JP2002085078A - アルカリセルラーゼ遺伝子 - Google Patents
アルカリセルラーゼ遺伝子Info
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Abstract
列又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする
アルカリセルラーゼ遺伝子。上記アルカリセルラーゼ遺
伝子を含有する組換えベクター及び該組換えベクターを
含む形質転換体。更に宿主が微生物である形質転換体。 【効果】 本発明のアルカリセルラーゼ遺伝子を用いて
洗剤用アルカリセルラーゼを単一且つ大量に生産するこ
とができる。
Description
合可能なアルカリセルラーゼをコードする遺伝子に関す
る。
るバイオマス資源である。1973年の石油ショック以
来、石油代替資源開発の一貫として、バイオマスを利用
した再生可能な生物資源を燃料用エタノール等のエネル
ギーや工業用素材、医療素材等への付加価値産物への変
換利用技術研究が、世界中の研究機関において多岐にわ
たり行われている。セルラーゼ利用の中で、環境負荷を
小さくするセルラーゼの衣料用洗剤への応用が考えられ
ていたが、従来のセルラーゼは中酸性領域のみで作用す
る酵素であり、アルカリ性の衣料用洗剤液中で作用でき
るものは知られていなかった。しかし、掘越(特公昭5
0−28515号公報、Horikoshi & Akiba, Alkalophi
lic Microorganisms, Springer, Berlin, 1982)によっ
て好アルカリ性バチルス属細菌由来のアルカリセルラー
ゼが見出され、これまでに困難とされていたセルラーゼ
の衣料用重質洗剤への応用が可能となり、実際に好アル
カリ性バチルス属細菌の生産するアルカリセルラーゼ
(特公昭60−23158号公報、特公平6−0305
78号公報、US4945053等)が開発され、衣料
用洗剤へ配合されるに至った。衣料用洗剤へのアルカリ
セルラーゼの配合は、洗浄力を向上させるばかりでな
く、洗剤のコンパクト化にも貢献して広く定着してき
た。
揮するプロテアーゼ、アミラーゼ又は、リパーゼの共通
した特徴として、何れも高い等電点を有していることが
経験上認められ、等電点の高い酵素は洗浄力も高いと考
えられている。従って、洗剤用酵素としてのセルラーゼ
についても等電点の高い物が求められるが、これまでに
高い等電点を有するアルカリセルラーゼは一部のカビ(F
usariumu oxysporum)由来のものが見出されているだけ
で(WO95/24471号公報)、その等電点も9で
あり、洗浄力も十分ではない。
自然界から高等電点を有するアルカリセルラーゼを得る
べく種々のセルラーゼ生産菌をスクリーニングし、等電
点約9.3を有する新規な洗剤用アルカリセルラーゼを
見出し、特許出願を行った(特願2000−5011
6)。本発明の目的は、この洗剤用酵素として有用なア
ルカリセルラーゼをコードする遺伝子を取得し、遺伝子
組換えにより大量かつ単一のアルカリセルラーゼを製造
し得る形質転換体を提供することにある。
エスピー KSM−N257株と命名され、FERMP
−17473として寄託されているアルカリセルラーゼ
生産菌からアルカリセルラーゼをコードする遺伝子をク
ローニングし、また遺伝子組換えによりアルカリセルラ
ーゼの生産性の優れた形質転換体が得られることを見出
した。
又は該アミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠
失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列をコードする
アルカリセルラーゼ遺伝子を提供するものである。ま
た、本発明は、上記のアルカリセルラーゼ遺伝子を含有
する組換えベクター及び該組換えベクターを含む形質転
換体を提供するものである。
示すアミノ酸配列又は該アミノ酸配列の1若しくは数個
のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配
列をコードする塩基配列を有する。アルカリセルラーゼ
活性を失わない限り、該アミノ酸配列中のアミノ酸の欠
失、置換又は付加(以下、変異ということがある)は特
に制限されない。また、配列番号1に示した成熟酵素の
アミノ酸配列(アミノ酸番号1番〜407番)における
アミノ末端には1〜数個のアミノ酸が付加、欠失、置換
していても構わない。
ーゼ(以下、N257セルラーゼと表記する)のアミノ
酸配列と従来公知のセルラーゼのアミノ酸配列とその相
同性を比較するとBacillus circulansの生産するセルラ
ーゼ(Bueno ら、Nucleic Acids Research 18, 4248, 19
90)との相同性が最も高く、75.9%であり、Bacillu
s sp.KSM−330株由来のセルラーゼ(Ozakiら、J.
