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JP2001505432A - ヒト接着分子のアンチセンス阻害 - Google Patents

ヒト接着分子のアンチセンス阻害

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JP2001505432A
JP2001505432A JP52553398A JP52553398A JP2001505432A JP 2001505432 A JP2001505432 A JP 2001505432A JP 52553398 A JP52553398 A JP 52553398A JP 52553398 A JP52553398 A JP 52553398A JP 2001505432 A JP2001505432 A JP 2001505432A
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JP52553398A
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ディー. ホーク,グレン
オー. ブラドリー,マシューズ
ジェイ. ウィリアムズ,タフィー
リー,チェーハン
Original Assignee
ダイヤド ファーマシューティカル コーポレイション
ディー. ホーク,グレン
オー. ブラドリー,マシューズ
ジェイ. ウィリアムズ,タフィー
リー,チェーハン
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ニキビ、乾癬、関節炎、移植された器官の拒絶、創傷、火傷、敗血症ショック、およびショックの炎症性合併症を含むが、これらに限定されない炎症性の成分を有するヒトの状態および疾患の処置のための方法を提供する。ヒトICAM-I、ヒトE-セレクチン、またはヒトVCAM-1のmRNAの少なくとも一部に相補的な少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを使用する、ヒトICAM-I、ヒトE-セレクチン、またはヒトVCAM-1のmRNA転写物の発現を選択的に阻害するためのプロセスが開示され、同様に、ヒトICAM-I、ヒトE-セレクチン、またはヒトVCAM-1のmRNAの一部に相補的なオリゴヌクレオチド、および上記のオリゴヌクレオチドを含む組成物が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト接着分子のアンチセンス阻害発明の分野 本発明は、細胞の会合へ細胞を媒介するタンパク質の発現を阻害するための特 異的アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用に関する。詳細には、本発明は、ア ンチセンスオリゴヌクレオチドの適用による、細胞接着分子の阻害に関する。よ り詳細には、本発明は、細胞内接着分子-1(ICAM-1)、内皮白血球接着分子-1、 E-セレクチン、および血管細胞接着分子-1(VCAM-1)をコードするヒトmRNAまた はプレmRNAに相補的な特定の配列特異的アンチセンスオリゴヌクレオチドの使用 に関する。最も詳細には、本発明は、炎症に関連するヒトの疾患または状態を処 置または予防するための、ヒトICAM-1、E-セレクチン、またはVCAM-1中でのアン チセンスオリゴヌクレオチド標的の使用に関する。 発明の背景 炎症は、白血球、血漿タンパク質、および体液の、通常は血管外部位での局所 的な蓄積によって特徴付けられる。炎症のプロセスは、周辺組織に対して本質的 に破壊的であり、そして、同種移植拒絶または敗血症のような特定の状況におい て、有益であるというよりはむしろ有害であり得る。従って、炎症成分に関連す る状態を評価するための適切な戦略は、炎症応答のダウンレギュレーションであ り、全切除ではない。特異的細胞接着レセプターおよび/またはレセプターに対 するリガンドのダウンレギュレーションは、血管系中の内皮細胞に対する炎症媒 介性の損傷を予防するかまたは軽減する。 組織内への白血球の移動は、免疫応答または炎症応答における中心的な事象で ある。組織へのこの移動および続く漏出は、損傷および感染に対する首尾良い宿 主応答を担う。白血球はまた、潜在的に有害であり、そして多くの炎症性の障害 の病理学に貢献する。この損傷の正確な機構は知られていないが、遊離の酸素ラ ジカルの生成およびタンパク質分解酵素の放出が関係しており、そして白血球誘 導性の内皮細胞の損傷においてともに作用し得る(Varani,J.ら、(1989)Am .J.Path.135:429-436)。内皮細胞への白血球の接着の証拠は、特異的な表 面タンパク質に起因すると考えられている。 多くの必須の細胞接着タンパク質およびレセプターの発現が、炎症の発達の間 の、炎症応答および免疫応答の活性化に関与する。接着分子は、宿主に対して外 因性または内因性である種々の細胞媒介因子によって活性化され、従って、理論 的なアプローチは、複数の活性化因子で補助される処置に対抗するような、接着 タンパク質の発現のダウンレギュレーションである。従って、接着タンパク質の 発現を特異的にダウンレギュレートするためのアンチセンスオリゴヌクレオチド の使用は、炎症におけるそれらの役割を評価するための明らかな利点を付与する 。 イムノグロビンスーパーファミリーとして総称的に知られている内皮細胞接着 分子のファミリーは、活性化された内皮に対する白血球の結合に関与する。この ファミリーの1つのメンバーは、細胞内細胞接着分子-1(ICAM-1としてもまた知 られている)である(Springer,T.A.ら、(1987)A.Rev.Immun.5:223-252 )。ICAM-1は、内皮細胞の90kDの細胞表面糖タンパク質であり、これは、白血球 によって発現される白血球機能関連-1(LFA-1)インテグリンを通じて、好中球 およびおそらく単球に結合する(Kishimoto,T.K.ら、(1989)Adv.Immunol.4 6:149-182)。内皮への白血球の接着のための2つの経路が存在する:1)即時 型接着(タンパク質の新規の合成に依存しない)および2)遅延型接着(1〜2 時間、タンパク質の合成に依存する)(Osborn,L.(1990)Cell 62:3-6)。 内皮細胞中でのICAM-1の合成および表面の提示は、ICAM-1が、白血球接着の第2 の(すなわち、遅延する)成分に関与し得ることを示唆する。ICAM-1は、正常な 条件下で上皮および内皮の両方に低レベルで存在するが、ICAM-1遺伝子またはmR NAの発現は、種々の炎症刺激因子(例えば、インターフェロン、インターロイキ ン(すなわち、インターロイキン-1および腫瘍壊死因子-α(TNF−α))によっ て明らかに増大される(Prober,J.S.およびR.S.Cotran(1990)Transplant.5 0:537-544)。 インターロイキン-1、インターフェロンγ、または腫瘍壊死因子-αのいずれ かを用いるヒトの請帯静脈内皮細胞(HUVEC)の刺激は、ICAM-1の表面提示にお いて30倍より大きい増大を生じる(Osborn,L.ら(1990)Cell 62:3-6)。また 、サイトカインによるICAM-1合成の刺激には、およそ2時間の遅延が必要であり 、次いで、内皮細胞表面の増大した提示が維持される(Smith,C.W.ら(1988)J .Clin,Invest.82:1746-1756)。ICAM-1の提示におけるこの2時間の遅延は 、インビボでの内皮細胞への好中球の接着の時間経過と関係する(Munro,J.M. ら、(1991)Lab.Invest 64:295-299)。24時間後、ICAM-1の発現および抗体 によって認識されるべきICAM-1の能力は、炎症前レベルにまで低下する(Munro ら、前出)。従って、この研究は、好中球の初期の皮膚への蓄積がICAM-1の内皮 細胞発現と関連し得ることを実証する。