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JP2002096570A - 平版印刷版用支持体、その製造方法、および平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版用支持体、その製造方法、および平版印刷版用原版

Info

Publication number
JP2002096570A
JP2002096570A JP2000286998A JP2000286998A JP2002096570A JP 2002096570 A JP2002096570 A JP 2002096570A JP 2000286998 A JP2000286998 A JP 2000286998A JP 2000286998 A JP2000286998 A JP 2000286998A JP 2002096570 A JP2002096570 A JP 2002096570A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithographic printing
printing plate
aluminum
washing
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000286998A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Masaya Matsuki
昌也 松木
Akio Uesugi
彰男 上杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000286998A priority Critical patent/JP2002096570A/ja
Priority to CN 01141828 priority patent/CN1209250C/zh
Publication of JP2002096570A publication Critical patent/JP2002096570A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム板の工程管理を厳重に行な
わなくても過酷インキ汚れ性に優れた平版印刷版用支持
体を得る。 【解決手段】 アルミニウム含有量が99wt%以上で
あり、表層から10μm以内に存在するFeSi系金属
間化合物、またはSi昌出物・析出物の単位面積当たり
の存在率が1%以上であるアルミニウム板を、300〜
800g/リットルの濃度で硫酸を含有し、温度が65
℃〜90℃である酸性洗浄液で洗浄し、次いで陽極酸化
処理して陽極酸化膜を形成してなり、表層から10μm
以内に存在するFeSi系金属間化合物等の単位面積当
たり存在率が0.5%以下である平版印刷板用支持体、
前記平版印刷版用支持体の製造方法、および前記平版印
刷版用支持体を支持体として有する平版印刷版用原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体、その製造方法、および平版印刷版用原版に関し、特
に平版印刷版用支持体の製造に使用されるアルミニウム
板(以下、単に「アルミニウム板」という。)の表面に
存在する金属間化合物、晶出物、および析出物に由来す
る所謂過酷インキ汚れが生じない平版印刷版用支持体と
その製造方法、および前記平版印刷版用支持体を支持体
とする平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版用支持体は、通常、アルミニ
ウム又はアルミニウムを主体とする合金(以下、「アル
ミニウム合金等」という。)を素材とするアルミニウム
板の片面あるいは両面に粗面化処理を施し、必要に応じ
て陽極酸化処理を施して表面に陽極酸化膜を形成するこ
とにより製造される。
【0003】そして、平版印刷版用原版は、前記平版印
刷版用支持体の表面に感光層(感光性材料)を塗布し、
乾燥することにより、製造される。
【0004】前記平版印刷版用原版を画像露光し、次い
で現像、水洗などの製版処理を経て平版印刷版が作製さ
れる。前記平版印刷版においては、前記製版処理におい
て残存した感光層が画像部を形成し、感光層が溶解除去
されてアルミニウム板または陽極酸化膜が露出した部分
が非画像部を形成する。
【0005】前記平版印刷版を用いてオフセット印刷を
行なうと、前記画像部は親油性である故にインキが付着
し、前記非画像部は親水性である故に湿し水が付着す
る。そして、前記画像部に付着したインキがブランケッ
ト胴に転写され、次いで印刷紙に転写される。
【0006】しかし、前記平版印刷版における非画像部
に、時として点状あるいは円環状にインキが付着し、前
記インキが印刷紙に転写されて点状あるいは円環状の汚
れ、所謂過酷インキ汚れが生じることがあった。
【0007】この過酷インキ汚れを解決する手段とし
て、例えば、アルミニウム合金等中のMg、Mn、S
