【発明の詳細な説明】
立体ホログラムディスプレイ(HOLDISP)
発明の背景
本発明は複数の観察者のための自動立体鏡(オートステレオスコープ)ディス
プレイに関し、ある物品の複数の透視画を同時に表示することが可能であり、従
って「立体ホログラム(ステレオホログラム)ディスプレイ」とも呼ばれている
自動立体鏡ディスプレイに関するものである。このような自動立体鏡ディスプレ
イスクリーンは特許明細書[11]に記載されているように公知であるが、この
スクリーンには、本明細書に記載されている発明とは対照的に、物品の透視画は
同時に2つしか表示することができない。本発明は1つの観察位置にだけ関係す
るのではなく、観察位置の全範囲に関係していて、そこから、表現された物品が
三次元で実物通りに(自然のままに)観察できるようにする自動立体鏡表現を保
証することを目的としている。従って、複数の観察者は表現された物品を3次元
で同時に見ることを可能にしている。上記目的は、請求項1に記載されている特
徴事項によって達成されている。本発明によれば、表示する必要のある物品の複
数の透視画は、黒白のマイクロディスプレイ(またはフォトマスク)レンズ・ラ
スタプレートの垂直フォーカル(焦点)ラインに置かれている配置を通して得ら
れ、そのディスプレイ(またはマスク)上には、物品の多数の異なるビューが、
最も狭いストリップの中で相互にインターリーブされて表現できるようになって
いる。このようにして、異なるグレー値とカラー値はその間に置かれた固定配置
のカラーマスクと輝度マスクによって達成されている。
本発明は三次元のホログラムに似たカラーピクチャ・ディスプレイと処理に関
し、そこでは、あるオブジェクト(物品などの対象物)の複数の立体鏡ビューが
観察者が見る位置に応じて表示できるようになっている。立体ホログラムディス
プレイの前に立っている観察者は表示された物品を、ヘッドを左右に動かすこと
によって複数の透視画から、事前に選択可能な「丸いビュー(ラウンド ビュー
)」内で観察することができる。具体的には、この高解像度ディスプレイは医療
テクノロジ用のコンピュータ・トモグラフィ(断層撮影)で放射線治療するのに
適しており、付加的な補助手段(例えば、レンズ)なしでも、奥行き方向を三次
元で見ることを可能にしている。コンピュータによって計算されたカラーホログ
ラムは、変調レーザビームによって数分以内にディジタルディスプレイ上に書き
出し、同一サイズの安価な黒白写真に保存しておくことが可能になっている。な
お、別の方法として、この黒白フォトマスクだけを作って、同じ立体ホログラム
が見えるようにディスプレイアタッチメントの背後に配置しておくことも可能で
ある。オブジェクトの表現では、その表現を外部ビューに限定する必要はない。
例えば、核スピン・トモグラフィからの三次元組織記述の存在は、内部ビューと
外部ビュー(例えば、腎臓の)を結合し、一方が他方の後になるように立体ホロ
グラムで表現することを可能にしている。
従来の技術
この数年間、立体鏡フィルムとプロジェクション手法が使用されている。偏光
(水平、垂直、円形)が多く使用され、左側と右側のイメージ(画像、映像など
)を分離している[10]。LCDテクノロジの進歩と共に、結晶の光透過率を
電子的に制御することが可能になっている。シャッタ手法(shutter t
echnique)の開発が可能になったのはそのためであり、このシャッタ手
法では、右側と左側のスペクタルガラスは半ピクチャ周波数で交互に不透明にな
り、右側と左側のイメージはディスプレイスクリーンに同期して順次に現れてい
る[6]。
自動立体鏡プロジェクションは、複数のプロジェクション方向をもつストリッ
プ・レンズラスタ装備のスクリーンによって実現されている。正しい透視イメー
ジは対応する方向と関連づけられている[1]、[2]。ある透視画から次の透
視画へのスムーズな遷移はプロジェクション方向を任意に増加できないため、達
成が困難になっている。ある自動立体鏡ディスプレイでは、一人の人だけを目的
としており、2つの透視画だけが使用されるため、ビュー方向は特定している[
7]、[8]。完全な立体鏡イメージをホログラムで表示することは、「ヘッド
トラッキング(ヘッド追従)」センサを使用して達成されているが、そのために
は、一方では、マッチングする立体鏡イメージ透視画を計算し、他方では、自動
立体鏡スクリーンを制御して、レンズ・ラスタプレートの機械的フォローアップ
(追従)を行うための、ハイパワーのリアルタイム・コンピュータが必要である
。正確なヘッド位置と動きが検出され、関連のイメージが同時に生成されている
。さらに、「ヘッドマウント式ディスプレイ」を使用した高価なVRシステム(
バーチャルリアリティ)もあるが、使い慣れる必要がある。
核スピン共鳴とコンピュータ・トモグラフィは、医療テクノロジにおける立体
鏡3D視覚化で使用するのに最も重要な分野となっている。特定の望ましい透視
