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JP2002003563A - カリックスアレーン誘導体及びそれを含有するアルカリ現像型光硬化性組成物 - Google Patents

カリックスアレーン誘導体及びそれを含有するアルカリ現像型光硬化性組成物

Info

Publication number
JP2002003563A
JP2002003563A JP2000185268A JP2000185268A JP2002003563A JP 2002003563 A JP2002003563 A JP 2002003563A JP 2000185268 A JP2000185268 A JP 2000185268A JP 2000185268 A JP2000185268 A JP 2000185268A JP 2002003563 A JP2002003563 A JP 2002003563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carixarene
photo
meth
derivative
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000185268A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatatomi Nishikubo
忠臣 西久保
Atsushi Kameyama
敦 亀山
Hidekazu Miyabe
英和 宮部
Masaki Sasaki
正樹 佐々木
Yukitomo Nichima
征智 日馬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanagawa University
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Kanagawa University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Ink Mfg Co Ltd, Kanagawa University filed Critical Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP2000185268A priority Critical patent/JP2002003563A/ja
Publication of JP2002003563A publication Critical patent/JP2002003563A/ja
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
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  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光硬化性、アルカリ可溶性のカリックスアレ
ーン誘導体、及び該カリックスアレーン誘導体を含有
し、光硬化性、アルカリ現像性に優れ、高耐熱性、高解
像性を示す光硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示される重合性不飽
和基とフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を
併せ持つカリックスアレーン誘導体が提供される。さら
に、(A)下記一般式(1)で示されるカリックスアレ
ーン誘導体、(B)光重合開始剤、(C)反応性希釈
剤、及び(D)有機溶媒を必須成分として含有するアル
カリ現像型光硬化性組成物が提供される。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な硬化性樹脂
であるカリックスアレーン誘導体及びそれを含有するア
ルカリ現像型光硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カリックスアレーンは、フェノールとホ
ルムアルデヒドの縮合により生成する環状オリゴマーで
ある。カリックスアレーン及びその誘導体は、円錐台形
の周側面に沿ってベンゼン環が配されたようなその特有
の構造から、クラウンエーテルやシクロデキストリンに
次ぐ、第三の包接化合物として注目され、これまで主に
分子認識を中心とした研究がなされてきた。さらには、
カリックスアレーンは安価なフェノールとホルムアルデ
ヒドから容易に合成できること、その特有の構造から高
い熱安定性を示すこと、及び分子サイズが小さく、その
誘導体の成膜性が良好であることなどから、高機能材料
としての応用が期待されている。近年、例えば特開平9
−263560号や特開平11−43524号に記載の
ように、カリックスアレーンの水酸基に重合性不飽和基
を化学修飾させて、光機能性を持たせたカリックスアレ
ーン誘導体の報告がなされている。しかしながら、アル
カリ可溶性基と重合性不飽和基を併せ持つカリックスア
レーン誘導体及びそれを用いたアルカリ現像型光硬化性
組成物に関する報告は未だなされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、カリックスアレーンの水酸基に重合性不飽和基を導
入することで優れた光硬化性を持たせると共に、同一分
子内に水酸基及び/又はカルボキシル基を含有すること
でアルカリ可溶性を付与した、高耐熱性を示すカリック
スアレーン誘導体を提供することにある。さらに本発明
の目的は、上記のようなカリックスアレーン誘導体を含
有するアルカリ現像型の光硬化性組成物を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、下記一般式(1)で示される重合
