JP2002071641A - 複合ガス検知装置 - Google Patents
複合ガス検知装置Info
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- JP2002071641A JP2002071641A JP2000256881A JP2000256881A JP2002071641A JP 2002071641 A JP2002071641 A JP 2002071641A JP 2000256881 A JP2000256881 A JP 2000256881A JP 2000256881 A JP2000256881 A JP 2000256881A JP 2002071641 A JP2002071641 A JP 2002071641A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 NOx濃度の検知に加え、燃焼ガ
ス中の酸素濃度や過剰燃料量を検知する。 【解決手段】 NOx検知セル(10,11)に
加え、空燃比検出ポンプセル(13,14)と空燃比セ
ンサ部(23,26,27)とを付加する。
ス中の酸素濃度や過剰燃料量を検知する。 【解決手段】 NOx検知セル(10,11)に
加え、空燃比検出ポンプセル(13,14)と空燃比セ
ンサ部(23,26,27)とを付加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスセンサ、特に
内燃機関からの排出燃焼ガス中の窒素酸化物濃度と同時
に酸素濃度あるいは可燃性ガス濃度を検出し内燃機関の
空燃比を検知する複合ガスセンサに関するものである。
内燃機関からの排出燃焼ガス中の窒素酸化物濃度と同時
に酸素濃度あるいは可燃性ガス濃度を検出し内燃機関の
空燃比を検知する複合ガスセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車排ガス等の燃焼排気ガス中
に直接挿入して連続検知が行える全固体型NOxセンサ
が注目を集め、幾つかの研究成果が報告されている。例
えば、自動車高温排ガス中のNOx濃度を検出できるセ
ンサとして電流検出型のNOxセンサが報告されている
(SAE TECHNICAL PARER 960334)。このセンサはイオン
伝導体で二つの空間を設け、第1空間で酸素ポンプを用
いて被検ガス中の酸素濃度をほぼゼロまで排除し、NO
xをNO単体ガスとした後、第2空間内でこのNOを電
気分解によって窒素と酸素に分解させ、この時得られる
分解電流を検知することによって総NOx濃度を検知す
る仕組みとなっている。
に直接挿入して連続検知が行える全固体型NOxセンサ
が注目を集め、幾つかの研究成果が報告されている。例
えば、自動車高温排ガス中のNOx濃度を検出できるセ
ンサとして電流検出型のNOxセンサが報告されている
(SAE TECHNICAL PARER 960334)。このセンサはイオン
伝導体で二つの空間を設け、第1空間で酸素ポンプを用
いて被検ガス中の酸素濃度をほぼゼロまで排除し、NO
xをNO単体ガスとした後、第2空間内でこのNOを電
気分解によって窒素と酸素に分解させ、この時得られる
分解電流を検知することによって総NOx濃度を検知す
る仕組みとなっている。
【0003】これとは全く異なる原理である混成電位型
の総NOxセンサが提案されている。例えば、特開平1
1−72476号公報では、酸素イオン伝導体で形成さ
れた測定空間内にNOxと酸素に同時に活性を持つ検知
電極と酸素にのみ活性である参照電極を設置し、前記検
知電極と参照電極との間の電位差を測定することにより
被検ガス中の総NOx濃度を測定するものである。この
NOxセンサでは、検知電極に対向して設置される変換
電極(酸素ポンプセル)により、被検ガス中のNOxを
NOあるいはNO2のどちらかに電気化学的に変換しな
がら、混成電位の検知電極を用いて総NOx濃度を検知
するものである。
の総NOxセンサが提案されている。例えば、特開平1
1−72476号公報では、酸素イオン伝導体で形成さ
れた測定空間内にNOxと酸素に同時に活性を持つ検知
電極と酸素にのみ活性である参照電極を設置し、前記検
知電極と参照電極との間の電位差を測定することにより
被検ガス中の総NOx濃度を測定するものである。この
NOxセンサでは、検知電極に対向して設置される変換
電極(酸素ポンプセル)により、被検ガス中のNOxを
NOあるいはNO2のどちらかに電気化学的に変換しな
がら、混成電位の検知電極を用いて総NOx濃度を検知
するものである。
【0004】しかしながら、前述の何れのNOxセンサ
も少なからず被検ガス中の酸素濃度の影響を受ける。そ
のため、前記の測定空間内の酸素濃度を正確に制御する
必要があるが、実際の排ガス等の被検ガス中において、
大流量、且つ空燃比が10〜22と広範囲で変化する場
合には、測定空間内の酸素濃度を精密に制御することは
非常に困難であり、またコストがかさむ。さらに、自動
車等の燃焼制御や排ガス浄化制御には、燃焼ガス中の酸
素濃度を検知してフィードバック制御すると同時に排ガ
ス中の総NOx濃度を検知する必要がある。特に、近年
ガソリンの直噴エンジンとその排ガス浄化システムにお
いては、超希薄燃焼領域(リーン領域)から燃料過剰領
域(リッチ領域)で使用される。そのため、このような
燃焼システムにおいては、実際の排ガス中における広域
の空燃比(酸素濃度および燃料過剰量)を検知すること
と、総NOx濃度を検知することが同時に求められてい
る。
も少なからず被検ガス中の酸素濃度の影響を受ける。そ
のため、前記の測定空間内の酸素濃度を正確に制御する
必要があるが、実際の排ガス等の被検ガス中において、
大流量、且つ空燃比が10〜22と広範囲で変化する場
合には、測定空間内の酸素濃度を精密に制御することは
非常に困難であり、またコストがかさむ。さらに、自動
車等の燃焼制御や排ガス浄化制御には、燃焼ガス中の酸
素濃度を検知してフィードバック制御すると同時に排ガ
ス中の総NOx濃度を検知する必要がある。特に、近年
ガソリンの直噴エンジンとその排ガス浄化システムにお
いては、超希薄燃焼領域(リーン領域)から燃料過剰領
域(リッチ領域)で使用される。そのため、このような
燃焼システムにおいては、実際の排ガス中における広域
の空燃比(酸素濃度および燃料過剰量)を検知すること
と、総NOx濃度を検知することが同時に求められてい
る。
【0005】上述の電流検出型NOxセンサの構成にお
いては、前段の空間で行う酸素排出ポンピング電流(限
界電流値)により、酸素過剰状態であるリーン領域にお
ける排ガス中酸素濃度を同時に測定することができると
されている。すなわち、排ガス中の過剰酸素濃度および
総NOx濃度を同時に測定することにより、エンジンの
リーン領域における実際の空燃比状態とNOx濃度を独
立に検知でき、例えば、排ガス中のNOx濃度から実際
のエンジン空燃比をフィードバック制御することが望ま
れている。これにより、NOx濃度を排ガス規制値以内
に抑え、且つ燃費の良いエンジン空燃比の最適制御が行
える。しかしながら、このセンサ構成においては、燃料
過剰のリッチ領域における空燃比は検出できない。
いては、前段の空間で行う酸素排出ポンピング電流(限
界電流値)により、酸素過剰状態であるリーン領域にお
ける排ガス中酸素濃度を同時に測定することができると
されている。すなわち、排ガス中の過剰酸素濃度および
総NOx濃度を同時に測定することにより、エンジンの
リーン領域における実際の空燃比状態とNOx濃度を独
立に検知でき、例えば、排ガス中のNOx濃度から実際
のエンジン空燃比をフィードバック制御することが望ま
れている。これにより、NOx濃度を排ガス規制値以内
に抑え、且つ燃費の良いエンジン空燃比の最適制御が行
える。しかしながら、このセンサ構成においては、燃料
過剰のリッチ領域における空燃比は検出できない。
【0006】一方、排ガス中に設置されるセンサの信号
から、実際の排ガス中における広域の空燃比状態のみを