画を計算するために、「ボリュームトラッキング・アルゴリズム(volume
tracking algorithm)」のためのハイパワーの特殊コンピ
ュータが開発されている[5]。コンピュータ視覚化と、内視鏡(endsco
pe)からのリアルタイム伝達(透過)を結合したものは、最も重要な神経外科
ツールの1つになっている。立体鏡の内視鏡はすでに使用されている。赤外線で
動作する「ヘッドトラッキング・センサ」による電子的動作制御は、人間に関係
する自動立体鏡ディスプレイスクリーン・システムと結合することが容易になっ
ている。
プロトタイプの自動立体鏡イメージ再現システムは多くの場所で現在開発中で
ある。これらの大部分は、観察者の位置が変化したときの動きをフォローアップ
するのための、高精度の機械的部品を必要としている。しかし、電子的適応シャ
ツタ・システム(electronic adaptive shutter
system)も知られているが、このシステムは2つのディスプレイを必要と
している[8]、[9]。
ホログラフとしてストアされる3Dイメージは数年前から知られているが、こ
れによれば、ピクチャ情報は最高解像度の写真材料に光波イメージの形で保存さ
れている。これらは、記録しようとするボディ(人体など)から反射されたコヒ
ーレント光またはモノクロ光を重ね合わせることから発生している。この場合、
3Dイメージはコヒーレント光で照射すると再び表示可能にすることができる。
しかし、残念ながら、カラー情報は失われている。
双安定液晶をベースにして構築されたディスプレイも数年前から知られている
が、このディスプレイはレーザビームで書き込み可能になっている。液晶はレー
ザパワーを供給することによって、数μm2の領域にわたって透明状態から拡散
、つまり、散乱状態にフリップすることが可能になっている。この状態は、レー
ザパワーを供給しなくても数年間保存しておくことが可能であり、電圧を印加す
ることでリセットすることも可能になっている[12]。従って、ここでは、バ
イナリ情報をストアしておくことが可能になっている。以下では、これらの書き
込み可能面を散乱ディスプレイ(scatter display)と呼ぶこと
にする。
問題の解決方法
本発明の目的は表現されたボディ(人体など)が異なる観察位置から、さらに
は異なる透視画で立体鏡的に表示されるように、三次元イメージをストアしてお
くことである。従って、表現されたカラーイメージのホログラム的変化は観察者
のヘッドの左右方向の動きと共に現れるようになっている。このことから発生す
る問題の解決方法は散乱ディスプレイと、さらに別の特殊構成の支援を受けて、
かかるカラーイメージ立体ホログラムを作成し、かかるカラーホログラムが許容
時間内にレーザビームで書き込みができるようにすることである。そのあと、こ
のカラーホログラムは電源供給なしで可能な限り保存しておくか、あるいはその
ディスプレイが次の立体ホログラム用に再び使用できるようにリセット可能であ
ることが必要である。
さらに、同じイメージを市販されている通常タイプの黒白フィルムに保存でき
ることも必要である。これと同時に、そのフィルムにバイナリ形式でストアされ
た立体ホログラムが既存のアタッチメントで表示可能にできるように、フィルム
が使用できることが必要である。このアタッチメントは散乱ディスクプレイで必
要となるものと同じものにすると、利点が得られる。
現在までは、上述した特徴をもつ書き込み可能立体ホログラムディスプレイは
知られていない。
発明の原理
問題の解決方法の個所で説明した立体ホログラムディスプレイのパフォーマン
ス上の特徴は、[1]、[2]、[8]、[11]に記載の公知の円筒レンズ・
ラスタガラス、[4]と[12]に記載の公知の散乱ディスプレイ、および以下
で詳しく説明するある種のマスキング層を使用し、これらを特定の方法で結合す
ることによって達成することができる。ディスプレイは適当なコードで変調され
たパラレル・レーザビームによって書かれる。ここで、NMR(核磁気共鳴)ま
たはX線トモグラフィ(断層撮影)からの三次元オブジェクト情報がグラフィッ
クコンピュータで利用可能であると想定すると、必要とする、すべての透視画−
最大100個までが可能−は、特定のビュー方向ごとにそのデータから計算され
、そのオブジェクトの外観は、そのあとで、その透視画から観察されることにな
る。オブジェクトのすべての透視画はそのあと、立体ホログラムディスプレイ上
で完全な3Dカラーイメージに組み立てられ、必要とする透視画は観察またはヘ
ッド位置の方向を通して選択することができる。
次に、このディスプレイの構造と機能について図1を参照して詳しく説明する
。図1はディスプレイの種々の層を示し、これらの層は相互から展開されるよう
に示されている。立体ホログラムディスプレイの前面側は円筒レンズ・ラスタガ
ラス(1)からなり、1024個の円筒レンズは、例えば、ピッチ高さが約0.
