JP2002001965A - インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents
インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置Info
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- JP2002001965A JP2002001965A JP2000184995A JP2000184995A JP2002001965A JP 2002001965 A JP2002001965 A JP 2002001965A JP 2000184995 A JP2000184995 A JP 2000184995A JP 2000184995 A JP2000184995 A JP 2000184995A JP 2002001965 A JP2002001965 A JP 2002001965A
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- ink
- nozzle
- ink jet
- jet head
- pressure chamber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧力室4内のインクを記録紙41に向けて吐
出させるためのノズル14を、テーパ部14aとストレ
ート部14bとで構成する場合に、テーパ部14aのテ
ーパ角度θが多少ばらついても、インク吐出量を可及的
に安定させる。 【解決手段】 ノズル14のテーパ部14aのテーパ角
度θを50°〜110°(好ましくは60°〜90°)
に設定する。
出させるためのノズル14を、テーパ部14aとストレ
ート部14bとで構成する場合に、テーパ部14aのテ
ーパ角度θが多少ばらついても、インク吐出量を可及的
に安定させる。 【解決手段】 ノズル14のテーパ部14aのテーパ角
度θを50°〜110°(好ましくは60°〜90°)
に設定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力室内のインク
をノズルから吐出させるようにしたインクジェットヘッ
ド及び該インクジェットヘッドを備えたインクジェット
式記録装置に関する技術分野に属する。
をノズルから吐出させるようにしたインクジェットヘッ
ド及び該インクジェットヘッドを備えたインクジェット
式記録装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧力室内のインクをノズルか
ら吐出させるようにしたインクジェットヘッドはよく知
られており、このものは、インクが充填される圧力室
と、この圧力室に連通するノズルと、上記圧力室に圧力
を印加して該圧力室内のインクを上記ノズルから吐出さ
せる圧電アクチュエータ等の圧力印加手段とを備えてい
る。
ら吐出させるようにしたインクジェットヘッドはよく知
られており、このものは、インクが充填される圧力室
と、この圧力室に連通するノズルと、上記圧力室に圧力
を印加して該圧力室内のインクを上記ノズルから吐出さ
せる圧電アクチュエータ等の圧力印加手段とを備えてい
る。
【0003】上記のようなインクジェットヘッドでは、
そのノズルの形状がインク吐出性能に大きく影響するこ
とから、例えば特開平6−246918号公報に示され
ているように、ノズルをテーパ形状にしてそのテーパ角
度を所定範囲内に設定することで、インク吐出速度(飛
翔速度)を安定的に向上させるようにすることが提案さ
れている。
そのノズルの形状がインク吐出性能に大きく影響するこ
とから、例えば特開平6−246918号公報に示され
ているように、ノズルをテーパ形状にしてそのテーパ角
度を所定範囲内に設定することで、インク吐出速度(飛
翔速度)を安定的に向上させるようにすることが提案さ
れている。
【0004】また、上記提案例のものでは、ノズルがテ
ーパ部のみからなるので、ノズル先端におけるノズル径
(テーパ部の最小径)の寸法精度を高くすることは、テ
ーパ部を加工する上で困難であり、この寸法精度が悪い
と、インク吐出量がばらつくので、例えば特開平9−5
2358号公報に示されているように、テーパ部のノズ
ル先端側に、容易に高精度に加工可能なストレート部を
設けるようにすることが知られている。
ーパ部のみからなるので、ノズル先端におけるノズル径
(テーパ部の最小径)の寸法精度を高くすることは、テ
ーパ部を加工する上で困難であり、この寸法精度が悪い
と、インク吐出量がばらつくので、例えば特開平9−5
2358号公報に示されているように、テーパ部のノズ
ル先端側に、容易に高精度に加工可能なストレート部を
設けるようにすることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにテーパ部とストレート部とからなるノズルでは、
ストレート部によりノズル先端部のノズル径を安定させ
ることはできるものの、テーパ部のテーパ角度のばらつ
きによってインク吐出量が変動し、インク吐出量をより
安定させるためには改良の余地がある。特に、インクジ
ェットヘッドを小型化しつつ多数のノズルを設け、しか
も吐出量をかなり小さくして解像度を高めようとする場
合には、各ノズルから吐出されるインクの吐出量を出来
る限り安定させる必要があるが、多数のノズルのテーパ
部のばらつきを小さく抑えることは困難であり、テーパ
部を高精度に仕上げようとすると、生産性が低下してし
まう。
ようにテーパ部とストレート部とからなるノズルでは、
ストレート部によりノズル先端部のノズル径を安定させ
ることはできるものの、テーパ部のテーパ角度のばらつ
きによってインク吐出量が変動し、インク吐出量をより
安定させるためには改良の余地がある。特に、インクジ
ェットヘッドを小型化しつつ多数のノズルを設け、しか
も吐出量をかなり小さくして解像度を高めようとする場
合には、各ノズルから吐出されるインクの吐出量を出来
る限り安定させる必要があるが、多数のノズルのテーパ