これらのインビボでの効果は、ICAM-1の 誘導に関するインビトロでの証拠、および好中球の接着におけるICAM-1の役割と 密接に関連する。インターロイキン-1によってHUVEC中でインビトロで誘導され る、好中球、好酸球、好塩基球の接着をブロックするためのICAM-1に対する抗体 の能力は、ICAM-1が炎症応答の間に重要な役割を果たすことを示唆する(Bochne r,B.S.ら(1991)J.Exp.Med.173:1553-1556およびCarlos,T.ら(1991)B lood 77:2266-2271)。 ICAM-1の合成のダウンレギュレーションの発現目的を有するアンチセンスオリ ゴヌクレオチドで、プレmRNAまたは成熟mRNAを標的化する能力は、即座に可能で ある。ICAM-1をコードするmRNAがクローニングされ、そして核酸配列は、アンチ センスオリゴヌクレオチドでの選択的な標的化に利用可能である(Staunton,D. E.ら、(Cell 52−925−933;Wawryk,S.D.ら、Intl.Immunol.3:83-93)。 内皮細胞に対する白血球の接着の証拠は、特異的な表面タンパク質に起因して いる。セレクチンまたはLECCAMとして公知の内皮細胞接着分子の別のファミリー が、活性化された内皮への白血球の結合に関与する。このファミリーの1つのメ ンバーがE-セレクチンである。E-セレクチンは、好中球そしておそらく単球に結 合する内皮細胞の110kDの細胞表面糖タンパク質である(Bevilacqua,M.P.ら、1 987、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:9238-9242)。内皮への白血球の接着の ための2つの経路(即時型および遅延型接着)のうち、内皮細胞におけるE-セレ クチンの合成および表面提示は、E-セレクチンが、第2の(すなわち、遅延する )白血球接着成分に関与し得ることを示唆する(Bevilacqua,J.S.ら、1987、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:9238-9242、およびBevilacqua,J.S.ら、1989 、Science 243:116−1165)。いくつかの炎症応答の媒介因子は、E-セレクチン の生合成および発現を通じて内皮細胞への白血球の接着を増大させ得る。IL-1ま たはTNF-αのいずれかでのHUVECの刺激は、E-セレクチンの表面提示において100 倍より大きい増大を生じる(Osborn,L.ら、1990、Cell 62:3-6)。また、E-セ レクチンの合成の刺激およびHUVECの表面上でのその提示は、内毒素によって媒 介されることが示されている(Munro,J.M.ら、1991,Lab.Invest.64:295-29 9)。ヒヒの皮膚への内毒素の注射は、注射の2時間以内に細静脈中での坑E-セ レクチン抗体の、強力で広範な内皮結合を生じる。細静脈へのE-セレクチンの提 示におけるこの2時間の遅延は、好中球の接着の時間経過と相関する。9時間後 の、E-セレクチンの発現および抗体によって認識されるE-セレクチンの能力は、 注射前のレベルにまで低下する(Munro,J.M.ら、IBID)。これらの結果は、内 毒素の注射後の好中球の初期の皮膚蓄積が、E-セレクチンの内皮細胞の発現と関 連することを実証する。これらのインビボでの効果は、内毒素によるE-セレクチ ンの誘導、および好中球の接着におけるE-セレクチンの役割に関するインビトロ での証拠と密接に関連する。好中球、好酸球、好塩基球の接着をブロックするた めにE-セレクチンに指向する抗体の能力は、インビトロで、インターロイキン-1 によってHUVEC中で誘導され、このことは、E-セレクチンが炎症応答の間に重要 な役割を果たすことを示唆する(Bochner,B.S.ら、1991、J.Exp.Med.173:1 553-1556、およびCarlos,T.ら、1991、Blood 77:2266-2271)。 E-セレクチンのcDNAクローンおよびゲノムクローンが単離されており、プレmR NAおよび成熟mRNAの核酸配列が、これらの配列から決定され得る(Goelz,S.E. ら、1990、Cell 63:1349-1355;Hession,C.ら、1990、Proc.Natl.Acad.Sci .USA 87:1673-1677;およびCollins,T.ら、1991、J.Biol.Chem.266:246 6-2473)。 炎症反応が血管の腔表面の内皮細胞上での、循環している白血球と接着分子と の相互作用によって調節されることを示す証拠が、数多く存在する。これらの血 管接着分子は、白血球の循環を阻止し、従って、炎症の部位へのこれら細胞の補 充の最初の工程を行う。白血球の表面上で見出されている2つのサイトカイン誘 導性接着分子(ICAM-1およびE-セレクチン)が、炎症部位への循環している白血 球の補充に重要であると特徴付けられている(Simmons,D.ら、(1988)Nature 331:624−627:Staunton,D.E.ら、(1988)Cell 52:925-933;Staunton,D.E .ら(1989)Nature 339:61-64)。しかし、ICAM-1またはE-セレクチンのいずれ もが、内皮細胞を活性化するためのリンパ球、B-細胞、またはT-細胞の補充また は接着に関与しないようである。E-セレクチンは、PMNについて選択的であり、 そしておそらく単球であるが、リンパ球には結合しない(Bevilacqua,M.P.(19 87)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:9238-9242;Bevilacqua,M.P.(1989)Sc ience 243:1160-1165)。ICAM-1は、白血球インテグリンレセプター分子(LFA- 1)のリガンドであるが、LFA-1に対する抗体は、活性化された内皮細胞に対する リンパ球細胞の接着をブロックしない(Haskard,D.ら、(1986)J.Immunol.1 37:2901-2906)。これらの結果は、活性化された内皮への白血球の接着のため の別の経路を示唆する。 サイトカインによる内皮細胞の活性化の顕著な特徴は、接着分子の発現の誘導 によるそれらの表面接着特性の変化である(Pober,J.S.およびR.S.Cotran(19 90)Physiol.Rev.70:427-451)。これらの分子の誘導は、種々の生理学的状 態の間にインビボで観察される超接着(hyperadhesive)表面変化を導く。VCAM- 1は、発現クローニングによって(Osborne,L.ら、(1989)Cell 59:1203-1211 )、および特異的モノクローナル抗体によって(Rice,G.E.およびM.P.Bevila cqua(1989)Science 246:1301-1306)、活性化されたヒトの臍帯の内皮細胞中 で同定された。VCAM-1は、誘導性の内皮細胞表面分子であり、これは、インテグ リンVLA-4との相互作用を通じて細胞間接着を媒介することが示されており、こ れは、単球、リンパ球、好塩基球、好酸球、および特定の腫瘍細胞上で発現され るが、好中球上では発現されない(Elices,M.J.ら、(1990)Cell 60:577-584 ;Taichman,D.B.ら、(1991)Cell Regul.2:347-356;Bochner,B.S.ら(199 1)J.Exp.Med.173:1553-1556;Rice G.E.ら(1990)J.Exp.Med.171:1369 -1374)。VCAM-1の発現は、病理学的状態で血管内皮上で誘導性であるが、これ は、いくつかの非血管性細胞上で構成的に発現される(Rice,G.E.ら(1990)J Exp.Med.171:1369-1374;Rice,G.E.ら(1991)AM.J.Pathol.138:385- 393)。炎症プロセスにおいて、VCAM-1は、後毛細管細静脈の内皮細胞上での翻 訳のレベルにおいてアップレギュレートされる(Briscoe,D.M.