JP2002013881A - スラグレベル検知方法及びそれに基づくランス高さ制御方法 - Google Patents
スラグレベル検知方法及びそれに基づくランス高さ制御方法Info
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- JP2002013881A JP2002013881A JP2000193621A JP2000193621A JP2002013881A JP 2002013881 A JP2002013881 A JP 2002013881A JP 2000193621 A JP2000193621 A JP 2000193621A JP 2000193621 A JP2000193621 A JP 2000193621A JP 2002013881 A JP2002013881 A JP 2002013881A
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- Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 冶金炉内の溶融スラグのレベルを消耗型のス
ラグレベル測定用プローブを用いることなく検知し、検
知したスラグレベルに基づき上吹き酸素ランスの高さを
制御する。 【解決手段】 その内部に冷却媒体を通し、この冷却媒
体により強制的に冷却される内部冷却機能を備えた水冷
パネル4等の装置を、該装置の外面の少なくとも一部分
が溶融スラグ15を収容した冶金炉1の炉内ガス空間雰
囲気に直接接触するように配置し、この内部冷却機能を
備えた装置が冶金炉内で受ける熱量から冶金炉内の溶融
スラグ浴面位置を検知する。そして、検知した溶融スラ
グのレベルに基づき、冶金炉内を上下移動する上吹き酸
素ランス7の高さ位置を制御する。
ラグレベル測定用プローブを用いることなく検知し、検
知したスラグレベルに基づき上吹き酸素ランスの高さを
制御する。 【解決手段】 その内部に冷却媒体を通し、この冷却媒
体により強制的に冷却される内部冷却機能を備えた水冷
パネル4等の装置を、該装置の外面の少なくとも一部分
が溶融スラグ15を収容した冶金炉1の炉内ガス空間雰
囲気に直接接触するように配置し、この内部冷却機能を
備えた装置が冶金炉内で受ける熱量から冶金炉内の溶融
スラグ浴面位置を検知する。そして、検知した溶融スラ
グのレベルに基づき、冶金炉内を上下移動する上吹き酸
素ランス7の高さ位置を制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融還元炉や転炉
等の製錬及び精錬に用いられる冶金炉内の溶融金属上に
浮遊する溶融スラグの浴面位置を検知する方法、及び、
検知した溶融スラグの浴面位置に基づいて冶金炉内を上
下移動する上吹き酸素ランスの高さを制御する方法に関
するものである。
等の製錬及び精錬に用いられる冶金炉内の溶融金属上に
浮遊する溶融スラグの浴面位置を検知する方法、及び、
検知した溶融スラグの浴面位置に基づいて冶金炉内を上
下移動する上吹き酸素ランスの高さを制御する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鉱石の溶融還元方法では、鉄鉱石、石
炭、及び副原料を溶融還元炉に装入して溶銑とスラグを
製造する。この溶融還元方法においては特に溶融スラグ
のレベル管理が重要になる。この理由の1つには、特開
平1−263211号公報に開示されるように、溶融還
元反応の熱効率の向上や炉内の溶銑への着熱効率の向上
のため、酸素を炉内に送酸するために用いる上吹き酸素
ランスの高さをスラグレベル+αの位置で一定に保つ必
要があるからである。
炭、及び副原料を溶融還元炉に装入して溶銑とスラグを
製造する。この溶融還元方法においては特に溶融スラグ
のレベル管理が重要になる。この理由の1つには、特開
平1−263211号公報に開示されるように、溶融還
元反応の熱効率の向上や炉内の溶銑への着熱効率の向上
のため、酸素を炉内に送酸するために用いる上吹き酸素
ランスの高さをスラグレベル+αの位置で一定に保つ必
要があるからである。
【0003】スラグレベルが過剰に高くならないように
するため、製造された溶銑とスラグは決められた一定の
時間毎に溶融還元炉から排出されるが、それとは別にス
ラグレベルを測定するために、例えば特開平8−490
24号公報に開示されたようなスラグレベル測定用プロ
ーブを一定時間毎にスラグ中に浸漬させている。この測
定用プローブは、製鋼工程の転炉で古くから測温・試料
採取のために使用しているサブランスと同様の装置であ
り、スラグレベル測定用プローブも消耗型であるが故に
コストが高く、溶銑製造コストを上昇させる要因になっ
ている。
するため、製造された溶銑とスラグは決められた一定の
時間毎に溶融還元炉から排出されるが、それとは別にス
ラグレベルを測定するために、例えば特開平8−490
24号公報に開示されたようなスラグレベル測定用プロ
ーブを一定時間毎にスラグ中に浸漬させている。この測
定用プローブは、製鋼工程の転炉で古くから測温・試料
採取のために使用しているサブランスと同様の装置であ
り、スラグレベル測定用プローブも消耗型であるが故に
コストが高く、溶銑製造コストを上昇させる要因になっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、その目的とするところは、溶融還元
炉や転炉等の冶金炉内の溶融金属上に浮遊する溶融スラ
グのレベルを消耗型のスラグレベル測定用プローブを用
いることなく検知する方法を提供すること、及び、検知
した溶融スラグのレベルに基づき冶金炉内を上下移動す
る上吹き酸素ランスの高さを制御する方法を提供するこ
とである。
みなされたもので、その目的とするところは、溶融還元
炉や転炉等の冶金炉内の溶融金属上に浮遊する溶融スラ
グのレベルを消耗型のスラグレベル測定用プローブを用
いることなく検知する方法を提供すること、及び、検知
した溶融スラグのレベルに基づき冶金炉内を上下移動す
る上吹き酸素ランスの高さを制御する方法を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるスラグ
レベル検知方法は、その内部に冷却媒体を通し、この冷
却媒体により強制的に冷却される内部冷却機能を備えた
装置を、該装置の外面の少なくとも一部分が溶融スラグ
を収容した冶金炉の炉内ガス空間雰囲気に直接接触する
