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JP2002161185A - ブロー成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物及びブロー成形品 - Google Patents

ブロー成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物及びブロー成形品

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Publication number
JP2002161185A
JP2002161185A JP2000357917A JP2000357917A JP2002161185A JP 2002161185 A JP2002161185 A JP 2002161185A JP 2000357917 A JP2000357917 A JP 2000357917A JP 2000357917 A JP2000357917 A JP 2000357917A JP 2002161185 A JP2002161185 A JP 2002161185A
Authority
JP
Japan
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weight
rubber
polymer
blow
copolymer
Prior art date
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Application number
JP2000357917A
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JP4581229B2 (ja
Inventor
Hiroshi Nishimura
弘 西村
Hiroshi Kitani
博 木谷
Yutaka Igarashi
裕 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Cycon Ltd
Original Assignee
Ube Cycon Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/10Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロー成形におけるドローダウン性に優れ、
ブロー成形品の表面外観や耐熱性、耐衝撃性等の物性バ
ランス、更には後工程の塗装性、リサイクル性に優れた
熱可塑性樹脂組成物と、この熱可塑性樹脂組成物をブロ
ー成形してなるブロー成形品を提供する。 【解決手段】 ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体及び
シアン化ビニル単量体をグラフト重合してなるゴム含有
グラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体及びマレイミド化合物を共重合してな
るビニル系共重合体(B)との混合物であって、該混合
物中のゴム質重合体の含有量が10〜30重量%で、マ
レイミド化合物の含有量が5〜30重量%である混合物
100重量部に対して、高分子複合体(C)1〜10重
量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。この熱可塑性
樹脂組成物をブロー成形してなるブロー成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型部品のブロー
成形におけるドローダウン性が改良され、良好な表面外
観が得られ、耐熱性、耐衝撃性、更にブロー成形の後工
程である塗装性、リサイクル性にも優れた熱可塑性樹脂
組成物、及びこの熱可塑性樹脂組成物をブロー成形して
なるブロー成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブロー成形法が適用される樹脂材
料はポリオレフィン等が主体であったが、近年、ブロー
成形技術の発達により、ポリオレフィンだけでなく、エ
ンジニアリングプラスチックにも応用展開されてきてい
る。中でもABS樹脂は、本来の樹脂性能として耐衝撃
性、機械特性、耐薬品性等に優れているため、車両分
野、家電分野、事務機器分野など広い分野におけるブロ
ー成形の適用が検討されてきた。
【0003】しかしながら、ABS樹脂は、溶融状態で
の強度が低い;パリソンのドローダウン性に劣る;ブロ
ー成形機内押出機での押出し性が悪いなどの問題があっ
た。
【0004】その改良として、多数の検討・提案行わ
れ、例えば特開平4−120157号公報等には、AB
S樹脂のアセトン可溶分に特定の分子量と分子量分布、
又は特定の還元粘度を持たせることにより、良好なブロ
ー成形性とドローダウン性を得る方法が開示されてい
る。しかし、この方法では、得られるブロー成形品の表
面外観に劣り、成形品の表面が波打った状態となる。こ
の表面外観を改善するための後処理として、サンディン
グ処理と呼ばれる表面平滑化処理が必要となり、場合に
よってはこのサンディング処理の影響により、成形品の
表面が部分的に溶融し、溶融による歪みを残したまま更
に塗装処理を行うと、塗料の吸い込み等の問題が生じて
いる。
【0005】また、ブロー成形法においては、その成形
法により“バリ”と呼ばれる製品外郭部分が大量に発生
するため、これをリサイクルすることが望まれるが、従
