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JP2001522225A - 肺の疾患の検出に有用な試薬及び方法 - Google Patents

肺の疾患の検出に有用な試薬及び方法

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JP2001522225A
JP2001522225A JP53307898A JP53307898A JP2001522225A JP 2001522225 A JP2001522225 A JP 2001522225A JP 53307898 A JP53307898 A JP 53307898A JP 53307898 A JP53307898 A JP 53307898A JP 2001522225 A JP2001522225 A JP 2001522225A
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グラナドス,エドワード・エヌ
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クラース,マイケル・アール
クラトツクビル,ジヨン・デイー
ロバーツ−ラツプ,リサ
ラツセル,ジヨン・シー
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アボツト・ラボラトリーズ
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Abstract

(57)【要約】 LU105と呼ばれるウテログロビン族のタンパク質の新規構成要素が記述される。LU105は、肺組織から転写される一組の連続し、かつ部分的に重複するRNA、及びそれらによってコードされるポリペプチドによって定義される。BU101の最長連続配列を示す、完全に配列決定されたクローンも開示される。これらの配列は、肺ガンのような肺の疾患及び状態の検出、診断、段階付け、監視、予後判定、予防もしくは治療、又は個体の素因の決定に有用である。LU105がコードするポリペプチド、すなわちタンパク質に特定的に結合する抗体、及び組織特異的LU105ポリペプチドの作用を阻止するアゴニストもしくは阻害因子も提供され、これらの分子は肺の疾患、腫瘍又は転移の治療的処置に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 肺の疾患の検出に有用な試薬及び方法 発明の背景 本発明は、全般に、肺の疾患の検出に関する。より詳しくは、本発明は、ポリ ヌクレオチド配列及びそれらによってコードされるポリペプチド配列のような試 薬及びこれらの配列を利用する方法に関する。これらのポリヌクレオチド及びポ リペプチド配列は、肺ガンのような肺の疾患又は状態の検出、診断、段階付け、 監視、予後判定、予防もしくは治療、又は素因の決定に有用である。 肺ガンは合衆国において男性及び女性の両方に生じるガンの二番目に多い一般 的なガンである。1997年中に新たに診断された肺ガンは178,100事例 と推定される(米国ガン協会の統計)。肺ガンは、両方の性においてガン死亡の 最も一般的な原因であり、1997年には160,000以上の肺ガン関連の死 亡が予測される。肺ガンは、世界の他の地域でも主な健康に関する問題であり、 EUでは毎年約135,000の新たな事例が発生し、中欧及び東欧では肺ガン の発生が急速に増 大している。Genesis Report,February 1995及び T.Reynolds,J.Natl.Cancer Inst.87:134 8−1349(1995)参照。 初期段階の肺ガンは、胸部レントゲン写真及び喀痰細胞検査によって検出する ことができる。しかしながらこれらの方法は、無症候者のスクリーニングテスト としての日常的使用に対して十分な感度を有していない。胸部レントゲン写真の 感度を制限しうる潜在的な技術的問題には、最適でない技術、不十分な照射、及 び患者の姿勢及び協力が含まれる。T.G.Tape et al.,Ann. Intern.Med.104:663−670(1986)。さらには放射線 技師は、胸部レントゲン写真の解釈に異議を唱えることが多い。これらの異議の 40%以上が有意なものであるか又は潜在的に有意であり、間違った解釈又は否 定的な解釈が大部分の誤診の原因である。P.G.Herman et al. ,Chest 68:278−282(1975)。決定的ではない結果には、 明らかにするために追加の追跡検査が必要である。上記T.G.Tape et al。喀痰細胞検査は、初期肺ガンの検出において胸部レントゲン写真よりも さらに感度が低い。肺ガンの160症例のうち、 レントゲン検査のみで123症例(77%)を検出したが、一方で細胞検査のみ では67症例(42%)を検出した。The National Cancer Institute“Early Lung Cancer Detecti on:Summary and Conclusion”,Am.Rev.Re sp.Dis.130:565−567(1984)。喀痰細胞検査が肺ガンを 診断する能力に影響を与える要因には、患者が十分な痰を出す能力、腫瘍の大き さ、腫瘍の主気道への近接度、腫瘍の組織型、及び細胞病理学者の経験及び訓練 などが含まれる。R.J.Ginsberg et al.“Cancer:P rinciples and Practice of Oncology”, Fourth Edition、V.T.DeVita,S.Hellman, S.A.Rosenburg,pp.673−723,Philadelphi a,PA:J.B.Lippincott Co.(1993)。 大部分の新しい肺ガンは、この病気が肺を越えて広がった時にのみ検出されて いる。合衆国では新しい非小細胞(non−small cell)肺ガンの1 6%のみが、局部段階で検出されている。この段階では5年生存率が最高である (49.7%)。 これに対して、病気がすでに局部的に広がっている(局所疾患)時、あるいは遠 部まで転移している(遠位疾患)時に新しい症例の68%が検出されているが、 これは、5年生存率がそれぞれ18.5%及び1.8%という有意な低さである 。同様に新たに検出された小細胞肺ガンの80%が、局所疾患又は遠位疾患の場 合に発見されており、これらは5年生存率がそれぞれわずかに9.5%及び1. 7%である。Stat Bite,J.Natl.Cancer Inst.8 7:1662,1995。従って現在の方法では、肺ガンの初期の治療可能な段 階でこの病気を検出することに失敗している。従って死亡率を減少させるために は改良された検出方法が必要である。 診断後、患者のガンは段階付けされる。段階付けは、患者のその後の経過を強 力に予測するものであり、この患者の治療法を決定するものである。細胞肺ガン 患者は、リンパ節転移、肺転移、及び肝臓及び副腎転移を検出するために、胸部 及び上腹部の日常的なCTスキャンを受けることができる。このCTスキャンの 結果は決定的でないことが多く、骨スキャンを含むさらなる検査につながる。患 者の段階付けはまた、生検及び肝機能検査のほかに、骨スキャン、気管支洗浄を 伴なう繊維光視気 管支鏡検査を含んでもよい。 最初の治療後に肺ガン患者を監視するために最もよく使用される方法は、受診 (clinic visit)、胸部X線、全血球計算、肝機能検査、及び胸部 CTスキャンである。しかしながらこのような監視技術による再発の検出は、治 療方法及び全体的な生存期間に大きな影響を与えない。このことから、現在の監 視方法は費用効果が悪いという結論につながる。K.S.Naunheim e t al.,Ann.Thorac.Surg.60:1612−1616(1 995)。G.L.Walsh et al.,Ann.Thorac.Sur g.60:1563−1572(1995)。 まず正常な肺組織と比べて、肺腫瘍組織に特異的に発現された細胞成分を同定 することによって、肺ガンの改良された腫瘍マーカーを発見する試みがなされて いる。例えばポリペプチド組成における定量的及び定性的差異の特徴を決定する ために、二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動が用いられた。T.Hiran o et al.,Br.J.Cancer 72:840−848(1995 );A.T.Endler et al.,J.Clin.Chem Clin .Biochem.24: 981−992(1986)。しかしながらこの技術の感度は、2つの電気泳動 工程のタンパク質分解の程度及び検出工程によって限定されている。この工程は 、ゲル中のタンパク質染色に依るものである。ポリペプチド不安定性は、二次元 パターンに人為変化を発生させることがある。正常な組織と腫瘍組織との遺伝子 発現の差をスクリーニングするために、もう1つの技術である引き算ハイブリダ イゼーションが用いられている。P.S.Steeg et al.,J.Na tl.Cancer Inst.80:200−204(1988)。この技術 は手間がかかり、低量で存在する組織中のmRNA種を検出するには制限がある 。特異的に発現する遺伝子を同定するためのより感度の高い方法は、ディファレ ンシャルディスプレイである。P.Liang et al.,Cancer Res.52:6966−6968(1992)。この方法は、細胞mRNAの cDNAへの逆転写、ついでcDNA二次集団のPCR増幅を含む。正常な組織 と腫瘍肺組織との増幅cDNA二次集団の比較によって、特異的に発現するmR NA種の同定が可能になる。この技術は、低量のmRNAを検出するための引き 算ハイブリダイゼーションよりも感度が高いが、日常的業務を行なう臨床研究所 で実施す るには難しい技術であり、従って研究施設(research setting )に限定される。正常な肺組織よりも肺腫瘍において高いレベルのmRNAを発 現する、N8と名付けられた新規遺伝子が、ディファレンシャルディスプレイに よって最近発見された。S.L.Chen et al.,Oncogene 12:741−751(1996)。しかしながら現在のところ、日常的スクリ ーニング検定技術、例えば免疫検定に用いるのに有効なマーカーはない。試験試 料例えば血液、血漿、又は血清における様々なマーカーの出現に基づく、かつこ のような免疫方法によって検出可能な検査なら、医師がガンの診断を行ない、患 者の段階付けに役立たせ、治療プロトコルを選ぶか、あるいは選ばれた治療法が 正しいかどうかを監視する助けとなるような、低コストで非外科的な診断情報を 与えることができるであろう。 このようなマーカーはいくつかのカテゴリーに分けられた。第一カテゴリーは 、疾患の場合上昇しているマーカーを含むものである。これらの例には、精巣ガ ンの場合上昇している絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、及び肝細胞ガン(HC C)の場合上昇しているアルファフェトプロテイン(AFP)が含まれ る。E.L.Jacobs,Curr.Probl.Cancer 15(6) :299−350(1991)。第二カテゴリーは、疾患の場合変わっているマ ーカーを含むものである。これらの例には、膀胱ガンの場合のCD44のスプラ イス変異体:Y.Matsumura et al.,Journal Pat hology 175(Suppl):108A(1995)、及び肺及び結腸 直腸ガンにおけるp53の突然変異が含まれる。W.P.Bennett,Ca ncer Detection and Prevention 19(6): 503−511(1995)。後者の場合、p53突然変異は、結果としてタン パク質を生じ、これは、機能において欠陥があり、機能又は天然タンパク質に対 して向けられる特異的抗体に基づく検定によって検出可能であることもあり、可 能でないこともある。第三カテゴリーは、正常なタンパク質であるが、不適切な 体の区画に現れるマーカーを含むものである。これらの例には前立腺特異的抗原 (PSA)があり、これは精液中に高レベルで分泌される正常なタンパク質であ るが、正常な前立腺の男性の血液中には非常に低レベルで存在するものである。 P.H.Lange et al.,Urology 33(6 Suppl) :13(1989)。 しかしながら良性の前立腺肥大(hyperplasia)(BPH)又は前立腺 ガンを含む前立腺疾患の患者において、PSAのレベルは血液中で顕著に上昇し ており、前立腺疾患の強力な指標である。同様にガン胎児性抗原(CEA)は、 結腸の内面(inner lining)の正常な成分であり、結腸疾患のない 人には低レベルでのみ血中に存在する。上記E.L.Jacobs。しかしなが ら炎症性腸疾患及び結腸腺ガンを含む結腸の疾患において、CEAの濃度は、多 くの患者の血漿又は血清において顕著に上昇しており、この組織の疾患の指標で ある。CEA及びPSAは、それぞれ結腸又は前立腺とは異なるいくつかの組織 で産生されているが、これらのマーカーは、これらの強力な組織選択性によって これらのもとの原発組織の疾患の診断においても有用であると認められている。 さらにマーカーの不適切な区分分けの他の例もある。例えば転移ガンの場合、 リンパ節は多くの場合、原発腫瘍から発し、かつ多くの場合原発腫瘍の免疫組織 化学マーカーを発現する細胞を含んでいる。CEA及びPSAはどちらも転移ガ ンの患者のリンパ節において検出された。正常な遺伝子産物の不適切な出現が疾 患を示しているような他の区画は、全血の形成成分を 含んでいる。これらはこの疾患の転移が広がっている証拠を与えると考えられる 。しかしながら現在のところ、肺疾患、例えば肺ガン、喘息、及び成人の呼吸困 難症候群のスクリーニング又は診断用のこのようなマーカーは存在しない。 従って、肺ガンのような肺の疾患及び状態の検出、診断、段階付け、監視、予 後判定、予防もしくは治療、又は素因の決定のための方法及び試薬を提供するこ とは有利であろう。このような方法には、肺ガンと関連する疾患及び状態におい て過剰発現する遺伝子(又は複数の遺伝子)の産物についての試験試料を検定す ることが含まれよう。このような方法にはまた、肺ガンと関連する疾患及び状態 によって変えられた遺伝子(又は複数の遺伝子)の産物についての試験試料を検 定することが含まれてもよい。さらにはこのような方法にはまた、肺ガンと関連 する疾患及び状態によって、体の様々な組織及び区画間の分布が変えられている 遺伝子(又は複数の遺伝子)の産物についての試験試料を検定することが含まれ てもよい。このような方法は、試験試料においてmRNAからcDNAを作るこ と、(必要であれば)遺伝子又はそれの断片に対応するcDNAのいくつかの部 分を増幅すること、及びこのcDNA産物をガンの存 在の指標として検出すること;又は疾患の存在の指標としての1つ又は複数の遺 伝子配列を含むmRNAの翻訳産物を検出することを含むであろう。これらの試 薬は、例えば逆転写酵素−ポリメラーゼ鎖反応(RT−PCR)、ポリメラーゼ 鎖反応(PCR)、又は生検組織のハイブリダイゼーション検定などの診断方法 に用いることができる1つ又は複数のポリヌクレオチド又はそれらの断片;この ようなmRNAの翻訳産物であるポリペプチド;又はこれらのタンパク質に対し て向けられる抗体を含んでいる。このような方法は、遺伝子の1つ又は複数の産 物のサンプルを検定すること、及びこれらの産物を肺ガンの指標として検出する ことを含むであろう。例えば肺ガンなどの肺疾患の薬物治療又は遺伝子治療は、 これらの同定された遺伝子配列又はそれらの発現されたポリペプチドに基づくこ とが可能であり、ここに開示されている診断方法を用いて、特定の治療法の有効 性を監視することができる。さらには、初期の肺ガンを非侵襲的に検出しうる有 効な代替診断方法を有することは有利であろう。同様に肺疾患の治療を段階付け 及び監視する方法も有益であろう。発明の要約 本発明は、試験試料中の標的LU105ポリヌクレオチドの検出方法であって 、該試験試料を少なくとも1種のLU105−特異的ポリヌクレオチドと接触さ せ、かつ該試験試料中の標的LU105ポリヌクレオチドの存在を検出すること を包含する方法を提供する。このLU105−特異的ポリヌクレオチドは、配列 番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6及びそ れらの断片もしくは相補物からなる群より選択されるポリヌクレオチドとの少な くとも50%の同一性を有する。また、このLU105−特異的ポリヌクレオチ ドは、この方法を実施する前に固相に付着させてもよい。 また、本発明は、試験試料中のLU105 mRNAの検出方法であって、c DNAを生成するために少なくとも1つのプライマーを用いて逆転写(RT)を 行い、そのようにして得られたcDNAをLU105オリゴヌクレオチドをセン ス及びアンチセンスプライマーとして用いて増幅してLU105単位アンプリコ ンを得、かつLU105単位アンプリコンの存在を試験試料中のLU105 m RNAの存在の指標として検出することを包含し、該LU105オリゴヌクレオ チドが配列番号1、 配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれらの 断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも50%の同一 性を有する方法も提供する。増幅はポリメラーゼ連鎖反応によって行うことがで きる。また、この方法を行う前、増幅の前又は検出の前に、試験試料を固相と反 応させることもできる。この反応は直接的な反応であっても間接的な反応であっ てもよい。さらに、検出工程は、測定可能な信号を生成することが可能である検 出可能な標識を用いることを包含していてもよい。この検出可能な標識は固相に 付着させることができる。 さらに、本発明は、標的LU105ポリヌクレオチドを含むことが疑われる試 験試料中の標的LU105ポリヌクレオチドの検出方法であって、(a)試験試 料を少なくとも1種のセンスプライマーとしてのLU105オリゴヌクレオチド 及び少なくとも1種のアンチセンスプライマーとしてのLU105オリゴヌクレ オチドと接触させ、これを増幅して第1段階反応生成物を得、(b)該第1段階 反応生成物を少なくとも1種の他のLU105オリゴヌクレオチドと接触させて 第2段階反応生成物を得、ただし、該他のLU105オリゴヌクレオチドは工程 (a)において用いられるLU105オリゴヌクレオチドに対して3’に位置し 、かつ第1段階反応生成物に対して相補的であり、及び(c)該第2段階反応生 成物を試験試料中の標的LU105ポリヌクレオチドの存在の指標として検出す ることを包含する方法を提供する。この方法において試薬として選択されるLU 105オリゴヌクレオチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号 4、配列番号5、配列番号6及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選 択される配列との少なくとも50%の同一性を有する。増幅はポリメラーゼ連鎖 反応によって行うことができる。この方法を実施する前、又は増幅の前、又は検 出の前に、試験試料を固相と直接もしくは間接的に反応させることができる。ま た、検出工程は、測定可能な信号を生成することが可能である検出可能な標識を 用いることを包含していてもよく、さらに、この検出可能な標識を固相に付着さ せることも可能である。 また、試験試料中の標的LU105ポリヌクレオチドを検出するのに有用な試 験キットであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番 号5、配列番号6及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される少 なくとも1 種のLU105−特異的ポリヌクレオチドを収容する容器を含む試験キットも提 供される。これらの試験キットは、試験試料(例えば、血液、尿、唾液及び便) を集めるのに有用な用具を備える容器をさらに含む。このような用具には、血液 を収集して安定化するためのランセット及び吸取紙もしくは布;唾液を収集して 安定化するためのスワブ;並びに尿もしくは便試料を収集して安定化するための カップが含まれる。紙、布、スワブ、カップのような収集素材は、任意に、試料 の変性又は不可逆的な吸着を回避するように処理することができる。また、これ らの収集素材は、検体の完全性の維持を助けるため、保存剤、安定化剤又は抗菌 剤で処理し、もしくはそれらを含んでいてもよい。 本発明はまた、LU105遺伝子に由来する精製ポリヌクレオチド又はそれら の断片を提供する。この精製ポリヌクレオチドはLU105遺伝子の核酸又はそ れらの相補物と選択的にハイブリダイズすることが可能である。このポリヌクレ オチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配 列番号6、及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択されるポリヌク レオチドとの少なくとも50%の同一 性を有する。さらに、この精製ポリヌクレオチドは、組換え及び/又は合成技術 により生成させることが可能である。精製組換えポリヌクレオチドは組換えベク ター内に含まれていてもよい。本発明は、さらに、このベクターが形質移入され た宿主細胞を包含する。 さらに、本発明は、LU105に由来する開放読取り枠(open reading frame) を含む核酸配列を有する組換え発現系を提供する。この核酸配列は、配列番号1 、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれら の断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも50%の同 一性を有する。この核酸配列は所望の宿主に適合する制御配列に作動可能に連結 される。また、この組換え発現系が形質移入された(transfected)細胞も提供 される。 また、本発明はLU105によってコードされるポリペプチドも提供する。こ のポリペプチドは組換え技術によって生成させて純粋な形態で得、又は合成技術 によって生成させることが可能である。このポリペプチドは、配列番号19、配 列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及び それらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配 列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。 また、少なくとも1つのLU105エピトープに特異的に結合する抗体も提供 される。この抗体はポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であって もよい。エピトープは配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号2 2、配列番号23、配列番号24及びそれらの断片からなる群より選択されるア ミノ酸配列に由来するものである。試験試料中のLU105抗原又は抗−LU1 05抗体の存在を決定するための検定キットも含まれる。一態様において、この 検定キットは、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配 列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ 酸配列との少なくとも50%の同一性を有するLU105ポリペプチドの少なく とも1種を収容する容器を含む。さらに、この試験キットは試験試料(例えば、 血液、尿、唾液及び便)を集めるのに有用な用具を備える容器を含んでいてもよ い。このような用具には、血液を収集して安定化するためのランセット及び吸取 紙もしくは布;唾液を収集して安定化するためのスワブ;並びに尿もしくは便試 料を収集して安定化するためのカップが含まれる。紙、布、スワブ、カップのよ う な収集素材は、任意に、試料の変性又は不可逆的な吸着を回避するように処理す ることができる。また、これらの収集素材は、検体の完全性の維持を助けるため 、保存剤、安定化剤又は抗菌剤で処理されていてもよい。これらのポリペプチド を固相に付着させることも可能である。 試験試料中のLU105抗原又は抗−LU105抗体の存在を決定するための 別の検定キットは、LU105がコードするエピトープを少なくとも1つ有する LU105抗原に特異的に結合する抗体を収容する容器を含む。このLU105 抗原は、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号 23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるLU105が コードする抗原の配列との少なくとも約60%の配列類似性を有する。これらの 試験キットは、試験試料(例えば、血液、尿、唾液及び便)を集めるのに有用な 用具を備える容器をさらに含んでいてもよい。このような用具には、血液を収集 して安定化するためのランセット及び吸取紙もしくは布;唾液を収集して安定化 するためのスワブ;尿もしくは便試料を収集して安定化するためのカップが含ま れる。紙、布、スワブ、カップのような収集素材は、任意に、試料の変性 又は不可逆的な吸着を回避するように処理することができる。また、これらの収 集素材は、検体の完全性の維持を助けるため、保存剤、安定化剤又は抗菌剤で処 理し、もしくはそれらを含んでいてもよい。この抗体を固相に付着させることも 可能である。 発現ベクターが形質移入されている宿主細胞をインキュベートすることを包含 する、LU105の少なくとも1つのエピトープを有するポリペプチドの生成方 法が提供される。このベクターは、配列番号19、配列番号20、配列番号21 、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群よ り選択されるLU105アミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するア ミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を有する。 LU105抗原を含むことが疑われる試験試料中のLU105抗原の検出方法 も提供される。この方法は、試験試料をLU105抗原のエピトープの少なくと も1つと特異的に結合する抗体又はそれらの断片と抗体/抗原複合体の形成に十 分な時間及び条件下で接触させ、かつ抗体を含むそのような複合体の存在を試験 試料中のLU105抗原の存在の指標として検出することを包含する。この抗体 は固相に付着させることが可能であり、モノ クローナル抗体又はポリクローナル抗体のいずれであってもよい。さらに、この 抗体は、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号 23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるLU105抗 原の少なくとも1つと特異的に結合する。 LU105抗原に特異的に結合する抗体を含むことが疑われる試験試料中にこ れらの抗体を検出する別の方法が提供される。この方法は、試験試料を少なくと も1つのLU105エピトープを有するポリペプチドと接触させることを包含し 、該LU105エピトープはLU105ポリペプチドによってコードされるアミ ノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列又はそれらの断片 を含む。接触は、抗原/抗体複合体の形成を可能にするのに十分な時間及び条件 下で行われる。この方法は、さらに、このポリペプチドを含む複合体を検出する ことを包含する。このポリペプチドは固相に付着させてもよい。さらに、このペ プチドは、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番 号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配 列との少なくとも50%の同一性を有する組換えタンパク質又は合成ペプチドで あって もよい。 本発明は、LU105抗原の少なくとも1つのエピトープ又はそれらの断片を コードするLU105核酸配列を形質移入した細胞を提供する。この核酸配列は 、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6 、及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される。 LU105抗原に対する抗体の生成方法も提供され、この方法は、単離された 免疫原性ポリペプチド又はそれらの断片を個体に投与することを包含し、該単離 された免疫原性ポリペプチドは少なくとも1つのLU105エピトープを免疫応 答を生成するのに十分な量で含む。この単離された免疫原性ポリペプチドは、配 列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列 番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。 LU105抗原に特異的に結合する抗体を生成させるための別の方法が開示さ れ、この方法は、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、 配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるアミ ノ酸配列から誘導された少なくとも1つのLU105エピトープをコ ードする核酸配列を含むプラスミドを哺乳類動物に投与することを包含する。 また、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列 番号6、及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択されるポリヌクレ オチドとの少なくとも50%の同一性を有する、少なくとも約10−12ヌクレ オチドのLU105ポリヌクレオチドを含む物質の組成物も提供される。このL U105ポリヌクレオチドは少なくとも1つのLU105エピトープを有するア ミノ酸配列をコードする。本発明によって提供される物質の別の組成物は、約8 −10アミノ酸の少なくとも1つのLU105エピトープを有するポリペプチド を含む。このポリペプチドは、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配 列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選 択されるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含 む。また、配列番号19との少なくとも50%の同一性を有するLU105ポリ ペプチドをコードする遺伝子もしくはそれらの断片、及び配列番号5又は配列番 号6との少なくとも50%の同一性を有するDNAを含む遺伝子もしくはそれら の断片も提供される。図面の簡単な説明 図1は、クローン3353867(配列番号1)、1327836(配列番号 2)、1605935(配列番号3)、811640(配列番号4)、及びそれ らから誘導される共通配列(配列番号5)、及びクローン1327836(クロ ーン1327836IHとしても示されているもの(配列番号6))の完全長配 列のヌクレオチド整列化を示し、 図2は、重複するクローン3353867(配列番号1)、1327836( 配列番号2)、1605935(配列番号3)、811640(配列番号4)、 及び1327836IH(配列番号6)のヌクレオチド整列化からの共通ヌクレ オチド配列の形成を表すコンティグ地図を示し、 図3Aは様々な組織抽出物に由来するRNAのエチジウムブロマイド染色アガ ロースゲルの走査、及びLU105放射標識プローブを用いたRNAの対応する ノーザンブロットを示し、図3Bは様々な肺組織に由来するRNAのエチジウム ブロマイド染色アガロースゲルの走査、及びLU105放射標識プローブを用い たRNAの対応するノーザンブロットを示し、 図4は、肺、前立腺、乳房、及び結腸組織のRNAに由来す るLU105−特異的初回刺激PCR増幅産生物のエチジウムブロマイド染色ア ガロースゲルの走査を表し、 図5は、LU105発現プラスミドで形質移入されたHEK293細胞の2つ の培養物に対して実施されたウェスタンブロット分析の走査を表すものであり、 図6は、LU105合成ペプチドに対する抗血清を用いて組織抽出物パネルに 対して実施されたウェスタンブロット分析の走査を表す。発明の詳細な説明 本発明は、配列番号19との少なくとも約50%の同一性を有するLU105 ポリペプチドをコードする遺伝子又はそれらの断片を提供する。さらに、本発明 は、配列番号5又は配列番号6との少なくとも約50%の同一性を有するDNA を含むLU105遺伝子又はそれらの断片も包含する。 本発明は、LU105と呼ばれる肺組織遺伝子の産生物について試験試料を検 定する方法であって、試験試料中のmRNAからcDNAを作製し、該cDNA を肺組織遺伝子LU105の存在の指標として検出することを包含する方法を提 供する。この方法は、その遺伝子又はそれらの断片に対応するLU105に由 来するmRNAの一部の1以上を増幅する増幅工程を包含していてもよい。また 、LU105の翻訳産生物を検出する方法も提供される。ここに提供される方法 によって検定することができる試料には、組織、細胞、体液及び分泌物が含まれ る。