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JP2002029284A - 車両用追従走行制御装置 - Google Patents

車両用追従走行制御装置

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Publication number
JP2002029284A
JP2002029284A JP2000213738A JP2000213738A JP2002029284A JP 2002029284 A JP2002029284 A JP 2002029284A JP 2000213738 A JP2000213738 A JP 2000213738A JP 2000213738 A JP2000213738 A JP 2000213738A JP 2002029284 A JP2002029284 A JP 2002029284A
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JP
Japan
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vehicle
vehicle speed
distance
target
target inter
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Application number
JP2000213738A
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English (en)
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Minoru Kanehira
実 金平
Hiroshi Kawazoe
寛 川添
Yoshinori Yamamura
吉典 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2000213738A priority Critical patent/JP3636042B2/ja
Publication of JP2002029284A publication Critical patent/JP2002029284A/ja
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】先行車を追従する追従走行制御において、低車
速域での目標車間距離と高車速域との目標車間距離を個
別に設定して走行状態に応じて最適な目標車間距離を設
定する。 【解決手段】 先行車を捕捉している状態で、先行車が
高速走行しているときには切換重み係数w(k) を“0”
に設定して高車速域用目標車間距離VH に基づいて目標
車間距離L* を算出し、この状態から先行車車速Vtが
低速所定値VL1以下となると、切換重み係数w(k) を
増加させて、目標車間距離L* を高車速域用目標車間距
離VH から低車速域用目標車間距離VL に徐々に切換
え、先行車の停止時に所定値の目標車間距離L* を設定
する。この停止状態からの加速時には勾配の緩やかな加
速用特性直線に従って目標車速L* を緩やかに上昇さ
せ、先行車車速Vtが高速所定値VHを越えると目標車
間距離L* を徐々に高車速域用目標車間距離VH に切換
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自車両前方の追
従制御対象車両に追従して走行制御を行うようにした車
両用追従走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用追従走行制御装置として
は、例えば特開平7−89366号公報に記載されたも
のが知られている。この従来例には、レーザレーダを利
用して目標追尾車両までの車間距離Dを求めると共に、
車速センサから得た自車の車速Vaに車間時間(例えば
2秒)を乗算して目標車間距離D0 を求め、実際の車間
距離Dが目標車間距離D0 に等しくなるように、スロッ
トルアクチュエータを作動させてエンジン回転数を制御
することにより、車速に応じた目標車間距離D0 をとっ
た状態で、目標追尾車両を追尾しつつ自車を走行させる
ようにした自動車の走行制御装置が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用追従走行制御装置にあっては、自車速V0
車間時間T0 を乗算することにより目標車間距離D
0 (=V0 ・T0 )を算出するようにしているので、自
車両が停止する間際には、自車速V0 が略“0”となる
ため、目標車間距離D0 も略“0”となってしまい先行
車との車間距離が近づきすぎるという未解決の課題があ
る。
【0004】この未解決の課題を解決するために、特開
平8−282330号公報に記載されているように、自
車速vn に車間時間T0 を乗算した値に停止時の車間距
離L 0 を加算してオフセットすることにより目標車間距
離L* n を算出することが提案されているが、この場合
には、停止間際の車間距離を確保することができるが、
通常走行時にも停止距離L0 分だけ目標車間距離L* n
が長くなってしまうという新たな課題がある。
【0005】また、上記従来例にあっては、自車両の加
速時及び減速時で同一の目標車間距離を設定し、発進時
に先行車が発進してから運転者が発進指令をだすまでの
時間に無関係に目標車間を設定するようにしているの
で、停止付近では、先行車が発進して加速した後、運転
者の発進指令によって自車が発進するまでの時間が各回
で変化するような場合には、先行車の発進した直後に自
車両が発進する場合と先行車の発進よりやや遅れて発進
する場合とではその後の制御応答が異なり、特に後者で
は速やかに追従しようとするため加速度が大きくなって
乗り心地が低下するという未解決の課題もある。
【0006】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、停止間際では所定
の車間距離を確保しながら高速走行時には自車速に応じ
た適正車間距離を確保することができる車両用追従走行
制御装置を提供することを第1の目的としている。ま
た、本発明は、先行車が発進してから自車両が発進する
までの時間にバラツキがある場合でも、略一定の加速状
態で発進することができる車両用追従走行制御装置を提
供することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る車両用追従走行制御装置は、自車両