5mmで、1つの適当な幅を規定している(観察距離が異なるごとに、最適なレ
ンズ幅を変更できることは勿論である)。これらのレンズは、2つのガラスプレ
ート(12)の間に液晶(11)から形成されている、8μm×4μmのピクセ
ルサイズをもつ散乱ディスプレイ(4)のLC(液晶)層における観察距離a(
ホログラムディスプレイが組み立てられた状態において)に対して焦点合わせさ
れている。散乱ディスプレイ(4)とレンズ・ラスタプレート(1)の中間には
、2つのマスクがある。つまり、カラーマスク(2)と輝度マスク(3)である
。散乱ディスプレイは後部からホワイト光(5)で照射される。制御されたレー
ザダイオード(6)からのレーザビームは散乱ディスプレイに書き込むために使
用される。
カラーマスクと輝度マスクについて、図4を参照して詳しく説明する。カラー
マスクは3つの水平透明カラーフィルタ・ストリップをもち、それぞれが赤(R
)、緑(G)および青(B)光を未変更のまま通過させ、対応する補色成分をフ
ィルタ除去することを可能にしている。オプションとして、ほぼ同一幅の黒スト
リップがあり、これはすべての光波長をフィルタ除去する。すべての4または3
ストリップは合計で約レンズ幅、例えば、約0.5mmに対応する幅をもってい
る。カラーストリップの高さは合計で約80μm、垂直ピッチ高さは合計で約0
.32mmになっている。各カラーストリップ(R、GまたはB)(図4のa)
参照)の背後には、輝度マスキングストリップ(図4のb)参照)が置かれてい
る。このマスキングストリップはそれ自体さらに、例えば、10個のサブストリ
ップに細分化され、各々は約8μの幅になっている。輝度が劣るステップをもつ
他の実施例では、サブストリップは、例えば、8または4個のように、少なくす
ることが可能である。各サブストリップは特定の光透過率(波長から独立してい
る)をもち、バイナリ輝度コード化を可能な限り単純化している。例えば、これ
らのサブストリップには、次のように異なるクラスがある。1.光の全振幅が通
過される、2.半振幅(1/2)が通過される、3.振幅の1/4が通過される
、4.振幅の1/8(1/8=1/23)が通過される、5.振幅の1/16(
1/16=1/24)...、8.1/128(1/128=1/27)が通過さ
れる。したがって、透過率が1であるサブストリップは相対輝度を64にするこ
とができる。
透過率はすべてがサブストリップに存在している必要はない。例えば、クラス
8はクラス1の3ストリップが使用される場合は省くことができる。図4のb)
では、クラス1の3サブストリップが使用され、カラーストリップの中間に相互
に隣り合うように配置されているので、クラス1のサブストリップは3倍の幅に
なっている。例えば、これらの3ストリップがあると、背後に置かれたディスプ
レイの3個の黒白マイクロピクセルは適当に制御されるので、0×64、1×6
4、2×64、3×64の相対輝度値を作成することが可能である。ディスプレ
イ上の輝度サブストリップの各マイクロピクセルは光を散乱させることも、散乱
させないこともできる。さらに、図4のb)の例では、クラス2〜7の輝度スト
リップが使用されている。背後に置かれたディスプレイの9マイクロピクセルを
選択的に制御することにより、0〜255の相対輝度値は、8ビットコード化に
対応づけて、重ね合わせることにより1つのカラーストリップに作成することが
できる。
クラス1の3つの隣接サブストリップを使用すると、マスキングストリップに
おける光吸収が減少し、次の散乱ディスプレイの若干の高さ許容範囲に対する感
度不足が増加することになる(図4のd)参照)。その他の狭いストリップはす
でに説明したように、振幅の輝度成分を50%、25%、12.5%、6.25
%、3.125%、1.56025または0%から通過させる。コード化輝度ス
テップの例は図4のc)に示されている。その詳細は図4a)乃至d)に示され
ている。つまり、a)カラーマスク:カラーストリップの高さ約80μm、GB
Sピッチ高さ約320μm、b)輝度マスク:7輝度ステップ(+ブラック)、
8ビット輝度コード化では9カラーストリップ、c)黒白フィルム上の立体ホロ
グラムのディジタルカラーピクセル・コード化の例:関連の輝度値を示している
、d)レーザビームから書かれた散乱ディスプレイからのコードパターンのコー
スの例。
その他の輝度マスクを実装して、少ない数の輝度ステップに対応させることが
できることは勿論である。不透明ブラックストリップは、あるカラーから次のカ
ラーへの遷移をカバーするように適当に位置づけられる。医療テクノロジで使用
することを目的とした立体ホログラムディスプレイ全体では、サイズは幅が約5
0cm、高さが28cmになっている。これはLC散乱ディスプレイを作るには
異常に大きいが、狭い不透明水平ストリップが存在していることが必要で、電極
をリセットするためのワイヤとスペーサをそこにはめ込むことができるので、こ
れは実現可能である。
問題の解決方法の個所で既述したように、散乱ディスプレイはフィルムで置換
可能であることも必要である。しかし、このサイズと解像度の黒白フィルムは安
価で得られるはずである。そこで考慮すべきことは、マイクロメートルの精度で
マウントすることだけである。しかし、フィルムはガラスプレートに固定される
か、あるいは微細ホールマトリックスで緊張されるので、このマウントは保証で
きる。図2はそのような立体ホログラム表示装置を示し、そこでは(7)はフィ
ルムまたはフィルムプレートを示し、(8)は均一分散光をもつ照射ボックスを
示している。(7)は標準黒白フィルムをもつガラスプレートからなり、フィル