また、本発明は、これらの方法の実施に有用な、オリゴヌクレオチドプライ マー及びポリペプチドのような試薬も提供する。 ここに開示される核酸配列のいくつかの部分は、RNAの逆転写又はcDNA の増幅用のプライマーとして、又は試験試料中の特定のmRNA配列の存在を決 定するためのプローブとして有用である。診断免疫検定における標準もしくは試 薬として、薬学的スクリーニング検定の標的として、及び/又は様々な治療の構 成要素もしくは標的部位として有用なコードされたポリペプチド配列の生成を可 能にする核酸配列も開示される。これらのポリペプチド配列内に含まれるエピト ープの少なくとも1つに対するモノクローナル及びポリクローナル抗体は、LU 105に関連付けられる疾患又は状態、とりわけ肺ガンの診断試験及びスクリー ニングに加えて、治療剤の送達剤として有用である。これらの核酸配列から誘導 されるプローブ又はPCRプライマーを用いて、関心のある遺伝子の他の部分の 配列を単離するこ とができる。これは、関心のあるmRNA又はcDNAのさらなるプローブを、 対応するコードされたポリペプチド配列に加えて、確立することを可能にする。 これらのさらなる分子は、ここに開示されるようにLU105によって特徴づけ られる、肺ガンのような肺の疾患及び状態の検出、診断、段階付け、監視、予後 判定、予防もしくは治療、又は素因の決定において有用である。 アミノ酸配列の「類似性」を決定する技術は当該技術分野において公知である。 一般には、「類似性」は2つ以上のポリペプチドのアミノ酸の比較についての適切 な場所での的確なアミノ酸を意味し、この場合アミノ酸は同一であるか、又は類 似の化学的及び/又は物理的特性、例えば電荷もしくは疎水性を有する。したが って、比較したポリペプチド配列の間でいわゆる「類似パーセント」を決定するこ とができる。核酸及びアミノ酸配列の同一性を決定するための技術も当該技術分 野において公知であり、これには(通常、cDNA中間体を介する)その遺伝子 に対するmRNAのヌクレオチド配列の決定及びそれらによってコードされるア ミノ酸配列の決定、並びにこれと第2のアミノ酸配列との比較が含まれる。一般 には、「同一性」は、それぞれ2 つのポリヌクレオチド又はポリペプチド配列での的確なヌクレオチドとヌクレオ チドとの、又はアミノ酸とアミノ酸との一致を指す。2つ以上のポリヌクレオチ ド配列をそれらの「同一性パーセント」を決定することにより比較することができ る。同様に、2つ以上のアミノ酸配列をそれらの「同一性パーセント」を決定する ことにより比較することができる。Wisconsin Sequence A nalysis Packageバージョン8(Genetics Compu ter Group、Madison、WIから入手可能)において利用可能な プログラム、例えばGAPプログラムは、2つのポリヌクレオチドの間の同一性 並びに2つのポリペプチド配列の間の同一性及び類似性の両者をそれぞれ算出す ることが可能である。配列間の同一性又は類似性を算出するための他のプログラ ムも該技術において知られている。 ここに説明される組成物及び方法は特定のマーカーを肺組織の疾患又は状態を 示すものとして同定することを可能にし、そこから得られる情報は、LU105 に関連付けられる疾患又は状態、とりわけ肺ガンの検出、診断、段階付け、監視 、予後判定、予防もしくは治療、又は決定における助けとなる。試験方 法には、例えば、ここに提供される配列(1つもしくは複数)を用い、かつ核酸 増幅法、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR) 、及びハイブリダイゼーションを用いてもよいプローブ検定が含まれる。加えて 、ここに提供されるヌクレオチド配列は、そこから免疫原性エピトープを見出す ことができる開放読取り枠を含む。このエピトープはLU105に関連付けられ る疾患状況又は状態に独自のものであると信じられている。また、LU105遺 伝子によってコードされるポリヌクレオチド又はポリペプチドはマーカーとして 有用であるとも考えられている。このマーカーは、肺ガンのような疾患において 増加し、肺ガンのような疾患において変化し、又は正常なタンパク質として存在 するが不適切な身体の区画に出現する。このエピトープの独自性は、(i)LU 105遺伝子によってコードされるタンパク質及びポリペプチドに対する抗体と のその免疫学的反応性及び特異性、並びに(ii)他のあらゆる組織マーカーと のその非反応性によって決定され得る。免疫学的反応性を決定する方法は公知で あり、これには、例えば、ラジオイムノ検定(RIA)、酵素結合免疫測定法( ELISA)、赤血球凝集(HA)、蛍光偏光免疫検定(FPIA)、化学発 光免疫検定(CLIA)等が含まれるがこれらに限定されるものではない。適切 な方法の幾つかの例がここに説明されている。 他に断らない限り、以下の用語は以下の意味を有する。 指定される配列「から誘導される」又は「に特異的な」ポリヌクレオチドは、その指 定されるヌクレオチド配列の一領域に対応する、すなわち同一であるかもしくは 相補的な、少なくとも約6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチ ド、より好ましくは少なくとも約10−12ヌクレオチド、さらに好ましくは少 なくとも約15−20ヌクレオチドの連続配列を含むポリヌクレオチド配列を指 す。この配列は、当該技術分野において公知の技術によって決定される特定のポ リヌクレオチド配列に独特の配列に対して相補的であっても同一であってもよい 。例えば、データバンク内の配列との比較を指定される配列の独自性を決定する 方法として用いることができる。配列を誘導することが可能な領域には非翻訳及 び/又は非転写領域の他に特異的エピトープをコードする領域が含まれるが、こ れらに限定されるものではない。 誘導されるポリヌクレオチドは必ずしも研究中で関心のあるヌクレオチド配列 から物理的に誘導される必要はないが、その ポリペプチドが誘導される領域(1つもしくは複数)の塩基の配列から得られる 情報に基づくあらゆる方法で生成することが可能であり、これには化学合成、複 製、逆転写又は転写が含まれるがこれらに限定されるものではない。それそのも のは、元のポリヌクレオチドのセンス又はアンチセンス方向のいずれをも表し得 る。加えて、指定される配列に対応する領域の組み合わせを当該技術分野におい て公知の方法で目的とする用途に合致するように改変することができる。 特定のポリヌクレオチドの「断片」は、その特定のヌクレオチド配列の一領域に 対応する、すなわち同一であるかもしくは相補的な、少なくとも約6ヌクレオチ ド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10 −12ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも約15−20ヌクレオチドの 連続配列を含むポリヌクレオチド配列を指す。 「プライマー」という用語は標的ヌクレオチド配列に相補的である特定のオリゴ ヌクレオチド配列を意味し、標的ヌクレオチド配列へのハイブリダイズに用いら れる。プライマーは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素 のいずれかによって触媒されるヌクレオチドの重合の開始点として役立つ。「プローブ」という用語は、相補配列を有する、試料中に存在する特定のポリヌ クレオチドの識別に用いることが可能な定義された核酸セグメント(又はヌクレ オチド類似セグメント、例えば、以下に定義されるPNA)を意味する。 「〜によってコードされる」はポリペプチド配列をコードする核酸配列を指し、 このポリペプチド配列又はそれらの一部はその核酸配列によってコードされるポ リペプチドに由来する少なくとも3ないし5個のアミノ酸、より好ましくは少な くとも8ないし10個のアミノ酸、さらに好ましくは少なくとも15ないし20 個のアミノ酸を有するアミノ酸配列を含む。また、その配列によってコードされ るポリペプチドで免疫学的に識別可能なポリペプチド配列も包含される。したが って、「ポリペプチド」、「タンパク質」又は「アミノ酸」配列は、LU105アミノ 酸配列との少なくとも約50%の同一性、好ましくは約60%の同一性、より好 ましくは約75−85%の同一性、さらに好ましくは約90−95%以上の同一 性を有する。さらに、LU105「ポリペプチド」、「タンパク質」又は「アミノ酸」 配列は、LU105のポリペプチドもしくはアミノ酸配列との少なくとも約60 %の類似性、好ましくは少なくとも約75%の類似性、より好ま しくは約85%の類似性、より好ましくは約95%以上の類似性を有し得る。こ のアミノ酸配列は配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、 配列番号23、配列番号24及びそれらの断片からなる群より選択することがで きる。 「組換えポリペプチド」、「組換えタンパク質」、又は「組換え技術によって生成 したポリペプチド」は、ここでは交換可能に用いることができ、その起源又は操 作によって、天然において随伴しているポリペプチドの全てもしくはその一部を 随伴せず、及び/又は天然において連結しているもの以外のポリペプチドに連結 しているポリペプチドを示す。組換えの、又はコードされるポリペプチドもしく はタンパク質は、必ずしも指定された核酸配列から翻訳される必要はない。これ は、化学合成又は組換え発現系の発現を含むあらゆる方法で生成させることもで きる。 ここで用いられる「合成ペプチド」という用語は、日常処理技術者に公知の方法 によって化学的に合成することが可能な、あらゆる長さのアミノ酸の重合体形態 を意味する。これらの合成ペプチドは様々な用途において有用である。 ここで用いられる「ポリヌクレオチド」という用語は、あらゆる長さのヌクレオ チド、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌ クレオチドのいずれかの重合体形態を意味する。この用語はこの分子の一次構造 のみを指す。したがって、この用語は、二本鎖及び一本鎖RNAに加えて、二本 鎖及び一本鎖DNAを含む。また、これは、ポリヌクレオチドの修飾、例えばメ チル化もしくはキャップ形成、及び非修飾形態も含む。「ポリヌクレオチド」、「 オリゴマー」、「オリゴヌクレオチド」及び「オリゴ」という用語はここでは交換可 能に用いられる。 「cDNAに対応する配列」は、指定されたDNA中の配列と同一又は相補的な ポリヌクレオチド配列を含む配列を意味する。cDNAとの同一性又は相補性の 程度(すなわち「パーセント」)は、約50%以上、好ましくは少なくとも約60 −70%以上、より好ましくは少なくとも約90%以上である。同定されたcD NAに対応する配列は少なくとも約50ヌクレオチドの長さ、好ましくは少なく とも約60ヌクレオチドの長さ、より好ましくは少なくとも約70ヌクレオチド の長さである。関心のある遺伝子もしくは遺伝子断片とcDNAとの対応は当該 技術分野において公知の方法によって決定することができ、これには、例えば、 配列決定された物質と既述のcDNAとの直接比較、又はハイブリダイゼーショ ン及び一本鎖ヌクレアーゼ での消化、続く消化された断片のサイズ決定が含まれる。 「精製ポリヌクレオチド」は、そのポリヌクレオチドが天然において随伴してい るタンパク質を必ず含まない、例えば約50%未満、好ましくは約70%未満、 より好ましくは約90%未満のタンパク質を含む、関心のあるポリヌクレオチド 又はそれらの断片を指す。関心のあるポリヌクレオチドを精製するための技術は 当該技術分野において公知であり、これには、例えば、ポリヌクレオチドを含む 細胞カオトロピック剤での破壊並びにイオン交換クロマトグラフィー、親和性ク ロマトグラフィー及び密度での沈降によるポリヌクレオチド(1種もしくは複数 )及びタンパク質の分離が含まれる。 「精製ポリペプチド」又は「精製タンパク質」は、その関心のあるポリペプチドが 天然において随伴している細胞成分を必ず含まない、例えば約50%未満、好ま しくは約70未満、より好ましくは約90%未満の細胞成分を含む、関心のある ポリペプチド又はそれらの断片を意味する。関心のあるポリペプチドを精製する ための方法は当該技術分野において公知である。 「単離された」という用語は、その物質がその本来の環境(例えば、それが天然 に生じる場合には天然環境)から取り除かれ ていることを意味する。例えば、生存する動物の体内に存在する天然のポリヌク レオチド又はポリペプチドは単離されていないが、自然系において共存する物質 の幾つかもしくは全てから分離されている同じポリヌクレオチドもしくはDNA 又はポリペプチドは単離されている。このようなポリヌクレオチドはベクターの 一部であってもよく、及び/又はこのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプ チドは組成物の一部であってもよく、このベクター又は組成物は天然環境の一部 ではないので依然として単離されている。 「ポリペプチド」及び「タンパク質」はここでは交換可能に用いられ、共有結合及 び/又は非共有結合によって連結しているアミノ酸の少なくとも1つの分子鎖を 示す。この用語は特定の長さの生成物を指すものではない。したがって、ペプチ ド、オリゴペプチド及びタンパク質はこのポリペプチドの定義に含まれる。この 用語は、ポリペプチドの翻訳後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン 酸化等を含む。加えて、タンパク質断片、類似体、変異もしくは変種タンパク質 、融合タンパク質等がこのポリペプチドの意味に含まれる。 特定のポリペプチドの「断片」は、その特定のポリペプチドか ら誘導される少なくとも約5個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも約8−1 0個のアミノ酸、さらに好ましくは少なくとも約15−20個のアミノ酸を含む アミノ酸配列を指す。 単細胞体として培養される微生物もしくは高等真核細胞系を示す「組換え宿主 細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞系」、「細胞培養物」及び他のそのような用語 は、組換えベクター又は他の移行DNAのレシピエントとして用いることが可能 であり、又は用いられている細胞を指し、これには形質移入されている元の細胞 の最初の子孫が含まれる。 ここで用いられる場合、「レプリコン」は、細胞内でのヌクレオチド複製の自律 性単位として挙動するあらゆる遺伝的要素、例えばプラスミド、染色体又はウイ ルスを意味する。 「ベクター」は、別のポリヌクレオチドセグメントが、このセグメントの複製及 び/又は発現が生じるように結合しているレプリコンである。 「制御配列」という用語は、それに連結されているコード配列を発現させるのに 必要なポリヌクレオチド配列を指す。このような制御配列の性質は宿主生物に応 じて異なる。原核生物においては、このような制御配列は一般にはプロモーター 、リボソ ーム結合部位及びターミネーターを含み、真核生物においては、このような制御 配列は一般にはプロモーター、ターミネーター及び、ある場合には、エンハンサ ーを含む。したがって、「制御配列」という用語は、最低でもその存在が発現に必 要な全ての構成要素を含むことが意図されており、その存在が有利であるさらな る構成要素、例えばリーダー配列、を含んでいてもよい。 「作動可能に連結する」は、既述の構成要素が、それらが意図する様式で機能す ることが可能な関係にある状況を指す。したがって、例えば、コード配列に「作 動可能に連結する」制御配列は、この制御配列に適合する条件下でコード配列の 発現が達成されるような様式で連結されている。 「開放読取り枠」もしくは「ORF」という用語は、ポリペプチドをコードするポ リヌクレオチド配列の一領域を指す。この領域はコード配列の一部を表すことも 、全コード配列を表すこともある。 「コード配列」は、適切な調節配列の制御の下に置かれたときにmRNAに転写 され、かつポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。コード配列 の境界は5’−末端の翻訳開始コドン及び3’−末端の翻訳終止コドンによって 決定され る。コード配列にはmRNA、cDNA及び組換えポリヌクレオチド配列が含ま れ得るが、これらに限定されるものではない。 「〜で/として免疫学的に識別可能な」という用語は、指定されたポリペプチド (1種もしくは複数)にも存在し、かつそれに独特のエピトープ(1種もしくは 複数)及びポリペプチド(1種もしくは複数)の存在を指す。免疫学的同一性は 抗体の結合及び/又は結合における競合によって決定することができる。これら の技術は日常的処理技術者に公知であり、ここにも説明されている。また、エピ トープの独自性は、そのエピトープをコードするポリヌクレオチド配列について の既知のデータバンク、例えばGenBankのコンピュータ検索、及び他の既 知のタンパク質とのアミノ酸配列の比較によっても決定することができる。 ここで用いられる場合、「エピトープ」はポリペプチドもしくはタンパク質の抗 原決定基を意味する。おそらく、エピトープは3個のアミノ酸をそのエピトープ に特有の空間的立体配座で含むことが可能である。一般には、エピトープは少な くとも5個のそのようなアミノ酸からなり、より一般的には、少なくとも8ない し10個のアミノ酸からなる。空間的立体配座を調べ る方法は当該技術分野において公知であり、これには、例えば、X線結晶学及び 二次元核磁気共鳴が含まれる。 「立体配座的エピトープ」は免疫学的に認識可能な構造をとる特定の並置状態の アミノ酸を含んでなるエピトープであり、これらのアミノ酸は同じポリペプチド 上に連続的もしくは非連続的順序で存在し、又は異なるポリペプチド上に存在す る。 ポリペプチドは、そのペプチドに含まれる特定のエピトープの抗体認識により それが抗体に結合する場合、抗体と「免疫学的に反応性」である。免疫学的反応性 は抗体の結合により、とりわけ抗体結合の動力学により、及び/又は抗体が指向 するエピトープを含む既知のポリペプチド(1種もしくは複数)を競合体(1種 もしくは複数)として用いる結合における競合により決定することができる。ポ リペプチドが抗体と免疫学的に反応性であるかどうかを決定するための方法は当 該技術分野において公知である。 ここで使用する場合、「関心のあるエピトープを含む免疫原性ポリペプチド」 という用語は、目的の天然に生じるポリペプチドまたはその断片、並びに他の手 段、例えば化学的合成、または組換え体生物中のポリペプチドの発現により調製 されるポ リペプチドを意味する。 「形質移入」という用語は、その導入に使用される方法に関係なく、真核また は原核宿主細胞に外因性ポリヌクレオチドを導入することを示す。「形質移入」 という用語は、そのポリペプチドの安定な導入および一過性の導入の両方を示し 、そしてポリヌクレオチドの直接取込み、形質転換、形質導入およびf−交配を 包含する。いったん宿主細胞に導入されると、外因性ポリヌクレオチドは、非組 込みレプリコン、例えばプラスミドとして維持することができるか、またはある いは宿主ゲノムに組込まれてよい。 「処置」は、予防および/または治療を示す。 ここで使用される場合に「個体」の語は、脊椎動物、特に哺乳類の仲間を示し 、そして限定されるものではないが、家畜、競技用動物、霊長類およびヒトが挙 げられる。さらに詳細には、この語は、ヒトを示す。 ここで使用される場合に「センス鎖」または「プラス鎖」(あるいは「+」)は 、そのポリペプチドをコードする配列を含む核酸を表す。「アンチセンス鎖」ま たは「マイナス鎖」(あるいは「−」)という用語は、「プラス」鎖のものに相 補的な配 列を含有する核酸を表す。 「試験試料」という用語は、分析物の源(関心のある抗体または関心のある抗 原のような)である個々の本体の成分を示す。これらの成分は、当分野でよく知 られている。試験試料は、一般に標的配列を含むことが予測される任意のもので ある。試験試料は、個体から標本を得、そして必要であれば、含まれる任意の細 胞を分断し、その結果標的核酸を放出するような当業界でよく知られている方法 論を用いて調製できる。これらの試験試料としては、ここで記載される本発明の 方法によって試験できる生物学的試料が挙げられ、そして全血、血清、血漿、髄 液、喀痰、気管支洗浄液、気管支吸引液、尿、リンパ液および呼吸器、腸および 尿生殖器管の種々の外部分泌物、涙、唾液、乳、白血球細胞、骨髄腫等のような ヒトおよび動物体液;細胞培養上清のような生物学的流体;固定されていてよい 組織標本;そして固定されていてよい細胞標本を包含する。 「精製産物」は、その産物が天然において随伴している細胞構成成分から単離 され、および関心ある試料に存在しうる他の型の細胞から単離された産物の標品 を示す。 「PNA」は、ここで記載される検定のような手段で利用し て標的の存在を測定できる「ペプチド核酸類似体」を表す。「MA」は、ここで 記載される検定のような手段を利用して標的の存在を測定できる「モルフォリン 類似体」を表す。例えば、米国特許第5,378,841号参照。PNAは、中 性に荷電された部分であり、RNA標的またはDNAに指向させることが可能で ある。例えば本発明のDNAプローブの代わりに検定で使用されるPNAプロー ブは、DNAプローブが使用される場合に達成できない利点を提供する。これら の利点としては、製造性、大規模標識性、再現性、安定性、イオン強度の変化に 対する不感受性、およびDNAまたはRNAを利用する方法において存在する酵 素による分解に対する耐性が挙げられる。これらのPNAは、蛍光、放射性ヌク レオチド、化学発光性化合物等のシグナル発生化合物で標識され(に付着され) うる。したがって、PNAまたはMAのような他の核酸類似体は、DNAまたは RNAの代わりに検定法に使用することができる。ここではDNAプローブを利 用する検定が記載されているが、検定試薬に必要であればまたは必要により、適 切な変更と共に、RNAまたはDNAをPNAまたはMAに置きかえることは日 常従事者の範囲内である。 ここで使用される場合に「分析物」は、試験試料に存在しうる検出されるべき 物質である。分析物は、それへの天然に生じる特異的結合構成損(抗体のような )が存在するか、それへのまたは特異的結合構成員が調製されうる、いかなる物 質であってもよい。したがって、分析物は、検定において1つまたはそれ以上の 特異的結合の構成員に結合できる物質である。「分析物」は、任意の抗原性物質 、ハプテン、抗体およびそれらの組合せをも包含する。特異的結合対の構成員と して、分析物は、ビタミンB12の測定のための特異的結合対の構成員として内 性因子タンパク質の使用、葉酸を測定するために葉酸結合タンパク質の使用、ま たは炭水化物を測定するための特異的結合対の構成員としてレクチンの使用等の ように、天然に生じる特異的結合の相手(対)によって検出されうる。分析物と しては、タンパク質、ポリペプチド、アミノ酸、ヌクレオチド標的等が挙げられ る。 「肺の疾患」、「肺疾患」、及び「肺の状態」は、ここでは相互交換可能に用 いられ、下部気道のすべての疾患または状態を示し、これには、肺炎(ウイルス 性、細菌性、及び真菌性を含むあらゆる原因のもの)、喘息、黒色肺病、珪肺、 成人の呼 吸困難症候群、及びガンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。 ここで使用される場合に「肺ガン」とは、下部気道の全ての悪性疾患のことを 言い、これには、小細胞ガン、腺ガン、偏平上皮ガン、大細胞ガンが含まれるが 、これらに限定されるわけではない。肺ガンは、小細胞ガンと非小細胞ガンとい うグループに分けられることが多い。 「発現配列タグ」または「EST」は、組織から抽出されたmRNAの逆転写 の後ベクター内に挿入することによって作られたcDNA挿入物の部分配列を示 す。 「転写像」は、ライブラリー中のESTの定量的分布を示す表またはリストを 示し、そしてそのライブラリーが作成された組織内で活性な遺伝子群を表す。 本発明は、特異的結合構成員を利用する検定を提供する。ここで使用される場 合に「特異的結合構成員」は、特異的結合対の構成員である。すなわち、化学的 または物理的手段により、それらの分子の1つが特異的に第二の分子に結合して いる2つの異なる分子である。したがって、通常の免疫検定の抗原と抗体との特 異的結合対に加えて、他の特異的結合対として、ビオ チンおよびアビジン、炭水化物およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフ ェクターおよびレセプター分子、補因子および酵素、酵素阻害剤および酵素等が 挙げられる。さらに、特異的結合対は、元の特異的結合構成員の類似体、例えば 分析物類似体、である構成員を包含できる。免疫反応性特異的結合構成員として は、抗原、抗原断片、抗体および抗体断片、モノクローナル抗体およびポリクロ ーナル抗体さらにこれらの複合体等が挙げられ、組換え体DNA分子によって形 成されたものを含む。 ここで使用される場合に「ハプテン」という用語は、抗体に結合する能力はあ るが、担体タンパク質に結合されない限り抗体形成を誘発する能力のない、部分 的抗原または非タンパク質結合構成員を示す。 ここで使用される場合に「捕捉試薬」という用語は、サンドイッチ検定におけ る分析物、拮抗分析における指示試薬または分析物、および間接検定におけるよ うな、それ自体分析物に特異的な補助的特異的結合構成員、のいずれかに特異的 な未標識の特異的結合構成員を示す。捕捉試薬は、検定の実行前または検定の実 行中固相材料に直接または間接的に結合して、その結果、試験試料から固定化複 合体を分離することを可能にする。 「指示試薬」は、外的手段によって検出できる測定可能なシグナルを発生する 能力があるか発生し、かつ特異的結合構成員に結合した(「付着した」)「シグ ナル発生化合物」(「標識」)を包含する。指示試薬は、特異的結合対の構成員 である抗体に加えて、ビオチンまたは抗ビオチン、アビジンまたはビオチン、炭 水化物またはレクチンのようなハプテン−抗ハプテン系、相補的ヌクレオチド配 列、エフェクターまたはレセプター分子、酵素補因子および酵素、酵素阻害剤ま たは酵素等を含め、全ての特異的結合対の構成員であることもできる。免疫反応 性特異的結合構成員は、抗体、抗原、または[サンドイッチ法での関心のあるポ リペプチド、拮抗的検定での捕捉試薬の、および直接検定での補助的特異的結合 構成員のいずれかに結合する能力のある抗体/抗原複合体]でありうる。プロー ブおよびプローブ検定を記述する場合に、「レポーター分子」という用語が使用 できる。レポーター分子は、ここで上に記載されるとおりカルバゾールまたはア ダマンタンのような特異的結合対の特異的結合構成員に結合したシグナル発生化 合物を包含する。 種々の意図される「シグナル発生化合物類」(標識)としては、発色素、酵素 のような触媒、フルオレシンおよびロダミン のような蛍光化合物、ジオキセタン、アクリジニウム、フェナントリジウムおよ びルミノールのような化学蛍光化合物、放射活性元素および直接可視標識が挙げ られる。酵素の例としては、アルカリ性ホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシ ダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。特定の標識の選択は重要で はないが、標識は、それ自身で、または1以上の追加の物質と結合してシグナル を生じる能力がなければならない。 「固相」(「固形支持体」)は、当業者に知られており、反応トレイのウエル の壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁性または非磁性ビーズ、ニトロセルロー ス・ストリップ、膜、ラテックス粒子、ヒツジ(または他の動物)の赤血球細胞 およびデ よびホルムアルデヒトによって「固定化」された赤血球細胞、Abbott L aboratories,Abbott Park ILから入手可能)および その他のような微細粒子を包含する。「固相」は重要ではなく、当業者によって 選択できる。したがって、ラテックス粒子、微細粒子、磁性または非磁性ビーズ 、膜、プラスチック試験管、マイクロタイターウェルの壁、ガラスまたはシリコ ンチップ、ヒツジ(または他の動 は、全て適切な例である。固相上にペプチドを固定化する適切な方法としては、 イオン性、疎水性、共有結合およびその他の相互作用が挙げられる。ここで使用 される場合に「固相」は、不溶性であるかまたは連続反応によって不溶性になり うる全ての材料を示す。固相は、捕捉試薬を引付けそして固定化する固有の能力 により選択できる。代りに、固相は、捕捉試薬を引付けそして固定化する能力を 有する追加のレセプターを保持するものでありうる。追加のレセプターとしては 、捕捉試薬それ自身、または捕捉試薬に結合した荷電物質に関して反対に荷電さ れた荷電物質を挙げることができる。さらに別の代替としては、レセプター分子 は、その固相に固定化(付着)され、そして特異的結合反応を通して捕捉試薬を 固定化する能力を有する全ての特異的結合構成員であってもよい。レセプター分 子は、検定の実行前、または検定の実行中に捕捉試薬を固相材料に間接的に結合 させることを可能にする。得られた固相は、プラスチック、誘導化プラスチック 、磁性または非磁性金属、試験管のガラスまたはシリコン表面、マイクロタイタ ーウエル、シート、ビーズ、微細粒子、チップ、ヒツジ(または他の適切な動物 ) 業者に知られた他の形状でありうる。 固相も、検出抗体によって接触させるのに十分な多孔性、および抗原を結合す るのに適切な表面親和性を示す適切な全ての多孔質材料を包含することが意図さ れ、そして本発明の範囲内にある。微細多孔性構造が、一般に好まれるが、水和 状態にあるゲル構造を示す材料も、同様に使用することができる。このような有 用な固形支持体としては、限定されるものではないが、ニトロセルロースおよび ナイロンが挙げられる。ここに記載されるこのような多孔性固形支持体は、約0 .01〜0.5mm、好ましくは約0.1mmの厚みのシートの形態であるのが 好ましいことが予測される。孔のサイズは、広範な限定の範囲で変化でき、そし て約0.025〜15ミクロン、特に約0.15〜15ミクロンであることが好 ましい。このような支持体の表面は、その支持体への抗原または抗体の共有結合 を起こす化学的方法によって活性化されうる。しかし、抗原または抗体の不可逆 結合が、一般に、ほとんど理解されていない疎水性力によって多孔性材料に吸収 されることによって得られる。他の適切な固形支持体は、当業界で公知である。試薬 本発明は、関心のある肺組織から誘導されたLU105と称されるポリヌクレ オチド配列、それによりコードされたポリペプチドおよびこれらのポリペプチド に特異的な抗体のような試薬を提供する。本発明は、開示されたポリヌクレオチ ドから誘導されるオリゴヌクレオチド断片、これらのポリヌクレオチドに相補的 な核酸配列のような試薬も提供する。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド または抗体は、ガンのような肺の疾病および症状を検出し、診断し、探り、監視 し、予知し、予防しまたは治療すること、または素因を決定するのにいたる情報 を提供するのに使用することができる。ここに開示される配列は、検定のために 、または遺伝子転写活性の特異的プロフィールを生成するために使用できる独特 のポリヌクレオチドを表す。このような検定は、欧州特許番号0373203B 1号および国際公開番号WO95/11995に開示されている。 選択されたLU105誘導ポリヌクレオチドは、正常なまたは変質遺伝子発現 を検出するために、ここに記載の方法で使用することができる。このような方法 には、LU105ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド、断片またはそれ らの誘導 体、またはそれに相補的な核酸配列を使用することができる。 ここに開示されるポリヌクレオチド、それらの相補的配列またはいずれかの断 片は、疾病および症状を有する肺組織に関連する遺伝子、核酸、cDNAまたは mRNAを検出、増幅または定量する検定に使用することができる。それらは、 LU105ポリペプチドの全部または部分的コード領域を同定するのにも使用す ることができる。さらにそれらは、検定用のキットの形態で個々の容器で提供す ること、または個々の組成物として提供することもできる。検定用のキットで提 供される場合、緩衝液のような他の適切な試薬、コンジュゲート等が包含されう る。 ポリヌクレオチドは、RNAまたはDNAの形態であってよい。DNA、cD NA、ゲノムDNA、核酸類似体および合成DNAの形態のポリヌクレオチドは 、本発明の範囲内にある。そのDNAは、二本鎖であってもまたは一本鎖であっ てもよいが、一本鎖である場合、コード(センス)鎖または非コード(アンチセン ス)鎖でありうる。ポリペプチドをコードするコード配列は、ここに提供される コード配列と同一であってもよく、またはコード配列が、遺伝子コードの重複性 または縮重の結果 として、ここに提供されるDNAと同じポリペプチドをコードする別のコード配 列であってもよい。 このポリヌクレオチドは、[そのポリペプチドのコード配列のみ]、[そのポ リペプチドのコード配列およびリーダーまたは分泌配列またはプロタンパク質配 列のような追加のコード配列]、または[そのポリペプチドのコード配列(およ び任意に追加のコード配列)および5’および/または3’非コード配列のよう なそのポリペプチドのコード配列の非コード配列]を包含することもできる。 