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JP2002161951A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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Publication number
JP2002161951A
JP2002161951A JP2000356791A JP2000356791A JP2002161951A JP 2002161951 A JP2002161951 A JP 2002161951A JP 2000356791 A JP2000356791 A JP 2000356791A JP 2000356791 A JP2000356791 A JP 2000356791A JP 2002161951 A JP2002161951 A JP 2002161951A
Authority
JP
Japan
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gear
planetary gear
automatic transmission
brake
parking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000356791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3712936B2 (ja
Inventor
Nobutada Sugiura
伸忠 杉浦
Takuya Ishii
卓也 石井
Minoru Todo
穂 藤堂
Hiroyuki Tsukamoto
広幸 塚本
Kazuhisa Ozaki
和久 尾崎
Toshiki Kaneda
俊樹 金田
Yuji Kashiwabara
裕司 柏原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2000356791A priority Critical patent/JP3712936B2/ja
Publication of JP2002161951A publication Critical patent/JP2002161951A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3712936B2 publication Critical patent/JP3712936B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラネタリギヤ、ブレーキ及び該ブレーキの
油圧アクチュエータを有する多段変速機構のコンパクト
化を図る。 【解決手段】 パーキングギヤ115をプラネタリギヤ
5と油圧アクチュエータ109との間に配設し、多板ブ
レーキB4の油圧アクチュエータ109のピストン11
0を一部切欠いて、ミッションケース9を貫通し、パー
キングポール116を該パーキングギヤ115に係合さ
せるように配置する。それにより、自動変速機の構造を
簡単にして、該自動変速機の軸方向及び径方向のコンパ
クト化を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載され
る自動変速機に係り、特にFR(前エンジン・後輪駆
動)用自動車に搭載される前進5速等の多段自動変速機
に用いて好適であり、詳しくはパーキングギヤ及び多段
変速機構等の配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多段自動変速機におけるパーキン
グギヤは、例えば特開平5−33836、特開平9−3
2918等に開示されているような自動変速機に適用さ
れたものがある。これらのものは、多段変速機構を収納
したミッションケース後端の隔壁の更に後方(以下、自
動変速機において、入力軸側を前方、出力軸側を後方と
する。)にエクステンションハウジングを備えており、
該エクステンションハウジング内の略々中心には、出力
軸が該ミッションケースの後端より出力フランジ部材を
介してプロペラシャフトに連結されるように備えられて
いる。そして、該エクステンションハウジング内の出力
軸に、スプラインにより連結されたパーキングギヤが備
えられている。
【0003】ドライバによりシフトレバーがパーキング
(P)レンジに切換えられると、例えばセレクトロッ
ド、マニュアルレバー、マニュアルプレート及びパーキ
ングロッド等からなるパーキング機構を介し、エクステ
ンションハウジングの一部を貫通して備えられたパーキ
ングポールが作動し、該パーキングポールとパーキング
ギヤが噛合うことにより出力軸が機械的にロックされ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記多段自動変速機
は、ミッションケース内の後端付近に、特に後進時(又
は1速エンジンブレーキ時)にプラネタリギヤのリング
ギヤを係止するための設定トルク容量が大きなブレーキ
と、該ブレーキを制御するための油圧アクチュエータ
と、を備えており、該油圧アクチュエータの設置トルク
容量を大きくするために、上記ミッションケース後端の
隔壁の内側面を略々全面利用して受圧面積を得ている。
即ち、該ミッションケース後端には、ブレーキ用油圧ア
クチュエータを形成するために必要な隔壁を有してお
り、そのため、該隔壁の更に後方のエクステンションハ
ウジング内に専用スペースを設ける形でパーキングギヤ
が配置されて、軸方向に長い構造となるためにコンパク
ト性に欠けるものとなっていた。
【0005】そこで、本発明は、パーキングギヤをプラ
ネタリギヤと油圧アクチュエータとの間に配置すること
を可能とし、もって上記課題を解決した自動変速機を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、摩擦係合要素(例えばC1〜C3、B1〜B4、F
1〜F3)により、ギヤ部(60)の動力伝達経路を変
更して、入力部材(12)の回転を複数の変速段(例え
ば前進5速、後進1速)に変速して出力部材(105)
に伝達し、かつミッションケース(9)に収納されてい
る多段変速機構(6)を備えてなる、自動変速機(1)
において、前記ギヤ部(60)が、サンギヤ(S3)、
リングギヤ(R3)及びキャリヤ(CR3)を有するプ
ラネタリギヤ(5)を備えると共に、該プラネタリギヤ
(5)のキャリヤ(CR3)を前記出力部材(105)
に連結してなり、前記プラネタリギヤ(5)のリングギ
ヤ(R3)の外径側に、該リングギヤ(R3)を前記ケ
ース(9)に係止する多板ブレーキ(B4)を配設し、
該ブレーキ(B4)の油圧アクチュエータ(109)を
前記プラネタリギヤ(5)の前記出力部材側(105)
である前記ケース(9)の後部に配設し、前記プラネタ
リギヤ(5)と前記油圧アクチュエータ(109)の間
において、前記キャリヤ(CR3)に連結してパーキン
