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JP2002076952A - 漏洩電力比検出回路および移動通信端末の制御回路 - Google Patents

漏洩電力比検出回路および移動通信端末の制御回路

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Publication number
JP2002076952A
JP2002076952A JP2000261575A JP2000261575A JP2002076952A JP 2002076952 A JP2002076952 A JP 2002076952A JP 2000261575 A JP2000261575 A JP 2000261575A JP 2000261575 A JP2000261575 A JP 2000261575A JP 2002076952 A JP2002076952 A JP 2002076952A
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JP
Japan
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level
power ratio
filter
detecting
leakage power
Prior art date
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JP2000261575A
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Mikio Hayashibara
幹雄 林原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Amplifiers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に実現可能な構成で、使用する無線周波
数チャネルに関係なく隣接チャネル漏洩電力比を検出す
ることが可能な漏洩電力比検出回路を提供する。 【解決手段】 無線送信信号を自乗回路71により自乗
し、バンドパスフィルタ72が、自乗回路71の出力の
直流付近を中心に生じた低周波成分から、所望のチャネ
ルに対応するスペクトラム成分を抽出し、レベル測定回
路74にて、そのレベルを測定する。一方、バンドパス
フィルタ73は、自乗回路71の出力から、当該送信系
の歪みによるスペクトラムの広がりに対応するスペクト
ラム成分を抽出し、レベル測定回路75にて、そのレベ
ルを測定する。レベル比計測回路76は、レベル測定回
路74にて測定されたレベルと、レベル測定回路75に
て測定されたレベルの比を計測し、この計測結果を隣接
チャネルへの漏洩電力比として検出するようにしたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばCDMA
(Code Division Multiple Access)方式の移動通信端
末において、自己が送信する無線信号の隣接チャネル漏
洩電力比を検出する漏洩電力比検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】PDC(Personal Digital Cellar)シ
ステムに用いられているπ/4シフトQPSKや、cd
maOne(登録商標)システムに用いられているOQ
PSK、そしてW−CDMAシステムやcdma200
0システムに用いられているHPSKなど、近年のディ
ジタル移動通信システムの上り回線の変調方式は振幅変
動成分を有しているものが用いられている。
【0003】そのため、このような移動通信端末の送信
電力増幅器は、振幅変動を伴った送信信号波形を線形に
増幅する必要がある。この線形性を保つために、送信電
力増幅器の消費電力が大きくなってしまうという問題が
あった。特に移動通信端末が基地局の近くに存在し、端
末送信電力を下げている場合には、電力増幅器に対して
電池から供給している電力の大部分は無駄なものとな
る。
【0004】これを解決すべく、送信電力が大きくない
場合は、その送信電力レベルに応じて電力増幅器への供
給電力を絞るように制御することが検討されている。一
般に、電力増幅器の供給電力を絞りすぎると当該信号レ
ベルに必要とされる線形性が損なわれて隣接チャネル漏
洩電力の劣化につながる。
【0005】このため、電力増幅器の製造バラツキや周
囲温度変化による線形性の変動を勘案すると、電力増幅