Gen. Microbiol., 137, 41-48, 1991)と44.4%、
Clostridium josui由来のセルラーゼ(EMBL D16670, G39
1654)とは、27.8%であった。最も高い相同性を示
したBacillus circulans の生産するセルラーゼ(相同
性75.9%)はエンドβ−1,3−1,4 グルカナ
ーゼ(EC3.2.1.73)に属するリケナーゼであり、本発明の
遺伝子からコードされるN257セルラーゼ(EC 3.2.1.
4)とは分類上異なる酵素である。また、Bacillus sp.K
SM−330株由来のセルラーゼ(EC 3.2.1.4)は所謂、
酸性セルラーゼである。従って、本発明の遺伝子からコ
ードされるアルカリセルラーゼは新規な酵素である。な
お、相同性の検索はGENENTYX−CDバイオデー
タソフトウェア[ソフトウェア開発(株)製、ver.
36]を用いたアミノ酸配列ホモロジー検索法にて行っ
た。
列番号1に示すアミノ酸配列又はその変異体をコードす
るものであればよい。本発明のアルカリセルラーゼ遺伝
子は、例えばBacillus sp.(バチルス エスピー) K
SM−N257株(FERM P−17473)等から
既知のショットガン法、PCR法等を用いてクローン化
することにより得られる。
を含む組換えベクターを作製するには、宿主菌体内で複
製維持が可能であり、該酵素を安定に発現させることが
でき、該遺伝子を安定に保持できるベクターにアルカリ
セルラーゼ遺伝子を組込めばよい。かかるベクターとし
ては大腸菌を宿主とする場合、pUC18、pBR32
2、pHY300PLK等が挙げられ、枯草菌を宿主に
する場合、pUB110、pHSP64(Sumitomoら、B
iosci. Biotechnol, Biocem., 59, 2172-2175,1995)あ
るいはpHY300PLK等が挙げられる。
宿主菌を形質転換するにはプロトプラスト法、コンピテ
ントセル法、エレクトロポレーション法等を用いて行う
ことができる。宿主菌としては特に制限されないがBaci
llus属(枯草菌)等のグラム陽性菌、Escherichia coli
(大腸菌)等のグラム陰性菌、Streptomyces属(放線
菌)、Saccharomyces属(酵母)、Aspergillus属(カ
ビ)等の真菌が挙げられる。
源、窒素源、金属塩、ビタミン等を含む培地を用いて適
当な条件下で培養すればよい。かくして得られた培養液
から、一般的な方法によって酵素の分取や精製を行い、
凍結乾燥、噴霧乾燥、結晶化により必要な酵素形態を得
ることができる。
リーニング 日本各地の土壌を滅菌水に懸濁したものを80℃、30
分間熱処理し、以下の組成を有する寒天平板培地に塗布
した[2.0重量%(以下単に%と記載する)カルボキ
シメチルセルロース(A10MC)、1.0%肉エキス
(オキソイド社)、1.0%バクトペプトン(ディフ
コ)、1.0%塩化ナトリウム、0.1%リン酸2水素
カリウム、0.5%炭酸ナトリウム(別滅菌)]。30
℃の培養器で3日間静置培養し、菌の生育後、0.1%
(w/v)コンゴーレッド溶液を注ぎ染色した。その
後、1Mの塩化ナトリウム溶液で脱色し、生育した菌の
周辺にカルボキシメチルセルロースの分解に伴う溶解斑
が検出されたものについて選抜し、シングルコロニー化
を繰り返した。これらの菌株を2.0%ポリペプトンS
(日本製薬)、1.0%魚肉エキス(和光純薬)、0.