i、Ga、Ti、Cu等の合金成分の比率を一定範囲に
限定すること(特開平5−309964号公報、特開平
3−177528号公報等)、FeとSiとの比を一定
範囲に限定すること(特開平4−254545号公報、
特開平7−197162号公報等)、Feの固溶量を一
定範囲に限定すること(特開平4−165041号公報
等)、単体Siの量を一定範囲に限定すること(特許2
544215号公報、および特公平7−43949号公
報等)、金属間化合物の量、大きさ、および分布を一定
範囲に限定すること(特開平4−165041号公報、
特開平3−234594号公報、特許2544215号
公報、特開平4−254545号公報等)、アルミニウ
ム合金等の組成と陽極酸化膜の特性とを組み合わせて限
定すること(特開平7−197393号公報、特開平7
−26393号公報等)など、アルミニウム合金等中の
合金成分の種類および量を一定の範囲に限定することが
提案された。
【0008】また本願出願人によって、粗面化および陽
極酸化された平版印刷版用支持体の表層に存在する金属
間化合物の分布量を電子線マイクロアナライザ(以下、
「EPMA」という。)の測定結果により特定すること
(特願2000−65155号明細書)が提案された。
【0009】しかし、平版印刷版用支持体においては、
印刷機版胴への装着性に優れることから、純アルミニウ
ムに近いJIS A1000系材料が多く使用され、ま
た、高い機械的強度が要求される場合には、Mnを添加
して機械強度を高めたJISA3000系材料なども使
用されてきた。
【0010】これに対して、前記先行技術において提案
されたアルミニウム合金等は、前記JIS A1000
系材料およびJIS A3000系材料に、更に種々の
合金を添加したものであるから、平版印刷版用支持体用
のアルミニウム板における材料選択の自由度が少なくな
るという問題があった。
【0011】更に、前記手段によっても、なお、アルミ
ニウム合金板の製造ロットの違い、製造する機械特性の
違いによって過酷インキ汚れ性がばらつき、過酷インキ
汚れ性に劣る平版印刷版用支持体が発生する不具合があ
った。
【0012】前記JIS A1000系材料およびJI
S A3000系材料などのアルミニウム合金等は、通
常、アルミニウムを主成分とする原材料を溶解し、所定
の添加元素を所定量添加して溶湯を調製し、前記溶湯を
清浄化処理して非金属介在物、酸化物などの不純物およ
び前記溶湯に溶け込んだガスを除去した後、DC鋳造法
等の固定鋳型を用いる鋳造法、または駆動鋳型を用いる
連続鋳造法などにより鋳造される。
【0013】前記アルミニウム合金等は、鋳造後、熱間
圧延および冷間圧延されて前記アルミニウム板に加工さ
れる。
【0014】前記DC鋳造法においては、アルミニウム
に固溶しきれない合金元素により、鋳塊中に種々の金属
間化合物が形成される。前記鋳塊は、表面が1〜30m
m削り取られ、必要に応じて均熱化処理が行われるが、
前記金属間化合物の一部は、均熱化処理後も前記鋳塊中
に残存する。
【0015】前記鋳塊を圧延してアルミニウム板に加工
する際には、前述のように、熱間圧延および冷間圧延が
行なわれるが、前記鋳塊中の金属間化合物は、前記圧延
工程後も、粒径は細かくなるものの得られるアルミニウ
ム板中にそのまま残存する。
【0016】また、前記冷間圧延の前後または途中にお
いて焼鈍処理が施されることもあるが、焼鈍処理温度に
よっては、アルミニウム合金中の一部の元素が、金属間
化合物、析出物、または晶出物として析出してくること
がある。
【0017】一方、連続鋳造法で連続的に前記アルミニ
ウム合金等を鋳造し、圧延してアルミニウム板を製造す
る場合においては、前記連続鋳造法においては、アルミ
ニウム合金等の冷却速度が高速であり、また、DC鋳造
法とは異なり、均熱工程を有しないから、鋳造の際に生
じた不安定な金属間化合物等の晶出物が、微細な粒状で
前記アルミニウム板中に残存し易い。
【0018】アルミニウム板に前記金属間化合物、析出
物、および晶出物が存在していると、前記過酷インキ汚
れの原因になることがある。
【0019】また、平版印刷版用支持体は、前述のよう
に前記アルミニウム板を粗面化処理し、次いで必要に応
じて陽極酸化処理することにより作製されるが、前記粗
面化工程において、スマットという生成物が生じ易い。
【0020】即ち、前記粗面化処理においては、ボール
研磨、ワイヤ研磨、ブラシ研磨、液体ホーニングなど機
械的砂目立て、および交流電解エッチングなどの電気化
学的砂目立てが行なわれ、前記電気化学的砂目立ての前
処理として苛性ソーダ水溶液などによるエッチング処理
が広く行なわれているが、苛性ソーダ水溶液でエッチン
グしたアルミニウム支持体を交流電解エッチングする
と、表面に、水酸化アルミニウムを主成分としたスマッ
トが生成し易い。
【0021】そして、電気化学的砂目立てをした表面に
スマットが残存していると、陽極酸化膜にスマットが混
