JP2002058470A - 微小ケミカルデバイス用温度調節装置及び温度調節方法 - Google Patents
微小ケミカルデバイス用温度調節装置及び温度調節方法Info
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- JP2002058470A JP2002058470A JP2000247592A JP2000247592A JP2002058470A JP 2002058470 A JP2002058470 A JP 2002058470A JP 2000247592 A JP2000247592 A JP 2000247592A JP 2000247592 A JP2000247592 A JP 2000247592A JP 2002058470 A JP2002058470 A JP 2002058470A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明が解決しようとする課題は、一般に正
確な温度測定が困難である微小ケミカルデバイス中の微
小な所望領域を容易、且つ正確に温度調節することが出
来る微小ケミカルデバイス用温度調節装置、及び温度調
節方法を提供することにある。 【解決手段】 毛細管状の流路と一つ以上の設定希望温
度領域を有するフィルム状又は板状の微小ケミカルデバ
イスの表裏両外面に接する、設定希望温度±10℃の温
度範囲に設定された一つ以上の温度調節ブロックを有す
る微小ケミカルデバイス用温度調節装置、及びフィルム
状又は板状の微小ケミカルデバイスの表裏両外面に、設
定希望温度±10℃の温度範囲に設定された物体を接触
させる微小ケミカルデバイスの温度調節方法。
確な温度測定が困難である微小ケミカルデバイス中の微
小な所望領域を容易、且つ正確に温度調節することが出
来る微小ケミカルデバイス用温度調節装置、及び温度調
節方法を提供することにある。 【解決手段】 毛細管状の流路と一つ以上の設定希望温
度領域を有するフィルム状又は板状の微小ケミカルデバ
イスの表裏両外面に接する、設定希望温度±10℃の温
度範囲に設定された一つ以上の温度調節ブロックを有す
る微小ケミカルデバイス用温度調節装置、及びフィルム
状又は板状の微小ケミカルデバイスの表裏両外面に、設
定希望温度±10℃の温度範囲に設定された物体を接触
させる微小ケミカルデバイスの温度調節方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学工業、生化学
工業、農業、林業、水産業、医療、食品工業、製薬工
業、環境保全、犯罪捜査、スポーツ等の広範な分野にお
いて使用される、部材中に微小な流路を有する微小ケミ
カルデバイス、例えば、化学、生化学などの微小反応デ
バイス(マイクロリアクター)や、集積型DNA分析デ
バイス、微小電気泳動デバイス、微小クロマトグラフィ
ーデバイス、微小膜分離デバイス、微小抽出デバイス等
の化学、生化学などの微小分析デバイス用の温度調節デ
バイスおよび温度調節方法に関する。
工業、農業、林業、水産業、医療、食品工業、製薬工
業、環境保全、犯罪捜査、スポーツ等の広範な分野にお
いて使用される、部材中に微小な流路を有する微小ケミ
カルデバイス、例えば、化学、生化学などの微小反応デ
バイス(マイクロリアクター)や、集積型DNA分析デ
バイス、微小電気泳動デバイス、微小クロマトグラフィ
ーデバイス、微小膜分離デバイス、微小抽出デバイス等
の化学、生化学などの微小分析デバイス用の温度調節デ
バイスおよび温度調節方法に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は板状やフィルム状
の微小ケミカルデバイスを温度調節する装置および方法
に関し、微小ケミカルデバイスの微小領域を正確に温度
調節する方法および装置に関する。中でもマイクロリア
クター、とりわけピー・シー・アール(PCR:ポリメ
ラーゼ連鎖反応、以下、PCRと記述する。)デバイス
用として有用である。
の微小ケミカルデバイスを温度調節する装置および方法
に関し、微小ケミカルデバイスの微小領域を正確に温度
調節する方法および装置に関する。中でもマイクロリア
クター、とりわけピー・シー・アール(PCR:ポリメ
ラーゼ連鎖反応、以下、PCRと記述する。)デバイス
用として有用である。
【0003】
【従来の技術】微小ケミカルデバイスとして、シリコ
ン、石英、ガラス、重合体などの基材に、エッチング法
により細い溝状の流路を形成し、必要に応じてカバーを
装着して溝状の流路を毛細管状の流路と成し、液体流
路、流路状反応槽、分離用ゲルチャンネルなどとするこ
とが知られており、このような微小ケミカルデバイスの
特定の領域を加温する機構として、電気ヒーターを組み
込む方法が報告されている(例えば、「サイエンス」、
1998年、第282巻、第484頁)。
ン、石英、ガラス、重合体などの基材に、エッチング法
により細い溝状の流路を形成し、必要に応じてカバーを
装着して溝状の流路を毛細管状の流路と成し、液体流
路、流路状反応槽、分離用ゲルチャンネルなどとするこ
とが知られており、このような微小ケミカルデバイスの
特定の領域を加温する機構として、電気ヒーターを組み
込む方法が報告されている(例えば、「サイエンス」、
1998年、第282巻、第484頁)。
【0004】しかしながら、微小な部分を正確に温度調
節することは極めて困難であり、設定温度と実温の乖離
が大きくなりがちであった。その理由の第1は微小な部
分の正確な温度検出の困難さにあり、理由の第2は、温
度調節すべき部分の表面積が該部分の体積に比して非常
に大きいために、熱の出入りが大きく、安定した温度調
節が困難であることにあった。
節することは極めて困難であり、設定温度と実温の乖離
が大きくなりがちであった。その理由の第1は微小な部
分の正確な温度検出の困難さにあり、理由の第2は、温
度調節すべき部分の表面積が該部分の体積に比して非常
に大きいために、熱の出入りが大きく、安定した温度調
節が困難であることにあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、一般に正確な温度測定が困難である微小ケ