さらに、本発明は、ポリヌクレオチド欠失、置換または付加のような改変を含 む変異体ポリヌクレオチド、およびその変異体ポリヌクレオチド配列から生じる 全てのポリペプチド改変を包含する。本発明のポリヌクレオチドは、ここに供さ れるコード配列の天然に生じる対立変異体であるコード配列を有することもでき る。 さらに、このポリペプチドのコード配列は、同じ読み取り枠で、宿主細胞から のポリペプチドの分泌と発現の助けになるポリヌクレオチド配列と、例えば細胞 からポリペプチドの移行を制御する分泌配列として機能するリーダー配列と、融 合できる。 リーダー配列を有するポリペプチドは、前駆体タンパク質であり、その宿主細胞 によって切断されてそのポリペプチドを形成するリーダー配列を有している。こ のポリヌクレオチドは、このタンパク質および追加の5’アミノ酸残基であるプ ロタンパク質をコードすることもできる。プロ配列を有するタンパク質は、プロ タンパク質であり、ある場合には、不活性形態のタンパク質でありうる。一旦プ ロ配列が切断されると、活性タンパク質が残る。したがって、本発明のポリヌク レオチドは、タンパク質を、またはプロ配列を有するタンパク質を、またはプレ 配列(リーダー配列)とプロ配列の両方を有するタンパク質をコードしていよう 。 本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドを精製することができる マーカー配列と枠内で融合されたコード配列を有することもできる。このマーカ ー配列は、細菌宿主の場合に、そのマーカーに融合したポリペプチドを精製でき るようになる、pQE−9ベクターによって供給されるヘキサヒスチジン・タグ であってよく、または例えば、そのマーカー配列は、哺乳類宿主例えばCOS− 7細胞株が使用される場合に、ヘマグルタチン(HA)タグであってよい。HA タグは、インフル エンザ・ヘマグルタチニン・タンパク質から誘導されるエピトープに対応する。 例えば、I.Wilson Cell、37:767(1984)参照。 このポリヌクレオチドとあるポリヌクレオチドの配列の間に少なくとも50% 、好ましくは少なくとも70%そしてさらに好ましくは少なくとも90%の相同 性がある場合には、そのポリヌクレオチドは、ここに提供された配列にハイブリ ダイズすると考えられる。 本発明は、ここに提供されたポリヌクレオチドから選択されたLU105ポリ ヌクレオチドによってコードされたポリペプチドの少なくとも一部である精製L U105ポリペプチドを用いることによって産生される抗体をも提供する。これ らの抗体は、試験試料中のLU105抗原を検出するためにここで提供された方 法で使用することができる。試験試料中のLU105抗原の存在は、肺疾病また は症状の存在を示すものである。抗体も、治療の目的に、例えば変質または異常 発現に関連した状態におけるLU105ポリペプチドの活性を中和するために使 用することもできる。 本発明は、さらにここに提供された推定アミノ酸配列を有す るLU105ポリペプチド、並びにそのようなポリペプチドの断片、類似体およ び誘導体に関する。本発明のポリペプチドは、組換え体ポリペプチド、天然の精 製ポリペプチドまたは合成ポリペプチドであってよい。LU105ポリペプチド の断片、誘導体または類似体は、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が、保存ま たは非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換されているもの であってよく、このような置換アミノ酸残基は、遺伝子コードによってコードさ れていてもされていなくともよく、あるいは、1つまたはそれ以上のアミノ酸残 基が置換基を有するものであってよく、あるいは、そのポリペプチドが、ポリペ プチドの半減期を増加する化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような 別の化合物に融合しているものであってもよく、あるいは、その追加のアミノ酸 が、リーダーまたは分泌配列、またはそのポリペプチドの精製に使用される配列 あるいはプロタンパク質配列のようなポリペプチドに融合しているものでもよい 。このような断片、誘導体および類似体は、本発明の範囲内にある。本発明のポ リペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは単離形態で提供され、そして 精製されるのが好ましい。 したがって、本発明のポリペプチドは、天然に生じるポリペプチドのものと同 じであるか、または1つまたはそれ以上のアミノ酸置換による小さな変更によっ て異なっているアミノ酸配列を有することができる。その変更は、典型的には約 1〜5のアミノ酸(ここで、置換アミノ酸は、同様の構造または化学的特性を示 す。)の範囲にある「保存的変化」であってよく、例えば、ロイシンをイソロイ シンに置換すること、またはスレオニンをセリンに置換することである。対照的 に、変更として、非保存的変化、例えばグリシンをトリプトファンに置換するこ とを挙げることができる。同様の小さな変更としては、アミノ酸の欠失または挿 入あるいは両方を包含する。いずれのそしてどのくらいのアミノ酸残基が生物学 上または免疫学上の活性を変化させることなく置換、挿入または欠失されるかを 決定する基準は、当業界でよく知られるコンピュータ・プログラム、例えばDN ASTARソフトウエア(DNASTAR Inc.Madison WI)を 用いて見出すことができる。 本発明のポリヌクレオチド配列により構築されたプローブは、様々な型の分析 を提供する種々の検定法に使用することができる。例えば、このようなプローブ は、蛍光原位置(in situ) ハイブリダイゼーション(FISH)技術で使用して染色体分析を行うことがで き、および、染色体の分布により目視できるかまたはPCR生成プローブおよび /もしくは対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブ(対立遺伝子特異的増 幅あるいは直接シーケンシグ)によって検出できる欠失またはトランスロケーシ ョンのような、染色体中のガン特異的構造変質を同定するのに使用することがで きる。プローブは、放射性同位体、直接的にまたは間接的に検出可能なハプテン 、または蛍光分子で標識することもでき、そして組織標本または細胞中のポリヌ クレオチドを包含する遺伝子のmRNA発現を評価するためにin situハ イブリダイゼーション研究に利用することもできる。 本発明は、ここに供されるポリヌクレオチドおよびポリペプチドを産生するた めの教示をも提供する。 プローブ検定 ここで提供される配列は、試験試料中の核酸を検出するための検定に使用する ことができるプローブを生産するのに使用することができる。プローブは、目的 のポリヌクレオチドの保存ヌクレオチド領域から、または目的のポリヌクレオチ ドの非保 存ヌクレオチド領域から設計できる。検定で最適化するためのこのようなプロー ブの設計は、通常の技術者の技術の範囲内である。一般に、核酸プローブは、最 大の特異性が望まれる場合、非保存または特徴的な領域から生成され、そして核 酸プローブは、様々な構成員の多遺伝子ファミリーに密接に関連するか、または マウスおよびヒトのような相関する種に関連するヌクレオチド領域を検定する場 合には保存領域から生成される。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸またはそれらの混合物に含まれる所 望の核酸配列(標的)を増幅する技術である。PCRでは、標的核酸の相補鎖に ハイブリダイズするように一対のプライマーが過剰に使用される。それらのプラ イマーは、鋳型として標的核酸を用いてポリメラーゼにより、各々伸長される。 伸長産物は、それら自身標的配列になり、そして元の標的鎖から分離される。そ の後、新たなプライマーはハイブリダイズされ、ポリメラーゼによって伸長され 、そしてそのサイクルは、繰返されて標的配列分子の数を幾何級数的に増加させ る。PCRは、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号 に開示されている。 リガーゼ連鎖反応(LCR)は、核酸増幅の代替法である。 LCRでは、2つの一次(第一および第二)および2つの二次(第三および第四 )プローブを有するプローブ対が使用され、その全てが標的に対し過剰なモル数 で使用される。第一プローブは標的鎖の第一のセグメントにハイブリダイスし、 第二プローブは、標的鎖の第二のセグメントにハイブリダイスし、第一および第 二セグメントは、一次プローブは、5’リン酸−3’水酸基の関係で互いに接し ていてリガーゼにより一次プローブの2つのプローブを融合産物に共有結合的に 融合または連結できるように、隣接している。さらに、第三(二次)プローブは 、第一プローブの一部にハイブリダイズでき、そして第四(二次)プローブは、 同様の隣接状態で第二プローブの一部にハイブリダイズできる。もちろん、標的 が当初二本鎖である場合は、二次プローブは、第一の例に相補的な標的にハイブ リダイズもする。いったん一次プローブの連結鎖が標的鎖から分離されると、そ れは、連結して相補的二次連結産物を形成できる第三および第四プローブとハイ ブリダイズする。連結産物が標的またはその相補物のいずれかと機能的に同等で あることを認識することは重要である。ハイブリダイゼーションおよび連結の反 復サイクルによって、標的配列の増幅が達成される。この技術は、 1989年6月16日に発行されたK.Backmanによる欧州特許A−32 0308号に、そして1991年7月31日に発行されたK.Backmanら による欧州特許出願A−439182号にいっそう完全に記載されている。 mRNAsの増幅のために、mRNAをcDNAに逆転写し、次いでポリメラ ーゼ連鎖反応(RT−PCR)を行うこと、米国特許第5,322,770号に 記載のとおり両方のステップに単一の酵素を使用すること、またはR.L.Ma rshallらのPCR Methods and Applications 4:80−84(1994)に記載されるとおり、mRNAをcDNAに逆転 写し、次いで非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)を行うこと は、本発明の範囲内にある。 ここで利用できる他の公知の増幅法としては、限定されるのではないが、ジェ イ.シー.ガテリ(J.C.Guatelli)らのPNAS USA 87: 1874−1878(1990)に記載され、そしてJ.ComptonのNa ture 350(第6313):91−92(1991)によって記載されて いるいわゆる「NASBA」または「3SR」技術;公開された欧 州特許出願(EPA)第4544610号に記載されているQ−ベータ増幅;鎖 置換増幅(strand displacement amplificati on)G.T.WalkerらのClin.Chem.42:9−13(199 6)および欧州特許出願(EPA)第684315号に記載されている);および 国際公開第WO93/22461号に記載のとおりの標的媒介性増幅(targ et mediated amplification)が挙げられる。 LU105の検出は、当業界で現在よく知られているそれらの検出方法並びに 後に展開する検出計略を含む任意の適切な検出方法を用いて達成することができ る。例えば、Caskeyらの米国特許第5,582,989号、Gelfan dらの米国特許第5,210,015号参照。このような検出法の例としては、 標的増幅方法並びにシグナル増幅技術が挙げられる。現在公知の検出方法の例と しては、PCR、LCR、NASBA、SDA、RCRおよびTMAに該当する 核酸増幅技術が挙げられる。例えば、Caskeyらの米国特許第5,582, 989号、Gelfandらの米国特許第5,210,015号参照。検出は、 Snitmanらの米国特許第5,273,882号 に記載されるもののようなシグナル増幅を用いても達成できる。標的またはシグ ナルの増幅が現時点で好まれる一方で、増幅を必要としない超感受性検出方法が ここに利用できることが意図され、本発明の範囲内にある。 増幅されたものおよび増幅されないものの両方の検出は、様々な異種および同 種の検出フォーマットを用いて(組合せて)行うことができる。異種の検出フォ ーマットの例は、Snitmanらの米国特許第5,273,882号、Alb arellaらの欧州特許第84114441.9号、Urdeaらの米国特許 第5,124,246号、Ullmanらの米国特許第5,185,243号お よびKourilskyらの米国特許第4,581,333号に開示されている 。同種の検出フォーマットの例は、Caskeyらの米国特許第5,582,9 89号、Gelfandらの米国特許第5,210,015号に開示されている 。ハイブリダイゼーション検定で、LU105シグナルの感受性および増幅を改 善する多プローブの使用も意図され、本発明の範囲内である。例えば、米国特許 第5,582,989号、及び米国特許第5,210,015号参照。 1つの態様で、本発明は、一般に、標的ポリヌクレオチド配列を含むことが推 測される試験試料を、増幅プライマーおよびアンプリコン配列の内部領域にハイ ブリダイズできる検出プローブを包含する増幅反応試薬に、接触させる段階を包 含する。ここで提供される方法によって使用されるプローブおよびプライマーは 、捕捉および検出標識で標識され、ここで、プローブは、1つの型の標識で標識 され、そしてプライマーは、別の型の標識で標識されている。さらに、プライマ ーおよびプローブは、プローブ配列がプライマー配列より低い融解温度を有する ように選択される。増幅試薬、検出試薬および試験試料が増幅条件下におかれ、 それによって、標的配列の存在下で、標的配列のコピー(アンプリコン)が生産 される。通常の場合、プライマーが標的配列およびその相補鎖を増幅するために 提供されるので、そのアンプリコンは二本鎖である。その後、二本鎖アンプリコ ンが、熱的に変性されて一本鎖アプリコン構成員を産生する。一本鎖アンプリコ ン構成員が形成されると、混合物を冷却して、プローブと一本鎖アンプリコン構 成員の間の複合体を形成させる。 一本鎖アンプリコン配列およびプローブ配列を冷却すると、 プローブ配列は一本鎖アンプリコン構成Dに優先的に結合する。この発見は、プ ローブ配列は一般にプライマー配列より短いように選択され、したがってプライ マーより低い融解温度を有していて、直観に反する。したがって、そのプライマ ーによって産生されたアンプリコンの融解温度は、そのプローブより高い溶解温 度も有する。つまり、その構成員を冷却すると、二本鎖アンプリコンの再形成が 予測される。しかし先に述べたとおり、このようにはならない。プローブは一本 鎖アンプリコン構成員に優先的に結合することが分かっている。さらに、プロー ブ/一本鎖アンプリコン結合のこの優先性は、プライマー配列がプローブに対し 過剰添加される場合でさえ存在する。 プローブ/一本鎖アンプリコン構成員ハイブリッドが形成された後、それらは 検出される。標準異種検定フォーマットは、プライマーおよびプローブ上に存在 する検出標識および捕捉標識を用いてハイブリッドを検出するのに適している。 そのハイブリッドは、捕捉標識によって固相試薬に結合され、そして検出標識に よって検出される。検出標識が直接的に検出できる場合には、固相上のハイブリ ッドの存在が、必要であれば、その標識に検出可能なシグナルを産生させ、およ びシグナルを検出 することによって検出できる。標識が直接的に検出可能でない場合には、捕捉さ れたハイブリッドは、一般に直接検出可能な標識に結合した結合構成員を包含す るコンジュゲートに接触させる。コンジュゲートは、その複合体に結合し、複合 体上に存在するコンジュゲートは、直接検出可能な標識により検出することがで きる。したがって、固相試薬上のハイブリッドの存在は、測定できる。当業者は 、未ハイブリダイズアンプリコンまたはプローブ並びに未結合コンジュゲートを 洗い流すために洗浄段階が使用できることを認識する。 標的配列は一本鎖として記載されているが、標的配列が実際は二本鎖であるが 、増幅プライマー配列とのハイブリダイゼーション前にその相補物から単に分離 されている場合を包含することも意図される。PCRがこの方法に使用される場 合には、標的配列の末端は通常知られている。LCRまたはそれらの改変法が好 ましい方法に使用される場合には、全標的配列は、通常公知である。代表的には 、標的配列は、例えばRNAまたはDNAのような核酸配列である。 ここで提供される方法は、特にPCRおよびギャップLCR(GLCR)での 熱サイクル反応混合物を含めた十分に知られ た増幅反応に使用することができる。増幅反応では、一般にその標的配列が通常 、より大きな核酸配列の小さな領域である、標的核酸配列のコピーを繰返して生 成するプライマーが使用される。プライマーはそれら自身、標的配列の領域に相 補的である核酸配列である。増幅条件下で、これらのプライマーは、標的配列の 相補的領域にハイブリダイズまたは結合する。標的配列のコピーは、一般にポリ メラーゼまたはリガーゼ活性を有する酵素を、別々にまたは組合せて利用し、ヌ クレオチドをハイブリダイズしたプライマーに加えおよび/または隣接プローブ を連結するプライマー伸長プロセスおよび/または連結プロセスによって生成さ れる。単量体または実行オリゴマーとしてプライマーまたはプローブに加えられ たヌクレオチドは、標的配列に相補的でもある。いったんプライマーまたはプロ ーブが十分に伸長および/または連結されたら、それらは、例えば反応混合物を 、相補的核酸鎖が分離する「融解温度」まで加熱することによって、標的配列か ら分離される。したがって、その標的配列に相補的な配列が形成される。 その後、新規増幅サイクルが行われて、すべての二本鎖配列を分離し、プライ マーまたはプローブをそれぞれの標的にハイ ブリダイズさせ、ハイブリダイズしたプライマーまたはプローブを伸長および/ または連結し、そして再分離することによって、さらに多くの標的配列が増幅さ れる。増幅サイクルによって生成された相補的配列は、プライマー伸長のための 、または多くの標的配列をさらに増幅する2つのプライマーのギャップを埋める ための鋳型として働くことができる。一般に、反応混合物は、20と100回の 間で反復され、さらに特には、反応混合物は、25から50回反復される。サイ クルの数は、通常の従事者によって決定することができる。この方法で、標的配 列およびその相補的配列の多数のコピーが産生される。このように、プライマー は、それが増幅条件下で存在する場合に標的配列の増幅を開始する。 一般に、標的鎖およびその相補物の一部に相補的な2つのプライマーがPCR に使用される。LCRについては、そのうち2つは標的配列に相補性があり、そ してそのうちの2つは、標的相補体に同様に相補性であるその4つのプローブが 一般に使用される。核酸増幅反応混合物は、プライマーのセットと先に記載した 酵素に加え、これに限定されないが、マンガン、マグネシウム、塩類、ニコチン アミドアデニンジヌクレオチド (NAD)のような酵素補因子類;例えばデオキシアデニン三リン酸、デオキシ グアニン三リン酸、デオキシシトシン三リン酸およびデオキシチミン三リン酸の ようなデオキシヌクレオチド三リン酸類(dNTPs)を含む、よく知られてい る他の試薬を包含してもよい。 増幅プライマーが標的配列の増幅を開始させる一方、検出(またはハイブリダ イゼーション)プローブは、増幅には関係しない。検出プローブは、一般に、例 えば国際公開番号WO92/20702号に開示されたペプチド核酸;米国特許 第5,185,444号、第5,034,506号および第5,142,047 号に記載されるモルホリノ類似体のような、核酸配列または非荷電核酸類似体等 である。プローブが担持する標識の型によって、プローブは、増幅反応によって 生成されたアンプリコンを捕捉または検出するのに使用される。プローブは、標 的配列の増幅には関与せず、したがって、追加のdNTPsがプローブに加えら れない点で、「非伸長性」とされうる。それら自身においてそしてそれら自身の うち、類似体は、通常非伸長性であり、そして核酸プローブは、水酸基がもはや 拡張に参与できないようにプローブの3’末端を修飾する ことによって非伸長性にさせることができる。例えば、そのプローブの3’末端 は、捕捉または検出標識で官能化してその結果水酸基を消費するかあるいは保護 することができる。あるいは、3’水酸基は、単に切断するか、置換するかまた は修飾することができる。1993年4月19日に出願された米国特許出願連番 第07/049,061号には、プローブを非伸長性にさせるのに使用できる修 飾法が記載されている。 プライマーのプローブに対する比は、重要ではない。したがって、プローブま たはプライマーのいずれかが、過剰に反応混合物に加えられ、それによって一方 の濃度が他方の濃度より大きくなる。あるいは、プライマーおよびプローブは、 等しい濃度で使用することができる。しかし、プライマーは、プローブに対し過 剰に反応混合物に加えることが好ましい。したがって、例えば5:1および20 :1のプライマー対プローブ比が好まれる。 プライマーおよびプローブの長さは変えることができる、プローブ配列は、プ ライマー配列より低い融解温度を示すように選択される。それ故、プライマー配 列は、一般にプローブ配列より長い。特に、プライマー配列は、20から50ヌ クレオチ ド長の範囲、さらに特に20から30ヌクレオチド長の範囲にある。典型的なプ ローブは、10から25ヌクレオチド長の範囲にある。 プライマーおよびプローブを合成する種々の方法が当業界でよく知られている 。同様に、標識をプライマーまたはプローブに付着させる方法も当業界でよく知 られている。例えば、従来のヌクレオチドホスホルアミダイト化学およびApp lied Biosystems,Inc.(Foster City、CA) 、Dupont(Wilmington、DE)、またはMilligen(B edford、MA)から入手できる装置を用いて、所望の核酸プライマーまた はプローブを合成するのは通常のことである。本発明のプライマーまたはプロー ブのようなオリゴヌクレオチドを標識するのに多くの方法が記載されている。E nzo Biochemical(New York、NY)およびClont ech(Palo Alto、CA)の両方に、プローブ標識技術が記載され市 販されている。例えば、3’−Amine−ON CPGTM(Clonteck ,Palo Alto,CA)を用いて、第一級アミンを3’オリゴ末端に付着 さ (Clonteck)を用いて、第一級アミンを5’オリゴ末端を付着させるこ とができる。従来の活性化および結合化学を用いて、アミンを種々のハプテンと 反応させることができる。さらに、同時係続出願中の1990年12月11日出 願の米国特許出願連番第625,566号、および1990年12月20日出願 の米国特許出願連番第630,908号では、それぞれ、それらの5’および3 ’末端でプローブを標識する方法が教示されている。1992年6月25日に発 行された国際公開番号WO92/10505号および1992年7月9日に発行 された国際公開番号WO92/11388号では、それぞれ、それらの5’およ び3’末端でプローブを標識する方法が教示されている。オリゴヌクレオチドを 標識する1つの公知方法によって、標識ホスホルアミダイト試薬を調製し、そし てその合成の間にオリゴヌクレオチドに標識を付けるのに使用する。例えばN. T.ThoungらのTet.Letters 29(46):5905−590 8(1988)、またはJ.S.Cohenらの発行米国特許出願連番第07/ 246,688号(NTISORDER番号PAT−APPL−7−246,6 88)(1989)参照。プローブは、それらの3’および5’末端で 標識されるのが好ましい。 捕捉標識は、プライマーまたはプローブに付着させられ、そして固相試薬の特 異的結合構成員と結合対を形成する特異的結合構成員でありうる。プライマーま たはプローブそれ自身が捕捉標識として働くことが理解できよう。例えば、固相 試薬の結合構成員が核酸配列であれば、捕捉標識は、プライマーまたはプローブ の相補的部分と結合し、その結果固相にプライマーまたはプローブを固定化する ように選択する。プローブがそれ自身結合構成員として働く場合には、当業者は 、そのプローブが一本鎖アンプリコン構成員に相補的ではない配列または「尾部 」を含有することを理解しよう。プライマーそれ自身が捕捉標識として働く場合 には、そのプローブがそのプライマー配列に十分に相補的ではないように選択さ れているので、プライマーの少なくとも一部分は、固相上の核酸とハイブリダイ ズすることから免れる。 一般に、プローブ/一本鎖アンプリコン構成員複合体は、異種免疫検定を行う のに通常使用される技術を用いて検出することができる。好ましくは、この態様 では、市販のAbbott Park、IL)によって、使用されるプロトコールによって検 出が行われる。 ここに開示されるプライマーおよびプローブは、試験試料は一対のプライマー と接触され、増幅が行われ、ハイブリダイゼーションプローブを加え、そして検 出を行う、典型的なPCR検定に有用である。 本発明によって提供される別の方法は、少なくとも1つのポリヌクレオチドが ここに記載されているLU105分子である複数のポリヌクレオチドと試験試料 を接触させること、その複数のポリヌクレオチドと試験試料をハイブリダイズさ せること、およびハイブリダイゼーション複合体を検出することを包含する。ハ イブリダイゼーション複合体を同定し、定量して、肺ガンのような肺組織疾病を 示しているプロフィールを収集する。さらに、発現RNA配列は、逆転写および ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含めた当業界でよく知られた手段によってD NA産物の増幅をすることによって、検出することができる。 医薬スクリーニングおよび遺伝子治療 本発明は、肺組織疾病または症状、特に肺ガンに関連したポリヌクレオチドの 異常な発現に伴う症状を示す患者に、本発明 のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのようなアンチセンスLU105 誘導分子を導入するための遺伝子治療法の使用を包含する。アンチセンスRNA およびDNA断片およびリボザイムを含めたこれらの分子は、LU105−mR NAの翻訳を阻害するように設計され、そしてLU105ポリヌクレオチドの変 質されたおよび異常な発現に関連した症状の処置に治療的に使用することができ よう。 あるいは、上に記載されたオリゴヌクレオチドは、アンチセンスRNAまたは DNAが発現され上述の方法でLU105ポリペプチドの産生を阻害するために in vivoで発現できるように当業界で公知の手段によって細胞に送達され うる。したがって、LU105ポリヌクレオチドに対するアンチセンス構築物は 、LU105転写の作用を逆にし、肺ガンのような肺組織の疾病症状を処置する のに使用できる。これらのアンチセンス構築物は、腫瘍転移を処置するのに使用 することもできる。 本発明は、LU105ポリペプチド(1つまたは複数)またはそのいずれかの 断片に特異的に結合する複数の化合物を選別して、LU105ポリペプチドに特 異的に結合する少なくとも1つの化合物を同定する方法をも提供する。このよう な方法は、 少なくとも1つの化合物を提供すること、結合させるのに十分な回数適切な条件 下でLU105ポリペプチドを各化合物と混合すること、および各化合物に結合 するLU105ポリペプチドを検出することを包含する。 このような試験に使用されるポリペプチドまたはペプチド断片は、溶液中で遊 離であるか、固形支持体に固定されているか、細胞表面に担持されているか、ま たは細胞内に存在するかのいずれかであろう。医薬スクリーニングの一つの方法 は、ポリペプチドまたはペプチド断片を発現できる組換え体核酸を安定に形質移 入された原核または真核宿主細胞を利用する。薬剤、化合物または他の薬物は、 拮抗結合検定でこのような形質移入細胞に対してスクリーニングをすることがで きる。例えば、ポリペプチドと試験されるべき薬剤との複合体の形成を、生存ま たは固定化細胞のいずれかで測定することができる。 このように、本発明は、LU105に関連した疾病を処置するのに使用するこ とができる医薬または任意の他の薬剤をスクリーニングする方法を提供する。こ れらの方法は、薬剤をポリペプチドまたはそれらの断片と接触させること、およ びその薬剤とポリペプチドとの複合体の存在またはポリペプチドと細胞 との複合体の存在について検定することを包含する。拮抗結合検定では、ポリペ プチドは典型的には標識される。適切なインキュベーションの後、遊離(または 未複合形態)ポリペプチドまたはそれらの断片が結合形態で存在するそれから分 離され、そして遊離または未複合標識の量は、特定の薬剤のポリペプチドへの結 合能またはポリペプチド/細胞複合体への阻害能の評価に使用される。 本発明は、ポリペプチドへの結合能を有する中和抗体が標的薬剤とポリペプチ ドまたはその断片との結合について特異的に競合する、拮抗的スクリーニング検 定への使用も含む。この手順において、抗体は、1つまたはそれ以上の抗原決定 基をここで提供されたLU105ポリペプチドと共有する試験試料中の任意のポ リペプチドの存在を検出するのに使用することができる。 医薬スクリーニングのための別の技術は、ここに開示されたLU105の少な くとも1つのポリペプチドに適切な結合親和性を示す化合物についての高効率ス クリーニングを提供する。簡単に説明すると、多量の種々の小ペプチド試験化合 物が、プラスチック製ピンまたはいくつかの他の表面のような固相で合 成される。ペプチド試験化合物をポリペプチドと反応させ、洗浄する。得られた 固相に結合したポリペプチドは、当業界でよく知られた方法によって検出される 。精製ポリペプチドを、ここに記載のスクリーニング技術に使用するためにプレ ート上に直接に被覆することもできる。さらに、非中和抗体は、ポリペプチドを 捕捉し、そして固形支持体上にそれを固定するのに使用することができる。例え ば、1984年9月13日に発行された欧州特許第84/03564号参照。 合理的医薬設計の目標は、相互作用する作動薬、拮抗薬、または阻害剤を含む 、構造的に類似の関心のある生物学的に活性なポリペプチドまたは小分子を製造 することである。このような構造類似体は、より活性なまたは安定な形態のポリ ペプチドである、またはin vivoでポリペプチドの機能を増進するかまた は阻害する医薬を設計するのに使用することができる。J.Hodgson B io/Technology 9:19−21(1991)。 例えば、1つのアプローチとして、ポリペプチドまたはポリペプチド阻害剤複 合体の三次元構造は、x線結晶構造解析により、コンピュータモデルにより、ま たは最も一般的にはその2 つのアプローチの組合せにより測定される。そのポリペプチドの形状および荷電 の両方が、その分子の構造を明らかにすることおよび活性部位(1つまたは複数 )を決定するために確認されなければならない。たまに、ポリペプチドの構造に 関して有用な情報は、同種タンパク質の構造に基づいたモデルによって得ること ができる。両方の場合に、関連の構造上の情報は、類似のポリペプチド様分子を 設計するかまたは有効な阻害剤を同定するのに使用される。 合理的医薬設計の有用な例としては、S.BraxtonらのBiochem istry 31:7796−7801(1992)によって示された活性また は安定性を改善した分子、またはS.B.P.AthaudaらのJ.Bioc hem.(Tokyo)113:(6):742−746(1993)によって 示された天然のペプチドの阻害剤、作動薬、または拮抗薬として作用する分子が 挙げられる。 以前に記載された検定によって選択された標的特異的抗体を単離し、次いでそ の結晶構造を決定することも可能である。原理的には、このアプローチは、その 後の医薬設計の基礎となる医薬基盤を生みだす。さらに、機能性で薬学上活性な 抗体に対する抗イデオタイプの抗体(「抗−ids」)を生成することによって 、全体としてタンパク質結晶構造解析を回避することも可能である。鏡像の鏡像 として、抗−idの結合部位は、元のレセプターの類似体である。次いで、抗− idは、化学的にまたは生物学的に製造されたペプチドのパンクからペプチドを 同定および単離するのに使用することができる。次いで、単離ペプチドは、医薬 基盤化合物(すなわち、プロトタイプの医薬)として作用することができる。 X線結晶構造解析のような解析的研究を行うことができるのに十分な量の本発 明の組換え体ポリペプチドを入手可能にすることができる。さらに、ここに提供 された核酸配列から誘導できるポリペプチドアミノ酸配列の知識は、x線結晶構 造解析の代わりに、またはそれに加えてコンピュータモデル化技術を使用するも のに対する指針を提供しよう。 LU105ポリペプチドに特異的な抗体(例えば、抗−LU105抗体)は、 さらにポリペプチドに結合させることによって、ポリペプチドの生物学的作用を 阻害するのに使用できる。この方法では、抗体は、例えば肺ガンおよびその転移 を含めた肺組織疾病の治療等の治療に使用することができる。 さらに、このような抗体は、試験試料中のLU105ポリペプチドの存在また は不存在を検出することができ、したがって、肺組織疾病または症状、特に肺ガ ンを診断するための診断用マーカーとして有用である。このような抗体は、肺ガ ンのような肺組織疾病または症状についての診断用マーカーとしても機能できる 。 本発明は、本発明のポリペプチドの拮抗薬および阻害剤にも向けられている。 この拮抗剤および阻害剤は、このポリペプチドの機能を阻害または打消すもので ある。