JP2002074725A - 光ピックアップ装置及び対物レンズ - Google Patents
光ピックアップ装置及び対物レンズInfo
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Abstract
いるにも関わらず、厚さの異なる光情報記録媒体に対し
て情報の記録及び/又は再生(以下、単に記録再生とも
いう)を可能とし、しかも誤検出を抑制できる光ピック
アップ装置及びそれに用いる対物レンズを提供する。 【解決手段】DVD、CDに対して情報の記録及び/又
は再生を行える光ピックアップ装置100において、対
物レンズ3を通過した光束によりCDから反射される反
射光は、少なくともフォトディテクター10の周辺受光
部10bの全面を含むように照射されるので、フォトデ
ィテクター10の誤検出を抑制できる。
Description
置及び対物レンズに関し、例えば透明基板の厚さが異な
る2つの光情報記録媒体に情報記録及び/又は情報再生
の可能な光ピックアップ装置及びそれに用いる対物レン
ズに関する。
伴い、従来の光ディスクすなわち光情報記録媒体である
CD(コンパクトディスク)と同程度の大きさで大容量
化させた高密度の光ディスクであるDVD(デジタルバ
ーサタイルディスク)の開発が進んでいる。このような
光ディスクなどを媒体とした光情報記録再生装置の光学
系において、記録信号の高密度化を図るため、対物レン
ズが記録媒体上に集光するスポットを小さくすることが
要求されている。このため、光源であるレーザの短波長
化と対物レンズの高NA化とが図られているという実情
がある。
又は再生を行う光ピックアップ装置においては、655
nmの短波長半導体レーザを光源として使用したとき、
かかるレーザ光を集光させる対物レンズの光ディスク側
の開口数NAを約0.6としている。なお、CD、DV
Dの中にも、種々の規格の光ディスク、例えばCD−R
(追記型コンパクトディスク)等があり、CD、DVD
の他にもMD(ミニディスク)なども商品化されて普及
している。
又は再生を行う光ピックアップ装置においては、波長λ
=785nmである光源が必要になるが、他の光ディス
クにおいては、特定の光源波長以外の波長の光源を使用
することができ、かかる場合、使用する光源波長λに応
じて必要開口数NAが変わるようになっている。例え
ば、CDの場合は必要開口数NA=λ(μm)/1.7
3、DVDの場合は必要開口数NA=λ(μm)/1.
06で近似される。本明細書でいう開口数は、光ディス
ク側から見た集光光学系の開口数のことであり、必要開
口数とは光ディスクの記録面上で要求されるスポットサ
イズdと使用波長λとから算出される開口数であり、一
般的にはNA=0.83×λ÷dである。
明基板厚さ、記録密度、使用波長などが異なる様々な光
ディスクが存在するが、個々の光ディスクに対して、情
報の記録及び/又は再生を行うことができる専用の情報
記録再生装置を購入することはユーザーにとって大きな
負担となる。そこで、様々な光ディスクに対応できる互
換性のある光ピックアップ装置を備えた情報記録再生装
置が提案されている。
は、波長の異なる光束を、厚さの異なる基板に入射させ
たとき、球面収差を所定量以下に補正する必要があると
共に、情報の書き込み読み取りを適切なものとすべく、
各光束のスポット径も所定の範囲内に収める必要があ
る。
対応した別個の集光光学系を備え、再生する光ディスク
により集光光学系を切り換えるようにした光ピックアッ
プ装置が提案されている。かかる光ピックアップ装置に
よれば、波長の異なる光束を、厚さの異なる基板に入射
させたとき、球面収差を所定量以下に補正でき、各光束
のスポット径も所定の範囲内に収めることができる。し
かしながら、この光ピックアップ装置では、集光光学系
が複数必要となるため構成が複雑となり、高コスト化を
招くため好ましくない。
光束についてはスポット光に収斂させると共に、所定開
口数以上の光束についてはフレア光とすることができる
特性を有する対物レンズが開発されている。かかる対物
レンズによれば、例えばCD−RやDVDといった異な
る光情報記録媒体に対して、情報の記録又は再生に必要