ムはガラスプレートの前面側に貼着されている。解像度は合計で3200dpi
である。ピクセルサイズが約8×8μm2であるとき、ディジタル情報内容は約
180Mバイトになる。カラーマスクと輝度マスクのシーケンスはフィルムプレ
ート(7)と交換可能にすることができる。重要なことは、円筒レンズのフォー
カルラインがどちらの場合も、薄フィルム層上にあることだけである。図2に示
す他のエレメントとしては、(1)1024個の円筒レンズをもつレンズ・ラス
タプレート、(2)ストリップ高さが80μm、ピッチ高さが0.32mmであ
るカラーストリップマスク(RGBS)、(3)個々のストリップ高さが8μm
であるグレーストリップ・コードマスクがある。これらの3エレメントは図1に
示すものと同じである。
レンズのフォーカスは、なかんずく、光の波長によって若干左右される。しか
し、3カラーR、GおよびBはマスク上のカラーストリップに従って空間的に分
離されている。このようにすると、フォーカル長はガラスの若干異なる厚さによ
って補正できるという利点がある。
散乱ディスプレイの縦断断面は図3のa)に示されている。制御可能な最小バ
イナリ・ピクセルサイズは合計4μm×8μmである。(13)はホワイト光の
ビーム方向を示し、(14)はレーザビーム書き込み方向を示している。拡大カ
ラー構造は図3のb)に示されており、そこでは水平ストリップはビュー方向に
位置している。
立体ホログラムディスプレイの用途分野の説明
立体ホログラムディスプレイは物品またはランドスケープを三次元で表現する
。0.5mm幅の円筒レンズを使用すると、三次元物品を80以上の異なるビュ
ーで表現することが可能である。物品のすべての透視画は表示可能にすることが
できる。つまり、観察者のヘッドを左右に動かすことで見ることができる。これ
らのビューは基本的にコンピュータによって計算される。従って、自然に現れな
い関連ビューを表現することも可能である。例えば、物品の外部をあるビュー角
度まで表示してから内部を表示することができる。シングル立体ホログラムでは
、動的プレゼンテーションの可能性も発生する。例えば、物品はディスプレイの
前に現れる物品として左に回転することができる。従って、骨折は三次元で、例
えば、全体を回して観察することができる。従って、最も重要な用途分野は医療
テクノロジにおける放射線治療である。X線を照射して数分後に、結果が三次元
でディスプレイに表示され、必要な期間保存しておくことができる。これと並行
に、同じホログラムをフィルムにストアすることができる。つまり、後日のため
に残しておくことができる。
関心のあるもう1つの分野は広告である。人の目は、自然に現れない異常な効
果によって、無意識のうちに、あるオブジェクトに注意力が向けられるからであ
る。
もっと大きなディスプレイを作成すると、三次元で現れるインタラクティブ・
ビルディングとランドスケープが形成できるので、建築が重要な応用分野となる
。ディスプレイの断面だけをリセットし、変更した形で再書き込みできるからで
ある。この特徴は創作的アートの分野でも歓迎されるであろう。
しかし、3Dスタジオを設立することも可能であり、そのようにすると、コン
ピュータの支援を受けて三次元カラー・ポートレートを得ることが可能であり、
これは余り待つことなく、いくつかのテスト照射から選択することができる。最
高100個までの個別透視画が表示される場合でも、このケースでは照射も10
0回行う必要はない。間接的透視画は高解像度カメラで異なる方向から同時に行
われた2または4回の照射からインタポレートすることができる。実際の情報は
純粋にバイナリ形式でファイルされるので、フィルムよりさらに安価なマテリア
ルを使用することができる。ウェーハ吸収層はレーザパワーによって局所的に選
択的蒸着を行うことができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年7月15日(1998.7.15)
【補正内容】
明細書
立体ホログラムディスプレイ(HOLDISP)
発明の背景
本発明は複数の観察者のための自動立体鏡(オートステレオスコープ)ディス
プレイに関し、ある物品の複数の透視画を同時に表示することが可能であり、従
って「立体ホログラム(ステレオホログラム)ディスプレイ」とも呼ばれている
自動立体鏡ディスプレイに関するものである。このような自動立体鏡ディスプレ
イスクリーンは特許明細書[11]に記載されているように公知であるが、この
スクリーンには、本明細書に記載されている発明とは対照的に、物品の透視画は
同時に2つしか表示することができない。本発明は1つの観察位置にだけ関係す
るのではなく、観察位置の全範囲に関係していて、そこから、表現された物品が
三次元で実物通りに(自然のままに)観察できるようにする自動立体鏡表現を保
証することを目的としている。従って、複数の観察者は表現された物品を3次元
で同時に見ることを可能にしている。上記目的は、請求項1に記載されている特
徴事項によって達成されている。本発明によれば、表示する必要のある物品の複
数の透視画は、黒白のマイクロディスプレイ(またはフォトマスク)レンズ・ラ
スタプレートの垂直フォーカル(焦点)ラインに置かれている配置を通して得ら
れ、そのディスプレイ(またはマスク)上には、物品の多数の異なるビューが、
最も狭いストリップの中で相互にインターリーブされて表現できるようになって
いる。このようにして、異なるグレー値とカラー値はその間に置かれた固定配置
のカラーマスクと輝度マスクによって達成されている。
本発明は三次元のホログラムに似たカラーピクチャ・ディスプレイと処理に関
し、そこでは、あるオブジェクト(物品などの対象物)の複数の立体鏡ビューが
