JP2002144007A - ダイカスト金型およびその設計方法 - Google Patents
ダイカスト金型およびその設計方法Info
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- JP2002144007A JP2002144007A JP2000343523A JP2000343523A JP2002144007A JP 2002144007 A JP2002144007 A JP 2002144007A JP 2000343523 A JP2000343523 A JP 2000343523A JP 2000343523 A JP2000343523 A JP 2000343523A JP 2002144007 A JP2002144007 A JP 2002144007A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 比較的大型で複雑形状のダイカスト品を高品
質に複数個取りできるようにする。 【解決手段】 ビスケット形成部7に続く主ランナー1
0の途中から、その延長方向と交差する左右方向へ第1
副ランナー11A,11Bを分岐すると共に、該主ラン
ナー10の終端から、その延長方向へ二又状に第2副ラ
ンナ12A,12Bを分岐し、これら副ランナーのそれ
ぞれにゲート13を介してキャビティ14A,14B、
15A,15Bを連設する。そして、コンピュータシミ
ュレーションによって湯流れを解析し、各キャビティに
溶湯がほぼ同じタイミングで流入するように、前記ビス
ケット形成部7中心から前記第2副ランナー12A,1
2Bの分岐部Sまでの長さを設定する。
質に複数個取りできるようにする。 【解決手段】 ビスケット形成部7に続く主ランナー1
0の途中から、その延長方向と交差する左右方向へ第1
副ランナー11A,11Bを分岐すると共に、該主ラン
ナー10の終端から、その延長方向へ二又状に第2副ラ
ンナ12A,12Bを分岐し、これら副ランナーのそれ
ぞれにゲート13を介してキャビティ14A,14B、
15A,15Bを連設する。そして、コンピュータシミ
ュレーションによって湯流れを解析し、各キャビティに
溶湯がほぼ同じタイミングで流入するように、前記ビス
ケット形成部7中心から前記第2副ランナー12A,1
2Bの分岐部Sまでの長さを設定する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、多数個取りを可能
にするダイカスト金型とその設計方法に関する。
にするダイカスト金型とその設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ハードディスクドライブ装置
(HDD)のベースプレートは、アルミニウム合金のダ
イカスト鋳造により製作されているが、比較的大型で形
状が複雑であること、要求品質(精度)が厳しいことな
どの理由から、従来は1個取りが標準で、多くても2個
取りが限度となっていた。
(HDD)のベースプレートは、アルミニウム合金のダ
イカスト鋳造により製作されているが、比較的大型で形
状が複雑であること、要求品質(精度)が厳しいことな
どの理由から、従来は1個取りが標準で、多くても2個
取りが限度となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近のコン
ピュータ(パソコン)市場の拡大に伴い、コンピュータ
部品に対する値下げ要求が益々厳しくなっており、上記
したHDD(特に、2.5インチHDD)用ベースプレー
トについても大幅なコスト低減が要求されている。しか
しながら、このベースプレートは、上記したように2個
取りが限度となっていることから、そのコスト低減は困
難な状況にあった。
ピュータ(パソコン)市場の拡大に伴い、コンピュータ
部品に対する値下げ要求が益々厳しくなっており、上記
したHDD(特に、2.5インチHDD)用ベースプレー
トについても大幅なコスト低減が要求されている。しか
しながら、このベースプレートは、上記したように2個
取りが限度となっていることから、そのコスト低減は困
難な状況にあった。
【0004】本発明は、上記した従来の技術的背景に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、比較的
