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JP2001316166A - 陶芸用炉の扉装置 - Google Patents

陶芸用炉の扉装置

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Publication number
JP2001316166A
JP2001316166A JP2000130779A JP2000130779A JP2001316166A JP 2001316166 A JP2001316166 A JP 2001316166A JP 2000130779 A JP2000130779 A JP 2000130779A JP 2000130779 A JP2000130779 A JP 2000130779A JP 2001316166 A JP2001316166 A JP 2001316166A
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JP
Japan
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heat insulating
door
furnace
insulating material
heat
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Application number
JP2000130779A
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English (en)
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Inventor
Kazumasa Mochimaru
和正 持丸
Toshiaki Kotaki
俊朗 小瀧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KI Holdings Co Ltd
Original Assignee
Koito Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Koito Industries Ltd filed Critical Koito Industries Ltd
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Publication of JP2001316166A publication Critical patent/JP2001316166A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱の損失を防止することができる陶芸用炉を提
供する。 【解決手段】圧縮ばね24の付勢力により扉体20側の
断熱材251〜253を炉本体10の出し入れ口12の
周縁部に弾撥的に当接させたので、長期の使用などによ
り、断熱材251〜253に収縮、歪み、亀裂が生じて
も、断熱材251〜253が出し入れ口12の周縁部に
隙間なく密着している状態が維持され、焼成中の炉本体
10内の熱が外部へ放出しないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉本体内の作品を
焼成するようにした陶芸用炉の扉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の陶芸用炉としては、例えば、炉内
部が1000℃以上になるので、断熱材は、炉本体ばか
りでなく、炉本体の出し入れ口を開閉するための扉本体
にも用いられている。
【0003】そして、炉本体の出し入れ口の周縁部を構
成する断熱材と、扉本体側の断熱材との同じ断熱材同志
を隙間なく当接させたものがあり、または、扉本体側の
断熱材にパッキンを使用し、そのパッキンを出し入れ口
の周縁部に隙間なく当接させたものがあり、炉内部の熱
がその隙間を通して炉本体の外へ放出しないようにして
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の陶芸用炉では、前者の断熱材同志を隙間なく
当接させたものでは、断熱材に多少の収縮、歪み、亀裂
が生じた場合に断熱材同志の間の隙間が広がり、炉内部
の熱が外へ放出し、熱の損失が多くなるという問題点が
あった。
【0005】また、後者の扉本体側の断熱材にパッキン
を使用したものでは、断熱材に収縮、歪み、亀裂が生じ
ても、パッキンが収縮することにより、断熱材同志の間
の隙間を塞ぐようになり、熱の損失を防止することがで
きるが、パッキンの耐久性がなく、パッキンを少なから
ず交換する必要があり、維持費が嵩むという問題点があ
った。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、断熱材に多少の収縮、歪み、亀裂
が生じた場合でも断熱材同志の間の隙間が広がらず、熱
の損失を防止することができ、パッキンを使用しない
で、維持費を低減することができる陶芸用炉を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存
する。 [1]炉本体(11)内の作品を焼成するようにした陶
芸用炉の扉装置において、箱状に形成された扉体(2
0)と、当該扉体(20)に嵌装される内枠(21)
と、当該内枠(21)に嵌合する断熱材(25)と、当
該断熱材(25)を付勢する付勢手段(24)とを備
え、前記付勢手段(24)は、前記炉本体(11)に開
設された出し入れ口(12)を前記扉体(20)が閉じ
た状態で、当該出し入れ口(12)の周縁部に前記断熱
材(25)を弾撥的に当接するものであることを特徴と
する陶芸用炉の扉装置。
【0008】[2]前記扉体(20)の周壁を成す箱枠
(202)と前記内枠(21)との間並びに、前記扉体