ミカルデバイス中の微小な所望領域を容易、且つ正確に
温度調節することが出来る微小ケミカルデバイス用温度
調節装置、及び温度調節方法を提供することにある。
する課題は、一般に正確な温度測定が困難である微小ケ
ミカルデバイス中の微小な所望領域を容易、且つ正確に
温度調節することが出来る微小ケミカルデバイス用温度
調節装置、及び温度調節方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する方法について鋭意検討した結果、板状やフィ
ルム状の微小ケミカルデバイスの温度調節すべき部分の
両面に、別途温度調節された物質を接触させることで、
上記の問題が解決され、微小な部分の正確な温度調節が
可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
を解決する方法について鋭意検討した結果、板状やフィ
ルム状の微小ケミカルデバイスの温度調節すべき部分の
両面に、別途温度調節された物質を接触させることで、
上記の問題が解決され、微小な部分の正確な温度調節が
可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、(1)毛細管状の流路と
一つ以上の設定希望温度領域を有するフィルム状又は板
状の微小ケミカルデバイスの表裏両外面に接する、設定
希望温度±10℃の温度範囲に設定された一つ以上の温
度調節ブロックを有する微小ケミカルデバイス用温度調
節装置と、
一つ以上の設定希望温度領域を有するフィルム状又は板
状の微小ケミカルデバイスの表裏両外面に接する、設定
希望温度±10℃の温度範囲に設定された一つ以上の温
度調節ブロックを有する微小ケミカルデバイス用温度調
節装置と、
【0008】(2)温度調節ブロックと微小ケミカルデ
バイスとの接触部面積が各1×10-8m2〜1×10-4
m2である(1)に記載の微小ケミカルデバイス用温度
調節装置と、
バイスとの接触部面積が各1×10-8m2〜1×10-4
m2である(1)に記載の微小ケミカルデバイス用温度
調節装置と、
【0009】(3)設定希望温度領域が微小ケミカルデ
バイスの一部の領域である(1)に記載の微小ケミカル
デバイス用温度調節装置と、
バイスの一部の領域である(1)に記載の微小ケミカル
デバイス用温度調節装置と、
【0010】(4)温度調節ブロックが、微小ケミカル
デバイスの同一又は異なる温度の複数の設定希望温度領
域にそれぞれ接する(1)〜(3)のいずれか一つに記
載の微小ケミカルデバイス用温度調節装置と、
デバイスの同一又は異なる温度の複数の設定希望温度領
域にそれぞれ接する(1)〜(3)のいずれか一つに記
載の微小ケミカルデバイス用温度調節装置と、
【0011】(5)微小ケミカルデバイスの厚さが10
μm〜10mmである(1)〜(4)のいずれか1に記
載の微小ケミカルデバイス用温度調節装置と、
μm〜10mmである(1)〜(4)のいずれか1に記
載の微小ケミカルデバイス用温度調節装置と、
【0012】(6)微小ケミカルデバイスがマイクロリ
アクターである(1)〜(5)のいずれか1に記載の微
小ケミカルデバイス用温度調節装置と、
アクターである(1)〜(5)のいずれか1に記載の微
小ケミカルデバイス用温度調節装置と、
【0013】(7)マイクロリアクターがピー・シー・
アール(PCR)デバイスである(6)に記載の微小ケ
ミカルデバイス用温度調節装置と、
アール(PCR)デバイスである(6)に記載の微小ケ
ミカルデバイス用温度調節装置と、
【0014】(8)毛細管状の流路と一つ以上の設定希
望温度領域を有するフィルム状又は板状の微小ケミカル
デバイスの表裏両外面に、設定希望温度±10℃の温度
範囲に設定された物体を接触させる微小ケミカルデバイ
スの温度調節方法と、
望温度領域を有するフィルム状又は板状の微小ケミカル
デバイスの表裏両外面に、設定希望温度±10℃の温度
範囲に設定された物体を接触させる微小ケミカルデバイ
スの温度調節方法と、
【0015】(9)設定希望温度領域が、同一又は異な
る温度の複数の領域である(8)に記載の微小ケミカル
デバイスの温度調節方法と、
る温度の複数の領域である(8)に記載の微小ケミカル
デバイスの温度調節方法と、
【0016】(10)微小ケミカルデバイスの厚さが1
0μm〜10mmである(8)又は(9)に記載の微小
ケミカルデバイスの温度調節方法と、
0μm〜10mmである(8)又は(9)に記載の微小
ケミカルデバイスの温度調節方法と、
【0017】(11)微小ケミカルデバイスがマイクロ
リアクターである(8)〜(10)のいずれか1つに記
載の微小ケミカルデバイスの温度調節方法と、及び、
リアクターである(8)〜(10)のいずれか1つに記
載の微小ケミカルデバイスの温度調節方法と、及び、
【0018】(12)マイクロリアクターがピー・シー
・アール(PCR)デバイスである(11)に記載の微
小ケミカルデバイスの温度調節方法とを含むものであ
る。
・アール(PCR)デバイスである(11)に記載の微
小ケミカルデバイスの温度調節方法とを含むものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に於いて温度調節(以下、
温度調節を単に温調と称する場合がある)すべき微小ケ
ミカルデバイスは、フィルム状又は板状の部材中に毛細
管状の流路を有するものであり、厚さは10μm〜10
mmであり、好ましくは5mm以下、最も好ましくは2
mm以下である。これより厚いと、設定希望温度領域が
微小である場合に温調精度が低下しがちである。厚さの
下限は、温調精度の点からは特に限定を設けることを要
しないが、デバイスの製造の困難さの点から、好ましく
は10μm以上、さらに好ましくは50μm以上であ
る。
温度調節を単に温調と称する場合がある)すべき微小ケ
ミカルデバイスは、フィルム状又は板状の部材中に毛細
管状の流路を有するものであり、厚さは10μm〜10
mmであり、好ましくは5mm以下、最も好ましくは2
mm以下である。これより厚いと、設定希望温度領域が
