JP2002003563A - カリックスアレーン誘導体及びそれを含有するアルカリ現像型光硬化性組成物 - Google Patents
カリックスアレーン誘導体及びそれを含有するアルカリ現像型光硬化性組成物Info
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Abstract
ーン誘導体、及び該カリックスアレーン誘導体を含有
し、光硬化性、アルカリ現像性に優れ、高耐熱性、高解
像性を示す光硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示される重合性不飽
和基とフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を
併せ持つカリックスアレーン誘導体が提供される。さら
に、(A)下記一般式(1)で示されるカリックスアレ
ーン誘導体、(B)光重合開始剤、(C)反応性希釈
剤、及び(D)有機溶媒を必須成分として含有するアル
カリ現像型光硬化性組成物が提供される。 【化1】
Description
であるカリックスアレーン誘導体及びそれを含有するア
ルカリ現像型光硬化性組成物に関する。
ルムアルデヒドの縮合により生成する環状オリゴマーで
ある。カリックスアレーン及びその誘導体は、円錐台形
の周側面に沿ってベンゼン環が配されたようなその特有
の構造から、クラウンエーテルやシクロデキストリンに
次ぐ、第三の包接化合物として注目され、これまで主に
分子認識を中心とした研究がなされてきた。さらには、
カリックスアレーンは安価なフェノールとホルムアルデ
ヒドから容易に合成できること、その特有の構造から高
い熱安定性を示すこと、及び分子サイズが小さく、その
誘導体の成膜性が良好であることなどから、高機能材料
としての応用が期待されている。近年、例えば特開平9
−263560号や特開平11−43524号に記載の
ように、カリックスアレーンの水酸基に重合性不飽和基
を化学修飾させて、光機能性を持たせたカリックスアレ
ーン誘導体の報告がなされている。しかしながら、アル
カリ可溶性基と重合性不飽和基を併せ持つカリックスア
レーン誘導体及びそれを用いたアルカリ現像型光硬化性
組成物に関する報告は未だなされていない。
は、カリックスアレーンの水酸基に重合性不飽和基を導
入することで優れた光硬化性を持たせると共に、同一分
子内に水酸基及び/又はカルボキシル基を含有すること
でアルカリ可溶性を付与した、高耐熱性を示すカリック
スアレーン誘導体を提供することにある。さらに本発明
の目的は、上記のようなカリックスアレーン誘導体を含
有するアルカリ現像型の光硬化性組成物を提供すること
にある。
に、本発明によれば、下記一般式(1)で示される重合
性不飽和基とフェノール性水酸基及び/又はカルボキシ
ル基を併せ持つカリックスアレーン誘導体が提供され
る。
(1)で示される重合性不飽和基とフェノール性水酸基
及び/又はカルボキシル基を併せ持つカリックスアレー
ン誘導体、(B)光重合開始剤、(C)反応性希釈剤、
及び(D)有機溶剤を必須成分として含有することを特
徴とするアルカリ現像型光硬化性組成物が提供される。
なお、前記一般式(1)において、各官能基を含む部分
(アルキルベンジル部分)はランダムでもブロックでも
よく、また、m及び(1−m)はそれらの平均存在数を
表わしている。
るために鋭意検討した結果、特定の構造を有するカリッ
クスアレーン誘導体が光硬化性、アルカリ可溶性、及び
耐熱性を満たすことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の前記一般式(1)で示されるカ
リックスアレーン誘導体(A)は、p−アルキルフェノ
ールとホルムアルデヒドの縮合により生成するp−アル
キルカリックスアレーンの水酸基を部分的に又は完全に
化学修飾した点に特徴を有する。つまり、p−アルキル
カリックスアレーンに重合性不飽和基を部分的に導入さ
せることで光硬化性を持たせると同時に、一部の未修飾
の水酸基をそのまま残存させること、又はその未修飾の
水酸基の一部又は全部にさらにカルボキシル基を導入す
ることで、アルカリ可溶性を付与したものであり、この
光硬化性樹脂に未修飾水酸基及び/又はカルボキシル基
が存在することによってアルカリ現像に利用することが
可能となる。それゆえ、このようなカリックスアレーン
誘導体を適当な光重合開始剤と共存させることで、光照
射により容易に重合し、アルカリ溶液により現像可能
な、高い熱安定性を示す硬化組成物が得られる。
原料であるp−アルキルカリックスアレーンの合成は、
p−アルキルフェノールとホルムアルデヒドを水酸化カ
リウムや水酸化ナトリウムなどの塩基性触媒の存在下で
加熱反応させる従来公知の手法により容易に合成でき
る。従来公知の反応条件により3〜10量体のカリック
スアレーンを選択的に合成することができるが、特に4
〜8量体が好ましい。
アルキル基は、炭素数1〜12のものである必要があ
る。カリックスアレーンのp−位に電子供与性のアルキ
ル基が導入されていることで、その後の化学修飾が容易