大型で複雑な形状のダイカスト品を高品質に複数個取り
できるようにし、もってコスト低減に大きく寄与するダ
イカスト金型とその設計方法を提供することにある。
みてなされたもので、その目的とするところは、比較的
大型で複雑な形状のダイカスト品を高品質に複数個取り
できるようにし、もってコスト低減に大きく寄与するダ
イカスト金型とその設計方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るダイカスト金型は、ビスケット形成部
に続く主ランナーの途中から、その延長方向と交差する
左右方向へ第1副ランナーを分岐すると共に、該主ラン
ナーの終端から、その延長方向へ二又状に第2副ランナ
を分岐し、前記第1および第2副ランナーのそれぞれに
ゲートを介してキャビティを連設し、かつ各キャビティ
に溶湯がほぼ同じタイミングで流入するように、前記ビ
スケット形成部中心から前記第2副ランナーの分岐部ま
での長さを設定したことを特徴とする。このように構成
したダイカスト金型においては、第2副ランナーを主ラ
ンナーの終端から、その延長方向へ二又状に分岐してい
るので、この第2副ランナーに対する湯流れは良好とな
り、しかも、各キャビティに溶湯が同じタイミングで流
入するので、比較的大型で複雑形状のダイカスト品を高
品質に4個取りできる。
め、本発明に係るダイカスト金型は、ビスケット形成部
に続く主ランナーの途中から、その延長方向と交差する
左右方向へ第1副ランナーを分岐すると共に、該主ラン
ナーの終端から、その延長方向へ二又状に第2副ランナ
を分岐し、前記第1および第2副ランナーのそれぞれに
ゲートを介してキャビティを連設し、かつ各キャビティ
に溶湯がほぼ同じタイミングで流入するように、前記ビ
スケット形成部中心から前記第2副ランナーの分岐部ま
での長さを設定したことを特徴とする。このように構成
したダイカスト金型においては、第2副ランナーを主ラ
ンナーの終端から、その延長方向へ二又状に分岐してい
るので、この第2副ランナーに対する湯流れは良好とな
り、しかも、各キャビティに溶湯が同じタイミングで流
入するので、比較的大型で複雑形状のダイカスト品を高
品質に4個取りできる。
【0006】本発明のダイカスト金型は、上記第2副ラ
ンナーの終端から、その延長方向へ二又状に第3副ラン
ナーを分岐し、前記第2副ランナーに対するキャビティ
を省略して、前記各第3副ランナーにゲートを介してキ
ャビティを連設することもでき、この場合は6個取りが
可能になる。また、本発明において、上記副ランナーの
それぞれは、入口断面積よりも終端断面積が小さくなる
ように形成してもよく、これにより各副ランナーの終端
に向かうほど溶湯の流速が増大し、ビスケット形成部か
ら離れた位置にキャビティを設けても、該キャビティへ
の溶湯の充填性は十分に確保される。
ンナーの終端から、その延長方向へ二又状に第3副ラン
ナーを分岐し、前記第2副ランナーに対するキャビティ
を省略して、前記各第3副ランナーにゲートを介してキ
ャビティを連設することもでき、この場合は6個取りが
可能になる。また、本発明において、上記副ランナーの
それぞれは、入口断面積よりも終端断面積が小さくなる
ように形成してもよく、これにより各副ランナーの終端
に向かうほど溶湯の流速が増大し、ビスケット形成部か
ら離れた位置にキャビティを設けても、該キャビティへ
の溶湯の充填性は十分に確保される。
【0007】本発明に係るダイカスト金型の設計方法
は、コンピュータシミュレーションによって動的に湯流
れを解析し、各キャビティに溶湯がほぼ同じタイミング
で流入するように、上記したダイカスト金型におけるビ
スケット形成部中心から第2副ランナーまたは第3副ラ
ンナーまでの長さを設定することを特徴とする。このよ
うに行うダイカスト金型の設計方法においては、実際に
金型を製作してダイカスト品を試作する、いわゆるカッ
トアンドトライの必要がなくなる。
は、コンピュータシミュレーションによって動的に湯流
れを解析し、各キャビティに溶湯がほぼ同じタイミング
で流入するように、上記したダイカスト金型におけるビ
スケット形成部中心から第2副ランナーまたは第3副ラ
ンナーまでの長さを設定することを特徴とする。このよ
