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JP2002064403A - 非接触応答装置 - Google Patents

非接触応答装置

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JP2002064403A
JP2002064403A JP2000252473A JP2000252473A JP2002064403A JP 2002064403 A JP2002064403 A JP 2002064403A JP 2000252473 A JP2000252473 A JP 2000252473A JP 2000252473 A JP2000252473 A JP 2000252473A JP 2002064403 A JP2002064403 A JP 2002064403A
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capacitance
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JP2000252473A
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Koji Ban
弘司 伴
Toshinori Fukunaga
利徳 福永
Masahiro Yoshizawa
正浩 吉澤
Tadao Takeda
忠雄 竹田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触通信システムにおける電力消費の効率
を向上させる。 【解決手段】 整流回路22は、アンテナ回路20で受
信した質問装置1のキャリア波から非接触応答装置2の
駆動用電力を得る。内部ロジック回路25は、質問装置
1からの質問を待つ待機状態になったとき、アンテナ回
路20のインピーダンスを変化させる容量切替回路21
を制御して、質問装置1からの受信電力量が質問データ
の認識に最低限必要な電力量となるよう受電効率を低下
させ、自装置に対する質問データを受信したとき、容量
切替回路21を制御して、受信電力量が応答波の生成・
送信に最低限必要な電力量となるよう受電効率を増大さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導を用いて
非接触状態で電力供給とデータ通信を行う質問装置と応
答装置とからなる非接触通信システムに係り、特に通信
状態に応じて内部回路の特性を動的に変化させることに
より、電力伝送の効率を向上させることができる非接触
応答装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ICカード、RFタグ、データキ
ャリアなどの携帯可搬電子データ担体を非接触応答装置
として使用し、0.1MHz〜数10MHz程度のキャ
リア周波数を用いた電磁誘導を利用して、非接触で非接
触応答装置へ電力を供給するとともに、キャリア波に変
調をかけることによりデータを重畳してデータ通信を行
う、非接触通信システムが盛んに検討され、商用化が進
みつつある。このような非接触通信システムには、1つ
の質問装置の電磁界によって複数の非接触応答装置が同
時に給電を受け、各非接触応答装置の内部回路が動作可
能なアクティブ状態をとることができ、質問装置は各非
接触応答装置と通信が可能であるという特徴がある。
【0003】しかし、このような非接触通信システムで
は、その電磁界の出力特性が電波法等の法規により制限
を受け、また例えば、情報処理装置等電波障害自主規制
協議会、通称VCCIと呼ばれる協議会によって制定さ
れた「情報処理装置および電子事務機器等から発生する
妨害波の自主規制運用規定」などの自主規制運用規定に
よっても、種々の制限を受けている。このような制限に
より、質問装置の送信出力を低く設定する結果、非接触
応答装置が受信可能な電力も低く設定せざるを得なくな
り、非接触応答装置のデータ処理機能を抑える必要が生
じる。また、質問装置の送信出力を抑えなければならな
いため、非接触通信システムの特徴である、質問装置と
複数の非接触応答装置との通信機能を損なう結果となっ
ているのが実情である。
【0004】このような問題の背景にある技術的問題の
1つが、非接触応答装置の電力消費の特性である。電磁
誘導によって質問装置から給電を受けつつ安定したデー
