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JP2002060647A - アニリンブラック着色剤組成物とそれを用いてなる黒色顔料組成物 - Google Patents

アニリンブラック着色剤組成物とそれを用いてなる黒色顔料組成物

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JP2002060647A
JP2002060647A JP2000252069A JP2000252069A JP2002060647A JP 2002060647 A JP2002060647 A JP 2002060647A JP 2000252069 A JP2000252069 A JP 2000252069A JP 2000252069 A JP2000252069 A JP 2000252069A JP 2002060647 A JP2002060647 A JP 2002060647A
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JP
Japan
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black
water
pigment composition
aniline black
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JP2000252069A
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Masahiro Seki
匡宏 関
Hirotaka Nishino
大貴 西野
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Sakura Color Products Corp
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Sakura Color Products Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】経時的な増粘やゲル化が起こらず、経時安定性
にすぐれる黒色顔料組成物を与えるアニリンブラック着
色剤組成物と、このようなアニリンブラック着色剤を用
いてなる黒色顔料組成物を提供する。 【解決手段】本発明によれば、塩基性化合物にてpHを
5.5以上としたことを特徴とするアニリンブラック着色
剤組成物が提供される。更に、本発明によれば、溶剤と
しての水と、このようなアニリンブラック着色剤組成物
と、糊剤としての水溶性高分子物質とを含む黒色顔料組
成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経時的に増粘やゲ
ル化の起こらない黒色顔料組成物を与えるアニリンブラ
ック着色剤組成物と、そのようなアニリンブラック着色
剤組成物を用いてなる黒色顔料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、黒色顔料組成物は、通常、着色剤
としてアニリンブラックを含むと共に、糊剤としてカル
ボキシメチルセルロースやデキストリン等の水溶性高分
子物質と、溶媒又は分散媒としての水とを含み、その
他、必要に応じて、グリセリンのような湿潤剤やシリカ
等の体質顔料を含む組成物である。
【0003】このようなアニリンブラックを着色剤とす
る黒色顔料組成物は、従来、経時的に増粘し、ゲル化
(硬化)する傾向がある。特に、糊剤として、上述した
ようなカルボキシメチルセルロースやデキストリン等の
半合成水溶性高分子物質を用いたときに、この傾向が著
しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題を解決するためになされたものであって、経時的な増
粘やゲル化が起こらず、経時安定性にすぐれる黒色顔料
組成物を与えるアニリンブラック着色剤組成物と、この
ようなアニリンブラック着色剤を用いてなる黒色顔料組
成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、塩基性
化合物にてpHを5.5以上としたことを特徴とするアニ
リンブラック着色剤組成物が提供される。
【0006】更に、本発明によれば、溶剤としての水
と、このようなアニリンブラック着色剤組成物と、糊剤
としての水溶性高分子物質とを含む黒色顔料組成物が提
供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明によるアニリンブラック着
色剤組成物は、アニリンブラックを塩基性化合物にて処
理して、そのpHを5.5以上、好ましくは、6.0〜11.
0の範囲としたものである。即ち、本発明によるアニリ
ンブラック着色剤組成物は、これを黒色着色剤として用
いてなる黒色顔料組成物の経時的な増粘やゲル化を防止
するために、アニリンブラックに塩基性物質を加えて、
そのpHを5.5以上、好ましくは、6.0〜11.0の範囲
としたものである。
【0008】このような塩基性物質としては、無機化合
物及び有機化合物のいずれでもよく、無機化合物として
は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水
酸化アルカリ金属が好ましく用いられ、他方、有機化合
物としては、トリエタノールアミン、トリイソプロパノ
ールアミン等のトリアルカノールアミンが好ましく用い
られる。
【0009】アニリンブラック着色剤組成物のpHが5.