うに行うダイカスト金型の設計方法においては、実際に
金型を製作してダイカスト品を試作する、いわゆるカッ
トアンドトライの必要がなくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。
図面に基いて説明する。
【0009】図1および図2は、本発明に係るダイカス
ト金型を示したものである。図2において、1は固定入
子2を内装した固定型、3は可動入子4を内装した可動
型であり、可動型3は、図示を略す駆動手段により進退
動する可動ベースに支持され、鋳造時には、図2に示す
ように固定型1に合された型閉じ状態を維持するように
なっている。また、固定型1にはスプルブッシュ5が、
可動型3には分流子6がそれぞれ内装されており、前記
した型閉じ状態において、これらスプルブッシュ5と分
流子6との間にはビスケット形成部(湯口部)7が形成
されるようになる。
ト金型を示したものである。図2において、1は固定入
子2を内装した固定型、3は可動入子4を内装した可動
型であり、可動型3は、図示を略す駆動手段により進退
動する可動ベースに支持され、鋳造時には、図2に示す
ように固定型1に合された型閉じ状態を維持するように
なっている。また、固定型1にはスプルブッシュ5が、
可動型3には分流子6がそれぞれ内装されており、前記
した型閉じ状態において、これらスプルブッシュ5と分
流子6との間にはビスケット形成部(湯口部)7が形成
されるようになる。
【0010】本実施の形態において、固定型1と可動型
3との合せ部には、上記ビスケット形成部7に続く主ラ
ンナー10と、この主ランナー10の途中からこれと交
差する左右方向へ分岐した2つの第1副ランナー11
A,11Bと、主ランナー10の終端から二又状に分岐
した2つの第2副ランナー12A,12Bとが設けられ
ている。本ダイカスト金型は4個取りとして設計されて
おり、前記第1副ランナー11A,11Bおよび第2副
ランナー12A,12Bのそれぞれには、ゲート13を
介してキャビティ14A,14B、15A,15Bが連
設されている。これらキャビティのうち、第1副ランナ
ー11A,11Bに連設された2つのキャビティ(以
下、これらを1段目キャビティという)14A,14B
は、従来一般のダイカスト金型に見られるもの、第2副
ランナー12A,12Bに連設されたキャビティ(以
下、これらを2段目キャビティという)15A,15B
は本実施の形態で新規に設けられたもので、したがっ
て、この2段目キャビティ15A,15Bに対応する第
2副ランナー12A,12Bもまた、新規なものとなっ
ている。なお、各キャビティ14A,14B、15A,
15Bには、オーバーフローゲート16を介して湯溜り
部17がそれぞれ連設されている。
3との合せ部には、上記ビスケット形成部7に続く主ラ
ンナー10と、この主ランナー10の途中からこれと交
差する左右方向へ分岐した2つの第1副ランナー11
A,11Bと、主ランナー10の終端から二又状に分岐
した2つの第2副ランナー12A,12Bとが設けられ
ている。本ダイカスト金型は4個取りとして設計されて
おり、前記第1副ランナー11A,11Bおよび第2副
ランナー12A,12Bのそれぞれには、ゲート13を
介してキャビティ14A,14B、15A,15Bが連
設されている。これらキャビティのうち、第1副ランナ
ー11A,11Bに連設された2つのキャビティ(以
下、これらを1段目キャビティという)14A,14B
は、従来一般のダイカスト金型に見られるもの、第2副
ランナー12A,12Bに連設されたキャビティ(以
下、これらを2段目キャビティという)15A,15B
は本実施の形態で新規に設けられたもので、したがっ
て、この2段目キャビティ15A,15Bに対応する第
2副ランナー12A,12Bもまた、新規なものとなっ
ている。なお、各キャビティ14A,14B、15A,
15Bには、オーバーフローゲート16を介して湯溜り
部17がそれぞれ連設されている。
【0011】上記スプルブッシュ5には、プランジャを
内蔵するプランジャスリーブ(図示略)から、該プラン
ジャの摺動に応じて所定量の溶湯が射出されるようにな
っており、このスプルブッシュ5内に射出された溶湯
は、ビスケット形成部7を経て主ランナー10に流入
し、主ランナー10を満たした後、第1副ランナー11