タ通信の変復調を行うために、通常、非接触応答装置内
の電源回路は定電力設計がなされており、回路全体の動
作による内部信号ノイズを抑えるように設計されてい
る。非接触応答装置の内部の処理が軽い場合、電源回路
は、余剰電力を抵抗成分で熱に変化させる。その結果、
非接触応答装置は、内部処理の状態に関わらず、一定の
電力を消費することになる。
【0005】このような非接触応答装置の複数個が質問
装置の送信電磁界の中に入ってアクティブ状態をとれ
ば、質問装置との通信状態や内部の処理状態に関わら
ず、各々が電磁結合状態に応じて一定の電力給電を確保
しようとする。非接触通信システムの電力消費の観点か
ら見ると、ある時間においては、質問装置と応答を行う
装置は一つであって、他の非接触応答装置は質問を待機
する状態にしかすぎないため、エネルギー効率上、待機
状態の非接触応答装置の多大な電力消費は問題であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
非接触通信システムでは、質問装置の送信電磁界内に入
った全ての非接触応答装置が、質問装置との通信状態や
内部の処理状態に関わらず、一定の電力を消費してしま
うという問題点があった。本発明は、上記課題を解決す
るためになされたものであり、質問装置からの受信電力
量の効率的な制御を簡単な構成で実現し、非接触通信シ
ステムにおける電力消費の効率を向上させることができ
る非接触応答装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、質問装置からのキャリア波を受信す
ると共に質問装置への応答波を送信するアンテナ回路
と、このアンテナ回路で受信したキャリア波から自装置
の駆動用電力を得る整流回路と、キャリア波から自装置
に対する質問データを取得したとき、この質問データに
対する応答データを生成して、アンテナ回路から応答波
として送信させる内部ロジック回路とを備え、電磁誘導
を用いて非接触状態で質問装置から電力供給を受けると
共に質問装置との間でデータ通信を行う非接触応答装置
において、アンテナ回路のインピーダンスを変化させる
容量切替回路を有し、内部ロジック回路は、自装置が質
問装置からの質問データを待つ待機状態になったとき、
質問装置からの受信電力量が質問データの認識に最低限
必要な電力量PLとなるようアンテナ回路の受電効率を
低下させ、自装置に対する質問データを受信したとき、
受信電力量が応答波の生成・送信に最低限必要な電力量
PH(PL<PH)となるよう受電効率を増大させるよ
うに容量切替回路を制御するようにしたものである。こ
のように、本発明では、非接触応答装置が質問装置から
電力供給を受けつつ質問装置と通信する通常の伝送モー
ドにおいて、内部ロジック回路が容量切替回路を制御す
ることにより、非接触応答装置が待機状態になったと
き、アンテナ回路のインピーダンスを変化させて受電効
率を低下させ、質問装置からの受電電力量を電力量PL
とし、非接触応答装置が質問装置からの質問データを受
信してアクティブ状態になるとき、アンテナ回路のイン
ピーダンスを変化させて受電効率を増大させ、質問装置
からの受電電力量を電力量PHとするので、待機状態に
おける非接触応答装置の電力消費量を簡単な構成で低減
することができる。
【0008】また、本発明の非接触応答装置の1構成例
として、容量切替回路は、容量素子と電子スイッチとを
直列に接続した容量スイッチを少なくとも1組備え、容
量スイッチは、アンテナ回路と並列に接続されている。
これにより、簡単な構成の回路でアンテナ回路のインピ
ーダンスを変化させることができる。また、本発明の非
接触応答装置の1構成例として、整流回路の出力電圧を
検出する電圧検出回路をさらに有し、容量切替回路は、
前記容量スイッチを複数有し、内部ロジック回路は、電
圧検出回路の出力状態に応じて容量切替回路中の各電子
スイッチの開閉状態を制御するよう構成されている。こ
れにより、質問装置の出力特性や質問装置と非接触応答
装置の相互の位置・角度によって受信電力が変動するこ
とがあっても、受信する電力を適切に減少させることが
可能である。また、本発明の非接触応答装置の1構成例
において、前記非接触応答装置は、ICカードである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、スイッチ制御が可能な
容量切替回路を搭載した非接触応答装置を用いて、伝送