の車速を検出する車速検出手段と、自車両前方の追従制
御対象車両との車間距離を検出する車間距離検出手段
と、目標車間距離を設定する目標車間距離設定手段と、
該目標車間距離設定手段で設定した目標車間距離と前記
車間距離検出手段で検出した車間距離との車間距離偏差
を小さくするように自車両の駆動力及び制動力の何れか
を制御する動力制御手段とを備えた車両用追従走行制御
装置において、前記目標車間距離設定手段は、前記車速
検出手段で検出した自車速が低車速域にある状態で当該
自車速に応じて目標車間距離を設定する低車速域用設定
手段と、前記車速検出手段で検出した自車速が高車速域
にある状態で当該自車速に応じて目標車間距離を設定す
る高車速域用設定手段と、前記低車速域用設定手段及び
高車速域用設定手段とを前記車速検出手段で検出した自
車速に応じて切換える目標車間距離切換手段とを備えて
いることを特徴としている。
【0008】この請求項1に係る発明では、目標車間距
離を設定するに当たり、車速検出手段で検出した自車速
が低車速域にある状態では、目標車間距離切換手段で低
車速域用設定手段を選択して例えば停止距離分オフセッ
トした目標車間距離を設定することにより、先行車との
間に所定停止距離を確保して停止させることができ、自
車速が高車速域にある状態では、高車速域用設定手段を
選択することにより、車間時間に応じた適正な目標車間
距離を設定し、自車速に応じて異なる目標車間距離設定
を行うことができ、所定の停止車間距離を確保しながら
高車速域での適正目標車間距離を確保することが可能と
なる。
【0009】また、請求項2に係る車両用追従走行制御
装置は、請求項1に係る発明において、前記低車速域用
設定手段は、前記車速検出手段で検出した自車速が零で
あるときに所定値の目標車間距離を設定し、自車速の増
加に応じて所定の車間時間をもって増加する目標車間距
離を設定するように構成されていることを特徴としてい
る。
【0010】この請求項2に係る発明では、自車速が
“0”であるときには、所定値の目標車間距離を設定す
るので、先行車に追従している状態で、先行車が停止
し、これに応じて自車両が停止する際に、所定値の目標
車間距離を保って停止することができ、この停止状態に
至るまでの減速状態で車間時間を考慮した目標車間距離
が設定される。
【0011】さらに、請求項3に係る車両用追従走行制
御装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記低
車速域用設定手段は、自車速が零近傍の車速域で、加速
状態であるときの目標車間距離設定値を減速状態である
ときの目標車間距離設定値より大きい値に設定するよう
に構成されていることを特徴としている。この請求項3
に係る発明では、自車速が低車速域にある状態で、加速
状態であるか減速状態であるに応じて目標車間距離設定
値を異ならすことができ、発進時には自車速の変化に対
する目標車間距離設定値の変化を緩やかとすることによ
り、先行車が発進してから自車両が発進するまでの時間
が変動する場合に加速度変化を抑制し、停止に向かう減
速状態では、設定した所定値の目標車間距離を設定し、
車間時間を考慮して自車速の減少に伴って目標車間距離
を減少させる。
【0012】さらにまた、請求項4に係る車両用追従走
行制御装置は、請求項3に係る発明において、前記低車
速域用設定手段は、先行車車速変化量が所定値以上であ
るときに加速状態であると判断し、先行車車速変化量が
所定値以下であるときに減速状態であると判断するよう
に構成されていることを特徴としている。この請求項4
に係る発明では、先行車車速変化量に基づいて加速状態
であるか減速状態であるかを判断するので、低車速域で
の加速状態と減速状態との判別を確実に行うことができ
る。
【0013】なおさらに、請求項5に係る車両用追従走
行制御装置は、請求項1乃至4の何れかに係る発明にお
いて、前記目標車間距離切換手段は、低車速域域用設定
手段で目標車間距離を設定している状態から自車両が加
速したときに前記車速検出手段で検出した自車速が所定
の高速側切換車速以上となったときに徐々に高車速域用
設定手段に切換えるように構成されていることを特徴と
している。
【0014】この請求項5に係る発明では、目標車間距
離切換手段で、低車速域で自車両が加速状態となって自
車速が所定の高速側切換車速以上となったときに、低車
速域用設定手段から高車速域用設定手段に徐々に切換え
ることにより、目標車間距離が不連続となることを防止
しながら、設定手段の切換えを行うことができる。ま
た、請求項6に係る車両用追従走行制御装置は、請求項
1乃至5の何れかに係る発明において、前記目標車間距
離切換手段は、高車速域用設定手段で目標車間距離を設
定している状態から自車両が減速したときに前記車速検
出手段で検出した自車速が所定の低速側切換車速以下と
なったときに徐々に低車速域用設定手段に切換えるよう
に構成されていることを特徴としている。
【0015】この請求項6に係る発明では、目標車間距
離切換手段で、高車速域で自車両が減速状態となった、
自車速が所定の低速側切換車速以下となったときに、高
車速域用設定時化段から低車速域用設定手段に徐々に切
換えることにより、目標車間距離が不連続となることを
防止しながら、設定手段の切換えを行うことができる。
【0016】さらに、請求項7に係る車両用追従走行制
御装置は、請求項5又は6に係る発明において、前記目
標車間距離切換手段は、低車速域用設定手段で設定した
目標車間距離をLL 、高車速域用設定手段で設定した目
標車間距離をLH とし、時間の経過に応じて変化する切
換重み係数をw(k) としたとき、目標車間距離L* をL
* =(1−w(k) )LH +w(k) LL で算出するように
構成されていることを特徴としている。
【0017】この請求項7に係る発明では、低車速域か
ら高車速域に加速したときには切換重み係数w(k) が
“1”から時間の経過と共に“0”まで変化し、逆に高
車速域から低車速域に減速した場合には、切換重み係数
w(k) が“0”から時間の経過と共に“1”まで変化す
ることにより、何れの場合も時間の経過と共に、目標車
間距離の切換えを正確に行うことができる。
【0018】さらにまた、請求項8に係る車両用追従走
行制御装置は、請求項5又は6に係る発明において、前
記目標車間距離切換手段は、低車速域用設定手段で設定
した加速側目標車間距離をLLA、減速側目標車間距離を
LD、高車速域用設定手段で設定した目標車間距離をL
H とし、時間の経過に応じて変化する切換重み係数をw
(k) とし、低車速域用設定手段における加減速切換重み
係数をwL (k) としたとき、目標車間距離L* をL*
