 前記4価金属酸性不溶性塩含有セラミッ
    ク担体は、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、ヒ酸ジ
    ルコニウム及びヒ酸チタンのうちいずれかを含む、多孔
    質体、ファイバー成形体あるいはペレット成形体のいず
    れかで構成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の触媒。
  5. 【請求項5】 前記セラミック担体中の各粒子表面を覆
    う前記希土類酸化物含有アルミナ薄膜は、ミクロ断面形
    状が、直径:2〜50mm、長さ:20〜300nmで、
    全長/直径の比が5〜100の形状を有する小繊維が林
    立した植毛構造からなる凹凸表面を有し、その表面の比
    表面積が50〜300m2/gであることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の触媒。
  6. 【請求項6】 前記セラミック担体を覆う前記希土類酸
    化物を含有するアルミナ薄膜は、担体に対してアルミナ
    量で換算して0.1〜15mass%の割合で被覆され
    ており、アルミナ薄膜中に含まれる希土類酸化物の量は
    そのアルミナに対して10〜80mass%の含有量で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    触媒。
  7. 【請求項7】 前記希土類酸化物は、少なくともそれの
    一部がジルコニウムとの複合酸化物を形成しているもの
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の触媒。
  8. 【請求項8】 希土類酸化物とジルコニウムとの複合酸
    化物の粒子径は、1〜30nmの大きさであることを特
    徴とする請求項7に記載の触媒。
  9. 【請求項9】 4価金属酸性不溶性塩含有セラミック担
    体を構成する各粒子の表面に、下記入(a)〜(e)工
    程; (a)溶液含浸工程:前記セラミック担体をアルミニウ
    ム及び希土類酸化物を含有する金属化合物の溶液中に浸
    漬する、(b)乾燥工程:前記セラミック担体を加熱乾
    燥する、(c)仮焼成工程:前記セラミック担体を30
    0〜500℃以上の温度に加熱焼成することにより、ア
    モルファスアルミナ薄膜を形成する、(d)熱処理工
    程:前記セラミック担体を100℃の熱水中に浸漬処理
    したのち乾燥する、(e)本焼成工程:500〜120
    0℃にて本焼成する、工程を経て希土類酸化物含有アル
    ミナ薄膜を形成し、次いでその希土類酸化物含有アルミ
    ナ薄膜の凹凸表面に、触媒活性成分を分散担持させるこ
    とを特徴とする触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】 4価金属酸性不溶性塩含有セラミック
    担体を構成する各粒子の表面に、下記(a)〜(f)工
    程; (a)予備処理工程:前記セラミック担体を1000℃
    〜1500℃の温度に加熱してけい化物の酸化膜を形成
    する、(b)溶液含浸工程:前記セラミック担体をアル
    ミニウム及び希土類酸化物を含有する金属化合物の溶液
    中に浸漬する、(c)乾燥工程:前記セラミック担体を
    加熱乾燥する、(d)仮焼成工程:前記セラミック担体
    を300〜500℃以上の温度に加熱焼成することによ
    り、アモルファスアルミナ薄膜を形成する、(e)熱処
    理工程:前記セラミック担体を100℃の熱水中に浸濱
    処理したのち乾燥する、(f)本焼成工程:500〜1
    200℃にて本焼成する、工程を経て希土類酸化物含有
    アルミナ薄膜を形成し、次いでその希土類酸化物含有ア
    ルミナ薄膜の凹凸表面に、触媒活性成分を分散担持させ
    てなることを特徴とする触媒の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記4価金属酸性不溶性塩含有セラミ
    ック担体は、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、ヒ酸
    ジルコニウム及びヒ酸チタンを含む、多孔質体、ファイ
    バー成形体あるいペレット成形体のいずれかで構成され
    ていることを特徴とする請求項9または10に記載の触
    媒の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記セラミック担体を覆う前記希土類
    酸化物を含有するアルミナ薄膜は、担体に対してアルミ
    ナ量で換算して0.1〜15mass%の割合で被覆さ
    れており、アルミナ薄膜中に含まれる希土類酸化物の量
    はそのアルミナに対して10〜80mass%の含有量
    であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記
    載の触媒の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記希土類酸化物は、少なくともそれ
    の一部がジルコニウムとの複合酸化物を形成しているも
    のであることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに
    記載の触媒の製造方法。
  14. 【請求項14】 希土類酸化物とジルコニウムとの複合
    酸化物の粒子径は、1〜30nmの大きさであることを
    特徴とする請求項13に記載の触媒の製造方法。
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