検知するガスセンサ(空燃比センサ)はすでに車に搭載
されている。これは、既に発表されている論文(SAE TE
CHNICAL PARER 850378)によれば、一対の酸素ポンピン
グ電極と基準電極を酸素イオン伝導体からなる缶室構造
体に形成したものである。リーン領域の酸素過剰時にお
いては、酸素ポンピングの限界電流値から排ガス中の酸
素濃度を検出し、リッチ領域の燃料過剰時においては、
前述の酸素ポンプを逆作動し過剰な燃料ガスを燃焼させ
るに必要な酸素量(酸素ポンピング電流値)を検出す
る。すなわち、この空燃比センサにより実際のエンジン
における空燃比状態が検知される。しかしながら、この
空燃比センサによって排ガス中のNOx濃度を直接検知
することは困難であり、NOx濃度と空燃比を同時に測
定するためには、複数のセンサを併用する必要がある。
この場合、システムの小型化に限界が生じ、測定精度が
劣化することは明らかである。
から、実際の排ガス中における広域の空燃比状態のみを
検知するガスセンサ(空燃比センサ)はすでに車に搭載
されている。これは、既に発表されている論文(SAE TE
CHNICAL PARER 850378)によれば、一対の酸素ポンピン
グ電極と基準電極を酸素イオン伝導体からなる缶室構造
体に形成したものである。リーン領域の酸素過剰時にお
いては、酸素ポンピングの限界電流値から排ガス中の酸
素濃度を検出し、リッチ領域の燃料過剰時においては、
前述の酸素ポンプを逆作動し過剰な燃料ガスを燃焼させ
るに必要な酸素量(酸素ポンピング電流値)を検出す
る。すなわち、この空燃比センサにより実際のエンジン
における空燃比状態が検知される。しかしながら、この
空燃比センサによって排ガス中のNOx濃度を直接検知
することは困難であり、NOx濃度と空燃比を同時に測
定するためには、複数のセンサを併用する必要がある。
この場合、システムの小型化に限界が生じ、測定精度が
劣化することは明らかである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、広範な
空燃比変動を有する自動車等の燃焼ガス中で精度よく総
NOx濃度を測定するためには、NOxセンサの検知電極
が設置される測定空間内の酸素濃度を正確に制御する必
要があるが、そのためには技術的な困難さや高いコスト
がともなう。また、排ガス制御のための燃焼制御や排ガ
ス処理システムにおいては、燃焼ガス中の総NOx濃度
を検知すると同時に、燃焼ガス中の酸素濃度や燃料過剰
量を検知しなければならない。すなわち、本発明は、こ
のような、排ガス中の総NOx濃度と酸素濃度あるいは
燃料過剰量を同時に検知できる複合ガスセンサを提供す
ることと、NOxセンサ自体の総NOx検知精度を低コス
トで改善可能な複合ガス検知装置を提供することを課題
とする。
空燃比変動を有する自動車等の燃焼ガス中で精度よく総
NOx濃度を測定するためには、NOxセンサの検知電極
が設置される測定空間内の酸素濃度を正確に制御する必
要があるが、そのためには技術的な困難さや高いコスト
がともなう。また、排ガス制御のための燃焼制御や排ガ
ス処理システムにおいては、燃焼ガス中の総NOx濃度
を検知すると同時に、燃焼ガス中の酸素濃度や燃料過剰
量を検知しなければならない。すなわち、本発明は、こ
のような、排ガス中の総NOx濃度と酸素濃度あるいは
燃料過剰量を同時に検知できる複合ガスセンサを提供す
ることと、NOxセンサ自体の総NOx検知精度を低コス
トで改善可能な複合ガス検知装置を提供することを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の課題
に鑑み鋭意な研究を行った結果、以下のような解決方法
を提案する。すなわち、図1に示すように、酸素イオン
伝導性を有する第1の固体電解質基板1および第2の固
体電解質基板2を対向させ、前記の固体電解質と同種の
イオン伝導体からなる第1のスペーサ6により所定の距
離を保ちながら固定することにより形成される第1測定
空間4と、第1測定空間4と被検ガス雰囲気とが連通す
るように設けられた第1ガス導入口8と、第1測定空間
内の雰囲気に曝される第1の固体電解質基板上に固定さ
れたNOxおよび酸素に活性なNOx検知電極10と、大
気基準ダクト19を介して大気雰囲気に曝された酸素に
活性な参照電極11とからなるNOx検知セルと、第1
測定空間内の雰囲気に曝される第2の固体電解質基板上
に固定された被検ガス中のNOをNO2に或いはNO2を
NOに変換するためのNOx変換電極16と、第2の固
体電解質基板上に大気導入ダクト18を介して大気雰囲
気に曝されるように固定されたNOx変換対極17から
なる第一の酸素ポンプとしてのNOx変換ポンプセル
と、NOx検知電極10と参照電極11との間の電位差
を測定する手段21と、NOx変換ポンプセルを駆動す
るための電圧印加手段25とからなるNOxセンサ部
と、NOxセンサ部を構成する第1あるいは第2の固体
電解質基板1,2と酸素イオン伝導性を有する第3の固
体電解質基板3および第2のスペーサ7により構成され
る第2測定空間5と、第2測定空間と被検ガス雰囲気と
がガス拡散律速をともなってガス流入するように連通さ
せた第2ガス導入口9と、第2測定空間内の固体電解質
上に固定された酸素に活性な第2酸素電極13と、第2
酸素電極と対になる第3の固体電解質基板上に被検ガス
雰囲気に曝されるように固定された第2酸素ポンプ対極
14とからなる第二の酸素ポンプとしての空燃比検出ポ
ンプセルと、空燃比検出ポンプセルを駆動するための電
圧印加手段26および空燃比検出ポンプ電流を検出する
手段27と、第2酸素電極13と参照電極11との間の
電位差を検出する手段23および検出された電位差に基
づいて第2測定空間内の酸素濃度を一定にするための制
御手段28とからなる空燃比センサ部とで構成されるこ
とを特徴とする複合ガス検知装置をもって解決手段とす
る。
に鑑み鋭意な研究を行った結果、以下のような解決方法
を提案する。すなわち、図1に示すように、酸素イオン
伝導性を有する第1の固体電解質基板1および第2の固
体電解質基板2を対向させ、前記の固体電解質と同種の
イオン伝導体からなる第1のスペーサ6により所定の距
離を保ちながら固定することにより形成される第1測定
空間4と、第1測定空間4と被検ガス雰囲気とが連通す
るように設けられた第1ガス導入口8と、第1測定空間
内の雰囲気に曝される第1の固体電解質基板上に固定さ
れたNOxおよび酸素に活性なNOx検知電極10と、大
気基準ダクト19を介して大気雰囲気に曝された酸素に
活性な参照電極11とからなるNOx検知セルと、第1
測定空間内の雰囲気に曝される第2の固体電解質基板上
に固定された被検ガス中のNOをNO2に或いはNO2を
NOに変換するためのNOx変換電極16と、第2の固
体電解質基板上に大気導入ダクト18を介して大気雰囲
気に曝されるように固定されたNOx変換対極17から
なる第一の酸素ポンプとしてのNOx変換ポンプセル
と、NOx検知電極10と参照電極11との間の電位差
を測定する手段21と、NOx変換ポンプセルを駆動す
るための電圧印加手段25とからなるNOxセンサ部
と、NOxセンサ部を構成する第1あるいは第2の固体
電解質基板1,2と酸素イオン伝導性を有する第3の固
体電解質基板3および第2のスペーサ7により構成され
る第2測定空間5と、第2測定空間と被検ガス雰囲気と
がガス拡散律速をともなってガス流入するように連通さ
せた第2ガス導入口9と、第2測定空間内の固体電解質
上に固定された酸素に活性な第2酸素電極13と、第2
酸素電極と対になる第3の固体電解質基板上に被検ガス
雰囲気に曝されるように固定された第2酸素ポンプ対極
14とからなる第二の酸素ポンプとしての空燃比検出ポ
ンプセルと、空燃比検出ポンプセルを駆動するための電
圧印加手段26および空燃比検出ポンプ電流を検出する
手段27と、第2酸素電極13と参照電極11との間の
電位差を検出する手段23および検出された電位差に基
