[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2001515055A - 造影剤に関する改良 - Google Patents

造影剤に関する改良

Info

Publication number
JP2001515055A
JP2001515055A JP2000509452A JP2000509452A JP2001515055A JP 2001515055 A JP2001515055 A JP 2001515055A JP 2000509452 A JP2000509452 A JP 2000509452A JP 2000509452 A JP2000509452 A JP 2000509452A JP 2001515055 A JP2001515055 A JP 2001515055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
chamber
fluorocarbon
dispersion
microbubbles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000509452A
Other languages
English (en)
Inventor
トーレ・オムトヴェイト
Original Assignee
ニユコメド・イメージング・アクシエセルカペト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ニユコメド・イメージング・アクシエセルカペト filed Critical ニユコメド・イメージング・アクシエセルカペト
Publication of JP2001515055A publication Critical patent/JP2001515055A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/22Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations
    • A61K49/222Echographic preparations; Ultrasound imaging preparations ; Optoacoustic imaging preparations characterised by a special physical form, e.g. emulsions, liposomes
    • A61K49/223Microbubbles, hollow microspheres, free gas bubbles, gas microspheres

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、凍結乾燥室または同様の真空室内の一つまたはそれ以上の容器に含まれる凍結乾燥可能な前駆体材料を凍結乾燥し、フッ素化ガスを該室に導入し、そして該容器の密封閉鎖を実施することからなり、該容器の閉鎖に続いて、雰囲気ガスの過剰圧力を該室に適用し、そして該フルオロカーボンガスを該室に連結された凝縮器中で凝縮させることを特徴とするフルオロカーボン含有凍結乾燥造影剤の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、診断画像形成に有用なガス含有造影剤の製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波画像形成が、例えば血管系の特にカルジオグラフィーにおける研究およ
び微細血管系組織の研究において、潜在的に有益な診断手段を含むということは
よく知られている。様々な造影剤が、得られた音響画像を高めるために提案され
ており、固体粒子の懸濁液、乳濁液体滴、ガス気泡およびカプセル封入ガスもし
くは液体を含む。容易に圧縮可能な低密度造影剤は、それにより生じる音響後方
散乱に関して特に効率的であり、そしてそれゆえにガス含有およびガス発生系の
製造においてかなりの利点が示された。
【0003】 ガス含有造影剤は、磁気共鳴(MR)画像形成において、例えばMRシグナル
強度を減少させるように作用する感受性造影剤として、効果的であることもまた
知られている。酸素含有造影剤も潜在的に有用な常磁性MR造影剤である。 さらに、X線画像形成の分野において、二酸化炭素のようなガスは負の経口造
影剤または脈管内造影剤として用い得るということが観察された。 放射性のガス、例えばキセノンのような不活性ガスの放射性同位体の使用もま
た、例えば血液プール画像形成のためのシンチオグラフィーにおいて提案されて
いる。
【0004】 生理学的に許容し得る物質の心臓内注射によるインビボ発生の遊離ガス気泡に
関する最初の研究は、エコグラフィーにおける造影剤として該気泡の潜在的効率
を示した。しかしながらこのような技法は遊離気泡の寿命が短いので実際には厳
格に制限される。従って、エコカルジオグラフィーおよび他の超音波研究のため
にガス気泡を安定させる方法、例えば、乳化剤、油、増粘剤もしくは糖を用いる
か、または様々なシステムにおけるガスもしくはその前駆体を、例えば多孔性ガ
ス含有微粒子もしくはカプセル封入ガス微小気泡として連行またはカプセル封入
することによりガス気泡を安定させる方法に関心が示された。
【0005】 リン脂質をガス含有超音波造影剤の成分として使用する多くの従来技術が存在
する。すなわち、例えば、脂質二層がガスまたはガス前駆体を含む閉じ込められ
た組成物を取り囲むリン脂質リポソームを超音波造影剤として使用することはU
S−A−4900540に開示されている。カプセル封入材料は、典型的には水
性重炭酸ナトリウムのようなガス前駆体であり、該水性重炭酸ナトリウムは、投
与されると、身体のpHにさらされて二酸化炭素を発生すると言われる。生じたリ
ポソームの芯はそれゆえに、極端に小さなガスの微小気泡を含有する液体を含む
傾向にあり、該微小気泡はそのサイズが小さいために、限られた反響度しか示さ
ない。
【0006】 WO−A−9115244は、液体充填リポソームの懸濁液中に形成された空
気または他のガスの微小気泡を含む超音波造影剤を開示し、リポソームは外見上
微小気泡を安定させている。このような系は、空気または他のガスがリポソーム
内にある上述のUS−A−4900540の系と区別される。 WO−A−9211873は、微小気泡を吸収し安定させそしてそれにより超
音波造影剤として役立つように設計された水性組成物について記述し、該組成物
はポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンポリマーおよび負に帯電したリン
脂質を含む。ポリマー対リン脂質の重量比は典型的には約3:1である。
【0007】 ガス充填リポソーム、すなわち実質的にその内部に液体の全く無いリポソーム
、を含む超音波造影剤、および真空乾燥ガス点滴注入法によるそれらの製造は、
WO−A−9222247に記述されている。ゲル状態振とうガス点滴注入法に
よるこのようなガス充填リポソームの製造はWO−A−9428780に記述さ
れている。超音波造影剤としてのジパルミトイルホスファチジルコリンからなる
ガス充填脂質二層に関する報告が、Unger外による、Investigative Radiology 2
9、Supplement 2、S134−S136(1994年)に提示されている。
【0008】 WO−A−9409829は、少なくとも一つのリン脂質安定剤を含む水性担
体液体中のガス微小気泡の注入可能な懸濁液を開示し、該担体中のリン脂質の濃
度は0.01重量%未満であるが、リン脂質分子がガス微小気泡−液体の界面に 単独で存在する量と同等であるかまたはそれ以上である。リン脂質の量は、それ
ゆえに、ガス微小気泡の周囲の界面活性剤の単一層の形成に必要な量と同じくら
い少なくてもよく、その結果生じるフィルム状構造は崩壊または融合に対して気
泡を安定させる。リポソーム状界面活性剤二層を有する微小気泡は、このような
低いリン脂質濃度が用いられるときは得られないと言われている。
【0009】 さらに別の従来技術は、安定性および反響効果の持続期間のような性質を高め
るための、ガス微小気泡含有超音波造影剤用ガスの選択に関する。すなわち、例
えばWO−A−9305819は、5より大きい係数Qを有するガスの遊離微小
気泡の使用を提案しており、ここで、 Q=4.0×10-7×ρ/CSD である(ここで、ρはkg/m3で表すガスの密度であり、CSはモル/リットルで 表すガスの水溶解性であり、そしてDはcm3/秒で表す溶液中のガスの拡散率で ある)。この要求を満たすと言われるガスの広範囲のリストが提示されている。
【0010】 EP−A−0554213は、圧力下での崩壊に対する抵抗を、少なくとも一
つのガスを導入することによりガス充填微小気泡に付与し得ることを示唆してい
る。ここで該ガスは、標準状態でガスのリットル/水のリットルを、その分子量