A,11Bおよび第2副ランナー12A,12Bに流入
し、さらにゲート13を経て各キャビティ14A,14
B、15A,15Bに流入する。また、溶湯の一部は、
各キャビティ14A,14B、15A,15Bを満たし
た後、オーバーフローゲート16から湯溜り部17にそ
れぞれ流入する。
内蔵するプランジャスリーブ(図示略)から、該プラン
ジャの摺動に応じて所定量の溶湯が射出されるようにな
っており、このスプルブッシュ5内に射出された溶湯
は、ビスケット形成部7を経て主ランナー10に流入
し、主ランナー10を満たした後、第1副ランナー11
A,11Bおよび第2副ランナー12A,12Bに流入
し、さらにゲート13を経て各キャビティ14A,14
B、15A,15Bに流入する。また、溶湯の一部は、
各キャビティ14A,14B、15A,15Bを満たし
た後、オーバーフローゲート16から湯溜り部17にそ
れぞれ流入する。
【0012】ところで、ダイカスト金型においては、金
型設計上、2段目キャビティ15A,15Bは、1段目
キャビティ14A,14Bよりもビスケット形成部7か
ら離れた位置に設けざるを得ず、通常の金型設計(レイ
アウト)では、2段目キャビティ15A,15Bに溶湯
が流入するタイミングは1段目キャビティ14A,14
Bに溶湯が流入するタイミングよりも遅くなる。しか
し、本実施の形態においては、この2段目キャビティ1
5A,15Bに通じる第2副ランナー12A,12Bを
主ランナー10の終端から二又状に分岐しているので、
この第2副ランナー12A,12Bへの湯流れは良好と
なり、前記した溶湯の流入タイミングの差はかなり解消
される。
型設計上、2段目キャビティ15A,15Bは、1段目
キャビティ14A,14Bよりもビスケット形成部7か
ら離れた位置に設けざるを得ず、通常の金型設計(レイ
アウト)では、2段目キャビティ15A,15Bに溶湯
が流入するタイミングは1段目キャビティ14A,14
Bに溶湯が流入するタイミングよりも遅くなる。しか
し、本実施の形態においては、この2段目キャビティ1
5A,15Bに通じる第2副ランナー12A,12Bを
主ランナー10の終端から二又状に分岐しているので、
この第2副ランナー12A,12Bへの湯流れは良好と
なり、前記した溶湯の流入タイミングの差はかなり解消
される。
【0013】ここで、上記構成のダイカスト金型につい
て、コンピュータシミュレーションによって動的に湯流
れを解析し、各キャビティ14A,14B、15A,1
5Bに溶湯が流入するタイミングを測定した結果、2段
目キャビティ15A,15Bに通じる第2副ランナー1
2A,12Bの分岐部S(図1)とビスケット形成部7
の中心との間の距離、すなわち第2副ランナー12A,
12Bの分岐部Sの位置によりその流入タイミングが大
きく影響を受けることが分かった。具体的には、該分岐
部Sがビスケット形成部7から遠ざかるほど2段目キャ
ビティ15A,15Bへの溶湯の流入タイミングは早く
なり、該分岐部Sがビスケット形成部7に近づくほど2
段目キャビティ15A,15Bへの溶湯の流入タイミン
グは遅くなる。そこで、本実施の形態においては、前記
コンピュータシミュレーションよる湯流れ解析によっ
て、2段目キャビティ15A,15Bへの溶湯の流入タ
イミングが1段目キャビティ14A,14Bへの溶湯の
流入タイミングとほぼ同じになる、分岐部Sの位置を把
握し、この位置Sをダイカスト金型に設定した。これに
より、1段目キャビティ14A,14Bと2段目キャビ
ティの15A,15Bにはほぼ同じタイミングで溶湯が
流入するようになり、結果として、比較的大型で複雑形
状のHDD用ベースプレートであっても、高品質に4個
取りできるようになる。
て、コンピュータシミュレーションによって動的に湯流
れを解析し、各キャビティ14A,14B、15A,1
5Bに溶湯が流入するタイミングを測定した結果、2段
目キャビティ15A,15Bに通じる第2副ランナー1
2A,12Bの分岐部S(図1)とビスケット形成部7
の中心との間の距離、すなわち第2副ランナー12A,
12Bの分岐部Sの位置によりその流入タイミングが大
きく影響を受けることが分かった。具体的には、該分岐
部Sがビスケット形成部7から遠ざかるほど2段目キャ
ビティ15A,15Bへの溶湯の流入タイミングは早く