な径のスポット光を得ることが出来る。
光情報記録媒体から反射した光を受けることによって、
トラッキングエラーなどを検出する光検出器が設けられ
ている。従来の光ピックアップ装置であれば、光情報記
録媒体から反射されるのはスポット光のみであるため、
光情報記録媒体上の正しい記録位置にスポット光が照射
される限り、光検出器において誤検出する恐れは低い。
ところが、上述した対物レンズを介すると、所定開口数
以上の光束についてはフレア光として光情報記録媒体上
に照射されるので、その反射光が検出器に検出される
と、誤検出の恐れが生じる。
ンズを使用しているにも関わらず、厚さの異なる光情報
記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生(以下、単
に記録再生ともいう)を可能とし、しかも誤検出を抑制
できる光ピックアップ装置及びそれに用いる対物レンズ
を提供することを目的とする。
クアップ装置は、第1の波長λ1で第1の光束を射出す
る第1の光源と、第2の波長λ2(>λ1)で第2の光
束を射出する第2の光源と、前記第1の光源から出射さ
れた前記第1の光束を、第1の光情報記録媒体の透明基
板を介して情報記録面上に集光させると共に、前記第2
の光源から出射された前記第2の光束を、第2の光情報
記録媒体の透明基板を介して情報記録面上に集光させ
る、回折部を備えた対物レンズを含む集光光学系と、前
記第1及び前記第2の光情報記録媒体からの反射光及び
/又は透過光を受光する光検出器とを有し、少なくとも
2種類の光情報記録媒体から情報を再生し、または光情
報記録媒体に情報を記録するための光ピックアップ装置
であって、前記第1の光束は、厚さt1の第1の透明基
板を有する第1の光情報記録媒体から情報を再生するた
めに、または情報を記録するために照射され、前記第2
の光束は、厚さt2(>t1)の第2の透明基板を有す
る第2の光情報記録媒体から情報を再生するために、ま
たは情報を記録するために照射され、前記集光光学系
は、前記第1の光束を、前記第1の光情報記録媒体の情
報記録面上に、前記第1の光情報記録媒体の記録または
再生に必要な対物レンズの像側の所定開口数NA1内で
は、波面収差0.07λ1rms以下の状態で集光で
き、かつ前記第2の光束を、前記第2の光情報記録媒体
の情報記録面上に、前記第2の光情報記録媒体の記録ま
たは再生に必要な対物レンズの像側の所定開口数NA2
(<NA1)内では、波面収差0.07λ2rms以下
の状態で集光でき、前記光検出器は、前記第1及び前記
第2の光情報記録媒体からの反射光及び/又は透過光を
受光する中央受光部と、周辺受光部とを有し、前記第2
の光情報記録媒体の記録又は再生時に、前記対物レンズ
を通過した前記第2の光束により前記第2の光情報記録
媒体から反射される反射光及び/又は透過する透過光
は、少なくとも前記周辺受光部の全面を含むように照射
されるので、前記光検出器の誤検出を抑制できる。
ある。図1において、光検出器であるフォトディテクタ
ー10は、中央受光部10aと、中央受光部10aから
等距離に配置された一対の周辺受光部10bとを有して
いる。不図示の対物レンズを通過した第1の光束によ
り、第1の光情報記録媒体から反射される反射光及び/
又は透過する透過光の一部であるスポット光SL1は、
中央受光部10aにより受光されて合焦状態などの検出
に用いられ、その残りのスポット光SL2は、周辺受光
部10bにより受光されてトラッキングエラーの有無の
検出に用いられる。
の光束により、第2の光情報記録媒体から反射される反
射光及び/又は透過する透過光は、対物レンズの所定開
口数NA2の内外のいずれを通過するかで大きく変化す
る。すなわち、不図示の対物レンズの所定開口数NA2
の内側を通過した第2の光束により、第2の光情報記録
媒体から反射される反射光及び/又は透過する透過光の
一部であるスポット光SL1は、中央受光部10aによ
り受光されて合焦状態などの検出に用いられ、その残り
のスポット光SL2は、周辺受光部10bにより受光さ
れてトラッキングエラーの有無の検出に用いられる。
口数NA2の外側を通過した第2の光束により、第2の
光情報記録媒体から反射される反射光及び/又は透過す