(20)の底を成す正面部(201)と前記断熱材(2
5)との間に通気用の隙間(26)が形成されており、
前記扉体(20)は、前記通気用の隙間(26)を外気
に連通する通気口(27,28)を有していることを特
徴とする[1]に記載の陶芸用炉の扉装置。
【0009】[3]前記付勢手段(24)は、前記内枠
(21)に設けられた圧縮ばね(24)を有し、前記圧
縮ばね(24)と断熱材(25)との間には、前記断熱
材(25)を保持するための保持プレート(23)が介
在しており、前記圧縮ばね(24)は、炉本体(11)
に開設された出し入れ口(12)を前記扉体(20)が
閉じた状態で、当該出し入れ口(12)の周縁部に前記
断熱材(25)を前記保持プレート(23)を介して弾
撥的に当接するものであり、前記扉体(20)の周壁を
成す箱枠(202)と前記内枠(21)との間並びに、
前記扉体(20)の底を成す正面部(201)と前記保
持プレート(23)との間に通気用の隙間(26)が形
成されており、前記扉体(20)は、前記通気用の隙間
(26)を外気に連通する通気口(27,28)を有し
ていることを特徴とする[1]に記載の陶芸用炉の扉装
置。
【0010】[4]前記断熱材(25)あるいは前記保
持プレート(23)に前記通気用の隙間(26)を間に
して対向する前記扉体(20)の正面部(201)の裏
面は、熱を反射するための反射面(203)に成ってい
ることを特徴とする[2]または[3]に記載の陶芸用
炉の扉装置。
【0011】[5]前記保持プレート(23)は放熱フ
ィン(231)を有しており、前記放熱フィン(23
1)は、前記保持プレート(23)と前記扉体(20)
の正面部(201)の裏面との間の通気用の隙間(2
6)へ突出し、かつ、上下方向にのみ延ばされているこ
とを特徴とする[3]に記載の陶芸用炉の扉装置。
【0012】[6]前記断熱材(25)は、前記炉本体
(11)の内部に向かって複数の層になるように重ねら
れていることを特徴とする[1]、[2]または[3]
に記載の陶芸用炉の扉装置。
【0013】[7]前記断熱材(25)は、平板状のも
のを複数本の長尺の断熱片(2530)に切断し、当該
長尺の断熱片(2530)を並べて成るものであること
を特徴とする[1]、[2]または[3]に記載の陶芸
用炉の扉装置。
【0014】[8]前記断熱材(25)は、平板状のも
のを複数本の長尺の断熱片(2530)に切断し、当該
長尺の断熱片(2530)をその長手方向を上下方向に
し、その切断した面を炉本体(11)の内部へ向けるよ
うにして、水平方向に並べて成るものであることを特徴
とする[1]、[2]または[3]に記載の陶芸用炉の
扉装置。
【0015】[9]前記複数本の長尺の断熱片(253
0)に切断して成る断熱材(25)は、前記炉本体(1
1)の内部に向かって複数の層になるように重ねられた
ものの中で、少なくとも前記炉本体(11)の内部に最
も近いものであることを特徴とする[7]または[8]
に記載の陶芸用炉の扉装置。
【0016】次に、前記各項に記載された発明の作用に
ついて説明する。炉本体(11)の出し入れ口(12)
から炉本体(11)内に所定の作品を入れ、炉本体(1
1)の出し入れ口(12)を扉体(20)により閉じ
て、焼成を開始する。
【0017】扉体(20)が炉本体(11)の出し入れ
口(12)を閉じたとき、扉体(20)の内枠(21)
に嵌装された断熱材(25)が付勢手段(24)により
出し入れ口(12)の周縁部に弾撥的に当接する。それ
により、断熱材(25)が出し入れ口(12)の周縁部
に隙間なく密着する。炉本体(11)の出し入れ口(1
2)の周縁部も、たとえば断熱材(25)により構成さ
れている。
【0018】長期の使用などにより、断熱材(25)に
収縮、歪み、亀裂が生じて、断熱材(25)同志の間に
隙間が生じようとすると、付勢手段(24)の付勢力に
より断熱材(25)同志が相互に近づいて、隙間を生じ
なくする。それにより、断熱材(25)が出し入れ口
(12)の周縁部に隙間なく密着している状態が維持さ
れ、焼成中の炉本体(11)内の熱が炉本体(11)の
外へ放出することがなく、熱の損失を防止することがで
きる。
【0019】作品の焼成中においては、炉本体(11)
内から断熱材(25)を通った熱が扉体(20)に多量
に伝わると、扉体(20)が少なからず熱せられる。し
かしながら、扉体(20)は外枠であって、使用者の手
や被服が直接触れるところであり、扉体(20)が所定
温度以上に熱せられないようにして安全性を確保する必
要がある。
【0020】そこで、扉体(20)の周壁を成す箱枠
(202)と内枠(21)との間に通気用の隙間(2
6)を形成し、かつ、扉体(20)の底を成す正面部
(201)と断熱材(25)との間に通気用の隙間(2
6)を形成し、かつ、それらの通気用の隙間(26)を
通気口(27,28)によって外気に連通させている。
【0021】通気口(27,28)を設けたことによ
り、焼成中に、通気用の隙間(26)の空気が通気口
(27,28)を通って扉体(20)の外へ放出される
一方、通気用の隙間(26)へ外気が通気口(27,2
8)を通って取り入れられる。それにより、炉本体(1
1)内から断熱材(25)を通った熱が扉体(20)に
伝わる前に、通気用の隙間(26)内の空気と共に扉体
(20)の外へ放出され、熱が扉体(20)に多量に伝
わらず、扉体(20)が所定温度以上に熱せられず、安
全性を確保することができる。
【0022】付勢手段(24)が圧縮ばね(24)を有
するものでは、その圧縮ばね(24)により、扉体(2
0)の閉じ状態で、炉本体(11)に開設された出し入
れ口(12)の周縁部に保持プレート(23)を介して
断熱材(25)が弾撥的に当接する。
【0023】このような保持プレート(23)を用いた
構造では、その保持プレート(23)と扉体(20)の
正面部(201)との間に形成される隙間を通気用の隙
間(26)とし、その通気用の隙間(26)を外気に連
通するための通気口(27,28)を設けるようにすれ
