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JP2001527561A - アシクロビルジエステル誘導体 - Google Patents

アシクロビルジエステル誘導体

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JP2001527561A
JP2001527561A JP54956898A JP54956898A JP2001527561A JP 2001527561 A JP2001527561 A JP 2001527561A JP 54956898 A JP54956898 A JP 54956898A JP 54956898 A JP54956898 A JP 54956898A JP 2001527561 A JP2001527561 A JP 2001527561A
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JP54956898A
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グレイズィアー,アーノルド
ヤナクコバ,ミルカ
ヤナクコフ,イワン
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ドラッグ イノベーション アンド デザイン,インコーポレーテッド
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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/547Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom
    • C07F9/6561Heterocyclic compounds, e.g. containing phosphorus as a ring hetero atom containing systems of two or more relevant hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring or ring system, with or without other non-condensed hetero rings
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Abstract

(57)【要約】 以下の構造式(I)で表される新規なプロドラッグが開示されている。Zは酸素又は硫黄;Yは水酸基と一緒になってアシクロビル又はアシクロビル類似体;Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換しうる、ホスフェートエステルに対してオルト又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたアミン基を有する置換ベンジル基である。また、個体又は動物のウィルス感染を治療する方法が開示されている。該方法は、個体又は動物に上に示した構造式で表されるプロドラッグの治療上有効量を投与することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】 アシクロビルジエステル誘導体 関連出願 本出願は、1997年5月15日に出願された米国特許出願第08/857, 150号の継続出願である、1998年3月27日に出願された米国特許出願第 09/050,220号の一部継続出願であり、その全教示が参考までに本明細 書に取り込まれている。 背景 現在使用されている抗ウィルス剤は、ウィルスによってひき起こされる皮膚感 染症の治療における効力が限られている。例えば、一般に、「顔面ヘルペス」と いわれる単純ヘルペスは、アシクロビルによる局所治療に好ましい反応を示さな い(スプルアンス(Spruance)ら、Am.J.Med.、73(1A) :315〜319(1982);ショー(Shaw)ら、Br.Med.J.( Clin.Res.Ed.)、291(6487):7〜9(1985);ラボ ーン(Raborn)ら、Oral Surg.Oral Med.Oral Pathol.、67(6):676〜679(1989);スプルアンス(S pruance)ら、Antimicrob.Agents Chemothe r.、25(5):553〜555(1984);ラボーン(Raborn)ら 、J.Can.Dent.Assoc.、55(2):135〜137(198 9))。顔面ヘルペスを治療するためのアシクロビルの経口投与は、一部でのみ 効力がある(スプルアンス(Spruance)ら、J.Infect.Dis eases 161:185(1990))。 顔面ヘルペス及び他の皮膚のウィルス感染部に局所的に塗布されるアシクロビ ル等の抗ウィルス剤の効力に限界があるのは、これらの薬剤のほとんどが皮膚を 透過する能力に限界があることによるものと考えられている(パーリー(Par ry)ら、J.Invest.Dermatol.、98(6):856〜86 3(1992);スプルアンス(Spruance)ら、Antimicob. Agents Chemother.、25(1):10〜15(1984)) 。陰部ヘルペス感染の局所治療にも、同じ理由により効力がない。したがって、 皮膚を透過し、皮膚の感染症を引き起こすウィルスに対して効力のある新しい抗 ウィスル薬の要求がある。 本発明の概要 アシクロビルの親油性ホスホトリエステルプロドラッグは、1996年4月2 2日に出願された米国特許出願第08/635,653号(その全教示が参考ま でに本明細書に取り込まれている)に開示されているように、ヘルペスウィスル の感染に対して局所的に極めて効力がある。本発明は、非親油性及び水溶性であ る対応のアシクロビルのホスホジエステルプロドラッグがホスホトリエステルよ りもより一層効果的な抗ウィスル薬であり、アシクロビルよりもより効果的であ るという発見に基づく。例えば、皮膚の単純ヘルペスウィスルス1型(HSV− 1)に感染したモルモットを、プロドラッグ(Prodrug)1及びプロドラ ッグ2で治療すると、そのビヒクルと比較した場合、病変の数、病変領域及び病 変のウィスル力価が劇的に減少した(実施例1及び3)。これに対し、U.S. ZOVIRAX(アシクロビル)を用いた同様の治療では、統計的にプラセボを 用いたときと同じ結果が得られた。 1)R=−CO−C(CH33 2)R=−CO−CH3 一態様において、本発明は、アシクロビルのプロドラッグ、アシクロビルの類 似体、アシクロビルモノホスフェート又はアシクロビルモノホスフェートの類似 体である。プロドラッグは、構造式(I):で表され、その生理学的に許容しうる塩である。 Zは、酸素又は硫黄、好ましくは酸素である。 Yは、水酸基と一緒になって、アシクロビル又はアシクロビルの類似体である 。 Aは、ホスフェートエステルに対してオルト位又はパラ位に、インビボで水酸 基又はアミノ基に変換し得る1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護された アミン基を有する置換ベンジル基である。 本発明の他の態様は、個体又は動物におけるウィルスの感染を治療する方法で ある。その方法は、治療上有効量の構造式(I)で表されるプロドラッグを、個 体又は動物に投与することを含む。 本発明の他の態様は、本発明のプロドラッグ、並びに構造式(I)で表される ジエステルプロドラッグ、1994年9月23日に出願された米国特許出願第0 8/310,972号に開示されたホスホトリエステルプロドラッグ及び米国特 許出願第08/635,553号に開示されたホスホトリエステルプロドラッグ を含むホスフェートエステルプロドラッグの合成に使用される中間体を製造する 方法である。中間体は、構造式(II): で表される。 Y’は、水酸基と一緒になって、ヌクレオシド類似体、好ましくはアシクロビ ル又はアシクロビル類似体である。 Aは、ホスフェートエステルに対してオルト又はパラ位に、インビボで水酸基 又はアミノ基に変換し得る1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたア ミン基を有する置換ベンジル基である。 中間体を製造する方法には、テトラゾール等の無水弱有機酸であるY’−OH 及び(A−O)2−P(NR2122)を非プロトン性極性有機溶媒中で反応させ ることが含まれる。好適な非プロトン性極性有機アミド溶媒には、ジアルキルア ミド溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)又はN,N−ジメチルアセ タミド)、テトラアルキルウレア溶媒(例えば、1,3−ジメチルイミダゾリノ ン又は1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミ ジノン);ジアルキルスルホキシド溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド及びテ トラメチレンスルホキシド類)及びホスホルアミド溶媒(例えば、ヘキサメチル ホスホルアミド)が含まれる。好ましい溶媒は、ジアルキルアミド類である。D MFは最も好ましい。R21及びR22は、それぞれ独立して、低級アルキル、アリ ール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒になって、5、6又は7員環 含窒素複素環(好ましくは、飽和複素環)を形成し得る。R21及びR22で表され る低級アルキル、アリール又は複素環式化合物は、P−N結合又は弱酸と反応し ない(又は実質的に不活性な)1又はそれ以上の基で任意に置換されていてもよ い。置換基の好ましい例には、ハライド類、(低級アルキル)−O−、低級アル キル、アリール等の非求核性の非塩基性の不活性基が含まれる。好ましくは、R21 及びR22は、それぞれエチル等の低級アルキル基である。 本明細書に開示されたホスホジエステルアシクロビルプロドラッグは、アシク ロビル又は米国特許出願第08/635,553号に開示されたアシクロビルの ホスホトリエステルプロドラッグよりも皮膚の単純ヘルペスウィルス1型感染に 対する効力が大きい。さらに、本明細書に開示されたアシクロビルのホスホジエ ステルプロドラッグは、米国特許出願第08/635,553号に開示されたホ スホトリエステルプロドラッグよりも化学的に安定であり、貯蔵寿命が長く、一 般に製剤が容易である。 図面の簡単な説明 図1A及び図1Bは、プロドラッグ1を調製するのに用いられる合成経路を示 す概略図を表す。 図2は、ヌクレオシド類似体Y−OH、(A−O)2−P−N(エチル)2及び テトラゾールをジメチルホルムアミド中で反応させ、得られた亜燐酸トリエステ ルの生成物を過酸化水素で酸化させることによる燐酸トリエステルの合成を示す 概略図を表す。 発明の詳細な説明 本明細書には、ヌクレオシド類似体であるアシクロビル等の新規な薬剤のプロ ドラッグが開示されている。開示されたプロドラッグは、親薬剤(parent drug)と比較して、改善された効力を示す。また、ヌクレオシド類似体の リン酸トリエステルプロドラッグを調製する改良法も開示されている。これらの 方法は、開示されたホスホジエステルプロドラッグの調製にも有用である。 アシクロビル、アシクロビル類似体等の抗ウィルス剤の効力は、薬剤を構造式 (I)で表されるリン含有プロドラッグに変換することにより増強され得る。リ ン含有プロドラッグは、米国特許出願第08/635,553号、第07/71 4,130号、第07/537,332号及び第08/310,972号に記載 されており、その全教示が参考までに本出願に取り込まれている。 プロドラッグは、本明細書で用いられているように、インビボで代謝され得る 、すなわち生体内変化を受け、薬理学的に効力のある薬剤又は薬理学的に効力の ある薬剤のモノホスフェートを与える薬剤である。「代謝される」とは、プロド ラッグがインビボで受ける化学的又は生化学的反応をいう。例には、酵素触媒反 応、並びに加溶媒分解、加水分解、脱離反応等の溶液中で起こる反応が含まれる 。 個体を治療するためのプロドラッグの使用は、例えば、細胞膜に又は皮膚の角 質層内に薬理学的に効力のある薬剤を伝えるのを高めるより大きな親油性などの 親薬剤に対する利点を有するであろう。したがって、脂質溶解性は、抗ウィルス 剤の望ましい性質である。本発明のプロドラッグは、プロドラッグが皮膚の角質 層に浸透するのを可能にする親油性部を有し、しかも水への溶解性が高く、イン ビボでアシクロビル、アシクロビルの類似体、アシクロビルモノホスフェート又 はアシクロビルモノホスフェートの類似体に変換され得る荷電された分子である 。 本明細書で使用されているように、「アシクロビル類似体」は、9位の窒素に 結合した置換アルキル基(例えば、炭素数が3から約12の置換アルキル基)を 有する抗ウィルス性プリンである。本明細書で使用されているように、「プリン 」は、イミダゾール環に縮合したピリミジン環を有する。プロドラッグ1に対し て示した構造の中などには、プリンの互変異性体も含まれることがわかるであろ う。プリンの例には、アデニン(adanine)及びグアニンが含まれる。 プリンの炭素原子は、例えば、水素、ハロゲン、水酸基、(低級アルキル)− O−、チオ、(低級アルキル)チオ、アミノ、(低級アルキル)アミノ、ジ(低 級アルキル)アミノ、(低級アルキル)−CO−NH−又はアジドに結合しても よく、あるいはそれらで置換されていてもよい。 プリンの9位の窒素に結合するアルキル又は置換アルキル基(9位の窒素は、 構造式(III)に示されている)は、任意に鎖中にエーテル、チオエーテル又 はアミン部の結合を有していてもよく、直鎖又は分枝鎖である。