になる。しかしながら、アルキル基の炭素数が12を超
えると、得られるカリックスアレーン誘導体の耐熱性が
劣化しやすくなるため好ましくない。工業的見地から
は、上記のアルキル基としてメチル基、イソブチル基、
t−ブチル基、t−オクチル基などが好ましく、耐熱性を
考慮するとメチル基、イソブチル基、t−ブチル基が好
ましい。
法に従い、p−アルキルカリックスアレーンとアクリル
酸クロリド、メタクリル酸クロリドなどの不飽和基含有
ハロゲン化物を適当な塩基の存在下、反応させることで
製造することができる。塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ピリジン、トリエチルアミンなど
無機及び有機塩基のいずれも使用可能である。反応温度
は、用いる反応溶剤の沸点を超えなければいかなる温度
でも可能であるが、経済性を考慮すると0℃から100
℃の範囲が好ましい。より好ましくは、20℃から70
℃である。
和基含有ハロゲン化物の割合(仕込み時の当量割合)
は、カリックスアレーンの水酸基1モルに対して0.1
モル以上、2.5モル未満の範囲で任意に選択可能であ
る。0.1モル未満では、得られる誘導体の光硬化性が
低く、得られる硬化物の物性低下が生じる可能性があ
る。一方、2.5モル以上では、カリックスアレーン類
の水酸基が全て反応してしまい、アルカリ可溶性が損な
われてしまうので好ましくない。
させるために、未修飾の水酸基に部分的に又は未修飾の
水酸基全てにカルボキシル基を導入することができる。
このカルボキシル基の導入法は、例えば、無水コハク酸
やテトラヒドロテレフタル酸無水物、ヘキサヒドロテレ
フタル酸無水物等の公知慣用の酸無水物類との付加反
応、ブロモ酢酸やクロロ酢酸等のハロゲン化アルキルと
の縮合反応等が挙げられる。
は、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する
ものであればいかなる化合物でも使用可能である。具体
的には、ベンゾインやベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエ
ーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキ
シ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェ
ノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアント
ラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロ
アントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチ
ルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチ
オキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジ
メチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケター
ル類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ
−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3´,4,
4´−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチルチオ−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−
プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オ
ン等のアミノアセトフェノン類;2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルホスフィンオキシド等のアルキルホスフィ
ン類;9−フェニルアクリジン等のアクリジン類などが
挙げられる。
ジカルを発生する光重合開始剤(B)は、1種又は2種
以上の混合物として使用することが可能であり、その配
合量は、カリックスアレーン誘導体(A)100質量部
に対して0.1〜30質量部の範囲とすることが好まし
い。0.1質量部より少ない場合は活性エネルギー線の
照射を行なっても硬化しない、もしくは照射時間を増や
す必要があり、適切な塗膜物性が得られなくなる。一
方、30質量部を超えて多量に添加しても、光硬化性に
変化はなく、経済的に好ましくない。
エネルギー線による硬化を促進させるために、促進剤又
は増感剤を前記光重合開始剤(B)と併用してもよい。
併用しうる促進剤又は増感剤としては、トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノ
ール、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステ
ル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステ
ル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート等の3
級アミン類;β−チオジグリコール等のチオエーテル
類;(ケト)クマリン、チオキサンテン等の増感色素
類、及びシアニン、ローダミン、サフラニン、マラカイ
トグリーン、メチレンブルー等の色素のアルキルホウ酸
塩などが挙げられる。これらの増感剤は、それぞれ単独
でもしくは2種以上を混合して使用してもよい。その使
用量は、カリックスアレーン誘導体(A)100質量部
に対し、0.1〜30質量部の割合が好ましい。
応性希釈剤(C)を配合することができる。この反応性
希釈剤(C)は、所望の硬化特性に応じて、カリックス
アレーン誘導体(A)100質量部に対し5〜500質
量部の割合で配合することが好ましい。
関与できる重合性基を有する化合物であればよく、単官
能(メタ)アクリレート類及び/又は多官能(メタ)ア
クリレート類などの公知の反応性希釈剤が使用可能であ
る。具体的な例としては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ト
リデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボ
ロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステル
アクリレート、及び二塩基酸無水物と1分子中に少なく
とも1個以上の不飽和基を有するアルコールとの反応物
を挙げることができる。なお、本明細書中において、
(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレ
ート及びそれらの混合物を総称する用語である(他の類
似の表現についても同様)。
ものが好ましい。その使用量は、組成物が塗布方法に適
した粘度となるように調整すればよいが、概ねカリック
スアレーン誘導体(A)100質量部に対し50〜50
0質量部の割合で使用すればよい。有機溶剤の具体例と
しては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル等のアルコール類;エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール
エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジ
オキサン等のエーテル類;メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の
炭化水素類などが挙げられる。
反応性を損なわない範囲で、必要に応じて硫酸バリウ
ム、酸化ケイ素、タルク、クレー、炭酸カルシウムなど
の公知慣用の充填剤、フタロシアニングリーン、フタロ
シアニンブルー、酸化チタン、カーボンブラックなどの
公知慣用の着色顔料、消泡剤、密着性付与剤、レベリン
グ剤などの各種添加剤類を加えてもよい。
光硬化性組成物は、基板上に適当な方法で塗布し、活性
エネルギー線の照射によって硬化させる。例えば、レジ
ストパターン形成の場合には、得られた光硬化性組成物
に前記したような反応性希釈剤(C)や有機溶剤(D)
を添加したりして所望の粘度に調整した後、スクリーン
印刷法、カーテンコーティング法、ロールコーティング
法、ディップコーティング法、スピンコーティング法な
どの適宜の塗布方法によりプリント配線板等の基材上に
塗布し、例えば約60〜120℃の温度で仮乾燥するこ
とで組成物中に含まれる有機溶剤を除去し、タックフリ
ーの塗膜を形成する。その後、所定の露光パターンを形
成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線
により露光し、未露光部をアルカリ水溶液により現像し
てレジストパターンを形成できる。
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、アンモニア、有機
アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシドな
どの水溶液が使用できる。
性エネルギー線照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水
銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メ
タルハライドランプなどの工業的に利用し得る光源が適
当である。その他、レーザー光線、電子線、X線などの
公知の活性光線のいずれも用いることができる。
説明する。しかしながら、これはあくまで一例であって
本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは勿
論である。
アレーン1.20g(10ミリモル)とトリエチルアミ
ン2.53g(25ミリモル)とフェノチアジン0.0
3mgをN−メチルピロリドン6mlに溶かし、その後ア
クリル酸クロリド1.81g(20ミリモル)を少量ず
つ滴下し、さらに共洗い用のN−メチルピロリドンを6