なり、該分岐部Sがビスケット形成部7に近づくほど2
段目キャビティ15A,15Bへの溶湯の流入タイミン
グは遅くなる。そこで、本実施の形態においては、前記
コンピュータシミュレーションよる湯流れ解析によっ
て、2段目キャビティ15A,15Bへの溶湯の流入タ
イミングが1段目キャビティ14A,14Bへの溶湯の
流入タイミングとほぼ同じになる、分岐部Sの位置を把
握し、この位置Sをダイカスト金型に設定した。これに
より、1段目キャビティ14A,14Bと2段目キャビ
ティの15A,15Bにはほぼ同じタイミングで溶湯が
流入するようになり、結果として、比較的大型で複雑形
状のHDD用ベースプレートであっても、高品質に4個
取りできるようになる。
【0014】また、本実施の形態においては、各副ラン
ナー11A,11B、12A,12Bを、それぞれの終
端断面積が入口断面積よりも小さくなるように形成して
いる。これにより各副ランナー11A,11B、12
A,12Bの終端に向かうほど溶湯の流速が増大し、こ
の結果、ビスケット形成部7から離れている2段目キャ
ビティ15A,15Bにも溶湯が円滑に流入するように
なる。換言すれば、2段目キャビティ15A,15Bを
ビスケット形成部7から大きく離しても、該キャビティ
に対する溶湯の充填性を十分に確保することができ、そ
の分、金型設計の自由度が向上するものとなる。
ナー11A,11B、12A,12Bを、それぞれの終
端断面積が入口断面積よりも小さくなるように形成して
いる。これにより各副ランナー11A,11B、12
A,12Bの終端に向かうほど溶湯の流速が増大し、こ
の結果、ビスケット形成部7から離れている2段目キャ
ビティ15A,15Bにも溶湯が円滑に流入するように
なる。換言すれば、2段目キャビティ15A,15Bを
ビスケット形成部7から大きく離しても、該キャビティ
に対する溶湯の充填性を十分に確保することができ、そ
の分、金型設計の自由度が向上するものとなる。
【0015】なお、上記実施の形態においては、4個取
りとしてダイカスト金型を設計したが、本発明は、6個
取りとすることも可能である。この場合、上記各第2副
ランナー12A,12Bの終端から、さらに二又状に第
3副ランナーを分岐し、このように形成される4つの第
3副ランナーのそれぞれにゲートを介してキャビティ
(2段目キャビティ)を連設すればよい。この場合も、
上記実施の形態と同様にコンピュータシミュレーション
による湯流れ解析によって、各キャビティに溶湯がほぼ
同じタイミングで流入するように、ビスケット形成部7
の中心から該第3副ランナーの分岐部までの長さ、すな
わち該第3副ランナーの分岐部の位置を設定する。ま
た、該第3副ランナーは、それぞれの終端断面積が入口
断面積よりも小さくなるように形成し、これにより2段
目キャビティと1段目キャビティとに対する溶湯の流入
タイミングにほとんど差がなくなり、比較的大型で複雑
形状のHDD用ベースプレートであっても、高品質に6
個取りできるようになる。
りとしてダイカスト金型を設計したが、本発明は、6個
取りとすることも可能である。この場合、上記各第2副
ランナー12A,12Bの終端から、さらに二又状に第
3副ランナーを分岐し、このように形成される4つの第
3副ランナーのそれぞれにゲートを介してキャビティ
(2段目キャビティ)を連設すればよい。この場合も、
上記実施の形態と同様にコンピュータシミュレーション
による湯流れ解析によって、各キャビティに溶湯がほぼ
同じタイミングで流入するように、ビスケット形成部7
の中心から該第3副ランナーの分岐部までの長さ、すな
わち該第3副ランナーの分岐部の位置を設定する。ま
た、該第3副ランナーは、それぞれの終端断面積が入口
断面積よりも小さくなるように形成し、これにより2段
目キャビティと1段目キャビティとに対する溶湯の流入
タイミングにほとんど差がなくなり、比較的大型で複雑
形状のHDD用ベースプレートであっても、高品質に6
個取りできるようになる。
【0016】実施例 2.5インチHDD用アルミニウム合金ベースプレート
(重量125グラム)を対象に、下記条件で、図1に示
したレイアウトのダイカスト金型を設計し、下記鋳造条
件でコンピュータシミュレーションを利用して湯流れを
解析し、各キャビティ14A,14B、15A,15B