5よりも小さいときは、このようなアニリンブラック着
色剤組成物を用いてなる黒色顔料組成物の経時的な増粘
やゲル化を十分に防止することができず、他方、pHが
11.0を越えるときは、得られる黒色顔料組成物の発色
が赤味を帯びるので好ましくない。
【0010】アニリンブラックを着色剤として用いてな
る黒色顔料組成物が経時的に増粘し、ゲル化するのは、
アニリンブラックの製造に際して用いられる銅塩に関連
するものとみられる。即ち、従来、アニリンブラック
は、アニリンや塩酸アニリンを硫酸銅、硝酸銅、塩化銅
のような銅塩を触媒としてアニリンを酸化し、縮合させ
ることによって製造されている。従って、一般に、アニ
リンブラックは、通常、4.6以下のpHを有すると共
に、1%程度の銅イオンを含んでおり、この銅イオンが
黒色顔料組成物の水溶性高分子物質、特に、分子中にカ
ルボキシル基を有する水溶性高分子物質(例えば、カル
ボキシメチルセルロースやデキストリン等)のカルボキ
シル基を架橋させて、増粘させ、遂には、黒色顔料組成
物をゲル化させるものとみられる。
【0011】このように、アニリンブラックは、通常、
4.6以下のpHを有する粉末として入手することがで
き、ここに、本発明によるアニリンブラック着色剤組成
物は、このような酸性のアニリンブラックを水酸化アル
カリ金属のような塩基性物質にて処理して、そのpHが
5.5以上とされているので、銅イオンは上記水酸化アル
カリ金属に由来する水酸化物イオンによって、水酸化物
としてアニリンブラック着色剤組成物中に固定されてい
る。
【0012】その結果として、このようなアニリンブラ
ック着色剤組成物を黒色着色剤として用いてなる黒色顔
料組成物においては、上述したように、アニリンブラッ
クに由来する銅イオンがカルボキシル基を有する水溶性
高分子物質のカルボキシル基を架橋させることはなく、
かくして、経時的な増粘やゲル化が起こらないものとみ
られる。同様に、塩基性物質としてトリアルカノールア
ミンを用いる場合も、水と作用して水酸化物イオンを生
成するので、銅イオンは水酸化物としてアニリンブラッ
ク着色剤組成物中に固定される。
【0013】このように、本発明によるアニリンブラッ
ク着色剤組成物は、原料のアニリンブラックが4.6以下
のpHを有する酸性のものであっても、これをアルカリ
処理して、そのpHを5.5以上、好ましくは、6.0〜1
1.0の範囲としたものであり、従って、このようなアニ
リンブラック着色剤組成物を用いて得られる黒色顔料組
成物は、経時的な増粘やゲル化を起こさないのである。
【0014】次に、本発明による黒色顔料組成物は、溶
剤としての水と、上述したようなアニリンブラック着色
剤組成物と、糊剤としての水溶性高分子物質とを含むも
のである。
【0015】黒色顔料組成物において、アニリンブラッ
ク着色剤組成物の配合割合は、アニリンブラックとし
て、通常、3〜50重量%の範囲であり、好ましくは、
5〜40重量%の範囲である。アニリンブラックの配合
割合が余りに高いときは、得られる顔料組成物の粘度が
高すぎるので、例えば、絵具組成物として用いる場合、
描画に際して、筆さばきが悪くなったり、チューブ容器
から絵具を出し難い。また、顔料濃度が高すぎるので、
混色して用い辛い。しかし、配合割合が余りに低いとき
は、所要の濃度を得ることができず、また、発色も悪
い。本発明による黒色顔料組成物においては、必要に応
じて、アニリンブラックと共に、他の着色剤を併用して
もよい。
【0016】本発明による黒色顔料組成物においては、
糊剤として、水溶性高分子物質が用いられる。水溶性高
分子物質は、従来、顔料組成物において、糊剤として知
られているものであれば、天然品、半合成品、合成品の
いずれも用いられる。従って、このような水溶性高分子
物質の具体例として、例えば、アラビアガム、アルキル
化デンプン、デキストリン、カルボキシメチルセルロ−
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、プルラン、ペクチン等を挙げることができる。こ
のような水溶性高分子物質は、本発明による黒色顔料組
成物において、通常、5〜50重量%、好ましくは、1
0〜45重量%の範囲で配合される。
【0017】水溶性高分子物質の配合割合が余りに多い
ときは、得られる黒色顔料組成物の粘度が高くなりすぎ
るほか、発色が透明調になる。他方、その配合割合が余
りに少ないときは、得られる黒色顔料組成物において、
アニリンブラックの分散性が悪く、また、顔料の定着性
も悪くなる。
【0018】本発明によれば、特に、糊剤として、分子
中にカルボキシル基を有する水溶性高分子物質、例え
ば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アル
キル化デンプン等を用いるときに、得られる黒色顔料組
成物において起こりやすい経時的な増粘やゲル化を有効
に防止することができる。
【0019】本発明において、水は、黒色顔料組成物に
おける溶媒又は分散媒として働くものであって、顔料組
成物において、通常、20〜60重量%、好ましくは、
25〜45重量%の範囲で用いられる。
【0020】この溶媒又は分散媒としての水の割合が余
りに多いときは、得られる顔料組成物の粘度が過度に低
くなって、アニリンブラックが分離する等、保存性に劣
るようになり、他方、水の配合割合が余りに少ないとき
は、上記水溶性高分子物質が十分に溶解しなかったり、
得られる顔料組成物の粘度が高くなりすぎる。
【0021】本発明による黒色顔料組成物においては、
必要に応じて、アニリンブラックと共に、ケイ酸アルミ
ニウム、シリカ、ベントナイト、硫酸バリウム等の体質
顔料が顔料組成物のpHを考慮して適宜に用いられる。
体質顔料は、通常、40重量%以下、好ましくは、20
重量%以下の範囲で用いられる。
【0022】本発明による黒色顔料組成物は、必要に応