ら(1991)Trans plantation 51:537-547)。VCAM-1は、膜貫通タンパク質であり、そしてイムノ グロビン(immunoglobin)遺伝子スーパーファミリーのメンバーである。VCAM-1 分子は、6つのイムノグロビン様ドメインを含み、これは、リンパ球上のVLA-4 レセプターと相互作用する。いくつかの系統の証拠が、炎症プロセスにおけるリ ンパ球の補充でのVCAM-1の重要な役割と一致する。1)VCAM-1の発現は、IL-1お よびTNF-αによって迅速に誘導され、そしてこの誘導は、72時間までの間維持さ れる。VCAM-1の誘導のこの時間経過は、遅延型高血圧反応において生じる維持さ れた単核リンパ球性炎症と平行である(Dvorak,H.F.ら、(1980)Int.Rev.Ex p.Patthol.21:195-199)。2)HUVECは、サイトカインへの曝露の際にICAM-1 およびE-セレクチンを発現し、そしてそれらの発現は、インビボでサイトカイン の注射部位で生じる(Cotran,R.S.およびPobar,J.S.(1988)Endothelial Cel l Biology,N.SimionescuおよびM.Simionescu編(New York:Penum Press)33 5-347頁)。HUVECはまた、サイトカインへの曝露の際にVCAM-1を発現する(Osbo rne,L.ら(1989)Cell 59:1203-1211)。3)ヒトの滑膜の凍結切片が、炎症 した血管へリンパ球を結合させる能力を示すが、正常な血管に対してはそうでは なく、このことは、これらの部位での誘導性のVCAM-1の存在と一致する。全体と して、これらの結果は、VCAM-1がインビボでの炎症部位へのリンパ球の補充の中 心的な媒介因子であり得ることを示唆する。インターロイキン-1で刺激された内 皮細胞への静止T細胞の接着におけるVCAM-1の役割が示唆されているが、VCAM-1 が、活性化されたT細胞の結合またはT細胞の経内皮的移動(transendothelial migration)のいずれかに関与するという証拠は、ほとんど存在しない(Oppenh eimer-Marks,N.ら(1991)J.Immunol.147:2913-2921)。また、VCAM-1は、 内皮細胞への活性化されたT細胞の接着において重要な役割を果たすようではな い。 このデータは、VCAM-1とVLA-4との間で生じる認識の破壊によって、未刺激の 内皮または活性化された内皮のいずれかに対する静止T細胞の結合を阻害するこ とが可能であることを示唆する。VLA-4および/またはVCAM-1のいずれかに対す るモノクローナル抗体の使用は、レセプター/リガンド対の相互の認識を妨げる ことにおいて有用であり得る。認識プロセスを妨害するための別のアプローチは 、VCAM-1合成のダウンレギュレーション、およびそれによる活性化された内皮細 胞の表面へのこの分子の提示における減少による。アンチセンスオリゴヌクレオ チドは、内皮細胞の表面へのVCAM-1分子の提示を阻害するための魅力あるアプロ ーチを提供する。 アンチセンスオリゴヌクレオチドのその標的mRNAとの相互作用は、ハイブリダ イゼーションがアンチセンスオリゴヌクレオチドに相補的な塩基の配列によって 決定されるか、または核酸の2つの鎖のワトソン/クリック塩基対合によって決 定される場合に、高度に特異的である。従って、アンチセンスオリゴヌクレオチ ドとmRNA標的との間に複数の接触点が存在し、これは、正確な配列に対するハイ ブリダイゼーションについて特異性を増大する。ワトソン/クリック塩基対合に 由来する特異性は、タンパク質の活性を阻害するかまたはそれらの作用を模倣す る伝統的な薬物においては明らかではない。薬物療法の使用によって生じる副作 用は、薬物と、類似の結合部位または相互作用部位を有する種々のタンパク質と の間のわずかな接触点での相互作用を通じて生じる。このような有害な影響は、 アンチセンス薬物を用いて排除される。ヒトゲノム中の塩基対の数および塩基の 利用頻度に基づく実験的な計算によって、全ヒトゲノム中に13マーのアンチセン スオリゴヌクレオチドに相補的なものが1つ存在することが予測される(Ts'o、 P.O.Pら、Biological Approaches to the Controlled Delivery of Drugs,第50 7巻、Ann.N.Y.Acad.Sci.)。 二重鎖の安定性は、多くの因子によって決定され、その因子の中でも、長さの 重要性が高いが、mRNAと十分に安定なヘテロ二重鎖を形成する能力を有し得る15 ヌクレオチドより短い多数のオリゴヌクレオチドが存在する。例えば、安定性に ついてヒトVCAM-1のmRNAの5'末端の最初の122ヌクレオチドを分析するために、 隣接熱力学的アプローチ(nearest-neighbor thermodynamics approach)(Bres lauerら(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.83:3746-3750、およびFreierら(198 6)Proc.Natl.Acad.Sci.83:9373-9377)を使用すると、37℃で安定な二重 鎖を形成する多くのものが存在する。安定な12マー(潜在的には、111オリゴヌ クレオチド)の分析は、50℃を超えるTm(その温度で分子の50%が二重鎖を形成 する)を有する9個のオリゴヌクレオチドが存在し、そして45℃を超えるものが 18個存在することを明らかにする。13マー(潜在的には、110オリゴヌクレオチ ド)の分析によって、50℃を超える推定のTmを有する20個、45℃を超える推定の Tmを有する53個が存在することを明らかにする。54.5℃のTmを有するオリゴヌク レオチドについて、32℃では、一本鎖のままであり、そして標的mRNAと二重鎖を 形成しないオリゴヌクレオチドはほとんど存在しない。アンチセンス活性を最適 化するためのオリゴヌクレオチドの最適なTmまたは長さを最終的に扱う文献にデ ータは存在しない。13マーが、(理論的計算に基づいて)特有のmRNAを定義する ために十分である場合、十分なmRNAのヘテロ二重鎖の安定性を有する13マーは、 最も最適なアンチセンスオリゴヌクレオチドであることが証明され得る。VCAM-1 を標的化する2つの13マー(Tm53.1および51.6℃)の理論的分析は、これらの オリゴヌクレオチドのおおよそのTmが、1つの不適合につき約9.2℃低下すると 予想する(Tm=Td−(1.2)(%不適合)。より長いオリゴヌクレオチドについて、不 適合あたりのこの低下はより小さい(すなわち、21マー(70℃のTmを有する)に ついて、低下は約5.4℃である)。この情報に基づいて、21マーが、2つの不適 合を有してもなお、非標的mRNAと十分に安定なヘテロ二重鎖を形成し得る(Tmは 、この非特異的ハイブリッドについて70℃から約59℃に低下する)。13マー(Tm 51.6℃)について、2つの不適合によってTmは約32℃に低下する。従って、より 短いオリゴヌクレオチドが、増大した特異性についての可能性を有する。 アンチセンスオリゴヌクレオチドによるタンパク質合成のダウンレギュレーシ ョンの証拠が、インビトロで十分に記載されている(概説については、vander K rol, A.R.ら、BioTechniques 6:958-976;Cohen,J.S.、Antiviral.Res.16 :121-133を参照のこと)。 インビボでの処置のためのアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用において扱 われる主要な問題点は、ヌクレアーゼの作用に対する分子の安定性である。ホス ホジエステル結合を含む未改変のオリゴヌクレオチドの使用は、これらのオリゴ ヌクレオチドが血清および細胞中に存在するエキソヌクレアーゼおよびエンドヌ クレアーゼに感受性であるので、アンチセンス治療に有効であるとは証明されて いない。従って、天然の、またはホスホジエステルデオキシオリゴヌクレオチド (PO-ODN)の改変は、分解に対する増大した安定性を提供するように開発されて いる(Uhlmann,E.