JP2002097573A - 摺動部材 - Google Patents
摺動部材Info
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Abstract
ず、熱変形による母材の寸法精度低下や硬度低下を生じ
ることがなく、低温で耐摩耗性硬質皮膜を摺動部材に形
成させる。 【解決手段】 相手部材と相対的に当接または摺接する
部位に、炭素と水素を主成分とし、金属酸化物を含む非
晶質硬質炭素膜を形成したことを特徴とする摺動部材。
Description
する非晶質硬質炭素膜を形成した自動車用、家電用など
の摺動部材に関する。本発明において「硬質」とはトラ
イボロジにおける一般的用法に沿っており(例えば「ト
ライボロジストVol44,No.9,1999、小特集硬質材
料」参照)、具体的には摺動相手材より硬さが高い性質
であり、特にHv1000以上、より好ましくはHv1
500以上を指す。非晶質硬質炭素皮膜についてはトラ
イボロジストVol41,No.9,1996, 760から771頁に適用例
が解説されている。
ストンリングの外周面、内周面及び側面、ベーン、燃料
噴射ポンププランジャ外周面等は過酷な摺動条件に曝さ
れるため高度な耐摩耗性が要求されている。
に耐摩耗性を確保するために、高級な耐摩耗性材料を使
用し、窒化や浸炭などの硬質皮膜形成表面処理を行って
摺動機能を高めることにより耐摩耗性の向上が図られて
きた。しかしながら、従来の方向では使用材料が高価で
あることやまた硬質皮膜形成処理時に数百度から千度の
高温での処理が必要となることから、熱変形による寸法
精度の低下や硬度低下といった問題があった。
ガソリン環境下で摺動でするため、硬質粒子を分散させ
た複合分散めっき皮膜が適用されているが、所定の皮膜
硬度を得るためには400℃程度の熱処理が必要となる
ためSKD11相当の高級材を基材に使用する必要があ
った。そこで、低温で耐摩耗性硬質皮膜を形成する処理
方法の開発が望まれていた。
炭素−水素−珪素薄膜が摺動中に相手材表面に形成され
た珪素酸化物(SiO2)の薄膜が気体の吸着等による
所謂コンタミネーション潤滑を示して比較的低い摩擦係
数を示すことが開示されている。ここでいう珪素酸化物
は予め珪素を含んだ非晶質硬質炭素−水素−珪素薄膜が
相手材との摺動により相手材表面に形成されるものであ
る。この薄膜の摩擦係数は珪素酸化物が相手材表面に形
成されて初めて低くなる。
を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、耐
摩耗性硬質皮膜の形成に高温を必要とせず、熱変形によ
る母材の寸法精度低下や硬度低下を生じることがなく、
低温で耐摩耗性硬質皮膜を形成させる方法により、摺動
部位に金属酸化物を含有する非晶質硬質炭素膜を形成し
た摺動部材を提供することにある。また、本発明は金属
酸化物を含有する非晶質硬質炭素膜を提供することによ
り、従来の非晶質硬質炭素皮膜では実現不可能であった
摺動初期から安定した低摩擦係数を得るものである。
すべくなされたものであり、炭素と水素を主成分とする
非晶質硬質炭素膜に金属酸化物を含有せしめることによ
り、相手部材との摺動において低摩擦係数で良好な耐摩
耗性を達成する。この金属酸化物はSi,Ti,B及び
Wからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の元素の
酸化物であることが好ましい。また、炭素中の酸素の含
有量は約0.1〜10原子%が好適である。
は、主として酸化物であり、若干量の酸化物として結合
していない酸素、金属元素の他にフッ素、臭素、塩素な
どの原料に起因する物質を含む。本発明において、主成
分である炭素と水素が構成する物質がArレーザーラマ
ン分光法で検出される非晶質構造をもち、これにより優
れた摺動特性を発揮する。一方酸化物は結晶質でも非晶
質でもよい。
がピストンリングである場合は、鋳鉄、アルミニウム合