ように配置し、この内部冷却機能を備えた装置が冶金炉
内で受ける熱量から冶金炉内の溶融スラグ浴面位置を検
知することを特徴とするものである。
レベル検知方法は、その内部に冷却媒体を通し、この冷
却媒体により強制的に冷却される内部冷却機能を備えた
装置を、該装置の外面の少なくとも一部分が溶融スラグ
を収容した冶金炉の炉内ガス空間雰囲気に直接接触する
ように配置し、この内部冷却機能を備えた装置が冶金炉
内で受ける熱量から冶金炉内の溶融スラグ浴面位置を検
知することを特徴とするものである。
【0006】第2の発明によるスラグレベル検知方法
は、第1の発明において、前記内部冷却機能を備えた装
置が、冶金炉の側壁に設けられた水冷パネルであること
を特徴とするものである。
は、第1の発明において、前記内部冷却機能を備えた装
置が、冶金炉の側壁に設けられた水冷パネルであること
を特徴とするものである。
【0007】第3の発明によるスラグレベル検知方法
は、第1の発明において、前記内部冷却機能を備えた装
置が、冶金炉内を上下移動する上吹き酸素ランスである
ことを特徴とするものである。
は、第1の発明において、前記内部冷却機能を備えた装
置が、冶金炉内を上下移動する上吹き酸素ランスである
ことを特徴とするものである。
【0008】第4の発明によるランス高さ制御方法は、
第1の発明乃至第3の発明の何れかで検知した溶融スラ
グのレベルに基づき、冶金炉内を上下移動する上吹き酸
素ランスの高さ位置を制御することを特徴とするもので
ある。
第1の発明乃至第3の発明の何れかで検知した溶融スラ
グのレベルに基づき、冶金炉内を上下移動する上吹き酸
素ランスの高さ位置を制御することを特徴とするもので
ある。
【0009】以下に、内部冷却機能を備えた装置を用い
て冶金炉内の溶融スラグ浴面位置を検知する方法の原理
を添付図面を参照して説明する。先ず最初に内部冷却機
能を備えた装置として水冷パネルを用いてスラグレベル
を検知する方法について説明する。
て冶金炉内の溶融スラグ浴面位置を検知する方法の原理
を添付図面を参照して説明する。先ず最初に内部冷却機
能を備えた装置として水冷パネルを用いてスラグレベル
を検知する方法について説明する。
【0010】図1は鉄鉱石の溶融還元炉の側壁に設置し
た水冷パネル4と水冷パネル前面の炉内状況を示す概略
図である。図1に示すように鉄鉱石の溶融還元炉では水
冷パネル4の途中までに溶融スラグが存在し、水冷パネ
ル4の上部側は炉内雰囲気であるガス空間雰囲気に直接
接触している。この水冷パネル4の抜熱量と溶融スラグ
のレベルとの間には相関関係がある。これは、溶融スラ
グ浴の直上で一酸化炭素や水素が酸素により燃焼して、
ガス空間雰囲気の方がスラグ浴より温度が高くなり、ガ
ス空間雰囲気に曝されている部分の方が熱負荷が大きく
なるためである。又、溶融スラグに浸漬している部分の
水冷パネル4の前面には固化したスラグが付着して断熱
層を形成するため、溶融スラグ中に浸漬している部分の
水冷パネル4の熱負荷が小さくなる原因にもなってい
る。尚、図1においてLは水冷パネル4の全高さ、hs
は水冷パネル4の下端からスラグ浴面までの高さでスラ
グ高さとも云い、As はスラグと接触している部分の水
冷パネルの面積、Ag はガス空間雰囲気と接触している
部分の水冷パネルの面積である。
た水冷パネル4と水冷パネル前面の炉内状況を示す概略
図である。図1に示すように鉄鉱石の溶融還元炉では水
冷パネル4の途中までに溶融スラグが存在し、水冷パネ
ル4の上部側は炉内雰囲気であるガス空間雰囲気に直接
接触している。この水冷パネル4の抜熱量と溶融スラグ
のレベルとの間には相関関係がある。これは、溶融スラ
グ浴の直上で一酸化炭素や水素が酸素により燃焼して、
ガス空間雰囲気の方がスラグ浴より温度が高くなり、ガ
ス空間雰囲気に曝されている部分の方が熱負荷が大きく
なるためである。又、溶融スラグに浸漬している部分の
水冷パネル4の前面には固化したスラグが付着して断熱
層を形成するため、溶融スラグ中に浸漬している部分の
水冷パネル4の熱負荷が小さくなる原因にもなってい
る。尚、図1においてLは水冷パネル4の全高さ、hs
は水冷パネル4の下端からスラグ浴面までの高さでスラ
グ高さとも云い、As はスラグと接触している部分の水
冷パネルの面積、Ag はガス空間雰囲気と接触している
部分の水冷パネルの面積である。
【0011】この特性を利用してスラグレベルを検知す
る。図1に示すモデルにおいて、水冷パネルの炉内側の
全面積をAp (m2 )、スラグと接触している部分の水
冷パネルの面積をAs (m2 )、ガス空間雰囲気と接触
している部分の水冷パネルの面積をAg (m2 )、スラ
グと接触している部分の水冷パネルの熱流速をqs (k
W/m2 )、ガス空間雰囲気と接触している部分の水冷
パネルの熱流速をqg(kW/m2 )、水冷パネル全体
の熱流速をqa (kW/m2 )、水冷パネルを冷却する
冷却水の比熱をCp (kJ/kg・℃)、この冷却水の
水量をwp (kg/s)、水冷パネル入口側の冷却水温
度をTi (℃)、水冷パネル出口側の冷却水温度をTo
(℃)とする。ここで、水冷パネル全体の熱流速(qa
)及びスラグ高さ(hs )は、それぞれ下記の(1)
式及び(2)式で求めることができる。 qa=Cp×wp×(To−Ti)/Ap …(1) hs=(As/Ap)×L…(2)
る。図1に示すモデルにおいて、水冷パネルの炉内側の
全面積をAp (m2 )、スラグと接触している部分の水
冷パネルの面積をAs (m2 )、ガス空間雰囲気と接触
している部分の水冷パネルの面積をAg (m2 )、スラ
グと接触している部分の水冷パネルの熱流速をqs (k
W/m2 )、ガス空間雰囲気と接触している部分の水冷
パネルの熱流速をqg(kW/m2 )、水冷パネル全体
の熱流速をqa (kW/m2 )、水冷パネルを冷却する
冷却水の比熱をCp (kJ/kg・℃)、この冷却水の
水量をwp (kg/s)、水冷パネル入口側の冷却水温
度をTi (℃)、水冷パネル出口側の冷却水温度をTo
(℃)とする。ここで、水冷パネル全体の熱流速(qa
)及びスラグ高さ(hs )は、それぞれ下記の(1)
式及び(2)式で求めることができる。 qa=Cp×wp×(To−Ti)/Ap …(1) hs=(As/Ap)×L…(2)
【0012】又、上記モデルでは下記の(3)式及び
(4)式の関係が成り立つので、(2)式のスラグ高さ
(hs )は、(3)式及び(4)式の関係から(5)式