器の供給電力を制御することは難しかった。また、この
ような不具合を避けるために、電力増幅器の供給電力の
絞り方を少なくすることが一般的であるが、このために
十分な低消費電力化ができなかった。
【0006】もう一つの方法として、無線送信出力信号
から隣接チャネル漏洩電力成分をフイルタによって抽出
してそのレベルを計測し、これと送信出力レベルとの比
を計算して隣接チャネル漏洩電力比を求め、この情報を
用いて電力増幅器への供給電力を適切に絞るように制御
することが考えられる。
【0007】しかし、移動体通信システムでは、使用す
る周波数チャネルを適宜可変するため、上述したような
フィルタは、取り得る全ての無線周波数チャネルに対し
て隣接チャネル漏洩電力成分を抽出できるように中心周
波数を可変する必要があり、そのようなフィルタを移動
通信端末の中で実現することは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の移動通信端末で
は、自己の送信信号の隣接チャネル漏洩電力比を容易に
検出することができないため、送信信号レベルに対応し
て電力増幅器への供給電力を絞るように制御するように
せざるを得ず、電力増幅器の製造バラツキや周囲温度変
化による線形性の変動を勘案すると、電力増幅器の供給
電力を適正に制御することができなかった。
【0009】この発明は上記の問題を解決すべくなされ
たもので、容易に実現可能な構成で、使用する無線周波
数チャネルに関係なく隣接チャネル漏洩電力比を検出す
ることが可能な漏洩電力比検出回路を提供することを目
的とする。
【0010】また、この発明は、常に必要最小限の供給
電力で電力増幅器を動作させて、消費電力を軽減するこ
とが可能な移動通信端末の制御回路を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係わる本発明は、無線周波信号の電力
増幅を行う電力増幅手段を少なくとも備えた送信回路に
て生成された無線周波信号の隣接チャネルへの漏洩電力
を検出する漏洩電力比検出回路において、送信回路にて
生成された無線周波信号を自乗して、低周波成分を生成
する自乗手段と、この自乗手段の自乗結果のうち、直流
付近を中心に生じた低周波成分から、所望のチャネルに
対応するスペクトラム成分を抽出する第1のフィルタ
と、自乗手段の自乗結果から、送信回路の歪みによるス
ペクトラムの広がりに対応するスペクトラム成分を抽出
する第2のフィルタと、第1のフィルタにて抽出したス
ペクトラム成分のレベルと、前第2のフィルタにて抽出
したスペクトラム成分のレベルとから、無線周波信号の
隣接チャネルへの漏洩電力比を検出する漏洩電力比検出
手段とを具備して構成するようにした。
【0012】上記構成の漏洩電力比検出回路では、無線
周波信号を自乗手段により自乗し、この自乗手段の自乗
結果のうち、所望のチャネルのスペクトラムと相関のあ
る、直流を中心とした低周波スペクトラム成分と、送信
回路の歪みによるスペクトラムの広がりに対応するスペ
クトラム成分とに基づいて、隣接チャネルへの漏洩電力
比を検出するようにしている。
【0013】したがって、上記構成の漏洩電力比検出回
路によれば、使用するチャネルの周波数に関係なく、低
周波領域におけるスペクトラムのレベル分析により隣接
チャネル漏洩電力比を検出できるので、実現が容易であ
る。
【0014】また、上記の目的を達成するために、請求
項6に係わる本発明は、送信系に、少なくとも無線周波
信号の電力増幅を行う電力増幅手段を備えた移動通信端
末を制御する制御回路において、電力増幅手段により電
力増幅された無線周波信号の一部を分岐する分岐手段
と、この分岐手段により分岐された無線周波信号を自乗
して、低周波成分を生成する自乗手段と、この自乗手段
の自乗結果のうち、直流付近を中心に生じた低周波成分
から、所望のチャネルに対応するスペクトラム成分を抽
出する第1のフィルタと、自乗手段の自乗結果から、送
信回路の歪みによるスペクトラムの広がりに対応するス
ペクトラム成分を抽出する第2のフィルタと、第1のフ
ィルタにて抽出したスペクトラム成分のレベルと、第2
のフィルタにて抽出したスペクトラム成分のレベルとか
ら、無線周波信号の隣接チャネルへの漏洩電力比を検出
する漏洩電力比検出手段と、この漏洩電力比検出手段に
て検出した漏洩電力が、予め設定したレベルとなるよう
に、電力増幅手段への供給電力を制御する電力増幅制御
手段とを具備して構成するようにした。
【0015】上記構成の移動通信端末の制御回路では、
無線周波信号を自乗手段により自乗し、この自乗手段の
自乗結果のうち、所望のチャネルのスペクトラムと相関