来のABS樹脂をブロー成形する場合、バージン材の樹
脂性能は良好なるものの、リサイクル材では樹脂性能の
低下が激しく、ドローダウン性等に問題があり、安定生
産が難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来のA
BS樹脂の問題を解決し、ブロー成形におけるドローダ
ウン性に優れ、ブロー成形品の表面外観や耐熱性、耐衝
撃性等の物性バランス、更には後工程の塗装性等にも優
れ、なお且つリサイクル性も良好な熱可塑性樹脂組成物
と、この熱可塑性樹脂組成物をブロー成形してなるブロ
ー成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のブロー成形性に
優れる熱可塑性樹脂組成物は、ゴム質重合体に芳香族ビ
ニル単量体及びシアン化ビニル単量体をグラフト重合し
てなるゴム含有グラフト共重合体(A)と、芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体及びマレイミド化合物
を共重合してなるビニル系共重合体(B)との混合物で
あって、該混合物中のゴム質重合体の含有量が10〜3
0重量%で、マレイミド化合物の含有量が5〜30重量
%である混合物100重量部に対して、高分子複合体
(C)1〜10重量部を配合してなることを特徴とす
る。
【0008】このように、所定量のゴム質重合体とマレ
イミド化合物を含み、ブロー成形品の表面外観、耐熱
性、耐衝撃性に効果を奏するゴム含有グラフト共重合体
(A)とビニル系共重合体(B)との混合物に、高分子
複合体(C)を特定割合で配合することにより、ゴム含
有グラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)と
の相溶性が改善され、より一層良好なブロー成形性のも
とに高品質でリサイクルも容易なブロー成形品を得るこ
とが可能となる。
【0009】しかも、本発明の熱可塑性樹脂組成物より
得られるブロー成形品は、トリミング性、サンディング
性にも優れる。即ち、ブロー成形では不可欠な、不要部
分を切り取るトリミング作業において、カッター刃が入
りやすく容易にトリミングを行うことができ、また、ブ
ロー成形品の塗装に際しては、通常、サンディング処理
と呼ばれる表面平滑化処理が行われているが、本発明の
ブロー成形品では、殆どこのサンディング処理をするこ
となしに、塗料工程に入ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明で使用されるゴム含有グラフト共重
合体(A)とは、ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル
単量体とシアン化ビニル単量体、更に必要に応じてこれ
らと共重合可能な他の化合物をグラフト重合してなるも
のである。
【0012】ゴム含有グラフト重合体中(A)のゴム質
重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエンと共重合
可能なビニル単量体との共重合体、アクリル酸エステル
重合体、アクリル酸エステルと共重可能なビニル単量体
との共重合体、エチレン−プロピレン又はブテン−非共
役ジエン共重合体等が挙げられる。また、アクリル酸エ
ステル重合体としてはメチルアクリレート、エチルアク
リレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、
イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、
2−メチルペンチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート、n−オクチルアクリレーなどが挙げら
れ、また、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合
体に含有されるジエンとしては、ジシクロペンタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ヘプタジエン、
1,5−シクロオクタジエン、6−メチル−1,5−ヘ
プタジエン、11−エチル−1,11−トリデカジエ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネンなどが挙げられ、
このような中から1種又は2種以上を用いることができ
る。
【0013】ここで、上記ゴム質重合体のゲル含有量
は、好ましくは40〜90重量%であり、特に好ましく
は60〜80重量%である。ゲル含有量が40重量%未
満では物性バランスが取りにくく、90重量%を超える
とブロー成形性が劣る傾向にある。
【0014】また、ゴム含有グラフト重合体(A)中の
ゴム質重合体の含有量は、40〜75重量%であること
が好ましく、この含有量が40重量%未満では耐衝撃性
に劣り、また75重量%を超えてもグラフト率が低下し
て耐衝撃性に劣る傾向にある。
【0015】また、上記ゴム質重合体の重量平均粒子径
は、1500〜4000Åが好ましく、特に好ましくは
2500〜3500Åである。
【0016】ゴム質重合体にグラフト重合する芳香族ビ
ニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、
パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、特
にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。また、シ