およびA.Peyman、Chemical Reviews 90:543-584)。これら の改変の1つは、ホスホロチオエートデオキシオリゴヌクレオチド(PS-ODN)を 産生する硫黄でのホスホジエステル結合中の架橋していない酸素原子の1つの置 換である。PS-ODN中への硫黄原子の導入は、ハイブリダイゼーションを有意には 破壊しない。PS-ODNは、水性媒体中でPO-ODNの相対的な可溶性を維持し、そして 血清および細胞性ヌクレアーゼに対する有意に増強されたヌクレアーゼ安定性を 提供する(Stein,C.A.ら、Nuc.Acids Res.16:3209-3221;Campbell,J.M.、 J.Biochem、Biophys.Methods 20:259-267)。他の改変として、メチルホスホ ネート、ホスホルジチオエート、糖の改変、および複素環の改変(Goodchild,J .,Bioconjugate Chem 1:165-186)が挙げられる。しかし、新規の化学が利用 可能になるにつれ、多くの新規の治療的に有用なアンチセンスオリゴヌクレオチ ドの化学的改変体が存在し得る。 最近、アンチセンスPS-ODNが、細胞対細胞の接着に関与するイムノグロビンス ーパーファミリー接着タンパク質の1つのメンバー(ICAM-1)のインビトロでの 発現をダウンレギュレートし得ることが報告されている(Chiang,M-Y.ら、J.Bi ol.Chem.266-18162-1817、1991)。これらのデータは、アンチセンスオリゴヌ クレオチド(特に、ヌクレアーゼに対して安定なアンチセンスオリゴヌクレオチ ド(例えば、ホスホロチオエートまたは2'-0-メチル改変アンチセンスオリゴヌ クレオチド))が細胞接着分子の発現を阻害し得ることを示唆する。従って、IC AM-1および他の接着分子のダウンレギュレーションにおけるアンチセンスオリゴ ヌクレオチドの使用は、炎症性の障害の治療および処置の基礎を提供するはずで ある。炎症性の応答成分の阻害は、体自身の免疫系によってもたらされる有害な 結果を予防するための必要な保護を提供し得る。発明の要旨 従って、本発明の目的は、ヒトICAM-1、E-セレクチン、およびVCAM-1の合成を 阻害する能力を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドの同定である。 本発明のさらなる目的は、アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用してインビ トロおよびインビボでこれらのタンパク質の発現を阻害することによって、炎症 性プロセスにおいて果たすこれらの分子の役割を評価するためのアプローチを提 供することである。 本発明の上記の目的は、ICAM-1、E-セレクチン、およびVCAM-1の発現を阻害す るアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供することによって達成される。好ましい実施態様の説明 多数の用語が、文献中で使用される場合に異なる意味を有することが公知であ る。以下の定義は、最も一般的に使用されるものと考えられ、そして本明細書中 での用語の用法と一致する。 用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、成熟mRNAの翻訳の妨害もしくは 阻害を生じるか、または成熟mRNAによってコードされるポリペプチドの合成を妨 げる、任意の天然のもしくは改変されたオリゴヌクレオチド、またmRNA前駆体ま たは成熟mRNAに特異的に結合する化学的部分を意味するように使用される。 本明細書中で使用される場合、「ICAM-1」は、内皮細胞への白血球の接着に関 与する細胞間接着分子-1を記載する。 本明細書中で使用される場合、「E-セレクチン」は、内皮細胞への白血球の接 着に関与する内皮白血球接着分子-1を記載する。 本明細書中で使用される場合、「VCAM-1」は、白血球の接着に関与する血管細 胞接着分子-1(特に、単球およおび好中球)を記載する。 「mRNA」は、特異的なタンパク質(例えば、ICAM-1、E-セレクチン、またはVC AM-I)の合成をコードする遺伝子(単数または複数)から転写された、成熟した プロセスされたmRNA(メッセンジャーリボ核酸)またはプロセスされていない核 プレmRNAをいう。リボ核酸のこれらの配列は、mRNAまたはプレmRNAの不連続な部 分に相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチド配列を選択するために使用される 。用語「mRNA」は、プロセスされた成熟mRNA;またはプロセスされていない核プ レmRNAのいずれかを示すように、本明細書中で使用される。 本明細書中で使用される場合、他に記載されない限りは、用語「オリゴヌクレ オチド」は、リボヌクレオチドのオリゴマー(すなわち、オリゴリボヌクレオチ ド)およびデオキシリボヌクレオチドのオリゴマー(すなわち、オリゴデオキシ リボヌクレオチドまたはオリゴデオキシヌクレオチド)の両方を含む。他に記載 されない限りは、用語「オリゴヌクレオチド」はまた、「ポリヌクレオチド」と 呼ばれ得るに十分に長いオリゴマーを含む。 用語「オリゴヌクレオチド」は、生物学的に重要なヌクレオチド(アデニン、 デオキシアデニン、グアニン、デオキシグアニン、チミン、ウラシル、シトシン 、およびデオキシシトシン)のオリゴマーおよびポリマー、ならびに他の新規の ヌクレオチドを含みそして標的mRNA転写物にハイブリダイズし得るオリゴマーお よびポリマーを含む。これらの用語は、また、化学的に改変されている1つ以上 のプリンまたはピリミジン部分、糖部分、またはヌクレオチド間結合(単数また は複数)を有するオリゴマーおよびポリマーを含む。この用語は、以下を含むが これらに限定されないホスホジエステル骨格に対する改変から構成されるオリゴ ヌクレオチドを含むように使用され得る:ホスホロチオエート、メチルホスホネ ート、または通常のホスホジエステルの2',5'7結合、または改変されたホスホジ エステルの性質。このような改変は、重要であり得、そしてワトソン-クリック 塩基対形成機構と同様であるかまたは異なる塩基の対形成機構によってmRNAへの 特異的ハイブリダイゼーションを維持するような、塩基への非糖、非リン酸骨格 、および化学的変化を含む非ヌクレオチド化学を含み得る。これらの用語は、さ らに、α構造において糖部分へ連結された塩基を含むヌクレオシドから構成され る、オリゴマーおよびポリマーを含む。 用語「下流」は、ヌクレオチド配列において5'から3'方向を示すように、本明 細書中で使用される。同様に、用語「上流」は、3'から5'方向を示す。 用語「相補的」は、オリゴヌクレオチドが、生理学的イオン強度のインビトロ 条件下で、少なくとも35℃のTmを有するmRNA転写物中のその相補的配列とハイブ リダイズし、そして安定なヘテロ二本鎖を形成し得ることを示すように、本明細 書中で使用される。 本発明にしたがって、ヒトICAM-1、E-セレクチン、またはVCAM-I接着レセプタ ーのmRNA転写物にハイブリダイズし得る塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが 、 提供される。mRNAへのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、mRNA転 写物の翻訳を実質的にブロックする。ICAM-1、E-セレクチン、およびVCAM-1は、 炎症を誘導する刺激によって生じる白血球の最初の付着または接着に必須である ので、これらの接着分子の1つ、2つ、または3つ全ての発現のダウンレギュレ ーションは、アンチセンス技術によって媒介され得る。 本発明のオリゴヌクレオチドは、当該分野で公知の方法によって構築され、そ して精製される。オリゴヌクレオチドは、自動DNA合成機で固相または液相合成 によって、あるいは溶液相技術によって調製され得る。