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JP2001316560A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

Info

Publication number
JP2001316560A
JP2001316560A JP2000136147A JP2000136147A JP2001316560A JP 2001316560 A JP2001316560 A JP 2001316560A JP 2000136147 A JP2000136147 A JP 2000136147A JP 2000136147 A JP2000136147 A JP 2000136147A JP 2001316560 A JP2001316560 A JP 2001316560A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
monomer
isobutylene
polymer
rubber composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000136147A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Yaguchi
矢口茂
Katsuhiko Kimura
木村勝彦
Taizo Aoyama
青山泰三
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2000136147A priority Critical patent/JP2001316560A/ja
Publication of JP2001316560A publication Critical patent/JP2001316560A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来に比し、ウエットグリップ性に優れ、靴底
やゴルフクラブ用グリップなどに使用可能なゴム組成物
を提供する 【解決手段】(a)イソブチレン系ブロック共重合体と
(b)天然ゴム、ジエン系重合体ゴム、オレフィン系重
合体ゴム、のうちの少なくとも1種のゴム成分を含有す
ることを特徴とするゴム組成物を用いることで達成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエットグリップ
性に優れ、靴底、ゴルフクラブ用グリップ等に好適なイ
ソブチレン系ブロック共重合体を含有するゴム組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、靴底、ゴルフクラブ用グリッ
プ等の用途において、ウエットグリップ性に優れたゴム
材料が求められている。靴底の場合、通常、乾いた地面
では、アウトソール(すなわち、靴底の地面と直接接触
する部分)に設けてあるパターン(意匠)により滑りに
くくされていて、激しい運動をする場合を除いては、滑
って困るようなことは殆どない。しかし、降雨時など、
地面が濡れた状態ではその特性が異なるため、通常の靴
では滑りが生じることが多い。また、ゴルフクラブ用グ
リップをはじめ、テニス、バドミントン、スカッシュな
どのラケット用グリップでは、握った場合の手へのなじ
み感・握りやすさを他に、汗や水で濡れた場合ででも
「滑りにくい」という特性が必要とされる。
【0003】一般にウエットグリップ性は、ゴム材料の
ヒステリシスロス(tanδ)に関連しており、10H
zでは、−20〜0℃におけるtanδが大きいほどウ
エットグリップ性が高い。
【0004】このようなゴム組成物として、特開平11
−80433号公報では、ポリイソブチレン/p−メチ
ルスチレン共重合体の臭素化物とゴム成分からなるゴム
組成物が開示されている。しかし、ウエットグリップ性
に関して、より一層の改良が望まれている。また、スチ
レン−イソブチレン系ブロック共重合体とゴム成分から
なるゴム組成物については、WO98/14518号公
報や特開平6−200098号公報に記載されている
が、いずれの公報においても、一般的なゴム材料として
使用できることを開示しているのみで、ウエットグリッ
プ性のような特殊な特性が要求される用途での使用につ
いては何も記載されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ウエ
ットグリップ性に優れ、靴底やゴルフクラブ用グリップ
などに使用可能なゴム組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、鋭意検討を行った結果、イソブチレン系ブロック共
重合体と、ゴム成分を含有することを特徴とするゴム組
成物を用いることにより、ウエットグリップ性に優れた
ゴム組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、イソブチレンを単量体とする重合体
ブロックと芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合体
ブロックからなるブロック共重合体(a)と、天然ゴ
ム、ジエン系重合体ゴム、オレフィン系重合体ゴム、の
うちの少なくとも1種のゴム成分(b)を含有すること
を特徴とするゴム組成物である。
【0007】前記ゴム成分(b)は、ジエン系化合物の
単独重合体又はジエン系化合物と芳香族ビニル系化合物
の共重合体であるのが好ましく、ゴム成分(b)100
重量部に対し、ブロック共重合体(a)を1重量部から
40重量部配合するのが好ましい。
【0008】ブロック共重合体(a)は、芳香族ビニル
系化合物を単量体とする重合体ブロック−イソブチレン
を単量体とする重合体ブロック−芳香族ビニル系化合物
を単量体とする重合体ブロックの構造を有するトリブロ
ック共重合体であるのが好ましく、ブロック共重合体
(a)の数平均分子量は100,000以下であるのが
好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物は、イソブチ
レンを単量体とする重合体ブロックと芳香族ビニル系化
合物を単量体とする重合体ブロックからなるブロック共
重合体(a)と天然ゴム、ジエン系重合体ゴム、オレフ
ィン系重合体ゴム、のうちの少なくとも1種のゴム成分
(b)を含有することを特徴とするゴム組成物である。
【0010】本発明で使用しうるブロック共重合体
(a)は、イソブチレンを単量体とする重合体ブロック
と芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合体ブロック
からなるブロック共重合体という構造を有しているもの
であれば特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星
状等の構造を有するブロック共重合体、ジブロック共重
合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体
等のいずれも選択可能であり、機械特性と加工性の要求
に見合うものを選択すればよい。