入等し、感光層との密着性が低下する等の不具合が生じ
易い。
【0022】そこで、前記スマットを除去するデスマッ
ト方法として、特公昭56−11316号公報におい
て、アルミニウム表面に生じたスマットを15〜60w
t%の硫酸溶液に50〜90℃の温度で接触せしめ、溶
解除去することを特徴とするデスマット方法が提案され
た。また、特許第2577594号公報において、電解
粗面化でアルミニウム表面に生じたスマットを、先ずp
Hが10以上、温度が25℃〜60℃のアルカリ溶液で
溶解した後、硫酸の濃度が50〜400g/リットルで
あり、温度が25℃〜65℃である酸性洗浄液にて、ア
ルミニウム素地の溶解量が0.03〜0.20g/m2
なるように溶解除去するスマット除去方法が提案され
た。
【0023】しかし、前者の方法は、アルカリ溶液を併
用しないため、スマットの除去が不十分になり易く、ま
た、電気化学的砂目立てにおいて不均一になった粗面化
面が表面にそのまま残るため、感光層と平版印刷版用支
持体との間の密着性が不足したり、過酷インキ汚れ性等
の印刷性能が充分に得られなかったりすることがあっ
た。
【0024】一方、後者の方法においては、デスマット
処理にアルカリ溶液を用いているから、電気化学的砂目
立てで生じたスマットは効率良く除去できるが、アルミ
ニウム板の表面に存在する不要な金属間化合物は除去で
きないので、アルミニウム板を形成するアルミニウム合
金の組成を厳密に制御しない限り、過酷インキ汚れ性を
改善できないという問題点があった。
【0025】また、アルカリ溶液の温度が25〜60℃
の範囲であるため、処理に時間がかかり、生産性の面で
不利であった。
【0026】そこで本発明者らは、粗面化処理されたア
ルミニウム板を、pHが10以上で、液温が60〜80
℃のアルカリ溶液により洗浄した後、硫酸の濃度が30
0〜800g/リットルであり、液温が65〜90℃で
ある酸性溶液により洗浄して前記アルミニウム板表面の
スマットおよび不要な金属間化合物をも除去した後に、
前記アルミニウム板を陽極酸化処理する方法を提案した
(特願2000−84856号明細書)。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記方法にお
いては、高温のアルカリ溶液および酸性溶液を使用する
故に、前記アルカリ溶液および前記酸性溶液の加熱およ
び温度維持に、従来以上にエネルギーを要するというデ
メリットがある。
【0028】更に、合金成分、金属間化合物、晶出物、
および析出物を厳密に管理して作られたアルミニウム合
金から形成されたアルミニウム板においては、粗面化処
理後に前記アルカリ溶液および前記酸性溶液で洗浄しな
くても、得られる平版印刷版用支持体における過酷イン
キ汚れ性は許容範囲内におさまると考えられる。
【0029】しかし、工程管理の程度を定量的に把握す
ることは容易ではなく、特に、前記アルミニウム合金等
における合金成分、金属間化合物、晶出物、および析出
物のバラツキは、前記アルミニウム合金等を繰り返し製
造をする中ではじめて顕在化してくることが一般的であ
る。
【0030】そして、前記アルミニウム板における前記
バラツキの程度を把握して必要な対策を取ることなく、
前記アルミニウム板を粗面化および陽極酸化処理して平
版印刷版用支持体を製造した場合には、前記アルミニウ
ム板の製造方法および製造設備の差によって得られる平
版印刷版用支持体の過酷インキ汚れ性がばらつき、過酷
インキ汚れ性に劣る不良品が発生し易いことが新たに判
明した。
【0031】本発明は、上記問題点を考慮し、アルミニ
ウム合金等における合金成分、金属間化合物、晶出物、
および析出物のバラツキ要因を明確にし、得られる平版
印刷版用支持体の過酷インキ汚れ性が許容範囲を超えて
不良になる可能性が有る材料に対しては、必要な改善策
を織り込むことで、アルミニウム合金等の製造ロットの
差、および製造設備の差によって生じる過酷インキ汚れ
性のバラツキを解消した平版印刷版用支持体、製造方
法、および平版印刷版用原版を提供することを目的とす
る。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、アルミニウム含有量が99wt%以上であり、表層
から10μm以内に存在するFeSi系金属間化合物の
単位面積当たりの存在率が1%以上であるアルミニウム
板を、300〜800g/リットルの濃度で硫酸を含有
し、温度が65℃〜90℃である酸性洗浄液で洗浄し、
次いで陽極酸化処理により、表面に陽極酸化膜を形成し
てなる平版印刷版用支持体であって、表層から10μm
以内に存在するFeSi系金属間化合物の単位面積当た
りの存在率が0.5%以下であることを特徴とする平版
印刷版用支持体に関する。
【0033】平版印刷版用支持体の陽極酸化膜の表面に
FeSi系金属間化合物が大量に存在すると、前記Fe
Si形金属間化合物は、陽極酸化膜の欠陥の原因になり
易く、陽極酸化皮膜に欠陥が生じると、過酷インキ汚れ
の原因になる。