る透過光FLは、フレア光となり図1のように輪帯状
(内径がゼロの場合を含む)となってフォトディテクタ
ー10に照射される。スポット光SL2以外の光が、周
辺受光部10bに照射されることは、誤検出を招く恐れ
があるため、本来的には回避すべきであるが、本発明の
ごとく、フレア光FLが、周辺受光部10bの全面を含
むように一様に照射されれば、フレア光FLの光強度は
スポット光SL2の光強度より極端に低いものであるた
め、周辺受光部10bは、フレア光FLを検出せず、あ
るいはごく低い検出信号しか発生しないため、フレア光
FLの存在により誤検出が生じる恐れはきわめて低い。
また、このようにすることで、対物レンズの設計をより
容易にすることができ、装置のコスト低減を図ることが
できる。尚、フレア光FLが周辺受光部10bの全面を
含むとは、その受光面の全面を実質的に含めば足りる。
前記第2の光情報記録媒体の記録又は再生時に、前記対
物レンズの所定開口数NA2の外側を通過した前記第2
の光束により前記第2の光情報記録媒体から反射される
反射光及び/又は透過する透過光は、輪帯状に照射さ
れ、前記輪帯の内周は、前記周辺受光部の最内側縁より
内側に位置すると共に、前記輪帯の外周は、前記周辺受
光部の最外側縁より外側に位置することを特徴とする。
の内径FLiは、周辺受光部10bの最内側縁10dよ
り内側に位置し、フレア光FLの外径FLoは、周辺受
光部10bの最外側縁10cより外側に位置しているの
で、かかるフレア光FLにより周辺受光部10bの全面
を含むことができるようになっている。
帯の前記情報記録面上における内径(図1のD2)は0
〜20μmであることを特徴とする。一般的に、光検出
器用の光学系は、横倍率mが6〜7であり、光検出器上
では、かかる内径は、2・m・NA2/(tan(ar
csinNA2))を乗算した値となる。
帯の前記情報記録面上における内径(図1のD2)は1
0〜20μmであることを特徴とする。
2の光情報記録媒体の記録又は再生時に、前記対物レン
ズの所定開口数NA2の外側を通過した前記第2の光束
により前記第2の光情報記録媒体から反射される反射光
及び/又は透過する透過光は、輪帯状に照射され、前記
輪帯の内周(図1のFLi)は、前記中央受光部(図1
の10a)の最外側縁(図1の10e)より外側に位置
するので、フレア光FLが、中央受光部10aにおける
スポット光SL1の検出に悪影響を与えないようにする
ことができる。
帯の前記情報記録面上における外径をD1、前記輪帯の
前記情報記録面上における内径をD2とすると、(D1
−D2)/2>15μmであるので、周辺受光部10b
の全面を含むように、フレア光FLを照射することがで
きる。
物レンズを通過した前記第1の光束により前記第1の光
情報記録媒体から反射される反射光及び/又は透過する
透過光、及び前記対物レンズの所定開口数NA2の内側
を通過した、前記第2の光情報記録媒体から反射される
反射光及び/又は透過する透過光は、前記中央受光部に
含まれるようにスポット状に照射されることを特徴とす
る。
で第1の光束を射出する第1の光源と、第2の波長λ2
(>λ1)で第2の光束を射出する第2の光源と、前記
第1の光源から出射された前記第1の光束を、第1の光
情報記録媒体の透明基板を介して情報記録面上に集光さ
せると共に、前記第2の光源から出射された前記第2の
光束を、第2の光情報記録媒体の透明基板を介して情報
記録面上に集光させる、回折部を備えた対物レンズを含
む集光光学系と、前記第1及び前記第2の光情報記録媒
体からの反射光及び/又は透過光を受光する光検出器と
を有し、少なくとも2種類の光情報記録媒体から情報を
再生し、または光情報記録媒体に情報を記録するための
光ピックアップ装置用の対物レンズであって、前記第1
の光束は、厚さt1の第1の透明基板を有する第1の光
情報記録媒体から情報を再生するために、または情報を
記録するために照射され、前記第2の光束は、厚さt2
(>t1)の第2の透明基板を有する第2の光情報記録
媒体から情報を再生するために、または情報を記録する
ために照射され、前記集光光学系は、前記第1の光束
を、前記第1の光情報記録媒体の情報記録面上に、前記