状態においてインピーダンス制御を動的に行い、非接触
応答装置の電力消費量を制御することを特徴とする。以
下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細
に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態となる
非接触通信システムの構成を示すブロック図である。図
1の非接触通信システムは、質問装置1と非接触応答装
置2とから構成される。質問装置1は、非接触応答装置
2への電力供給のためにデータ送信時以外のときにも無
変調のキャリア波を送信している。質問装置1と非接触
応答装置2は、データを送信するときキャリア波を変調
してデータを重畳する。
【0010】質問装置1は、無変調のキャリア波を発生
するキャリア波発生回路10と、キャリア波発生回路1
0から出力された無変調のキャリア波または変調された
キャリア波を送信したり、非接触応答装置2から送信さ
れた応答波を受信したりするためのアンテナ回路11を
有している。アンテナ回路11は、アンテナとして動作
するコイルL11と2つの容量素子C11,C12を備
えており、コイルL11は、一方の容量素子C11と並
列接続されているとともに、他方の容量素子C12と直
列接続されている。なお、図1では、データの送信時に
キャリア波を変調する変調回路、非接触応答装置2から
送信された応答波を受信して復調する復調回路、非接触
応答装置2へのデータを生成したり、復調回路で復調さ
れたデータを処理したりする制御回路等の回路について
は記載を省略している。
【0011】非接触応答装置2は、質問装置1から送信
されたキャリア波を受信したり、応答波を送信したりす
るためのアンテナ回路20と、アンテナ回路20のイン
ピーダンスを変化させる容量切替回路21と、アンテナ
回路20で受信されたキャリア波を整流して非接触応答
装置2の各回路駆動用の電力を得る整流回路22と、整
流回路22の出力電圧を定電圧化する定電圧回路23
と、アンテナ回路20で受信された変調されたキャリア
波を復調する復調回路24と、キャリア波から自装置に
対する質問データを取得したとき、この質問データに対
する応答データを生成してアンテナ回路20から応答波
として送信させると共に、通信状態に応じて容量切替回
路21を制御してアンテナ回路20のインピーダンスを
変化させ、非接触応答装置2の受信電力量を制御する内
部ロジック回路25と、内部ロジック回路25から出力
された応答データでキャリア波を変調する変調回路26
とを有している。
【0012】アンテナ回路20は、アンテナとして動作
するコイルL21と2つの容量素子C21,C22を備
えており、コイルL21は、一方の容量素子C21と並
列接続されているとともに、他方の容量素子C22と直
列に接続されている。ここで、コイルL21のインダク
タンスと2つの容量素子C21,C22の容量は、アン
テナ回路20の受信電力量がこの非接触応答装置2の全
ての動作に必要十分な電力レベルとなるように設定され
ている。
【0013】容量切替回路21は、容量素子Cv1と、
例えばトランジスタ等からなる電子スイッチS1とを直
列に接続した容量スイッチCSからなり、アンテナ回路
20と並列に接続されている。ここで、容量素子Cv1
の容量は、電子スイッチS1が閉じて容量素子Cv1が
アンテナ回路20に並列接続されたときに、アンテナ回
路20の受信電力量が質問装置1の発信する質問を正常
に受信するための最低限必要な電力量に適当なマージン
を付加した電力レベルとなるように設定されている。ま
た、電子スイッチS1と内部ロジック回路25の間に
は、電子スイッチS1の開閉を制御する信号線が接続さ
れている。
【0014】整流回路22は全波整流回路であり、入力
側が容量切替回路21の容量スイッチCSの両端に接続
され、出力側が定電圧回路23の入力側に接続されてい
る。定電圧回路23は、出力側が駆動用電力を必要とす
る各回路と接続されている。内部ロジック回路25は、
CPU25aと、ROM25bと、RAM25cと、不
揮発メモリ25dと、カウンタ25eとを有している。
【0015】質問装置1から非接触応答装置2へ供給さ
れる電力は、両者のインピーダンスの整合状態の関数と
なり、整合すると高効率で給電が行われるため非接触応
答装置2の受信電力が増加し、整合がミスマッチすると
反射される電力が増えるため非接触応答装置2の受信電