(1−w(k) )LH +w(k) {wL (k) ・LLA+(1−
L (k) )LLD}で算出するように構成されていること
を特徴としている。
【0019】この請求項8に係る発明では、請求項7と
同様に低車速域用設定手段で設定した目標車間距離と高
車速域用設定手段で設定した目標車間距離とを徐々に切
換えることができる他、低車速域用設定手段で、加減速
切換重み係数wL (k) を加速状態から減速状態となった
ときに“1”から時間の経過と共に“0”まで変化さ
せ、逆に減速状態から加速状態となったときに“0”か
ら時間の経過と共に“1”まで変化させることにより、
加速状態及び減速状態で異なる目標車間距離を徐々に切
換えることができる。
【0020】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、低車速域
用設定手段及び高車速用設定手段で夫々異なる目標車間
距離を設定し、これらを目標車間距離切換手段で切換え
るように構成したので、所定の停止車間距離を確保しな
がら高車速域での適正目標車間距離を確保することが可
能となり、走行状況に応じた最適な目標車間距離設定を
行うことができると共に、低車速域用設定手段及び高車
速用設定手段で個別に目標車間距離のチューニングを行
うことができ、運転者の走行感覚に合わせた目標車間距
離を設定することができるという効果が得られる。
【0021】また、請求項2に係る発明によれば、自車
速が“0”であるときには、所定値の目標車間距離を設
定するので、先行車に追従している状態で、先行車が停
止し、これに応じて自車両が停止する際に、所定値の目
標車間距離を保って停止することができ、この停止状態
に至るまでの減速状態で車間時間を考慮した目標車間距
離を確保して運転者に違和感を与えることを防止するこ
とができるという効果が得られる。
【0022】さらに、請求項3に係る発明によれば、自
車速が低車速域にある状態で、加速状態であるか減速状
態であるに応じて目標車間距離設定値を異ならせた構成
とすることにより、発進時には自車速の変化に対する目
標車間距離設定値の変化を緩やかとすることにより、先
行車が発進してから自車両が発進するまでの時間が変動
する場合に加速度変化を抑制し、停止に向かう減速状態
では、設定した所定値の目標車間距離を設定し、車間時
間を考慮して自車速の減少に伴って目標車間距離を減少
させることができ、低車速域での乗り心地の低下を抑制
することができるという効果が得られる。
【0023】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、先行車車速変化量に基づいて加速状態であるか減速
状態であるかを判断するので、低車速域での加速状態と
減速状態との判別を確実に行うことができるという効果
が得られる。なおさらに、請求項5に係る発明によれ
ば、目標車間距離切換手段で、低車速域で自車両が加速
状態となって自車速が所定の高速側切換車速以上となっ
たときに、低車速域用設定手段から高車速域用設定手段
に徐々に切換えることにより、目標車間距離が不連続と
なることを防止しながら設定手段の切換えを円滑に行う
ことができるという効果が得られる。
【0024】また、請求項6に係る発明によれば、目標
車間距離切換手段で、高車速域で自車両が減速状態とな
った、自車速が所定の低速側切換車速以下となったとき
に、高車速域用設定時化段から低車速域用設定手段に徐
々に切換えることにより、目標車間距離が不連続となる
ことを防止しながら設定手段の切換えを円滑に行うこと
ができるという効果が得られる。
【0025】さらに、請求項7に係る発明によれば、低
車速域から高車速域に加速したときには切換重み係数w
(k) が“1”から時間の経過と共に“0”まで変化し、
逆に高車速域から低車速域に減速した場合には、切換重
み係数w(k) が“0”から時間の経過と共に“1”まで
変化することにより、何れの場合も時間の経過と共に、
目標車間距離の切換えを不連続となることなく正確に行
うことができるという効果が得られる。
【0026】さらにまた、請求項8に係る発明によれ
ば、請求項7の発明と同様の効果に加えて、低車速域用
設定手段で、加減速切換重み係数wL (k) を加速状態か
ら減速状態となったときに“1”から時間の経過と共に
“0”まで変化させ、逆に減速状態から加速状態となっ
たときに“0”から時間の経過と共に“1”まで変化さ
せることにより、加速状態及び減速状態で異なる目標車
間距離を徐々に不連続となることなく円滑に切換えるこ
とができるという効果が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明を後輪駆動車に適用
した場合の一実施形態を示す概略構成図であり、図中、
1FL,1FRは従動輪としての前輪、1RL,1RR
は駆動輪としての後輪であって、後輪1RL,1RR
は、エンジン2の駆動力が自動変速機3、プロペラシャ
フト4、最終減速装置5及び車軸6を介して伝達されて
回転駆動される。
【0028】前輪1FL,1FR及び後輪1RL,1R
Rには、夫々制動力を発生する例えばディスクブレーキ
で構成されるブレーキアクチュエータ7が設けられてい
ると共に、これらブレーキアクチュエータ7の制動油圧
が制動制御装置8によって制御される。ここで、制動制
御装置8は、図示しないブレーキペダルの踏込みに応じ
て制動油圧を発生すると共に、後述する追従制御用コン
トローラ20からの制動圧指令値PBRに応じて制動油圧
を発生し、これをブレーキアクチュエータ7に出力する
ように構成されている。
【0029】また、エンジン2には、その出力を制御す
るエンジン出力制御装置11が設けられている。このエ
ンジン出力制御装置11では、図示しないアクセルペダ
ルの踏込量及び後述する追従制御用コントローラ20か
らのスロットル開度指令値θ * に応じてエンジン2に設
けられたスロットル開度を調整するスロットルアクチュ
エータ12を制御するように構成されている。また、自
動変速機3の出力側に配設された出力軸の回転速度を検
出することにより、自車速Vsを検出する車速センサ1
3が配設されている。
【0030】一方、車両の前方側の車体下部には、先行
車両との間の車間距離を検出する車間距離検出手段とし
てのレーザ光を掃射して先行車両からの反射光を受光す
るレーダ方式の構成を有する車間距離センサ14が設け
られている。さらに、エンジン2にはエンジン回転速度
E を検出するエンジン回転速度センサ15が設けられ
ている。
【0031】そして、車速センサ13から出力される自
車速Vsと車間距離センサ14から出力される車間距離
Lとエンジン回転速度センサ15から出力されるエンジ
