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JP2002065053A - 植物栽培用人工土壌および植物栽培方法 - Google Patents

植物栽培用人工土壌および植物栽培方法

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Publication number
JP2002065053A
JP2002065053A JP2000263176A JP2000263176A JP2002065053A JP 2002065053 A JP2002065053 A JP 2002065053A JP 2000263176 A JP2000263176 A JP 2000263176A JP 2000263176 A JP2000263176 A JP 2000263176A JP 2002065053 A JP2002065053 A JP 2002065053A
Authority
JP
Japan
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artificial soil
water
moss
plant
plant cultivation
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000263176A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotoshi Higuchi
博俊 樋口
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Individual
Original Assignee
Individual
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Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
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Publication of JP2002065053A publication Critical patent/JP2002065053A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境保護の観点から水苔よりも優れるととも
に、外部環境に左右されない吸水性を有し、軽量で長期
間連続使用可能とする。 【解決手段】 高分子材料を主体としてなり、かさ密度
が0.05〜0.5g/cm3、長さがO.5〜5cmの棒状を呈してな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の栽培に用い
られるペレット、このペレットを含有する植物栽培用人
工土壌及び植物栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、蘭等の観葉植物の植え込み材
料としては、一般的に、水苔が用いられている。この水
苔は、非常に吸水性が高く、しかもモール状であること
から適度な隙間を有している。このため、植え込み材料
として水苔を使用することによって、通気性を確保する
ことができる。したがって、水苔は、植物が育つための
条件を兼ね備え、植物栽培用土壌としては非常に優れた
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水苔自
体は、自生しているものを採取して乾燥させて使用する
ことから、環境保護という観点から好ましくなく、又、
採取コストが高くつき、高価格であるという問題があ
る。また、水苔は、完全に乾いた状態になると、吸水性
が極度に低下してしまう。このため、水苔には、特に、
夏期等において吸水性が低下してしまうといった問題が
ある。
【0004】さらに、水苔を永年性の植物栽培に使用す
る場合、根の育成に伴い水苔と根との密着性が高くな
り、通気性が損なわれる結果、根腐れを起こしやすくな
るという問題がある。このため、水苔を永年性の植物栽
培に使用する場合には、1〜2年毎に植えかえを行わなけ
ればならず、非常に手間がかかるといった不都合があ
る。そこで、本発明は、環境保護の観点から水苔よりも
優れるとともに、外部環境に左右されない吸水性を有
し、軽量で長期間連続使用可能なペレット、植物栽培用
人工土壌及び植物栽培方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明者が鋭意検討した結果、所定の範囲のかさ
密度及び長さを有する棒状部材が植物の栽培に適してい
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、高分子材料を主体としてなり、かさ密度
