JP2001302658A - 3−イソクロマノン類の製造方法 - Google Patents
3−イソクロマノン類の製造方法Info
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- JP2001302658A JP2001302658A JP2000115967A JP2000115967A JP2001302658A JP 2001302658 A JP2001302658 A JP 2001302658A JP 2000115967 A JP2000115967 A JP 2000115967A JP 2000115967 A JP2000115967 A JP 2000115967A JP 2001302658 A JP2001302658 A JP 2001302658A
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 一般式(IV)で示される3−イソクロマノン
類の工業的に有利な製造方法を提供すること。3−イソ
クロマノン類製造用中間体の一般式(I)で示されるジ
エステル化合物、一般式(II)で示されるモノエステル
化合物及び一般式(III)で示されるベンジルシアニド
化合物の製造方法を提供すること。 【解決手段】 一般式(I)の芳香族ジエステル化合物
をハロゲン化水素と反応させて一般式(II)の芳香族モ
ノエステル化合物を調製し、次いで金属シアン化物と反
応させて一般式(III)のベンジルシアニド化合物を調
製し、さらに加水分解することを特徴とする3−イソク
ロマノン類の製造方法を提供する。
類の工業的に有利な製造方法を提供すること。3−イソ
クロマノン類製造用中間体の一般式(I)で示されるジ
エステル化合物、一般式(II)で示されるモノエステル
化合物及び一般式(III)で示されるベンジルシアニド
化合物の製造方法を提供すること。 【解決手段】 一般式(I)の芳香族ジエステル化合物
をハロゲン化水素と反応させて一般式(II)の芳香族モ
ノエステル化合物を調製し、次いで金属シアン化物と反
応させて一般式(III)のベンジルシアニド化合物を調
製し、さらに加水分解することを特徴とする3−イソク
ロマノン類の製造方法を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬などの
中間体として有用な3−イソクロマノン類の製造方法及
びその製造工程に用いられる中間体の製造方法に関す
る。
中間体として有用な3−イソクロマノン類の製造方法及
びその製造工程に用いられる中間体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般式(IV)で示される3−イソクロマ
ノン類の製造方法としてはいくつか提案されている。例
えば、特開平9−67364号公報にはα,α’−ジハ
ロゲノオルソキシレンを水酸化ナトリウム等のハロゲン
化水素補足剤とパラジウム等の錯体触媒の存在下で一酸
化炭素及び水と反応させる方法が開示されている。A.
Cowellらは、パラジウム錯体触媒の存在下o−ブ
ロモメチルベンジルアルコールと一酸化炭素を反応させ
ることで3−イソクロマノンを得ている(J.Am.C
hem.Soc.,1980,102,4191)。ま
た2−インダノンのバイヤー・ビリガー酸化反応により
3−イソクロマノン類を合成する方法もいくつか提案さ
れている(Synthesis,1981,818、S
ynthesis,1987,497)。F.G.Ma
nnらはα−メトキシ−α’−シアノオルソキシレンを
硫酸水溶液中で反応させる方法により3−イソクロマノ
ンを合成している(J.Chem.Soc.1954,
2819)。また、U.Azzenaらは、フタランを
金属リチウムにより開環し、さらに二酸化炭素と反応、
加水分解することにより3−イソクロマノンを合成して
いる(Tetrahedron Lett.1995,
36,8123)。
ノン類の製造方法としてはいくつか提案されている。例
えば、特開平9−67364号公報にはα,α’−ジハ
ロゲノオルソキシレンを水酸化ナトリウム等のハロゲン
化水素補足剤とパラジウム等の錯体触媒の存在下で一酸
化炭素及び水と反応させる方法が開示されている。A.
