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JP2001502912A - ヒト腫瘍壊死因子レセプター―ライク2 - Google Patents

ヒト腫瘍壊死因子レセプター―ライク2

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JP2001502912A
JP2001502912A JP10520413A JP52041398A JP2001502912A JP 2001502912 A JP2001502912 A JP 2001502912A JP 10520413 A JP10520413 A JP 10520413A JP 52041398 A JP52041398 A JP 52041398A JP 2001502912 A JP2001502912 A JP 2001502912A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、レセプターの腫瘍壊死因子ファミリーの新たなメンバーに関する。本発明は、ヒトTR2レセプターおよびその2つのスプライス変異体をコードする単離された核酸分子に関する。TR2ポリペプチドもまた提供され、ベクター、宿主細胞およびこれらの組換え製造もまた提供される。本発明はさらに、TR2レセプター活性のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するスクリーニング方法に関する。また、TR2レセプターの異常発現に関連する病状を検出する診断方法も提供される。さらに、TR2レセプターを発現する細胞の増殖および分化の異常に関連する病状を治療する治療方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト腫瘍壊死因子レセプター−ライク2 発明の分野 本発明は、腫瘍壊死因子(TNF)レセプターファミリーの新規なメンバーに 関する。より詳細には、ネズミ科CD40に対してかなりの相同性を有する、ヒ トTNF−レセプター−関連タンパク質(本明細書において図1A−1BのTR 2レセプターを意味する)をコードする単離された核酸分子が提供される。TR 2−SV1およびTR2−SV2と称される、2種の異なるTR2スプライス変 異体もまた提供される。ヒトタイプ2TNFレセプター(TNF−RII)に相 同性のあるTR2ポリペプチドもまた提供される。さらに、ベクター、宿主細胞 およびこれらを製造するための組換え方法が提供される。本発明はまた、TR2 レセプターポリペプチドの活性の阻害および増強の両方、ならびにTR2レセプ ター遺伝子発現を検出するための診断法に関する。 関連する分野 ヒト腫瘍壊死因子α(TNF−α)およびβ(TNF−βまたはリンホトキシ ン)は、総じてサイトカインと称される、インターフェロン、インターロイキン および増殖因子を含む、ポリペプチドメディエーターの広義のクラスに関連する メンバーである(Beutler,B.and Cerami,A.,Annu.Rev.Immunol.,7:625-65 5(1985))。 腫瘍壊死因子(TNF−αおよびTNF−β)は、もともとはその抗−腫瘍活 性の結果として見出されたが、しかしながら、現在では宿主中で生物化学的プロ セスおよび病理の重要な役割を担う多面発現性のサイトカインであると認識され ている。現在までのところ、TNF−α、TNF−β(リンホトキシン−α)、L T−β、TRAILおよび、Fasレセプター、CD30、CD27、CD40 、OX40および4−1BBレセプターのリガンドの、10個のTNF−関連 サイトカインファミリーが知られる。これらのタンパク質は、保存されたC−末 端配列、および、TNF−βを除き、しばしば膜アンカーとして用いられる可変 性N−末端配列を有する。TNF−αおよびTNF−βの両者は、TNFレセプ ターに結合すると、ホモトリマーとして機能する。 TNFは、単核球、線維芽細胞、T−細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞を 含む多くの細胞タイプ、主に、活性化マクロファージにより産生される。TNF −αは、腫瘍の迅速な壊死、免疫促進、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、抗−ウ イルス応答の産生、敗血症ショック、脳性マラリア、細胞毒性、化学療法の間に 産生される電離性放射線の有害作用、例えば、酵素の変性、脂質過酸化およびD NA損傷などに対する防御(Nata et al.,J.Immunol.136(7):2483(1987))、増 殖調節、血管内皮作用および代謝作用において役割を担うことが報告されている 。TNF−αはまた、内皮細胞を刺激し、PAI−1、IL−1、GM−CSF およびIL−6を含む種々の因子を分泌させ、細胞増殖を促進する。加えて、T NF−αは、E−セレクチン、ICAM−1およびVCAM−1などの種々の細 胞接着分子をアップレギュレーションする。TNF−αおよびFasリガンドは また、プログラムされた細胞死を誘発することが示されている。 TNF−βは、抗ウイルス状態および腫瘍壊死の誘発、多形核白血球の活性化 、内皮細胞上のクラスI主要組織適合遺伝子複合体抗原の誘発、内皮細胞上の付 着分子の誘発および成長ホルモン刺激を含む、多くの活性を有する(Ruddle,N.an d Homer,R.,Prog.Allergy 40:162-182(1988))。 TNF−αおよびTNF−βはどちらも増殖調節に関与し、分化のいくつかの 段階で造血細胞と相互作用し、種々のタイプの前駆体細胞の増殖を阻害し、未分 化の骨髄単核細胞の増殖を誘発する。Porter,A.,Tibtech 9:158-162(1991)。 「ノックアウト」マウスを用いた最近の研究から、TNF−β産生の欠損した マウスは、末梢リンパ器官の異常発達および脾臓構造における形態的変化を示す ことが示されている(Aggarwal et al.,Eur Cytokine Netw,7(2):93-124(1996 )に概説される)。リンパ器官に関して、膝窩、鼠蹊、傍大動脈、腸間膜、腋窩 および脳リンパ節は、TNF−β−/−マウスにおいて発達しなかった。加えて 、T NF−β−/−マウス由来の末梢血は、正常マウスと比較して含まれる白血球細 胞が3培減少していた。しかしながら、TNF−β−/−マウス由来の末梢血は 、その正常対照と比較して4倍以上のB細胞を含有した。さらに、TNF−βは 、TNF−αと対照的に、EBV−感染B細胞の増殖を誘発することが示されて いる。これらの結果から、TNF−βがリンパ球発達に関与することが示される 。 TNF−αまたは−βにより媒介される種々の細胞性応答の誘発における第一 段階は、特異的細胞表面または可溶性レセプターへのそれらの結合である。約5 5−KDa(TNF−RI)および75−KDa(TNF−RII)の2つの別 個のTNFレセプターが同定されており(Hohman et al.,J.Biol.Chem.,264: 14927-14934(1989))、両方のレセプタータイプに対応するヒトおよびマウスcD NAが単離され、解析されている(Loetscher et al.,Cell,61:351(1990))。両 方のTNF−Rは、細胞外、膜貫通および細胞内領域を含む細胞表面レセプター の典型的な構造を共有する。 これらの分子は、細胞結合形態のみならず、完全なレセプターの切断された細 胞外ドメイン(Nophar et al.,EMBO Journal,9(10):3269-76(1990))、および、 さもなければ膜貫通ドメインが欠損している完全なレセプターからなる可溶性形 態でも存在する。TNF−RIおよびTNF−RIIの細胞外ドメインは、28 %の同一性を共有し、有意なサブユニット間の配列相同性を有する4回繰り返さ れるシステイン−リッチなモチーフにより特徴付けられる。細胞タイプおよび組 織の大多数は、両方のTNFレセプターを発現しているようであり、両方のレセ プターは、シグナルトランスダクションにおいて活性であるが、しかしながら、 異なる細胞性応答を媒介できる。さらに、TNF−RIIは、PCT WO94 /09137において示されるように、TNFによりヒトT−細胞増殖を排他的 に媒介することが示された。 TNF−RI依存応答には、C−FOS、IL−6−およびマンガンスーパー オキシドジスムターゼmRNAの蓄積、プロスタグランジンE2合成、IL−2 レセプターおよびMHCクラスIおよびII細胞表面抗原発現、増殖阻害、なら びに細胞毒性が包含される。TNF−R1はまた、ホスホリパーゼA2、プロテ インキナーゼC、ホスファチジルコリン−特異的ホスホリパーゼCおよびスフィ ンゴミエリナーゼなどのセカンドメッセンジャーシステムを刺激する(Pfefferk et al.,Cell,73:457-467(1993))。 いくつかのインターフェロンおよび他の薬剤は、TNFレセプターの発現を調 節することが示されている。例えば、レチノイン酸は、いくつかの細胞タイプに おいてTNFレセプターの産生を誘発するが、他の細胞においては産生をダウン レギュレーションすることが示されている。加えて、TNF−αは、両方のタイ プのレセプターの局在化に作用することが示されている。TNF−αは、TNF −RIのインターナリゼーションおよびTNF−RIIの分泌を誘発する(Aggar wal et al.,前掲にて概説される)。それゆえ、両方のTNF−Rの産生および 局在化は、種々の薬剤により調節される。 酵母ツーハイブリッドシステムならびに共同沈降および精製の両方が、両方の タイプのTNF−Rと結合するリガンドを同定するのに用いられている(Aggarwa l et al.,前掲およびVandenabeele et al.,Trends in Cell Biol.,5:392-399 (1995)に概説される)。ネズミ科TNF−Rの細胞質ドメインと相互作用するい くつかのタンパク質が同定されている。これらのタンパク質のうちの2つが、ア ポトーシスのバキュロウイルス阻害剤に関連しているようであり、このことは、 プログラムされた細胞死の調節におけるTNF−Rの直接的な役割を示唆する。 発明の概要 本発明は、図1A−1B(配列番号2)、図4A−4B(配列番号5)および図 7A−7B(配列番号8)に示されるアミノ酸配列、または、ATCC受託番号 97059、97058および97057(1995年2月13日)として細菌 宿主中に入れて寄託されたTR2レセプターをコードするcDNAクローンによ りコードされるアミノ酸配列を有する、TR2レセプターおよびそのスプライス 変異体をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。本 発明はまた、本発明の単離された核酸分子を包含する組換えベクター、該組換え ベクターを含む宿主細胞、ならびに該ベクターおよび宿主細胞を作成する方法、 および組換え技術によりTR2ポリペプチドまたはペプチドを製造するためのそ れらの使用方法に関する。 本発明はさらに、本明細書に記載するポリヌクレオチドによりコードされるア ミノ酸配列を有する単離されたTR2ポリペプチドを提供する。 本発明はまた、TR2レセプターにより誘発される細胞性応答を増強または阻 害する能力を有する化合物を同定するためのスクリーニング方法であって、TR 2レセプターを発現する細胞を候補化合物と接触させ、細胞性応答をアッセイし 、標準細胞性応答と細胞性応答とを比較し、ここで標準は、接触を候補化合物の 非存在下で行う;これにより、標準よりも増加した細胞性応答は、化合物がアゴ ニストであることを示し、標準よりも減少した細胞性応答は、化合物がアンタゴ ニストであることを示す方法を提供する。 別の態様において、細胞リガンドのTR2レセプターへの結合において候補化 合物が有する作用を調べることを含む、アゴニストおよびアンタゴニストについ てのスクリーニングアッセイが提供される。詳細には、該方法は、TR2レセプ ターをリガンドペプチドおよび候補化合物と接触させ、TR2レセプターへのリ ガンド結合が候補化合物の存在により増加または減少するかどうかを調べること を含む。 本発明はさらに、TR2レセプター発現における変化による異常細胞増殖の結 果として起こる病状の診断または予測に有用な診断方法を提供する。 本発明のさらなる態様は、体内でのTR2レセプター活性の増加したレベルを 必要とする個体を治療する方法であって、該個体に、治療的に有効量の本発明の 単離されたTR2ポリペプチドまたはそのアゴニストを含む組成物を投与するこ とを含む方法に関する。 本発明のさらに別の態様は、体内でのTR2レセプター活性の減少したレベル を必要とする個体を治療する方法であって、該個体に、治療的に有効量の本発明 のTR2レセプターアンタゴニストを含む組成物を投与することを含む方法に関 する。 本発明はさらに、本発明のポリペプチドの可溶性形熊を提供する。可溶性ペプ チドは、膜貫通ドメインを欠くポリペプチド配列を含む、アミノ酸配列により定 義される。かかるTR2レセプターの可溶性形態は、レセプターの膜結合形態の アンタゴニストとして有用である。 図面の簡単な説明 図1A−図1Bは、TR2レセプターのヌクレオチド(配列番号1)および推 定アミノ酸(配列番号2)配列を示す。タンパク質は、約36アミノ酸残基(下 線)(配列番号2のアミノ酸残基−36〜−1)の予想されるリーダー配列を有し 、推定分子量は約30,417kDaである。さらに、約37〜約200のアミ ノ酸残基(配列番号2のアミノ酸残基1〜164)は、細胞外ドメインを構成; 約201〜約225(配列番号2のアミノ酸残基165〜189)は、膜貫通ド メイン(下線);約226〜約283(配列番号2のアミノ酸残基190〜247 )は、細胞内ドメインを構成すると推定される。2つの潜在的なアスパラギン− 結合グリコシル化部位は、110および173のアミノ酸部位に位置する(配列 番号2のアミノ酸残基74〜137)。 図2は、図1A−図1BのTR2レセプタータンパク質およびネズミ科CD4 0タンパク質(配列番号3)のアミノ酸配列間の類似性の領域を示す。 図3は、図1A−図1BのTR2レセプターアミノ酸配列の解析を示す。アル ファ、ベータ、ターンおよびコイル領域;親水性および疎水性;両親媒性領域; 可変領域;抗原インデックスおよび表面確率を示す。「Antigenic Index-Jameso n-Wolf」グラフにおいて、図1A−1Bにおけるアミノ酸残基39〜70、10 6〜120、142〜189および276〜283(配列番号2のアミノ酸残基 3〜34、70〜84、106〜153および240〜247)は、TR2レセ プタータンパク質の示された高い抗原性領域に対応する。 図4A−4Bは、TR2−SV1レセプターのヌクレオチド(配列番号4)お よび推定アミノ酸(配列番号5)配列を示す。タンパク質は、約36アミノ酸残 基(下線)(配列番号5のアミノ酸残基−36〜−1)の予想されるリーダー配列 を有し、推定分子量は約19.5kDaである。 図5は、全長TR2−SV1レセプタータンパク質およびヒトタイプ2TNF レセプター(配列番号6)のアミノ酸配列間の類似性の領域を示す。 図6は、TR2−SV1レセプターアミノ酸配列の解析を示す。アルファ、ベ ータ、ターンおよびコイル領域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可変領域; 抗原インデックスおよび表面確率を示す。「Antigenic Index-Jameson-Wolf」グ ラフにおいて、図4A−4Bにおけるアミノ酸残基39〜70、99〜136お よび171〜185(配列番号5のアミノ酸残基3〜34、63〜100および 135〜149)は、TR2−SV1レセプタータンパク質の示された高い抗原 性領域に対応する。 図7A−7Bは、TR2−SV2レセプターのヌクレオチド(配列番号7)お よび推定アミノ酸(配列番号8)配列を示す。このタンパク質は、推定リーダー 配列を欠き、推定分子量は約14kDaである。 図8は、TR2−SV2レセプタータンパク質およびヒトタイプ2TNFレセ プター(配列番号9)のアミノ酸配列間の類似性の領域を示す。 図9は、TR2−SV2レセプターアミノ酸配列の解析を示す。アルファ、ベ ータ、ターンおよびコイル領域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可変領域; 抗原インデックスおよび表面確率を示す。「Antigenic Index-Jameson-Wolf」グ ラフにおいて、図7A−7Bにおけるアミノ酸残基56〜68および93〜13 6(配列番号8)は、TR2−SV2レセプタータンパク質の示された高い抗原 性領域に対応する。 図10は、図1A−1BのTR2レセプタータンパク質および図4A−4Bの TR2−SV1レセプタータンパク質のアミノ酸配列間の類似性の領域を示す。 図11は、図1A−1BのTR2レセプタータンパク質および図7A−7Bの TR2−SV2レセプタータンパク質のアミノ酸配列間の類似性の領域を示す。 図12は、TR2−SV1およびTR2−SV2レセプタータンパク質のアミ ノ酸配列間の類似性の領域を示す。 図13A−13Cは、図1A−1BのTR2レセプタータンパク質および図4 A−4BのTR2−SV1レセプタータンパク質をコードするヌクレオチド配列 間の類似性の領域を示す。 図14A−14Cは、図1A−1BのTR2レセプタータンパク質および図7 A−7BのTR2−SV2レセプタータンパク質をコードするヌクレオチド配列 間の類似性の領域を示す。 図15A−15EはTR2−SV1およびTR2−SV2レセプタータンパク 質をコードするヌクレオチド配列間の類似性の領域を示す。 図16は、図1A−1B(配列番号2)のTR2レセプターと他のTNFRフ ァミリーメンバーのアミノ酸配列の整列を示す。TR2のアミノ酸配列を、TN FR−1(配列番号10)、TNFR−II(配列番号11)、CD40(配列番号 12)および4−IBB(配列番号13)のものと、配列相同性および保存シス テイン残基に基づいて整列させた。 好ましい具体例の詳細な説明 本発明は、TR2ポリペプチド(図1A−1B(配列番号2))およびそのスプ ライス変異体、アミノ酸配列がクローニングされたcDNAの配列決定により決 定されたTR2−SV1(図4A−4B(配列番号5))およびTR2−SV2(図 7A−7B(配列番号8))をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸 分子を提供する。図1A−1Bに示されるTR2タンパク質は、ネズミ科CD4 0レセプター(図2(配列番号3))と配列相同性を有する。1995年2月13 日に、American Type Culture Collection,12301 Parklawn Drive,Rockville ,Maryland 20852に、受託番号97059として寄託した。図1A−1B(配列 番号1)に示されるヌクレオチド配列は、ATCC受託番号97059中のクロ ーンと少し異なる同じアミノ酸をコードする配列を含むcDNAクローン(クロ ーンID HLHAB49)を配列決定することによって得た。図1A−1B( 配列番号1)に示されるcDNA配列は、5’および3’非コーディングヌクレ オチド配列および3つのヌクレオチドにおいて、ATCC受託のものと異なる。 ATCC受託番号97059で寄託されたクローンは、TR2開始コドンの5 ’ 側に8個のヌクレオチドおよびTR2終止コドンの3’側に21個のヌクレオチ ドを含む。対照的に、図1A−1B(配列番号1)に示されるHLHAB49の TR2cDNA配列は、TR2コーディング配列の5’および3’末端の両方に 、かなり長い非コーディングヌクレオチド配列を含む。さらに、図1A−1B( 配列番号1)に示されるTR2レセプターヌクレオチド配列は、ヌクレオチド3 14にアデニン、ヌクレオチド386にシトシン、ヌクレオチド627にシトシ ンを含む。対照的に、ATCC受託番号97059のクローンは、ヌクレオチド 314にグアニン、ヌクレオチド386にチミン、ヌクレオチド627にチミン を含む。 本発明のTR2レセプターは、少なくともこれらの3つのヌクレオチドおよび 2つのアミノ酸における変化を含む、いくつかの対立遺伝子変異体を包含する。 同定されているヌクレオチド配列変異体は、図1A−1B(配列番号1)に示す 、ヌクレオチド314にグアニンまたはアデニン、ヌクレオチド386にチミン またはシトシン、ヌクレオチド627にチミンまたはシトシンのいずれかを含む 。ヌクレオチド627に同定された変化は、サイレントであるが、ヌクレオチド 386における変化により、ヌクレオチド385〜387のコドンがセリンまた はフェニルアラニンのいずれかをコードし、ヌクレオチド314における変化に より、ヌクレオチド313〜315のコドンがリジンまたはアルギニンをコード することになる。 図4A−4B(配列番号4)および図7A−7B(配列番号7)に示すヌクレ オチド配列をまた、1995年2月13日に、American Type Culture Collecti on,12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852に、それぞれ受託番号 97058(TR2−SV1)および97057(TR2−SV2)として寄託 したcDNAクローンを配列決定することにより得た。寄託クローンは、pBl uescriptSK(−)プラスミド(Stratagene,LaJolla,CA)中に含ま れる。 本明細書において用いる「スプライス変異体」なる用語は、はじめは同じゲノ ムDNA配列から転写され、異なるRNAスプライシングを受けるRNA分子か ら産生されるcDNA分子を意味する。異なるRNAスプライシングは、1次R NA転写物が、一般的にはイントロンの除去のためにスプライシングを受け、そ れぞれが異なるアミノ酸配列をコードする1より多くのmRNAが産生される場 合に起こる。用語「スプライス変異体」はまた、上記のcDNA分子によりコー ドされるタンパク質を意味する。 本明細書において用いる「TR2タンパク質」、「TR2レセプター」、「TR2 レセプタータンパク質」および「TR2ポリペプチド」は、アミノ酸配列同一性 の領域を有し、図1A−1B(配列番号2)、図4A−4B(配列番号5)または 図7A−7B(配列番号8)に示されるタンパク質に対応するレセプター活性を 有するタンパク質をコードするゲノムDNA配列の異なるスプライシングの結果 の、すべてのタンパク質を意味する。図1A−1Bに示されるTR2タンパク質 、図4A−4Bに示されるTR2−SV1タンパク質および図7A−7Bに示さ れるTR2−SV2タンパク質は、かかるレセプタータンパク質の例である。 核酸分子 特記しない限り、本明細書においてDNA分子の配列決定により決定されたす べてのヌクレオチド配列は、自動DNAシークエンサー(Applied Biosystems,I nc.のModel 373など)を用いて決定し、本明細書で決定されたDNA分子により コードされるポリペプチドのすべてのアミノ酸配列は、上記のように決定したい ずれかのDNA配列の翻訳により予測した。それゆえ、この自動化アプローチに より決定されるDNA配列について当該分野で知られるように、本明細書で決定 されるいずれのヌクレオチド配列もいくつかの誤りを含み得る。自動化により決 定されるヌクレオチド配列は、配列決定したDNA分子の実際のヌクレオチド配 列と、典型的には少なくとも約90%同一、より典型的には少なくとも約95% 〜少なくとも約99.9%同一である。実際の配列を、当該分野で周知のマニュ アルDNA配列決定法を含む他のアプローチによりより正確に決定できる。当該 分野でまた知られるように、実際の配列と比べて決定されたヌクレオチド配列中 の単一の挿入または欠失により、ヌクレオチド配列の翻訳においてフレームシフ トが起こり、決定されたヌクレオチド配列によりコードされる予想されるアミノ 酸 配列が、かかる挿入または欠失の点から、配列決定されたDNA分子により実際 にコードされるアミノ酸配列とまったく異なることとなる。 図1A−1B、図4A−4Bまたは図7A−7Bのヌクレオチド配列などの、 本明細書において提供される情報を用い、出発物質としてmRNAを用いるcD NAのクローニングに用いられるものなどの、標準的なクローニングおよびスク リーニング法を用い、TR2ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子を得る ことができる。本発明の例として、図1A−1B(配列番号1)に記載される核 酸分子は、活性化されたヒトT−リンパ球由来のcDNAライブラリー中に見出 された。図4A−4B(配列番号4)および図7A−7B(配列番号7)に記載 される核酸分子は、それぞれ、ヒト胎児心臓およびヒト刺激された単球由来のc DNAライブラリー中に見出された。 実施例6に記載されるように、TR2mRNAは、肺、脾臓および胸腺を含む 、多数の組織において検出され、ヒト細胞においてあらゆるところで発現される ようである。TR2 RNAはまた、Bリンパ球(CD19+)、CD4+(TH1お よびTH2クローン)およびCD8+Tリンパ球の両方、単球および内皮細胞にお いて発現されることが見出された。 実施例6においてまた示されるように、TR2mRNAの産生は、TNFαに よりMG63細胞において誘導可能であった。