部のばらつきを小さく抑えることは困難であり、テーパ
部を高精度に仕上げようとすると、生産性が低下してし
まう。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記のようにテーパ部
とストレート部とからなるノズルを設ける場合に、その
テーパ部のテーパ角度が多少ばらついても、インク吐出
量を可及的に安定させようとすることにある。
あり、その目的とするところは、上記のようにテーパ部
とストレート部とからなるノズルを設ける場合に、その
テーパ部のテーパ角度が多少ばらついても、インク吐出
量を可及的に安定させようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、ノズルのテーパ部のテーパ角度を
50°〜110°に設定するようにした。
めに、この発明では、ノズルのテーパ部のテーパ角度を
50°〜110°に設定するようにした。
【0008】具体的には、請求項1の発明では、インク
が充填される圧力室と、該圧力室に連通するノズルと、
上記圧力室に圧力を印加して該圧力室内のインクを上記
ノズルから吐出させる圧力印加手段とを備えたインクジ
ェットヘッドを対象とする。
が充填される圧力室と、該圧力室に連通するノズルと、
上記圧力室に圧力を印加して該圧力室内のインクを上記
ノズルから吐出させる圧力印加手段とを備えたインクジ
ェットヘッドを対象とする。
【0009】そして、上記ノズルは、ノズル径がノズル
先端側に向かって小さくなるテーパ部と、該テーパ部の
ノズル先端側に設けられたストレート部とからなり、上
記ノズルのテーパ部のテーパ角度が、50°〜110°
に設定されているものとする。
先端側に向かって小さくなるテーパ部と、該テーパ部の
ノズル先端側に設けられたストレート部とからなり、上
記ノズルのテーパ部のテーパ角度が、50°〜110°
に設定されているものとする。
【0010】すなわち、ノズルのテーパ部のテーパ角度
は、50°よりも小さいか又は110°よりも大きい
と、テーパ角度の製作誤差によって、ノズルから吐出さ
れるインクの吐出量がかなり大きく変動するので、50
°〜110°に設定している。したがって、テーパ部の
テーパ角度が多少ばらついても、インク吐出量を安定さ
せることができ、多数のノズルを設ける場合には、イン
クジェットヘッドの生産性を向上させつつ、解像度を高
めることができる。
は、50°よりも小さいか又は110°よりも大きい
と、テーパ角度の製作誤差によって、ノズルから吐出さ
れるインクの吐出量がかなり大きく変動するので、50
°〜110°に設定している。したがって、テーパ部の
テーパ角度が多少ばらついても、インク吐出量を安定さ
せることができ、多数のノズルを設ける場合には、イン
クジェットヘッドの生産性を向上させつつ、解像度を高
めることができる。
【0011】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、ノズルのテーパ部のテーパ角度が、60°〜90
°に設定されているものとする。
いて、ノズルのテーパ部のテーパ角度が、60°〜90
°に設定されているものとする。
【0012】このことで、インク吐出量をより一層良好
に安定させることができると共に、インクの吐出方向を
も安定させることができ、インクの記録紙への着弾位置
精度を向上させることができる。よって、解像度をより
一層高めることができ、画質の安定向上化を図ることが
できる。
に安定させることができると共に、インクの吐出方向を
も安定させることができ、インクの記録紙への着弾位置
精度を向上させることができる。よって、解像度をより
一層高めることができ、画質の安定向上化を図ることが
できる。
【0013】請求項3の発明は、インクジェット式記録
装置の発明であり、この発明では、請求項1又は2記載
のインクジェットヘッドと、上記インクジェットヘッド
と記録媒体とを相対移動させる相対移動手段とを備え、
上記相対移動手段によりインクジェットヘッドが記録媒
体に対して相対移動しているときに、該インクジェット
ヘッドのヘッド本体のノズルからインクを記録媒体に吐
出させて記録を行うように構成されているものとする。
この発明により、請求項1又は2の発明と同様の作用効
果が得られる。
装置の発明であり、この発明では、請求項1又は2記載
のインクジェットヘッドと、上記インクジェットヘッド
と記録媒体とを相対移動させる相対移動手段とを備え、
上記相対移動手段によりインクジェットヘッドが記録媒
体に対して相対移動しているときに、該インクジェット
ヘッドのヘッド本体のノズルからインクを記録媒体に吐
出させて記録を行うように構成されているものとする。
この発明により、請求項1又は2の発明と同様の作用効
果が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るイ
ンクジェット式記録装置を概略的に示し、このインクジ
ェット式記録装置は、後述の如くインクを記録媒体とし
ての記録紙41に吐出するインクジェットヘッド1を備
えている。このインクジェットヘッド1はキャリッジ3
1に支持固定され、このキャリッジ31には、図示を省
略するキャリッジモータが設けられ、このキャリッジモ
ータにより上記インクジェットヘッド1及びキャリッジ
31が主走査方向(図1及び図2に示すX方向)に延び
るキャリッジ軸32にガイドされてその方向に往復動す
るようになっている。このキャリッジ31、キャリッジ
軸32及びキャリッジモータにより、インクジェットヘ
ッド1と記録紙41とを相対移動させる相対移動手段が
構成されている。
基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るイ
ンクジェット式記録装置を概略的に示し、このインクジ
ェット式記録装置は、後述の如くインクを記録媒体とし
ての記録紙41に吐出するインクジェットヘッド1を備
えている。このインクジェットヘッド1はキャリッジ3
1に支持固定され、このキャリッジ31には、図示を省