したがって、例えば、拮抗剤は、本発明のポリペプチドに結合し、その機 能を阻害または打消すことができよう。例えば、拮抗剤は、LU105ポリペプ チドに結合することによってLU105ポリペプチドの活性を打消すポリペプチ ドに対する抗体であってもよく、またはある場合には、拮抗剤は、オリゴヌクレ オチドであってもよい。小分子阻害剤の例としては、それに限定されるものでは ないが、小ペプチドまたはペプチド様分子が挙げられる。 拮抗剤および阻害剤は、それに限定されるものではないが、生理学的食塩水、 食塩緩衝液、デキストロース、水、グリセロール、エタノールおよびそれらの組 合せを含めた製薬上許容し うる担体を有する組成物として使用できる。LU105ポリペプチド阻害剤の投 与は全身であるのが好ましい。本発明は、そのようなポリペプチドの作用を阻害 する抗体も提供する。 アンチセンス技術は、三重らせん形成またはアンチセンスDNAまたはRNA を介して遺伝子発現を減少させるのに使用することができ、その両方の方法は、 DNAまたはRNAにポリヌクレオチドが結合することに基づいている。例えば 、本発明のポリペプチドをコードするこのポリヌクレオチド配列の5’コード部 分が、長さ10〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計す るのに使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与した遺伝子の領域 に相補的になるように設計されて、その結果LU105ポリペプチドの転写およ び産生を防ぐ。三重らせんについて、例えばLeeらのNuc.Acids R es. 6:3073(1979);CooneyらのScience 241:4 56(1988);およびDervanらのサイエンスScience 251 :1360(1991)参照。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、in vivo でmRNAにハイブリダイズし、mRNA分子のLU105ポリペプ チドへの翻訳を遮断す る。アンチセンスについては、例えばOkanoのJ.Neurochem.5 6:560(1991);およびOligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitor of Gene Expr ession、CRC Press、Boca Raton Fla、(198 8)参照。分子を核酸切断に対して耐性にさせる人工的なヌクレオチド間結合を 含むように改変された場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、より有効に作 用する。このような人工的ヌクレオチド間結合としては、それに限定されるもの ではないが、メチルホスホネート、ホスホロチオエートおよびポスホロアミデー トヌクレオチド間結合が挙げられる。 組換え技術 本発明は、宿主細胞および本発明のLU105ポリヌクレオチドを包含する発 現ベクターおよびそれらがコードするポリペプチドの製造方法を提供する。この ような方法は、LU105ポリヌクレオチドの発現に適切な条件下で宿主細胞を 培養すること、およびその細胞培養物からLU105ポリペプチドを回収するこ とを包含する。 本発明は、本発明のLU105ポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベ クターで遺伝子工学的に加工された宿主細胞、および組換え技術によって本発明 のポリペプチドを生産することも提供する。 宿主細胞は、クローニングベクターまたは発現ベクターであってよい本発明の ベクターで遺伝子工学的に加工(形質移入、形質導入または形質転換)される。 ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、ファージ等の形態であってよい。遺伝 子工学的に加工された宿主細胞は、プロモーターを活性化するのに、形質移入さ れた細胞を選択するのに、またはLU105遺伝子(1つまたは複数)を増幅する のに適切なように修飾された従来の栄養培地で培養できる。温度、pH等のよう な培養条件は、発現のために選択された宿主細胞により以前より使用されたもの であり、当業者に明らかである。 本発明のポリヌクレオチドは、組換え体技術によるポリペプチドを産生するの に使用できる。したがって、ポリヌクレオチド配列は、種々の発現ビヒクル、特 にポリペプチドを発現するためのベクターまたはプラスミド、のうちのいずれか 1つ、に導入される。このようなベクターとしては、染色体、非染色体お よび合成DNA配列、例えばSV40の誘導体;細菌プラスミド;ファージDN A;酵母プラスミド;プラスミドおよびファージDNAの組合せから誘導される ベクター;ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルスおよび仮性狂犬 病のようなウイルス性DNAが挙げられる。しかし、他の全てのプラスミドまた はベクターは、それが宿主中で複製可能で生存可能である限り使用してもよい。 適切なDNA配列は、さまざまな手段によってベクターに挿入できる。一般に DNA配列は、当業界で公知の手段によって適切な制限エンドヌクレアーゼ部位 に挿入される。このような手段および他のものは、当業者の範囲内であると思わ れる。発現ベクター中のDNA配列は、mRNA合成を指示する適切な発現制御 配列(1つまたは複数)(プロモーター)に機能可能に結合される。そのような プロモーターの代表的な例としては、それに限定されるものではないが、LTR またはSV40プロモーター、E.coli lacまたはtrp、ファージラ ムダPサブLプロモーターおよび原核または真核細胞またはそれらのウイルス中 で発現の遺伝子を制御することが知られている他のプロモーターが挙げられる。 発現ベクターは、翻訳開始の ためのリボゾーム結合部位および転写終結も含む。ベクターは、発現を増幅する のに適切な配列も包含できる。さらに、発現ベクターは、真核細胞培養における ジヒドロ葉酸還元酵素またはネオマイシン耐性のような、またはE.coliに おけるテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性のような形質導入宿主細胞を選 択するための表現型形質を提供する遺伝子を含むのが好ましい。 上で記載された適切なDNA配列並びに適切なプロモーターまたは制御配列を 含むベクターは、宿主にタンパク質を発現させために適切な宿主を形質移入する のに使用することができる。適切な宿主の代表的な例としては、イー.コリ( .coli )、サルモネラ・トフィムリウム(Salmonella typh imurium)、ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.)のような細菌細胞;酵母のような真菌細胞;ドロソフィリア(Dro sophila)およびSf9のような昆虫細胞;CHO、COSまたはボウエ ス・メラノーマ(Bowes melanoma)のような動物細胞;植物細胞 等が挙げられる。適切な宿主の選択は、ここに提供された教示から当業者の範囲 内にあると思われる。 さらに詳細には、本発明は、上で広範に記載された1つまたはそれ以上の配列 を含む組換え構築物をも包含する。構築物は、本発明の配列がそのなかに順方向 または逆方向に挿入されているプラスミドまたは細菌ベクターのようなベクター を包含する。この実施態様の好ましい側面では、構築物は、さらに例えばその配 列に機能可能に結合されたプロモーターを含めた制御配列を包含する。多数の適 切なベクターおよびプロモーターが当業者に公知であり、そして市販で入手可能 である。以下のベクターが例示として提供される。細菌:pINCY(Incy te Pharmaceuticals、Palo Alto、CA)、pSP ORT1(Life Technologies、Gaithersburg、 MD)、pQE70、pQE60、pQE−9(Qiagen)、pBs、ファ ージスクリプト、psiX174、pBluescript SK、pBsKS 、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratage ne);pTrc99A、pKK223−3、pKK233−3、pDR540 、pRIT5(Pharmacia);真核細胞:pWLneo、pSV2ca t、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene)、 pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(Pharmacia)。しかし、 他のすべてのプラスミドまたはベクターは、複製可能で、そして宿主において生 存可能である限り、使用できる。 プラスミドpINCYは、ポリリンカー(多クローニング部位)に2つの改変 を有する以外は、一般にプラスミドpSPORT1(Life Technol ogies、Gaithersburg、MDから入手可能)と同一である。こ れらの改変は、(1)それがHindTII制限部位を欠くこと、および(2) そのEcoRI制限部位が別の位置にあることである。pINCYは、pSPO RT1をHindIIIおよびEcoRIの両方で切断し、ポリリンカーの切り 出された断片を合成DNA断片(配列番号7および配列番号8)に置換すること によって、pSPORT1から作製される。この置換は、当業者に知られたいず れの方法によってなされてもよい。例えば、2つのヌクレオチド配列、配列番号 7および配列番号8は、5’末端リン酸を用いて合成的に生成され、一緒に混合 され、そしてその後、HindIIIおよびEcoRIで切断されたpSPOR T1プラスミド中に互い違い末端連結を行うための標準条件下で連結される。そ の後、適切な宿主細胞(イー.コリDH5∝細胞の ような)は、連結したDNAを用いて形質移入され、組換えクローンがアンピシ リン耐性について選択される。その後プラスミドDNAは、個々のクローンから 作製され、そして適切な方向での挿入配列の存在を確認するために、制限酵素分 析またはDNA配列決定にかけられる。当業者に公知の他のクローニンク法も使 用できる。 プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベ クターまたは選択性マーカーを有する他のベクターを用いて任意の所望の遺伝子 から選択することができる。2つの適切なベクターは、pKK232−8および pCM7である。特に名の知られた細菌プロモーターとしては、lacI、1a cZ、T3、SP6、T7、gpt、ラムダPサブR、PサブLおよびtrpが 挙げられる。真核細胞プロモーターとしては、サイトメガロウイルス(CMV) 即初期、単純性疱疹ウイルス(HSV)チミジンキナーゼ、初期および後期SV 40、レトロウイルスから得られるLTRおよびマウスのメタロチオナイン−I が挙げられる。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分当業界での通 常の技術のレベル範囲内にある。 別の実施態様では、本発明は、上述の構築物を含有する宿主 細胞を提供する。宿主細胞は、哺乳類細胞のような高等真核細胞、または酵母細 胞のような下等真核細胞でありうるか、または宿主は、細菌細胞のような原核細 胞でありうる。宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウム形質移入、DE AE−デキストラン媒介形質移入または電気穿孔法によって実行できる(L.D avisら、Basic Methods in Molecular Bio logy、2版、Appleton and Lang,Paramount Publishing、East Norwalk、CT((1994))。 宿主細胞中の構築物は、組換え配列によってコードされた遺伝子産物を産生す るための従来の方法で使用できる。あるいは、本発明のポリペプチドは、従来の ペプチド合成機によって合成的に生成できる。 組換えタンパク質は、適切なプロモーターの制御下で哺乳類細胞、酵母、細菌 または他の細胞中で発現されうる。無細胞翻訳系も本発明のDNA構築物から誘 導されたRNAを用いてこのようなタンパク質を産生するのに使用することがで きる。原核細胞および真核細胞宿主を使用するための適切なクローニングおよび 発現ベクターは、SambrookらのMolecular Cloning:A Laboratory Manual、2版、(Cold Spring Harbor、N.Y.、1989)、に記載されている。 高等真核生物による本発明のポリペプチド(1つまたは複数)をコードするD NAの転写は、ベクターにエンハンサー配列を挿入することによって増進される 。エンハンサーは、プロモーターに作用して、転写を増加する、通常約10〜3 00bpのDNAのシス作用要素である。例としては、複製起点の後期部分(b p100〜270)上のSV40エンハンサー、シトメガロウイルス初期プロモ ーターエンハンサー、複製起点の後期部位上のポリオマー・エンハンサーおよび アデノウイルス・エンハンサーが挙げられる。 一般に、組換え体発現ベクターは、複製起点および宿主細胞の形質移入をさせ る選択性マーカー、例えばE.coliのアンピシリン耐性遺伝子およびS.c erevisiae TRP1遺伝子、および構造配列下流の転写を指示する、 高度に発現される遺伝子から誘導されるプロモーターが挙げられる。このような プロモーターは、中でも、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、アルフ ァ因子、酸ホスファターゼ、また は熱ショックタンパク質のような解糖酵素をコードするオペロンから誘導するこ とができる。異種構造配列は、翻訳開始および終止配列、および好ましくは翻訳 タンパク質の分泌をペリプラズマ空間または細胞外培地に向ける能力のあるリー ダー配列と、を適切な層で、組立てられる。場合によっては、異種配列は、所望 の特性(例えば発現された組換え産物の安定性または簡潔化された精製)を付与 するN末端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコードすることができる。 細菌用途の有用な発現ベクターは、機能性プロモーターを有する機能可能な読 取り相に適切な翻訳開始および終止シグナルを一緒に有する所望のタンパク質を コードする構造DNA配列を挿入することによって構築される。ベクターは、1 つまたはそれ以上の表現型選択性マーカー、およびそのベクターの保守を確実に するため、および必要あれば宿主中での増幅を提供するための複製の起点を包含 する。形質移入のための適切な原核細胞宿主としては、イー.コリ(E.col i)、バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、サルモ ネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、お よびシュードモナス (Pseudomonas)、ストレプトマイセス(Streptomyces )およびスタフィロコッカス(Staphylococcus)属の範囲内の種 々の種が挙げられるが、その他のものも通常の選択として使用できる。 細菌用途のための有用な発現ベクターは、よく知られたクローニングベクター pBR322(ATCC37017)の遺伝子エレメントを含むプラスミドから 誘導される選択性マーカーおよび複製の細菌起点を包含する。他のベクターは、 それに限定されるものではないが、PKK223−3(Pharmacia F ine Chemicals、Uppsala、Sweden)およびGEM1 (Promega Biotec、Madison、WI)が挙げられる。これ らのpBR322「骨格」画分は、適切なプロモーターおよび発現されるべき構 造配列と組み合わされる。 適切な宿主を形質導入し、宿主を適切な細胞密度に成育させた後、選択性プロ モーターは、適切な手段によって抑制を解除され(例えば、温度変化または化学 的誘導)、そして細胞はさらなる期間培養される。一般に、細胞は、遠心分離に よって回収され、機械的または化学的手段によって分断され、そして得 られた粗抽出物はさらなる精製のために保存される。タンパク質の発現に使用さ れた微生物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、物理的分断、または細胞溶 解剤の使用を含めた任意の従来の方法によって分断でき、このような方法は、通 常の熟練者に公知である。 種々の哺乳類細胞培養系も、組換え体タンパク質を発現するのに使用できる。 哺乳類発現系の例としては、GluzmanのCell 23:175(198 1)に記載されたサルの腎臓繊維芽細胞のCOS−7ライン、ならびに受容でき るベクターを発現する能力のある他の細胞株(C127、HEK−293、3T 3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株のような)が挙げられる。哺乳類の発 現ベクターは、複製の起点、適切なプロモーターおよびエンハンサーを包含し、 そして任意の必要なリボゾーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与 および受容部位、転写停止配列および5’フランキング非転写配列も包含する。 例えばSV40のオリジン、初期プロモーター、エンハンサー、スプライスおよ びポリアデニル化部位などSV40ウイルスゲノムから誘導されるDNA配列が 、要求される非転写遺伝子エレメントを提供するのに使用できる。代表的で 有用なベクターとしては、pRc/CMVおよびpcDNA3(Invitro gen、San Diego、CAから入手可能)が挙げられる。 LU105ポリペプチドは、親和性クロマトグラフィ、硫酸アンモニウムまた はエタノール沈降法、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィ、 ホスホセルロースクロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、ヒドロ キシアパタイトクロマトグラフィまたはレクチンクロマトグラフィを含めた公知 方法により、組換え細胞培養物から回収し精製される。精製中に存在するカルシ ウムイオンは低濃度(約0.1−5mM)であることが好ましい(PriceらJ.Biol.Chem. 244:917(1969))。タンパク質再折畳み 段階が、必要ならば、そのポリペプチドの形態を仕上げるのに使用できる。最後 に、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)が、最終精製段階に使用できる。 このように、本発明のポリペプチドは、高発現細胞株から発現される天然に精 製される産物、または化学的合成手段の産物、または原核細胞または真核細胞宿 主(例えば、培養中の細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳類細胞)から組換 え技術に よって製造された産物であってもよい。組換え生成手段に使用される宿主によっ て、本発明のポリペプチドは、哺乳類または他の真核細胞でグリコシル化される か、またはグリコシル化されない。本発明のポリペプチドは、開始メチオニンア ミノ酸残基を包含していてもよい。 出発プラスミドは、公開された公知手段によって入手可能なプラスミドから構 築できる。さらに、記載されたものと同等のプラスミドは当業界で公知であり、 当業者には明らかである。 以下は、cDNAクローンの単離および分析の一般的手順である。ここに開示 される特定の実施形態では、mRNAは、肺組織から単離され、そしてcDNA ライブラリーを作製するのに使用された。肺組織は、外科的切除によってタンパ ク質から得られ、そして病理学者により腫瘍または非腫瘍に分類された。 肺組織ライブラリーのランダム単離物から得られるcDNA挿入物が部分的に 配列決定され、実施例で設定されたとおりに詳細に分析された。そして配列番号 1、配列番号2、配列番号3、および配列番号4として配列表に開示されている 。これらの挿入物の共通配列は、配列番号5として表される。これらのポリヌク レオチドは、特定の遺伝子の制御配列を連結するか、 または連結していない完全な開放読取り枠を含有することもできるか、または目 的の遺伝子の単に一部をコードすることができる。これは、多くの遺伝子が長さ で数百そして時には数千塩基であること、および現在の技術では、ベクターの限 界(第一鎖の不完全な逆転写または第二鎖の不完全な複製)のためそれらを完全 にクローン化することに帰因している。追加のヌクレオチド配列を含む隣接の二 次クローンは、当業者に公知の様々な方法を用いて得ることができる。 DNA配列決定の方法は、当分野でよく知られている。従来の酵素的方法では 、関心のあるDNA鋳型にアニールされたオリゴヌクレオチドプライマーからD NA鎖を伸長するために、DNAポリメラーゼ、クレノー断片、Sequena se(US Biochemical Corp、Cleveland、OH) またはTaqポリメラーゼが使用される。方法は、一本鎖および二本鎖鋳型の両 方を使用するように開発された。鎖終端反応産物は、尿素/ポリアクリルアミド ゲルで電気泳動し、オートラジオグラフィ(放射性ヌクレオチド標識前駆体につ いて)により、または蛍光(蛍光標識前駆体について)のいずれかにより検出す ることができる。機械化された反応準備、配列決 定および、蛍光検出法を用いた分析における最近の改善は、Applied B iosystems 377D、Aシーケンサーズ(Applied Bios ystems、Foster City、CA)のような機械を用いて、1日当 たりに測定できる配列の数を拡大させた。 ヌクレオチド配列の読取り枠は、数種のタイプの分析によって確認することが できる。第一に、コード配列内に含まれる読取り枠は、開始コドンATGおよび 停止コドンTGA、TAAまたはTAGの存在によって分析することができる。 代表的には、1つの読取り枠は、cDNA配列の主要部を通して連続しているの に対し、他の読取り枠は、多くの停止コドンを含む傾向にある。このような場合 に、読取り枠の決定は、直戟的である。他の多くのより難しいケースでは、さら なる分析が必要である。 アルゴリズムが、各推定コドントリプレットで個々のヌクレオチド塩基の存在 を分析するために作製された。例えば、J.W.Fickett Nuc Ac ids Res 10:5303(1982)参照。特定の生物(細菌、植物お よび動物)のためのコードDNAは、第三コドン位置におけるピリミジンについ ての目立った優先性のように、特定のトリプレット 周期性の範囲内で、特定のヌクレオチドを含有する傾向がある。これらの優先性 は、与えられたDNAストレッチのコードポテンシャル(および枠)を測定する のに使用できる広範に入手できるソフトウエアに組込まれている。開始/停止コ ドン情報と組み合わされたアルゴリズムからの誘導の情報は、高度の確実性で適 切な枠を決定するのに使用できる。すなわち、それは、容易に適切な発現ベクタ ーに、正しい読取り枠中に配列をクローン化することができるようにする。 ここで開示された核酸配列を、十分に確立された組換えDNA技術の手順によ って、種々の他のポリヌクレオチド配列および目的のベクターに連結させること ができる。Sambrookらの前出参照。関心のあるベクターとしては、プラ スミド、コスミド、ファージ誘導体、ファージミドのようなクローニングベクタ ー、並びに配列決定、複製および発現ベクター等が挙げられる。一般に、このよ うなベクターは、少なくとも1つの生物において機能する複製起点、使いやすい 制限エンドヌクレアーゼ消化部位および特定の宿主細胞に適切な選択的マーカー を含む。ベクターは、当業者に公知の種々の手段によって宿主細胞に移転でき、 その後所望のDNA、RNAまたはポ リペプチドが生産される。 場合によって、配列決定またはランダム逆転写の誤りが、適切な開放読取り枠 または制御因子の存在を隠してしまう。このような場合、ポリペプチドの発現を 試みて、標準ペプチドマッピングおよび配列決定技術によってアミノ酸配列を決 定することによって、正しい読取り枠を決定することが可能である。F.M.A usubelら、Current Protocols in Molecul ar Biology John Wiley & Sons、New Yor k、NY(1989)。さらに、与えられたヌクレオチド配列の実際の読取り枠 は、3つの可能性ある読取り枠の全部を含むベクターを用いて宿主細胞を形質移 入することによって決定できよう。正確な読取り枠中のヌクレオチド配列を有す る細胞のみが、その推定長のペプチドを生産する。 ここに提供されたヌクレオチド配列は、現在の技術の現状の自動化された方法 によって調製され、そしてこのように未同定のヌクレオチドを含んでもよい。こ れらのことは、本発明を実行したい当業者に問題にならないであろう。Samb rookらの(前出)またはその最新版に記載された標準組換え技術を使 用するいくつかの方法が、不明の配列情報を仕上げるのに使用できる。ここで記 載された、全長配列を得るのに使用された技術と同じ技術が、ヌクレオチド配列 を得るのに使用できよう。 特定のcDNAの発現は、このcDNAを適切な発現ベクターにサブクローニ ングし、このベクターを適切な発現宿主に形質移入することによって達成される 。肺組織cDNAライブラリーを形成するために使用されるクローニングベクタ ーは、特定のcDNAのmRNAを転写するのに使用でき、そしてベータ−ガラ クトシダーゼのプロモーター、アミノ末端metおよびそれに続くベータ−ガラ クトシダーゼの7つのアミノ酸残基を含む。これらの8つの残基の直ぐ後に、人 工的プライミングおよび転写に有用な、遺伝子工学的に製造されたバクテリオフ ァージプロモーター、並びにクローニングのためのEcoRIを含めた多くの特 徴的な制限部位が続く。このベクターは、イー.コリの適切な宿主株に形質移入 されることができる。 標準法を用いるイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)による単離細菌株 の誘導により、ベータ−ガラクトシダーゼの最初の7つの残基、約15残基のリ ンカーおよびcDNA内にコードされたペプチドを含む融合タンパク質が生成す る。cDNA クローン挿入物は基本的にランダム法によって生成されるので、含まれているc DNAが適切な翻訳のための正しい枠内に収まっている機会は3つに1つである 。cDNAが適当な読取り枠にない場合には、正しい枠は、in vitro突 然変異誘発、エキソヌルレアーゼIIIもしくはヤエナリ豆のヌクレアーゼを用 いた消化、またはオリゴヌクレオチド・リンカー導入を含めたよく知られた方法 により、適切な数の塩基の欠失または挿入によって得ることができる。 cDNAは、特定の宿主においてタンパク質を発現させるのに有用であること が知られている他のベクターに行き来するようにすることができる。標的cDN Aの両末端で伸張物にハイブリダイズするのに十分なDNAセグメントとクロー ニング部位を有するオリゴヌクレオチド・プライマーは、標準法によって化学的 に合成することができる。次いでこれらのプライマーは、PCRによって所望の 遺伝子セグメントを増幅するのに使用できる。得られる新たな遺伝子セグメント は、標準条件下で適切な制限酵素で消化し、ゲル電気泳動法によって単離できる 。あるいは、同様の遺伝子セグメントは、適切な制限酵素でcDNAを消化し、 失った遺伝子に化学的に合成したオリゴヌクレオ チドを満たすことによって生成できる。1つ以上の遺伝子から得られたコード配 列のセグメントは、互いに連結し、そして適切なベクター中にクローン化し組換 え配列の発現を最適化することができる。 このようなキメラ分子のための適切な発現宿主としては、それに限定されるも のではないが、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)およびヒト胚体腎臓( HEK)293細胞のような哺乳類細胞、Sf9細胞のような昆虫細胞、サッカ ロマイセス・セレビジアエ(Saccharomyces cerevisia )のような酵母細胞およびイー.コリ(E.coli)のような細菌が挙げら れる。これらの細胞系の各々について、有用な発現ベクターは、細菌中で増幅で きる複製起点、および細菌中で選択できるようになるベーターラクタマーゼ抗生 物質耐性遺伝子のような選択性マーカーも含むことができよう。さらに、このベ クターは、形質移入された真核宿主細胞で選択できるようになるネオマイシンホ スホトランスフェラーゼ遺伝子のような第二の選択性マーカーを含むことができ よう。目的の配列がポリAを欠く場合には、真核発現宿主中で使用するベクター は、追加の3’ポリA尾部を必要としよう。 さらに、ベクターは、遺伝子発現を増すプロモーターまたはエンハンサーを含 有してもよい。このようなプロモーターは、宿主特異的であり、それに限定され るものではないが、CHO細胞のためのMMTV、SV40、またはメタロチオ ニンプロモーター;細菌宿主のためのtrp、lac、tacまたはT7プロモ ーター;または酵母のためのアルファ因子、アルコールオキシダーゼまたはPG Hプロモーターが挙げられる。ニワトリ肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーの ような、転写エンハンサーを有するかまたは有しないアデノウイルスベクターは 、哺乳類細胞株中でタンパク質発現を誘導するのに使用できよう。いったん組換 え細胞の均一培養物が得られると、大量の組換え生産されたタンパク質が、調整 培地から回収でき、当分野で公知のクロマトグラフィ法を用いて分析できる。大 量の選択されたタンパク質を生産するための代替法には、哺乳類胚を形質移入す ること、およびトランスジェニックウシ、ヤギ、ヒツジなどによって産生された 乳から得られる組換えタンパク質を回収することを含む。ポリペプチドおよび密 接に関連した分子は、タンパク質精製を促進するために、このような方法で組換 え的に発現されてもよい。1つのアプローチは、ヒトポリペプチド に天然には存在しない1つまたはそれ以上の追加のポリペプチド・ドメインを含 むキメラタンパク質を発現することを包含する。このような精製促進ドメインと しては、それに限定されるものではないが、固定化金属で精製することができる ようになるヒシチジン−トリプトファンドメインのような金属キレート・ペプチ ド、固定化免疫グロブリンで精製することができるようになるプロテインAドメ インおよびFLAGS伸張/親和性精製系(Immunex Corp、Sea ttle、WA)で利用されたドメインが挙げられる。ファクターXAまたはI nvitrogen(San Diego、CA)から得られるエンテロキナー ゼのような、ポリペプチド配列と精製ドメインとの間の切断リンカー配列の導入 は、そのポリペプチドを回収するのに有用でありうる。 免疫検定 断片、誘導体およびそれらの類似体を含めたLU105ポリペプチド、または そのようなポリペプチドを発現する細胞は、多くがここに記載されているように 、肺組織に対する抗体を検出するための種々の検定で利用できる。これらはまた 、抗体を生産するための免疫原としても使用できる。これらの抗体は、 例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体およ びヒト化抗体、並びにFab断片またはFab発現ライブラリーの産物であって よい。当分野で公知の種々の手順が、このような抗体および断片を産生するのに 使用できる。 例えば、本発明の配列を包含するポリペプチドに対して生成された抗体は、動 物にポリペプチドを直接注入することによって、またはマウス、ウサギ、ヤギま たはヒトのような動物にそのポリペプチドを投与することによって得ることがで きる。マウス、ウサギまたはヤギが好ましい。このポリペプチドは、配列番号1 9、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24 、及びそれらの断片から構成される群から選択される。そのように得られた抗体 は、次いでポリペプチド自身に結合する。この方法で、ポリペプチドの断片のみ をコードする配列でさえ、天然のポリペプチドに結合する抗体を生成するのに使 用できる。このような抗体は、次いで、ポリペプチドを含有していると推測され る組織のような試験試料からポリペプチドを単離するのに使用できる。モノクロ ーナル抗体を調製するのに、継代細胞株培養によって産生された抗体を提供する 全ての技術が使用できる。例としては、Kohlerおよ びMilstein Nature 256:495−497(1975)によ って記載されたハイブリドーマ技術、トリオマ技術、KozborらのImmu n.Today 4:72(1983)によって記載されたヒトB−細胞ハイブ リドーマ技術、およびColeらの(Monoclonal Antibodi es and Cancer Therapy(Alan R.Liss,In c、New York、NY)、77−96頁(1985)に記載されたヒトモ ノクローナル抗体を産生するEBV−ハイブリドーマ技術が挙げられる。一本鎖 抗体を産生することが記載された技術は、本発明の免疫原性ポリペプチド産物に 対する一本鎖抗体を生産するのに適合できる。例えば米国特許第4,946,7 78号参照。 「サンドイッチ」免疫検定およびプローブ検定を含めた種々の検定フォーマッ トが、本発明の抗体を利用できる。例えば、本発明の抗体またはそれらの断片は 、もしあれば、試験試料中のLU105抗原の存在を測定する種々の検定系に使 用できる。