グギヤ(115)を配設してなる、ことを特徴とする自
動変速機(1)にある。
【0007】請求項2に係る本発明は、前記油圧アクチ
ュエータ(109)のピストン(110)を一部切欠い
て、該切欠き部(118)を通して、前記パーキングギ
ヤ(115)に係止し得る係止部材(116)を配置し
てなる、ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機
(1)にある。
【0008】請求項3に係る本発明は、前記係止部材
(116)は、前記ケース(9)を貫通して配置された
パーキングポール(116)であり、該パーキングポー
ル(116)が直接前記パーキングギヤ(115)に係
合してなる、ことを特徴とする請求項2記載の自動変速
機(1)にある。
【0009】請求項4に係る本発明は、前記プラネタリ
ギヤ(5)のキャリヤ(CR3)に連結された前記パー
キングギヤ(115)の軸方向他方側に、該プラネタリ
ギヤ(5)のリングギヤ(R3)を一方向の回転に対し
て係止するワンウェイクラッチ(F3)を配設する、こ
とを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動
変速機(1)にある。
【0010】請求項5に係る本発明は、入力軸側にプラ
ネタリギヤ(4)と出力軸側に前記プラネタリギヤ
(5)を離間して配設し、前記入力軸側のプラネタリギ
ヤ(4)のサンギヤ(S2)と前記出力軸側のプラネタ
リギヤ(5)のサンギヤ(S3)とを連結する入力要素
(42)と、前記入力要素(42)の外周側に回転自在
に配置され、前記入力軸側のプラネタリギヤ(4)のキ
ャリヤ(CR2)と前記出力軸側のプラネタリギヤ
(5)のリングギヤ(R3)とを連結する中空軸(99
a)と、を備え、前記ワンウェイクラッチ(F3)を、
そのインナレース(101)を前記中空軸の外周面に係
止すると共に、そのアウタレースを前記ミッションケー
ス(9)に係止して、を配設する、ことを特徴とする請
求項4記載の自動変速機(1)にある。
【0011】請求項6に係る本発明は、前記インナレー
ス(101)が前記中空軸(99a)に略々隙間を存し
て係止され、前記アウタレース(100)が前記ミッシ
ョンケース(9)に略々隙間のないように係止される、
ことを特徴とする請求項5記載の自動変速機(1)にあ
る。
【0012】請求項7に係る本発明は、前記アウタレー
ス(100)の軸方向両端は、一方を前記ミッションケ
ースの段差部(9e)に、他方をスナップリング(11
7)により軸方向移動不能に係止される、ことを特徴と
する請求項6記載の自動変速機(1)にある。
【0013】請求項8に係る本発明は、前記ギヤ部(6
0)は、同軸上において前記入力部材(12)から出力
部材(105)に向けて順次配置される第1、第2及び
第3プラネタリギヤ(3、4、5)の少なくとも3個の
プラネタリギヤと、前記第1、第2及び第3プラネタリ
ギヤ(3、4、5)のそれぞれ外径側に、第1、第2及
び第3のブレーキ(B1、B2、B4)の少なくとも3
個のブレーキと、を有し、前記入力軸側のプラネタリギ
ヤは、前記第2プラネタリギヤ(4)であり、前記出力
軸側のプラネタリギヤは、前記第3プラネタリギヤ
(5)であり、前記ブレーキは、前記第3のブレーキ
(B4)である、ことを特徴とする請求項1ないし7の
いずれか記載の自動変速機(1)にある。
【0014】請求項9に係る本発明は、前記第2プラネ
タリギヤ(4)は、リングギヤ(R2)、キャリヤ(C
R2)及びサンギヤ(S2)に入力部材(12)からの
駆動力が選択的に駆動連結される、ことを特徴とする請
求項8記載の自動変速機(1)にある。
【0015】請求項10に係る本発明は、前記第2プラ
ネタリギヤ(4)は、前記リングギヤ、キャリヤ及びサ
ンギヤのいずれか1個の回転要素(R2)に前記第1プ
ラネタリギヤを介して前記入力部材の回転を変更されて
伝達され、他の2個の回転要素(CR2、S2)に入力
部材の回転がそれぞれ異なるクラッチ(C1、C2)を
介して伝達される、ことを特徴とする請求項9記載の自
動変速機(1)にある。
【0016】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、これは、実施の形態との対応
を容易かつ迅速に理解するための便宜的なものであり、
特許請求の範囲記載の構成に何等影響を与えるものでは
ない。
【0017】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、ブレー
キと該ブレーキの油圧アクチュエータとの間において、
出力部材に連結するプラネタリギヤのキャリヤにパーキ
ングギヤを配設したので、自動変速機の軸方向及び径方
向寸法の増大を防止してコンパクトに構成できる。
【0018】請求項2に係る本発明によると、油圧アク
チュエータを一部切欠いて、パーキングギヤを係止する
係止部材を配置するので、上述のようなプラネタリギヤ
及び多板ブレーキと該多板ブレーキの油圧アクチュエー
タとの間にパーキングギヤを配設することを可能とする
ことができる。それにより、自動変速機の軸方向及び径
方向寸法の増大を防止してコンパクトに構成できる。
【0019】請求項3に係る本発明によると、ミッショ
ンケースを貫通してパーキングポールを配置するので、
該パーキングポールをパーキングギヤに係合させる配置
を可能にすることができる。それにより、自動変速機の
軸方向及び径方向寸法の増大を防止してコンパクトに構
成できる。
【0020】請求項4に係る本発明によると、プラネタ
リギヤのキャリヤに連結されたパーキングギヤの軸方向
他方側にワンウェイクラッチを配設することで、該パー
キングギヤの配設を可能とするものでありながら、自動
変速機の径方向寸法の増大を防止してコンパクトに構成
できる。
【0021】請求項5に係る本発明によると、離間して
配設された入力軸側のプラネタリギヤのキャリヤと出力
軸側のプラネタリギヤのリングギヤと、を連結する中空
軸の外周面に、ワンウェイクラッチのインナレースを係
止すると共に、アウタレースをミッションケースに係止
して、配設するので、自動変速機の径方向寸法の増大を
防止してコンパクトに構成できる。
【0022】請求項6に係る本発明によると、ワンウェ
イクラッチのインナレースが中空軸に略々隙間を存して
係止され、そのアウタレースがミッションケースに略々
隙間のないように係止されるので、該ワンウェイクラッ
チ、中空軸及び該中空軸を回転支持するブッシュなどの
耐久性を向上させるものでありながら、自動変速機の径
方向寸法の増大を防止してコンパクトに構成できる。
【0023】請求項7に係る本発明によると、ワンウェ
イクラッチのアウタレースの軸方向両端は、一方をミッ
ションケースの段差部に、他方をテーパードスナップリ
ングにより係止されるので、該アウタレースを軸方向移
動不能に係止することができるものでありながら、自動
変速機の径方向寸法の増大を防止してコンパクトに構成
できる。また、テーパードスナップリングを用いること