Cowellらは、パラジウム錯体触媒の存在下o−ブ
ロモメチルベンジルアルコールと一酸化炭素を反応させ
ることで3−イソクロマノンを得ている(J.Am.C
hem.Soc.,1980,102,4191)。ま
た2−インダノンのバイヤー・ビリガー酸化反応により
3−イソクロマノン類を合成する方法もいくつか提案さ
れている(Synthesis,1981,818、S
ynthesis,1987,497)。F.G.Ma
nnらはα−メトキシ−α’−シアノオルソキシレンを
硫酸水溶液中で反応させる方法により3−イソクロマノ
ンを合成している(J.Chem.Soc.1954,
2819)。また、U.Azzenaらは、フタランを
金属リチウムにより開環し、さらに二酸化炭素と反応、
加水分解することにより3−イソクロマノンを合成して
いる(Tetrahedron Lett.1995,
36,8123)。
【0003】しかしながら、これらの方法は出発物質が
入手困難であったり、高価な触媒を用いたり、収率が低
い等の理由から工業的に有用な方法とは言い難い。
入手困難であったり、高価な触媒を用いたり、収率が低
い等の理由から工業的に有用な方法とは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
一般式(IV)で示される3−イソクロマノン類を工業的
に有利な方法で製造することにある。また、本発明の他
の目的は,3−イソクロマノン類製造用中間体として重
要な一般式(I)で示されるジエステル化合物、一般式(I
I)で示されるモノエステル化合物及び一般式(III)で
示されるベンジルシアニド化合物の製造方法を提供する
ことにある。
一般式(IV)で示される3−イソクロマノン類を工業的
に有利な方法で製造することにある。また、本発明の他
の目的は,3−イソクロマノン類製造用中間体として重
要な一般式(I)で示されるジエステル化合物、一般式(I
I)で示されるモノエステル化合物及び一般式(III)で
示されるベンジルシアニド化合物の製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、 [1] 下記一般式(I)、一般式(I)
【化14】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるジエステル化合物をハロゲン化水素と
反応させて下記一般式(II)、一般式(II)、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるジエステル化合物をハロゲン化水素と
反応させて下記一般式(II)、一般式(II)、
【化15】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物を調製し、次いで前記一般式(II)で示されるモ
ノエステル化合物を金属シアン化物と反応させて下記一
般式(III)、一般式(III)
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物を調製し、次いで前記一般式(II)で示されるモ
ノエステル化合物を金属シアン化物と反応させて下記一
般式(III)、一般式(III)
【化16】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物を調製し、さ
らに前記一般式(III)で示されるベンジルシアニド化合
物を加水分解し下記一般式(IV)、一般式(IV)
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物を調製し、さ
らに前記一般式(III)で示されるベンジルシアニド化合
物を加水分解し下記一般式(IV)、一般式(IV)
【化17】 (式中、R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整
数を表す。)で示される3−イソクロマノン類を得る工
程からなることを特徴とする3−イソクロマノン類の製
造方法。 [2] 下記一般式(I)、一般式(I)
アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整
数を表す。)で示される3−イソクロマノン類を得る工
程からなることを特徴とする3−イソクロマノン類の製
造方法。 [2] 下記一般式(I)、一般式(I)
【化18】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるジエステル化合物をハロゲン化水素と
反応させることを特徴とする一般式、一般式(II)
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるジエステル化合物をハロゲン化水素と
反応させることを特徴とする一般式、一般式(II)
【化19】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物の製造方法。 [3] 下記一般式(II)、一般式(II)
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物の製造方法。 [3] 下記一般式(II)、一般式(II)
【化20】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物を金属シアン化物と反応させることを特徴とす