ばよい。
【0024】また、断熱材(25)や保持プレート(2
3)に通気用の隙間(26)を間にして対向する扉体
(20)の正面部(201)の裏面を反射面(203)
にすれば、通気用の隙間(26)を通って扉体(20)
に伝わってくる熱を反射することができ、それにより、
扉体(20)が所定温度以上に熱せられないようにな
る。
【0025】さらに、保持プレート(23)が放熱フィ
ン(231)を有しているものでは、放熱フィン(23
1)が保持プレート(23)と扉体(20)の正面部
(201)の裏面との間の通気用の隙間(26)へ突出
し、かつ、上下方向にのみ延ばされているので、通気用
の隙間(26)を上下方向に通過する空気の流れを妨げ
ることがなく、また、放熱フィン(231)に多くの空
気が触れ易くなることで、放熱フィン(231)の放熱
効率が向上する。放熱フィン(231)を扉体(20)
の正面部(201)の裏面に近くまで突出するようにす
れば、扉体(20)の正面部(201)を手前側から押
して、扉体(20)の正面部(201)をへこませる
と、扉体(20)の正面部(201)の裏面が放熱フィ
ン(231)に直ぐに当たって、扉体(20)の正面部
(201)のへこみがわずかなものになり、それによ
り、放熱フィン(231)が扉体(20)の補強材にな
る。
【0026】作品の焼成中においては、扉体(20)の
内枠(21)に嵌装される断熱材(25)は、炉本体
(11)内に近いところほど高温に晒され、反対に炉本
体(11)内から遠いところではその高温より低くな
る。扉体(20)の内枠(21)に1枚の断熱材(2
5)を嵌装してもよいが、複数枚の断熱材(25)を炉
本体(11)の内部に向かって複数の層になるように重
ねて内枠(21)に嵌装してもよい。
【0027】断熱材(25)を複数の層にすることによ
って、たとえば、炉本体(11)内に対して最近の層の
断熱材(25)を使用温度1600℃のものにし、最遠
の層の断熱材(25)を使用温度1000℃のものに
し、中間の層の断熱材(25)を使用温度1300℃の
ものにすることができる。したがって、炉本体(11)
内から遠くなるに応じて、使用温度の比較的低く、コス
トの低い断熱材(25)を用いることができ、断熱材
(25)に要するコストを低減することができる。
【0028】また、断熱材(25)として平板上のもの
をそのまま使用してもよいが、平板上のものを複数本の
長尺の断熱片(2530)に切断し、その長尺の断熱片
(2530)を並べるようにしても良い。断熱材(2
5)を複数本の長尺の断熱片(2530)から構成する
ことにより、長期使用などで、断熱片(2530)の1
つに亀裂が生じても、その亀裂が他の断熱片(253
0)まで進行することがなく、生じた亀裂が大きくなら
ないので、高い断熱精度を維持することができる。
【0029】長尺の断熱片(2530)の並べ方も様々
なものがあるが、たとえば、長尺の断熱片(2530)
をその長手方向を上下方向にし、その切断した面を炉本
体(11)の内部へ向けるようにして、水平方向に並べ
るようにすればよい。長尺の断熱片(2530)の下端
部に大きな荷重がかからず、断熱片(2530)、ひい
ては断熱材(25)の耐久性を向上することができる。
また、断熱片(2530)の切断して揃った面を炉本体
(11)の内部へ向けることで、断熱効果を高めること
ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の一実
施の形態を説明する。各図は本発明の一実施の形態を示
している。図1〜図9に示すように、本実施の形態に係
る電気炉10は、箱形に形成される炉本体11、およ
び、扉体20を有している。
【0031】炉本体11の内面(天井、底面、奥壁およ
び両側の内壁)は、セラミックファイバーである断熱材
15によって覆われている。炉本体11の手前側の正面
壁111に出し入れ口12が形成されている。その出し
入れ口12を通して断熱材15によって囲まれた炉内部
に作品が出し入れされる。また、炉本体11の内面と断
熱材15との間には通気用の隙間16が形成されてい
る。
【0032】炉本体11の両側の内壁を覆う断熱材15
の側部断熱材151には、側壁溝152が形成され、そ
の側壁溝152には加熱部31が嵌め込まれている。そ
れにより、加熱部31が側部断熱材151の壁面から炉
内部へ出っ張らないようになる。また、加熱部31は、
細長のプレート状発熱体の両方の側縁の一方から他方の
側縁に向かって切込み、かつ、そのような切り込みを長
手方向に交互に加工して成るものである。
【0033】また、炉本体11の天井を覆う断熱材15
の天井部断熱材153には、上方に凹入する天井溝15
4が形成され、その天井溝154には温度センサ32が
収容されている。それにより、同じように、温度センサ
32が天井部断熱材153の内面から炉内部へ出っ張ら
ないようになる。
【0034】また、炉本体11の底部112には前脚部
材17および後脚部材18が前後に設けられている。前
脚部材17の下端部171は、扉体20の正面部201
を含む平面とほぼ同じ平面上の位置まで延設されてい
て、電気炉10の正面から前方へ出っ張らないようにな
っている。
【0035】また、前脚部材17の下端部171は、略
U字状の断面形状に形成されていて、炉本体11の出し
入れ口12の下縁に向かって開いた受け皿部172を有
している。また、後脚部材18は上方に開いたハットチ
ャンネル断面形状のものであり、同じく、電気炉10の
背面から後方へ出っ張らないようになっている。
【0036】電気炉10の底部112の下側には冷却フ
ァンFが設けられ、冷却ファンFの送風先には、連通孔
が穿設され、連通孔が通気用の隙間16に連通してい
る。冷却ファンFは、連通孔を通して、通気用の隙間1
6内の温められた空気を炉本体11の外部へ送り出すも
のである。
【0037】図1および図10〜図16に示すように、
出し入れ口12の開口側縁には、ヒンジ部材19が設け