微小である場合に温調精度が低下しがちである。厚さの
下限は、温調精度の点からは特に限定を設けることを要
しないが、デバイスの製造の困難さの点から、好ましく
は10μm以上、さらに好ましくは50μm以上であ
る。
【0020】また、微小ケミカルデバイスの設定希望温
度領域に於ける毛細管状の流路の該デバイス外表面から
の距離(表面または裏面からの深さの小さい方)は、好
ましくは3mm以下、さらに好ましくは1mm以下、最
も好ましくは0.5mm以下である。これより距離が大
きいと、特に流路内で発熱反応や吸熱反応が行われる場
合、設定希望温度領域とその周辺部との温度差が大であ
る場合、設定希望温度領域が微小である場合などに温調
精度が低下しがちである。該距離の下限は、温調精度の
点からは限定を設けることを要しないが、デバイスの製
造の困難さの点から、好ましくは2μm以上、さらに好
ましくは5μm以上である。
度領域に於ける毛細管状の流路の該デバイス外表面から
の距離(表面または裏面からの深さの小さい方)は、好
ましくは3mm以下、さらに好ましくは1mm以下、最
も好ましくは0.5mm以下である。これより距離が大
きいと、特に流路内で発熱反応や吸熱反応が行われる場
合、設定希望温度領域とその周辺部との温度差が大であ
る場合、設定希望温度領域が微小である場合などに温調
精度が低下しがちである。該距離の下限は、温調精度の
点からは限定を設けることを要しないが、デバイスの製
造の困難さの点から、好ましくは2μm以上、さらに好
ましくは5μm以上である。
【0021】温調すべき微小ケミカルデバイスを構成す
る素材は任意であり、シリコン、石英、ガラス、有機重
合体等であり得るが、有機重合体であることが、熱伝導
率が低いために、該デバイス内に異なる温度の微小な温
度領域を形成しやすく、また本発明の効果が発揮されや
すいため好ましい。
る素材は任意であり、シリコン、石英、ガラス、有機重
合体等であり得るが、有機重合体であることが、熱伝導
率が低いために、該デバイス内に異なる温度の微小な温
度領域を形成しやすく、また本発明の効果が発揮されや
すいため好ましい。
【0022】本発明の装置及び方法は、微小ケミカルデ
バイス内に設けられた設定希望温度領域を温度調節する
ものである。設定希望温度領域は、温度調節すべき微小
ケミカルデバイス内に1つ以上設けられ、該領域の流路
を設定希望温度に調節する。
バイス内に設けられた設定希望温度領域を温度調節する
ものである。設定希望温度領域は、温度調節すべき微小
ケミカルデバイス内に1つ以上設けられ、該領域の流路
を設定希望温度に調節する。
【0023】設定希望温度領域は微小ケミカルデバイス
全体であっても良いが、該デバイス内に設定希望温度領
域以外の領域を有していても良い。設定希望温度領域
は、同一温度または異なる温度の複数の領域であっても
良い。本発明は特にデバイス内に設定希望温度領域以外
の領域を有する場合や、設定希望温度領域が複数の領域
である場合に効果を発揮する。この点から、本発明が適
用される微小ケミカルデバイスはマイクロリアクターで
ある場合に好適であり、PCRデバイスである場合に特
に好適である。
全体であっても良いが、該デバイス内に設定希望温度領
域以外の領域を有していても良い。設定希望温度領域
は、同一温度または異なる温度の複数の領域であっても
良い。本発明は特にデバイス内に設定希望温度領域以外
の領域を有する場合や、設定希望温度領域が複数の領域
である場合に効果を発揮する。この点から、本発明が適
用される微小ケミカルデバイスはマイクロリアクターで
ある場合に好適であり、PCRデバイスである場合に特
に好適である。
【0024】本発明は、設定希望温度領域に、微小ケミ
カルデバイスの表裏両外表面から、設定希望温度±10
℃、好ましくは、設定希望温度±5℃、更に好ましくは
希望設定温度±1℃の温度範囲に設定された物体を接触
させることにより、設定希望温度領域を設定希望温度に
温調する。物体の温度は、それぞれ上記範囲であれば微
小ケミカルデバイスの表裏で同じであっても良いし、異
なっていても良いが、同じであることが好ましい。
カルデバイスの表裏両外表面から、設定希望温度±10
℃、好ましくは、設定希望温度±5℃、更に好ましくは
希望設定温度±1℃の温度範囲に設定された物体を接触
させることにより、設定希望温度領域を設定希望温度に
温調する。物体の温度は、それぞれ上記範囲であれば微
小ケミカルデバイスの表裏で同じであっても良いし、異
なっていても良いが、同じであることが好ましい。
【0025】物体の温度は、微小ケミカルデバイスの厚
さ、流路内で行われる反応の種類(例えば発熱反応又は
吸熱反応)、設定希望温度領域とその周辺部との温度
差、設定希望温度領域の寸法等により、設定値を上記温
度範囲で変えることが出来る。微小ケミカルデバイスの
厚さが薄い場合には設定希望温度±(1℃以下)とする
ことが好ましい。
さ、流路内で行われる反応の種類(例えば発熱反応又は
吸熱反応)、設定希望温度領域とその周辺部との温度
差、設定希望温度領域の寸法等により、設定値を上記温
度範囲で変えることが出来る。微小ケミカルデバイスの
厚さが薄い場合には設定希望温度±(1℃以下)とする
ことが好ましい。
【0026】微小ケミカルデバイスに接触させる温調さ
れた物体は任意であり、固体、液体、気体、ミストなど
であって良いが、固体(以下、温調された固体を温調ブ
ロックと称する。温調ブロックは形状を問わず、例えば
フィルム状のものも含む)であることが、構成が単純と
なり好ましく、温調ブロックは金属であることが、熱伝
導度が良いためさらに好ましい。接触させる物体の種類
は微小ケミカルデバイスの表裏で異なっていても良い
が、同じであることが好ましい。
れた物体は任意であり、固体、液体、気体、ミストなど
であって良いが、固体(以下、温調された固体を温調ブ
ロックと称する。温調ブロックは形状を問わず、例えば
フィルム状のものも含む)であることが、構成が単純と
なり好ましく、温調ブロックは金属であることが、熱伝
導度が良いためさらに好ましい。接触させる物体の種類
は微小ケミカルデバイスの表裏で異なっていても良い