で、傾斜しやすいアウターレースの傾きを防止すること
ができ、ワンウェイクラッチのエンドベアリングに作用
する面圧を低減することができる。
【0024】請求項8に係る本発明によると、ギヤ部
は、少なくとも3個のプラネタリギヤと、少なくとも3
個のブレーキと、を有しているので、例えば前進5速後
進1速を可能とする自動変速機を提供することができ
る。また、出力部材に連結する第3プラネタリギヤのキ
ャリヤにパーキングギヤを配設するので、自動変速機の
構造を簡単にして、自動変速機の軸方向及び径方向寸法
の増大を防止してコンパクトに構成できる。
【0025】請求項9に係る本発明によると、第2プラ
ネタリギヤは、リングギヤ、キャリヤ及びサンギヤに入
力部材からの駆動力が選択的に駆動連結されるので、自
動変速機の径方向寸法の増大を防止してコンパクトにす
るものでありながら、多段変速を可能とする自動変速機
を構成することができる。
【0026】請求項10に係る本発明によると、第2プ
ラネタリギヤは、リングギヤ、キャリヤ及びサンギヤの
いずれか1個の回転要素に第1プラネタリギヤを介して
入力部材の回転を変更されて伝達され、他の2個の回転
要素に入力部材の回転がそれぞれ異なるクラッチを介し
て伝達されるので、径方向寸法の増大を防止してコンパ
クトにするものでありながら、少なくとも前進5速を可
能とする自動変速機を構成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明に係る自動
変速機の全体断面図、図2ないし図4は、その部分拡大
断面図である。自動変速機1は、図1に示すように、ト
ルクコンバータ2と、3個のプラネタリギヤ3、4、5
を有する多段変速機構6と、を有しており、これらトル
クコンバータ及び多段変速機構が1軸状に直列的に配置
されていると共に、コンバータハウジング7及びミッシ
ョンケース9からなる一体ケースに収納されている。
【0028】トルクコンバータ2は、図2に詳示するよ
うに、エンジン出力軸(図示せず)に連結されるカバー
10に設けられたポンプぺラ11と、多段変速機構6の
入力軸12に連結されるタービンランナ13と、ワンウ
ェイクラッチ15を介して支持されているステータ16
と、を有しており、更に上記カバー10と入力軸12を
スプリングダンパ17を介して機械的に連結するロック
アップクラッチ19を備えている。また、コンバータハ
ウジング7及びミッションケース9の間部分にはポンプ
ケース20が固定されており、該ケース20には、オイ
ルポンプ21が配設されていると共に、前記カバー10
が回転自在に支持されている。更に、該ケース20の後
側面にはポンプカバー22が固定されており、該カバー
22には前記ワンウェイクラッチ15のインナレースが
固定されていると共に、各油路が形成されている。
【0029】前記多段変速機構6の前方部分(トルクコ
ンバータ側)は、3個のクラッチC1、C2、C3がま
とめて配置されるクラッチ部23となっている。該クラ
ッチ部は、図3に詳示するように、前記ポンプカバー2
2のボス部22aに回転自在に支持されると共に前記入
力軸12に連結されているスリーブ25を有している。
該スリーブ25は前方部分にてフランジ状になってお
り、かつ該フランジ部の外周部分に第3ドラム部材26
が固着されている。該第3ドラム部材の内周面にはスプ
ライン26aが形成されており、該スプラインに、第3
クラッチC3のドライブプレート(外摩擦板)27が係
合していると共に、第2ドラム部材29が係合してい
る。
【0030】該第2ドラム部材29はその内径側に可動
部材30が一体に固着されて、前記スリーブ25に油蜜
状に軸方向移動自在に支持されており、かつそのドラム
部外周面にスプライン29aが形成されて前記第3ドラ
ムのスプライン26aに係合していると共に、その内周
面にスプライン29bが形成されて、該スプラインに第
2クラッチC2のドライブプレート(外摩擦板)31が
係合している。また、前記第2及び第3クラッチC2、
C3の内径側において、前記入力軸12に固定されて第
1ドラム部材32が配置されており、該ドラム部材の外
径側部内周面にスプライン32aが形成されており、該
スプラインに、第1クラッチC1のドライブプレート
(外摩擦板)33が係合している。
【0031】一方、異なる半径上に、小径側から第1ハ
ブ35、第2ハブ36、第3ハブ37が順次配設されて
おり、各ハブの外周面にはそれぞれスプライン35a、
36a、37aが形成されている。そして、第1ハブの
スプライン35aには第1クラッチC1のドリブンディ
スク(内摩擦板)39が、第2ハブのスプライン36a
には第2クラッチC2のドリブンディスク(内摩擦板)
40が、第3ハブのスプライン37aには第3クラッチ
C3のドリブンプレート(内摩擦板)41がそれぞれ係
合しており、また第1ハブ35は中心軸からなる中間軸
42、第2ハブ36は該中心軸に被嵌する第2スリーブ
軸43に、第3ハブ37は該第2スリーブ軸に被嵌する
第3スリーブ軸45にそれぞれ連結・固定されている。
即ち、中間軸42、第2スリーブ軸43及び第3スリー
ブ軸45は同軸状にそれぞれ回転自在に支持されてい
る。
【0032】また、前記スリーブのフランジ部25aに
は前記可動部材30が油蜜状に嵌合して、第3クラッチ
用油圧アクチュエータ46を構成しており、上記可動部
材30における前記第2クラッチC2の係合面を越えた
先端部30dが前記第3クラッチC3に対向している。
前記可動部材30には第2ピストン部材47が油密状に
嵌合して、第2クラッチ用油圧アクチュエータ49を構
成しており、該ピストン部材の外径側先端部47aが前
記第2クラッチC2に対向している。更に、第2ピスト
ン部材47の背面には、スリーブ25に嵌合されたスナ
ップリングにより軸方向移動が規制されてキャンセルプ
レート50が油密状に嵌合しており、該キャンセルプレ
ート50と第2ピストン部材47の背面との間はリター
ンスプリング51が縮設されていると共に、前記油圧ア
クチュエータ49の遠心油圧をキャンセルするキャンセ
ル室52となっている。
【0033】また、前記第1ドラム部材32には第1ピ
ストン部材53が油密状に嵌合して、第1クラッチ用油
圧アクチュエータ55を構成しており、該ピストン部材
の先端53aが第1クラッチC1に対向している。更
に、第1ピストン部材53の背面には、スリーブ25に
嵌合されたスナップリングにより軸方向移動が規制され
てキャンセルプレート56が油密状に嵌合しており、該
キャンセルプレートと第1ピストン部材53の背面との
間はリターンスプリング57が縮設されていると共に、
前記油圧アクチュエータ55の遠心油圧をキャンセルす
るキャンセル室59となっている。
【0034】前記多段変速機構6の後方部分は3個のプ
ラネタリギヤ3、4、5がその係止手段(ブレーキ及び
ワンウェイクラッチ)とまとめて配置されるギヤ部60
となっている。該ギヤ部60は、図4に詳示するよう
に、前方(入力部材12側)から、前記第3スリーブ軸
45に形成されたサンギヤS1を有する第1プラネタリ