性不飽和基とフェノール性水酸基及び/又はカルボキシ
ル基を併せ持つカリックスアレーン誘導体が提供され
る。
【化3】
【0005】さらに本発明によれば、(A)上記一般式
(1)で示される重合性不飽和基とフェノール性水酸基
及び/又はカルボキシル基を併せ持つカリックスアレー
ン誘導体、(B)光重合開始剤、(C)反応性希釈剤、
及び(D)有機溶剤を必須成分として含有することを特
徴とするアルカリ現像型光硬化性組成物が提供される。
なお、前記一般式(1)において、各官能基を含む部分
(アルキルベンジル部分)はランダムでもブロックでも
よく、また、m及び(1−m)はそれらの平均存在数を
表わしている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記目的を達成す
るために鋭意検討した結果、特定の構造を有するカリッ
クスアレーン誘導体が光硬化性、アルカリ可溶性、及び
耐熱性を満たすことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の前記一般式(1)で示されるカ
リックスアレーン誘導体(A)は、p−アルキルフェノ
ールとホルムアルデヒドの縮合により生成するp−アル
キルカリックスアレーンの水酸基を部分的に又は完全に
化学修飾した点に特徴を有する。つまり、p−アルキル
カリックスアレーンに重合性不飽和基を部分的に導入さ
せることで光硬化性を持たせると同時に、一部の未修飾
の水酸基をそのまま残存させること、又はその未修飾の
水酸基の一部又は全部にさらにカルボキシル基を導入す
ることで、アルカリ可溶性を付与したものであり、この
光硬化性樹脂に未修飾水酸基及び/又はカルボキシル基
が存在することによってアルカリ現像に利用することが
可能となる。それゆえ、このようなカリックスアレーン
誘導体を適当な光重合開始剤と共存させることで、光照
射により容易に重合し、アルカリ溶液により現像可能
な、高い熱安定性を示す硬化組成物が得られる。
【0007】本発明のカリックスアレーン誘導体の出発
原料であるp−アルキルカリックスアレーンの合成は、
p−アルキルフェノールとホルムアルデヒドを水酸化カ
リウムや水酸化ナトリウムなどの塩基性触媒の存在下で
加熱反応させる従来公知の手法により容易に合成でき
る。従来公知の反応条件により3〜10量体のカリック
スアレーンを選択的に合成することができるが、特に4
〜8量体が好ましい。
【0008】また、p−アルキルカリックスアレーンの
アルキル基は、炭素数1〜12のものである必要があ
る。カリックスアレーンのp−位に電子供与性のアルキ
ル基が導入されていることで、その後の化学修飾が容易
になる。しかしながら、アルキル基の炭素数が12を超
えると、得られるカリックスアレーン誘導体の耐熱性が
劣化しやすくなるため好ましくない。工業的見地から
は、上記のアルキル基としてメチル基、イソブチル基、
t−ブチル基、t−オクチル基などが好ましく、耐熱性を
考慮するとメチル基、イソブチル基、t−ブチル基が好
ましい。
【0009】上記の重合性不飽和基の導入は、公知の方
法に従い、p−アルキルカリックスアレーンとアクリル
酸クロリド、メタクリル酸クロリドなどの不飽和基含有
ハロゲン化物を適当な塩基の存在下、反応させることで
製造することができる。塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ピリジン、トリエチルアミンなど
無機及び有機塩基のいずれも使用可能である。反応温度
は、用いる反応溶剤の沸点を超えなければいかなる温度
でも可能であるが、経済性を考慮すると0℃から100
℃の範囲が好ましい。より好ましくは、20℃から70
℃である。
【0010】また、カリックスアレーン類に対する不飽
和基含有ハロゲン化物の割合(仕込み時の当量割合)
は、カリックスアレーンの水酸基1モルに対して0.1
モル以上、2.5モル未満の範囲で任意に選択可能であ
る。0.1モル未満では、得られる誘導体の光硬化性が
低く、得られる硬化物の物性低下が生じる可能性があ
る。一方、2.5モル以上では、カリックスアレーン類
の水酸基が全て反応してしまい、アルカリ可溶性が損な
われてしまうので好ましくない。
【0011】さらに本発明では、アルカリ可溶性を向上
させるために、未修飾の水酸基に部分的に又は未修飾の
水酸基全てにカルボキシル基を導入することができる。
このカルボキシル基の導入法は、例えば、無水コハク酸
やテトラヒドロテレフタル酸無水物、ヘキサヒドロテレ
フタル酸無水物等の公知慣用の酸無水物類との付加反
応、ブロモ酢酸やクロロ酢酸等のハロゲン化アルキルと
の縮合反応等が挙げられる。
【0012】本発明に用いる光重合開始剤(B)として
は、活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生する
ものであればいかなる化合物でも使用可能である。具体
的には、ベンゾインやベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエ
ーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキ
シ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェ
ノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアント
ラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロ
アントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチ
ルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチ
オキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジ
メチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケター
ル類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ
−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3´,4,
4´−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチルチオ−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−
プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オ
ン等のアミノアセトフェノン類;2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルホスフィンオキシド等のアルキルホスフィ
ン類;9−フェニルアクリジン等のアクリジン類などが
挙げられる。
【0013】これらの活性エネルギー線の照射によりラ
ジカルを発生する光重合開始剤(B)は、1種又は2種
以上の混合物として使用することが可能であり、その配
合量は、カリックスアレーン誘導体(A)100質量部
に対して0.1〜30質量部の範囲とすることが好まし
い。0.1質量部より少ない場合は活性エネルギー線の
照射を行なっても硬化しない、もしくは照射時間を増や
す必要があり、適切な塗膜物性が得られなくなる。一
方、30質量部を超えて多量に添加しても、光硬化性に
変化はなく、経済的に好ましくない。
【0014】本発明の光硬化性組成物においては、活性
エネルギー線による硬化を促進させるために、促進剤又
は増感剤を前記光重合開始剤(B)と併用してもよい。
併用しうる促進剤又は増感剤としては、トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノ
ール、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステ
ル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステ
ル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート等の3
級アミン類;β−チオジグリコール等のチオエーテル
類;(ケト)クマリン、チオキサンテン等の増感色素
類、及びシアニン、ローダミン、サフラニン、マラカイ
トグリーン、メチレンブルー等の色素のアルキルホウ酸
塩などが挙げられる。これらの増感剤は、それぞれ単独
でもしくは2種以上を混合して使用してもよい。その使
用量は、カリックスアレーン誘導体(A)100質量部
に対し、0.1〜30質量部の割合が好ましい。
【0015】さらに、組成物の粘度を調整するために反
応性希釈剤(C)を配合することができる。この反応性
希釈剤(C)は、所望の硬化特性に応じて、カリックス
アレーン誘導体(A)100質量部に対し5〜500質
量部の割合で配合することが好ましい。
【0016】反応性希釈剤(C)としては、硬化反応に
関与できる重合性基を有する化合物であればよく、単官
能(メタ)アクリレート類及び/又は多官能(メタ)ア
クリレート類などの公知の反応性希釈剤が使用可能であ
る。具体的な例としては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ト
リデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボ
ロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエステル
アクリレート、及び二塩基酸無水物と1分子中に少なく
とも1個以上の不飽和基を有するアルコールとの反応物
を挙げることができる。なお、本明細書中において、
(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレ
ート及びそれらの混合物を総称する用語である(他の類
似の表現についても同様)。
【0017】有機溶剤(D)としては、原料を溶解する
ものが好ましい。その使用量は、組成物が塗布方法に適
した粘度となるように調整すればよいが、概ねカリック
スアレーン誘導体(A)100質量部に対し50〜50
0質量部の割合で使用すればよい。有機溶剤の具体例と
しては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル等のアルコール類;エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール
エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジ
オキサン等のエーテル類;メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の
炭化水素類などが挙げられる。
【0018】さらに、本発明の光硬化性組成物には、光
反応性を損なわない範囲で、必要に応じて硫酸バリウ
ム、酸化ケイ素、タルク、クレー、炭酸カルシウムなど
の公知慣用の充填剤、フタロシアニングリーン、フタロ
シアニンブルー、酸化チタン、カーボンブラックなどの
公知慣用の着色顔料、消泡剤、密着性付与剤、レベリン
グ剤などの各種添加剤類を加えてもよい。
【0019】上記のような各成分を配合して調製された