力が減少する。通常、アンテナ回路20のインピーダン
スの制御は、受信電力を高めるためのインピーダンス整
合に用いるが、本発明においては、非接触応答装置2の
余分な消費電力を削減するために、インピーダンス整合
をミスマッチさせる制御にも用いることを特徴とする。
【0016】次に、図1〜図3を参照して非接触応答装
置2の動作を説明する。図2は、質問装置1からの質問
と非接触応答装置2からの応答のタイミング、およびそ
の際の非接触応答装置2の受信電力量を時系列的に表し
たタイミングチャートである。図2において、非接触応
答装置2がコマンド処理を行うために必要十分な電力レ
ベルをPHで示し、非接触応答装置2が質問装置1から
の質問を正常に受信するために最低限必要な電力量に適
当なマージンを付加した電力レベルをPLで示す。図3
は、図1の内部ロジック回路25の動作を示すフローチ
ャートである。
【0017】ここで、内部ロジック回路25は、PHと
PLの状態を実現するために、容量切替回路21を制御
することによって容量を切り替えてアンテナ回路20の
インピーダンスを変化させる。容量切替回路21の初期
状態は、PHとPLのいずれの状態に対応してもよい
が、非接触応答装置2の活性化において初期化処理を行
うことを考慮するとPHの状態を初期状態とすることが
より好ましい。この実施の形態では、容量切替回路21
の初期状態がPHをとるものとして説明する。
【0018】まず、非接触応答装置2が質問装置1の発
生する電磁界の領域に挿入されると、アンテナ回路20
でキャリア波が受信されて、整流回路22に給電され
る。整流回路22はキャリア波を整流して定電圧回路2
3に供給する。定電圧回路23の出力電圧が所定のしき
い値を超えると、内部ロジック回路25のリセットが働
いて内部ロジック回路25が起動し、初期化処理が行わ
れる(ステップS11)。この初期化処理の間は、容量
切替回路21が初期状態をとるので、非接触応答装置2
の受信電力量はPHの状態となる。
【0019】内部ロジック回路25は初期化処理が終了
すると、質問装置1からの質問を待つ待機状態に遷移
し、質問装置1から自身にあてた質問が受信されたか受
信判定を行う(ステップS12)。質問が受信されてい
ない場合は、容量切替回路21へ電子スイッチS1をオ
ンする制御信号を出力し(ステップS13)、非接触応
答装置2の受信電力量をPLの状態にする。次に、待機
状態に遷移し、ステップS12の受信判定に戻る。
【0020】質問が受信された場合は、容量切替回路2
1へ電子スイッチS1をオフする制御信号を出力し(ス
テップS14)、非接触応答装置2の受信電力量をPH
の状態にする。次に、コマンド処理状態に遷移し、コマ
ンド処理を実行する(ステップS15)。コマンド処理
後、データ伝送状態に遷移し、データ伝送を実行する
(ステップS16)。データ伝送が完了すると内部ロジ
ック回路25は待機状態に遷移し、ステップS12の受
信判定に戻る。なお、データ伝送完了直後は、質問が受
信されていないので、非接触応答装置2の受信電力量が
PLの状態となるように制御される。非接触応答装置2
は起動後、質問装置1との間で質問と応答を繰り返す
が、上記プロセスにより、待機状態になると受電効率を
低下させ、質問を受けると受電効率を向上させることを
繰り返す。
【0021】ここで、質問装置1から送信されるポーリ
ングと通常呼ばれる非接触応答装置検出用のコマンド
は、例えば他の非接触応答装置が同じ電磁界領域に既に
存在して質問装置1がすでに伝送通信を行っている場合
などでは、あまり頻繁に発せられない。このため、電力
レベルをPHの状態で維持すると、長い時間PHのまま
ポーリングを待機することになって非接触通信システム
全体における電力の効率が悪くなることになり、また、
他の非接触応答装置の通信を阻害しかねない。したがっ
て、内部ロジック回路25の初期化が終わった時点で、
一旦、電力レベルをPHからPLに低減させることが好
ましい。この実施の形態においては、前述したように、
待機状態に遷移した直後に質問装置1から自身にあてた
質問が受信されたか判定し、質問が受信されていない場
合は受信電力量をPLにするように構成することで、こ
れに対応している。
【0022】前述した内部ロジック回路25の動作は、
CPU25aとCPU25aを動作させるプログラムに
よって実現される。この場合、内部ロジック回路25の
リセットが働くと、リセットされた内部ロジック回路2
