JP2001303161A - アルミニウム合金製ブレージングシート - Google Patents
アルミニウム合金製ブレージングシートInfo
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Abstract
れたアルミニウム合金製ブレージングシートを提供す
る。 【解決手段】 アルミニウム合金製ブレージングシート
は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる心材の
少なくとも一方の面上にはアルミニウム合金からなるろ
う材がクラッドされている。そして、少なくとも一方の
ろう材は、Si:7乃至15質量%及びMg:0.5乃
至2質量%を含有し、残部がアルミニウム及び不可避的
不純物からなる組成を有し、更に、このろう材の単位面
当たりのMg量が1乃至3g/m2となるようにクラッ
ドされている。
Description
時においてアルミニウム又はアルミニウム合金材のろう
付時に使用されるアルミニウム合金製ブレージングシー
トに関し、特に真空ろう付性が優れたアルミニウム合金
製ブレージングシートに関する。
はアルミニウム合金製熱交換器等には、Al−Mn系合
金又はAl−Mn−Cu系合金若しくはAl−Mn−C
u−Mg系合金材等からなる心材の片面又は両面上にA
l−Si−Mg系合金ろう材をクラッドしたブレージン
グシートが使用されている。
ているため、真空ろう付法によってアルミニウム又はア
ルミニウム合金からなるブレージングシートをろう付す
る際、ブレージングシートは、ろう付に必要とするろう
以上の余剰なろうをなくす必要がある。必要最低限のろ
うでろう付けするためには、ろう材のぬれ性能がより重
要となる。
ブレージングシートではぬれ性が不十分なため、ろう付
けされるアルミニウム又はアルミニウム合金からなるブ
レージングシート間の間隙(クリアランス)をろう材に
よって十分に充填することが困難であり、これにより、
ろう付欠陥が発生する場合がある。
いるため、平面同士のろう付接合ではなく、ろう付接合
部の形状が複雑化している。このように、製品の形状が
複雑になるほど、ろう付けされるブレージングシート間
の間隙が一定ではなくなるため、ろう付欠陥が発生しや
すくなる。更に、従来のろう材を使用すると、ろう付け
時に、例えばろう付温度の低温部又は真空度の増大等の
ろう付条件によっては、ろう付欠陥が発生しやすくなる
という問題点がある。
のであって、ろう材のぬれ性能が高く、真空ろう付性が
優れたアルミニウム合金製ブレージングシートを提供す
ることを目的とする。
ム合金製ブレージングシートは、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる心材と、この心材の少なくとも一
方の面上にクラッドされたアルミニウム合金からなるろ
う材とを有するブレージングシートにおいて、心材の少
なくとも一方の面上のろう材は、Si:7乃至15質量
%及びMg:0.5乃至2質量%を含有し、残部がアル
ミニウム及び不可避的不純物からなる組成を有し、前記
ろう材の単位面積当たりのMg量が1乃至3g/m2で
あることを特徴とする。
Bi:0.03乃至0.2質量%、Sr:0.03乃至
0.3質量%、及びBa:0.02乃至0.2質量%か
らなる群から選択された1種又は2種以上の金属を含有
してもよい。
細に説明する。本願発明者等は上述の課題を解決すべく
鋭意実験研究した結果、ろう付時において、ろう材の表
面酸化皮膜の破壊作用を適正化させるためには、ろう材
への添加量としてのMg含有量だけではなく、クラッド
厚さを考慮し、Mgの総量を制御する必要があることを
知見した。また、ろう材の表面張力を適切に低下させ、
ろう材のぬれ性を向上させると共に、更に、ろう材を均
一に溶解させてろう材の流動性を最適化することによ
り、ろう材及びアルミニウム合金ブレージングシートの
ろう付性を向上させることができることを見出した。
Al合金からなる心材の一方又は両面上に心材がクラッ
ドされている。そして、少なくとも一方のろう材は、S
i及びMgを所定の量含有し、更に必要に応じてBi、
Sr及びBaのうち1種以上を適切な量含有するAl合
金からなり、且つ、ろう材の単位面積当たりのMg量が
1乃至3g/m2となるようにクラッドされている。