【0034】しかし、前記平版印刷版用支持体において
は、酸性洗浄液で洗浄するため、FeSi系金属管化合
物が脱落除去されているので、欠陥が殆ど見られず、過
酷インキ汚れが生じ難い。
【0035】請求項2に記載の発明は、アルミニウム含
有量が99wt%以上であり、表層から10μm以内に
存在するFeSi系金属間化合物の単位面積当たりの存
在率が1%以上であるアルミニウム板を、300〜80
0g/リットルの濃度で硫酸を含有し、温度が65℃〜
90℃である酸性洗浄液で洗浄する洗浄工程と、前記洗
浄工程で洗浄されたアルミニウム板を陽極酸化処理して
表面に陽極酸化膜を形成する陽極酸化工程とを備えてな
ることを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法に関
する。
【0036】前記製造方法によれば、請求項1に記載の
平版印刷版用支持体が容易に作製できる。
【0037】請求項3に記載の発明は、アルミニウム含
有量が99wt%以上であり、表層から10μm以内に
存在し、Siを主成分とする析出物および晶出物の単位
面積当たりの存在率の合計が1%以上であるアルミニウ
ム板を、300〜800g/リットルの濃度で硫酸を含
有し、温度が65℃〜90℃である酸性洗浄液で洗浄
し、次いで陽極酸化処理により表面に陽極酸化膜を形成
してなる平版印刷版用支持体であって、表層から10μ
m以内に存在し、Siを主成分とする晶出物および析出
物の単位面積当たりの存在率が0.5%以下であること
を特徴とする平版印刷版用支持体に関する。
【0038】平版印刷版用支持体の陽極酸化膜の表面に
Si晶出物およびSi析出物が大量に存在すると、過酷
インキ汚れの原因になる。
【0039】しかし、前記平版印刷版用支持体の表面に
おいては、Si晶出物およびSi析出物は、酸性洗浄液
による洗浄のために少なくなっており、陽極酸化皮膜の
欠陥が生じ難く、前記平版印刷版用支持体を有する平版
印刷版用原版には、過酷インキ汚れが生じ難い。
【0040】請求項4に記載の発明は、アルミニウム含
有量が99wt%以上であり、表層から10μm以内に
存在し、Siを主成分とする析出物および晶出物の単位
面積当たりの存在率の合計が1%以上であるアルミニウ
ム板を、300〜800g/リットルの濃度で硫酸を含
有し、温度が65℃〜90℃である酸性洗浄液で洗浄す
る洗浄工程と、前記洗浄工程で洗浄されたアルミニウム
板を陽極酸化処理して表面に陽極酸化膜を形成する陽極
酸化工程とを備えてなることを特徴とする平版印刷版用
支持体の製造方法に関する。
【0041】前記製造方法によれば、請求項3に記載の
平版印刷版用支持体が容易に作製できる。
【0042】請求項5に記載の発明は、請求項1または
3に記載の平版印刷版用支持体における陽極酸化膜を形
成した側の面に感光層を積層してなることを特徴とする
平版印刷版用原版に関する。
【0043】前記平版印刷版用原版は、過酷インキ汚れ
が発生し難い。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明の平版印刷版の作製に使用
されるアルミニウム板は、前述のように、アルミニウム
含有量が99wt%以上であり、表層から10μm以内
に存在するFeSi系金属間化合物、またはSiを主成
分とする析出物および晶出物の単位面積当たりの存在率
が1%以上である。
【0045】アルミニウム含有量が99wt%以上であ
るアルミニウム板としては、JISA1000系の純ア
ルミニウム系材料からなる板材が挙げられ、具体的には
JIS A1050およびJIS A1100などの純
アルミニウム系材料からなる板材が挙げられる。
【0046】前記アルミニウム板における表層から10
μm以内におけるFeSi系金属間化合物、およびSi
を主体とする析出物または晶出物の存在率は、例えばE
PMAにより測定できる。
【0047】EPMAによる測定は、以下の手順で行な
うことができる。
【0048】粗面化処理を行う前のアルミニウム板にお
いては、まず溶剤あるいは苛性ソーダ溶液等で表面を洗
浄し、前記表面に残った圧延油等を除去する。苛性ソー
ダで洗浄した場合は、表面に水酸化アルミなどのスマッ
トが生じるため、水洗後、硝酸溶液で再洗し、更に水洗
を行う。
【0049】一方、平版印刷版用支持体および平板印刷
用原版においては、粗面化処理、陽極酸化処理、および
感光層塗布などが行ってある場合には、粗面化処理等を
行っていない裏面側を、苛性ソーダ溶液で洗浄し、水洗
し、硝酸溶液により再洗し、更に水洗し、アルミニウム
板の表面を露出させて測定を行なう。
【0050】次いで、EPMAにより、前記アルミニウ
ム板、平版印刷版用支持体、または平板印刷用原版所定
面積内の表面に存在するFeとSiとの存在率を測定す
る。EPMAは、電子線を照射した箇所から生じる特性
X線を用いて特定の元素の有無および存在率を測定する
分析方法である。電子線は、通常、加速電圧の値によっ
て表層から内部への浸透深さが異なるので、表層から1