ギヤ3、前記第2スリーブ軸43に連結されるキャリヤ
CR2を有する第2プラネタリギヤ4、そして前記中間
軸42に形成されたサンギヤS3を有する第3プラネタ
リギヤ5が順次配設されている。更に、前記クラッチ部
23と第1プラネタリギヤ3との軸方向間部分に第3ブ
レーキ(第4のブレーキ)B3、第1ワンウェイクラッ
チ(第3のワンウェイクラッチ)F1及び第2ワンウェ
イクラッチ(第2のワンウェイクラッチ)F2(係止手
段)が配設されており、また第2プラネタリギヤ4と第
3プラネタリギヤ5との軸方向間部分に第3ワンウェイ
クラッチ(第1のワンウェイクラッチ)F3が配設され
ている。
【0035】第3ブレーキB3は多板ブレーキからな
り、複数枚の外ブレーキプレート61がケース9に形成
されたスプライン9aに係合しており、また第2ワンウ
ェイクラッチF2のアウタレース62に固定されている
ハブ63に、上記ブレーキの内ブレーキディスク65が
係合している。前記第2ワンウェイクラッチF2のイン
ナレースは前記第3のスリーブ軸45自体で形成されて
おり、前記第3ブレーキB3と第2ワンウェイクラッチ
F2とは、異なる径方向位置において、軸方向に略々オ
ーバラップする位置に配置されている。
【0036】前記第3ブレーキB3の軸方向後方側に
は、該ブレーキ用油圧アクチュエータ66が配設されて
おり、該アクチュエータは、ケース9に軸方向及び回転
方向移動に連結されたシリンダ部材67と、該シリンダ
部材に油密状に嵌合して、その前方端部69aが上記ブ
レーキB3に対向しているピストン部材69と、からな
る。更に、上記シリンダ部材の内周面にスプライン係合
されて、第1ワンウェイクラッチF1のアウタレース7
0が配置されており、該ワンウェイクラッチのインナレ
ース71は第1プラネタリギヤ3におけるキャリヤCR
1のボス部72にスプライン係合している。そして、上
記第3ブレーキ用油圧アクチュエータ66と第1ワンウ
ェイクラッチF1は、異なる径方向位置において、軸方
向に略々(少なくとも一部を)オーバラップ位置に配置
されている。なお、上記ピストン部材69の先端部分は
クシ歯状に形成され、該クシ歯の間部分にリターンスプ
リング73が配置されている。従って、第2ワンウェイ
クラッチF2及び第1ワンウェイクラッチF1は軸方向
に並んで配置されており、かつ第3ブレーキB3及びそ
の油圧アクチュエータ66が外径側にあって、上記ワン
ウェイクラッチF1、F2に軸方向に略々オーバラップ
するように配置されている。
【0037】第1プラネタリギヤ3は、サンギヤS1に
噛合するピストンP1aとリングギヤR1に噛合するピ
ニオンP1bとを有するデュアルプラネタリギヤからな
り(図5参照)、上記互に噛合するピニオンP1a、P
1b支持するをキャリヤCR1がそのボス部72により
第3スリーブ軸45に回転自在に支持されており、また
サンギヤS1が第3スリーブ軸45に一体に形成されて
いる。更に、リングギヤR1が、その後方端でスプライ
ン結合されているプレート75により軸方向を規制され
て回転自在に支持されていると共に、第2プラネタリギ
ヤ4のリングギヤR2にスプライン結合されている。
【0038】そして、前記第1ブレーキB1は多板ブレ
ーキからなり、その複数枚の外ブレーキプレート76
が、ケース9に形成されたスプライン9b(前記スプラ
イン9aに連続して形成)に係合されると共に前方方向
移動を前記第3ブレーキ用シリンダ部材67と共に規制
されて支持されている。前記第1ブレーキ用の内ブレー
キディスク79は、前記キャリヤCR1を構成するカッ
プ状部材80の外径側外周面に形成されたスプラインに
係合している。該カップ状部材80は、その外径側平坦
面80aが前記第1プラネタリギヤ3の外径側を覆うよ
うに延びており、該平坦面80a、即ち該平坦面に形成
されたスプライン係合している第1ブレーキB1が、第
1プラネタリギヤ3の外径側にて軸方向に略々オーバラ
ップするように(正確にはプラネタリギヤ3の幅内に第
1ブレーキB1が納まるように)配置されている。
【0039】上記第1ブレーキB1の後方側には該ブレ
ーキ用の油圧アクチュエータ81が配設されている。該
アクチュエータ81は、前記ミッションケース9の段付
小径部9cに固定・配置されているシリンダ部材82及
びそれに油密状に嵌合しているピストン部材83を有し
ており、該アクチュエータ81は、前記第1及び第2プ
ラネタリギヤ3、4の外径側にて、軸方向において股が
って、配置されている。即ち、第1プラネタリギヤ3の
外径側において、該第1プラネタリギヤの所定要素(C
R1)を係止する第1ブレーキB1及びその油圧アクチ
ュエータ81が、該第1プラネタリギヤと軸方向に少な
くとも一部がオーバラップするように配置されている。
なお、上記ピストン部材83はクシ歯に第1ブレーキB
1に向けて延びており、かつ該クシ歯の間にリターンス
プリング85が配置されている。
【0040】第2プラネタリギヤ4は、シンプルプラネ
タリギヤからなり、ピニオンP2を支持するキャリヤC
R2が第2スリーブ軸43にスプライン係合している。
また、サンギヤS2が、前記中間軸42にスプラインに
より一体に結合されており、またリングギヤR2が前記
第1プラネタリギヤのリングギヤR1にスプラインによ
り一体に結合されている。該第2プラネタリギヤ4は、
デュアルプラネタリギヤからなる第1プラネタリギヤ3
より小径にて構成されており、従ってリングギヤR2の
前方端に外径方向に延びる鍔部86が形成されて、該鍔
部の外周部が前記リングギヤR1の内周面に前記プレー
ト75と共にスプラインにより一体に連結されている。
前記第1ブレーキB1用油圧アクチュエータ81は、そ
のピストン延出部を除いて、上記小径からなる第2プラ
ネタリギヤ4の外径側に第2ブレーキB2と共に配置さ
れている。従って、該油圧アクチュエータ81は、ケー
ス9が段差9cにより小径となっているにも拘らず、所
定の受圧面積が確保され、該第1ブレーキB1の必要ト
ルクに対応するトルク容量を有する。
【0041】そして、前記第1ブレーキB1用油圧アク
チュエータ81の後方側に第2ブレーキB2が配置され
ている。該第2ブレーキB2は多板ブレーキからなり、
複数枚の外ブレーキプレート87が前記小径部となるケ
ース9の内スプライン9dに係合しており、内ブレーキ
ディスク89が前記リングギヤR2の外周面に形成され
たスプラインに係合している。該第2ブレーキB2は、
第2プラネタリギヤ4の外径側において、該プラネタリ
ギヤと軸方向にオーバラップするように(正確にはプラ
ネタリギヤ4の幅内にブレーキB2が納まるように)配
置されている。
【0042】該第2ブレーキB2の後方側には該ブレー
キ用の油圧アクチュエータ90が配設されている。該ア
クチュエータ90は、ケース9の内周面に固定・配置さ
れているシリンダ部材91及びそれに油蜜状に嵌合して
いるピストン部材92を有しており、該ピストン部材
は、他のもの69、83がブレーキに向けて延びかつク
シ歯の間にリターンスプリング73、85を配置する延