置換アルキル基 は、水酸基、アミノ、−NH(低級アルキル)、(低級アルキル)−O−、(置 換低級アルキル)−O−、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリ ールオキシ、(低級アルキル)NH−SO2−O−、(置換低級アルキル)NH −SO2−O−、(アリール)NH−SO2−O−、(置換アリール)NH−SO2 −O−、ホスフェート基、−NH−CO−(低級アルキル)、−NH−CO− (置換低級アルキル)、−NH−CO−アリール、−NH−CO−(置換アリー ル)、(低級アルキル)−CO−、(置換低級アルキル)−CO−、−CO−ア リール、−CO−(置換アリール)等の1又はそれ以上の置換基を有していても よい。低級アルキル、置換低級アルキル、アリール及び置換アリールを以下に定 義する。 好ましい態様において、「アシクロビル類似体」は、構造式(III):で表される。 Xは、硫黄、−NH−、−N(低級アルキル)−又は酸素; Raは、水素、ハロゲン、水酸基、(低級アルキル)−O−、アジド、チオ、 (低級アルキル)チオ、アミノ、(低級アルキル)アミノ又はジ(低級アルキル )アミノ; Rbは、水素、ハロゲン、(低級アルキル)チオ、(低級アルキル)−CO− NH−(以下、「アシルアミノ」と称する)、アミノ又はアジド; Rcは、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリールで ある。アリールは好ましくはフェニルであり; Rdは、水素、低級アルキル及び置換低級アルキル; Reは、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール、 (低級アルキル)O−、(置換低級アルキル)O−、アリールオキシ及び置換ア リールオキシ;並びに Rfは、水酸基である。 好ましい態様において、Yは、構造式(IV): で表される。構造式(IV)からわかるように、アシクロビル又はアシクロビル 類似体が本発明のプロドラッグを形成するのに使用される場合、構造式(III )におけるRfは、アシクロビル又はアシクロビル類似体と、プロドラッグのリ ン原子に結合した酸素との間の共有結合である。例えば、構造式(I)において 、Rfは、Yと、リンに結合した酸素との間の共有結合であり、本明細書では「 ホスホエステル結合」と称する。AとOとの間の共有結合もホスホエステル結合 である。 好適なアシクロビル類似体の具体例は、米国特許第4,199,574号、第 4,294,831号及び第4,323,573号に与えられており、その全教 示が参考までに本特許出願に取り込まれている。 好ましい態様において、Raは−OH、Rbは−NH2、Xは酸素である。Rc、 Rd及びReは、それぞれ−Hであり、Rfは、Yとプロドラッグのホスフェート 基の酸素との間のホスホエステル結合であり、すなわちYは水酸基と一緒になっ てアシクロビルであることが最も好ましい。 以下は、ホスフェート基を含むプロドラッグ、例えば、構造式(I)で表され るプロドラッグに関する本発明の説明である。 Aは、インビボで代謝されて化学的に修飾されたA(A’)を与え得る基であ る。生体内変化の結果、修飾されたA(A’)を含むプロドラッグのホスホエス テルは、インビボで開裂を受ける。ホスホエステルの開裂は、例えば、修飾され たA(A’)を含むホスホエステル基の酸素−炭素結合の異方性開裂に起因する であろう。この場合、該ホスフェート基は、開裂基として作用する。インビボで の生体内変化により、Aにおいてホスフェート基が結合している炭素原子におけ るよりも、修飾されたA(A’)においてホスフェート基が結合している炭素原 子におけるほうが電子密度が大きくなったなら、修飾されたA(A’)を含むホ スホエステルのインビボにおける開裂は、Aを含むホスホエステルに対して高め られるであろう。 例えば、Aが不飽和ベンジル基である場合よりも、Aがオルト又はパラ位に電 子供与基を有するベンジルである場合のほうが、構造式(I)で表される構造を 有する化合物は、インビボでより迅速に開裂されるであろう。このように、Aは 、例えば、オルト位及び/又はパラ位にすでに存在する基が、Aにおいてよりも 修飾されたA(A’)において、より強力に電子を供与する基に変換されるよう なインビボでの生体内変化を受ける置換ベンジル基であってもよい。 アシルオキシ基(例えば、低級アルキル−CO−O−及びアリール−CO−O −)、カーボネート基(例えば、−O−CO−O−低級アルキル及び−O−CO −O−アリール)、カーバメート基(例えば、−O−CO−NH−低級アルキル 及び−O−CO−NH−アリール)等の保護された水酸基、並びにアシルアミン 基(例えば、低級アルキル−CO−NH−及びアリール−CO−NH−)等の保 護されたアリールアミン基は、ごくわずかだけ電子供与性であるが、それぞれ強 力に電子を供与する水酸基又はアミノ基に、インビボで変換(例えば、アンマス キング)され得る。例えば、アセトキシ基及びアセチルアミノ基に対するハメッ トパラシグマ+定数(Hammett para sigma + const ant)は、それぞれ−0.06及び−0.60である。これに対し、水酸基及 びアミノ基は、強力に電子を供与する。水酸基及びアミノ基に対するハメットパ ラシグマ+定数は、それぞれ−0.92及び−1.7である。イオン化された水 酸基(−O-)は、より一層電子を供与し、−2.3であると推定されているハ メットパラシグマ+定数を有する。チャップマン(Chapman),N.B. 及びショーター(Shorter),J.、Correlation Anal ysis in Chemistry、プレナム・プレス(Plenum Pr ess)、NY、NY、483〜484頁;ヴォゲル(Vogel),P.、C arbocation Chemistry、エルセビール(Elsevier )、NY、NY(1985)243頁;ハンシェ(Hansch),C.、Co mprehensive Medicinal Chemistry、ペルガモ ン・プレス(Pergamon Press)、NY、NY、:235。 フェノールのアンマスキングは、酵素によりインビボで行なうことができる。 例えば、非特異的エステラーゼは、細胞の細胞質内に遍在し、種々のカルボン酸 エステルを開裂することができる。フェノール性カーボネート及びカーバメート は、細胞の酵素により分解され、フェノールを生じる(ディッター(Ditte r)ら、J.Pharm.Sci.57:783(1968);ディッターら、 J.Pharm.Sci.57:828(1968):ディッターら、J.Ph arm.Sci.58:557(1969);キング(King)ら、Bioc hemistry 26:2294(1987);リンドバーグ(Lindbe rg)ら、Drug Metabolism and Disposition 17:311(1989);及びチュネック(Tunek)ら、Bioche m.Pharm.37:3867(1988))。フェノールのアンマスキング は、加水分解によっても起こり得る。例えば、運動上好ましい速度で、溶液中で 自発的に分解する種々のカーボネート及びカーバメート基が知られている(サー リ(Saari)ら、J.Med.Chem.33:97(1990)及びラッ ティ(Rattie)ら、J.Pharm.Sci.59:1741(1970 ))。Aが置換ベンジル基である場合、修飾されたA(A’)を与えるオルト又 はパラ位における、例えば(低級アルキル)−CO−O−、−O−CO−O−( 低級アルキル)又は−O−CO−NH−(低級アルキル)基の開裂は、修飾され たA(A’)とホスフェート基の酸素との間のC−O結合の異方性分裂の引金と なるであろう。上記考察に基づき、例えば、オルト及び/又はパラ(低級アルキ ル)−CO−O−、−O−CO−O−(低級アルキル)又は−O−CO−NH− (低級アルキル)基の水酸基への変換により、少なくとも7000倍のホスホエ ステル分裂の速度の増大となるであろう。もし、生成した水酸基がイオン化され 、オキシアニオンO-となったなら、加溶媒分解の速度は、さらに約2×1010 倍に増大するであろう。細胞内のpHが7及びフェノール性水酸基のpKaが1 0であることに基づき、約0.1%の水酸基が生理学的な条件下でイオン化され るであろう。最終的な結果は、非特異的エステラーゼによってAのオルト又はパ ラアシルオキシ基の開裂の後、2×107倍オーダーの速度増大が全体的に、修 飾されたA(A’)とホスホエステルの酸素との間のC−O結合の異方性分裂の 際に起こるであろうということである。 好ましい態様において、本発明のプロドラッグは、モノホスフェート親薬剤の リン原子上の水酸基の1つを、基「A−O−」〔式中、基「A」は、1又はそれ 以上の保護された水酸基(例えば、(低級アルキル)−CO−O−、アリール− CO−O、−O−CO−O−(低級アルキル)、−O−CO−O−アリール、− O−CO−NH−(低級アルキル)及び−O−CO−NH−アリール)、又は保 護されたアミン基(例えば、(低級アルキル)−CO−NH−、(アリール)− CO−NH−、(低級アルキル)−O−CO−NH−、アリール−O−CO−N H−、(低級アルキル)−NH−CO−NH−及びアリール−NH−CO−NH −を、ホスホエステルに対してオルト又はパラ位に有する置換ベンジル誘導体で ある)〕で置換することによって合成される。親薬剤のモノホスフェートは、保 護された水酸基又は保護されたアミノ基が、それぞれ対応する水酸基又はアミノ 基に変換された後、遊離する。親薬剤のモノホスフェートは、アルカリ性ホスフ ァターゼ等の酵素の作用により、親薬剤に変換され得る。 好ましくは、Aは、ベンジルの位置でさらにホスホエステル結合の開裂を容易 にする部分で置換された置換ベンジル基である。ベンジル位における好適な置換 基には、ホスホエステル結合の開裂時に形成される炭素のカチオンを安定化させ ることができる基、例えば、低級アルキル基が含まれる。 より好ましくは、A又はA’とホスフェートの酸素との間のホスホエステル結 合の開裂によって脱離反応が起こり、ベンジル基の炭素とその部分との間に二重 結合が形成されるような部分でAがベンジル位で置換される。好適な部分には、 一般に、メチレン基又はメチン基が含まれ、メチレン基又はメチン基は、1)A のベンジル位に結合しており、2)酸性の水素を有する。インビボでホスホエス テルが開裂する際には、A又はA’は、ベンジル基の炭素に結合したホスフェー ト及び酸性水素を失うことにより、脱離反応を受け、ベンジル位で炭素一炭素二 重結合が形成されるであろう。あるいは又はさらに、本発明の好ましいプロドラ ッグは、Aで表されるベンジル基のオルト位又はパラ位の水酸基、アミノ基等の 強力に電子を供与する基の自発的又は酵素的なアンマスキングによって引き起こ される脱離反応によって分解され、アシクロビルモノホスフェート又はアシクロ ビルモノホスフェートの類似体になる。 Aのベンジル基の炭素における好適な部分には、酸性の水素を有するメチレン 基又はメチン基に結合した電子吸引性基を有するものが含まれ(マーチ(Mar ch)、Advanced Organic Chemistry、ジョン・ウ ィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)、第3版、( 1985)884頁参照)、例えば、−CHR’−Z(式中、Zは−COOR” 、−COR”、−CONH2、−CONHR”、−NO2、−SO2R”、−CN 等の電子吸引基である)である。 R’は、−H、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール又は置換アリ ールである。 R”は、−H、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基又は置換ア リール基である。一例において、Zは−COOR”(式中、R”は、−H、メチ ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル又はt −ブチルである)である。他の例において、R”は、−(CH2nCH3(式中 、nは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、1 7、18、19又は20である)である。 好ましくは、Aは、構造式(V): (R1、R3又はR6は、独立して−O−CO−R8、−O−CO−OR8、−O −C(O)−NHR8、−O−C(O)−N(R82、−NH−CO−R8、−N H−CO−OR8、−NH−CO−NHR8及び不活性基からなる群より選ばれた 基であり、R1、R3又はR6の少なくとも1つが不活性基ではない) で表される。 R2及びR7は、独立してアシルオキシ基、−H、(−O−COR8)又は不活 性基である。 R4及びR5は、独立して水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、及びA 又はA’とホスフェート基の酸素との間のホスホエステル結合の開裂により脱離 反応が起こり、A又はA’のベンジル位とその部分との間に炭素−炭素二重結合 が形成されるような部分からなる群より選ばれる。 R8は、低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基 、及び生成したエステル部分が分解され、インビボで遊離フェノール性水酸基と なるような基からなる群より選ばれる。好ましくは、R8は、メチル、エチル、 n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n− ペンチル又はn−ヘキシルからなる群より選ばれる。