0μm以内のFeとSiとの存在率を測定する場合に
は、10〜40kVの加速電圧が用いられる。
【0051】EPMAにより、所定面積内のFeおよび
Siの存在位置と面積とを面分析によって求め、続け
て、FeとSiとのそれぞれの存在率、およびFeとS
iとが一致する場所の存在率を算出する。
【0052】FeとSiとが一致する部分の面積率は、
FeSi系金属間化合物の面積率に相当し、アルミニウ
ム板の表層から10μm以内に存在するFeSi系金属
間化合物の単位面積当たりの存在率に相当する。また、
Siのみの部分の面積率は、Siを主成分とする析出物
または晶出物の面積率に相当し、アルミニウム板の表層
から10μm以内に存在するSiを主成分とする析出物
および晶出物の単位面積当たりの存在率に相当する。
【0053】本発明において使用されるアルミニウム板
は、前述のように表層から10μm以内におけるFeS
i系金属間化合物、またはSiを主成分とする析出物お
よび晶出物の単位面積当たりの存在率が1%以上である
から、本発明においては、EPMAで測定したFeとS
iとが一致する部分の面積率が1%以上のアルミニウム
板、および/またはSiのみの部分の面積率が1%以上
であるアルミニウム板を使用できる。
【0054】次に、粗面化処理、硫酸洗浄処理、および
陽極酸化処理について説明する。
【0055】粗面化処理においては、機械的粗面化を行
ない、次いで電解粗面化を行なうことが一般的である
が、機械的粗面化のみ、または電解粗面化のみを行なっ
てもよい。
【0056】機械的粗面化としては、従来技術の欄にお
いて述べた機械的砂目立てと同様の処理、即ちボール研
磨、ワイヤ研磨、ブラシ研磨、液体ホーニングなどが挙
げられるが、一般的にはパミストン懸濁液を用いたブラ
シ研磨が行なわれる。
【0057】機械的粗面化が行なわれたアルミニウム板
は、表面に形成された凹凸形状をなだらかにすると共
に、表面に残った研磨材粒子を除去する目的でアルカリ
エッチングされる。
【0058】前記アルカリエッチングにおいて好ましい
アルカリ剤としては、苛性ソーダ、苛性カリ、メタ珪酸
ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、グルコン酸ソ
ーダなどが挙げられる。前記アルカリ剤の濃度は0.0
1〜20%の範囲が好ましく、温度は60〜80℃が生
産性の観点から好ましく、エッチング量としては0.1
〜15g/m2が好ましい。また処理時間は、エッチン
グ量に応じて2sec〜5minの範囲から選択できる
が、生産性向上の観点からは2〜10secの範囲が好
ましい。
【0059】アルカリエッチングされたアルミニウム板
の表面には、アルカリに不溶な物質(スマット)が残存
するので、アルカリエッチング後に、前記アルミニウム
板をデスマット処理することが好ましい。但し、本発明
の平版印刷版用支持体の製造方法においては、粗面化処
理後、硫酸の濃度が300〜800g/リットルであ
り、液温が65〜90℃である酸性洗浄液でアルミニウ
ム板を洗浄してから陽極酸化処理を行なうから、前記ス
マットが前記酸性洗浄液による洗浄においてアルミニウ
ム板の表面から除去されると共に、FeSi系金属管化
合物、Siを主とする析出物、晶出物の多くが除去され
る。したがって、前記アルカリエッチング後のデスマッ
ト工程を省略してもよい。
【0060】電解粗面化としては、酸性電解液中におけ
る交流電解などが挙げられる。
【0061】前記交流電解においては、通常、前記アル
ミニウム板は、塩酸又は硝酸を主要な酸性分として含有
する酸性電解液中において、0.1〜100Hz、好ま
しくは10〜60Hzの周波数の交流電流を印加して行
なう。
【0062】前記酸性電解液における塩酸および硝酸な
どの酸成分の濃度は、一般的には3〜150g/リット
ルの範囲であり、より好ましくは5〜50g/リットル
の範囲である。前記電解液中のアルミニウムイオンの溶
解量は、一般的には50g/リットル以下であり、より
好ましくは2〜20g/リットルの範囲である。
【0063】また、電流密度は、一般的には5〜100
A/dm2の範囲であり、より好ましくは10〜80A
/dm2の範囲である。
【0064】交流電流の波形は、平版印刷版用支持体に
要求される品質および使用されるアルミニウム板の成分
などに応じて適宜選択されるが、特公昭56−1928
0号公報および特公昭55−19191号公報に開示さ
れている特殊交番波形を用いることが好ましい。
【0065】前記電解粗面化が行なわれたアルミニウム
板を、次に、以下に述べる酸性洗浄液で洗浄し、表面の
FeSi系金属間化合物およびSiを主成分とする析出
物、晶出物を除去する。
【0066】前記酸性洗浄液は、硫酸の濃度が300〜
800g/リットルであり、好ましくは300〜500
g/リットルである硫酸水溶液である。酸性洗浄液の温
度は65〜90℃であり、好ましくは65〜80℃であ
る。前記酸性洗浄液による洗浄においては、前記アルミ
