JP2002017344A - バイオゼリー産生微生物 - Google Patents
バイオゼリー産生微生物Info
- Publication number
- JP2002017344A JP2002017344A JP2000206228A JP2000206228A JP2002017344A JP 2002017344 A JP2002017344 A JP 2002017344A JP 2000206228 A JP2000206228 A JP 2000206228A JP 2000206228 A JP2000206228 A JP 2000206228A JP 2002017344 A JP2002017344 A JP 2002017344A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- microorganism
- biojelly
- jelly
- bio
- strain
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 微生物を含有する塗膜を水中構造体上に形成
させた場合に、水中にて、バイオゼリーを産生し、大型
水棲生物に対する防汚効果を発揮する微生物を提供す
る。 【解決手段】 Alteromonas属に属する微生
物であって、バイオゼリーを産生することを特徴とする
微生物。
させた場合に、水中にて、バイオゼリーを産生し、大型
水棲生物に対する防汚効果を発揮する微生物を提供す
る。 【解決手段】 Alteromonas属に属する微生
物であって、バイオゼリーを産生することを特徴とする
微生物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイオゼリーを産
生する微生物に関する。
生する微生物に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶、漁網、その他の水中構造物等に
は、フジツボ、イガイ、藻類等の水棲生物が付着しやす
く、それによって、船舶等では効率のよい運航が妨げら
れ、燃料の浪費を招いたり、漁網等では目詰まりが起こ
ったり、耐用年数が短くなる等の問題が生じる。水中構
造物には、フジツボ、イガイ、藻類等の大型の水棲生物
の他にも、水中の微生物やその代謝産物等によって形成
されるぬめり感のある薄膜層(スライム層)も形成さ
れ、従来は、この薄膜層は汚染物質の1種として除去さ
れてきた。
は、フジツボ、イガイ、藻類等の水棲生物が付着しやす
く、それによって、船舶等では効率のよい運航が妨げら
れ、燃料の浪費を招いたり、漁網等では目詰まりが起こ
ったり、耐用年数が短くなる等の問題が生じる。水中構
造物には、フジツボ、イガイ、藻類等の大型の水棲生物
の他にも、水中の微生物やその代謝産物等によって形成
されるぬめり感のある薄膜層(スライム層)も形成さ
れ、従来は、この薄膜層は汚染物質の1種として除去さ
れてきた。
【0003】しかし、一方では、上記の薄膜層が形成さ
れた水中構造物は、逆に、大型の水棲生物が付着し難い
ことを利用した技術も報告されている。特開平8−13
3920号公報には、上記のような薄膜層のうち0.3
mm以上のものをバイオゼリーと呼び、このバイオゼリ
ー層を水中の構造体表面に形成させてなる大型水棲生物
付着防止方法が開示されている。
れた水中構造物は、逆に、大型の水棲生物が付着し難い
ことを利用した技術も報告されている。特開平8−13
3920号公報には、上記のような薄膜層のうち0.3
mm以上のものをバイオゼリーと呼び、このバイオゼリ
ー層を水中の構造体表面に形成させてなる大型水棲生物
付着防止方法が開示されている。
【0004】特開平8−81308号公報及び特開平8
−92009号公報には、桂皮酸系、シラン系、ベンジ
リデンアニリン系化合物を含む塗料を水中構造体に塗装
することによって、上記のようなバイオゼリー層を形成
させることができることが開示されている。
−92009号公報には、桂皮酸系、シラン系、ベンジ
リデンアニリン系化合物を含む塗料を水中構造体に塗装
することによって、上記のようなバイオゼリー層を形成
させることができることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微生
物を含有する塗膜を水中構造体上に形成させた場合に、
水中にて、バイオゼリーを産生し、大型水棲生物に対す
る防汚効果を発揮する微生物を提供することにある。
物を含有する塗膜を水中構造体上に形成させた場合に、
水中にて、バイオゼリーを産生し、大型水棲生物に対す
る防汚効果を発揮する微生物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Altero
monas属に属する微生物であって、バイオゼリーを
産生することを特徴とする微生物である。以下、本発明
を詳述する。
monas属に属する微生物であって、バイオゼリーを
産生することを特徴とする微生物である。以下、本発明
を詳述する。
【0007】本発明者らは、桂皮酸系、シラン系、ベン
ジリデンアニリン系化合物をバイオゼリー形成剤として
使用して形成させたバイオゼリーから、Alterom
onas属に属する微生物を単離し、この微生物を含む