の平方根で割って表した場合、0.003を超えない水中溶解性を有する。好ま しいガスは、六フッ化イオウ、六フっ化セレンおよび様々なFreons(商標名)を
含むと言われる。このようなガスは特に、上述のWO−A−9215244に記
載の型のリン脂質含有組成物に使用し得る。
【0011】 Schneider外は、Investigative Radiology 30(8)、451-457頁(1995)に おいて、新しい超音波写真造影剤について記述しており、該造影剤は、ポリエチ
レングリコール4000と、リン脂質ジステアロイルホスファチジルコリンおよ
びジパルミトイルホスファチジルグリセロールの混合物との組み合わせにより外
見上安定化された、六フッ化イオウ充填微小気泡を基にしている。空気よりむし
ろ六フッ化イオウの使用により、左心臓で収縮中に起こるような血圧上昇に対し
て改良された抵抗を与えると言われている。
【0012】 WO−A−9503835は、ガス混合物を含有する微小気泡の使用を提案し
ている。該ガス混合物の組成は、微小気泡の大きさに対する浸透効果を考慮に入
れるために、微小気泡の内部と外部の両方のガス分圧に対する考慮に基づいてい
る。代表的な混合物は、低い蒸気圧を有しそして血液または血清中で限られた溶
解性を有するガス(例えばフルオロカーボン)を、別のガスと組み合わせて含み
、この別のガスは通常の血液または血清中に存在するガス(例えば窒素、酸素、
二酸化炭素またはそれらの混合物)と急速に交換されるようなガスである。 WO−A−9516467は、ガスAとガスBの混合物を含有する超音波造影
剤の使用を示唆しており、ここでガスBは0.5−41%容量/容量(v/v) の量で存在し、80ダルトンより大きい分子量を有し、そして標準状態下で水1
ml当たり0.0283mlより低い水溶解性を有し、該混合物の残量はガスAであ る。代表的なガスAは空気、酸素、窒素、二酸化炭素およびそれらの混合物を含
む。代表的なガスBはフッ素含有ガス、例えば六フッ化イオウおよび様々なペル
フルオロ化炭化水素を含む。このような造影剤中の好ましい安定剤はリン脂質を
含む。
【0013】 従来技術の造影剤において有用であると言われているリン脂質には、レシチン
(即ち、ホスファチジルコリン)、例えば卵黄レシチンまたは大豆レシチンのよ
うな天然レシチン、およびジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイ
ルホスファチジルコリンまたはジステアロイルホスファチジルコリンのような合
成又は半合成レシチン;ホスファチジン酸;ホスファチジルエタノールアミン;
ホスファチジルセリン;ホスファチジルグリセロール;ホスファチジルイノシト
ール;カルジオリピン;スフィンゴミエリン;前記のいずれかの混合物およびコ
レステロールのような他の脂質との混合物が含まれる。レシチン誘導体は、多分
天然資源から容易に入手できることにより、最も普通に使用されるリン脂質であ
ると思われる。50重量%(%w/w)までの量のコレステロールのような添加
剤の使用はWO−A−9115244およびWO−A−9409829に開示さ
れており、一方、安定性を高めるために少なくとも少量(例えば約1モル%)の
負に荷電した脂質(例えばホスファチジルセリンまたは脂肪酸)を含めることが
WO−A−9222247において示唆されている。WO−A−9428780
による好ましいリン脂質組成物は、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ポリ
エチレングリコール5000−置換ジパルミトイルホスファチジルエタノールア
ミンおよびジパルミトイルホスファチジン酸を、約87:8:5のモル比で含む
。WO−A−9409829およびWO−A−9516467による典型的な混
合リン脂質組成物は、ジアラキドイルホスファチジルコリンおよびジパルミトイ
ルホスファチジン酸を約100:4の重量比で含むが、後者の明細書には同じ重
量のジステアロイルホスファチジルコリンおよびジパルミトイルホスファチジル
グリセロールの使用もまた例示されている。
【0014】 前述から、造影剤として使用することが提案された現存のリン脂質含有微小気
泡懸濁液中で、リン脂質成分の少なくとも50%はレシチンのような中性リン脂
質を含むことが明らかであろう。最も普通には少ない割合だけしか、例えば約5
%、帯電したリン脂質は存在しない。 優勢的に帯電したリン脂質を微小気泡含有造影剤の本質的に単一の両親媒性成
分として使用することにより、生成物の安定性および音響性のようなパラメータ
の点で価値がありかつ予期せぬ利益がもたらされ得ることが、WO97/297
83において報告されている。理論的考慮により制限されることを望まないが、
帯電したリン脂質膜間の静電的反発力は、微小気泡−担体液体界面において安定
したそして安定化性の単一層の形成を促し、このような薄い膜の柔軟性および変
形性は、一つまたはそれ以上の脂質二層を含むガス充填リポソームに対するこの
ような生成物の反響度を高めると考えられる。
【0015】 帯電したリン脂質の使用により、さらなる界面活性剤および/または粘性促進
剤のような添加剤に頼ることなしに、例えば安定性、分散性および融合抵抗性に
関して有利な適性を有する微小気泡造影剤を与えることが可能となり、それによ
り、造影剤の注入に際して被検者の身体に投与する成分の数が最小限に保たれる
ことが確実となり得ることもまた示唆されている。すなわち、例えば、微小気泡
の帯電した表面は静電反発力の結果として、それらの凝集を最少化または阻止す
ることができる。
【0016】 WO97/29783の一つの態様によると、注入可能な水性担体液体中に、
リン脂質含有両親媒性材料により安定させたガス微小気泡を含む懸濁液からなる
診断研究での使用のための造影剤が提供され、該両親媒性材料は、正味の電荷を
有する分子を優勢的に含むリン脂質から本質的になることを特徴とする。 このような造影剤中の、望ましくは少なくとも75%、好ましくは実質的に全
部のリン脂質材料が、製造および/または使用の条件下で正味の電荷を帯びた分
子からなり、該電荷は正であるか、またはより好ましくは負であり得る。代表的
な正に帯電したリン脂質は、例えばジパルミトイルホスファチジン酸またはジス
テアロイルホスファチジン酸のようなホスファチジン酸と、ヒドロキシエチレン
ジアミンのようなアミノアルコールとのエステルを含む。負に帯電したリン脂質
の例には、天然の(例えば大豆又は卵黄誘導の)、半合成の(例えば部分的に又
は完全に水素添加された)および合成のホスファチジルセリン、ホスファチジル
グリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸およびカルジオ
リピンが含まれる。このようなリン脂質の脂肪アシル基は、例えばパルミトイル
およびステアロイル基におけるように、典型的に各々約14−22個の炭素原子
を含む。このような帯電したリン脂質のリソ(lyso)形態もまた有用であり、“
リソ”という用語は、1個だけの脂肪アシル基を含むリン脂質を意味し、これは
好ましくはグリセリル部分の1位の炭素原子にエステル結合されている。このよ
うな帯電したリン脂質のリソ形態は、2個の脂肪アシル基を含む帯電したリン脂
質と混合して用いるのが有利である。
【0017】 ホスファチジルセリンは、このような造影剤に使用する特に好ましいリン脂質
であり、好ましくは最初のリン脂質成分のかなりの部分、例えば少なくとも80
%、例えば85−92%を構成するが、これは加熱殺菌のようなその後の加工に
おいていくらか、例えば約70%まで減少し得る。このような加工が遊離脂肪酸
のような非リン脂質分解生成物の例えば10%までのレベルでの形成につながる
ことが理解されるであろう。ここでの本質的にリン脂質からなる両親液性材料へ
の言及は、このような遊離脂肪酸を含むリン脂質を包含するものと解釈される。
理論的考慮により制限されることは望まないが、隣接するセリン部分のカルボキ
シル基およびアミノ基の間のイオン性結合(ブリッジング)は、例えばそれらの
良好な圧力安定性により証明されるように、ホスファチジルセリン含有系の安定
性に貢献するかもしれない。好ましいホスファチジルセリンは、飽和した(例え
ば水素添加した、または合成の)天然ホスファチジルセリンおよび合成または半
合成のジアルカノイルホスファチジルセリン、例えばジステアロイルホスファチ
ジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリンおよびジアラキドイルホスフ
ァチジルセリンを含む。
【0018】 このようなホスファチジルセリンに基づく造影剤の使用における重要な利点は
、身体が、古くなった赤血球および血小板をそれらの表面上の高濃度のホスファ
チジルセリンにより認識し、そして赤血球の除去と同様の方法で血流からこのよ
うな造影剤を除去し得ることである。さらに、このような造影剤の表面は身体が