として求めることができる。 Ap=As+Ag …(3) Ap×qa=As×qs+Ag×qg …(4) hs=(qa−qg)/(qs−qg)×L…(5)
(4)式の関係が成り立つので、(2)式のスラグ高さ
(hs )は、(3)式及び(4)式の関係から(5)式
として求めることができる。 Ap=As+Ag …(3) Ap×qa=As×qs+Ag×qg …(4) hs=(qa−qg)/(qs−qg)×L…(5)
【0013】即ち、スラグ高さ(hs )は熱流速(qs
)、熱流速(qg )、熱流速(qa)から一義的に求め
ることができる。熱流速(qs )や熱流速(qg )はス
ラグ浴面位置によって多少異なる値となるので、熱流速
(qs )や熱流速(qg )をスラグ高さ(hs )の関数
として(5)式に代入し、スラグ高さ(hs )について
再度解くと下記の(6)式が得られる。 hs =f1(qa)…(6)
)、熱流速(qg )、熱流速(qa)から一義的に求め
ることができる。熱流速(qs )や熱流速(qg )はス
ラグ浴面位置によって多少異なる値となるので、熱流速
(qs )や熱流速(qg )をスラグ高さ(hs )の関数
として(5)式に代入し、スラグ高さ(hs )について
再度解くと下記の(6)式が得られる。 hs =f1(qa)…(6)
【0014】ここで、熱流速(qa )は、水冷パネル冷
却水の流量と入側及び出側の水温を測定すれば(1)式
から容易に求めることができる。(6)式は一次関数で
はないが、生産量や送酸量、及び二次燃焼等の操業条件
を変更しなければ再現性のある関数なので、前述のスラ
グレベル測定用プローブ等の手段を用いて、事前に操業
条件毎にスラグ高さ(hs )と熱流速(qa )との関係
を調べて近似曲線を作ることが可能である。このように
した作成した近似曲線に基づき、操業時に測定される熱
流速(qa )を代入すれば、その時のスラグ高さ(hs
)を求めることができる。尚、熱流速(qa )の代わ
りに、熱流速(qa )と水冷パネルの全面積(Ap )と
の積である受熱量を因子とすることもできる。
却水の流量と入側及び出側の水温を測定すれば(1)式
から容易に求めることができる。(6)式は一次関数で
はないが、生産量や送酸量、及び二次燃焼等の操業条件
を変更しなければ再現性のある関数なので、前述のスラ
グレベル測定用プローブ等の手段を用いて、事前に操業
条件毎にスラグ高さ(hs )と熱流速(qa )との関係
を調べて近似曲線を作ることが可能である。このように
した作成した近似曲線に基づき、操業時に測定される熱
流速(qa )を代入すれば、その時のスラグ高さ(hs
)を求めることができる。尚、熱流速(qa )の代わ
りに、熱流速(qa )と水冷パネルの全面積(Ap )と
の積である受熱量を因子とすることもできる。
【0015】鉄鉱石の溶融還元の場合には、前述したよ
うに溶融スラグ浴面と上吹き酸素ランス先端との距離が
一定に保たれて操業が行われる。即ち、操業時間の経過
に伴い上昇してくるスラグ浴面位置の変動に合わせて、
上吹き酸素ランスの先端位置が調整されている。ここで
水冷パネルの下端から上吹き酸素ランス先端までの距離
を上吹き酸素ランスの高さと定義してその高さをh1 と
し、溶融スラグ浴面と上吹き酸素ランス先端との距離を
αすると、上吹き酸素ランスの高さ(h1 )とスラグ高
さ(hs )との間には下記の(7)式の関係が成立す
る。 h1=hs+α=f1(qa)+α…(7)
うに溶融スラグ浴面と上吹き酸素ランス先端との距離が
一定に保たれて操業が行われる。即ち、操業時間の経過
に伴い上昇してくるスラグ浴面位置の変動に合わせて、
上吹き酸素ランスの先端位置が調整されている。ここで
水冷パネルの下端から上吹き酸素ランス先端までの距離
を上吹き酸素ランスの高さと定義してその高さをh1 と
し、溶融スラグ浴面と上吹き酸素ランス先端との距離を
αすると、上吹き酸素ランスの高さ(h1 )とスラグ高
さ(hs )との間には下記の(7)式の関係が成立す
る。 h1=hs+α=f1(qa)+α…(7)
【0016】即ち、上吹き酸素ランスの高さ(h1 )を
レベル変動する溶融スラグに対して一定の距離(α)に
保つためには、熱流速(qa )の値に応じて上記の
(6)式の近似式からスラグ高さ(hs )を求め、上吹
き酸素ランスの高さ(h1 )とスラグ高さ(hs )との
差が距離(α)になるように、上吹き酸素ランスを上下
移動させれば良い。尚、上吹き酸素ランスの高さ(h
1 )は通常、例えばランス駆動装置等により機械的に実
測されている。上吹き酸素ランスの高さ制御方法のフロ
ーチャートを図2に示す。図2のステップ3に示すβは
許容誤差範囲であり、求める操業の精度により適宜決め
られる数値である。
レベル変動する溶融スラグに対して一定の距離(α)に
保つためには、熱流速(qa )の値に応じて上記の
(6)式の近似式からスラグ高さ(hs )を求め、上吹
き酸素ランスの高さ(h1 )とスラグ高さ(hs )との
差が距離(α)になるように、上吹き酸素ランスを上下
移動させれば良い。尚、上吹き酸素ランスの高さ(h
1 )は通常、例えばランス駆動装置等により機械的に実
測されている。上吹き酸素ランスの高さ制御方法のフロ
ーチャートを図2に示す。図2のステップ3に示すβは
許容誤差範囲であり、求める操業の精度により適宜決め
られる数値である。
【0017】次に、内部冷却機能を備えた装置として上
吹き酸素ランスを用いてスラグレベルを検知する方法に
ついて説明する。上吹き酸素ランスは、通常三重管水冷
構造となっており、内筒には酸素、中筒及び外筒には冷
却用の給排水が通されている。上吹き酸素ランスと水冷
パネルとで基本的に異なる点は、水冷パネルが溶融スラ
グ中に浸漬したりガス空間雰囲気に露出したりするのに
対して、上吹き酸素ランスは常にガス空間雰囲気に曝さ
れていることである。従って、上吹き酸素ランスが受け
る熱量はスラグ浴面からの輻射と対流によるが、実際的
にはスラグ浴面からの輻射ではないかと見られており、
上吹き酸素ランスの受熱量とスラグレベルとの関係は、
簡略化すると下記の(8)式で表させる。但し(8)式
においてQ1 は上吹き酸素ランスの受熱量(kW)、σ
はステファンボルツマン定数、Ts はスラグの絶対温度
(K)、T1 は上吹き酸素ランス表面の絶対温度
(K)、kは変数である。 Q1=σ×k×(Ts4−T1 4)…(8) ここで、変数(k)は放射率や形態係数を含み、下記の
(9)式及び(10)式で表される。尚、(9)式及び