さらに、TR2mRNAの蓄積が 、PMAまたはDMSO処理した際に、HL60、U937およびTHP1細胞 で観察された。PMAおよびDMSOは、これら3つの細胞種の分化を誘発する ことが知られる薬剤である。 図1A−1B(配列番号1)のTR2cDNAの決定されたヌクレオチド配列 は、約283アミノ酸残基の、約36アミノ酸残基の予想されるリーダー配列を 有し、推定分子量が約30,417kDaであるタンパク質をコードするオープ ンリーディングフレームを含む。予想される成熟TR2レセプターのアミノ酸配 列は、図1A−1Bのアミノ酸残基約37〜約283(配列番号2のアミノ酸残 基1〜247)に示される。実施例6において示されるように、リーダー配列切 断部位の位置は、TR2−Fc融合タンパク質について確認され、図1A−1B に示されるアミノ酸36および37の間(配列番号2のアミノ酸残基−1〜1) であることが見出された。図1A−1B(配列番号2)に示されるTR2タンパ ク質は、配列番号3に示されるネズミ科CD40タンパク質と約29%同一であ り、約47%類似する(図2参照)。 同様に、TR2のTR2−SV1スプライス変異体の決定されたcDNAヌク レオチド配列(図4A−4B(配列番号4))は、約185アミノ酸残基の、約3 6アミノ酸残基の予想されるリーダー配列を有し、推定分子量が約19.5kD aであるタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む。予想さ れる成熟TR2−SV1レセプターのアミノ酸配列は、図4A−4B(配列番号 5)のアミノ酸残基約37〜約185(配列番号5のアミノ酸残基1〜149) に示される。図4A−4B(配列番号5)に示されるTR2−SV1タンパク質 は、配列番号6に示されるヒトタイプ2TNFレセプタータンパク質と約25% 同一であり、約48%類似する(図5参照)。 TR2のTR2−SV2スプライス変異体の決定されたcDNAヌクレオチド 配列(図7A−7B(配列番号7))は、約136アミノ酸残基の、予想されるリ ーダー配列を有さない、推定分子量が約14kDaであるタンパク質をコードす るオープンリーディングフレームを含む。予想されるTR2−SV2レセプター のアミノ酸配列は、図7A−7B(配列番号8)のアミノ酸残基約1〜約136 に示される。図7A−7B(配列番号8)に示されるTR2−SV2タンパク質 は、配列番号9に示されるヒトタイプ2TNFレセプタータンパク質と約27% 同一であり、約45%類似する(図8参照)。 図1A−1B、図4A−4Bおよび図7A−7Bに示されるTR2、TR2− SV1およびTR2−SV2レセプタータンパク質のヌクレオチドおよびアミノ 酸配列の両方の比較は、いくつかの密接な同一の領域を示す。図1A−1B(配 列番号2)に示されるTR2レセプタータンパク質のアミノ酸配列は、図4A− 4B(配列番号5)に示されるTR2−SV1レセプタータンパク質と、約60 %同一であり、約73%類似し、それぞれの配列のはじめの約100アミノ酸に おいて、2つのタンパク質は1つの位置において異なる(図10)。 同様に、図1A−1B(配列番号2)のTR2レセプタータンパク質のアミノ 酸配列は、図7A−7B(配列番号8)に示されるTR2−SV2レセプタータ ンパク質のアミノ酸配列と約60%同一であり、約71%類似する;しかしなが ら、2つのタンパク質は、TR2−SV2タンパク質の中心部分において60ア ミノ酸長にわたって、ほとんど同一である(図11)。 対照的に、TR2−SV1およびTR2−SV2タンパク質は、互いにアミノ 酸レベルで、約20%同一であり、約38%類似するのみである。図1A−1B (配列番号2)に示すTR2タンパク質とこれらのタンパク質との比較と異なり、 これらのタンパク質は、TR2−SV2タンパク質の全体の136アミノ酸配列 にわたって、その相同性を有する(図12)。 開示されるTR2タンパク質をコードするcDNAのそのヌクレオチド配列に 関して、これらの配列の比較は、TR2cDNAは核酸レベルで密接な同一性の ある大きな領域を有することを示す(図13A−13C、図14A−14Cおよ び図15A−15E)。例えば、TR2およびTR2−SV1タンパク質をコー ドするcDNA配列は、そのヌクレオチド配列においてほぼ同一の大きな領域を 有し、これは、それぞれのタンパク質のN末端およびその5’および3’非コー ディング領域の両方をコードする(図13A−図13C)。さらに、TR2−SV 1およびTR2−SV2タンパク質をコードするcDNAのヌクレオチド配列は 、かなりの相同性を有するが、この同一性は、それぞれのコーディング配列を超 えたその3’領域に限られる(図15A−15E)。 2つの異なるcDNA配列間のかかるほぼ同一の領域は、配列の伸長された範 囲上に維持される場合、それぞれの分子がもともと同一のゲノムDNA配列から 転写されたことを当業者に示す。さらに、当業者は、1より多くのコドンが同じ アミノ酸をコードできるので、アミノ酸レベルでの2つのタンパク質間の同一性 は、そのタンパク質をコードするDNA配列が同一性の類似する領域を有するこ とを必ずしも意味しないことを認識する。上記のデータは、本発明のTR2レセ プターは、単一のゲノムDNA配列から転写され、単一のはじめのRNA転写物 の複数のスプライス変異体であることを示す。 スプライス変異体と称する、別にスプライスされたRNAから産生される関連 するタンパク質は、当該分野で知られている。例えば、src遺伝子の転写物は 、異なるRNAスプライシングを受け、細胞種特異的産物を産生する。ほとんど の細胞において、Srcタンパク質は、533個のアミノ酸からなるが、神経細 胞においては、さらに短いエキソンがmRNA中に含まれ、539個のアミノ酸 のタンパク質となる。Alberts,B.et al.,MOLECULAR BIOLOGY OF THE CELL(3r d Edition,Garland Publishing,Inc.,1994),455参照のこと。同様に、性特 異的mRNA転写物がドロソフィラ(Drosophila)中で同定されており、この場合 、異なるmRNAスプライシングにより、オスでは長さ約550アミノ酸のおよ びメスでは長さ約430アミノ酸のDsxと呼ばれるタンパク質が得られる。こ れら2つのスプライス変異体タンパク質は、約400アミノ酸の共通のコア配列 を有する。同上457参照のこと。 本発明において、図1A−1B(配列番号2)に示されるTR2レセプタータ ンパク質は、TR2レセプタータンパク質が翻訳されるRNAによりコードされ る全長ポリペプチドであると考えられる。図4A−4B(配列番号5)に示され るTR2−SV1スプライス変異体をコードするRNAは、図1A−1Bに示さ れるアミノ酸配列のアミノ酸残基102をコードする領域中に挿入を含み、図1 A−1Bに示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基184をコードする領域中に欠 失を含むものと考えられる。図7A−7Bに示されるTR2−SV2スプライス 変異体をコードするRNAは、図1A−1Bに示されるアミノ酸配列のアミノ酸 残基102をコードするヌクレオチド配列で開始し、図1A−1Bに示されるア ミノ酸配列のアミノ酸残基184および243をコードする領域中に挿入を含む ものと考えられる。 示されるように、本発明はまた、本発明のTR2レセプターの成熟形態を提供 する。シグナル仮説によれば、哺乳同物細胞により分泌されるタンパク質は、シ グナルまたは分泌性リーダー配列を有し、これは、一度、成長するタンパク質鎖 が粗面小胞体から送り出され始めると、成熟タンパク質から切断される。ほとん どの哺乳動物細胞および昆虫細胞さえも、同じ特異性で分泌されたタンパク質を 切断する。しかしながら、ある場合には、分泌されたタンパク質の切断は、完全 に均一でなく、その結果、2またはそれ以上のタンパク質の成熟タイプが生じる 。さらに、分泌されたタンパク質の切断特異性は、完全なタンパク質の一次構造 により最終的に決定され、すなわち、ポリペプチドのアミノ酸配列に固有である 。それゆえ、本発明は、ATCC受託番号97059および97058として同 定される宿主中に含まれるcDNAクローン、および、図1A−1B(配列番号 2)および図4A−4B(配列番号5)に示されるcDNAクローンによりコー ドされるアミノ酸配列を有する成熟TR2ポリペプチドをコードするヌクレオチ ド配列を提供する。ATCC受託番号97059および97058として同定さ れる宿主中に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有す る成熟TR2ポリペプチドは、寄託された宿主中のベクターに含まれるクローン のヒトDNA配列によりコードされる完全なオープンリーディングフレームの哺 乳動物細胞(例えば、以下に示すようなCOS細胞)における発現により産生さ れるTR2レセプターの成熟形態を意味する。 本発明はまたATCC受託番号97057に含まれる、分泌性リーダー配列を 含まない、cDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有する、図7A −7B(配列番号8)のTR2−SV2レセプタータンパク質をコードする核酸 配列を提供する。 タンパク質が分泌性リーダーならびにリーダ配列の切断ポイントを有するかど うかを予測する方法が利用可能である。例えば、McGeoch(Virus Res.3:271-286 (1985))およびvon Heinje(Nucleic Acids Res.14:4683-4690(1986))の方法を用 いることができる。これらの方法のそれぞれの公知の哺乳動物分泌性タンパク質 の切断ポイント予測の正確性は、75〜80%の範囲である。von Heinje、前掲 。しかしながら、2つの方法は、所定のタンパク質について必ずしも同じ切断ポ イントを予測するとは限らない。 本発明の場合、アミノ酸配列に基づいてタンパク質の細胞内位置を予測するた めの優れたシステムであるコンピュータープログラム(「PSORT」)(K.Naka i and M.Kanehisa,Genomics 14:897-911(1992))により、図1A−1B(配列 番号2)、図4A−4B(配列番号5)および図7A−7B(配列番号8)に示 される完全なTR2ポリペプチドの予測されるアミノ酸配列を解析した。この局 在化のコンピューター予測の一部として、McGeochおよびvon Heinjeの方法を取 り入れる。PSORTプログラムによる解析は、配列番号2および配列番号5の アミノ酸−1および1の間の切断部位を予測した。その後、完全なアミノ酸配列 をさらに、von Heineの(−1,−3)ルールの単純な形態を適用して、視覚観 察により解析した。von Heinje、前掲。かくして、配列番号2に示されるTR2 タンパク質およびTR2−SV1タンパク質のリーダー配列は、配列番号2およ び配列番号5の両方のアミノ酸残基−36〜−1からなると予測されるが、予測 される成熟TR2タンパク質は、配列番号2に示されるTR2タンパク質につい てはアミノ酸残基1〜247からなり、配列番号5に示されるTR2−SV1タ ンパク質については残基1〜149からなる。 実施例6に示されるように、TR2−Fc融合タンパク質のリーダー配列の切 断部位を、発現された融合タンパク質のアミノ酸解析を用いて確認した。この融 合タンパク質は、配列番号2および配列番号5のアミノ酸1に対応するアミノ酸 37から始まることが見出され、これは、リーダー配列の切断部位がこのタンパ ク質のアミノ酸36および37間(配列番号2および配列番号5のアミノ酸残基 −1〜1に対応する)であることを示す。 しかしながら、配列決定の誤りならびに異なる公知のタンパク質のリーダーの 切断部位の多様性から、当業者は、ATCC受託番号97059のcDNAによ りコードされるTR2レセプターポリペプチドは、約283個のアミノ酸を含む が、250〜316個のアミノ酸の範囲内のいずれでもよく;このタンパク質の リーダー配列は約36個のアミノ酸であるが、約30〜約42個のアミノ酸の範 囲内のいずれでもよいことを認識するであろう。同様に、ATCC受託番号97 058のcDNAによりコードされるTR2−SV1レセプターポリペプチドは 、約185個のアミノ酸を含むが、163〜207個のアミノ酸の範囲内のいず れでもよく;このタンパク質のリーダー配列は約36個のアミノ酸であるが、約 30〜約42個のアミノ酸の範囲内のいずれでもよい。さらに、ATCC受託番 号 97057のcDNAによりコードされるTR2−SV2レセプターポリペプチ ドは、約136個のアミノ酸を含むが、120〜152個のアミノ酸の範囲内の いずれでもよい。 示されるように、本発明の核酸分子は、mRNAなどのRNAの形態にあって もよく、例えばクローニングまたは合成して製造されたcDNAおよびゲノムD NAを含むDNAの形態であってもよい。DNAは二本鎖でも一本鎖であっても よい。一本鎖DNAまたはRNAは、センス鎖としても知られるコーディング鎖 であってもよく、アンチセンス鎖としても知られる、非−コーディング鎖であっ てもよい。 「単離された」核酸分子は、天然の環境から取り除かれた核酸分子、DNAま たはRNAを意味する。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分子は、本 発明では単離されたと考える。さらに、単離されたDNA分子の例には、異種宿 主細胞中に維持される組換えDNA分子または溶液中の(部分的にまたは実質的 に)精製されたDNA分子が含まれる。単離されたRNA分子には、本発明のD NA分子のインビボまたはインビトロRNA転写物が包含される。本発明の単離 された核酸分子にはさらに、合成されたかかる分子が包含される。 本発明の単離された核酸分子には、図1A−1B(配列番号1)に示されるオ ープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子;図1A−1B(配列 番号2)(最後の247アミノ酸)に示される成熟TR2レセプターのコーディン グ配列を含むDNA分子;上記した配列と実質的に異なる配列を含むが、遺伝コ ードの縮重により、図1A−1B(配列番号2)に示されるTR2レセプタータ ンパク質をコードする、DNA分子が含まれる。もちろん、遺伝コードは、当該 分野で周知である。それゆえ、当業者にはかかる縮重変異を作成することは、慣 用である。 同様に、本発明の単離された核酸分子には、図4A−4B(配列番号4)に示 されるオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子;図4A−4 B(配列番号5)(最後の149アミノ酸)に示される成熟TR2−SV1レセプ ターのコーディング配列を含むDNA分子;上記した配列と実質的に異なる配列 を含むが、遺伝コードの縮重により、TR2−SV1レセプターをコードする、 DNA分子が含まれる。 さらに、本発明の単離された核酸分子には、図7A1示されるオープンリーデ ィングフレーム(ORF)を含むDNA分子、および、上記した配列と実質的に 異なる配列を含むが、遺伝コードの縮重により、TR2−SV2レセプターをコ ードする、DNA分子が含まれる。 他の態様において、本発明は、それぞれ、1995年2月13日にATCC受 託番号97059、97058および97057として寄託されたプラスミド中 に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有するTR2、 TR2−SV1およびTR2−SV2ポリペプチドをコードする単離された核酸 分子を提供する。さらなる具体例において、これらの核酸分子は、成熟ポリペプ チドまたはN−末端メチオニンを欠く全長ポリペプチドをコードする。本発明は さらに、図1A−1B(配列番号1)、図4A−4B(配列番号4)および図7A −7B(配列番号7)に示されるヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子; 上記の受託クローン中に含まれるcDNAのヌクレオチド配列;または上記の配 列の一つに相補的な配列を有する核酸分子を提供する。かかる単離された分子、 特にDNA分子は、染色体を用いるインサイチューハイブリダイゼーションによ る遺伝子マッピングのプローブとして、および、例えばノザンブロット解析によ り、ヒト組織における本発明のTR2レセプター遺伝子の発現を検出するための プローブとして、有用である。 本発明はさらに、本明細書に記載する単離された核酸分子のフラグメントに関 する。寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1A−1B(配列番号1) 、図4A−4B(配列番号4)もしくは図7A−7B(配列番号7)に示される ヌクレオチド配列を有する、単離された核酸分子のフラグメントは、本明細書で 述べるような診断プローブおよびプライマーとして有用な、少なくとも約15ヌ クレオチド、より好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド、よりさらに好まし くは少なくとも約30ヌクレオチド、それ以上に好ましくは、約40ヌクレオチ ドの長さのフラグメントを意味する。もちろん、寄託されたcDNAまたは図1 A −1B(配列番号1)、図4A−4B(配列番号4)もしくは図7A−7B(配列 番号7)に示されるヌクレオチド配列のすべてではないがほとんどに対応するフ ラグメントなどの50〜400ヌクレオチドの長さのより長いフラグメントもま た、本発明により有用である。例えば、少なくとも20ヌクレオチドの長さのフ ラグメントは、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1A−1B(配 列番号1)、図4A−4B(配列番号4)および図7A−7B(配列番号7)に 示されるヌクレオチド配列由来の20またはそれ以上の連続する塩基を含むフラ グメントを意味する。 本発明の好ましい核酸フラグメントには、図1A−1B(配列番号2)のTR 2レセプタータンパク質細胞外ドメイン(図1A−1Bの約37〜約200のア ミノ酸残基を構成すると予測される(配列番号2のアミノ酸残基1〜164))を 含むポリペプチド;TR2レセプター膜貫通ドメイン(図1A−1Bのアミノ酸 残基201〜225(配列番号2のアミノ酸残基165〜189)を含むポリペ プチド;TR2レセプター細胞内ドメイン(図1A−1Bのアミノ酸残基約22 6〜約283を構成すると予想される(配列番号2のアミノ酸残基190〜24 7))を含むポリペプチド;膜貫通ドメインのすべてまたは一部が欠失した、図 1A−1B(配列番号2)のTR2レセプタータンパク質細胞外および細胞内ド メインを含むポリペプチド、をコードする核酸分子が包含される。 本発明の好ましい核酸フラグメントにはまた、成熟TR2−SV1レセプター (図4A−4Bの約37〜約185のアミノ酸残基を構成すると予想される(配 列番号5のアミノ酸残基1〜149))および完全なTR2−SV2レセプター (図7A−7Bの約1〜約136のアミノ酸残基を構成すると予想される(配列 番号8))を含むポリペプチドをコードする核酸分子が包含される。 リーダー配列について上記したように、細胞外、膜貫通および細胞内ドメイン を構成するアミノ酸残基をコンピューター解析により予測した。それにより、当 業者は、これらのドメインを構成するアミノ酸残基は、各ドメインを決定するの に用いるクライテリアに応じてわずかに変わり得る(例えば、約1〜約15のア ミノ酸残基で)ことを認識するであろう。 本発明の好ましい核酸フラグメントにはまた、TR2レセプタータンパク質の エピトープ−坦持部分をコードする核酸分子が包含される。特に、本発明のかか る核酸フラグメントには、図1A−1Bの約39〜約70のアミノ酸残基(配列 番号2のアミノ酸残基3〜34)含むポリペプチド;図1の約106〜約120 のアミノ酸残基(配列番号2のアミノ酸残基70〜84)を含むポリペプチド; 図1A−1Bの約142〜約189のアミノ酸残基(配列番号2のアミノ酸残基 106〜153)を含むポリペプチド;図1A−1Bの約276〜約283のア ミノ酸残基(配列番号2のアミノ酸残基240〜247)を含むポリペプチド; 図4A−4Bの約39〜約70のアミノ酸残基(配列番号5のアミノ酸残基3〜 34)を含むポリペプチド;図4A−4Bの約99〜約136のアミノ酸残基( 配列番号5のアミノ酸残基63〜100);図4A−4Bの約171〜約185の アミノ酸残基(配列番号5のアミノ酸残基135〜149);図7A−7Bの約5 6〜約68のアミノ酸残基(配列番号8);図7A−7Bの約93〜約136のア ミノ酸残基(配列番号8)、をコードする核酸分子が包含される。本発明者等は、 上記ポリペプチドフラグメントがTR2レセプターの抗原性領域であることを調 べた。その他のTR2タンパク質のかかるエピトープ坦持部分を決定する方法は 、以下に詳細に記載する。 別の態様において、本発明は、例えばATCC受託97059、97058お よび97057中に含まれるcDNAクローンなどの上記した本発明の核酸分子 の一つのポリヌクレオチドの一部分とストリンジェントな条件下でハイブリダイ ズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。「ストリンジェ ントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミド、5×SSC( 150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリ ウム(pH7.6)、5×デンハート溶液、10%硫酸デキストラン、20g/m l変性せん断サケ精子DNAを含む溶液中で42℃にて一晩インキュベートし、 ついでフィルターを0.1×SSCで約65℃にて洗浄することを意味する。 ポリヌクレオチドの「部分」とハイブリダイズするポリヌクレオチドとは対照 ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも 約20ヌクレオチド、さらにより好ましくは約30ヌクレオチド、よりさらに好 ましくは約30〜70ヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチド(D NAまたはRNA)を意味する。これらは、上記に記載したように、また以下に より詳細に記載するように、診断用プローブおよびプライマーとして有用である 。 例えば、「少なくとも20ヌクレオチドの長さ」のポリヌクレオチドの部分は、 対照ポリヌクレオチド(例えば、寄託cDNAまたは図1A−1B(配列番号1) 、図4A−4B(配列番号4)もしくは図7A−7B(配列番号7)に示される ヌクレオチド配列)のヌクレオチド配列由来の20またはそれ以上の連続するヌ クレオチドを意味する。 もちろん、ポリA配列(例えば、図1A−1B(配列番号1)、図4A−4B( 配列番号4)もしくは図7A−7B(配列番号7)に示されるTR2レセプター cDNA配列の3’末端ポリ(A)領域など)に、またはT(またはU)残基の 相補的な伸長にのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、かかるポリヌクレ オチドは、ポリ(A)伸長を含む核酸分子またはこれと相補的な核酸分子(例え ば、事実上いずれの二本鎖cDNAクローン)のいずれともハイブリダイズする ので、本発明の核酸の一部とハイブリダイズするのに用いる本発明のポリヌクレ オチドに包含しない。 記載したように、TR2ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子には、限 定するものではないが、成熟ポリペプチドそれ自体のアミノ酸配列をコードする もの;成熟ポリペプチドおよび、約36アミノ酸のリーダーもしくは分泌配列、 プレー、プローもしくはプレプロータンパク質配列などの付加的配列をコードす る配列;上記した付加的コーディング配列を含むかまたは含まず、付加的な、非 −コーディング配列、例えば、限定するものではないが、イントロンおよび非− コーディング5’および3’配列、転写、mRNAプロセシング(スプライシン グおよびポリアデニル化シグナル、例えば−リボソーム結合およびmRNAの安 定性などを含む)において役割を担う転写、非−翻訳配列などを含む、成熟ポリ ペプチドのコーディング配列;付加的機能を提供するアミノ酸などの付加的なア ミノ酸をコードする付加的なコーディング配列、が包含される。それゆえ、ポリ ペプチドをコードする配列は、融合ポリペプチドの精製を促進するペプチドをコ ードする配列などのマーカー配列に融合させてもよい。本発明のこの態様の特定 の好ましい具体例において、マーカーアミノ酸配列は、とりわけ、pQEベクタ ー(Qiagen,Inc.)中に提供されるtagなどのヘキサ−ヒスチジンペプチドであ り、多くのものが市販されている。Gentz et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821-824(1989)に記載されるように、例えば、ヘキサ−ヒスチジンは融合タ ンパク質の簡便な精製を供給する。「HA」タグは、精製に有用な他のペプチド であり、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応し、Wi lson et al.,Cell 37:767(1984)に記載されている。