ニウム板を、前記酸性洗浄液に浸漬してもよく、前記酸
性洗浄液をスプレーまたは塗布してもよい。
【0067】なお、前記アルミニウム板は、前記酸性洗
浄液による洗浄の前に、アルカリ溶液で洗浄してスマッ
トを除去してもよい。
【0068】前記アルカリ溶液としては、苛性ソーダな
ど各種のものがあるが、pHが10以上であり,液温が
60〜80℃であるアルカリ溶液が好ましい。特に、前
記アルカリ溶液の液温が65〜80℃の範囲内であれ
ば、1〜10secと極めて短い処理時間で前記スマッ
トを溶解除去できるから好ましい。
【0069】前記アルカリ溶液による洗浄においては、
前記アルミニウム板を前記アルカリ溶液に浸漬してもよ
く、前記アルカリ溶液を前記アルミニウム板にスプレー
または塗布してもよい。
【0070】前記アルミニウム板は、酸性溶液で洗浄さ
れた後、陽極酸化処理が施され、表面に陽極酸化膜が形
成される。
【0071】前記陽極酸化処理における陽極酸化膜の形
成量は、通常0.1〜10g/m2の範囲であり、より好
ましくは0.3〜5g/m2の範囲である。
【0072】陽極酸化処理の条件は、使用される電解液
によって異なるが、一般的には、電解液の濃度が1〜8
0wt%、液温が5〜70℃、電流密度が0.5〜60
A/dm2、電圧が1〜100V、電解時間がlsec
〜5minの範囲内である。
【0073】本実施形態に係る平版印刷版用支持体の製
造方法においては、上記陽極酸化処理に先立ち、所定の
条件で酸性洗浄液によりアルミニウム板を洗浄するか
ら、アルミニウム板の表面に存在する有害な金属間化合
物粒子が除去できる。更に、酸性洗浄液による洗浄に先
立ち、アルカリ性溶液で前期アルミニウム板を洗浄する
ことにより、電解粗面化処理で表面に生じたスマットを
除去できると共にアルミニウム板の表面を適度に粗面化
できる。
【0074】したがって、前記アルミニウム板の表面を
陽極酸化処理することにより、陽極酸化膜にスマットお
よび金属間化合物、析出物、晶出物に起因する陽極酸化
皮膜の欠陥が無い平版印刷版用支持体を、アルミニウム
合金等の合金組成および製造工程を厳密に管理すること
なく製造できる。
【0075】故に、本実施形態の平版印刷版用支持体の
製造方法により製造された平版印刷版用支持体を支持体
として有する平版印刷版を用いれば、過酷インキ汚れを
効果的に防止できる。
【0076】なお、酸性洗浄液による洗浄は、粗面化工
程の途中において行ってもよいが、最も効果が大きいの
は、粗面化終了後、陽極酸化処理の直前に行なう方法で
ある。
【0077】
【実施例】(実施例1〜3、比較例1〜5)次に、本発
明に係る平版印刷版用支持体の製造方法の実施例および
比較例について詳細に説明する。
【0078】各成分の割合を、Fe=0.33wt%、Si=0.
09wt%、Cu=0.012wt%、Ti=0.03wt%、Mn=0.0
01wt%、Mg=0.001wt%、Zn=0.001wt%に調整し
たアルミニウム合金溶湯から、実施例および比較例に使
用するアルミニウム合金の圧延板(アルミニウム板)を
作製した。
【0079】4箇所の製造ラインの何れかにお
いて、1ロットあたり重量5トンの前記圧延板のコイル
を10本ずつ製造した。
【0080】前記製造ライン〜は、それぞれ鋳造工
程、面削工程、均熱工程、熱間圧延工程、冷間圧延工
程、焼鈍工程、矯正工程の各ラインを含む。
【0081】鋳造工程においては、アルミニウム合金溶
湯に脱ガスと濾過からなる清浄化処理を施した後、DC
鋳造により鋳塊を製造した。
【0082】圧延工程では、前記鋳塊の表面を10mm
面削した後、鋳塊を加熱し、550℃で5時間保持した
後、400℃に温度を下げ、引き続き、鋳塊を熱間圧延
して板厚を3mmまで減じ、更に、冷間圧延で厚さ1.
5mmまで圧延し、連続焼鈍法で約500℃加熱した
後、冷間圧延で0.24mmの厚さの圧延板に仕上げて
得られた圧延板の平坦性を矯正し、本発明の実施例およ
び比較例で使用するアルミニウム板を製造した。
【0083】製造ラインはそれぞれ工程管理の
厳密さ、特に均熱工程、熱間圧延工程、焼鈍工程におけ
る温度管理の厳密さに差があり、の順に工程管
理が厳格となり、管理に要するコストが高くなる。
【0084】以上のようにして作製したアルミニウム板
のコイルから試料を切りだし、20%の苛性ソーダ溶液
で表面を洗浄し、水洗後1%の硝酸液で再洗し、更に水
洗を行ってから、EPMA法により、FeとSiについ
て分析を行った。なお、前記苛性ソーダ等による洗浄
は、アルミ板表面の溶解厚さが約1μmになるように行
った。
【0085】EPMAは、以下に示す測定条件で行なっ
た。
【0086】装置:日本電子製「JXA8800」 電子線加速電圧:20kV 測定面積:1視野が170μ×170μであり、n=3
箇所の平均値を採用。
【0087】測定電流:1.3×10-6A FeおよびSiのそれぞれについて、平均カウント値=
Xの際、カウント値が0〜2.5Xまでの領域をa、2.