(10)式においてαは溶融スラグとランス先端との距
離であり、(10)式は(9)式における「その他」が
一定の場合である。 k=f2(α、その他)…(9) k=f3(α)…(10) 一方、上吹き酸素ランスの受熱量は下記の(11)式で
求めることができる。
吹き酸素ランスを用いてスラグレベルを検知する方法に
ついて説明する。上吹き酸素ランスは、通常三重管水冷
構造となっており、内筒には酸素、中筒及び外筒には冷
却用の給排水が通されている。上吹き酸素ランスと水冷
パネルとで基本的に異なる点は、水冷パネルが溶融スラ
グ中に浸漬したりガス空間雰囲気に露出したりするのに
対して、上吹き酸素ランスは常にガス空間雰囲気に曝さ
れていることである。従って、上吹き酸素ランスが受け
る熱量はスラグ浴面からの輻射と対流によるが、実際的
にはスラグ浴面からの輻射ではないかと見られており、
上吹き酸素ランスの受熱量とスラグレベルとの関係は、
簡略化すると下記の(8)式で表させる。但し(8)式
においてQ1 は上吹き酸素ランスの受熱量(kW)、σ
はステファンボルツマン定数、Ts はスラグの絶対温度
(K)、T1 は上吹き酸素ランス表面の絶対温度
(K)、kは変数である。 Q1=σ×k×(Ts4−T1 4)…(8) ここで、変数(k)は放射率や形態係数を含み、下記の
(9)式及び(10)式で表される。尚、(9)式及び
(10)式においてαは溶融スラグとランス先端との距
離であり、(10)式は(9)式における「その他」が
一定の場合である。 k=f2(α、その他)…(9) k=f3(α)…(10) 一方、上吹き酸素ランスの受熱量は下記の(11)式で
求めることができる。
【0018】尚、(11)式においてwp1はランス冷却
水量(kg/s)、T'oはランス冷却水の出口側温度
(℃)、T'iはランス冷却水の入口側温度(℃)で、C
p は前述したように冷却水の比熱(kJ/kg・℃)で
ある。 Q1=Cp×wp1×(T'o−T'i)…(11) 又、上吹き酸素ランスの表面温度(T1 )は、冷却水温
度と受熱量とから決定されるため、下記の(12)式及
び(13)式で表すことができる。 T1=f4(Q1、T'o、T'i)…(12) T1=f5(wp1、T'o、T'i)…(13) 従って、操業条件が一定の場合(10)式、(11)
式、(13)式を(8)式に代入すると下記の(14)
式が導かれる。 σ×f3(α)×(Ts4−f5(wp1、T'o、T'i)4)=Cp×wp1×(T'o−T'i)…( 14)
水量(kg/s)、T'oはランス冷却水の出口側温度
(℃)、T'iはランス冷却水の入口側温度(℃)で、C
p は前述したように冷却水の比熱(kJ/kg・℃)で
ある。 Q1=Cp×wp1×(T'o−T'i)…(11) 又、上吹き酸素ランスの表面温度(T1 )は、冷却水温
度と受熱量とから決定されるため、下記の(12)式及
び(13)式で表すことができる。 T1=f4(Q1、T'o、T'i)…(12) T1=f5(wp1、T'o、T'i)…(13) 従って、操業条件が一定の場合(10)式、(11)
式、(13)式を(8)式に代入すると下記の(14)
式が導かれる。 σ×f3(α)×(Ts4−f5(wp1、T'o、T'i)4)=Cp×wp1×(T'o−T'i)…( 14)
【0019】この(14)式は上吹き酸素ランスの先端
と溶融スラグ浴面までの距離(α)がランス冷却水量
(wp1)、ランス冷却水の出口側温度(T'o)、ランス
冷却水の入口側温度(T'i)、及び、スラグ温度(Ts
)の関数になっていることを表している。更に、スラ
グ温度(Ts )はランス表面温度(T1 )よりも格段に
高いことから、(14)式は実質的には下記の(15)
式で近似できる。 σ×f3(α)×Ts 4≒Cp×wp1×(T'o−T'i)…(15) (15)式は、上吹き酸素ランスの先端と溶融スラグ浴
面までの距離(α)は上吹き酸素ランスの受熱量(Q
1 )の関数になっていることを示している。
と溶融スラグ浴面までの距離(α)がランス冷却水量
(wp1)、ランス冷却水の出口側温度(T'o)、ランス
冷却水の入口側温度(T'i)、及び、スラグ温度(Ts
)の関数になっていることを表している。更に、スラ
グ温度(Ts )はランス表面温度(T1 )よりも格段に
高いことから、(14)式は実質的には下記の(15)
式で近似できる。 σ×f3(α)×Ts 4≒Cp×wp1×(T'o−T'i)…(15) (15)式は、上吹き酸素ランスの先端と溶融スラグ浴
面までの距離(α)は上吹き酸素ランスの受熱量(Q
1 )の関数になっていることを示している。
【0020】操業条件を一定と考えれば、実質的にスラ
グ温度(Ts )は大体一定であるので、(14)式及び
(15)式より、上吹き酸素ランスの先端と溶融スラグ
浴面までの距離(α)はランス冷却水の受熱量を計測す
ることで認識できることが分かる。実際には生産量、送
酸量、二次燃焼率等の操業条件を一定に保った上で、前
述のスラグレベル測定用プローブ等の手段を用いて、事
前に操業条件毎に距離(α)と受熱量(Q1 )との関係
を調べて、下記の(16)式に示すような近似曲線を作
ることが可能である。このようにして作成した近似曲線
に基づき、操業時に測定される受熱量(Q1 )を代入す
れば、その時の距離(α)を求めることができる。 α=f6(Q1)…(16)
グ温度(Ts )は大体一定であるので、(14)式及び
(15)式より、上吹き酸素ランスの先端と溶融スラグ
浴面までの距離(α)はランス冷却水の受熱量を計測す
ることで認識できることが分かる。実際には生産量、送
酸量、二次燃焼率等の操業条件を一定に保った上で、前
述のスラグレベル測定用プローブ等の手段を用いて、事
前に操業条件毎に距離(α)と受熱量(Q1 )との関係
を調べて、下記の(16)式に示すような近似曲線を作
ることが可能である。このようにして作成した近似曲線
に基づき、操業時に測定される受熱量(Q1 )を代入す
れば、その時の距離(α)を求めることができる。 α=f6(Q1)…(16)
【0021】更に、上吹き酸素ランスの高さ(h1 )
は、通常ランス駆動装置等により機械的に実測されてい
るので、スラグ高さ(hs )は下記の(17)式で求め
ることができる。 hs=h1−α=h1−f6(Q1)…(17)
は、通常ランス駆動装置等により機械的に実測されてい
るので、スラグ高さ(hs )は下記の(17)式で求め
ることができる。 hs=h1−α=h1−f6(Q1)…(17)