5のCPU25aは、ROM25bに記憶されたプログ
ラムに基づいて不揮発メモリ25dより所定のデータ読
み出しを行って非接触応答装置2の制御を行う。また、
CPU25aは、RAM25cとカウンタ25eをプロ
グラム実行の作業領域として使用する。
【0023】この実施の形態の非接触応答装置2は、受
信電力量をPHとPLの間で切り替えるのに、内部ロジ
ック回路25が動作状態に合わせて容量切替回路21の
電子スイッチS1をオン・オフしてアンテナ回路20の
インピーダンスを変化させるだけでよいので回路構成が
簡単であり、小型化や低コスト化が可能である。この実
施の形態の非接触応答装置2は、インピーダンスの変化
量が固定されているので、質問装置1との相互の位置・
角度などの条件が固定されている場合に適用することが
好ましい。
【0024】この実施の形態では、容量切替回路21の
容量スイッチCSが1つの場合について説明したが、容
量スイッチCSは複数でもよい。この場合、複数の容量
スイッチCSを組み合わせることによりアンテナ回路2
0のインピーダンスを複数設定できるので、使用する容
量スイッチCSの組み合わせを不揮発メモリ25dに記
憶させておき、受信電力量をPLに切り替えるときにこ
の組み合わせとなるようにCPU25aが容量切替回路
21を制御することで、出力特性の異なる質問装置1に
も対応することが可能である。このようにすれば、非接
触応答装置2の品種を増やさずに済むので、量産効果が
期待できると共に、生産管理や在庫管理にかかるコスト
を削減することができる。
【0025】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図4を参照して説明する。図4は、本発明の第2の
実施の形態を示すブロック図であり、前述した図1と同
一部分には同一符号を付してある。この実施の形態の非
接触応答装置3が第1の実施の形態に示した非接触応答
装置2と異なる点は、整流回路22の出力電圧を検出す
る電圧検出回路27をさらに備えたことと、容量切替回
路21が複数の容量スイッチCS1〜CSnを有してお
り、内部ロジック回路25が電圧検出回路27の出力状
態に応じて容量切替回路21の各電子スイッチS1〜S
nを制御し、各電子スイッチS1〜Snの開閉の組み合
わせにより各容量素子Cv1〜Cvnの接続状態を変更
し、待機状態において必要最小限の受信電力となるよう
にアンテナ回路20のインピーダンスを変化させるよう
にしたことである。
【0026】ここで、電圧検出回路27は公知の技術に
よるものでよく、例えば、所定の測定範囲の電圧を0〜
5Vの直流電圧に変換して出力するもの、測定値を数値
データとして出力するもの、設定電圧以上でONするも
のなど、内部ロジック回路25の構成、使用用途、コス
トなどに応じて適宜選択して用いればよい。容量切替回
路21は、複数の容量スイッチCS1〜CSnが並列に
接続されている。また、各電子スイッチS1〜Snは、
個別に開閉できるように開閉を制御する信号線が1対1
で内部ロジック回路25と接続されている。また、内部
ロジック回路25の不揮発メモリ25dには、電圧検出
回路27の出力と各電子スイッチS1〜Snの開閉の組
み合わせを定めたデータが記憶されており、CPU25
aが待機状態時に電圧検出回路27の出力に応じた組み
合わせで各電子スイッチS1〜Snの開閉を同時に行う
ように構成されている。
【0027】次に、図4と図5を参照して非接触応答装
置3の動作を説明する。図5は、図4の内部ロジック回
路25の動作を示すフローチャートである。なお、この
実施の形態においても、容量切替回路21の初期状態が
PHをとるものとして説明する。まず、非接触応答装置
3が質問装置1の発生する電磁界の領域に挿入される
と、アンテナ回路20でキャリア波が受信されて、整流
回路22に給電される。整流回路22はキャリア波を整
流して定電圧回路23に供給する。定電圧回路23の出
力電圧が所定のしきい値を超えると、内部ロジック回路
25のリセットが働いて内部ロジック回路25が起動
し、初期化処理が行われる(ステップS21)。この初
期化処理の間は、容量切替回路21が初期状態をとるの
で、非接触応答装置3の受信電力量は、PHの状態とな
る。
【0028】内部ロジック回路25は、初期化処理が終
了すると質問装置1からの質問を待つ待機状態に遷移
し、質問装置1から自身にあてた質問が受信されたか受