実施例1: アンチセンスオリゴヌクレオチドを、ホスホロチオエート(PS)オリゴヌクレ オチドの合成のための標準的な公開されている技術を使用して合成した。このオ リゴヌクレオチド化学は、ICAM-1、E-セレクチン、またはVCAM-1のmRNA分子上の 活性な配列位置を同定するために使用し、そして本発明の範囲のもとで使用可能 な唯一の改変であるとは意図されない。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレ オチドの合成は、固体支持体および市販のDNA合成機を使用して行われる。アン チセンスオリゴヌクレオチドを、標準的なホスホラミダイト化学を使用して合成 した。ホスホジエステル結合について、酸化は、ヨウ素によって媒介され得るが 、一方、これらのホスホロチオエートの合成については、酸化は、リン酸結合の 段階的な硫黄化(thioation)のために、アセトニトリル中の0.2Mの3H-1,2-ベン ゾジチオール-3-オン,1-ジオキシドの溶液で媒介された(Iyer,R.P.ら(1990) J.Amer.Chem.Soc.112:1253-1254)。硫黄化工程は、68秒まで延長され、そ してキャップ化工程が続く。合成およびコントロールの孔ガラス支持体からの切 断後、トリチルのついたオリゴヌクレオチドをHPLCを使用して精製する。HPLC方 法論は、PRP-1カラムおよび50mMのトリエチル酢酸アンモニウム(pH7.0)中のア セトニトリル勾配(30分間に4〜32%、1.5ml/分の流速)を使用するクロマトグ ラフィーからなる。適切な画分をプールし、蒸発させ、そして5%の酢酸で15分 間、室温で処理する。オリゴヌクレオチドの溶液を等量の酢酸エチルで抽出し、 水酸化アンモニウムで中和し、凍結させ、そして凍結乾燥させる。化学的性質に 基づく溶液はまた、アンチセンスオリゴヌクレオチドの合成に有用であり、そし てオリゴヌクレオチドの大規模な合成に有用である。 あまり好ましくない方法において、オリゴヌクレオチドを、逆転写酵素、PCR 合成の使用によって、または他の遺伝子操作技術によって調製し得る。好ましい 方法は、固相支持体上での自動DNA合成であるが、任意のオリゴヌクレオチドの 合成方法を使用し得る。特異的オリゴヌクレオチド配列は、それらがICAM-1、E- セレクチン、またはVCAM-1のmRNAもしくは遺伝子のいずれかに相補的である配列 である。詳細には、オリゴヌクレオチド配列は、翻訳開始コドン、およびmRNAの 5'キャップ領域の翻訳開始部位の5'および/または3'配列、ならびにキャップ部 位の3'配列を含む転写物に相補的であった。他のオリゴヌクレオチド配列をまた 、遺伝子の3'非翻訳領域に相補的であるように作製した。試験していないが、ア ンチセンスオリゴヌクレオチドに対する改変が、DNAの架橋またはDNA部分のイン ターカレートを含み得ることが、本発明によって予想される。さらに、本発明は 、ICAM-1,E-セレクチン、またはVCAM-1の発現を特異的および実質的に阻害し得 る他のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの組み合わせが使用され得 ることを、意図する。 本発明のオリゴヌクレオチドは、約10塩基から約30塩基までの大きさの範囲の DNAの予め決定された配列を含む。これは、ヒトの標的mRNA転写物の特有の配列 を定義するために十分である。あるいは、2つまたはそれ以上の7〜15塩基のオ リゴヌクレオチドが、非ヌクレオチド結合によって互いに連結され得る。このよ うなオリゴヌクレオチドについて、14塩基未満が使用され得る。しかし、配列の 独自性の程度は、長さが減少するに伴って迅速に低下し、それによって、標的mR NA転写物に対するオリゴヌクレオチドの特異性が大きく減少する。一方、約30塩 基より大きいオリゴヌクレオチド配列は、減少した細胞への取り込みに供され得 、そして標的化された1つのmRNA転写物以外の非標的mRNA配列と外見上安定なハ イブリッドを形成し得るヌクレオチド配列の短いストレッチを含む可能性が増大 する。約[4〜22塩基を含むオリゴヌクレオチド、最も好ましくは、21マーのオ リゴヌクレオチドを使用することが、好ましい。実施例2: HUVECを、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、Rockville,MD) によって記載される培地を使用して、48ウェルプレートの8ウェルチャンバース ライド中でコンフルエントまで培養した。200μlのOpti-MEM(Life Technologie s,Frederick,MD)での4回の細胞の洗浄後、2連または3連のウェル中のHUVE Cを、37℃にて2時間、Lipofectin(Life Technologies,Frederick,MD)で、O pti-MEM中で10μg/mlで処理し、すぐその後に、Ca2+を含むリン酸緩衝化生理食 塩水(PBS)中の濃縮したアンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌク レオチド(PS-ODN)を添加した。0.1〜1.0μg/mlのリポポリサッカライド(LPS )、20〜80ユニット/ml(SA:>2×107ユニット/mg TNF-a)または5〜10ユニット /ml(SA:>1×107ユニット/mg)のIL-1bでの、37℃にて4〜6時間の細胞の刺 激を、実験の設計に依存して、PS-ODN処理の前、後、または同時に行った。100 %の発現のコントロールサンプルを、PS-ODNを含まない刺激剤で処理し、一方、 0%の発現のコントロールサンプルを、剌激剤またはPS-ODNのいずれをも含まな いで処理した。実施例3: ラジオイムノアッセイ(RIA)を、以前に報告されているように行った(Lee, C.H.、Y.A.Reid,J.S.Jong、およびK.H.Kang、1995、Shock 3:96-101)。こ のアッセイは、タンパク質の活性を測定するアッセイを超える利点を有する。な ぜなら、これは、標的タンパク質の存在の直接的な定量であるからである。従っ て、ICAM-l、E-セレクチン、またはVCAM-1の量の減少は、標的化されたタンパク 質のmRNAの翻訳が阻害されていることを示唆する。アンチセンス作用の機構は、 mRNAの翻訳を妨害することであるので、これは、アンチセンス活性の良好な指標 である。 処理およびインキュベーション後、細胞を氷上で冷却し、そして培地を除去し 、続いて、0%のコントロールを除く各ウェルに、100μlの2%のヒツジ血清、 PBS中の2%のヒツジ血清中で4mg/mlで抗ヒトICAM-1、E-セレクチン、またはVC AM-1抗体(R&D System、Minneapolis,MN)を100μl添加した。プレートを、氷 上 で1時間インキュベートし、そして200μlのPBSで3回洗浄した。ウェルを125I で標識した100mlのヒツジ抗マウスIgG(DuPont,Boston,MA)でPBS中の2%の ヒツジ血清中で処理し、次いで、さらに1時間氷上でインキュベートした。200 μlのPBSでの3回の洗浄後、各ウェル中の細胞を500mlの0.1NのNaOHで破壊した 。放射能を、ガンマカウンターによって300μlの細胞溶解物を用いて決定した。 残存している溶解物を、タンパク質の定量およびサンプル中の細胞の総数の指標 に使用した。サンプル中のタンパク質含量が細胞の処置およびRIA手順を通じて 有意には変化しなかったことを見出した。これは、本発明者らの実験手順下で投 与されたPS-ODNに関連して、毒性が限定的かまたは毒性がないことの示唆である 。二連または三連のサンプルの放射活性の平均をとり、そしてバックグラウンド (すなわち、0%のコントロール)を引き算した後、各処置のデータを100%の コントロールに対して標準化した。実施例4: アンチセンスオリゴヌクレオチドで処置したHUVECを、37℃にて1時間、あら かじめ[3H]-チミジンまたは[51Cr]で標識したヒトの単球(1×106細胞/ウェル )またはU937細胞(3×103細胞/ウェル)とともにインキュベートした。