る下記一般式(III)、一般式(III)
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物を金属シアン化物と反応させることを特徴とす
る下記一般式(III)、一般式(III)
【化21】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物の製造方法。 [4] 金属シアン化物が、アルカリ金属のシアン化物で
ある[3]に記載のベンジルシアニド化合物の製造方法。 [5] [2]に記載の製造方法により得られるモノエステル
化合物を用いることを特徴とする[3]または[4]に記載の
ベンジルシアニド化合物の製造方法。
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物の製造方法。 [4] 金属シアン化物が、アルカリ金属のシアン化物で
ある[3]に記載のベンジルシアニド化合物の製造方法。 [5] [2]に記載の製造方法により得られるモノエステル
化合物を用いることを特徴とする[3]または[4]に記載の
ベンジルシアニド化合物の製造方法。
【0006】[6] 下記一般式(III)、一般式(III)
【化22】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物を加水分解す
ることを特徴とする下記一般式(IV)、一般式(IV)
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物を加水分解す
ることを特徴とする下記一般式(IV)、一般式(IV)
【化23】 (式中、R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整
数を表す。)で示される3−イソクロマノン類の製造方
法。 [7] 加水分解を、酸の存在下で行うことを特徴とする
[6]に記載の3−イソクロマノン類の製造方法。 [8] 加水分解を、アルカリ存在下で行い、次いで酸の
存在下で分子内環化することを特徴とする[6]に記載の
3−イソクロマノン類の製造方法。 [9] [4]または[5]に記載の製造方法により得られるベ
ンジルシアニド化合物を用いることを特徴とする[6]〜
[8]に記載の3−イソクロマノン類の製造方法。 [10] アルカリの存在下、下記一般式(V)、一般式(V)
アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整
数を表す。)で示される3−イソクロマノン類の製造方
法。 [7] 加水分解を、酸の存在下で行うことを特徴とする
[6]に記載の3−イソクロマノン類の製造方法。 [8] 加水分解を、アルカリ存在下で行い、次いで酸の
存在下で分子内環化することを特徴とする[6]に記載の
3−イソクロマノン類の製造方法。 [9] [4]または[5]に記載の製造方法により得られるベ
ンジルシアニド化合物を用いることを特徴とする[6]〜
[8]に記載の3−イソクロマノン類の製造方法。 [10] アルカリの存在下、下記一般式(V)、一般式(V)
【化24】 (式中R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアル
キル基またはカルボキシル基を、Xはハロゲン原子を表
し、nは0〜4の整数を表す。ただしnが2以上の場
合、R2は異なっていてもよい。)で示されるα,α’
−ジハロゲノオルトキシレン化合物と下記一般式(VI)、
一般式(VI)
ルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアル
キル基またはカルボキシル基を、Xはハロゲン原子を表
し、nは0〜4の整数を表す。ただしnが2以上の場
合、R2は異なっていてもよい。)で示されるα,α’
−ジハロゲノオルトキシレン化合物と下記一般式(VI)、
一般式(VI)
【化25】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表
す。)で示されるカルボン酸を相間移動触媒を用いて反
応させることを特徴とする下記一般式(I)、一般式(I)
す。)で示されるカルボン酸を相間移動触媒を用いて反
応させることを特徴とする下記一般式(I)、一般式(I)
【化26】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す)で示されるジエステル化合物の製造方法。 [11] 相間移動触媒が、4級アンモニウム塩である[10]
に記載のジエステル化合物の製造方法。 [12] [10]または[11]に記載の製造方法により得られる
ジエステル化合物を用いることを特徴とする[1]に記載
の3−イソクロマノン類の製造方法。が提供される。
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す)で示されるジエステル化合物の製造方法。 [11] 相間移動触媒が、4級アンモニウム塩である[10]
に記載のジエステル化合物の製造方法。 [12] [10]または[11]に記載の製造方法により得られる
ジエステル化合物を用いることを特徴とする[1]に記載
の3−イソクロマノン類の製造方法。が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。本発明
の3−イソクロマノン類は、一般式(I)で示されるα,