づいて第2測定空間内の酸素濃度を一定にするための制
御手段28とからなる空燃比センサ部とで構成されるこ
とを特徴とする複合ガス検知装置をもって解決手段とす
る。
【0009】図1〜図6に示される変換ポンプセル駆動
用外部電源25の電圧印加方向では被検ガス中のNOx
はNO2に変換されるが、印加方向を逆にすることによ
りNOに変換することもできる。
用外部電源25の電圧印加方向では被検ガス中のNOx
はNO2に変換されるが、印加方向を逆にすることによ
りNOに変換することもできる。
【0010】図1の構造例では、本発明のセンサ基板に
自己加熱用ヒータ20を取り付けたものを示す。これら
によって、測定ガス中、とりわけ燃焼排ガス中の総NO
x濃度と、空燃比を同時に精度よく測定することが可能
となる。尚、図1乃至図6中、同一構成部品には同一符
号を記してある。
自己加熱用ヒータ20を取り付けたものを示す。これら
によって、測定ガス中、とりわけ燃焼排ガス中の総NO
x濃度と、空燃比を同時に精度よく測定することが可能
となる。尚、図1乃至図6中、同一構成部品には同一符
号を記してある。
【0011】図2の構造例では、前述の図1に示される
構造例において、第1測定空間4内の雰囲気に曝される
第1の固体電解質1上に、酸素に活性な第1酸素電極1
2を設置し、NOx検知電極10と第1酸素電極12と
の間の電位差を測定する手段を備えたことを特徴とする
複合ガス検知装置を示すものである。これにより、NO
x検知電極の基準を同一雰囲気下とすることで、NOx検
知電極近傍の酸素濃度が変動しても、その影響を排除す
ることが可能となる。
構造例において、第1測定空間4内の雰囲気に曝される
第1の固体電解質1上に、酸素に活性な第1酸素電極1
2を設置し、NOx検知電極10と第1酸素電極12と
の間の電位差を測定する手段を備えたことを特徴とする
複合ガス検知装置を示すものである。これにより、NO
x検知電極の基準を同一雰囲気下とすることで、NOx検
知電極近傍の酸素濃度が変動しても、その影響を排除す
ることが可能となる。
【0012】図3の構造例では、前述の図1に示される
構造例において、第1測定空間4内の雰囲気に曝される
第1の固体電解質1上に、酸素に活性な第1酸素電極1
2を設置し、NOx検知電極10と参照電極11との間
の電位差を測定する手段21と、第1酸素電極12と参
照電極11との間の電位差を測定する手段22とを備
え、2つの電位差を用いて演算処理する手段とを有する
複合ガス検知装置を示すものである。この演算処理する
手段は、ハードウェアである電子回路あるいはソフトウ
ェアであるマイコン等を用いた方式が適用できる。これ
により、NOx検知信号の補正等を行い更なる精度改善
が可能となる。
構造例において、第1測定空間4内の雰囲気に曝される
第1の固体電解質1上に、酸素に活性な第1酸素電極1
2を設置し、NOx検知電極10と参照電極11との間
の電位差を測定する手段21と、第1酸素電極12と参
照電極11との間の電位差を測定する手段22とを備
え、2つの電位差を用いて演算処理する手段とを有する
複合ガス検知装置を示すものである。この演算処理する
手段は、ハードウェアである電子回路あるいはソフトウ
ェアであるマイコン等を用いた方式が適用できる。これ
により、NOx検知信号の補正等を行い更なる精度改善
が可能となる。
【0013】また本発明によれば、図4に示すように、
図3の例で用いた第2酸素ポンプ対極14を図3の例で
用いたNOx変換対極17と兼用し、NOx変換対極と第
2酸素電極13とからなる空燃比検出ポンプセルを駆動
することによって、電極の数及びセンサのリード線数が
減少し、センサの製造コストを低減させることができ
る。
図3の例で用いた第2酸素ポンプ対極14を図3の例で
用いたNOx変換対極17と兼用し、NOx変換対極と第
2酸素電極13とからなる空燃比検出ポンプセルを駆動
することによって、電極の数及びセンサのリード線数が
減少し、センサの製造コストを低減させることができ
る。
【0014】さらに本発明においては、NOx変換ポン
プセル(16,17)に所定の電圧を印加することによ
り被検ガス中のNOxをNO或いはNO2に変換しなが
ら、変換されたNO或いはNO2濃度をNOx検知セルの
NOx検知電極10と参照電極11との間の電位差変化
によって、総NOx濃度として検知すると同時に、第2
測定空間5に設置された第2酸素電極13と前記参照電
極11との間の電位差が所定値になるように空燃比検出
ポンプの印加電圧を空燃比検知セル制御器28により調
節した時に得られる空燃比検出ポンプの電流を燃焼ガス
中の空燃比の検知信号とし、よって被検ガス中の総NO
x濃度と空燃比を同時に検知することができる。
プセル(16,17)に所定の電圧を印加することによ
り被検ガス中のNOxをNO或いはNO2に変換しなが
ら、変換されたNO或いはNO2濃度をNOx検知セルの
NOx検知電極10と参照電極11との間の電位差変化
によって、総NOx濃度として検知すると同時に、第2
測定空間5に設置された第2酸素電極13と前記参照電
極11との間の電位差が所定値になるように空燃比検出
ポンプの印加電圧を空燃比検知セル制御器28により調
節した時に得られる空燃比検出ポンプの電流を燃焼ガス
中の空燃比の検知信号とし、よって被検ガス中の総NO
x濃度と空燃比を同時に検知することができる。
【0015】本発明の空燃比検出法においては、第2測
定空間5内の第2酸素電極13の電位をNOx検知セル
の参照電極11に対して−300mV以下に設定し、設定
電位になるように空燃比検出ポンプの印加電圧を調節
し、第2酸素電極に流れる電流が第2測定空間内にある
酸素を排出するように流れるときは、該その電流値を被
検ガス中の酸素濃度の検知信号とし、第2測定空間の外
の被検ガス雰囲気中あるいは大気雰囲気中に存在するO
2,H2OあるいはCO2を電気分解して、この空間の中
に酸素を汲み込むように流れるときは、その電流値を被
検ガス中に過剰に存在する可燃性ガス濃度の検知信号と
し、よって第2測定空間内の第2酸素電極に流れる電流
の方向によって、被検ガス中の総NOx濃度検知と同時
に、酸素濃度あるいは可燃性ガス濃度の検出からなる空
燃比検知をより正確に行うことができる。尚、ここでい
う空燃比とは、燃料剤が燃焼(酸化)するために必要な
空気量との比率をいう。すなわち、空燃比=(空気量)
/(燃料剤量)で示され、化学量論的に完全に燃焼する
のに必要な空気量を理論空燃比という。ガソリンエンジ
ンでの燃焼では、この理論空燃比は約14.6となり、
この値より大きい空燃比域では空気(酸素)が過剰に存
在し、14.6より小さい空燃比域では燃料(可燃性ガ
ス)が過剰となる。すなわち、排ガス中の酸素濃度およ
び可燃性ガス濃度を検知することでエンジン燃焼での空
燃比を検知することができる。
定空間5内の第2酸素電極13の電位をNOx検知セル
の参照電極11に対して−300mV以下に設定し、設定
電位になるように空燃比検出ポンプの印加電圧を調節
し、第2酸素電極に流れる電流が第2測定空間内にある
酸素を排出するように流れるときは、該その電流値を被
検ガス中の酸素濃度の検知信号とし、第2測定空間の外
の被検ガス雰囲気中あるいは大気雰囲気中に存在するO
2,H2OあるいはCO2を電気分解して、この空間の中
に酸素を汲み込むように流れるときは、その電流値を被
検ガス中に過剰に存在する可燃性ガス濃度の検知信号と
し、よって第2測定空間内の第2酸素電極に流れる電流
の方向によって、被検ガス中の総NOx濃度検知と同時
に、酸素濃度あるいは可燃性ガス濃度の検出からなる空
燃比検知をより正確に行うことができる。尚、ここでい
う空燃比とは、燃料剤が燃焼(酸化)するために必要な
空気量との比率をいう。すなわち、空燃比=(空気量)
/(燃料剤量)で示され、化学量論的に完全に燃焼する
のに必要な空気量を理論空燃比という。ガソリンエンジ
ンでの燃焼では、この理論空燃比は約14.6となり、
この値より大きい空燃比域では空気(酸素)が過剰に存
在し、14.6より小さい空燃比域では燃料(可燃性ガ