への溶湯の流入タイミングを測定した。 [金型条件] ビスケット形成部7の中心と分岐部Sとの間の距離:130mm 副ランナー11A,11B、12A,12Bの入口断面積:96mm2 副ランナー11A,11B、12A,12Bの終端断面積:17.5mm2 副ランナー11A,11B、12A,12Bの入口/終端断面積比:5.5 [鋳造条件] 鋳造圧力:9310kPa ゲートスピード:41〜45m/sec 溶湯温度:700℃ 射出速度:High 2.25〜2.50m/sec Low 0.85m/sec 充填時間:0.01sec
(重量125グラム)を対象に、下記条件で、図1に示
したレイアウトのダイカスト金型を設計し、下記鋳造条
件でコンピュータシミュレーションを利用して湯流れを
解析し、各キャビティ14A,14B、15A,15B
への溶湯の流入タイミングを測定した。 [金型条件] ビスケット形成部7の中心と分岐部Sとの間の距離:130mm 副ランナー11A,11B、12A,12Bの入口断面積:96mm2 副ランナー11A,11B、12A,12Bの終端断面積:17.5mm2 副ランナー11A,11B、12A,12Bの入口/終端断面積比:5.5 [鋳造条件] 鋳造圧力:9310kPa ゲートスピード:41〜45m/sec 溶湯温度:700℃ 射出速度:High 2.25〜2.50m/sec Low 0.85m/sec 充填時間:0.01sec
【0017】この結果、射出開始から各キャビティ14
A,14B、15A,15Bに対するゲート13に溶湯
が到達するまでの時間は、ほぼ0.03secと一定と
なり、また、射出開始から各キャビティ14A,14
B、15A,15Bに溶湯が充填されるまでの時間は、
ほぼ0.04secと一定となり、1段目キャビティ1
4A,14Bと2段目キャビティ15A,15Bとの間
で溶湯の流入タイミングにほとんど差がないことを確認
できた。
A,14B、15A,15Bに対するゲート13に溶湯
が到達するまでの時間は、ほぼ0.03secと一定と
なり、また、射出開始から各キャビティ14A,14
B、15A,15Bに溶湯が充填されるまでの時間は、
ほぼ0.04secと一定となり、1段目キャビティ1
4A,14Bと2段目キャビティ15A,15Bとの間
で溶湯の流入タイミングにほとんど差がないことを確認
できた。
【0018】
【発明の効果】上記したように、本発明に係るダイカス
ト金型によれば、各キャビティに溶湯がほぼ同じタイミ
ングで流入するので、ハードディスクドライブのベース
プレートのように比較的大型で複雑形状のダイカスト品
であっても、高品質に4個取りまたは6個取りできるよ
うになり、コスト低減に大きく寄与するものとなる。ま
た、本発明に係るダイカスト金型の設計方法によれば、
コンピュータシミュレーションを利用して湯流れを解析
し、各キャビティに溶湯がほぼ同じタイミングで流入す
るように設計するので、実際に金型を製作してダイカス
ト品を試作する必要がなくなり、短期間でかつ低コスト
でダイカスト金型の実用化を図ることができる。
ト金型によれば、各キャビティに溶湯がほぼ同じタイミ
ングで流入するので、ハードディスクドライブのベース
プレートのように比較的大型で複雑形状のダイカスト品
であっても、高品質に4個取りまたは6個取りできるよ
うになり、コスト低減に大きく寄与するものとなる。ま
た、本発明に係るダイカスト金型の設計方法によれば、
コンピュータシミュレーションを利用して湯流れを解析
し、各キャビティに溶湯がほぼ同じタイミングで流入す
るように設計するので、実際に金型を製作してダイカス
ト品を試作する必要がなくなり、短期間でかつ低コスト
でダイカスト金型の実用化を図ることができる。
【図1】本発明の実施の形態としてのダイカスト金型の
レイアウトを示す平面図である。
レイアウトを示す平面図である。
【図2】本ダイカスト金型の全体的な構造を示す断面図
である。
である。
7 ビスケット形成部 10 主ランナー 11A,11B 第1副ランナー 12A,12B 第2副ランナー 13 ゲート 14A,14B 1段目キャビティ 15A,15B 2段目キャビティ
Claims (5)
- 【請求項1】 ビスケット形成部に続く主ランナーの途
中から、その延長方向と交差する左右方向へ第1副ラン