が、同じであることが好ましい。
【0027】微小ケミカルデバイスに接触させる温調さ
れた物体が温調ブロックである場合、該温調ブロックと
微小ケミカルデバイスとの接触部面積は各1×10-8m
2以上であることが好ましく、各1×10-7m2以上であ
ることがさらに好ましい。接触部面積が過小であると、
高精度の温調が困難となる。
れた物体が温調ブロックである場合、該温調ブロックと
微小ケミカルデバイスとの接触部面積は各1×10-8m
2以上であることが好ましく、各1×10-7m2以上であ
ることがさらに好ましい。接触部面積が過小であると、
高精度の温調が困難となる。
【0028】好ましい接触面積の下限は微小ケミカルデ
バイスの厚さや微小ケミカルデバイス表面から流路まで
の距離にも依存し、微小ケミカルデバイスの厚さが薄い
ほど、また表面から流路までの距離が小さいほど、小面
積でも高精度の温調が可能となる。該接触部面積の上限
は温調精度の面からは限定を設ける必要はないが、微小
ケミカルデバイスの特徴を発揮させるためには各1×1
0-4m2以下であることが好ましく、各1×10-5m2以
下であることがさらに好ましい。
バイスの厚さや微小ケミカルデバイス表面から流路まで
の距離にも依存し、微小ケミカルデバイスの厚さが薄い
ほど、また表面から流路までの距離が小さいほど、小面
積でも高精度の温調が可能となる。該接触部面積の上限
は温調精度の面からは限定を設ける必要はないが、微小
ケミカルデバイスの特徴を発揮させるためには各1×1
0-4m2以下であることが好ましく、各1×10-5m2以
下であることがさらに好ましい。
【0029】接触させる温調された物体、例えば温調ブ
ロックの温調方法は任意であり、例えば電気ヒーターに
よる温調;ペルチエ素子による温調;温水、冷水、オイ
ル等の液体を内部に流すことによる温調;揮発させた液
化炭酸ガスや液体窒素などの冷気の流量調節による温
調;赤外線、マイクロ波などの電磁波による温調;変動
磁場による温調、およびこれらを複合した方法を例示で
きる。勿論、ここで言う温調とは、一定温度に調節する
ことのみならず、一定の温度範囲からはずれないように
調節することや、昇温、降温、その他プログラムされた
温度調節も含む。
ロックの温調方法は任意であり、例えば電気ヒーターに
よる温調;ペルチエ素子による温調;温水、冷水、オイ
ル等の液体を内部に流すことによる温調;揮発させた液
化炭酸ガスや液体窒素などの冷気の流量調節による温
調;赤外線、マイクロ波などの電磁波による温調;変動
磁場による温調、およびこれらを複合した方法を例示で
きる。勿論、ここで言う温調とは、一定温度に調節する
ことのみならず、一定の温度範囲からはずれないように
調節することや、昇温、降温、その他プログラムされた
温度調節も含む。
【0030】接触させる物体の温調は、微小ケミカルデ
バイスの温度の測定値に基づいて温調されても良いが、
微小ケミカルデバイスの温度を検出することなく、物体
それ自身が温調されているものであることが好ましい。
従って、本発明に於いては、微小ケミカルデバイスの温
度を検出することを要しない。
バイスの温度の測定値に基づいて温調されても良いが、
微小ケミカルデバイスの温度を検出することなく、物体
それ自身が温調されているものであることが好ましい。
従って、本発明に於いては、微小ケミカルデバイスの温
度を検出することを要しない。
【0031】また、微小ケミカルデバイスとの接触と
は、固定された接触状態のみならず、特定の時期に特定
の時間だけ接触させることも含む。接触は、熱伝導度を
増すために、オイルやグリースなどを介しての接触であ
っても良い。本発明の主題は、微小ケミカルデバイスの
設定希望温度領域に、温調された物体、例えば温調ブロ
ックを微小ケミカルデバイスの表裏両外面から接触させ
ることにある。
は、固定された接触状態のみならず、特定の時期に特定
の時間だけ接触させることも含む。接触は、熱伝導度を
増すために、オイルやグリースなどを介しての接触であ
っても良い。本発明の主題は、微小ケミカルデバイスの
設定希望温度領域に、温調された物体、例えば温調ブロ
ックを微小ケミカルデバイスの表裏両外面から接触させ
ることにある。
【0032】従って、微小ケミカルデバイスの設定希望
温度領域が表裏から温調物体で挟持されていればよく、
その他の領域については任意であり、例えば片面に温調
された物体が接触していても良い。しかしながら、微小
ケミカルデバイスの設定希望温度領域のみが温調された
物体で挟持されていることが好ましい。
温度領域が表裏から温調物体で挟持されていればよく、
その他の領域については任意であり、例えば片面に温調
された物体が接触していても良い。しかしながら、微小
ケミカルデバイスの設定希望温度領域のみが温調された
物体で挟持されていることが好ましい。
【0033】即ち、温調された物体の微小ケミカルデバ
イスとの接触部の形状は、表裏で鏡映対称の形状となる
ことが好ましい。勿論、温調された物体は微小ケミカル
デバイスからはずれる部分(微小ケミカルデバイスに接
触しない部分)を有していてもよく、この部分の形状は
任意である。同様の意味で、微小ケミカルデバイスの流
路の存在しない部分に接触する温調された物体の形状に
ついては、その形状は任意である。
イスとの接触部の形状は、表裏で鏡映対称の形状となる
ことが好ましい。勿論、温調された物体は微小ケミカル
デバイスからはずれる部分(微小ケミカルデバイスに接
触しない部分)を有していてもよく、この部分の形状は
任意である。同様の意味で、微小ケミカルデバイスの流
路の存在しない部分に接触する温調された物体の形状に
ついては、その形状は任意である。
【0034】温調を行う設定希望温度領域は複数存在し
ても良い。複数の設定希望温度領域の設定希望温度は、
同じ温度であっても、異なる温度であっても良い。この
場合には、それぞれの温度領域について、上記と同様で
ある。複数の設定希望温度領域は、互いに接触していて
も独立していても良い。
ても良い。複数の設定希望温度領域の設定希望温度は、
同じ温度であっても、異なる温度であっても良い。この