以下に記載するように、他 のかかる融合タンパク質には、N−またはC−末端にてIgG−Fcに融合した TR2レセプターが包含される。 さらに、本発明は、TR2レセプターの部分、アナログまたは誘導体をコード する、本発明の核酸分子の変異体に関する。変異体は、天然の対立遺伝子変異体 など、天然に起こり得る。「対立遺伝子変異体」は、生物の染色体上の所定の座 を占める遺伝子のいくつかの異なる形態の一つを意味する。Genes II,Lewin,B .,ed.,John Wiley & Sons,New York(1985)。非天然の変異体は、当該分野で 公知の変異誘発技術を用いて産生し得る。 かかる変異体には、1またはそれ以上のヌクレオチドを含んでいてもよい、ヌ クレオチド置換、欠失または付加により産生されるものが包含される。変異体は 、コーディング領域、非−コーディング領域もしくはその両方で変化していてよ い。コーディング領域の変化により、保存または非保存アミノ酸置換、欠失また は付加が起こり得る。これらのうち特に好ましいものは、サイレント置換、付加 および欠失であり、これらはTR2レセプターまたはその部分の特性および活性 を変化させない。この点において、保存置換もまた特に好ましい。 本発明のさらなる具体例には、(a)図1A−1B(配列番号2のアミノ酸残 基−36〜247)、図4A−4B(配列番号5のアミノ酸残基−36〜149 )または図7A−7B(配列番号8のアミノ酸残基1〜136)に示される完全 なア ミノ酸配列を有するTR2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b) 図1A−1B(配列番号2のアミノ酸残基−35〜247)、図4A−4B(配列 番号5のアミノ酸残基−35〜149)または図7A−7B(配列番号8のアミ ノ酸残基2〜136)に示される完全であるがN−末端メチオニンを欠くアミノ 酸配列をコードするヌクレオチド;(c)図1A−1Bの約37〜約283の位 置のアミノ酸配列(配列番号2のアミノ酸残基1〜247)、図4A−4Bの約3 7〜約185の位置のアミノ酸配列(配列番号5のアミノ酸残基1〜149)ま たは図7A−7Bの約1〜約136の位置のアミノ酸配列(配列番号8)を有す る成熟TR2レセプター(いずれの付随するリーダー配列も除去された全長ポリ ペプチド)をコードするヌクレオチド配列;(d)それぞれATCC受託番号9 7059、97058および97057に含まれるcDNAクローンによりコー ドされるリーダーを含む完全アミノ酸配列を有するTR2、TR2−SV1また はTR2−SV2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(e)それぞれ ATCC受託番号97059および97058に含まれるcDNAクローンによ りコードされるアミノ酸配列を有する成熟TR2またはTR2−SV1レセプタ ーをコードするヌクレオチド配列;(f)TR2またはTR2−SV1レセプタ ー細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(g)TR2レセプター膜貫 通ドメインをコードするヌクレオチド配列;(h)TR2レセプター細胞内ドメ インをコードするヌクレオチド配列;(i)膜貫通ドメインのすべてもしくは部 分が除去されたTR2レセプター細胞外および細胞内ドメインをコードするヌク レオチド配列;および(j)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f) 、(g)、(h)または(i)中のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌク レオチド配列に、少なくとも90%同一性、より好ましくは、少なくとも95% 、96%、97%、98%または99%同一性のヌクレオチド配列を有するポリ ヌクレオチドを含む単離された核酸分子が包含される。 例えば、TR2ポリペプチドをコードする対照ヌクレオチド配列に少なくとも 95%「同一性」のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドは、ポリヌクレ オチド配列がTR2レセプターをコードする対照ヌクレオチド配列の100ヌク レオチド当たり5個までの点突然変異を含んでいてもよい以外は、ポリヌクレオ チドのヌクレオチド配列が、対照配列と同一であることを意味する。いいかえる と、対照ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一性のヌクレオチド配列を有す るポリヌクレオチドを得るためには、対照配列中のヌクレオチドの5%までが、 欠失されるか、他のヌクレオチドに置換されていてもよく、または、対照配列中 の全ヌクレオチドの5%までの数のヌクレオチドが対照配列中に挿入されていて もよい。対照配列のこれらの変異は、対照ヌクレオチド配列の5’または3’末 端部分で、またはこれらの末端部分間のいずれかの場所で起こってもよく、対照 配列中のヌクレオチド間に個々に散在してもよく、または対照配列中の1または それ以上の隣接するグループ中にあってもよい。 実際には、個々の核酸分子が、例えば、図1A−1B(配列番号1)に示され るヌクレオチド配列またはそのタンパク質をコードする寄託cDNAクローンの ヌクレオチオド配列と、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%ま たは99%同一性を有するかどうかを、Bestfit program(Wisconsin Sequence A nalysis Package,Version 8 for Unix,Genetics Computer Group,Universty Reserch Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)などの公知のコンピュ ータープログラムを用いて慣用的に調べることができる。Bestfitは、Smith and Waterman,Advances in Applied Mathematics 2:482-489(1981)のローカルホモ ロジーアルゴリズムを用い、2つの配列間のホモロジーの最大のセグメントを見 出す。個々の配列が、本発明の対照配列に対して95%同一性を有するかどうか を調べるためにBestfitまたはいずれかの他の配列整列プログラムを用いる場合 、当然、同一性のパーセンテージが対照ヌクレオチド配列の全長にわたって計算 される、対照配列中の全ヌクレオチド数の5%までのホモロジーにおいてギャッ プが許容されるように、パラメーターをセットする。 本発明は、TR2レセプター活性を有するポリペプチドをコードするかどうか に関係なく、図1A−1B(配列番号1)、図4A−4B(配列番号4)または図 7A−7B(配列番号7)に示される核酸配列、または、寄託cDNAの核酸配 列に、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一性 の核酸分子に、関する。なぜなら、特定の核酸分子がTR2レセプター活性を有 するポリペプチドをコードしていない場合であっても、当業者であれば、例えば 、ハイブリダイゼーションプローブもしくはポリメラーゼ鎖反応(PCR)プラ イマーとして、核酸分子の使用方法を知っているからである。TR2レセプター 活性を有するポリペプチドをコードしていない本発明の核酸分子の使用には、な かでも、(1)cDNAライブラリー中のTR2レセプター遺伝子または対立遺 伝子もしくはスプライス変異体の単離;(2)Verma et al.,Human Chromosome s:A Manual of Basic Techniquies,Pergamon Press,New York(1988)に記載さ れるように、TR2レセプター遺伝子の正確な染色体位置を調べるための中期染 色体伸長へのインサイチューハイブリダイゼーション(例えば「FISH」);(3 )特異的組織中でのTR2レセプターmRNA発現を検出するためのノザンブロ ット解析、が包含される。 しかしながら、図1A−1B(配列番号1)、図4A−4B(配列番号4)また は図7A−7B(配列番号7)に示される核酸配列、または、寄託cDNAの核 酸配列に、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同 一性の配列を有し、実際にTR2レセプター活性を有するポリペプチドをコード する核酸分子が好ましい。「TR2レセプター活性を有するポリペプチド」は、 特定の生物学的アッセイで測定した場合、本発明のTR2レセプター(全長タン パク質、スプライス変異体または好ましくは成熟タンパク質)の活性と、同一で ある必要はないが、類似する活性を示すポリペプチドを意味する。例えば、TR 2レセプター活性を、実施例6において以下に記載するような、ポリペプチド− Fc融合タンパク質のリンパ球増殖を阻害する能力を調べることにより測定でき る。TR2レセプター活性はまた、遊離もしくは細胞表面上に発現するコグネイ トリガンドなどのポリペプチドのレセプターを発現する完全な細胞における増殖 活性を付与する能力を調べることにより、測定してもよい。 当然、遺伝コードの縮重性により、寄託cDNAの核酸配列または図1A−1 B(配列番号1)、図4A−4B(配列番号4)または図7A−7B(配列番号7 )に示される核酸配列に、少なくとも90%、95%、96%、97%、98% ま たは99%同一性の配列を有する核酸分子の大多数が、「TR2レセプター活性 を有する」ポリペプチドをコードすることが当業者に認識されるであろう。実際 、これらのヌクレオチド配列の縮重変異体はすべて同じポリペプチドをコードす るので、このことは上記した比較アッセイを行うことなくても、当業者には明確 であろう。さらに、縮重変異体でない核酸分子についても、相当数がTR2タン パク質活性を有するポリペプチドをコードすることが当業者に認識されるであろ う。これは、タンパク質機能にほとんど影響しないかさほど影響しないアミノ酸 置換について、当業者に知られていることによる(例えば、第1の脂肪族アミノ 酸を第2の脂肪族アミノ酸に置換すること)。 例えば、表現型にサイレントなアミノ酸置換の作成方法についてガイダンスは 、Bowie,J.U.etal.,"Deciphering the Message in Protein Sequences:Tole rance to Amino Acid Substitutions",Science 247:1306-1310(1999)に記載さ れ、そこではタンパク質が驚くほどアミノ酸置換に寛容であることが著者により 示される。 ベクターおよび宿主細胞 本発明は、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、組換えベクターで 遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるTR2ポリペプチドまたは そのフラグメントの製造にも関する。 ポリヌクレオチドを宿主中における増殖用の選択マーカーを含むベクターに連 結させてもよい。一般的に、プラスミドベクターを、リン酸カルシウム沈澱物な どの沈殿物、またはチャージした脂質などとの複合中で導入する。ベクターがウ イルスである場合、適切なパッケージング細胞系を用いてインビトロでパッケー ジし、ついで宿主細胞中に導入してもよい。 DNA挿入物は、例えば、ファージラムダPLプロモーター、イー.コリ(E .coli)lac、trpおよびtacプロモーター、SV40早期および後 期プロモーターおよびレトロウイルスLTRのプロモーターなどの適当なプロモ ーターと機能的に連結させるべきである。他の適当なプロモーターは当業者に知 ら れている。さらに、発現構築物は、転写開始、終止の部位、および転写領域に翻 訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物により発現される成熟転写物のコ ーディング部分は、好ましくは翻訳されるべきタンパク質の始まりの部分に開始 コドンおよび末端の適当な部分に位置する終止コドン(UAA、UGAまたはU AG)を含む。 記載するように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも一つの選択マーカー を含む。かかるマーカーには、真核細胞培養用にジヒドロフォレートレダクター ゼまたはネオマイシン耐性、イー.コリおよび他の細菌の培養用にテトラサイク リンまたはアンピシリン耐性遺伝子が包含される。適当な異種宿主の代表例には 、限定するものではないが、イー.コリ、ストレプトマイセス(Streptomyces)お よびサルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)細胞などの細菌細胞 ;酵母細胞などの真菌細胞;ドロソフィラS2およびスポドプテラ(Spodoptera) Sf9細胞などの昆虫細胞;CHO、COSおよびボーウェス(Bows)黒色種細 胞などの動物細胞;および植物細胞が包含される。上記した宿主細胞に適した培 養培地および条件は、当該分野で知られている。 ベクターの中でも、細菌において用いるのに好ましいものは、pQE70、p QE60およびpQE−9(Qiagenから入手可能);pBSベクター、ファージス クリプトベクター、ブルースクリプトベクター、pNH8A、pNH16a、p NH18A、pNH46A(Stratageneから入手可能);およびptrc99a、 pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia から入手可能)が包含される。真核細胞ベクターのうち好ましいものは、pWL NEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG(Stratageneから 入手可能);およびpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmacia から入手可能)が包含される。他の適当なベクターは、当業者に容易に認識され るであろう。 構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DE AE−デキストラン媒介トランスフェクション、陽イオン脂質媒介トランスフェ クション、エレクトロポレーション、トランスダクション、感染または他の方法 により行うことができる。かかる方法は、Davis et al.,Basic Methods In Mol ecular Biology(1986)などの、多くの標準的な実験マニュアルに記載される。 ポリペプチドは、融合タンパク質などの修飾形態にて発現されてもよく、分泌 シグナルのみならず、さらなる異種性機能的領域を含んでいてもよい。例えば、 さらなるアミノ酸の領域、とくにチャージしたアミノ酸を、ポリペプチドのN− 末端に加えて、精製の間、またはその後の取り扱いおよび保存の間、宿種細胞に おける安定性および保持性を改良させてもよい。また、ペプチド部分をポリペプ チドに加えて精製を促進してもよい。かかる領域は、ポリペプチドの最終的な製 造の前に除去してもよい。ペプチド部分をポリペプチドに加えて、分泌および排 出を生じさせること、安定性を改良すること、および精製を促進することは、な かでも当該分野でよく知られた常套技術である。好ましい融合タンパク質は、タ ンパク質の可溶化に有用な免疫グロブリン由来の異種領域が含まれる。例えば、 EP−A−O 464533(カナダ対応特許2045869)には、免疫グロ ブリン分子の定常部の種々の部分とともに別のヒトタンパク質またはその一部を 含む融合タンパク質が開示される。多くの場合、融合タンパク質のFc部分は、 治療および診断において非常に有用であり、それゆえ、例えば、薬物動態学的特 性を改良する(EP−A 0232262)。一方、いくつかの使用においては、 融合タンパク質が、記載された有利な方法において発現され、検出され、精製さ れた後に、Fc部分を削除できることが望ましい。これは、Fc領域が、例えば 融合タンパク質が免疫化のための抗原として用いられる場合など、治療および診 断における使用の障害となる場合である。薬剤の発見において、例えば、ヒトh IL−5レセプターなどのヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同 定する高処理スクリーニングアッセイの目的で、Fc部分と融合されている。D. Bennett et al.,Journal of Molecular Recognition,Vol.8:52-58(1995)およ びK.Johanson et al.,The Journal of Biological Chemistry,Vol.270,No .16:9459-9471(1995)参照。 TR2レセプターを、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、陰イ オンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフ ィー、疎水相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、 ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィー を含め、周知の方法により、組換え細胞培養物から回収および精製できる。高性 能液体クロマトグラフィー(HPLC)を精製に用いるのが最も好ましい。本発 明のポリペプチドには、天然のものを精製した産物、化学的合成法の産物、例え ば、細菌、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞を含め、原核または真核細 胞から組換え技術により産生された産物が包含される。組換え産生法において用 いた宿主に応じ、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されていてもよくグリ コシル化されていなくてもよい。加えて、本発明のポリペプチドには、ある場合 には宿主−媒介プロセスの結果として、初期修飾メチオニン残基を含んでいても よい。 TR2ポリペプチドおよびフラグメント 本発明はさらに、寄託cDNAによりコードされるアミノ酸配列、または、図 1A−1B(配列番号2)、図4A−4B(配列番号5)および図7A−7B(配 列番号8)のアミノ酸配列を有する単離されたTR2ポリペプチド、または上記 のポリペプチドの一部を含むペプチドもしくはポリペプチドを提供する。 本発明のポリペプチドは、膜結合形態であってもよく、可溶性循環形態であっ てもよい。可溶性ペプチドは、配列が膜貫通ドメインを欠くポリペプチド配列を 含む、アミノ酸配列により定義される。かかるTR2レセプターの可溶性形態の 一例は、分泌性リーダー配列を有するが、細胞内および膜貫通ドメインの両方を 欠く、TR2−SV1スプライス変異体である。それゆえ、TR2−SV1レセ プタータンパク質は、このタンパク質を発現する細胞から可溶性形態で分泌され る。 本発明のポリペプチドは、膜貫通領域、細胞内および細胞外領域を有する膜結 合性レセプターとして存在してもよく、または、膜貫通ドメインを欠く可溶性形 態で存在してもよい。TR2レセプターのかかる形態の一例は、リーダー配列に 加えて、膜貫通、細胞内および細胞外ドメインを含む、図1A−1B(配列番号 2)に示されるTR2レセプターである。かくして、TR2レセプターのこの形 態は、このタンパク質を発現する細胞の細胞質膜中に局在する。 当業者においては、TR2レセプターのいくつかのアミノ酸配列は、タンパク 質の構造または機能に重大な影響なしに変え得ることが認識されるであろう。か かる配列中の差異を考える場合、活性を決定するタンパク質上の重要な領域が存 在することを思い出さなくてはならない。それゆえ、本発明はさらに、実質的な TR2レセプター活性を示すかまたは以下に記載するようなタンパク質部分など のTR2タンパク質の領域を含む、TR2レセプターの変異体を包含する。かか る変異体には、欠失、挿入、逆位、繰り返し、および置換の種類が包含される。 上記したように、どのアミノ酸変化が表現型にサイレントであるらしいかについ てのガイダンスは、Bowie,J.U.et al.,"Deciphering the Message in Prote in Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions",Science 247:1306-13 10(1999)に記載される。 それゆえ、図1A−1B(配列番号2)、図4A−4B(配列番号5)および図 7A−7B(配列番号8)のポリペプチドまたは寄託cDNAにコードされるポ リペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログは、(i)1またはそれ以上 のアミノ酸残基が、保存または非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残 基)で置換され、かかる置換アミノ酸残基が遺伝暗号によりコードされていても コードされていなくてもよいもの、(ii)1またはそれ以上のアミノ酸残基が 置換基を有するもの、(iii)成熟ポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増 加させる化合物(例えばポリエチレングリコール)などの他の化合物と融合して いるもの、または(iv)IgG Fc融合領域ペプチドまたはリーダーもしく は分泌性配列、または成熟ポリペプチドの精製に用いる配列、またはプロプロテ イン配列などの、さらなるアミノ酸が成熟ポリペプチドに融合したものであって もよい。かかるフラグメント、誘導体およびアナログは、本明細書の教示から当 業者の範囲内であると考えられる。 特に重要なのは、チャージしたアミノ酸の他のチャージしたアミノ酸および中 性または負にチャージしたアミノ酸との置換である。後者により、タンパク質中 の正のチャージが減少し、TR2タンパク質の特徴が改良される結果となる。凝 集の防御が特に望ましい。タンパク質の凝集は、活性の欠損だけでなく、これら が免疫源性であり得るるので、医薬製剤を調製する場合にも問題となり得る(Pin ckard et al.,Clin Exp.Immunol.2:331-340(1967);Robbins et al.,Diabete s 36:838-845(1987);Cleland et al.,Crit.Rev.Therapeutic Drug Carrier S ystems 10:307-377(1993))。 アミノ酸の置換は、細胞表面レセプターへの結合選択性も変化させ得る。Osta de et al.,Nature 361:266-268(1993)には、ある変異により、TNF−αがT NFレセプターの2つの知られるタイプのうちの一つのみへ選択的に結合するこ とになることが記載される。それゆえ、本発明のTR2レセプターは、天然の変 異またはヒトの操作のいずれかによる、1またはそれ以上のアミノ酸置換、欠失 または付加を含んでいてもよい。 記載するように、タンパク質の折りたたみまたは活性に重要な影響を与えない 保存アミノ酸置換などの、小さな変化が好ましい(表1参照)。 表1 保存アミノ酸置換 機能に必須な本発明のTR2タンパク質におけるアミノ酸を、位置指定突然変 異誘発またはアラニン−スキャンニング突然変異誘発(Cunningham and Wells,S cience 244:1081-1085(1989))などの当該分野で公知の方法により同定できる。 後者の方法は、分子のそれぞれの残基にて単一のアラニン突然変異を導入する。 得られる突然変異分子を、ついでレセプター結合、またはインビボもしくはイン ビトロ増殖活性などの生化学的活性について試験する。リガンド−レセプター結 合に必須な部位を、結晶化、核磁気共鳴または光親和性標識などの構造解析によ っても決定できる(Smith et al.,J.Mol.Biol.224:899-904(1992)およびde V os et al.,Science 255:306-312(1992))。 好ましくは、本発明のポリペプチドは、単離形態にて提供される。「単離され た ポリペプチド」は、天然の環境から除去されたポリペプチドを意味する。それゆ え、組換え宿主細胞中で産生され含まれるポリペプチドは、本発明において「単 離された」ものと考える。また、「単離されたポリペプチド」は、組換え宿主か ら部分的にまたは実質的に精製されたポリペプチドをも意味する。例えば、組換 えにより産生されたTR2レセプターは、Smith and Johnson,Gene 67:31-40(19 88)において記載される一工程法により実質的に精製できる。 