塗料は、水中構造体に塗布して塗膜を形成させた場合
に、水中にて、大型水棲生物に対する防汚効果を発揮す
ることを見いだし、本発明を完成した。
ジリデンアニリン系化合物をバイオゼリー形成剤として
使用して形成させたバイオゼリーから、Alterom
onas属に属する微生物を単離し、この微生物を含む
塗料は、水中構造体に塗布して塗膜を形成させた場合
に、水中にて、大型水棲生物に対する防汚効果を発揮す
ることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】本発明において、バイオゼリーとは、Al
teromonas属に属する微生物が産生するスライ
ム状又はゼリー状の物質であって、それが水中にある構
造体に形成されたときに、大型水棲生物が付着すること
を防止することができるものを意味するものである。
teromonas属に属する微生物が産生するスライ
ム状又はゼリー状の物質であって、それが水中にある構
造体に形成されたときに、大型水棲生物が付着すること
を防止することができるものを意味するものである。
【0009】上記バイオゼリーを産生するか否かについ
ては、以下の確認試験により行うことができる。即ち、
3×1010cell/mlの微生物を含む溶液1重量
部、分子量13000のポリアクリルアミド10重量%
水溶液70重量部、エチレングリコールジメタクリレー
ト10重量部及び過硫酸アンモニウム0.5重量部を混
合し、TEMED0.2重量部を加えたものをアクリル
板上に塗布し、窒素雰囲気下室温で2時間放置して成膜
する。これを海水中に浸漬し、1か月放置して、スライ
ム状又はゼリー状の物質がアクリル板上に存在してお
り、かつ、大型水棲生物が付着していないものをバイオ
ゼリー産生微生物とすることができる。
ては、以下の確認試験により行うことができる。即ち、
3×1010cell/mlの微生物を含む溶液1重量
部、分子量13000のポリアクリルアミド10重量%
水溶液70重量部、エチレングリコールジメタクリレー
ト10重量部及び過硫酸アンモニウム0.5重量部を混
合し、TEMED0.2重量部を加えたものをアクリル
板上に塗布し、窒素雰囲気下室温で2時間放置して成膜
する。これを海水中に浸漬し、1か月放置して、スライ
ム状又はゼリー状の物質がアクリル板上に存在してお
り、かつ、大型水棲生物が付着していないものをバイオ
ゼリー産生微生物とすることができる。
【0010】上記大型水棲生物とは、水中にある構造物
に付着し、個体が目視観察することができる大きさに成
長する生物を意味するものであり、例えば、フジツボ、
イガイ、カキ、ヒドロ虫、コケムシ、ホヤ、セルプラ等
の動物;アオサ、シオミドロ等の植物を挙げることがで
きる。
に付着し、個体が目視観察することができる大きさに成
長する生物を意味するものであり、例えば、フジツボ、
イガイ、カキ、ヒドロ虫、コケムシ、ホヤ、セルプラ等
の動物;アオサ、シオミドロ等の植物を挙げることがで
きる。
【0011】本発明の微生物としては、Alterom
onas属に属する微生物であって、バイオゼリーを産
生するものであれば特に限定されず、例えば、例えば、
SHY1−1株等を挙げることができる。上記SHY1
−1株は、ベンジリデンアニリン粉末を入れ、フィルタ
ーで封をしたシャーレを15℃の海水に浸漬し、2週間
後、フィルターの表面に形成されたバイオゼリーから、
本発明者らによって単離されたものであり、バイオゼリ
ーを有利に産生する特性を有するものである。
onas属に属する微生物であって、バイオゼリーを産
生するものであれば特に限定されず、例えば、例えば、
SHY1−1株等を挙げることができる。上記SHY1
−1株は、ベンジリデンアニリン粉末を入れ、フィルタ
ーで封をしたシャーレを15℃の海水に浸漬し、2週間
後、フィルターの表面に形成されたバイオゼリーから、
本発明者らによって単離されたものであり、バイオゼリ
ーを有利に産生する特性を有するものである。
【0012】上記SHY1−1株は、図1に示す形態を
有しており、1本の極鞭毛により運動する海洋性の非発
酵性グラム陰性桿菌である。また、塩化ナトリウムを海
水濃度程度にまで増量した栄養塩培地にて良好に増殖
し、多糖を生産する。生育可能温度は、5〜35℃であ
り、生育最適温度は、30℃付近である。生育可能pH
は、pH3〜9であり、生育最適pHは、中性付近であ
る。培養は、振盪培養及び静置培養が可能であるが、振
盪培養の方が増殖良好である。静置培養では、バイオゼ
リーと思われる薄膜が観察される。また、上記SHY1
−1株は、下記表1に示す菌学的性質を有する。表中、
菌体内DNAのGC含量は、HPLC法によって測定し
たものである。また、NPは特徴的集落色素を生成しな
かったことを表す。
有しており、1本の極鞭毛により運動する海洋性の非発
酵性グラム陰性桿菌である。また、塩化ナトリウムを海
水濃度程度にまで増量した栄養塩培地にて良好に増殖
し、多糖を生産する。生育可能温度は、5〜35℃であ
り、生育最適温度は、30℃付近である。生育可能pH
は、pH3〜9であり、生育最適pHは、中性付近であ
る。培養は、振盪培養及び静置培養が可能であるが、振
盪培養の方が増殖良好である。静置培養では、バイオゼ
リーと思われる薄膜が観察される。また、上記SHY1
