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JP2002069020A - フッ化アルコールの製造方法 - Google Patents

フッ化アルコールの製造方法

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Publication number
JP2002069020A
JP2002069020A JP2000254433A JP2000254433A JP2002069020A JP 2002069020 A JP2002069020 A JP 2002069020A JP 2000254433 A JP2000254433 A JP 2000254433A JP 2000254433 A JP2000254433 A JP 2000254433A JP 2002069020 A JP2002069020 A JP 2002069020A
Authority
JP
Japan
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distillation
fluorinated alcohol
producing
reaction
fraction
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000254433A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuichi Okamoto
秀一 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2000254433A priority Critical patent/JP2002069020A/ja
Priority to KR10-2003-7001361A priority patent/KR20030041966A/ko
Priority to EP01958465A priority patent/EP1312597A4/en
Priority to RU2003107835/04A priority patent/RU2264378C2/ru
Priority to CA002420375A priority patent/CA2420375A1/en
Priority to CNB018145914A priority patent/CN1244526C/zh
Priority to AU2001280147A priority patent/AU2001280147B2/en
Priority to PCT/JP2001/007257 priority patent/WO2002016295A1/ja
Priority to AU8014701A priority patent/AU8014701A/xx
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Priority to US10/370,507 priority patent/US6894196B2/en
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C29/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
    • C07C29/74Separation; Purification; Use of additives, e.g. for stabilisation
    • C07C29/76Separation; Purification; Use of additives, e.g. for stabilisation by physical treatment
    • C07C29/80Separation; Purification; Use of additives, e.g. for stabilisation by physical treatment by distillation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C29/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
    • C07C29/44Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring increasing the number of carbon atoms by addition reactions, i.e. reactions involving at least one carbon-to-carbon double or triple bond