【0022】上吹き酸素ランスの高さを溶融スラグ浴面
に対して一定位置に保つためには、上吹き酸素ランスの
高さ(h1 )とスラグ高さ(hs )との間には(18)
式が成立するので、(18)式に示すf6(Q1)、即ち
ランスの受熱量(Q1 )を一定になるように制御すれば
良い。このようにして行われる上吹き酸素ランスの高さ
制御方法のフローチャートを図3に示す。図3のステッ
プ7に示すγは許容誤差範囲であり、求める操業の精度
により適宜決められる数値である。 h1−hs=α=f6(Q1)…(18)
に対して一定位置に保つためには、上吹き酸素ランスの
高さ(h1 )とスラグ高さ(hs )との間には(18)
式が成立するので、(18)式に示すf6(Q1)、即ち
ランスの受熱量(Q1 )を一定になるように制御すれば
良い。このようにして行われる上吹き酸素ランスの高さ
制御方法のフローチャートを図3に示す。図3のステッ
プ7に示すγは許容誤差範囲であり、求める操業の精度
により適宜決められる数値である。 h1−hs=α=f6(Q1)…(18)
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を鉄鉱石の溶融還元
炉に適用した場合について、添付図面を参照して説明す
る。図4は、本発明の実施の形態の1例を示す図であ
り、鉄の溶融還元炉の側断面図である。
炉に適用した場合について、添付図面を参照して説明す
る。図4は、本発明の実施の形態の1例を示す図であ
り、鉄の溶融還元炉の側断面図である。
【0024】図4に示すように、溶融還元炉1は外殻を
炉体鉄皮2とし、この炉体鉄皮2の内側の炉底部と炉底
側の側壁部には内張り煉瓦3が施工され、側壁部にはこ
の内張り煉瓦3の上端部に接続して金属製の水冷パネル
4が設置され、又、炉頂部には排ガスダクト5が設けら
れ、そして、この排ガスダクト5を貫通して上吹き酸素
ランス7が設置されている。上吹き酸素ランス7は、ラ
ンスレベル制御装置13からの信号で作動するランス駆
動装置8により溶融還元炉1内を上下移動可能になって
いる。
炉体鉄皮2とし、この炉体鉄皮2の内側の炉底部と炉底
側の側壁部には内張り煉瓦3が施工され、側壁部にはこ
の内張り煉瓦3の上端部に接続して金属製の水冷パネル
4が設置され、又、炉頂部には排ガスダクト5が設けら
れ、そして、この排ガスダクト5を貫通して上吹き酸素
ランス7が設置されている。上吹き酸素ランス7は、ラ
ンスレベル制御装置13からの信号で作動するランス駆
動装置8により溶融還元炉1内を上下移動可能になって
いる。
【0025】水冷パネル4には冷却水配管9が設置され
ており、その内部が水冷される構造となっている。入側
の冷却水配管9には冷却水の流量計10と温度計11が
設置され、又、出側の冷却水配管9には温度計12が設
置されており、流量計10、温度計11、及び温度計1
2での測定値はランスレベル制御装置13に送信されて
いる。
ており、その内部が水冷される構造となっている。入側
の冷却水配管9には冷却水の流量計10と温度計11が
設置され、又、出側の冷却水配管9には温度計12が設
置されており、流量計10、温度計11、及び温度計1
2での測定値はランスレベル制御装置13に送信されて
いる。
【0026】溶融還元炉1の炉底部にはAr、窒素等の
攪拌用ガスを吹き込むための底吹き羽口(図示せず)が
設けられ、又、側壁の内張り煉瓦3を貫通して内部をマ
ッド剤(図示せず)で充填された出湯口6が設けられて
いる。排ガスダクト5は集塵機(図示せず)や予備還元
炉(図示せず)と連結されている。このようにして構成
された溶融還元炉1では、溶融還元炉1の炉内圧力を大
気圧よりも高くした操業が可能となっている。
攪拌用ガスを吹き込むための底吹き羽口(図示せず)が
設けられ、又、側壁の内張り煉瓦3を貫通して内部をマ
ッド剤(図示せず)で充填された出湯口6が設けられて
いる。排ガスダクト5は集塵機(図示せず)や予備還元
炉(図示せず)と連結されている。このようにして構成
された溶融還元炉1では、溶融還元炉1の炉内圧力を大
気圧よりも高くした操業が可能となっている。
【0027】この溶融還元炉1を用いた鉄鉱石の溶融還
元製錬は、炉内圧を1.5〜2.5気圧に制御しつつ、
鉄鉱石、石炭、生石灰、及び軽焼ドロマイト等を溶融還
元炉1内に装入し、そして、上吹き酸素ランス7から酸
素を吹き込み、底吹き羽口から窒素等を吹き込んで溶銑
14を攪拌しつつ鉄鉱石を溶融還元し、溶銑14及び溶
融スラグ15を製造する。溶銑14が、所定量製造され
且つ水冷パネル4位置に達する以前に、出湯口6を開口
して溶銑14及び溶融スラグ15を溶銑保持容器(図示
せず)に排出する。そして炉内に所定量の溶銑14を残
留させた状態で、出湯口6にマッド剤を充填して排出を
停止して溶融還元製錬の操業を継続する。溶融還元製錬
中の溶融スラグ15の浴面位置は、出湯直後に最も低い
位置となり、操業の経過に伴い水冷パネル4の前面を上
昇する。
元製錬は、炉内圧を1.5〜2.5気圧に制御しつつ、
鉄鉱石、石炭、生石灰、及び軽焼ドロマイト等を溶融還
元炉1内に装入し、そして、上吹き酸素ランス7から酸
素を吹き込み、底吹き羽口から窒素等を吹き込んで溶銑
14を攪拌しつつ鉄鉱石を溶融還元し、溶銑14及び溶
融スラグ15を製造する。溶銑14が、所定量製造され
且つ水冷パネル4位置に達する以前に、出湯口6を開口
して溶銑14及び溶融スラグ15を溶銑保持容器(図示
せず)に排出する。そして炉内に所定量の溶銑14を残
留させた状態で、出湯口6にマッド剤を充填して排出を
停止して溶融還元製錬の操業を継続する。溶融還元製錬
中の溶融スラグ15の浴面位置は、出湯直後に最も低い
位置となり、操業の経過に伴い水冷パネル4の前面を上
昇する。
【0028】このような操業中、流量計10は、水冷パ
ネル4を冷却する冷却水の流量(wp )を測定し、その
測定値をランスレベル制御装置13に送信する。又、温
度計11は水冷パネル4の入口側冷却水温度(Ti )、
及び温度計12は水冷パネル4の出口側冷却水温度(T
o )を測定し、これらの測定値をランスレベル制御装置
13に送信する。ランスレベル制御装置13は、これら
の測定値と冷却水の比熱(Cp )及び水冷パネル4の炉
内側の全面積(Ap )とに基づき、前述の(1)式によ
り水冷パネル全体の熱流速(qa )を算出する。そし
て、生産量や送酸量、及び二次燃焼等の操業条件を一定
にした操業条件毎に予め作成したスラグ高さ(hs )と