次いで 、ウェルを、200μl/ウェルの氷冷したPBSで4回洗浄した。各ウェル中の細胞 を、250μlの0.1NのNaOHで破壊し、続いて、250μlの0.1NのHC 1で中和した。次 いで、溶解物を、ガンマ線放出(51Cr)について直接計数するか、またはβ計数 (3H)のための10mlのシンチレーション反応混液と混合した。バックグラウンド についての較正後、データを、コントロール(100%)(すなわち、LPS、TNF-a 、またはIL1bで、しかしオリゴヌクレオチドを含まずに処理したサンプル)に対 して標準化した。 接着の分析のために、8ウェルチャンバースライド上で増殖させた細胞を、カ コジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)中の2%のグルタルアルデヒド、1%のパ ラホルムアルデヒドで1時間固定した。4回の洗浄後、サンプルを同じ緩衝液中 で一晩、4℃にて維持した。細胞ウェルの仕切りを取り除き、そしてスライドを 脱イオン水で2回リンスし、そして10%のグリセロールおよびカバースライドで 固定した。カバースライドを、指のつめのマニキュアでシールし、次いで、試験 し、そして光学顕微鏡下で写真を撮った。実施例5: これらの実験には、Balb/cおよびC57BL/6マウスの両方を利用した。両方の型 のマウスが、2mlの1.5%のチオグリコール酸(TG)でのi.P.チャレンジ後に、 再現性良く炎症応答を示した。種々のCAM分子に特異的な抗体を使用する実験の ために、マウスをTGチャレンジの30分前に、50μgの抗体を含有する200μlのPBS の尾静脈への注射によって処置した。アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用す る実験のために、100μgのオリゴヌクレオチドを、TGチャレンジの3〜4時間前 に尾静脈を通じて200μlのPBSを投与した。この用量は約5mg/kgである。アンチ センス処理は、リポソーム処方物または他の送達ビヒクル(例えば、Lipofectin (Life Technologies,Inc.))の使用は全く含まない。両方の抗体およびアン チンスオリゴヌクレオチドで処理したマウスについて、化合物を、単回処置マウ スとして投与した。TG投与の4時間後、マウスを頚部の脱臼によって屠殺し、そ して腹膜をBSA、ヘパリン、およびEDTAを含有する3mlのPBSで2回洗浄した。腹 膜を組み合わせ、そして白血球を自動細胞計数機で計数した。アリコートを、Cy tospin中で遠心分離し、H&Eで染色し、そして相違を顕微鏡試験によって得た。P MN、リンパ球、およびマクロファージの割合を、個々の細胞型の数を計算するた めに、全白血球数で掛け算した。 図面の簡単な説明 図1は、0.1μMのPS-ODN GM1508(C)、GM1520(D)、GM1508(G)、およびGM 1534(H)による、TNFaで刺激したHUVECへの単球(A、B、C、およびD)の接着の 阻害を示す。100%のコントロール(AおよびE)を、TNFaのみで処理し、そして 0%のコントロール(BおよびF)をPS-ODNおよびTNFのいずれをも用いないで処 理した。コントロールと比較して、HUVECへの細胞の接着の明らかな減少が、単 球についてはサンプルCおよびD、U937についてはサンプルGおよびHで見られた。 図面および表の説明: 多くのPS-ODNを、HUVEC中のICAM-1の発現を阻害するそれらの能力について試 験した。この群のオリゴヌクレオチドのうち、10個の異なる配列が、0.1μMのオ リゴヌクレオチド濃度で有意な活性(約40%の阻害より大きい)を示した。試験 した配列の多くが、ICAM-1の誘導における減少を納得がいくように産生すること ができなかった。上記のアッセイに基づいて、これらのオリゴヌクレオチドは、 ICAM-1の発現を減少させることについて、HUVECにおいて有意な活性を示した。 インデューサーの選択(LPS、TNF-a、またはIL1b)とは関係なく、アンチセンス 効果は、活性なオリゴヌクレオチドに一致した。細胞を1つのインデューサーで 刺激した場合にICAM-1の発現を減少させる能力を示したアンチセンスオリゴヌク レオチドはまた、他のインデューサーを使用した場合に発現を阻害する能力をも 有した。従って、たとえICAM-1の発現を刺激するために異なる経路が使用された としても、得られるICAM-1の発現は、活性な配列によって阻害された。このこと は、真のアンチセンス機構についての示唆に富む。また、一般的に、PS-ODNの非 アンチセンス効果は、1.0μMより大きい濃度で観察された。活性な配列を同定 するために、本発明者らは、0.1μMの濃度の単回の投与によるデータを使用する ことを選択した。非アンチセンス効果は、一般に、活性な配列の本発明者らの選 択で使用した0.1μMの基準より2桁多い量(約10μM)で観察された。表1には 、ICAM-1を標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチドによる発現の割合が、0. lμMの濃度でHUVECへ投与した場合の上記のオリゴヌクレオチドについて列挙す る。 表1に示すデータから、ICAM-1の発現を阻害する最も可能性があると同定され た配列は、配列番号11配列番号2、および配列番号7であった。 表1 配列番号 %発現 148±11 217±08 366±07 435±12 568±06 654±12 720±16 836±08 939±05 1033±06 11 7±05 1233±07 1361±12 1458±16 多くのPS-ODNを、HUVEC中のE-セレクチンの発現を阻害するそれらの能力につ いて試験した。この群のオリゴヌクレオチドのうち、12個の異なる配列が、0.1 μMの範囲で有意な活性(約40%の阻害)を示した。これらを、表2に列挙する 。上記のアッセイに基づいて、これらのオリゴヌクレオチドは、E-セレクチンの 発現を低下させるためのHUVEC中での有意な活性を示した。細胞を1つのインデ ューサーで刺激した場合にE-セレクチンの発現を減少させる能力を示したアンチ センスオリゴヌクレオチドはまた、他のインデューサーを使用した場合に発現を 阻害する能力をも有した。従って、たとえE-セレクチンの発現を刺激するために 異なる経路が使用されたとしても、E-セレクチンの発現は、活性な配列によって 阻害された。このことは、真のアンチセンス機構についての示唆に富む。また、 一般的に、PS-ODNの非アンチセンス効果は、1.0μMよりはるかに大きい濃度で観 察された。活性な配列を同定するために、本発明者らは、0.1μMの濃度の単回の 投 与によるデータを使用することを選択した。表2では、E-セレクチンの発現の割 合を、0.1μMの濃度でHUVECに対して投与した場合の、上記のオリゴヌクレオチ ドについて列挙する。 表2 配列番号 %発現 ID# 15 38±11 16 10±7 17 32±14 18 51±15 19 50±15 20 8±05 21 52±05 22 50±14 23 62±14 24 51±19 25 61±16 26 63±20 アンチセンスオリゴヌクレオチドは、HUVECが炎症の種々のインデューサーで 刺激された場合に、E-セレクチンの発現を減少させる活性を有する。いくつかの オリゴヌクレオチドは、他よりも活性が強い。E-セレクチンの発現に対して活性 であると同定された配列において、最も可能性がある2つの配列は、配列番号16 および配列番号20であった。 多くのPS-ODNを、HUVEC中でのVCAM-1の発現を阻害するそれらの能力について 試験した。オリゴヌクレオチドのこの群のうち、20個の異なる配列が、0.1μMの 範囲で有意な活性(約40%の阻害)を示した。これらを、表3に列挙する。上記 のアッセイに基づいて、これらのオリゴヌクレオチドは、TNF-aで誘導されたVCA M-1の発現を低下させるためのHUVEC中での有意な活性を示した。