が0.05〜0.5g/cm3、長さがO.5〜5cmの棒状を呈してなる
ペレットである。
【0006】ここで、上記かさ密度が0.05g/cm3未満で
あると、空隙率が高すぎて保水性が低下するうえに、軽
量すぎて植木鉢等に使用する場合転倒する危険性があ
る。一方、上記かさ密度が0.5g/cm3を超えると、通気性
および吸水性が低下する可能性がある。上記かさ密度
は、0.1〜O.4g/cm3であることが好ましく、0.2〜0.3g/c
m3であることがより好ましい。
【0007】また、上記長さが0.5cm未満であると、保
水性、通気性に劣り好ましくない。一方、上記長さが5c
mを超えると、使用する際に取り扱いにくいうえに、空
隙率が高くなりすぎるため、保水性が低下する可能性が
ある。上記長さは1〜4cmであることが好ましい。また、
このペレットは、長さ方向に貫通する内部孔が形成され
たものであることが好ましく、その内部孔の径が0.5〜5
mmであることがより好ましい。さらに、ペレットは、上
記高分子材料がポリオレフィン系樹脂であることが好ま
しい。
【0008】さらに、本発明は、上述したペレットの集
合体を含むことを特徴とする植物栽培用人工土壌であ
る。この植物栽培用人工土壌は、不織布を更に含むこと
が好ましい。さらにまた、本発明は、上述した植物栽培
用人工土壌を用いて植物を栽培することを特徴とする植
物栽培方法である。この植物栽培方法は、蘭を栽培する
ことが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明に係るペレット(以下、「保
水材」という)は、高分子材料を主体としてなり、かさ
密度が0.05〜0.5g/cm3、長さがO.5〜5cmの棒状を呈して
なるものである。本発明において、「高分子材料を主体
としてなる」とは、高分子材料以外の添加剤等を含有し
ても良いという意味である。したがって、高分子材料以
外の添加剤を含有させても、本発明の保水材に含まれ
る。
【0010】ここで、高分子材料としては、熱可塑性樹
脂または熱硬化性樹脂を利用できるが、成形加工のし易
さ等を考慮すると熱可塑性樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の種々の樹脂を採
用できるが、ポリオレフィン系樹脂であることが好まし
い。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等を採用できる。
【0011】また、保水材の形状としては、上述したか
さ密度及び長さを有する棒状部材であれば任意の形状を
採用できるが、長さ方向に貫通する内部孔が形成されて
いることが好ましい。その内部孔径は、0.5〜5mmである
ことが好ましく、さらに1〜2mmであることがより好まし
い。
【0012】このように内部孔を形成することで、保水
性、吸水性がより向上するとともに、通気性も向上する
ため、人工土壌内に適度な水分が保たれることとなる。
一方、孔径を上記範囲に設定することで水の表面張力に
より、孔の内部に水を保持しやすくなる。これにより、
長期間所定の水分量を保持することが可能となり、頻繁
に水やり作業を行わなくてもよくなる。なお、孔の形状
も、任意に設定することができる。
【0013】さらに、保水材表面の性状には、特に限定
はないが、保水性の点を考慮すると、その表面は、凹凸
なく滑らかに形成されているよりも、凹凸を有し、適度
に粗くなるように処理されている方が好ましい。このよ
うな保水材は、上述の高分子材料から押出成形等を用い
て新たに成形することもできるが、海苔の養殖に使用さ
れているポリプロピレン製ののりみす廃材や切れ端等を
リサイクルして採用することもできる。環境問題を考慮
すると、廃材のリサイクルによって上記ペレットを得る
ことが好ましい。
【0014】本発明によれば、かさ密度および長さが所
定範囲に設定された高分子材料の棒状部材からなる保水
材の集合体を含む人工土壌を採用している。したがっ
て、適度な保水性、吸水性および通気性を兼ね備え、か
つ、軽量な人工土壌とすることができる。
【0015】また、本発明の保水材は、高分子材料を利
用しているため、水苔を使用する場合と比べて、水苔の
採取による環境破壊を進行させることがない。また、本
発明の保水材は、廃材を用いることによって材料コスト
を低く抑えることができ、水苔の採取に要するコストと
比較して、格段に安価に作製することができる。
【0016】さらに、本発明の保水材は、完全に乾燥さ
せた場合でも、吸水性が極度に低下することもない。す
なわち、本発明の保水材は、常に吸水性に優れたものと
いえる。これに加えて、本発明の保水材は、長期間連続
使用した場合でも、通気性を維持できる。したがって、
本発明の保水材によれば、植物が根腐れ等を起こさず、
人工土壌の交換回数を低減することができる。
【0017】以上で説明した保水材を有する植物栽培用
人工土壌は、上述のように適度な保水性および通気性を