内発的なものと認識するので、造影剤は例えば、大量出血(haemodynamic)作用
、およびいくつかのリポソーム製剤(例えばWO−A−9512386参照)の
投与を伴い得る他のアナフィラキシー反応のような悪い全身的副作用の誘発を回
避することができる。これを支持するものとして、WO97/29783に従っ
て造影剤の静脈内丸薬を1回の通常の画像形成投与につき10回までの投与量で
犬に注入する動物実験で、血圧または心拍数の変化のような急性の有毒な作用は
観察されなかった。
【0019】 あらゆる生物適合性ガスがこのような造影剤に使用可能である。本願で使用さ
れる“ガス”の用語は、37℃の通常のヒトの体温で実質的に又は完全に気体(
蒸気を含む)の形態にあるあらゆる物質(混合物を含む)を含むと理解される。
従って該ガスには、例えば、空気;窒素;酸素;二酸化酸素;水素;亜酸化窒素
;ヘリウム、アルゴン又はクリプトンのような不活性ガス;サルファヘキサフル
オリド、ジサルファデカフルオリド又はトリフルオロメチルサルファペンタフル
オリドのようなイオウフッ素化物;セレンヘキサフルオリド;テトラメチルシラ
ンのような任意にハロゲン化されたシラン;低分子量炭化水素(例えば7個まで
の炭素原子を含む)、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン又はペンタンの
ようなアルカン、シクロブタン又はシクロペンタンのようなシクロアルカン、プ
ロペン又はブテンのようなアルケン、アセチレンのようなアルキン;エーテル;
ケトン;エステル;ハロゲン化低分子量炭化水素(例えば7個までの炭素原子を
含む);又は前記のいずれかの混合物が含まれる。ハロゲン化ガス内の少なくと
も幾つかのハロゲン原子はフッ素原子であるのが有利である。従って生物適合性
ハロゲン化炭化水素ガスは、例えば、ブロモクロロジフルオロメタン、クロロジ
フルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタン、クロ
ロトリフルオロメタン、クロロペンタフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロ
エタン、およびペルフルオロカーボン、例えばペルフルオロメタン、ペルフルオ
ロエタン、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン(例えば任意にペルフル
オロイソブタンのような他の異性体と混合したペルフルオロ−n−ブタン)、ペ
ルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサンおよびペルフルオロヘプタンのよう
なペルフルオロアルカン;例えばペルフルオロプロペン、ペルフルオロブテン(
例えばペルフルオロブタ−2−エン)およびペルフルオロブタジエンのようなペ
ルフルオロアルケン;ペルフルオロブタ−2−インのようなペルフルオロアルキ
ン;およびペルフルオロシクロブタン、ペルフルオロメチルシクロブタン、ペル
フルオロジメチルシクロブタン、ペルフルオロトリメチルシクロブタン、ペルフ
ルオロシクロペンタン、ペルフルオロメチルシクロペンタン、ペルフルオロジメ
チルシクロペンタン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロメチルシクロ
ヘキサンおよびペルフルオロシクロヘプタンのようなペルフルオロシクロアルカ
ンから選ぶことができる。その他のハロゲン化ガスには、ペルフルオロアセトン
のようなフッ素化(例えばペルフルオロ化)ケトン、およびペルフルオロジエチ
ルエーテルのようなフッ素化(例えばペルフルオロ化)エーテルが含まれる。
【0020】 特に安定した微小気泡懸濁液を形成することで知られる(例えば前記のSchnei
der外による文献を参照)イオウフッ素化物またはフルオロカーボン(例えばペ ルフルオロカーボン)のようなフッ素化ガスを使用することは有利であろう。微
小気泡の内部および外部の両方の分圧およびそれに伴う微小気泡サイズに対する
浸透作用を考慮したガス混合物(例えばWO−A−9503835に記載されて
いる)、例えば、窒素または空気のような比較的血液に溶解性のガスとペルフル
オロカーボンのような比較的血液に不溶性のガスとの混合物を所望により使用し
得る。
【0021】 しかし、WO97/29783による造影剤、例えばホスファチジルセリンに
より安定化されたペルフルオロブタンのようなペルフルオロアルカンの微小気泡
を含む造影剤は、被検者への静脈内投与の後にサイズにおいて驚異的に安定して
おり、このようなガスの微小気泡が、酸素、窒素および二酸化炭素のような血液
ガスの内部への拡散の結果として制御不能に生長するというような、前に記述し
た傾向を示さず、その代わりに最大限の大きさに急速に達し、さらなる生長が観
察されない。この望ましくなくそして潜在的に危険性の高い毛細血管の閉塞につ
ながるであろう無制限のサイズの増大を回避することは、このような造影剤の大
きな利点である。
【0022】 ペルフルオロブタンのようなペルフルオロアルカンを含む造影剤は、インビボ
で遭遇する典型的な圧力と同様の圧力下で驚異的な高安定性を示すこともまた見
いだされ、例えば、300mmHgまでの(例えば空気の)過剰圧力に90秒間さら
した後、通常のサイズ分布および反響性へほぼ完全に(例えば少なくとも90%
の)回復することを示す。
【0023】 WO97/29783の造影剤は、シンチグラフィー、光画像形成、超音波、
MRおよびX線(軟(soft)X線を含む)画像形成を含む様々な診断画像形成に
用い得る。診断用超音波画像形成およびMR画像形成において、例えば感受性造
影剤としてそれらを使用することは、本発明の好ましい特徴である。様々な画像
形成技法が超音波用、例えば基本的なおよび調和Bモード画像形成、並びに基本
的なおよび調和ドップラー(Doppler)画像形成に使用できる。所望により三次 元画像形成技法を用いてもよい。造影剤は、例えばUS−A−5601085お
よびWO97/12551に記載されているように、相関技法に基づいた超音波
画像形成法にもまた用い得る。
【0024】 犬におけるインビボ超音波テストは、このような造影剤が、1−20nl微小気
泡/kg体重の低い投与量の静脈内注入後に、15−25dBの心筋からの後方散乱
シグナル強度の増加を生じ得ることを示している。低い投与量でさえも、カラー
ドップラーもしくはドップラー−誘導技法のような感度がもっとよい技法を用い
てシグナルを観察することができる。該技法は、例えば、Tucker外によるLancet
(1968)1253頁に、MillerによるUltrasonics(1981)217-224頁に、およびNewh
ouse外によるJ.Acoust.Soc.Am.75、1473-1477頁(1984)に記載されている ような、振幅に基づくドップラーまたは非線形技法である。このような低投与量
で、心室のような血液が充填した区画における減衰は、心筋血管系における関心
のある領域の視覚化を可能にするには十分低いことが見出されている。このよう
な静脈内注入造影剤が全血液プール中に分配され、それにより全脈管系組織の反
響度が高まり、そして該造影剤が再循環することもまたテストにより示されてい
る。それらは一般的ドップラーシグナル向上(増強)助剤として有用であり、そ
してさらに超音波計算トモグラフィー(computed tomography)および生理学的 に開始されたまたは断続性画像形成に有用であることもまた見いだされた。
【0025】 エコカルジオグラフィーのような超音波応用について、肺動脈系を自由に通過
することを可能にしそして約0.1〜15MHzの好ましい画像形成振動数での共鳴
を達成するために、0.1〜10μm、例えば1〜7μmの平均サイズの微小気泡 を用いるのが便利であろう。WO97/29783による造影剤は、エコカルジ
オグラフィーに好ましい範囲内で微小気泡分散のために非常に狭いサイズ分布を
持つように製造され、それによりそれらの反響度ならびにインビボにおける安全
性が大きく高まり、そして造影剤が血圧測定、血流追跡および超音波トモグラフ
ィーのような適用において特に有利なものとなる。このように、例えば、90%
を超える(例えば少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%)微小気泡が
1〜7μmの範囲内の直径を有しそして5%未満(例えば3%以下、好ましくは 2%以下)の微小気泡が7μmを超える直径を有するような生成物を容易に製造
し得る。
【0026】 超音波適用において、このような造影剤は、例えば、注入されるリン脂質の量
が0.1〜10μg/kg体重の範囲内、例えば基本的Bモード画像形成の場合1〜
5μg/kg体重であるような投与量で投与し得る。このような低レベルのリン脂 質の使用は、起こり得る有毒な副作用を最少化するのにかなり有利であることが