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度のフッ化アルコールを良好な精製収率
で得る。 【解決手段】 メタノールとテトラフルオロエチレンま
たはヘキサフルオロプロピレンとをアルキル過酸化物の
存在下に反応させてフッ化アルコールを製造する方法に
おいて、反応終了後の液を水及びHFの共存下で蒸留し
て該過酸化物由来のアルコールを含む留分と該フッ化ア
ルコールを含むボトム液とに分離し、次にボトム液を精
製して該フッ化アルコールを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ化アルコール
の製造方法に関する。本発明におけるフッ化アルコール
は、基板上にレーザーによる情報の書き込み及び/又は
読みとり可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体
(CD−R、DVD−R等の光ディスクなど)の記録層
や、フィルムの感光体などを作製する工程における溶剤
として好適である。
【0002】
【従来の技術】H(CF2CF2CH2OH(ただ
し、mは1または2を示す。)で表されるフッ化アルコ
ールの製造方法としては、(1)過剰のメタノールとテ
トラフルオロエチレンを、反応開始剤としてt−ブチル
オクチルパーオキサイドのようなジアルキルペルオキシ
ド存在下に反応させて、H(CF2CF2CH2OH
(ただし、kは1〜12の整数を示す。)のテロマー混
合物として製造する方法が知られている(特開昭54−
154707号公報および米国特許第2559628号
明細書)。また、(2)該テロマー混合物を精製する方
法として、蒸留塔の塔頂よりメタノールを留出させ、サ
イドカット留分として水とHFとを留出させ、ボトム液
としてフッ化アルコールを得る方法が提案されている
(特許第3026804号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】(1)の方法における
テロマー混合物中には、通常ジアルキルペルオキシドの
分解生成物であるアルコールが含まれており、このアル
コールの存在下では、フッ化アルコールの精製収率を低
下させる問題があった。また、(2)の方法では、フッ
化アルコールとともにボトム液に分解生成物のアルコー
ルが残存してしまい、次工程で高純度のフッ化アルコー
ルを得るための蒸留工程の負荷が大きく、フッ化アルコ
ールの収率も低下する問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
目的とするフッ化アルコールを収率よく製造し、さらに
少ない工程数で高効率の精製を行うフッ化アルコールの
製造方法にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ラジカル開
始剤として用いるアルキル過酸化物から生成するアルコ
ールが目的物のフッ化アルコールと何らかの相互作用を
持つことによって、蒸留による精製工程の効率を悪くし
ていることを見いだした。さらに本発明者らは、このア
ルコールを含む反応後の反応液を分離精製する工程につ
いて鋭意検討を行った結果、反応液中に存在するHFと
水との共存下で蒸留を行い、アルコールをHFと水とを
含む低沸留分側に濃縮して留出させることにより目的と
するフッ化アルコールを高収率で得る本発明に至った。
【0006】すなわち本発明は、メタノールとテトラフ
ルオロエチレン若しくはヘキサフルオロプロピレンとを
アルキル過酸化物の存在下に反応させて下記式(1) H(CFR1CF2nCH2OH (1) 〔ただし、nは1または2であり、nが1のときR1
FまたはCF3を示し、nが2のときR1はFを示す。〕
で表されるフッ化アルコールを製造する方法において、
反応終了後の反応液を水及びHFの共存下で蒸留して、
前記アルキル過酸化物に由来するアルコールを含有する
留分と式(1)で表されるフッ化アルコールを含有する
ボトム液とに分離し、次いで該ボトム液を精製して式
(1)で表されるフッ化アルコールを回収することを特
徴とするフッ化アルコールの製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明の製造方法においては、メタノール
と、テトラフルオロエチレンまたはヘキサフルオロプロ
ピレンを、アルキル過酸化物の存在下に反応させる。こ
こで、テトラフルオロエチレンまたはヘキサフルオロプ
ロピレンに対して、メタノールは過剰量使用するのが好
ましい。メタノールを過剰量使用することにより、式
(1)で表されてnが1または2であるフッ化アルコー