観察者が見る位置に応じて表示できるようになっている。立体ホログラムディス
プレイの前に立っている観察者は表示された物品を、ヘッドを左右に動かすこと
によって複数の透視画から、事前に選択可能な「丸いビュー(ラウンド ビュー
)」内で観察することができる。具体的には、この高解像度ディスプレイは医療
テクノロジ用のコンピュータ・トモグラフィ(断層撮影)で放射線治療するのに
適しており、付加的な補助手段(例えば、レンズ)なしでも、奥行き方向を三次
元で見ることを可能にしている。コンピュータによって計算されたカラーホログ
ラムは、変調レーザビームによって数分以内にディジタルディスプレイ上に書き
出し、同一サイズの安価な黒白写真に保存しておくことが可能になっている。な
お、別の方法として、この黒白フォトマスクだけを作って、同じ立体ホログラム
が見えるようにディスプレイアタッチメントの背後に配置しておくことも可能で
ある。オブジェクトの表現では、その表現を外部ビューに限定する必要はない。
例えば、核スピン・トモグラフィからの三次元組織記述の存在は、内部ビューと
外部ビュー(例えば、腎臓の)を結合し、一方が他方の後になるように立体ホロ
グラムで表現することを可能にしている。
従来の技術
この数年間、立体鏡フィルムとプロジェクション手法が使用されている。偏光
(水平、垂直、円形)が多く使用され、左側と右側のイメージ(画像、映像など
)を分離している[10]。LCDテクノロジの進歩と共に、結晶の光透過率を
電子的に制御することが可能になっている。シャッタ手法(shutter t
echnique)の開発が可能になったのはそのためであり、このシャッタ手
法では、右側と左側のスペクタルガラスは半ピクチャ周波数で交互に不透明にな
り、右側と左側のイメージはディスプレイスクリーンに同期して順次に現れてい
る[6]。
自動立体鏡プロジェクションは、複数のプロジェクション方向をもつストリッ
プ・レンズラスタ装備のスクリーンによって実現されている。正しい透視イメー
ジは対応する方向と関連づけられている[1]、[2]。ある透視画から次の透
視画へのスムーズな遷移はプロジェクション方向を任意に増加できないため、達
成が困難になっている。ある自動立体鏡ディスプレイでは、一人の人だけを目的
としており、2つの透視画だけが使用されるため、ビュー方向は特定している[
7]、[8]。完全な立体鏡イメージをホログラムで表示することは、「ヘッド
トラッキング(ヘッド追従)」センサを使用して達成されているが、そのために
は、一方では、マッチングする立体鏡イメージ透視画を計算し、他方では、自動
立体鏡スクリーンを制御して、レンズ・ラスタプレートの機械的フォローアップ
(追従)を行うための、ハイパワーのリアルタイム・コンピュータが必要である
。正確なヘッド位置と動きが検出され、関連のイメージが同時に生成されている
。さらに、「ヘッドマウント式ディスプレイ」を使用した高価なVRシステム(
バーチャルリアリティ)もあるが、使い慣れる必要がある。
核スピン共鳴とコンピュータ・トモグラフィは、医療テクノロジにおける立体
鏡3D視覚化で使用するのに最も重要な分野となっている。特定の望ましい透視
画を計算するために、「ボリュームトラッキング・アルゴリズム(volume
tracking algorithm)」のためのハイパワーの特殊コンピ
ュータが開発されている[5]。コンピュータ視覚化と、内視鏡(endsco
pe)からのリアルタイム伝達(透過)を結合したものは、最も重要な神経外科
ツールの1つになっている。立体鏡の内視鏡はすでに使用されている。赤外線で
動作する「ヘッドトラッキング・センサ」による電子的動作制御は、人間に関係
する自動立体鏡ディスプレイスクリーン・システムと結合することが容易になっ
ている。
プロトタイプの自動立体鏡イメージ再現システムは多くの場所で現在開発中で
ある。これらの大部分は、観察者の位置が変化したときの動きをフォローアップ
するのための、高精度の機械的部品を必要としている。しかし、電子的適応シャ
ツタ・システム(electronic adaptive shutter
system)も知られているが、このシステムは2つのディスプレイを必要と
している[8]、[9]。
ホログラフとしてストアされる3Dイメージは数年前から知られているが、こ
れによれば、ピクチャ情報は最高解像度の写真材料に光波イメージの形で保存さ
れている。これらは、記録しようとするボディ(人体など)から反射されたコヒ
ーレント光またはモノクロ光を重ね合わせることから発生している。この場合、
3Dイメージはコヒーレント光で照射すると再び表示可能にすることができる。
しかし、残念ながら、カラー情報は失われている。
双安定液晶をベースにして構築されたディスプレイも数年前から知られている
が、このディスプレイはレーザビームで書き込み可能になっている。液晶はレー
ザパワーを供給することによって、数μm2の領域にわたって透明状態から拡散
、つまり、散乱状態にフリップすることが可能になっている。この状態は、レー
ザパワーを供給しなくても数年間保存しておくことが可能であり、電圧を印加す
ることでリセットすることも可能になっている[12]。従って、ここでは、バ
イナリ情報をストアしておくことが可能になっている。以下では、これらの書き
込み可能面を散乱ディスプレイ(scatter display)と呼ぶこと
にする。
問題の解決方法
本発明の目的は表現されたボディ(人体など)が異なる観察位置から、さらに
は異なる透視画で立体鏡的に表示されるように、三次元イメージをストアしてお
くことである。従って、表現されたカラーイメージのホログラム的変化は観察者
のヘッドの左右方向の動きと共に現れるようになっている。このことから発生す