第1の光情報記録媒体の記録または再生に必要な対物レ
ンズの像側の所定開口数NA1内では、波面収差0.0
7λ1rms以下の状態で集光でき、かつ前記第2の光
束を、前記第2の光情報記録媒体の情報記録面上に、前
記第2の光情報記録媒体の記録または再生に必要な対物
レンズの像側の所定開口数NA2(<NA1)内では、
波面収差0.07λ2rms以下の状態で集光でき、前
記光検出器は、前記第1及び前記第2の光情報記録媒体
からの反射光及び/又は透過光を受光する中央受光部
と、周辺受光部とを有し、前記第2の光情報記録媒体の
記録又は再生時に、前記対物レンズを通過した前記第2
の光束により前記第2の光情報記録媒体から反射される
反射光及び/又は透過する透過光は、少なくとも前記周
辺受光部の全面を含むように照射されることを特徴とす
る。
ックアップ装置において、集光光学系の構成を簡素にし
ながらも複数の光情報記録媒体に対して情報の記録及び
/又は再生が可能となり、しかも光検出器における誤検
出の恐れを抑制できる。
ップ装置によれば、前記第2の光情報記録媒体の記録又
は再生時に、前記対物レンズの所定開口数NA2の外側
を通過した前記第2の光束により前記第2の光情報記録
媒体から反射される反射光及び/又は透過する透過光
は、輪帯状に照射され、前記輪帯の内周は、前記周辺受
光部の最内側縁より内側に位置すると共に、前記輪帯の
外周は、前記周辺受光部の最外側縁より外側に位置する
ことを特徴とする。
アップ装置によれば、前記輪帯の前記情報記録面上にお
ける内径は0〜20μmであることを特徴とする。
アップ装置によれば、前記輪帯の前記情報記録面上にお
ける内径は10〜20μmであることを特徴とする。
アップ装置によれば、前記第2の光情報記録媒体の記録
又は再生時に、前記対物レンズの所定開口数NA2の外
側を通過した前記第2の光束により前記第2の光情報記
録媒体から反射される反射光及び/又は透過する透過光
は、輪帯状に照射され、前記輪帯の内周は、前記中央受
光部の最外側縁より外側に位置することを特徴とする。
アップ装置によれば、前記輪帯の前記情報記録面上にお
ける外径をD1、前記輪帯の前記情報記録面上における
内径をD2とすると、(D1−D2)/2>15μmで
あることを特徴とする。
アップ装置によれば、前記対物レンズを通過した前記第
1の光束により前記第1の光情報記録媒体から反射され
る反射光及び/又は透過する透過光、及び前記対物レン
ズの所定開口数NA2の内側を通過した、前記第2の光
情報記録媒体から反射される反射光及び/又は透過する
透過光は、前記中央受光部に含まれるようにスポット状
に照射されることを特徴とする。
折部)とは、光学素子の表面、例えばレンズの表面に、
レリーフを設けて、回折によって光線の角度を変える作
用を持たせた形態(又は面)のことをいい、一つの光学
面に回折を生じる領域と生じない領域がある場合は、回
折を生じる領域をいう。レリーフの形状としては、例え
ば、光学素子の表面に、光軸を中心とする略同心円状の
輪帯として形成され、光軸を含む平面でその断面をみれ
ば各輪帯は鋸歯のような形状が知られているが、そのよ
うな形状を含むものである。
義には光ピックアップ装置に光情報記録媒体を装填した
状態において、最も光情報記録媒体側の位置で、これと
対向すべく配置される集光作用を有するレンズを指し、
広義にはそのレンズと共に、アクチュエータによって少
なくともその光軸方向に作動可能なレンズ群を指すもの
とする。ここで、かかるレンズ群とは、少なくとも1枚
以上のレンズを指すものである。従って、本明細書中に
おいて、対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAと
は、対物レンズの最も光情報記録媒体側に位置するレン
ズ面から光情報記録媒体側に出射した光束の開口数NA
を指すものである。また、本明細書中では開口数NA
は、それぞれの光情報記録媒体の規格で規定されている
開口数、あるいはそれぞれの光情報記録媒体に対して、
使用する光源の波長に応じ、情報の記録または再生をす
るために必要なスポット径を得ることができる回折限界
性能の対物レンズの開口数を示す。尚、対物レンズは単