ル(以下、フッ化アルコールという)の収率が向上する
利点がある。アルキル過酸化物は、メタノール量に対し
て0.1〜5質量%を用いるのが好ましい。
【0008】上記反応の反応温度は80〜150℃程度
が好ましく、100〜140℃が特に好ましい。また、
反応圧力は、0.5〜1.2MPa(ゲージ圧、以下同
様。)程度が好ましい。該反応は、例えば高圧反応釜な
どの反応器で行うことができる。反応器内は窒素ガス、
アルゴンガス等の不活性ガスで置換するのが好ましい。
メタノールと、テトラフルオロエチレンまたはヘキサフ
ルオロプロピレンとの反応は、受酸剤の存在下に行うこ
ともできるが、非存在下に行っても何ら差し支えない。
受酸剤としては、アルカリ金属(例えばナトリウム、カ
リウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム、カ
ルシウム、バリウム)、亜鉛の酸化物、水酸化物および
炭酸塩、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウムのよう
な無機化合物、アルカリ金属アルコラート等の有機化合
物が例示される。
【0009】上記反応に用いるアルキル過酸化物は、ラ
ジカル開始剤として作用する。アルキル過酸化物として
は、下式(2)で表される化合物が好ましい。 R−O−O−R (2) [ただし、Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、
は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、または芳香
族炭化水素基を示す。] 炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、脂肪族飽
和炭化水素基が好ましく、アルキル基、シクロアルキル
基、シクロアルキルアルキル基等が挙げられ、アルキル
基が特に好ましい。また、芳香族炭化水素基としては、
フェニル基、置換基を有するフェニル基等が挙げられ
る。
【0010】式(2)で表される化合物としては、特に
下式(2a)で表される化合物が好ましい。 C(CH−O−O−R (2a) [ただし、Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、
または芳香族炭化水素基を示す。] さらに、Rは炭素数1〜20の脂肪族飽和炭化水素基
が好ましく、C(CH −基(t−ブチル基)が特
に好ましい。これは、上記式(2a)で表される化合物
が、100〜140℃の最適反応温度領域で8〜10時
間程度の半減期を持つことから、100℃以上で反応を
行った場合に、式(1)においてnが3以上であるテロ
マーの生成を抑制でき、nが1または2である目的物の
フッ化アルコールを選択的に合成でき、かつ該温度にお
いて式(2a)で表される化合物が有効に働きかつ分解す
るためである。
【0011】式(2)で表されるアルキル過酸化物の具
体例としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油
脂株式会社商品名:パーブチルD)、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート(同社商品名:パーブ
チルO)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ート(同社商品名:パーブチルI)、t−ブチルクミル
パーオキサイド(同社商品名:パーブチルC)等が挙げ
られる。なかでも、10時間の半減期と汎用性からパー
ブチルDが最も好ましい。なお、上記以外のラジカル開
始剤としてはUV、熱、アゾ系開始剤、光ラジカル開始
剤等が挙げられ、これらのラジカル開始剤はアルキル過
酸化物と併用することができる。
【0012】本発明におけるアルキル過酸化物に由来す
るアルコールとしては、アルキル過酸化物が式(2)で表
される化合物である場合、 R−OH (ここで、Rは式(2)における定義と同じ。)が挙げら
れる。またRが炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基で
ある場合には、アルキル過酸化物に由来するアルコール
としてR−OHもまた生成する。アルキル過酸化物に
由来するアルコールの具体例としては、t−ブタノー
ル、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。式(2)で
表される化合物または式(2a)で表される化合物におけ
るRが芳香族炭化水素基である場合には、アルキル過
酸化物が分解して生成するR−OHは、Rの構造に
よるが、R−OHやt−ブタノールよりも高沸成分と