のある、直流を中心とした低周波スペクトラム成分と、
送信回路の歪みによるスペクトラムの広がりに対応する
スペクトラム成分とに基づいて、隣接チャネルへの漏洩
電力比を検出する。
【0016】そして、この検出した隣接チャネルへの漏
洩電力比が、予め設定したレベルとなるように、電力増
幅手段への供給電力を制御するようにしている。したが
って、上記構成の移動通信端末の制御回路によれば、常
に必要最小限の供給電力で電力増幅器を動作させて、消
費電力を軽減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の一実施形態について説明する。図1は、この発明の一
実施形態に係わる移動通信端末の送信系の構成を示すも
のである。
【0018】無線送信信号は、図示しない周波数変換回
路によって、送信信号が無線周波数に周波数変換される
ことによって得られる。パワーアンプ(PA)10は、
後述するパワーアンプ制御部100によって供給電力が
制御され、この供給電力に応じて、上記無線送信信号を
増幅する。
【0019】このようにして、増幅された無線送信信号
は、方向性結合器(CPL)20、アイソレータ30、
デュプレクサ40を通ってアンテナ50から空間に放射
される。
【0020】また、方向性結合器20は、上記無線送信
信号のうち、所定の微小比率だけ分岐して、可変アッテ
ネータ60に出力する。可変アッテネータ60は、方向
性結合器20より入力される無線送信信号のレベル調整
を行い、隣接チャネル漏洩電力比モニタ70に出力す
る。
【0021】隣接チャネル漏洩電力比モニタ70は、ア
ンテナ50から放射される無線送信信号が持つ隣接チャ
ネルへの漏洩電力比を、代替モニタ値として検出するも
ので、この検出した代替モニタ値は、減算器80に入力
される。
【0022】減算器80では、上記代替モニタ値と、隣
接チャネル漏洩電力比の設定目標である参照値(ACP
R_REF)との差を求めるものである。積分器90
は、減算器80で求められた差を所定の期間累積して出
力する。
【0023】パワーアンプ制御部100は、積分器90
の累積出力に基づいて、パワーアンプ10にて電力増幅
された無線送信信号の電力レベルが、所定のレベルとな
るように、バッテリからパワーアンプ10への供給電力
を制御する。
【0024】次に、隣接チャネル漏洩電力比モニタ70
の構成について説明する。図2にその一例を示す。可変
アッテネータ60にてレベル調整された無線送信信号
は、自乗回路(X)71に入力され、ここで自乗され
る。
【0025】図3に、自乗回路71の構成例を示す。こ
の図に示す自乗回路71は、乗算回路を用いたもので、
トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6から
なる部分は、良く知られたギルバート形乗算回路であ
る。
【0026】なお、その動作については、「超LSIの
ためのアナログ集積回路技術・下(培風館)」の、PP
163〜PP183に詳しい説明がなされており、Q1
とQ2のべ一スの差電圧と、Q3とQ4(またはQ5と
Q6)のべ一スの差電圧との積が、出力として得られる
ものである。
【0027】いま、図3のように、Q2,Q3,Q6の
べ一スを交流接地し、INPUT端子からの入力信号
(可変アッテネータ60の出力)をQ1,Q4,Q5の
べ一スに共通に供給することにより、OUTPUT端子
には、入力信号を自乗した信号が出力される。
【0028】また、同図には含まれていないが、上記文
献で紹介されているように、負帰還技術や、プレディス
トーション技術を用いて入力電圧範囲を拡大することも
可能である。
【0029】このようにして、自乗回路71にて自乗さ
れた無線送信信号は、バンドパスフィルタ(BPF)7
2,73に出力される。バンドパスフィルタ72は、自
乗回路71の出力の直流付近を中心に生じた低周波成分
から、所望のチャネルに対応するスペクトラム成分を抽
出する。一方、バンドパスフィルタ73は、自乗回路7
1の出力から、当該送信系の歪みによるスペクトラムの
広がりに対応するスペクトラム成分を抽出する。
【0030】なお、バンドパスフィルタ72は、原理的
にはローパスフィルタでもよいが、自乗回路71で発生
する直流オフセットの影響を排除することを考えると、
変調信号に対応する部分を抽出するために必要な通過帯
域をもったバンドパスフィルタであることが望ましい。
【0031】レベル測定回路(LEVEL)74は、バ
ンドパスフィルタ72にて抽出されたスペクトラム成分
の信号レベルを測定する。レベル測定回路(LEVE
L)75は、バンドパスフィルタ72にて抽出されたス