玉であることが好ましい。
ディスク)としては、例えば、CD-R, CD-RW, CD-Video,
CD-ROM等の各種CD、DVD-ROM, DVD-RAM, DVD-R, DVD-
RW,DVD+RW,DVD-Video等の各種DVD、或いはMD等の
ディスク状の現在の光情報記録媒体および次世代の記録
媒体なども含まれる。多くの光情報記録媒体の情報記録
面上には透明基板が存在する。しかしながら、透明基板
の厚さが殆どゼロに近いもの、あるいは透明基板が全く
ないものも存在もしくは提案されている。説明の都合
上、本明細書中「透明基板を介して」と記載することが
あるが、かかる透明基板は厚さがゼロである、すなわち
透明基板が全くない場合も含むものである。
生とは、上記のような光情報記録媒体の情報記録面上に
情報を記録すること、情報記録面上に記録された情報を
再生することをいう。本発明の光ピックアップ装置は、
記録だけ或いは再生だけを行うために用いられるもので
あってもよいし、記録および再生の両方を行うために用
いられるものであってもよい。また、或る情報記録媒体
に対しては記録を行い、別の情報記録媒体に対しては再
生を行うために用いられるものであってもよいし、或る
情報記録媒体に対しては記録または再生を行い、別の情
報記録媒体に対しては記録及び再生を行うために用いら
れるものであってもよい。なお、ここでいう再生とは、
単に情報を読み取ることを含むものである。
レーヤまたはドライブ等、あるいはそれらを組み込んだ
AV機器、パソコン、その他の情報端末等の音声および
/または画像の記録および/または再生装置に搭載する
ことができる。
について、図面を参照しつつ説明する。本実施の形態の
対物レンズは、回折部として回折輪帯を有している。一
般に、回折輪帯(各輪帯の位置)のピッチは、後述の実
施例で詳述する位相差関数若しくは光路差関数を使って
定義される。具体的には、位相差関数Φbは単位をラジ
アンとして以下の〔数1〕で表され、光路差関数ΦBは
単位をmmとして〔数2〕で表わされる。
が、回折輪帯のピッチを表わす意味では同等である。即
ち、ブレーズ化波長λ(単位mm)に対し、位相差関数
の係数bに、λ/2πを掛ければ光路差関数の係数Bに
換算でき、また逆に光路差関数の係数Bに、2π/λを
掛ければ位相差関数の係数bに換算できる。
いる回折レンズについて述べることにすると、光路差関
数なら、関数値がブレーズ化波長λの整数倍を超える毎
に輪帯が刻まれ、位相差関数なら、関数値が2πの整数
倍を超える毎に輪帯が刻まれることになる。
の物体側面に回折輪帯を刻んだレンズを想定し、ブレー
ズ化波長を0.5μ=0.0005mm、光路差関数の
2次係数(2乗項)を−0.05(位相差関数の2次係
数に換算すると−628.3)、他の次数の係数を全て
零とすると、第1輪帯の半径はh=0.1mmであり、
第2輪帯の半径はh=0.141mmということにな
る。また、この回折レンズの焦点距離fについては、光
路差関数の2次係数B2=−0.05に対して、f=−
1/(2・B2)=10mmとなることが知られてい
る。
数若しくは光路差関数の2次係数を零でない値とするこ
とにより、レンズにパワーを持たせることができる。ま
た、位相差関数若しくは光路差関数の2次以外の係数、
例えば、4次係数、6次係数、8次係数、10次係数等
を零でない値とすることにより、球面収差を制御するこ
とができる。尚、ここで、制御するということは、屈折
パワーを有する部分が持つ球面収差を、逆の球面収差を
発生させて補正したり、全体の球面収差を所望な値にす
ることを意味する。
説明する。
ズは、次の〔数3〕で表される非球面形状を光学面の両
面に有している。
を正とする)、hは光軸と垂直方向の軸(光軸からの高
さ)、rは近軸曲率半径、κは円錐係数、Aは非球面係
数である。
軸からの高さhbを境にして異なる光路差関数によって
表される回折輪帯を有している。本実施例では、光軸か
らの高さhbの境界に隣接する回折輪帯は、輪帯幅が短
く不完全な形状となるが、本発明には光軸からの高さh
≧hbの領域のレンズ厚さに相当するA0の値を最適な
値にして、輪帯幅が完全な形状としたものも含む。