例えば、第一の検定フォーマットにおいて、固相に被覆されたポリク ローナル抗体またはモノクローナル抗体もしくはそれらの断片、またはこれらの 抗体の組合せは、試験試料と混合され て、第一の混合物を形成する。この第一の混合物は、抗原/抗体複合体を形成す るのに十分な時間および条件下でインキュベートされる。次いで、シグナル発生 化合物が付着したモノクローナル抗体ポリクローナル抗体もしくはそれらの断片 、またはこれらの抗体の組合せを包含する指示試薬は、抗原/抗体複合体と接触 して、第二の混合物を形成する。次いでこの第二の混合物は、抗体/抗原/抗体 複合体を形成するのに十分な時間および条件下でインキュベートされる。試験試 料中にそして固相に捕捉されたLU105の存在は、もしあれば、シグナル発生 化合物によって発生された測定可能なシグナルを検出することによって測定され る。試験試料中に存在するLU105抗原の量は、発生されたシグナルに比例す る。 代替的検定フォーマットでが、混合物は、(1)ポリクローナル抗体、モノク ローナル抗体もしくはLU105抗原に特異的に結合するそれらの断片、または 固形支持体に結合したそのような抗体の組合せと、(2)試験試料と、および( 3)異なるLU105抗原(またはこれらの抗体の組合せ)に特異的に結合し、 シグナル発生化合物が付着したモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体または それらの断片を包含する指示 試薬とを接触させることによって、形成される。この混合物を抗体/抗原/抗体 複合体を形成するのに十分な時間および条件下でインキュベートする。もしあれ ば、試験試料中の固相に捕捉されたLU105抗原の存在は、シグナル発生化合 物によって発生された測定可能なシグナルを検出することによって測定される。 試験試料に存在するLU105抗原の量は、発生されたシグナルに比例する。 別の検定フォーマットでは、本発明の、1つ、または少なくとも2つのモノク ローナル抗体の組合せが、LU105抗原に対する抗体を検出するための拮抗プ ローブとして使用することができる。例えば、ここに開示された組換え抗原のよ うなLU105ポリペプチドは、単独または組合せで、固相に被覆される。LU 105抗原に対する抗体を含有すると推測される試験試料は、次いで、試験試料 および固相に結合した指示試薬か、または固相に結合した指示試薬のいずれかの 抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で、シグナル発生化合 物および本発明の少なくとも1つのモノクローナル抗体を包含する指示試薬と一 緒にインキュベートされる。固相へのモノクローナル抗体の結合の減少が定量的 に測定される。 さらに別の検出法では、本発明のモノクローナルまたはポリクローナル抗体の 各々が、免疫組織化学分析によって、組織画分中並びに細胞中のLU105を検 出する際に使用できる。これらの抗体が直接的に標識されているか(例えば、蛍 光、金コロイド、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ などで)、または疾病の組織病理学を追跡する(ここに例示された種々の標識で )二次標識された抗−種特異性抗体を用いることによって標識されている、細胞 化学的分析も本発明の範囲内にある。 さらに、これらのモノクローナル抗体は、CNBr−活性化Sepharos eに類似するマトリックスに結合させることができ、例えば組換えおよび天然L U105タンパク質を精製するなど、細胞培養物または生物学的組織から特異的 LU105ポリペプチドの親和性精製に使用できる。 本発明のモノクローナル抗体は、治療用途または他の同様の応用のために、キ メラ抗体を生成させるのに使用することもできる。 モノクローナル抗体またはそれらの断片は、LU105抗原を検出するために 単独で提供することができる。ここに提供さ れるモノクローナル抗体(およびそれらの断片)の組合せは、他のLU105領 域に特異的に結合する抗体と一緒に(ここで各々の抗体は、別の結合特異性を有 する)、少なくとも1つの本発明のLU105抗体の混合物あるいは「カクテル 」中の成分として合せて使用してもよい。したがって、このカクテルは、ここに 開示されたLU105ポリペプチドに向けられた本発明のモノクローナル抗体お よびLU105抗原または他の関連のタンパク質の他の抗原決定基に特異的な他 のモノクローナル抗体を包含できる。 この検定フォーマットに使用できるポリクローナル抗体またはそれらの断片は 、LU105ポリペプチドまたは検定に追加的に使用される他のLU105ポリ ペプチドに特異的に結合しなければならない。使用されるポリクローナル抗体は 、LU105ポリペプチドに結合する、ヒト、ヤギ、ウサギまたはヒツジポリク ローナル抗体のような、哺乳類起源のものであるのが好ましい。最も好ましくは 、ポリクローナル抗体は、ウサギ起源のものである。この検定に使用されるポリ クローナル抗体は、単独、またはポリクローナル抗体のカクテルのいずれかとし て使用できる。この検定フォーマットに使用されるカクテル は、LU105ポリペプチドに対して異なる結合特異性を有するモノクローナル 抗体またはポリクローナル抗体のいずれかから構成されるので、肺ガンのような 肺の疾病および症状を検出し、診断し、段階づけし、追跡し、予知し、予防しま たは治療すること、または素因を決定するのに有用である。 LU105のアミノ酸配列を包含する、組換え抗原を使用することによって、 同様に合成ペプチドまたは精製ペプチドを使用することによって、LU105抗 原が検定で検出できることも本発明の範囲内である。このようなポリペプチドの アミノ酸配列は、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、 配列番号23、配列番号24、およびそれらの断片から構成される群から選択さ れる。LU105の異なるエピトープを同定する異なる合成、組換えまたは精製 ペプチドが、肺ガンのような肺の疾病および症状を検出し、診断し、段階づけし 、追跡し、予知し、予防しまたは治療し、または素因を決定するために検定に組 合せて使用することができることも本発明の範囲内である。この場合、これらの ペプチドの全てが、1つの固相上に被覆できる。または、各々単独のペプチドか 、例えば微細粒子等の単独固相上に被覆されてもよく、次いで混ぜ合わせ て検定に使用できるペプチドの混合物を形成される。さらに、別の抗原からのエ ピトープを定義する複数のペプチドが、肺ガンのような肺の疾病および症状を検 出し、診断し、段階づけし、追跡し、予知し、予防しまたは治療し、または素因 を決定するのに使用してもよいことが企図される。固相に被覆した、または検出 可能な標識で標識したペプチドは、次いで限定された量の抗体について、患者試 料に存在するもの(もしあれば)と競合するようにさせられる。合成、組換えま たは精製ペプチドへの抗体(または抗体類)の結合の減少は、患者試料中のLU 105抗原の存在を示す。LU105抗原の存在は、患者における肺組織疾病、 特に肺ガンの存在を示す。様々な検定フォーマットが当業者に知られており、多 くが以下に説明される。 別の検定フォーマットでは、抗−LU105抗体および/またはLU105抗 原の存在が、以下のとおり、同時検定で検出できる。試験試料は、第一分析物の 捕捉試薬(ここで、その捕捉試薬は、固相に付着した第一の分析物に特異的な第 一の結合構成員を包含している)および第二分析物の捕捉試薬(ここで、その捕 捉試薬は、第二の固相に付着した第二の分析物に特異的な第一の結合構成員を包 含している)で同時に接触させられ、 混合物が形成される。この混合物は、捕捉試薬/第一の分析物および捕捉試薬/ 第二の分析物複合体を形成するのに十分な時間および条件でインキュベートされ る。これらのこのようにして形成された複合体は、次いでシグナル発生化合物で 標識された第一の分析物に特異的な結合対の構成員を包含する指示試薬、および シグナル発生化合物で標識された第二の分析物に特異的な結合対の構成員を包含 する指示試薬と接触されて第二の混合物を形成する。この第二の混合物は、捕捉 試薬/第一分析物/指示試薬複合体、および捕捉試薬/第二分析物/指示試薬複 合体を形成するのに十分な時間および条件下でインキュベートされる。1つまた はそれ以上の分析物の存在が、試験試料中の1つまたはそれ以上の分析物の存在 の指標として、いずれかまたは両方の固相上に形成された複合体に関連して発生 されたシグナルを検出することによって測定される。この検定フォーマットにお いて、ここで開示された発現系から誘導された組換え抗原が、ここで開示された 発現系から誘導されたタンパク質から産生されたモノクローナル抗体と同様に利 用できる。例えば、この検定系では、LU105抗原が第一の分析物でありうる 。このような検定系は、欧州特許公開第0473065号にさらに 詳細に記載されている。 さらに別の検定フォーマットでは、ここに開示されたポリペプチドは、試験試 料中のLU105抗原に対する抗体の存在を検出するのに利用できる。例えば、 試験試料は、組換えタンパク質または合成ペプチドのような少なくとも1つのポ リペプチドを付着している固相とインキュベートされる。このポリペプチドは、 配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配 列番号24、およびそれらの断片から構成される群から選択される。これらは、 時間抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で反応させられる 。インキュベーション後、この抗原/抗体複合体が検出される。標識試薬は、選 択された検定系に依存して、検出を促進するのに使用できる。別の検定フォーマ ットで、試験試料は、ここで記載されたとおりに産生された組換えタンパク質を 付着させた固相と接触させられ、このタンパク質に特異的な、好ましくは指示試 薬で標識されているモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体とも接触させ られる。抗原/抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下でインキュベ ートした後、この固相は、遊離相から分離し、標識が、LU105抗原に対する 抗体の存 在の指標として、固体または遊離相で検出される。ここに開示された組換え抗体 を利用する他の検定フォーマットも企図される。これらは、試験試料を第一の源 から得られた少なくとも1つの抗原を付着させた固相と接触させること、抗原/ 抗体複合体を形成するのに十分な時間および条件下で固相および試験試料をイン キュベートすること、および次いで固相を第一の源と異なる第二の源から誘導さ れた標識抗原と接触させることを包含する。例えば、イー.コリのような第一の 源から誘導された組換えタンパク質が、固相上の捕捉抗原として使用され、試験 試料がこのように作製された固相に添加され、および標準のインキュベーション および所望によりまたは必要により洗浄段階後、別の源(例えば、非イー.コリ )から誘導された組換えタンパク質が、続いて検出される指示試薬の一部として 利用される。同様に、固相上の組換え抗原と指示層中の合成ペプチドの組合せも 可能である。第一の源から得られたLU105に特異的な抗原を捕捉抗原として 、および他の第二の源から得られたLU105に特異的な抗原を利用するすべて の検定が意図される。したがって、組換え抗原の種々の組合せ並びに合成ペプチ ド、精製タンパク質等の使用は、本発明の範囲内である。こ の検定および他の検定は、本件と同一所有者による米国特許第5,254,45 8号に記載されている。 種々の他の固相を利用する他の実施形態も意図され、本発明の範囲内にある。 例えば、負に荷電されたポリマー(欧州出願公開0326100および欧州出願 公開0406473に記載されている)を用いて固定化可能反応複合体を固定化 するためのイオン捕捉手段を本発明を、迅速液一相免疫化学反応を行うために使 用することができる。固定化可能免疫複合体は負に荷電されたポリアニオン/免 疫複合体と先に処理された正に荷電された多孔性マトリックスとの間のイオン性 相互作用により反応混合物の残りから分離し、欧州出願公開0273,115号 に記載されている化学発光シグナル測定に記載されたものを含めて先に記載され た種々のシグナル発生系を用いて検出する。 さらに、本発明の方法は、固相が微細粒子(磁性または非磁性)を包含する自 動化または半自動化系を含めた微細粒子技術を利用する系に使用するように適合 できる。このような系としては、例えば欧州出願公開0425633号および欧 州出願公開0424634号にそれぞれ記載されているものが含まれる。 免疫検定のための走査型プローブ顕微鏡(SPM)の使用も、 本発明のモノクローナル抗体が簡単に適合できる技術である。走査型プローブ顕 微鏡においては、特に原子顕微鏡においては、捕捉相(例えば本発明の少なくと も1つのモノクローナル抗体)が固相に付着され、走査型プローブ顕微鏡が固相 の表面に存在しうる抗原/抗体複合体を検出するのに利用される。走査型トンネ ル顕微鏡を使用すると、抗原/抗体複合体を検出する多くの免疫検定系で正常利 用される標識を必要としなくなる。特異的結合反応を監視するためのSPMの使 用は多くの方法で生じうる。一つの実施形態では、特異的結合相手の1つの構成 員(本発明のモノクローナル抗体である分析物特異的物質)が走査するのに適切 な表面に付着される。分析物特異的物質の付着は、当業者に公知の方法により、 プラスチック表面または金属表面の固相を包含する試験片に吸収させる。または 、誘導化プラスチツク、金属、シリコンまたはガラスの固相を包含する試験片に 、特異的結合の相手(分析物特異的物質)を共有結合により付着させることを利 用してもよい。共有結合的付着方法は、当業者に知られており、そして試験片に 特異的結合相手を不可逆的に結合する種々の手段を包含する。試験片がシリコン またはガラスである場合、特異的結合相手を付着する前に表面 を活性化しなければならない。高分子電解質相互作用も、技術および化学を用い て試験片の表面上に特異的結合相手を固定化するのに使用できる。付着の好まし い方法は、共有結合手段である。特異的結合構成員の付着後、この表面は、さら に非特異的結合を最小にする血清、タンパク質または他の遮断剤のような材料で 処理される。この表面は、製造の場でまたは使用の際に、検定目的に適切かどう か確かめるために走査されてもよい。走査プロセスが、試験片の特異的結合特性 を変化させると考えられていない。 本発明は、固相を使用することが好ましいことを開示する一方で、本発明の抗 体、タンパク質およびペプチドのような試薬が非固相検定系に利用できることも 意図される。これらの検定系は、当業者に公知であり、そして本発明の範囲内に あると考えられる。 この検定に使用される試薬は、バイアルまたはビンのような1つまたはそれ以 上の容器を有し、各容器は、この検定に使用される、プローブ、プライマー、モ ノクローナル抗体、モノクローナル抗体のカクテル、または検定に使用されるポ リペプチド(例えば、組換えにより製造され、もしくは合成によりに製造 され、または精製された)のような、別々の試薬を含有する、試験キットの形態 で提供されることが意図される。このポリペプチドは、配列番号19、配列番号 20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、およびそれ らの断片から構成される群から選択される。当業者に公知の緩衝液、対照などの ような他の成分が、このような試験キットに包含される。入手しやすい体液(例 えば血液、尿、唾液および便)を包含する試験試料を収集するための手段を有す る試験キットを提供することも意図する。収集に有用なこのような道具(「収集 材料」)として、血液を収集し安定化するためのランセット、および吸収紙また は布;唾液を収集し安定化するための綿棒;尿または便試料を収集し安定化する ためのカップを含む。収集材料、紙、布、綿棒、カップ等は、所望により、試料 の変性または不可逆吸収を避けるために処理されてもよい。収集材料はまた、標 本の完全性を維持する助けとなる保存剤、安定化剤または抗微生物剤で処理する か、またはこれを含んでいてよい。手術によって得られた試験標本または穿針生 検の収集、安定化および保存用に設計された試験キッドも有用である。全キット は、別々に提供できる2つの構成要素で形成されてもよい ことが意図される。一方は、標本の収集および輸送のための構成要素で、一方は 、標本の分析のための構成要素である。収集用構成要素は例えば、市場ユーザー の誰にも提供できる一方で、分析用構成要素は、分析物の存在、不存在または量 を測定するために、研究員のようなものに提供できる。さらに、試験標本の収集 、安定化および保存のためのキットは、訓練されていない者により使用にも適合 できるようにし、家庭で使用するために開放的市場で入手可能にし次いで試験試 料の分析のために実験室に輸送できるようにしてもよい。 イー.コリ細菌(クローン1327836)は、ブタペスト条約の条件下に1 996年11月20日に12301Parklawn Drive,Rockv i11e,Maryland 20852のAmerican Type Cu lture Collection(A.T.C.C.)に寄託されており、そ して寄託の日付から30年間、または寄託の最後の請求から5年、または米国特 許の有効な期間、いずれか長い間維持される。ここに記載される寄託および他の いかなる寄託物は、便宜のためのみに提供され、ここに提供された教示の観点か ら、本発明を実施するために要求されてはいない。 寄託物の全てのcDNA配列は、引用によりここに組込まれる。クローン132 7836は、ATCC寄託番号98255が付与された。 本発明は、ここに実施例によって記載され、実施例は本発明の範囲を説明する ことを意図するものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものでは ない。 実施例 実施例1:肺組織ライブラリーLU105遺伝子特異的クローンの同定 A.発現された配列タグ(EST)または転写像のライブラリー比較 cDNAクローン挿入物の部分的配列、いわゆる「発現配列タグ」(EST) 、肺腫瘍組織、肺非腫瘍組織ならびに他の多くの腫瘍および非腫瘍の両方の組織 から作製されたcDNAライブラリーから誘導され、そして遺伝子転写像として データベース(LIFESEQTMデータベース(Incyte Pharmac euticals、Palo Alto、CAから入手可能)に打ち込まれた。 参照:国際公開第WO95/20681号。(転写像は、与えられた組織ライブ ラリー中に 表れた遺伝子の各の多数のESTのリストである。相互に重複する配列を共有す るEST領域は、クラスターに分類される。クラスターは、代表的5’ESTか らのクローン番号が付される。しばしば、関心あるクラスターは、その共通配列 を、自動クラスター化の基準に合致しなかった他のESTの配列と比較すること によって、拡張されうる。入手可能な全てのクラスターおよび単独ESTの整列 は、共通配列が誘導されるコンティグ(contigを表す)。転写像は、次い で肺組織ライブラリーの一次の代表であるEST配列を同定するために評価され た。これらの標的クローンは、次いで標的ライブラリー中でのそれらの量(存在 )およびバックグラウンドライブラリー中の不在性にしたがって分類された。バ ックグラウンドでの存在が低くかつ高度に豊富なクローンは、高い研究優先性が 与えられた。LU105の共通配列に対応するESTは50%の(36のうち1 8)の肺組織ライブラリーに見いだされた。共通配列配列番号5(またはその断 片)に対応するESTは、他の、非肺の、データベースのライブラリーのわずか 2.2%(539のうち12)しか見いだされなかった。従って、共通配列または その断片は、非肺組織より肺組織で22倍より多く見いだされた。重 複クローン3353867(配列番号1)、1327836(配列番号2)、1 605935(配列番号3)、および811640(配列番号4)は、それぞれ さらなる研究のために同定された。これらは、LU105コンティグを形成する のに必要とされ、ここで提供される共通配列(配列番号5)が誘導されるクロー ンの最小数を代表していた。B.共通配列の生成 ヌクレオチド整列(コンティグマップ)を生成し、次いでこれらの共通配列( 配列番号3)を生成するために、クローン3353867(配列番号1)、クロー ン1327836(配列番号2)、クローン1605935(配列番号3)およ びクローン811640(配列番号4)のクローンヌクレオチド配列が、Seq uencherTMプログラムGene Codes Corporation、 Ann Arbor、MIから入手可能)に入力された。図1は、これらのクロ ーンのヌクレオチド配列の整列、およびその結果得られたヌクレオチド共通配列 (配列番号5)を示す。図2は、LU105の重複領域を形成する、クローン3 353867(配列番号1)、クローン1327836(配列番号2)、クロー ン1605935(配列 番号3)、クローン811640(配列番号4)及びクローン1327836H I(配列番号6)からの配列の整列を示すコンティグマップを表し、およびこれ らのクローンの得られた共通ヌクレオチド配列(配列番号5)を表すグラフィッ ク表示である。これに続いて、共通配列(配列番号5)について、3つの枠翻訳 が行われた。第二番目の順行枠が、配列番号19として示す104残基アミノ酸 配列をコードする開放読取り枠を有することがわかった。実施例2;LU105EST特異的クローンの配列決定 LU105遺伝子コンティグのクローン1327836の完全長DNA配列は 、以下の公知方法F.Sangerら、(PNAS USA 74:5463( 1977))によって、染料停止剤を用いるジデオキシ停止配列決定を使用して 決定された。この完全長配列をここではクローン1327836IH(配列番号 6)と呼ぶ。 pINCYベクター(Incyte Pharmace ruticals, Inc.,Palo Alto,CAから入手可能)は、挿入物の3’および5 ’連結結合点に隣接する万能プライム部位を含有しているので、挿入物のおよそ 300塩基が普遍プライマー(配列番号9および配列番号10 New England Biolabs,Beverly、MA、及びApplied Biosystems Inc,Foster City,CA)を用いてそ れぞれ両方の方向で配列決定された。配列決定反応物は、ポリアクリルアミド変 性ゲル上で泳動され、配列はApplied Biosyotems 377 Sequencer(Applied Biosystems Inc,Fos ter City,CAから入手しうる)によって決定された。さらなる配列決 定プライマー(配列番号11、配列番号12、配列番号13、及び配列番号14 )は、2つのDNA鎖の3’末端の近くの最初の配列決定反応によって決定され た配列情報に基いて設計された。これらのプライマーは、先に記載されたとおり 、各DNA鎖からのクローン化挿入物の残りのDNA配列を決定するのに使用さ れた。実施例3:核酸 A.組織からのRNA抽出 肺組織および非肺組織から全RNAを単離した。Katoら、J.Virol .、61:2182−2191(1987)、およびTRlzolTM(Gibc o−BRL、Grand Island、NY)に述べられていて、この分野に おいて知 られている、それに限定されないが、塩化リチウム/尿素技術を含む種々の方法 が利用された。 簡単に説明すると、組織を、氷上の滅菌円錐管に入れ、10−15量の3ML iCl、6M尿素、5mMEDTA、0.1Mβ−メルカプトエタノール、50 mMトリス−HCl(pH7.5)を加えた。この組織を、氷上で30−50秒 間、 Instruments,Inc.、Westbury、NY)で均質化した。 溶液を15mlプラスチック製遠心管に移し、そして−20℃で一夜放置した。 その管を90分間、9000×gで、0−4℃で遠心し、そしてその上清を直に 分取した。10mlの3MLiClを添加し、その管を5秒間渦巻き撹拌し、そ して45分間11000×gで0−4℃で速心した。分取し、LiClに再懸濁 し、そして遠心を繰返した。最終ペレットを風乾させ、そして2mlの1mM EDTA、0.5%SDS、10mMトリス(pH7.5)に再懸濁させた。2 0μlのProteinaseプロテイナーゼK(20mg/ml)を流加し、 その溶液を30分間37℃で時折混合しながらインキュベートした。10分の1 量(0.22−0.25ml)の 3MNaClを添加し、その溶液を渦巻き撹拌してから、2mlのフェノール/ クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI)を含んだ別の管に移した。その 管を1−3秒間渦巻き撹拌し、20分間、3000×g、10℃で遠心した。P CI抽出を繰返し、クロロホルム/イソアミルアルコール(CI)で2回同様の 抽出を行った。最終水溶液を、6mlの無水エタノールを含む予め冷却した15 mlのCorexガラス管に移し、その管をパラフィンで覆い、そして−20℃ で一夜放置した。その管を30分間10000×g、0−4℃で遠心し、そして エタノール上清をすぐに分取した。RNAペレットを10mlの75%氷冷エタ ノールで4回洗浄した。最終ペレットを15分間室温で風乾した。RNAを0. 5mlの10mMTE(pH7.6、1mMEDTA)に懸濁させ、そしてその 濃度を分光光度計により測定した。RNA試料を定量とり、エタノール沈殿物と して−70℃で保存した。 アガロースゲル電気泳動(実施例5参照、ノーザンブロット分析)によってR NAの質を測定し、そして0.5μg/ml臭化エチジウムで1時間染色した。 完全なrRNAsを含まないRNA試料をこの研究から除いた。 代わりに、RT−PCR分析のために、1mlのUltraspec RNA 試薬を2.0ポリプロピレン製マイクロフュージ管中 ジナイザー(Brinkman Instrument、Inc.、Westb ury、NY)で、50秒間均質化し、そして5分間氷上に置いた。その後、0 .2mlのクロロホルムを各試料に加え、15秒間渦巻き撹拌した。試料をもう 5分間氷上に置き、12000×g、4℃で15分間遠心した。上部層を収集し 、そして別のRNaseを含まない2.0mlのマイクロフュージ管に移した。 同量のイソプロパノールを各試料に添加し、そしてその溶液を10分間氷上に放 置した。その試料を12000×g、4℃で10分間遠心し、そしてその上清を 除去した。残りのペレットを冷75%エタノールで2回洗浄し、そして渦巻き撹 拌により再懸濁し、7500×g、4℃で5分間遠心することで再懸濁材料を再 度ペレット化した。最後に、RNAペレットを少なくとも5分間Speedva c(Savant、Farmingdale、NY)で乾燥させ、そしてRNA aseを含まない水中に再構成した。B.血液単核細胞からのRNA抽出 以下のとおりFico1l−Hypaqueを用いて遠心することによって患 者から得られた単核細胞を血液試料から単離する。10ml量の全血を同量のR PMI培地(Gibco−BRL、Grand Island、NY)と混合す る。この混合物を次いで10mlのFicoll−Hypaque(Pharm acia、Piscataway、NJ)で下に敷きそして30分間200×g で遠心する。単核細胞を含む淡黄色コートを除去し、50mlのDulbeco o PBS(Gibco−BRL、Grand Island、NY)で希釈し 、そして混合物を200×gで10分間遠心する。2回洗浄した後、得られたペ レットをDulbecooのPBSに再懸濁して最終量1mlにする。 RNAを、エヌ.カト(N.Kato)ら、J.Virology 61:2 182−2191(1987)によって記載された、単核細胞から単離する。簡 単に説明すると、ペレット化した単核細胞を最終量1mlにし、その後250μ LのPBSに再懸濁し、そして2.5mlの3MLiCl、6M尿素、5mME DTA、0.1M2−メルカプトエタノール、50mMトリス−HCl (pH7.5)と混合する。得られた混合液を均質化し、そして−20℃で一夜 培インキュベートする。均質化物を、90分間0−4℃で、Beckman J 2−21Mローターを用いて8000RPMで遠心する。渦巻き撹拌によりペレ ットを10mlの3MLiCl中に再懸濁させ、そしてその後45分間0−4℃ で、Beckman J2−21Mローターを用いて10000RPMで遠心す る。再懸濁次いでペレット化を繰返した。渦巻き撹拌により、ペレットを2ml の1mMEDTA、0.5%SDS、10mMトリス(pH7.5)および40 0μgプロテイナーゼKに再懸濁させ、振とうしながら、37℃で30分間イン キュベートする。10分の1量の3MNaClを添加し、溶液を渦巻き撹拌する 。フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI)と、続いて、ク ロロホルム/イソアミルアルコール(CI)で1回の2サイクルの抽出で、タン パク質を除去する。さらに6mlのエタノールでRNAを沈殿させ、続いて−2 0℃で一夜インキュベートする。RNAを沈殿させた後、遠心で収集し、そのペ レットを4回75%エタノールで洗浄する。ペレットRNAを1mMEDTA、 10mMトリス−HCl(pH7.5)を含む溶液に溶解させる。 非肺組織を陰性対照として使用する。mRNAを、ポリアデニル化RNAを単 離するために、オリゴdTセルローススピンカラム(RediColTM、Pha rmacia、Uppsala、Sweden)のような市販のキットを使用し て、全RNAからさらに精製できる。リボヌクレアーゼ保護検定で分析するため に、全RNAまたはmRNAをリシス緩衝液(5Mグアニジンチオシアネート、 0.1MEDTA、pH7.0)に溶解できる。C.ポリゾームからのRNA抽出 組織を4℃で生理食塩水中で細かく分割し、そして6mM2−メルカプトエタ ノールを含有するTK150M(150mMKCl、5mMMgCl、50mMト リス−HCl、pH7.4)溶液中の2.5量の0.8Mしょ糖と混合する。B .Mechler、Methods in Enzymology 152:2 41−248(1987)に記載のとおりに、その組織を5ストローク、100 −200rpmでTeflon−ガラスのPotterホモジナイザーで均質化 し、続いてDounceホモジナイザーで6ストロークで均質化する。その後、 均質化物を120000×gで、15分間4℃で遠心し て、核を沈殿させる。38mlのポリアロマー管中でTK150M中の2mlの上 清を6mlの2.5Mしょ糖と混合することによってポリゾームを単離する。2 つの追加のしょ糖TK150M溶液を引き続いて、13mlの2.05Mしょ糖の 第一の層、次いで6mlの1.3Mしょ糖の第二の層として、抽出画分上に層形 成する。ポリゾームを90000×g、5時間4℃で、このグラジエントを遠心 することによって単離する。この画分をその後シリコン化パスチュール・ピペッ トを用いて1.3Mしょ糖/2.05Mしょ糖界面から取出し、そして同量のT E(10mMトリス−HCl、pH7.4、1mMEDTA)で希釈する。同量 の90℃ SDS緩衝液(1%SDS、200mMNaCl、20mMトリス− HCl、pH7.4)を添加し、その溶液を2分間、沸騰水浴上でインキュベー トする。次にプロテイナーゼ−K消化(50mg/ml)で、37℃で15分間 タンパク質を消化する。mRNAを3倍量のフェノール−クロロホルム抽出で精 製し、次いで0.1量の2M酢酸ナトリウム(pH5.2)および2量の100 %エタノールを用いて−20℃で一夜沈殿させる。沈殿RNAを12000×g 、10時間4℃で遠心して回収する。RNAを乾燥させ、そしてTE(pH 7.4)または蒸留水に再懸濁させる。再懸濁RNAをスロットブロットハイブ リダイゼーションまたはドットブロットハイブリダイゼーション検定に使用して 、LU105mRNAの存在を調べることができる(実施例6参照)。 核酸およびタンパク質の質は、使用された調製方法依存している。各試料は、 標的分子の単離効率を最大にするために種々の調製技術を必要としよう。これら の調製技術は、通常の技術者の調製技術の範囲内である。実施例4:リボヌクレアーゼ保護検定 A.標識相補的RNA(cRNA)ハイブリダイゼーションプローブおよび非標 識センス鎖の合成 標識アンチセンス及び非標識リボプローブが、例えばSP6又はT7のような 5’RNAポリメラーゼプロモーターを含むLU105遺伝子cDNA配列から 転写される。この配列は、適切なLU105cDNA挿入物を含むベクターから 由来するものであってもよく、5’RNAポリメラーゼプロモーター配列を組込 んでいるPCRプライマーを用いた挿入物のPCR発生産生物から由来するもの であってもよい。例えば、両側に反対のSP6およびT7ポリメラーゼプロモー ターを配置した、 LU105遺伝子cDNA配列を含む、該記載されたプラスミド、クローン13 27836又はこれに匹敵しうる別のクローンを、Qiagen Plasmi d Purification Kit(Qiagen,Chatsuwort h,CA)を用いて精製する。次いで、10μgのプラスミドを10単位Dde I制限酵素で37℃で1時間切断して線状化する。線状化プラスミドをQIA調 製キット(Qiagen、Chatsworth、CA)を用いて精製し、そし て供給者の指示によって記載されたとおりに、6.3μM(アルファ32P)UT P(Amersham Life Sciences,Inc.、Arling ton Heights、IL)又は100−500μMのビオチン化U Transcription System(Promega Corpora tion,Madiosn,WI)を用いた、適切なSP6又はT7プロモータ ーからのアンチセンス転写の合成のために使用する。