じて、湿潤剤、防腐・防かび剤、防錆剤、増粘剤、脱泡
・消泡剤、界面活性剤等を適宜、有していてもよい。
【0023】湿潤剤は、顔料組成物の乾燥性を最適に調
節するほか、凍結防止や再溶解性向上剤等として用いら
れるものであり、例えば、グリセリン、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ソルビトール等の多価アルコールやグリコール類が
好ましく用いられる。
【0024】このような湿潤剤は、顔料組成物におい
て、好ましくは、3〜20重量%、特に、6〜12重量
%の範囲で用いられる。湿潤剤の配合割合が余りに多い
ときは、得られる顔料組成物の塗膜が乾燥し難く、使い
勝手が悪い。しかし、湿潤剤の配合割合が余りに少ない
ときは、得られる顔料組成物の塗膜が乾燥した後、ひび
割れを起こしやすい。
【0025】本発明による黒色顔料組成物は、前述した
ように、アニリンブラックを予め塩基性化合物で処理し
て、そのpHを5.5以上、好ましくは、6.0〜11.0の
範囲としたアニリンブラック着色剤を調製し、これを溶
剤としての水と、糊剤としての水溶性高分子物質と共に
混合し、更に、必要に応じて、湿潤剤やその他の成分を
混合することによって得ることができる。
【0026】本発明による黒色顔料組成物は、黒色の絵
具組成物、インキ組成物、ポスターカラー等に好適に用
いることができる。
【0027】例えば、本発明による絵具組成物は、好ま
しくは、上記混合物を更にロール練りすることによって
得ることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0029】実施例1 下記成分のメジウムを調製した。メジウムとは、糊剤と
湿潤剤を水に溶解させたものをいう。 (メジウム) カルボキシメチルセルロース 4.0重量% デキストリン 30.0重量% アルキル化デンプン 6.0重量% グリセリン 11.0重量% 助剤 1.5重量% 水 47.5重量%
【0030】次に、市販のアニリンブラック(pH4.
6)粉末を水に分散させてスラリーとし、これに水酸化
ナトリウム水溶液を加え、攪拌して、そのpHを種々の
値に調整した後、濾過、乾燥して、粉末状のアニリンブ
ラック着色剤組成物を得た。
【0031】水と上記メジウムと上記アニリンブラック
着色剤組成物に表1に示す体質顔料と防腐・防かび剤を
混合、攪拌した後、ロール練りして、黒色絵具組成物を
得た。これらの絵具組成物のそれぞれについて、調製直
後のpH値(初期pH値)、絵具組成物の経時の増粘と
ゲル化の有無、発色状態を調べた。結果を表1に示す。
【0032】絵具組成物の経時の増粘とゲル化の有無
は、絵具組成物を容器中に密閉し、温度70℃の恒温器
中に10日間放置したとき、増粘、ゲル化がみられたと
きを×、少し増粘、ゲル化がみられたときを△、増粘、
ゲル化がないときを○とした。また、発色性は、絵具組
成物/水=重量比5/1にてよく混ぜ合わせ、平筆を用
いて、画用紙に3回重ね塗りし、乾燥させ、塗膜を形成
して、目視にて観察し、よいときを○、悪いときを×と
した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によるアニリンブ
ラック着色剤組成物は、塩基性物質にて処理して、その
pHが5.5以上とされており、従って、このようなアニ
リンブラック着色剤組成物を用いてなる黒色顔料組成物
においては、アニリンブラックに由来する経時的な増粘
やゲル化が起こらず、経時安定性にすぐれており、例え
ば、黒色絵具組成物、インキ組成物、ポスターカラー等
に好適に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 17/00 C09D 17/00 201/00 201/00 Fターム(参考) 4J037 AA30 CA10 CC02 CC11 CC15 EE28 FF05 FF23 4J038 BA011 BA091 BA121 CE021 CK031 HA156 HA176 JB31 KA08 MA08 MA10 NA26 PB02 4J039 AB01 AB02 AD06 AD23 BA14 BA29 BC33 BC51 BC68 BE01 CA06 EA19 EA44

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性化合物にてpHを5.5以上としたこ
    とを特徴とするアニリンブラック着色剤組成物。
  2. 【請求項2】塩基性化合物が水酸化アルカリ金属である
    請求項1に記載のアニリンブラック着色剤組成物。
  3. 【請求項3】pHを6.0〜11.0の範囲とした請求項1
    に記載のアニリンブラック着色剤組成物。
  4. 【請求項4】溶剤としての水と、請求項1から3のいず
    れかに記載のアニリンブラック着色剤組成物と、糊剤と
    しての水溶性高分子物質とを含む黒色顔料組成物。
  5. 【請求項5】糊剤が分子中にカルボキシル基を有する水
    溶性高分子物質である請求項4に記載の黒色顔料組成
    物。
  6. 【請求項6】請求項4又は5に記載の黒色顔料組成物を
    含む黒色絵具組成物。
  7. 【請求項7】請求項4又は5に記載の黒色顔料組成物を
    含む黒色インキ組成物。
  8. 【請求項8】溶剤としての水と、請求項1から3のいず
    れかに記載のアニリンブラック着色剤組成物と、糊剤と
    しての水溶性高分子物質とを混合することを特徴とする
    黒色顔料組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】糊剤が分子中にカルボキシル基を有する水
    溶性高分子物質である請求項8に記載の黒色顔料組成物
    の製造方法。
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