−1株は、下記表1に示す菌学的性質を有する。表中、
菌体内DNAのGC含量は、HPLC法によって測定し
たものである。また、NPは特徴的集落色素を生成しな
かったことを表す。
【0013】
【表1】
【0014】上記の性質に基づいて、“Bergey's Manua
l of Systematic Bacteriology" Krieg, N. R. and Hol
t, J. G., Vol. 1 (1986) Williams & Wilkins 、及
び、“Bergey's Manual of Determinative Bacteriolog
y" Holt, J. G., Krieg, N. R., Sneath, P. H. A., St
aley, J. T. and Williams, S. T., 9th Edition (199
4) Williams & Wilkins 等の参考文献から、SHY1−
1株は、Alteromonas属に属する微生物と同
定した。しかし、特徴的集落色素を生成しなかったこと
から、種の同定を行うことはできなかった。しかしなが
ら、Alteromonas属に属する微生物であっ
て、バイオゼリーを産生する微生物については、これま
で報告がないことから、本発明者らはこれを新菌株と
し、SHY1−1株と表示して、通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所(あて名:茨城県つくば市東1
丁目1番3号)に、寄託番号FERM P−17821
株(寄託日:平成12年4月20日)として寄託した。
l of Systematic Bacteriology" Krieg, N. R. and Hol
t, J. G., Vol. 1 (1986) Williams & Wilkins 、及
び、“Bergey's Manual of Determinative Bacteriolog
y" Holt, J. G., Krieg, N. R., Sneath, P. H. A., St
aley, J. T. and Williams, S. T., 9th Edition (199
4) Williams & Wilkins 等の参考文献から、SHY1−
1株は、Alteromonas属に属する微生物と同
定した。しかし、特徴的集落色素を生成しなかったこと
から、種の同定を行うことはできなかった。しかしなが
ら、Alteromonas属に属する微生物であっ
て、バイオゼリーを産生する微生物については、これま
で報告がないことから、本発明者らはこれを新菌株と
し、SHY1−1株と表示して、通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所(あて名:茨城県つくば市東1
丁目1番3号)に、寄託番号FERM P−17821
株(寄託日:平成12年4月20日)として寄託した。
【0015】本発明の微生物としては、上記FERM
P−17821株の他に、FERM P−17821株
の自然的又は人工的変異株、その他のAlteromo
nas属に属する菌種等であって、バイオゼリーを産生
することができるものも挙げることができる。
P−17821株の他に、FERM P−17821株
の自然的又は人工的変異株、その他のAlteromo
nas属に属する菌種等であって、バイオゼリーを産生
することができるものも挙げることができる。
【0016】上記微生物は、塗料中に配合し、水中構造
体上に塗膜を形成した場合、海水中において、バイオゼ
リーを産生し、大型水棲生物が付着することを防止する
ことができる。上記塗料中に配合する微生物としては、
微生物を液体培地等で培養した培養物の形態であっても
よいし、培養物から遠心分離等によって得られる微生物
そのものであってもよい。
体上に塗膜を形成した場合、海水中において、バイオゼ
リーを産生し、大型水棲生物が付着することを防止する
ことができる。上記塗料中に配合する微生物としては、
微生物を液体培地等で培養した培養物の形態であっても
よいし、培養物から遠心分離等によって得られる微生物
そのものであってもよい。
【0017】上記微生物を塗膜中に固定化する方法とし
ては、微生物が塗膜中で生存できる方法であれば特に限
定されず、例えば、共有結合等によって不溶性担体に結
合させる担体結合法;架橋法;格子型又はマイクロカプ
セル型の包括法等を挙げることができる。上記架橋法と
しては、多糖類(キチン、キトサン、アルギン酸、寒
天、グアーガム等)やタンパク質(ミルクカゼイン、セ
ラチン、ポリリジン、ポリグルタミン酸等)等の生体由
来高分子を2種以上組み合わせて塗膜としたもの;グル
タルアルデヒド等の二以上の官能基を持つアルデヒド類
やカルボン酸類の架橋剤によって1種以上の生体由来高
分子を架橋させて塗膜としたもの等を挙げることができ
る。
ては、微生物が塗膜中で生存できる方法であれば特に限
定されず、例えば、共有結合等によって不溶性担体に結
合させる担体結合法;架橋法;格子型又はマイクロカプ
セル型の包括法等を挙げることができる。上記架橋法と
しては、多糖類(キチン、キトサン、アルギン酸、寒
天、グアーガム等)やタンパク質(ミルクカゼイン、セ
ラチン、ポリリジン、ポリグルタミン酸等)等の生体由
来高分子を2種以上組み合わせて塗膜としたもの;グル