【0011】本発明のイソブチレンを単量体とする重合
体ブロックは、イソブチレン以外の単量体成分を含有し
ていても良く、イソブチレン以外の単量体の含有量は3
0重量%以下であることが好ましく、10重量%以下で
あることがさらに好ましい。
【0012】本発明のイソブチレンを単量体とする重合
体ブロック中の、イソブチレン以外の単量体は、カチオ
ン重合可能な単量体成分であれば特に限定されないが、
芳香族ビニル類、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニ
ルエーテル類、β−ピネン等の単量体が例示できる。こ
れらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用
いてもよい。
【0013】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルス
チレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチ
ルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メ
チル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルス
チレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル
−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレ
ン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチ
ル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−
ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチ
レン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジ
クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロ
ロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチ
レン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−
o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレ
ン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−ト
リクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチ
レン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−ク
ロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4
−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルス
チレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、
m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp
−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレ
ン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0014】脂肪族オレフィン系単量体としては、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シ
クロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシク
ロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0015】ジエン系単量体としては、ブタジエン、イ
ソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロ
ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼ
ン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても
よい。
【0016】ビニルエーテル系単量体としては、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イ
ソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、te
rt−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニ
ルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0017】本発明の芳香族ビニル系化合物を単量体と
する重合体ブロックは、芳香族ビニル系化合物以外の単
量体を含んでいてもいなくても良く、芳香族ビニル系化
合物の含有量が60重量%以上、好ましくは80重量%
以上であることが望ましい。芳香族ビニル系単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、インデンからなる群から選ばれる少なくとも1種
の単量体を使用することが好ましく、コストの面からス
チレン、α−メチルスチレン、あるいはこれらの混合物
を用いることが特に好ましい。
【0018】また本発明の芳香族ビニル系化合物を単量
体とする重合体ブロックの、芳香族ビニル系化合物とし
てはカチオン重合可能な単量体であれば特に制限はない
が、例えば前記の単量体等が挙げられる。
【0019】イソブチレンを単量体とする重合体ブロッ
クと芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合体ブロッ
クの割合に関しては、特に制限はないが、物性と加工性
のバランスから、イソブチレンを単量体とする重合体ブ
ロックが98から40重量%、芳香族ビニル系化合物を
単量体とする重合体ブロックが2から60重量%である
ことが好ましく、イソブチレンを単量体とする重合体ブ
ロックが95から60重量%、芳香族ビニル系化合物を
単量体とする重合体ブロックが5から40重量%である
ことが特に好ましい。
【0020】また本発明のイソブチレン系ブロック共重
合体の好ましい構造としては、得られる組成物の物性お
よび加工性の点から、芳香族ビニル系化合物を単量体と
する重合体ブロック−イソブチレンを単量体とする重合
体ブロック−芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合
体ブロックから形成されるトリブロック共重合体、及
び、イソブチレンを単量体とする重合体ブロック−芳香
族ビニル系化合物を単量体とする重合体ブロックからな