場合には、それぞれの温度領域について、上記と同様で
ある。複数の設定希望温度領域は、互いに接触していて
も独立していても良い。
【0035】微小ケミカルデバイスの設定希望温度領域
以外の温度領域については任意であり、例えば片面に温
調された物体を接触させても良いし、室温空気に解放し
ても良いし、室温空気の気流に当ててもよいが、室温空
気に解放するか、または室温空気の気流に当ることが好
ましい。
以外の温度領域については任意であり、例えば片面に温
調された物体を接触させても良いし、室温空気に解放し
ても良いし、室温空気の気流に当ててもよいが、室温空
気に解放するか、または室温空気の気流に当ることが好
ましい。
【0036】温調装置を微小ケミカルデバイスの表裏両
外面に接触させる方法は任意であり、例えば、1組の独
立した温調装置でもって微小ケミカルデバイスを挟持し
てもよいし、1組の温調装置を蝶番で繋ぎ、微小ケミカ
ルデバイスを挟む構造としても良い。もしくは、温調ブ
ロックが表裏から温調物体で挟持できるU字型の一体構
造を有するものであっても良い。
外面に接触させる方法は任意であり、例えば、1組の独
立した温調装置でもって微小ケミカルデバイスを挟持し
てもよいし、1組の温調装置を蝶番で繋ぎ、微小ケミカ
ルデバイスを挟む構造としても良い。もしくは、温調ブ
ロックが表裏から温調物体で挟持できるU字型の一体構
造を有するものであっても良い。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
【0038】[実施例1] 〔微小ケミカルデバイスの作製〕平均分子量約2000
の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(大日本イン
キ化学工業株式会社製の「ユニディックV−426
3」)を35部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート(第一工業製薬株式会社製の「ニューフロンティア
HDDA」)を35部、ノニルフェノキシポリエチレン
グリコール(n=17)アクリレート(第一工業製薬株
式会社製の「N−177E」)を30部、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製の
「イルガキュアー184」)を5部、及び2,4−ジフ
ェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会社
製)を0.1部を混合して均質な組成物(x−1)を調
製した。
の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(大日本イン
キ化学工業株式会社製の「ユニディックV−426
3」)を35部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート(第一工業製薬株式会社製の「ニューフロンティア
HDDA」)を35部、ノニルフェノキシポリエチレン
グリコール(n=17)アクリレート(第一工業製薬株
式会社製の「N−177E」)を30部、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製の
「イルガキュアー184」)を5部、及び2,4−ジフ
ェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会社
製)を0.1部を混合して均質な組成物(x−1)を調
製した。
【0039】5cm×5cm×1mmのアクリル樹脂板
(三菱レイヨン株式会社製の「アクリライトL」)製の
基材(1)に、127μmのバーコーターを用いて組成
物(x−1)を塗布し、100mw/cm2の紫外線を
3秒間照射して、塗膜を半硬化させ、厚さ85μmの半
硬化した樹脂第1層(2)を形成した。
(三菱レイヨン株式会社製の「アクリライトL」)製の
基材(1)に、127μmのバーコーターを用いて組成
物(x−1)を塗布し、100mw/cm2の紫外線を
3秒間照射して、塗膜を半硬化させ、厚さ85μmの半
硬化した樹脂第1層(2)を形成した。
【0040】この樹脂第1層(2)の上に、127μm
のバーコーターを用いて組成物(x−1)を塗布し、フ
ォトマスクを使用して、図1に示された流路(4)とな
る部分以外の部分に、100mw/cm2の紫外線を1
秒間照射して、照射部分の塗膜を半硬化させた後、水流
にて未照射部の未硬化の組成物を除去し、幅92μm、
深さ88μm、長さ18mm×20ターンの流路(4)
となるべき溝が樹脂欠損部として形成された樹脂第2層
(3)を形成した。
のバーコーターを用いて組成物(x−1)を塗布し、フ
ォトマスクを使用して、図1に示された流路(4)とな
る部分以外の部分に、100mw/cm2の紫外線を1
秒間照射して、照射部分の塗膜を半硬化させた後、水流
にて未照射部の未硬化の組成物を除去し、幅92μm、
深さ88μm、長さ18mm×20ターンの流路(4)
となるべき溝が樹脂欠損部として形成された樹脂第2層
(3)を形成した。
【0041】片面がコロナ放電処理された厚さ30μm
の2軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社
製、OPPフィルム)(図示せず)のコロナ放電処理面
に、127μmのバーコーターを用いて、組成物(x−
1)を塗布し、上で用いたと同じ紫外線をフォトマスク
無しで1秒間照射し、塗膜を半硬化させて厚さ98μm
の半硬化塗膜と成し、該半硬化塗膜を基材(1)上の樹
脂第2層(3)と密着させて、その状態で紫外線をさら
に30秒間照射して全ての樹脂層を硬化させて接着した
後、ポリプロピレンフィルム(図示せず)を剥離し、樹
脂第3層(5)を形成することにより樹脂第2層(3)
の樹脂欠損部を毛細管状の流路(4)と成した。
の2軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社
製、OPPフィルム)(図示せず)のコロナ放電処理面
に、127μmのバーコーターを用いて、組成物(x−
1)を塗布し、上で用いたと同じ紫外線をフォトマスク