アン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタ
クリルニトリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが
好ましい。更に必要に応じて共重合する他の化合物とし
ては、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド化合
物、不飽和カルボン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル
酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、アクリル酸
メチル等のメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステ
ルが挙げられ、マレイミド化合物としては、N−フェニ
ルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げ
られ、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。これら
のビニル単量体はそれぞれ1種を単独で、或いは2種以
上を併用して用いることができる。
【0017】本発明に使用されるビニル系共重合体
(B)は、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体
及びマレイミド化合物と、更に必要に応じてこれらと共
重合可能な他のビニル単量体を共重合してなり、芳香族
ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びマレイミド化
合物と、必要に応じて用いられる他のビニル単量体とし
ては、ゴム含有グラフト重合体(A)にグラフトさせる
ビニル単量体と同様なビニル単量体を使用することがで
きる。
【0018】本発明のビニル系共重合体(B)の重量平
均分子量は、本発明の範囲内において特に制限されず、
どのような重量平均分子量であってもブロー成形性に支
障はないが、重量平均分子量が50000〜15000
0であることが好ましく、更に好ましくは、80000
〜130000であり、この範囲内であれば、一層良好
なブロー成形性を得ることができる。即ち、ビニル系共
重合体(B)の分子量が50000未満では、自重によ
る垂れ下がり等のドローダウン性に問題が発生しやす
く、150000を超えると、表面外観に問題が発生し
やすくなる傾向にあり、成形条件等の配慮を必要とする
場合がある。また、ビニル系共重合体(B)の重量平均
分子量が上記範囲内であれば、ビニル系共重合体は1種
類である必要はなく、2種類以上の混合物であっても良
好なブロー成形性を得ることができる。
【0019】本発明に使用されるゴム含有グラフト重合
体(A)とビニル系共重合体(B)との混合物は、ゴム
質重合体を10〜30重量%、マレイミド化合物を5〜
30重量%含有し、好ましくは、ゴム質重合体を15〜
30重量%、マレイミド化合物を10〜30重量%含有
し、更に好ましくはゴム質重合体を15〜25重量%、
マレイミド化合物を15〜30重量%含有する。ゴム質
重合体の含有量が10重量%未満では耐衝撃性に劣り、
30重量%を超えると表面外観、耐熱性に劣るので好ま
しくない。また、マレイミド化合物の含有量が5重量%
未満では、耐熱性が劣り、30重量%を超えると耐衝撃
性が劣る。
【0020】本発明で使用される高分子複合体(C)と
は、例えば、次の〜が挙げられる。 ゴム質重合体にビニル系単量体が化学的結合により
複合化された高分子架橋構造複合体 ゴム質重合体と他のゴム質重合体とが化学的結合に
より複合化された高分子架橋構造複合体 ゴム質重合体と他のゴム質重合体とが融着により複
合化された高分子複合体 上記において、より具体的には、(非)共役ジエンと
ビニル系単量体との共重合体、或いは、(非)共役ジエ
ンからなる重合体等のゴム質重合体に、ビニル系単量体
をグラフト重合等によって結合させた高分子架橋構造複
合体;或いは、上記ゴム質重合体と、ビニル系単量体と
のいずれか一方を核とし、他方を殻とする多層構造重合
体等が挙げられる。
【0021】上記(非)共役ジエンとしては、ブタジエ
ン、アクリル酸エステル、エチレン−プロピレン又はブ
テン−非共役ジエン等が挙げられる。ここで、アクリル
酸エステルとしてはメチルアクリレート、エチルアクリ
レート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
イソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、イソ
アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−
メチルペンチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、n−オクチルアクリレーなどが挙げられ、ま
た、エチレン−プロピレン又はブテン−非共役ジエンに
含有される非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ヘプタジエン、
1,5−シクロオクタジエン、6−メチル−1,5−ヘ
プタジエン、11−エチル−1,11−トリデカジエ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネンなどが挙げられ、
これらのうちの1種又は2種以上を用いることができ
る。