理解されるであろう。さらに、有効な投与量中に存在する低レベルのリン脂質は
、投与量の増加を可能にして、悪影響なしに観察時間を延長し得る。 このような造影剤の注入形態中の全体的なリン脂質濃度は、好都合には0.0 1〜2%w/w(重量%)の範囲内、例えば0.2〜0.8%w/w、有利には約
0.5%w/wであり得る。
【0027】 一般に、WO97/29783による多くの現存の造影剤配合物に通常使用さ
れている乳化剤および/または粘度増加剤のような添加剤を造影剤に含ませる必
要はない。このことは、被検者の身体に投与する成分の数を最小限に保ちそして
確実に造影剤の粘度をできるだけ低くするのに有利である。しかしながら、造影
剤の製造は後に詳細に記述する凍結乾燥段階を典型的に含むので、凍結保護(cr
yoprotective)および/または溶解保護(lyoprotective)効果を有する一つま たはそれ以上の薬剤、および/または一つまたはそれ以上の増量剤を含むことが
有利である。該増量剤は、例えばアルコール(例えばt−ブタノールのような脂
肪アルコール);グリセロールのようなポリオール;グリシンのようなアミノ酸
;炭水化物(例えばスクロース、マンニトール、トレハロース、グルコース、ラ
クトースまたはシクロデキストリンのような糖類、またはデキストランのような
多糖類);またはポリエチレングリコールのようなポリグリコールである。凍結
保護および/または溶解保護効果を有する薬剤の実質的なリストは、Acta Pharm
.Technol.34(3)、129-139頁(1988)に与えられ、その内容を本願に参考と して含める。スクロースのような生理学的に十分許容される糖を、例えば生成物
を等張性またはいくらか高張性にするような量で使用するのが好ましい。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
例えばWO−A−9409829に記載されているような従来技術の微小気泡
含有造影剤は、典型的には、粉末状界面活性剤(例えば凍結乾燥し前以て形成さ
れたリポソーム、または凍結乾燥若しくは噴霧乾燥したリン脂質溶液)を、空気
または他のガスと接触させ、次に水性担体と接触させ、撹拌して微小気泡懸濁液
を発生させることにより製造され、その製造直後に該懸濁液は投与されなければ
ならない。しかし、このような製法は、必要な分散体を発生させるために相当の
撹拌エネルギーを付与しなければならず、また微小気泡のサイズおよびサイズ分
布は適用されるエネルギーの量に依存し、そのために実際には制御できないとい
う不利を被る。
【0029】 WO97/29783による造影剤は、有利には、ガス微小気泡分散体を、所
望により先立ってオートクレーブするかそうでなければ殺菌した、適切なリン脂
質含有水性媒体中に発生させ、そしてその後該分散体を凍結乾燥させて、乾燥し
た再構成可能な生成物を得ることにより製造できる。乾燥生成物は一つまたはそ
れ以上の凍結保護および/または溶解保護剤を含む場合、該乾燥生成物は、例え
ば微小気泡放出凍結保護剤および/または溶解保護剤(例えば炭水化物)マトリ
ックスを含むことができ、該マトリックスは、ガス充填された実質的に球状の、
一つまたはそれ以上の両親媒性材料の層により囲まれた空洞または空胞を含む。
【0030】 このように製造された乾燥生成物は、水のような水性媒体、塩水(有利には、
注入用の最終生成物が低張圧にならないように釣り合わせることができる)のよ
うな水溶液、または塩(例えば生理学的に許容される対イオンを有するプラズマ
カチオンの塩)、糖、糖アルコール、グリコールおよびその他の非イオン性ポリ
オール材料(例えばグルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、グ
リセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)のような一つ
またはそれ以上の張度調整物質の水溶液中で、特に容易に再構成可能であり、例
えば穏やかに手で振って得られるような最小限の撹拌しか必要としない。こうし
て発生した微小気泡のサイズは、一貫して再生成可能であり、そして実際は加え
られた撹拌エネルギーの量に依存せず、最初の微小気泡分散で形成された微小気
泡のサイズにより決定され、このサイズパラメータは驚くべきことに凍結乾燥お
よび再構成された生成物に実質的に維持される。したがって、最初の分散におけ
る微小気泡のサイズは、撹拌の方法、速度および持続時間のようなプロセスパラ
メータにより容易に制御し得るので、最終微小気泡サイズは容易に制御し得る。
【0031】 こうして製造された乾燥生成物は、周囲の条件下で数カ月間貯蔵安定性である
こともまた証明された。水又は水溶液中での再構成により生成された微小気泡分
散は、少なくとも12時間安定であり、注入に先立って乾燥生成物をいつ再構成
するかに関してかなりの融通性をもたせることができる。 上述の方法は一般に、注入可能な水性担体液体中の、膜形成性脂質により安定
化されたガス微小気泡の懸濁液を含む造影剤の製造に適用でき、該膜形成性脂質
は中性および帯電した脂質(例えばリン脂質)、ならびにそれらの混合物を含み
、そして上記方法は次の工程を含むものとして要約し得る: i)膜形成性脂質を含む水性媒質中にガス気泡の分散体を発生させ; ii)このようにして得られた脂質安定化ガス分散体を凍結乾燥して、乾燥した脂
質含有生成物を得;そして iii)該乾燥生成物を注入可能な水性担体液体中で再構成する。
【0032】 工程(i)は、例えば、脂質含有水性媒質に適切なエマルション発生技法、例
えば音響処理(sonication)、振とう、高圧均質化、高速撹拌または高剪断力混
合、例えばローターステータ(rotor-stator)ホモジナイザーを用いた高剪断力
混合、を選ばれたガスの存在下で適用することにより、実行し得る。該水性媒質
は所望により、粘度促進剤および/または脂質の溶解助剤として役立つ添加剤、
例えばアルコールまたはポリオール、例えばグリセロールおよび/またはプロピ
レングリコール、を含み得る。
【0033】 乳化工程で用いるガスは、最終生成物に望まれるガスである必要はない。この
ように、このガス成分の殆どはその後の凍結乾燥工程の間に除去することができ
、そして残留したガスは乾燥生成物の脱気により除去することができ、次いで該
乾燥生成物に所望の目的生成物ガスの雰囲気を適用し得る。乳化ガスはそれゆえ
に、目的生成物を考慮することなく、単に乳化工程パラメータを最適化するため
に選択し得る。六フッ化イオウまたはフッ素化炭化水素ガス、例えばペルフルオ
ロアルカンまたはペルフルオロシクロアルカン、好ましくは4または5個の炭素
原子を含むもの、のようなイオウフッ化物の存在下での乳化は、ばらつきがなく
且つ狭い範囲で分布する微小気泡サイズを有する目的生成物を最終的に得るとい
う点から、特に有利であろう。
【0034】 工程(i)により製造された分散体は、造影剤使用の前に一回またはそれ以上
の洗浄工程、または凍結乾燥工程(ii)に付すことが有利であり、それにより、
粘度促進剤および溶解助剤のような添加剤、ならびに非ガス含有コロイド粒子お
よび過小サイズおよび/または過大サイズの微小気泡のような望まない材料を分
離および除去し、こうして得られた洗浄された微小気泡分散体は本発明の特徴を
構成する。このような洗浄はそれ自体知られた方法で実施することができ、微小
気泡は浮選または遠心分離のような技法を用いて分離される。この方法で添加剤
を除去しかつ特に狭い範囲のサイズ分布をもつ微小気泡分散体をも得られる能力
は、上述のように、特に得られるサイズ分布が凍結乾燥および再構成後、実質的
に保持されるので、この方法の重要な利点である。工程(ii)で均質な生成物を
得るために、工程(i)からの分散体は、例えば液体窒素のような冷却媒体を用
いて可能な限り素早く冷凍するのが好ましい。従って、ガス分散、洗浄/分離、
急速冷凍、凍結乾燥および再構成工程を含む方法を用いるのが特に好ましい。
【0035】 サイズ分別された微小気泡分散が製造でき、ここで少なくとも90%の微小気
泡は2μm範囲内のサイズを有し、該微小気泡は好ましくは2〜5μmの範囲内の
容積平均直径を有する。 一つまたはそれ以上の凍結保護および/または溶解保護剤が使用される場合、
これらは、凍結乾燥に先立って、洗浄工程後に添加されるのが有利であろう。 ガス分散体の凍結乾燥は、例えばそれ自体周知の方法で、最初に冷凍しそして
その後冷凍したガス分散体を凍結乾燥することにより実施し得る。微小気泡は冷
凍に先立ってサイズ分別することが好ましく、放出された微小気泡は好ましくは
2〜5μmの範囲内の容積平均直径を有する。このような生成物は、冷凍保存す ること、および例えば簡単な加熱および/または担体液体の添加により、所望の
時に解凍することができ、造影剤として有用な微小気泡分散を再発生させること
ができる。