クアップ装置の概略構成図である。図2に示す光ピック
アップ装置100においては、第1の光源である第1半
導体レーザ111と第2の光源である第2半導体レーザ
112とが並列に設置されている。波長λ1(=655
nm)の第1半導体レーザ111からの光束は、ビーム
スプリッタ113を介して、コリメータ114に入射
し、更に絞り115(所定開口数NA1)で絞られて、
対物レンズ3により第1の光情報記録媒体すなわち光デ
ィスク200(例えばDVD:透明基板厚t1)の情報
記録面201に集光される。
ンズ3,絞り115,コリメータ114,ビームスプリ
ッタ113,116、シリンドリカルレンズ117及び
凹レンズ118を介してフォトディテクター10の受光
面に集光されるようになっている。受光した光に基づ
き、フォトディテクター10は検出信号を発生する。
第2半導体レーザ112からの光束は、回折格子11
9,カップリングレンズ120,ビームスプリッタ11
6及びビームスプリッタ113を介して、コリメータ1
14に入射し、更に絞り115(所定開口数NA2<N
A1)で絞られて、対物レンズ3により第2の光情報記
録媒体すなわち光ディスク200’(例えばCD−R:
透明基板厚t2>t1)の情報記録面201に集光され
る。
同様に、対物レンズ3,絞り115,コリメータ11
4,ビームスプリッタ113,116、シリンドリカル
レンズ117及び凹レンズ118を介してフォトデテク
ター10の受光面に集光されるようになっている。受光
した光に基づき、フォトディテクター10は検出信号を
発生する。尚、対物レンズ3としては、後述する実施例
1,2を用いることができる。
クアップ装置の概略構成図である。図3に示す第2の実
施の形態においては、図2の実施の形態に対して、カッ
プリングレンズ120、シリンドリカルレンズ117及
び凹レンズ118を省略し、かつビームスプリッタを平
板状のもの(206)に置換している点のみが異なるた
め、それ以外の構成については説明を省略する。尚、対
物レンズ3としては、同様に後述する実施例1,2を用
いることができる。又、第1の実施の形態及び第2の実
施の形態において、情報記録面201を透明にすること
により、その透過光をフォトディテクター10により検
出させる構成も可能である。
る。 (実施例1)[表1]に、実施例1における対物レンズ
3に関するデータを示す。尚、これより示すレンズデー
タ内において、10のべき乗数(例えば、2.5×10
−3)を、E(例えば、2.5×E−3)を用いて表し
ている。
あり、図5は、実施例1の対物レンズの球面収差図であ
る。図5(a)によれば、光ディスクとしてDVDに情
報の記録又は再生を行う場合、全ての開口数において球
面収差を良好に抑え、適切なスポット光を形成すること
ができる。
してCD−Rに情報の記録又は再生を行う場合、所定の
開口数(NA2)の内側では球面収差を良好に抑え、適
切なスポット光を形成することができ、所定の開口数
(NA2)の外側ではフレア光を形成することができ
る。
る対物レンズ3に関するデータを示す。
あり、図7は、実施例2の対物レンズの球面収差図であ
る。図7(a)によれば、光ディスクとしてDVDに情
報の記録又は再生を行う場合、全ての開口数において球
面収差を良好に抑え、適切なスポット光を形成すること
ができる。
してCD−Rに情報の記録又は再生を行う場合、所定の
開口数(NA2)の内側では球面収差を良好に抑え、適
切なスポット光を形成することができ、所定の開口数
(NA2)の外側ではフレア光を形成することができ
る。
ける屈折率データであり、[表4]は、実施例1,2の
対物レンズを用いた場合、情報記録面201(図2,
3)上に形成されるフレア光の内径D2及び外径D1を
示している。
は対物レンズを使用しているにも関わらず、厚さの異な
る光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生
(以下、単に記録再生ともいう)を可能とし、しかも誤
検出を抑制できる光ピックアップ装置及びそれに用いる
対物レンズを提供することができる。
の概略構成図である。