光硬化性組成物は、基板上に適当な方法で塗布し、活性
エネルギー線の照射によって硬化させる。例えば、レジ
ストパターン形成の場合には、得られた光硬化性組成物
に前記したような反応性希釈剤(C)や有機溶剤(D)
を添加したりして所望の粘度に調整した後、スクリーン
印刷法、カーテンコーティング法、ロールコーティング
法、ディップコーティング法、スピンコーティング法な
どの適宜の塗布方法によりプリント配線板等の基材上に
塗布し、例えば約60〜120℃の温度で仮乾燥するこ
とで組成物中に含まれる有機溶剤を除去し、タックフリ
ーの塗膜を形成する。その後、所定の露光パターンを形
成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線
により露光し、未露光部をアルカリ水溶液により現像し
てレジストパターンを形成できる。
【0020】上記現像に用いるアルカリ水溶液として
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、アンモニア、有機
アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキシドな
どの水溶液が使用できる。
【0021】前記光硬化性組成物を硬化させるための活
性エネルギー線照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水
銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メ
タルハライドランプなどの工業的に利用し得る光源が適
当である。その他、レーザー光線、電子線、X線などの
公知の活性光線のいずれも用いることができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明する。しかしながら、これはあくまで一例であって
本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは勿
論である。
【0023】合成例1 公知の方法で合成したp−メチルカリックス−[6]−
アレーン1.20g(10ミリモル)とトリエチルアミ
ン2.53g(25ミリモル)とフェノチアジン0.0
3mgをN−メチルピロリドン6mlに溶かし、その後ア
クリル酸クロリド1.81g(20ミリモル)を少量ず
つ滴下し、さらに共洗い用のN−メチルピロリドンを6
ml加えた。反応は室温で24時間行ない、反応終了後、
反応母液を弱塩酸でpH4〜5に調整した氷水200ml
に注ぎ、析出物を再沈殿により精製し、p−メチルカリ
ックス−[6]−アレーンアクリレートを1.51g得
た。反応率は1H−NMRより算出し、平均で83.0
%の反応率であった。また、この化合物は、3%水酸化
ナトリウム水溶液に可溶であった。
【0024】合成例2 アクリル酸クロリドをメタクリル酸クロリド(10ミリ
モル)に変更した以外は、合成例1と同様に行なった。
その結果、p−メチルカリックス−[6]−アレーンメ
タクリレート1.67gを得た。1H−NMRよりエス
テル化率は67%であった。この化合物は、3%水酸化
ナトリウム水溶液に可溶であった。
【0025】合成例3 p−メチルカリックス−[6]−アレーン0.60gを
N−メチルピロリドン6mlに溶解し、氷冷下で水酸化ナ
トリウム0.12g(5ミリモル)を加え、50℃で3
時間攪拌した。その後、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド0.08g(0.25ミリモル)と2−クロロビニ
ルエーテル0.50ml(4.1ミリモル)を加え、80
℃で12時間攪拌した。反応終了後、反応母液を氷水に
注ぎ、デカンテーションにより油状物を回収した。それ
をクロロホルムに溶解し、水洗後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥させ、濃縮した後、メタノールに再沈殿させて
精製することより、粉末状の白色固体を得た。反応率は
1H−NMRより算出し、平均で82.0%の反応率で
あった。また、この化合物は、3%水酸化ナトリウム水
溶液に可溶であった。
【0026】合成例4 p−メチルカリックス−[6]−アレーン0.60gと
水酸化カリウム0.34g(5ミリモル)をN−メチル
ピロリドン6mlに溶解し、室温で3時間攪拌した。その
後、テトラブチルアンモニウムブロミド0.08g
(0.25ミリモル)とプロパルギルブロミド0.40
ml(3.9ミリモル)を加え、50℃で8時間攪拌し
た。反応終了後、反応母液を水に注ぎ、析出固体をろ別
して回収した。それをクロロホルムに溶解し、水洗後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した後、メタノ
ールに再沈殿させて精製することより、粉末状の白色固
体を得た。反応率は1H−NMRより算出し、平均で7
8.0%の反応率であった。また、この化合物は、3%
水酸化ナトリウム水溶液に可溶であった。
【0027】合成例5 p−メチルカリックス−[6]−アレーン0.60gと
水酸化カリウム0.17g(2.5ミリモル)をN−メ
チルピロリドン6mlに溶解し、室温で3時間攪拌した。
その後、テトラブチルアンモニウムブロミド0.08g
(0.25ミリモル)とアリルブロミド0.235ml
(2.5ミリモル)を加え、50℃で8時間攪拌した。
反応終了後、反応母液を水に注ぎ、析出固体をろ別して
回収した。それをクロロホルムに溶解し、水洗後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した後、メタノール
に再沈殿させて精製することより、粉末状の白色固体を
得た。反応率は1H−NMRより算出し、平均で50.