【0022】ビニル系単量体としては、芳香族ビニル単
量体、シアン化ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体、マレイミド化合物等が挙げられ、芳香族
ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げら
れ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。ま
た、シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル等が挙げられ、特にアクリロニ
トリルが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルとして
は、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等のメタク
リル酸エステル又はアクリル酸エステルが挙げられ、マ
レイミド化合物としては、N−フェニルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられ、それぞれ1
種又は2種以上が用いられる。
【0023】(非)共役ジエンとビニル系単量体との共
重合体としては、シアン化ビニル−共役ジエン共重合
体、シアン化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、芳
香族ビニル−共役ジエン共重合体等であり、具体的には
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、ア
クリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体(NA
R)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(AB
S)等が挙げられ、(非)共役ジエン、ビニル系単量体
それぞれに1種、又は2種以上選択して共重合体に使用
することができる。これらは、(非)共役ジエンとビニ
ル系単量体との結合状態に制限はなく、ランダム、ブロ
ック等のいずれであっても良い。
【0024】更に、前記多層構造体としては、例えば、
(非)共役ジエン単独、又は(非)共役ジエン−ビニル
系単量体との共重合体を核とし、この核をビニル系単量
体からなる共重合体によって包含又は結合させたものが
挙げられる。
【0025】,の高分子複合体としては、ポリオル
ガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリ
レートゴム成分とが分離できないように互いに絡み合っ
た構造を有する複合ゴム等の例に見られるような、
(非)共役ジエンゴム質重合体と他のゴム質重合体とが
化学的結合により、或いは熱融着等により、より好まし
くは架橋剤等を添加して架橋させることにより、複合化
された高分子複合体等が挙げられ、好ましくは、(メ
タ)アクリル酸エステル等を架橋させて得られた高分子
架橋粒子を核とし、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体を殻とするコア・シェル型や、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体及び
それらの複合体が挙げられる。
【0026】上記〜のいずれの高分子複合体におい
ても、結合状態に制限はなく、ブロック状、ランダム
状、層状のいずれであっても良い。
【0027】このような高分子複合体(C)の製造方法
については、特に制限は無く、いかなる公知重合方法も
採用できる。
【0028】高分子複合体(C)は、ゴム含有グラフト
重合体(c−1)とビニル系共重合体(c−2)との相
溶性の向上を目的として、グラフト重合等の方法によっ
てビニル系単量体と結合させたり、または、高分子複合
体の外郭部に芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量
体等のビニル系単量体からなる共重合体、例えばアクリ
ロニトリル−スチレン共重合体が融着するように両者が
溶融状態で混合させることが好ましく、更に、ビニル系
共重合体と混合させる際に、有機過酸化物等の架橋剤を
加えることにより、高分子架橋体の外郭部に安定してビ
ニル系共重合体が結合することが好ましく、特に好まし
くは、高分子複合体(C)の外郭部にビニル系共重合体
が融着又は結合した粒子の径が10μ以下、更には1〜
5μであることが、分散性、耐衝撃性の観点から望まし
い。
【0029】以下に、この高分子複合体(C)の製造方
法についてより詳細に説明する。
【0030】この高分子複合体(C)は、シアン化ビニ
ル単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体樹脂(c−
1)(以下「ビニル系共重合体樹脂(c−1)」と称す
場合がある。)と後述のゴム成分(c−2)と架橋剤と
を用いて製造される。
【0031】このビニル系共重合体樹脂(c−1)を構
成するシアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル等が挙げられ、特にアクリロニ
トリルが好ましい。また、芳香族ビニル単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレ
ン、ブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−
メチルスチレンが好ましい。ビニル系共重合体樹脂(c