ナーを分岐すると共に、該主ランナーの終端から、その
延長方向へ二又状に第2副ランナを分岐し、前記第1お
よび第2副ランナーのそれぞれにゲートを介してキャビ
ティを連設し、かつ各キャビティに溶湯がほぼ同じタイ
ミングで流入するように、前記ビスケット形成部中心か
ら前記第2副ランナーの分岐部までの長さを設定したこ
とを特徴とするダイカスト金型。 - 【請求項2】 第2副ランナーの終端から、その延長方
向へ二又状に第3副ランナーを分岐し、前記第2副ラン
ナーに対するキャビティを省略して、前記各第3副ラン
ナーにゲートを介してキャビティを連設したことを特徴
とする請求項1に記載のダイカスト金型。 - 【請求項3】 副ランナーのそれぞれを、入口断面積よ
りも終端断面積が小さくなるように形成したことを特徴
とする請求項1または2に記載のダイカスト金型。 - 【請求項4】 ハードディスクドライブ装置のベースプ
レート鋳造用であることを特徴とする請求項1乃至4の
何れか1項に記載のダイカスト金型。 - 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1項に記載のダ
イカスト金型を設計する方法において、コンピュータシ
ミュレーションによって動的に湯流れを解析し、各キャ
ビティに溶湯がほぼ同じタイミングで流入するように、
ビスケット形成部中心から第2副ランナーまたは第3副
ランナーの分岐部までの長さを設定することを特徴とす
るダイカスト金型の設計方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000343523A JP2002144007A (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | ダイカスト金型およびその設計方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000343523A JP2002144007A (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | ダイカスト金型およびその設計方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002144007A true JP2002144007A (ja) | 2002-05-21 |
Family
ID=18817879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000343523A Pending JP2002144007A (ja) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | ダイカスト金型およびその設計方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002144007A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015013294A (ja) * | 2013-07-03 | 2015-01-22 | 本田技研工業株式会社 | 鋳造用金型 |
CN105478710A (zh) * | 2015-12-01 | 2016-04-13 | 驰马拉链(无锡)有限公司 | 拉链头盖帽模具 |
CN109396389A (zh) * | 2018-12-30 | 2019-03-01 | 博众优浦(常熟)汽车部件科技有限公司 | 一种用于凸轮轴罩盖的双边进料浇铸模具 |
CN110076315A (zh) * | 2019-05-26 | 2019-08-02 | 深圳市宝田精工塑胶模具有限公司 | 流道结构及锌合金成型模具 |
JP2020082183A (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | リョービ株式会社 | 中空ダイカスト品、ダイカスト法 |
-
2000
- 2000-11-10 JP JP2000343523A patent/JP2002144007A/ja active Pending
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