α’−ジハロゲノオルトキシレンを出発原料として、一
般式(II)で示されるジエステル化合物、一般式(II
I)で示されるモノエステル化合物及び一般式(III)で
示されるベンジルシアニド化合物の中間体を経由して製
造される。各々の中間体の製造方法並びに最終生成物で
ある3−イソクロマノン類の製造方法につき以下に説明
する。
の3−イソクロマノン類は、一般式(I)で示されるα,
α’−ジハロゲノオルトキシレンを出発原料として、一
般式(II)で示されるジエステル化合物、一般式(II
I)で示されるモノエステル化合物及び一般式(III)で
示されるベンジルシアニド化合物の中間体を経由して製
造される。各々の中間体の製造方法並びに最終生成物で
ある3−イソクロマノン類の製造方法につき以下に説明
する。
【0008】ジエステル化合物(I)の製造 前記一般式(I)で示されるジエステル化合物は下記一
般式(V)、一般式(V)
般式(V)、一般式(V)
【化27】 (式中R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアル
キル基またはカルボキシル基を、Xはハロゲン原子を表
し、nは0〜4の整数を表す。ただしnが2以上の場
合、R2は異なっていてもよい。)で示されるα,α’
−ジハロゲノオルトキシレン化合物と下記一般式(V
I)、一般式(VI)
ルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアル
キル基またはカルボキシル基を、Xはハロゲン原子を表
し、nは0〜4の整数を表す。ただしnが2以上の場
合、R2は異なっていてもよい。)で示されるα,α’
−ジハロゲノオルトキシレン化合物と下記一般式(V
I)、一般式(VI)
【化28】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表
す。)で示されるカルボン酸をアルカリの存在下でエス
テル化反応することで製造できる。
す。)で示されるカルボン酸をアルカリの存在下でエス
テル化反応することで製造できる。
【0009】使用するアルカリは特に制限はないが、ア
ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物が一般
的に使用される。一般式(VI)で示されるカルボン酸と
アルカリをそれぞれ加えても、カルボン酸のアルカリ塩
という形で加えてもよい。カルボン酸及びアルカリは、
各々独立にα,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物
に対して1〜3当量使用される。反応温度は特に制限は
ないが、室温以上150℃以下の温度で実施することが
望ましい。
ルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物が一般
的に使用される。一般式(VI)で示されるカルボン酸と
アルカリをそれぞれ加えても、カルボン酸のアルカリ塩
という形で加えてもよい。カルボン酸及びアルカリは、
各々独立にα,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物
に対して1〜3当量使用される。反応温度は特に制限は
ないが、室温以上150℃以下の温度で実施することが
望ましい。
【0010】反応条件によっては、エステル化反応の生
成物は、目的の一般式(I)で示されるジエステル化合
物と片側のみがエステル化された一般式(II)で示され
るモノエステル化合物の混合物となるが、このモノエス
テル化合物は本出願の主旨に沿えば有効成分である。
成物は、目的の一般式(I)で示されるジエステル化合
物と片側のみがエステル化された一般式(II)で示され
るモノエステル化合物の混合物となるが、このモノエス
テル化合物は本出願の主旨に沿えば有効成分である。
【0011】使用されるカルボン酸あるいはアルカリが
α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物に対して1
当量未満の場合は原料のα,α’−ジハロゲノオルトキ
シレン化合物が未反応で残るため好ましくない。
α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物に対して1
当量未満の場合は原料のα,α’−ジハロゲノオルトキ
シレン化合物が未反応で残るため好ましくない。
【0012】反応は有機溶媒を使用しても良いが、有機
溶媒を使用せず、α,α’−ジハロゲノオルトキシレン
化合物とカルボン酸アルカリ塩を含有する水溶液を混合
しても良い。α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合
物とカルボン酸アルカリ塩を含有する水溶液を混合する
場合は例えば4級アンモニウム塩のような相間移動触媒
を使用すると反応の進行が早い。反応終了後、得られた
ジエステル化合物の反応溶液から、蒸留、抽出等により
ジエステル化合物を精製しても良いが、反応溶液のま
ま、あるいは反応溶液から水層を分離した有機層をその
まま、次工程に使用する方がプロセスが簡略化されるた
め望ましい。モノエステル化合物(II)の製造 一般式(I)で示されるジエステル化合物をハロゲン化
水素と反応させることによって一般式(II)で示される
モノエステル化合物を製造することができる。ハロゲン