ス)が過剰となる。すなわち、排ガス中の酸素濃度およ
び可燃性ガス濃度を検知することでエンジン燃焼での空
燃比を検知することができる。
【0016】本発明センサにおいては、直流電圧を印加
したNOx変換ポンプセルによって、被検ガス中のNOx
ガスがNO2かNOに変換された後、NOx検知電極で検
知され、参照電極電位を基準として測定される起電力の
変化をNOxの出力の検知信号としている。一方、酸素
濃度あるいは空燃比の検知については、NOx検知セル
の参照電極に対して、第2測定空間中の第2酸素電極の
電極電位を、例えば−300mVになるように電子回路で
制御すると、第2測定空間中の酸素濃度はppmレベルに
一定に維持され、この空間に流入した被検ガス中の酸素
が過剰となり、酸素ポンピングの汲み出し電流として検
知される。
したNOx変換ポンプセルによって、被検ガス中のNOx
ガスがNO2かNOに変換された後、NOx検知電極で検
知され、参照電極電位を基準として測定される起電力の
変化をNOxの出力の検知信号としている。一方、酸素
濃度あるいは空燃比の検知については、NOx検知セル
の参照電極に対して、第2測定空間中の第2酸素電極の
電極電位を、例えば−300mVになるように電子回路で
制御すると、第2測定空間中の酸素濃度はppmレベルに
一定に維持され、この空間に流入した被検ガス中の酸素
が過剰となり、酸素ポンピングの汲み出し電流として検
知される。
【0017】したがって、酸素過剰の場合には、酸素濃
度の出力信号として検出される。逆に被検ガス中の酸素
が共存する可燃性ガス量に対して不足であれば、第2酸
素電極の出力信号を−300mVになるまで酸素を汲み込
むことになる。すなわち、このときの電流値は被検ガス
中の可燃ガス濃度に比例し、可燃ガスセンサの出力とし
て用いることができる。第2測定空間の酸素濃度制御
値、すなわち第2酸素電極13と参照電極11との電位
差V′O2の設定は、−300mV以上では空燃比が1近傍
(ストイキ近傍)での酸素濃度の検出誤差が大きくなっ
てしまう。また、好ましくは電位差V′O2の設定を−5
00mV以下としないほうが良い。これは、酸素ポンピン
グの追従性の遅れから、極端に制御酸素濃度を低くする
と発振等により検出信号の検出精度が低下するためであ
る。
度の出力信号として検出される。逆に被検ガス中の酸素
が共存する可燃性ガス量に対して不足であれば、第2酸
素電極の出力信号を−300mVになるまで酸素を汲み込
むことになる。すなわち、このときの電流値は被検ガス
中の可燃ガス濃度に比例し、可燃ガスセンサの出力とし
て用いることができる。第2測定空間の酸素濃度制御
値、すなわち第2酸素電極13と参照電極11との電位
差V′O2の設定は、−300mV以上では空燃比が1近傍
(ストイキ近傍)での酸素濃度の検出誤差が大きくなっ
てしまう。また、好ましくは電位差V′O2の設定を−5
00mV以下としないほうが良い。これは、酸素ポンピン
グの追従性の遅れから、極端に制御酸素濃度を低くする
と発振等により検出信号の検出精度が低下するためであ
る。
【0018】また、可燃性ガスを測定する際、第2測定
空間に進入した可燃性ガスが完全燃焼すれば、測定結果
はより正確になる。このため、酸化触媒を第2測定室内
に独立に設置するか、或いは第2酸素電極上の触媒膜と
して固定すれば、前述の目的を達成することができる。
この触媒材料としては、Pt、Ru、Rh、Ir、P
d、Ag、Ni、或いは少なくともこれらの一種が含ま
れる合金、混相、酸化物を用いて形成されることが望ま
しい。また、第2測定空間内の第2酸素電極もPt、R
u、Rh、Ir、Pd、Ag、Ni、或いは少なくとも
これらの一種が含まれる合金、混相、酸化物を用いて形
成されることが望ましい。
空間に進入した可燃性ガスが完全燃焼すれば、測定結果
はより正確になる。このため、酸化触媒を第2測定室内
に独立に設置するか、或いは第2酸素電極上の触媒膜と
して固定すれば、前述の目的を達成することができる。
この触媒材料としては、Pt、Ru、Rh、Ir、P
d、Ag、Ni、或いは少なくともこれらの一種が含ま
れる合金、混相、酸化物を用いて形成されることが望ま
しい。また、第2測定空間内の第2酸素電極もPt、R
u、Rh、Ir、Pd、Ag、Ni、或いは少なくとも
これらの一種が含まれる合金、混相、酸化物を用いて形
成されることが望ましい。
【0019】さらに、本発明の複合ガスセンサの空燃比
検出セルによる酸素濃度検出信号を用いてNOx変換電
圧を制御するか、或いはNOxセンサの出力を補正する
ことによって、従来のNOxセンサの酸素濃度による影
響を大幅に低減させるとこができる。また、本発明の複
合ガスセンサに被検ガスに直接曝される第3酸素電極1
5を設けることによって、参照電極11を基準電位とす
る酸素濃淡起電力により、従来の酸素センサ(λ−セン
サ)の出力を取り出すことができる。これにより、従来
の排ガス制御方式とNOxセンサによる排ガスの制御を
同時に実行することができ、より精緻な燃焼制御あるい
は排ガス浄化システムの制御が可能となる。
検出セルによる酸素濃度検出信号を用いてNOx変換電
圧を制御するか、或いはNOxセンサの出力を補正する
ことによって、従来のNOxセンサの酸素濃度による影
響を大幅に低減させるとこができる。また、本発明の複
合ガスセンサに被検ガスに直接曝される第3酸素電極1
5を設けることによって、参照電極11を基準電位とす
る酸素濃淡起電力により、従来の酸素センサ(λ−セン
サ)の出力を取り出すことができる。これにより、従来
の排ガス制御方式とNOxセンサによる排ガスの制御を
同時に実行することができ、より精緻な燃焼制御あるい
は排ガス浄化システムの制御が可能となる。
【0020】一方、実際のセンサ構成では、図1〜図5
に示される構造以外にも、例えば図6に示すような派生
した構造も取り得る。すなわち、第1の酸素ポンプとし
てのNOx変換ポンプセルにおいて、その変換電極を分
割し、第1測定空間前部(第1ガス導入口側)に被検ガ
ス中に共存する炭化水素ガス(HC)や一酸化炭素(C
O)等の還元性ガスを酸化除外するためのガス処理電極
とすることができる。図6中でこのガス処理ポンプセル
(17,31)を外部駆動電源30により駆動電源を個
別に印加しているが、変換ポンプセル駆動用の外部電源
25を共用することもできる(図示せず)。
に示される構造以外にも、例えば図6に示すような派生
した構造も取り得る。すなわち、第1の酸素ポンプとし
てのNOx変換ポンプセルにおいて、その変換電極を分
割し、第1測定空間前部(第1ガス導入口側)に被検ガ
ス中に共存する炭化水素ガス(HC)や一酸化炭素(C
O)等の還元性ガスを酸化除外するためのガス処理電極
とすることができる。図6中でこのガス処理ポンプセル
(17,31)を外部駆動電源30により駆動電源を個
別に印加しているが、変換ポンプセル駆動用の外部電源
25を共用することもできる(図示せず)。
【0021】
【発明の実施の形態】図3のセンサ構成をもとに本発明
の実施形態について述べる。複合ガス検知装置は、図3
に示すように、酸素イオン伝導性を有する第1の固体電
解質基板1および第2の固体電解質基板2を対向させ、
前述の固体電解質と同種のイオン伝導体からなる第1の
スペーサ6により所定の距離を保ちながら固定すること
により形成される第1測定空間4と、第1測定空間4と
被検ガス雰囲気とが連通するように設けられた第1ガス
導入口8と、第1測定空間内の雰囲気に曝される第1の
固体電解質基板上に固定されたNOxおよび酸素に活性
なNOx検知電極10と、大気基準ダクト19を介して
大気雰囲気に曝され酸素に活性な参照電極11とからな
るNOx検知セルと、第1測定空間内の雰囲気に曝され
る第2の固体電解質基板上に固定された被検ガス中のN
OをNO2に或いはNO2をNOに変換するためのNOx
変換電極16と、第2の固体電解質基板上に大気導入ダ
クトを介して大気雰囲気に曝されるように固定されたN
Ox変換対極17からなる第一の酸素ポンプとしてのN