ml加えた。反応は室温で24時間行ない、反応終了後、
反応母液を弱塩酸でpH4〜5に調整した氷水200ml
に注ぎ、析出物を再沈殿により精製し、p−メチルカリ
ックス−[6]−アレーンアクリレートを1.51g得
た。反応率は1H−NMRより算出し、平均で83.0
%の反応率であった。また、この化合物は、3%水酸化
ナトリウム水溶液に可溶であった。
モル)に変更した以外は、合成例1と同様に行なった。
その結果、p−メチルカリックス−[6]−アレーンメ
タクリレート1.67gを得た。1H−NMRよりエス
テル化率は67%であった。この化合物は、3%水酸化
ナトリウム水溶液に可溶であった。
N−メチルピロリドン6mlに溶解し、氷冷下で水酸化ナ
トリウム0.12g(5ミリモル)を加え、50℃で3
時間攪拌した。その後、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド0.08g(0.25ミリモル)と2−クロロビニ
ルエーテル0.50ml(4.1ミリモル)を加え、80
℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応母液を氷水に
注ぎ、デカンテーションにより油状物を回収した。それ
をクロロホルムに溶解し、水洗後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥させ、濃縮した後、メタノールに再沈殿させて
精製することより、粉末状の白色固体を得た。反応率は
1H−NMRより算出し、平均で82.0%の反応率で
あった。また、この化合物は、3%水酸化ナトリウム水
溶液に可溶であった。
水酸化カリウム0.34g(5ミリモル)をN−メチル
ピロリドン6mlに溶解し、室温で3時間攪拌した。その
後、テトラブチルアンモニウムブロミド0.08g
(0.25ミリモル)とプロパルギルブロミド0.40
ml(3.9ミリモル)を加え、50℃で8時間攪拌し
た。反応終了後、反応母液を水に注ぎ、析出固体をろ別
して回収した。それをクロロホルムに溶解し、水洗後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した後、メタノ
ールに再沈殿させて精製することより、粉末状の白色固
体を得た。反応率は1H−NMRより算出し、平均で7
8.0%の反応率であった。また、この化合物は、3%
水酸化ナトリウム水溶液に可溶であった。
水酸化カリウム0.17g(2.5ミリモル)をN−メ
チルピロリドン6mlに溶解し、室温で3時間攪拌した。
その後、テトラブチルアンモニウムブロミド0.08g
(0.25ミリモル)とアリルブロミド0.235ml
(2.5ミリモル)を加え、50℃で8時間攪拌した。
反応終了後、反応母液を水に注ぎ、析出固体をろ別して
回収した。それをクロロホルムに溶解し、水洗後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した後、メタノール
に再沈殿させて精製することより、粉末状の白色固体を
得た。反応率は1H−NMRより算出し、平均で50.
0%の反応率であった。得られた白色粉末0.40g
(2.5ミリモル)とカリウム−tert−ブトキシド
0.14g(1.25ミリモル)を6mlのN−メチルピ
ロリドンに溶解し、80℃で24時間反応を行なった。
反応終了後、反応母液を水に注ぎ、析出固体をろ別して
回収した。それをクロロホルムに溶解し、水洗後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した後、メタノール
に再沈殿させて精製することより、粉末状の白色固体を
得た。アリル基のプロペニル基への異性化率は100%
であった。また、この化合物は、3%水酸化ナトリウム
水溶液に可溶であった。
N−メチルピロリドン6mlに溶解し、氷冷下で水酸化ナ
トリウム0.12g(5ミリモル)を少量ずつ加え、5
0℃で3時間攪拌した。次に、テトラブチルアンモニウ
ムブロミド0.08g(0.25ミリモル)と少量のフ
ェノチアジン及びビニルベンジルクロリド0.76g
(5ミリモル)をそれぞれ加え、80℃で12時間攪拌
した。反応終了後、反応母液を氷水に注ぎ、デカンテー
ションにより油状物を回収した。それをクロロホルムに
溶解し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃
縮した後、メタノールに再沈殿させて精製することよ
り、粉末状の白色固体を得た。反応率は1H−NMRよ
り算出し、平均で83.0%の反応率であった。また、
この化合物は、3%水酸化ナトリウム水溶液に可溶であ
った。
レーンアクリレート(反応率83.0%)9.95gと
少量のフェノチアジン、炭酸セシウム3.26g(10
ミリモル)をN−メチルピロリドン6mlに溶解し、5
0℃で3時間攪拌した。その後、テトラフェニルホスホ
ニウムブロミド0.16g(5モル%)、ブロモ酢酸
2.78g(20ミリモル)を5mlのN−メチルピロ
リドンに溶解させた混合溶液を滴下し、80℃で24時
間反応を行なった。反応終了後、反応母液を水に落と