出部を有するのに対し、該延出部を有さない短い構造か
らなる。該油圧アクチュエータ90は、第2ブレーキB
2の外径側において、第2プラネタリギヤ4の後端部に
一部オーバラップするか、又はそのピストン部材92先
端部が略々整列するように配置されている。そして、前
記第2ブレーキB2の外及び内ブレーキプレート(ディ
スク)87、89は、その外径部分に所定間隔毎に切欠
かれており、該切欠き部93に、前記ピストン部材92
の先端部に設けられた支持プレート95とケース等の固
定部材との間に縮設されたリターンスプリング96が配
置されている。
【0043】前記第2ブレーキB2用油圧アクチュエー
タ90の後方側、即ち第2プラネタリギヤ4と第3プラ
ネタリギヤ5との間部分には、第3ワンウェイクラッチ
F3が配設されている。第2プラネタリギヤ4の後キャ
リヤプレート97と、第3プラネタリギヤ5のリングギ
ヤR3とは連結部材99を介して連結されている。上記
ワンウェイクラッチF3は、固定側となるアウタレース
100と可動側となるインナレース101とを有してお
り、アウタレース100の外周面がケース9にスプライ
ン係合され、かつミッションケースの段差部9eとテー
パードスナップリング117により略々隙間のないよう
に係止されていると共に、インナレース101の内周面
が上記連結部材99のボス部(中空軸)99aに略々隙
間を存してスプライン係合している。また、ボス部99
aは、不図示のブッシュなどにより回転支持されてい
る。
【0044】上記アウタレース100は、ローラ又はス
プラグ等の係合部材102部分が該係合部分の幅に合せ
て幅広になっていると共に、外径方向に向ってその前後
両方から漸減するように幅狭となっており、かつ外径端
にあっては後方側のみ鍔状に延出している。これによ
り、該アウタレース100は、比較的軸方向に長い係合
部材102に合せた接合面を有すると共に、ケース9と
の係合部分も上記鍔状の延出部により所定軸方向長さを
確保して、所定トルク容量を備えるものでありながら、
その前方側が凹んで凹部100aとなっており、該凹部
に、前記第2ブレーキ用油圧アクチュエータ90の後方
部分が収納されて、該油圧アクチュエータ90を含む第
2ブレーキ装置の第2プラネタリギヤ4の外径側配置
(少なくとも一部が軸方向にオーバラップする)を可能
として、自動変速機の軸方向の短縮化に寄与している。
即ち、上記油圧アクチュエータ90は、第2プラネタリ
ギヤ4及び第3ワンウェイクラッチF3の間部分に配置
されて、コンパクトな構成となっている。
【0045】前記インナレース101は、上記連結部材
99と一体としてもよいが別体とすることで、係合部材
102部分が該係合部材に合せて幅広になり、かつその
内径側に向けて漸減するように幅狭になるように構成す
ることができ、上述と同様に、接合面積に起因するトル
ク容量を確保すると共に、連結部材99と該キャリヤプ
レート97とのスプライン連結スペースを確保してい
る。
【0046】ワンウェイクラッチF3がロックした際
は、アウタレース100がミッションケース9に略々隙
間のないように係止されてスプライン係合しているため
に、係合部材102のローラ又はスプラグ等によりイン
ナレース101が径方向内周側に押圧されて収縮する
が、該インナレース101とボス部99aとは略々隙間
を存してスプライン係合されているので、該ボス部99
aを押圧することはない。即ち、該ワンウェイクラッ
チ、中空軸及び該中空軸を回転支持するブッシュなどの
耐久性を向上させる。また、この際、アウターレース1
00も径方向外周側に押圧されて傾斜しやすい状態であ
るが、上記テーパードスナップリング117により係止
されているので、該アウターレース100の傾斜が防止
されて、係止部材102の両端に配置されているエンド
ベアリング102a,102aに作用する面圧を低減す
る。
【0047】前記第3ワンウェイクラッチF3の後方側
には第3プラネタリギヤ5が配設されている。該第3プ
ラネタリギヤはシンプルプラネタリギヤからなり、リン
グギヤR3が前記連結部材99のフランジ99b外周面
に係合して前記キャリヤCR2と連結している。一方、
サンギヤS3は、前記中間軸42の後方端部にあって該
軸に一体形成されており、またピニオンP3を支持する
キャリヤCR3は出力軸105に一体に形成されてい
る。中間軸42は前記サンギヤS3部分を最も大径とし
て、前方に向かって順次小径となる段付き構造からな
る。出力軸105は上記キャリヤCR3が鍔状に拡がっ
て形成されており、前記中間軸42の後端突出部42a
と出力軸105の前端中空部105aとが嵌合して回転
自在にかつ軸方向移動不能に支持されている。なお、中
間軸42は、その前端部を入力軸12に嵌合して回転自
在に支持されて、その両端部をそれぞれ入力軸12及び
出力軸105を介してケースに間接支持されている。ま
た、出力軸105は、その前端部がケース9の後側9e
の鍔部9fにベアリングを介して直接支持されると共
に、その後部分が図示しないエクステンションハウジン
グ(ミッションケース9の後端部に固定)にベアリング
を介して直接支持されている。
【0048】前記第3ワンウェイクラッチF3の後方側
に第4ブレーキB4が配設されている。該第4ブレーキ
は多板ブレーキからなり、多数板の外ブレーキプレート
106が前記アウタレース100と共にケース内周面の
スプライン9dに係合していると共に、スナップリング
により軸方向移動が規制されて支持されており、また内
ブレーキディスク107がリングギヤR3の外周面に形
成されたスプラインに係合している。該第4ブレーキB
4は、第3プラネタリギヤ5の外径側において、該プラ
ネタリギヤ5に軸方向に略々オーバラップして(少なく
とも一部がオーバラップして)配置されている。
【0049】上記第4ブレーキB4及び第3プラネタリ
ギヤ5の後方側に上記ブレーキB4用の油圧アクチュエ
ータ109が配設されている。該油圧アクチュエータは
ケース9の後端部内周面、後側面9e及び鍔部9fをシ
リンダとしたダブルピストンタイプからなり、第1ピス
トン部材110、中間支持部材111及び第2ピストン
部材112を有する。第1ピストン部材110は、上記
シリンダに油密状に嵌合していると共に、その外径側に
て前方に突出する延出部110a及びその内径側にて後
方に突出するハブ部110bを有しており、延出部11
0aがケーススプライン9dに係合しつつ上記第4ブレ
ーキB4に対向している。
【0050】中間支持部材111は、その内径側を上記
ハブ部110bに嵌合してシリンダに油密状に嵌合して
いると共に、その外径側延出部がケースの後側面9eに
当接している。第2ピストン112は、その外径側を該
支持部材延出部の内周面に接してシリンダに油密状に嵌
合しており、かつその内径部分にて前記第1ピストン1
10のハブ部110bに当接している。なお、第1ピス
トン110とケース鍔部9eに設けられた支持プレート
との間にリターンスプリング113が縮設されている。
【0051】従って、上記第4ブレーキB4用油圧アク