ペクトラム成分の信号レベルを測定する。
【0032】レベル比計測回路(RATIO)76は、
レベル測定回路74にて測定されたレベルと、レベル測
定回路75にて測定されたレベルの比を計測し、この計
測結果を上述した代替モニタ値として減算器80に出力
する。
【0033】図4に、レベル測定回路74,75と、レ
ベル比計測回路76の構成例を示す。この図において、
RMStoDC回路(RMStoDC)74aは、レベ
ル測定回路74に相当し、RMStoDC回路(RMS
toDC)75aは、レベル測定回路75に相当する。
そして、割り算回路(÷)76aがレベル比計測回路7
6に相当する。
【0034】RMStoDC回路(RMStoDC)7
4a,75aは、それぞれ入力信号の実効値を直流で出
力する回路であり、例えばアナログデバイセズ社がIC
として製品化し市場に供給しているAD8361などが
その機能を持っている。
【0035】また、割り算回路76aは、二つの入力の
割り算の結果を出力する割り算回路であり、これは例え
ば新目本無線(株)が製品として市場に供給しているア
ナログ掛け算器ICのNJM4200などである。構成
方法については、同社の「バイポーラICデータブック
`94(オーディオ/ビデオ/通信/スペシャル編)」PP
7-PP130にて詳しく説明してある。
【0036】次に、上記構成の移動通信端末の送信系の
動作について説明する。まず、図5乃至図7を参照し
て、隣接チャネル漏洩電力比モニタ70による、隣接チ
ャネルへの漏洩電力比(代替モニタ値)の検出動作につ
いて説明する。
【0037】上記自乗回路71に入力される無線送信信
号は、送信系によって歪みが生じない場合、図5に示す
ような特性となる。この図は、キャリア周波数からの離
調周波数を横軸にして、上記無線送信信号のスペクトラ
ムを示したものである。
【0038】なお、この図において、±5MHz付近に
ある成分は、ベースバンドでの送信信号の生成過程での
サンプリングに起因するもので、フィルタによって容易
に除去できるものであり、ここでは問題としない。
【0039】これに対して、送信系に歪みがある場合に
は、図6に示すような特性となる。この図も、図5と同
様に、キャリア周波数からの離調周波数を横軸にして、
無線送信信号のスペクトラムを示したものである。
【0040】図6は、3次相互変調歪み(IP3)特性
をもつ送信系のアンプにより、歪みが生じたスペクトラ
ムであり、歪みによってスペクトラムが広がっているこ
とが分かる。
【0041】このような歪みは、パワーアンプ10な
ど、大きな電力の信号を扱う回路で顕著に生じる。ま
た、このようなスペクトラムの広がりは、隣接する周波
数を通信に使用しているユーザへの干渉妨害となるた
め、移動体通信システムではこのスペクトラムの広がり
部分と、所望チャネルに対応するスペクトラムの部分と
の電力比を、隣接チャネル漏洩電力比として厳しく規定
している。
【0042】このような歪み持つ無線送信信号を、自乗
回路71にて自乗すると、その結果は図7に示すような
特性となる。この図に示すように、図6に示すようなス
ペクトルを有する無線送信信号の自乗結果は、若干、形
が異なるものの、図6に現れていた、歪みによるスペク
トラムの広がりが保持されている様子が分かる。
【0043】そして、図8に、無線送信信号を歪ませて
いるパワーアンプ10の歪み特性、すなわち3次相互変
調特性を可変した場合における、図6における所望チャ
ネルのスペクトラムと歪みによるスペクトラムの広がり
部分の電力比の変化C1と、図7における所望チャネル
に対応するスペクトラムと歪みによるスペクトラムの広
がりに対応する部分の電力比の変化C2を示す。
【0044】この図から、図7における所望チャネルに
対応するスペクトラムに対応する部分と歪みによるスペ
クトラムの広がりに対応する部分の電力比の特性は、図
6における所望チャネルのスペクトラムと歪みによるス
ペクトラムの広がり部分の電力比と高い相関関係がある
ことが分かる。
【0045】このため、図2に示した構成の隣接チャネ
ル漏洩電力比モニタ70により、図7における所望チャ
ネルに対応するスペクトラムと歪みによるスペクトラム
の広がりに対応する部分の電力比を求めることにより、
無線周波数での隣接チャネル漏洩電力比の代替モニタ値
を求めることができる。
【0046】自乗回路71にて自乗された無線送信信号
は、バンドパスフィルタ72,73に出力され、バンド
パスフィルタ72により、直流付近に生じた成分から所
望チャネルに対応するスペクトラムの成分S0が抽出さ
れ、一方、バンドパスフィルタ73では、歪みによるス
ペクトラムの広がりに対応する成分Sdが抽出される。