5X以上の領域をbとして、2値化分類し、領域bにあ
る面積が前記測定面積全体に占める割合を各元素の存在
率とした。FeとSiとのそれぞれの領域bの重なる部
分をFeSi系化合物の存在率とした。Si単独の存在
率は、Si全体の存在率から、FeSi系化合物の存在
率を引いて求めた。
【0088】次に、前記アルミニウム板を粗面化処理お
よび陽極酸化処理した。実施例1〜3および比較例5に
おいて使用されるアルミニウム板については、粗面化処
理後、高温、高濃度の硫酸溶液を用いて洗浄処理を行な
ってから、陽極酸化処理した。
【0089】粗面化処理条件は、 1)ブラシグレイン(8号ブラシ×3本) 2)水洗 3)アルカリエッチング8g/m2(25% NaOH液、
75℃処理) 4)水洗 5)デスマット(硝酸9g/l、40℃処理) 6)電解粗面化(硝酸9g/l、50℃、電気量190C/
dm2) 7)アルカリエッチング1g/m2(25% NaOH液、
75℃処理) という手順に従って行なった。
【0090】酸性洗浄液による洗浄は、濃度320g/
リットルの硫酸溶液を用い、温度75℃で行った。
【0091】また、比較例1〜4に使用されるアルミニ
ウム板については、電解粗面化およびアルカリエッチン
グで生じたスマットをある程度除去するため、濃度15
0g/リットル、温度30℃の硫酸溶液でスマット除去
処理を行った。
【0092】前記実施例1〜3および比較例1〜5におい
ては、陽極酸化処理は、硫酸濃度150g/リットル、
アルミニウムイオン濃度5g/リットル、温度30℃、
平均電流密度25A/dm2の条件で、陽極酸化膜の量
が2.4g/m2になるように行った。
【0093】前述のようにして得られた平版印刷版用支
持体の表面に感光層を形成した。
【0094】感光層は、以下のようにして形成した。
【0095】1)乾燥後の塗布重:2.5g/m2 2)感光液組成: ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロール、 アセトン樹脂とのエステル化合物(米国特許3,635,709号明細書の実施例1に記 載のもの) ・・・0.75g クレゾールノボラック樹脂 ・・・2.00g オイルブルー#603(オリエント化学製) ・・・0.04g エチレンジクロライド ・・・16g 2−メトキシエチルアセテート ・・・12g 平版印刷版支持体の表層から10μm以内のFeSi系
化合物の存在率、およびSiを主とする晶出物または析
出物の存在率については、前記平版印刷版の表面におけ
る感光層を有機溶剤(MEK、アセトン等)で除去し、
乾燥した後、前記製造ラインで製造されたアルミニウム
板についてEPMAにより分析したのと同様の手順およ
び条件に従って測定した。
【0096】前記手順に従って作製された平版印刷版用
原版につき、以下の手順に従って印刷性を評価した。
【0097】先ず、前記平版印刷版用原版につき、真空
焼枠中で、透明ポジティブフイルムを通してlmの距離
から3kwのメタルハライドランプにより、50秒間露
光を行なったのち、SiO2/Na2Oのモル比が1.7
4である珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=1
2.7)で現像したのち、印刷テストを行った。
【0098】前記印刷テストにおいて、印刷機には、ハ
マダ900CDXを使用した。印刷は、湿し水中に塩素
イオン濃度が1%になるようにKClを添加し、過酷イ
ンキ汚れが発生し易くして加速試験を行った。まず10
00枚印刷した後、印刷機上で版面を放置乾燥させ、再
度印刷と放置乾燥を繰り返すことで、強制的に非画像部
に汚れが発生しやすい状況を作って非画像部の汚れ発生
を評価し、過酷インキ汚れ性を評価した。評価は9段階
で行い、9点が最良、1点が最低、5点が許容下限であ
る。各ロット各コイルについてそれぞれ評価を行い、許
容率、即ち5点以上のコイルの割合を求めた。
【0099】
【表1】
【0100】表1に示すように、実施例1、2、および
3においては、製造ラインで製造後のアルミニウム板
は、表層から10μm以内のFeSi系化合物およびS
iを主に含む晶出物または析出物の少なくとも一方につ
き、存在率の平均値が1%以上であったが、平版印刷版
支持体は、何れについても存在率は0.5%以下であ
り、過酷インキ汚れ性の許容下限である評価5以下の不
良品が全く発生しなかった。
【0101】このことから、実施例1〜3においては、
工程管理のレベルがそれほど高くない製造ラインで作っ
たアルミニウム板を用いているにもかかわらず、工程管
理のレベルの厳しい製造ラインで製造されたアルミニウ
ム板を用いた比較例4と同様に、過酷インキ汚れ性の許
容下限以下の不良品が発生しないことがわかった。
【0102】一方、比較例1〜3においては、使用した
アルミニウム板は、実施例1、2、3と同じであるが、
平版印刷版用支持体の表層から10μ以内におけるFe
Si系化合物の存在率の平均値、およびSiを主とする
晶出物または析出物の存在率の平均値は、何れも0.5
%を超え、過酷インキ汚れ性が許容下限の5以下である
不良品が発生した。
【0103】次に、比較例1〜3に係る平版印刷版の
内、過酷インキ汚れ性が許容下限以下であったものを拾
い出し、その裏面、即ち、粗面化処理〜感光層塗布を行
っていない面について、反対面の粗面化処理や陽極酸化
膜の影響を受けている可能性を排除するため、20%の
苛性ソーダ溶液で表面が約2μm溶解するように洗浄
し、水洗後、1%の硝酸液で再洗し、更に水洗を行っ
て、表面を合計で約2.2μm除去してから、EPMA
により、前述の手順に従ってFeとSiについて分析を
行った。
【0104】その結果、過酷インキ汚れ性が許容下限以
下であったサンプルでは、FeSiとSiとの一方また
は両方の存在率が大きいことが分かった。結果を表2に