化水素としては塩化水素、臭化水素が例示される。これ
らのハロゲン化水素はそのままでも、あるいは水溶液と
しても使用できる。反応温度は特に制限はないが、室温
以上150℃以下の温度で実施することが望ましい。ハ
ロゲン化水素の使用量はジエステル化合物とモノエステ
ル化合物の合計に対して1〜5倍モルが望ましい。さら
に望ましくは1.5〜3.5倍モルである。ハロゲン化
水素の量が少ないと反応が遅く、多いと反応が過剰に進
行するためα,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物
が生成し反応成績が低下する。この反応においては目的
とするモノエステル化合物(II)が主に生成し、モノエ
ステル化合物(II)のエステルが加水分解された一般式
(VII)
溶媒を使用せず、α,α’−ジハロゲノオルトキシレン
化合物とカルボン酸アルカリ塩を含有する水溶液を混合
しても良い。α,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合
物とカルボン酸アルカリ塩を含有する水溶液を混合する
場合は例えば4級アンモニウム塩のような相間移動触媒
を使用すると反応の進行が早い。反応終了後、得られた
ジエステル化合物の反応溶液から、蒸留、抽出等により
ジエステル化合物を精製しても良いが、反応溶液のま
ま、あるいは反応溶液から水層を分離した有機層をその
まま、次工程に使用する方がプロセスが簡略化されるた
め望ましい。モノエステル化合物(II)の製造 一般式(I)で示されるジエステル化合物をハロゲン化
水素と反応させることによって一般式(II)で示される
モノエステル化合物を製造することができる。ハロゲン
化水素としては塩化水素、臭化水素が例示される。これ
らのハロゲン化水素はそのままでも、あるいは水溶液と
しても使用できる。反応温度は特に制限はないが、室温
以上150℃以下の温度で実施することが望ましい。ハ
ロゲン化水素の使用量はジエステル化合物とモノエステ
ル化合物の合計に対して1〜5倍モルが望ましい。さら
に望ましくは1.5〜3.5倍モルである。ハロゲン化
水素の量が少ないと反応が遅く、多いと反応が過剰に進
行するためα,α’−ジハロゲノオルトキシレン化合物
が生成し反応成績が低下する。この反応においては目的
とするモノエステル化合物(II)が主に生成し、モノエ
ステル化合物(II)のエステルが加水分解された一般式
(VII)
【化29】 で示される2−(クロロメチル)ベンゼンメタノール類
が生成するが、この化合物は本出願の主旨に沿えば有効
成分である。反応終了後は反応溶液から、蒸留、抽出等
によってモノエステル化合物を精製しても良いが、反応
溶液そのまま、あるいは水層と分離した有機層を次工程
に使用する方がプロセスが簡略化されるため望ましい。
が生成するが、この化合物は本出願の主旨に沿えば有効
成分である。反応終了後は反応溶液から、蒸留、抽出等
によってモノエステル化合物を精製しても良いが、反応
溶液そのまま、あるいは水層と分離した有機層を次工程
に使用する方がプロセスが簡略化されるため望ましい。
【0013】ベンジルシアニド化合物(III)の製造 一般式(II)で示されるモノエステル化合物を金属シア
ン化物と反応させることによって一般式(III)で示さ
れるベンジルシアニド化合物を製造することができる。
金属シアン化物としてはシアン化ナトリウム、シアン化
カリウム等が例示される。金属シアン化物は固形あるい
は水溶液のいずれの状態でも使用できる。反応温度は特
に制限はないが、室温以上150℃以下の温度で実施す
ることが望ましい。反応条件によっては一般式(IIX)
ン化物と反応させることによって一般式(III)で示さ
れるベンジルシアニド化合物を製造することができる。
金属シアン化物としてはシアン化ナトリウム、シアン化
カリウム等が例示される。金属シアン化物は固形あるい
は水溶液のいずれの状態でも使用できる。反応温度は特
に制限はないが、室温以上150℃以下の温度で実施す
ることが望ましい。反応条件によっては一般式(IIX)
【化30】 (式中Yは−OCOR1あるいは−OHを表し、Zは−
CN、−CONH2あるいは−COOHかその塩を表
す。ただし、Yが−OCOR1の場合はZは−CNでは
ない。)で示されるベンジルシアニド化合物(III)の
エステルやニトリルが加水分解を受けた化合物が生成す
るが、これらは本出願の主旨に沿えば有効成分である。
この反応に4級アンモニウム塩のような相間移動触媒を
使用することは反応進行を早める効果がある。反応終了
後は蒸留、抽出等によって精製しても良いが、そのま
ま、あるいは水層と分離した有機層をそのまま次工程に
使用する方がプロセスが簡略化されるため望ましい。
CN、−CONH2あるいは−COOHかその塩を表
す。ただし、Yが−OCOR1の場合はZは−CNでは
ない。)で示されるベンジルシアニド化合物(III)の
エステルやニトリルが加水分解を受けた化合物が生成す
るが、これらは本出願の主旨に沿えば有効成分である。
この反応に4級アンモニウム塩のような相間移動触媒を
使用することは反応進行を早める効果がある。反応終了
後は蒸留、抽出等によって精製しても良いが、そのま
ま、あるいは水層と分離した有機層をそのまま次工程に
使用する方がプロセスが簡略化されるため望ましい。
【0014】3−イソクロマノン類(IV)の製造 一般式(III)で示されるベンジルシアニド化合物を加