し、弱塩酸で酸析し、析出物をろ収した。それをクロロ
ホルムに溶解し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
させ、濃縮した後、n−へキサンにて再沈殿させて精製
することにより、粉末状の褐色固体を得た。この化合物
は、3%水酸化ナトリウム水溶液に可溶であった。
[6]−アレーンアクリレート(反応率50.0%)
2.96gと少量のフェノチアジン、トリフェニルホス
フィン0.070g(5モル%)、テトラヒドロフタル
酸無水物3.09g(20ミリモル)を6mlのN−メ
チルピロリドンに溶解し、90℃で12時間反応を行な
った。反応終了後、反応母液をクロロホルムに溶解し、
水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した
後、n−へキサンにて再沈殿させて精製することによ
り、粉末状の褐色固体を得た。この化合物は、3%水酸
化ナトリウム水溶液に可溶であった。
体を用いた下記の配合成分をボールミルで混合し、光硬
化性組成物を調製した。 カリックスアレーン誘導体 100部 イルガキュアー 907 10部 (チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の光重合開始剤) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20部 シリコーン系消泡剤 1部 1,4−ジオキサン 100部 合計 231部 各光硬化性組成物をバーコーターにて銅板上に25μm
の膜厚に塗布し、80℃にて20分加熱して希釈溶剤を
除去し、乾燥塗膜を得た。この塗膜にフォトマスクを密
着させ、積算光量2000mJ/cm2の紫外線を照射
した。照射後、3%テトラメチルアンモニウムハイドロ
オキシド水溶液に浸漬して60秒間現像し、蒸留水にて
30秒間水洗した。その結果、露光部が硬化したネガ型
のパターンが得られた。また、露光部は、THF(テト
ラヒドロフラン)に不溶であった。
た各光硬化性組成物をバーコーターにて銅板上に25μ
mの膜厚に塗布し、80℃にて20分加熱して希釈溶剤
を除去し、乾燥塗膜を得た。この塗膜に積算光量200
0mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、得られた
硬化塗膜を剛体振り子型粘弾性測定装置(レオ・バイブ
ロン)を用い、室温から300℃まで加熱を行ないなが
ら各硬化塗膜の軟化温度を測定した。なおその際、比較
例としては、前記のカリックスアレーン誘導体を昭和高
分子(株)製のVR−77−11(ビスフェノールAタイ
プのアクリレート樹脂)に置き換えた以外は同一の組成
の光硬化性組成物を用いて比較評価を行なった。その結
果を表1に示す。
導体含有光硬化性組成物を用いて得られる硬化物は、軟
化温度が高く、熱的特性に優れることがわかる。
(1)で示されるカリックスアレーン誘導体は、高い耐
熱性を示し、従来の光硬化性(メタ)アクリレート系樹脂
の耐熱性を大幅に上回っている。また、重合性不飽和基
を有するため、適当な光重合開始剤を添加することによ
り、活性エネルギー線照射により速やかに重合し、さら
に水酸基及び/又はカルボキシル基を有するために、ア
ルカリ水溶液に対して良好な溶解性を示す。本発明の光
硬化性組成物を用いて得られる硬化膜は、高い熱安定性
を示し、また従来の(メタ)アクリレート系樹脂と比べて
硬化収縮が小さく、種々の基材に対する密着性に優れる
とともに、解像性、硬度などの諸特性においても優れて
いる。従って、このようなカリックスアレーン誘導体と
光重合開始剤をともに含有する光硬化性樹脂組成物は、
印刷板、プリント基板等のエッチングレジスト、メッキ
レジスト、ソルダ−レジスト等、各種レジスト膜の形成
や多層回路作成の際の層間絶縁材として、さらには塗料
や印刷インキ、ワニス、接着剤、表面被覆剤などとして
有効に利用することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示される重合性不飽
和基とフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を
併せ持つカリックスアレーン誘導体。 【化1】 - 【請求項2】 (A)下記一般式(1)で示される重合
性不飽和基とフェノール性水酸基及び/又はカルボキシ
ル基を併せ持つカリックスアレーン誘導体、(B)光重
合開始剤、(C)反応性希釈剤、及び(D)有機溶剤を
必須成分として含有することを特徴とするアルカリ現像
型光硬化性組成物。 【化2】 - 【請求項3】 前記一般式(1)において、重合性不飽
和基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基、プロペニル基、プロパルギル基、及び4−ビニルベ
ンジル基よりなる群から選択される官能基を少なくとも
1種以上含むことを特徴とする請求項2に記載のアルカ
リ現像型光硬化性組成物。
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