略するキャリッジモータが設けられ、このキャリッジモ
ータにより上記インクジェットヘッド1及びキャリッジ
31が主走査方向(図1及び図2に示すX方向)に延び
るキャリッジ軸32にガイドされてその方向に往復動す
るようになっている。このキャリッジ31、キャリッジ
軸32及びキャリッジモータにより、インクジェットヘ
ッド1と記録紙41とを相対移動させる相対移動手段が
構成されている。
【0015】上記記録紙41は、図示を省略する搬送モ
ータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42に挟
まれていて、この搬送モータ及び各搬送ローラ42によ
り、上記インクジェットヘッド1の下側において上記主
走査方向と垂直な副走査方向(図1及び図2に示すY方
向)に搬送されるようになっている。
ータによって回転駆動される2つの搬送ローラ42に挟
まれていて、この搬送モータ及び各搬送ローラ42によ
り、上記インクジェットヘッド1の下側において上記主
走査方向と垂直な副走査方向(図1及び図2に示すY方
向)に搬送されるようになっている。
【0016】上記インクジェットヘッド1は、図2〜図
4に示すように、インクを供給するための供給口3a及
びインクを吐出するための吐出口3bを有する複数の圧
力室用凹部3が形成されたヘッド本体2を備えている。
このヘッド本体2の各凹部3は、該ヘッド本体2の上面
に上記主走査方向に延びるように開口されていて、互い
に上記副走査方向に略等間隔をあけた状態で並設されて
いる。上記各凹部3開口の全長は約1500μmに、幅
は約150μmにそれぞれ設定されている。尚、上記各
凹部3の開口の両端部は、略半円形状をなしている。
4に示すように、インクを供給するための供給口3a及
びインクを吐出するための吐出口3bを有する複数の圧
力室用凹部3が形成されたヘッド本体2を備えている。
このヘッド本体2の各凹部3は、該ヘッド本体2の上面
に上記主走査方向に延びるように開口されていて、互い
に上記副走査方向に略等間隔をあけた状態で並設されて
いる。上記各凹部3開口の全長は約1500μmに、幅
は約150μmにそれぞれ設定されている。尚、上記各
凹部3の開口の両端部は、略半円形状をなしている。
【0017】上記ヘッド本体2の各凹部3の側壁部は、
約200μm厚の感光性ガラス製の第1基板6で構成さ
れ、各凹部3の底壁部は、この第1基板6の下面に接着
固定された第2基板7で構成されている。この第2基板
7は約30μm厚のステンレス鋼からなり、該第2基板
7に上記供給口3a及び吐出口3bが形成されている。
約200μm厚の感光性ガラス製の第1基板6で構成さ
れ、各凹部3の底壁部は、この第1基板6の下面に接着
固定された第2基板7で構成されている。この第2基板
7は約30μm厚のステンレス鋼からなり、該第2基板
7に上記供給口3a及び吐出口3bが形成されている。
【0018】上記第2基板7の下面には、約300μm
厚のステンレス鋼製の第3基板8が接着固定され、この
第3基板8には、上記各凹部3の供給口3aと接続され
かつ上記副走査方向に延びる1つの供給用インク流路1
1と、上記吐出口3bとそれぞれ接続された複数の吐出
用インク流路12とが形成されている。上記供給用イン
ク流路11は図外のインクタンクと接続されて、そのイ
ンクタンクより供給用インク流路11内にインクが供給
されるようになっている。尚、上記各凹部3の供給口3
a及び吐出口3b並びに吐出用インク流路12は断面円
形状に形成され、供給口3aの径は約30μmに設定さ
れ、吐出口3b及び吐出用インク流路12の径は共に約
180μmに設定されている。
厚のステンレス鋼製の第3基板8が接着固定され、この
第3基板8には、上記各凹部3の供給口3aと接続され
かつ上記副走査方向に延びる1つの供給用インク流路1
1と、上記吐出口3bとそれぞれ接続された複数の吐出
用インク流路12とが形成されている。上記供給用イン
ク流路11は図外のインクタンクと接続されて、そのイ
ンクタンクより供給用インク流路11内にインクが供給
されるようになっている。尚、上記各凹部3の供給口3
a及び吐出口3b並びに吐出用インク流路12は断面円
形状に形成され、供給口3aの径は約30μmに設定さ
れ、吐出口3b及び吐出用インク流路12の径は共に約
180μmに設定されている。
【0019】上記第3基板8の下面には、インクジェッ
トヘッド1の下面を構成する第4基板9が接着固定され
ている。この第4基板9は、約70μm厚のステンレス
鋼からなっていて、インク滴を上記記録紙41に向けて
吐出するための複数のノズル14を有している。この各
ノズル14は、上記吐出用インク流路12とそれぞれ接
続されていて、この吐出用インク流路12を介して上記
各凹部3の吐出口3bにそれぞれ連通されており、イン
クジェットヘッド1の下面に、上記副走査方向に列状に
並ぶように設けられている。
トヘッド1の下面を構成する第4基板9が接着固定され
ている。この第4基板9は、約70μm厚のステンレス
鋼からなっていて、インク滴を上記記録紙41に向けて
吐出するための複数のノズル14を有している。この各
ノズル14は、上記吐出用インク流路12とそれぞれ接
続されていて、この吐出用インク流路12を介して上記
各凹部3の吐出口3bにそれぞれ連通されており、イン
クジェットヘッド1の下面に、上記副走査方向に列状に
並ぶように設けられている。
【0020】上記各ノズル14は、図5に示すように、
ノズル径がノズル先端側に向かって小さくなる(後述の
圧力室4側に向かって大きくなる)テーパ部14aと、
該テーパ部14aのノズル先端側に連続して設けられた
ストレート部14bとからなっている。このストレート
部14bのノズル径(テーパ部14aの最小ノズル径)
は約20μmであり、その長さLは、1〜10μm程度
に設定すればよい。
ノズル径がノズル先端側に向かって小さくなる(後述の
圧力室4側に向かって大きくなる)テーパ部14aと、
該テーパ部14aのノズル先端側に連続して設けられた
ストレート部14bとからなっている。このストレート