なりボトム液中に含まれることがある。この場合は、後
述するボトム液の精製において該R−OHとフッ化ア
ルコールとは容易に分離できる。本発明の製造方法は、
共存すると蒸留分離が困難であるフッ化アルコールとア
ルキル過酸化物由来のアルコールとを最初に特定の蒸留
条件で分離しておき、次にボトム液中に含まれるフッ化
アルコールをさらなる精製工程で高純度化することが特
徴である。これにより少ない工程で高純度のフッ化アル
コールが得られる。
【0013】図1〜図3は、それぞれ本発明の実施形態
の例を示す流れ図である。以下、アルキル過酸化物とし
てC(CH−O−O−C(CHを使用する
場合を説明する。メタノールとテトラフルオロエチレン
若しくはヘキサフルオロプロピレンとを反応させた反応
終了後の反応液は、反応器から蒸留工程に導かれる。蒸
留工程前の反応終了後の反応液(以下、反応粗液とい
う)中には、目的物のフッ化アルコール、未反応のメタ
ノール、アルキル過酸化物由来のアルコール、ここでは
C(CH−O−O−C(CH由来で生成し
たC(CH −OH(以下、t−ブタノールとい
う)および未反応のアルキル過酸化物が含まれる。反応
粗液はそのまま蒸留してもよいが、固形分などが存在す
る場合には必要に応じてろ過などを行ってもよい。本発
明の製造方法においては、反応粗液を加熱するなどの必
要はなく、実質的にそのまま蒸留するのが好ましい。該
反応粗液中に含まれるアルキル過酸化物由来のアルコー
ル量は、通常は1000〜10000ppm程度であ
る。
【0014】蒸留工程で該反応粗液中から効率良くt−
ブタノールを留分側へ濃縮するためには、蒸留前の反応
粗液中にHF及び水が充分量共存しているのが好まし
く、そのためには、反応粗液に、必要に応じて水やHF
を添加して反応粗液中の水やHFの量を調整するのが好
ましい。添加した後の反応粗液中の水の含量は0.1〜
10質量%が好ましく、0.5〜10質量%が特に好ま
しく、1〜10質量%がとりわけ好ましい。また、添加
した後の反応粗液中のHFの含量は0.01〜10質量
%が好ましく、特に0.01〜5質量%とするのが好ま
しい。
【0015】図1に、反応粗液を、蒸留により、アルキ
ル過酸化物由来のアルコールを含有する留分と、フッ化
アルコールを含有する蒸留装置底部のボトム液(ボトム
液は次いで精製工程へ送られる)とに分離する例の流れ
図を示す。蒸留工程は蒸留精度の点で蒸留塔を用いて蒸
留を行うのが好ましい。蒸留塔としては、理論段数10
〜100段程度のものを用いるのが好ましい。蒸留工程
では、水及びHFの共存下で反応粗液を蒸留する。そし
て反応粗液は、アルキル過酸化物に由来するアルコール
(ここではt−ブタノール)を含有する留分と、フッ化
アルコールを含有する蒸留装置底部のボトム液とに分離
される。このためには上述の反応粗液を、例えばゲージ
圧力を0〜0.1MPa、好ましくは0MPa(すなわ
ち大気圧)、留出温度を40〜130℃、好ましくは6
0〜130℃の条件で加熱するのが好ましい。t−ブタ
ノールは、メタノール、HF及び水を含有する留分とし
て反応粗液から分離するのが好ましい。さらに好ましく
は、t−ブタノールを含有する留分は蒸留塔の塔頂から
留出させるのがよく、特に塔頂部からt−ブタノールと
共にメタノール、HF及び水を主に含有する留分を留出
させるのが好ましい。
【0016】反応粗液を蒸留(以下、初回蒸留という)
した後のボトム液中のt−ブタノール含有率、言い換え
ればt−ブタノール残留率は低いほど良い。通常の蒸留
装置を用いた場合、t−ブタノール残留率はボトム液に
対して1000ppm以下(0を含まず)とするのが好
ましい。1000ppm以下(0を含まず)とすること
により、目的とする純度に応じて次の精製工程を行った
ときにフッ化アルコールの純度を容易に上昇できる利点
がある。例えば1000ppm以下(0を含まず)であ
れば、次に述べる精製工程において、純度99.9質量
%以上のフッ化アルコールを反応粗液中のフッ化アルコ
ールに対して50%以上回収できる。
【0017】図2は図1において、フッ化アルコールを
含有するボトム液の精製工程が蒸留である例の流れ図で
ある。蒸留工程の蒸留装置(図2における第1蒸留塔)
から回収したボトム液は、精製工程に導かれる。該精製
工程の方法は限定されないが、蒸留(図2においては第
2蒸留塔)によるのが好ましい。ボトム液を第2蒸留塔
において蒸留(以下、第2回蒸留という)することによ
り、目的成分であるフッ化アルコールを高純度のものと
して回収することができる。また、第2回蒸留において
フッ化アルコールを回収する場合には、フッ化アルコー
ルをボトム液として回収するよりは、図2に示すように
留分として回収するのが、より高純度のフッ化アルコー
ルを回収できるため好ましい。さらに、初回蒸留で得た