【0036】 乾燥生成物は通常上述の工程(iii)に従って、投与に先立って再構成される ので、ガス分散体は有利には凍結乾燥に先立って密封可能なバイアルに充填する
ことができ、それにより、注入可能な形態に再構成するための適切な量、例えば
一回用量単位、の凍結乾燥した乾燥生成物をそれぞれ含むバイアルを得ることが
できる。ガス分散体をばら荷の状態でよりもむしろ個々のバイアル中で凍結乾燥
することにより、凍結乾燥した生成物の繊細なハニカム状の構造の取り扱い、お
よびこの構造体の少なくとも部分的崩壊の危険が避けられる。凍結乾燥および任
意のさらなるガスの排気、および最終的に配合される造影剤中の微小気泡として
存在することが望ましいガスの上部空間(ヘッドスペース)への導入に続いて、
バイアルは適切な封鎖具で密封し得る。目的生成物ガス含有物を選択できる能力
は、最初の分散工程およびあらゆるそれに続く洗浄/分離工程の間の適切なプロ
セスパラメータの選択により目的生成物微小気泡のサイズを別個に制御できる能
力と結び付いて、微小気泡サイズとガス成分との独立した選択が可能となり、そ
れにより生成物を特定の適用に合うようにすることが可能となる。
【0037】 一般に、例えばあらゆる必要なおよび/または所望のガス成分の補足または交
換の後の、工程(ii)からの冷凍ガス分散体または乾燥生成物は、注入用の滅菌
性で発熱性物質を含まない水のような適当な殺菌水性注入担体液体、塩水(注入
用最終生成物が低張力でないように釣り合わせたのが有利である)のような水溶
液、または一つまたはそれ以上の(例えば前述したような)張度調整物質の水溶
液、の添加により再構成することができる。乾燥生成物がバイアル中に含まれる
場合、これは好都合には隔壁で密封され、該隔壁を通して、場合によっては前以
て充填された注射器を用いて、担体液体を注入することができる。或いは、乾燥
生成物および担体液体を2室注射器のような2室器具中に一緒に供給し得る。再
構成の後に生成物を混合するかまたは穏やかに振ることは有利であろう。しかし
、上述のように、本発明による安定化された造影剤においては、ガス微小気泡の
サイズは再構成された乾燥生成物に適用される撹拌エネルギーの量に実質的に依
存しないであろう。従って、ばらつきのない微小気泡サイズを有する再構成可能
な生成物を得るには、穏やかに手で振ること以外は必要でないであろう。
【0038】 フルオロカーボンのような望ましいガスを上述のように製造された、例えば個
々のバイアルに含まれた、凍結乾燥生成物に適用する場合、これは、望ましいガ
スを、凍結乾燥生成物のバイアルを含む凍結乾燥室または関連する真空室中に供
給することにより実施することができ、その後バイアルに栓をするかまたは密封
しそして室から除去し得る。フルオロカーボンガスおよび上に挙げた他のガスの
コストおよび潜在的な温室効果により、密封されたバイアルを室から除去すると
きに単に残留フルオロカーボンガスを大気中に逃がすのは、経済的および環境的
理由により望ましくない。本発明の一つの態様は、このような残留ガスは、室を
開放してバイアルを除去する前に、別個の凝縮容器中に有利に分離し得るという
発見に基づく。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面により、フルオロカーボン含有凍結乾燥造影剤の製造方法が提
供される。該方法は、凍結乾燥室または同様の真空室内の一つまたはそれ以上の
容器、例えばバイアル、に含まれる凍結乾燥可能な前駆体材料を凍結乾燥し、フ
ッ素化ガスを該室に導入し、そして該容器の密封閉鎖を実施することを含む方法
であって、該容器の閉鎖に続いて、雰囲気ガスの過剰圧力を該室に適用し、そし
て該フルオロカーボンガスを該室に連結された凝縮器中で凝縮させることを特徴
とする。
【0040】 本発明はさらにフルオロカーボン含有凍結乾燥造影剤の製造に使用する装置を
提供する。該装置は、凍結乾燥可能な前駆体材料用の一つまたはそれ以上の容器
を受け入れるのに適した凍結乾燥室または同様の真空室、フルオロカーボンガス
を該室に入れる手段、該容器を密封閉鎖する手段、雰囲気ガスの過剰圧力を該室
に適用する手段および凝縮器を含み、該凝縮器は上記室に連結可能でありそして
該容器の閉鎖後に該室に残留するフルオロカーボンガスを受け入れそして凝縮す
るのに適合する。 フルオロカーボンガスは前述したように、例えばペルフルオロブタンのような
ペルフルオロカーボンであり、望ましくは殺菌フィルターを通して装置に導入さ
れる。
【0041】 雰囲気ガスは空気またはその成分、例えば窒素であり、好ましくは殺菌されて
いる。過剰圧力の使用は、容器の閉鎖を維持して、例えば可動式シェルフ(棚)
アセンブリーにより挿入されたバイアルストッパーが閉鎖位置から引っ込むとき
に該シェルフに粘着するのを防ぐために有利である。可動式シェルフアセンブリ
ー中のシェルフは好ましくはテフロンのような非粘着性材料で塗装される。過剰
圧力はまた、残留するフルオロカーボンガスを室からフラッシュするのを助ける
ために維持され得る。
【0042】 凝縮器は凍結乾燥装置の凝縮ユニットであってもよく、該容器は凍結乾燥の後
、適切なバルブにより室から分離され、その中の氷を融解するために(例えば蒸
気により)加熱され、排水され、乾燥され、そしてフルオロカーボンガスの沸点
より下の温度まで冷却され得る。標準的な凍結乾燥冷却回路はそれ自体、凝縮器
内の温度をフルオロカーボンガスの沸点より下にし得る。しかし、もしこのよう
な温度がまだ沸点より上であるなら、液体窒素またはドライアイス/アセトン冷
却混合物を用いて、さらに冷却を達成することができる。フルオロカーボンガス
の室への導入、容器の密封および雰囲気ガスの室への加圧の後、分離バルブを開
放して、フルオロカーボンガスを冷却コイルに拡散させ、凝縮させそして溶媒ト
レーに集めることができる。凝縮フルオロカーボンは排気したフラスコに供給す
ることができ、該フラスコはフルオロカーボンの沸点より下の温度に継続的に冷
却され、そして溶媒トレーの排水点に連結される。
【0043】 或いは、フルオロカーボンガスを供給するのに用いられる供給容器をそれ自体
凝縮器として用いてもよい。すなわち容器は、フルオロカーボンガスの導入後に
室から分離し、(例えば液体窒素中での浸漬により)冷却し、そして容器の密封
および雰囲気ガスの適用の後に室に再連結し得る。 さらなる代替肢として、外部凝縮器を、例えば絞り真空ポンプ経由で、室に連
結し得る。フッ素化ガスは比較的重いので、外部凝縮器は好ましくは室の下部に
雰囲気ガス入口からできるだけ離して連結すべきである。一つの態様において、
凝縮器は、例えばフルオロカーボンガス用の多数(例えば3個)の入口を有する
垂直に配置した円筒形容器を含むことができ、該入口は該容器の頂部表面の外周
の周りに離して置いて、ガス流入物を確実に拡散させる。ガスは、一連の互い違
いの任意にそらせた(baffled)円周状冷却コイル上を下降し、凝縮しそして容 器の下部に集まり、そこから排気および冷却されたフラスコに移すことができる
。フラスコは冷却コイルを備えることができ、好ましくはフルオロカーボンを液
体形に維持するのに十分なターン(巻き数)を有する。ドリップ捕獲器具に取り
付けた同軸出口パイプは容器内の収集ゾーンの上に位置し、そして容器の頂部表
面を通って大気中へ出る。
【0044】 一般に、回収された凝縮フルオロカーボンは好ましくは再利用の前に精製(例
えば蒸留)および/または殺菌(例えば濾過)操作に付される。 凍結乾燥可能な前駆体材料は、例えば、膜形成性脂質を含む水性媒質中のガス
微小気泡の分散体を含むことができ、該膜形成性脂質は、例えばリン脂質、好ま
しくはホスファチジルセリンのような負に帯電したリン脂質である。 脂質安定化ガス微小気泡含有造影剤は噴霧乾燥操作により製造することができ
、該噴霧乾燥操作は前述の乳化/凍結乾燥操作よりも操作が簡単で安価でありま
た、実質的に単一サイズの微粒子を効率的に形成させるであろうことが、さらに
見いだされた。
【0045】 このように、本発明の別の側面によると、脂質安定化ガス微小気泡を含む造影
剤の製造方法が提供され、この方法において該脂質の溶液または分散体は該ガス
の雰囲気中で噴霧乾燥される。 上記脂質は、例えばリン脂質、好ましくはホスファチジルセリンのような負に
帯電したリン脂質であり、それらを注入用の水または(例えば目的生成物が等張
となるように)水性スクロース溶液のような水性溶媒媒質中に、またはクロロホ
ルム/メタノール/水、2−ブタノール/水またはテトラヒドロフラン/水のよ
うな水性/有機溶媒系中に溶解または分散し得る。
【0046】 例えば前述したようなあらゆる適当なガスを使用することができる。フッ素化
ガス、例えばペルフルオロブタンのようなペルフルオロカーボンの使用は特に有
利であろう。このようなガスは有利には閉じたシステム内で、例えばデンマーク
のNiro A/S社により製造された薬剤噴霧乾燥装置内で使用すべきであること が理解されるであろう。 このような噴霧乾燥操作に従って製造されたガス充填中空微粒子は、即座に再