られ、ヒンジ部材19により、扉体20が横開き可能に
枢着されている。扉体20は平箱形に形成され、平箱の
底を正面部201にした扉体20の箱枠202には内枠
21が嵌合している。内枠21の裏面側には、出し入れ
口12に対応する開口22が開設されている。内枠21
の上枠部、側枠部および下枠部にはそれぞれ通気口21
4が穿設されている。
【0038】内枠21の内部には、同じくセラミックフ
ァイバーである断熱材251〜253が表裏方向で3層
になって詰まっている。扉体20の正面部201の裏面
とその裏面に沿って設けられた保持プレート23との
間、並びに、扉体20の箱枠202の内周面と内枠21
の外周面との間には同じく通気用の隙間26が形成され
ている。また、扉体20の正面部201の裏面は、熱線
を反射するための反射面203になっている。
【0039】さらに、保持プレート23には左右一対の
放熱フィン231が設けられている。各々の放熱フィン
231は、通気用の隙間26内を、扉体20の正面部2
01の裏面に向かって突出している。各放熱フィン23
1はレール状に形成され、通気用の隙間26を通過する
空気の流れを妨げることなく、空気を流れ易くし、多量
の空気が放熱フィン231の表面に触れ、その空気と共
に熱が扉体20の外へ放出されて、放熱機能を高めるよ
うに、上下方向にのみ延ばされている。
【0040】また、各放熱フィン231は、扉体20の
正面部201の裏面に近づいた位置まで突出していて、
扉体の正面部201が裏面の方へへこむのを防止してお
り、扉体20の補強機能を有している。なお、放熱フィ
ン231の放熱機能および補強機能を高めるべく、保持
プレート23に3本以上の放熱フィン231を設けるよ
うにしてもよい。
【0041】保持プレート23と、開口22の周縁部2
21とにより、3層の断熱材251〜253が表裏方向
から挟み込まれている。炉本体10内に最も遠い1層目
の断熱材251および、次に遠い2層目の断熱材252
は、平板状に形成されている。炉本体10内に最も近い
3層目の断熱材253は、8本の長尺の断熱片2530
を隙間なく並べて成る。
【0042】すなわち、各断熱材251〜253は、1
層目の表側の断熱材251の上に、2層目の中間の断熱
材252を載せ、その中間の断熱材252の上に、3層
目の裏側の断熱材253が載せられて成る。
【0043】3層目の裏側の断熱材253は、平板状の
断熱材を8本の長尺の断熱片2530に切断し、各長尺
の断熱片2530をその長手方向を上下方向にし、その
切断面を上にして、水平方向に8本並べることにより作
られる。また、3層目の裏側の断熱材253の切削面は
所定の形状にさらに加工される。したがって、扉体20
を閉じた際に、各長尺の断熱片2530の切断面あるい
は加工面が炉内部へ向くようになる。
【0044】圧縮ばね24を巻き付けたねじ部材212
が保持プレート23の下孔を貫通して、内枠21の外周
フランジ211に螺着している。付勢手段である圧縮ば
ね24により、保持プレート23を介して断熱材251
〜253が裏側へ付勢されている。裏側の断熱材253
の裏面部は3段に形成されている。1段目の裏面部25
31は、圧縮ばね24の付勢力により開口22の周縁部
221に弾撥的に当接可能である。
【0045】また、2段目の裏面部2532は、開口2
2から裏側へ突出していて、圧縮ばね24の付勢力によ
り出し入れ口12の周縁部121(断熱材15)に弾撥
的に当接している。さらに、3段目の裏面部2533
は、出し入れ口12に内嵌している。
【0046】また、扉体20を全閉状態にする直前まで
は、裏側の断熱材253の1段目の裏面部2531が開
口22の周縁部221に弾撥的に当接しており、扉体2
0を全閉状態にすることにより、3段目の裏面部253
3が出し入れ口12に内嵌するとともに、裏側の断熱材
253の2段目の裏面部2532が、出し入れ口12の
周縁部121に弾撥的に当接し、一方、1段目の裏面部
2531が開口22の周縁部221からわずかに離間す
るようになっている。このように、扉体20の全閉状態
では、断熱材15および裏側の断熱材253により密閉
された炉内部が形成されている。
【0047】図5〜図7、図10〜図13、図17およ
び図18に示すように、平箱形の扉体20の下枠には、
通気口27が穿設されるとともに、扉体20の上枠に
は、通気口28が穿設されている。炉本体10内から各
層の断熱材251〜253を通って保持プレート23お
よび放熱フィン231に伝わる熱は、通気用の隙間26
の内部を流れる空気と共に通気用の隙間26内を上昇
し、通気口28を通って外部に放出され、また、外気が
通気口27を通って通気用の隙間26内に取り込まれ
る。
【0048】扉体20の側枠には、ハンドル29が設け
られている。また、その側枠にはブラケット295が固
設され、ブラケット295には枢軸296およびストッ
パ297が固着されている。
【0049】枢軸296によりラッチ部材291が枢着
されている。ラッチ部材291は、扉体20を全閉する
際に、炉本体11の出し入れ口12の側縁部に穿設され
た間通孔122を通って炉本体11の内部に進入して、
進入先に設けられたストライカ191に弾撥的に係合す
るものである。ラッチ部材291は、巻きばね292に
よりストライカ191に係合する方向に付勢されてい
る。ラッチ部材291と一体的に解除レバー293が形
成されている。解除レバー293は、ハンドル29の近
傍まで延ばされていて、巻きばね292の付勢力に抗し
てラッチ部材291をストライカ191から外すための
ものである。
【0050】また、ストライカ191に隣接して施錠部
材192およびリミットスイッチ193が設けられてい
る。施錠部材192は、ソレノイド194が非通電状態
になると、ラッチ部材291の進入軌跡上に進出して扉
体20の開きを阻止し、ソレノイド194が通電状態に
なると、ラッチ部材291の進入軌跡上から退出して扉
体20の開きを許容するものである。ソレノイド194
への通電状態は後述する制御部50により制御されてい