0%の反応率であった。得られた白色粉末0.40g
(2.5ミリモル)とカリウム−tert−ブトキシド
0.14g(1.25ミリモル)を6mlのN−メチルピ
ロリドンに溶解し、80℃で24時間反応を行なった。
反応終了後、反応母液を水に注ぎ、析出固体をろ別して
回収した。それをクロロホルムに溶解し、水洗後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した後、メタノール
に再沈殿させて精製することより、粉末状の白色固体を
得た。アリル基のプロペニル基への異性化率は100%
であった。また、この化合物は、3%水酸化ナトリウム
水溶液に可溶であった。
【0028】合成例6 p−メチルカリックス−[6]−アレーン0.60gを
N−メチルピロリドン6mlに溶解し、氷冷下で水酸化ナ
トリウム0.12g(5ミリモル)を少量ずつ加え、5
0℃で3時間攪拌した。次に、テトラブチルアンモニウ
ムブロミド0.08g(0.25ミリモル)と少量のフ
ェノチアジン及びビニルベンジルクロリド0.76g
(5ミリモル)をそれぞれ加え、80℃で12時間攪拌
した。反応終了後、反応母液を氷水に注ぎ、デカンテー
ションにより油状物を回収した。それをクロロホルムに
溶解し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃
縮した後、メタノールに再沈殿させて精製することよ
り、粉末状の白色固体を得た。反応率は1H−NMRよ
り算出し、平均で83.0%の反応率であった。また、
この化合物は、3%水酸化ナトリウム水溶液に可溶であ
った。
【0029】合成例7 合成例1で合成したp−メチルカリックス−[6]−ア
レーンアクリレート(反応率83.0%)9.95gと
少量のフェノチアジン、炭酸セシウム3.26g(10
ミリモル)をN−メチルピロリドン6mlに溶解し、5
0℃で3時間攪拌した。その後、テトラフェニルホスホ
ニウムブロミド0.16g(5モル%)、ブロモ酢酸
2.78g(20ミリモル)を5mlのN−メチルピロ
リドンに溶解させた混合溶液を滴下し、80℃で24時
間反応を行なった。反応終了後、反応母液を水に落と
し、弱塩酸で酸析し、析出物をろ収した。それをクロロ
ホルムに溶解し、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
させ、濃縮した後、n−へキサンにて再沈殿させて精製
することにより、粉末状の褐色固体を得た。この化合物
は、3%水酸化ナトリウム水溶液に可溶であった。
【0030】合成例8 合成例1と同様に合成したp−メチルカリックス−
[6]−アレーンアクリレート(反応率50.0%)
2.96gと少量のフェノチアジン、トリフェニルホス
フィン0.070g(5モル%)、テトラヒドロフタル
酸無水物3.09g(20ミリモル)を6mlのN−メ
チルピロリドンに溶解し、90℃で12時間反応を行な
った。反応終了後、反応母液をクロロホルムに溶解し、
水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した
後、n−へキサンにて再沈殿させて精製することによ
り、粉末状の褐色固体を得た。この化合物は、3%水酸
化ナトリウム水溶液に可溶であった。
【0031】実施例1〜8 前記合成例1〜8で得られた各カリックスアレーン誘導
体を用いた下記の配合成分をボールミルで混合し、光硬
化性組成物を調製した。 カリックスアレーン誘導体 100部 イルガキュアー 907 10部 (チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の光重合開始剤) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 20部 シリコーン系消泡剤 1部 1,4−ジオキサン 100部 合計 231部 各光硬化性組成物をバーコーターにて銅板上に25μm
の膜厚に塗布し、80℃にて20分加熱して希釈溶剤を
除去し、乾燥塗膜を得た。この塗膜にフォトマスクを密
着させ、積算光量2000mJ/cm2の紫外線を照射
した。照射後、3%テトラメチルアンモニウムハイドロ
オキシド水溶液に浸漬して60秒間現像し、蒸留水にて
30秒間水洗した。その結果、露光部が硬化したネガ型
のパターンが得られた。また、露光部は、THF(テト
ラヒドロフラン)に不溶であった。
【0032】熱的特性評価:前記実施例1〜8で調製し
た各光硬化性組成物をバーコーターにて銅板上に25μ
mの膜厚に塗布し、80℃にて20分加熱して希釈溶剤
を除去し、乾燥塗膜を得た。この塗膜に積算光量200
0mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、得られた