他の例には、−CHR9− NHR10、−CH(OR11)−CH3、CH3O−(CH22−O−(CH22− O−CH2−、CH3O−(CH22−O−CH2−、−OCH3、−CH2−CO −CH3及び−CH2(OR11)(式中、R9はアミノ酸の側鎖、R10はH又はア ミンの保護基、R11はH又はアルコールの保護基である)が含まれる。好適な保 護する保護基は、当業者によって選ぶことができ、グリーン及びウッツ(Gre en and Wuts)、「プロテクティング・グループス・イン・オーガニ ック・シンセシス(Protecting Groups in Organi c Synthesis)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、第5章及び 第7章、1991に記載されており、その教示は参考までに本明 細書に取り込まれている。 R1、R3及びR6における不安定な基の性質により、生成したプロドラッグが リンを含む親薬剤に変換される速度が決まる。プロドラッグの溶解性は、基R1 〜R8の性質を変えることにより、変えることができる。水溶性は、−CH2OH 、−CO2H等の親水性基を有する置換基を選択することにより、高めることが できる。あるいは、脂質溶解性を増大させるバルキーな置換基を選択してもよい 。 より一層好ましい態様において、プロドラッグは、以下の構造式:で表されるか、又はその生理学的に許容しうる塩であり; 式中、R12及びR’は、それぞれ独立して、低級アルキル又は置換低級アルキル である。また、R12は、CH3−CO−CH2−、CH3O−(CH22−O−( CH22−O−CH2−、CH3O−(CH22−O−CH2−及び−OCH3であ る。好ましくは、R’は−Hでもあってもよい。R12及びR’は、それぞれ独立 して、−H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、se c−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルからなる群より選ばれる 。R’はより一層好ましくはメチルである。 本発明のプロドラッグは、インビボで血中で分解されてアシクロビルとなる。 特定の反応に限定されないが、プロドラッグが変換されて親薬剤のモノホスフェ ートとなると考えられるメカニズムを以下の図に示す。ブタの肝臓のエステラーゼでリン酸緩衝D2O中でインキュベートすると、NM Rの結果は、上記スキームに示されるように、プロドラッグ1は分解されてアシ クロビルモノホスフェート及びp−ヒドロキシ桂皮酸となる。この分析は、グラ チアー(Glazier)、「ホスホラス・プロラッグズ(Phosphoru s Prodrugs)」と題された国際公開(WO)第91/19721号に 記載されており、インビボで開裂され得る好適な水酸基又はアミノ基の保護基を 決定するのに使用することができる。国際公開(WO)第91/1972号の全 教示が参考までに本明細書に取り込まれている。好適な保護基を決定するのにも 使用することができる、エステラーゼ類、アミダーゼ類、又はカーボネート基、 カーバメート基、エステル基及びアミド基を分解し得る酵素を使用する分野にお いて当業者に知られているインビトロ測定法が他にあることが理解される。 上記の説明において、「不活性」という用語は、実質的に非反応性で、プロド ラッグの代謝又は壊変の化学作用にあまり影響しない基をいう。不活性基の例に は、−H、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール、ハロゲ ン、−COO(低級アルキル)、(低級アルキル)−O−、(置換低級アルキル )−O−(例えば、ベンジルオキシ及び置換ベンジルオキシ)、−CO−(低級 アルキル)、−CO−(置換低級アルキル)、−CO−(アリール)、−CO− (置換アリール)、−CHO、−CN及び−NO2が含まれる。 本明細書で使用されているように、「低級アルキル」基は、1から約20の炭 素原子、好ましくは1から6の炭素原子を有していてもよく、直鎖、分枝鎖又は 環状であってもよい。さらに、「低級アルキル」基は、1又はそれ以上の二重結 合及び/又は三重結合を有していてもよい。「アリール」基には、複素環式又は フェニル、ナフチル等の炭素環式芳香族基が含まれる。複素環式芳香族基には、 例えば、イミダゾリル、インドリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピラニル 、ピラニル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イ ソキノリニル及びアクリジンチルが含まれる。 低級アルキル、アリール基及びベンジル基上の好適な置換基には、上述したよ うな不活性置換基が含まれる。 本明細書に開示されたアシクロビル及びアシクロビル類似体のプロドラッグの 好適な生理的塩は、非毒性のものである。例には、限定されないが、開示された プロドラッグのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウ ム、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモ ニウム、ジエタノールアンモニウム及びトリエタノールアンモニウムの塩が含ま れる。これらの塩は、所望のカチオンの塩と、ハライド類、−ClO4 -、アセテ ート又は他のアルカノエート類又はアリールカルボキシレート類を含む適当なア ニオンとの交換反応によって調製することができる。これらの塩は、所望のカチ オンを充填したイオン交換樹脂を用いて調製することもできる。 ヌクレオシド類似体(例えば、アシクロビル)のホスフェートエステルプロド ラッグを調製する方法には、ホスホアミダイト類(phosphoamidit es)をH−テトラゾールと組み合わせて用いることが含まれる(ペリッチ及び ジョーンズ(Perich and Johns)、Synthesis 19 88:142参照)。これらの方法は、米国特許出願第07/714,130号 、第07/537,332号及び第08/310,972号に記載されており、 その全教示は参考までに本出願に取り込まれている。しかしながら、これらの方 法には、多くの欠点がある。アシクロビル等のヌクレオシド類似体は、通常、こ の反応に使用される有機溶媒、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニ トリル、テトラヒドロフラン及びピリジンに十分に溶解しない。その結果、ヌク レオシド類似体(例えば、アシクロビル)をその溶解性を高めるために保護し、 副反応を避けなければならず、それにより、ホスフェートエステルプロドラッグ の製造コストが増大する。オキシ塩化リンをリン酸トリメチル又はリン酸トリエ チルと組み合わせて用いる他の方法が報告されている(米国特許第4,287, 188号参照)。しかしながら、リン酸トリアルキルは、アルキル化活性を有す る毒性のある発癌性物質である。従って、その工業規模での使用は問題である。 以下に、これらの欠点を解消する、ヌクレオシド類似体のホスフェートエステ ルのプロドラッグを調製する新規な合成方法を説明する。これらの方法を使用す ると、アシクロビル又はヌクレオシド類似体を保護しなくても、アシクロビル等 のヌクレオシド類似体のホスフェートエステルのプロドラッグを、ほぼ定量的な 収率で調製することができる。非プロトン性極性有機溶媒に懸濁されたアシクロ ビル又はヌクレオシド類似体Y’−OHは、ホスホルアミダイト類(A−O)2 −P−(NR2122)と、無水弱有機酸の存在下で急速に定量的に反応し、それ に対応する亜リン酸エステルを生成し、それを単離しなくても、亜リン酸酸化剤 で酸化して対応するリン酸トリエステルとすることができる。この反応経路を、 図2に概略的に示す。リン酸トリエステルは、塩基、例えば、トリエチルアミン 等のアミン塩基の存在下でジエステルプロドラッグに変換することができる。 「ヌクレオシド類似体」は、その構造がヌクレオシドに類似することによる活 性を有する薬剤である。標的生体において、薬剤は、誤ってDNA、RNA等の 生体分子に取り込まれることがある。ヌクレオシド類似体が取り込まれた生体分 子は、対応する天然の生体分子と同様の生化学的反応を行なわない。その結果、 ヌクレオシド類似体は、標的生体に対して毒性がある。本発明での使用に好適な ヌクレオシド類似体(Y’−OH)は、遊離水酸基を有する。例には、3’−ア ジド−チミジン(AZT)、2’3’−ジデヒドロ−2’3’−ジデオキシチミ ジン(D4T)、2’3’−ジデオキシアデノシン及びトリフルオロチミジンが 含まれる。 好適な無水弱有機酸には、当該技術分野においてよく知られたホスホルアミデ ート法によるポリヌクレオチドの合成での使用に好適な酸が含まれる。一般に、 約2から約6のpKaを有する無水弱有機酸が好ましく、例えば、H−テトラゾ ール、1−H−トリアゾール及び3−ニトロ−1−H−トリアゾールである。 ホスホルアミドに対し、約10〜20モル%のモル過剰の弱酸及びヌクレオシ ド類似体が一般に使用される。しかしながら、その3つの試薬を等モル量で用い てもよく、これらの試薬のいずれか1種又は2種を、約3倍又はそれ以上過剰に 使用することもできる。その試薬の好適な濃度は、約0.05Mから約2.0M の範囲であり、典型的には、約0.3Mから約1.3Mの範囲である。反応は、 一般に−10℃から約80℃の範囲の温度で行なうことができるが、典型的には 室温で行なう。反応を薄層クロマトグラィーにより監視し、反応時間を決定する ことができる。ピリジン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム等の極 性共溶媒を、ヌクレオシド類似体の溶解性又は反応速度を著しく低下させない量 で添加することができる。 亜リン酸エステルの酸化は、約1.0から約3.0当量の亜リン酸酸化剤(例 えば、過酸化水素)を用い、約0℃から約50℃の範囲の温度で行なうことがで きる。好ましくは、反応は、約10〜15%過剰の亜リン酸酸化剤を用い、約1 0〜20℃で行なわれる。好ましくは、酸化は、亜リン酸エステル中間体を単離 せずに行なうことができる。 「亜リン酸酸化剤」は、亜リン酸エステルを酸化してリン酸エステルにする試 薬である。亜リン酸酸化剤は、オリゴヌクレオチド合成の技術分野において公知 であり、過酸化水素、メタクロロ過安息香酸等の過酸、水中のヨウ素、四酸化窒 素等が含まれる。過酸化水素が好ましい。 アシクロビル、アシクロビルの類似体又はヌクレオシド類似体を含有するリン 酸トリエスエルは、リン酸トリエステルを適当な塩基、例えば、ベータ位に(R O)2PO−O−(式中、Rは、置換又は非置換アルキル、アリール又はヘテロ アリール基である)で置換されたエステルを、脱離反応を引き起こす塩基と反応 させることにより、リン酸ジエステルプロドラッグに変換することができる。好 適な塩基の例には、限定がないが、水酸化物、アミン類(例えば、アンモニア、 アルキルアミン、ジアルキルアミン又はトリアルキルアミン)、アルコキシド類 及び水素化塩基類(例えば、水素化ナトリウム又は水素化カリウム)が含まれる 。一般に、リン酸トリエステル1モルあたり、少なくとも1当量の塩基が使用さ れる。塩基としてアミンを用いる場合、その反応混合物には、アミン塩基を約5 0容量%まで、好ましくは約20容量%から約30容量%の間で適当な有機溶媒 中に含めることができる。その反応は、約0℃と約50℃との間で、好ましくは 室温でな行うことができる。好適な溶媒は、塩基及びリン酸トリエステルの双方 に溶解し、相溶する(例えば、塩基と反応しない)ものであり、当業者が容易に 決定することができる。例えば、アミンを塩基として用いた場合には、好適な溶 媒には、一般にアセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ニトロメタン等 の極性溶媒が含まれ、アルコール類をアルコキシド塩基とともに用いることがで き、エーテル系溶媒を水素化物又はアミド塩基とともに用いることができる。 開示されたジエステルプロドラッグの調製法を図1に示し、実施例2で詳細に 説明する。これらの方法において、ある程度の変更が必要となるかもしれないこ とがわかる。例えば、異なるA基又はY基が使用される場合、使用する反応条件 の変更が必要なことがある。好適な反応条件の選択は、有機化学分野における当 業者の能力の範囲内のことである。 本出願のプロドラッグは、個体(例えば、ヒト及び動物)において、サイトメ ガロウィルス、アデノウィルス(特に、アデノウィルス5型)、ライノウィルス 、メンゴ(Mengo)ウィルス、シンドビス(Sinbis)ウィルス、ワク チニアウィルス等の種々の種類のDNAウィルス及びRNAウィルスにより引き 起こされる感染を治療するのに使用することができる。それらは、特に単純ヘル ペス、帯状疱疹及び水痘等のヘルペスウィルス、とりわけ皮膚の単純ヘルペスウ ィルス1型感染に対して特に有効である。本発明のプロドラッグによって治療さ れ得る動物には、イヌ、モルモット、ネコ等の家畜動物、並びにウシ、ウマ、ブ タ、ヤギ、ヒツジ等の飼育動物が含まれる。 プロドラッグの「治療上有効量」とは、個体又は動物におけるウィルス感染の 持続期間及び/又は重篤度を低減するプロドラッグの量である。あるいは、「治 療上有効量」には、ウィルス感染した個体又は動物におけるウィルス力価を低下 させるか、又はウィルス感染に関連する症状及び/又は不快感を改善するプロド ラッグの量が含まれる。単純ヘルペスウィルス1型等の皮膚のウィルス感染の場 合、プロドラッグの「治療上有効量」は、感染した個体又は動物の皮膚において 、病変の数、病変領域及び/又はウィルス力価を低減する量である。 当業者であれば、動物又は個体に投与するすべきプロドラッグの適正量を決定 することができるであろう。