【0047】そして、バンドパスフィルタ72によって
抽出された成分S0は、レベル測定回路74により、そ
のレベルが測定される。一方、バンドパスフィルタ73
によって抽出された成分Sdは、レベル測定回路75に
より、そのレベルが測定される。
【0048】このようにして測定された、所望チャネル
に対応するスペクトラムの成分S0のレベルと、歪みに
よるスペクトラムの広がりに対応する成分Sdのレベル
は、レベル比計測回路76にて両者のレベル比が計測さ
れ、代替モニタ値として減算器80に出力される。
【0049】次に、隣接チャネル漏洩電力比モニタ70
からパワーアンプ制御部100までのフィードバックル
ープによって、パワーアンプ10への供給電力を制御す
る動作について説明する。
【0050】要求される隣接チャネル漏洩電力比の観点
から見てパワーアンプ10ヘのバッテリ供給電力が過剰
であると、隣接チャネル漏洩電力比モニタ70により測
定される代替モニタ値は大きな値となって、減算器80
の出力は正になり、積分器90では正の値が累積される
ことになる。
【0051】そして、パワーアンプ制御部100は、積
分器90の出力が正の値になっている時は、パワーアン
プ10ヘのバッテリ供給電力を絞るように動作するよう
にする。このような制御動作により、パワーアンプ10
は低消費電力の条件で動作することになる。
【0052】やがて、パワーアンプ10を低消費電力で
動作させることにより、歪み性能が劣化したとする。こ
れにより、隣接チャネル漏洩電力比が劣化して、隣接チ
ャネル漏洩電力比の設定目標である参照値(ACPR_
REF)に相当する値以下に劣化した場合は、減算器8
0の出力が負になって、逆向きの制御、すなわちパワー
アンプ10ヘのバッテリ供給電力を増やすような制御が
行われる。
【0053】このため、最終的に無線送信信号の隣接チ
ャネル漏洩電力比は、ACPR_REFに相当する値に
収束することとなる。なお、上記参照値(ACPR_R
EF)は固定値としてもよいし、送信出力レベルによっ
て可変するようにしてもよい。
【0054】以上のように、上記構成の移動通信端末の
送信系では、無線送信信号を自乗回路71により自乗
し、所望チャネルのスペクトラムと相関のある、直流を
中心とした低周波スペクトラム成分と、送信系の歪みに
よるスペクトラムの広がりに対応するスペクトラム成分
とに基づいて、隣接チャネルへの漏洩電力比を検出する
ようにしている。
【0055】したがって、上記構成の移動通信端末の送
信系によれば、無線周波数チャネルに依存することな
く、低周波領域におけるスペクトラムのレベル分析によ
り隣接チャネル漏洩電力比を検出できるので、容易に隣
接チャネルへの漏洩電力比を計測でき、これに基づいて
パワーアンプ10へのバッテリ供給電力を、常に必要最
小限に設定できるため、消費電力を小さくすることがで
きる。
【0056】尚、この発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。例えば、上記実施の形態では、自乗回
路71の構成を図3に示すものとしたが、これに限定さ
れるものではなく、例えば図9に示すように構成するこ
とも可能である。
【0057】図9に示す自乗回路71は、2次歪み係数
をもつ非線形素子としてMOSトランジスタを用いたも
のである。よく知られているように、MOSトランジス
タの飽和領域でのI−V特性は、Iをドレイン電流、
GSをゲートソース間電圧、Vを閾値電圧とする
と、ドレイン電流Iは、I=K(VGS−V
と表すことができる(ここで、Kは比例定数)。
【0058】今、図9に示すバイアス回路711にて、
GS=V+αとなるようにしておき、INPUT端
子から交流結合で信号Viを入力すると、OUTPUT
端子には、 V=R・I =R・K(Vi+α) =R・K(Vi+2α・Vi+α) となり、α<Viとなるように適切にバイアスを調整す
れば、近似的にViの自乗を得ることができる。ここ
で、αは直流オフセット成分であるが、次段のバンド
パスフィルタ72,73でそれぞれ除去される。
【0059】図9では、2次歪み係数をもつ非線形素子
としてMOSトランジスタを例にとって説明したが、こ
れに限定するものではなく、2次歪み係数をもつ非線形
素子であれば、同様の効果を期待できる。
【0060】また、上記実施の形態では、レベル測定回
路74,75と、レベル比計測回路76の構成を、図4
に示すものとしたが、これに限定されるものではなく、
例えば図10に示すように構成することも可能である。
【0061】この図において、Log_Amp回路(L
og_Amp)74bは、レベル測定回路74に相当