レージングシートのろう材に含有する化学成分及び数値
理由について説明する。
性を有するろう材を得るための基本成分である。ろう材
中のSi含有量が7質量%未満であると、ろう材の融点
が高くなり、所定の流動性を得ることができず、ろう付
性が低下する。一方、ろう材中のSiが15質量%を超
えると、融点が高くなり、所定の流動性を得ることがで
きない。また、粗大な初晶Siが生成されるため、加工
性が阻害される。従って、ろう材のSi含有量は7乃至
15質量%とする。
%、且つ、ろう材単位面積当たりのMg量が1乃至3g
/m2 Mgはろう材中に添加されることにより、ろう付時に蒸
発し、表面の酸化皮膜を破壊し、ろうのぬれ性を向上さ
せる。また、蒸発したMgは、炉内に残留して水及び酸
素と結合するゲッター作用により真空度を向上させ、ろ
う付性を向上させる。ろう材中のMg含有量が0.5質
量%未満及びろう材の単位面積当たりのMg量が1g/
m2未満であると、前記ぬれ性向上効果及びゲッター作
用が十分得られない。一方、Mg含有量が2質量%を超
え、且つ、ろう材の単位面積当たりのMg量が3g/m
2を超えると、ぬれ性向上効果及びゲッター作用が飽和
するばかりでなく、熱交換器の半密閉空間内面部におい
てはろう付部にMg系の酸化皮膜が増加してしまうた
め、ろう付性を低下させる。従って、ろう材中のMg含
有量は0.5乃至2質量%、且つ一方のろう材の単位面
積当たりのMg量が1乃至3g/m2とする。
量は、ろう材のMg含有量及びろう材のクラッド率によ
って調節することができる。
を向上させ、また、ろう材の表面張力を低下させる効果
を有し、これにより、ぬれ性を向上させてろう付性を向
上させることができる。しかし、ろう材中のBi含有量
が0.03質量%未満であると、前記作用が十分でな
く、0.2質量%を超えると、前記ろう付性を向上させ
る作用が飽和すると共に、原料コストの上昇を招く。ま
た、ろう材の加工性が劣化する。従って、ろう材中のB
i含有量は0.03乃至0.2質量%とする。
iを微細化する効果を有する。共晶Siが微細化される
ことにより、ろう付時にろう材が均一に溶解するので、
ろう付性を向上させることができる。しかし、ろう材中
のSr含有量が0.03質量%未満であると、上記作用
を得られない。一方、Sr含有量が0.3質量%を超え
ると、ろう材中の共晶Siを微細化する効果が飽和し、
ろう付性を向上させる効果が飽和し、原料コストの上昇
を招く。また、粗大な化合物が生成してろう材の加工性
が阻害されることがある。従って、ろう材中のSr含有
量は、0.03乃至0.3質量%とする。
り、ろう材の表面張力を大きく低下させる効果を有して
いることを知見し、これにより、ぬれ性を向上させてろ
う付性を向上させることができることを見出した。ろう
材中のBa含有量が0.005質量%未満では、上記作
用が十分でなく、0.2質量%を超えると、ろう付性を
向上させる効果が飽和すると共に原料コストの上昇を招
く。従って、ろう材中のBa含有量は0.005乃至
0.2質量%とする。
分の効果を損ねない程度の範囲でろう材中に不純物が含
有されていてもよい。例えば、Feは通常、アルミニウ
ム地金中に不純物として含有される。特に、本発明のア
ルミニウム合金からなるろう材は、Si含有量が高いA
l−Si合金からなるものであるので、Si地金からろ
う材中にFeが大量に混入する。通常、Siを7乃至1
5質量%含有するアルミニウム合金中には、Feが約
0.3質量%程度含有されており、本発明においても、
Fe含有量が0.8質量%以下であれば、本発明の効果
に悪影響を及ぼさない。
ングシートを実際に製造し、本発明範囲から外れる比較
例と比較してその効果について説明する。
03合金からなる心材の両面に、下記表2及び表3の化
学組成を有し、残部がアルミニウムからなるアルミニウ
ム合金のろう材を用意し、このろう材のクラッド率及び
心材板厚を調整することにより、両面に形成した各ろう
材の単位面積当たりのMg量が下記表2に示す値になる
ろう材を有し、板厚が0.4mmであるO材のブレージ
ングシートを製造した。
イズに切断し、プレス成形することにより、ろう付試験
用のカップ試験片を作製した。図1(a)は、ろう付用
のカップ試験片の成形形状及びサイズを示す平面図であ
り、(b)はその断面図である。図1(a)及び図1
(b)に示すように、カップ試験片1は、容器部分とな