フッ化アルコールを含むボトム液の精製工程は、複数の
蒸留装置を用いて行ってもよい。例えば、図2は第2蒸
留塔と第3蒸留塔を用いた例である。また各蒸留は、そ
れぞれ連続式で行うこともバッチ式で行うことも可能で
ある。
【0018】図3は、図1における、初回蒸留の留分
(以下、第1留分という)からメタノールを回収するた
めに、第1留分をさらに蒸留する工程を含む例の流れ図
である。図3に示すように、初回蒸留工程の蒸留装置
(図中では第1蒸留塔)の塔頂から回収される第1留分
(該第1留分はメタノールの他に、t−ブタノール、H
F及び水を含みうる。)は、さらに別の蒸留装置(図3
における第2蒸留塔)に導かれる。第2蒸留塔における
蒸留によって塔頂から得られる留分(以下、第2留分と
いう)としてメタノールを回収する。第2留分として回
収したメタノールは、高純度のメタノールであることか
ら、反応器内に戻してテトラフルオロエチレン若しくは
ヘキサフルオロプロピレンとの反応に再使用することが
可能である。第2留分としてのメタノール中には、HF
量が10ppm以下であるのが好ましい。以上、C(C
−O−O−C(CHをアルキル過酸化物
とする場合を説明したが、他のアルキル過酸化物をラジ
カル開始剤として用いた場合も同様である。
【0019】本発明の製造方法により純度良く得られる
式(1)で表されるフッ化アルコールは、通常の場合、
蒸発残分が50ppm以下となり得る。該フッ化アルコ
ールは、基板上にレーザーによる情報の書き込み及び/
又は読みとり可能な記録層が設けられてなる情報記録媒
体の記録層を作成する工程の溶剤として好適である。
【0020】すなわち、基板上にレーザーによる情報の
書き込み及び/又は読みとり可能な記録層が設けられて
なる情報記録媒体は、フッ化アルコールを含む溶剤、好
ましくは該フッ化アルコールを含むフッ素系溶剤に色素
を溶解し、得られた溶液を基板上に塗布、乾燥するなど
の常法に従い、色素を含む記録層を形成して製造でき
る。該色素としては、シアニン系色素、フタロシアニン
系色素、ピリリウム系色素、チオピリリウム系色素、ス
クワリリウム系色素、アズレニウム系色素、インドフェ
ノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメ
タン系色素、キノン系色素、アルミニウム系色素、ジイ
ンモニウム系色素、金属錯塩系色素等が挙げられる。基
板としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレ
ート、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポ
リエステル、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック、ガラ
ス、セラミックスが挙げられる。尚、記録層と基板の間
に平面性の改善、接着力の向上、記録層の変質防止等の
目的で下塗層を設けてもよく、記録層の上には保護層を
設けてもよい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説
明する。なお、以下において、水の量はカールフィッシ
ャー法により、HF量はフッ素イオン電極分析法によ
り、メタノール、t−ブタノール、フッ化アルコール等
の有機化合物量は、ガスクロマトグラフ法により分析
し、ガスクロマトグラムの面積%としてそれぞれの割合
を求めた。
【0022】(実施例)反応器として5mの内容積を
持つ高圧反応釜に、メタノール(3m)、アルキル過
酸化物としてパーブチルD(20kg)を仕込み、反応
釜を窒素置換した後、125℃まで昇温し、テトラフル
オロエチレンを内圧が0.8MPaになるように連続的
に供給し、16時間反応させた。反応後の反応粗液には
未反応のパーブチルDが100ppm、t−ブタノール
が8000ppm、HFが1500ppm、水が300
0ppm、その他メタノールが含まれていた。この反応
粗液に、水の含量が5質量%となるように水を添加し
た。これを図1に示す流れ図に従い第1蒸留塔へ導き、
圧力0.1MPa程度に制御しながらスチルを加熱し、
反応粗液を留出温度65〜100℃で蒸留塔の塔頂から
留出させたメタノール、t−ブタノール、HF及び水を
含む塔頂留分と、ボトム部から回収したフッ化アルコー
ルを含むボトム液とに分離した。該ボトム液中のt−ブ
タノールは100ppm以下に減少していた。該ボトム
液を理論段数40段の蒸留装置に仕込み、バッチ蒸留
(蒸留条件:0.025MPa、65〜80℃)で精製
を行ったところ、HCF2CF2CHOHが、反応粗液
中のHCF2CF2CHOHに対して80%の回収率で
得た。得られたHCF2CF2CHOHの純度は99.