無しで1秒間照射し、塗膜を半硬化させて厚さ98μm
の半硬化塗膜と成し、該半硬化塗膜を基材(1)上の樹
脂第2層(3)と密着させて、その状態で紫外線をさら
に30秒間照射して全ての樹脂層を硬化させて接着した
後、ポリプロピレンフィルム(図示せず)を剥離し、樹
脂第3層(5)を形成することにより樹脂第2層(3)
の樹脂欠損部を毛細管状の流路(4)と成した。
【0042】次いで、流路(4)の一方の端の位置に、
1.6mmのドリルにて基材(1)及び樹脂第1層
(2)に穴を穿ち、その部分に直径1.6mmのステン
レスパイプを接着して導入口(6)を形成した。同様に
して流路の他の端に流出口(7)を形成して、図1及び
図2に示された形状の、PCR用の微小ケミカルデバイ
ス[D−1]を作製した。
1.6mmのドリルにて基材(1)及び樹脂第1層
(2)に穴を穿ち、その部分に直径1.6mmのステン
レスパイプを接着して導入口(6)を形成した。同様に
して流路の他の端に流出口(7)を形成して、図1及び
図2に示された形状の、PCR用の微小ケミカルデバイ
ス[D−1]を作製した。
【0043】〔温調装置の作製〕3本の6mm×6mm
×60mmの真鍮製角棒(11)を、図3及び図4に示
したように、1mm×7mm×60mmのアクリル板を
スペーサー(12)として並べて固定し、それぞれの真
鍮角棒(11)の6mm×6mmの端面に直径1.7m
m、深さ30mmのドリル孔を穿ち、温調用温度センサ
ーとしてシース型熱伝対(13)を装着した。
×60mmの真鍮製角棒(11)を、図3及び図4に示
したように、1mm×7mm×60mmのアクリル板を
スペーサー(12)として並べて固定し、それぞれの真
鍮角棒(11)の6mm×6mmの端面に直径1.7m
m、深さ30mmのドリル孔を穿ち、温調用温度センサ
ーとしてシース型熱伝対(13)を装着した。
【0044】また、それぞれの真鍮製角棒(11)の6
mm×60mmの底面にポリイミド樹脂封入電気ヒータ
ー(14)を張り付けた。そして、3組の熱伝対(1
3)と電気ヒーター(14)をそれぞれ温度調節器(図
示せず)に接続して、3つの温調ブロック(11)を有
する温調装置を作製した。さらに、同じ温調装置をもう
1台作製し1組の温調装置とした。
mm×60mmの底面にポリイミド樹脂封入電気ヒータ
ー(14)を張り付けた。そして、3組の熱伝対(1
3)と電気ヒーター(14)をそれぞれ温度調節器(図
示せず)に接続して、3つの温調ブロック(11)を有
する温調装置を作製した。さらに、同じ温調装置をもう
1台作製し1組の温調装置とした。
【0045】〔PCR試験〕鋳型プラスミドDNA:4.0μ
l、ポリメラーゼ[宝酒造株式会社製「TaKaRa Ex Taq T
M」]:2.0μl、緩衝液[宝酒造株式会社製「10X ExTaq
TM Buffer」]:8.0μl、基質 [宝酒造株式会社製「d
NTP Mixture (2.5mM each)」]:6.4μl、プライマー
[宝酒造株式会社製「Fluorescein-Labeled Primer M4
(1pmol/μl)」]:20μl、プライマー[宝酒造株式会社製
「Fluorescein-Labeled Primer RV-M (1pmol/μl)」]:
20μl、及び滅菌蒸留水:19.6μlを混合して、反応溶液
を調製し、吸引鐘中で振りながらアスピレーターにて1
0秒間減圧して溶存空気を除去しアルゴン封入した。
l、ポリメラーゼ[宝酒造株式会社製「TaKaRa Ex Taq T
M」]:2.0μl、緩衝液[宝酒造株式会社製「10X ExTaq
TM Buffer」]:8.0μl、基質 [宝酒造株式会社製「d
NTP Mixture (2.5mM each)」]:6.4μl、プライマー
[宝酒造株式会社製「Fluorescein-Labeled Primer M4
(1pmol/μl)」]:20μl、プライマー[宝酒造株式会社製
「Fluorescein-Labeled Primer RV-M (1pmol/μl)」]:
20μl、及び滅菌蒸留水:19.6μlを混合して、反応溶液
を調製し、吸引鐘中で振りながらアスピレーターにて1
0秒間減圧して溶存空気を除去しアルゴン封入した。
【0046】温調装置の3つの温調ブロック(11)を
各々95℃、75℃、45℃に温調し、微小ケミカルデ
バイスの95℃設定希望温度領域(領域α)を95℃の
温調ブロックで、75℃設定希望温度領域(領域β)を
75℃の温調ブロックで、45℃設定希望温度領域(領
域γ)を45℃の温調ブロックで各々挟持した。
各々95℃、75℃、45℃に温調し、微小ケミカルデ
バイスの95℃設定希望温度領域(領域α)を95℃の
温調ブロックで、75℃設定希望温度領域(領域β)を
75℃の温調ブロックで、45℃設定希望温度領域(領
域γ)を45℃の温調ブロックで各々挟持した。
【0047】室温25℃にて、微小ケミカルデバイス
(D−1)の導入口(6)から、マイクロシリンジを用
いてPCR反応溶液を滞留時間20分となる流量で40
分間流してPCR試験を行った。流出口(7)から流出
した反応溶液を採取し、電気泳動分析にかけたところ、
DNAが増幅されていることが確認された。同じPCR
試験を室温を変えて、15℃および35℃にて実施した
ところ、得られた電気泳動の結果はいずれも同様で、室
温の影響を受けず、再現性良い結果が得られた。
(D−1)の導入口(6)から、マイクロシリンジを用
いてPCR反応溶液を滞留時間20分となる流量で40
分間流してPCR試験を行った。流出口(7)から流出
した反応溶液を採取し、電気泳動分析にかけたところ、
DNAが増幅されていることが確認された。同じPCR
試験を室温を変えて、15℃および35℃にて実施した
ところ、得られた電気泳動の結果はいずれも同様で、室
温の影響を受けず、再現性良い結果が得られた。
【0048】[比較例1]微小ケミカルデバイスの樹脂
第3層(5)面に接触させる温調装置の代わりに、厚さ
1mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン株式会社製の