Ox変換ポンプセルと、NOx検知電極10と参照電極1
1との間の電位差を測定する手段21と、NOx変換ポ
ンプセルを駆動するための電圧印加手段25とからなる
NOxセンサ部と、NOxセンサ部を構成する第1あるい
は第2の固体電解質基板1,2と酸素イオン伝導性を有
する第3の固体電解質基板3および第2のスペーサ7に
より構成される第2測定空間5と、第2測定空間と被検
ガス雰囲気とがガス拡散律速をともなってガス流入する
ように連通させた第2ガス導入口9と、第2測定空間内
の前記固体電解質上に固定された酸素に活性な第2酸素
電極13と、第2酸素電極と対になる前記第3の固体電
解質基板上に被検ガス雰囲気に曝されるように固定され
た第2酸素ポンプ対極14とからなる第二の酸素ポンプ
としての空燃比検出ポンプセルと、空燃比検出ポンプセ
ルを駆動するための電圧印加手段26および空燃比検出
ポンプ電流を検出する手段27と、第2酸素電極13と
参照電極11との間の電位差を検出する手段23および
電位差に基づいて前記第2測定空間内の酸素濃度を一定
にするための制御手段28とからなる空燃比センサ部と
で構成されることを特徴とする。
の実施形態について述べる。複合ガス検知装置は、図3
に示すように、酸素イオン伝導性を有する第1の固体電
解質基板1および第2の固体電解質基板2を対向させ、
前述の固体電解質と同種のイオン伝導体からなる第1の
スペーサ6により所定の距離を保ちながら固定すること
により形成される第1測定空間4と、第1測定空間4と
被検ガス雰囲気とが連通するように設けられた第1ガス
導入口8と、第1測定空間内の雰囲気に曝される第1の
固体電解質基板上に固定されたNOxおよび酸素に活性
なNOx検知電極10と、大気基準ダクト19を介して
大気雰囲気に曝され酸素に活性な参照電極11とからな
るNOx検知セルと、第1測定空間内の雰囲気に曝され
る第2の固体電解質基板上に固定された被検ガス中のN
OをNO2に或いはNO2をNOに変換するためのNOx
変換電極16と、第2の固体電解質基板上に大気導入ダ
クトを介して大気雰囲気に曝されるように固定されたN
Ox変換対極17からなる第一の酸素ポンプとしてのN
Ox変換ポンプセルと、NOx検知電極10と参照電極1
1との間の電位差を測定する手段21と、NOx変換ポ
ンプセルを駆動するための電圧印加手段25とからなる
NOxセンサ部と、NOxセンサ部を構成する第1あるい
は第2の固体電解質基板1,2と酸素イオン伝導性を有
する第3の固体電解質基板3および第2のスペーサ7に
より構成される第2測定空間5と、第2測定空間と被検
ガス雰囲気とがガス拡散律速をともなってガス流入する
ように連通させた第2ガス導入口9と、第2測定空間内
の前記固体電解質上に固定された酸素に活性な第2酸素
電極13と、第2酸素電極と対になる前記第3の固体電
解質基板上に被検ガス雰囲気に曝されるように固定され
た第2酸素ポンプ対極14とからなる第二の酸素ポンプ
としての空燃比検出ポンプセルと、空燃比検出ポンプセ
ルを駆動するための電圧印加手段26および空燃比検出
ポンプ電流を検出する手段27と、第2酸素電極13と
参照電極11との間の電位差を検出する手段23および
電位差に基づいて前記第2測定空間内の酸素濃度を一定
にするための制御手段28とからなる空燃比センサ部と
で構成されることを特徴とする。
【0022】酸素イオン伝導性固体電解質基板1,2,
3を用いて積層構造とし、センサ素子が作製される。酸
素イオン伝導体としては特に材質が限定されることはな
いが、一般にジルコニア固体電解質が用いられる。ま
た、イオン伝導性を付与するため、通常イットリア、カ
ルシア等が固溶添加され、機械的強度とイオン伝導性と
の兼ね合いから3〜8モル程度添加するとよい。ジルコ
ニアのグリーンシートは以下のようにして作製される。
3を用いて積層構造とし、センサ素子が作製される。酸
素イオン伝導体としては特に材質が限定されることはな
いが、一般にジルコニア固体電解質が用いられる。ま
た、イオン伝導性を付与するため、通常イットリア、カ
ルシア等が固溶添加され、機械的強度とイオン伝導性と
の兼ね合いから3〜8モル程度添加するとよい。ジルコ
ニアのグリーンシートは以下のようにして作製される。
【0023】すなわち、ジルコニア粉末とイットリア粉
末を所定量混ぜるか、あるいは所定モル数の固溶された
イットリア添加ジルコニア粉を、有機結合材(PVA
等)と溶剤、あるいは分散剤(界面活性剤)とともに混
練し、スラリー化する。このジルコニアスラリーをドク
ターブレード法によりPETフィルム上に形成すること
により、数100μm厚のジルコニアグリーンシートが
得られる。この、グリーンシートを所定の形状に切断
し、スクリーン印刷等で電極、ヒーター、リード等を塗
布形成する。このように作製された各シートを機械的な
プレス法か温水中の静水圧法で圧着させるとグリーンシ
ート同士を接着することができる。
末を所定量混ぜるか、あるいは所定モル数の固溶された
イットリア添加ジルコニア粉を、有機結合材(PVA
等)と溶剤、あるいは分散剤(界面活性剤)とともに混
練し、スラリー化する。このジルコニアスラリーをドク
ターブレード法によりPETフィルム上に形成すること
により、数100μm厚のジルコニアグリーンシートが
得られる。この、グリーンシートを所定の形状に切断
し、スクリーン印刷等で電極、ヒーター、リード等を塗
布形成する。このように作製された各シートを機械的な
プレス法か温水中の静水圧法で圧着させるとグリーンシ
ート同士を接着することができる。
【0024】そのさいに、ダクト等の内部空間を形成す
るために、通常消失型を装填する。消失型は前述の有機
結合剤が焼失する温度以下で昇華するテオブロミン等が
用いられる。
るために、通常消失型を装填する。消失型は前述の有機
結合剤が焼失する温度以下で昇華するテオブロミン等が
用いられる。
【0025】このようにして、グリーンシートの積層成
形体を脱脂、焼成することでジルコニア同士を一体化し
た素子が得られる。脱脂温度は通常有機結合剤が完全に
焼失する600℃前後、焼成温度はジルコニアが焼結す
る1400℃前後が選定される。
形体を脱脂、焼成することでジルコニア同士を一体化し
た素子が得られる。脱脂温度は通常有機結合剤が完全に
焼失する600℃前後、焼成温度はジルコニアが焼結す
る1400℃前後が選定される。
【0026】この積層体からなるセンサ素子には前述の
大気ダクトおよび測定空間が形成され、それぞれの中に
白金で参照電極と変換ポンプ対極を形成した。ガス測定
空間の前部にはガス導入口を設け、ガス測定空間をこの
ガス導入口を介して被検ガス雰囲気と連通させる。ガス
導入口の設置位置には特に限定されることはない。但
し、第2ガス導入口はガス拡散律速をさせるため、充分
に拡散抵抗を付与する必要がある。第1測定空間には、
参照電極を固定している固体電解質基板の反対側に、白
金によって形成された第1酸素電極とNOxに活性なN
Ox検知電極を固定する。NOx検知電極の材料として
は、NiCr2O4,MgCr2O4,FeCr2O4等のス
ピネル型金属酸化物、NiO,Fe2O4,Cr2O3等の
単体金属酸化物、Pt−Rh,Pt−Ir−Rh,Rh
等の貴金属が用いられる。また、他方の大気導入ダクト
にある変換ポンプのPt対極を固定しているイオン伝導
体の反対側にPt−Rh合金で変換電極を形成した。
大気ダクトおよび測定空間が形成され、それぞれの中に
白金で参照電極と変換ポンプ対極を形成した。ガス測定
空間の前部にはガス導入口を設け、ガス測定空間をこの
ガス導入口を介して被検ガス雰囲気と連通させる。ガス
導入口の設置位置には特に限定されることはない。但
し、第2ガス導入口はガス拡散律速をさせるため、充分
に拡散抵抗を付与する必要がある。第1測定空間には、
参照電極を固定している固体電解質基板の反対側に、白
金によって形成された第1酸素電極とNOxに活性なN
Ox検知電極を固定する。NOx検知電極の材料として