水分解、環化することによって一般式(IV)で示される
3−イソクロマノン類を製造することができる。ベンジ
ルシアニド化合物(III)をアルカリで加水分解した
後、酸を加えることによって環化して3−イソクロマノ
ン類(IV)を製造することができる。あるいは、ベンジ
ルシアニド化合物(III)に酸を加えて加水分解と環化
を同時に行って3−イソクロマノン類(IV)を製造する
ことも可能である。アルカリ存在下での加水分解で使用
されるアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が例示
される。使用するアルカリは固形あるいは水溶液いずれ
の状態でも使用できる。アルカリによる加水分解にはベ
ンジルシアニド化合物に対して等モル以上の水が必要で
ある。アルカリ加水分解に続く環化に使用される酸とし
ては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素等が例示され
る。使用する酸は水溶液で使用してもよいが、塩化水
素、臭化水素等はガスとして供給することもできる。ア
ルカリ加水分解の生成物を単離せずにそのまま環化反応
を行うことも可能である。
水分解、環化することによって一般式(IV)で示される
3−イソクロマノン類を製造することができる。ベンジ
ルシアニド化合物(III)をアルカリで加水分解した
後、酸を加えることによって環化して3−イソクロマノ
ン類(IV)を製造することができる。あるいは、ベンジ
ルシアニド化合物(III)に酸を加えて加水分解と環化
を同時に行って3−イソクロマノン類(IV)を製造する
ことも可能である。アルカリ存在下での加水分解で使用
されるアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が例示
される。使用するアルカリは固形あるいは水溶液いずれ
の状態でも使用できる。アルカリによる加水分解にはベ
ンジルシアニド化合物に対して等モル以上の水が必要で
ある。アルカリ加水分解に続く環化に使用される酸とし
ては塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素等が例示され
る。使用する酸は水溶液で使用してもよいが、塩化水
素、臭化水素等はガスとして供給することもできる。ア
ルカリ加水分解の生成物を単離せずにそのまま環化反応
を行うことも可能である。
【0015】酸の存在下で加水分解と環化を同時に行う
場合に使用される酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、臭化水素が例示される。使用する酸は水溶液で使用
してもよいが、塩化水素、臭化水素等はガスとして供給
することもできる。また、水の添加量はベンジルシアニ
ド化合物に対して2倍モル以上であれば特に制限はな
い。
場合に使用される酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、臭化水素が例示される。使用する酸は水溶液で使用
してもよいが、塩化水素、臭化水素等はガスとして供給
することもできる。また、水の添加量はベンジルシアニ
ド化合物に対して2倍モル以上であれば特に制限はな
い。
【0016】3−イソクロマノン類(IV)の精製は蒸
留、抽出、再結晶等の操作により行うことが可能であ
る。特に蒸留は有効な手段である。加水分解と環化反応
により生成する3ーイソクロマノン類(IV)とカルボン
酸を蒸留により分離し、高純度の3−イソクロマノン類
(IV)を製造し、尚かつ回収したカルボン酸は再度原料
として使用可能なため、工業的に効率のよいプロセスと
なる。
留、抽出、再結晶等の操作により行うことが可能であ
る。特に蒸留は有効な手段である。加水分解と環化反応
により生成する3ーイソクロマノン類(IV)とカルボン
酸を蒸留により分離し、高純度の3−イソクロマノン類
(IV)を製造し、尚かつ回収したカルボン酸は再度原料
として使用可能なため、工業的に効率のよいプロセスと
なる。
【0017】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するもの
ではないことはいうまでもない。
するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するもの
ではないことはいうまでもない。
【0018】実施例1 冷却管付きガラス三口フラスコ(容積500cc)に、
α,α’−ジクロロオルトキシレン100.0g(57
1mmol)とテトラブチルアンモニウムブロマイド1
gを仕込み80℃に加熱、溶解した。そこに、酢酸70
g(1167mmol)と30質量%水酸化ナトリウム
水溶液156g(水酸化ナトリウム1170mmol)
を混合して得られた酢酸ナトリウム水溶液を内温を80
℃に保ちながら攪拌下30分かけて滴下した後、100
℃で4時間加熱攪拌した。
α,α’−ジクロロオルトキシレン100.0g(57
1mmol)とテトラブチルアンモニウムブロマイド1
gを仕込み80℃に加熱、溶解した。そこに、酢酸70
g(1167mmol)と30質量%水酸化ナトリウム
水溶液156g(水酸化ナトリウム1170mmol)
を混合して得られた酢酸ナトリウム水溶液を内温を80
℃に保ちながら攪拌下30分かけて滴下した後、100
℃で4時間加熱攪拌した。
【0019】冷却後、有機層を分取してガスクロマトグ