チュエータ109は、ケース後端面を利用した大きい受
圧面積からなると共に、第1及び第2のピストン部材1
10、112からなるダブルピストンに基づき更に大き
な受圧面積が得られ、上記ブレーキB4の設定トルク容
量に対応する大きな押圧力が得られる。
【0052】ついで、本発明の要部に係るパーキングギ
ヤについて説明する。図4に示すように、上述の第3プ
ラネタリギヤにおいて、キャリヤCR3は出力部材に連
結しており、リングギヤR3の外周側には該リングギヤ
R3を係止するための第4ブレーキB4が配設されてい
る。また、第3プラネタリギヤの軸方向後方側に第4ブ
レーキB4用油圧アクチュエータ109が、ミッション
ケース9後端の隔壁9eを略々全面利用する形で配設さ
れている。該キャリヤCR3の後方側にパーキングギヤ
115が連結されて、油圧アクチュエータ109の第1
ピストン110の延出部110aの内周側に被嵌される
ように配設されている。該延出部110aは、図4中下
方に示すように、一部切欠いた切欠き部118を有して
おり、パーキングポール116がミッションケース9及
び切欠き部118を貫通してパーキングギヤ115に係
合自在となるように配置されている。該パーキングポー
ル116がパーキングギヤ115に係合すると、該パー
キングギヤ115が固定され、キャリヤCR3を介して
出力軸105が固定されるので、該出力軸105を介し
て車輪が固定され、つまり、停車状態となる。
【0053】上述のようにパーキングギヤ115を配設
することで、第3プラネタリギヤ5及び多板ブレーキB
4と該多板ブレーキB4の油圧アクチュエータ109と
の間にパーキングギヤ115を配設することを可能と
し、かつ、ミッションケース9を貫通してパーキングポ
ール116を配置し、該パーキングポール116が直接
パーキングギヤ115に係合するので、従来のようなエ
クステンションハウジング内ではなく、ミッションケー
ス9内の第3プラネタリギヤ5のキャリヤCR3に係合
するパーキングギヤ115を可能とする。それにより、
自動変速機の軸方向及び径方向寸法の増大を防止してコ
ンパクトに構成できる。
【0054】なお、パーキングポールを動かすパーキン
グ機構(不図示)は、例えばシフトレバーに電気的又は
機械的に連結されたマニュアルシャフトにより、自動変
速機の変速機構を制御する油圧制御装置内のマニュアル
バルブを駆動し、パーキングロッド等を介してパーキン
グポールを動かす機構である。従来のようにミッション
ケース後端の隔壁より外側にパーキングギヤ(パーキン
グポール)を配設すると、ミッションケース下部の略々
全長に配置されている油圧制御装置より更に後方にパー
キング機構が延出するため、その構造を複雑にしている
が、本実施の形態においては、ミッションケース9内に
パーキングギヤ115(パーキングポール116)を配
設するため、その構造を簡単にし、組立作業性を向上す
るものでありながら、コンパクトに構成できる。
【0055】ついで、図5の上記自動変速機構のスケル
トン図、図6の作動表及び図7の速度線図に沿って、上
述した自動変速機構6の作用について説明する。
【0056】該自動変速機構6は、第1プラネタリギヤ
3からなるフロントギヤユニット130と、第2プラネ
タリギヤ4及び第3プラネタリギヤ5からなるリヤギヤ
ユニット131とにその機能上分かれており、かつリヤ
ギヤユニット131は、中間軸42を介して連結されて
いる両サンギヤS2、S3からなる第3回転要素137
と、連結部材99を介して連結されているキャリヤCR
2及びリングギヤR3からなる第2回転要素136と、
互に連結されているリングギヤR1及びR2からなる第
1回転要素135と、出力軸105に連結されているキ
ャリヤCR3からなる(出力用)回転要素の、合計4個
の回転要素から構成される。
【0057】1速では、図6に示すように、第1クラッ
チC1が係合し、第3ワンウェイクラッチF3が作動
し、入力軸12とサンギヤS2、S3(第3回転要素1
37)が連結されると共に、キャリヤCR2及びリング
ギヤR3(第2回転要素)の逆転がワンウェイクラッチ
F3により阻止されて、入力軸12の回転(RIN)
は、クラッチC1を介して直接第3プラネタリギヤ5の
サンギヤS3に入力される。すると、第3ワンウェイク
ラッチF3の作動に基づき停止状態にあるリングギヤR
3により、図7の速度線図において、線図L1に示す状
態となり、出力軸105が接続されたキャリヤCR3か
らは、正回転の1速1STが取り出される。なお、第2
プラネタリギヤは、サンギヤS2が回転するが、空転状
態となっている。
【0058】この際、1速状態及び発進時に基づく大き
なトルクが作用し、該トルクを第3ワンウェイクラッチ
F3にて担持することになるが、該第3ワンウェイクラ
ッチF3は、第2及び第3プラネタリギヤ4、5の間部
分にて軸方向に比較的長い空間に配置され、特にその係
止部材(ローラ又はスプラグ)102及びそれに接する
アウタレース100及びインナレース101部分の面積
も広くなっており、上記大きなトルクを確実に担持し得
る。つまり、例えば従来のようにワンウェイクラッチF
3をリングギヤR3の外周側とケースとの間に配設しな
くても、大きなトルクに担持し得るので、上記パーキン
グギヤの配設を可能とするものでありながら、自動変速
機の径方向寸法の増大を防止してコンパクトに構成でき
る。
【0059】2速では、図6に示すように、1速時の第
1クラッチC1の係合に加えて、第3ブレーキB3が係
合すると共に、第3ワンウェイクラッチF3の作動が解
除され、第1及び第2ワンウェイクラッチF1、F2が
作動する。この状態では、第1プラネタリギヤ3は、ロ
ック状態の第1ワンウェイクラッチF1により停止状態
のキャリヤCR1、及び第3ブレーキB3の係止により
ロック状態の第2ワンウェイクラッチF2により停止状
態のサンギヤS1に基づき、停止状態にあり、従ってそ
のリングギヤR1に連結している第2プラネタリギヤ4
のリングギヤR2も停止状態にある。
【0060】そして、入力軸12の回転は、第1クラッ
チC1を介してサンギヤS2から第2プラネタリギヤ4
に入力されると共に、サンギヤS3を介して第3プラネ
タリギヤ5に入力される。第2プラネタリギヤ4は、前
述したようにリングギヤR2の回転が阻止され(速度=
0)、図7の速度線図において、線図L2に示す状態と
なり、出力軸105が接続されたキャリヤCR3から、
正回転の2速回転(2ND)が取り出される。
【0061】3速では、図6に示すように、1、2速時
の第1クラッチC1の係合に加えて、第3クラッチC3
が係合されると共に、第2ワンウェイクラッチF2の作
動が解除され、第1ワンウェイクラッチF1の作動が維
持される。この状態では、入力軸12の回転は、それま
での第1クラッチC1を介したリヤギヤユニット131
への入力に加えて、第3クラッチC3を介してフロント
ギヤユニット130のサンギヤS1にも入力され、かつ
キャリヤCR1が第1ワンウェイクラッチF1により係
止される。
【0062】すると、第1プラネタリギヤ3は、サンギ