個体に投与されるプロドラッグの量は、動物又は個 体の通常の健康状態、体格、年齢及び性別、並びに投与経路を含む多くの因子に 依存するであろう。また、プロドラッグの量は、ウィルス感染の程度、重篤度及 び型にも依存するであろう。当業者であれば、これら及び他の因子に応じて、適 正な用量を決定することができるだろう。典型的には、1日に体重1kg当たり 約0.01mgから1日に体重1kg当たり約200mgの間で個体又は動物に 投与される。 プロドラッグは、例えば、カプセル、懸濁液又はタブレットで経口投与するこ とができる。使用可能な非経口投与の他の方法には、筋肉内、静脈内、皮下又は 腹腔内注射等の全身投与が含まれる。皮膚のウィルス感染、例えば、皮膚の単純 ヘルペスウィルス1型等の場合、ブロドラッグは、好ましくは、ウィルス感染の 症状を呈する皮膚に局所的に直接塗布される。 プロドラッグは、ウィルス感染を治療する医薬組成物の一部として、許容され る医薬用賦形剤とともに、個体又は動物に投与することができる。好適な医薬用 賦形剤には、プロドラッグと相互作用しない不活性な添加剤を含まれていてもよ い。レミントンズ・ファルマシューティカル・サイエンシズ(Remingto n’s Pharmaceutical Sciences)、マック・パブリ ッシング・カンパニー(Mack Publishing Company)、 イーストン、PAに記載されているような標準的な医薬品の調剤技術を用いても よい。非経口投与に好適な医薬用賦形剤には、例えば、滅菌水、生理食塩水、制 菌生理食塩水(約0.9% mg/mlのベンジルアルコール含有生理食塩水、 リン酸緩衝生理食塩水、ハンクス溶液、乳酸加リンガー液等が含まれる。組成物 をカプセル化する方法(硬質ゼラチン又はシクロデキストランのコーティング等 )は、当該分野において知られている(ベーカー(Baker)ら、「コントロ ールド・リリース・オブ・バイオロジカル・アクティブ・エージェンツ(Con trolled Release of Biological Active Agents)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ、1986)。 皮膚におけるウィルス感染の治療のための局所投与のために、医薬組成物には 、プロドラッグに加えてプロドラッグを溶解する水、アセトン、アルコール、そ れらの混合物等の不活性非毒性溶媒や、好ましくはプロドラッグを溶解したり、 懸濁する、局部の局所投与に好適な医薬用賦形剤をさらに含めることができる。 薬学的に許容しうる賦形剤の例には、例えば、商業的に入手可能な不活性なゲル 又はアルブミン添加液、メチルセルロース又はコラーゲンマトリックスが含まれ る。そのような製剤の代表例は、軟膏、クリーム及びゲルである。軟膏は、典型 的には、例えば、不揮発性油、又は白色ワセリン、鉱油等の炭化水素類を含有す る油性基剤や、例えば吸収性無水物、例えば無水ラノリンからなる吸収性基剤を 用いて調製することができる。基剤の製造後、有効成分を所望の濃度で添加する 。クリームは、一般に、典型的には不揮発性油やワックス、ワセリン、鉱油等の 炭化水素類等を含有する油相(内部相)と、水と、付加塩等の水溶性物質とを含 む水相(連続相)とを含有する。その2相は、乳化剤、例えば、ラウリル硫酸ナ トリウム等の界面活性剤;アカシアコロイド状クレイ類、ビーガム等の親水性コ ロイドの使用によって安定化される。エマルジョンの形成の際には、有効成分を 所望の濃度で添加する。ゲルには、先に記載したような油性基剤、水、又はエマ ルジョン−懸濁基剤から選ばれた基剤が含まれる。基剤には、基剤中でマトリッ クスを形成するゲル化剤を添加し、その粘度を半固体状の粘度にまで高めること ができる。ゲル化剤の例は、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル酸ポリマ ー等である。有効成分は、ゲル化剤を加える前に、所望の濃度でその組成に添加 する。 本発明を、以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、実施例に限定される ことを意図するものではない。 実施例1−アシクロビルプロドラッグ1は、アシクロビルよりも皮膚のHSV− 1ウイルス感染の低減に効果的であること製剤 プロドラッグ1の製剤には、5%EL−620エマルファー(EMULPHO R)(ポリオキシエチレン化ひまし油)(ローン・ポルエンク(Rhone P oluenc))、5%カーボポール(CARBOPOL カルボキシポリメチ レン、ナトリウム塩)(B.F.グッドリッチ(Goodrich)、10%エ タノール及び2重量%のプロドラッグ1が含まれていた。その製剤のバランスは 、水からなる。 EL−620エマルファーと水とを混合し、超音波をかけ、澄んだ乳化液を得 、それにエタノールを添加した。次にプロドラッグを添加し、その混合物に超音 波をかけた。カーボポールナトリウムをその乳化液に加え、均一になるまで混合 した。 プロドラッグを省いた他は、その薬剤組成物と同一となるようにプラセボを調 製した。 その薬剤組成物を、室温で保存した。 プロドラッグ1を用いた動物接種とその後の治療 雌の異系交配モルモットで 400〜450gのものが、マサチューセッツ、ウィルミントンのチャールズ・ リバー・ブリーディング研究室(Charles River Breedin g Labs)で得られた。ケトアミン25mg/kgとキシラジンSQ5mg /kgで動物に麻酔をかけた。肩から臀部の背骨上の毛を電気バリカンで除去し 、化学的脱毛剤の塗布を5〜10分間2回行なった。背中の中間と臀部に対応す る程度に背中の両側に、4つの領域の格子をペンで区分した。 希釈していないHSV−1ウィルスのストック(0.035ml)をそれぞれ 異なる領域に塗布し、6つまたのスプリングで負荷がかけられた予防接種機器の 10個のアクチベーションで十分にスペースを開けて配置して皮膚を介して導入 した(ステーニードル(Sterneedle)、パン・レイ・ディビジョン( Pan Ray Division)、オルモント・ドラッグ(Ormont Drug)、イングルウッド(Englewood)、ニュージャージー)。接 種日を0日とする。およそ250mgの薬又はプラセボを、1日目、2日目及び 3日目に投薬処方によりその領域に塗布した。試験の際にはモルモット8匹を使 用し、各薬剤とそのプラセボの間で8つの対比を行なった。 4日目に、モルモットの背で再生した毛を、化学脱毛剤を3〜4分間1回だけ 塗布して取り除いた。HSV障害をカウントし、動物の背中のポラロイド写真を 撮った。動物を炭酸ガスを用いて犠牲にし、背中の充分な厚さの皮膚を解剖によ って取り除いた。各4つの治療領域のからの四角い皮膚を、氷浴中で2%のFB Sを含む組織培養液15ml中に入れた。次にそのサンプルをストマッカー・ラ ブ・ブレンダー 80(stomacher Lab Blender 80) (テクマー社(Tekmar Co.))で均質化した。残渣を遠心分離によっ てペレットにし、上澄み液を回収し、ベロ細胞中のプラーク形成によって感染し やすさを分析するまで─70℃で冷凍した。 結果 障害の数の平均値および標準偏差、全障害領域及び障害ウィルスの滴定量を計 算した。媒体で治療した部位と対比して薬剤で治療した部位における平均の障害 のシビアリティのlog10導関数の相違%を用いてウィルコクソン・サインド− ランク・テスト(Wilcoxon signed−rank test)で一 組のデータ(薬剤/媒体)を評価した。 1日あたり4回塗布したU.S.ゾビラックス(ZOVIRAX)軟膏には、 活性がなく、プラセボとは統計的に異なる。これに対して、プロドラッグ1は、 プラセボ(p<0.01)と対比して、障害の数において72%低減し、障害領 域において79%低減し、皮膚のウィルス性の滴定量において93%低減した。 実施例2−アシクロビルプロドラッグの合成 A. (4−ヒドロキシベンゾイル)酢酸メチルの合成器具: 3Lの3つ口丸底フラスコ、メカニカルスターラー、添加漏斗つき温度計、冷 却浴、アルゴンバブラー。 操作: 水素化ナトリウム(鉱油に60%分散、74.0g、1.85モル)を石油エ ーテル(250ml)中に無水アルゴン下で懸濁し、沈降するまで放置し、アル ゴン下で溶媒を除去した。その操作を他の石油エーテル(250ml)を用いて 繰り返した。無水DMF250mlを添加した。 4’−ヒドロキシアセトフェノン(50.4g、0.37モル)のジメチルホ ルムアミド(DMF)250mlの溶液を、1.5時間かけてNaHの懸濁液に 滴下し、浴を氷で断続的に冷却することによって温度を32℃未満に保った。添 加を終了したときに、気体の発生がおさまって温度が28℃に下がるまで15分 間反応混合物を攪拌した。炭酸ジメチル(167.0g、1.85モル)を1時 間かけて滴下し、温度を35℃未満に維持した。 該反応混合物をアルゴン下で、室温で36時間攪拌した。該反応混合物を氷浴 で冷し、氷(体積1.5L)、水(1.0リットル)及び濃塩酸(170mL) の混合物中に攪拌しながら注ぎ、酢酸エチル(4×250ml)で抽出した。合 わせた酢酸エチルの抽出物を水(1×200ml)、5%クエン酸(2×200 ml)、5%NaHCO3(2×200ml)、水(2×200ml)で洗浄し 、Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。 残油を、トルエン/ヘキサンから結晶化させた。 収率は63g−89%であった。 反応及び生成物をヘキサン中における40%酢酸エチルのTLCによってモニ ターした。 B. [4−(2,2,2−トリメチルアセトキシベンゾイル)酢酸]メチルの 合成 無水クロロホルム150ml中の(4−ヒドロキシベンゾイル)酢酸メチル( 20g、0.103モル)とトリエチルアミン(15.8ml、11.4g、0 .113モル)との攪拌して冷却した溶液に、塩化トリメチルアセチル(13. 6g、0.113モル)のクロロホルム20mlの溶液を15分間かけて滴下し た。 添加を終了した時、氷浴を除き、反応混合物を室温で2時間攪拌した。 反応混合物を水(3×100ml)、5%NaHCO3(3×100ml)、 水(1×100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、溶媒をロータリーエバ ポレーターで除去した。その残渣をジエチルエーテル/石油エーテルから結晶化 させることによって精製した。 C. 3−ヒドロキシ−3−[4−(2,2,2−トリメチルアセトキシ)−フ ェニル]プロピオン酸メチル(アルコール1A)の合成 パール(Parr)装置に[4−(2,2,2−トリメチルアセトキシベンゾ イル)酢酸]メチル(13.0g、46.7モル)、エタノール(100mL) 、水(50mL)及び活性炭素上の10%パラジウム0.8gを入れた。その混 合物を40ポンド/平方インチ(psi)のH2雰囲気下で8時間攪拌しながら 反応させ、濾過し、蒸発させて乾燥した。その残渣をトルエン/石油エーテルか ら再結晶させ、アルコール1A(12.83g、98%)を得た。 D. ホスホルアミド中間体3の調製 図1A及び1Bを参照して、アルコール1A(28.03g、0.1モル)及 び攪拌棒を500mLの丸底フラスコに入れた。フラスコをゴム膜で密閉し、窒 素でフラッシュした。乾燥THF(150mL)を注射器で添加し、トリエチル アミン(10.12g、14.0mL、0.1モル)を添加した。アルコール1 Aが溶解するまで該混合物を窒素下で攪拌し、次いで氷浴中で冷却した。ジエチ ルホスホロアミド二塩化物2(8.70g、7.30mL、0.05モル)を注 射器で秤量し、攪拌しながら約5分間かけて滴下した。15分間後、氷浴を取り 除き、反応混合物を24時間攪拌した。その時点で、酢酸エチル/ヘキサン40 :60でのTLCにより、出発物質がないことが示された(UV検知)。該混合 物を窒素のブランケット下で濾過し、フラスコと固形物とをTHF3×25mL で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液とをドライアイスで冷却された濃縮器を備え たロータリーエバポレーターで25℃の浴温で蒸発させ、中間体3を油状で得た 。 E. 亜リン酸トリエステル中間体6の調製 中間体3を有するフラスコに撹拌棒を備えつけ、ゴム膜で密閉した。乾燥DM F(45mL)を添加し、油が溶解するまでその混合物を撹拌した。アシクロビ ル4(9.38g、0.0417モル)、次いで1−Hテトラゾール(3.50 g、0.05モル)を素早く加え、得られた懸濁液を窒素下で密閉して24時間 撹拌した。約2時間後、アシクロビル4は溶解し、該反応混合物は澄むようにな った。クロロホルム/メタノール/水50:10:1における24時間後のTL Cは、アシクロビル4が完全に消費されていることを示した。DMFの代わりに 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを用いたとき、同様の結果が得られた 。 F. 亜リン酸トリエステル中間体6のリン酸トリエステル7への酸化 該反応混合物を氷浴で冷却し、過酸化水素(30%w/w水溶液、6.80g 、5.2mL、0.06モル)を攪拌しながら添加した。温度が15℃未満とな るように添加の速度を調節した。発熱反応がおさまった時に浴を取り除き、その 混合物を室温で1.5時間放置した。 反応混合物を氷浴上で冷却し、水8mLに溶解させたNa2SO3(2.52g 、0.02ミリモル)を攪拌しながら添加した。温度が15℃未満となるように 添加の速度を調節した。その混合物を室温で25分間放置し、次いでドライアイ スで冷却された濃縮器を備えたロータリーエバポレーターで25℃の浴温で、減 圧下(0.7〜0.5mmHg)で蒸発させた。