ラフィーにより定量したところ、1,2−ベンゼンジメ
タノールのジアセテート330mmol、酢酸[2−
(クロロメチル)フェニル]メチルエステル195mm
ol、未反応のα,α’−ジクロロオルトキシレン28
mmolであった。
ラフィーにより定量したところ、1,2−ベンゼンジメ
タノールのジアセテート330mmol、酢酸[2−
(クロロメチル)フェニル]メチルエステル195mm
ol、未反応のα,α’−ジクロロオルトキシレン28
mmolであった。
【0020】実施例2 冷却管付きガラス三口フラスコ(容積500cc)に実
施例1で得られた有機層を仕込み、80℃に加熱した。
そこに、20質量%塩酸215g(塩酸として1180
mml)を内温を80℃に保ちながら攪拌下30分かけ
て滴下した後、80℃で4時間加熱攪拌した。
施例1で得られた有機層を仕込み、80℃に加熱した。
そこに、20質量%塩酸215g(塩酸として1180
mml)を内温を80℃に保ちながら攪拌下30分かけ
て滴下した後、80℃で4時間加熱攪拌した。
【0021】冷却後、有機層を分取してガスクロマトグ
ラフィーにより定量したところ、、酢酸[2−(クロロ
メチル)フェニル]メチルエステル265mmol、2
−(クロロメチル)ベンゼンメタノール180mmo
l、α,α’−ジクロロオルトキシレン73mmolで
あった。
ラフィーにより定量したところ、、酢酸[2−(クロロ
メチル)フェニル]メチルエステル265mmol、2
−(クロロメチル)ベンゼンメタノール180mmo
l、α,α’−ジクロロオルトキシレン73mmolで
あった。
【0022】実施例3 実施例2で得られた有機層に水200ccを加え、炭酸
水素ナトリウムを発泡が出なくなるまで加えて中和した
後、有機層を分取した。この有機層を冷却管付きガラス
三口フラスコ(容積500cc)に移し、80℃に加熱
した。そこに、シアン化ナトリウム32.0g(653
mmol)を水65ccに溶解した水溶液を内温を80
℃に保ちながら攪拌下30分かけて滴下した後、80℃
で4時間加熱攪拌した。
水素ナトリウムを発泡が出なくなるまで加えて中和した
後、有機層を分取した。この有機層を冷却管付きガラス
三口フラスコ(容積500cc)に移し、80℃に加熱
した。そこに、シアン化ナトリウム32.0g(653
mmol)を水65ccに溶解した水溶液を内温を80
℃に保ちながら攪拌下30分かけて滴下した後、80℃
で4時間加熱攪拌した。
【0023】冷却後、有機層を分取してガスクロマトグ
ラフィーにより定量したところ、酢酸[2−(シアノメ
チル)フェニル]メチルエステル240mmol、2−
ヒドキシメチルフェニルアセトニトリル195mmol
であった。
ラフィーにより定量したところ、酢酸[2−(シアノメ
チル)フェニル]メチルエステル240mmol、2−
ヒドキシメチルフェニルアセトニトリル195mmol
であった。
【0024】実施例4 冷却管付きガラス三口フラスコ(容積500cc)に実
施例3で得られた有機層の半量を移し、90℃に加熱し
た。そこに30質量%水酸化ナトリウム水溶液50g
(水酸化ナトリウムとして375mmol)を内温80
℃を保ちながら攪拌下30分かけて滴下した後、100
℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、50質量%
硫酸水溶液80g(硫酸として408mmol)を攪拌
下30分かけて滴下した。100mlのトルエンを加え
て有機層を分液した後、水層を50mlのトルエンで2
回抽出した。有機層をあわせて減圧下蒸留を行い、79
8Paで151℃の留分27.8gを得た。この留分を
ガスクロマトグラフィーで定量したところ99.3モル
%純度の3−イソクロマノンであった。
施例3で得られた有機層の半量を移し、90℃に加熱し
た。そこに30質量%水酸化ナトリウム水溶液50g
(水酸化ナトリウムとして375mmol)を内温80
℃を保ちながら攪拌下30分かけて滴下した後、100
℃で2時間加熱した。室温まで冷却した後、50質量%
硫酸水溶液80g(硫酸として408mmol)を攪拌
下30分かけて滴下した。100mlのトルエンを加え
て有機層を分液した後、水層を50mlのトルエンで2
回抽出した。有機層をあわせて減圧下蒸留を行い、79
8Paで151℃の留分27.8gを得た。この留分を
ガスクロマトグラフィーで定量したところ99.3モル
%純度の3−イソクロマノンであった。
【0025】実施例5 冷却管付きガラス三口フラスコ(容積500cc)に実
施例3で得られた有機層の半量を移し、20質量%塩酸
75g(塩酸として411mmol)を加えて100℃
で3時間加熱した。室温まで冷却し、100mlのトル
エンを加えて有機層を分液した後、水層を50mlのト
ルエンで2回抽出した。有機層をあわせて減圧下蒸留を
行い、798Paで151℃の留分24.2gを得た。
この留分をガスクロマトグラフィーで分析したところ9
9.0%純度の3−イソクロマノンであった。
施例3で得られた有機層の半量を移し、20質量%塩酸
75g(塩酸として411mmol)を加えて100℃
で3時間加熱した。室温まで冷却し、100mlのトル
エンを加えて有機層を分液した後、水層を50mlのト
ルエンで2回抽出した。有機層をあわせて減圧下蒸留を
行い、798Paで151℃の留分24.2gを得た。
この留分をガスクロマトグラフィーで分析したところ9