センス鎖を生成するために 、10μgの精製プラスミドを制限酵素10単位XbaIおよび10単位Not Iで切断し、前記のような適切なSP6又はT7プロモーターから転写する。ス ピン・カラム・クロマトグラフィによ って、センスおよびアンチセンス鎖の両方が単離される。260nmでのUV吸 光度によって非標識センス鎖を定量する。 B.標的への標識プローブのハイブリダイゼーション 凍結組織を液体窒素下で粉末に粉砕し、100−500mgをDirectP rotectTM Lysate RNase Protection Kit( Ambion,Inc.、Austin、TX)の成分として入手可能な1ml の溶解緩衝液に溶解させる。さらに、組織ホモジナイザーを用いて溶解を完了さ せる。加えて、正の対照として使用するためにマウス肝溶解物中で公知量のセン ス鎖を連続希釈させた。最後に、45μlの溶解組織または希釈センス鎖を、5 μlの溶解用緩衝液中で、1)1×105cpmの放射性標識されたプローブと 直接混合するか、あるいは2)250pgの非アイソトープ標識プローブとを直 接混合する。一夜37℃でハイブリダイゼーションを行う。T.Kaabach eら、Anal.Biochem.232:225−230(1995)参照。C.RNase消化 RNaseAおよびRNaseT1の溶液を用いて、30分間37℃で、Di rect ProtectTMプロトコール当 たりとしてプローブにハイブリダイズしていないRNAをその反応液から除去し 、続いてサルコシンナトリウムの存在下でProteinase−K消化によっ てRNaseを除去する。その後、同量のイソプロパノールを添加することによ って、消化から保護したハイブリダイズされた断片を沈殿させ、そして−70℃ で3時間放置する。12000×g、20分で沈殿物を遠心により収集する。D.断片分析 沈殿物を変性染料負荷ゲル(80%ホルムアミド、10mMEDTA(pH8 .0)、1mg/mlキシレンシアノール、1mg/mlブロモフェノールブル ー)中に溶解させ、熱で変性させ、6%ポリアクリルアミドTBE、8M尿素変 性ゲルで電気泳動させる。ゲルを映像化し、STORMTM保存リン光オートラジ オフラフイ系(Molecular Dynamics、Sunnyvale、 CA)を用いて分析する。フェムトグラムズ(fg)で発現された保護断片のバ ンドの定量は、正の対照センス鎖(セクションB、前出参照)の公知希釈物から 得られるものと試験試料から得られたピーク領域を比較することによって達成さ れる。結果は、LU105RNAの分子/細胞で、 イメージ比スコアーとして表示される。非アイソトープ標識が用いられた場合、 ハイブリッドは、ブロッティングによってゲルから膜(ナイロン又はニトロセル ロース)へ移し、ついでストレプトアビジンアルカリホスファターゼコンジュゲ ート及び化学発光又は化学蛍光試薬を用いた検出装置を使用して分析した。 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6 、及びそれらの断片又は相補物からなる群から選択される配列に対応する高いレ ベルのmRNAの発現は、LU105mRNAの存在を示し、これは例えば肺ガ ンのような肺組織の疾患叉は状態の診断を示唆している。実施例5 ノーザンブロット アガロースゲル電気泳動と核酸ハイブリダイゼーションを利用したノーザンブ ロットを用いてRNA複合集団中にある特定の大きさのRNA種を同定した。要 約すると、総RNA5−10μg(実施例3、核酸調製参照)を40mMモルフ ィリノプロパンスルフォン酸(MOPS)(pH7.0)、10mM酢酸ナトリ ウム、1mMEDTA、2.2Mフォルムアルデヒド、50%v/vのフォルム アミドを含む溶液15μl中で15分間、65℃で反応させた。変性RNAを2 μlの負荷緩衝液 (50%グリセロール、1mMEDTA、0.4%ブロモフェノールブルー、0 .4%キシレンシアノール)に混合してから、40mMMOPS(pH7.0) 、10mM酢酸ナトリウム、1mMEDTAと2.2Mフォルムアルデヒドを含 む変性1%アガロースゲルに負荷した。ゲルに60Vで1.5時間電気泳動して から、0.5μg/mlのエチジウムブロマイドで1時間染色し、RNA分解酵 素を含まない水で30−45分間濯いだ。下方向アルカリ毛管移転法(Chom czynski,Anal.Biochem,201;134−139,199 2)を用いて、RNAをゲルからナイロン膜(Brightstar−Plus 、Ambion、Inc.,Austin.TX)に1.5時間の間移した。フ ィルターを1XSSCで濯いでから、RNAをStratalinker(St ratagene,Inc.,LaJolla,CA)を用いてオートクロスリ ンキングモードでフィルターに架橋させ、15分間乾燥した。次いでこの膜を前 もって加熱しておいたプレハイブリダイゼーション液(5XSSC,50%フォ ルアミド、5X Denhardt液、100μg/mlの変性サケ精子DNA )の20mlを含むハイブリダイゼーションチューブに入れ、42℃のハイブリ ダイゼーションオーブン中で少なくとも3時間反応させた。ブロットをプレハイ ブリダイズする一方で、32P標識ランダムプライプローブを、製造業者(Gib co−BRL,Grand Island,NY)の指示に従い、LU105挿 入物を用いて作成した。できたプローブの半分を10分間煮沸してから、氷上で 急冷しハイブリダイゼーションチューブに加えた。ハイブリダイゼーションは4 2℃で少なくとも12時間行った。ハイブリダイゼーション液を捨て、フィルタ ーを30mlの3XSSC,0.1%SDS中42℃で15分間2回洗浄し、次 いで30ml 3XSSC、0.1% SDS中で60℃、15分間2回洗浄を 行った。それからフィルターをサランラップで覆い、KodakXAR−Oma tフィルムに8−120時間感光させ、その後フィルムを現像し、解析した。 肺組織と非肺組織を含むノーザンブロットへのLU105ハイブリダイゼーシ ョンの分析結果を図3AとBに示す。これらはエチジウムブロマイド(EtBr )染色RNAゲルとLU105ノーザンブロツトとを含んでいる。RNAサイズ 標準(kbで)の位置は各パネルの左に示した。図3Aに示されているように、 LU105プローブは、肺試料(レーン6)及び乳房試料(レ ーン2)中の約0.5kbRNAを検出したが、その他の10の非肺RNA試料 (レーン1、3、4及び7−12)中のどれにも検出しなかった。図3Bにおい て、LU105プローブは、5つの正常肺標本のうち4つにおいて、及び5つの 肺ガン標本のうち4つにおいて、約0.5kbRNAを検出した(レーン6及び 10におけるRNAはひどく分解していたので、これらの標本は考慮されなかっ た)。 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6 、およびその断片もしくは相補配列よりなるグループから選択される配列に相当 するmRNAの発現は、例えば肺ガンのような肺組織疾患もしくは状態の診断を 示唆する。実施例6:ドットブロット/スロットブロット ドットブロット及びスロットブロット検定は核酸の混合物中の特定核酸配列の 存在を素早く見いだす方法である。そのような検定を実施するためには、50μ gまでのRNAを50μlの50%フォルムアミド、7%フォルムアルデヒド、 1XSSC液に混合し、68℃で15分間反応させ、それから氷上にて冷却する 。その後100μlの20XSSCをRNA混合液に加え、真空下に調製済みニ トロセルール膜もしくはナイロン 膜を有するマニフォールド装置にかける。この膜を水、20XSSCに1時間浸 し、20XSSCでしめらせておいた2枚のWhatman#3濾紙の上に載せ 、スロットブロットもしくはドツトブロット真空マニフォールド装置にかける。 スロットブロットについては前記実施例4で調製した標識化したプローブを用い て解析した。配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、 配列番号6、およびその断片もしくは相補配列よりなるグループから選択される 配列に相当するmRNAの検出は、LU105の存在を示しており、肺ガンの様 な肺組織疾患もしくは状態の診断を示唆する。 実施例5ならびに6記載の方法で使用できるその他の方法および緩衝液につい ては詳述しないが、当業者に公知であり、前出J.Sambrookらによって も記載されている。実施例7:原位置ハイブイリダイゼーション 本方法は、検出可能な核酸ハイブリダイゼーションプローブを利用して、標的 特異的核酸配列の細胞内での存在を直接検出するのに有用である。 組織はパラフォルムアルデヒドもしくはグルタールアルデヒ ドの様な細胞内RNAを最大限保留する架橋固定剤を用いて調製する。L.An gereら,Methods in Cell Biol.35:37−71( 1991)参照。要約すると、組織をその容積の5倍量より多くの50mMリン 酸ナトリウム、pH7.5溶液1%グルタールアルデヒド中に4℃で30分間置 く。溶液を新しいグルタールアルデヒド溶液(50mMリン酸ナトリウム、pH 7.5溶液中1%グルタールアルデヒド)に交換してさらに30分固定する。こ の固定溶液はおよそ0.375%NaClの浸透圧にしなければならない。組織 を一度等張のNaCl溶液で洗いリン酸を取り除く。 次いで固定された組織を次のようにしてパラフィンに包埋する。組織を一連の 増加濃度のエタノール溶液、50%(2回)、70%(2回)、85%、90% 、それから100%(2回)によりそれぞれ15分間脱水する。次に、組織を室 温で20分間、2回キシレンに浸す。それから組織をキシレンとパラフィンの1 :1の混合液に20分間60℃に2回浸す。最後にパラフィンに3回、それぞれ 15分間浸す。 ついで標準的なミクロトームを用いて組織を5μmの厚さに切断し、前もって 3−アミノプロピルトリエトキシレンの様な 組織接着剤で処理しておいたスライド上にのせる。 10分間キシレンに浸してパラフィンを取り除いてから一連の減少濃度のエタ ノール99%2回、95%、85%、70%、50%、30%そして蒸留水に2 回浸して水和する。切片を0.2M HClで10分間前処理してから2μg/ mlのProteinase−Kを用いて37℃で15分間透過性にする。 LU105遺伝子プラスミドから転写した標識されたリボプローブ(実施例4 参照)を前もって調製しておいた組織切片にハイブリダイズさせ、3×標準生理 食塩水の抽出物と50%フォルムアミド中に56℃で一晩インキュベートする。 過剰のプローブは2×標準食塩水クエン酸と50%フォルムアミドで洗浄して取 り除いた後、これに100μg/mlのRNaseAで37℃で30分間消化す る。蛍光プローブを顕微鏡下で紫外(UV)光を照射して発光させ可視化する。 細胞質中にある蛍光はLU105mRNAの存在を示す。または、切片はオート ラジオグラフィーを用いて可視化することができる。実施例8:逆転写PCR A 1段階RT−PCR検定 前記記載の標的配列を当分野で公知の逆転写PCRにより検出するために、標 的に特異的なプライマーを設計する。1段階RT−PCRはRTとPCRを1つ の反応混合液中で実施する一連の手順である。この手順は50mMの(N,N, −ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン)、pH8.15、81.7mMのK OAc、33.33mMのKOH、0.01mg/mlのウシ血清アルブミン、 0.1mMのエチレンジアミンテトラ酢酸、0.02mg/mlのNaN3、8 %w/vのグリセロール、150μMの各dNTP、0.25μMの各プライマ ー、5UのrThポリメラーゼ、3.24mMのMn(OAc)2と5μlの標 的RNA(実施例3参照)を含む200μlの反応混合液内で行う。RNAとr Thポリメラーゼ酵素はMn(OAc)2の存在下では不安定であるため、Mn (OAc)2は標的RNAを加える直前に添加しなければならない。cDNA合 成と温度サイクルの最適条件は当業者により容易に決定することができる。反応 液はPerkin Elmer社のThermal Cycler480を用い て行なう。cDNA 合成と温度サイクルの最適条件は当業者により容易に決定することができる。有 効と考えられる条件の一つは、60−70℃で15分から45分間のcDNAを 合成、94℃、1分;55−70℃、1分;72℃、2分の増幅サイクルを30 −45回繰り返すものである。1段階RT−PCRは、Taqポリメラーゼと、 MMLVもしくはAMVのRT酵素の様な逆転写酵素との二重酵素手順を利用し ても実施できる。B.従来型RT−PCR K.Q.Huら,Virology 181:721−726(1991)記 載の従来の2段階RT−PCR反応を実施した。要約すると、抽出したmRNA (実施例3参照)0.5μgを、1XのPCRII緩衝液(Perkin−El mer)、5mMのMgCl2、1mMのdNTP、20UのRNasin、2 .5μMのランダムヘキサマー、ならびに50UのMMLV(Moloney murine leukemia virus)逆転写酵素(RT)を含む反応 混合液20μl中で逆転写した。逆転写は、PE−480サーマルサイクラーを 用いて室温で10分、その後42℃で60分行い、さらに95℃で5分間イ ンキュベートしてRTを失活させた。PCRは、2μlのcDNAを用いて10 mMトリス−HCl(pH8.3)、50mMKCl、1.5mMMgCl2、 200μMdNTP、配列番号15および16記載のセンスおよびアンチセンス プライマーをそれぞれ0.4μMと2.5UのTaqポリメラーゼを含む最終容 量50μlのPRC反応液中で行った。反応はMJ Research Mod el PTC−200を用いて以下の様に実施した。94℃で2分間の変性、つ いで増幅サイクル(94℃、45秒、55℃、45秒、72℃、2分)を35回 、最終伸長反応(72℃、5分)、そして4℃での浸漬。C.PCR断片の解析 ゲル電気泳動によるサイズの決定により正しい産物を確認した。ゲルを15分 間エチジウムブロマイド(TBE緩衝液中0.5μg/ml)で染色し、10分 間水中で脱染色した後、UV照明によってこれを視覚化した。図4はエチジウム ブロマイド染色アガロースゲルの走査を示す。特にレーン1は、MWマーカーセ ットを示し、レーン2は胎盤DNAマイナス対照であり、レーン3及び4は、正 常な肺組織RNAからの307bpアンプリコンを示し、レーン5−9は、次の ような前立腺組織RNAから のLU105特異的アンプリコンの存在を示す:レーン5および7(前立腺ガン 組織);レーン6(正常な前立腺組織);およびレーン8および9(BPH前立 腺組織)。染色ゲルの観察に基づいた場合、307bpアンプリコンは、2つの 正常な乳房組織(レーン10および11)から得られたRNAから生じる反応に おいて観察されたが、3つのその他の乳房組織[レーン12(正常な乳房)、レ ーン13(乳ガン)、及びレーン14(乳ガン)]のRNAから生じる反応にお いては観察されなかった。さらには試験を行なった5つの結腸組織[(レーン1 5および17、正常な結腸);(レーン16、18及び19、結腸ガン)]のR NAから生じる反応において307bpアンプリコンの証拠はなかった。レーン 16(結腸ガン)は、2つの高いMW拡散バンドに加えて350bpアンプリコ ン産物を示した。これらのデータはRNA組織標本におけるDNAの存在をしう る。実施例9:OH−PCR A.プローブ選択と標識 前述の標的配列をオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションPCRによって 検出するために、標的特異的プライマーおよび プローブを設計する。1992年6月25日公開の国際公開番号WO92/10 505ならびに1992年7月9日公開のWO92/11388はそれぞれオリ ゴヌクレオチドを5’末端および3’末端で標識するための方法を教示している 。オリゴヌクレオチドを標識するための既知の方法の一つによって、標識−蛍光 アミダイド試薬を調製し、これを用いてオリゴヌクレオチド合成時に標識を付加 する。例えば、N.T.Thoungら,Tet,Letters 29(46 ):5905−5908(1988);もしくはJ.S.Cohenらの公開さ れた米国特許出願第07/246.688(NTIS ORDER No.PA T−APPL−7−246,688)(1989)を参照のこと。プローブはそ の3’末端を標識し、それによってPCRに関与することを防ぎ、さらに不要の 伸長産物ができることを防ぐことが好ましい。1段階OH−PCRではプローブ はTMがプライマーのTMよりも少なくとも15℃より低くなければならない。プ ライマーとプローブは、検出可能な標識の有無に関わらず当業者公知の標準的な 蛍光アミダイド化学および/または合成後標識法を用いて、特異的結合員として 使用される。B.1段階オリゴハイブリダイゼーションPCR 50mM(N,N,−ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン)、pH8.1 5、81.7mMのKOAc、33.33mMのKOH、0.01mg/mlの ウシ血清アルブミン、0.1mMエチレンジアミンテトラ酢酸、0.02mg/ mlのNaN3、8%w/vのグリセロール、150μMの各dNTP、0.2 5μMの各プライマー、3.75nMのプローブ、5UのrThポリメラーゼ、 3.25mMのMn(0Ac)2、及び5μl血液当量の標的配列(実施例3参 照)を含む200μlの反応液について、OH−PCRを行う。RNAとrTh ポリメラーゼ酵素はMn(OAc)2の存在下では不安定であるため、Mn(O Ac)2は標的を加える直前に添加しなければならない。反応液はPerkin Elmer社のThermal Cycler480中でインキュベートする。 cDNA合成と温度サイクルの最適条件は当業者により容易に決定することがで きる。有効と考えられる条件は、cDNA合成(60℃、30分)、30−45 増幅サイクル(94℃)40秒;55℃−70℃、60秒)、オリゴーハイブリ ダイゼーション(97℃、5分;15℃、5分;15℃浸漬)である。正しい反 応産物は、 PCR産物の少なくとも一方の鎖と内部にハイブリダイズしたプローブとを含ん でいる。C.OH−PCR産物解析 増幅反応産物はLCx(R)解析システム(Abbott Laborator ies,Abbott Park,TL)を用いて検出する。要約すると、正し い反応産物を、抗体で標識した微粒子を用いて、PCR産物鎖もしくはハイブリ ダイゼーションプローブのいずれかで捕捉しうる部位で捕捉し、その複合体を、 プローブの検出可能部位もしくはPCR鎖のいずれかと抗体との検出可能なコン ジュゲートの結合によって検出する。内側プローブとハイブリダイズしたPCR 鎖を含む複合体だけが検出できる。この複合体が検出されることはLU105m RNAの存在を示しており、肺ガンの様な肺疾患あるいは状態と診断されること を示している。 当業者により使用でき、および/または改変可能な増幅もしくは非増幅LU1 05由来核酸配列の存在を検出できる、その他の多くの方式があり、ライゲース 鎖反応(LCR、Abbott Laboratories,Abbott P ark,IL);Q−βレプリカーゼ(Gene−TrakTM、Napervi lle, Illinois)、分枝鎖反応(Chiron,Emeryville,CA )や鎖置換法(Becton Dickinson,Research Tri angle Park,NC)があるが、これらに限定されるものではない。実施例10:合成ペプチド製造 合成ペプチドは、LU105ポリベプチド共通配列について推測されるアミノ 酸配列をモデルとし、従ってこれに基づいて調製された(実施例1参照)。特に 配列番号19から誘導されるいくつかのLU105ペプチドを調製した。これに は、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、および配列番 号24のペプチドが含まれる。全てのペプチドはSymphony Pepti de Synthesizer(Rainin Instrument Co. Emeryville CA)を用いて、Fmoc化学、標準サイクル、in situ HBTU活性により合成された。開裂と脱保護条件は以下の通りであ る:2.5mlの切り出し試薬(77.5%v/vトリフルオロ酢酸、15%v /vエタノールジエチオール、2.5%v/v水、5%v/vチオアニソール、 1−2%w/vフェノール)を樹脂に加え、室温で2−4時間攪拌した。それか ら濾 過液を除去し、開裂試薬から冷やしたジエチルエーテルを用いてペプチドを沈殿 させた。各ペプチドを濾過し、水/アセトニトリル/0.1%TFA勾配を用い た逆相調製用HPLCにより精製し、凍結乾燥した。産物は分光測定法で確認し た(実施例12参照)。 精製したペプチドはグルタルアルデヒドを用いてキーホールかさがき貝へモシ アニンに結合してから補助剤と混合し動物に注射した(実施例14参照)実施例11a:プラスミド577を用いた細胞株でのタンパク質発現 A.LU105発現プラスミドの構築 1995年6月7日出願の米国特許出願第08/478,073号記載のプラ スミド577を永久細胞株中での分泌抗原の発現用に構築した。このプラスミド は以下のDNAセグメントを含んでいる:(a)β−ラクタマーゼとDNA複製 開始点を含むpBR322の2.3Kb断片;(b)HSV−1チミジンキナー ゼプロモーターとポリA付加シグナルの制御下にネオマイシン耐性を発現する1 .8Kbのカセット;(c)SV−40プロモーターとポリA付加の制御下にシ グナルジヒド ロ葉酸還元酵素遺伝子を発現する1.9Kbのカセット;(d)Simianウ イルス40T−Agプロモーターと転写エンハンサー、ポリA付加シグナルを提 供するヘルペスシンプレックス−1(HSV−1)が続くB型肝炎ウイルス表面 抗原(HBsAg)エンハンサーIの制御下に、改変されたC型肝炎ウイルス( HCV)E2タンパク質と融合させたウサギ免疫グロブリン重鎖シグナル配列を 発現する3.5Kbのカセット;ならびに(e)プラスミド中で機能しないSi mianウイルス40遺伝子の後期遺伝子域の残りの0.7Kbの断片である。 ベクターのセグメントの全ては分子生物学の当業者に公知の通常の方法で組み立 てた。 分泌型のLU105タンパクの発現用プラスミドはプラスミド577中のC型 肝炎ウイルスE2タンパクコード配列を、次の方法によって配列番号1、配列番 号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、ならびにそれらの断 片もしくはその相補性配列からなるグループより選択されたLU105ポリヌク レオチド配列で交換し作製する。プラスミド577をXbaIで消化することで C型肝炎ウイルスE2遺伝子断片を放出させる。得られたプラスミド骨格にはL U105cDNA 挿入体をウサギ免疫グロブリン重鎖シグナル配列の下流域に挿入することが可能 であり、これによって細胞の分泌経路を利用したタンパク発現かできるようにな る。LU105cDNA断片は通常の方法によるPCRを利用して作製する。セ ンスPCRプライマー配列内に、XbaI部位がコードされ、シグナルプロテア ーゼプロセッシングし、分泌を効率的、最終産物を培養液中で安定化を促進する アミノ酸配列Ser−Asn−Glu−Leu(“SNEL”)をコードする1 2ヌクレオチドが続いている。プライマーは、この12ヌクレオチド配列に続い て、LU105遺伝子のアミノ酸をコードする鋳型配列に相補的なヌクレオチド を含んでいる。アンチセンスプライマーには停止コドンの直前位置に次の8アミ ノ酸をコードする配列が取り込まれている:Asp−Tyr−Lys−Asp− Asp−Asp−Asp−Lys(配列番号24)。該配列中には解析を助けL U105タンパク産物の精製に役立つ認識部位が取り込まれている。認識部位( “FLAG”と命名されている)は市販の抗FLAG M2と命名されたモノク ローナル抗体(Eastman Kodak,Co.,New Haven、C T)によって認識され、他の同様の配列とそれに対する抗体 と同様に利用することができる。例えばPCRをPrkin−Elmer−Ce tusより得たGneAmp試薬を用いて、製造業者の指示に従い実施する。P CRプライマーは最終濃度0.5μMで使用し、PCRは100μlの反応液中 でLU105プラスミドの鋳型を用いて、35サイクル(94℃、30秒;55 ℃、30秒;72℃、90秒)後72℃、10分間の伸長反応を行い実施する。B.ジヒドロ葉酸還元酵素欠損チャイニーズハムスター卵巣細胞の形質移入 前出のプラスミドをCHO/dhfr細胞(DXB−111、Uriacio ら,PNAS77:4451−4466(1980))に形質移入する。これらの 細胞はA.T.C.C.,12301 Parklawn Drive、Roc kville、MD 20852より受託番号CRL9096として入手できる 。形質移入はP.L.Felgnerら.,PNAS84:7413−7417 (1987)記載の陽イオン性リポソーム介在法を用いて行う。特にCHO/d hfr−細胞は10%の胎児ウシ血清、L−グルタミン(1mM)を加えたHa mのF−12培地で培養し、フラスコ当たり5−8×105細胞の密度でフラス コに新たに播く。細胞を形質移入のために60から80%の周密状態まで増殖さ せる。20マイクログラム(20μg)のプラスミドDNAを1.5mlのOp ti−MEMI培地に加え、100μlのリポフェクチン試薬(Gibco−B RL;Grand Island,NY)を別のoPti−MEMI培地1.5 mlに加える。2つの溶液を混合し、室温で20分間インキュベートする。培地 を細胞から除いてから、5mlのOpti−MEMI培地で3回濯ぐ。それから Opti−MEMI−リポフェクション−プラスミドDNA溶液を細胞に上層す る。細胞は37℃で3時間インキュベートし、その後選別24時間前に一度Op ti−MEMI−リポフェクチン−DNA溶液を交換する。C:選別と増幅 形質移入1日後、細胞を1:3に継代してからdhfr/G418選択培地( 以下「F−12マイナス培地G」という)で培養する。選択培地はHamのF−1 2にL−グルタミンを添加し、ヒポキサンチン、チミジン、ならびにグリシンを 除き(JRH Biosciences.Lenexa,Kansas)これに 1ml当たり300μgのG418(Gibco−BRL:Grand Island,NY)を添加したものである。培地容積対面積比は25cm2当 たり5mlを維持した。およそ2週後にDHFR/G418細胞を増殖させ継代 させ、F−12マイナス培地Gで継続して維持する。 形質移入した各LU105cDNA配列はメトトレキセートを用いた2段階の DHFR+、G418+細胞の段階的選別を用いて増幅する(R.Schimke 、Cell 37:705−713(1984)参照)。細胞を150nMのメ トトレキセート(MTX)(Sigma、St Louis,MO)を含むF− 12マイナス培地Gで耐性コロニーがあらわれるまでおよそ2週間培養する。さ らに150nM濃度に適合した細胞から5μMのMTXで選別をかけて遺伝子増 幅を達成する。D.抗原産生 5μMのMTXを添加したF−12マイナス培地Gを集密単層のすぐ上に5% CO2下、37℃で12−24時間重層する。増殖培地を取り除いてから細胞を ダルベッコのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)(カルシウムとマグネシウム添 加)(Gibco−BRL;Grand Island,NY)で 3回濯ぎ、残っている培地/血清を取り除く。それから細胞をVASカスタム培 地(フェノールレッド抜きのHEPES添加L−グルタミンを加えたVASカス タム培地、JRH Bioscience;Lenexa,KSより入手可能, 製品番号52−08678P)で5%CO2下、37℃で1時間インキュベート した。その後産生を目的に、細胞にTフラスコ当たり5mlの割合でVASを重 層した。培養7日後に培地を取り除き、そのまま維持し、収穫2、3、ならびに 4と共に精製するときまで凍結する。さらに3回7日ごとに収穫するために、単 層にVASを重層する。E.肺組織遺伝子LU105抗原発現の解析 LU105タンパクを発現している細胞より得たVAS上清の一部を、当業者 公知の通常の方法と試薬を用いたSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(S DS−PAGE)(Laemmli不連続ゲル)もしくは質量分光測定法を利用し て解析する。F.精製 抗FLAGM2モノクローナル抗体をヒドラジン結合を利用してアガロースに 共有結合させた親和性マトリックス(Eastman Kodak Co.,N ew Haven、CT)を用いた免 疫アイフィニティークロマトグラフィーを利用してFLAG配列を含むLU10 5タンパクを精製する。親和性精製する前に、ローラーボトルから集めたVAS 培地中に貯めたタンパクをセファデックスG−25(PharmaciaBio tech Inc.,Uppsala,Sweden)カラムを用いて50mM トリス−HCl(pH7.5)、150mM NaCl緩衝液に交換する。こ の緩衝液中のタンパクを抗FLAG M2抗体親和性カラムにかける。50mM トリス−HCl(pH7.5)、150mM NaCl緩衝液でカラムを洗浄 することにより結合しなかったタンパクを溶出する。結合したタンパクは過剰の FLAGペプチドを含む50mM トリス−HCl(pH7.5)、150mM NaClを用いて溶出する。過剰のFLAGペプチドはゲル電気泳動もしくは HPLCにより精製LU105タンパクから取り除くことができる。 本実施例ではプラスミド577を用いているが、CMVの様なその他の同等の 発現系についても、使用する試薬および/または方法を適当に改変することで利 用可能であり、当分野の通常の技術の範囲である。 LU105遺伝子のコード域を含む最も大きなクローン化挿 入体を(i)タンパク発現および検出に役立つ遺伝子、例えばサイトメガロウイ ルス(CMV)プロモーターおよび/またはタンパク融合可能配列を含む真核生 物発現ベクター、もしくは(ii)スーパーオキサイドージスムターゼ(SOD )とCMP−KDO合成酵素(CKS)あるいはその他のタンパク配列の発現用 タンパク融合遺伝子を含む細菌発現系の中にサブクローニングする。SODの融 合配列を含むポリペプチドの産生に有用な方法とベクターは1986年10月1 日公開のEPO 0196056に記述されており、またCKSの融合配列を含 む例については1989年9月13日公開のEPO公開番号0331961に記 載されている。このように精製されたタンパクは、動物の免疫研究に限定される ことなく、固相免疫測定法等の様々な技術に利用することかできる。実施例11b:pcDNA3.1/Myc−Hisを用いた細胞株でのタンパク 発現 A.LU105発現プラスミドの構築 プラスミドpcDNA3.1/Myc−His(カタログ番号V855−20 、Tnvitrogen,Carlsbad,CA)を各種ほ乳動物細胞株によ る分泌型抗原の発現用に開発 した。発現されたタンパク挿入体はmyc−hisペプチドタッグと融合してい る。myc−hisタッグ(配列番号26)はc−myc発ガンタンパクエピト ープとポリヒスチジンより構成されており、抗mycもしくは抗his親和性カ ラムもしくはメタロプロテイン結合カラムを利用した発現した融合タンパクの精 製に有用である。 分泌可能なLU105タンパクの発現用プラスミドはクローン1327836 IHより得た完全長LU105ポリヌクレオチド配列(配列番号6)をpcDN A3.1/Myc−Hisベクターに挿入して構築された。(このプラスミドは PC 1327836M/Hと呼ばれるものである。)PC1327836M/ Hを構築する前に、LU105cDNA配列をまず次のようにpCR−平滑ベク ター内にクローン化する。LU105cDNA断片は、製造業者の指示に従って 、Stratagne社(La Jolla,CA)の試薬を用いた標準的方法 を使用するPCRにより生成した。PCRプラマーは最終濃度0.5Mで使用し た。pfuポリメラーゼ(Stragagene La Jolla,CA)を5 U用いたPCRを、LU105プラスミドを鋳型(実施例2参照)とし50μlの 反応液中で30サイクル(94℃、 1分:65℃、1.5分;72℃、3分、72℃、10分)行った。センスPC Rプライマー配列、5’CCCAGTCACGACGTTGTAAAACG−3 ’(配列番号17)は、pINCYベクターにおけるLU105挿入部位のすぐ 上流に見られるものと同一である。アンチセンスPCRプライマ−5’−GCG GCCGCCGCCAAACACTGTCAGG−3’(配列番号18)は5’ NotI制限配列と3’−最、枠内停止コドンの直上流にLU105cDNAの 3’末端に相補的な配列を含んでいる。得られた平滑端PCR産物5マイクロリ ッター(5μl)を直鎖状にしたpCR−平滑ベクター(Invitrogen ,Carlsbad,CA)25ng内に連結し、ベクターの致死ccdB遺伝 子を破壊した。得られた連結ベクターをOne ShotTM形質転換キット(I nvitrogen,Carlsbad,CA)を用い、製造業者の指示に従い TOP10大腸菌細胞(Invitrogen,Carlsbad,CA)内に 形質転換した。形質転換細胞をLB−Kanブロス(50μg/mlカナマイシ ン)選択プレート上で37℃で増殖させた。