細胞を1つのイ ンデューサーで刺激した場合にVCAM-1の発現を減少させる能力を示したアンチセ ンスオリゴヌクレオチドはまた、他のインデューサーを使用した場合に発現を阻 害する能力をも有した。従って、たとえVCAM-1の発現を刺激するために異なる経 路が使用されたとしても、得られるVCAM-1の発現は、活性な配列によって阻害さ れた。このことは、真のアンチセンス機構についての示唆に富む。また、一般的 に、PS-ODNの非アンチセンス効果は、1.0μMよりはるかに大きい濃度で観察され た。活性な配列を同定するために、本発明者らは、0.1μMの濃度の単回の投与に よるデータを使用することを選択した。表3では、VCAM-1の発現の割合を、0.1 μMの濃度でHUVECに対して投与した場合の、上記のオリゴヌクレオチドについて 列挙する。いくつかのオリゴヌクレオチドは、他よりもより活性である。VCAM-1 の発現に対して活性であると同定された上記の配列のうちで、最も可能性がある 3つの配列は、配列番号28、配列番号30、および配列番号31であった。 表3 配列番号 %発現 27 30±13 28 9±08 29 33±05 30 5±06 31 7±06 32 12±11 33 13±02 34 25±12 35 49±09 36 20±13 37 26±19 38 11±10 39 16±09 40 32±11 41 35±13 42 39±15 43 37±20 44 42±10 45 10±07 46 45±10 PS-ODNでのHUVECの前処理によって、単球およびU937細胞の接着における減少 を導く。100%および0%のコントロールと比較して、単球およびU937のアンチ センス(0.1μMのオリゴヌクレオチド)で処理したHUVEC細胞への接着は、有意 に減少した(図1)。[51Cr]標識した単球および[3H]標識したU937細胞を使用し て、アンチセンスオリゴヌクレオチド依存性の細胞接着を観察した(図2)。こ れらの実験において、オリゴヌクレオチド(配列番号11(ICAM-1)、配列番号20 (E-セレクチン)、および配列番号28(VCAM-1)、または配列番号2(ICAM-1) )は、HUVECへの単球またはU937細胞の接着を阻害した。細胞の接着を測定する 用量応答は、アンチセンス処理後の種々の接着分子の発現パターンと並行する。 チオグリコール酸でのチャレンジの前に、洗浄液は、90,000PMN(2.5×106の リンパ球および1.2×106のマクロファージに加えて)のみを含んだ。TGチャレン ジ後、PMNの数は4時間にわたって、9〜11×106のピークまで上昇し、次いで、 次の48〜72時間にわたってゆっくりともとに戻った。リンパ球およびマクロファ ージの数は、はるかに小さい程度に増大した。PMNの浸潤は、用量依存性の様式 でTGに応答し、1.5mlの2%のTGで最大応答に到達した。抗体またはアンチセン スオリゴヌクレオチドの腹膜内投与は、効果的であるとは見出されなかった。従 って、尾静脈を介するi.v.投与を利用した。 ICAM-1、CD11b、およびCD18に指向された抗体での処置は、全てこのモデル系 においてPMNの浸潤を部分的にブロックした(表4)。P-セレクチンおよびL-セ レクチンを指向する抗体での処置もまた、部分的に有効であった。E-セレクチン を指向する抗体での処置は、最高でもかろうじて有効であった。VCAM-1の遮断は 効果がなかった(データは示さない)。組み合わせると、ICAM-1およびCD18、ま たはICAM-1およびCD11bの遮断は、ほとんど、PMNの浸潤を完全に回避する。ICAM -1およびP-セレクチン、ならびにP-セレクチンまたはICAM-1およびL-セレクチン の組み合わせ遮断もまた、非常に有効であった。 本発明者らは、マウスICAM-1を標的化する最も活性なアンチセンスオリゴヌク レオチドを同定するために適切な細胞に基づくモデル系を所持しないので、mRNA の種々の領域を標的化する多数のオリゴヌクレオチド配列を、合成した。これら の配列は、アンチセンス応答を誘発するための最良の選択ではない場合がある。 しかし、スクランブルしたまたは塩基対不適合配列を含むコントロール配列を使 用すると、オリゴヌクレオチド誘導効果は、はるかに低い(DPC5205、DPC5206、 およびDPC5094、表5)。 アンチセンスオリゴヌクレオチドDPC5028(21マー)での、マウスICAM-1のAUG 開始コドンに対する処理は、TGチャレンジ後のPMNの接着の阻害において良好で あった(表5)。DPC5028の効果は、投与時間に依存した。オリゴヌクレオチドD PC5028は、TGチャレンジの24時間前とチャレンジまでとの間に投与した場合に、 有効であった。チャレンジの48時間前、およびチャレンジの2時間後では、DPC5 028は効果を有さなかった。しかし、実験被験体の感受性が変化するので、これ らは、実験間で可変性であった。これらの実験の間に、後にJackson Laboratori esによって同定された、C57BL/6マウスにおいて年齢に依存する皮膚の炎症の発 症が存在することに注目した。この合併症にために、これらの動物からのデータ は疑わしかった。また、Balb/cマウスは、TGチャレンジに対するそれらの応答が 減少するこれらのマウスの年齢に応じて、年齢依存性のアネルギーを示した。30 日間にわたって、PMNの数が、TGチャレンジ後に25%まで減少することが見出さ れた。この期間の間に、坑ICAM-1抗体またはDPC5028前処理によって示された、 坑ICAM-1の遮断の減衰が存在した。より若いBalb/cマウスについて行った実験に おいて、DPC5028処理でのPMN接着において有意な(TG処理したマウスと比較して )減少が存在した(表5)。坑ICAM-1および坑p-セレクチン抗体での組み合わせ 処理は、抗体投与単独のいずれかと比較して、PMN接着において付加的な減少( 約75%)を生じた。DPC5028をPセレクチンに対する抗体で付随して投与した場合 、同様の付加的効果が存在した(約60%)。 上記に示すこの蓄積データは、細胞接着分子の提示を妨害し得るアンチセンス オリゴヌクレオチドが、炎症応答に関与する細胞の移動および接着を低下させる ことによってヒトに対して治療的な利点を有し得ることを示唆する。これらの細 胞接着mRNAを標的化するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、マウスの炎症 モデルにおける上記のインビボでの実証で使用されたものと同様に、ヒトで作用 し得ることが、図1のHUVECのアンチセンス処理を通じて接着を減少させること によって示される。 文献中のいくつかの報告は、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドが、配列 がCpGモチーフのいずれかを含む場合に、非アンチセンス機構を通じて配列特異 的効果を誘発し得ることを示唆する(例えば、Kreigら、1995、Nature 374:546 を参照のこと)。CpGモチーフは、免疫活性(特に、B細胞およびナチュラルキラ ー細胞の活性化)を生じ得る。DPC5028は、任意のCpGモチーフを含まず、その結 果、この配列は、免疫応答の活性化を誘導しないはずである。しかし、1つ(DP C5207)または3つ(DPC5083)のCpGモチーフを含む2つの異なる配列をこのモ デル系でPMNの接着におけるそれらの効果を試験した場合、PMNの接着において有 意な減少が存在した(表5)。DPC5028および他のコントロールオリゴは、この モチーフを含まないので、DPC5028の活性は、ICAM-1の発現においてアンチセン ス媒介性の減少の結果であり得る。 表4 実験によってグループ化した TG誘導性のPMN浸潤の抗体遮断 遮断処理の有意性 (%コントロール) p<0.05 I ICAM-1 38 * CD11B 50 * E-セレクチン 86 VCAM-1 100 II P-セレクチン 65 * ICAM-1 34 * P-セレクチン+ICAM-1 13 * III L-セレクチン 62 * ICAM-1 49 * L-セレクチン+ICAM-1 16 * IV E-セレクチン 79 * ICAM-1 49 * E-セレクチン+ICAM-1 47 * V ICAM-1 51 * CD11b 40 * CD18 12 * CD11b+ICAM-1 9 * CD18+ICAM-1 4 * 表5 DPC番号 配列の特徴 活性 (%コントロール) 5028 アンチセンスAUG領域 68 5205 スクランブルした5028 90 5206 スクランブルした5028 86 5084 5028のスクランブルした2塩基不対合 83 5207 1つのCpGを有するスクランブルした5028 65 5083 3つのCpGを有するスクランブルした5028 61