る問題の解決方法は散乱ディスプレイと、さらに別の特殊構成の支援を受けて、
かかるカラーイメージ立体ホログラムを作成し、かかるカラーホログラムが許容
時間内にレーザビームで書き込みができるようにすることである。そのあと、こ
のカラーホログラムは電源供給なしで可能な限り保存しておくか、あるいはその
ディスプレイが次の立体ホログラム用に再び使用できるようにリセット可能であ
ることが必要である。
さらに、同じイメージを市販されている通常タイプの黒白フィルムに保存でき
ることも必要である。これと同時に、そのフィルムにバイナリ形式でストアされ
た立体ホログラムが既存のアタッチメントで表示可能にできるように、フィルム
が使用できることが必要である。このアタッチメントは散乱ディスクプレイで必
要となるものと同じものにすると、利点が得られる。
現在までは、上述した特徴をもつ書き込み可能立体ホログラムディスプレイは
知られていない。
発明の原理
問題の解決方法の個所で説明した立体ホログラムディスプレイのパフォーマン
ス上の特徴は、[1]、[2]、[8]、[11]に記載の公知の円筒レンズ・
ラスタガラス、[4]と[12]に記載の公知の散乱ディスプレイ、および以下
で詳しく説明するある種のマスキング層を使用し、これらを特定の方法で結合す
ることによって達成することができる。ディスプレイは適当なコードで変調され
たパラレル・レーザビームによって書かれる。ここで、NMR(核磁気共鳴)ま
たはX線トモグラフィ(断層撮影)からの三次元オブジェクト情報がグラフィッ
クコンピュータで利用可能であると想定すると、必要とする、すべての透視画−
最大100個までが可能−は、特定のビュー方向ごとにそのデータから計算され
、そのオブジェクトの外観は、そのあとで、その透視画から観察されることにな
る。オブジェクトのすべての透視画はそのあと、立体ホログラムディスプレイ上
で完全な3Dカラーイメージに組み立てられ、必要とする透視画は観察またはヘ
ッド位置の方向を通して選択することができる。
次に、このディスプレイの構造と機能について図1を参照して詳しく説明する
。図1はディスプレイの種々の層を示し、これらの層は相互から展開されるよう
に示されている。立体ホログラムディスプレイの前面側は円筒レンズ・ラスタガ
ラス(1)からなり、1024個の円筒レンズは、例えば、ピッチ高さが約0.
5mmで、1つの適当な幅を規定している(観察距離が異なるごとに、最適なレ
ンズ幅を変更できることは勿論である)。これらのレンズは、2つのガラスプレ
ート(12)の間に液晶(11)から形成されている、8μm×4μmのピクセ
ルサイズをもつ散乱ディスプレイ(4)のLC(液晶)層における観察距離a(
ホログラムディスプレイが組み立てられた状態において)に対して焦点合わせさ
れている。散乱ディスプレイ(4)とレンズ・ラスタプレート(1)の中間には
、2つのマスクがある。つまり、カラーマスク(2)と輝度マスク(3)である
。散乱ディスプレイは後部からホワイト光(5)で照射される。制御されたレー
ザダイオード(6)からのレーザビームは散乱ディスプレイに書き込むために使
用される。
カラーマスクと輝度マスクについて、図4を参照して詳しく説明する。カラー
マスクは3つの水平透明カラーフィルタ・ストリップをもち、それぞれが赤(R
)、緑(G)および青(B)光を未変更のまま通過させ、対応する補色成分をフ
ィルタ除去することを可能にしている。
本発明による立体ホログラムディスプレイは、カラーマスク(2)の各水平カ
ラーストリップの背後の輝度マスク(3)の輝度コード化ストリップ(図4のb
)参照)を含み、このストリップ自体は、異なる光透過率(好ましくは、例えば
、1、1/2、1/4、1/8、1/16のように、振幅に対して2のべき乗)
をもつ水平サブストリップに細分化されている。マイクロディスプレイ(4)上
のバイナリ黒または白マイクロフィールド(10)は各々が、このような狭い輝
度サブストリップ内に置かれている。カラーストリップ内で一方が他方の上に置
かれているマイクロフィールドは、カラーストリップを通り抜けた透過光振幅が
合計で望ましい輝度ステップに一致するようにスイッチオンまたはオフされる。
輝度サブストリップは、好ましくは、より明るい光透過サブストリップがカラー
ストリップのより中間に置かれ、他方、より暗い光透過サブストリップはカラー
遷移方向に移されるように位置づけられている。
オプションとして、ほぼ同一幅の黒ストリップがあり、これはすべての光波長
をフィルタ除去する。すべての4または3ストリップは合計で約レンズ幅、例え
ば、約0.5mmに対応する幅をもっている。カラーストリップの高さは合計で
約80μm、垂直ピッチ高さは合計で約0.32mmになっている。各カラース
トリップ(RNGまたはB)(図4のa)参照)の背後には、輝度マスキングス
トリップ(図4のb)参照)が置かれている。このマスキングストリップはそれ
自体さらに、例えば、10個のサブストリップに細分化され、各々は約8μの幅
になっている。輝度が劣るステップをもつ他の実施例では、サブストリップは、
例えば、8または4個のように、少なくすることが可能である。各サブストリッ
プは特定の光透過率(波長から独立している)をもち、バイナリ輝度コード化を
可能な限り単純化している。例えば、これらのサブストリップには、次のように
異なるクラスがある。1.光の全振幅が通過される、2.半振幅(1/2)が通
過される、3.振幅の1/4が通過される、4.振幅の1/8(1/8=1/23
)が通過される、5.振幅の1/16(1/16=1/24)...、8.1/
128(1/128=1/27)が通過される。したがって、透過率が1である