硬化塗膜を剛体振り子型粘弾性測定装置(レオ・バイブ
ロン)を用い、室温から300℃まで加熱を行ないなが
ら各硬化塗膜の軟化温度を測定した。なおその際、比較
例としては、前記のカリックスアレーン誘導体を昭和高
分子(株)製のVR−77−11(ビスフェノールAタイ
プのアクリレート樹脂)に置き換えた以外は同一の組成
の光硬化性組成物を用いて比較評価を行なった。その結
果を表1に示す。
【0033】
【表1】 表1に示すように、本発明に係るカリックスアレーン誘
導体含有光硬化性組成物を用いて得られる硬化物は、軟
化温度が高く、熱的特性に優れることがわかる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の前記一般式
(1)で示されるカリックスアレーン誘導体は、高い耐
熱性を示し、従来の光硬化性(メタ)アクリレート系樹脂
の耐熱性を大幅に上回っている。また、重合性不飽和基
を有するため、適当な光重合開始剤を添加することによ
り、活性エネルギー線照射により速やかに重合し、さら
に水酸基及び/又はカルボキシル基を有するために、ア
ルカリ水溶液に対して良好な溶解性を示す。本発明の光
硬化性組成物を用いて得られる硬化膜は、高い熱安定性
を示し、また従来の(メタ)アクリレート系樹脂と比べて
硬化収縮が小さく、種々の基材に対する密着性に優れる
とともに、解像性、硬度などの諸特性においても優れて
いる。従って、このようなカリックスアレーン誘導体と
光重合開始剤をともに含有する光硬化性樹脂組成物は、
印刷板、プリント基板等のエッチングレジスト、メッキ
レジスト、ソルダ−レジスト等、各種レジスト膜の形成
や多層回路作成の際の層間絶縁材として、さらには塗料
や印刷インキ、ワニス、接着剤、表面被覆剤などとして
有効に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/027 G03F 7/027 (72)発明者 亀山 敦 神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1丁目10 番3号 クリオ東神奈川壱番館705号室 (72)発明者 宮部 英和 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 (72)発明者 佐々木 正樹 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 (72)発明者 日馬 征智 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 Fターム(参考) 2H025 AA04 AA10 AB03 AB15 AD01 BC12 BC13 BC19 BC29 BC34 BC70 BC72 BC85 BC86 CA00 CC03 CC20 FA17 4J011 QA03 QA13 QA23 QB11 QB12 SA01 SA05 SA21 SA31 SA51 SA63 SA64 SA78 SA84 UA01 UA02 UA03 UA04 VA01 WA01 4J027 AB01 AB09 AH03 BA07 BA08 BA19 BA20 BA24 BA28 CA29 CB10 CD06 CD10 4J033 CA36 CA42 HB03 HB08 HB09 HB10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される重合性不飽
    和基とフェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を
    併せ持つカリックスアレーン誘導体。 【化1】
  2. 【請求項2】 (A)下記一般式(1)で示される重合
    性不飽和基とフェノール性水酸基及び/又はカルボキシ
    ル基を併せ持つカリックスアレーン誘導体、(B)光重
    合開始剤、(C)反応性希釈剤、及び(D)有機溶剤を
    必須成分として含有することを特徴とするアルカリ現像
    型光硬化性組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)において、重合性不飽
    和基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
    基、プロペニル基、プロパルギル基、及び4−ビニルベ
    ンジル基よりなる群から選択される官能基を少なくとも
    1種以上含むことを特徴とする請求項2に記載のアルカ
    リ現像型光硬化性組成物。
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