部14bのノズル径(テーパ部14aの最小ノズル径)
は約20μmであり、その長さLは、1〜10μm程度
に設定すればよい。
【0021】上記テーパ部14aのテーパ角度θは、5
0°〜110°に設定されている。これは、50°より
も小さいか又は110°よりも大きいと、テーパ角度θ
の僅かな製作誤差によってノズル14から吐出されるイ
ンクの吐出量がかなり大きく変動するからである(後述
の実施例の項参照)。そして、テーパ部14aのテーパ
角度θのより望ましい範囲は、60°〜90°である。
0°〜110°に設定されている。これは、50°より
も小さいか又は110°よりも大きいと、テーパ角度θ
の僅かな製作誤差によってノズル14から吐出されるイ
ンクの吐出量がかなり大きく変動するからである(後述
の実施例の項参照)。そして、テーパ部14aのテーパ
角度θのより望ましい範囲は、60°〜90°である。
【0022】上記ヘッド本体2の各凹部3の上側には、
圧電アクチュエータ21がそれぞれ設けられている。こ
の各圧電アクチュエータ21は、上記ヘッド本体2の上
面に接着固定された状態で該ヘッド本体2の各凹部3を
塞いで該凹部3と共に圧力室4を構成する約4μm厚の
Cr製振動板22を有している。この振動板22は、全
ての圧電アクチュエータ21に共通の1つのものからな
っていて、後述の全圧電素子23に共通の共通電極とし
ての役割をも果たしている。
圧電アクチュエータ21がそれぞれ設けられている。こ
の各圧電アクチュエータ21は、上記ヘッド本体2の上
面に接着固定された状態で該ヘッド本体2の各凹部3を
塞いで該凹部3と共に圧力室4を構成する約4μm厚の
Cr製振動板22を有している。この振動板22は、全
ての圧電アクチュエータ21に共通の1つのものからな
っていて、後述の全圧電素子23に共通の共通電極とし
ての役割をも果たしている。
【0023】また、上記各圧電アクチュエータ21は、
上記振動板22の上記圧力室4と反対側面(上面)にお
いて圧力室4に対応する部分(凹部3開口に対向する部
分)にそれぞれ接合されかつチタン酸ジルコン酸鉛(P
ZT)からなる約4μm厚の圧電素子23(圧電定数8
×10-11m/V程度)と、この各圧電素子23の上記
振動板22と反対側面(上面)にそれぞれ接合され、該
振動板22と共に各圧電素子23に電圧(駆動電圧)を
それぞれ印加するための約0.1μm厚のPt製個別電
極24とを有している。上記各圧電素子23及び個別電
極24は、互いに重なった状態で、上記ヘッド本体2の
凹部3開口の幅方向略中央部において該凹部3開口と同
じ方向(主走査方向)に延びるように設けられており、
その長さは約1440μmに、幅は約90μmにそれぞ
れ設定され、両端部は、凹部3開口と同様に略半円形状
をなしている。尚、上記振動板22、圧電素子23及び
個別電極24は、後述の製造方法で示すように、スパッ
タ法により薄膜で形成されてなっている。
上記振動板22の上記圧力室4と反対側面(上面)にお
いて圧力室4に対応する部分(凹部3開口に対向する部
分)にそれぞれ接合されかつチタン酸ジルコン酸鉛(P
ZT)からなる約4μm厚の圧電素子23(圧電定数8
×10-11m/V程度)と、この各圧電素子23の上記
振動板22と反対側面(上面)にそれぞれ接合され、該
振動板22と共に各圧電素子23に電圧(駆動電圧)を
それぞれ印加するための約0.1μm厚のPt製個別電
極24とを有している。上記各圧電素子23及び個別電
極24は、互いに重なった状態で、上記ヘッド本体2の
凹部3開口の幅方向略中央部において該凹部3開口と同
じ方向(主走査方向)に延びるように設けられており、
その長さは約1440μmに、幅は約90μmにそれぞ
れ設定され、両端部は、凹部3開口と同様に略半円形状
をなしている。尚、上記振動板22、圧電素子23及び
個別電極24は、後述の製造方法で示すように、スパッ
タ法により薄膜で形成されてなっている。
【0024】上記各圧電アクチュエータ21は、その振
動板22と各個別電極24とを介して各圧電素子23に
駆動電圧を印加することにより該振動板22の圧力室4
に対応する部分(凹部3開口部分)を変形させること
で、該圧力室4内のインクを吐出口3bないしノズル1
4から吐出させるようになっている。すなわち、振動板
22と個別電極24との間にパルス状の電圧を印加する
と、そのパルス電圧の立ち上がりにより圧電素子23が
圧電効果によりその厚み方向と垂直な幅方向に収縮する
のに対し、振動板22及び個別電極24は収縮しないの
で、いわゆるバイメタル効果により振動板22の圧力室
4に対応する部分が圧力室4側へ凸状に撓んで変形す
る。この撓み変形により圧力室4内に圧力が生じ、この
圧力で圧力室4内のインクが吐出口3b及び吐出用イン
ク流路12を経由してノズル14よりインク滴として記
録紙41へ吐出されて、該記録紙41面にドット状に付
着することとなる。このことで、各圧電アクチュエータ
21は、圧力室4に圧力を印加して該圧力室4内のイン
クをノズル14から吐出させる圧力印加手段を構成して
いることになる。そして、上記パルス電圧の立ち下がり
により圧電素子23が伸長して振動板22の圧力室4に
対応する部分が元の状態に復帰し、このとき、圧力室4
内には上記インクタンクより供給用インク流路11及び
供給口3aを介してインクが充填される。尚、各圧電素
子23に印加するパルス電圧としては、上記のように押
し引きタイプのものでなくても、第1の電圧から該第1
の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった後に上記
第1の電圧まで立ち上がる引き押しタイプのものであっ
てもよい。
動板22と各個別電極24とを介して各圧電素子23に
駆動電圧を印加することにより該振動板22の圧力室4
に対応する部分(凹部3開口部分)を変形させること
で、該圧力室4内のインクを吐出口3bないしノズル1
4から吐出させるようになっている。すなわち、振動板
22と個別電極24との間にパルス状の電圧を印加する
と、そのパルス電圧の立ち上がりにより圧電素子23が