本発明のポリペプチドには、リーダーを含む寄託cDNAによりコードされる ポリペプチド;リーダーを含まない寄託cDNAによりコードされるポリペプチ ド(すなわち、成熟タンパク質);リーダーを含む図1A−1B(配列番号2)ま たは図4A−4b(配列番号5)のポリペプチド;リーダーを含むがN−末端メ チオニンを欠く、図1A−1B(配列番号2)または図4A−4b(配列番号5 )のポリペプチド;リーダーを欠く図1A−1B(配列番号2)または図4A− 4B(配列番号5)のポリペプチド;図7A−7B(配列番号8)のポリペプチ ド;図1A−1B(配列番号2)に示すTR2レセプターの細胞外ドメイン、膜 貫通ドメイン、および細胞内ドメイン;上記したポリペプチドに対して、少なく とも80%同一性、より好ましくは少なくとも90%もしくは95%同一性、さ らにより好ましくは、少なくとも96%、97%、98%または99%同一性を 有し、かかるポリペプチドの少なくとも30個のアミノ酸、より好ましくは少な くとも50個のアミノ酸の部分を含む、ポリペプチドが包含される。 TR2ポリペプチドの対照アミノ酸配列に対して、例えば少なくとも95%「 同一性」のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、ポリペプチドのアミノ酸配列 が、ポリペプチド配列が、TR2レセプターの対照アミノ酸の100アミノ酸当 たり5つまでのアミノ酸変化を含んでいてもよい他は、対照配列と同一であるこ とを意味する。いいかえると、対照アミノ酸配列に少なくとも95%同一性のア ミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、対照配列中のアミノ酸残基の 5%までが、欠失されるか、他のアミノ酸に置換されていてもよく、または、対 照配列中の全アミノ酸残基の5%までの数のアミノ酸が対照配列中に挿入されて いてもよい。対照配列のこれらの変異は、対照アミノ酸配列のアミノまたはカル ボキ シ末端部分で、またはこれらの末端部分間のいずれかの場所で起こってもよく、 対照配列中の残基間に個々に散在してもよく、または対照配列中の1またはそれ 以上の隣接するグループ中にあってもよい。 実際には、個々のポリペプチドがたとえば、図1A−1B(配列番号2)、図4 A−4B(配列番号5)または図7A−7B(配列番号8)に示されるアミノ酸 配列または寄託cDNAクローンの一つによりコードされるアミノ酸配列と、少 なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する 1かどうかを、Bestfit program(Wisconsin Sequence Analysis Package,Versio n 8 for Unix,Genetics Computer Group,Universty Reserch Park,575 Scien ce Drive,Madison,WI 53711)などの公知のコンピュータープログラムを用いて 慣用的に調べることができる。例えば、個々の配列が、本発明の対照配列に対し て95%同一性を有するかどうかを調べるためにBestfitまたはいずれかの他の 配列整列プログラムを用いる場合、当然、同一性のパーセンテージが対照アミノ 酸配列の全長にわたって計算され、対照配列中の全アミノ酸残基数の5%までの ホモロジーにおいてギャップが許容されるように、パラメーターをセットする。 本発明のポリペプチドを、当業者に周知の方法を用いて、SDS−PAGEゲ ルまたはモレキュラーシーブゲル濾過カラム上で、分子量マーカーとして用いる ことができる。 他の態様において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ−坦持部位 を含むペプチドまたはポリペプチドを提供する。これらのポリペプチド部分のエ ピトープは、本明細書において記載するポリペプチドの免疫原性もしくは抗原性 エピトープである。「免疫原性エピトープ」は、全タンパク質が免疫原である場 合に抗体応答を誘発するタンパク質の一部として定義される。一方、抗体が結合 できるタンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」として定義される。一般 に、タンパク質の免疫原性エピトープの数は、抗原性エピトープの数よりも少な い。例えば、Geysen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998-4002(1983 )を参照。 抗原性エピトープを坦持するペプチドまたはポリペプチド(すなわち、抗体が 結合可能なタンパク質分子の領域を含むもの)の選択に関して、タンパク質配列 の一部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、慣用的に部分的に模倣したタンパ ク質と反応する抗血清を誘発できることが当該分野で周知である。例えば、Sutc liffe,J.G.,Shinnick.T.M.,Green,N.and Learner,R.A.(1983)Antibo dies that react with predetermined sites on proteins.Science 219:660-66 6を参照。タンパク質−反応性血清を誘発可能なペプチドは、しばしばタンパク 質の一次配列中に示され、簡単な化学ルールのセットにより特徴付けることがで き、完全なタンパク質の免疫決定領域(すなわち、免疫原性エピトープ)または アミノもしくはカルボキシ末端のいずれにも制限されない。 本発明の抗原性ペピトープ−坦持ペプチドおよびポリペプチドは、それゆえ、 本発明のポリペプチドに特異的に結合する、モノクローナル抗体を含む抗体を産 生するのに有用である。例えば、Wilson et al.,Cell37:767-778(1984)777参 照。本発明の抗原性エピトープ−坦持ペプチドおよびポリペプチドは、本発明の ポリペプチドのアミノ酸配列内に含まれる、好ましくは少なくとも7個、より好 ましくは少なくとも9個、もっとも好ましくは、約15〜約30個の間のアミノ 酸配列を含む。 限定するものではないが、TR2レセプター−特異的抗体を産生するのに用い ることができる抗原性ポリペプチドまたはペプチドの例には、図1の約39〜約 70(配列番号2のアミノ酸残基3〜34)のアミノ酸残基を含むポリペプチド; 図1A−1Bの約106〜約120(配列番号2のアミノ酸残基70〜84)の アミノ酸残基を含むポリペプチド;図1A−1Bの約142〜約189(配列番 号2のアミノ酸残基106〜153)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1 の約276〜約283(配列番号2のアミノ酸残基240〜247)のアミノ酸 残基を含むポリペプチド;図4A−4Bの約39〜約70(配列番号5のアミノ 酸残基3〜34)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図4A−4Bの約99〜 約136(配列番号5のアミノ酸残基63〜100)のアミノ酸残基を含むポリ ペプチド;図4A−4Bの約171〜約185(配列番号5のアミノ酸残基13 5〜149)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図7A−7Bの約56〜約6 8(配列番号8)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図7A−7Bの約93〜 約136(配列番号8)のアミノ酸残基を含むポリペプチド、が包含される。上 記したように、本発明者等は上記のポリペプチドフラグメントがTR2レセプタ ータンパク質の抗原性領域であることを決定している。 本発明のエピトープ−坦持ペプチドおよびポリペプチドはまた、慣用手段によ り製造してもよい。Houghten,R.A.(1985)General method for the rapid s olid-phase synthesis of large numbers of peptides:specificity of antigen -antibody interaction at the level of individual amino acids.Proc.Natl .Acad.Sci.USA 82:5131-5135。この「Simultaneous Multiple Peptide Synth esis(SMPS)」プロセスは、さらに、Houghtenらの米国特許第4631211号( 1986)に記載される。 本発明のTR2ポリペプチドおよび上記のそのエピトープ−坦持フラグメント を免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの部分と組み合わせ、キメラポリペ プチドとすることができることが、当業者に認識されるであろう。これらの融合 タンパク質は、精製を促進し、インビボでの半減期を増加させる。このことは、 例えば、ヒトCD4−ポリペプチドのはじめの2つのドメイン、および哺乳動物 免疫グロブリンの長鎖または短鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタ ンパク質について、示されている(EPA394827;Traunecker at al.,N ature 331:84-86(1988))。IgG部分によりジスルフィド結合二量体構造を有す る融合タンパク質は、モノマーTR2レセプタータンパク質またはタンパク質フ ラグメント単独よりも他の分子の結合および中和において効率的である(Fountou lakis et al.,J.Biochem 270:3958-3964(1995))。 病状の検出 TNFファミリーリガンドは、本発明のTR2レセプターを含め、TNF−フ ァミリーレセプターに結合することにより、様々な細胞性応答を誘発する。TN Fレセプタータンパク質の強力なリガンドであるTNF−βは、リンパ球発達、 腫瘍壊死、抗ウイルス状態の誘発、多形核白血球の活性化、内皮細胞上のクラス I主要組織適合遺伝子複合体抗原の誘発、内皮細胞上の接着分子の誘発および成 長ホルモン刺激を含め、多くの生物化学的プロセスに関与することが知られる(R uddle and Homer,Prog.Allergy,40:162−182(1988))。また、TNFレセプタ ータンパク質のリガンドである、TNF−αは、腫瘍の迅速な壊死、免疫刺激、 自己免疫疾患、移植片拒絶反応、抗−ウイルス応答の産生、敗血症ショック、脳 性マラリア、細胞毒性、化学療法の間に産生される電離性放射線の有害作用、例 えば、酵素の変性、脂質過酸化およびDNA損傷などに対する防御(Nata et al. ,J.Immunol.136(7):2483(1987))、増殖調節、血管内皮作用および代謝作用に おいて役割を担うことが報告されている。TNF−αはまた、内皮細胞を刺激し 、PAI−1、IL−1、GM−CSFおよびIL−6を含む種々の因子を分泌 させ、細胞増殖を促進する。加えて、TNF−αは、E−セレクチン、ICAM −1およびVCAM−1などの種々の細胞接着分子をアップレギュレーションす る。TNF−αおよびFasリガンドはまたプログラムされた細胞死を誘発する ことが示されている。 TR2ポリペプチドを発現し、TR2レセプターリガンドに対して強力な細胞 性応答を有すると考えられる細胞には、Bリンパ球(CD19+)、CD4+および CD8+の両方のTリンパ球、単球、内皮細胞、および、表2および3に示され る他の細胞種が含まれる。「TNF−ファミリーリガンドに対する細胞性応答」 は、TNF−ファミリーリガンドにより誘発される、細胞、細胞系、組織、組織 培養または患者に対する遺伝子型、表現型、および/または形態学的変化を意味 する。記載するように、かかる細胞性応答には、正常なTNF−ファミリーリガ ンドに対する生理的な応答のみならず、アポトーシスの阻害などによる、細胞増 殖の増加または細胞増殖の増加の阻害などに関連する疾患も包含される。アポト ーシスープログラムされた細胞死は、免疫系の末梢Tリンパ球の欠失に関与する 生理的なメカニズムであり、その異常調節により多くの異なる病原性プロセスが 引き起こされ得る(Ameisen,J.C.,AIDS 8:1197−1213(1994);Krammer,P.H. et al.,Curr.Opin.Immunol.6:279-289(1994))。 異常な細胞生存に関連する特定の病状の哺乳動物におけるある組織は、対応す る「標準的な」哺乳動物、すなわち、病状を有さない同じ種の哺乳動物と比較す る場合、TR2レセプタータンパク質およびTR2レセプタータンパク質をコー ドするmRNAを有意に変化したレベルで発現すると考えられる。さらに、この タンパク質のある形態は分泌されるので、病状を有さない同じ種の哺乳動物由来 の血清と比較した場合、TR2レセプタータンパク質の増強したレベルが、病状 を有する哺乳動物由来の体液(例えば、血清、血漿、尿および脊髄液)中に検出 可能であると考えられる。それゆえ、本発明は、病状の診断に有用な診断方法で あって、哺乳動物細胞または体液中のTR2レセプタータンパク質をコードする 遺伝子の発現レベルをアッセイし、標準のTR2レセプター遺伝子発現レベルと 遺伝子発現レベルを比較し、それにより標準に対する遺伝子発現レベルの増加ま たは減少が、異常細胞生存に関連するある病状を示すことを含む方法を提供する 。 本発明のTR2レセプターが関与する病状の診断が従来法によりすでに行われ ている場合、本発明は、予後インジケーターとして有用であり、これにより有意 に異常なTR2レセプター遺伝子発現を示す患者が、より低いレベルで遺伝子を 発現する患者と比較して、悪い臨床的結果となるであろう。 「TR2レセプタータンパク質をコードする遺伝子の発現レベルをアッセイす ること」は、直接的(例えば、絶対タンパク質レベルまたはmRNAレベルを測 定または概算することにより)または相対的(例えば、第2の生物学的サンプル 中のTR2レセプタータンパク質レベルまたはmRNAレベルと比較することに より)のいずれかで、第1のサンプル中のTR2レセプタータンパク質レベルま たはTR2レセプタータンパク質をコードするmRNAのレベルを、定性的また は定量的に測定または概算することを意味する。 好ましくは、第1の生物化学的サンプル中のTR2レセプタータンパク質レベ ルまたはmRNAレベルを測定または概算し、病状を有さない個体から得られた 第2の生物化学的サンプルから得られた標準のTR2レセプタータンパク質レベ ルまたはmRNAレベルと比較する。当該分野で認識されるように、一度標準の TR2レセプタータンパク質レベルまたはmRNAレベルがわかると、これを比 較のための標準として繰り返し用いることができる。 「生物化学的サンプル」は、TR2レセプタータンパク質またはmRNAを含 む、個体、細胞系、組織培養または他の源から得られる生物化学的サンプルを意 味する。生物化学的サンプルには、分泌された成熟TR2レセプタータンパク質 を含む哺乳動物体液(血清、血漿、尿、滑液および脊髄液など)、胸腺、前立腺 、心臓、胎盤、筋肉、肝臓、脾臓、肺、腎臓および他の組織が包含される。組織 生検および体液を哺乳動物から得る方法は、当該分野で周知である。生物化学的 サンプルがmRNAを包含する場合、組織生検が好ましい源である。 細胞生存の増加またはアポトーシスの阻害に関連する疾患には、ガン(小胞リ ンパ腫、p53変異を有する癌腫、およびホルモン−依存性腫瘍など);自己免 疫疾患(全身性エリテマトーデス、および免疫−関連糸球体腎炎、慢性関節リウ マチなど)およびウイルス感染症(ヘルペスウイルス、ポックスウイルスおよび アデノウイルスなど)、情報移植片対宿主疾患、急性移植片拒絶反応、および慢 性移植片拒絶反応が包含される。細胞生存の減少またはアポトーシスの増加に関 連する疾患には、AIDS;神経変性性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン 病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、小脳変性);骨髄形成不良症候群(再生 不良性貧血など)、虚血性傷害(心筋梗塞、発作および再灌流傷害により引き起こ されるものなど)、毒素−誘発肝疾患(アルコールにより引き起こされるものなど )、敗血症ショック、カヘキシーおよび食欲不振が包含される。 可溶性レセプターのレベルを検出するのに利用可能なアッセイ、例えば、ラジ オイムノアッセイ、競合−結合アッセイ、ウエスタンブロット解析は、当業者に 周知であり、好ましくはELISAアッセイを用いてもよい。 完全なTR2レセプタータンパク質、またはアルブミンなどの担体タンパク質 とともに、または十分に長い場合には(少なくとも約25アミノ酸)担体なしに 、動物系(ウサギまたはマウスなど)に提示してもよい、その抗原性ポリペプチ ドフラグメントに対して、TR2レセプター−タンパク質特異的抗体を作成可能 である。 本明細書で用いる場合、「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(mAb )なる用語は、完全な分子ならびにTR2レセプタータンパク質に特異的に結合 可 能な抗体フラグメント(例えば、FabおよびF(ab')2フラグメントなど)を 包含する。FabおよびF(ab')2フラグメントは、完全な抗体のFcフラグメ ントを欠き、循環からより速く消失し、完全な抗体の非−特異的組織結合が少な い(Wahl et al.,J.Nucl.Med.24:316-325(1983))。それゆえ、これらのフラ グメントが好ましい。 本発明の抗体は、様々な方法のいずれかにより調製してもよい。例えば、TR 2レセプタータンパク質またはその抗原性フラグメントを発現する細胞を、動物 に投与し、ポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導することができる。好ま しい方法において、TR2レセプタータンパク質の調製物は、調製され、精製さ れ、実質的に天然の混合物を含まないようにする。ついで、かかる調製物を動物 に導入し、より高い特異活性を有するポリクローナル抗血清を産生する。 もっとも好ましい方法において、本発明の抗体はモノクローナル抗体(または そのTR2レセプタータンパク質結合フラグメント)である。かかるモノクロー ナル抗体は、ハイブリドーマ技術(Kohler et al.,Nature 256:495(1975);Kohle r et al.,Eur.J.Immunol.6:511(1976);Kohler et al.,Eur.J.Immunol.6 :292(1976);Hammerling et al.,In:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybrid omas,Elsevier,N.Y.,(1981)pp.563-681)を用いて調製できる。一般に、 かかる方法は、TR2レセプタータンパク質抗原またはより好ましくはTR2レ セプタータンパク質−発現細胞で動物(好ましくはマウス)を免疫化することを 含む。適当な細胞を、抗−TR2レセプタータンパク質抗体を結合する能力によ り認識できる。かかる細胞を、適当な組織培養培地中で培養してもよい;しかし ながら、10%ウシタ胎仔血清(56℃にて不活化)および約10g/lの非必 須アミノ酸、約1000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのス トレプトマイシンを加えたアールの修飾イーグル培地(Earle's modified Eagle' s medium)中で細胞を培養することが好ましい。かかるマウスの脾臓細胞を抽出 し、適当な骨髄腫細胞系と融合する。本発明にしたがって、いずれかの適当な骨 髄腫細胞系を用いてもよい;しかしながら、American Type Culture Collection ,Rockville,Marylandから利用可能な親骨髄腫細胞系(SP2O)を 用いることが好ましい。融合後、得られるハイブリドーマ細胞をHAT培地中で 選択的に維持し、ついでWands et al.(Gastroenterology 80:225-262(1981))に 記載されるような限定希釈によりクローニングする。かかる選択を通して得られ たハイブリドーマ細胞を、ついでアッセイし、TR2レセプタータンパク質抗原 を結合可能な抗体を分泌するクローンを同定する。 TR2レセプター機能のアゴニストおよびアンタゴニスト 一態様において、本発明は、TNF−ファミリーリガンドにより誘導されるT R2の活性(例えば、細胞増殖、造血発達など)を阻害する方法であって、TR 2ポリペプチドを発現する細胞に、TR2レセプター媒介シグナルを減少させる ことのできる、TR2レセプターリガンド、アナログまたはアンタゴニストの有 効量を投与することを含む方法に関する。好ましくは、TR2レセプター媒介シ グナルを増加させ、細胞増殖の増加を示す疾患を治療する。アンタゴニストには 、TR2レセプターの可溶性形態およびTR2レセプター媒介シグナルを遮断す るTR2ポリペプチドに対する抗体が包含できる。好ましくは、TR2レセプタ ー媒介シグナルを減少させ、疾患を治療する。 さらなる態様において、本発明は、TNF−ファミリーリガンドにより誘導さ れる細胞増殖を増加させる方法であって、TR2ポリペプチドを発現する細胞に 、TR2レセプター媒介シグナルを増加させることのできるアゴニストの有効量 を投与することを含む方法に関する。好ましくは、TR2レセプター媒介シグナ ルを増加させ、細胞増殖の減少を示す疾患を治療する。本発明のアゴニストには 、TR2レセプター媒介シグナルを刺激するTR2ポリペプチドに対するモノク ローナル抗体が包含される。好ましくは、TR2レセプター媒介シグナルを増加 させ、疾患を治療する。 「アゴニスト」は、TR2ポリペプチドにより媒介される細胞増殖および分化 を増強することのできる天然および合成化合物を意味する。かかるアゴニストに は、TR2レセプターの発現を増加するか、または発現されたレセプターの感受 性を増加する薬剤が包含される。「アンタゴニスト」は、TR2媒介細胞増殖お よ び分化を阻害することのできる天然および合成化合物を意味する。かかるアンタ ゴニストには、TR2レセプターの発現を減少させるか、または発現されたレセ プターの感受性を減少させる薬剤が包含される。本発明の候補「アゴニスト」ま たは「アンタゴニスト」が細胞増殖および分化を増強または阻害できるかどうか は、以下により詳細に記載するものを含め、当該分野で公知のTNF−ファミリ ーリガンド/レセプター細胞性応答アッセイを用いて調べることができる。 かかるスクリーニング技術の一つは、例えば、Science 246:181-296(1989,10 月)に記載されるような、レセプター活性化により引き起こされる細胞外pH変 化を測定するシステムにおいて、レセプターを発現する細胞(例えば、トランス フェクトされたCHO細胞)の使用を含む。例えば、化合物を本発明のレセプタ ーポリペプチドを発現する細胞と接触させ、セカンドメッセンジャー応答、例え ばシグナルトランスダクションまたはpH変化を測定し、潜在的な化合物がレセ プターを活性化するか阻害するかを調べてもよい。 かかるスクリーニング技術の別のものは、レセプターをコードするRNAをア フリカツメガエル卵母細胞中に導入し、一時的にレセプターを発現させることを 含む。レセプター卵母細胞を、ついでレセプターリガンドおよびスクリーニング する化合物と接触させ、その後、レセプターの活性を阻害すると考えられる化合 物のスクリーニングの場合には、カルシウムシグナルの阻害または活性化を検出 してもよい。 他の方法は、表面上にレセプターを有する細胞への標識リガンドの結合の阻害 を調べることによる、本発明のレセプターポリペプチドの活性を阻害する化合物 、アンタゴニストのスクリーニングを含む。かかる方法は、真核細胞をレセプタ ーをコードするDNAでトランスフェクトして、その表面上にレセプターを発現 するようにし、細胞を公知のリガンドの標識形態の存在下で化合物と接触させる ことを含む。リガンドを例えば放射活性により標識できる。レセプターに結合し た標識リガンドの量を、例えばレセプターの放射活性を測定することにより、測 定する。レセプターと結合する標識リガンドの減少により調べられるように化合 物がレセプターに結合する場合、標識リガンドのレセプターへの結合は阻害され る。 本発明のポリペプチドの可溶性形態を上記したリガンド結合アッセイにおいて 用いてもよい。TR2レセプターのこれらの形態は、それらが分泌された後、細 胞外培地においてリガンドと接触する。ついで、分泌されたタンパク質がTR2 レセプターリガンドに結合するかどうかを調べる。 本発明のアゴニストおよびアンタゴニストのさらなるスクリーニングアッセイ は、Tartaglia.L.A.,and Goeddel,D.V.,J.Biol.Chem.267(7):4304-430 7(1992)に記載される。 かくして、さらなる態様において、候補アゴニストまたはアンタゴニストがT NF−ファミリーリガンドに対する細胞性応答を増強または阻害可能であるかど うかを調べるためのスクリーニング方法が提供される。該方法は、TR2ポリペ プチドを発現する細胞を候補化合物およびTNF−ファミリーリガンドに接触さ せ、細胞性応答をアッセイし、候補化合物の非存在下にリガンドと接触させてア ッセイを行う、標準の細胞性応答とその細胞性応答を比較することを含み、それ により、標準に対して増加した細胞性応答は、候補化合物がリガンド/レセプタ ーシグナル経路のアゴニストであることを示し、標準と比較して減少した細胞性 応答は、候補化合物がリガンド/レセプターシグナル経路のアンタゴニストであ ることを示す。