−1)としては、特にアクリロニトリル−スチレン共重
合体が好適である。
【0032】一方、ゴム成分(c−2)は、シアン化ビ
ニル−共役ジエン系共重合体ゴム及び/又は該ゴムの不
飽和二重結合(炭素−炭素二重結合)部分を水素化した
ゴム10〜100重量%とその他のゴム0〜90重量%
とを含み、かつ架橋剤により架橋可能なゴム成分であ
り、ここでシアン化ビニル−共役ジエン系共重合体ゴム
としては、シアン化ビニル10〜50重量%と共役ジエ
ン90〜50重量%との共重合ゴムが好ましい。この共
重合ゴムのシアン化ビニルとしてはアクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどが挙げられ、共役ジエンとして
は1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
【0033】このシアン化ビニル−共役ジエン系共重合
体ゴムの共役ジエンの一部は、シアン化ビニル及び共役
ジエンと共重合可能な他の単量体で置換されていても良
く、この場合、置換される単量体としては、シアン化ビ
ニル及び共役ジエンと共重合可能なものであれば良く、
特に制限はないが、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レンなどの芳香族ビニル単量体、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレートなどのアルキルアクリレート、メ
トキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレー
ト、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアク
リレート、メトキシエトキシエチルアクリレートなどの
アルコキシアルキルアクリレート、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン
酸或いはそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などの
塩、シアノメチル(メタ)アクリレート、2−シアノエ
チル(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メ
タ)アクリレート、4−シアノブチル(メタ)アクリレ
ートなどの(メタ)アクリル酸シアノ置換アルキルエス
テルなどが挙げられる。
【0034】ゴム成分(c−2)のシアン化ビニル−共
役ジエン系共重合体ゴムの具体例としては、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−イ
ソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−
イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
−アクリル酸共重合ゴムなどが挙げられる。
【0035】このゴム成分(c−2)は、上記シアン化
ビニル−共役ジエン系共重合体ゴム中の炭素−炭素不飽
和二重結合を水素化したゴムを含むものであっても良い
が、この場合、その水素化方法には特に制限はなく、公
知の方法を採用することができる。
【0036】ゴム成分(c−2)において、シアン化ビ
ニル−共役ジエン系共重合体ゴム及び/又はこのゴムの
不飽和二重結合を水素化したゴム(以下、このゴムを単
に「水素化ゴム」と称す場合がある。)と併用されるそ
の他のゴムとしては、硫黄加硫系や有機過酸化物加硫系
等の一般的にゴム製品分野で使用される、架橋剤で架橋
可能なゴムであれば良く、特に限定されないが、具体的
にはポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合
ゴム(ランダム、ブロック)、天然ゴム、ポリイソプレ
ンゴム、ポリクロロプレンゴムなどの共役ジエン系重合
体ゴム及びその水素化物、EPDMなどが挙げられる。
【0037】ゴム成分(c−2)としてシアン化ビニル
−共役ジエン系共重合体ゴム及び/又は水素化ゴムと上
記のその他のゴムとを併用する場合、ゴム成分(c−
2)中のシアン化ビニル−共役ジエン系共重合体ゴム及
び/又は水素化ゴムの割合は10重量%以上、好ましく
は20重量%以上であり、この割合が10重量%未満で
はブロー成形におけるドローダウン性は改善されない。
【0038】ゴム成分(c−2)中に、上記のその他の
ゴムを配合することにより、シアン化ビニル−共役ジエ
ン系共重合体ゴム及び/又は水素化ゴムのみの場合の不
具合である、剛性の低さ、高すぎる流動性等を改善する
ことができる。ただし、その他のゴムの配合量が多過ぎ
るとこの改善効果が得られず、むしろ剛性や流動性のバ
ランスが崩れるため、その他のゴムを0〜90重量%、
シアン化ビニル−共役ジエン系共重合体ゴム及び/又は
その水素化ゴムを10〜100重量%、特に、その他の
ゴムを30〜70重量%、シアン化ビニル−共役ジエン
系共重合体ゴム及び/又はその水素化ゴムを70〜30
重量%とするのが好ましい。
【0039】また、このようなゴム成分(c−2)の架
橋剤としては、ゴム成分(c−2)を加硫し得るもので
あれば良く、特に制限はない。この架橋剤としては、通
常、硫黄及び/又は硫黄供与性化合物(例えばテトラメ
チルチウラムダイサルファイド、テトラエチルチウラム
ダイサルファイドなどのチウラム系化合物、モーフォリ
ンダイサルファイドなどのモーフォリン系化合物など)
と酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ステアリン酸亜鉛など
の加硫助剤、ステアリン酸、加硫促進剤、例えば、ジフ
ェニルグアニジンなどのグアニジン系化合物、メルカプ
トベンゾチアゾール、ベンゾチアジルダイサルファイ
ド、シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミドな
どのチアゾール系化合物、テトラメチルチウラムモノサ
ルファイド、テトラメチルチウラムダイサルファイドな
どのチウラム系化合物などを用いる硫黄加硫系、或いは
ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン
−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼンなどの有機過酸化物加硫系などが使用され
る。これらの架橋剤の使用量は、架橋ゴム成分のゲル量
が80重量%以上となるような範囲であれば良いが、一
般的には、架橋剤はゴム成分(c−2)に対して0.1
〜2.0重量%程度用いるのが好ましい。
【0040】高分子複合体(C)の合成に当たり、前記
ビニル系共重合体樹脂(c−1)の配合割合が少なく、
ゴム成分(c−2)の配合割合が多いと、安定してビニ
ル系共重合体樹脂(c−1)がゴム成分(c−2)を被
うことができず、ABS系樹脂との接着性、混和性に欠
けて、得られる組成物の衝撃特性等が悪化し、逆にビニ
ル系共重合体樹脂(c−1)の配合割合が多く、ゴム成
分(c−2)の配合割合が少ないと、ブロー成形におけ
るドローダウン性の効果が得られない。従って、ビニル
系共重合体樹脂(c−1)の配合割合は40重量%を超
え70重量%以下、ゴム成分(c−2)の配合割合は3
0重量%以上60重量%未満(ただし、ビニル系共重合
体樹脂(c−1)とゴム成分(c−2)との合計で10
0重量%)とするのが好ましい。
【0041】高分子複合体(C)の合成に当たっては、
ビニル系共重合体樹脂(c−1)とゴム成分(c−2)
とを溶融混練した後、ゴム成分(c−2)の架橋剤を添
加して混合することにより、動的加硫を行う。この混合
条件には特に制限はないが、通常、予め該ビニル系共重
合体樹脂(c−1)とゴム成分(c−2)とを十分に溶
融混合した後にゴム成分(c−2)の架橋剤を添加し、
該ビニル系共重合体樹脂(c−1)が溶融しかつゴム成
分(c−2)が加硫するのに必要な温度及び時間で混合
を継続する。ゴム成分(c−2)が加硫するための混合
温度及び時間は、ゴム成分(c−2)の種類や用いる架
橋剤の種類によって異なることから、予め予備実験によ
り加硫条件を設定しておく。
【0042】このようにして得られる高分子複合体
(C)はゲル分が80重量%以上の架橋ゴム成分を含有
し、架橋ゴム成分の周りをビニル系共重合体樹脂(c−
1)が層状に覆ったものであって、平均粒子径が前述の
如く、10μ以下、特に1〜5μのものであることが好
ましい。
【0043】ここで、架橋ゴム成分のゲル分が80重量
%未満であるとブロー成形におけるドローダウン性を改
善できうるような弾性体とならない。また、平均粒子径
が10μを超えると、分散性、得られる成形品の耐衝撃
性が劣るものとなり、好ましくない。
【0044】高分子複合体(C)は、ゴム含有グラフト
重合体(A)とビニル系共重合体(B)との混合物10
0重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは3〜8
重量部、特に好ましくは5〜8重量部配合される。この
配合量が1部未満であったり、10重量部を超えると、
ブロー成形時にダイスからのパリソンの吐出安定性が低
下して、ブロー成形性に問題が生じる。高分子複合体
(C)は上記範囲内において、1種を単独で用いても良
く、2種以上を併用しても良い。
【0045】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じて顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、補強剤、充填剤など各種添加剤をその物性
等を損なわない範囲内に配合することができる。
【0046】このような本発明の樹脂組成物を混合する
方法として、特に制限はないが、溶融混練りが好まし
い。例えば、押出機、バンバリーミキサー等が挙げられ
る。
【0047】本発明のブロー成形品は、このような本発
明の熱可塑性樹脂組成物により、常法に従ってブロー成
形を行うことにより、良好な成形性のもとに製造可能で
ある。
【0048】
【実施例】以下に合成例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例により何らその範囲を限定されるものではない。な
お、以下において、部は重量部を意味するものとし、ま
た、ビニル系共重合体(B)の重量平均分子量、分子量
分布は、東ソー(株)製:GPC(ゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフィー)を用いた標準ポリスチレン
換算法にて算出した。
【0049】合成例1:ゴム含有グラフト共重合体(A
−1)の製造 以下の配合にて、乳化重合法によりABSグラフト共重
合体(A−1)を合成した。 [配合] スチレン(ST) : 35部 アクリロニトリル(AN) : 15部 ポリブタジエン・ラテックス : 50部 不均化ロジン酸カリウム : 1部 水酸化カリウム : 0.03部 クメンハイドロパーオキサイド: 0.3部 硫酸第一鉄 : 0.007部 ピロリン酸ナトリウム : 0.1部 結晶ブドウ糖 : 0.3部 蒸留水 : 190部 オートクレーブに蒸留水、不均化ロジン酸カリウム、水