兼ね備えていることから、種々の植物を栽培するのに用
いることができるが、特に、保水性、通気性の管理に敏
感な蘭の栽培に適している。蘭としては、特に限定はな
ぐ、例えばシンビジューム、君子蘭、胡蝶蘭等が挙げら
れる。
【0018】なお、本発明の植物栽培用人工土壌は、保
水材と水苔と混ぜて使用しても構わない。また、植物栽
培用人工土壌は、植木鉢やプランタの底部の孔を覆うよ
うに不織布を敷き、該不織布状に充填するようにして使
用されることが好ましい。不織布としては、任意の不織
布を採用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン等の不織布を採用できる。
【0019】上述の植物栽培用人工土壌を用いることに
よって、長期間連続使用した場合でも、通気性を維持で
き、その結果、植物の根腐れ等を確実に防止することが
できる。また、不織布を用いた場合には、全体として保
水性、吸水性を向上させつつ、通気性は十分に確保する
ことができる。したがって、この方法を用いて植物(特
に、蘭)の栽培を行った場合、水苔等の土壌を使用する
場合と比べて、遜色ない程度に植物を生長させることが
できる。
【0020】一方、本発明の植物栽培用人工土壌は、通
常の土壌と比較すると、単位体積あたりの重量が非常に
軽いといった特徴がある。このため、上述した植物栽培
用人工土壌は、運搬等が容易であり、利便性に優れてい
る。また、植物栽培用人工土壌は、通常の土壌の使用年
数が2,3年であるのに対して、20年以上使用するこ
とが可能である。このため、植物栽培用人工土壌を用い
ることによって、長期間に亘って植物の栽培を維持する
ことが可能であり、大気汚染の浄化を目的とした緑化に
大いに貢献することができる。
【0021】また、本発明の植物栽培用人工土壌は、例
えば、ビル等の建物の屋上に敷き詰めて使用することが
好ましい。栽培目的の植物が高さ1m程度である場合に
は、植物栽培用人工土壌を約20〜35cmの厚みで敷
き詰める。なお、植物栽培用人工土壌は、通常の土壌で
使用される肥料を混合して用い、植物栽培開始から約1
年程度は適宜散水して用いることが好ましい。植物栽培
用人工土壌は、保水力に非常に優れるため、植物栽培開
始から約1年以降において散水を殆ど行わずに使用する
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。なお、本発明は、以下の内容に限定
されるものではない。 [1]吸水性 まず、本発明の保水材の吸水性について検討した結果を
説明する。 [実施例1]のりみすの廃材を1〜4cmの長さの円柱状に切
断して得られた外部径2mm、内部孔径1mmの中空状のポリ
プロピレン製保水材を作製した。この保水材を栽培用の
2号ポットに充填し、散水し吸水させた後、全体重量の
経時変化を測定し、含水率を求めた。実施例1で測定し
た全体重量の経時変化について、表1に示した。また、
含水率の経時変化について測定した値を、図1に示し
た。図1中横軸は時間(h)を、縦軸は含水率(%)を表して
いる。ここで、含水率は、重量測定およびテンションメ
ーターによる測定により求めた値である。なお、実施例
1のデータは、6サンプルの平均値で示している。
【0023】
【表1】
【0024】表1および図1からわかるように、実施例1
のポリプロピレン製保水材からなる植物栽培用人工土壌
は、5日後でも平均して2gの水を含んでいることがわか
り(含水率約3%)、本発明の人工土壌は、吸水性の面から
土壌として好適であることが確認された。
【0025】[2]植物の生長度 次に、本発明の書奥物栽培用人工土壌を用いた場合の植
物の生長度を、水苔を人工土壌とした場合の生長度と比
較検討した結果について説明する。試験に際しては、図
2(A)〜(D)に示すように、栽培用の2寸ポット10に各種ポ
リプロピレン製の保水材20A、20B、20C又は水苔40を充
填し、これに胡蝶蘭50を植え、一定期間おいた後の生長
度を観察した。具体的には、以下の通りである。
【0026】[実施例2]栽培用の2号ポット10の下部にPP
製の不織布30を敷いた後、人工土壌2として中空状にな
っていない外部径2mmのポリプロピレン製の保水材20A
(かさ密度0.293g/cm3、長さ1〜4cm)を充填し、植物とし
て胡蝶蘭50を植えた後、所定期日に葉数、葉長、葉幅、
草丈の平均値について測定した。
【0027】[実施例3]人工土壌2として外部径2mm、内
部孔径1mmの中空状のポリプロピレン製の保水材20B(か
さ密度0.235g/cm3、長さ1〜4cm)を使用した以外は、実
施例2と同様にして各項目について測定した。
【0028】[実施例4]不織布を使用しないで、人工土
壌2として外部径4mm、内部孔径3mmの中空状のポリプロ
ピレン製の保水材20C(かさ密度0.183g/cm3、長さ1〜4c
m)のみを充填した以外は、実施例2と同様にして各項目