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,LV,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (71)出願人 ブラドリー,マシューズ オー. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル,サンダウン ロード 4309 (71)出願人 ウィリアムズ,タフィー ジェイ. アメリカ合衆国 ペンシルバニア 19446, ランズデイル,クロウィン テラス 103 (71)出願人 リー,チェーハン アメリカ合衆国 メリーランド 20904, シルバー スプリングス,アンバーレイ ドライブ 116 (72)発明者 ホーク,グレン ディー. アメリカ合衆国 メリーランド 21771, マウント エアリー,リーフィー ホロー サークル 919 (72)発明者 ブラドリー,マシューズ オー. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル,サンダウン ロード 4309 (72)発明者 ウィリアムズ,タフィー ジェイ. アメリカ合衆国 ペンシルバニア 19446, ランズデイル,クロウィン テラス 103 (72)発明者 リー,チェーハン アメリカ合衆国 メリーランド 20904, シルバー スプリングス,アンバーレイ ドライブ 116

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトICAM-1、ヒトE-セレクチン、またはヒトVCAM-1のプレmRNAまたは成熟mR NA転写物の少なくとも一部に少なくとも実質的に相補的なヌクレオチド配列を有 するオリゴヌクレオチドであって、該mRNA転写物にハイブリダイズする、オリゴ ヌクレオチド。 2.キャップ部位として公知の、mRNAの最初のヌクレオチドのすぐ下流に、ヒト ICAM-1、E-セレクチン、またはVCAM-1のmRNA転写物の一部に少なくとも実質的に 相補的なデオキシヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチ ド。 3.前記転写物の転写開始コドンのすぐ下流に、ヒトICAM-1、E-セレクチン、ま たはVCAM-1のmRNA転写物の一部に少なくとも実質的に相補的なデオキシヌクレオ チド配列を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。 4.ヒトICAM-1、E-セレクチン、またはVCAM-1のmRNA転写物の5'非翻訳領域の少 なくとも一部を含む、該転写物の一部に少なくとも実質的に相補的なデオキシヌ クレオチド配列を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。 5.ヒトICAM-1、E-セレクチン、またはVCAM-1のmRNA転写物の3'非翻訳領域の少 なくとも一部を含む、該転写物の一部に少なくとも実質的に相補的なデオキシヌ クレオチド配列を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。 6.少なくとも15塩基を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。 7.15マーから25マーまでを含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。 8.以下からなる群より選択される、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド: であって、ここで、該配列は、5'から3'方向で示される、オリゴヌクレオチド。 9.前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのヌクレオシド間の結合が2', 5'組成であるオリゴヌクレオチド、末端、糖部分、個々の核酸塩基、およびそれ らの組み合わせに対する改変を含むが、これらに限定されないオリゴヌクレオチ ドリン酸骨格の改変からなる群より選択される少なくとも1つの改変を含む、請 求項1に記載のオリゴヌクレオチド。 10.前記オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドであ るか、または少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含む、請求項1に記載 のオリゴヌクレオチド。 11.薬学的キャリア、およびヒトICAM−1、E-セレクチン、またはVCAM-1遺伝 子のmRNA転写物の少なくとも一部に少なくとも実質的に相補的なヌクレオチド配 列を有する治療有効量の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含み、該オリゴ ヌクレオチドが該mRNA転写物の少なくとも一部にハイブリダイズする、薬学的組 成物。 12.前記少なくとも1つのオリゴヌタレオチドが、ヒトICAM-1、E-セレクチン 、または、VCAM-1のmRNA転写物の転写開始コドンを含む該転写物の一部に少なく とも実質的に相補的なヌクレオチド配列を有する、請求項11に記載の薬学的組 成物。 13.前記組成物が、静脈内注射のための受容可能な溶液の形態である、請求項 11に記載の薬学的組成物。 14.前記組成物が、局所適用に適切な受容可能な溶液、クリーム、またはエア ゾールの形態である、請求項11に記載の薬学的組成物。 15.細胞膜浸透剤、湿潤剤、または乾燥剤をさらに含む、請求項12に記載の 薬学的組成物。 16.前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドおよびキャリアがリポソーム中 にカプセル化されている、請求項11に記載の薬学的組成物。 17.前記少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、葉酸塩に結合されている、 請求項11に記載の薬学的組成物。 18. ヒト患者に、薬学的キャリア、およびヒトICAM-1、E-セレクチン、また はVCAM-1のmRNA転写物に少なくとも実質的に相補的な配列を有するオリゴヌクレ オチドを含む治療有効量の組成物を投与する工程を包含するような処置を必要と する該患者を処置するための方法であって、これにより該オリゴヌクレオチドが 患者の細胞に浸透し、そして実質的に相補的な・RNAと特異的にハイブリダイズ し、その結果、ICAM−I、E-セレクチン、またはVCAM-1をコードする転写物のmRN Aの翻訳をブロックし、それによってICAM-1、E-セレクチン、またはVCAM-1の合 成を阻害する、方法。 19.前記組成物が、i.v.溶液の形態で投与される、請求項18に記載の方法。 20.前記組成物が、患者の脈管系で/またはその内部への薬物放出剤の外科的 移植によって投与される、請求項18に記載の方法。 21.前記組成物が、局所適用の形態で投与される、請求項18に記載の方法。 22.前記組成物が、リポソーム中へのカプセル化によって投与される、請求項 18に記載の方法。
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