形質転換後に、破壊されたccdB 遺伝子をもったプラスミドを含む細胞だけが増殖する(Grant,PNAS 87;4645 −4649(1990))。形質転換されたコロニーを選び出し、3mlのLB −Kanブロス内で、37℃で増殖させた。プラスミドDNAをQIAprep(R) (Qiagen Inc.,Santa Clarita,CA)を製造業 者の指示に従い単離した。DNAをEcoRIとNotI制限酵素を用いて消化 し、LU105挿入断片を放出した。この断片を ME)/0.5μg/mlエチジウムブロマイド/TEゲルで電気泳動し、紫外 光照射により可視化後、取り出し、製造業者の指示に従いQIAquickTM方 法(Qiagen Inc.,Samta Clarita,CA)を用いて精 製した。 pcDNA3.1/Myc−HisプラスミドDNAをEcoRIとNOtI で消化した。これらの部位は、プラスミドベクターののポリリンカー域内に存在 する。精製LU105断片をCMVプロモーター下流に上記プラスミドDNA骨 格を連結し、DH5TM細胞(GibcoBRL、Gaithersburg,M d)内に製造業者の指示に従い形質転換した。要約すると、10ngのLU10 5挿入体を含むpcDNA3.1/Myc−Hisを50μlの反応能を持つD NAalpfa細胞に加え、成分をゆ っくりと混合した。この混合液を氷上で30分間反応させてから、37℃の温度 ショックを20秒間加え、さらに2分間氷上に置いた。0.95mlのLB培地 を加えてから混合液を37℃で1時間225rpmで攪拌しながら培養した。そ の後、形質転換した細胞を100mmLB/アンピシリン(50μg/ml)プ レート上に播いて、37℃で増殖させた。コロニーを採取し3mlのLB/アン ピシリンブロス中で増殖させた。プラスミドDNAはQIAprepキット(Q iagen・Inc.,Ssnta Clarita,CA)で精製した。挿入 体の存在は制限酵素消化とゲル分析により確認した(J.Sambrookら. ,前出)B.ヒト胚腎臓細胞293細胞の形質移入 前出Aに記載したLU105発現プラスミドをLB/アンピシリン寒天上に播 かれたDH5alpha細胞内に形質転換し、上記10mlのLB/アンピシリ ンブロス内で増殖した。プラスミドはQIAfilterTMMaxiキット(Q iagen,Chatsworth,CA)を用いて精製し、特にHEK293 細胞内に形質移入した(F.L.Grahamら.,J.Gen.Vir.36 :59−72(1977))。これらの細胞はA. T.C.C.,12301 Parklawn Drive、Rockvill e,MD20852より受託番号CRL1573で入手できる。形質移入はP. Hawley−Nelsonら.,Focus 15.73(1993)記載の 陽イオン性リポフェクタミン介在法を用いて行った。HEK293細胞を10% のウシ胎児血清(FBS)、L−グルタミン(2mM)が添加されたDMEM培 地10ml中で培養し、プレート当たり7×106細胞の密度で100mm径の 培養プレートに播いた。細胞は形質移入するために37℃で70%から80%の 間の集密度まで増殖させた。プラスミドDNA8マイクログラム(8μg) Grand Island,NY)に加え、48μlのリポフェクタミンTM試薬 (Gibco−BRL、Grand Island,NY)を別の800μlの OPti−MEMI溶媒に加えた。この二つの液を混合し室温で15−30分間 インキュベートした。細胞から培地を取り除いてから10mlの無血清DMEM で一度洗浄した。Opti−MEMIリポフェクタミンプラスミドDNA液を6 .4mlの無血清DMEMで希釈してから細胞上に重層した。細胞を5時間37 ℃でインキ ュベートしてから、20%FBS添加DMEM8mlをさらに加える。18−2 4時間後、古い培地を吸引してから、細胞の上に新鮮な5%FBSを添加したD MEM5mlを重層した。形質移入後72時間目に上清と細胞抽出物についてL U105遺伝子活性を調べた。C.肺組織遺伝子LU105抗原発現の解析 前出培養上清を凍結チューブに移し、氷上に保管した。HEK293細胞を1 0mlの冷やしたダルベッコのPBS液で2回洗浄し、1.5mlのCAT溶解 緩衝液(Boehringer Mannheim,Indianapolis ,IN)を加えてから室温で30分間インキュベートして溶解し集めた。溶解物 を1.7mlのポリプロピレン製の微量遠心管に移し1000×gで10分間遠 心分離した。上清を新しい冷凍チューブに移しから氷上に保管した。細胞の上清 の一部とLU105タンパクを発現している細胞の溶解物の一部をとって、LU 105組換えタンパクの存在を解析した。 アリコートは当業者公知の通常の方法と試薬を用いたSDSポリアクリルアミ ドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にかけた(J.Sambrookら)。S DS−PAGEについては、試 料を等容積の2×Tricine試料緩衝液(Novex,San Diege ,CA)と混合し、100℃で5分間加熱した。ついで試料を、電気泳動のため にNovex10−20%Precast Tricineゲルに加えた。電気 泳動に続いて、試料をゲルから、Novexトリス−グリシントランスファー緩 衝液中のニトロセルロース膜へ移した。ついでWestern Lights Plus又はWester Lightsウエスタンライツ検出キット(Tro pix,Bedford,MA)から提供される試薬および手順を用いて、抗m ycエピトープモノクローナル抗体(Invitrogen,Carlsbad ,CA)で膜をプローブした。基質は、基質緩衝液(Tropix,Bedfo rd,MA)中の5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート(BC IP)(Sigma,St.Louis,MO)から構成されているものであっ た。バンドはニトロセルロース上のブルーの沈殿基質によって見ることができた 。 図5は、抗mycエピトープモノクローナル抗体を用いて、LU105プラス ミド、上記pc1327836−M/Hで形質移入されたHEK細胞の2つの培 養物に対して実施されたウ エスタンブロットの結果を示す。レーン1および10は、予め染色された分子量 マーカー(MultiMarkTM 多着色標準、Novex,San Die go、CA)である。レーン2、4、及び6は、それぞれ培養物A、培養物B、 およびマイナスの対照から採取された上澄み液である。レーン3、5、及び7は 、それぞれ培養物A、培養物B、およびマイナスの対照から採取された細胞溶解 物である。レーン8および9は、それぞれ40ngおよび4ngタンパク質負荷 されたプラスの対照である(myc標識組換えタンパク質、Invitroge n,Carlsbad,CA)。約10kDおよび12kDにおける2つのバン ドは、タンパク質サイズマーカーによって測定された場合(レーン1及び10) は、形質移入細胞(培養物AおよびB)において見られるが、マイナスの対照( 形質移入されていない細胞)には存在しなかった。D.精製 myc−his配列を含むLU105組換え体タンパクは、ポリヒスチジン残 基に特異的に結合するニッケル結合アガロー ステム(Invitrongen,Carlsbad,CA) により精製する。前記により調製した10×100mmプレートから上清を集め 、ニッケル結合カラムを通過させる。50mMトリス−HCl(pH7.5)/ 150mMNaCl緩衝液でカラムを洗浄して非結合タンパクを溶出し、myc −his融合タンパクだけを残す。それから過剰のイミダゾールあるいはヒスチ ジンもしくは低pH緩衝液を用いてカラムから結合したLU105組換えタンパ クを溶出する。または、組換えタンパクは、ヒドラジンもしくはその他の結合剤 によりアガロース樹脂に結合させた抗mycもしくは抗ヒスチジンモノクローナ ル抗体にタンパクのmyc−his配列を結合させてからそれぞれ過剰のmyc エピトープあるいはヒツチジンを用いて溶出しても精製できる。 精製された組換えタンパクはN−ヒドロキシサクシンイミド活性化セファロー スカラム(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ )のような固相に、製造業者の指示に従い操作することで共有結合させることが できる。LU105組換え体タンパクが共有結合したこれらのカラムを用いてウ サギやマウス血清から抗LU105抗体を精製することができる(実施例13お よび14参照)。E.LU105発現タンパクを用いたマイクロタイタープレートのコーティング 前出の様にして100mmプレートから得た上清を適当な容量のPBSで1: 3希釈した。それから得られた混合液をReactiBindTM金属キレートマ イクロタイタープレート(Pierce,Rockford,IL)の各ウエルに 100μlづつ加え、揺すりながら室温でインキュベートし、それから各ウエル を0.05%Tween20を含むPBS200μlで4回洗浄した。調製され たマイクロタイタープレートは、LU105抗体の有無についてポリクローナル 抗血清のスクリーニングに利用した。(実施例17参照)。 本実施例ではpcDNA3.1/myc−Hisを用いているが、試薬および /または方法に適当な改良を加えることで他の同等の発現系もここで利用できる ことは当業者に公知であり、当業者の通常の技術の範囲である。LU105遺伝 子のコード域を含む最も大きなクローン化挿入体を(i)タンパク発現および検 出に役立つ、例えばサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよび/また はタンパク融合可能配列を含む真核生物発現ベクター、もしくは(ii)スーパ ーオキサイド−ジス ムターゼ(SOD)とCMP−KDO合成酵素(CKS)あるいはその他のタン パク配列の発現用タンパク融合遺伝子を含む細菌発現ベクターの中にサブクロー ニングする。SODの融合配列を含むポリペプチドの産生に有用な方法とベクタ ーは、1986年10月1日公開のEP0196056に記載されており、また CKSの融合配列を含むベクターについては1989年9月13日公開のEP0 331961に記載されている。この精製タンパクは、これらに限定されること はないが、動物の免疫研究、固相免疫測定法等の様々な技術に利用することがで きる。実施例12:肺組織タンパクの化学分析 A.MSを使用したのトリプシン消化ペプチド断片の分析 肺ガンの様な肺疾患を有する患者より得た血清ならびに肺疾患を持たない患者 の血清、肺ガンの様な肺疾患を有する患者の肺組織もしくは細胞の抽出物、肺疾 患を有しない患者から得た肺組織もしくは細胞の抽出物ならびに患者の非疾患器 官もしくはその他の疾患器官より得た組織もしくは細胞の抽出物を通常のポリア クリルアミドゲルで電気泳動し、クマシーブルーで染色する。未知のポリペプチ ドを含むと思われるゲル部分を切り 出し、ゲル内で還元し、アセトアミド化後トリプシン消化を行う。P.Jeno ら,Anal.Bio.224:451−455(1995)とJ.Rosen feldら、Anal.Bio203:173−179(1992)。ゲル切片 を100mMNH4HCO3とアセトニトリルで洗浄する。収縮したゲルを消化緩 衝液(50mMのNH4HCO3,5mMCaCl2と12.5μg/mlトリプ シン)中に4℃、45分放置して膨潤させる。上清を吸引し、かわりに5から1 0μlのトリプシンを除いた消化緩衝液を加え37℃で一晩インキュベートする 。5%の蟻酸とアセトニトリルを3回交換しながらペプチドを抽出し、蒸発して 乾燥させる。ペプチドを吸引型ガスクロマトグラフィーの毛管チューブの先端に 装着したおよそ0.1μlのPOROSR2吸着剤(Perseptive B iosystems,Framingham,Massachusetts)に 、10μlの5%蟻酸で溶解し、毛管に通すことにより、吸着する。吸着された ペプチドを水で洗浄してから5%の蟻酸を含む60%メタノール液で溶出する。 溶出液を直接APIIII質量分光測定法(Perkin−Elmer Scie x、Thornhill,Ontario,Canada)のスプレ ー型毛管に直接通し、ナノ−エレクトロスプレー質量分光測定法を用いて解析す る。M.Wilmら.,Int.J.Mass Spectrom,.Ion Process 136:167−180(1994)およびM.Wilmら. ,Anal.Chem,66:1−8(1994)。トリプシン消化ペプチドの マスは最初の4極子より得た質量分光測定法により決定する。予想されたペプチ ドに対応するマスはさらにMS/MSモードを用いて解析し、ペプチドのアミノ 酸配列を分析した。B.LC/MSを用いたペプチド断片分析 過形成性疾患組織に見られたmRNA配列より推測されるポリペプチドの有無 についても液体クロマトグラフィー/タンデム質量分光測定法(LC/MS/M S)を用いて確認できる。D.Hessら.,METHODS、A Compa nion to Mehtods in Enzymology 6:227−2 38(1994)。患者より得た血清試料あるいは癌抽出物をSDSで変性し、 ジチオスレイトール(1.5mg/ml)で90℃、30分間処理して還元して からヨードアセトアミド(4mg/ml)を25℃で15分間作用させてアリキ ル化す る。アクリルアミド電気泳動後ポリペプチドを陽イオン性膜上に電気ブロットし 、クマシーブルーで染色する。染色後、膜を洗浄し、未知ポリペプチドを含んで いると考えられる部分を切り出し、細断する。膜を500μlの微量遠心管に入 れてから10から20μlのタンパク分解消化緩衝液(0.1M NaCl、1 0%アセトニトリル、2mM CaCl2、および5μg/mlのトリプシンを 含む100mM トリス−HCl、pH8.2)(Sigma,St.Loui s,MO)に浸す。37℃15時間後、3μlの飽和尿素と1μlの100μg /mlのトリプシンを加えさらに37℃で5時間インキュベートする。10%ト リフルオロ酢酸を加え消化混合液を酸性化してから遠心分離し上清と膜を分離す る。上清を微小孔逆相HPLCカラムに直接かけて、アセトニトリル勾配をつけ た0.05%トリフルオロ酢酸液を用いて溶出する。試料の容積調整が必要な場 合にはストリームスプリッターを通してから溶出液をエレクトロスプレー質量分 光測定に直接注入する。データは実施例12のAに記載の方法に従い解析する。実施例13:遺伝子免疫手順 A.in vivo抗原発現 遺伝子免疫は適当な発現ベクターを接種した後にin vivoで抗原を直接 発現させることでタンパク精製段階を省略する方法である。またこの方法による 抗原産生ではタンパクがほ乳組織内で作られることから、正確なタンパクの折り 畳みとグリコシレーションが可能になる。本法は、CMVプロモーターを含むプ ラスミド内への遺伝子挿入、プラスミドの拡大、精製、ならびに動物の筋肉組織 内へのプラスミドDNAの注入を利用するものである。好ましい動物にはマウス とウサギがある。例えばH.Davisら.,Human Molecular Genetics 2:1847−1851(1993)を参照。1回あるいは 2回のブースター免疫化後、動物から採血、あるいは腹水を集めるか、あるいは 動物の脾臓を集めてハイブリドーマを作製する。B.プラスミド調製と精製 完全長LU105cDNA挿入体を、LU105cDNA含有クローン132 7836IHから、EcoRIとNotI制限酵素で消化して解放した。消化し たプラスミドDNAを1% ロマイド/TEゲル上で電気泳動し、紫外光照射して可視化した。挿入断片をゲ ルから切り出し、QIAquickTM法(Qiagen Inc.,Santa Clarita,CA)を利用して製造業者の指示に従って精製した。断片を EcoRI+NotIで消化したpcDNA3.1ベクターに連結し、DH5T M細胞内に形質転換した。プラスミドDNAはQiagenプラスミドDNA精 製カラム(Qiagen Inc.,Santa Clarita,CA)を用 いて細菌細胞溶解物から精製した。用いた全ての技術は分子生物分野の当業者に とって一般的なものである。C.免疫手順 麻酔をかけた(Penthrane,Abbott Laboratorie s)マウスに対して、各プラスミドDNA注射の5日前に、後脚の前脛骨筋内に 塩水中10mMのカルジオオキシン(Latoxan,France)100μ lの注射を行なった(0、35、および62日目)。ついでPBS中に希釈され た精製プラスミドDNAの1mg/ml溶液100マイクロリットル(100μ l)を、5、40、および67日 目に同じ前脛骨筋内に注射した。例えばH.Davisら.、Human Ge ne Therapy 4;733−740(1993);ならびにP.W.W olffら、Biotechniques 11:474−485(1991) 参照。D.抗血清の試験と使用 マウスから19、33、48、61、及び76日目に採血し、得られた血清に ついて既知の遺伝子配列(実施例16参照)を基に合成したペプチドを用いて、 及び/又はEIA法の使用によるmyc−hisペプチドtaqを含む、実施例 11bに記載されているLU105組換えタンパク、pc1327836−M/ Hを用いて抗体試験を実施した(実施例11b−Eおよび実施例17参照)。 本法で作製された抗血清は実施例15から18記載の様なELISAあるいは ウエスタンブロット法による患者組織中、あるいは細胞抽出物、もしくは患者血 清中の抗原検出に利用できる。実施例14:LU105に対する抗体の作製 A.ポリクローナル抗血清の作製.LU105に対する抗血清はLU105共 通配列(配列番号5)の推定アミノ酸配列に由来する配列を有するペプチドをウ サギに注射して調製した。ペプチドの合成(配列番号20−24)は実施例10 に記載した。免疫原として用いたペプチドは、以下述べる方法により、キャリア ーであるキーホールカサガイヘモシアニン(KLH)(配列番号10−24)に 結合した。(配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23および 配列番号24)。 1.ペプチド結合.ペプチドはマレイミドで活性化したカサガイヘモシアニン (KLH、Imjectとして市販されておりPierce Chemical Company、Rockford,ILより入手できる)に結合された。I mjec マレイミド基が含まれている。活性化されたKLHはリン酸で 緩衝化された生理食塩水(PBS,pH8.4)中に約7.7mg/mlの濃度 で溶解された。ペプチドはペプチド配列中のシステインで結合されたか、合成ペ プチドに結合部位を提供するために前もって加えられたシステインに結合された 。ペプチドはジメチルスルフォキサイド(DMSO、Sigma Chemic al Company、St.Louis,MO)に溶解し、KLH結合反応性 マレイミド1モル当たりペプチド1.5モルのモル比で活性化KLHと反応させ た。ペプチド(配列番号20)の結合方法は以下に記載する。これらの方法におけ る試薬量、時間、条件を該ペプチド結合に最適化する様に変更しうることは当業 者に公知である。 以下記載の結合反応は、約0.77μmoleの反応マレイミド基を含むKL Hペプチドコンジュゲート(「ペプチドコンジュゲート」)3mgを獲得すること を前提としたものである。このペプチドコンジュゲート量はウサギでポリクロー ナル抗体を作るための1回の初回注射と4回のブースター注射に利用できる量で ある。要約すると各ペプチド(配列番号20)をDMSO中に1.16μmol e/100μlDMSO濃度に溶解する。百マイクロリッター(100μl)の DMSO液を上 記の方法で調製した活性化KLH液380μlに加え、そして20μlPBS( pH8.4)を加えて合計量を500μlとする。この反応液を室温で攪拌しな がら一晩インキュベートする。反応の時間は反応液中の非反応チオールの量を測 定することで決めた。チオールの出発濃度と最終濃度の差は活性化KLHに結合 したペプチドの濃度と考えられる。残ったチオールの量はエルマン試薬(5,5 ’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、Pierce Chemical C ompany、Rockford,IL)を用いて測定した。システイン標準は 、塩酸システイン(Pierce Chemical Company、Roc kford,IL)35mgを10mlのPBS(pH7.2)に、0,0.1 ,0.5,2,5ならびに20mMの濃度で溶解し、所望の濃度に希釈して、調 製した。チオール濃度の分光光学的測定は、PBS(pH8.4) (Dynex Technologies,Chantilly,VA)の各ウ エルに加え、行った。次いで標準液あるいは反応混合液10μlを各ウエルに加 えた。最後にPBS(pH8.4)中1mg/mlの濃度のEllman試薬を 各ウエルに20μl づつ加える。ウエルを室温で10分間インキュベートし、そして全てのウエルの 吸光度をマイクロプレート測定器(BioRadモデル3550、BioRad ,Richmond,CA)を用いて415nmで測定した。標準物質の吸光度 から標準曲線を作製し、反応混合液のチオール濃度を標準曲線から決定した。遊 離型チオール濃度が減少することは、結合反応が成功したことを示していた。さ らに、マレイミド活性化KLHを添加する前と反応終了時に、ペプチド溶液中の 遊離型チオールを計算することで、各ペプチド−KLHコンジュゲートのペプチ ドモル/KLHモルの置換比を計算することができた。これらのペプチド置換は 、ペプチド54〜237モル/KLHモルであった。PBS(pH7.2)に対 して室温で6時間透析して未反応のペプチドを取り除いた。コンジュゲートを− 20℃又はそれ以下の温度で保存した。 2.動物への免疫 体重2kg以上の雌のニュージーランド白ウサギを用いて ポリクローナル抗血清を作製した。通常は、一匹のウサギを用いて非結合型ある いはペプチドコンジュゲート(配列番号20、配列番号21、配列番号22、配 列番号23および配列番号24、前記記載の方法で調製する)で免疫した。 最初の免疫の1週間前に、動物から血液の5から10mlを採取して非免疫採血 試料とした。 ペプチドコンジュゲート、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列 番号23、及び配列番号24が、0.5mlの完全フレンドアジュバント(CF A)(Difco,Detroit,MI)を含むPBS液(pH7.2)中2 mg/mlの濃度のコンジュゲート0.5mlを乳化することにより、初回免疫 原を調製するために使用された。該免疫原を動物の複数箇所に皮下、腹膜内、お よび/または筋肉から投与した。初回免疫から4週後に、ブースター免疫を投与 した。ブースター免疫投与に使用した免疫原は、ペプチドを0.5mlの不完全 フレンドアジュバント(IFA)(Difco、Detroit,MI)0.5 mlで1mg/mlの濃度に希釈した事以外は、初回免疫原に使用したものと同 一であるペプチドコンジュゲートの0.5mlを乳化することにより調製した。 それからまた皮下、腹腔内、ならびに筋肉内注射によりブースターを複数箇所に 投与した。ブースター免疫後2週目に動物より採血(5ml)し、得られた血清 について上記ペプチド及び/又はLU105組み換えタンパクに対する免疫反応 性を調べた。このブ ースターおよび採血スケジュールを適当な力価が得られるまで4週間隔で繰り返 した。抗血清の力価あるいは濃度は、以下に示す実施例17記載のマイクロタイ ターEIAにおける非コンジュゲートペプチドを用いて、及び金属キレートマイ クロタイタープレート(実施例11b−E参照)を用いたマイクロタイタープレ ートEIAにおけるmyc−hisペプチドtaq(pc1327836−M/ H)でのLU105組換えタンパクを用いて決定した。1:500以上の抗体力 価を示したものをその後の利用と解析に適したものを判定した。 B.モノクローナル抗体の作製 1.免疫化手順. マウスでのモノクローナル抗体作製に使用する非コンジュゲートあるいはコン ジュゲートペプチドの量をウサギのポリクローナル抗体を作製するときに利用し た量の1/10であること以外は、上記記載の方法と同様にして調製した免疫原 を用いてマウスを免疫する。即ち、初回免疫原は、0.1mlのCFA乳化物中 非コンジュゲートもしくはコンジュゲートペプチド100μgより構成される。 一方ブースター免疫に使用した免疫原は、0.1mlIFA中非コンジュゲート あるいはコンジュゲートペプチド50μgからなる。モノクローナル抗体作製の ためのハイブリドーマを通常の方法を用いて調製しスクリーニングする。モノク ローナル抗体開発に使用した方法はKohlerとMilstein、Natu re 256:494(1975)とJ.G.R.Hurrel,編集.,Mon oclonal Hybridoma Antibodies:Techniq ues and Applications 、CRC Press,Inc., Boca Raton,FL(1982)に詳細記載されている公知方法に従う 。Kohlerと Milstein法を基礎とした別のモノクローナル抗体作製法にはL.T.T immsら.,Virology176:604−619(1990)がある。 免疫計画は初回免疫と追加のブースター免疫から構成される。初回免疫に使用 した初回免疫原は50μlのCFAで前もって乳化したPBS(pH7.2)5 0μl中非コンジュゲートあるいはコンジュゲートペプチド100μg中からな る。ブースター免疫は、初回免疫後およそ2週間目と4週間目に行い、50μl のIFAで乳化したPBS(pH7.2)50μl中非コンジュゲートあるいは コンジュゲートペプチド50μgからなる。本免疫原の総量100μlをそれぞ れのマウスに腹腔内ならびに筋肉内投与される。個々のマウスについてその免疫 反応を、実施例17記載のマイクロタイタープレート酵素免疫検定(EIA)を 用いて3回目の免疫後およそ4週目に調べる。3回目の免疫後およそ15週目に 、PBS液(pH7.2)非コンジュゲートあるいはコンジュゲートペプチド5 0μgをマウスの静脈内、脾臓内、あるいは腹腔内に投与する。 静脈脈内ブースト後3日目に脾臓細胞を例えばSp2/0−1g14ミエロー マ細胞(Milstein Laboratories, England)にポリエチレングリコール(PEG)法を利用して融合する。 融合体を10%のウシ胎児血清(FCS)を含むIscoveの改良型ダルベッ コ培地(IMDM)に1%のヒポキサンチン、アミノプテリンとチミジン(HAT )を加えた培地内で培養する。実施例17に従いマイクロタイタープレートEI Aを用いて全培養物についてスクリーニングする。免疫原に使用したペプチドに 反応しその他のペプチド(すなわち、免疫原に利用しなかったLU105ペプチ ド)に対しては反応しないクローンを最終増殖のために選択する。この様にして 得たクローンを増殖させ、小分けしてから、10%FCSと10%ジメチルスル フォキサイドを含むIMDM中に凍結する。 2.モノクローナル抗体を含む腹水の産生 上記記載の如く調製した凍結ハイブリドーマ細胞を融解してから増幅培地中に プレートする。生育したハイブリドーマ細胞をプリスタン処理したマウスに腹腔 接種する。当該マウスより腹水を取り、集め、0.2μのフィルターで濾過して から免疫グロブリンクラスG(IgG)分析を行い、精製に必要なプロテインA の量を求める。 3.腹水からのモノクローナル抗体の精製 要約すると、濾過して融解した腹水に当量のプロティンAセファローズ結合緩 衝液(1.5Mグリシン、3.0M NaCl、pH8.9)を混合してから0 .2μのフィルターに通す。プトテインAカラムの容積は腹水中に存在するIg G量より決定する。溶出液をPBS(pH7.2)に対して2−8℃で一晩透析 する。透析したモノクローナル抗体を滅菌的に濾過してから小分けする。精製モ ノクローナル抗体の免疫反応性は、実施例17のEIAマイクロタイタープレー ト検定法を用い、免疫原に使用したペプチドへの抗体の特異的結合能によって確 認する。精製モノクローナル抗体の特異性は免疫原に使用していないLU105 ペプチドの様な無関係なペプチドに対する結合性を欠いているかを調べ確認する 。この様にして調製し、特性解析した精製抗LU105モノクローナル抗体は短 期の場合には2−8℃で、長期の場合には−80℃に保管する。 4.モノクローナル抗体の更なる特性化 上記により調製したモノクローナル抗体のイソタイプとサブタイプは、市販の キット(Amersham,Inc.,Arlington Heights, IL)を用いて決める ことができる。モノクローナル抗体の一部を2−8℃に連続保管し、一定時間毎 に光学密度(OD)を測定することでモノクローナル抗体の安定性試験も実施で きる。C.免疫原としての組換えタンパクの使用 本発明の範囲には、上記により調製した組換えタンパクを、必要な当業者公知 の試薬と方法の変更を行いポリクローナル抗体ならびにモノクローナル抗体作製 の免疫原に利用することも含まれている。実施例15:LU105ペプチドに特異的に結合する血清抗体の精製 実施例13および/または14に記載の方法で得た免疫血清は実施例10記載 の方法で調製した固定化した合成ペプチド、もしくは実施例11記載の方法で調 整した組み換えタンパクを用いて親和性精製される。粗血清を希釈しプロテイン Aカラム(Affi−Gelタンパク質A、Bio−Rad、Hercules ,CA)にかけて抗血清のIgG分画を得る。緩衝液(結合緩衝液、製造業者よ り供給)を用いて溶出することで免疫グロブリン以外のほとんど全てのタンパク が除去される。0.1Mの緩衝作用を持たせたグリシン(pH3)で溶出 することで実質的にアルブミンやその他の血清タンパクを含まない免疫グロブリ ンが調製できる。 免疫親和性クロマトグラフィーを行い、より特異的抗原結合性をもった抗体の 分画を調製する。抗血清作製に使用したペプチドをクロマトグラフィー樹脂に固 定化し、そのエピトープに対し特異的な抗体を樹脂上に吸着する。非結合性の成 分を洗い流した後に、特異抗体を0.1Mのグリシン緩衝液(pH2.3)で溶 出する。免疫活性を保存するために抗体分画を1.0Mのトリス緩衝液(pH8 .0)を用いてすぐに中和する。クロマトグラフィー樹脂はペプチドに存在する 活性基の種類の応じて選択する。ペプチドにアミノ基がある場合には、Afi− Gel10あるいはAffi−Gel15の様な樹脂を使用する(Bio−Ra d,Hercules,CA)。ペプチド上のカルボキシル基を利用した結合を 望む場合には、Affi−Gel1102が利用できる(Bio−Rad,He rcules,CA)。ペプチドに遊離型のスルフヒドリル基がある場合にはA ffi−Gel501(Bio−Rad,Hercules,CA)やSulf oLinkTM(Pierce,Rockford,IL)の様な有機水銀系樹脂 が利用できる。 あるいは、前記記載の当業者公知の通常の方法を利用して脾臓を集め、これを 利用してモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの作製に利用することも できる。実施例16:組織試料のウエスタンブロット 組織試料を0.1Mのトリス−HCl(pH7.5)、15%(w/v)グリ セロール、0.2mMのEDTA、10mMの1,4−ジチオスレイトール、1 0μg/mlのロイペプチンならびに10mMのフェニルメチルスルフォニルフ ロライド中で均質化し、タンパク抽出物を調製した(S.R.Kainら., iotechniques 17;982(1994))。均質化後、ホモジネー トを4℃で5分間遠心分離して上清とデブリスとわけた。タンパク質の定量のた め、3−10μlの上清を1.5mlのビシンクロニック酸試薬(Sigma. St.Louis,MO)に加え、562nmの吸光度を測定した。 SDS−PAGEのために、試料を所望の濃度にTricine緩衝液(No vex,SanDiego、CA)で調整し、等量の2×Tricine試料緩 衝液(Novex,SanDiego、CA)と混合してからサーマルサイクラ ー中で5分間100℃に加熱した。それから試料をNovex10−20% Precast Tricine電気泳動用ゲルにかけた。電気泳動後、試料を ゲルからNovex Tris−Glysine移転緩衝液中のニトロセルロー ス膜に移す。その後、Western LightsPlusもしくはWest ern Lights(Tropix,Bedford,MA)化学発光検出キ ットの形で提供される試薬と方法に従い、膜に特異的抗ペプチド抗体を作用させ た。化学発光するバンドは現像した膜をHyperfilm ECL(Amer sham、Arlington Heights,IL)にさらして可視化した 。 図6にはLU105.1合成ペプチド(配列番号20、実施例14参照)に対 する抗血消を用いて組織抽出物パネルについて行ったウエスタンブロットの結果 を示す。図6の各レーンには異なる組織タンパク抽出物が示されている(レーン 1、腎臓;レーン2、心臓;レーン3、卵巣;レーン4、結腸;レーン5、乳房 ;レーン6、前立腺;レーン7、8、9、肺;レーン10、11、12、肺ガン ;及びレーン13、サイズマーカー)。タンパク分子量マーカー(レーン13) により約6.5kDとした3つのバンド(矢印)は、肺ガン抽出物中の1つに検 出されたが、その他の組織抽出物には見られなかった。 競合実験は次の点を除いて上記と同様にして実施した。一次抗体(抗ペプチド ポリクローナル抗血清)をニトロセルロースフィルターに作用させる前に、様々 な濃度のペプチド免疫原で4℃で一晩前インキュベートさせた。ウエスタンブロ ットは上記と同様にして続けた。6.5kDのバンドへの抗体の結合は、4.2 MのLU105.1合成ペプチド(配列番号20)濃度で阻害された。 