ン回転速度NE とが追従制御用コントローラ20に入力
され、この追従制御用コントローラ20によって、先行
車両を捕捉しているときに車間距離を目標車間距離に制
御し、先行車両を捕捉していないときに自車速VS を運
転者が設定した設定車速VSET に制御する制動圧指令値
BR及び目標スロットル開度θ* を制動制御装置8及び
エンジン出力制御装置11に出力する。
【0032】この追従制御用コントローラ20は、マイ
クロコンピュータとその周辺機器を備え、マイクロコン
ピュータのソフトウェア形態により、図2に示す制御ブ
ロックを構成している。この制御ブロックは、車間距離
センサ14でレーザー光を掃射してから先行車の反射光
を受光するまでの時間を計測し、先行車との車間距離L
を演算する測距信号処理部21と、測距信号処理部21
で演算された車間距離L及び車速センサ13から読込ん
だ自車速VS に基づいて車間距離Lを目標車間距離L*
に維持する目標車速V* を演算する車間距離制御手段と
しての車間距離制御部40と、この車間距離制御部40
で演算した目標車速V* に基づいて目標駆動軸トルクT
W * を演算する車速制御部50と、この車速制御部50
で演算した目標駆動軸トルクTW * に基づいてスロット
ルアクチュエータ12及びブレーキアクチュエータ7に
対するスロットル開度指令値θR 及び制動圧指令値PBR
を演算し、これらをスロットルアクチュエータ12及び
ブレーキアクチュエータ7に出力する駆動軸トルク制御
部60とを備えている。
【0033】車間距離制御部40は、測距信号処理部2
1で演算された車間距離L及び後述する車間距離制御演
算部43で算出された先行車車速Vtに基づいて先行車
と自車との間の目標車間距離L* を算出する目標車間距
離設定部42と、この目標車間距離設定部42で算出さ
れた目標車間距離L* と、測距信号処理部21から入力
される車間距離Lと、自車速VS とに基づいて車間距離
Lを目標車間距離L*に一致させるための目標車速V*
を演算する車間距離制御演算部43とを備えている。
【0034】ここで、目標車間距離設定部42は、図3
に示す目標車間距離設定処理を実行する。この目標車間
距離設定処理は、所定時間(例えば10msec)毎の
タイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1
で、測距信号処理部21から入力される車間距離L及び
車間距離制御演算部43から入力される先行車車速Vt
を読込み、次いでステップS2に移行して、先行車車速
Vtが予め設定された低速所定値VL1以下であるか否か
を判定し、Vt≦VL1 であるときには、低車速域であ
るもの判断して、ステップS3に移行する。
【0035】このステップS3では、現在の目標車間距
離L* と車間距離センサ14で検出した車間距離Lとの
偏差ΔL(=|L* −L|)が予め設定された所定値Δ
S以上であるか否かを判定し、ΔL<ΔLS であると
きには車間距離制御が収束しているものと判断して直接
ステップS5に移行し、ΔL≧ΔLS であるときには、
ステップS4に移行して先行車車速Vtが低速所定値V
1 より小さい値に設定された低速所定値VL2 以下で
あるか否かを判定し、Vt≦VL2 であるときにはステ
ップS5に移行する。
【0036】このステップS5では、先行車が加速状態
であるか否かを判定する。この加速状態であるか否かの
判定は、今回の先行車車速Vt(n) から前回の制御周期
における先行車車速Vt(n-1) を減算した車速偏差ΔV
tが予め設定した正値の加速度閾値ΔVtA 以上である
か否かによって判定し、ΔVt≧ΔVtA であるときに
は先行車加速状態であると判断して、ステップS6に移
行し、下記(1)式〜(4)式の演算を行って、切換重
み係数w(k) 及び加減速切換重み係数wL (k)を算出し
てからステップS7に移行する。
【0037】 w(k) =w(k-1) +Δw …………(1) w(k) =min{w(k) ,1} …………(2) wL (k) =wL (k-1) +ΔwL …………(3) wL (k) =min{wL (k) ,1}…………(4) ここで、(2)式及び(4)式の右辺は中括弧で囲まれ
ているうちの何れか小さい方を選択することを表してお
り、切換重み係数w(k) 及び加減速切換重み係数w
L (k) が“1”以下となるように制限している。
【0038】ステップS7では、先行車車速Vtをもと
に図4に示す目標車間距離算出用制御マップを参照して
低車速域における加速用目標車間距離LLA、減速用目標
車間距離LLD及び高車速域用目標車間距離LH を算出し
てからステップS8に移行する。ここで、目標車間距離
算出用制御マップは、図4に示すように、低車速域での
目標車間距離を設定する所定値LS1の切片を有し所定の
車間時間をもって先行車車速Vtの増加に応じて目標車
間距離LL が増加するように設定された低車速域用特性
直線L1 と、先行車車速Vtが“0”のとき目標車間距
離LH も“0”となり、これから所定の車間時間をもっ
て先行車車速Vtの増加に応じて目標車間距離LH が増
加するように設定された高車速域用特性直線L2 とを有
し、このうち低車速域用特性直線L1 は低速所定値VL
2 より小さい例えば50km/h程度に設定された所定
値VB から低速側で低車速域用特性直線と同一傾きの減
速用特性線L1D及びこれより傾きが緩やかで所定値LS1
より大きい所定値LS2の切片を有する加速用特性線L1A
に分岐されている。
【0039】ステップS8では、下記(5)式の演算を
行って目標車間距離L* を算出し、これを目標車間距離
記憶領域に更新記憶してからタイマ割込処理を終了す
る。 L* =(1−w(k) )LH +w(k) {wL (k) ・LLA+(1−wL (k) )LLD} …………(5) また、前記ステップS5の判定結果が、ΔVt<ΔVt
A であるときには加速状態ではないものと判断して、ス
テップS9に移行して、車速偏差ΔVtが予め設定され
た負値の減速度閾値−ΔVtD 以下であるか否かを判定
することにより、先行車が減速状態であるか否かを判定
し、ΔVt≦−ΔVtD であるときには、減速状態であ
るものと判断してステップS10に移行し、下記(6)
〜(9)式の演算を行って切換重み係数w(k) 及び加減
速切換重み係数wL (k) を算出してから前記ステップS
7に移行する。
【0040】 w(k) =w(k-1) +Δw …………(6) w(k) =min{w(k) ,1} …………(7) wL (k) =wL (k-1) −ΔwL …………(8) wL (k) =max{wL (k) ,0}…………(9) ここで、(7)式の右辺は中括弧で囲まれている値のう