圧電効果によりその厚み方向と垂直な幅方向に収縮する
のに対し、振動板22及び個別電極24は収縮しないの
で、いわゆるバイメタル効果により振動板22の圧力室
4に対応する部分が圧力室4側へ凸状に撓んで変形す
る。この撓み変形により圧力室4内に圧力が生じ、この
圧力で圧力室4内のインクが吐出口3b及び吐出用イン
ク流路12を経由してノズル14よりインク滴として記
録紙41へ吐出されて、該記録紙41面にドット状に付
着することとなる。このことで、各圧電アクチュエータ
21は、圧力室4に圧力を印加して該圧力室4内のイン
クをノズル14から吐出させる圧力印加手段を構成して
いることになる。そして、上記パルス電圧の立ち下がり
により圧電素子23が伸長して振動板22の圧力室4に
対応する部分が元の状態に復帰し、このとき、圧力室4
内には上記インクタンクより供給用インク流路11及び
供給口3aを介してインクが充填される。尚、各圧電素
子23に印加するパルス電圧としては、上記のように押
し引きタイプのものでなくても、第1の電圧から該第1
の電圧よりも低い第2の電圧まで立ち下がった後に上記
第1の電圧まで立ち上がる引き押しタイプのものであっ
てもよい。
【0025】上記各圧電素子23への駆動電圧の印加
は、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走
査方向において記録紙41の一端から他端まで略一定速
度で移動させているときに所定時間(例えば50μs程
度:駆動周波数20kHz)毎に行われ(但し、インク
ジェットヘッド1が記録紙41におけるインク滴を着弾
させない箇所に達したときには電圧が印加されない)、
このことで、記録紙41の所定位置にインク滴を着弾さ
せる。そして、1走査分の記録が終了すると、搬送モー
タ及び各搬送ローラ42により記録紙41を副走査方向
に所定量搬送し、再度、インクジェットヘッド1及びキ
ャリッジ31を主走査方向に移動させながらインク滴を
吐出させて、新たな1走査分の記録を行う。この動作を
繰り返すことによって、記録紙41全体に所望の画像が
形成される。
は、インクジェットヘッド1及びキャリッジ31を主走
査方向において記録紙41の一端から他端まで略一定速
度で移動させているときに所定時間(例えば50μs程
度:駆動周波数20kHz)毎に行われ(但し、インク
ジェットヘッド1が記録紙41におけるインク滴を着弾
させない箇所に達したときには電圧が印加されない)、
このことで、記録紙41の所定位置にインク滴を着弾さ
せる。そして、1走査分の記録が終了すると、搬送モー
タ及び各搬送ローラ42により記録紙41を副走査方向
に所定量搬送し、再度、インクジェットヘッド1及びキ
ャリッジ31を主走査方向に移動させながらインク滴を
吐出させて、新たな1走査分の記録を行う。この動作を
繰り返すことによって、記録紙41全体に所望の画像が
形成される。
【0026】次に、上記インクジェットヘッド1の製造
方法の概略手順について、図6を参照しつつ説明する。
尚、図6においては、図3及び図4とインクジェットヘ
ッド1の上下関係が逆になっている。
方法の概略手順について、図6を参照しつつ説明する。
尚、図6においては、図3及び図4とインクジェットヘ
ッド1の上下関係が逆になっている。
【0027】先ず、MgOの成膜基板51上全体にPt
膜52をスパッタ法により形成し(図6(a)参照)、
その後、このPt膜52上全体にPZT膜53をスパッ
タ法により形成する(図6(b)参照)。そして、この
PZT膜53上全体にCr膜54をスパッタ法により形
成する(図6(c)参照)。
膜52をスパッタ法により形成し(図6(a)参照)、
その後、このPt膜52上全体にPZT膜53をスパッ
タ法により形成する(図6(b)参照)。そして、この
PZT膜53上全体にCr膜54をスパッタ法により形
成する(図6(c)参照)。
【0028】次いで、上記Cr膜54の上面に、ヘッド
本体2の第1基板6(予め各凹部3を形成するための孔
を開けておく)を接着固着する(図6(d)参照)。そ
の後、上記成膜基板51を熱燐酸やKOH等で溶融・除
去すると共に、上記第1基板6上に、予め所定形状に形
成しかつ接着により互いに一体化した第2〜第4基板7
〜9を接着固着する(図6(e)参照)。
本体2の第1基板6(予め各凹部3を形成するための孔
を開けておく)を接着固着する(図6(d)参照)。そ
の後、上記成膜基板51を熱燐酸やKOH等で溶融・除
去すると共に、上記第1基板6上に、予め所定形状に形
成しかつ接着により互いに一体化した第2〜第4基板7
〜9を接着固着する(図6(e)参照)。
【0029】続いて、上記Pt膜52及びPZT膜53
をイオンミリング法や反応性イオンエッチング法等のド
ライエッチング法にて圧力室4毎に分割することで、所
定形状の個別電極24及び圧電素子23がそれぞれ得ら
れると共に、Cr膜54の不要部分をドライエッチング
法にて除去することで、所定形状の振動板22が得られ
る(図6(f)参照)。
をイオンミリング法や反応性イオンエッチング法等のド
ライエッチング法にて圧力室4毎に分割することで、所
定形状の個別電極24及び圧電素子23がそれぞれ得ら
れると共に、Cr膜54の不要部分をドライエッチング
法にて除去することで、所定形状の振動板22が得られ
る(図6(f)参照)。
【0030】次いで、図示は省略するが、各個別電極2
4への配線や他の必要な処理を行うことで、インクジェ
ットヘッド1が完成する。
4への配線や他の必要な処理を行うことで、インクジェ
ットヘッド1が完成する。
【0031】したがって、上記実施形態では、ノズル1
4のテーパ部14aのテーパ角度θが50°〜110°
に設定されているので、テーパ角度θが製作誤差により
多少ばらついたとしても、インク吐出量を安定させるこ
とができる。この結果、テーパ部14aを有する多数の
ノズル14を容易に加工することができる。よって、イ
ンクジェットヘッド1の生産性を高めつつ、解像度を高
めることができる。また、同じ吐出量を得るのに低い駆