「細胞性応答をアッセイすること」は、候補化合物および/また はTNF−ファミリーリガンドに対する細胞性応答を定性的または定量的に測定 すること(例えば、T細胞増殖またはトリチウム化チミジン標識における増加ま たは減少を測定または概算すること)を意味する。本発明により、TR2ポリペ プチドを発現する細胞を、内在性または外因性の投与されたTNF−ファミリー リガンドのいずれかと接触させることができる。 さらなる態様において、胸腺増殖アッセイを用いて、リガンドおよび潜在的な 薬物候補の両方を同定してもよい。例えば、胸腺細胞を組織から分け、培養培地 中で増殖させる。3H−チミジンまたは5−ブロモ−2’−デオキシウリジン( BrdU)などのDNA前駆体の組み込みを、DNA合成および細胞性増殖のパ ラメーターとしてモニターする。DNA中に組み込まれたBrdUを有する細胞 を、Brdlに対するモノクローナル抗体を用いて検出し、酵素または蛍光色素 −結 合第2抗体により測定できる。反応を蛍光計または分光光度計により定量する。 2つの対照ウェルおよび実験ウェルを上記のようにセットし、TNF−βまたは 結合リガンドをすべてのウェルに添加し、本発明の可溶性レセプターポリペプチ ドを、第2の対照ウェルに個々に添加し、実験ウェルにはスクリーニングすべき 化合物を入れる。スクリーニングすべき化合物の上記の相互作用を刺激または阻 害する能力をついで定量してもよい。 本発明のアゴニストには、例えば、TNF−ファミリーリガンドペプチドフラ グメント、トランスフォーミング増殖因子βおよび神経伝達物質(グルタメート 、ドーパミン、N−メチル−D−アスパルテートなど)などの化合物が包含され る。好ましいアゴニストには、TR2ポリペプチドまたはそのフラグメントに対 して作成されたポリクローナルおよびモノクローナル抗体が包含される。TNF −ファミリーレセプターに対して作成されるかかるアゴニスト抗体は、Tartagli a,L.A.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:9292-9296(1991)およびTartaglia,L .A.,and Goeddel,D.V.,J.Biol.Chem.267(7):4304-4307(1992)に開示され ている。また、PCT出願WO94/09137を参照のこと。さらに好ましい アゴニストには、例えば、シスプラチン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、シ トシン、アラビノサイド、ナイトロジェンマスタード、メトトレキセートおよび ビンクリスチンなどの化学療法剤が包含される。他には、エタノールおよびβ− アミロイドペプチドが包含される(Science 267:1457−1458(1995))。 本発明のアンタゴニストには、TR2レセプターの可溶性形態が包含される( 例えば、全長レセプターの細胞外領域由来のリガンド結合ドメインを含む、図1 A−1Bに示されるTR2レセプターのフラグメントなど)。天然または合成さ れたものであってもよい、レセプターのかかる可溶性形態は、TNF−ファミリ ーリガンドへの結合を、レセプターの細胞表面結合形態と競合することにより、 TR2、TR2−SV1またはTR2−SV2媒介シグナルをアンタゴナイズす る。本発明のアンタゴニストには、TNF−ファミリーリガンドに特異的な抗体 および以下の実施例5および6に記載するようなTR2−Fc融合タンパク質が 包含される。「TNF−ファミリーリガンド」は、TNFレセプターファミリー群に結合し、 リガンド/レセプターシグナル経路を誘発する能力を有する、天然の、組換えの および合成のリガンドを意味する。TNFリガンドファミリー群には、限定する ものでないが、TNF−α、リンホトキシン−α(LT−α、TNF−βとして も知られる)、LT−β(複合体ヘテロトリマ−LT−α2−β中に見られる)、 FasL、CD40L、CD27L、CD30L、4−IBBL、OX40Lお よび神経成長因子(NGF)が包含される。 実施例6に示す実験は、本発明のTR2レセプターがリンパ球の増殖を誘発で きることを示す。さらに、かかる増殖は、Fc抗体フラグメントと融合したTR 2タンパク質フラグメントにより阻害できる。 TNFαは、単純ヘルペスウイルスタイプ1(HSV−1)の感染からマウス を防御することが示されている。Rossol-Voth,R et al.,J.Gen.Virol.72: 143-147(1991)。TNFαの防御作用のメカニズムは知られていないが、インタ ーフェロン、NK細胞殺傷のいずれも関与していないようである。TNFRファ ミリーの一つメンバーが、HSV−1の細胞への侵入を媒介することが示されて いる。Montgomery,R.et al.,Eur.Cytokine Newt.7:159(1996)。さらに、こ のTNFRの細胞外ドメインに特異的な抗体は、HSV−1の細胞への侵入を遮 断する。それゆえ、本発明のTR2レセプターには、TNFR媒介ウイルス細胞 内侵入を防御できるTR2アミノ酸配列および抗体の両方を包含する。かかる配 列および抗体は、ウイルスへの結合を細胞表面局在TNFRと競合することによ り、または、ウイルスの細胞表面レセプターへの結合を直接遮断することのいず れかにより機能できる。 本発明の抗体を、本発明のTR2レセプター免疫原を用いる種々の方法のいず れかにより調製してもよい。かかるTR2レセプター免疫原には、図1A−1B (配列番号2)に示されるTR2レセプタータンパク質、およびTR2−SV1 (図4A−4B(配列番号5)およびTR2−SV2(図7A−7B(配列番号 8)ポリペプチド(これらはいずれもリーダー配列を含んでいてもいなくてもよ い)およびTR2レセプターのリガンド結合、細胞外、膜貫通、細胞内ドメイン またはこれらのいずれかの組み合わせを含むレセプターのポリペプチドフラグメ ントが包含される。 本発明のポリクローナルおよびモノクローナル抗体、アゴニストまたはアンタ ゴニストは、Tartag1ia and Goeddel,J.Biol.Chem.267(7):4304-4307(1992) ;Tartaglia et al.,Cell 73:213-216(1993)およびPCT出願WO94/091 37に記載される方法にしたがって作成できる。本明細書で用いる、「抗体」(A b)または「モノクローナル抗体」(mAb)なる用語は、完全な分子ならびに抗 原に結合可能なそのフラグメント(例えば、FabおよびF(ab')2フラグメン トなど)を包含する。FabおよびF(ab')2フラグメントは、完全な抗体のF cフラグメントを欠き、循環からより速く消失し、完全な抗体の非−特異的組織 結合が少ない(Wahl et al.,J.Nucl.Med.24:316-325(1983))。 好ましい方法において、本発明の抗体はmAbである。かかるmAbは、ハイ ブリドーマ技術(Kohler and Millstein,Nature 256:495-497(1975)および米国 特許第4376110号;Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Co ld Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1988;Monoclon al Antibodies and Hybridomas:A New Dimension in Biological Analyses,Ple num Press,New York,NY,1980;Campbell,"Monoclonal Antibody Technology" ,In:Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology,Volume 13(Burdon et al.,eds.),Elsevier,Amsterdam(1984))を用いて調製できる。 TR2レセプタードメインに結合するタンパク質および他の化合物もまた本発 明の候補アゴニストおよびアンタゴニストである。かかる結合化合物は、酵母ツ ー−ハイブリッドシステム(Fields and Song,Nature 340:245-246(1989))を用 いて、「検索(capture)」できる。酵母ツー−ハイブリッドシステムの変形バージ ョンが、Roger Brentおよび彼の共同研究者により記載されている(Gyuris,J.e t al.,Cell 75:791-803(1993);Zervos,A.S.et al.,Cell 72:223-232(1993 ))。好ましくは、酵母ツー−ハイブリッドシステムを本発明にしたがって用い、 TR2レセプターのリガンド結合、細胞外、細胞内および膜貫通ドメインに結合 する化合物を検索する。かかる化合物は、本発明の優れた候補アゴニストおよび アン タゴニストである。 上記したツー−ハイブリッドアッセイを用い、TR2レセプターの細胞内ドメ インまたはその一部を用いて、インビボでレセプターと相互作用する細胞性タン パク質を同定してもよい。また、かかるアッセイを用いて、TR2レセプター機 能の潜在的なアゴニストまたはアンタゴニスト活性を有するリガンドを同定して もよい。このスクリーニングアッセイは、これまで成熟TNF−RIIの細胞質 ドメインと相互作用するタンパク質を同定し、2つのレセプター結合タンパク質 を同定するのに、用いられている。Rothe,M.et al.,Cell 78:681(1994)。T R2レセプターの細胞質ドメインと結合するかかるタンパク質およびアミノ酸配 列は、本発明の優れた候補アゴニストおよびアンタゴニストである。 他のスクリーニング技術は、例えば、Science 246:181-296(1989)に記載さ れるような、レセプター活性化により引き起こされる細胞外pH変化を測定する システムにおいて、本発明のポリペプチドを発現する細胞(例えば、トランスフ ェクトされたCHO細胞)の使用を含む。他の例では、潜在的なアゴニストまた はアンタゴニストを本発明のポリペプチドを発現する細胞と接触させ、セカンド メッセンジャー応答、例えばシグナルトランスダクションを測定し、潜在的なア ンタゴニストまたはアゴニストが有効であるかどうかを調べてもよい。 TR2レセプターアゴニストを用い、腫瘍増殖の阻害およびある転移可能な腫 瘍の壊死などのリガンド活性を刺激できる。アゴニストを用い、例えば、T−細 胞、線維芽細胞および造血細胞分化などの細胞分化を刺激することもできる。T R2レセプターに対するアゴニストもまた、微生物に対する宿主の防御において TR2の役割を増加させ、関連する疾患(リステリア・モノサイトゲン(Listeri a monosytogenes)からなどの感染症)およびクラミジアを防御する。アゴニスト を用い、放射線治療の間に産生される電離性放射線の有害作用、例えば、酵素の 変性、脂質過酸化およびDNA損傷に対して防御することもできる。 本発明のレセプターポリペプチドに対するアゴニストを用い、微生物に対する 宿主防御におけるTNFの役割を増加させ、関連する疾患を防御できる。アゴニ ストを用い、放射線治療の間に産生される電離性放射線の有害作用、例えば、酵 素の変性、脂質過酸化およびDNA損傷に対して防御することもできる。 アゴニストを用い、リンパ球増殖および分化の速度を増加することにより、抗 −ウイルス応答を媒介、増殖を調節、免疫応答を媒介、HIVなどの疾患に関連 する免疫不全を治療することもできる。 本発明のポリペプチドに対するアンタゴニストを用い、腫瘍増殖の刺激および ある転移可能な腫瘍の壊死などのリガンド活性を阻害することができる。アンタ ゴニストを用い、例えば、T−細胞、線維芽細胞および造血細胞分化などの細胞 性分化を阻害することもできる。アンタゴニストを用い、移植片対宿主拒絶反応 、同種移植片拒絶反応、およびAIDSなどのT−細胞媒介自己免疫疾患を治療 することもできる。T−細胞増殖がタイプ2TNFレセプターを介して刺激され ることも示されている。したがって、レセプターをアンタゴナイズすることで、 T−細胞の増殖を防御し、T−細胞媒介自己免疫疾患を治療できる。 AIDSとされる免疫不全の状態は、CD4+T−リンパ球の数および機能が 減少する第2期である。最近の報告から、CD4+T−細胞の1日あたりの損失 は、3.5×107および2×109細胞の間であると概算される(WeiX.,et al. ,Nature 373:117−122(1995))。HIV感染症におけるCD4+T−細胞減少の 一つの原因は、HIV−誘発アポトーシスであると考えられる。実際、HIV− 誘発アポトーシス細胞死は、インビトロのみならず、より重要なことには、感染 した個体においても示されている(Ameisen,J.C.,AIDS 8:1197-1213(1994);Fi nkel,T.H.,and Banda,N.K.,Curr.Opin.Immunol.6:605-615(1995);Muro -Cacho,C.A.,etal.,J.Immunol.154:5555-5566(1995))。さらに、アポトー シスおよびCD4+T−リンパ球減少は、AIDSの異なる動物モデルにおいて も密接に関連しており(Brunner,T.,et al.,Nature 373:441-444(1995);Gouge on,M.L.,et al.,AIDS Res.Hum.Retroviruses 9:553-563(1993))、アポト ーシスは、ウイルス複製がAIDSとなっていないこれらの動物モデルにおいて は観察されない(Gougeon,M.L.et al.,AIDS Res.Hum.Retroviruses 9:553- 563(1993))。さらに、データは、非感染であるがプライムされるかまたは活性化 されたHIV−感染個体由来のT−リンパ球は、TNF−ファミリーリガン ドFasLと遭遇後にアポトーシスを受けることを示す。HIV感染後に死ぬこ ととなる単球細胞系を用いて、U937細胞のHIVによる感染により、Fas Lのデノボ発現が起こり、FasLがHIV−誘発アポトーシスを媒介すること が示されている(Badley,A.D.et al.,J.Virol.70:199-206(1996))。さらに 、TNF−ファミリーリガンドは、非感染マクロファージにおいて検出可能であ り、その発現はHIV感染後にアップレギュレートされ、その結果、非感染CD 4+T−リンパ球が選択的に死ぬ結果となっていた(Badley,A.D.et al.,J.V irol.70:199-206(1996))。 実施例6に示されるように、図1A−1Bに示されるTR2レセプターは、C D4+T−リンパ球において発現され、リンパ球増殖を誘導できる。それゆえ、 本発明により、HIV+個体を治療する方法であって、本発明のアゴニストを投 与し、CD4+T−リンパ球の増殖および分化の速度を増加させることを含む方 法が提供される。かかるアゴニストには、TR2レセプター(例えば、TNFα 、PMAおよびDMSO)の発現を誘発できるか、または、リンパ球増殖および 分化を誘発するかかるレセプターのシグナルを増強できる薬剤が包含される。投 与の方法および投薬量は、以下に詳細に記載する。 同種移植片の拒絶反応において、ほとんどの部分について免疫系は環境的抗原 によりプライムされるのみであるため、受容動物の免疫系は応答するようにプラ イムされていない。同じ種の他のメンバーからの組織は、例えば、ウイルスおよ びバクテリアが提示されるのと同じように提示されない。同種移植片拒絶反応の 場合、免疫抑制管理が設計され、免疫系がエフェクター段階に到達するのを防ぐ 。しかしながら、異種移植片拒絶反応の免疫プロフィールは、同種移植片拒絶反 応よりも疾患再発に似ていることがある。疾患再発の場合、免疫系は、天然の島 細胞の破壊により証拠付けられるように、すでに活性化されている。それゆえ、 疾患再発において、免疫系はすでにエフェクター段階にある。本発明のアンタゴ ニストは、TR2媒介リンパ球増殖および分化の速度を減少させることにより、 同種移植片および異種移植片の両方に対する免疫応答を抑制できる。かかるアン タゴニストには、実施例5および6において記載するTR2−Fc融合タンパク 質 が包含される。かくして、本発明はさらに、免疫応答を抑制する方法を提供する 。 加えて、TNFαは、自己免疫から生じる糖尿病に罹患しやすい動物種におい て糖尿病を防御することが示されている。Porter,A.,Tibtech 9:158-162(1991 )を参照。かくして、本発明のアゴニストおよびアンタゴニストは、タイプI糖 尿病などの自己免疫疾患の治療において有用であり得る。 加えて、細胞増殖および分化においてTR2レセプターにより担われる役割は 、本発明のアゴニストまたはアンタゴニストがこれらのレセプターの異常な細胞 性発現を含む病状を治療するのに用いることができることを示す。ある環境にお いて、TR2レセプターは炎症応答を誘発でき、アンタゴニストはこの応答を遮 断するのに有用な試薬となり得る。それゆえ、TR2レセプターアンタゴニスト (例えば、TR2レセプターの可溶性形態;中和化抗体)は、慢性関節リウマチ 、骨関節炎、乾癖、敗血症および炎症性腸疾患などの炎症性疾患の治療に有用で あり得る。 TR2レセプターに対するアンタゴニストは、重大な臨床状態として残る、敗 血症ショックを治療および/または予防するのに用いることができる。敗血症シ ョックは、病原体から直接的よりもむしろ、TNFおよびIL−1などのタンパ ク質因子により媒介される過剰な宿主応答の結果として起こる。例えば、リポポ リサッカライドは、TNFの放出を引き起こし、その血清濃度を強く一時的に増 加させる。TNFは、過量で投与された場合、ショックおよび組織損傷を引き起 こす。したがって、TR2レセプターに対するアンタゴニストは、TNFの作用 を遮断し、敗血症ショックを治療/予防すると考えられる。これらのアンタゴニ ストは、TNFの高い血清レベルに関係する子供の髄膜炎菌血症を治療するのに も用いることができる。 TR2レセプターに対するアンタゴニストにより治療できる他の疾患には、T NFレセプターリガンドにより媒介される炎症、細菌感染症、カヘキシーおよび 脳性マラリアが包含される。TR2レセプターアンタゴニストは、TNFなどの レセプターに対するリガンドにより媒介される炎症を治療するのにも用いること ができる。 投与方法 本明細書で記載するアゴニストまたはアンタゴニストを、インビトロ、エクス ビボ、またはインビボで、本発明のレセプターを発現する細胞に投与できる。ア ゴニストまたはアンタゴニストの「有効量」の投与とは、TNF−ファミリーリ ガンドに対する細胞性応答を増強または阻害するのに十分な量の化合物を意味し 、ポリペプチドを含む。特に、アゴニストまたはアンタゴニストの「有効量」の 投与とは、TR2レセプター媒介活性を増強または阻害するために有用な量を意 味する。もちろん、細胞増殖および/または分化を増強する場合には、本発明の アゴニストをTNF−ファミリーリガンドとともに投与できる。当業者には、ア ゴニストまたはアンタゴニストの有効量を、経験的に決定でき、純粋な形態また は医薬上許容される塩、エステルまたはプロドラッグの形態で用いることができ ることが認識されるであろう。アゴニストまたはアンタゴニストを、1またはそ れ以上の医薬上許容される助剤と組み合わせて、組成物として投与できる。 ヒト患者に投与する場合、本発明の化合物および組成物の一日全使用量は、医 薬判断の範囲内でかかり付けの医師により決定されることが理解されるであろう 。特定の患者に対する具体的な治療上の有効用量レベルは、医薬分野で周知の因 子に依存する。 一般的な計画として、用量当たりの非経口投与されるTR2ポリペプチドの医 薬的に効果的な全量は、患者体重1kgあたり、約1μg/日〜10mg/日の 範囲内であるが、上記したように、治療的裁量にゆだねられる。より好ましくは 、少なくとも0.01mg/kg/日であり、もっとも好ましくは、ヒト用には 、ホルモンについて約0.01および1mg/kg/日の間である。連続的に投 与される場合、TR2ポリペプチドは、典型的には、1日当たり1〜4回注射ま たは連続的な皮下注入(例えばミニ−ポンプを用いて)のいずれかにより、約1 μg/kg/時間〜約50μg/kg/時間の用量速度で投与される。静脈バッ ク溶液もまた用い得る。 本発明のTR2レセプターポリペプチドを含む医薬組成物は、経口、直腸、非 経口、槽内、膣内、腹膜内、局所(粉末、軟膏、滴剤または経皮パッチによるな ど)、口腔内投与、または経口もしくは鼻スプレーとして投与できる。「医薬上 許容される担体」には、非−毒性固体、半固体または液体充填剤、希釈剤、被包 化材料またはいずれかのタイプの処方助剤を意味する。本明細書で用いる「非経 口」なる用語は、静脈内、筋肉内、腹膜内、胸骨内、皮下および関節内注射およ び注入を含む投与の形態を意味する。 本発明を一般的に記載したが、以下の実施例を参考にして、本発明をより容易 に理解できるであろう。この実施例は単に例示であって、本発明を限定するもの ではない。 実施例1 イー.コリ内でのTR2の発現および精製 この実施例において、細菌発現ベクターpQE6Oを細菌発現用に用いる。( QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,CA,91311)pQEは、アンピ シリン抗生物質耐性(「Ampr」)をコードし、細菌の複製起点(「ori」)、IP TG誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、QIAGEN,Inc.(前掲 )から販売されるニッケル−ニトリロ−トリ酢酸(「Ni−NTA」)アフィニテ ィ樹脂を用いるアフィニティ精製を可能とするヒスチジン残基をコードする6個 のコドン、および適当な単一の制限酵素切断部位を含む。これらのエレメントは 、ポリペプチドをコードするDNAフラグメントが、ポリペプチドのカルボキシ ル末端に共有結合する6個のHis残基(すなわち、「6×Hisタグ」)を有す るポリペプチドを産生するように挿入されるように、整列する。しかしながら、 この実施例において、ポリペプチドコーディング配列を、6個のHisコドンの 翻訳が妨害され、それゆえ、6×Hisタグを有さないポリペプチドが産生され るように、導入する。 疎水性のリーダー配列を欠くTR2タンパク質の所望の部分をコードするDN A配列を、TR2タンパク質の所望の部分のアミノ末端配列および寄託構築物の cDNAコーディング配列の3’側の配列にアニールする、PCRオリゴヌクレ オチドプライマーを用いて、寄託cDNAクローンから増幅する。pQE60ベ クターにおけるクローニングを容易にするための制限部位を含むさらなるヌクレ オチドを5’および3’配列のそれぞれに添加する。 成熟タンパク質のクローニングのため、5’プライマーは、 5’CGCCCATGGCCCCAGCTCTGCCGTCCT3’(配列番号 14) の、下線で示したNcoI制限部位、それに続く図1A−1B中の成熟TR2配 列のアミノ末端コーディング配列に相補的な18ヌクレオチドを含む配列を有す る。当業者は、もちろん、5’プライマーが始まるタンパク質コーディング配列 中のポイントを代えて、成熟形態よりも短いか長い完全なタンパク質の所望の部 分を増幅できることを認識するであろう。 3’プライマーは、 5’CGCAAGCTTATTGTGGGAGCTGCTGGTCCC3’(配 列番号15) の、下線で示したHindIII制限部位、それに続くTR2レセプターの細胞 外ドメインをコードする配列番号1A−1B(配列番号1)に示すヌクレオチド 配列の3’末端と相補的な18ヌクレオチドを含む配列を有する。 増幅したTR2DNAフラグメントおよびベクターpQEをNcoIおよびH indIIIで消化し、ついで消化したDNAをともにライゲートする。TR2 DNAの制限されたpQEベクターへの挿入により、その連結するストップコド ンを含むTR2タンパク質コーディング領域が、IPTG−誘導性プロモーター から下流および開始AUGとのフレーム中に置かれる。連結するストップコドン は、挿入ポイントの下流の6個のヒスチジンコドンの翻訳を妨げる。 ライゲーション混合物で、コンピテントイー.コリ細胞を、Sambrook et al. ,Molecular Cloning:a Laboratory Manual,2nd Ed.;Cold Spring Harbor Lab oratory Press,Cold Spring Harbor,NY(1989)に記載されるものなどの標準的 な方法を用いて、トランスフォームする。lacリプレッサーを発現し、カナマ イシン耐性(「Kamr」)を授与する、プラスミドpREP4の多重コピーを含む イー.コリ株M15/rep4を、本明細書で記載する実施例を行うために 用いる。TR2タンパク質の発現に適する多くの株のうちの一つであるこの株は 、QIAGEN,Inc.(前掲)から市販される。トランスフォーマントを、アンピシ リンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で生育する能力により同定す る。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、クローニングしたDNAの同 定を、制限解析、PCRおよびDNA配列決定により確認した。 所望の構築物を含むクローンをアンピシリン(100μg/ml)およびカナ マイシン(25μg/ml)の両方を含むLB培地の液体培養物中で一晩(「O/ n」)生育させる。O/N培養物を用いて、約1:25〜1:250の希釈で大き な培養物中に摂取する。