金製シリンダーもしくはシリンダーライナーであり、摺
動部材が圧縮機ベーンである場合は、アルミニウム合金
製もしくは鉄製ローター、ハウジングであり、摺動部材
が燃料噴射用プランジャである場合はSKD11相当材で
ある。これらは例示であり、本発明の摺動部材と相手材
は非晶質硬質炭素皮膜の特性を利用することができるあ
らゆる部材に適用される。
として膜中の水素含有量により決定されるが、ビッカー
ス硬度で1800以下では耐摩耗性が悪く、2500以
上では皮膜が欠けやすくなるため、Hv1800〜25
00が好ましい。より好ましくビッカース硬度でHv1
900〜2400の範囲が望ましい。また、皮膜の厚さ
は2μm未満では十分な耐摩耗性が得られず、15μm
以上では皮膜の応力により剥離し易くなるため、5〜1
0μmが好適である。続いて、各摺動部材毎の皮膜形成
部位は、ピストンリングの場合は少なくとも外周面、内
周面、側面及びスペーサ耳部の1箇所以上であり、圧縮
機ベーンの場合は、少なくともベーンの先端R面、側面
の1箇所以上であり、また燃料噴射ポンプ用プランジャ
の場合は少なくともプランジャの外周面である。これら
ピストンリング、ベーン、プランジャなどの基材は従来
から使用されている材料であってよい。非晶質硬質炭素
膜を摺動部材の必要な部位に形成する場合、下地金属上
に直接形成しても良いし、窒化層、Crめっき皮膜、窒
化珪素等の硬質粒子を分散させたNi−Co−P系複合
分散めっき皮膜、CrN、TiNなどのイオンプレーテ
ィング皮膜などの上に形成することも可能である。
酸化物を含有する非晶質硬質炭素膜は炭素原料、金属含
有原料及び酸素原料を摺動部材を設置した真空室内に導
入することにより摺動部材表面に形成することができ
る。その膜形成法としては、RFプラズマCVD法、イ
オンビーム蒸着法、イオンプレーティング法、真空アー
ク法などがあるが、以下RFプラズマCVD法の例を説
明する。
などの炭化水素ガスを用いることができる。また、金属
含有原料ガスとしてはテトラメチルシラン、テトラエチ
ルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ンやトリエトキシボロン、三フッ化ホウ素、テトラ−i
−プロポキシチタン、六フッ化タングステンなどを用い
ることができる。尚、成膜時に摺動部材の加熱は行わな
い。摺動部材はプラズマに曝されることにより、温度上
昇するが200℃以下である。
酸化物を含有する非晶質硬度炭素膜は摺動部材との密着
性も良好で、高硬度で低摩擦係数であるため、相手材と
の摺動において耐摩耗性にも優れた性能を示す。このよ
うな金属酸化物含有の非晶質硬質炭素膜を摺動部材の相
手材と当接又は摺接する部位に形成することにより、過
酷な摺動条件下でも十分な耐摩耗性を確保することがで
きる。
来の非晶質硬質炭素膜と異なり、金属酸化物を含有して
いるため、従来よりも低い摩擦係数が得られるという特
徴がある。この性質については以下のように考察した。
従来の例えば珪素を含んだ非晶質硬質炭素膜において膜
硬度や摩擦係数は皮膜中の炭素量及び結合状態や膜中水
素濃度に結合状態に依存すると考え、水素、珪素の組成
及びそれぞれの元素の結合状態に着目した。炭素は炭素
同士或いは水素と結合してsp2結合(グラファイト構
造)とsp3結合(ダイヤモンド構造)を形成する。本
発明による非晶質硬質炭素膜はArレーザーラマン分光
法による測定で1550cm−1付近のブロードなG
(Graphite)ピークをサブピークとする構造的な特徴を
持つことが確認されており、sp2結合とsp3結合、
すなわちグラファイト構造とダイヤモンド構造が混在し
た構造をとっている。
状珪素は炭素と結合して安定な炭化物を形成するが、部
分的に未結合の電子がダングリングボンドとして残る可
能性があると考えられ、構造的に不安定となり、皮膜の
硬度、摩擦係数にも影響すると考えられる。膜内部にダ
ングリングボンドが存在する場合には摺動により摩滅が
進んで膜内部が雰囲気に曝されると雰囲気との相互作用