ヤS1に入力軸12の回転が入力され、キャリヤCR1
が係止されることから、図7の速度線図において、線図
L3に示す状態となり、フロントギヤユニット130の
出力要素としてのリングギヤR1から、正回転RV1が
リヤギヤユニット131の入力要素としての第2プラネ
タリギヤ4のリングギヤR2に出力される。一方、リヤ
ギヤユニット131には、サンギヤS2、S3に入力軸
12の回転RINが入力されているので、上記リングギ
ヤR2へ入力される回転RV1は、図7の線図L4に示
すように、合成され、出力軸105に連結されるキャリ
ヤCR3からは、3速回転(3RD)が取り出される。
なお、第3ブレーキB3は、係合状態となっているが、
第2ワンウェイクラッチF2が空転状態なので、該ブレ
ーキB3は変速に何ら関与しない。
【0063】4速では、図6に示すように、1、2、3
速時の第1クラッチC1の係合に加えて、第2クラッチ
C2が係合されると共に、第1ワンウェイクラッチF1
の作動が解除される。この状態では、入力軸12の回転
は、それまでの第1クラッチC1を介したリヤギヤユニ
ット131のサンギヤS2、S3への入力に加えて、第
2クラッチC2を介してキャリヤCR2及びリングギヤ
R3にも入力され、該リヤギヤユニット131、即ち第
2及び第3プラネタリギヤ4、5全体が直結回転とな
り、図7の線図L5に示す状態となり、出力軸105に
連結されるキャリヤCR3から、4速回転(4TH)が
取り出される。
【0064】5速では、図6に示すように、第1クラッ
チC1の係合が解除されると共に、第2及び第3クラッ
チC2、C3がそのまま係合状態を維持され、かつ第1
ブレーキB1が係合される。この状態では、入力軸12
の回転は、第2クラッチC2を介してリヤギヤユニット
131である第2プラネタリギヤ4のキャリヤCR2及
び第3プラネタリギヤ5のリングギヤR3に入力される
と共に、第3クラッチC3を介してフロントギヤユニッ
ト130である第1プラネタリギヤ3のサンギヤS1に
入力される。すると、キャリヤCR1が第1ブレーキB
1により係止されているので、フロントギヤユニット1
30は、図7線の図L3で示す状態となり、リングギヤ
R1からは、減速された正回転RV1がリヤギヤユニッ
ト131のリングギヤR2に出力される。一方、前述し
たように、該リヤギヤユニット131のキャリヤCR2
及びリングギヤR3には、入力軸12の回転が入力され
るので、速度線図は、図7の線図L7となり、キャリヤ
CR3から出力軸105へ、5速回転(5TH)が取り
出される。この際、第3ブレーキB3は、図6に示すよ
うに、係合状態となっているが、第2ワンウェイクラッ
チF2が空転状態となっているので、該ブレーキB3は
何ら変速に関与しない。
【0065】なお、自動変速機1からは、クラッチC
2、ブレーキB1、B2及びB3を係合することによ
り、不図示の6速回転を取り出すことが可能であるが、
本実施の形態では、その説明を省略する。
【0066】上述のように、第2プラネタリギヤには、
リングギヤR2に第1プラネタリギヤを介して入力部材
の回転を変更されて伝達され、サンギヤS2又はキャリ
ヤCR2に入力軸12の回転がそれぞれクラッチC1又
はC2を介して伝達されるので、自動変速機1は、径方
向寸法の増大を防止してコンパクトにするものでありな
がら、少なくとも前進5速(又は6速)を可能とする。
【0067】後進では、図6に示すように、第3クラッ
チC3が係合されると共に、第4ブレーキB4及び第1
ワンウェイクラッチF1が係止される。この状態では、
入力軸12の回転RINは、第3クラッチC3を介して
フロントギヤユニット130のサンギヤS1に入力さ
れ、キャリヤCR1が第1ワンウェイクラッチF1によ
り係止されることから、速度線図は、図7の線図L3に
示す状態となり、リングギヤR1からは、正回転の出力
回転RV1がリヤギヤユニット131のリングギヤR2
に出力される。該リヤギヤユニット131は、リングギ
ヤR3及びキャリヤCR2が第4ブレーキB4により係
止されるので、図7の線図L10で示す状態となり、キ
ャリヤCR3から出力軸105へ、後進回転(REV)
が取り出される。
【0068】また、エンジンブレーキ(コースト)時に
は、図6に示すように、通常の作動に加えて、3速及び
後進時には、第1ブレーキB1が係合され、第1ワンウ
ェイクラッチF1の空転に対してキャリヤCR1を確実
に係止し、2速時には第2ブレーキB2が係合され、リ
ングギヤR2を確実に係止し、更に1速時には、第1ブ
レーキB4が係合されて、リングギヤR3が確実に係止
される。
【0069】ニュートラル時には、図6に示すように、
ギヤ部60の摩擦係合要素(クラッチC1〜C3、ブレ
ーキB1〜B4、ワンウェイクラッチF1〜F3)の係
合が全て解除され、入力軸12と出力軸105の接続状
態が絶たれる。即ち、ギヤ部及び出力軸105は自由回
転状態となる。
【0070】パーキング時には、図6に示すように、ギ
ヤ部60の摩擦係合要素(クラッチC1〜C3、ブレー
キB1〜B4、ワンウェイクラッチF1〜F3)の係合
が全て解除され、不図示のパーキング機構である、例え
ばシフトレバーによりバルブボディのマニュアルバルブ
を駆動し、マニュアルシャフトが駆動することによりパ
ーキングポール116が径方向内周側に作動される。す
ると、該パーキングポール116がパーキングギヤ11
5に係止される。該パーキングギヤ115が係止される
と共に、第3プラネタリギヤ5のキャリヤCR3が係止
され、該キャリヤCR3に係合する出力軸105が係止
される。即ち、出力軸105が停止状態に固定されて、
パーキング状態となる。
【0071】以上の構成及び作用により本発明において
は、ブレーキB4と該ブレーキB4の油圧アクチュエー
タ109との間にて、出力軸に連結する第3プラネタリ
ギヤ5のキャリヤCR3にパーキングギヤ115を配設
したので、自動変速機1の軸方向及び径方向のコンパク
ト化を可能とすることができる。また、ワンウェイクラ
ッチF3を第3プラネタリギヤ5の該パーキングギヤ1
15とは他方側に配設することで、該パーキングギヤ1
15をキャリヤCR3に配設することを可能とすること
ができる。更に、油圧アクチュエータ109のピストン
110を一部切欠き、ミッションケース9を貫通してパ
ーキングポール116を係合させて配置することで、上
記構成を可能とし、自動変速機1をコンパクト化するこ
とができる。
【0072】なお、上記実施の形態は、上述自動変速機
構6に沿って説明したが、自動変速機構はこれに限ら
ず、出力部材に連結するプラネタリギヤ(シンプルでも
デュアルでも可)を有し、かつブレーキ及び油圧アクチ
ュエータを有するものならば、本発明の適用が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速機の全体を示す断面図。
【図2】そのトルクコンバータ部分を示す拡大断面図。
【図3】その多段変速機構の前部であるクラッチ部を示
す拡大断面図。
【図4】その多段変速機構の後部であるギヤ部を示す拡