15%リン酸1水素カリウム、0.1%酵母エキス(デ
ィフコ)、0.07%硫酸マグネシウム7水塩、0.1
%カルボキシメチルセルロース、0.5%炭酸ナトリウ
ム(別滅菌)から成る液体培地を用いて30℃、3日間
振盪培養を行った。培養上清液を採り、Phast-system
(ファルマシア;IEFゲル、pH3.0−9.0)を用い
て等電点電気泳動を行った。泳動したゲルを10mMリン
酸緩衝液(pH7.0)に浸した後、カルボキシメチルセ
ルロースを含む寒天プレート[1.0%カルボキシメチ
ルセルロース、50mMグリシン−水酸化ナトリウム緩衝
液(pH9.0)、1.5%寒天]上に置いた。30℃、
3時間放置後、ゲルを取り去り、0.1%コンゴーレッ
ド溶液を注いだ。約10分後に1Mの塩化ナトリウム溶
液で脱色し、等電点の高い部分にカルボシキメチルセル
ロースの分解に伴う溶解斑が検出されたものについて選
抜し、Bacillus sp.KSM−N257株を取得した。
性質を有していた。 A.形態学的性質 (a)細胞の形及び大きさ:桿菌(0.6〜0.8×
3.2〜6.8μm) (b)多形性:無し (c)運動性:有り (d)胞子の形、大きさ、位置、膨潤の有無:楕円形、
0.8〜1.0×1.0〜1.6μm、準端位、膨潤有
り。 (e)グラム染色:不定、但しクリスタルバイオレット
(CVT)寒天培地には生育しない。 (f)抗酸性:陰性
る。 (q)塩化ナトリウム耐性:10%塩化ナトリウム存在
下で生育する。 (r)グルコースからのガス産生:陰性 (s)糖からの酸産生:グルコース、アラビノース、キ
シロース、マンニトール、ガラクトース、シュークロー
ス、マンノース、マルトース、ラクトース、トレハロー
ス、フラクトース、メリビオース、リボース、サリシ
ン、グリセロール、ラムノース等から酸産生が認めら
れ、ソルビトール、イノシトールから酸産生は認められ
ない。
7株のゲノムDNAの調製Bacillus sp. N257株の培養は、2%ポリペプトン
S(大日本製薬)、0.1%カルボキシセルロース(A
10MC)、0.1%酵母エキス(ディフコ)、1%魚
肉エキス、0.15%リン酸1水素カリウム、0.07
%硫酸マグネシウム7水塩、0.5%グルタミン酸ナト
リウム(別滅菌)及び0.5%炭酸ナトリウム(別滅
菌)から成る培地を用い、30℃、40時間振盪(12
5rpm)して行った。得られた培養液約300mLから遠
心分離(12000×g、15分、5℃)により菌体を
回収した。この菌体から斉藤・三浦の方法によりゲノム
DNAを調製した。
のクローニング (a)ゲノムDNAの制限酵素処理 N257セルラーゼ遺伝子の取得は、LA PCR i
n vitro Clonig Kit(タカラ製)を
用いて行った。まず、Bacillus sp.KSM−N257株
ゲノムDNAを以下の手順によりEcoRl処理による
部分分解処理を行った。即ち、ゲノムDNA1.5μL
(1μg)、10倍濃度緩衝液10μL、脱イオン水8
6.5μL、及びEcoRlを2μL(20units)混合
し、37℃で3時間処理し、反応終了後、GFX PC
R DNA and Gel Band Purifi
cation Kit(ファルマシア製)で精製(25
μL)した。
液5μLに、LA PCR in vitro Clo
nig KitのEcoRlカセット2.5μL(50n
gDNA)、ライゲーション溶液I 15μL及びライゲ
ーション溶液II7.5μLを加え、16℃で30分間反
応した後、GFX PCR DNAand Gel B
and Purification KitによりDN
Aを精製回収した。
伝子の増幅 ライゲーション精製溶液20μLに脱イオン水14.5
μLを加え、94℃で10分間加熱処理した後、次の通
り1回目のPCRを行った。加熱処理溶液34.5μL
にLA PCR in vitro Clonig K
it中の10倍濃度緩衝液5μL、LA Taqポリメ
ラーゼ0.5μL、dNTP mix8μL、プライマー
C1 1μL(10pmol)及びBacillus sp.KSM
−N257株の培養上清より精製したアルカリセルラー
ゼのN末配列より推定した複合プライマー1(配列番号
3)1μL(10pmol)を混合した。PCR反応条
件は、94℃、1分間の熱変性後、94℃、30秒間、
55℃、2分間、72℃、1分間(30サイクル)で行
った。得られたPCR反応溶液を脱イオン水で100倍
希釈し、1μLを用いて2回目のPCR反応を行った。
100倍希釈溶液1μLにLA PCR in vit
ro Clonig Kit中の10倍濃度緩衝液5μ
L、LA Taqポリメラーゼ0.5μL、dNTP m
ix8μL、プライマーC2 1μL(10pmol)及
びBacillus sp. KSM−N257株からの精製酵素の
N末配列より推定した複合プライマー2(配列番号4)
1μL(10pmol)を混合し、サーマルサイクラー
480(パーキンエルマー製)でDNAを増幅した。P
CR反応条件は、94℃1分間の熱変性後、94℃、3
0秒間、55℃、2分間、72℃、1分間(30サイク
ル)で行った。かくして得られたN257セルラーゼ遺
伝子の部分増幅断片(約0.7kb)を用いて塩基配列
決定を行った。得られたDNA断片の塩基配列は、DN