その残渣を塩化メチレン100 mLに溶解し、濾過して、塩化メチレンで平衡化させたシリカゲル(420g、 乾燥容量約900mL)に充填した。塩化メチレン(2L)で溶離液のUV吸収 が初期値に戻るまでカラムを溶離した。この段階で、極性の少ない不純物を溶出 した。さらに、塩化メチレン/メタノール15:1(6L)でUV吸収が初期値 に戻るまでカラムを溶離した。画分200mLを回収した。画分13−25をプ ールし、蒸発し、白いフォームを得た。この残渣を室温で減圧下(0.5mmH g)で一晩乾燥し、白色固体31.82g(収率92%)を得た。 G. 化合物7からプロドラッグ1の調製 化合物7(8.29g、10ミリモル)を、トリエチルアミン28mLとアセ トニトリル83mLとの混合物に溶解した。6時間後、該反応混合物を減圧下で 蒸発させ、その残渣を塩化メチレンに溶解した。この溶液をシリカゲルのカラム 上に置き、純粋な塩化メチレンから塩化メチレン/メタノール/水15:10: 1への勾配で溶出させることによって生成物であるプロドラッグ1をシナメート (cinamate)8から分離した。そのプロドラッグ1を含む画分を蒸発さ せた。その残渣を30%イソプロパノールに溶解させ、Na+型のダウエックス (Dowex)50WX8のカラムを通過させることによってナトリウム塩に変 換した。その物質を30%イソプロパノールで溶離し、減圧下で蒸発させ、オイ ルを得た。このオイルを無水エタノールから結晶化させ、2−((9−グアニリ ル)メチル)オキシ)エチル)1−(4−((2,2−ジメチルプロピオニル) オキシ)−フェニル)−2−((メトキシ)カルボニル)エチルリン酸ナトリウ ム4.77g、81%を得た。1H NMR(DMSO−d6、δ):11.40 (1H、s)、7.79(1H、s)、7.39(2H、m)、7.00(3H 、m)、5.38(1H、m)、5.29(s、2H)、3.65(1H、m) 、3.55(1H、m)、3.47(3H、s)、3.03(1H、dd)、2 .72(1H、dd)、1.28(9H、s)、31P NMR(DMSO−d6 ;85%H3PO4、外部基準):−0.83(dec.on,s;dec.of f,m)。そのアニオンの分子量を、質量分析によって確認した。 塩化ピボイル(pivoyl)の代わりに工程Bで塩化アセチルを使用した他 は、同様の合成を行ない、プロドラッグ2のナトリウム塩を調製した。プロドラ ッグ2の構造を以下に示す。 プロドラッグ2 R=−CO−CH3 プロドラッグ2、すなわち2−((9−グアニリル)メチル)オキシ)エチル −1−(4−アセトキシフェニル)−2−((メトキシ)カルボニル)エチルリ ン酸ナトリウムの分析データは、以下のとおりである。1H NMR(DMSO −d6、δ):11.09(2H、s)、7.78(1H、s)、7.36(2 H、m)、7.04(2H、m)、6.82(2H、ブロードs)、5.37( 1H、m)、5.29(2H、s)、3.60(2H、m)、3.49(3H、 s)、3.44(2H、m)、2.97(1H、dd)、2.73(1H、dd )、2.25(3H、s)、31P NMR(DMSO−d6;85%H3PO4、 外部基準):−5.569(dec.on,s;dec.off,m)。質量 分析 ES+548[M+H]+,ES−524[M−Na]-。 工程Aで炭酸ジエチルを用いて(4−ヒドロキシベンゾイル)酢酸エチルを調 製した他は、同様の合成を行ない、3番目のプロドラッグのナトリウム塩、すな わちプロドラッグ3を調製した。こうして、プロドラッグ3はプロドラッグ1と 同じ構造をもち、ベンジル位の−CH2COOCH3基が−CH2COOCH2CH3 基で置換するように修飾した。プロドラッグ3、すなわち2−((9−グアニ リル)メチル)オキシ)エチル−1−(4−((2,2−ジメチルプロピオニル )オキシ)フェニル)−2−((エトキシ)カルボニル)エチルリン酸ナトリウ ムの分析データは以下のとおりである。1H NMR(DMSO−d6、δ):1 1.35(1H、s)、7.78(1H、s)、7.38(2H、m)、7.0 1(2H、m)、6.96(2H、ブロードs)、5.39(1H、m)、5. 31(2H、s)、3.93(2H、m)、3.64(2H、m)、3.45( 2H、m)、3.06(1H、dd)、2.70(1H、dd)、1.30(9 H、s)、1.05(3H、t)、31P NMR(DMSO−d6;85%H3P O4、外部基準):−1.511(dec.on,s;dec.off,m)。 質量分析 ES+626[M+Na]+。 実施例3−アシクロビルプロドラッグ2がアシクロビルよりも皮膚のHSV−1 ウイルス感染の低減に効果的であること プロドラッグ2を実施例1で述べたよ うに製剤した。1匹のハートレーモルモットに、実施例1で述べたようにHSV −1を接種した。実施例1で使用したプロトコルに従って、該モルモットをプロ ドラッグ2で治療した。プロドラッグ1を用いた実施例1で観察されたように、 障害の数、障害領域及び皮膚のウイルスの滴定量において同様の低減がプロドラ ッグ2を用いて得られた。 均等 当業者は日常的な実験を用いるだけで、本明細書に記載された発明の特定の態 様に対して数多くの均等物を認識し、確かめることができるであろう。これら及 び他の全ての均等物は、以下の請求の範囲に含まれることを意図する。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成11年4月30日(1999.4.30) 【補正内容】 明細書 アシクロビルジエステル誘導体 関連出願 本出願は、1997年5月15日に出願された米国特許出願第08/857, 150号の継続出願である、1998年3月27日に出願された米国特許出願第 09/050,220号の一部継続出願である。 発明の背景 現在使用されている抗ウィルス剤は、ウィルスによってひき起こされる皮膚感 染症の治療における効力が限られている。例えば、一般に、「顔面ヘルペス」と いわれる単純ヘルペスは、アシクロビルによる局所治療に好ましい反応を示さな い(スプルアンス(Spruance)ら、Am.J.Med.、73(1A) :315〜319(1982);ショー(Shaw)ら、Br.Med.J.( Clin.Res.Ed.)、291(6487):7〜9(1985);ラボ ーン(Raborn)ら、Oral Surg.Oral Med.Oral Pathol.、67(6):676〜679(1989);スプルアンス(S pruance)ら、Antimicrob.Agents Chemothe r.、25(5):553〜555(1984);ラボーン(Raborn)ら 、J.Can.Dent.Assoc.、55(2):135〜137(198 9))。顔面ヘルペスを治療するためのアシクロビルの経口投与は、一部でのみ 効力がある(スプルアンス(Spruance)ら、J.Infect.Dis eases 161:185(1990))。 顔面ヘルペス及び他の皮膚のウィルス感染部に局所的に塗布されるアシクロビ ル等の抗ウィルス剤の効力に限界があるのは、これらの薬剤のほとんどが皮膚を 透過する能力に限界があることによるものと考えられている(パーリー(Par ry)ら、J.Invest.Dermatol.、98(6):856〜86 3(1992);スプルアンス(Spruance)ら、Antimicob. Agents Chemother.、25(1):10〜15(1984)) 。陰部ヘルペス感染の局所治療にも、同じ理由により効力がない。したがって、 皮膚を透過し、皮膚の感染症を引き起こすウィルスに対して効力のある新しい抗 ウィスル薬の要求がある。 本発明の概要 アシクロビルの親油性ホスホトリエステルプロドラッグは、1996年4月2 2日に出願された米国特許出願第08/635,553号に開示されているよう に、ヘルペスウィスルの感染に対して局所的に極めて効力がある。本発明は、非 親油性及び水溶性である対応のアシクロビルのホスホジエステルプロドラッグが ホスホトリエステルよりもより一層効果的な抗ウィスル薬であり、アシクロビル よりもより効果的であるという発見に基づく。例えば、皮膚の単純ヘルペスウィ スルス1型(HSV−1)に感染したモルモットを、プロドラッグ(Prodr ug)1及びプロドラッグ2で治療すると、そのビヒクルと比較した場合、病変 の数、病変領域及び病変のウィスル力価が劇的に減少した(実施例1及び3)。 これに対し、U.S.ZOVIRAX(アシクロビル)を用いた同様の治療では 、統計的にプラセボを用いたときと同じ結果が得られた。 図面の簡単な説明 図1A及び図1Bは、プロドラッグ1を調製するのに用いられる合成経路を示 す概略図を表す。 図2は、ヌクレオシド類似体Y−OH、(A−O)2−P−N(エチル)2及び テトラゾールをジメチルホルムアミド中で反応させ、得られた亜燐酸トリエステ ルの生成物を過酸化水素で酸化させることによる燐酸トリエステルの合成を示す 概略図を表す。 発明の詳細な説明 本明細書には、ヌクレオシド類似体であるアシクロビル等の新規な薬剤のプロ ドラッグが開示されている。開示されたプロドラッグは、親薬剤(parent drug)と比較して、改善された効力を示す。また、ヌクレオシド類似体の リン酸トリエステルプロドラッグを調製する改良法も開示されている。これらの 方法は、開示されたホスホジエステルプロドラッグの調製にも有用である。 アシクロビル、アシクロビル類似体等の抗ウィルス剤の効力は、薬剤を構造式 (I)で表されるリン含有プロドラッグに変換することにより増強され得る。 プロドラッグは、本明細書で用いられているように、インビボで代謝され得る 、すなわち生体内変化を受け、薬理学的に効力のある薬剤又は薬理学的に効力の ある薬剤のモノホスフェートを与える薬剤である。「代謝される」とは、プロド ラッグがインビボで受ける化学的又は生化学的反応をいう。例には、酵素触媒反 応、並びに加溶媒分解、加水分解、脱離反応等の溶液中で起こる反応が含まれる 。 AとOとの間の共有結合もホスホエステル結合である。 好ましい態様において、Raは−OH、Rbは−NH2、Xは酸素である。Rc、 Rd及びReは、それぞれ−Hであり、Rfは、Yとプロドラッグのホスフェート 基の酸素との間のホスホエステル結合であり、すなわちYは水酸基と一緒になっ てアシクロビルであることが最も好ましい。 以下は、ホスフェート基を含むプロドラッグ、例えば、構造式(I)で表され るプロドラッグに関する本発明の説明である。 Aは、インビボで代謝されて化学的に修飾されたA(A’)を与え得る基であ る。生体内変化の結果、修飾されたA(A’)を含むプロドラッグのホスホエス テルは、インビボで開裂を受ける。ホスホエステルの開裂は、例えば、修飾され たA(A’)を含むホスホエステル基の酸素−炭素結合の異方性開裂に起因する であろう。この場合、該ホスフェート基は、開裂基として作用する。インビボで の生体内変化により、Aにおいてホスフェート基が結合している炭素原子におけ るよりも、修飾されたA(A’)においてホスフェート基が結合している炭素原 子におけるほうが電子密度が大きくなったなら、修飾されたA(A’)を含むホ スホエステルのインビボにおける開裂は、Aを含むホスホエステルに対して高め られるであろう。 例えば、Aが不飽和ベンジル基である場合よりも、Aがオルト又はパラ位に電 子供与基を有するベンジルである場合のほうが、構造式(I)で表される構造を 有する化合物は、インビボでより迅速に開裂されるであろう。 好ましくは、R8は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ ル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル又はn−ヘキシルからなる群よ り選ばれる。他の例には、−CHR9−NHR10、−CH(OR11)−CH3、C H3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O−(CH22−O −CH2−、−OCH3、−CH2−CO−CH3及び−CH2(OR11)(式中、 R9はアミノ酸の側鎖、R10はH又はアミンの保護基、R11はH又はアルコール の保護基である)が含まれる。好適な保護する保護基は、当業者によって選ぶこ とができ、グリーン及びウッツ(Green and Wuts)、「プロテク ティング・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protectin g Groups in Organic Synthesis)」、ジョン・ ウィリー・アンド・サンズ、第5章及び第7章、1991に記載されている。 R1、R3及びR6における不安定な基の性質により、生成したプロドラッグが リンを含む親薬剤に変換される速度が決まる。プロドラッグの溶解性は、基R1 〜R8の性質を変えることにより、変えることができる。水溶性は、−CH2OH 、−CO2H等の親水性基を有する置換基を選択することにより、高めることが できる。あるいは、脂質溶解性を増大させるバルキーな置換基を選択してもよい 。 より一層好ましい態様において、プロドラッグは、以下の構造式: ブタの肝臓のエステラーゼでリン酸緩衝D2O中でインキュベートすると、NM Rの結果は、上記スキームに示されるように、プロドラッグ1は分解されてアシ クロビルモノホスフェート及びp−ヒドロキシ桂皮酸となる。この分析は、グラ チアー(Glazier)、「ホスホラス・プロラッグズ(Phosphoru s Prodrugs)」と題された国際公開(WO)第91/19721号に 記載されており、インビボで開裂され得る好適な水酸基又はアミノ基の保護基を 決定するのに使用することができる。