し、Log_Amp回路(Log_Amp)75bは、
レベル測定回路75に相当する。そして、減算器(+)
76bがレベル比計測回路76に相当する。
【0062】Log_Amp回路74b,75bは、入
力信号レベルを対数圧縮して直流で出力するLog_A
mp回路であり、これは例えばアナログデバイセズ社が
ICとして製品化し市場に供給しているAD9310な
どがその機能を持っている。
【0063】また、減算器76bは、2つの入力の引き
算の結果を出力する減算回路であり、オペアンプを用い
て容易に構成することができる。このように構成によっ
ても、容易に2つの信号レベル比を得ることができる。
【0064】特に、図10では、レベル測定に、Log
_Amp回路74b,75bを用いているので、広い入
力レベル範囲にわたって動作させることが可能であり、
またレベル計測出力はデシベル値となっているので、レ
ベル比計測回路76も単なる減算回路でよく、構成が簡
単であるという利点がある。
【0065】そしてまた、図11に示すようにA/D変
換器(AtoD)110を追加し、隣接チャネル漏洩電
力比モニタ70を、図12に示すように、レベル測定回
路74の出力を取り出せるように構成する。
【0066】そして、レベル測定回路74の出力をA/
D変換器110にてディジタル値に変換し、このディジ
タル値に基づいて、許容されている最大送信電力レベル
を超えないように、当該移動通信端末を統括して制御す
るCPU200が送信系の利得の上限を制御するように
してもよい。
【0067】さらに、例えば隣接チャネル漏洩電力比モ
ニタ70の回路的な入力レベル許容範囲が十分広く、方
向性結合器20から分岐された無線送信信号が、隣接チ
ャネル漏洩電力比モニタ70の回路的な入力レベル許容
範囲に収まれば、必ずしも必要としない。あるいは、代
わりに固定値のアッテネータを用いてもよい。
【0068】そしてまた、上記実施の形態では、隣接チ
ャネル漏洩電力比モニタ70の出力を利用して、連続的
にパワーアンプ10ヘの供給電力を制御しているが、こ
れに代わって例えば、隣接チャネル漏洩電力比モニタ7
0の出力をA/D変換する。
【0069】そして、この変換結果をCPUに取り込
み、CPUにて減算器80や積分器90の機能をソフト
ウェアで実現し、パワーアンプ制御部100を不連続的
に制御するような構成としてもよい。
【0070】いずれにしても、本発明は、その実現方法
に関して、隣接チャネル漏洩電力比モニタ70の自乗回
路71の出力以降がベースバンド周波数であるため、集
積回路による小型化が容易であり、移動通信端末を制御
するCPUに搭載することができる。
【0071】そしてまた、アナログ回路実現かディジタ
ル回路実現か、あるいはハードウェア実現かソフトウェ
ア実現かなど、採用技術に融通性が大きいという利点を
持っており、特定の実現方法に限定されるものではな
い。その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでも
ない。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、この発明では、無線
周波信号を自乗手段により自乗し、この自乗手段の自乗
結果のうち、所望のチャネルのスペクトラムと相関のあ
る、直流を中心とした低周波スペクトラム成分と、送信
回路の歪みによるスペクトラムの広がりに対応するスペ
クトラム成分とに基づいて、隣接チャネルへの漏洩電力
比を検出するようにしている。
【0073】したがって、この発明によれば、使用する
チャネルの周波数に関係なく、低周波領域におけるスペ
クトラムのレベル分析により隣接チャネル漏洩電力比を
検出できるので、容易に実現が可能な漏洩電力比検出回
路を提供できる。
【0074】また、この発明では、無線周波信号を自乗
手段により自乗し、この自乗手段の自乗結果のうち、所
望のチャネルのスペクトラムと相関のある、直流を中心
とした低周波スペクトラム成分と、送信回路の歪みによ
るスペクトラムの広がりに対応するスペクトラム成分と
に基づいて、隣接チャネルへの漏洩電力比を検出する。
そして、この検出した隣接チャネルへの漏洩電力比が、
予め設定したレベルとなるように、電力増幅手段への供
給電力を制御するようにしている。
【0075】したがって、この発明によれば、常に必要
最小限の供給電力で電力増幅器を動作させて、消費電力
を軽減することが可能な移動通信端末の制御回路を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる移動通信端末の送信系の一実