信判定を行う(ステップS22)。質問が受信されてい
ない場合は、電圧検出回路27の出力状態を確認し(ス
テップS23)、電圧検出回路27の出力に対応した各
電子スイッチS1〜Snの開閉データを不揮発メモリ2
5dから読み出し(ステップS24)、この開閉データ
に基づいて各電子スイッチS1〜Snの開閉を制御する
制御信号を容量切替回路21へ出力して各電子スイッチ
S1〜Snの開閉状態を切り替え(ステップS25)、
非接触応答装置3の受信電力量をPLの状態にする。次
に、待機状態に遷移し、ステップS22の受信判定に戻
る。
【0029】質問が受信された場合は、各電子スイッチ
S1〜Snを全て開とする制御信号を容量切替回路21
へ出力し(ステップS26)、非接触応答装置3の受信
電力量をPHの状態にする。次に、コマンド処理状態に
遷移し、コマンド処理を実行する(ステップS27)。
コマンド処理後、データ伝送状態に遷移し、データ伝送
を実行する(ステップS28)。データ伝送が完了する
と内部ロジック回路25は待機状態に遷移し、ステップ
S22の受信判定に戻る。なお、データ伝送完了直後
は、質問が受信されていないので、容量切替回路21は
電圧検出回路27の出力状態に基づいて制御される。非
接触応答装置3は起動後、質問装置1との間で質問と応
答を繰り返すが、上記プロセスにより、待機状態では電
圧検出回路27の出力状態に基づいて受電効率を低下さ
せ、質問を受けると受電効率を向上させることを繰り返
す。
【0030】前述した内部ロジック回路25の動作は、
第1の実施の形態と同様にCPU25aとCPU25a
を動作させるプログラムによって実現される。この実施
の形態によれば、電圧検出回路27によって受信電力に
関する情報を得ることができ、かつそれに応じて各電子
スイッチS1〜Snの開閉の組み合わせによりアンテナ
回路20のインピーダンスを多様に変化させることがで
きるので、受信電力の制御をより柔軟に行うことができ
る。このため、質問装置1の出力特性、質問装置1と非
接触応答装置3との距離や角度といった非接触応答装置
3の入出力インピーダンス以外の要因による受信電力の
変化にも対応することができる。よって、第1の実施の
形態において設けたような、質問装置1からの質問を正
常に受信するために最低限必要な電力量に付加した適当
なマージンを減らすことが可能となるので、待機状態に
おける受信電力をさらに少なくすることができる。
【0031】この実施の形態では、各電子スイッチS1
〜Snの開閉を同時に行うようにしたが、各電子スイッ
チS1〜Snを1つずつ順番に切り替えて受信電力の評
価を行いながら所定の受信電力に最も近い組み合わせを
選択するようにしてもよい。この場合、各電子スイッチ
S1〜Snの開閉を同時に行う場合に比べてインピーダ
ンスの変動が小さくなり、内部ロジック回路25の動作
を不安定にさせることが少なくなるので、受信電力の制
御をより正確に行うことができる。
【0032】
【実施例】以下に本発明による非接触応答装置の実施例
を説明する。非接触応答装置のアンテナ回路のインピー
ダンスは、コイルL21のインダクタンス、2つの容量
素子C21,C22の容量、内部回路の抵抗成分などに
よって変わるため、容量切替回路で用いる容量素子の容
量は、一概には言えない。このため、回路全体の特性値
と、消費電力のPH、PLをまず決定し、それから逆に
PHとPLを制御するために必要となる容量を求めるこ
とが必要である。しかし、概して言えば通常は10〜5
00pF位の間の値が適当になる。これは、10pF以
下を切り替えるのでは、インピーダンスの変化度が不十
分であり、また逆に500pFを超えると変化が大きす
ぎるためである。
【0033】[実施例1]実施例1は、第1の実施の形
態で説明した非接触応答装置を非接触ICカードに適用
したものであり、その構成と動作は先に説明した第1の
実施の形態と同じであるので説明を省略する。図1を参
照すると、この非接触ICカードは、容量切替回路21
を構成する容量素子Cv1が容量100pFのコンデン
サで構成され、電子スイッチS1が電界効果トランジス
タ(FET)で構成されている。この電子スイッチS1
を開閉する信号は、FETのゲートに接続されており、
初期状態でオフ(スイッチ開)となるように構成されて
いる。この容量切替回路21は、電子スイッチS1がオ
フのときに受信電力レベルがPHとなり、オン(スイッ
チ閉)のときに電力レベルがPLとなる。