の概略構成図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 第1の波長λ1で第1の光束を射出する
第1の光源と、第2の波長λ2(>λ1)で第2の光束
を射出する第2の光源と、前記第1の光源から出射され
た前記第1の光束を、第1の光情報記録媒体の透明基板
を介して情報記録面上に集光させると共に、前記第2の
光源から出射された前記第2の光束を、第2の光情報記
録媒体の透明基板を介して情報記録面上に集光させる、
回折部を備えた対物レンズを含む集光光学系と、前記第
1及び前記第2の光情報記録媒体からの反射光及び/又
は透過光を受光する光検出器とを有し、少なくとも2種
類の光情報記録媒体から情報を再生し、または光情報記
録媒体に情報を記録するための光ピックアップ装置であ
って、 前記第1の光束は、厚さt1の第1の透明基板を有する
第1の光情報記録媒体から情報を再生するために、また
は情報を記録するために照射され、 前記第2の光束は、厚さt2(>t1)の第2の透明基
板を有する第2の光情報記録媒体から情報を再生するた
めに、または情報を記録するために照射され、 前記集光光学系は、前記第1の光束を、前記第1の光情
報記録媒体の情報記録面上に、前記第1の光情報記録媒
体の記録または再生に必要な対物レンズの像側の所定開
口数NA1内では、波面収差0.07λ1rms以下の
状態で集光でき、 かつ前記第2の光束を、前記第2の光情報記録媒体の情
報記録面上に、前記第2の光情報記録媒体の記録または
再生に必要な対物レンズの像側の所定開口数NA2(<
NA1)内では、波面収差0.07λ2rms以下の状
態で集光でき、 前記光検出器は、前記第1及び前記第2の光情報記録媒
体からの反射光及び/又は透過光を受光する中央受光部
と、周辺受光部とを有し、 前記第2の光情報記録媒体の記録又は再生時に、前記対
物レンズを通過した前記第2の光束により前記第2の光
情報記録媒体から反射される反射光及び/又は透過する
透過光は、少なくとも前記周辺受光部の全面を含むよう
に照射されることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 【請求項2】 前記第2の光情報記録媒体の記録又は再
生時に、前記対物レンズの所定開口数NA2の外側を通
過した前記第2の光束により前記第2の光情報記録媒体
から反射される反射光及び/又は透過する透過光は、輪
帯状に照射され、前記輪帯の内周は、前記周辺受光部の
最内側縁より内側に位置すると共に、前記輪帯の外周
は、前記周辺受光部の最外側縁より外側に位置すること
を特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 【請求項3】 前記輪帯の前記情報記録面上における内
径は0〜20μmであることを特徴とする請求項2に記
載の光ピックアップ装置。 - 【請求項4】 前記輪帯の前記情報記録面上における内
径は10〜20μmであることを特徴とする請求項3に
記載の光ピックアップ装置。 - 【請求項5】 前記第2の光情報記録媒体の記録又は再
生時に、前記対物レンズの所定開口数NA2の外側を通
過した前記第2の光束により前記第2の光情報記録媒体
から反射される反射光及び/又は透過する透過光は、輪
帯状に照射され、前記輪帯の内周は、前記中央受光部の
最外側縁より外側に位置することを特徴とする請求項
1、2、4のいずれかに記載の光ピックアップ装置。 - 【請求項6】 前記輪帯の前記情報記録面上における外
径をD1、前記輪帯の前記情報記録面上における内径を
D2とすると、(D1−D2)/2>15μmであるこ
とを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の光ピ
ックアップ装置。 - 【請求項7】 前記対物レンズを通過した前記第1の光
束により前記第1の光情報記録媒体から反射される反射
光及び/又は透過する透過光、及び前記対物レンズの所
定開口数NA2の内側を通過した、前記第2の光情報記
録媒体から反射される反射光及び/又は透過する透過光
は、前記中央受光部に含まれるようにスポット状に照射
されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記