る。リミットスイッチ193はラッチ部材291の被検
知端2911を検出して扉体20の全閉状態を検出する
ものである。
【0051】図1〜図4、図8、図9および図19に示
すように、電気炉10の正面部には、出し入れ口12の
脇に操作用ボックス40が設けられている。操作用ボッ
クス40の奥の炉本体11内部には給電部60が設けら
れている。
【0052】炉の内壁を成す断熱材15に沿って仕切板
61が配設され、その断熱材15と仕切板61との間に
は通気用の隙間16が形成されている。仕切板61によ
って、給電部60の空間が炉側と仕切られている。仕切
板61には略U字状断面形状の支持ブラケット62の両
脚部63が固設され、仕切板61の支持台64にはカラ
ーを介して配電盤65が支持されている。給電部60が
行う加熱部31への給電は、後述する制御部50により
制御されている。
【0053】操作用ボックス40の正面壁45は、扉体
20の正面部201とほぼ同一の平面上に形成されてい
る。その正面壁45には、表示手段41、操作手段であ
る操作パネル42、カウンタ43および、ブレーカ44
が設けられている。操作パネル42には入力部(コース
選択スイッチ421、確認スイッチ422および、上/
下スイッチ424)並びに、焼成/停止スイッチ423
が設けられている。操作用ボックス40の内部には制御
部50が設けられている。
【0054】コース選択スイッチ421は40種類のコ
ースの中から所望のコースを選択するモードにするため
のスイッチであり、そのボタンを押し、上/下スイッチ
424を押す毎に、0〜39までの数字がカウンタ43
に順次表示されるものである。確認スイッチ422は、
そのボタンを押すと、選択されたコースの焼成パターン
Pが表示手段41とカウンタ43に表示されるものであ
る。焼成/停止スイッチ423は、そのボタンを押す毎
に、焼成の開始状態と焼成の停止状態とに交互になるも
のである。
【0055】操作用ボックス40の両側壁46の一方
(出し入れ口12に近い方)は、銀色塗装が施されてい
る。これに限らず、出し入れ口12に近い方の側壁46
は、炉本体10の内部からの放射される熱を反射するた
めの反射面になっていればよく、研磨仕上げした金属材
を沿わせてもよい。
【0056】また、銀色塗装が施された側壁46に沿う
ようにして、操作用ボックス40の内部には仕切板47
が設けられ、側壁46と仕切板47との間には、通気用
の隙間48が形成されている。通気用の隙間48の上端
部および下端部には通気口49がそれぞれ穿設され、通
気口49を通して通気用の隙間48が外気に連通してい
る。
【0057】制御部50は、コース選択スイッチ421
のボタンが押され、上/下スイッチ424を押す毎に、
コース0〜コース39に係る数字情報をカウンタ43に
順次送るものである。確認スイッチ422のボタンが押
された際の確認信号に基づいて選択されたコースに係る
焼成パターンPを記憶部53から読み出し、表示手段4
1とカウンタ43に送るものである。記憶部53には、
コース毎の焼成パターンPが記録されている。
【0058】ここで、焼成パターンPは、複数のステッ
プSからなる。各ステップSは、たとえば、炉内部の温
度を何時間かけて何度まで上昇あるいは下降させるかを
設定するためのものである。たとえば、焼成パターンP
は、図20に示すように、時間を横軸に温度を縦軸にし
た図表において、折れ線グラフにより表され、折れ線グ
ラフの各線が焼成パターンPの第1〜第4のステップS
に成っている。
【0059】また記憶部53には、各焼成パターンPご
との作品の焼成に要する焼成時間が記録されている。制
御部50は、焼成開始してからの経過時間Tを算出し
て、その経過時間Tを記憶部53に記録するとともに、
実行中のステップSを表示手段41に表示する。制御部
50は、焼成の中断があった場合に、焼成の中断中であ
ることを操作パネル42に表示し続けるようになってい
る。そして、制御部50の焼成再開手段52は、焼成の
中断があった時の経過時間T以降の焼成(焼成の中断が
なければ行う予定の焼成)を、前記選択された焼成パタ
ーンPに基づいて再開する。
【0060】制御部50は、焼成の中断があってから復
帰するまでの中断期間T1を記憶部53に書き込む。そ
して、焼成開始してからの経過時間Tと中断期間T1と
に基づき、焼成の中断があった時の経過時間(T−T
1)に戻すようにしてもよい。
【0061】制御部50は、たとえば、扉体20が開い
て炉内部の温度t1が予定温度t0(許容誤差を含む)
より低くなると、「焼成の中断」であると判断する。ま
た、制御部50は、扉体20が閉じて炉内部の温度t1
が上昇し始めると、「復帰」であると判断する。
【0062】また、制御部50は、中断期間T1が所定
時間Tmaxを超えるか否かを判断し、中断期間T1が所
定時間Tmaxを超えない場合に、中断期間T1の終了
(復帰)後に再度の焼成を行う。さらに、制御部50
は、焼成中は、施錠部材192をラッチ部材291の進
入軌跡上から進出して扉体20の開きを阻止すべくソレ
ノイド194を非通電状態に制御する。
【0063】次に、電気炉を用いた作品の焼成について
説明する。図22に示すように、ステップS2201に
おいて、主電源スイッチを入れると、制御部50により
ソレノイド194が通電状態になり、施錠部材192が
ラッチ部材291の進入軌跡上から退避して扉体20の
開きを可能にする。扉体20を横開きにし、出し入れ口
12を通して作品を炉内部に入れる。
【0064】作品を炉内部に入れるとき、加熱部31が
側部断熱材151の壁面から炉内部へ出っ張ってなく、
また、温度センサ32が天井部断熱材153の内面から
炉内部へ出っ張ってないので、作品が加熱部31や温度
センサ32に当たることがなく、作品および加熱部31
等の相互の損傷を防止することができる。
【0065】作品を炉内部に入れて、扉体20を閉じる
と、ラッチ部材291がストライカ191に係合する。