は、NiCr2O4,MgCr2O4,FeCr2O4等のス
ピネル型金属酸化物、NiO,Fe2O4,Cr2O3等の
単体金属酸化物、Pt−Rh,Pt−Ir−Rh,Rh
等の貴金属が用いられる。また、他方の大気導入ダクト
にある変換ポンプのPt対極を固定しているイオン伝導
体の反対側にPt−Rh合金で変換電極を形成した。
【0027】このようなセンサ構成において、図1〜図
3に示すように、変換ポンプ側のセンサ先端部側に第2
測定空間を形成した。この第2測定空間のガス導入口に
ガス拡散律速になるように、導入孔の断面積を減少させ
ることによって拡散抵抗を付けた。また、第2測定空間
の内部に白金からなる第2酸素電極を形成する。さらに
第2測定空間の外側に第2酸素電極の対極として、Pt
電極を取り付けた。
3に示すように、変換ポンプ側のセンサ先端部側に第2
測定空間を形成した。この第2測定空間のガス導入口に
ガス拡散律速になるように、導入孔の断面積を減少させ
ることによって拡散抵抗を付けた。また、第2測定空間
の内部に白金からなる第2酸素電極を形成する。さらに
第2測定空間の外側に第2酸素電極の対極として、Pt
電極を取り付けた。
【0028】また本発明によれば、図4に示すように、
図3の例で用いた前記第2酸素ポンプ対極14を図3の
例で用いた前記NOx変換対極17と兼用し、当該NOx
変換対極と前記第2酸素電極とからなる空燃比検出ポン
プセルを駆動することによって、電極の数及びセンサの
リード線数が減少し、センサの製造コストをさらに低減
させることができる。
図3の例で用いた前記第2酸素ポンプ対極14を図3の
例で用いた前記NOx変換対極17と兼用し、当該NOx
変換対極と前記第2酸素電極とからなる空燃比検出ポン
プセルを駆動することによって、電極の数及びセンサの
リード線数が減少し、センサの製造コストをさらに低減
させることができる。
【0029】また、図5の構造例では、参照電極11側
のダクトの前部(第1の固体電解質基板上で直接被検ガ
ス雰囲気に曝される構成部)にPtからなる第3酸素電
極15を形成する。この第3酸素電極15に電位差を検
出する手段24を接続する。このようにして作製した複
合ガスセンサ本体の参照電極側の最外部にPt等の自己
加熱可能な印刷ヒータ20を取り付けた。この複合ガス
センサに図1〜図3に示すような、測定回路を接続し
た。
のダクトの前部(第1の固体電解質基板上で直接被検ガ
ス雰囲気に曝される構成部)にPtからなる第3酸素電
極15を形成する。この第3酸素電極15に電位差を検
出する手段24を接続する。このようにして作製した複
合ガスセンサ本体の参照電極側の最外部にPt等の自己
加熱可能な印刷ヒータ20を取り付けた。この複合ガス
センサに図1〜図3に示すような、測定回路を接続し
た。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】[実施例1]図3に示す構成の複合ガスセ
ンサを以下の手順で作製した。NOx検知セルはイット
リア6モル添加のジルコニア固体電解質基板の一面にP
t−Rh(3wt%)のNOx検知電極10、およびPtか
らなる第1酸素電極12を、反対面にPt参照電極11
を固定して作製した。NOx変換ポンプセルはジルコニ
ア固体電解質基板の、検知セルと対面するように第1測
定室内にPt−Rh(3wt%)合金からなるNOx変換電
極16を、反対面にPtからなるNOx変換対極17を
形成して作製した。また、図3に示す第2測定空間5を
ジルコニア基板で形成し、この空間の内側と外側にそれ
ぞれPt電極(第2酸素電極13およびその対極14)
を形成した。以上のように作製したセンサを1400℃
で5時間焼成し、一体化した素子を用意した。
ンサを以下の手順で作製した。NOx検知セルはイット
リア6モル添加のジルコニア固体電解質基板の一面にP
t−Rh(3wt%)のNOx検知電極10、およびPtか
らなる第1酸素電極12を、反対面にPt参照電極11
を固定して作製した。NOx変換ポンプセルはジルコニ
ア固体電解質基板の、検知セルと対面するように第1測
定室内にPt−Rh(3wt%)合金からなるNOx変換電
極16を、反対面にPtからなるNOx変換対極17を
形成して作製した。また、図3に示す第2測定空間5を
ジルコニア基板で形成し、この空間の内側と外側にそれ
ぞれPt電極(第2酸素電極13およびその対極14)
を形成した。以上のように作製したセンサを1400℃
で5時間焼成し、一体化した素子を用意した。
【0032】図3に示す本実施例のセンサ構成において
は、NOx検知電極10と参照電極11との電位差VNOx
と、第1酸素電極12と参照電極11との電位差VO2を
用いて、演算電子回路29により補正した。すなわち、
VNOxとVO2との差分出力に補正関数値を剰じた出力を
センサ出力としてある。
は、NOx検知電極10と参照電極11との電位差VNOx
と、第1酸素電極12と参照電極11との電位差VO2を
用いて、演算電子回路29により補正した。すなわち、
VNOxとVO2との差分出力に補正関数値を剰じた出力を
センサ出力としてある。
【0033】模擬ガス中で得られた複合ガスセンサの特
性評価を行った。流量2L/minの窒素ベースガス中に
200ppmのNOを共存させ、酸素濃度を0〜10%に
変えた。次に、酸素濃度を0%に固定して、C3H6ガス
を10〜1000ppmに変え測定を行った。このときの
センサ作動温度は600℃の温度に固定してある。空燃
比検出ポンプセルの制御については、電子回路を用い
て、第2測定空間内の第2酸素電極電位を参照電極に対
して−350mVになるように空燃比検出ポンプセルの駆
動電圧を制御した。このとき得られたポンプ電流値を空
燃比センサの出力とした。図7に結果を示す。酸素濃度
が0%以上の領域では、空燃比検出ポンプセルの電流が
酸素濃度に比例し、0%酸素濃度下の、C3H6ガス中に
おいてはマイナス電流が流れ、電流値はC3H6の濃度に
比例することが分かった。
性評価を行った。流量2L/minの窒素ベースガス中に
200ppmのNOを共存させ、酸素濃度を0〜10%に
変えた。次に、酸素濃度を0%に固定して、C3H6ガス
を10〜1000ppmに変え測定を行った。このときの
センサ作動温度は600℃の温度に固定してある。空燃
比検出ポンプセルの制御については、電子回路を用い
て、第2測定空間内の第2酸素電極電位を参照電極に対
して−350mVになるように空燃比検出ポンプセルの駆
動電圧を制御した。このとき得られたポンプ電流値を空
燃比センサの出力とした。図7に結果を示す。酸素濃度
が0%以上の領域では、空燃比検出ポンプセルの電流が
酸素濃度に比例し、0%酸素濃度下の、C3H6ガス中に
おいてはマイナス電流が流れ、電流値はC3H6の濃度に
比例することが分かった。
【0034】[実施例2]実施例1と同様な材料と手順
で図4に示す構造の複合ガスセンサを作製した。実施例
1と異なる点は第2測定空間5の第2酸素ポンプ対極1
4を省略し、NOx変換ポンプの対極17と共用した。
得られた複合ガスセンサを実施例1と同様な測定条件で
センサ性能を確認した。その結果を図8に示す。実施例
1とほぼ同様な結果を得ていることが判る。
で図4に示す構造の複合ガスセンサを作製した。実施例
1と異なる点は第2測定空間5の第2酸素ポンプ対極1
4を省略し、NOx変換ポンプの対極17と共用した。
得られた複合ガスセンサを実施例1と同様な測定条件で
センサ性能を確認した。その結果を図8に示す。実施例
1とほぼ同様な結果を得ていることが判る。
【0035】[実施例3]実施例1と同様な材料と手順
で図5に示す構造の複合ガスセンサを作製した。実施例
1と異なる点はPtからなる第3酸素電極15を、測定
ガス雰囲気に直接曝すように設置したことである。この
複合ガスセンサのセンサ性能を実施例1と同様の測定条
件で評価した。尚、第3酸素電極15の電位をNOx検
知セルの参照電極11に対して測定して検知出力とし
た。その結果を図9に示す。図9より測定ガス中の総N
Ox濃度、酸素濃度、およびC3H6濃度を示す検知出力