酸化カリウム及びポリブタジエン・ラテックスを仕込
み、60℃に加熱後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウ
ム、結晶ブドウ糖を添加し、60℃に保持したままS
T、AN、及びクメンハイドロパーオキサイドを2時間
かけて連続添加し、その後70℃に昇温して1時間保っ
て反応を完結した。かかる反応によって得たラテックス
に酸化防止剤を添加し、その後硫酸により凝固し、十分
水洗後、乾燥してグラフト共重合体(A−1)を得た。
【0050】合成例2:ゴム含有グラフト共重合体(A
−2)の製造 ポリブチルアクリレートゴム60部の存在下、AN10
部、ST30部を反応させたこと以外は、合成例1と同
様にしてAASグラフト共重合体(A−2)を得た。
【0051】合成例3:ゴム含有グラフト共重合体(A
−3)の製造 ゲル含量が65%であるエチレン・プロピレン・非共役
ジエン共重合体ゴムラテックス(エチレン:プロピレ
ン:非共役ジエン成分=80:19:1(重量部))
(5−エチレン−2−ノルボルネン)60部(固形分)
に、ST70重量%とAN30重量%からなる混合物4
0部を反応させたこと以外は、合成例1と同様にしてA
ESグラフト共重合体(A−3)を得た。
【0052】合成例4:ビニル系共重合体(B−1)の
合成 窒素置換した反応器に水120部、アルキルベンゼンス
ルホン酸ソーダ0.002部、ポリビニルアルコール
0.5部、アゾビスイソブチルニトリル0.3部、ター
シャリードデシルメルカプタン(t−DM)0.5部
と、AN25部、ST30部、α−メチルスチレン35
部及びフェニルマレイミド10部からなる混合物を加
え、開始温度60℃として5時間加熱後、120℃に昇
温し、4時間反応後、重合物を取り出した。転化率は9
6%で、得られた硬質共重合体(B−1)の重量平均分
子量は110000であった。
【0053】合成例5:ビニル系共重合体(B−2)の
合成 AN25部、ST15部、α−メチルスチレン35部及
びフェニルマレイミド25部からなる混合物を使用した
こと以外は、合成例4と同様に重合を行なった。転化率
は98%で、得られた硬質共重合体(B−2)の重量平
均分子量は110000であった。
【0054】合成例6:ビニル系共重合体(B−3)の
合成 AN25部、ST15部、α−メチルスチレン20部及
びフェニルマレイミド40部からなる混合物を使用した
こと以外は、合成例4と同様に重合を行なった。転化率
は98%で、得られた硬質共重合体(B−3)の重量平
均分子量は130000であった。
【0055】合成例7:ビニル系共重合体(B−4)の
合成 t−DMを1.0部としたこと以外は、合成例5と同様
に重合を行なった。転化率は98%で、得られた硬質共
重合体(B−4)の重量平均分子量は60000であっ
た。
【0056】合成例8:ビニル系共重合体(B−5)の
合成 t−DMを0.01部としたこと以外は、合成例5と同
様に重合を行なった。転化率は98%で、得られた硬質
共重合体(B−5)の重量平均分子量は210000で
あった。
【0057】合成例9:高分子複合体(C−1)の合成 AS樹脂(新日鉄化学社製:AS−41)50部とNB
R(日本ゼオン社製:Nipol−1041)20部、
SBR(日本ゼオン社製:Nipol−1502)30
部とを、150℃に加熱した回転ロール上にて溶融混練
し、その後、架橋剤(ジクミルパーオキサイド)1部を
添加して架橋し、回転ロールからシート状に引き出し
た。その後、この混合物をペレタイザーにて粒子化させ
た。得られた混合物を電子顕微鏡で観察したところ、N
BR、SBR架橋混合物の周りをAS樹脂が層状に覆っ
ており、個々の平均粒子径は3μの高分子複合体(C−
2)が得られた。なお、この架橋ゴム成分のゲル分を、
ビニル系共重合体樹脂/加硫ゴム成分混合物の小片の一
定量をメチルエチルケトンに25℃で48時間浸漬し、
不溶解分を混合物中のゴム成分の重量に対する百分率と
して求めたところ、95重量%であった。
【0058】なお、高分子複合体としては、上記以外
に、呉羽化学社製:EXL−2311(ブチルアクリレ
ートを核とし、メチルメタクリレートを殻としたコアシ
ェル型)(C−1)を使用した。
【0059】実施例1〜12、比較例1〜3 上記方法にて得られた共重合体等を表1に示す割合に
て、0.5重量部の滑剤(PRN−208)とともに混
練りした後、220℃で2軸押出機(東芝(株)製:T
EX−44)にて溶融混合し、ペレット化した。
【0060】このペレットを用いて、下記方法で性能の
評価を行い、結果を表1に示した。
【0061】<ドローダウン性>上記ペレットを予備乾
燥(100℃、4時間)し、ブロー成形機(プラコー
製:DA50(スクリュー径:50mm))を使用し
て、1.5kgで長さ1000mmのパリソンを射出し
た。パリソンを射出する圧力を一定とし、ダイギャップ
はパリソン長が1000±20mmになるように調整し
た。なお、成形温度はシリンダー及びダイスの設定温度
で230〜240℃とした。最初のパリソン長(100
0mm)が、自由落下で200mm伸びるまでの所要時
間をドローダウン時間とし、下記基準で判定した。 判定基準 ◎: 21〜30秒 ○: 11〜20秒 △: 6〜10秒 ×: 1〜 5秒
【0062】<表面外観>上記ドローダウン性の評価に
おいて使用した成形機を用いて、自動車用エアスポイラ
ー(製品重量:1.2kg)を成形し、成形品を目視観