示す。
【0105】
【表2】
【0106】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る平版
印刷版用支持体は、アルミニウム板に使用されるアルミ
ニウム合金の工程管理が比較的緩やかである場合におい
ても、過酷インキ汚れ性が良好であるから、前記アルミ
ニウム合金についてコストアップに繋がる過剰な工程管
理を行なう必要がない。
【0107】また、本発明の平版印刷版用支持体の製造
方法によれば、材料であるアルミニウム板についてコス
トアップに繋がる過剰な工程管理を行わなくても、過酷
インキ汚れ性が良好である平版印刷版用支持体が得られ
る。
【0108】更に、本発明の平版印刷版用原版は、前記
平版印刷版用支持体の表面に感光層を設けたものである
から、前記平版印刷版用原版を露光および現像して作製
された平版印刷版は、当然のことながら過酷インキ汚れ
性に優れ、非画像部に汚れが発生に難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、前記実施例2において作製された平
版印刷版用支持体の表面の走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図2】 図2は、図1に示す平版印刷版用支持体の作
製に使用されたアルミニウム板の表面の走査型電子顕微
鏡写真である。
【図3】 図3は、前記比較例2において作製された平
版印刷版用支持体の表面の走査型電子顕微鏡写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/00 503 G03F 7/00 503 7/09 501 7/09 501 (72)発明者 上杉 彰男 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB03 DA17 DA18 DA20 EA01 2H096 AA00 AA07 CA03 CA20 2H114 AA14 AA23 BA01 DA04 DA73 EA01 EA02 EA04 GA05 GA06 GA08 GA09 GA27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム含有量が99wt%以上で
    あり、表層から10μm以内に存在するFeSi系金属
    間化合物の単位面積当たりの存在率が1%以上であるア
    ルミニウム板を、300〜800g/リットルの濃度で
    硫酸を含有し、温度が65℃〜90℃である酸性洗浄液
    で洗浄し、次いで陽極酸化処理により、表面に陽極酸化
    膜を形成してなる平版印刷版用支持体であって、 表層から10μm以内に存在するFeSi系金属間化合
    物の単位面積当たりの存在率が0.5%以下であること
    を特徴とする平版印刷版用支持体。
  2. 【請求項2】 アルミニウム含有量が99wt%以上で
    あり、表層から10μm以内に存在するFeSi系金属
    間化合物の単位面積当たりの存在率が1%以上であるア
    ルミニウム板を、300〜800g/リットルの濃度で
    硫酸を含有し、温度が65℃〜90℃である酸性洗浄液
    で洗浄する洗浄工程と、 前記洗浄工程で洗浄されたアルミニウム板を陽極酸化処
    理して表面に陽極酸化膜を形成する陽極酸化処理工程と
    を備えてなることを特徴とする平版印刷版用支持体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム含有量が99wt%以上で
    あり、表層から10μm以内に存在し、Siを主成分と
    する析出物および晶出物の単位面積当たりの存在率の合
    計が1%以上であるアルミニウム板を、300〜800
    g/リットルの濃度で硫酸を含有し、温度が65℃〜9
    0℃である酸性洗浄液で洗浄し、次いで陽極酸化処理に
    より表面に陽極酸化膜を形成してなる平版印刷版用支持
    体であって、 表層から10μm以内に存在し、Siを主成分とする晶
    出物および析出物の単位面積当たりの存在率が0.5%
    以下であることを特徴とする平版印刷版用支持体。
  4. 【請求項4】 アルミニウム含有量が99wt%以上で
    あり、表層から10μm以内に存在し、Siを主成分と
    する析出物および晶出物の単位面積当たりの存在率の合
    計が1%以上であるアルミニウム板を、300〜800
    g/リットルの濃度で硫酸を含有し、温度が65℃〜9
    0℃である酸性洗浄液で洗浄する洗浄工程と、 前記洗浄工程で洗浄されたアルミニウム板を陽極酸化処
    理して表面に陽極酸化膜を形成する陽極酸化処理工程と
    を備えてなることを特徴とする平版印刷版用支持体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または3に記載の平版印刷版用
    支持体における陽極酸化膜を形成した側の面に感光層を
    積層してなることを特徴とする平版印刷版用原版。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007062216A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Fujifilm Corp 平版印刷版用支持体の製造方法
JP2008163379A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Mitsubishi Alum Co Ltd 表面処理アルミニウム材料の製造方法

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