が各々得られていることが判る。この結果から、本発明
の複合ガスセンサにより、例えば燃焼排ガス中の、空燃
比が得られることは明らかである。
で図5に示す構造の複合ガスセンサを作製した。実施例
1と異なる点はPtからなる第3酸素電極15を、測定
ガス雰囲気に直接曝すように設置したことである。この
複合ガスセンサのセンサ性能を実施例1と同様の測定条
件で評価した。尚、第3酸素電極15の電位をNOx検
知セルの参照電極11に対して測定して検知出力とし
た。その結果を図9に示す。図9より測定ガス中の総N
Ox濃度、酸素濃度、およびC3H6濃度を示す検知出力
が各々得られていることが判る。この結果から、本発明
の複合ガスセンサにより、例えば燃焼排ガス中の、空燃
比が得られることは明らかである。
【0036】[実施例4]実施例1と同様な構成の複合
ガスセンサを作製した。実施例1と異なる点は第2測定
空間5の酸素検知信号を用いて、NOxセンサの変換ポ
ンプセル電圧を制御し、NOxセンサ出力の酸素濃度依
存性が一定になるように設定した。この複合ガスセンサ
を実施例1と同様な測定条件でセンサ性能を確認した。
その結果を図10に示す。明らかに、酸素濃度依存性が
改善されている。
ガスセンサを作製した。実施例1と異なる点は第2測定
空間5の酸素検知信号を用いて、NOxセンサの変換ポ
ンプセル電圧を制御し、NOxセンサ出力の酸素濃度依
存性が一定になるように設定した。この複合ガスセンサ
を実施例1と同様な測定条件でセンサ性能を確認した。
その結果を図10に示す。明らかに、酸素濃度依存性が
改善されている。
【0037】[実施例5]実施例1と同様な構成の複合
ガスセンサを作製した。但し、本実施例においては、第
2酸素電極13を表1に示す材料に変えて作製した。ま
た、同様の材料系を第2測定室5内に独立に固定したサ
ンプル、および第2酸素電極13に積層したものも作製
した。これらの複合ガスセンサを実施例1と同様に酸素
が0%、C 3H6が4000ppm下で測定した。その結果
を表1に示す。触媒層あるいは触媒体が装填されていな
い場合に比べて、検知出力が大きく、触媒効果により、
C3H6の酸化が促進されたことが判る。
ガスセンサを作製した。但し、本実施例においては、第
2酸素電極13を表1に示す材料に変えて作製した。ま
た、同様の材料系を第2測定室5内に独立に固定したサ
ンプル、および第2酸素電極13に積層したものも作製
した。これらの複合ガスセンサを実施例1と同様に酸素
が0%、C 3H6が4000ppm下で測定した。その結果
を表1に示す。触媒層あるいは触媒体が装填されていな
い場合に比べて、検知出力が大きく、触媒効果により、
C3H6の酸化が促進されたことが判る。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の複合センサにより、被検ガス中
の総NOx濃度と酸素濃度あるいは可燃性ガス濃度を同
時に測定することができた。すなわち、排ガス中の総N
Ox濃度と空燃比を同時に計測することが可能となる。
さらに、複合した酸素センサとしてリニア(直線性)酸
素センサと起電力型酸素センサの搭載も可能であり、各
酸素センサの信号を用いてNOxセンサの変換電圧を制
御すれば、NOxセンサの酸素濃度依存性が改善される
ことが分かった。
の総NOx濃度と酸素濃度あるいは可燃性ガス濃度を同
時に測定することができた。すなわち、排ガス中の総N
Ox濃度と空燃比を同時に計測することが可能となる。
さらに、複合した酸素センサとしてリニア(直線性)酸
素センサと起電力型酸素センサの搭載も可能であり、各
酸素センサの信号を用いてNOxセンサの変換電圧を制
御すれば、NOxセンサの酸素濃度依存性が改善される
ことが分かった。
【図1】本発明の一例を示す複合ガスセンサの断面図で
ある。
ある。
【図2】本発明の別の例を示す複合ガスセンサの断面図
である。
である。
【図3】本発明の他の例を示す複合ガスセンサの断面図
である。
である。
【図4】本発明の他の例を示す複合ガスセンサの断面図
である。
である。
【図5】本発明の他の例を示す複合ガスセンサの断面図
である。
である。
【図6】本発明の他の例を示す複合ガスセンサの断面図
である。
である。
【図7】本発明の実施例1における測定結果を示すグラ
フ図である。
フ図である。
【図8】本発明の実施例2における測定結果を示すグラ
フ図である。
フ図である。
【図9】本発明の実施例3における測定結果を示すグラ
フ図である。
フ図である。
【図10】本発明の実施例4における測定結果を示すグ
ラフ図である。
ラフ図である。
1 第1の固体電解質基板 2 第2の固体電解質基板 3 第3の固体電解質基板 4 第1測定空間 5 第2測定空間 6 第1のスペーサ 7 第2のスペーサ 8 第1ガス導入口 9 第2ガス導入口 10 NOx検知電極 11 参照電極 12 第1酸素電極 13 第2酸素電極 14 第2酸素ポンプ対極 15 第3酸素電極 16 NOx変換電極 17 NOx変換対極 18 大気導入ダクト 19 大気基準ダクト 20 自己加熱用ヒーター 21 NOx検知電極出力検出器 22 第1酸素電極出力検出器 23 第2酸素電極出力検出器 24 第3酸素電極出力検出器 25 変換ポンプセル駆動用外部電源 26 空燃比検出ポンプセル駆動用外部電源 27 空燃比検出ポンプセル電流検出器 28 空燃比検出ポンプセル制御器 29 NOxセンサ出力演算処理器 30 ガス処理ポンプセル駆動用外部電源 31 ガス処理ポンプ電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 327G 327S 327Z
Claims (12)
- 【請求項1】 酸素イオン伝導性を有する第1の固体電
解質基板および第2の固体電解質基板を対向させ、前記
固体電解質と同種のイオン伝導体からなる第1のスペー
サにより所定の距離を保ちながら固定することにより形
成される第1測定空間と、当該第1測定空間と被検ガス
雰囲気とが連通するように設けられた第1ガス導入口
と、前記第1測定空間内の雰囲気に曝される前記第1の
固体電解質基板上に固定されたNOxおよび酸素に活性
なNOx検知電極と、大気雰囲気に曝され酸素に活性な
参照電極とからなるNOx検知セルと;前記第1測定空
間内の雰囲気に曝される第2の固体電解質基板上に固定
され被検ガス中のNOをNO2に或いはNO2をNOに変
換するためのNOx変換電極と、前記第2の固体電解質
基板上に大気雰囲気に曝されるように固定されたNOx
変換対極からなる第一の酸素ポンプとしてのNOx変換
ポンプセルと;前記NOx検知電極と参照電極との間の
電位差を測定する手段と、前記NOx変換ポンプセルを
駆動するための電圧印加手段とからなるNOxセンサ部
と;当該NOxセンサ部を構成する前記第1あるいは第
2の固体電解質基板と酸素イオン伝導性を有する第3の
固体電解質基板および第2のスペーサにより構成される
第2測定空間と、当該第2測定空間と被検ガス雰囲気と
がガス拡散律速をともなってガス流入するように連通さ
せた第2ガス導入口と、前記第2測定空間内の固体電解
質上に固定された酸素に活性な第2酸素電極と、当該第
2酸素電極と対になる前記第3の固体電解質基板上に被
検ガス雰囲気に曝されるように固定された第2酸素ポン
プ対極とからなる第二の酸素ポンプとしての空燃比検出
ポンプセルと;当該空燃比検出ポンプセルを駆動するた
めの電圧印加手段および空燃比検出ポンプ電流を検出す
る手段と、前記第2酸素電極と前記参照電極との間の電
位差を検出する手段および当該電位差に基づいて前記第
2測定空間内の酸素濃度を一定にするための制御手段と
からなる空燃比センサ部;とで構成されることを特徴と
する複合ガス検知装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の複合ガス検知装置にお
いて、前記第1測定空間内の雰囲気に曝される第1の固
体電解質上に、酸素に活性な第1酸素電極を設置し、前