【0034】この非接触ICカードを質問装置1である
リーダーライタの電磁界に挿入すると、容量切替回路2
1は初期状態のままでPHレベルの電力を受信すること
が可能であり、内部ロジック回路25がリセットされて
アイドル状態となる。この段階で、CPU25aが質問
の待機状態になったと判断して電子スイッチS1をオン
する。これにより、アンテナ回路20のインピーダンス
が変化し、数μsの時間で受信電力レベルが変化してP
Lになる。この状態で保持している際に、リーダーライ
タ(質問装置1)から質問を受信すると、CPU25a
は電子スイッチS1をオフにする。これにより、アンテ
ナ回路20のインピーダンスが変化し、数μsの時間で
受信電力レベルが変化してPHになる。以後は、この2
状態を通信状態に応じて繰り返す。この非接触ICカー
ドは、質問装置1であるリーダーライタとの相互の位置
や角度が固定された状態でデータ伝送を行う場合に用い
て待機状態での受信電力量を削減することができる。
【0035】[実施例2]実施例2は、第2の実施の形
態で説明した非接触応答装置を非接触ICカードに適用
したものであり、その構成と動作は先に説明した第2の
実施の形態と同じであるので説明を省略する。図4を参
照すると、この非接触ICカードは、電圧検出回路27
が整流回路22の出力電圧を検出し、内部ロジック回路
25にステータスを出力する。また、容量切替回路21
は、30pF、50pF、100pFの容量を有する3
つの容量スイッチを有しており、各容量スイッチは並列
に接続されている。この場合、容量素子はコンデンサで
あり、電子スイッチはFETである。各電子スイッチを
開閉する信号が内部ロジック回路25から1対1で各F
ETのゲートに接続されており、初期状態でオフ(スイ
ッチ開)となるように構成されている。
【0036】この容量切替回路21は、各電子スイッチ
が全てオフのときに受信電力レベルがPHとなるように
構成されており、内部ロジック回路25が通信状態およ
び電圧検出回路27の出力状態に基づいて各電子スイッ
チを制御するよう構成されている。この非接触ICカー
ドは、内部ロジック回路25のCPU25aが電圧検出
回路27の出力状態に応じて、3つの電子スイッチのオ
ン・オフを組み合わせて得られる、{0pF、30p
F、50pF、80pF、100pF、130pF、1
50pF、180pF}の容量値の中から適当なものを
選択して切り替えることができるので、リーダーライタ
(質問装置1)の出力特性やリーダーライタと非接触I
Cカードの相互の位置・角度によって受信電力が変動す
ることがあっても、受信する電力を適切に減少させるこ
とが可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、アンテナ回路のインピ
ーダンスを変化させる容量切替回路を設け、内部ロジッ
ク回路が、自装置が質問装置からの質問データを待つ待
機状態になったとき、質問装置からの受信電力量が質問
データの認識に最低限必要な電力量PLとなるようアン
テナ回路の受電効率を低下させ、自装置に対する質問デ
ータを受信したとき、受信電力量が応答波の生成・送信
に最低限必要な電力量PH(PL<PH)となるようア
ンテナ回路の受電効率を増大させるように容量切替回路
を制御するという簡単な構成で、非接触応答装置の伝送
モードにおける電力消費量を適切な量に設定することが
でき、かつ待機状態における電力消費量を低減すること
ができるので、非接触通信システムにおける電力消費の
効率を向上させることができる。また、待機状態におけ
る非接触応答装置の電力消費量を低減させる結果、非接
触応答装置の発熱を抑制することができる。
【0038】また、容量切替回路を、容量素子と電子ス
イッチとを直列に接続した容量スイッチで構成し、この
容量スイッチを少なくとも1組備えて、アンテナ回路と
並列に接続したので、簡単な構成の回路でアンテナ回路
のインピーダンスを変化させることができる。また、整
流回路の出力電圧を検出する電圧検出回路をさらに設
け、容量切替回路を複数の容量スイッチで構成し、内部
ロジック回路を電圧検出回路の出力状態に応じて容量切
替回路中の各電子スイッチの開閉状態を制御するよう構
成したので、質問装置の出力特性や質問装置と非接触応
答装置の相互の位置・角度によって受信電力が変動する
ことがあっても、受信する電力を適切に減少させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態となる非接触通信
システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 質問装置からの質問と非接触応答装置からの
応答のタイミング、およびその際の非接触応答装置の受
信電力量を時系列的に表したタイミングチャートであ
る。
【図3】 図1の内部ロジック回路の動作を示すフロー
チャートである。
【図4】 本発明の第2の実施の形態となる非接触通信
システムの構成を示すブロック図である。
【図5】 図4の内部ロジック回路の動作を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…質問装置、2,3…非接触応答装置、10…キャリ
ア波発生回路、11,20…アンテナ回路、21…容量
切替回路、22…整流回路、23…定電圧回路、24…
復調回路、25…内部ロジック回路、26…変調回路、
27…電圧検出回路、25a…CPU、25b…RO
M、25c…RAM、25d…不揮発メモリ、25e…
カウンタ、C11,C12,C21,C22,Cv1〜
Cvn…容量素子、CS,CS1〜CSn…容量スイッ
チ、L11,L21…コイル、S1〜Sn…電子スイッ
チ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉澤 正浩 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 竹田 忠雄 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2C005 MA29 MA31 NA09 TA22 5B035 CA13 CA23 5B058 CA17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質問装置からのキャリア波を受信すると
    共に前記質問装置への応答波を送信するアンテナ回路
    と、このアンテナ回路で受信した前記キャリア波から自
    装置の駆動用電力を得る整流回路と、前記キャリア波か
    ら自装置に対する質問データを取得したとき、この質問
    データに対する応答データを生成して、前記アンテナ回
    路から応答波として送信させる内部ロジック回路とを備
    え、電磁誘導を用いて非接触状態で前記質問装置から電
    力供給を受けると共に前記質問装置との間でデータ通信
    を行う非接触応答装置において、 前記アンテナ回路のインピーダンスを変化させる容量切
    替回路を有し、 前記内部ロジック回路は、自装置が前記質問装置からの
    質問データを待つ待機状態になったとき、前記質問装置
    からの受信電力量が前記質問データの認識に最低限必要
    な電力量PLとなるよう前記アンテナ回路の受電効率を
    低下させ、自装置に対する前記質問データを受信したと
    き、前記受信電力量が前記応答波の生成・送信に最低限
    必要な電力量PH(PL<PH)となるよう前記受電効
    率を増大させるように前記容量切替回路を制御すること
    を特徴とする非接触応答装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の非接触応答装置におい
    て、 前記容量切替回路は、容量素子と電子スイッチとを直列
    に接続した容量スイッチを少なくとも1組備え、 前記容量スイッチは、前記アンテナ回路と並列に接続さ
    れていることを特徴とする非接触応答装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の非接触応答装置におい
    て、 前記整流回路の出力電圧を検出する電圧検出回路をさら
    に有し、 前記容量切替回路は、前記容量スイッチを複数有し、 前記内部ロジック回路は、前記電圧検出回路の出力状態
    に応じて前記容量切替回路中の各電子スイッチの開閉状
    態を制御するよう構成されていることを特徴とする非接
    触応答装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の非接触応答装置におい
    て、 前記非接触応答装置は、ICカードであることを特徴と
    する非接触応答装置。
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