ちの何れか小さい方を選択することを表しており、切換
重み係数をw(k) を“1”以下となるように制限し、
(9)式の右辺は中括弧で囲まれている値のうち何れか
大きい方を選択することを表しており、加減速切換重み
係数wL (k) が“0”以上となるように制限している。
【0041】さらに、前記ステップS9の判定結果がΔ
Vt>−ΔVtD であるときには加速状態でも減速状態
でもない定速走行状態であると判断してステップS11
に移行し、前回の制御周期で設定された切換重み係数を
w(k) 及び加減速切換重み係数wL (k) を維持してから
前記ステップS7に移行する。一方、前記ステップS2
の判定結果がVt>VL1 であるときにはステップS1
2に移行し、先行車車速Vtが予め設定した低速所定値
VL1 より大きい値の高速所定値VH以下であるか否か
を判定し、Vt≦VHであるときには、目標車速設定の
切換えを必要としないものと判断してステップS13に
移行して、前回の制御周期で設定された切換重み係数w
(k) 及び加減速切換重み係数wL (k) を維持してから前
記ステップS7に移行する。
【0042】また、ステップS12の判定結果がVt>
VHであるときには、目標車速設定の切換えを必要とす
るものと判断して、ステップS14に移行し、前記ステ
ップS3と同様に現在の目標車間距離L* と車間距離セ
ンサ14で検出した車間距離Lとの偏差ΔL(=|L*
−L|)が予め設定された所定値ΔLS 以上であるか否
かを判定し、ΔL≧ΔLS であるときには車間距離制御
が収束していないものと判断して前記ステップS13に
移行し、ΔL<ΔLS であるときには車間距離制御が収
束したものと判断してステップS15に移行する。
【0043】このステップS15では、下記(10)式
〜(13)式の演算を行って、切換重み係数をw(k) 及
び加減速切換重み係数wL (k) を算出してからステップ
S7に移行する。 w(k) =w(k-1) −Δw …………(10) w(k) =max{w(k) ,0} …………(11) wL (k) =wL (k-1) −ΔwL …………(12) wL (k) =max{wL (k) ,0}…………(13) ここで、(2)式及び(4)式の右辺は中括弧で囲まれ
ている数値のうちの何れか大きい方を選択することを表
しており、切換重み係数をw(k) 及び加減速切換重み係
数wL (k) が“0”以上となるように制限している。
【0044】この図3の処理において、ステップS6,
S8,S10,S15の処理が目標車間距離切換手段に
対応し、ステップS7の処理及び図4の目標車間距離算
出用制御マップにおける低車速域用特性直線L1 、減速
用特性線L1D及び加速用特性線L1Aが低車速域設定手段
に対応し、ステップS7の処理及び図4の目標車間距離
算出用制御マップにおける高車速域用特性直線L2 が高
車速域設定手段に対応している。
【0045】車速制御部50は、追従制御状態であると
きには、車間距離センサ14で先行車両を捕捉している
ときには車間距離制御部40から入力される目標車速V
L *と運転者が設定した設定車速VSET との何れか小さ
い値を目標車速V* として設定し、先行車両を捕捉して
いないときには運転者が設定した設定車速VSET を目標
車速V* として設定する目標車速設定部51と、この目
標車速設定部51で設定された目標車速V* に自車速V
S を一致させるための目標駆動軸トルクTW *を演算す
る目標駆動軸トルク演算部52とを備えている。
【0046】ここで、駆動軸トルク制御部60は、図5
に示すように、目標駆動トルクTW * を実現するための
スロットル開度指令値θR とブレーキ液圧指令値PBR
を演算する。すなわち、目標駆動軸トルクTW * を除算
器61に供給して、係数KGEARで除算して、目標エンジ
ントルクTE * を算出し、これをスロットル開度算出部
62に供給して、このスロットル開度算出部62で目標
エンジントルクTE * 及びエンジン回転速度NE をもと
に予め設定されたエンジンマップを参照してスロットル
開度θを算出し、これをリミッタ63に供給して、スロ
ットルアクチュエータ12で制御可能な零から最大スロ
ットル開度までの範囲に制限してスロットル開度指令値
θR としてエンジン出力制御装置11に出力すると共
に、目標駆動軸トルクTW * を減算器64に供給してエ
ンジンブレーキ補正演算部65で演算された値K
GEAR{TE0−JE (dNE /dt)}(JE :エンジン
イナーシャ、TE0:スロットル開度θR が“0”のとき
のエンジントルク、NE :エンジン回転速度)から減算
して目標ブレーキトルクTBR * を算出し、これを除算器
66に供給して、目標ブレーキトルクTBR * をKBT(=
8・AB ・RB ・μB ,AB :ブレーキシリンダ面積、
B :ロータ有効半径、μB :パッド摩擦係数)で除し
てブレーキ液圧指令値PBRを算出し、これをリミッタ6
7で、ブレーキアクチュエータ7で制御可能な零から最
大制動圧までの範囲に制限して制動制御装置8に出力す
る。
【0047】なお、上述した車間距離制御部40、車速
制御部50及び駆動軸トルク制御部60で動力制御手段
を構成している。次に、上記実施形態の動作を説明す
る。今、運転者が、設定車速VSET を設定した状態で高
速道路を高速所定値VHを越えるが設定車速VSET 未満
となる先行車車速Vtで高速走行する先行車に追従しな
がら高速走行しているものとする。このとき、追従制御
用コントローラ20の車間距離制御部40における目標
車間距離設定部42では、図3に示す目標車速設定処理
を実行しており、先行車車速Vtが高速所定値VHを越
えているので、ステップS2からステップS12を経て
ステップS14に移行し、前回までの車間距離制御が収
束して目標車間距離L* と車間距離センサ14で検出し
た実際の車間距離Lとの偏差ΔLが所定値ΔLS 未満で
あるものとすると、ステップS15に移行して、前記
(10)〜(13)式の演算を行うが、前回までの設定
処理で切換重み係数をw(k-1) 及び加減速切換重み係数
L (k-1) が共に“0”に設定されているものとする
と、(10)式及び(12)式で切換重み係数をw(k)
及び加減速切換重み係数wL (k) が共に−Δw及び−Δ
L に設定されて“0”未満となるが、(11)式及び
(13)式で“0”が選択されることにより、切換重み
係数w(k) 及び加減速切換重み係数wL (k) が共に
“0”に維持される。
【0048】このため、ステップS7で先行車車速Vt
をもとに図4の目標車速算出用制御マップを参照して低