記NOx検知電極と当該第1酸素電極との間の電位差を
測定する手段を備えたことを特徴とする複合ガス検知装
置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の複合ガス検知装置にお
いて、前記の第1測定空間内の雰囲気に曝される第1の
固体電解質上に、酸素に活性な第1酸素電極を設置し、
前記NOx検知電極と参照電極との間の電位差を測定す
る手段と、前記第1酸素電極と参照電極との間の電位差
を測定する手段とを備え、当該2つの電位差を用いて演
算処理する手段とを有する複合ガス検知装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の複合ガス検知装置にお
いて、前記第2酸素ポンプ対極を前記NOx変換対極と
兼用し、当該NOx変換対極と前記第2酸素電極とから
なる空燃比検出ポンプセルを駆動するための電圧印加手
段および空燃比検出ポンプ電流を検出する手段を有する
複合ガス検知装置。 - 【請求項5】 請求項1あるいは2に記載の複合ガスセ
ンサにおいて、前記NOx変換ポンプセルに所定の電圧
を印加することにより被検ガス中のNOxをNO或いは
NO2に変換しながら、変換されたNOあるいはNO2濃
度を前記NOx検知セルのNOx検知電極と参照電極との
間の電位差変化によって総NOx濃度として検知すると
同時に、第2測定空間に設置された第2酸素電極と前記
参照電極との間の電位差が所定値になるように前記空燃
比検出ポンプの印加電圧を調節した時に得られる空燃比
検出ポンプの電流を燃焼ガス中の空燃比の検知信号と
し、よって被検ガス中の総NOx濃度と空燃比を同時に
検知することを特徴とする複合ガス検知装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至3に記載の複合ガス検知装
置において、第2測定空間内の第2酸素電極電位を前記
NOx検知セルの参照電極に対して−300mV以下に設
定し、当該設定電位になるように前記酸素検出ポンプの
印加電圧を調節し、前記第2酸素電極に流れる電流が第
2測定空間内にある酸素を排出するように流れるとき
は、該電流値を被検ガス中の酸素濃度の検知信号とし、
第2測定空間の外からこの空間の中に酸素を汲み込むよ
うに流れるときは、該電流値を被検ガス中に過剰に存在
する可燃性ガス濃度の検知信号とし、被検ガス中の総N
Ox濃度検知と同時に、酸素濃度あるいは可燃性ガス濃
度の検出からなる空燃比検知を行うことを特徴とする複
合ガス検知装置。 - 【請求項7】 請求項1乃至4に記載の複合ガス検知装
置において、第2測定空間のガス導入口あるいは当該測
定空間内部に酸化触媒を設けたことを特徴とする複合ガ
ス検知装置。 - 【請求項8】 請求項4に記載の複合ガス検知装置にお
いて、第2測定空間の内部に設置される第2酸素電極の
表面に酸化触媒層を設けたことを特徴とする複合ガス検
知装置。 - 【請求項9】 請求項5あるいは6に記載の複合ガス検
知装置において、第2測定空間の内部に設けた酸化触媒
が、Pt、Ru、Rh、Ir、Pd、Ag、Ni、或い
は少なくともこれらの一種を含む合金、酸化物あるいは
これらの混合物を用いて形成されたことを特徴とする複
合ガス検知装置。 - 【請求項10】 請求項1乃至3に記載の複合ガス検知
装置において、第2測定空間の内部に設けられた第2酸
素電極がPt、Ru、Rh、Ir、Pd、Ag、Ni、
或いは少なくともこれらの一種を含む合金、酸化物ある
いはこれらの混合物を用いて形成されたことを特徴とす
る複合ガス検知装置。 - 【請求項11】 請求項1乃至8に記載の複合ガス検知
装置において、第2測定空間にある第2酸素電極に流れ
る電流を信号として、NOx変換ポンプセルの印加電圧
を制御することを特徴とする複合ガス検知装置。 - 【請求項12】 請求項1乃至4に記載の複合ガス検知
装置において、第1の固体電解質基板と酸素イオン伝導
が連続する固体電解質基板上に酸素に活性な第3酸素電
極を形成し、当該第3酸素電極と前記NOx検知セルの
参照電極との間の起電力を測定し、被検ガス中の酸素濃
度を検知することを特徴とする複合ガス検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000256881A JP2002071641A (ja) | 2000-08-28 | 2000-08-28 | 複合ガス検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000256881A JP2002071641A (ja) | 2000-08-28 | 2000-08-28 | 複合ガス検知装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002071641A true JP2002071641A (ja) | 2002-03-12 |
Family
ID=18745424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000256881A Withdrawn JP2002071641A (ja) | 2000-08-28 | 2000-08-28 | 複合ガス検知装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002071641A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009511879A (ja) * | 2005-10-07 | 2009-03-19 | デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド | 窒素酸化物センサおよびそれを使用するための方法 |
KR101047483B1 (ko) | 2009-09-09 | 2011-07-07 | 공석범 | 공기 흡입형 복합 독성가스 감지장치 |
JP2016156667A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | 株式会社デンソー | 排気センサ |
JP2018004349A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 株式会社Soken | ガスセンサ |
-
2000
- 2000-08-28 JP JP2000256881A patent/JP2002071641A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009511879A (ja) * | 2005-10-07 | 2009-03-19 | デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド | 窒素酸化物センサおよびそれを使用するための方法 |
KR101047483B1 (ko) | 2009-09-09 | 2011-07-07 | 공석범 | 공기 흡입형 복합 독성가스 감지장치 |
JP2016156667A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | 株式会社デンソー | 排気センサ |
JP2018004349A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 株式会社Soken | ガスセンサ |
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Legal Events
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---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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