るジブロック共重合体をアームとする星状ポリマーから
なる群より選択される少なくとも1種である。
【0021】イソブチレン系ブロック共重合体の数平均
分子量にも特に制限はないが、物性および加工性の面か
ら、3000〜500000であることが好ましく、5
000〜100000であることが特に好ましい。イソ
ブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量が上記範囲
よりも低い場合には組成物の物性が十分に発現されず、
一方上記範囲を超える場合には加工性の面で不利であ
る。
【0022】イソブチレン系ブロック共重合体の製造方
法としては、特に限定されず、公知の重合方法を用いる
ことができるが、構造の制御されたブロック共重合体を
得るためには、下記一般式(1)で表される化合物の存
在下に、イソブチレンを主成分とする単量体及び芳香族
ビニル系単量体等のイソブチレンを主成分としない単量
体成分を重合することが好ましい。 (CR12X)n3 (1) [式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキ
シル基及び炭素数1〜6のアシロキシル基からなる群か
ら選択される置換基を表す。R1及びR2は、それぞれ、
水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。
1及びR2は、同一であっても異なっていても良い。ま
た、複数存在するR1及びR2は、それぞれ、同一であっ
ても異なっていても良い。R3は、n個の置換基を有す
ることができる多価の芳香族炭化水素基又は多価の脂肪
族炭化水素基を表す。nは、1〜6の自然数を表す。] 上記ハロゲン原子としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ
素等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアルコキシル基
としては特に限定されず、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n−又はイソプロポキシ基等が挙げられる。上記
炭素数1〜6のアシロキシル基としては特に限定され
ず、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基
等が挙げられる。上記炭素数1〜6の炭化水素基として
は特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−
又はイソプロピル基等が挙げられる。
【0023】上記一般式(1)で表わされる化合物は開
始剤となるものでルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生
成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発
明で用いられる一般式(1)で表される化合物の例とし
ては、次のような化合物等が挙げられる。
【0024】(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼ
ン C65C(CH32Cl 1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼ
ン 1,4−Cl(CH32CC64C(CH32Cl 1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼ
ン 1,3−Cl(CH32CC64C(CH32Cl 1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)
ベンゼン 1,3,5−(ClC(CH32363 1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−
(tert−ブチル)ベンゼン 1,3−(C(CH
32Cl)2-5−(C(CH33)C63 これらの中でも特に好ましいのは1−クロル−1−メチ
ルエチルベンゼン[C 65C(CH32Cl]、ビス
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C 6
4(C(CH32Cl)2]、トリス(1−クロル−1−
メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH3236
3]である。[なお1−クロル−1−メチルエチルベン
ゼンは、α−クロロイソプロピルベンゼン、2−クロロ
−2−プロピルベンゼンあるいはクミルクロライドとも
呼ばれ、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼ
ンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス
(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミ
ルクロライドとも呼ばれ、トリス(1−クロル−1−メ
チルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロ
ピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)
ベンゼンあるいはトリクミルクロライドとも呼ばれ
る]。
【0025】上記重合反応においては、ルイス酸触媒を
共存させることができる。ルイス酸としてはカチオン重
合に使用できるものであれば良く、TiCl4、TiBr
4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5
SbF5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、ZnB
2、AlCl3、AlBr3等の金属ハロゲン化物;Et2
AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物を
好適に使用することができる。なかでも触媒としての能
力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、B
Cl3、SnCl4が好ましい。
【0026】上記ルイス酸触媒の使用量としては特に限
定されず、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度
等を鑑みて設定することができる。
【0027】上記重合反応においては、さらに必要に応
じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電
子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチ
オンを安定化させる効果があるものと考えられており、
電子供与体の添加によって分子量分布の狭い構造が制御
された重合体が生成する。使用可能な電子供与体成分と
しては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミ
ン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、又は金