について測定した。
【0029】[比較例2]図2(A)に示されるように、土壌
として水苔40のみを使用した以外は、実施例2と同様に
して各項目について測定した。実施例2〜4および比較例
2で栽培した胡蝶蘭50について、所定期間経過後の葉
数、葉長、葉幅、草丈の平均値について測定した結果
を、それぞれ表2〜表5に示した。また、表2〜表5の測定
値を折れ線グラフに表したものを、図3〜図6に示した。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】表2および図3に示されるように、本発明の
人工土壌を用いた実施例2〜実施例4の葉数の平均は、比
較例2の水苔を用いた場合より優れており、水苔に代わ
る土壌として十分に利用できることがわかる。
【0035】表3および図4に示されるように、本発明の
人工土壌を用いた実施例2〜実施例4の葉長の平均は、比
較例2の水苔を用いた場合に若干劣るものもあるが、問
題となるレベルではなく、水苔に代わる土壌として十分
に利用できることがわかるまた、実施例4からわかるよ
うに、不織布を併用しない場合でも、葉長の点について
は、多少短くなる傾向が見られるが、それほど大きな問
題となるレベルではない。
【0036】表4および図5に示されるように、本発明の
人工土壌を用いた実施例2〜実施例4の葉幅の平均は、比
較例2の水苔を用いた場合とほぼ同等であり、水苔に代
わる土壌として十分に利用できることがわかる。また、
実施例4からわかるように、不織布を併用しない場合で
も、葉幅の点については、特に問題が生じないことがわ
かる。
【0037】表5および図6に示されるように、本発明の
人工土壌を用いた実施例2〜実施例4の草丈の平均は、比
較例2の水苔を用いた場合と、ほぼ同等であり、水苔に
代わる土壌として十分に利用できることがわかる。ま
た、実施例4からわかるように、不織布を併用しない場
合でも、草丈の点については、特に問題が生じないこと
がわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、高分子材料を主体とし
てなり、かさ密度および長さが所定範囲に設定された棒
状のペレットを含む植物栽培用人工土壌を採用してい
る。したがって、本発明によれば、適度な保水性、吸水
性、および通気性を兼ね備え、且つ、軽量な植物栽培用
人工土壌及び植物栽培方法を提供できる。また、高分子
材料を利用しているから、水苔を使用する場合と比べ
て、水苔の採取による環境破壊につながることもなく、
かつ、完全に乾燥させた場合でも、吸水性が極度に低下
することもない。さらに、長期間連続使用した場合で
も、通気性を維持できるため、植物が根腐れ等を起こさ
ず、人工土壌の交換回数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る人工土壌の含水率の経時変化を示
すグラフである。
【図2】本発明に係る人工土壌および水苔を用いた植物
の栽培状態を模式的に示す図である。
【図3】葉数の平均値の経時変化を示すグラフである。
【図4】葉長の平均値の経時変化を示すグラフである。
【図5】葉幅の平均値の経時変化を示すグラフである。
【図6】草丈の平均値の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
2 人工土壌 20A、20B、20C ポリプロピレン製保水材 30 不織布 40 水苔 50 胡蝶蘭(植物)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料を主体としてなり、かさ密度
    が0.05〜0.5g/cm3、長さがO.5〜5cmの棒状を呈してなる
    ペレット。
  2. 【請求項2】 長さ方向に貫通する内部孔が形成された
    ことを特徴とする請求項1記載のペレット。
  3. 【請求項3】 上記内部孔の径が0.5〜5mmであることを
    特徴とする請求項2記載のペレット。
  4. 【請求項4】 上記高分子材料がポリオレフィン系樹脂
    であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に
    記載のペレット。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれか1記載のペレッ
    トの集合体を含むことを特徴とする植物栽培用人工土
    壌。
  6. 【請求項6】 不織布を更に含むことを特徴とする請求
    項5記載の植物栽培用人工土壌。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の植物栽培用人工土
    壌を用いて植物を栽培することを特徴とする植物栽培方
    法。
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