タルアルデヒド等の二以上の官能基を持つアルデヒド類
やカルボン酸類の架橋剤によって1種以上の生体由来高
分子を架橋させて塗膜としたもの等を挙げることができ
る。
【0018】更に、ラジカル重合を利用したヒドロゲル
を利用することもでき、例えば、ジビニルベンゼンジ
(メタ)アクリレート、ビスアクリルアミド、エチレン
グリコールジメタクリレートによって架橋したポリヒド
ロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド等も
挙げることができる。
を利用することもでき、例えば、ジビニルベンゼンジ
(メタ)アクリレート、ビスアクリルアミド、エチレン
グリコールジメタクリレートによって架橋したポリヒド
ロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド等も
挙げることができる。
【0019】本発明の微生物は、船舶、漁網等の水中構
造物に対して好適に使用することができ、海洋等の水中
において、水中構造物上にバイオゼリーを産生するの
で、フジツボ、イガイ、アオサ等の大型水棲生物の付着
を防止することができる。
造物に対して好適に使用することができ、海洋等の水中
において、水中構造物上にバイオゼリーを産生するの
で、フジツボ、イガイ、アオサ等の大型水棲生物の付着
を防止することができる。
【0020】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0021】実施例1 SHY1−1株(FERM P−17821)を、下記
の液体培地1〜5にそれぞれ無菌的に植菌し、30℃で
静置培養を1週間行った。なお、下記培地のうち、海水
を使用した液体培地2〜5は、新居浜市沿岸より海水を
採取し、ろ過により不溶成分を除去し、酵母エキス、グ
ルコース等を添加した培地を調製した後、オートクレー
ブ滅菌したものを使用した。 液体培地1:バクトトリプトン10g/L、酵母エキス
5g/L、NaCl24g/L 液体培地2:海水のみ 液体培地3:海水、酵母エキス1g/L 液体培地4:海水、グルコース5g/L 液体培地5:海水、酵母エキス1g/L、グルコース5
g/L 培養終了後、菌の増殖とバイオゼリーの形成を目視で確
認したところ、いずれの液体培地においてもSHY1−
1株はよく増殖した。特に、海水をベースとした液体培
地2〜5において、培養液中に不溶性の薄膜が観察され
た。その後、培養液を遠心分離し、培養上清に3倍量の
エタノールを添加したところ、液体培地1〜5のいずれ
においても、白濁が生じ、多糖の生産が見られ、なかで
も、グルコースを添加した液体培地4及び5において、
多糖の生産が顕著であった。
の液体培地1〜5にそれぞれ無菌的に植菌し、30℃で
静置培養を1週間行った。なお、下記培地のうち、海水
を使用した液体培地2〜5は、新居浜市沿岸より海水を
採取し、ろ過により不溶成分を除去し、酵母エキス、グ
ルコース等を添加した培地を調製した後、オートクレー
ブ滅菌したものを使用した。 液体培地1:バクトトリプトン10g/L、酵母エキス
5g/L、NaCl24g/L 液体培地2:海水のみ 液体培地3:海水、酵母エキス1g/L 液体培地4:海水、グルコース5g/L 液体培地5:海水、酵母エキス1g/L、グルコース5
g/L 培養終了後、菌の増殖とバイオゼリーの形成を目視で確
認したところ、いずれの液体培地においてもSHY1−
1株はよく増殖した。特に、海水をベースとした液体培
地2〜5において、培養液中に不溶性の薄膜が観察され
た。その後、培養液を遠心分離し、培養上清に3倍量の
エタノールを添加したところ、液体培地1〜5のいずれ
においても、白濁が生じ、多糖の生産が見られ、なかで
も、グルコースを添加した液体培地4及び5において、
多糖の生産が顕著であった。
【0022】実施例2 SHY1−1株を上記液体培地1中にて、30℃で2日
間振盪培養を行った。この培養液中の生菌数は生菌数計
測法で3×1010cell/mlであった。これを培養
液Aとする。培養液Aを1ml、分子量13000のポ
リアクリルアミド10%水溶液70g、エチレングリコ
ールジメタクリレート10g、過硫酸アンモニウム0.
5gを15℃で混合し、次にTEMED0.2gを加え
アクリル板上に塗布し、窒素雰囲気下室温で2時間放置
し、成膜した。これを、玉野市日本ペイント社臨海研究
所沖の筏(瀬戸内海)で浸漬し、1カ月、3カ月及び6
カ月後に大型水棲生物の付着状態を目視観察した。その
結果、大型生物の付着は認められなかった。また、1カ
月後に約2mmの厚さのバイオゼリーが認められた。
間振盪培養を行った。この培養液中の生菌数は生菌数計
測法で3×1010cell/mlであった。これを培養
液Aとする。培養液Aを1ml、分子量13000のポ
リアクリルアミド10%水溶液70g、エチレングリコ
ールジメタクリレート10g、過硫酸アンモニウム0.
5gを15℃で混合し、次にTEMED0.2gを加え
アクリル板上に塗布し、窒素雰囲気下室温で2時間放置
し、成膜した。これを、玉野市日本ペイント社臨海研究
所沖の筏(瀬戸内海)で浸漬し、1カ月、3カ月及び6
カ月後に大型水棲生物の付着状態を目視観察した。その
結果、大型生物の付着は認められなかった。また、1カ
月後に約2mmの厚さのバイオゼリーが認められた。