動電圧で済み、圧電アクチュエータ21の駆動電圧の低
電圧化を図ることができる。
4のテーパ部14aのテーパ角度θが50°〜110°
に設定されているので、テーパ角度θが製作誤差により
多少ばらついたとしても、インク吐出量を安定させるこ
とができる。この結果、テーパ部14aを有する多数の
ノズル14を容易に加工することができる。よって、イ
ンクジェットヘッド1の生産性を高めつつ、解像度を高
めることができる。また、同じ吐出量を得るのに低い駆
動電圧で済み、圧電アクチュエータ21の駆動電圧の低
電圧化を図ることができる。
【0032】そして、テーパ角度θを60°〜90°に
設定すれば、インク吐出量をより一層良好に安定させる
ことができると共に、インクの吐出方向をも安定させる
ことができ、インクの記録紙への着弾位置精度を向上さ
せることができる。よって、解像度をより一層高めるこ
とができ、画質の安定向上化を図ることができる。
設定すれば、インク吐出量をより一層良好に安定させる
ことができると共に、インクの吐出方向をも安定させる
ことができ、インクの記録紙への着弾位置精度を向上さ
せることができる。よって、解像度をより一層高めるこ
とができ、画質の安定向上化を図ることができる。
【0033】尚、上記実施形態では、各圧電アクチュエ
ータ21の振動板22、圧電素子23及び個別電極24
を、スパッタ法により薄膜で形成したが、CVD法やゾ
ル−ゲル法等の他の方法により薄膜で形成してもよく、
薄膜でなくて予め所定形状に形成した振動板22や圧電
素子23を接着により接合するようにしてもよい。但
し、上記実施形態のように薄膜で形成した方が、スパッ
タリング及びエッチングにより多数の圧電アクチュエー
タ21を容易にかつ精度良く形成することができ、イン
クジェットヘッド1の生産性をより一層向上させること
ができる。
ータ21の振動板22、圧電素子23及び個別電極24
を、スパッタ法により薄膜で形成したが、CVD法やゾ
ル−ゲル法等の他の方法により薄膜で形成してもよく、
薄膜でなくて予め所定形状に形成した振動板22や圧電
素子23を接着により接合するようにしてもよい。但
し、上記実施形態のように薄膜で形成した方が、スパッ
タリング及びエッチングにより多数の圧電アクチュエー
タ21を容易にかつ精度良く形成することができ、イン
クジェットヘッド1の生産性をより一層向上させること
ができる。
【0034】また、上記実施形態では、振動板22を、
全圧電アクチュエータ21に共通の1つのもので構成し
たが、振動板22も、圧電素子23や個別電極24のよ
うに、圧電アクチュエータ21毎に個別に設けるように
してもよい。そして、振動板22を電極と兼用しない
で、圧電素子23と振動板22との間に別途に電極を設
けるようにしてもよい。
全圧電アクチュエータ21に共通の1つのもので構成し
たが、振動板22も、圧電素子23や個別電極24のよ
うに、圧電アクチュエータ21毎に個別に設けるように
してもよい。そして、振動板22を電極と兼用しない
で、圧電素子23と振動板22との間に別途に電極を設
けるようにしてもよい。
【0035】さらに、上記実施形態では、インクジェッ
トヘッド1に、複数のノズル14を設け、これに対応し
て複数の圧力室4や圧電アクチュエータ21等を設けた
が、ノズル14、圧力室4、圧電アクチュエータ21等
が1つであっても本発明を適用することができる。
トヘッド1に、複数のノズル14を設け、これに対応し
て複数の圧力室4や圧電アクチュエータ21等を設けた
が、ノズル14、圧力室4、圧電アクチュエータ21等
が1つであっても本発明を適用することができる。
【0036】また、上記実施形態では、圧力室4に圧力
を印加して該圧力室4内のインクをノズル14から吐出
させる圧力印加手段として圧電アクチュエータ21を用
いたが、これに限らず、他のどのようなものを使用して
もよい。
を印加して該圧力室4内のインクをノズル14から吐出
させる圧力印加手段として圧電アクチュエータ21を用
いたが、これに限らず、他のどのようなものを使用して
もよい。
【0037】加えて、他の種々の変形が可能であり、例
えば、圧電アクチュエータ21の振動板22、圧電素子
23及び個別電極24を、上記実施形態と異なる材料や
厚みのもので構成してもよく、また、ヘッド本体2の第
1〜第4基板6〜9を、上記実施形態と異なる材料や厚
みのもので構成してもよい。
えば、圧電アクチュエータ21の振動板22、圧電素子
23及び個別電極24を、上記実施形態と異なる材料や
厚みのもので構成してもよく、また、ヘッド本体2の第
1〜第4基板6〜9を、上記実施形態と異なる材料や厚
みのもので構成してもよい。
【0038】また、各ノズル14のストレート部14b
は、完全なストレート形状でなくてもよく、製作誤差等
によってテーパ角度が10°以下のテーパ形状に形成さ
れていても、本発明を適用することができる。この場
合、そのストレート部14bは、テーパ角度が10°以
下であれば、ノズル先端側に拡開していてもよく、圧力
室4側に拡開していてもよい。
は、完全なストレート形状でなくてもよく、製作誤差等
によってテーパ角度が10°以下のテーパ形状に形成さ
れていても、本発明を適用することができる。この場
合、そのストレート部14bは、テーパ角度が10°以
下であれば、ノズル先端側に拡開していてもよく、圧力
室4側に拡開していてもよい。
【0039】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。先ず、上記実施形態と同様の構成(各構成部品の
厚みや大きさ等の寸法は上記実施形態で示した数値と同
じ)のインクジェットヘッドで、ノズルのテーパ部のテ
ーパ角度θを異ならせたものを7種類作製した(θ=3
0°、44°、60°、76°、90°、100°、1
10°)。尚、ノズルのストレート部は、略完全なスト
レートに形成し、その長さLは5μmとした。
する。先ず、上記実施形態と同様の構成(各構成部品の
厚みや大きさ等の寸法は上記実施形態で示した数値と同
じ)のインクジェットヘッドで、ノズルのテーパ部のテ