サブストリップは相対輝度を64にすることができる。
透過率はすべてがサブストリップに存在している必要はない。例えば、クラス
8はクラス1の3ストリップが使用される場合は省くことができる。図4のb)
では、クラス1の3サブストリップが使用され、カラーストリップの中間に相互
に隣り合うように配置されているので、クラス1のサブストリップは3倍の幅に
なっている。例えば、これらの3ストリップがあると、背後に置かれたディスプ
レイの3個の黒白マイクロピクセルは適当に制御されるので、0×64、1×6
4、2×64、3×64の相対輝度値を作成することが可能である。ディスプレ
イ上の輝度サブストリップの各マイクロピクセルは光を散乱させることも、散乱
させないこともできる。さらに、図4のb)の例では、クラス2〜7の輝度スト
リップが使用されている。背後に置かれたディスプレイの9マイクロピクセルを
選択的に制御することにより、0〜255の相対輝度値は、8ビットコード化に
対応づけて、重ね合わせることにより1つのカラーストリップに作成することが
できる。
クラス1の3つの隣接サブストリップを使用すると、マスキングストリップに
おける光吸収が減少し、次の散乱ディスプレイの若干の高さ許容範囲に対する感
度不足が増加することになる(図4のd)参照)。その他の狭いストリップはす
でに説明したように、振幅の輝度成分を50%、25%、12.5%、6.25
%、3.125%、1.56025または0%から通過させる。コード化輝度ス
テップの例は図4のc)に示されている。その詳細は図4a)乃至d)に示され
ている。つまり、a)カラーマスク:カラーストリップの高さ約80μm、GB
Sピッチ高さ約320μm、b)輝度マスク:7輝度ステップ(+ブラック)、
8ビット輝度コード化では9カラーストリップ、c)黒白フィルム上の立体ホロ
グラムのディジタルカラーピクセル・コード化の例:関連の輝度値を示している
、d)レーザビームから書かれた散乱ディスプレイからのコードパターンのコー
スの例。
その他の輝度マスクを実装して、少ない数の輝度ステップに対応させることが
できることは勿論である。不透明ブラックストリップは、あるカラーから次のカ
ラーへの遷移をカバーするように適当に位置づけられる。医療テクノロジで使用
することを目的とした立体ホログラムディスプレイ全体では、サイズは幅が約5
0cm、高さが28cmになっている。これはLC散乱ディスプレイを作るには
異常に大きいが、狭い不透明水平ストリップが存在していることが必要で、電極
をリセットするためのワイヤとスペーサをそこにはめ込むことができるので、こ
れは実現可能である。
本発明によれば、LC散乱ディスプレイをバイナリ・マイクロディスプレイ(
4)としてもつ立体ホログラムディスプレイは、斜め上方または下方からホワイ
ト光で照射され、通過し、散乱されなかった光線は組み込まれた水平マイクロミ
ラー(9)に反射されるか、あるいは水平黒ミニストリップに吸収されるように
なっている。
問題の解決方法の個所で既述したように、散乱ディスプレイはフィルムで置換
可能であることも必要である。
本発明による立体ホログラムディスプレイでは、バイナリ・マイクロディスプ
レイ(4)は取り外し可能で、バイナリ書き込みフィルム(7)と照射面(8)
からなり、バイナリ立体ホログラムが事前に印加されているフォトディスプレイ
で置換可能になっている。
しかし、このサイズと解像度の黒白フィルムは安価で得られるはずである。そ
こで考慮すべきことは、マイクロメートルの精度でマウントすることだけである
。しかし、フィルムはガラスプレートに固定されるか、あるいは微細ホールマト
リックスで緊張されるので、このマウントは保証できる。図2はそのような立体
ホログラム表示装置を示し、そこでは(7)はフィルムまたはフィルムプレート
を示し、(8)は均一分散光をもつ照射ボックスを示している。(7)は標準黒
白フィルムをもつガラスプレートからなり、フィルムはガラスプレートの前面側
に貼着されている。解像度は合計で3200dpiである。ピクセルサイズが約
8×8μm2であるとき、ディジタル情報内容は約180Mバイトになる。カラ
ーマスクと輝度マスクのシーケンスはフィルムプレート(7)と交換可能にする
ことができる。重要なことは、円筒レンズのフォーカルラインがどちらの場合も
、薄フィルム層上にあることだけである。図2に示す他のエレメントとしては、
(1)1024個の円筒レンズをもつレンズ・ラスタプレート、(2)ストリッ
プ高さが80μm、ピッチ高さが0.32mmであるカラーストリップマスク(
RGBS)、(3)個々のストリップ高さが8μmであるグレーストリップ・コ
ードマスクがある。これらの3エレメントは図1に示すものと同じである。
レンズのフォーカスは、なかんずく、光の波長によって若干左右される。しか
し、3カラーR、GおよびBはマスク上のカラーストリップに従って空間的に分
離されている。このようにすると、フォーカル長はガラスの若干異なる厚さによ
って補正できるという利点がある。
散乱ディスプレイの縦断断面は図3のa)に示されている。制御可能な最小バ
イナリ・ピクセルサイズは合計4μm×8μmである。(13)はホワイト光の
ビーム方向を示し、(14)はレーザビーム書き込み方向を示している。拡大カ
ラー構造は図3のb)に示されており、そこでは水平ストリップはビュー方向に
位置している。
立体ホログラムディスプレイの用途分野の説明
立体ホログラムディスプレイは物品またはランドスケープを三次元で表現する
。0.5mm幅の円筒レンズを使用すると、三次元物品を80以上の異なるビュ
ーで表現することが可能である。物品のすべての透視画は表示可能にすることが