このとき、リミットスイッチ193がラッチ部材291
の被検知端2911を検出して、扉体20の全閉状態を
検出する。
【0066】また、ステップS2202において、操作
パネル42のコース選択スイッチ421のボタンを押
し、上/下スイッチ424を押す度に、コース0〜コー
ス39に係る数字がカウンタ43に順次表示される。そ
して、所望のコースをカウンタ43に表示することによ
り選択する。
【0067】次に、ステップS2203において、確認
スイッチ422のボタンを押すと、選択されたコースの
焼成パターンPが表示される。このとき、焼成パターン
Pに係るステップSの特徴が表示される。炉を使用する
作者は、そのようなステップSの特徴を参考にして、作
品に適合する焼成パターンPを選択するので、選択すべ
き焼成パターンPの各ステップSの特徴が表示手段41
とカウンタ43に表示されることで、作者が焼成パター
ンPを誤りなく選択することができる。
【0068】次に、ステップS2204において、焼成
/停止スイッチ423のボタンが押されると、選択され
た焼成パターンPに基づく作品の焼成が開始される。そ
して、施錠部材192がラッチ部材291の進入軌跡上
に進出して扉体20の開きが不能になり、扉体20がロ
ックされる(ステップS2205)。
【0069】焼成中は、選択された焼成パターンPに基
づいて制御部50は加熱部31への給電を制御する(ス
テップS2206)。
【0070】また、焼成中は、扉体20の状態(開扉状
態あるいは閉扉状態)が判断される(ステップS220
7)。また、カウンタ43には炉内温度が表示される。
扉体20が閉扉状態であれば(ステップS2207:
Y)、焼成中は、焼成開始してからの経過時間Tに基づ
いて焼成の終了であるかを判断し続ける(ステップS2
208)。
【0071】焼成が終了し(ステップS2208:
Y)、炉内部の温度が所定温度以下になると(ステップ
S2209:Y)、扉体20のロックを解除する(ステ
ップS2210)。作者は、扉体20を開扉して、炉内
部の作品を取り出す。
【0072】扉体20を開扉するとき、炉内部の熱が出
し入れ口12を通って、出し入れ口12の脇にある操作
用ボックス40の側壁46に放射される。このとき、操
作用ボックス40の側壁46が放射熱を反射し、また、
側壁46と仕切板47との間の通気用の隙間48内の空
気が断熱層となり、また、通気用の隙間48内の空気が
熱せられて、上端部の通気口49から外部に抜け、外気
が下端部の通気口49から通気用の隙間48内に取り込
まれるので、放射熱が操作用ボックス40内の制御部5
0に悪影響を与えることがない。
【0073】一方、扉体20が開扉状態になると(ステ
ップS2207:N)、制御部50が加熱部31への給
電を停止して、焼成が中断され、焼成開始してからの経
過時間Tを記憶部53に記録する(ステップS221
1)。このとき、焼成の中断中であることが操作パネル
42に表示される。
【0074】焼成の中断中は、扉体20の状態(開扉状
態あるいは閉扉状態)が判断される(ステップS221
2)。扉体20が閉扉状態になると(ステップS221
2:Y)、図21に示すように、前記記録された焼成開
始してからの経過時間T以降の焼成(中断がなければ、
中断時以降行われる予定であった焼成)が前記選択され
た焼成パターンPに基づいて再開される(ステップS2
213)。
【0075】焼成の中断があり、その後、扉体20が閉
扉されると、焼成再開手段52が自動的に再度の焼成を
行うようにしたので、再度の焼成を作者の勘に頼る必要
がなく、また、改めて最初から焼成し直したり、あるい
はその作品の焼成を断念したりする必要もない。また、
焼成の中断がない場合とほぼ同じ熱量が中断時以降の再
度の焼成において供給されるので、焼成された作品は、
焼成の中断がなく焼成された作品に近いものになる。
【0076】次に、本実施の形態に係る炉本体10の作
用について説明する。電気炉10を水平な台に置き、扉
体20が閉扉状態にしたとき、電気炉10の重心は炉本
体11の中央部にある。扉体20を横開きにしたとき
に、電気炉10の重心が、炉本体11の中央部から手前
側(炉本体11の正面壁111の方)に移動する。しか
しながら、前脚部材17の下端部171が、炉本体11
の正面壁111からさらに手前側へ所定量(扉体20の
ほぼ厚みの分)延設されているので、電気炉10の重心
が多少炉本体11の正面壁111の方へ移動しても電気
炉10は安定性を維持する。
【0077】また、扉体20を開扉状態にして、台上で
電気炉10を手前側(開扉している扉体10の方)に所
定角度(たとえば15度)傾けると、前脚部材17の下
端部171を支点にして電気炉10が傾く。その場合に
も、電気炉10全体の重心が前脚部材17の下端部17
1からさらに手前側に移動することなく、電気炉10が
転倒するおそれがない。
【0078】また、前脚部材17の下端部171が、出
し入れ口12の周縁部121を下方から臨むようにした
受け皿部172になっているので、焼成中に炉内部から
出る流出物や、作品を炉内部から取り出すときの塵埃を
外部に漏らさず収容することができ、焼成後の電気炉1
0の掃除を受け皿部172を主に行えばよく、掃除が簡
単になる。
【0079】次に、本実施の形態に係る扉体20の作用
を説明する。扉体20を閉扉状態にした際に、炉本体1
0内の密閉性を担保すべく、断熱材253の2段目の裏
面部2533を出し入れ口12の周縁部121(断熱材
15)に弾撥的に当接させ、すなわち、断熱材同志が弾
撥的に当接するようにしたので、長期の使用により、断
熱材の収縮や歪みが生じても断熱材同志の当接状態を適
切なものに維持することができ、出し入れ口12の周縁
部121と断熱材との間の隙間にパッキンなどを介在さ
せたものに比して耐久性に優れ、劣化したパッキンを交
換するなどの保守作業を軽減することができる。
【0080】本実施の形態の扉体20にあっては、炉本
体10内に向かって3層にした断熱材251〜253で
構成されているので、炉本体10内から最も遠い1層目