構成できるようにバイアルまたは同様の容器内に直接充填することができる。 以下に本発明を実施例により説明するが、それらは本発明を限定するものでは
ない。
【0047】
【実施例】実施例1 相対的量の帯電リン脂質の効果 いろいろなリン脂質又はリン脂質混合物により安定化された微小気泡の分散体
を、以下に記載の一般的手順に従って、以下の表1.1に記載の工程パラメータ を用いて製造した。 プロピレングリコールとグリセロールとの混合物(3:10 w/w)5.4%
(w/w)を含む水中の、リン脂質濃度が2〜5mg/mlの選択したリン脂質又は
リン脂質混合物の溶液を調製した(ホスファチジルエタノールアミンについては
水を、水酸化ナトリウムを用いてpH=10.5に調整した)。リン脂質は超音波 処理および/又は約80℃に記載の時間(表1.1)加熱することによって水和 し、そして使用前に室温に冷却した。この溶液の所定の容量を数個の2mlクロマ
トグラフィーバイアルに、1個のバイアル当たり0.8〜1mlの溶液を用いて分 割した。各バイアルの上部空間をペロフルオロブタンガスで満たし、バイアルに
確実に蓋をし、Espe CapMix(登録商標)(歯科用材料のミキサー)を用いて45 秒間振とうした。得られた微小気泡分散体をより大きいバイアルに移し、そして
2000rpmで5分間遠心分離して、微小気泡の浮遊層の下に濁ったインフラナ タント(infranatant)を得た。インフラナタントを注射器で除去し、そして等 量の中性pHの水で置き換えた。洗浄段階を繰り返したが、今度はインフラナタン
トを10%(w/w)のスクロースで置き換えた。洗浄した分散体の2ml部分を
、凍結乾燥に特に設計された複数の10ml平底バイアルに分割し、そしてバイア
ルを−47℃に冷却しそして約48時間凍結乾燥処理すると、白色のふんわりし
た固体物質が得られた。バイアルを真空室に移し、真空ポンプで空気を除去し、
そしてペルフルオロブタンガスで置き換えた。使用前に水を加えそしてバイアル
を数秒間穏やかに手で振ると、超音波造影剤に適した微小気泡分散体が得られた
【0048】 微小気泡のサイズ分布および容積濃度を、1〜30μmの測定範囲を有する5 0μmの孔を備えたクールターカウンターマークII(Coulter Counter Mark II)
装置を用いて測定した。20μlのサンプルを、室温で空気で飽和した200ml の生理食塩水中に希釈し、そして測定前に3分間平衡させた。測定は、凍結乾燥
処理前の微小気泡分散体(洗浄気泡分散体)および凍結乾燥処理後の微小気泡分
散体(水を用いて凍結乾燥処理前と同じ量に再構成したもの)について行った。
データを以下の表1.2に表示する。
【0049】 いろいろなリン脂質安定化微小気泡分散体についての凍結乾燥の効率は、凍結
乾燥および再構成の後の容量濃度の生存率(パーセント)として計算した。プロ
ット(図1参照)は、このパラメータがどのように膜内の帯電リン脂質の相対的
量と共に変わるかを示す。図1からわかるように、凍結乾燥の効率は膜内の帯電
リン脂質の増加量と共に増加し、帯電リン脂質のみを含む膜が最も高い。
【0050】
【表1】
【0051】 説明: PL=リン脂質 DPPE=ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン H−PC=水素添加卵ホスファチジルコリン H−PS=水素添加卵ホスファチジルセリン DSPC=ジステアロイルホスファチジルコリン DSPS=ジステアロイルホスファチジルセリン DSPG=ジステアロイルホスファチジルグリセロール DPPS=ジパルミトイルホスファチジルセリン DPPA=ジパルミトイルホスファチジン酸
【0052】
【表2】
【0053】実施例2 a)振とうによるペロフルオロブタン微小気泡分散体の製造 25.3mgの水素添加卵ホスファチジルセリンを、プロピレングリコールとグ リセロールとの混合物(3:10 w/w)5.4%(w/w)を含む12.5ml の水に添加した。リン脂質材料を約70℃に約30分加熱して水和し、次いで室
温に冷却した。11mlの分散体を11個の2mlバイアルに1ml部分に分割し、バ
イアルの上部空間をペルフルオロ−n−ブタンガスで満たした。バイアルに確実
に蓋をしそしてEspe CapMix(登録商標)(歯科用材料のミキサー)を用いて45 秒間振とうした。得られた微小気泡分散体を4個のより大きいバイアル中で合わ
せ、2000rpmで5分間遠心分離して、微小気泡の浮遊層の下に濁ったインフ ラナタントを得た。インフラナタントを注射器で除去し、そして等量の中性pHの
水で置き換えた。洗浄段階を繰り返したが、今度はインフラナタントを10%(
w/w)のスクロースで置き換えた。得られた分散体の2ml部分を、凍結乾燥に
特に設計された複数の10ml平底バイアルに分割し、バイアルを−47℃に冷却
し、約48時間凍結乾燥処理すると、白色のふんわりした固体物質が得られた。
バイアルを真空室に移し、真空ポンプで空気を除去し、そしてペルフルオロ−n
−ブタンガスで置き換えた。使用前に水を加え、バイアルを数秒間穏やかに手で
振ると、超音波造影剤に適した微小気泡分散体が得られた。
【0054】 b)ローターステーターミキシングによるペルフルオロブタン微小気泡分散体の 製造 500.4mgの水素添加卵ホスファチジルセリンを、ポリプロピレングリコー ルとグリセロールとの混合物(3:10 w/w)5.4%(w/w)を含む10
0mlの水に添加した。混合物を振とうし、80℃に5分加熱し、室温に冷却し、
再び振とうしそして使用前に一晩放置した。 得られた溶液の50mlを、円錐首部を有する丸底フラスコに移した。フラスコ
に、温度制御入口と出口を有するガラスジャケットを取り付けた。出口は25℃
に維持された水浴に連結した。ローターステーターミキシングシャフトを溶液に
導入し、ガス漏れを避けるために、首部壁とミキシングシャフトとの間を、ガス
含量と圧力制御の調節のためにガス入口/出口連結を取り付けた、特別に設計さ
れた金属栓で封止した。ガス出口を真空ポンプに連結し、溶液を1分間脱ガスし
た。ペルフルオロ−n−ブタンガスの雰囲気をガス入口を通して適用した。
【0055】 溶液を、23000rpmで10分間均質化した。その間、ローターステーター ミキシングシャフトを、開口部が液体の表面の僅かに上となるように維持した。
白色のクリーム状分散体が得られ、この分散体を封止可能な容器に移し、ペルフ
ルオロ−n−ブタンをフラッシュした。分散体を次に分離濾斗に移し、1200
0rpmで30分間遠心分離すると、上部のクリーム状の気泡の層と濁ったインフ ラナタントとが生成した。インフラナタントを除去し、水で置き換えた。次に遠
心分離を、今回は12000rpmで15分間、2回繰り返した。最後の遠心分離 の後に、上澄液を10%(w/w)のスクロースで置き換えた。得られた分散体
の2ml部分を、凍結乾燥に特に設計された複数の10ml平底バイアルに分割し、
バイアルを−47℃に冷却し、約48時間凍結乾燥すると、白色のふんわりした
固体物質が得られた。バイアルを真空室に移し、真空ポンプで空気を除去し、ペ
ルフルオロ−n−ブタンガスで置き換えた。使用前に水を加え、バイアルを数秒
間穏やかに手で振ると、超音波造影剤に適した微小気泡分散体が得られた。
【0056】 c)ソニケーションによるペルフルオロブタン微小気泡分散体の製造 500.4mgの水素添加卵ホスファチジルセリンを、プロピレングリコールと グリセロールとの混合物(3:10 w/w)5.4%(w/w)を含む100ml
の水に添加した。混合物を振とうし、80℃に5分加熱し、室温に冷却し、再び
振とうしそして使用前に一晩放置した。 この溶液を4mlソニケーターフロースルーセルを通して汲み上げ、20kHzの 超音波に90μmの振幅で晒した。ソニケーターホーンの直径は1.3cmであり、
セルの内径は2.1cm、そしてソニケーターホーンとセルの底部との距離は1cm であった。脂質溶液をペルフルオロ−n−ブタンと、ソニケーターセルに入る前
に1:2 容量/容量(v/v)の割合で混合した(20ml/分の脂質溶液と4 0ml/分のペルフルオロ−n−ブタンガス)。温度を33℃に保持した。クリー
ム状白色分散体が得られ、それを容器に入れ、ペルフルオロ−n−ブタンをフラ
ッシュした。
【0057】特性決定 微小気泡のサイズ分布および容積濃度を、1〜30μmの測定範囲を有する5 0μmの孔を備えたクールターカウンターマークII(Coulter Counter Mark II)
装置を用いて測定した。20μlのサンプルを、室温で空気を飽和した200ml の生理食塩水中に希釈し、測定前に3分間平衡させた。 超音波特性決定を、“Ultrasound scattering properties of Albunex micros
pheres”,Ultrasonics31(3)、175-181頁(1993年)に記載された、de Jong,N.