好適なインビトロ分析は、エステラーゼ類 、アミダーゼ類、又は好適な保護基を決定するのにも使用しうるカーボネート、 カーバメート、エステル及びアミド基を分解しうる酵素を使用する分野における 当業者に知られている。 上記の説明において、「不活性」という用語は、実質的に非反応性で、プロド ラッグの代謝又は壊変の化学作用にあまり影響しない基をいう。不活性基の例に は、−H、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール、ハロゲ ン、−COO(低級アルキル)、(低級アルキル)−O−、(置換低級アルキル )−O−(例えば、ベンジルオキシ及び置換ベンジルオキシ)、−CO−(低級 アルキル)、−CO−(置換低級アルキル)、−CO−(アリール)、−CO− (置換アリール)、−CHO、−CN及び−NO2が含まれる。 本明細書で使用されているように、「低級アルキル」基は、1から約20の炭 素原子、好ましくは1から6の炭素原子を有していてもよく、直鎖、分枝鎖又は 環状であってもよい。さらに、「低級アルキル」基は、1又はそれ以上の二重結 合及び/又は三重結合を有していてもよい。「アリール」基には、複素環式又は フェニル、ナフチル等の炭素環式芳香族基が含まれる。複素環式芳香族基には、 例えば、イミダゾリル、インドリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピラニル 、ピラニル、オキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イ ソキノリニル及びアクリジンチルが含まれる。 低級アルキル、アリール基及びベンジル基上の好適な置換基には、上述したよ うな不活性置換基が含まれる。 本明細書に開示されたアシクロビル及びアシクロビル類似体のプロドラッグの 好適な生理的塩は、非毒性のものである。例には、限定されないが、開示された プロドラッグのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウ ム、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモ ニウム、ジエタノールアンモニウム及びトリエタノールアンモニウムの塩が含ま れる。これらの塩は、所望のカチオンの塩と、ハライド類、−ClO4 -、アセテ ート又は他のアルカノエート類又はアリールカルボキシレート類を含む適当なア ニオンとの交換反応によって調製することができる。これらの塩は、所望のカチ オンを充填したイオン交換樹脂を用いて調製することもできる。 ヌクレオシド類似体(例えば、アシクロビル)のホスフェートエステルプロド ラッグを調製する方法には、ホスホアミダイト類(phosphoamidit es)をH−テトラゾールと組み合わせて用いることが含まれる(ペリッチ及び ジョーンズ(Perich and Johns)、Synthesis 19 88:142参照)。しかしながら、これらの方法には、多くの欠点がある。ア シクロビル等のヌクレオシド類似体は、通常、この反応に使用される有機溶媒、 例えば、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン及 びピリジンに十分に溶解しない。その結果、ヌクレオシド類似体(例えば、アシ クロビル)をその溶解性を高めるために保護し、副反応を避けなければならず、 それにより、ホスフェートエステルプロドラッグの製造コストが増大する。 35. 以下の構造式: で表されるプロドラッグ及びその生理学的に許容しうる塩の治療上有効量を個体 に投与することを含む、ウィルス感染した個体又は動物を治療する方法。 36. 無水弱有機酸であるY’−OHと(A−O)2−P(NR2122)(式 中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基、アリ ール基、置換アリール基であるか、ホスホルアミドの窒素と一緒になって、置換 又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン性極性有機 溶媒中で反応させることを含む、以下の構造式: (式中、Y’は水酸基と一緒になって、ヌクレオシド類似体、アシクロビル又は アシクロビルの類似体;及び Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうる、亜リン酸エステルに対し てオルト位又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたアミ ン基で置換されたベンジル基である) で表される化合物の製造方法。 37. Aが、以下の構造式: (式中、R4は−H又は−CH2COOR”; R8はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec− ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−CO−CH2−、C H3−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O−(CH22−O− CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s ec−ブチル及びt−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項36記載の方法。 38. a) ジアルキルアミド溶媒がジメチルホルムアミドであり; b) R21及びR22がそれぞれエチルであり; c) R4が−CH2COOCH3であり; d) R8がメチル又はt−ブチルであり;そして e) 無水弱有機酸がH−テトラゾールである 請求項37記載の方法。 39. Y−OH、H−テトラゾール及び(A−O)2−P(NR2122)(式 中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基、アリ ール基、置換アリール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒になって、 置換又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン性極性 有機溶媒中で反応させることを含む、以下の構造式: (式中、Yは水酸基と一緒になって、アシクロビルであり; Aは以下の構造式: (式中、R4は−CH2COOCH3、R8はメチル又はt−ブチルである)で表さ れる) で表される化合物の製造方法。 40. 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルホルムアミドであり、R21及びR22 がそれぞれエチルである請求項39記載の方法。 41. a)無水弱有機酸であるY’−OH及び(A−O)2−P(NR2122 )(式中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基 、アリール基、置換アリール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒にな って、置換又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)をジアルキル アミド溶媒中で反応させ、それにより以下の構造式: で表される中間体を製造する工程、及び b)該中間体を亜リン酸酸化剤と反応させ、それによりプロドラックを生成す る工程を含む、以下の構造式: (式中、Y’は水酸基と一緒になって、ヌクレオシド類似体、アシクロビル又は アシクロビルの類似体であり; Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうるホスフェートエステルに対 してオルト位又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたア ミン基で置換された置換ベンジル基である)で表されるプロドラッグの製造方法 。 42. 工程b)を中間体を単離せずに行なう請求項41記載の方法。 43. Aが、以下の構造式:(式中、R4は−H又は−CH2COOR”; R8はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec− ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−CO−CH2−、C H3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O−(CH22−O −CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s ec−ブチル、t−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項42記載の方法。 44. a) ジアルキルアミド溶媒が、ジメチルホルムアミドであり; b) R21及びR22がそれぞれエチルであり; c) R4が−CH2COOCH3であり; d) R8がメチル又はt−ブチルであり;そして e) 無水弱有機酸がH−テトラゾール である請求項43記載の方法。 45. a)Y−OH、H−テトラゾール及び(A−O)2−P(NR2122) (式中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基、 アリール基、置換アリール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒になっ て、置換又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン性 極性溶媒中で反応させ、それにより以下の構造式:で表される中間体を製造する工程; b)該中間体を過酸化水素と反応させ、それによりプロドラッグを生成する工 程を含む、以下の構造式: (式中、Yは水酸基と一緒になって、アシクロビルであり; Aは以下の構造式: (式中、R4は−CH2COOCH3、R8はメチル又はt−ブチルである)で表さ れる) で表されるプロドラッグの製造方法。 46. 非プロトン性極性溶媒がジメチルホルムアミドであり、R21及びR22が それぞれエチルであり、工程b)を中間体を単離せずに行なう請求項45記載の 方法。 47. a)無水弱有機酸であるY−OH及び(A−O)2−P(NR2122) (式中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基、 アリール基、置換アリール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒になっ て、置換又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン性 極性溶媒中で反応させ、それにより以下の構造式: で表される第1中間体を製造する工程; b)第1中間体を亜リン酸酸化剤と反応させ、それにより以下の構造式: で表される第2中間体を生成する工程;及び c)該第2中間体を塩基と反応させてプロドラッグを生成する工程を含む、以 下の構造式: (式中、Yは水酸基と一緒になって、アシクロビル又はアシクロビルの類似体で あり: Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうるホスフェートエステルに対 してオルト位又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたア ミン基で置換されたベンジル基である) で表されるプロドラッグの製造方法。 48. Aが、以下の構造式:(式中、R8はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s ec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−CO−CH2 −、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O−(CH22 −O−CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s ec−ブチル、t−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項47記載の方法。 49. a) R4が−CH2COOR”であり; b) R8がメチル又はt−ブチルであり; c) 非プロトン性双極性溶媒がジアルキルアミド溶媒であり; d) R21及びR22がそれぞれエチルであり;そして e) 無水弱有機塩基酸がH−テトラゾール である請求項48記載の方法。 50. 塩基がアミン塩基であり、ジアルキルアミド溶媒がジメチルホルムアミ ドである請求項49記載の方法。 51. 以下の構造式: (式中、Yは水酸基と一緒になって、アシクロビル又はアシクロビルの類似体; Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうるホスフェートエステルに対 してオルト位又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたア ミン基で置換されたベンジル基である) で表されるプロドラッグの製造方法であって、塩基を以下の構造式: で表される化合物と反応させ、それによりプロドラッグを生成させる工程を含む 方法。 52. Aが、以下の構造式: (式中、R8はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s ec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−CO−CH2 −、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O−(CH2 2−O−CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s ec−ブチル、t−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項51記載の方法。 