9質量%以上であり、蒸発残分は50ppm以下であっ
た。
【0023】一方、第1蒸留塔の塔頂より回収した留分
中には、パーブチルDが150ppm、t−ブタノール
が15000ppm、HFが2800ppm、水が8質
量%およびメタノールが含まれていた。該留分を、別の
蒸留塔(図3における第2蒸留塔に該当する。)に導入
して蒸留し(蒸留条件:0.1MPa、65℃)、t−
ブタノールが10ppm以下、HFが10ppm以下、
水が1000ppm以下であるメタノールを第2蒸留塔
の塔頂部から回収した。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、基板上にレーザーによ
る情報の書き込み及び/又は読みとり可能な記録層が設
けられてなる情報記録媒体(CD−R、DVD−R等の
光ディスクなど)、フィルムの感光体の製造に好適な、
高純度のフッ化アルコールHCF2CF2CHOH、H
(CF2CF22CHOH、HCF(CF3)CF2
OHを、少ない工程数で精製することにより高い精
製収率で得ることができる。また、過剰量使用するメタ
ノールを反応後に回収し、再使用することができる。さ
らに、本発明で得られるフッ化アルコールを留出成分と
して得た場合には、蒸発残分の混入のおそれがない利点
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ化アルコールの製造方法の実施形
態の一例であり、反応粗液を蒸留によりアルキル過酸化
物由来のアルコールを含有する留分と、フッ化アルコー
ルを含有する蒸留装置底部のボトム液とに分離する例の
流れ図である。
【図2】図1において、フッ化アルコールを含有するボ
トム液の精製工程が蒸留である、本発明の実施形態の一
例の流れ図である。
【図3】図1における第1留分からメタノールを回収す
るために、第1留分をさらに蒸留する工程を含む、本発
明の実施形態の一例の流れ図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノールとテトラフルオロエチレン若
    しくはヘキサフルオロプロピレンとをアルキル過酸化物
    の存在下に反応させて下記式(1) H(CFR1CF2nCH2OH (1) 〔ただし、nは1または2であり、nが1のときR1
    FまたはCF3を示し、nが2のときR1はFを示す。〕
    で表されるフッ化アルコールを製造する方法において、
    反応終了後の反応液を水及びHFの共存下で蒸留して、
    前記アルキル過酸化物に由来するアルコールを含有する
    留分と式(1)で表されるフッ化アルコールを含有する
    ボトム液とに分離し、次いで該ボトム液を精製して式
    (1)で表されるフッ化アルコールを回収することを特
    徴とするフッ化アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記留分がメタノール、水及びHFを含
    有する請求項1に記載のフッ化アルコールの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記留分をさらに蒸留して留出したメタ
    ノールを前記反応に再使用する請求項2に記載のフッ化
    アルコールの製造方法。
  4. 【請求項4】 反応液の蒸留を蒸留塔を用いて行い、前
    記留分を蒸留塔の塔頂より留出せしめる請求項1〜3の
    いずれかに記載のフッ化アルコールの製造方法。
  5. 【請求項5】 蒸留後のボトム液が、前記アルキル過酸
    化物に由来するアルコールを1000ppm以下(0を
    含まず)で含む請求項1〜4のいずれかに記載のフッ化
    アルコールの製造方法。
  6. 【請求項6】 HFを0.01〜10質量%、かつ水を
    0.1〜10質量%に調整した反応液で蒸留を行う請求
    項1〜5のいずれかに記載のフッ化アルコールの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 蒸留の条件を、蒸留中のゲージ圧力を0
    〜0.1MPa、留出温度を40〜130℃とする請求
    項1〜6のいずれかに記載のフッ化アルコールの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 アルキル過酸化物が、下式(2a)で表
    される化合物であり、かつ100℃以上、140℃以下
    の温度で反応を行う請求項1〜7のいずれかに記載のフ
    ッ化アルコールの製造方法。 C(CH−O−O−R (2a) 〔ただし、Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、
    または芳香族炭化水素基を示す。〕
  9. 【請求項9】 ボトム液の精製を蒸留塔を用いた蒸留に
    より行い、かつ式(1)で表されるフッ化アルコールを
    塔頂より留出させることにより回収する請求項1〜8の
    いずれかに記載のフッ化アルコールの製造方法。
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