施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した送信系の隣接チャネル漏洩電力比
モニタの構成を示す回路ブロック図。
【図3】図2に示した隣接チャネル漏洩電力比モニタの
自乗回路の構成を示す回路ブロック図。
【図4】図2に示した隣接チャネル漏洩電力比モニタの
レベル測定回路およびレベル比測定回路の構成を示す回
路ブロック図。
【図5】無線送信信号のキャリア周波数からの離調周波
数のスペクトラムを示す図。
【図6】無線送信信号のキャリア周波数からの離調周波
数のスペクトラムを示す図。
【図7】無線送信信号を自乗した場合における、直流付
近を中心とした低周波に発生するスペクトラムを示す
図。
【図8】図1に示した隣接チャネル漏洩電力比モニタに
て検出される代替モニタ値と、隣接チャネルへの漏洩電
力比との相関を説明するための図。
【図9】図2に示した隣接チャネル漏洩電力比モニタの
自乗回路の他の構成例を示す回路ブロック図。
【図10】図2に示した隣接チャネル漏洩電力比モニタ
のレベル測定回路およびレベル比測定回路の他の構成例
を示す回路ブロック図。
【図11】この発明に係わる移動通信端末の送信系の一
実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図12】図11に示した送信系の隣接チャネル漏洩電
力比モニタの構成を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
10…パワーアンプ(PA) 20…方向性結合器(CPL) 30…アイソレータ 40…デュプレクサ 50…アンテナ 60…可変アッテネータ 70…隣接チャネル漏洩電力比モニタ 71…自乗回路(X) 72,73…バンドパスフィルタ(BPF) 74,75…レベル測定回路(LEVEL) 74a,75a…RMStoDC回路(RMStoD
C) 74b,75b…Log_Amp回路(Log_Am
p)回路 76…レベル比計測回路(RATIO) 76a…割り算回路(÷) 76b…減算器 80…減算器 90…積分器 100…パワーアンプ制御部 110…A/D変換器(AtoD) 200…CPU 711…バイアス回路 Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6…トランジスタ
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Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線周波信号の電力増幅を行う電力増幅
    手段を少なくとも備えた送信回路にて生成された無線周
    波信号の隣接チャネルへの漏洩電力を検出する漏洩電力
    比検出回路において、 前記送信回路にて生成された無線周波信号を自乗して、
    低周波成分を生成する自乗手段と、 この自乗手段の自乗結果のうち、直流付近を中心に生じ
    た低周波成分から、所望のチャネルに対応するスペクト
    ラム成分を抽出する第1のフィルタと、 前記自乗手段の自乗結果から、前記送信回路の歪みによ
    るスペクトラムの広がりに対応するスペクトラム成分を
    抽出する第2のフィルタと、 前記第1のフィルタにて抽出したスペクトラム成分のレ
    ベルと、前記第2のフィルタにて抽出したスペクトラム
    成分のレベルとから、前記無線周波信号の隣接チャネル
    への漏洩電力比を検出する漏洩電力比検出手段とを具備
    することを特徴とする漏洩電力比検出回路。
  2. 【請求項2】 前記自乗手段は、少なくとも2つの信号
    を乗算する乗算手段を用いて、前記無線周波信号を自乗
    するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の漏洩
    電力比検出回路。
  3. 【請求項3】 前記自乗手段は、2次の歪み係数を有す
    る非線形素子を用いて、前記無線周波信号を自乗するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1に記載の漏洩電力比
    検出回路。
  4. 【請求項4】 前記漏洩電力比検出手段は、 前記第1のフィルタにて抽出したスペクトラム成分の実
    効値を検出する第1のレベル検出手段と、 前記第2のフィルタにて抽出したスペクトラム成分の実
    効値を検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段にて検出した実効値と、前記
    第2のレベル検出手段にて検出した実効値との比から、