「アクリライトL」)製のカバーを固定したこと、及び
微小ケミカルデバイスの基材(1)面に接触させた温調
装置を、微小ケミカルデバイスの領域α、領域β、領域
γの中心部に、樹脂第2層(3)と樹脂第3層(5)を
削って埋め込んだ熱伝対(図示せず)による表示温度を
それぞれ95℃、75℃、45℃となるように温調ブロ
ック(11)温度を調節したこと以外は実施例1と同様
にして、室温15℃、25℃、及び35℃にてPCR試
験を行った。
第3層(5)面に接触させる温調装置の代わりに、厚さ
1mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン株式会社製の
「アクリライトL」)製のカバーを固定したこと、及び
微小ケミカルデバイスの基材(1)面に接触させた温調
装置を、微小ケミカルデバイスの領域α、領域β、領域
γの中心部に、樹脂第2層(3)と樹脂第3層(5)を
削って埋め込んだ熱伝対(図示せず)による表示温度を
それぞれ95℃、75℃、45℃となるように温調ブロ
ック(11)温度を調節したこと以外は実施例1と同様
にして、室温15℃、25℃、及び35℃にてPCR試
験を行った。
【0049】その結果、15℃では領域αにて溶液が沸
騰して液切れが発生し、流出液にはDNAが殆ど認めら
れなかった。室温25℃および35℃では、DNAの増
幅は認められたものの、実施例1よりその濃度が低かっ
た。このように、微小ケミカルデバイスに埋め込んだ熱
電対による片面からの温調では、表示温度と実温に乖離
があり、また室温変動の影響を受けやすいことが分か
る。
騰して液切れが発生し、流出液にはDNAが殆ど認めら
れなかった。室温25℃および35℃では、DNAの増
幅は認められたものの、実施例1よりその濃度が低かっ
た。このように、微小ケミカルデバイスに埋め込んだ熱
電対による片面からの温調では、表示温度と実温に乖離
があり、また室温変動の影響を受けやすいことが分か
る。
【0050】
【発明の効果】本発明は、一般に正確な温度測定が困難
である微小ケミカルデバイス中の微小な所望領域を容
易、且つ正確に温度調節することが出来る微小ケミカル
デバイス用温度調節装置、及び温度調節方法を提供する
ことができ、特にマイクロリアクターやマイクロPCR
デバイス用の温度調節装置、及び温度調節方法に好適に
用いられる。
である微小ケミカルデバイス中の微小な所望領域を容
易、且つ正確に温度調節することが出来る微小ケミカル
デバイス用温度調節装置、及び温度調節方法を提供する
ことができ、特にマイクロリアクターやマイクロPCR
デバイス用の温度調節装置、及び温度調節方法に好適に
用いられる。
【図1】実施例で使用したPCR用微小ケミカルデバイ
スを表面に直角な方向から見た平面図の模式図である。
スを表面に直角な方向から見た平面図の模式図である。
【図2】実施例で使用したPCR用微小ケミカルデバイ
スの立面図の模式図である。
スの立面図の模式図である。
【図3】実施例で作製した一組の対称な温度調節装置の
一方の平面図である。
一方の平面図である。
【図4】実施例で作製した一組の対称な温度調節装置の
一方の側面図である。
一方の側面図である。
1 :基材 2 :樹脂第1層 3 :樹脂第2層 4 :流路 5 :樹脂第3層 6 :導入口 7 :流出口 11:温調ブロック(真鍮製角棒) 12:スペーサー 13:シース型熱伝対 14:ポリイミド樹脂埋め込みヒーター α :95℃設定希望温度領域 β :75℃設定希望温度領域 γ :45℃設定希望温度領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 37/00 101 G01N 37/00 101 Fターム(参考) 4B029 AA23 BB20 CC01 4G075 AA13 AA32 AA63 AA65 BA02 BA05 BD14 BD16 BD26 CA02 CA03 CA13 CA26 CA42 CA63 DA02 DA18 EA06 EB46 EE12 EE23 EE31 FA20 FB01 FB02 FB06 FB11 FB12 FC11
Claims (12)
- 【請求項1】 毛細管状の流路と一つ以上の設定希望温
度領域を有するフィルム状又は板状の微小ケミカルデバ
イスの表裏両外面に接する、設定希望温度±10℃の温
度範囲に設定された一つ以上の温度調節ブロックを有す
る微小ケミカルデバイス用温度調節装置。 - 【請求項2】 温度調節ブロックと微小ケミカルデバイ
スとの接触部面積が各1×10-8m2〜1×10-4m2で
ある請求項1に記載の微小ケミカルデバイス用温度調節
装置。 - 【請求項3】 設定希望温度領域が微小ケミカルデバイ
スの一部の領域である請求項1に記載の微小ケミカルデ
バイス用温度調節装置。 - 【請求項4】 温度調節ブロックが、微小ケミカルデバ
イスの同一又は異なる温度の複数の設定希望温度領域に
それぞれ接する請求項1〜2のいずれか一つに記載の微
小ケミカルデバイス用温度調節装置。 - 【請求項5】 微小ケミカルデバイスの厚さが10μm
〜10mmである請求項1〜4のいずれか1に記載の微
小ケミカルデバイス用温度調節装置。 - 【請求項6】 微小ケミカルデバイスがマイクロリアク
ターである請求項1〜5のいずれか1に記載の微小ケミ
カルデバイス用温度調節装置。 - 【請求項7】 マイクロリアクターがピー・シー・アー
ル(PCR)デバイスである請求項6に記載の微小ケミ
カルデバイス用温度調節装置。 - 【請求項8】 毛細管状の流路と一つ以上の設定希望温
度領域を有するフィルム状又は板状の微小ケミカルデバ
イスの表裏両外面に、設定希望温度±10℃の温度範囲
に設定された物体を接触させる微小ケミカルデバイスの
温度調節方法。 - 【請求項9】 設定希望温度領域が、同一又は異なる温
度の複数の領域である請求項8に記載の微小ケミカルデ
バイスの温度調節方法。 - 【請求項10】 微小ケミカルデバイスの厚さが10μ
m〜10mmである請求項8又は9に記載の微小ケミカ
ルデバイスの温度調節方法。 - 【請求項11】 微小ケミカルデバイスがマイクロリア
クターである請求項8〜10のいずれか1つに記載の微