【0023】比較例1 実施例2の培養液Aを加えない他は、実施例2と同様に
塗膜を作成し、評価した。その結果、生物付着面積は、
1カ月後で10%、3カ月後で100%であった。
塗膜を作成し、評価した。その結果、生物付着面積は、
1カ月後で10%、3カ月後で100%であった。
【0024】
【発明の効果】本発明の微生物は、微生物を含む塗料を
水中構造物に塗布して塗膜を形成させた場合、海水中に
て、その表面にバイオゼリーを形成し、フジツボ、イガ
イ、アオサ等の大型水棲生物が水中構造物に付着するの
を防止することができる。
水中構造物に塗布して塗膜を形成させた場合、海水中に
て、その表面にバイオゼリーを形成し、フジツボ、イガ
イ、アオサ等の大型水棲生物が水中構造物に付着するの
を防止することができる。
【図1】SHY1−1株の光学顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12N 11/08 (C12N 11/08 H C12R 1:01) C12R 1:01)
Claims (2)
- 【請求項1】 Alteromonas属に属する微生
物であって、バイオゼリーを産生することを特徴とする
微生物。 - 【請求項2】 FERM P−17821株である請求
項1記載の微生物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000206228A JP2002017344A (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | バイオゼリー産生微生物 |
EP01305790A EP1170359B1 (en) | 2000-07-07 | 2001-07-04 | Biojelly-producing microorganism, coating containing said microorganism and anti-fouling method |
US09/899,212 US6764846B2 (en) | 2000-07-07 | 2001-07-06 | Biojelly-producing microorganism, microorganism-containing coating, microorganism-containing coating film |
KR1020010040332A KR20020005486A (ko) | 2000-07-07 | 2001-07-06 | 바이오젤리-생성 미생물, 미생물-함유 코팅, 미생물-함유코팅필름, 및 생물 부착 방지 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000206228A JP2002017344A (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | バイオゼリー産生微生物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002017344A true JP2002017344A (ja) | 2002-01-22 |
Family
ID=18703184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000206228A Pending JP2002017344A (ja) | 2000-07-07 | 2000-07-07 | バイオゼリー産生微生物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002017344A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002020693A (ja) * | 2000-07-07 | 2002-01-23 | Nippon Paint Co Ltd | 微生物含有塗料、微生物含有塗膜及び付着防止方法 |
DE10250155A1 (de) * | 2002-10-28 | 2004-05-13 | Infineon Technologies Ag | Schaltnetzteil |
-
2000
- 2000-07-07 JP JP2000206228A patent/JP2002017344A/ja active Pending
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6010022417, Polar Biol.,1994,Vol.14,p.561−567 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002020693A (ja) * | 2000-07-07 | 2002-01-23 | Nippon Paint Co Ltd | 微生物含有塗料、微生物含有塗膜及び付着防止方法 |
DE10250155A1 (de) * | 2002-10-28 | 2004-05-13 | Infineon Technologies Ag | Schaltnetzteil |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Gittens et al. | Current and emerging environmentally-friendly systems for fouling control in the marine environment | |