ーパ角度θを異ならせたものを7種類作製した(θ=3
0°、44°、60°、76°、90°、100°、1
10°)。尚、ノズルのストレート部は、略完全なスト
レートに形成し、その長さLは5μmとした。
【0040】次いで、上記7種類のインクジェットヘッ
ドの圧電アクチュエータに駆動電圧(押し引きタイプの
もの)を印加してノズルからインクを吐出させた。この
とき、圧電アクチュエータに印加する駆動電圧を変えて
インクの吐出量を変化させ、インク吐出量とインク吐出
速度(飛翔速度)とを測定した。また、各テーパ角度θ
について、インク吐出量が15plになるようにしたと
きの必要印加電圧(パルスの最大電圧)を測定した。
ドの圧電アクチュエータに駆動電圧(押し引きタイプの
もの)を印加してノズルからインクを吐出させた。この
とき、圧電アクチュエータに印加する駆動電圧を変えて
インクの吐出量を変化させ、インク吐出量とインク吐出
速度(飛翔速度)とを測定した。また、各テーパ角度θ
について、インク吐出量が15plになるようにしたと
きの必要印加電圧(パルスの最大電圧)を測定した。
【0041】上記インク吐出量とインク吐出速度との関
係を図7に、テーパ角度θと必要印加電圧との関係を図
8にそれぞれ示す。
係を図7に、テーパ角度θと必要印加電圧との関係を図
8にそれぞれ示す。
【0042】この結果、インク吐出量とインク吐出速度
とは、テーパ角度θに関係なく略比例関係にあり、この
関係からはテーパ角度θをどのように設定してもよい。
しかし、テーパ角度θと必要印加電圧との関係から判る
ように、テーパ角度θが50°よりも小さいか又は11
0°よりも大きいと、必要印加電圧は、テーパ角度θが
50°〜110°の場合よりも大きくかつテーパ角度θ
の僅かな変化に対して大きく変化する一方、テーパ角度
θが50°〜110°の範囲では、必要印加電圧は小さ
くてテーパ角度θの変化に対して殆ど変化せず、60°
〜90°の範囲では、必要印加電圧はより小さくて安定
する。すなわち、駆動電圧が一定である実際の使用状態
では、テーパ角度θを50°〜110°(特に60°〜
90°)の範囲内の任意の値に設定しておけば、その設
定した値が製作誤差によりばらついたとしても、インク
吐出量は殆ど変化せず、狙った吐出量に安定させること
ができ、しかも、同じ吐出量を得るのに低い駆動電圧で
済む。
とは、テーパ角度θに関係なく略比例関係にあり、この
関係からはテーパ角度θをどのように設定してもよい。
しかし、テーパ角度θと必要印加電圧との関係から判る
ように、テーパ角度θが50°よりも小さいか又は11
0°よりも大きいと、必要印加電圧は、テーパ角度θが
50°〜110°の場合よりも大きくかつテーパ角度θ
の僅かな変化に対して大きく変化する一方、テーパ角度
θが50°〜110°の範囲では、必要印加電圧は小さ
くてテーパ角度θの変化に対して殆ど変化せず、60°
〜90°の範囲では、必要印加電圧はより小さくて安定
する。すなわち、駆動電圧が一定である実際の使用状態
では、テーパ角度θを50°〜110°(特に60°〜
90°)の範囲内の任意の値に設定しておけば、その設
定した値が製作誤差によりばらついたとしても、インク
吐出量は殆ど変化せず、狙った吐出量に安定させること
ができ、しかも、同じ吐出量を得るのに低い駆動電圧で
済む。
【0043】また、ノズルから吐出されたインクの飛翔
軌跡を観察すると、テーパ角度θが100°及び110
°である場合には、インクがノズル軸方向に真っ直ぐに
飛翔しないで僅かに曲がる現象が見られた。したがっ
て、テーパ角度θを60°〜90°の範囲内に設定すれ
ば、インク吐出量の安定化及び圧電アクチュエータの駆
動電圧の低電圧化という効果に加えて、インクの吐出方
向をノズル軸方向に安定させることができ、インクの記
録紙への着弾位置精度を向上させることができる。
軌跡を観察すると、テーパ角度θが100°及び110
°である場合には、インクがノズル軸方向に真っ直ぐに
飛翔しないで僅かに曲がる現象が見られた。したがっ
て、テーパ角度θを60°〜90°の範囲内に設定すれ
ば、インク吐出量の安定化及び圧電アクチュエータの駆
動電圧の低電圧化という効果に加えて、インクの吐出方
向をノズル軸方向に安定させることができ、インクの記
録紙への着弾位置精度を向上させることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェットヘッド及びインクジェット式記録装置によると、
ノズルのテーパ部のテーパ角度を50°〜110°に設
定したことにより、テーパ部のテーパ角度のばらつきに
拘わらず、インク吐出量を安定させることができ、多数
のノズルを設ける場合には、インクジェットヘッドの生
産性を高めつつ、解像度の向上化を図ることができる。
ェットヘッド及びインクジェット式記録装置によると、
ノズルのテーパ部のテーパ角度を50°〜110°に設
定したことにより、テーパ部のテーパ角度のばらつきに
拘わらず、インク吐出量を安定させることができ、多数
のノズルを設ける場合には、インクジェットヘッドの生
産性を高めつつ、解像度の向上化を図ることができる。
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット式記録
装置を示す概略斜視図である。
装置を示す概略斜視図である。
【図2】インクジェットヘッドの部分底面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】ノズルの詳細を示す拡大断面図である。
【図6】インクジェットヘッドの製造方法を示す概略説
明図である。
明図である。
【図7】インク吐出量とインク吐出速度との関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図8】ノズルのテーパ部のテーパ角度と必要印加電圧
との関係を示すグラフである。
との関係を示すグラフである。