の断熱材251や、中間の断熱材252に使用温度の低
めで、コストの安いものを用いることができる。
【0081】最も高熱に晒されることで亀裂が発生し、
その亀裂が進行し易い3層目の裏側の断熱材253が8
本の長尺の断熱片2530に分割されているので、8本
の断熱片2530の中の1つに亀裂が発生してもその亀
裂が他の断熱片2530まで進行することがなく、亀裂
の進行を防止することができる。
【0082】また、3層目の裏側の断熱材253の各断
熱片2530においては、その面精度が高い切断面ある
いは加工面が炉本体11の炉内部へ向けられるようにな
るので、断熱効果を高めることができる。また、長尺の
断熱片2530はその長手方向を上下方向にして並べら
れているので、たとえば、長尺の断熱片2530をその
長手方向を水平方向にして、上下方向に並べたとき、最
下位置に並べられた長尺の断熱片2530にのみ大きな
荷重がかかって、亀裂が発生するものに比べて、長期使
用によっても長尺の断熱片2530の亀裂が発生し難い
ものにすることができる。
【0083】なお、前記実施の形態においては、内枠2
1側に付勢手段(たとえば、圧縮ばね24)を設け、付
勢手段の付勢力により内枠21内で移動可能な断熱材2
5を出し入れ口12に弾撥的に当接したものを示した
が、内枠21内に断熱材25を固定して、内枠21を介
して断熱材25を出し入れ口12に弾撥的に当接するよ
うにしてもよい。
【0084】また、内枠21の外周フランジ211に所
定間隔で複数のねじ孔が形成され、各ねじ孔にねじ部材
212が螺着され、そのねじ部材212に巻き付けられ
た圧縮ばね24は、ねじ部材212の頭部と保持プレー
ト23との間の隙間に圧縮された状態で介在しているの
で、ねじ部材212は、正転あるいは逆転させることに
より、各圧縮ばね24の付勢力を加減して、出し入れ口
12の周縁部に弾撥的に当接する断熱材25の当接具合
を調整することができる。
【0085】さらに、解除レバー293がハンドル29
の近傍まで延ばされているので、ハンドル29を把持す
る手により解除レバー293も同時に操作することがで
き、片手で扉体20の開き操作と、ラッチ部材をストラ
イカ1911から外す操作とができ、使い勝手がよい。
【0086】さらに、扉体20の通気用の隙間26内を
強制通気すべく、炉本体11と同じく、冷却ファンを扉
体20にも設けるようにしてもよい。さらに、炉内部か
らの放熱を反射すべく、反射面を扉体20の正面部20
1の裏面203に適用したものを示したが、扉体20の
箱枠202の裏面や、保持プレートの裏面や、内枠21
の裏面に適用してもよい。
【0087】さらに、図23に示すように、中断期間T
1は、焼成の中断によって炉内部の温度t1が予定温度
t0より低下し始めてから炉の扉体20を閉じて炉内部
の温度が上昇し始めて炉内部の温度t1が中断直後の温
度t2(低下前の温度)に復帰するまでの期間としても
よい。
【0088】
【発明の効果】本発明に係る陶芸用炉によれば、付勢手
段の付勢力により扉体側の断熱材を炉本体の出し入れ口
の周縁部に弾撥的に当接させたので、長期の使用などに
より、断熱材に収縮、歪み、亀裂が生じても、断熱材が
出し入れ口の周縁部に隙間なく密着している状態が維持
され、焼成中の炉内部の熱が外へ放出することがなく、
熱の損失を防止することができる。
【0089】また、扉体の周壁を成す箱枠と内枠との間
に通気用の隙間を形成し、かつ、扉体の底を成す正面部
と断熱材との間に通気用の隙間を形成し、かつ、それら
の通気用の隙間を通気口によって外気に連通させるよう
にしたので、炉内部から断熱材を通った熱が扉体に伝わ
る前に、通気用の隙間を流れる空気に触れて、空気と共
に扉体の外へ放出することになり、扉体が所定温度以上
に熱せられないようになり、安全性を確保することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の扉体を
開扉した状態を表側から見た立体図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の正面図
である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の平面図
である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の側面図
である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の本体の
正面枠の正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の本体の
正面枠の平面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の本体の
正面枠の側面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る操作用ボックスの
本体の正面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る操作用ボックスの
平面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る扉体の分解斜視
図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る扉体の正面図で
ある。
【図12】本発明の一実施の形態に係る扉体の平面図で
ある。
【図13】本発明の一実施の形態に係る扉体の側面図で
ある。
【図14】図12のXIV−XIV線断面図である。
【図15】図14の部分拡大図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る扉体の断熱材を
示しており、(a)は断熱材の正面図、(b)は断熱材
の側面図、(c)は断熱材の底面図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係るラッチ部材の側