による化学反応、例えば酸化雰囲気であれば表面の酸化
反応が進み、表面が化学的に安定な状態に到達するまで
反応が進行するものと考えられる。そこで本発明では金
属元素を添加した非晶質硬質炭素膜を真空中のプラズマ
から生成させる時に微量の酸素を導入して、安全な炭化
物になりきっていない金属元素を酸素と結合させて酸化
物とすることにより安定な結合状態とすることに着眼し
た。以上珪素酸化物の例を説明したが、Tiなどの場合
はTiCとして炭素と化合していないTiを酸化物とす
ることにより同様の効果を期待することができる。
低摩擦性とダイヤモンド構造、Si−C結合による硬質
性の両方の性質を兼ね備え、加えて微量の酸素添加によ
る安定な結合状態を持った非晶質硬質炭素膜で安定した
低摩擦性が得られる膜として本発明による金属酸化物を
含有する非晶質硬質炭素膜を考案するに至った。
成膜中に酸素添加した被膜の摩擦係数低減効果について
示したものである。少量の酸素を添加することにより、
摩擦係数が低減されていることがわかる。このような被
膜についてX線光電子分光法(XPS)により膜中の珪素含
有量及び状態について調査した結果、珪素は4原子%以
下で、主として炭素と結合しSi−C結合となっている
が、一部の珪素は酸素と結合してSiOxの酸化物の形
態をとっていることが確認された。すなわち、このこと
から珪素を含有する非晶質硬質炭素膜において膜中で安
定した炭化物になっていない珪素を、酸素を添加して酸
化物とすることにより安定な結合状態とさせることによ
り、摩擦係数が低減されることが示された。
膜方法について説明する。
たものである。レール1の外周面1a、内周面1b及び
側面1cのそれぞれハッチング部に前述したようにRF
プラズマCVD法により金属酸化物を含有する非晶質硬
質炭素膜2を形成する。またスペーサ3がレール1と当
接する耳部4にも金属酸化物を含有する非晶質硬質炭素
膜2を形成する。
リングに形成するために、真空室41(図41)内に予
め窒化され、洗浄しておいたピストンリング42をRF
電源43に接続された電極板44上に配設し、排気口4
5に接続された真空ポンプ(図示せず)により真空室1
内を5.25E-8Pa程度まで排気した。次に真空室41内を
連続的に排気しながら、ガス導入口46よりArガスを
導入して真空室41内の圧力を7.5E-5Pa程度に調節
し、RF電源43よりRF電力をピストンリング42に
加えてプラズマ放電を励起し、ピストンリング表面をク
リーニングした。続いて、Arガスの流入を止め、真空
室41内に炭素原料ガス、金属含有原料ガス及び酸素原
料ガスを導入して、再びRF電力を印加してプラズマ放
電を励起し、ピストンリング表面の窒化層上に金属酸化
物を含有する非晶質硬質炭素膜を10μmの膜厚に形成
した。炭素原料ガスとしてはアセチレンを用い、また、
金属含有原料ガスとしてはテトラメチルシランを用い
た。表1に比較例を含めた成膜条件を示した。
なかった。ピストンリングはプラズマに曝されることに
より、プラズマ中の電子やイオンの衝突による衝撃によ
り温度上昇するが表1に示したような条件下では200
℃以上の温度にまで加熱されることはなかった。ピスト
ンリング42を積み重ねて電極板44の上に置く図4の
場合には、ピストンリング外周面のみに非晶質硬質炭素
膜が形成される。一方、図5に示したように円筒状の治
具50に複数個のピストンリング42を一定間隔で配設
した場合にはピストンリングの外周面と側面に非晶質硬
質炭素膜を形成することができる。また、図6に示した
ように複数個のピストンリング42を一定間隔で3本の
支持棒60により内周側より支えるように配設すると、
ピストンリングの外周面、側面及び内周面(支持棒によ
り陰になる部分を除く)に非晶質硬質炭素膜を形成する
ことができる。
重ねて、表1に示した条件で外周面に非晶質硬質炭素膜
を形成した。かくして表面処理されたピストンリングに
ついてモータリング試験により摩擦損失の測定を行っ
た。相手材はFC250のシリンダーライナーで、回転