熱流速(qa )との近似曲線に基づき、算出した熱流速
(qa )からその時のスラグ高さ(hs )を求める。
ネル4を冷却する冷却水の流量(wp )を測定し、その
測定値をランスレベル制御装置13に送信する。又、温
度計11は水冷パネル4の入口側冷却水温度(Ti )、
及び温度計12は水冷パネル4の出口側冷却水温度(T
o )を測定し、これらの測定値をランスレベル制御装置
13に送信する。ランスレベル制御装置13は、これら
の測定値と冷却水の比熱(Cp )及び水冷パネル4の炉
内側の全面積(Ap )とに基づき、前述の(1)式によ
り水冷パネル全体の熱流速(qa )を算出する。そし
て、生産量や送酸量、及び二次燃焼等の操業条件を一定
にした操業条件毎に予め作成したスラグ高さ(hs )と
熱流速(qa )との近似曲線に基づき、算出した熱流速
(qa )からその時のスラグ高さ(hs )を求める。
【0029】更に、ランスレベル制御装置13は、この
ようにして求めたスラグ高さ(hs)と、ランス駆動装
置8より機械的に実測される上吹き酸素ランスの高さ
(h1)とに基づき、上吹き酸素ランス7の先端と溶融
スラグ15の浴面位置との距離(α)が一定になるよう
に、前述の図2に示すフローチャートにより、上吹き酸
素ランスの高さ(h1 )を制御して、その信号をランス
駆動装置8に連続的又は周期的にフィードバックする。
ようにして求めたスラグ高さ(hs)と、ランス駆動装
置8より機械的に実測される上吹き酸素ランスの高さ
(h1)とに基づき、上吹き酸素ランス7の先端と溶融
スラグ15の浴面位置との距離(α)が一定になるよう
に、前述の図2に示すフローチャートにより、上吹き酸
素ランスの高さ(h1 )を制御して、その信号をランス
駆動装置8に連続的又は周期的にフィードバックする。
【0030】本実施の形態では詳細な説明は省略する
が、スラグ高さ(hs )の検知は、「課題を解決するた
めの手段」の欄で述べたように上吹き酸素ランス7を冷
却するランス冷却水量(wp1)、ランス冷却水の出口側
温度(T'o)、ランス冷却水の入口側温度(T'i)に基
づく、上吹き酸素ランス7の受熱量からも検知すること
が可能である。そして、前述したように上吹き酸素ラン
ス7により検知したスラグ高さ(hs )から上吹き酸素
ランスの高さ(h1 )を制御することができる。
が、スラグ高さ(hs )の検知は、「課題を解決するた
めの手段」の欄で述べたように上吹き酸素ランス7を冷
却するランス冷却水量(wp1)、ランス冷却水の出口側
温度(T'o)、ランス冷却水の入口側温度(T'i)に基
づく、上吹き酸素ランス7の受熱量からも検知すること
が可能である。そして、前述したように上吹き酸素ラン
ス7により検知したスラグ高さ(hs )から上吹き酸素
ランスの高さ(h1 )を制御することができる。
【0031】又、本発明によるスラグレベル検知方法の
適用装置は、水冷パネル4及び上吹き酸素ランス7に限
るものではなく、溶融還元炉1の炉内ガス空間雰囲気に
その一部分が直接接触する、内部冷却型の装置であれ
ば、その装置の受熱量からスラグレベルを検知すること
ができる。換言すれば、内部冷却型の装置であっても操
業中溶融スラグ15に埋没したままの装置では、本発明
によるスラグレベル検知方法を適用することができな
い。
適用装置は、水冷パネル4及び上吹き酸素ランス7に限
るものではなく、溶融還元炉1の炉内ガス空間雰囲気に
その一部分が直接接触する、内部冷却型の装置であれ
ば、その装置の受熱量からスラグレベルを検知すること
ができる。換言すれば、内部冷却型の装置であっても操
業中溶融スラグ15に埋没したままの装置では、本発明
によるスラグレベル検知方法を適用することができな
い。
【0032】更に、本発明のスラグレベル検知方法は、
溶融還元炉1に限るものではなく、酸素を吹き込み、鉄
スクラップを連続的に溶解する鉄のスクラップ溶解炉
や、酸素を吹き込み、Ni鉱石やCr鉱石をコークスで
還元して溶融状態のFe−Ni合金及びFe−Cr合金
を製造する製錬炉、及び、製鋼用又は銅製錬用の転炉
等、その内部に溶融スラグを収容する冶金炉であれば上
記に従って適用することができる。
溶融還元炉1に限るものではなく、酸素を吹き込み、鉄
スクラップを連続的に溶解する鉄のスクラップ溶解炉
や、酸素を吹き込み、Ni鉱石やCr鉱石をコークスで
還元して溶融状態のFe−Ni合金及びFe−Cr合金
を製造する製錬炉、及び、製鋼用又は銅製錬用の転炉
等、その内部に溶融スラグを収容する冶金炉であれば上
記に従って適用することができる。
【0033】以上説明したように、本発明では、溶融還
元炉や転炉等の冶金炉に設置されている水冷パネルや上
吹き酸素ランス等の内部冷却型の装置が受ける熱量から
溶融スラグ高さを検知するので、スラグレベルの連続測
定が可能になると共に、消耗型のスラグレベル測定用プ
ローブを使用する必要がなく、製造コストの上昇を抑え
ることができる。そして、このようにして検知したスラ
グレベルに基づき上吹き酸素ランスの高さを制御するの
で、リアルタイムに且つ精度良くランス高さを制御する
ことができる。
元炉や転炉等の冶金炉に設置されている水冷パネルや上
吹き酸素ランス等の内部冷却型の装置が受ける熱量から
溶融スラグ高さを検知するので、スラグレベルの連続測
定が可能になると共に、消耗型のスラグレベル測定用プ
ローブを使用する必要がなく、製造コストの上昇を抑え
ることができる。そして、このようにして検知したスラ
グレベルに基づき上吹き酸素ランスの高さを制御するの
で、リアルタイムに且つ精度良くランス高さを制御する
ことができる。
【0034】尚、上記説明では冷却媒体が水の場合につ
いて説明したが、空気や油等を冷却媒体とした場合も本
発明を適用することができる。その場合には(1)式に
おいて冷却水の比熱(Cp )の代わりに、これらの冷却
媒体の比熱を用いれば良い。又、上記説明では冷却媒体
の温度上昇に基づき内部冷却型装置の受熱量を求めるて
いるが、内部冷却型装置内の温度勾配を測定して、この
温度勾配から熱流速を算出する方法としても良い。
いて説明したが、空気や油等を冷却媒体とした場合も本
発明を適用することができる。その場合には(1)式に
おいて冷却水の比熱(Cp )の代わりに、これらの冷却
媒体の比熱を用いれば良い。又、上記説明では冷却媒体
の温度上昇に基づき内部冷却型装置の受熱量を求めるて
いるが、内部冷却型装置内の温度勾配を測定して、この
温度勾配から熱流速を算出する方法としても良い。