察し、下記基準で判定した。 判定基準 ◎: 波打ち、光沢ムラがなく、均一表面。 ○: やや波打ち、光沢ムラがあるが、問題ない。 △: 波打ち/光沢ムラがある。 ×: 波打ち、光沢ムラがはっきりわかる。
【0063】<耐衝撃性>上記自動車用エアスポイラー
を用い、JISK−6745に準拠し、1000gの鋼
球を1mの高さから成形したエアスポイラーに落下さ
せ、落下後の成形品を観察し、下記基準で判定した。 判定基準 ◎: 割れ、くびれ、へこみ等がなく、外観上全く変化
がない。 ○: 割れ、くびれ、へこみ等が僅かにある。 △: 割れ、くびれ、へこみ等がある。 ×: 割れ、くびれ、へこみ等が大きく発生した。
【0064】<耐熱性>上記耐衝撃性評価と同様に成形
したエアスポイラーを100℃のイナートオーブンに1
2時間静置し、取り出し後の変形量に応じて下記基準で
判定した。 判定基準 ◎: 外観に変化はない。 ○: やや変形していた。 ×: 著しい変形が生じた。
【0065】<塗装性>20℃の環境温度下、ウレタン
系塗料をスプレー塗装した。 得られた塗装成形品のゲ
ート付近と端の部分に発生するブリスター現象及びゲー
ト付近に主に現れる吸い込み現象を肉眼で観察した。判
定基準は、ブリスター現象、吸い込み現象ともに以下の
通りとした。 判定基準 ◎: 全く発生せず。 ○: 極一部発生したが、問題なし。 △: 一部発生。 ×: 著しい発生。
【0066】<リサイクル性>上記エアスポイラー成形
時の「バリ」と呼ばれる外郭部分を粉砕し、バージン材
に30%混合し、上記ドローダウン性の評価と同様に行
い、ドローダウン性評価時との変動幅にて、下記基準で
リサイクル性の判定を行った。即ち、例えば、ドローダ
ウン性評価時10秒であったものが、今回15秒であれ
ば50%変動となる。 判定基準 ◎: 問題無(変動なし) ○: 問題無(30%秒以内の変動) △: 30〜50%以内の変動 ×: 50%を超える変動 測定評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、 ブロー成形時のドローダウン性等の成形性に優れ
る。 得られた成形品の表面外観が良好である。 従来、ブロー成形において多大な労力を要していた
サンディング、トリミングが容易であり、サンディング
を省略することも可能である。 塗装性、耐熱性、耐衝撃性、リサイクル性に優れ
る。 といった優れた効果を有し、広幅な用途に適用可能なブ
ロー成形用熱可塑性樹脂組成物及びブロー成形品が提供
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/12 C08L 25/12 101/00 101/00 // B29K 55:02 B29K 55:02 (72)発明者 五十嵐 裕 山口県宇部市大字沖宇部525−14 宇部サ イコン株式会社宇部工場内 Fターム(参考) 4F070 GA06 GA07 GB08 4F071 AA12X AA22X AA34X AA35X AA76 AA77 AH05 BC04 4F208 AA13E AA13K LA01 LB01 LG22 4J002 AC07Y AC11Y BC06X BC06Y BN14W BN15W

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体及び
    シアン化ビニル単量体をグラフト重合してなるゴム含有
    グラフト共重合体(A)と、芳香族ビニル単量体、シア
    ン化ビニル単量体及びマレイミド化合物を共重合してな
    るビニル系共重合体(B)との混合物であって、該混合
    物中のゴム質重合体の含有量が10〜30重量%で、マ
    レイミド化合物の含有量が5〜30重量%である混合物
    100重量部に対して、高分子複合体(C)1〜10重
    量部を配合してなるブロー成形性に優れる熱可塑性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、高分子複合体(C)
    が下記〜のいずれか1種又は2種以上であることを
    特徴とするブロー成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物。 ゴム質重合体にビニル系単量体が化学的結合により
    複合化された高分子架橋構造複合体 ゴム質重合体と他のゴム質重合体とが化学的結合に
    より複合化された高分子架橋構造複合体 ゴム質重合体と他のゴム質重合体とが融着により複
    合化された高分子複合体
  3. 【請求項3】 請求項2において、高分子複合体(C)
    が、 シアン化ビニル単量体と芳香族ビニル単量体との共重合
    体樹脂(c−1)40重量%を超え70重量%以下と、 シアン化ビニル−共役ジエン系共重合体ゴム及び/又は
    該ゴムの不飽和二重結合を水素化してなるゴム10重量
    %以上を含み、かつ架橋剤により架橋可能なゴム成分
    (c−2)30重量%以上60重量%未満とを溶融混練
    した後、該架橋剤を添加して動的加硫することにより得
    られる組成物であって、 該高分子複合体(C)は、ゲル分が80重量%以上の架
    橋ゴム成分を含有することを特徴とするブロー成形性に
    優れる熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の熱可塑性樹脂組成物をブロー成形してなるブロー成形
    品。
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