A Sequencing Kit(アプライドバイオ
システム)及び377DNAシークエンサー(パーキン
エルマーバイオシステム)を用いて決定した。
b)の塩基配列をシークエンスプライマーとして、プラ
イマーC2(3.2pmol)及びプライマー2(配列
番号4、3.2pmol)を用いて解析した。決定した
約0.5kbの塩基配列を基にインバースPCRを行っ
た。Bacillus sp.KSM−N257株のゲノムDNA溶
液1.5μL(1μg)、10倍濃度緩衝液10μL、脱
イオン水86.5μL及びEcoRl 2μL(20uni
ts)を混合後、37℃で3時間制限酵素処理した。得ら
れたゲノムDNA分解産物をGFX PCR DNA
and Gel Band Purification
Kit(ファルマシア製)で精製後(20μL)、5
μLを使用してLigation Kit Ver.2
(タカラ製)を用いて自己閉環した(16℃、1時
間)。得られたライゲーションミクスチャー1μLを鋳
型DNAとしてPCRを行った。アンチセンスプライマ
ー3(配列番号5)及びセンスプライマー4(配列番号
6)を用いた。PCR反応は、自己閉環溶液1μL、各
プライマー20μL(1μM)、10倍濃度緩衝液10μ
L、dNTPミックス8μL(2.5mM)、Pyrobe
st DNAポリメラーゼ(タカラ製)0.5μL
(2.5units)、及び脱イオン水40μLを混合した
後、サーマルサイクラーでDNAを増幅した。反応条件
は、94℃2分間の熱変性後、94℃、30秒間、57
℃、1分間、72℃、2分間(30サイクル)及び72
℃、2分間で行った。得られたPCR産物(約0.7k
b)をGFX PCR DNA and Gel Ba
nd Purification Kit(ファルマシ
ア製)を用いて精製した後、アンチセンスプライマー5
(配列番号7)及びセンスプライマー6(配列番号8)
を用いてシークエンスを行い、N257セルラーゼ遺伝
子のプロモータ領域中のEcoRl部位(塩基番号1)
から下流の構造遺伝子内のEcoRl部位(塩基番号1
090)間約1.1kbの塩基配列を決定した。
を決定する目的で、再度インバースPCRをPvuIIを
用いて行った。Bacillus sp.KSM−N257株のゲノ
ムDNA溶液1.5μL(1μg)、10倍濃度緩衝液1
0μL、脱イオン水86.5μL及びPvuII 2μL
(20units)を混合後、37℃で3時間制限酵素処理
した。得られたゲノムDNA分解産物をGFX PCR
DNAand Gel Band Purifica
tion Kit(ファルマシア製)で精製後(20μ
L)、5μLを使用してLigation Kit Ve
r.2(タカラ製)にて自己閉環した(16℃、1時
間)。得られたライゲーションミクスチャー1μLを鋳
型DNAとして、アンチセンスプライマー7(配列番号
9)及びセンスプライマー4(配列番号6)を用いてP
CRを行った。PCR反応は、自己閉環溶液1μL、各
プライマー20μL(1μM)、10倍濃度緩衝液10μ
L、dNTPミッスク8μL(2.5mM)、Pyrobe
st DNAポリメラーゼ(タカラ製)0.5μL
(2.5units)、及び脱イオン水40μLを混合した
後、サーマルサイクラーでDNAを増幅した。反応条件
は、94℃、2分間の熱変性後、94℃、30秒間、5
7℃、1分間、72℃、2分間(30サイクル)及び7
2℃、2分間で行った。得られたPCR産物(約1.5
kb)をGFX PCR DNA and Gel B
and Purification Kit(ファルマ
シア製)を用いて精製した後、センスプライマー6(配
列番号8)及びセンスプライマー8(配列番号10)を
用いてシークエンスを行い、構造遺伝子内EcoRl部
位下流の未決定の塩基配列を決定した。以上、プロモー
ター領域及びターミネーター領域を含めたN257セル
ラーゼ遺伝子の全塩基配列を決定した。
セルラーゼの生産 N257セルラーゼのアミノ末端側からターミネーター
下流までの遺伝子をプラスミド(pHSP64)のSa
ll/BamHl部位に連結し、構築した組換えプラス
ミドを枯草菌ISW1214株に導入して形質転換し
た。形質転換株を3.0%ポリペプトンS、3.0%マ
ルトース、0.5%魚肉エキス、0.1%酵母エキス、
0.1%リン酸2水素カリウム、0.02%硫酸マグネ
シウム7水塩及びテトラサイクリン(7.5μg/mL)
から成る培地(PM培地、pH6.8)にて30℃、48
時間振盪培養を行った、遠心分離(8000×g、20
分間、4℃)により得られた培養上清中のセルラーゼの
活性は、約10000U/Lであった。
ーゼの精製 組換えN257培養上清液を85%飽和の硫安塩析処理
した後、遠心分離(12000×g、15分間、5℃)
を行い沈殿物を回収した。この沈殿物を2mM塩化カルシ
ウムを含んだ適当量の10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)に懸濁した後、充分量の同緩衝液に対して5℃で1
5時間透析した。透析内液を遠心分離(12000×
g、15分間、5℃)し、得られた上清を予め2mM塩化
カルシウムを含んだ10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.