およびHoff, L.から僅かに変更した実験設定で行った。この器械の使用は、造 影剤の希釈懸濁液の2〜8MHzの振動数範囲における超音波減衰効力を測定する 。減衰測定の間、圧力安定性テストを、サンプルを120mmHgの過剰圧力に90
秒間暴露することにより行った。典型的には、2〜3μlのサンプルを55mlの イソトン(Isoton)II中に希釈し、そして希釈サンプル懸濁液を、分析前に3分
間撹拌した。主応答パラメータとして3.5MHzでの減衰値を、過剰圧力を解放し
た後の3.5MHzでの回復減衰値と共に使用した。
【0058】
【表3】
【0059】実施例3 ガス交換の影響 上記の実施例2(b)に従って製造した5個のサンプルのガス含有物を、下記の
手順に従ってそれぞれ、空気、ペルフルオロブタン、六フッ化イオウ、五フッ化
トリフルオロメチルイオウおよびテトラメチルシランで置き換えた: 実施例2(b)からの凍結乾燥生成物を含む2個のサンプルを、ガス入口とガス
出口とを備えたデシケータ中に入れた。デシケータを、サンプルを制御排気し、
選択したガスを制御流入させるブッヒ(Buechi)168減圧/蒸溜器制御装置に
連結した。サンプルを約10ミリバールで5分間排気し、その後圧力を、選択し
たガスの流入により大気圧に上昇させ、その後注意深くバイアルの蓋をした。上
記手順を、各選択ガスのサンプル対を更に用いて繰り返した。 2mlの蒸留水を各バイアルに添加し、バイアルを使用前に穏やかに手で振った
。得られた微小気泡分散体を、実施例2に記載したようにしてサイズ分布測定に
関して特性決定した。その結果を表3.1に要約する。
【0060】
【表4】 上記の結果から解るように、ガス交換によってサイズ分布に有意義な変化はな
かった。
【0061】インビボ結果 5種類のガスの各ガスから調製した一つのバッチを、10MHzでドップラー向 上性(Doppler enhancement properties)についてインビボで評価した。分散体
をチンチララビットに耳の静脈から注入し、ドップラー技法を用いて測定した。
ドップラー技法では、超音波プローブを頸動脈に直接おいた。シグナル強度と持
続時間を記録し、ドップラー曲線の積分を計算した。得られた結果(以下の表3
.2を参照)は、ペルフルオロブタンを含む微小気泡が最も強いドップラー強度 向上を与えたことを示した。六フッ化イオウ、五フッ化トリフルオロメチルイオ
ウ又はテトラメチルシランを含む微小気泡は、ペルフルオロブタンを含む微小気
泡よりも僅かだけドップラー向上剤としての効力が小さく、ペルフルオロブタン
についての数値の60−80%の範囲の積分を与えた。
【0062】
【表5】
【0063】実施例4 冷凍分散体および凍結乾燥生成物 250mgの水素添加卵ホスファチジルセリンを、プロピレングリコールとグリ
セロールとの混合物(7:20 重量/重量(w/w))を5.4%(w/w)含
む注射用の水50mlに加えた。混合物を振盪し、80℃に5分間加熱し、室温に
冷まし、再び振盪し、そして使用前に一晩放置した。 得られた溶液の100mlを、円錐首部を有する丸底フラスコに移し、実施例2
(b)に記載した手順に従って加工した。白色のクリーム状分散体が形成した。こ
の分散体を分離濾斗に移し、12000rpm(回転/分)で30分間遠心分離す ると、上部のクリーム状の微小気泡の層と濁ったインフラナタントとが生成した
。インフラナタントを除去し、注射用の水50mlで置き換えた。次に遠心分離を
、今回は12000rpmで15分間、2回繰り返した。得られた分散体6mlに6m
lの30%(w/w)トレハロースを加え;この分散体の2ml部分を、凍結乾燥 に特に設計された複数の10mlの平底バイアルに分割し、そしてバイアルを−4
7℃に冷却し、この温度に1日間保存した。
【0064】 上記バイアルの半分を−47℃に1日間おいた後に解凍すると、超音波造影剤
に適したガス微小気泡の均一なクリーム状白色分散体が得られた。解凍した分散
体を、上記実施例2に記載したようにしてサイズ分布を測定することにより特性
決定した(表4.1参照)。残りのバイアルを約48時間凍結乾燥すると、白色 のふんわりした固体物質が得られた。バイアルを真空室に移し、真空ポンプで空
気を除去し、そしてペルフルオロ−n−ブタンガスで置き換えた。使用前に水を
加え、バイアルを数秒間穏やかに手で振ると、超音波造影剤に適した気泡分散体
が得られた。再構成した生成物を、上記実施例2に記載した方法を用いてサイズ
分布および音響減衰を測定することにより、特性決定した。その結果を表4.1 に表示する。
【0065】
【表6】
【0066】実施例5 ペルフルオロブタン微小気泡分散体の、空気飽和流体への暴露 ペルフルオロブタンの雰囲気下の凍結乾燥材料を含むバイアルを、実施例2( b)に記載したようにして調製した。使用直前に水をバイアルに加えて、微小気 泡分散体を得た。 200mlのイソトン(Isoton)II流体を室温で数日間空気に暴露して、完全に
空気飽和した溶液を得た。別の200mlの流体を真空フラスコ中で60℃にて1
時間脱ガスし、そして真空を保ちながら室温に冷却した。使用直前にフラスコに
空気を入れた。 微小気泡懸濁液の10μl部分を上記流体のそれぞれに加え、得られた混合物 を、サイズ特性決定(クールターマルチサイザーマークII)前に5分間インキュ
ベートした。
【0067】 流体から微小気泡中へのガス拡散が予想されない脱ガス環境内で、平均微小気
泡直径は1.77μmであり、そして微小気泡の0.25%が5μmよりも大きかっ
た。空気飽和流体中では、対応する値は2.43μmおよび0.67%であった。 更に5分後の繰り返した測定は、微小気泡サイズが安定した値に達したことを示
した。 これらの発見は、動脈血液と類似した空気飽和流体に微小気泡を暴露した場合
、微小気泡の平均直径は37%しか増加せず、非常に僅かの微小気泡しか、毛細
血管の閉塞を引き起こし得るサイズに達しないことを示す。このことは、WO−
A−9503835の実施例IIに報告された同様の環境(即ち、溶解空気を含む
水中の高度に希釈された微小気泡分散体)における空気/ペルフルオロヘキサン
含有微小気泡のサイズ倍加と対照し得る。
【0068】実施例6 ペルフルオロブタンの微小気泡分散体の圧力安定性 ペルフルオロブタンの雰囲気下の凍結乾燥材料を含むバイアルを実施例2(a)
に記載したようにして調製した。使用直前に水(2ml)をバイアルに加えて、微
小気泡分散体を得た。 減衰スペクトルを、300mmHgの空気の過剰圧力の加圧前、加圧中および加圧
後に、1.5〜8MHzについて記録した;圧力を90秒後に解放した。その結果を
図2に示すが、その結果は、4MHz(加圧しない造影剤のピーク)における減衰 量は加圧下で3分の1未満に下降するが、圧力を解放した時に殆ど完全に(85
%−95%)回復したことを示す。 300mmHgまでの空気の過剰圧力を90秒の持続時間加圧し、減衰量を3.5M
Hzで測定した。その結果を図3に示すが、その結果は、使用した全ての過剰圧力
について圧力を解放した後に、減衰量は良好に(少なくとも約95%)回復した
ことを示す。 サイズ分布を、非加圧サンプルについて、および150mmHgと300mmHgの空
気の過剰圧力を90秒の持続時間加えたサンプルについて、クールター分析によ
り決定した。その結果を図4に示すが、その結果は、1〜10μmの範囲の複数 の分布曲線の間に有意な差異がないことを示す。
【0069】実施例7 ペルフルオロブタンの微小気泡分散体の噴霧乾燥による製造 クロロホルム/メタノール/水(100:20:0.1 容量/容量)混合物中
に1mg/mlの水素添加ホスファチジルセリンを含むリン脂質分散体を、ペルフル
オロブタン雰囲気中で噴霧乾燥することににより、微小気泡を製造する。水を用
いて再構成した後、生成物は反響性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1による造影剤の膜中の帯電リン脂質の相対量に対する、凍結乾燥およ
び再構成後の容積濃度の生存率のプロットを表す。
【図2】 実施例6に記述されるような、a)加圧テストの前、b)加圧テストの間、お
よびc)加圧テストの後、に測定された、実施例2(a)による造影剤の1.5〜 8MHzの振動数範囲についての減衰スペクトルのプロットを表す。
【図3】 実施例6に記述されるように0〜300mmHgの過剰圧力を90秒間適用した後
の、実施例2(a)による造影剤の3.5MHzでの減衰量の回復率を示す。
【図4】 実施例6に記述されるように、a)過剰圧力を適用しない場合(黒塗りの菱形
)、b)150mmHgの過剰圧力を90秒間適用した後(三角)、およびc)30
0mmHgの過剰圧力を90秒間適用した後(黒塗りの四角)、の実施例2(a)によ
る造影剤の容積サイズ分布を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月18日(2000.2.18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凍結乾燥室または同様の真空室内の一つまたはそれ以上の容
    器に収容した凍結乾燥可能な前駆体材料を凍結乾燥し、フッ素化ガスを該室に導
    入し、そして該容器の密封閉鎖を行うことからなり、該容器の閉鎖に続いて、雰
    囲気ガスの過剰圧力を該室に適用し、そして該フルオロカーボンガスを該室に連
    結された凝縮器中で凝縮させることを特徴とするフルオロカーボン含有凍結乾燥
    造影剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 フルオロカーボンガスがペルフルオロ化低分子量炭化水素で
    ある、請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 フルオロカーボンガスがペルフルオロブタンである、請求項
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 雰囲気ガスが空気である、請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 雰囲気ガスが殺菌されている、請求項1〜4のいずれか一項
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 凍結乾燥可能な前駆体材料が、膜形成性脂質を含む水性媒質
    中の微小気泡ガスの分散体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 脂質が少なくとも一つのリン脂質を含む、請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 リン脂質が、個々の分子が正味の全体的に負の電荷を帯びた
    分子を優勢的に含む、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 リン脂質の少なくとも70%が1種又はそれ以上のホスファ
    チジルセリンを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 フルオロカーボンが上記室に、殺菌したフィルターを通っ
    て導入される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 フルオロカーボン含有凍結乾燥造影剤の製造に使用する装