属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げ
ることができる。
【0028】上記重合反応は必要に応じて有機溶媒中で
行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を本質
的に阻害しなければ特に制約なく使用することができ
る。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルク
ロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等
のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカ
ン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、
2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、
2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化
水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分
を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
【0029】これらの溶媒は、ブロック共重合体を構成
する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等の
バランスを考慮して単独又は2種以上を組み合わせて使
用される。
【0030】上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液
の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜
50wt%、好ましくは3〜35wt%となるように決
定される。
【0031】実際の重合を行うに当たっては、各成分を
冷却下、例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合す
る。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるた
めに、特に好ましい温度範囲は−30℃〜−80℃であ
る。
【0032】ゴム成分(b)としては、天然ゴム、ジエ
ン系重合体ゴム、オレフィン系重合体ゴムが例示され
る。ジエン系重合体ゴムとしては、イソプレンゴム、ブ
タジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブ
タジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムが例示
される。オレフィン系ゴムとしては、ブチルゴム、塩素
化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴムが例示される。この中でジエン系化合物
の単独重合体又はジエン系化合物と芳香族ビニル系化合
物の共重合体であることが特に好ましい。
【0033】本発明のゴム組成物は、上記の他に、通
常、ゴム業界で用いられている、充填剤、可塑剤、加硫
剤、加硫促進剤、老化防止剤等の配合剤をその目的、用
途に合わせ、適宜配合することができる。充填剤として
は、カーボン・ブラック、シリカ、フィラー、炭酸カル
シウム、マイカ、フレークグラファイト等が例示され
る。可塑剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナ
フテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなど
の石油系プロセスオイル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジオクチル、アジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアル
キル、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの低分
子量液状ポリマーが例示され、なかでも、ゴム成分との
相溶性から、液状ポリブテン、液状ポリイソプレン、芳
香族系プロセスオイルが好ましい。加硫剤としては、硫
黄、フェノール樹脂、金属酸化物、過酸化物等が例示さ
れる。これらは、通常、ゴム成分100重量部に対し、
約0.5〜10部使用される。加硫促進剤としては、
2,2−ジチオビスベンゾチアゾール、1,3−ジフェ
ニルグアニジン、テトラメチルチウラムジスルフィド、
亜鉛ジメチルチオカルバメート、メルカプトベンゾチア
ジルジスルフィドが例示される。これらは、通常、ゴム
成分100重量部に対し、約0.2〜5部使用される。
【0034】ウエットグリップ性は、ゴム組成物の表面
近傍の変形に依存している考えられている。この表面近
傍の変形は、非常に高い周波数の振動であることがわか
っており、温度周波数換算を用いると、 ウエットグリ
ップ性は、10Hzにおいて、−20℃〜0℃のtan
δで表される。したがって、−20℃〜0℃のtanδ
を大きくしてやれば、ウエットグリップ性を改善でき
る。
【0035】本発明に使用されるイソブチレン系ブロッ
ク共重合体(a)は、イソブチレン骨格からなるブロッ
クが存在するため、10Hzにおいて−20℃〜0℃に
大きなtanδピークがあるため、ウエットグリップ性
に効果がある。
【0036】本発明に使用されるイソブチレン系ブロッ
ク共重合体(a)の配合量は、特に限定されず、目的に
応じて適宜選択することができるが、例えば、靴底に用
いる場合、ゴム成分に100重量部に対し、1〜40重
量部配合することが好ましい。1重量部よりも少ない場
合、ウエットグリップ性の改善効果が得にくくなり、4
0重量部を越えると摩耗性が悪化し、靴底としてのバラ
ンスが損なわれる傾向にあるため好ましくない。
【0037】本発明のゴム組成物の調製方法は従来ゴム
業界で行われている方法を採用すればよく、例えば、先
ず、イソブチレン系ブロック共重合体(a)、ゴム成分
(b)および加硫剤、加硫促進剤以外の各種配合剤を、
タンブラー、ヘンシェルミキサー、リボブレンダー等で
混合した後、押出機、バンパリー、ロール等で混練す
る。このとき、混練温度は、イソブチレン系ブロック共
重合体(a)とゴム成分(b)の配合比によって、室温
〜200℃で適宜変更することが望ましい。これは、イ
ソブチレン系ブロック共重合体の芳香族ビニル系化合物
を単量体とする重合体ブロックのガラス転移温度が通常
100℃以上であるため、配合物中のイソブチレン系ブ
ロック共重合体(a)の割合が高い場合、各成分が十分
に混り合わないからである。したがって、(a)の配合
量が高い場合ほど、高い温度で混練することが好まし
い。加硫ゴムを得ようとする場合、混練後、加硫剤及び
加硫促進剤を加えてさらに上記の装置を用いて混練す
る。このとき、混練温度は、加硫剤の反応を抑制する目
的で80℃〜120℃で行うことが望ましい。さらに、