数100rpm.オイルは低粘度油(40℃、5cS
t)で行った。その結果を図8に示した。
グにつき何ら皮膜形成表面処理なしで、実施例1と同じ
条件で摩擦損失を測定した。その結果を図8に併せて示
した。
リングにクロムめっき層を約20μの厚さに形成したも
のにつき、実施例1と同じ条件で摩擦損失を比較した。
その結果を図8に併せて示した。
てのみ存在する非晶質硬質炭素膜をピストンリング外周
面に約10μmの厚さに形成した。このような膜を形成
したピストンリングについて摩擦損失を測定した結果を
図8に併せて示した。図8から明らかなように、本実施
例1によるピストンリングでは窒化層のみの比較例1に
対して11.6%摩擦損失が低減されていることがわか
る。この値は比較例2の窒化+クロムめっきに対しても
約8%低い値となっている。また、酸素が添加されず珪
素が炭化物としてのみ存在する比較例3の非晶質硬質炭
素膜に対しても本実施例1の摩擦損失は約3.2%低減
されている。すなわち、この結果から、珪素を含有する
非晶質硬質炭素膜で酸素を微量添加することにより膜中
で完全な炭化物になっていない構造的に不安定な珪素を
酸化物とし、より安定な珪素酸化物とし、より安定な結
合状態とした本発明の非晶質硬質炭素膜はより低い摩擦
係数が実現できるため、酸化物が形成されていない非晶
質硬質炭素膜よりも摩擦損失が低減出来ることが示され
た。
SKH51)の斜視図である。図2(B)はベーン20
の断面を示した図であるが、先端R面20bと4つの側
面に前述と同様の方法でRFプラズマCVD法により珪
素酸化物を含有する非晶質硬質炭素膜2を形成した。表
2は実施例2とその比較例の作製条件について示したも
のである。
面20cを除く面に非晶質硬質炭素膜を形成する場合に
は図4に示した装置において電極板44上にベーンを底
面を下にして一定間隔で立てて並べる。図2に示したよ
うな先端R面20bと4つの側面に金属酸化物を含有す
る非晶質硬質炭素膜をコーティングしたベーンの耐摩耗
性評価試験を行った。相手材はFC250材とし、荷重9
8.1N/mm、摺動速度0.5m/sec.で4時間
行った。図9はその結果を示したものである。
形成の表面処理をしないベーンを用意し、耐摩耗性を比
較した。その結果を図9に併せて示した。
ンプレーティング法によりCrN膜を約5μmの膜厚で
形成したベーンを用意し、耐摩耗性を比較した。その結
果を図9に併せて示した。
てのみ存在する非晶質硬質炭素膜をベーンに約10μm
の厚さに形成した。このような膜を形成したベーンにつ
いて耐摩耗性を比較評価した結果を図9に併せて示し
た。
1(比較例4)が最も摩耗量は大きく、ついで酸素無添
加の非晶質硬質炭素膜(比較例6)の摩耗量が2番目に
大きく、実施例2は比較例5のイオンプレーティングに
よるCrN膜と同等の非常に小さな摩耗量となっている
ことがわかる。さらに、表2に示したように摩擦係数に
着目すると実施例2は比較例に比べて低い摩擦係数とな
っている。すなわち、この結果から、珪素を含有する非
晶質硬質炭素膜に酸素を微量添加することにより、膜中
で完全な炭化物になっていない構造的に不安定な珪素を
酸化物とし、より安定な結合状態とした非晶質硬質炭素
膜は酸化物が形成されていない非晶質硬質炭素膜に比べ
て良好な耐摩耗性を示し、加えて低い摩擦係数が実現で
きることが示された。
当材)の断面図を示したものである。プランジャ30の
円筒外周部30aに前述と同様の方法でRFプラズマC
VD法により珪素酸化物を含有する非晶質硬質炭素膜2
を形成した。図4に示したような装置でプランジャーの
片端を保持して電極板44上に複数個一定間隔で整列さ
せ、実施例2と同様の条件により、プランジャーの外周
面に珪素酸化物を含有する非晶質硬質炭素膜を膜厚10
μm形成した。このようなプランジャーでガソリン潤滑
下での耐焼き付き性評価試験を行った。摺動速度8m/
sec、荷重条件max250MPaまで行った。表3
はその結果を示した。