Dobretsov et al. | Novel antifoulants: inhibition of larval attachment by proteases | |
Vasilieva et al. | Immobilized microalgae in biotechnology | |
Allison et al. | Bacterial biofilms | |
US6764846B2 (en) | Biojelly-producing microorganism, microorganism-containing coating, microorganism-containing coating film | |
Marshall et al. | Role of bacterial adhesion in biofilm formation and biocorrosion | |
Callow et al. | The control of fouling by non-biocidal systems | |
CN108315318A (zh) | 一种防污酶在氧化石墨烯表面的固定化方法 | |
Wang et al. | Extraction of protease produced by sea mud bacteria and evaluation of antifouling performance | |
Li et al. | Marine antifouling strategies: Emerging opportunities for seawater resource utilization | |
US7090856B2 (en) | Anti-fouling exopolysaccharides isolated from cultures of Vibrio alginolyticus and Vibrio proteolyticus | |
Gawne et al. | Role of bacteria and bacterial exopolymer in the attachment of Achnanthes longipes (Bacillariophyceae) | |
Armstrong et al. | Aquaculture of sponges on scallops for natural products research and antifouling | |
Raghukumar et al. | Thraustochytrid protists as a component of marine microbial films | |
JP2002017344A (ja) | バイオゼリー産生微生物 | |
EP1811848B1 (en) | Bacterial product form marine origin, useful for preventing the macro and micro biofouling caused by macroalgae and marine invertebrates | |
Yang et al. | Seasonal variations in fouling diatom communities on the Yantai coast | |
JP2002020693A (ja) | 微生物含有塗料、微生物含有塗膜及び付着防止方法 | |
CN101485321B (zh) | 齐墩果酸在制备海洋环保防污剂中的应用 | |
JPH01163108A (ja) | 海洋性生物汚損防止方法 | |
JP2008220272A (ja) | 海洋生物付着防止機能を有するバイオフィルムを形成する微生物 | |
CN106521945B (zh) | 多元协同防污共聚物修饰氨纶纤维及制备方法 | |
CN116711659B (zh) | 假交替单胞菌在促进珊瑚幼虫高产生物膜和诱导珊瑚幼虫附着生长中的应用 | |
CN109837545A (zh) | 一种nb-iot信息模块封装防护用不锈钢片的海洋抗腐和防污能力的方法 | |
Bhattarai et al. | Evaluation of antifouling activity of eight commercially available organic chemicals against the early foulers marine bacteria and Ulva spores |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040317 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070521 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100427 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100907 |