フィルム上のバンドを可視化した後、膜上にあるバンドについても5−ブロモ −4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)の様な発色基質を加えること で直接可視化した。この発色液は、100mMのNaCl、5mMのMgCl2 ならびに100mMのトリス−HCl、pH9.5を含む液中0.016%のB CIPを含む。フィルターを上記液中、室温でバンドが所望の強さに発色するま でインキュベートする。分子量は前もって染色しておいた分子量マーカー(No vex、SanDiego、CA)あるいはビオチン化分子量マーカー(Tro pix,Bedford,MA)の移動度に基づいて決定する。実施例17;EIAマイクロタイタープレート検定 実施例13または14記載の方法でウサギまたはマウスより得た抗血清の免疫 反応性はマイクロタイタープレートEIA法により以下の決定した。要約すると 、実施例10記載の如く調製した合成ペプチド配列番号20、配列番号21、配 列番号22、配列番号23、配列番号24を最終濃度が2mg/mlになるよう に炭酸緩衝液(50mM、pH9.6)に溶解した。ついでペ ロタイタープレート(Dynex Technologies,Chantil ly,VA)の各ウエルに加えた。プレートを室温で一晩インキュベートしてか ら、脱イオン水で4回洗 (Pierce Chemical Company、Rockford,IL )のような適切なタンパクブロツク剤125μlを加えてウエルをブロックして から、速やかにこの液を捨てた。このブロッキング操作を3回繰り返した。前記 に従い調製した免疫ウサギまたはマウスより得た抗血清を0.05%のTwee n20(モノラウリル酸ポリオキシエチレンエーテル)(Sigma Chem ical Company,St.Louis,MO) と0.05%ナトリウムアジドを含むPBS中タンパク阻害剤 1:2500.1:12,500,および1:62,500に希釈して、被覆し たマイクロタイタープレートの各ウエルに加えた。このウエルを室温で3時間イ ンキュベートした。各ウエルは4回脱イオン水で洗った。0.05%のTwee n20と0.05%ナトリウムアジドを含むリン酸緩衝生理食塩水中 カリフォスファターゼ結合ヤギ抗ウサギIgG抗血清またはヤギ抗マウスIgG 抗血清(Southern Biotech,Birmingham,AL)1 00μlを各ウエルに加えた。このウエルを2時間室温にインキュベートした。 ついで、各ウエルを脱イオン水で4回洗浄した。その後で各ウエルにパラニトロ フェニルリン酸基質(Kirkegaard and Perry Labor atories,Gaithersburg,MD)100μlを加えた。ウエ ルを室温で30分間反応させた。各ウエルの405nmの吸光度を読み取った。 405nmの吸光度が免疫していない血清(陰性対照)の入ったウエルの吸光度 よりも高い値を示したものを陽性と判定した。陽性反応 は検出可能な抗LU105抗体が存在することを示している。抗ペプチド抗血清 の力価を前記の抗血清希釈率より計算し、A405nm=0.50Dを示す希釈率と して規定した。実施例18:固相粒子の被覆 A.LU105抗原に特異的に結合する抗体による微粒子の被覆 LU105に特異的に結合する親和性精製抗体(実施例15参照)で、ポリス チレン、カルボキシル化ポリスチレン、ポリメチルアクリル酸製微粒子もしくは 0.1から20μmの範囲の同様な直径を有する微粒子を被覆する。微粒子は受 動的あるいは能動的に被覆して良い。被覆方法の一つはEDAC(1−(3−ジ メチルアミノプロピル)−3−エチルカフボジイミド塩酸塩(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)により活性化したカル ボキシル化ラッテクス微粒子にLU105に対して特異的に結合する抗体を以下 のようにして被覆するものである。要約すると、洗浄したカルボキシル化ラテッ クス微粒子(Bangs Laboratories,Carmel,INもし くは Serodyn,Indianapolis,INより入手可能)の最終濃度0 .375%の固相縣濁液を適当な容器の中で50mMのMES緩衝液、pH4. 0と親和性精製した抗LU105抗体(実施例14参照)150mg/lを含む 液中で15分間混合する。EDAC結合剤を最終濃度5.5μg/mlに成るよ うに混合液に加え、室温で2.5時間混合した。 それから微粒子を8倍容積のTween20/リン酸ナトリウム洗浄緩衝液( pH7.2)を用いて、0.2μmのMicrogon Filtration モジュールを利用した接線流濾過により洗浄した。洗浄した微粒子は、必要とな るまで、希釈した表面活性剤とブロッキング剤として作用する無関係なタンパク を加えた適当な緩衝液中に保存する。B.1/4インチビーズの被覆 LU105抗原に特異的に結合する抗体は、また当該分野公知の通常の方法( Snitmanら、米国特許出願第5,273,882号)によって1/4イン チのポリスチレン製ビーズ表面に結合させることができ、競合結合あるいはEI Aサンドイッチ検定に利用できる。 まずポリスチレンビーズを15秒間pH8.0の10mMNaH CO3緩衝液中で超音波処理して洗浄する。それからビーズを脱イオン水で全て のゴミが除かれるまで洗浄する。ついでビーズを10mM炭酸緩衝液、pH8か ら9.5中の抗体溶液に浸す。抗体が高い親和性を有するモノクローナル抗体の 場合には抗体液を1μg/mlまで希釈することか、あるいは親和性精製してい ないポリクローナル抗体の場合にはおよそ500μg/mlまで濃縮することが できる。ビーズは室温で少なくとも12時間被覆してから脱イオン水で洗浄する 。ビーズは空気乾燥もしくは湿潤状態(PBS、pH7.4)である。ビーズは さらにタンパク安定剤(ショ糖)や非特異的結合阻止剤としてタンパク阻害剤( 無関係のタンパク、Carnationスキムミル る。実施例19:微粒子酵素免疫検定(MEIA) 通常の抗原競合EIAもしくは抗体サンドイッチEIAと微粒子固相を利用する (MEIA)ことで患者試験試料中のLU (Abbott Laboratories,Abbott Park,IL) の様な自動分析装置を利用して実施できる。A.抗体サンドイッチEIA 要約すると、LU105抗原が含まれると思われる試料を抗LU105抗体コ ート微粒子(実施例17記載の方法で調製)存在下に反応させて抗原/抗体複合 体を形成させる。それから微粒子を洗浄してから、シグナル形成成分(例えばア ルカリフォスファターゼあるいは西洋ワサビペルオキシダーゼの様な酵素)と標 識した抗体からなる指示薬を抗原/抗体複合体もしくは微粒子に加えて反応させ る。微粒子を洗浄後、シグナル形成成分と反応して測定可能なシグナルを発生す る基質(例えば、4−メチルウンベリフェリルリン酸(MUP)あるいはOPD /ペルオキシド)を加えて結合した抗体/抗原/抗体複合体を検出する。陰性コ ントロールに比べて試験試料のシグナルが高いか否かによりLU105抗原の存 在を検出する。試験試料中にLU105抗原が存在することは、肺ガンのような 肺疾患もしくは状態にあることを示している。B.競合結合検定 競合結合試験では標識ペプチドを抗ペプチド抗体を被覆した微粒子に作用させ た時に測定可能なシグナルを発生させるペプ (Abbott Laboratories,Abbott Park,IL) を利用して実施できる。標識されたペプチドをLU105抗原の存在が疑われる 試験試料存在下にLU105抗体被覆微粒子(実施例17記載の方法で調製)に 加え、標識LU105抗原(あるいは標識タンパク)/結合抗体複合体および/ または患者LU105抗原/結合抗体複合体の形成に十分な時間と条件下に培養 せる。試験試料中のLU105抗原は標識LU105ペプチド(あるいはLU1 05タンパク)と微粒子上の結合部位を巡って競合する。試験試料中のLU10 5抗原とLU105ペプチドあるいはLU105タンパクは抗体の結合部位につ いて競合することから、試験では試験試料中のLU105抗原により標識ペプチ ドと微粒子上に被覆された抗体との結合を低下させることになる。シグナルの低 下(対照に比べ)することは試験試料中にLU105が存在することを示してい る。LU105抗原が存在することは、肺ガンのような肺疾患もしくは状態にあ ることを示している。 以上に示し、述べてきたLU105ポリヌクレオチドとそれにコードされたタ ンパクは肺疾患、特に肺ガンのマーカーとして有用である。血液、血漿、あるい は血清の様な試験試料中で の本マーカーの存在を基礎とした試験は安価且つ非侵襲的に癌診断に役立つ診断 情報を医師に提供し、治療プロトコール選択を助け、あるいは選択された治療法 の効果の監視に役立つ。本マーカーは、抗原が疾患組織に由来することから血液 、尿あるいは糞便の様な容易に採取可能な体液中に存在すると考えられ、免疫的 方法により検出可能と考えられる。本マーカーは疾患状態で増加し、疾患状態に 伴って変化し、あるいは不適切な本体部中に現れる肺の正常タンパクの一つと考 えられる。
【手続補正書】 【提出日】平成11年8月20日(1999.8.20) 【補正内容】 請求の範囲 1. 試験試料中の標的LU105ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であ って、 (a)前記試験試料を少なくとも1種のLU105特異的ポリヌクレオチド又 はそれらの相補物と接触させること、及び、 (b)該試験試料中の前記標的LU105ポリヌクレオチドの存在を検出する ことを包含し、 前記LU105特異的ポリヌクレオチドは配列番号1、配列番号2、配列番号 3、配列番号4、配列番号5、配列番号6及びそれらの断片もしくは相補物から なる群より選択されるポリヌクレオチドとの少なくとも50%の同一性を有する 方法。 2. 試験試料中のLU105のmRNAの検出方法であって、 (a)cDNAを生成するために少なくとも1つのプライマーを用いて逆転写 を行うこと、 (b)工程(a)から得られたcDNAを、LU105オリゴヌクレオチドを センス及びアンチセンスプライマーとして用いて増幅してLU105アンプリコ ンを得ること、及び、 (c)試験試料中の前記LU105アンプリコンの存在を検出することを包含 し、 工程(a)及び(b)で用いられるLU105オリゴヌクレオチドが配列番号 1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれ らの断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも50%の 同一性を有する方法。 3. 試験試料中のLU105ポリヌクレオチドを検出するのに有用な試験キッ トであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、 配列番号6、及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される配列と の少なくとも50%の同一性を有するLU105ポリヌクレオチドの少なくとも 1種を収容する容器を含む試験キット。 4. LU105遺伝子から誘導される精製ポリヌクレオチド又はそれらの断片 であって、前記ポリヌクレオチドは前記LU105遺伝子の核酸と選択的にハイ ブリダイズすることが可能であり、かつ配列番号1、配列番号2、配列番号3、 配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれらの断片もしくは相補物からな る群より選択される配列との少なくとも50%の同一 性を有する精製ポリヌクレオチド又はその断片。 5. 所望の宿主に適合する制御配列に作動可能に連結しているLU105から 誘導されるオープンリーディング枠を含む核酸配列を包含する組換え発現系であ って、前記核酸配列は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列 番号5、配列番号6、及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択され る配列との少なくとも50%の同一性を有する組換え発現系。 6. 配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号2 3、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配列と の少なくとも50%の同一性を有するLU105ポリペプチド。 7. 少なくとも1つのLU105エピトープに特異的に結合する抗体であって 、LU105エピトープは配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番 号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択さ れるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列から誘導 されるものである抗体。 8. 試験試料中のLU105抗原又は抗−LU105抗体の 存在を決定するための検定キットであって、配列番号19、配列番号20、配列 番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片から なる群より選択されるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するLU 105ポリペプチドを収容する容器を含む検定キット。 9. 試験試料中のLU105抗原の存在を決定するための検定キットであって 、少なくとも1つのLU105エピトープを含むLU105抗原と特異的に結合 する抗体を収容する容器を含む検定キット。 10. 少なくとも1つのLU105エピトープを含むポリペプチドの生成方法 であって、前記方法は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む 発現ベクターが形質移入されている宿主細胞をインキュベートすることを含んで おり、前記ポリペプチドは配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番 号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択さ れるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含む方 法。 11. LU105抗原を含むことが疑われる試験試料中の前記LU105抗原 の検出方法であって、 (a)試験試料を、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号2 2、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択される LU105抗原のエピトープの少なくとも1つと特異的に結合する抗体又はそれ らの断片と接触させること、ここで前記接触は抗体/抗原複合体の形成に十分な 時間及び条件下で行われ、及び、 (b)前記複合体の存在を、前記LU105抗原の存在の指標として検出する こと、 を包含する方法。 12. LU105抗原に特異的な抗体を含むことが疑われる試験試料中で該抗 体の存在を検出する方法であって、 (a)該試験試料とLU105ポリペプチドとを接触させること、ここで前記 LU105ポリペプチドは配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番 号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択され るアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはそ れらの断片から誘導されたLU105エピトープを少なくとも1つ含み、さらに 前記接触は抗原/抗体複合体の形成を可能にするのに十分な時間及び条件下で行 われ、及び、 (b)前記複合体の存在を、前記抗体の存在の指標として検出すること、 を包含する方法。 13. 少なくとも1つのLU105エピトープをコードする核酸配列を形質移 入した細胞であって、前記核酸配列は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配 列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれらの断片もしくは相補物からなる 群より選択される細胞。 14. 個体に単離された免疫原性ポリペプチド又はそれらの断片を免疫応答を 誘発するのに十分な量投与することを包含する、LU105抗原に特異的に結合 する抗体の生成方法であって、前記免疫原性ポリペプチドは、少なくとも1つの LU105エピトープを含み、かつ配列番号19、配列番号20、配列番号21 、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群よ り選択される配列との少なくとも50%の同一性を有する方法。 15. LU105抗原に特異的に結合する抗体の生成方法であって、少なくと も1つのLU105エピトープをコードする配列を含むプラスミドを哺乳類動物 に投与することを包含し、 該LU105エピトープは配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番 号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択さ れるアミノ酸配列を有するポリペプチドから誘導されるものである方法。 16. LU105ポリヌクレオチド又はそれらの断片を含む物質の組成物であ って、前記ポリヌクレオチドが配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号 4、配列番号5、配列番号6、及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より 選択されるポリヌクレオチドとの少なくとも50%の同一性を有する組成物。 17. 少なくとも1つのLU105エピトープを含むポリペプチドを含んでい る物質の組成物であって、前記ポリペプチドが配列番号19、配列番号20、配 列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片か らなる群より選択される配列との少なくとも50%の同一性を有する組成物。 18. 配列番号19と少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含む LU105タンパク質をコードする遺伝子又はその断片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/68 A C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 A (72)発明者 コルピツツ,トレイシー・エル アメリカ合衆国、イリノイ・60073、ラウ ウンド・レイク、ノース・サークル・ドラ イブ・34365 (72)発明者 フリードマン,ポーラ・エヌ アメリカ合衆国、イリノイ・60015、デイ アフイールド、カムノー・コート・462 (72)発明者 ゴードン,ジユリアン アメリカ合衆国、イリノイ・60044、レイ ク・ブラフ、イースト・シエリダン・ロー ド・307 (72)発明者 グラナドス,エドワード・エヌ アメリカ合衆国、イリノイ・60061、バー ノン・ヒルズ、モンゴメリー・レイン・19 (72)発明者 ホツジズ,ステイーブン・シー アメリカ合衆国、イリノイ・60089、バツ フアロー・グローブ、ストーンゲート・ロ ード・169 (72)発明者 クラース,マイケル・アール アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ テイービル、マルベリー・ドライブ・1606 (72)発明者 クラトツクビル,ジヨン・デイー アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53143、 ケノーシヤ、フイフス・アベニユー・7101 (72)発明者 ロバーツ−ラツプ,リサ アメリカ合衆国、イリノイ・60031、ガー ニー、ウエストフイールド・ドライブ・ 2090 (72)発明者 ラツセル,ジヨン・シー アメリカ合衆国、ウイスコンシン・53142、 ケノーシヤ、シツクステイーフオース・コ ート・8275 (72)発明者 ストロウプ,ステフアン・デイー アメリカ合衆国、イリノイ・60048、リバ ーテイービル、ウイルシヤー・ドライブ・ 945 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 試験試料中の標的LU105ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であ って、 (a)該試験試料を少なくとも1種のLU105−特異的ポリヌクレオチド又 はそれらの相補物と接触させ、及び、 (b)該試験試料中の該標的LU105ポリヌクレオチドの存在を検出するこ とを包含し、 該LU105−特異的ポリヌクレオチドは配列番号1、配列番号2、配列番号3 、配列番号4、配列番号5、配列番号6及びそれらの断片もしくは相補物からな る群より選択されるポリヌクレオチドとの少なくとも50%の同一性を有する方 法。 2. 前記標的LU105ポリヌクレオチドを工程(a)を実施する前に固相に 付着させる請求の範囲第1項の方法。 3. 試験試料中のLU105のmRNAの検出方法であって、 (a)cDNAを生成するために少なくとも1つのプライマーを用いて逆転写 を行い、 (b)工程(a)から得られたcDNAをLU105オリゴヌクレオチドをセ ンス及びアンチセンスプライマーとして用い て増幅してLU105単位アンプリコンを得、及び、 (c)試験試料中の該LU105アンプリコンの存在を検出することを包含し 、 工程(a)及び(b)で用いられるLU105オリゴヌクレオチドが配列番号1 、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6及びそれらの 断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも50%の同一 性を有する方法。 4. 前記試験試料を工程(a)、(b)又は(c)のうちの1つを実施する前 に固相と反応させる、請求の範囲第3項の方法。 5. 前記検出工程が測定可能な信号を生成することができる検出可能な標識を 用いることを包含する、請求の範囲第3項の方法。 6. 標的LU105ポリヌクレオチドを含むことが疑われる試験試料中の該標 的を検出する方法であって、 (a)該試験試料をセンスプライマーとしての少なくとも1種のLU105オ リゴヌクレオチド及びアンチセンスプライマーとしての少なくとも1種のLU1 05オリゴヌクレオチドと 接触させ、これを増幅して第1段階反応生成物を得、 (b)該第1段階反応生成物を少なくとも1種の他のLU105オリゴヌクレ オチドと接触させて第2段階反応生成物を得、ただし、該他のLU105オリゴ ヌクレオチドは工程(a)において用いられるLU105オリゴヌクレオチドに 対して3’に位置し、かつ該第1段階反応生成物に対して相補的であり、及び、 (c)該第2段階反応生成物を標的LU105ポリヌクレオチドの存在の指標 として検出することを包含し、 工程(a)及び(b)において用いられるLU105オリゴヌクレオチドは配 列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及 びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも5 0%の同一性を有する方法。 7. 前記試験試料を工程(a)、(b)又は(c)のうちの1つを実施する前 に固相と反応させる、請求の範囲第6項の方法。 8. 前記検出工程が測定可能な信号を生成することができる検出可能な標識を 用いることを包含する、請求の範囲第6項の方法。 9. 前記検出可能な標識を固相と反応させる、請求の範囲第8項の方法。 10. 試験試料中のLU105ポリヌクレオチドを検出するのに有用な試験キ ットであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの 断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも50%の同一 性を有するLU105ポリヌクレオチドの少なくとも1種を収容する容器を含む 試験キット。 11. LU105遺伝子から誘導される精製ポリヌクレオチド又はそれらの断 片であって、該ポリヌクレオチドは該LU105遺伝子の核酸と選択的にハイブ リダイズすることが可能であり、かつ配列番号1、配列番号2、配列番号3、配 列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少 なくとも60%の同一性を有する精製ポリヌクレオチド又はその断片。 12. 前記ポリヌクレオチドが組換え技術によって生成される、請求の範囲第 11項の精製ポリヌクレオチド。 13. 前記ポリヌクレオチドが合成技術によって生成される、請求の範囲第1 1項の精製ポリヌクレオチド。 14. 前記ポリヌクレオチドが少なくとも1つのLU105エピトープをコー ドする配列を含む、請求の範囲第11項の精製ヌクレオチド。 15. 所望の宿主に適合する制御配列に作動可能に連結するLU105から誘 導されるオープンリーディング枠を含む核酸配列を包含する組換え発現系であっ て、該核酸配列は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号 5、配列番号6及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される配列 との少なくとも50%の同一性を有する組換え発現系。 16. 請求の範囲第15項の組換え発現系が形質移入されている細胞。 17. 配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号 23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配列 との少なくとも50%の同一性を有するLU105ポリペプチド。 18. 前記ポリペプチドが組換え技術によって生成される、請求の範囲第17 項のポリペプチド。 19. 前記ポリペプチドが合成技術によって生成される、請求の範囲第17項 のポリペプチド。 20. 少なくとも1つのLU105エピトープに特異的に結合する抗体であっ て、該LU105エピトープは、配列番号19、配列番号20、配列番号21、 配列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より 選択されるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列に 由来するものである抗体。 21. 試験試料中のLU105抗原又は抗−LU105抗体の存在を決定する ための検定キットであって、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列 番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択 されるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するLU105ポリペプ チドを収容する容器を含む検定キット。 22. 前記ポリペプチドが固相に付着する、請求の範囲第21項の検定キット 。 23. 試験試料中のLU105抗原の存在を決定するための検定キットであっ て、少なくとも1つのLU105エピトープを含むLU105抗原と特異的に結 合する抗体を収容する容器を含む検定キット。 24. 前記抗体が固相に付着する、請求の範囲第23項のキ ット。 25. 特定ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む発現ベクタ ーが形質移入されている宿主細胞をインキュベートすることを含んでなる、少な くとも1つのLU105エピトープを含むポリペプチドの生成方法であって、該 特定ポリペプチドは配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22 、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるア ミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含む方法。 26. LU105抗原を含むことが疑われる試験試料中のLU105抗原の検 出方法であって、 (a)試験試料を、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号2 2、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択される LU105抗原のエピトープの少なくとも1つと特異的に結合する抗体又はそれ らの断片と接触させ、ここで該接触は抗体/抗原複合体の形成に十分な時間及び 条件下で行われ、及び、 (b)該複合体の存在をLU105抗原の存在の指標として検出する、 ことを包含する方法。 27. 前記抗体が固相に付着する、請求の範囲第26項の方法。 28. LU105抗原に特異的な抗体を含むことが疑われる試験試料中で該抗 体を検出する方法であって、 (a)該試験試料をLU105ポリペプチドと接触させ、ここで該LU105 ポリペプチドは配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配 列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ 酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列もしくはそれらの断 片から誘導されるLU105エピトープを少なくとも1つ含み、さらに該接触は 抗原/抗体複合体の形成を可能にするのに十分な時間及び条件下で行われ、及び 、 (b)該複合体を検出する、 ことを包含する方法。 29. 前記LU105ポリペプチドが固相に付着する、請求の範囲第28項の 方法。 30. 少なくとも1つのLU105エピトープをコードする核酸配列を形質移 入した細胞であって、該核酸配列は配列番号 1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれ らの断片もしくは相補物からなる群より選択される細胞。 31. 個体に単離された免疫原性ポリペプチド又はそれらの断片を免疫応答を 誘発するのに十分な量投与することを包含する、LU105抗原に特異的に結合 する抗体の生成方法であって、該免疫原性ポリペプチドは少なくとも1つのLU 105エピトープを含み、かつ配列番号19、配列番号20、配列番号21、配 列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片からなる群より選 択される配列との少なくとも50%の同一性を有する方法。 32. LU105抗原に特異的に結合する抗体の生成方法であって、少なくと も1つのLU105エピトープをコードする配列を含むプラスミドを哺乳類動物 に投与することを包含し、該LU105エピトープは配列番号19、配列番号2 0、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの 断片からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドから誘導され る方法。 33. LU105ポリヌクレオチド又はそれらの断片を含む 物質の組成物であって、該ポリヌクレオチドが配列番号1、配列番号2、配列番 号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、及びそれらの断片もしくは相補物 からなる群より選択されるポリヌクレオチドとの少なくとも60%の同一性を有 する組成物。 34. 少なくとも1つのLU105エピトープを含むポリペプチドを含んでな る物質の組成物であって、該ポリペプチドが配列番号19、配列番号20、配列 番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、及びそれらの断片から なる群より選択される配列との少なくとも50%の同一性を有する組成物。 35. 前記試料の収集に有用な用具を備える容器をさらに含む請求の範囲第1 0項の試験キットであって、該用具がランセット、吸取紙、布、スワブ及びカッ プからなる群より選択される試験キット。 36. 前記試料の収集に有用な用具を備える容器をさらに含む請求の範囲第2 1項の検定キットであって、該用具がランセット、吸取紙、布、スワブ及びカッ プからなる群より選択される検定キット。 37. 前記試料の収集に有用な用具を備える容器をさらに含 む請求の範囲第23項の試験キットであって、該用具がランセット、吸取紙、布 、スワブ及びカップからなる群より選択される試験キット。 38. 配列番号19との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含 むLU105タンパク質をコードする遺伝子又はそれらの断片。 39. 配列番号5との少なくとも50%の同一性を有するDNAを含む遺伝子 又はそれらの断片。
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