細胞を、600nmでの光学密度(「OD600」)が0. 4および0.6の間にまで増殖させる。イソプロピル−β−D−チオガラクトピ ラノシド(「IPTG」)をついで最終濃度1mMにまで添加し、lacIレプレッ サーを不活化することにより、lacリプレッサー感受性プロモーターからの転 写を誘発する。続けて、細胞をさらに3〜4時間培養する。ついで細胞を遠心分 離により集める。 ついで、細胞を6Mグアニジン−HCl、pH8中で4℃にて3〜4時間、撹 拌する。細胞破片を遠心分離により除去し、TR2を含む上澄を200mMのN aClを含む50mMのNa−酢酸緩衝液、pH6に対して透析する。別に、タ ンパク質をプロテアーゼ阻害剤を含む500mM NaCl、20%グリセロー ル、25mMTris/HCl、pH7.4に対して透析することにより、うま く再生できる。復元後、タンパク質をイオン交換、疎水性相互作用およびサイズ 排除クロマトグラフィーにより精製できる。別法として、抗体カラムなどのアフ ィニティクロマトグラフィー工程を用い、純粋なTR2タンパク質を得ることが できる。精製タンパク質を4℃にて保存するかまたは−80℃にて凍結させる。 実施例2 実施例2(a):バキュロウイルス発現系におけるTR2タンパク質の可溶性フラ グメントのクローニングおよび発現 この実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2GPを用い、天然に 結合する分泌性シグナル(リーダー)配列を欠く、図1A−1Bに示すTR2レ セプタータンパク質の成熟細胞外ドメインをコードするクローニングしたDNA を、バキュロウイルス中に挿入した。このタンパク質を、バキュロウイルスリー ダー、および、Summers et al.,A Manual of Methods for Baculovirus Vector s and Insect Cell Culture Procedures,Texas Agricultural Experimental St ation Bulltein No.1555(1987)に記載されるような標準的な方法を用いて発現 させた。この発現ベクターは、オートグラハ・カリフォルニカ(Autographa cal ifornica)核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強いポリヘドリンプロモータ ー、それに続くバキュロウイルスgp67タンパク質の分泌性シグナルペプチド (リーダー)およびBamHI、XbaIおよびAsp718などの慣用の制限 部位を含む。シミアンウイルス40(「SV40」)のポリアデニル化部位を効率的 なポリアデニル化のために用いる。組換えウイルスを容易に選択するため、プラ スミドは、同じ方向で、弱いドロソフィラプロモーターの制御下に、イー.コリ 由来のベーターガラクトシダーゼ遺伝子、それに続くポリヘドリン遺伝子のポリ アデニル化シグナルを含む。野生型ウイルスDNAとの細胞−媒介相同性組換え のために、挿入された遺伝子の両側にウイルス性の配列を置き、クローニングさ れたポリヌクレオチドを発現する生存可能なウイルスを作成する。 構築物が、シグナルペプチドを含む転写、翻訳分泌などのために適当に位置す るシグナルを提供し、必要ならばAUGのフレーム中にある限り、当業者であれ ば容易に認識できるように、pAc373、pVL941およびpAcIM1な どの他の多くのバキュロウイルスベクターを上記のベクターの代わりに用いるこ とができる。かかるベクターは、例えば、Luckow et al.,Virology 170:31-39 に記載される。 寄託クローン(ATCC受託番号97059)中のTR2レセプタータンパク 質の成熟細胞外ドメイン(図1A−1Bに示すアミノ酸37〜200)を本質的 にコードするcDNA配列を、遺伝子の関連する5’および3’配列に対応する PCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅した。上記の5’プライマー は、 5’CGCGGATCCCGGAGCCCCCTGCTAC3’(配列番号16) の、下線で示したBamHI制限酵素部位、Kozak,M.,J.Mol.Biol.196:947 -950(1987)に記載されるような真核細胞における翻訳開始のための効率的なシグ ナル、それに続く、図1A−1Bに示す、ヌクレオチド354で始まる、TR2 タンパク質のコーディング配列の15塩基を含む、配列を有する。3’プライマ ーは、5’CGCGGTACCATTGTGGGAGCTGCTGGTCCC3 ’(配列番号17) の、下線で示したAsp718制限部位、それに続く、図1A−1Bのコーディ ング配列に相補的な17ヌクレオチドを含む配列を有する。 増幅したフラグメントを市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La Jolla, Ca.)を用いて、1%アガロースゲルから単離した。ついでフラグメントをBam HIおよびAsp718で消化し、1%アガロースゲル上で精製した。このフラ グメントを本明細書において「F1」と称する。 プラスミドを、制限酵素BamHIおよびAsp718で消化し、子ウシ小腸 ホスファターゼを用いて脱リン酸化した。ついでDNAを市販のキット(「Genecl ean」BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca.)を用いて1%アガロースゲルから単離した。 このベクターDNAを本明細書において「VI」と称する。 フラグメントF1および脱リン酸化プラスミドV1を、T4DNAリガーゼを 用いてともにライゲートした。大腸菌HB101細胞をライゲーション混合物で トランスフォームし、培養プレートに播いた。XL−1 Blue(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA)などの他の適当なイー.コリ宿主を用いてもよ い。PCR法を用いてヒトTR2配列を有するプラスミドを含む細菌を同定した 。このPCRにおいて、遺伝子を増幅するのに用いたプライマーおよびセカンド プライマーの一つは、ベクター内からのものであり、TR2遺伝子フラグメント を含む細菌コロニーのみがDNAの増幅を示すようにした。クローニングされた フラグメントの配列をDNA配列決定により確認した。該プラスミドを本明細書 において「pBacTR2−T」と称する。 Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413-7417(1987)に記載さ れるリポフェクチン法を用いて、5μgのpBacTR2−Tを、1.0μgの 市販の線状バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTMbaculovirus DNA」,Pharming en,San Diego,CA.)とともにトランスフェクトした。1μgのBaculoGoldTMウ イルスDNAおよび5μgのプラスミドpBacTR2−Tを、50μlの血清 不含グレースの培地(Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含むマイク ロタイタープレートの滅菌ウェル中で混合した。その後、10μlのリポフェク チン+90μlのグレースの培地を添加し、混合し、室温にて15分間インキュ ベートした。ついで、トランスフェクション混合物を、血清を含まない1mlの グレースの培地を含む35mmの組織培養プレート中にまかれたSf9昆虫細胞 (ATCCCRL 1711)に滴下した。プレートを前後に揺らし、新たに添 加した溶液を混合した。ついでプレートを5時間27℃にて培養した。5時間後 、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、10%胎仔ウシ血清を含む 1mlのグレースの昆虫培地を添加した。プレートを培養器に戻し、培養を27 ℃にて4日間続けた。 4日後、上澄を回収し、Summers and Smith(前掲)により記載されるように 、プラークアッセイを行った。「Blue Gal」(Life Technologies Inc.,Gaihersb urg)を含むアガロースゲルを用い、青色染色プラークを形成するgal−発現ク ローンの同定および単離を容易にした。(このタイプの「プラークアッセイ」の 詳説は、Life Techonologies Inc.,Gaithersburg,p9-10により頒布される昆虫 細胞培養およびバキュロウイルス学の使用者ガイド中に見ることができる。)適 当なインキュベーション後、青色染色プラークをマイクロピペッター(例えば、 エッペンドルフ)のチップで取った。ついで、組換えウイルスを含む寒天を20 0μlのグレースの培地を含むマイクロ遠心チューブ中で再懸濁し、組換えバキ ュロウイルスを含む懸濁液を用いて、35mm皿中に播いたSf9細胞を感染さ せた。4日後、これらの培養皿の上澄を集め、ついでこれらを4℃にて保存した 。組換えウイルスをV−TR2−Tと呼ぶ。 用いた遺伝子の発現を確認するため、Sf9細胞を10%加熱不活化FBSを 含むグレースの培地中で増殖させた。細胞を、感染多重度(「MOI」)2の組換 えバキュロウイルスV−TR2−Tで感染させた。6時間後、培地を除去し、メ チオニンおよびシステインを除いたSF900II培地(Life Technologies Inc .,Rockville,MDより利用可能)で置き換えた。42時間後、5μCiの35S− メチオニンおよび5μCiの35S−システイン(Amershamより利用可能)を添加し タンパク質を放射線標識した。さらに細胞を16時間インキュベートし、ついで 、遠心分離により集めた。上澄中のタンパク質ならびに細胞内タンパク質をSD S−PAGEついでオートラジオグラフィーにより解析した。精製したタンパク 質のアミノ末端のアミノ酸配列のマイクロシークエンシングを用い、成熟タンパ ク質の網の末端配列、および、分泌性シグナルペプチドの切断点および長さを決 定した。 実施例2(b):バキュロウイルス発現系におけるTR2タンパク質のクローニン グおよび発現 実施例2(a)において記載したTR2レセプターの末端切断バージョンのクロ ーニングおよび発現と同様に、図1A−1B(配列番号2)に示す全長TR2レ セプタータンパク質を発現する組換えバキュロウイルスを作成した。 この実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2を用い、天然に結合 する分泌性シグナル(リーダー)配列を含む、完全なタンパク質をコードするク ローニングしたDNAをバキュロウイルスに挿入し、成熟TR2タンパク質を発 現させた。pA2ベクターの他の特徴は、実施例2(a)において用いたpA2 GPベクターについて記載したのと同様である。 図1A−1B(配列番号2)に示すAUG開始コドンおよび天然に結合するリ ーダー配列を含む寄託クローン中の全長TR2タンパク質をコードするcDNA 配列を、遺伝子の5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプラ イマーを用いて増幅した。5’プライマーは、 5’GCGCGGATCCACCATGGAGCCTCCTGGAGACTGG 3’(配列番号18) の、下線で示したBamHI制限酵素部位、Kozak,M.,J.Mol.Biol.196:947 -950 (1987)に記載されるような真核細胞における翻訳開始のための効率的なシグナル 、それに続く、図1A−1Bに示す、AUG開始コドンで始まる、完全なTR2 タンパク質の配列の21塩基を含む配列を有する。3’プライマーは、 5’GCGCGGTACCTCTACCCCAGCAGGGGCGCCA3’( 配列番号19) の、下線で示したAsp718制限部位、それに続く、図1A−1Bの非コーデ ィング配列に相補的な21ヌクレオチドを含む配列を有する。 増幅したフラグメントを単離し、実施例2(a)において記載したように制限酵 素で消化し、プラスミドpBacTR2を作成した。 5μgのpBacTR2を、1μgのBaculoGoldTM(Pharmingen)ウイルスDN Aおよび10μlのリポフェクチンTM(Life Technologies,Inc.)とともに、全 量200μlの血清不含培地中でトランスフェクトした。一次ウイルスを感染後 (pi)4〜5日で集め、プラークアッセイに用いた。プラーク精製ウイルスを、続 けて、実施例2(a)において記載したように、増幅させ、凍結させた。 発現したタンパク質を放射線標識するために、Sf9細胞を、0.5×106 細胞/mlを含む2.0mlの細胞懸濁液を有する12ウェル皿にまき、4時間 付着させた。組換えバキュロウイルスを用い、1〜2のMOIで細胞を感染させ た。4時間後、培地を、1.0mlのメチオニンおよびシステインを抜いた血清 不含培地(−Met/−Cys)で置き換えた。感染後3日に、培養基を[35S ]−Metおよび[35S]−Cysをそれぞれ2μCi含む、0.5mlの−M et/−Cysで置き換えた。細胞を16時間標識し、その後、培養基を除去し 、遠心分離により浄化した(上澄)。細胞を0.2mlの溶解緩衝液(20mM HEPES、pH7.9;130mM NaCl;0.2mM EDTA;0. 5mM DTTおよび0.5%vol/volNP−40)を添加して皿中で溶 解させ、ついで1.0mlにまでdH2Oで希釈した(細胞抽出物)。30μlの 上澄および細胞抽出物のそれぞれを、15%SDS−PAGEで分離した。タン パク質ゲルを染色し、脱染色し、増幅させ、乾燥させ、オートラジオグラフィー に付した。組換えタンパク質に対応する標識されたバンドは、暴露後16〜72 時間 後に可視化された。 実施例3 哺乳動物細胞におけるTR2のクローニングおよび発現 典型的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写開始を媒介するプロモータ ーエレメント、タンパク質コーディング配列、および転写の終止および転写物の ポリアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントには、エンハンサ ー、Kozak配列およびRNAスプライシングのドナーおよびアクセプター部 位が隣接する介在配列が包含される。SV40からの早期および後期プロモータ ー、例えば、PSV、HTLVI、HIVIなどのレトロウイルスからのロング ・ターミナル・リピート(LTRS)、および、サイトメガロウイルス(CMV )の早期プロモーターなどを用いて非常に効率的な転写を行うことができる。し かしながら、細胞性エレメントもまた用いることができる(例えば、ヒトアクチ ンプロモーター)。本発明を実行するのに用いる適当な発現ベクターには、例え ば、PSVLおよびPMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVcat( ATCC37152)、pSV2dhfr(ATCC37146)およびpBC 12MI(ATCC67019)などのベクターが包含される。用いることので きる哺乳動物宿主細胞には、ヒトHe1a293、H9およびJurkat細胞 、マウスNIH3T3およびC127細胞、Cos1、Cos7およびCV1、 ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CH O)細胞が包含される。 別法として、染色体中に組み込まれた遺伝子を含む安定な細胞系で、遺伝子を 発現できる。dhfr、gpt、ネオマイシンまたはヒグロマイシンなどの選択 マーカーとともにトランスフェクションすることにより、トランスフェクトされ た細胞の同定および単離が可能となる。 トランスフェクトされた遺伝子を増幅させ、大量のコードされるタンパク質を 発現させることもできる。DHFR(ジヒドロフォレートレダクターゼ)マーカ ーは、数百または数千コピーの目的の遺伝予を坦持する細胞系を確立するのに有 用である。他の有用な選択マーカーは、酵素グルタミン合成酵素(GS)である (Murphy et al.,Biochem J.227:277-279(1991);Bebbington et al.,Bio/Tech nology 10:169-175(1992))。これらのマーカーを用いて、哺乳動物細胞を選択培 地中で増殖させ、最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞系は、染 色体中に組み込まれた増幅遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO )およびNSO細胞を、タンパク質の産生のためにしばしば用いる。 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモータ ー(LTR)(Cullen et al.,Molecular and Cellular Biology,438-447(1985 ,3月))とCMV−エンハンサーのフラグメント(Boshart et al.,Cell 41:521- 530(1985))を含む。例えば、制限酵素切断部位、BamHI、XbalおよびA sp718を有する多重クローニング部位は、目的の遺伝子のクローニングを容 易にする。ベクターは、加えて、ラットプレプロインシュリン遺伝子の、3’イ ントロン、ポリアデニル化および終止シグナルを含む。 実施例3(a):COS細胞におけるクローニングおよび発現 発現プラスミド、pTR2HAを、TR2をコードするcDNAを発現ベクタ −pcDNAI/AmpまたはpcDNAIII(Invitrogen,Inc.から入手 可能)中にクローニングすることにより作成する。 発現ベクターpcDNAI/Ampは:(1)イー.コリおよび他の原核細胞に おける増殖に有効なイー.コリ複製起点;(2)プラスミド−含有原核細胞の選択 のためのアンピシリン耐性遺伝子;(3)真核細胞における増殖のためのSV40 複製起点;(4)CMVプロモーター、ポリリンカー、SV40イントロン;(5)c DNAがCMVプロモーターの発現制御下に適切に置かれ、ポリリンカーの制限 部位によりSV40イントロンおよびポリアデニル化シグナルに機能的に連結す るように整列した、血球凝集素フラグメントをコードするいくつかのコドン、そ れに続く終止コドンおよびポリアデニル化シグナル、を含む。HAタグは、Wils on et al.,Cell 37:767(1984)により記載されるインフルエンザ血球凝集素タン パク質由来のエピトープに対応する。HAタグの標的タンパク質への融合 により、HAエピトープを認識する抗体を用いる組換えタンパク質の検出および 回収が容易になる。pcDNAIIIは、加えて、選択可能なネオマイシンマー カーを含む。 TR2をコードするDNAフラグメントをベクターのポリリンカー領域中にク ローニングし、組換えタンパク質発現がCMVプロモーターにより調節されるよ うにする。プラスミド構築方法は以下のとおりである。イー.コリにおけるTR 2の発現のためのベクターの構築についてほぼ上記したように、寄託クローンの TR2cDNAを便利な制限部位を含むプライマーを用いて増幅する。本実施例 において用いる適当なプライマーは、以下のものを含む。下線で示したBamH I部位、Kozak配列、AUG開始コドンおよび完全なTR2の5’コーディ ング領域の6個のさらなるコドンを含む5’プライマーは、以下の配列: 5’GCGCGGATCCACCATGGAGCCTCCTGGAGACTGG 3’(配列番号20) を有する。下線で示したXbaI部位、終止コドン、HAタグ、および3’コー ディング配列の19塩基対を含む3’プライマーは、以下の配列(3’末端に): 5’GCGCTCTAGATCAAGCGTAGTCTGGGACGTCGTA TGGGTAGTGGTTTGGGCTCCTCCC3’(配列番号21) を有する。 PCR増幅したDNAフラグメントおよびベクター、pcDNAI/Ampを BamHIおよびXbaIで消化し、ついでライゲートする。ライゲーション混 合物をイー.コリSURE株(Stratagene Coloning Systems,11099 North Tor rey Pines Road,La Jolla,CA 92037より利用可能)中にトランスフォームし、 トランスフォームした培養物をアンピシリン培地プレート上に播いて、ついでこ れをインキュベートしてアンピシリン耐性コロニーを増殖させる。プラスミドD NAを耐性コロニーから単離し、TR2−コーディングフラグメントの存在につ いて、制限解析または他の手段により調べる。 組換えTR2の発現のため、例えばSambrook et al.,Molecular Cloning:a L aboratory Manual,Cold Spring Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York (1989)に記載されるような、DEAE−DEXTRANを用いて、上記した発現 ベクターでCOS細胞をトランスフェクトする。細胞をベクターによるTR2の 発現用の条件下でインキュベートする。 TR2−HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlow et al.,Antibodies: A Laboratory Manual,2nd Ed.;Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold S pring Harbor,New York(1988)に記載される方法を用いて、放射線標識および免 疫沈降により検出する。この目的のため、トランスフェクションの2日後、細胞 を、35S−システインを含む培地中で8時間インキュベートすることにより標識 する。Wilson et al.(上記に引用)に記載されるように、細胞および培地を回 収し、細胞を洗浄し、界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl、 1%NP−40、0.1%SDS、0.5%DOC、50mM TRIS、pH 7.5で溶解させる。HA−特異的モノクローナル抗体を用いて、細胞溶解物お よび培養基からタンパク質を沈澱させる。ついで、沈澱したタンパク質をSDS −PAGEおよびオートラジオグラフィーにより解析する。予想される大きさの 発現産物が細胞溶解物中に見られ、これは、負の対照中には見られない。 実施例3(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現 ベクターpC4をTR2タンパク質の発現用に用いる。プラスミドpC4は、 プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である 。該プラスミドは、SV40初期プロモーターの調節下のマウスDHFR遺伝子 を含む。これらのプラスミドでトランスフェクトされた、ジヒドロホレート活性 を欠くチャイニーズハムスター卵巣−または他の細胞を、化学療法剤メトトレキ セートを含む選択培地(アルファマイナスMEM、Life Technologies)中で細胞 を増殖させることにより選択できる。メトトレキセート(MTX)に耐性な細胞 におけるDHFR遺伝子の増幅については、よく示されている(例えば、Alt.F .W.,Kellems,R.M.,Bertino,J.R.,and Schimke,R.T.,1978,J.Biol .Chem.253:1357-1370,Hamlin,J.L.and Ma,C.1990,Biochem.et Biophy s.Acta,1097:107-143,Page,M.J.and Sydenham,M.A.1991,Biotechnolo gy 9:61-68 を参照)。高い濃度のMTXで増殖する細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果と して、標的酵素、DHFRを過剰産生することにより、薬剤に対する耐性を確立 する。第2の遺伝子がDHFR遺伝子に連結する場合、これは、通常、ともに増 幅し、過剰発現される。この方法を用いて、1000コピー以上の増幅遺伝子を 坦持する細胞系を確立できることが、当該分野で知られている。その後、メトト レキセートが回収されると、宿主細胞の1またはそれ以上の染色体中に組み込ま れた増幅遺伝子を含む細胞系が得られる。 プラスミドpC4は、目的の遺伝子の発現用に、ラウス肉腫ウイルスのロング ・ターミナル・リピート(LTR)の強力なプロモーター(Cullen et al.,Mole cular and Cellular Biology,438-447(1985,3月))とヒトサイトメガロウイノ レス(CMV)の即時初期遺伝子のエンハンサーから単離されたフラグメント(B oshart et al.,Cell 41:521-530(1985))を含む。プロモーターの下流は、Ba mHI、XbaIおよびAsp718制限酵素切断部位であり、遺伝子の組み込 みを可能とする。これらのコーディング配列の後ろに、プラスミドは、ラットプ レプロインシュリン遺伝子の3’イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。 例えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモーター 、またはHIVおよびHTLVIなどの他のレトロウイルス由来のロング・ター ミナル・リピートなどの、他のきわめて有効なプロモーターもまた発現用に用い ることができる。ClontechのTet−OffおよびTet−On遺伝子発現系お よび類似の系を用いて、哺乳動物細胞において調節された方法でTR2タンパク 質を発現できる(Gossen,M.,& Bujard,H.1992,Proc.Natl.Acad.Sci,USA 89:5547-5551)。mRNAのポリアデニル化のために、例えばヒト成長ホルモン またはグロビン遺伝子由来の他のシグナルを用いることができる。染色体中に組 み込まれた目的の遺伝子を坦持する安定な細胞系を、gpt、G418またはヒ グロマイシンなどの選択マーカーとともにトランスフェクションして選択するこ ともできる。例えば、G418とメトトレキセートなど、はじめに1より多くの 選択マーカーを用いることが有利である。 プラスミドpC4を、当該分野で公知の方法により、制限酵素BamHIおよ びAsp718で消化し、ついで子ウシ小腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化 する。ついで、ベクターを1%アガロースゲルから単離する。 リーダー配列を含む完全なTR2タンパク質をコードするDNA配列を、遺伝 子の5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用い て増幅する。5’プライマーは、 5’GCGCGGATCCACCATGGAGCCTCCTGGAGACTGG 3’(配列番号22) の、下線で示したBamHI制限酵素部位、それに続くKozak,M.,J.Mol.Biol.1 96:947-950(1987)に記載されるような、真核細胞における翻訳開始のための効果 的なシグナル、および図1A−1B(配列番号1)に示すTR2タンパク質のコ ーディング配列の21塩基を含む配列を有する。3’プライマーは、5’GCGCGGTACC TCTACCCCAGCAGGGGCGCCA3’(配列番号1 9) の、下線で示したAsp718制限部位、それに続く、図1A−1B(配列番号 1)に示すTR2遺伝子の非コーディング配列に相補的な21ヌクレオチドを含 む配列を有する。 増幅したフラグメントを、エンドヌクレアーゼBamHIおよびAsp718 で消化し、ついで1%アガロースゲル上で精製する。単離したフラグメントおよ び脱リン酸化ベクターを、ついでT4DNAリガーゼを用いてライゲートする。 イー.コリHB101またはXL−1Blue細胞を、ついでトランスフォーム し、例えば、制限酵素解析を用いてプラスミドpC4中に挿入されたフラグメン トを含む細菌を同定する。 活性なDHFR遺伝子を欠くチャイニーズハムスター卵巣細胞をトランスフェ クション用に用いる。5μgの発現プラスミドpC4をリポフェクチン(Felgner et al.,前掲)を用いて0.5μgのプラスミドpSV2−neoとともにトラ ンスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは、優勢な選択マーカー、G4 18を含む抗生物質の一群に対して耐性を与える酵素をコードするTn5由来の neo遺伝子を含む。細胞を1mg/mlのG418を含むアルファマイナス MEM中に播く。2日後、細胞をトリプシン処理し、10、25または50ng /mlのメトトレキセート+1mg/mlのG418を含むアルファマイナスM EMのハイブリドーマクローニングプレート(Greiner,Germany)中に播く。10 〜14日後、単一クローンをトリプシン処理し、ついで、6−ウェルペトリ皿ま たは10mlフラスコ中に、異なる濃度のメトトレキセート(50nM、100 nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、播く。最大濃度のメト トレキセートで増殖するクローンを、ついで、より高い濃度のメトトレキセート (1μM、2μM、5μM、10mM、20mM)を含む新たな6−ウェルプレ ートに移す。同じ方法を100−200μMの濃度で増殖するクローンが得られ るまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、たとえば、SDS−PAGEおよ びウェスタンブロットにより、または逆相HPLC解析により解析する。 実施例4 TR2mRNA発現の組織分布 なかでも、Sambrook et al.(前掲)により記載される方法を用いて、ノザンブ ロット解析を行い、ヒト組織におけるTR2遺伝子発現を調べる。TR2タンパ ク質(配列番号1)の全体のヌクレオチド配列を含むcDNAプローブを、製造 者の指示にしたがって、rediprimeTMDNA標識システム(Amersham Life Scienc e)を用いて、32Pで標識する。標識後、プローブを製造者のプロトコール番号P T1200−1にしたがって、CHROMA SPIN−100TMカラム(Colntech Laboratori es,Inc.)を用いて、精製する。精製した標識プローブを、ついでTR2mRNA について種々のヒト組織を調べるのに用いる。 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含むマルチプル組織ノ ザン(MTN)ブロットをClonthechから入手し、製造者のプロトコール番号P T1190−1にしたがって、ExpressHybTMハイブリダイゼーション溶液(Clont ech)を用いて、標識プローブで調べる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄に続 けて、ブロットを固定し、−70℃にて一晩フィルムに暴露し、標準的な方法に したがってフィルムを確立する。 実施例5 実施例5(a):TR2−Fc(TR2−Ig融合タンパク質)および切断された TR2の発現および精製 翻訳されたTR2レセプターの推定膜貫通ドメインを、非極性トランスバイレ イヤーヘリックスを同定するための、Goldman et al.(Ann.Rev.of Biophys .Biophys.Chem.15:321-353(1986))の方法を用いて、疎水性により調べた。推 定リーダーペプチドおよび細胞外ドメインをコードするこの膜貫通ドメインの上 流領域を、Fc融合タンパク質の製造のために選択した。BglII部位(単一 下線)、ファクターXaプロテアーゼ部位およびAsp718I部位(二重下線 )を3’末端に加えた、HTXBS40由来の対応するコーディング領域を有す るプライマーを設計し、PCRに付した。TR2コーディング配列の18ヌクレ オチドを含む、このプライマー対(フォファード35−mer: 5’CAGGAATTCGCAGCCATGGAGCCTCCTGGAGACT G3’(配列番号23)、リバースプライマー53−mer: GCCTTCGTCACCAGCCAGC3’(配列番号24)) によるPCRにより、予想される大きさの一つのバンドが得られた。これをCO SFclink中にクローニングし、TR2−Fclinkプラスミドを得た。 PCR産物をEcoRIおよびAsp718Iで消化し、COSFclinkプ ラスミド(Johansen,et al.,J.Biol.Chem.270:9459-9471(1995))中にライゲ ートし、TR2−Fclinkを作成した。 COS細胞を一時的にTR2−Fclinkでトランスフェクトし、得られた 上澄をタンパク質Aアガロースで免疫沈降させた。ヤギ抗−ヒトFc抗体を用い る免疫沈降物のウエスタンブロット解析により、グリコシル化TR2−Fcにつ いて予想される大きさ(47.5kDよりも大きい)と一致する強いバンドが示 された。15L−時COSトランスフェクションを行い、得られた上澄を精製し た(以下参照)。精製タンパク質を用い、マウスを免疫し、ついで、mAbの産生 のためにDNAを注射した。 CHO細胞をTR2−Fclinkでトランスフェクトし、安定な細胞系を作 成した。5つの系を伸長についてドットブロット解析により選択し、振盪フラス コに入れた。最も高いレベルのTR2−Fcタンパク質発現を示す系をウエスタ ンブロット解析により同定した。この系の上澄より精製したTR2−Fcタンパ ク質を、完全なタンパク質としてまたはファクターXa切断およびビオチニル化 後のいずれで、フローサイトメトリーにより細胞結合研究に用いた(以下参照)。 クローンHTXBS40は、図1A−1B(配列番号1)に示す配列と、HT XBS40がヌクレオチド314にグアニン、ヌクレオチド386にチミン、ヌ クレオチド627にシトシンを含む点で異なる、TR2の対立遺伝子変異体であ る。 TR2の細胞外ドメインの発現に適したプラスミドを以下のように構築し、抗 −TR2 mAbの作成用にマウスを免疫した。FcフラグメントをBglII /XbaI消化によりTR2−Fclinkから除去し、クレノウを用いて、突 出部を埋めて、プラスミドの平滑末端を再度ライゲートした。得られるフレーム シフトは、もともとはTR2−Fclink中に導入されていたアミノ酸のすぐ 後に、BglII部位の添加により、ストップコドンを導入した。それゆえ、T R2の細胞外ドメインのC−末端は、この構築物(TR2exlink)中にお いて2個のアミノ酸(RS)のみが続く。 実施例5(b):CHO EIA条件培地からのTR2−Fcの精製、その後のT R2の切断およびビオチニル化 アッセイ 精製を通しての生成物純度を、還元および非還元条件下で泳動させる15%L aemmli SDS−PAGEゲル上でモニターした。タンパク質濃度をA280 によりモニターし、配列から計算して、レセプターについて0.7の吸光率、キ メラについて1.28の吸光率と想定した。吸光率をAAAにより確かめた。 TR2−Fc融合タンパク質のプロテインGクロマトグラフィー 以下に記載するすべての工程を4℃にて行った。15LのCHO条件培地(C M)(細胞培養中回収後、0.2μフィルターに付した)を199cm/時間の 線計流速にて、プロテインGの5×10cmカラムに付した。カラムを、サンプ ルの適用前に、100mMグリシン、pH2.5で洗浄し、20mMリン酸ナト リウム、150mM塩化ナトリウム、pH7で平衡化した。CMをロード後、カ ラムを5カラム容積の20mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、 pH7で洗浄し、100mMグリシン、pH2.5で溶出した。435mlの溶 出物をすぐに3MTris、pH8.5で中和し、0.2μフィルターに付した 。A280に基づき、吸光率1.28、65mgのタンパク質が0.15mg/m lで回収された。 濃縮/透析 385mlのプロテインG溶出物を、30K膜に適合したAmicon撹拌セ ル中で、最終濃度1.7の34m1にまで濃縮した。濃縮物を緩衝液に対して透 析した。 遊離レセプターを作成するためのファクターXa切断および精製 6ml(10.2mg)のTR2−Fcを50μgのファクターXaに加え、 1:200のe:s比とした。混合物を一晩4℃にてインキュベートした。 遊離TR2レセプターのプロテインGカラムクロマトグラフィー プロテインGの1mlカラムを、重力流を用い、使い捨てカラム中で、20m Mリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH6.5で平衡化した。切 断したレセプターをカラムに3回通し、その後、カラムをA280吸光度が見られ なくなるまで、20mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム、pH6 .5で洗浄した。カラムを2.5mlの100mMグリシン、pH2.5で溶出 し、83μlの3M Tris、pH8.5で中和した。TR2は、非結合フラ クション中に溶出した。 濃縮 約12mlのプロテインGカラムからの非結合フラクションを、Centri con10Kセル(Amicon)中で約1ml、A280、吸光率0.7により3.5m g/mlと評価される最終濃度にまで濃縮した。 モノSカラムクロマトグラフィー 濃縮したサンプルを、20mMリン酸ナトリウム、pH6で5mlに希釈し、 20mMリン酸ナトリウム、pH6で平衡化した0.5×5cmモノSカラムに 、300cm/hの線形流速で付した。カラムを20mMリン酸ナトリウム、p H6で洗浄し、20カラム容積の、20mMリン酸ナトリウム、pH6〜20m Mリン酸ナトリウム、1M塩化ナトリウム、pH6の線形勾配で溶出した。TR 2タンパク質は、非結合フラクション中に溶出した。 濃縮/透析 モノSカラムからの3mlの非結合フラクションを、Centricon10 Kセルを用いて上記のように1mlに濃縮し、20mMリン酸ナトリウム、15 0mM塩化ナトリウム、pH7に対して透析した。透析後の濃度は、2.1mg /mlであった。 ビオチニル化 2.1mg/mlのTR2の0.5mgを、100mMホウ酸塩、pH8.5 に対して透析した。20倍モル過量のNHS−LCビオチンを添加し、混合物を 回転装置上に一晩4℃で放置した。ビオチニル化TR2を20mMリン酸ナトリ ウム、150mM塩化ナトリウム、pH7に対して透析し、滅菌濾過し、−70 ℃にて保存した。ビオチニル化をストレプトアビジンHRPでプローブしたウェ スタンブロット上で示し、続けてECL試薬で確立した。 実施例6 TR2レセプターの膜結合形態は、リンパ球増殖および分化を誘発するTNFR である。 腫瘍壊死因子(TNFR)/神経成長因子レセプター(NGFR)スーパーフ ァミリーのメンバーは、分子の細胞外部分の約30〜40アミノ酸からなるシス テインーリッチモチーフの3〜6回繰り返しの存在により特徴付けられる(Malle tt,S.and Barclay,A.N.,Immunol.Today 12:220(1991))。TNFR−Iの 結晶構造は、システイン−リッチモチーフ(TNFRドメイン)が、ジスルフィ ド結合のねじれラダーにより結合されている残基の3つの伸長した鎖からなって いることを示した(Banner,D.W.et al.,Cell 73:431(1993))。これらのレセ プターは、システイン残基の欠失、およびセリン、スレオニンおよびプロリンの 高い割合により特徴付けられ、O−結合した糖でグリコシル化されているらしい 、膜貫通ドメインに直接隣接するヒンジ−様領域を含む。これらの分子の細胞質 部分は、限定された配列相同性−異なる細胞性シグナルに対する根拠となるであ ろう知見を示す。現在までのところ、ヒト細胞から同定されているメンバーには 、CD40(Stamenkovic,I.et al.,EMBO J.8:1403(1989))、4−1BB(Kwo n,B.S.and Weissman,S.M.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1963(1989)) 、OX−40(Mallett,S.et al.,EMBO J.9:1063(1990))、TNFR−I(Loe tscher,H.et al.,Cell 61:351(1990);Schall,T.J.et al.,Cell 61:361(1 990))、TNFR−II(Smith,C.A.etal.,Science 248:1019(1990))、CD 27(Van Lier,R.A.et al.,J.Immunol.139:1589(1987))、Fas(Itoh,N .et al.,Cell 66:233(1991))、NGFR(Johnson,D.et al.,Cell 47:545(1 986))、CD30(Durkop,H.et al.,Cell 68:421(1992))およびLTBR(Bean s,M.et al.,Genomics 16:214(1993))が包含される。 SFV−T2(Smith,C.A.,et al.,Science 248:1019(1990))、Va53(How ard,S.T.et al.,Virology 180:633(1991))、G4RG(Hu,F.-Q.et al.,V irology 204:343(1994))およびcrmB(Smith,G.L.,J.Gen.Viol.74:1725 (1993))などの可溶性TNFRをコードするウイルス性オープンリーディングフ レームも また同定されている。 最近の集中的な研究により、これらの分子が細胞増殖(Banchereau,J.et al. ,Science 251:70(1991);Pollok,K.E.et al.,J.Immunol.150:771(1993);B aum,P.R.et al.,EMBO J.13:3992(1994))、細胞生存(Grass,H.-J.et al. ,Blood 83:2045(1994);Torcia,M.et al.,Cell 85:345-356(1996))および細 胞死(Tartaglia,L.A.et al.,Cell 74:845(1993);Gillette-Ferguson,I.an d Sidman,C.L.,Eur.J.Immunol.24:1181(1994);Krammer,P.H.et al.,C urr.Opin.Immunol.6:279(1994))を調節することにより、、免疫調節(Armitag e,R.J.,Curr.Opin.Immunol.6:407(1994);Smith,C.A.et al.,Cell 75: 959(1994))などの種々の生物学的活性に関与することが示されている。 それらの生物学的重要性およびこのスーパーファミリーの種々のメンバーのた め、本発明者等はスーパーファミリーのさらなるメンバーの存在を予想した。E ST−データベースを調べることにより、本発明者等はTNFRスーパーファミ リーの新たなメンバーを同定した。ここで、TR2と呼ぶ分子の初期解析につい て報告する。 材料および方法 TNFRスーパーファミリーの新たなメンバーの同定およびクローニング 500以上の異なるcDNAライブラリーから得られた発現配列タグ(EST) cDNAデータベース(Adams,M.D.et al.,Science 252:1651(1991);Adams, M.D.et al.,Nature 355:632(1992))を、blastnおよびtblastn アルゴリズム(Altschul,S.F.et al.,J.Mol.Biol.215:403(1990))を用い て、TNFRスーパーファミリのシステインーリッチモチーフとの配列類似性に ついてスクリーニングした。ヒトT細胞系ライブラリーにおいて、アミノ酸レベ ルでTNFR−IIに対して有意な同一性を示す、一つのEST(HTISB5 2−ATCC受託番号97059)を同定した。この配列を用いて、ヒトリンパ 球の5’−RACE−ready cDNA(Clontech,PT1155-1.Cat.#7301- 1)を用いて、RACE(rapid amplification of cDNA ends)により、欠損 する5’末端をクローニングした。この配列は、4つのさらなるEST(HTO BH42、HTOAU65、HLHA49およびHTXBS40)とマッチした 。これらのおよび他のcDNAの完全な配列決定により、これらがTNFRスー パーファミリーと相同的な同一のオープン・リーディング・フレームを含むこと が示され、これらをTR2と名付けた。いくつかの他のESTおよびcDNAの 解析により、いくつかのcDNAは、上記で同定したオープン・リーディング・ フレーム中に挿入されたさらなる配列を有し、様々な部分的にスプライスされた mRNAを表すことが示された。 細胞 研究した骨髄およびB−細胞系は、分化経路の異なる段階で細胞タイプを示す 。KG1aおよびPLB985(Koeffler,H.et al.,Blood 56:265(1980);Tuc ker,K.et al.,Blood 70:372(1987))は、Phillip Koeffler(UCLA School of M edicine)から、BJA−Bは、Z.Jonak(SmithKline Beecham)から入手し、およ び骨芽細胞の特徴を示すストロマ細胞系のTF274は、健康な男性のドナーの 骨髄から作成された(Tan&Jonak、発行されていない)。他のすべての細胞系は、 AmericanType Culture Collection(Rockville,MD)から入手した。単球は、末梢 血単核細胞(PBMC)の異なる遠心分離および組織培養皿への付着により調製 した。CD19+、CD4+およびCD8+を、免疫磁気ビーズ(Dynal,Lake Suc cess,NY)によりPBMCから単離した。ヒト冠動脈からの内皮細胞をclonetic s(Clonetics,CA)から購入した。 RNAおよびDNAブロットハイブリダイゼーション 成人組織の全RNAをClontech(Palo Alto,CA)から購入するか、TriReagent( Molecular Research Center,Inc.,Cincinnati,OH)で一次細胞および細胞系か ら抽出した。5〜7.5μgの全RNAを記載されるように(Sambrook et al., Molecular Cloning,Cold Spring Harbor(1989))、ホルムアミドを含む1%アガ ロースゲル中で分画し、Zeta−プローブナイロン膜(Biorad,Hercules,CA) に真空−ブロッティングにより、定量的に移した。ブロットを、32P−標識した TR2のXhoI/EcoRIフラグメントまたはOX−40プローブでプレハ イブリダイズ、ハイブリダイズし、ストリンジェントな条件下で洗浄し、X−線 フィルムに暴露した。 高分子量ヒトDNAを種々の制限酵素で消化し、0.8%アガロースゲル中で 分画した。DNAを変性し、中和し、ナイロン膜に移し、32P−標識したTR− 2またはその変異体cDNAにハイブリダイズした。 インサイチューハイブリダイゼーションおよびFISH検出 インサイチューハイブリダイゼーションおよびヒト染色体中のTR2位置のF ISH検出をすでに記載されているように(Heng,H.H.Q.et al.,Proc.Natl .Acad.Sci.USA 89:9509(1992);Heng,H.H.Q.et al.,Human Molecular Ge netics 3:61(1994))行った。FISHシグナルおよびDAPIバンディングパタ ーンを、写真を撮ることにより別々に記録し、染色体バンドとFISHマッピン グデータとの割り当てを、DAPIバンドされた染色体でFISHシグナルを重 ね合わせることにより行った(Heng,H.H.Q.and Tsui,L.-C.,Chromosama, 102:325(1993))。 組換えTR2−Fc融合タンパク質の製造 細胞外ドメインの全体の推定オープン・リーディング・フレームを含むTR2 の5'部分を、ポリメラーゼ鎖反応(Saiki,R.K.et al.,Science 239:487(198 8))により増幅した。正確な方向にクローニングするために、フォワードプライ マーの5’末端上にHindIII部位、およびリバースプライマーの5’末端 上にBglII部位を作成した。ヒトIgG1のFc部分をARH−77(AT CC)細胞RNAからPCR−増幅し、pGem7ベクター(Promega)のSma I部位中にクローニングした。ヒンジ、CH2およびCH3ドメイン配列を含むF cフラグメントは、その5’末端にBglII部位および3’末端にXhoI部 位を有する。TR2cDNAのHindIII−BglIIフラグメントを、ヒ トIg G1Fcの上流に挿入し、フレーム内の融合を配列決定により確認した。TR2 −FcフラグメントをプラスミドをHindIII−XhoIで消化することに より放出させ、pcDNA3発現プラスミド中にクローニングした。 PvuIで線状化したTR2−Fcプラスミドをリン酸カルシウム共沈法によ り、NIH3T3中に移した。400μg/mlのG418中での選択後、ネオ マイシン−耐性コロニーを取り上げ、広げた。抗−ヒトIgG1を用いるELI SAおよび32P−標識したTR2プローブを用いるノザン解析を、上澄において 高いレベルのTR2−Fcを産生するクローンを選択するのに用いた。いくつか の実験において、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞中に産生されるわ ずかに異なって操作されたTR2−Fcを用いた。TR2−FcをプロテインG クロマトグラフィーにより精製し、TR2−Fc融合タンパク質のN−末端のア ミノ酸配列を、自動ペプチド配列決定機(ABI)により決定した。TR2−F cを用い、ポリクローナルウサギ抗−TR2抗体を産生した。 MLA−媒介PBMC増殖の遮断 PBMCを、3人の健康な成人ボランティアから、400×g、30分間のF icoll勾配遠心により単離した。PBMCを回収し、10%FBS、300 μg/ml L−グルタミンおよび50μg/mlゲネトマイシンを含むRPM 11640(GIBCO−BRL)中で洗浄し、2つのドナーについては、1× 106細胞/mlに、3番目のドナーについては2×105細胞/mlに調整した 。 50μlの各細胞懸濁液を、50μlのTR2−Fc、IL−5R−Fc、抗 −CD4mAbまたは対照mAbとともに、96ウェル(丸底)プレート(Falcon ,Franklin Lakes,NS)に加えた。プレートを37℃にて5%CO2中、96時間 インキュベートした。