【0035】
【実施例】[実施例1]図4に示す構成の溶融還元炉に
おける水冷パネルの受熱量とスラグレベルとの関係の調
査結果を図5に示す。図5において●印はスラグレベル
測定用プローブによる実測値で、曲線は実測値から求め
た近似曲線である。図5に示すように、水冷パネルの受
熱量とスラグレベルとの間には良い相関が認められ、水
冷パネルの受熱量からスラグレベルを検知することが可
能であることが分かった。
おける水冷パネルの受熱量とスラグレベルとの関係の調
査結果を図5に示す。図5において●印はスラグレベル
測定用プローブによる実測値で、曲線は実測値から求め
た近似曲線である。図5に示すように、水冷パネルの受
熱量とスラグレベルとの間には良い相関が認められ、水
冷パネルの受熱量からスラグレベルを検知することが可
能であることが分かった。
【0036】そして、図5に示す近似曲線に基づき、上
吹き酸素ランスと溶融スラグ浴面位置との距離(α)を
0.3mとして、上吹き酸素ランスの高さ位置を制御し
た。図6はこのようにして制御した上吹き酸素ランス位
置の経時変化を示す図である。尚、図6の●印はスラグ
レベル測定用プローブによるスラグレベルの実測値であ
る。図6に示すように、本発明を適用することにより、
上吹き酸素ランス高さは、溶融スラグ浴面位置に対して
精度良く制御されることが分かった。
吹き酸素ランスと溶融スラグ浴面位置との距離(α)を
0.3mとして、上吹き酸素ランスの高さ位置を制御し
た。図6はこのようにして制御した上吹き酸素ランス位
置の経時変化を示す図である。尚、図6の●印はスラグ
レベル測定用プローブによるスラグレベルの実測値であ
る。図6に示すように、本発明を適用することにより、
上吹き酸素ランス高さは、溶融スラグ浴面位置に対して
精度良く制御されることが分かった。
【0037】[実施例2]図4に示す構成の溶融還元炉
における上吹き酸素ランスの受熱量とスラグレベルとの
関係の調査結果を図7に示す。尚、図4には図示してい
ないが、ランス冷却水の流量を測定する流量計、ランス
冷却水の出口側温度を測定する温度計、及びランス冷却
水の入口側温度を測定する温度計を設け、上吹き酸素ラ
ンスの受熱量はこれらの測定値により算出した。図7に
おいて●印はスラグレベル測定用プローブによる実測値
で、曲線は実測値から求めた近似曲線である。図7に示
すように、上吹き酸素ランスの受熱量とスラグレベルと
の間には良い相関が認められ、上吹き酸素ランスの受熱
量からスラグレベルを検知することが可能であることが
分かった。
における上吹き酸素ランスの受熱量とスラグレベルとの
関係の調査結果を図7に示す。尚、図4には図示してい
ないが、ランス冷却水の流量を測定する流量計、ランス
冷却水の出口側温度を測定する温度計、及びランス冷却
水の入口側温度を測定する温度計を設け、上吹き酸素ラ
ンスの受熱量はこれらの測定値により算出した。図7に
おいて●印はスラグレベル測定用プローブによる実測値
で、曲線は実測値から求めた近似曲線である。図7に示
すように、上吹き酸素ランスの受熱量とスラグレベルと
の間には良い相関が認められ、上吹き酸素ランスの受熱
量からスラグレベルを検知することが可能であることが
分かった。
【0038】そして、図7に示す近似曲線に基づき、上
吹き酸素ランスと溶融スラグ浴面位置との距離(α)を
0.3mとして、上吹き酸素ランスの高さ位置を制御し
た。図8はこのようにして制御した上吹き酸素ランス位
置の経時変化を示す図である。尚、図8の●印はスラグ
レベル測定用プローブによるスラグレベルの実測値であ
る。図8に示すように、本発明を適用することにより、
上吹き酸素ランス高さは、溶融スラグ浴面位置に対して
精度良く制御されることが分かった。
吹き酸素ランスと溶融スラグ浴面位置との距離(α)を
0.3mとして、上吹き酸素ランスの高さ位置を制御し
た。図8はこのようにして制御した上吹き酸素ランス位
置の経時変化を示す図である。尚、図8の●印はスラグ
レベル測定用プローブによるスラグレベルの実測値であ
る。図8に示すように、本発明を適用することにより、
上吹き酸素ランス高さは、溶融スラグ浴面位置に対して
精度良く制御されることが分かった。
【0039】
【発明の効果】本発明では、溶融還元炉や転炉等の冶金
炉に設置されている水冷パネルや上吹き酸素ランス等の
内部冷却型の装置が受ける熱量から溶融スラグの高さを
検知するので、スラグレベルの連続測定が可能になると
共に、消耗型のスラグレベル測定用プローブを使用する
必要がなく、製造コストの上昇を抑えることができる。
そして、このようにして検知したスラグレベルに基づき
上吹き酸素ランスの高さを制御するので、リアルタイム
に且つ精度良くランス高さを制御することができる。
炉に設置されている水冷パネルや上吹き酸素ランス等の
内部冷却型の装置が受ける熱量から溶融スラグの高さを
検知するので、スラグレベルの連続測定が可能になると
共に、消耗型のスラグレベル測定用プローブを使用する
必要がなく、製造コストの上昇を抑えることができる。
そして、このようにして検知したスラグレベルに基づき
上吹き酸素ランスの高さを制御するので、リアルタイム
に且つ精度良くランス高さを制御することができる。
【図1】鉄鉱石の溶融還元炉の側壁に設置した水冷パネ
ルとその前面の炉内状況を示す概略図である。
ルとその前面の炉内状況を示す概略図である。
【図2】本発明に係る、水冷パネルにて検知したスラグ
レベルに基づき、上吹き酸素ランス高さを制御する方法
を示すフローチャート図である。
レベルに基づき、上吹き酸素ランス高さを制御する方法
を示すフローチャート図である。
【図3】本発明に係る、上吹き酸素ランスにて検知した
スラグレベルに基づき、上吹き酸素ランス高さを制御す
る方法を示すフローチャート図である。
スラグレベルに基づき、上吹き酸素ランス高さを制御す
る方法を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施の形態の1例を示す図であり鉄の
溶融還元炉の側断面図である。
溶融還元炉の側断面図である。
【図5】本発明の実施例における、水冷パネルの受熱量
とスラグレベルとの関係の調査結果を示す図である。
とスラグレベルとの関係の調査結果を示す図である。
【図6】本発明の実施例における、水冷パネルで検知し
たスラグレベルに基づいて制御した上吹き酸素ランスの
高さ位置の経時変化を示す図である。
たスラグレベルに基づいて制御した上吹き酸素ランスの