    置であって、凍結乾燥可能な前駆体材料用の一つまたはそれ以上の容器を受け入
    れるのに適合した凍結乾燥室または同様の真空室、フルオロカーボンガスを該室
    に入れる手段、該容器を密封閉鎖する手段、雰囲気ガスの過剰圧力を該室に適用
    する手段、および上記室に連結可能でありそして該容器の閉鎖後に該室に残留す
    るフルオロカーボンガスを受け入れそして凝縮するのに適合する凝縮器を含む、
    上記の装置。
  12. 【請求項12】 容器を密封閉鎖する手段が、該容器にストッパーを挿入す
    るのに適した可動性シェルフアッセンブリーを含む、請求項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】 シェルフが非粘着性材料で塗装されている、請求項12に
    記載の装置。
  14. 【請求項14】 脂質安定化ガス微小気泡を含む造影剤の製造方法であって
    、該脂質の溶液または分散体を該ガスの雰囲気下で噴霧乾燥することを特徴とす
    る、上記の製造方法。
JP2000509452A 1997-08-19 1998-08-19 造影剤に関する改良 Withdrawn JP2001515055A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9717589.7 1997-08-19
GBGB9717589.7A GB9717589D0 (en) 1997-08-19 1997-08-19 Improvements in or relating to contrast agents
PCT/GB1998/002491 WO1999008716A2 (en) 1997-08-19 1998-08-19 Process for preparation of lyophilised contrast agents

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001515055A true JP2001515055A (ja) 2001-09-18

Family

ID=10817734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000509452A Withdrawn JP2001515055A (ja) 1997-08-19 1998-08-19 造影剤に関する改良

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP1007103A2 (ja)
JP (1) JP2001515055A (ja)
AU (1) AU8816198A (ja)
GB (1) GB9717589D0 (ja)
NO (1) NO20000622L (ja)
WO (1) WO1999008716A2 (ja)
ZA (1) ZA987483B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520754A (ja) * 2003-02-04 2006-09-14 ブラッコ インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ 超音波造影剤およびその製造方法
KR20160137555A (ko) * 2014-03-31 2016-11-30 지이 헬스케어 에이에스 초음파 전구체 제조 방법
JP2017519012A (ja) * 2014-06-26 2017-07-13 ジーイー・ヘルスケア・アクスイェ・セルスカプ 脂質滅菌法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE299378T1 (de) * 2001-01-31 2005-07-15 Bracco Research Sa Lyophilisierbares kontrastmittel, gasgefüllte mikrobläschen enthaltend
EP1701745B1 (en) 2003-12-22 2014-12-10 Bracco Suisse S.A. Gas-filled microvesicle assembly for contrast imaging
US9248204B2 (en) 2004-08-18 2016-02-02 Bracco Suisse S.A. Gas-filled microvesicles composition for contrast imaging
US9107950B2 (en) * 2009-09-15 2015-08-18 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York Systems, methods, and devices for microbubbles
MX2014013218A (es) * 2012-04-30 2014-12-08 Ge Healthcare As Metodo para llenar un contenedor con una composicion espumable.
CN118401797A (zh) * 2021-12-16 2024-07-26 博莱科瑞士股份有限公司 抽取氟化气体的方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5469854A (en) * 1989-12-22 1995-11-28 Imarx Pharmaceutical Corp. Methods of preparing gas-filled liposomes
US5776429A (en) * 1989-12-22 1998-07-07 Imarx Pharmaceutical Corp. Method of preparing gas-filled microspheres using a lyophilized lipids
US5542935A (en) * 1989-12-22 1996-08-06 Imarx Pharmaceutical Corp. Therapeutic delivery systems related applications
US5773024A (en) * 1989-12-22 1998-06-30 Imarx Pharmaceutical Corp. Container with multi-phase composition for use in diagnostic and therapeutic applications
IL116328A (en) * 1994-12-16 1999-09-22 Bracco Research Sa Frozen suspension of gas microbubbles in frozen aqueous carrier for use as contrast agent in ultrasonic imaging
AU726503B2 (en) * 1996-02-19 2000-11-09 Ge Healthcare As Improvements in or relating to contrast agents
MXPA99001053A (es) * 1996-08-02 2002-03-11 Nycomed Imaging As Mejoramientos en o que se relacionan con agentes de contraste.
ES2189974T3 (es) * 1996-09-11 2003-07-16 Imarx Pharmaceutical Corp Procedimientos mejorados para la obtencion de imagenes de diagnostico usando un agente de contraste y un vasodilatador.

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520754A (ja) * 2003-02-04 2006-09-14 ブラッコ インターナショナル ベスローテン フエンノートシャップ 超音波造影剤およびその製造方法
KR20160137555A (ko) * 2014-03-31 2016-11-30 지이 헬스케어 에이에스 초음파 전구체 제조 방법
JP2017514792A (ja) * 2014-03-31 2017-06-08 ジーイー・ヘルスケア・アクスイェ・セルスカプ 超音波前駆体の調製方法
KR102350284B1 (ko) 2014-03-31 2022-01-14 지이 헬스케어 에이에스 초음파 전구체 제조 방법
JP2022070903A (ja) * 2014-03-31 2022-05-13 ジーイー・ヘルスケア・アクスイェ・セルスカプ 超音波前駆体の調製方法
JP2017519012A (ja) * 2014-06-26 2017-07-13 ジーイー・ヘルスケア・アクスイェ・セルスカプ 脂質滅菌法
US10888631B2 (en) 2014-06-26 2021-01-12 Ge Healthcare As Lipid sterilization method

Also Published As

Publication number Publication date
WO1999008716A2 (en) 1999-02-25
AU8816198A (en) 1999-03-08
WO1999008716A3 (en) 1999-08-12
NO20000622L (no) 2000-03-10
EP1007103A2 (en) 2000-06-14
GB9717589D0 (en) 1997-10-22
ZA987483B (en) 1999-05-21
NO20000622D0 (no) 2000-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4418033B2 (ja) 造影剤のまたはそれに関する改良
JP4670083B2 (ja) 超音波造影剤およびその製造方法
JP3634869B2 (ja) 造影剤における又はこれに関する改良
JP4067116B2 (ja) オストワルド係数の低いフッ素化エーテルで安定化させたガスエマルジョン
JP4229918B2 (ja) 超音波のコントラスト増強のためのリン脂質を含む安定な気体エマルジョン
JP4250747B2 (ja) 熱安定化された造影剤
CZ242096A3 (en) Method of storing ultrasonic gaseous suspensions
US6217850B1 (en) Method of making lyophilized microbubble compositions useful as contrast agents
JP2001515055A (ja) 造影剤に関する改良
WO2024033540A1 (en) Freeze-dried nanodroplets with fluorinated compound
NO318875B1 (no) Ultralydkontrastmiddel

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20051101