必要に応じ、プレス機や射出成型機等を用いて該ゴム組
成物を成型および架橋することができる。
【0038】本発明の実施の形態には特に制限がない
が、好ましい態様として、靴底、ゴルフクラブ用グリッ
プをはじめ、テニス、バドミントン、スカッシュなどの
ラケット用グリップ、自動車用タイヤ等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。尚、本発明はこれらの実施例によって何ら限定
されるものではなく、その要旨を変更しない範囲におい
て適宜変更実施可能である。 (製造例1):スチレン−イソブチレン−スチレン−ト
リブロック共重合体の製造。 攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モ
レキュラーシーブスで乾燥したもの)570mL、n−
ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したも
の)590mL、ジクミルクロライド0.400gを加
えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン
(2−メチルピリジン)0.34mL、イソブチレン1
74mLを添加した。さらに四塩化チタン10.3mL
を加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら
2.0時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン58
mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量の
メタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から
溶剤等を除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2
回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加
えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24
時間真空乾燥することによりイソブチレン系ブロック共
重合体を得た(以下、SIBSと略す)。
【0040】得られたイソブチレン系ブロック共重合体
の数平均分子量は98,000、分子量分布は1.15
で、重合体中のスチレン含量は29重量%であった。数
平均分子量はWaters社製510型GPCシステム
(溶媒としてクロロホルムを使用し、流量は1mL/分
とした)により測定し、ポリスチレン換算の値を示し
た。重合体中のスチレン含量は1HNMRスペクトルの
積分比より算出した。
【0041】(実施例1〜4)スチレン−ブタジエン共
重合体ゴム(JSR0120、JSR社製、以下SBR
と略す。)、ブタジエンゴム(JSR BR31、JS
R社製、以下BRと略す。)、製造例1で製造したSI
BSおよびその他の配合剤を、表1および表2に示した
配合比で、150℃に設定したラボプラストミル(東洋
精機社製)で15分間混練してゴム組成物を得た。該ゴ
ム組成物を150℃で圧縮成形し、シートを作製した。
成形性は極めて良好であった。該シートから縦6mm×
横5mm×厚さ2mmの試験片を切り出し、動的粘弾性
測定装置DVA−200(アイティー計測制御社製)を
用い、0℃、での損失正接tanδを測定した。測定周
波数は10Hzとした。
【0042】(比較例1)比較例としてSIBSを一切
加えず、SBRを150℃で圧縮成形し、シートを作製
した。実施例1〜3と同様にして、0℃での損失正接t
anδを測定した。
【0043】(比較例2)比較例としてSIBSの代わ
りにSEBSをSBRに加えて、150℃に設定したラ
ボプラストミル(東洋精機社製)で15分間混練した。
該ゴム組成物を150℃で圧縮成形し、シートを作製し
た。実施例1〜3と同様にして、0℃での損失正接ta
nδを測定した。ウエットグリップ性は、下記式(2)
で表される。 ウエットグリップ性(%)=各組成物のtanδ(0℃)/SBR単独のtan δ(0℃)×100 (2)
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】実施例1〜3では、SIBSの添加によ
り、SBR単独(比較例1)よりも0℃でのtanδが
高く、すなわちウエットグリップ性が改善されている。
また、SIBSの代わりにSEBS(G1650、シェ
ル社製)を用いた場合(比較例2)、 SBR単独(比
較例1)と比較して、0℃でのtanδが低下し、ウエ
ットグリップ性が低下している。
【0047】
【発明の効果】本発明のゴム組成物は、従来用いられて
きたゴム成分にイソブチレン系トリブロック共重合体を
配合することにより、ウエットグリップ性に優れた、靴
底、ゴルフクラブ用グリップ等として使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/22 C08L 23/22 23/28 23/28 Fターム(参考) 4J002 AC011 AC031 AC041 AC061 AC081 AC091 BB151 BB181 BB241 BP032 FD010 FD020 FD140 FD150 GC00 GN01 4J026 HA02 HA28 HA32 HA39 HB05 HB06 HB08 HB28 HB39 HB48 HE01 HE02 HE05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソブチレンを単量体とする重合体ブロッ
    クと芳香族ビニル系化合物を単量体とする重合体ブロッ
    クからなるブロック共重合体(a)と、天然ゴム、ジエ
    ン系重合体ゴム、オレフィン系重合体ゴム、のうちの少
    なくとも1種のゴム成分(b)を含有することを特徴と
    するゴム組成物。
  2. 【請求項2】ゴム成分(b)がジエン系化合物の単独重
    合体又はジエン系化合物と芳香族ビニル系化合物の共重
    合体である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】ゴム成分(b)100重量部に対し、ブロ
    ック共重合体(a)を1重量部から40重量部配合する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】ブロック共重合体(a)が、芳香族ビニル
    系化合物を単量体とする重合体ブロック−イソブチレン
    を単量体とする重合体ブロック−芳香族ビニル系化合物
    を単量体とする重合体ブロックの構造を有するトリブロ
    ック共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のゴ
    ム組成物。
  5. 【請求項5】ブロック共重合体(a)の数平均分子量が
    100,000以下である請求項1〜4のいずれかに記
    載のゴム組成物。
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