面図である。
【図18】本発明の一実施の形態に係るラッチ部材の平
面図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の機能
ブロック図である。
【図20】本発明の一実施の形態に係る焼成パターンを
示す説明図である。
【図21】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の作用
説明図である。
【図22】本発明の一実施の形態に係る陶芸用炉の焼成
動作を示すフロー図である。
【図23】本発明の他の実施の形態に係る陶芸用炉の作
用説明図である。
【符号の説明】
F…冷却ファン P…焼成パターン S…ステップ T…焼成開始してからの経過時間 T1…中断期間 Tmax…所定時間 t0…予定温度 t1…炉内部の温度 t2…中断直後の温度 t3…復帰時の温度 10…電気炉 11…炉本体 12…出し入れ口 15…断熱材 16…通気用の隙間 17…前脚部材 18…後脚部材 19…ヒンジ部材 20…扉体 21…内枠 22…開口 23…保持プレート 24…圧縮ばね 26…通気用の隙間 27…通気口 28…通気口 29…ハンドル 31…加熱部 32…温度センサ 40…操作用ボックス 41…表示手段 42…操作パネル(操作手段) 43…カウンタ 44…ブレーカ 45…正面壁 46…側壁 47…仕切板 48…通気用の隙間 49…通気口 50…制御部 52…焼成再開手段 53…記憶部 60…給電部 61…仕切板 62…支持ブラケット 111…正面壁 112…底部 121…周縁部 122…貫通孔 151…側部断熱材 152…側壁溝 153…天井部断熱材 154…天井溝 171…下端部 172…受け皿部 191…ストライカ 192…施錠部材 193…リミットスイッチ 194…ソレノイド 201…正面部 202…箱枠 203…反射面 212…ねじ部材 214…通気口 221…周縁部 231…放熱フィン 251…表側の断熱材 252…中間の断熱材 253…裏側の断熱材 291…ラッチ部材 292…巻きばね 293…解除レバー 295…ブラケット 296…枢軸 297…ストッパ 421…コース選択スイッチ 422…確認スイッチ 423…焼成/停止スイッチ 2530…断熱片 2531…1段目の裏面部 2532…2段目の裏面部 2533…3段目の裏面部 2911…被検知端

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉本体内の作品を焼成するようにした陶芸
    用炉の扉装置において、 箱状に形成された扉体と、当該扉体に嵌装される内枠
    と、当該内枠に嵌合する断熱材と、当該断熱材を付勢す
    る付勢手段とを備え、 前記付勢手段は、前記炉本体に開設された出し入れ口を
    前記扉体が閉じた状態で、当該出し入れ口の周縁部に前
    記断熱材を弾撥的に当接するものであることを特徴とす
    る陶芸用炉の扉装置。
  2. 【請求項2】前記扉体の周壁を成す箱枠と前記内枠との
    間並びに、前記扉体の底を成す正面部と前記断熱材との
    間に通気用の隙間が形成されており、 前記扉体は、前記通気用の隙間を外気に連通する通気口
    を有していることを特徴とする請求項1に記載の陶芸用
    炉の扉装置。
  3. 【請求項3】前記付勢手段は、前記内枠に設けられた圧
    縮ばねを有し、 前記圧縮ばねと断熱材との間には、前記断熱材を保持す
    るための保持プレートが介在しており、 前記圧縮ばねは、炉本体に開設された出し入れ口を前記
    扉体が閉じた状態で、当該出し入れ口の周縁部に前記断
    熱材を前記保持プレートを介して弾撥的に当接するもの
    であり、 前記扉体の周壁を成す箱枠と前記内枠との間並びに、前
    記扉体の底を成す正面部と前記保持プレートとの間に通
    気用の隙間が形成されており、 前記扉体は、前記通気用の隙間を外気に連通する通気口
    を有していることを特徴とする請求項1に記載の陶芸用
    炉の扉装置。
  4. 【請求項4】前記断熱材あるいは前記保持プレートに前
    記通気用の隙間を間にして対向する前記扉体の正面部の
    裏面は、熱を反射するための反射面に成っていることを
    特徴とする請求項2または3に記載の陶芸用炉の扉装
    置。
  5. 【請求項5】前記保持プレートは放熱フィンを有してお
    り、 前記放熱フィンは、前記保持プレートと前記扉体の正面
    部の裏面との間の通気用の隙間へ突出し、かつ、上下方
    向にのみ延ばされていることを特徴とする請求項3に記
    載の陶芸用炉の扉装置。
  6. 【請求項6】前記断熱材は、前記炉本体の内部に向かっ
    て複数の層になるように重ねられていることを特徴とす
    る請求項1、2または3に記載の陶芸用炉の扉装置。
  7. 【請求項7】前記断熱材は、平板状のものを複数本の長
    尺の断熱片に切断し、当該長尺の断熱片を並べて成るも
    のであることを特徴とする請求項1、2または3に記載
    の陶芸用炉の扉装置。
  8. 【請求項8】前記断熱材は、平板状のものを複数本の長
    尺の断熱片に切断し、当該長尺の断熱片をその長手方向
    を上下方向にし、その切断した面を炉本体の内部へ向け
    るようにして、水平方向に並べて成るものであることを
    特徴とする請求項1、2または3に記載の陶芸用炉の扉
    装置。
  9. 【請求項9】前記複数本の長尺の断熱片に切断して成る
    断熱材は、前記炉本体の内部に向かって複数の層になる
    ように重ねられたものの中で、少なくとも前記炉本体の
    内部に最も近いものであることを特徴とする請求項7ま
    たは8に記載の陶芸用炉の扉装置。
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