大断面図。
【図5】多段変速機構のスケルトン図。
【図6】その作動を示す図。
【図7】その速度線図。
【符号の説明】
1 自動変速機 3 第1プラネタリギヤ 4 第2プラネタリギヤ 5 第3プラネタリギヤ 6 多段変速機構 9 ミッションケース 12 入力部材(入力軸) 42 入力要素(中間軸) 99a 中間軸 100 (F3の)アウタレース 101 (F3の)インナレース 105 出力部材(出力軸) 109 (B4用)油圧アクチュエータ 110 (油圧アクチュエータの)ピストン 115 パーキングギヤ 116 係止部材(パーキングポール) 117 スナップリング 118 切欠き部 B1 第1の(第1)ブレーキ B2 第2の(第2)ブレーキ B4 第3の(第4)ブレーキ C1 第1クラッチ C2 第2クラッチ F3 第1の(第3)ワンウェイクラッチ S2 サンギヤ S3 サンギヤ CR2 キャリヤ CR3 キャリヤ R2 リングギヤ R3 リングギヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 卓也 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 藤堂 穂 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 塚本 広幸 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 尾崎 和久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 金田 俊樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 柏原 裕司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J028 EA25 EA28 EB07 EB13 EB31 EB33 EB56 EB62 FB03 FC13 FC16 FC20 FC25 FC64 FD23 GA02 HA14 HA26 HA32 HA35 HC12 3J067 AA01 AC12 FA57 FB83 GA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦係合要素により、ギヤ部の動力伝達
    経路を変更して、入力部材の回転を複数の変速段に変速
    して出力部材に伝達し、かつミッションケースに収納さ
    れている多段変速機構を備えてなる、自動変速機におい
    て、 前記ギヤ部が、サンギヤ、リングギヤ及びキャリヤを有
    するプラネタリギヤを備えると共に、該プラネタリギヤ
    のキャリヤを前記出力部材に連結してなり、 前記プラネタリギヤのリングギヤの外径側に、該リング
    ギヤを前記ケースに係止する多板ブレーキを配設し、 該ブレーキの油圧アクチュエータを前記プラネタリギヤ
    の前記出力部材側である前記ケースの後部に配設し、 前記プラネタリギヤと前記油圧アクチュエータの間にお
    いて、前記キャリヤに連結してパーキングギヤを配設し
    てなる、 ことを特徴とする自動変速機。
  2. 【請求項2】 前記油圧アクチュエータのピストンを一
    部切欠いて、該切欠き部を通して、前記パーキングギヤ
    に係止し得る係止部材を配置してなる、 ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機。
  3. 【請求項3】 前記係止部材は、前記ケースを貫通して
    配置されたパーキングポールであり、該パーキングポー
    ルが直接前記パーキングギヤに係合してなる、 ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機。
  4. 【請求項4】 前記プラネタリギヤのキャリヤに連結さ
    れた前記パーキングギヤの軸方向他方側に、該プラネタ
    リギヤのリングギヤを一方向の回転に対して係止するワ
    ンウェイクラッチを配設する、 ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自
    動変速機。
  5. 【請求項5】 入力軸側にプラネタリギヤと出力軸側に
    前記プラネタリギヤを離間して配設し、 前記入力軸側のプラネタリギヤのサンギヤと前記出力軸
    側のプラネタリギヤのサンギヤとを連結する入力要素
    と、 前記入力要素の外周側に回転自在に配置され、前記入力
    軸側のプラネタリギヤのキャリヤと前記出力軸側のプラ
    ネタリギヤのリングギヤとを連結する中空軸と、を備
    え、 前記ワンウェイクラッチを、そのインナレースを前記中
    空軸の外周面に係止すると共に、そのアウタレースを前
    記ミッションケースに係止して、配設する、 ことを特徴とする請求項4記載の自動変速機。
  6. 【請求項6】 前記インナレースが前記中空軸に略々隙
    間を存して係止され、前記アウタレースが前記ミッショ
    ンケースに略々隙間のないように係止される、 ことを特徴とする請求項5記載の自動変速機。
  7. 【請求項7】 前記アウタレースの軸方向両端は、一方
    を前記ミッションケースの段差部に、他方をテーパード
    スナップリングにより軸方向移動不能に係止される、 ことを特徴とする請求項5または6のいずれか記載の自
    動変速機。
  8. 【請求項8】 前記ギヤ部は、同軸上において前記入力
    部材から出力部材に向けて順次配置される第1、第2及
    び第3プラネタリギヤの少なくとも3個のプラネタリギ
    ヤと、 前記第1、第2及び第3プラネタリギヤのそれぞれ外径
    側に、第1、第2及び第3のブレーキの少なくとも3個
    のブレーキと、を有し、 前記入力軸側のプラネタリギヤは、前記第2プラネタリ
    ギヤであり、 前記出力軸側のプラネタリギヤは、前記第3プラネタリ
    ギヤであり、 前記ブレーキは、前記第3のブレーキである、 ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか記載の自
    動変速機。
  9. 【請求項9】 前記第2プラネタリギヤは、リングギ
    ヤ、キャリヤ及びサンギヤに入力部材からの駆動力が選
    択的に駆動連結される、 ことを特徴とする請求項8記載の自動変速機。
  10. 【請求項10】 前記第2プラネタリギヤは、前記リン
    グギヤ、キャリヤ及びサンギヤのいずれか1個の回転要
    素に前記第1プラネタリギヤを介して前記入力部材の回
    転を変更されて伝達され、他の2個の回転要素に前記入
    力部材の回転がそれぞれ異なるクラッチを介して伝達さ
    れる、 ことを特徴とする請求項9記載の自動変速機。
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