ついで、1μCiの[3H]−メチルチミジン(ICN Biomedic als,Costa Mesa,CA)をさらに16時間添加した。細胞を回収し、放射活性を計 測した。 結果および考察 TR2はTNFRスーパーファミリーの新たなメンバーである。 図1A−1B(配列番号2)は、単離されたcDNAの1つ(HLHAB49 )のもっとも長いオープン・リーディング・フレームから推定されたTR2のア ミノ酸配列を示す。データベースにおける他の配列決定されたcDNAおよびE STとの比較は、図1A−1Bに示すタンパク質配列の位置17(Argまたは Lysのいずれか)および41(SerまたはPheのいずれか)(配列番号2 におけるアミノ酸残基−20および5)にてアミノ酸変化を起こす、潜在的な対 立遺伝子変異体を示した。 オープン・リーディング・フレームは、分子量が30,417と計算される、 283アミノ酸をコードする。TR2タンパク質は、レセプターであると予想さ れた。それゆえ、潜在的なシグナル配列および膜貫通ドメインを調べた。C末端 側への23アミノ酸の疎水性伸長(アミノ酸201〜225)(図1A−1B)は 、これが潜在的に単一のヘリカルスパンを作成するため、膜貫通ドメインである とされたが、しかし、シグナル配列は明確ではなかった。潜在的な外のドメイン TR2をFc−融合タンパク質としてNIH3T3およびCHO細胞中に発現さ せ、組換えTR2−Fcタンパク質のN−末端アミノ酸配列を、両方の場合で決 定した。プロセスされた成熟TR2のN−末端配列は、アミノ酸37で開始し、 これは、はじめの36アミノ酸がシグナル配列を形成することを示す(図1A− 1B)。 TR2に対して作成されたポリクローナルウサギ抗体を用いて、天然のTR2 の分子サイズを、ウェスタン解析により38kDであると決定した。プロセスさ れたTR2のタンパク質骨格は分子量26,000の247アミノ酸から構成さ れるので、このタンパク質は翻訳後修飾されなければならない。2つの潜在的な アスパラギン−結合グリコシル化部位が、アミノ酸位置110および173(図 1A−1B)に位置する。TNFRファミリーの他のメンバーと同様に、TR2 は、X−線結晶学(Banner,et al.,Cell 73:431(1993))により示される特徴的 なシステイン−リッチモチーフを含み、繰り返し構造単位を示す(Banner,D.W .et al.,Cell 73:431(1993))。図16は、TR2(配列番号2)、TNFR−I (配列番号10)、TNFR−II(配列番号11)、CD40(配列番号12)お よび4−1BB(配列番号13)と整列した潜在的なTNFRドメインを示す。 TR2は、2つの完全なTNFRドメインおよび2つの不完全なものを含んだ。 TR2細胞質テイル(TR2cy)は、CD40cyおよび4−1Bbcyの ものとより密接に関連しているようであり、FasおよびTNFR−I細胞内ド メインに見られる細胞死誘導領域を含まない。相同性は、中程度であるが、TR 2のThr266は、4−1BBのThr233およびCD40のThr254と整列する 。このことは、Inuiら(Inui,S et al.,Eur.J.Immunol.20:1747(1990))が 、Thr254がCD40シグナルトランスダクションに必須であり、CD40の THR254が変異すると、CD40bdはCD40cyに結合しない(Hu,H.M. et al.,J.Biol.Chem.269:30069(1994))ことが見出されているため、重要で ある可能性がある。4−1BBおよびCD40を介するシグナルは、それぞれT 細胞およびB細胞をともに刺激することが見出されている(Banchereau,J and R ousset,F.,Nature 353:678(1991);Hurtaldo,J.et al.,J.Immunol.155:33 60(1995))。 表2 組織および細胞におけるTR2およびOX40の遺伝子発現 TR2 RNA発現 ヒト組織RNAブロットを用いて、TR2 RNA発現の組織分布を調べた。 TR2 RNAを、いくつかの組織で検出し、肺、脾臓および胸腺では比較的高 いレベル(表2)であったが、脳、肝臓または骨格筋ではこの方法では検出され なかった(表2)。TR−2はまた、単球、CD19+B細胞、および休止または PMA+PHA−処理CD4+またはCD8+T細胞においても発現された。これ は、骨髄および内皮細胞においては弱く発現されるのみであったが(表2および 3)、発現は、造血細胞系KG1a(表2)においても観察された。比較のため 、他のTNFFスーパーファミリーのメンバーであるOX−40の組織分布を調 べた(表2)。TR2とは異なり、OX−40は、試験したいずれの組織において も検出されず、活性化されたT−細胞およびKG1aにおいてのみ検出された。 TF274(骨髄ストロマ)、MG63およびTE85(骨肉腫)、RL95−2( 子宮内膜肉腫)、MCF−7およびT−47D(胸癌細胞)、BE、HT29(結腸 癌細胞)、HTB−11およびIMR−32(神経芽腫)を含め、いくつかの細 胞系ではTR2発現が見られなかったが、TR2は、横紋筋肉腫HTB−82に おいて見られた(データは示さない)。 いくつかの細胞系を、誘導性TR2発現について調べた。骨髄単球系統に属す るHL60、U937およびTHP1はすべて、異なる薬剤PMAまたはDMS Oに応答してTR2発現を増加した。これらの薬剤に応答した発現の増加は、K G1aおよびJurkat細胞において観察された。対照的に、PMAは、MG 63においてTR2発現を誘発しなかったが、予期せぬことに、TNF−αは誘 発した。 ほとんどすべての場合において、優勢なmRNAは約1.7kbの大きさであ るが、いくつかのより大きな分子量種がいくつかの組織中で検出できた。配列決 定された多くのcDNAおよびESTは部分的なスプライシングを示唆するコー ディング領域中の挿入を含むが、ウェスタンブロットでは1つの大きなタンパク 質のみが検出され、このことは、これらが異なるタンパク質をコードする場合、 我々が調べた細胞中にはこれらが明らかでないことを示唆した。より大きな分子 量のmRNAが多いことは、TR2がmRNA変異のレベルで部分的に調節され ている可能性を示唆する。 表3 種々の組織および細胞種におけるTR 2RNAの相対数(RA)1P36.2−P36.3のTR2マップ FISHマッピング方法を適用して、TR2遺伝子を特定のヒト染色体領域に 局在させた。染色体1のショートアームへのハイブリダイゼーションシグナルの 整列が、DAPIバンディングの助けにより得られた。全部で10のメタティッ クな形状(metatic figure)を写真に撮り、これは、TR2遺伝子が、染色体1の p36.2〜p36.3の領域上に位置することを示した。TR2位置は、CD 30(Smith,C.A.et al.,Cell 73:1349-1360(1993)、4−1BB(Kwon,B.S .et al.,J.Immunol.152:2256-2262(1994);Goodwin,R.G.et al.,Eur. J.Immunol.23:2631-2641(1993))、OX−40(Birkeland,M.L.et al.,Eur .J.Immunol.25:926-930(1995))、およびTNFR−II(Baker,E.et al., Cytogenet.& Cell Genet.57:117-118(1991))と極めて近接しており、局在化遺 伝子複製を通して発達したことが示唆される。興味深いことに、アポトーシスを 刺激するFasおよびTNFR−1と対照的に、これらのすべてのレセプターは 、同種のリガンド結合に応答してT細胞において刺激性の表現型を有している。 このため、TR2がリンパ球刺激に関与するかどうかを調べることとした。 TR2−Fcは、PBMCのMLR−媒介増殖と調和する。 リンパ球増殖におけるそのリガンドとの細胞表面TR2の可能な関与を調べる ために、同種のMLR増殖性応答を調べた。TR2−Fcを培養物に添加すると 、最大応答の有意な減少が観察された(p<0.05)。100μg/mlでのT R2−Fcの添加は、増殖を53%まで阻害した。対照のIL−5R−Fcでは 、有意な増殖の阻害は観察されなかった。驚くべきことに、高濃度(10〜10 0μg/ml)のIL−5R−Fcは増殖を増強することが示された。アッセイ した抗−CD4mAbは、MLR−媒介増殖を同時に60%まで阻害したが、対 照の抗−IL−5mAbは、増殖を阻害しなかった。MLR増殖応答の主な成分 はT−細胞依存性であることは周知である;それゆえ、TR2のそのリガンドと の相互作用の阻害は、至適Tリンパ球活性化および増殖を妨げることは明らかで ある。1〜100μg/mlの濃度でのTR2−FcによるMLR増殖の阻害は 、CD40−Fcなどの他のTNFR−Fcスーパーファミリーメンバーで見ら れる生物学的作用に比べて優れている(発行されていない結果、Jeremy Harrop) 。 それゆえ、本発明者等は、T細胞刺激において直接役割を担うか、または、T R2を含んでもよい、1またはそれ以上のレセプターを介してT細胞増殖を刺激 できるリガンドに結合する、TNFレセプタースーパーファミリーのさらなるメ ンバーを同定した。TR2に対する直接の役割は、CD40および4−1BBと の細胞質ドメインの類似性と一致する。本発明者等は現在、その役割を明らかに するために、TR2が結合するこのリガンドの同定を試みている。 本発明がこれまでの記載および実施例において特に記載したものと別の方法で 実行できることは明らかであろう。 本発明の多くの修飾および変形は、上記の技術に基づいて可能であり、それゆ え、添付する請求の範囲の範囲内である。 本明細書で引用した、すべての刊行物(特許、特許出願、ジャーナル記事、実 験室マニュアル、本、または他の文書を含む)は、出典明示により本明細書に含 める。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 C12Q 1/02 C12Q 1/02 C12P 21/08 // C12P 21/08 C12N 5/00 A (72)発明者 ニ,ジャン アメリカ合衆国20853メリーランド州 ロ ックビル、マナーフィールド・ロード5502 番 (72)発明者 ローゼン,クレイグ・エイ アメリカ合衆国20882メリーランド州 レ イトンズビル、ローリング・ヒル・ロード 22400番 (72)発明者 ジェンツ,ライナー・エル アメリカ合衆国20904メリーランド州 シ ルバー・スプリング、フェアランド・パー ク・ドライブ13404番 (72)発明者 リン,サリー・ドリーン・パトリシア アメリカ合衆国19380ペンシルベニア州 ウエスト・チェスター、ハンプトン・コー ト 134―ビー番 (72)発明者 ハール,マーク・ロバート アメリカ合衆国19403ペンシルベニア州 ノリスタウン、ストーニーブルック・ドラ イブ105番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列番号2の約−36〜約247の位置のアミノ酸配列を有するT R2レセプターをコードするヌクレオチド配列; (b)配列番号2の約−35〜約247の位置のアミノ酸配列を有するTR2レ セプターポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (c)配列番号2の約1〜約247の位置のアミノ酸配列を有するTR2レセプ ターポリペプチドをコードするヌクレオチド配列; (d)ATCC受託番号97059中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有するTR2レセプターをコードするヌクレオチド配列; (e)ATCC受託番号97059中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有する成熟TR2レセプターをコードするヌクレオチド配 列; (f)TR2細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列; (g)TR2膜貫通ドメインをコードするヌクレオチド配列; (h)TR2細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列; (i)配列番号5の約−36〜約149の位置のアミノ酸配列を有するTR2− SV1レセプターをコードするヌクレオチド配列; (j)配列番号5の約−35〜約149の位置のアミノ酸配列を有するTR2− SV1レセプターをコードするヌクレオチド配列; (k)配列番号5の約1〜約149の位置のアミノ酸配列を有するTR2−SV 1レセプターをコードするヌクレオチド配列; (l)ATCC受託番号97058中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有するTR2−SV1レセプターをコードするヌクレオチ ド配列; (m)ATCC受託番号97058中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有する成熟TR2−SV1レセプターをコードするヌクレ オチド配列; (n)配列番号8のアミノ酸配列を有するTR2−SV2レセプターをコードす るヌクレオチド配列; (o)配列番号8の約2〜約136の位置のアミノ酸配列を有するTR2−SV 2レセプターをコードするヌクレオチド配列; (p)ATCC受託番号97057中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有するTR2−SV2レセプターをコードするヌクレオチ ド配列; (q)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、( i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)または(p)のポリヌ クレオチドのいずれかに相補的なヌクレオチド配列 からなる群より選択される配列に対して少なくとも95%同一性のヌクレオチド 配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。 2.ポリヌクレオチドが配列番号1、配列番号4または配列番号7のヌクレオ チド配列を有する、請求項1記載の核酸分子。 3.ポリヌクレオチドが、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドを コードする配列番号1のヌクレオチド配列、配列番号5のアミノ酸配列を有する ポリペプチドをコードする配列番号4のヌクレオチド配列、または、配列番号8 のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする配列番号7のヌクレオチド配 列を有する、請求項1記載の核酸分子。 4.ポリヌクレオチドが、配列番号2のアミノ酸配列を有する成熟TR2レセ プターをコードする配列番号1のヌクレオチド配列、または、配列番号5のアミ ノ酸配列を有する成熟TR2−SV1レセプターをコードする配列番号4のヌク レオチド配列を有する、請求項1記載の核酸分子。 5.ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97059、97058または9 7057のいずれか1つに含まれるcDNAクローンの完全なヌクレオチド配列 を有する、請求項1記載の核酸分子。 6.ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97059、97058または9 7057のいずれか1つに含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ 酸配列を有するTR2レセプターをコードするヌクレオチド配列を有する、請求 項1記載の核酸分子。 7.ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97059または97058のい ずれかに含まれるcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列を有する成 熟TR2レセプターをコードするヌクレオチド配列を有する、請求項1記載の核 酸分子。 8.請求項1記載の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g )、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p )または(q)のヌクレオチドと同一なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオ チドに、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドであ って、ハイブリダイズするポリヌクレオチドが、A残基またはT残基のみからな るヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにストリンジェントな条件下でハ イブリダイズしない、ポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。 9.請求項1記載の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g )、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p )または(q)のアミノ酸配列を有するTR2レセプターのエピトープ−坦持部 分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子。 10.配列番号2の約3〜約34のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号 2の約70〜約84のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2の約106 〜約153のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2の約240〜約24 7のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号5の約3〜約34のアミノ酸残 基を含むポリペプチド;配列番号5の約63〜約100のアミノ酸残基を含むポ リペプチド;配列番号5の約135〜約149のアミノ酸残基を含むポリペプチ ド;配列番号8の約56〜約68のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号 8の約93〜約136のアミノ酸残基を含むポリペプチドからなる群より選択さ れるTR2レセプターのエピトープ−坦持部分をコードする、請求項9記載の単 離された核酸分子。 11.TR2レセプター細胞外ドメインをコードする請求項1記載の単離された 核酸分子。 12.TR2レセプター膜貫通ドメインをコードする請求項1記載の単離された 核酸分子。 13.TR2レセプター細胞内ドメインをコードする請求項1記載の単離された 核酸分子。 14.請求項1記載の単離された核酸分子をペクター中に挿入することを含む、 組換えベクターの作成方法。 15.請求項14の方法により製造された組換えベクター。 16.請求項15記載の組換えベクターを宿主細胞中に導入することを含む、組 換え宿主細胞の作成方法。 17.請求項16記載の方法により製造された組換え宿主細胞。 18.請求項17記載の組換え宿主細胞をポリペプチドが発現される条件下で培 養し、該ポリペプチドを回収することを含む、TR2ポリペプチドを製造するた めの組換え方法。 19.ヌクレオチド314がグアニンまたはアデニンのいずれかであり、ヌクレ オチド386がチミンまたはシトシンのいずれかであり、ヌクレオチド627が チミンまたはシトシンのいずれかである、配列番号1のヌクレオチド配列を有す るポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。 20.アミノ酸番号−20がリジンまたはアルギニンのいずれかであり、アミノ 酸番号5がセリンまたはフェニルアラニンのいずれかである、配列番号2のアミ ノ酸配列を有するTR2レセプターをコードするヌクレオチド配列を有するポリ ヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。 21.(a)配列番号2の約−36〜約247の位置のアミノ酸配列を有するT R2ポリペプチドのアミノ酸配列; (b)配列番号2の約−35〜約247の位置のアミノ酸配列を有するTR2ポ リペプチドのアミノ酸配列; (c)配列番号2の約1〜約247の位置のアミノ酸配列を有するTR2ポリペ プチドのアミノ酸配列; (d)ATCC受託番号97059中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有するTR2ポリペプチドのアミノ酸配列; (e)ATCC受託番号97059中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有する成熟TR2ポリペプチドのアミノ酸配列; (f)TR2レセプター細胞外ドメインのアミノ酸配列; (g)TR2レセプター膜貫通ドメインのアミノ酸配列; (h)TR2レセプター細胞内ドメインのアミノ酸配列; (i)配列番号5の約−36〜約149の位置のアミノ酸配列を有するTR2− SV1レセプターをコードするアミノ酸配列; (j)配列番号5の約−35〜約149の位置のアミノ酸配列を有するTR2− SV1レセプターをコードするアミノ酸配列; (k)配列番号5の約1〜約149の位置のアミノ酸配列を有するTR2−SV 1レセプターをコードするアミノ酸配列; (l)ATCC受託番号97058中に含まれるcDNAクローンによりコード される完全なアミノ酸配列を有するTR2−SV1レセプターをコードするアミ ノ酸配列; (m)ATCC受託番号97058中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有する成熟TR2−SV1レセプターをコードするアミノ 酸配列; (n)配列番号8のアミノ酸配列を有するTR2−SV2レセプターをコードす るアミノ酸配列; (o)配列番号8の約2〜約136の位置のアミノ酸配列を有するTR2−SV 2レセプターをコードするアミノ酸配列; (p)ATCC受託番号97057中に含まれるcDNAクローンによりコード されるアミノ酸配列を有するTR2−SV2レセプターをコードするアミノ酸配 列; (q)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、( i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)または(p)のポリペ プチドのいずれか1つのエピト ープ−坦持部分のアミノ酸配列 からなる群より選択される配列に対して少なくとも95%同一性のアミノ酸配列 を有する単離されたTR2ポリペプチド。 22.配列番号2の約3〜約34のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号 2の約70〜約84のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2の約106 〜約153のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2の約240〜約24 7のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号5の約3〜約34のアミノ酸残 基を含むポリペプチド;配列番号5の約63〜約100のアミノ酸残基を含むポ リペプチド;配列番号5の約135〜約149のアミノ酸残基を含むポリペプチ ド;配列番号8の約56〜約68のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号 8の約93〜約136のアミノ酸残基を含むポリペプチドからなる群より選択さ れる、TR2レセプタータンパク質のエピトープ−坦持部分を含む単離されたポ リペプチド。 23.請求項21記載のTR2レセプターポリペプチドに特異的に結合する単離 された抗体。 24.単純ヘルペスウイルス感染症の治療方法であって、有効量のTR2ポリペ プチドの可溶性フラグメントを、医薬上許容される担体との混合物として、治療 すべき個体に導入することを含む方法。 25.異常な細胞生存に関連する病状の治療方法であって、有効量のTR2タン パク質、またはそのアゴニストもしくはアンタゴニストを、医薬上許容される担 体との混合物として、治療すべき個体に導入することを含む方法。 26.TR2活性のアゴニストおよびアンタゴニストをスクリーニングする方法 であって: (a)TR2ポリペプチドを発現する細胞を候補化合物と接触させ、 (b)細胞性応答をアッセイし、 (c)候補化合物の非存在下で作られる標準の細胞性応答と、該細胞性応答を比 較し;それにより標準よりも増加した細胞性応答は、化合物がアゴニストである ことを示し、標準よりも減少した細胞性応答は、化合物がアンタゴニストである ことを示す、方法。
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