車速用目標車間距離LL 及び高車速用目標車間距離LH
を算出し、次いでステップS8に移行して、前記(5)
式に従って目標車間距離L*を算出すると、切換重み係
数w(k) が“0”であることにより、(5)式における
右辺第2項が“0”となることにより、高車速用特性直
線L2 に基づいて算出された高車速用目標車間距離LH
が目標車間距離L* として算出され、これが目標車間距
離記憶領域に更新記憶される。
【0049】このため、車間距離制御演算部43で、目
標車間距離L* と車間距離センサ14で検出した実際の
車間距離Lとの偏差に基づいて、車間距離Lを目標車間
距離L* に一致させるための目標車速VL * を算出し、
これが車速制御部50に入力されることにより、目標車
速設定部51で目標車速VL * が目標車速V* として設
定され、これが目標駆動軸トルク演算部52に入力され
ることにより、走行抵抗を加味した現在の自車速Vsを
目標車速V* に一致させるための目標駆動軸トルクTW
* が算出され、これが駆動軸トルク制御部60に供給さ
れることにより、正のスロットル開度指令値θR が算出
されると共に、“0”のブレーキ液圧指令値PBRが算出
され、これらがエンジン出力制御装置11及び制動制御
装置8に出力されて、目標車間距離L* を維持するよう
に駆動制御される。
【0050】この高速走行状態で、先行車が減速する
と、先行車車速Vtが高速所定値VH以下となるまで
は、上記と同様の動作を行うが、図6に示すように、先
行車車速Vtの減少に応じて高速用目標車間距離LH
減少することにより、目標車間距離L* も減少し、この
目標車間距離L* の減少に応じてスロットル開度指令値
θ R が小さく制御されて減速状態となる。
【0051】その後、先行車車速Vtが高速所定値VH
以下となると、ステップS12からステップS13に移
行するが、切換重み係数w(k) 及び加減速切換重み係数
L(k) が共に“0”の前回値w(k-1) 及びwL (k-1)
を維持することになり、高車速用目標車間距離LH が目
標車間距離L* として設定する状態が継続される。その
後、先行車がさらに減速して図6に示すように低速所定
値VL1 以下となると、図3の処理においてステップS
2からステップS3に移行し、減速状態に急激な変化が
なく、車間距離制御が収束しているので、ステップS5
に移行し、減速状態であるので、車速偏差ΔVtが負の
設定値−ΔVtD よりも小さい値となっているので、ス
テップS9を経てステップS10に移行する。
【0052】このため、切換重み係数w(k) は(6)式
によってΔwだけ加算されることにより、w(k) >0と
なるが、加減速切換重み係数wL (k) は(8)式によっ
て前記(12)式と同様にΔwL だけ減算されるので
(9)式により、“0”の状態を維持する。このため、
ステップS8で(5)式に従って目標車間距離L* を算
出するときに、高車速用目標車間距離LH に乗算する係
数が減少し、これに代えて(5)式の右辺第2項が加減
速切換重み係数wL (k) が“0”を維持することによ
り、減速用車間距離VLDに乗算する係数がΔw(k) 分増
加することにより、算出される目標車間距離L* が図1
0に示すように、高車速域用特性直線L2 に沿って減少
している状態から低車速域用特性直線L1 側に僅かに減
少しながら移動し、目標車速設定の切換えが開始され
る。
【0053】その後、図3の制御周期が到来する毎に、
ステップS10で切換重み係数w(k) がΔwだけ増加す
ることより、高車速域用目標車間距離LH の割合が減少
し、低車速用目標車間距離LL の割合が増加することに
より、目標車速L* が低車速域用特性直線L1 側に近づ
き、切換重み係数w(k) が“1”に達すると、目標車間
距離L* が全て低車速用目標車間距離LL となり、図6
における減速用特性直線L1 上となり、さらに先行車が
減速すると、ステップS10での切換重み係数w(k) の
増加が“1”に制限されるため、目標車間距離L* は減
速用特性直線L 1 に沿って減少し、図4に示すように、
先行車車速Vtが“0”近傍となって車速偏差ΔVtが
所定値−ΔVtD を越えて“0”に近づくと、図3の処
理において、ステップS9からステップS11に移行
し、今回の切換重み係数w(k) 及び加減速切換重み係数
L (k) が夫々前回値w(k-1) 及びwL (k-1) を維持す
ることになり、目標車間距離L* は全て低車速用目標車
間距離LL の状態を保って減少し、先行車車速Vtが
“0”となったときに数メートルに設定された所定値L
S1の目標車間距離L* が設定されることにより、この所
定値LS1を保って自車両も停止される。
【0054】この停止状態では、車速偏差ΔVtが
“0”となるので、ステップS5及びステップS9を経
てステップS11に移行し、今回の切換重み係数w(k)
及び加減速切換重み係数wL (k) が夫々前回値w(k-1)
及びwL (k-1) を維持する。この停止状態から先行車が
発進すると、自車両は、運転者のスイッチ操作やアクセ
ルペダル操作等の発進確認操作があったときに発進す
る。
【0055】このとき、図3の処理では、先行車が発進
して車速偏差ΔVtが所定値ΔVt A 以上となると、ス
テップS5からステップS6に移行することにより、こ
のとき、前述した低車速域での減速制御時に切換重み係
数w(k) が“1”に制限されているので、目標車間距離
* は(5)式の右辺第2項における低車速域用目標車
間距離に基づいて算出され、このとき、自車両が発進す
るまでの時間が比較的長いことにより、この間にステッ
プS6での加減速切換重み係数wL (k) が所定値ΔwL
づつ増加して、比較的短時間数秒〜数十秒で“1”に達
する。このため、(5)式の右辺第2項における減速用
車間距離LLDの係数が“0”となり、加速用車間距離L
LAの係数が“1”となることにより、目標車間距離L*
が加速用特性直線L1Aの切片となる所定値LS2まで増加
することになる。したがって、先行車が発進しても車間
距離センサ14で検出した車間距離Lが所定値LS2に達
するまでは自車両が発進することが制限され、車間距離
Lが設定値LS2を越えたときに自車両が発進される。そ
の後、目標車間距離L* が加速用特性直線L1Aに基づい
て算出されることになるので、その勾配が減速用特性直
線L1Dに比較して緩やかであるので、自車両を発進させ
るための発進確認操作が遅れた場合でも、その間の目標
車間距離L* の増加分が少なくなり、急加速状態となる
ことを抑制して運転者に違和感を与えることのない発進
を行うことができる。
【0056】その後、先行車が加速を継続して、先行車