できる。つまり、観察者のヘッドを左右に動かすことで見ることができる。これ
らのビューは基本的にコンピュータによって計算される。従って、自然に現れな
い関連ビューを表現することも可能である。例えば、物品の外部をあるビュー角
度まで表示してから内部を表示することができる。シングル立体ホログラムでは
、動的プレゼンテーションの可能性も発生する。例えば、物品はディスプレイの
前に現れる物品として左に回転することができる。従って、骨折は三次元で、例
えば、全体を回して観察することができる。従って、最も重要な用途分野は医療
テクノロジにおける放射線治療である。X線を照射して数分後に、結果が三次元
でディスプレイに表示され、必要な期間保存しておくことができる。これと並行
に、同じホログラムをフィルムにストアすることができる。つまり、後日のため
に残しておくことができる。
関心のあるもう1つの分野は広告である。人の目は、自然に現れない異常な効
果によって、無意識のうちに、あるオブジェクトに注意力が向けられるからであ
る。
もっと大きなディスプレイを作成すると、三次元で現れるインタラクティブ・
ビルディングとランドスケープが形成できるので、建築が重要な応用分野となる
。ディスプレイの断面だけをリセットし、変更した形で再書き込みできるからで
ある。この特徴は創作的アートの分野でも歓迎されるであろう。
しかし、3Dスタジオを設立することも可能であり、そのようにすると、コン
ピュータの支援を受けて三次元カラー・ポートレートを得ることが可能であり、
これは余り待つことなく、いくつかのテスト照射から選択することができる。最
高100個までの個別透視画が表示される場合でも、このケースでは照射も10
0回行う必要はない。間接的透視画は高解像度カメラで異なる方向から同時に行
われた2または4回の照射からインタポレートすることができる。実際の情報は
純粋にバイナリ形式でファイルされるので、フィルムよりさらに安価なマテリア
ルを使用することができる。ウェーハ吸収層はレーザパワーによって局所的に選
択的蒸着を行うことができる。 請求の範囲
1. 物品を三次元で表現する立体ホログラムディスプレイであって、垂直に配
置された円筒レンズをもつレンズ・ラスタプレート(1)と、ビュー(表示)方
向に背後に配置され、そこにピクセルが配列されているマイクロディスプレイ(
4)とからなり、大きさが数μm2であるバイナリコード化ピクセルだけがマイ
クロディスプレイ(4)上に配列されていて、バイナリピクセルは正しいビュー
のためにコンピュータから事前に判断されており、ここでバイナリとは、透明か
吸収か、透明か散乱か、明か暗か、水平偏向か垂直偏向かを意味するものにおい
て、レンズ・ラスタプレート(1)とマイクロディスプレイ(4)の間に配置さ
れていて、ピクセルの輝度コード化のために異なる光透過率をもつ水平配列スト
リップをもつ輝度マスク(3)と、レンズ・ラスタプレート(1)とマイクロデ
ィスプレイ(4)の間に配置されていて、ピクセルのカラーコード化のために異
なるカラーの水平配置ストリップをもつカラーマスク(2)とを含んでいること
を特徴とする立体ホログラムディスプレイ。
2. 請求項1に記載の立体ホログラムディスプレイにおいて、カラーマスク(
2)の各水平カラーストリップの背後には、輝度コード化ストリップ(図4b参
照)が配置されており、輝度コード化ストリップ自体は異なる光透過率(好まし
くは、例えば、1、1/2、1/4、1/8、1/16、以下同様のように、振
幅に対して2の累乗)をもつ水平サブストリップに細分化されており、マイクロ
ディスプレイ(4)上のバイナリ黒または白マイクロフィールド(10)は各々
が1つの狭い輝度サブストリップ内に位置し、カラーストリップ内で一方が他方
の上に置かれているマイクロフィールドは、カラーストリップ上の透過光振幅が
合計で、望ましい輝度ステップに対応するようにスイッチオンまたはオフされる
ことを特徴とする立体ホログラムディスプレイ。
3. 請求項1または2に記載の立体ホログラムディスプレイにおいて、輝度サ
ブストリップは、好ましくは、より明るい光透過サブストリップがカラーストリ
ップのより中間に置かれ、他方、より暗い光透過サブストリップはカラー遷移の
方向に移されるように、カラーストリップ内に置かれていることを特徴とする立
体ホログラムディスプレイ。
4. 請求項1、2または3に記載の立体ホログラムディスプレイであって、L
C散乱ディスプレイをバイナリ・マイクロディスプレイ(4)として備えている
ものにおいて、後方からの上方または下方からホワイト光で斜めに照射すること
によって通過した光線は組み込まれた水平ミニミラー・ストリップ(9)で反射
または吸収されることを特徴とする立体ホログラムディスプレイ。
5. 請求項4に記載の立体ホログラムディスプレイにおいて、バイナリ・マイ
クロ散乱ディスプレイは取り外し可能で、フォトディスプレイで置換可能であり
、該フォトディスプレイはバイナリ書き込みフィルム(7)と、バイナリ立体ホ
ログラムが事前に印加されている照射面(8)とからなることを特徴とする立体
ホログラムディスプレイ。
6. 請求項1乃至5に記載の立体ホログラムディスプレイにおいて、後方照射
ではなく前方からの拡散照射をもち、吸収面は散乱ディスプレイ(4)の背後に
配置され、バイナリ書き込みフィルム(7)の場合には、ホワイト拡散反射層が
設けられていることを特徴とする立体ホログラムディスプレイ。
【図1】【図2】【図3】【図4】
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【要約の続き】
た形で使用してホログラフィ写真を得ることも可能であ
る。