小ケミカルデバイスの温度調節方法。 - 【請求項12】 マイクロリアクターがピー・シー・ア
ール(PCR)デバイスである請求項11に記載の微小
ケミカルデバイスの温度調節方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000247592A JP2002058470A (ja) | 2000-08-17 | 2000-08-17 | 微小ケミカルデバイス用温度調節装置及び温度調節方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000247592A JP2002058470A (ja) | 2000-08-17 | 2000-08-17 | 微小ケミカルデバイス用温度調節装置及び温度調節方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002058470A true JP2002058470A (ja) | 2002-02-26 |
Family
ID=18737654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000247592A Pending JP2002058470A (ja) | 2000-08-17 | 2000-08-17 | 微小ケミカルデバイス用温度調節装置及び温度調節方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002058470A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005192554A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-07-21 | Dainippon Ink & Chem Inc | 核酸増幅方法 |
JP2006081406A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Dainippon Ink & Chem Inc | ポリメラーゼ連鎖反応用流路を有するマイクロ流体デバイス |
JP2007523659A (ja) * | 2004-02-24 | 2007-08-23 | サーマル グラディエント | 熱サイクル装置 |
JP2008525182A (ja) * | 2004-12-22 | 2008-07-17 | ユニバーシティ・オブ・ヴァージニア・パテント・ファウンデーション | マイクロデバイスまたはナノスケールデバイスにおける熱用途または非熱用途のためのマイクロ波の使用 |
US7632470B2 (en) | 2004-12-28 | 2009-12-15 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Microstructure, microreactor, micro heat exchanger and method for fabricating microstructure |
US7708950B2 (en) | 2004-12-28 | 2010-05-04 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Microfluidic device |
CN110724631A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-01-24 | 宁波胤瑞生物医学仪器有限责任公司 | 一种核酸扩增仪加热控制装置 |
US10618050B2 (en) | 2015-03-09 | 2020-04-14 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Microfluidic device for reducing fluctuation in the solution feeding rate of a reaction solution |
-
2000
- 2000-08-17 JP JP2000247592A patent/JP2002058470A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005192554A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-07-21 | Dainippon Ink & Chem Inc | 核酸増幅方法 |
JP4595446B2 (ja) * | 2003-12-12 | 2010-12-08 | Dic株式会社 | 核酸増幅方法 |
JP2007523659A (ja) * | 2004-02-24 | 2007-08-23 | サーマル グラディエント | 熱サイクル装置 |
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JP2008525182A (ja) * | 2004-12-22 | 2008-07-17 | ユニバーシティ・オブ・ヴァージニア・パテント・ファウンデーション | マイクロデバイスまたはナノスケールデバイスにおける熱用途または非熱用途のためのマイクロ波の使用 |
JP4922185B2 (ja) * | 2004-12-22 | 2012-04-25 | ユニバーシティ・オブ・ヴァージニア・パテント・ファウンデーション | マイクロデバイスまたはナノスケールデバイスにおける熱用途または非熱用途のためのマイクロ波の使用 |
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CN110724631A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-01-24 | 宁波胤瑞生物医学仪器有限责任公司 | 一种核酸扩增仪加热控制装置 |
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