形成表面処理をしないプランジャーの耐焼き付き性を実
施例2と同じ方法で試験した。その結果を表3に併せて
示した。
分散めっき法により硼素を含有するNi−Co−P系め
っき膜を形成した製のプランジャーの耐焼き付き性を実
施例3と同じ方法で試験した。その結果を表3に併せて
示した。
てのみ存在する非晶質硬質炭素膜炭素膜をプランジャー
に約10μmの厚さに形成した。このような膜を形成し
たプランジャーについて耐焼き付き性を比較評価した結
果を表3に併せて示した。
なようになんら皮膜形成表面処理をしていないSKD1
1のプランジャーでは10MPa付近で焼き付きが発生
する。また硼素を含有するNi−Co−P系めっき膜で
は約20MPa程度で焼き付きが発生する。さらに珪素
酸化物を含有しない非晶質硬質炭素膜では22MPa程
度で焼き付きが発生するが、珪素酸化物を含有する非晶
質硬質炭素膜は最大荷重である25MPaまで焼き付き
を発生しなかった。すなわち、このことから珪素を含有
する非晶質硬質炭素膜で酸素を微量添加することにより
膜中で完全な炭化物になっていない構造的に不安定な珪
素を酸化物とし、より安定な結合状態とした本発明の非
晶質硬質炭素膜が酸化物が形成されていない非晶質硬質
炭素膜に比べて良好な耐焼き付き性を実現できることが
示された。
用される摺動部材に、NiもしくはCo系のような高価
な耐熱材料を使用することなく、摺動部材の相手材と当
接又は摺接する部位に室温付近の低温雰囲気で金属酸化
物を含有する非晶質硬質炭素膜を形成することにより、
母材の熱変形による寸法精度の低下がなく、均一で密着
性の良い高高度の皮膜を容易に形成することができる。
これにより摺動部材の耐摩耗性、耐焼き付き性を大幅に
改善することができ、ピストンリング、ベーン、プラン
ジャの摺動部分を低摩擦係数で高硬度での皮膜でコーテ
ィングすることにより摩擦損失を低減し、耐摩耗性及び
耐焼き付き性が向上し、耐久性が改善される。また、予
め膜中に摩擦係数を低減させる金属酸化物が含まれてい
るため、酸化雰囲気で無い場合や真空中でも低摩擦係数
が得られる。
ある。
用ベーンの斜視図であり、図4(B)はベーンの断面図
である。
ャの断面図である。
めのRFプラズマCVD装置の概要を示した図である。
側面に非晶質硬質炭素膜を形成する場合の方法について
示した図である。
面、内周面に非晶質硬質炭素膜を形成する方法について
示した図である。
る。
ある。
フである。
Claims (7)
- 【請求項1】 相手部材と相対的に当接または摺接する
部位に、炭素と水素を主成分とし、金属酸化物を含む非
晶質硬質炭素膜を形成したことを特徴とする摺動部材。 - 【請求項2】 前記金属酸化物がSi,Ti,B及びW
からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素の酸化物
であることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。 - 【請求項3】 前記非晶質硬質炭素膜がビッカース硬度
で1800〜2500の硬さを有することを特徴とする
請求項1または2記載の摺動部材。 - 【請求項4】 前記非晶質硬質炭素膜の厚さが2〜15
μmであることを特徴とする請求項1から3までのいず
れか1項に摺動部材。 - 【請求項5】 請求項1から4までのいずれか1項に記
載の非晶質硬質炭素膜を、少なくともピストンリングの
外周面、内周面、側面及びスペーサ耳部の1箇所以上に
形成したことを特徴とするピストンリング。 - 【請求項6】 請求項1から4までのいずれか1項に記
載の非晶質硬質炭素膜を、少なくともベーンの先端R
面、側面の1箇所以上に形成したことを特徴とする圧縮
機ベーン。 - 【請求項7】 請求項1から4までのいずれか1項に記
載の非晶質硬質炭素膜を、少なくとも外周面に形成した
ことを特徴とする燃料噴射ポンプ用プランジャ。
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