53. a) R4が−CH2COOR”であり; b) R8がメチル又はt−ブチルであり;そして c) R21及びR22がそれぞれエチル である請求項52記載の方法。 54. 塩基が、アミン塩基である請求項53記載の方法。 55. 以下の構造式:(式中、Yは水酸基と一緒になって、ヌクレオシド類似体であり; Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうるホスフェートエステルに対 してオルト位又はパラ位に、1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護された アミン基で置換されたベンジル基である) で表されるプロドラッグの製造方法であって、塩基を、以下の構造式: で表される化合物と反応させ、それによりプロドラッグを生成する工程を含む方 法。 56. Aが、以下の構造式: (式中、R8はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s ec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−CO−CH2 −、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O−(CH22 −O−CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s ec−ブチル、t−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項55記載の方法。 57. a) R4が−CH2COOR”であり; b) R8が、メチル又はt−ブチルであり;そして c) R21及びR22がそれぞれエチル である請求項56記載の方法。 58. 塩基がアミン塩基である請求項57記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ヤナクコバ,ミルカ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01545 シュルーズバリー,ブラウン ロ ード 27 (72)発明者 ヤナクコフ,イワン アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01545 シュルーズバリー,ブラウン ロ ード 27

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (式中、Zは酸素又は硫黄; Yは水酸基と一緒になってアシクロビル、又はアシクロビル類似体;及び Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうる、ホスホエステルに対して オルト位又はパラ位で1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたアミン 基で置換されたベンジル基である) 及びその生理学的に許容しうる塩からなる群より選ばれた構造式で表されるアシ クロビル又はアシクロビル類似体のプロドラッグ。 2. Yが、以下の構造式: (式中、Xは硫黄、−NH−、−N(低級アルキル)−又は酸素; Raは水素、ハロゲン、水酸基、(低級アルキル)−O−、アジド、チオ、( 低級アルキル)チオ、アミノ、(低級アルキル)アミノ又はジ(低級アルキル) アミノ; Rbは水素、ハロゲン、(低級アルキル)チオ、(低級アルキル)−CO−N H−、アミノ又はアジド; Rcは水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール及び置換アリール; Rdは水素又は低級アルキル; Reは水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール、( 低級アルキル)O−、(置換低級アルキル)O−、アリールオキシ及び置換アリ ールオキシ;及び Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうる、ホスホエステルに対して オルト位又はパラ位で1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたアミン 基で置換されたベンジル基である) で表される請求項1記載のプロドラッグ。 3. Z及びXが酸素であり、Raが−OHであり、Rbが−NH2である請求項 2記載のプロドラッグ。 4. Rc、Rd及びReが、それぞれ−Hである請求項3記載のプロドラッグ。 5. ホスホエステルに対してAのパラ位又はオルト位の1又はそれ以上の基が 、R8−O−CO−O−、R8NH−CO−O−及びR8CO−O−(式中、R8は 低級アルキル、置換低級アルキル、アリール及び置換アリールからなる群より選 ばれる)からなる群より選ばれる請求項4記載のプロドラッグ。 6. Aとホスフェートの酸素との間のホスホエステル結合が開裂してα−炭素 とその部分との間に炭素−炭素二重結合を形成する脱離反能が起こるような部分 でベンジル基がα置換されている請求項5記載のプロドラッグ。 7. ホスホエステルに対してパラ位又はオルト位の1又はそれ以上の基が(低 級アルキル)CO−O−である請求項5記載のプロドラッグ。 8. Aが以下の構造式: (式中、R1、R3又はR6は独立して−H、−O−CO−R8、−O−CO−OR8 、−O−C(O)−NHR8、−O−C(O)−N(R82、−NH−CO−R8 、−NH−CO−OR8、−NH−CO−NHR8及び不活性基からなる群より 選ばれ、R1、R3又はR6の少なくとも1は不活性基ではない; R2及びR7は水素、−O−CO−R8又は不活性基であって、同一であっても よく異なっていてもよい; R4及びR5は独立して水素、低級アルキル基、置換低級アルキル基、及びAと ホスフェートの酸素との間のホスホエステル結合が開裂してAのベンジル位とそ の部分との間に炭素−炭素二重結合を形成する脱離反能が起きるような部分から なる群より選ばれる; R8は低級アルキル基、置換低級アルキル基、アリール基、置換アリール基、 及び生成したエステル、カーボネート、アミド、カーバメート又はウレア部分が インビボで遊離フェノール性水酸基又は遊離アミン基に分解するような基からな る群より選ばれる) で表される請求項4記載のプロドラッグ。 9. R1、R3又はR6のうちの少なくとも1つが、(−O−CO−R8)基であ る請求項8記載のプロドラッグ。 10. R4が、−CH2COOR”、−CH2COR”、−CH2CONH2、− CH2CONHR”、−CH2NO2、−CH2SO2R”及び−CH2CN(式中、 R”は低級アルキル、置換低級アルキル、アリール及び置換アリールからなる群 より選ばれる)からなる群より選ばれる請求項9記載のプロドラッグ。 11. R4が、−CH2−CO2−R”である請求項10記載のプロドラッグ。 12. R”が−、H、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル 、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル又は−(CH2nCH3(式中、n は4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17 、18、19又は20である)からなる群より選ばれる請求項11記載のプロド ラッグ。 13. R1が、−O−CO−R8である請求項12記載のプロドラッグ。 14. R8が、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n− ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3− CO−CH2−、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O −(CH22−O−CH2−、−OCH3、−CR9−NHR10、−CH(OR11 )−CH3及び−CH2OR11; (式中、R9はアミノ酸の側鎖; R10は−H又はアミンの保護基;及び R11は−H又はアルコールの保護基である) からなる群より選ばれる請求項13記載のプロドラッグ。 15. 以下の構造式: 及びその生理学的に許容しうる塩で表されるプロドラッグ。 16. 以下の構造式: 及びその生理学的に許容しうる塩で表されるプロドラッグ。 17. 以下の構造式: (式中、Zは酸素又は硫黄; Yは水酸基と一緒になってアシクロビル又はアシクロビル類似体;及び Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうる、ホスホエステルに対して オルト位又はパラ位で1又はそれ以上の保護されたフェノール基又は保護された アミン基で置換されたベンジル誘導体である) で表されるプロドラッグ及びその生理学的に許容しうる塩の治療上有効量を個体 に投与することを含む、ウイルス感染した個体の治療方法。 18. Yが、以下の構造式: (式中、Xは硫黄、−NH−、−N(低級アルキル)−又は酸素; Raは水素、ハロゲン、水酸基、(低級アルキル)−O−、アジド、チオ、( 低級アルキル)チオ、アミノ、(低級アルキル)アミノ又はジ(低級アルキル) アミノ; Rbは水素、ハロゲン、(低級アルキル)チオ、(低級アルキル)−CO−N H−、アミノ又はアジド; Rcは水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール及び置換アリール; Rdは水素又は低級アルキル; Reは水素、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール、置換アリール、( 低級アルキル)O−、(置換低級アルキル)O−、アリールオキシ及び置換アリ ールオキシ;及び Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうる、ホスホエステルに対して オルト位又はパラ位で1又はそれ以上の保護されたフェノール基又は保護された アミン基で置換されたベンジル誘導体である) 及びその生理学的に許容しうる塩で表される請求項17記載の方法。 19. ウイルス感染が、単純疱疹ウイルスによってひき起こされる請求項18 記載の方法。 20. ウイルス感染が、皮膚のウイルス感染である請求項19記載の方法。 21. プロドラッグを皮膚のウィルス感染に局所的に投与する請求項20記載 の方法。 22. Z及びXが酸素であり、Raが−OHであり、Rbが−NH2である請求 項21記載の方法。 23. Rc、Rd及びReが、それぞれ−Hである請求項22記載の方法。 24. ホスホエステルに対してAのパラ位又はオルト位の1又はそれ以上の基 が、R8−O−CO−O−、R8NH−CO−O−及びR8CO−O−(式中、R8 は低級アルキル、置換低級アルキル、アリール及び置換アリールからなる群 より選ばれる)からなる群より選ばれる請求項23記載の方法。 25. Aとホスフェートの酸素との間のホスホエステル結合の開裂により脱離 反応が起こり、α−炭素とその部分との間に炭素−炭素二重結合が形成するよう な部分によってベンジル基がα−置換されている請求項24記載の方法。 26. ホスホエステルに対してパラ位又はオルト位の1又はそれ以上の基が( 低級アルキル基)CO−O−である請求項25記載の方法。 27. Aが、式: (式中、R1、R3又はR6は独立して−H、−O−CO−R8、−O−CO−OR8 、−O−C(O)−NHR8、−O−C(O)−N(R82、−NH−CO−R8 、−NH−CO−OR8、−NH−CO−NHR8及び不活性基からなる群より 選ばれ、R1、R3又はR6の少なくとも1つは不活性基ではない; R2及びR7は水素、−O−CO−R8又は不活性基であり、同一であってもよ く、異なっていてもよい; R4及びR5は独立して水素、アルキル基、置換アルキル基、及びAとホスフェ ートの酸素との間のホスホエステル結合の開裂により脱離反応が起こり、Aのベ ンジル位とその部分との間に炭素−炭素二重結合が形成されるような部分からな る群より選ばれ; R8はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基及び生成し たエステル、カーボネート、アミド、カーバメート又はウレア部分が分解され、 インビボで遊離水酸基又は遊離アミン基となるような基からなる群より選ばれる ) である請求項23記載の方法。 28. R1、R3又はR6の少なくとも1つが、(−O−CO−R8)基である請 求項27記載の方法。 29. R4が、−CH2COOR”、−CH2COR”、−CH2CONH2、− CH2CONHR”、−CH2NO2、−CH2SO2R”及び−CH2CN(式中、 R”は−H、低級アルキル、置換低級アルキル、アリール及び置換アリールから なる群より選ばれる)からなる群より選ばれる請求項28記載の方法。 30. R4が(−CH2−CO2−R”)である請求項29記載の方法。 31. R”が、−H、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル 、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル又は−(CH2nCH3(式中、n は4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17 、18、19又は20である)からなる群より選ばれる請求項30記載の方法。 