車速Vtが分岐点となる所定値VBを越えると、低車速
域用特性直線L1 に基づいて加速用目標車間距離L1A
算出されることにより、目標車間距離L* が図7に示す
ように低車速域用特性直線L 1 に沿って増加する。そし
て、さらに先行車が加速を継続して、先行車車速Vtが
低速所定値VL1を越えると、ステップS2からステッ
プS12を経てステップS13に移行して、切換重み係
数w(k) 及び加減速切換重み係数wL (k) が夫々前回値
w(k-1) 及びwL (k-1) を維持する状態となり、目標車
間距離L* が低車速域用特性直線L 1 に沿って増加する
状態を継続する。
【0057】その後、先行車車速Vtが高速所定値VH
を越えると、ステップS12からステップS14を経て
ステップS15に移行することになり、切換重み係数w
(k)及び加減速切換重み係数wL (k) が夫々制御周期毎
にΔw及びΔwL づつ減少され、これに応じてステップ
S8で算出される目標車間距離L* が図7に示すように
低車速域用特性直線L1 から離れて徐々に増加しながら
高車速域用特性直線L 2 側に切換えられ、切換重み係数
w(k) が“0”に達すると、目標車間距離L*が高車速
域用特性直線L2 に基づいて算出される高車速用目標車
間距離LH に全て切換えられ、以後特性直線L2 に沿っ
て増加する。
【0058】ところで、先行車が先行車車速Vtが高速
所定値VHの僅か小さい状態で定速走行しており、この
定速走行状態で、加速することにより、先行車車速Vt
が高速所定値VHを越えた場合には、先行車の加速によ
って目標車間距離L* が増加すると共に、車間距離セン
サ14で検出した車間距離Lも増加することになるが、
先行車の加速開始状態の過渡状態では、制御遅れにより
目標車間距離L* と車間距離Lとの間の車間距離偏差Δ
Lが大きくなり、所定値ΔLS 以上となったときには、
車間距離制御が収束していないものと判断してステップ
S14からステップS13に移行して、切換重み係数w
(k) 及び加減速切換重み係数wL (k) が夫々前回値w(k
-1) 及びwL (k-1) を維持することになるので、低車速
域用目標車間距離LL から高車速域用目標車間距離LH
への切換えを抑制し、低車速域用目標車間距離LL を目
標車間距離L* として維持することなり、加速状態から
減速状態となって、再度高速所定値VHより低い定速走
行状態に復帰したときに、目標車間距離の切換えを行う
必要がなくなり、目標車間距離の切換えが頻繁に行われ
ることを抑制することができ、運転者に違和感を与える
ことを防止することができる。このとき、先行車が高速
所定値VHを越えて加速状態を継続するか又は定速状態
に移行した場合には、車間距離センサ14で検出した車
間距離Lと目標車間距離L* との偏差ΔLが所定値ΔL
S 未満となった時点で徐々に高車速域用目標車間距離L
H に切換えられる。
【0059】同様に、先行車が低速所定値VL1 より僅
かに高い状態で走行している状態から減速して、先行車
車速Vtが低速所定値VL1 以下となったときにも、目
標車間距離L* と車間距離Lとの間の車間距離偏差ΔL
が大きくなり、所定値ΔLS以上であるときには、低車
速域用目標車間距離LL への切換えが抑制され、目標車
間距離の切換頻度を低下させることができる。この減速
状態を継続した場合には、目標車間距離L* と車間距離
Lとの偏差ΔLが所定値ΔLS 未満に収束しない場合で
あっても、先行車車速Vtが低速所定値VL2 以下に低
下すると、ステップS4からステップS5に移行して車
間距離制御の収束状態にかかわらず、図6で点線図示の
ように低車速域用目標車間距離LL への切換えを行い、
先行車が停車したときの車間距離確保を優先する。
【0060】なお、上記実施形態においては、目標車間
距離L* を先行車車速Vtに基づいて設定する場合につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、車速
センサ13で検出した自車速Vsに基づいて設定するよ
うにしてもよい。また、上記実施形態においては、目標
車間距離算出用制御マップを図4に示すように低車速域
用特性直線L1 及び高車速域用特性直線L2 の双方を設
けた場合について説明したが、これらを別々の制御マッ
プとしてもよく、さらには各特性直線に応じた方程式を
求め、これらの方程式に先行車車速Vtを代入すること
により、目標車間距離LL 及びLH を演算によって算出
するようにしてもよい。
【0061】さらに、上記実施形態においては、車間距
離センサ14としてレーザレーダを使用した場合につい
て説明したが、これに限定されるものてはなく、ミリ波
レーダ等の他の測距装置を適用することができる。さら
にまた、上記実施形態においては、目標車間距離L*
車間距離Lを一致させる目標車速VL * を算出し、これ
に基づいて車速を制御する場合について説明したが、こ
れに限定されるものではなく、目標車間距離L* と車間
距離Lとの偏差に基づいて目標加減速度を算出し、この
目標加減速度に応じて車速を制御するようにしてもよ
い。
【0062】なおさらに、上記実施形態においては、追
従制御用コントローラ20における目標車間距離設定部
42でソフトウェアによる演算処理を行う場合について
説明したが、これに限定されるものではなく、関数発生
器、比較器、演算器等を組み合わせて構成した電子回路
でなるハードウェアを適用して構成するようにしてもよ
い。
【0063】また、上記実施形態においては、ブレーキ
アクチュエータとしてディスクブレーキ7を適用した場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、ドラムブレーキ等の他のアクチュエータを適用する
ことができることは勿論、制動圧以外に電気的に制御さ
れるブレーキアクチュエータを適用することもでき、こ
の場合には、駆動軸トルク制御部60で目標制動圧PBR
に代えて、目標電流等の指令値を演算し、これを指令値
に基づいてブレーキアクチュエータを制御する制動制御
装置8に出力するようにすればよい。
【0064】さらに、上記実施形態においては、後輪駆
動車に本発明を適用した場合について説明したが、前輪
駆動車に本発明を適用することもでき、また回転駆動源
としてエンジン2を適用した場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、電動モータを適用する
こともでき、さらには、エンジンと電動モータとを使用
するハイブリッド仕様車にも本発明を適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の追従制御用コントローラの具体例を示す