る直径33mmの円形の凹部10の底面に直径10mm
の穴11を形成し、凹部10の縁部周囲にへり12を形
成して凹部10の底面側へ折り曲げた。ろう付けされる
凹部10の縁部からへりの折り曲げ部までの距離が4m
m、また、へり12の折り曲げ部13の長さは3mmと
した。
す模式的断面図、図2(b)は、図2(a)のろう付時
の接合部Aを拡大して示す模式的断面図である。カップ
試験片1の形成後、図2(a)に示すように、得られた
カップ試験片1同士のへり12を重ね合わせ、真空度1
×10-2Pa、605℃の温度に加熱し、カップ試験片
1の温度を605℃に加熱した状態で3分間保持するこ
とにより、ろう付熱処理を実施した。その後、ろう付に
より、得られたカップろう付材の接合部Aについて、ろ
う付性を評価した。評価は、図2(b)に示すように、
カップ内面側接合部14及び外面側接合部15のフィレ
ットの形成状態(フィレット巾L)を金属顕微鏡で断面
観察し、フィレット幅Lを測定して行った。内面及び外
面共にフィレット巾Lが0.5mm以上であったものの
総合評価を良好(○)とし、内面又は外面の内いずれか
一方でもフィレット巾Lが0.5mm未満であったもの
は、不良(×)とした。これらの評価結果を下記表4及
び表5に示す。
ろう材の組成が本発明範囲内であり、且つろう材の単位
面積当たりのMg量が本発明範囲内であるので、カップ
の内外面共にフィレット形成は良好であり、優れたろう
付性を示した。ここで、実施例9乃至23は、ろう材中
にBi、Sr、Baが含有されており、その含有量が本
発明範囲内であるので、フィレット形成は更に良好とな
り、優れたろう付性を示した。例えば、実施例9及び1
0は、実施例3の組成に更にBiが添加されているた
め、実施例13及び14は、実施例3の組成に更にSr
が添加されているため、また、実施例16及び17は、
実施例3の組成に更にBaが添加されているため、夫々
実施例3と比べて、ろう付性が更に向上している。
Si含有量が本発明範囲から外れているため、流動性が
低下して良好なろう付性を得ることができなかった。比
較例26及び27は、ろう材中のMg含有量が本発明範
囲から外れているため、良好なろう付特性を得ることが
できなかった。
有量が本発明範囲の上限を超えているため、ろう材板作
製時の圧延加工性が低下し、正常なろう材が作製できな
かった。
発明範囲内であるが、一方のろう材の単位面積当たりの
Mg量が本発明範囲から外れるため、良好なろう付性を
得ることができなかった。
ば、ろう材中の化学成分及び組成を適正量に規定し、且
つ、ろう材の単位面積当たりのMg量が適切に規制され
ているので、ブレージングシートのろう付け時に、ろう
材のぬれ性能が高く、真空ろう付性が優れている。ま
た、ろう材中に所定量のBi、Sr、及びBaを含有さ
せると、ろう付性を更に高めることができる。
及びサイズを示す平面図であり、(b)はその断面図で
ある。
断面図、(b)はろう付時の接合部を拡大して示す模式
的断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
なる心材と、この心材の少なくとも一方の面上にクラッ
ドされたアルミニウム合金からなるろう材とを有するブ
レージングシートにおいて、心材の少なくとも一方の面
上のろう材は、Si:7乃至15質量%及びMg:0.
5乃至2質量%を含有し、残部がアルミニウム及び不可
避的不純物からなる組成を有し、前記ろう材の単位面積
当たりのMg量が1乃至3g/m2であることを特徴と
するアルミニウム合金製ブレージングシート。 - 【請求項2】 前記ろう材は、更に、Bi:0.03乃
至0.2質量%、Sr:0.03乃至0.3質量%、及
びBa:0.02乃至0.2質量%からなる群から選択
された1種又は2種以上の金属を含有することを特徴と
する請求項1に記載のアルミニウム合金製ブレージング
シート。
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- 2000-04-20 JP JP2000119669A patent/JP3736608B2/ja not_active Expired - Lifetime
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