載の光ピックアップ装置。 - 【請求項8】 第1の波長λ1で第1の光束を射出する
第1の光源と、第2の波長λ2(>λ1)で第2の光束
を射出する第2の光源と、前記第1の光源から出射され
た前記第1の光束を、第1の光情報記録媒体の透明基板
を介して情報記録面上に集光させると共に、前記第2の
光源から出射された前記第2の光束を、第2の光情報記
録媒体の透明基板を介して情報記録面上に集光させる、
回折部を備えた対物レンズを含む集光光学系と、前記第
1及び前記第2の光情報記録媒体からの反射光及び/又
は透過光を受光する光検出器とを有し、少なくとも2種
類の光情報記録媒体から情報を再生し、または光情報記
録媒体に情報を記録するための光ピックアップ装置用の
対物レンズであって、 前記第1の光束は、厚さt1の第1の透明基板を有する
第1の光情報記録媒体から情報を再生するために、また
は情報を記録するために照射され、 前記第2の光束は、厚さt2(>t1)の第2の透明基
板を有する第2の光情報記録媒体から情報を再生するた
めに、または情報を記録するために照射され、 前記集光光学系は、前記第1の光束を、前記第1の光情
報記録媒体の情報記録面上に、前記第1の光情報記録媒
体の記録または再生に必要な対物レンズの像側の所定開
口数NA1内では、波面収差0.07λ1rms以下の
状態で集光でき、 かつ前記第2の光束を、前記第2の光情報記録媒体の情
報記録面上に、前記第2の光情報記録媒体の記録または
再生に必要な対物レンズの像側の所定開口数NA2(<
NA1)内では、波面収差0.07λ2rms以下の状
態で集光でき、 前記光検出器は、前記第1及び前記第2の光情報記録媒
体からの反射光及び/又は透過光を受光する中央受光部
と、周辺受光部とを有し、 前記第2の光情報記録媒体の記録又は再生時に、前記対
物レンズを通過した前記第2の光束により前記第2の光
情報記録媒体から反射される反射光及び/又は透過する
透過光は、少なくとも前記周辺受光部の全面を含むよう
に照射されることを特徴とする対物レンズ。 - 【請求項9】 前記第2の光情報記録媒体の記録又は再
生時に、前記対物レンズの所定開口数NA2の外側を通
過した前記第2の光束により前記第2の光情報記録媒体
から反射される反射光及び/又は透過する透過光は、輪
帯状に照射され、前記輪帯の内周は、前記周辺受光部の
最内側縁より内側に位置すると共に、前記輪帯の外周
は、前記周辺受光部の最外側縁より外側に位置すること
を特徴とする請求項8に記載の対物レンズ。 - 【請求項10】 前記輪帯の前記情報記録面上における
内径は0〜20μmであることを特徴とする請求項9に
記載の対物レンズ。 - 【請求項11】 前記輪帯の前記情報記録面上における
内径は10〜20μmであることを特徴とする請求項1
0に記載の対物レンズ。 - 【請求項12】 前記第2の光情報記録媒体の記録又は
再生時に、前記対物レンズの所定開口数NA2の外側を
通過した前記第2の光束により前記第2の光情報記録媒
体から反射される反射光及び/又は透過する透過光は、
輪帯状に照射され、前記輪帯の内周は、前記中央受光部
の最外側縁より外側に位置することを特徴とする請求項
8,9,11のいずれかに記載の対物レンズ。 - 【請求項13】 前記輪帯の前記情報記録面上における
外径をD1、前記輪帯の前記情報記録面上における内径
をD2とすると、(D1−D2)/2>15μmである
ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の
対物レンズ。 - 【請求項14】 前記対物レンズを通過した前記第1の
光束により前記第1の光情報記録媒体から反射される反
射光及び/又は透過する透過光、及び前記対物レンズの
所定開口数NA2の内側を通過した、前記第2の光情報
記録媒体から反射される反射光及び/又は透過する透過
光は、前記中央受光部に含まれるようにスポット状に照
射されることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか
に記載の対物レンズ。
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