高さ位置の経時変化を示す図である。
【図7】本発明の実施例における、上吹き酸素ランスの
受熱量とスラグレベルとの関係の調査結果を示す図であ
る。
受熱量とスラグレベルとの関係の調査結果を示す図であ
る。
【図8】本発明の実施例における、上吹き酸素ランスで
検知したスラグレベルに基づいて制御した上吹き酸素ラ
ンスの高さ位置の経時変化を示す図である。
検知したスラグレベルに基づいて制御した上吹き酸素ラ
ンスの高さ位置の経時変化を示す図である。
1 溶融還元炉 2 炉体鉄皮 3 内張り煉瓦 4 水冷パネル 5 排ガスダクト 6 出湯口 7 上吹き酸素ランス 8 ランス駆動装置 9 冷却水配管 10 流量計 11 温度計 12 温度計 13 ランスレベル制御装置 14 溶銑 15 溶融スラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 3/16 F27D 3/16 4K055 G01F 23/22 G01F 23/22 A 4K056 // C22B 9/05 C22B 9/05 (72)発明者 川上 正弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 岩崎 克博 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2F014 AA08 AC06 CA10 4K001 AA10 BA05 DA05 EA03 GA06 GB03 GB11 4K002 AE10 AF10 BF10 CA01 4K012 CA04 CA10 4K013 CA19 4K055 MA08 MA13 MA17 4K056 CA02 CA07 FA01 FA13 FA17
Claims (4)
- 【請求項1】 その内部に冷却媒体を通し、この冷却媒
体により強制的に冷却される内部冷却機能を備えた装置
を、該装置の外面の少なくとも一部分が溶融スラグを収
容した冶金炉の炉内ガス空間雰囲気に直接接触するよう
に配置し、この内部冷却機能を備えた装置が冶金炉内で
受ける熱量から冶金炉内の溶融スラグ浴面位置を検知す
ることを特徴とするスラグレベル検知方法。 - 【請求項2】 前記内部冷却機能を備えた装置が、冶金
炉の側壁に設けられた水冷パネルであることを特徴とす
る請求項1に記載のスラグレベル検知方法。 - 【請求項3】 前記内部冷却機能を備えた装置が、冶金
炉内を上下移動する上吹き酸素ランスであることを特徴
とする請求項1に記載のスラグレベル検知方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れか1つに記
載の方法で検知した溶融スラグのレベルに基づき、冶金
炉内を上下移動する上吹き酸素ランスの高さ位置を制御
することを特徴とするランス高さ制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000193621A JP2002013881A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | スラグレベル検知方法及びそれに基づくランス高さ制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000193621A JP2002013881A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | スラグレベル検知方法及びそれに基づくランス高さ制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002013881A true JP2002013881A (ja) | 2002-01-18 |
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ID=18692581
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JP2000193621A Pending JP2002013881A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | スラグレベル検知方法及びそれに基づくランス高さ制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002013881A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009256794A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-11-05 | Kobe Steel Ltd | 溶鉄製造方法 |
JP2020105552A (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-09 | 日本製鉄株式会社 | 精錬用水冷ランス及び脱炭吹練方法 |
JP7471986B2 (ja) | 2020-10-01 | 2024-04-22 | 三菱重工業株式会社 | スラグ溶融バーナ装置、ガス化炉及びガス化複合発電設備並びにスラグ溶融バーナ装置の制御方法 |
-
2000
- 2000-06-28 JP JP2000193621A patent/JP2002013881A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009256794A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-11-05 | Kobe Steel Ltd | 溶鉄製造方法 |
JP2020105552A (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-09 | 日本製鉄株式会社 | 精錬用水冷ランス及び脱炭吹練方法 |
JP7225793B2 (ja) | 2018-12-26 | 2023-02-21 | 日本製鉄株式会社 | 精錬用水冷ランス及び脱炭吹練方法 |
JP7471986B2 (ja) | 2020-10-01 | 2024-04-22 | 三菱重工業株式会社 | スラグ溶融バーナ装置、ガス化炉及びガス化複合発電設備並びにスラグ溶融バーナ装置の制御方法 |
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