5)で平衡化したSPトヨパール(東ソー)カラム
(2.5cm×15cm)に添着した後、同緩衝液でカラム
を洗浄した後、同緩衝液中0〜0.2Mの塩化ナトリウ
ムによる直線濃度勾配によりタンパク質を溶出させた。
目的のN257アルカリセルラーゼは、塩化ナトリウム
濃度0.02M付近で、電気泳動的にほぼ単一な成分と
して溶出された。比活性は14.8U/mgであった。
ーゼの最適反応pH 実施例6の如く調製して得られた組換えN257アルカ
リセルラーゼ精製標品を用いて、最適反応pHを調べた。
酢酸緩衝液(pH5.1−6.6)、リン酸緩衝液(pH
6.2−7.9)、トリス−塩酸緩衝液(pH7.6−
9.1)、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.
5−10.7)、炭酸緩衝液(pH10.8−11.
5)、塩化カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液(pH1
0.5−11.4)の各緩衝液(50mM)を用いて最適
反応pHを調べた結果、本酵素はpH8.5のグリシン−水
酸化ナトリウム緩衝液中で最も高い反応速度を示した。
また、pH7から9の間で最大活性の70%以上の活性を
示すとともにpH5から10の広範囲でも最大活性の10
%以上の活性を有していた(図1)。組換えN257ア
ルカリセルラーゼは分子量、約42kDa、pH7.5で
陽イオン交換体に吸着し、野生株の酵素と同様に塩化ナ
トリウムにより溶出されることから等電点が高く、最適
反応pHがpH8.5、20個のN末端アミノ酸配列Ala-As
n-Lys-Pro-Phe-Pro-Gln-His-Thr-Ser-Tyr-Thr-Ser-Gly-
Ser-Ile-Lys-Pro-Asn-AsnがBacillus sp. KSM−N2
57株由来の酵素のN末端アミノ酸と完全に一致するこ
とから、野生株由来のN257アルカリセルラーゼと同
じ性質を持つ酵素である。
リシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH9.0)、0.4
mLの2.5%(w/v)カルボキシメチルセルロース
(A01MC;日本製紙)、0.3mLの脱イオン水から
成る反応液に0.1mLの適当に希釈した酵素液を加え2
0分間反応させた後、1mLのジニトロサリチル酸試薬
(0.5%ジニトロサリチル酸、30%ロッシェル塩、
1.6%水酸化ナトリウム水溶液)を添加し、沸水中で
5分間還元糖の発色を行った。氷水中で急冷し、4mLの
脱イオン水を加え535nmにおける吸光度を測定し還元
糖の生成量を求めた。尚、ブランクは酵素液を加えずに
処理した反応液にジニトロサリチル酸試薬を加えた後、
酵素液を添加し、同様に発色させたものを用意した。酵
素1単位(1U)は、上記反応条件下において1分間に
1μmolのグルコース相当の還元糖を生成する量とし
た。
いて洗剤用アルカリセルラーゼを単一且つ大量に生産す
ることができる。
すpHの影響を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 配列番号1に示すアミノ酸配列又は該ア
ミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換も
しくは付加されたアミノ酸配列をコードするアルカリセ
ルラーゼ遺伝子。 - 【請求項2】 アルカリセルラーゼ遺伝子が、配列番号
2に示す塩基配列又は該塩基配列の1若しくは数個の塩
基が欠失、置換もしくは付加された塩基酸配列を有する
ものである請求項1記載のアルカリセルラーゼ遺伝子。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の遺伝子を含有する
組換えベクター。 - 【請求項4】 請求項3記載の組換えベクターを含む形
質転換体。 - 【請求項5】 宿主が微生物である請求項4記載の形質
転換体。
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