ブロック図である。
【図3】図2の目標車間距離設定部で実行する目標車間
距離設定処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】図3で使用する先行車車速と目標車間距離との
関係を示す目標車間距離算出用制御マップを示す特性線
図である。
【図5】図2の駆動軸トルク制御部の具体例を示すブロ
ック図である。
【図6】上記実施形態の動作の説明に供する減速時にお
ける目標車間距離の変化状態を示す説明図である。
【図7】上記実施形態の動作の説明に供する加速時にお
ける目標車間距離の変化状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 エンジン 3 自動変速機 7 ディスクブレーキ 8 制動制御装置 11 エンジン出力制御装置 12 スロットルバルブ 13 車速センサ 14 車間距離センサ 15 エンジン回転速度センサ 15 トルクコンバータ出力回転速度センサ 16 スロットル開度センサ 17 ブレーキスイッチ 20 追従制御用コントローラ 40 車間距離制御部 42 目標車間距離設定部 43 車間距離制御演算部 50 車速制御部 60 駆動軸トルク制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山村 吉典 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA30 AA41 AB01 AC04 AC26 AD02 AD46 AD51 AE04 AE41 AF01 3D044 AA01 AA21 AA25 AB01 AC05 AC15 AC26 AC59 AD02 AD04 AD21 AE04 AE21 3G093 AA01 BA02 BA07 BA14 BA23 CB02 CB03 CB13 DA01 DA06 DB05 EA09 EB04 EC01 FA04 FA10 FB03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自車両の車速を検出する車速検出手段
    と、自車両前方の追従制御対象車両との車間距離を検出
    する車間距離検出手段と、目標車間距離を設定する目標
    車間距離設定手段と、該目標車間距離設定手段で設定し
    た目標車間距離と前記車間距離検出手段で検出した車間
    距離との車間距離偏差を小さくするように自車両の駆動
    力及び制動力の何れかを制御する動力制御手段とを備え
    た車両用追従走行制御装置において、前記目標車間距離
    設定手段は、前記車速検出手段で検出した自車速が低車
    速域にある状態で当該自車速に応じて目標車間距離を設
    定する低車速域用設定手段と、前記車速検出手段で検出
    した自車速が高車速域にある状態で当該自車速に応じて
    目標車間距離を設定する高車速域用設定手段と、前記低
    車速域用設定手段及び高車速域用設定手段とを前記車速
    検出手段で検出した自車速に応じて切換える目標車間距
    離切換手段とを備えていることを特徴とする車両用追従
    走行制御装置。
  2. 【請求項2】 前記低車速域用設定手段は、前記車速検
    出手段で検出した自車速が零であるときに所定値の目標
    車間距離を設定し、自車速の増加に応じて所定の車間時
    間をもって増加する目標車間距離を設定するように構成
    されていることを特徴とする請求項1記載の車両用追従
    走行制御装置。
  3. 【請求項3】 前記低車速域用設定手段は、自車速が零
    近傍の車速域で、加速状態であるときの目標車間距離設
    定値を減速状態であるときの目標車間距離設定値より大
    きい値に設定するように構成されていることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の車両用追従走行制御装置。
  4. 【請求項4】 前記低車速域用距離設定手段は、先行車
    車速変化量が所定値以上であるときに加速状態であると
    判断し、先行車車速変化量が所定値以下であるときに減
    速状態であると判断するように構成されていることを特
    徴とする請求項3記載の車両用追従走行制御装置。
  5. 【請求項5】 前記目標車間距離切換手段は、低車速域
    用設定手段で目標車間距離を設定している状態から自車
    両が加速したときに前記車速検出手段で検出した自車速
    が所定の高速側切換車速以上となったときに徐々に高車
    速域用設定手段に切換えるように構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の車両用追従
    走行制御装置。
  6. 【請求項6】 前記目標車間距離切換手段は、高車速域
    用設定手段で目標車間距離を設定している状態から自車
    両が減速したときに前記車速検出手段で検出した自車速
    が所定の低速側切換車速以下となったときに徐々に低車
    速域用設定手段に切換えるように構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の車両用追従
    走行制御装置。
  7. 【請求項7】 前記目標車間距離切換手段は、低車速域
    用設定手段で設定した目標車間距離をLL 、高車速域用
    設定手段で設定した目標車間距離をLH とし、時間の経
    過に応じて変化する切換重み係数をw(k) としたとき、
    目標車間距離L* をL* =(1−w(k) )LH +w(k)
    L で算出するように構成されていることを特徴とする
    請求項5又は6に記載の車両用追従走行制御装置。
  8. 【請求項8】 前記目標車間距離切換手段は、低車速域
    用設定手段で設定した加速側目標車間距離をLLA、減速
    側目標車間距離をLLD、高車速域用設定手段で設定した
    目標車間距離をLH とし、時間の経過に応じて変化する
    切換重み係数をw(k) とし、低車速域用設定手段におけ
    る加減速切換重み係数をwL (k) としたとき、目標車間
    距離L* をL* =(1−w(k) )LH +w(k) {w
    L (k) ・L LA+(1−wL (k) )LLD}で算出するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記
    載の車両用追従走行制御装置。
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