1 インクジェットヘッド 4 圧力室 14 ノズル 14a テーパ部 14b ストレート部 21 圧電アクチュエータ(圧力印加手段) 31 キャリッジ(相対移動手段) 32 キャリッジ軸(相対移動手段) 41 記録紙(記録媒体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 幸治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF23 AF93 AG02 AG12 AN01 AP71 AQ06 BA04 BA14
Claims (3)
- 【請求項1】 インクが充填される圧力室と、該圧力室
に連通するノズルと、上記圧力室に圧力を印加して該圧
力室内のインクを上記ノズルから吐出させる圧力印加手
段とを備えたインクジェットヘッドであって、 上記ノズルは、ノズル径がノズル先端側に向かって小さ
くなるテーパ部と、該テーパ部のノズル先端側に設けら
れたストレート部とからなり、 上記ノズルのテーパ部のテーパ角度が、50°〜110
°に設定されていることを特徴とするインクジェットヘ
ッド。 - 【請求項2】 請求項1記載のインクジェットヘッドに
おいて、 ノズルのテーパ部のテーパ角度が、60°〜90°に設
定されていることを特徴とするインクジェットヘッド。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のインクジェットヘ
ッドと、 上記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させ
る相対移動手段とを備え、 上記相対移動手段によりインクジェットヘッドが記録媒
体に対して相対移動しているときに、該インクジェット
ヘッドのヘッド本体のノズルからインクを記録媒体に吐
出させて記録を行うように構成されていることを特徴と
するインクジェット式記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000184995A JP2002001965A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000184995A JP2002001965A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002001965A true JP2002001965A (ja) | 2002-01-08 |
Family
ID=18685375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000184995A Withdrawn JP2002001965A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002001965A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006297673A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 有孔構造体 |
US20100110128A1 (en) * | 2008-11-05 | 2010-05-06 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus and liquid ejecting method |
JP2011073245A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Seiko Epson Corp | 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 |
US8758973B2 (en) | 2010-09-16 | 2014-06-24 | Ricoh Company, Ltd. | Method and apparatus for producing toner |
-
2000
- 2000-06-20 JP JP2000184995A patent/JP2002001965A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006297673A (ja) * | 2005-04-18 | 2006-11-02 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 有孔構造体 |
US20100110128A1 (en) * | 2008-11-05 | 2010-05-06 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus and liquid ejecting method |
JP2010110968A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-05-20 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 |
US8622498B2 (en) | 2008-11-05 | 2014-01-07 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejecting apparatus and liquid ejecting method |
JP2011073245A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Seiko Epson Corp | 液体吐出ヘッド、及び、液体吐出装置 |
US8758973B2 (en) | 2010-09-16 | 2014-06-24 | Ricoh Company, Ltd. | Method and apparatus for producing toner |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20070530 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20100517 |