    前記無線周波信号の隣接チャネルへの漏洩電力比を検出
    する割算手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれかに記載の漏洩電力比検出回路。
  5. 【請求項5】 前記漏洩電力比検出手段は、 前記第1のフィルタにて抽出したスペクトラム成分のレ
    ベルのデシベル値を検出する第1のレベル検出手段と、 前記第2のフィルタにて抽出したスペクトラム成分のレ
    ベルのデシベル値を検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段にて検出したデシベル値と、
    前記第2のレベル検出手段にて検出したデシベル値とを
    減算して、前記無線周波信号の隣接チャネルへの漏洩電
    力比を検出する減算手段とを備えることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の漏洩電力比検出
    回路。
  6. 【請求項6】 送信系に、少なくとも無線周波信号の電
    力増幅を行う電力増幅手段を備えた移動通信端末を制御
    する制御回路において、 前記電力増幅手段により電力増幅された無線周波信号の
    一部を分岐する分岐手段と、 この分岐手段により分岐された無線周波信号を自乗し
    て、低周波成分を生成する自乗手段と、 この自乗手段の自乗結果のうち、直流付近を中心に生じ
    た低周波成分から、所望のチャネルに対応するスペクト
    ラム成分を抽出する第1のフィルタと、 前記自乗手段の自乗結果から、前記送信回路の歪みによ
    るスペクトラムの広がりに対応するスペクトラム成分を
    抽出する第2のフィルタと、 前記第1のフィルタにて抽出したスペクトラム成分のレ
    ベルと、前記第2のフィルタにて抽出したスペクトラム
    成分のレベルとから、前記無線周波信号の隣接チャネル
    への漏洩電力比を検出する漏洩電力比検出手段と、 この漏洩電力比検出手段にて検出した漏洩電力比が、予
    め設定したレベルとなるように、前記電力増幅手段への
    供給電力を制御する電力増幅制御手段とを具備すること
    を特徴とする移動通信端末の制御回路。
  7. 【請求項7】 前記自乗手段は、少なくとも2つの信号
    を乗算する乗算手段を用いて、前記無線周波信号を自乗
    するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の移動
    通信端末の制御回路。
  8. 【請求項8】 前記自乗手段は、2次の歪み係数を有す
    る非線形素子を用いて、前記無線周波信号を自乗するよ
    うにしたことを特徴とする請求項6に記載の移動通信端
    末の制御回路。
  9. 【請求項9】 前記漏洩電力比検出手段は、 前記第1のフィルタにて抽出したスペクトラム成分の実
    効値を検出する第1のレベル検出手段と、 前記第2のフィルタにて抽出したスペクトラム成分の実
    効値を検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段にて検出した実効値と、前記
    第2のレベル検出手段にて検出した実効値との比から、
    前記無線周波信号の隣接チャネルへの漏洩電力比を検出
    する比較手段とを備えることを特徴とする請求項6乃至
    請求項8のいずれかに記載の移動通信端末の制御回路。
  10. 【請求項10】 前記漏洩電力比検出手段は、 前記第1のフィルタにて抽出したスペクトラム成分のレ
    ベルのデシベル値を検出する第1のレベル検出手段と、 前記第2のフィルタにて抽出したスペクトラム成分のレ
    ベルのデシベル値を検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段にて検出したデシベル値と、
    前記第2のレベル検出手段にて検出したデシベル値とを
    減算して、前記無線周波信号の隣接チャネルへの漏洩電
    力比を検出する減算手段とを備えることを特徴とする請
    求項6乃至請求項8のいずれかに記載の移動通信端末の
    制御回路。
  11. 【請求項11】 前記第1のフィルタにて抽出したスペ
    クトラム成分のレベルに基づいて、送信される無線周波
    信号の最大電力レベルを制御する制御手段を備えたこと
    を特徴とする請求項6に記載の移動通信端末の制御回
    路。
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