32. R1が(−O−CO−R8)基である請求項31記載の方法。 33. R8が、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n− ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3− CO−CH2−、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O −(CH22−O−CH2−、−OCH3、−CR9−NHR10、−CH(OR11 )−CH3及び−CH2OR11; (式中、R9はアミノ酸の側鎖; R10は−H又はアミンの保護基;及び R11は−H又はアルコールの保護基である) からなる群より選ばれる請求項32記載の方法。 34. 以下の構造式: で表されるプロドラッグ及びその生理学的に許容しうる塩の治療上有効量を個体 に投与することを含む、ウィルス感染した個体又は動物を治療する方法。 35. 以下の構造式: で表されるプロドラッグ及びその生理学的に許容しうる塩の治療上有効量を個体 に投与することを含む、ウィルス感染した個体又は動物を治療する方法。 36. 無水弱有機酸であるY’−OHと(A−O)2−P(NR2122)(式 中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基、アリ ール基、置換アリール基であるか、ホスホルアミドの窒素と一緒になって、置換 又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン性極性有機 溶媒中で反応させることを含む、以下の構造式: (式中、Y’は水酸基と一緒になって、ヌクレオシド類似体;及び Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうる、亜リン酸エステルに対し てオルト位又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたアミ ン基で置換されたベンジル基である) で表される化合物の製造方法。 37. Aが、以下の構造式: (式中、R4は−H又は−CH2COOR”; R8はメチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブチル、 sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−CO−C H2−、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O−(CH22−O−CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブ チル、sec−ブチル及びt−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項36記載の方法。 38. 非プロトン性極性有機溶媒が、ジアルキルアミド溶媒である請求項37 記載の方法。 39. a) ジアルキルアミド溶媒がジメチルホルムアミドであり; b) R21及びR22がそれぞれエチルであり; c) R4が−CH2COOCH3であり; d) R8がメチル又はt−ブチルであり;そして e) 無水弱有機酸がH−テトラゾールである 請求項37記載の方法。 40. Yが、水酸基と一緒になって、アシクロビル又はアシクロビル類似体で ある請求項38記載の方法。 41. Y−OH、H−テトラゾール及び(A−O)2−P(NR2122)(式 中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基、アリ ール基、置換アリール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒になって、 置換又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン性極性 有機溶媒中で反応させることを含む、以下の構造式: (式中、Yは水酸基と一緒になって、アシクロビルであり; Aは以下の構造式: (式中、R4は−CH2COOCH3、R8はメチル又はt−ブチルである)で表さ れる) で表される化合物の製造方法。 42. 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルホルムアミドであり、R21及びR22 がそれぞれエチルである請求項41記載の方法。 43. a)無水弱有機酸であるY’−OH及び(A−O)2−P(NR2122 )(式中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基 、アリール基、置換アリール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒にな って、置換又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン 性極性有機溶媒中で反応させ、それにより以下の構造式: で表される中間体を製造する工程、及び b)該中間体を亜リン酸酸化剤と反応させ、それによりプロドラックを生成す る工程を含む、以下の構造式: (式中、Y’は水酸基と一緒になって、ヌクレオシド類似体であり; Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうるホスフェートエステルに対 してオルト位又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたア ミン基で置換された置換ベンジル基である) で表されるプロドラッグの製造方法。 44. 工程b)を中間体を単離せずに行なう請求項43記載の方法。 45. Aが、以下の構造式: (式中、R4は−H又は−CH2COOR”; R8はメチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブチル、 sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−CO−C H2−、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O−(CH22−O−CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブ チル、sec−ブチル、t−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項44記載の方法。 46. 非プロトン性極性溶媒溶媒が、ジアルキルアミド溶媒である請求項44 記載の方法。 47. a) ジアルキルアミド溶媒が、ジメチルホルムアミド;及び b) R21及びR22がそれぞれエチルであり; c) R4が−CH2COOCH3であり; d) R8がメチル又はt−ブチルであり; e) 無水弱有機酸がH−テトラゾール である請求項46記載の方法。 48. Yが、水酸基と一緒になって、アシクロビル又はアシクロビルの類似体 である請求項47記載の方法。 49. a)Y−OH、H−テトラゾール及び(A−O)2−P(NR2122) (式中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基、 アリール基、置換アリール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒になっ て、置換又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン性 極性溶媒中で反応させ、それにより以下の構造式: で表される中間体を製造する工程; b)該中間体を過酸化水素と反応させ、それによりプロドラッグを生成する工 程を含む、以下の構造式:(式中、Yは水酸基と一緒になって、アシクロビルであり;及び Aは以下の構造式: (式中、R4は−CH2COOCH3、R8はメチル又はt−ブチルである)で表さ れる) で表されるプロドラッグの製造方法。 50. 非プロトン性極性溶媒がジメチルホルムアミドであり、R21及びR22が それぞれエチルであり、工程b)を中間体を単離せずに行なう請求項49記載の 方法。 51. a)無水弱有機酸であるY−OH及び(A−O)2−P(NR2122) (式中、R21及びR22はそれぞれ独立して低級アルキル、置換低級アルキル基、 アリール基、置換アリール基であるか、又はホスホルアミドの窒素と一緒になっ て、置換又は非置換の5、6又は7員環窒素含有複素環である)を非プロトン性 極性溶媒中で反応させ、それにより以下の構造式: で表される第1中間体を製造する工程; b)第1中間体を亜リン酸酸化剤と反応させ、それにより以下の構造式:で表される第2中間体を生成する工程;及び c)該第2中間体を塩基と反応させてプロドラッグを生成する工程を含む、以 下の構造式: (式中、Yは水酸基と一緒になって、アシクロビル又はアシクロビルの類似体で あり; Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうるホスフェートエステルに対 してオルト位又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたア ミン基で置換されたベンジル基である) で表されるプロドラッグの製造方法。 52. Aが、以下の構造式: (式中、R8はメチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブ チル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−C O−CH2−、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O− (CH22−O−CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブ チル、sec−ブチル、t−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項51記載の方法。 53. a) R4が−CH2COOR”であり; b) R8がメチル又はt−ブチルであり; c) 非プロトン性双極性溶媒がジアルキルアミド溶媒であり; d) R21及びR22がそれぞれエチルであり;そして e) 無水弱有機塩基酸がH−テトラゾール である請求項52記載の方法。 54. 塩基がアミン塩基であり、ジアルキルアミド溶媒がジメチルホルムアミ ドである請求項55記載の方法。 55. 以下の構造式: (式中、Yは水酸基と一緒になって、アシクロビル又はアシクロビルの類似体; Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうるホスフェートエステルに対 してオルト位又はパラ位に1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護されたア ミン基で置換されたベンジル基である) で表されるプロドラッグの製造方法であって、塩基を以下の構造式: 表される化合物と反応させ、それによりプロドラッグを生成させる方法。 56. Aが、以下の構造式:(式中、R8はメチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブ チル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−C O−CH2−、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH2O− (CH22−O−CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブ チル、sec−ブチル、t−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項55記載の方法。 57. a) R4が−CH2COOR”であり; b) R8メチル又はt−ブチルであり;そして c) R21及びR22がそれぞれエチル である請求項56記載の方法。 58. 塩基が、アミン塩基である請求項57記載の方法。 59. 以下の構造式: (式中、Yは水酸基と一緒になって、ヌクレオシド類似体であり; Aはインビボで水酸基又はアミノ基に変換されうるホスフェートエステルに対 してオルト位又はパラ位に、1又はそれ以上の保護された水酸基又は保護された アミン基で置換されたベンジル基である) で表されるプロドラッグの製造方法であって、塩基を、以下の構造式:で表される化合物と反応させて、それによりプロドラッグを生成する工程を含む 方法。 60. Aが以下の構造式: (式中、R8はメチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブ チル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、CH3−C O−CH2−、CH3O−(CH22−O−(CH22−O−CH2−、CH3O− (CH22−O−CH2−及び−OCH3からなる群より選ばれ; R”は−H、メチル、エチル、n−プロピル、iso−イソプロピル、n−ブ チル、sec−ブチル、t−ブチルからなる群より選ばれる) で表される請求項59記載の方法。 61. a) R4が−CH2COOR”であり; b) R8が、メチル又はt−ブチルであり;そして c) R21及びR22がそれぞれエチル である請求項60記載の方法。 62. 塩基がアミン塩基である請求項61記載の方法。
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