9.0%純度の3−イソクロマノンであった。
【0026】
【発明の効果】本発明により医薬、農薬などの中間体と
して有用な一般式(IV)で示される3−イソクロマノン
類およびその中間体が工業的に有利な方法で、収率良く
製造することができる。
して有用な一般式(IV)で示される3−イソクロマノン
類およびその中間体が工業的に有利な方法で、収率良く
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/63 C07C 69/63 253/14 253/14 255/38 255/38 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 森川 宏平 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社総合研究所川崎研究室内 Fターム(参考) 4C062 GG08 4H006 AA02 AC30 AC48 AC54 BA65 BJ50 BM10 KA30 QN14 4H039 CA66 CD10 CD20
Claims (12)
- 【請求項1】 下記一般式(I)、一般式(I) 【化1】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるジエステル化合物をハロゲン化水素と
反応させて下記一般式(II)、一般式(II)、 【化2】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物を調製し、次いで前記一般式(II)で示されるモ
ノエステル化合物を金属シアン化物と反応させて下記一
般式(III)、一般式(III) 【化3】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物を調製し、さ
らに前記一般式(III)で示されるベンジルシアニド化合
物を加水分解し下記一般式(IV)、一般式(IV) 【化4】 (式中、R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整
数を表す。)で示される3−イソクロマノン類を得る工
程からなることを特徴とする3−イソクロマノン類の製
造方法。 - 【請求項2】 下記一般式(I)、一般式(I) 【化5】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるジエステル化合物をハロゲン化水素と
反応させることを特徴とする一般式、一般式(II) 【化6】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物の製造方法。 - 【請求項3】 下記一般式(II)、一般式(II) 【化7】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
Xはハロゲン原子を表し、R2は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜
6のヒドロキシアルキル基またはカルボキシル基を表
し、nは0〜4の整数を表す。)で示されるモノエステ
ル化合物を金属シアン化物と反応させることを特徴とす
る下記一般式(III)、一般式(III) 【化8】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物の製造方法。 - 【請求項4】 金属シアン化物が、アルカリ金属のシア
ン化物である請求項3に記載のベンジルシアニド化合物
の製造方法。 - 【請求項5】 上記請求項2に記載の製造方法により得
られるモノエステル化合物を用いることを特徴とする請
求項3または4に記載のベンジルシアニド化合物の製造
方法。 - 【請求項6】 下記一般式(III)、一般式(III) 【化9】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す。)で示されるベンジルシアニド化合物を加水分解す
ることを特徴とする下記一般式(IV)、一般式(IV) 【化10】 (式中、R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシア
ルキル基またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整
数を表す。)で示される3−イソクロマノン類の製造方
法。 - 【請求項7】 加水分解を、酸の存在下で行うことを特
徴とする請求項6に記載の3−イソクロマノン類の製造
方法。 - 【請求項8】 加水分解を、アルカリ存在下で行い、次
いで酸の存在下で分子内環化することを特徴とする請求
項6に記載の3−イソクロマノン類の製造方法。 - 【請求項9】 請求項4または5に記載の製造方法によ
り得られるベンジルシアニド化合物を用いることを特徴
とする請求項6乃至8のいずれかに記載の3−イソクロ
マノン類の製造方法。 - 【請求項10】 アルカリの存在下、下記一般式(V)、
一般式(V) 【化11】 (式中R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルコキシ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアル
キル基またはカルボキシル基を、Xはハロゲン原子を表
し、nは0〜4の整数を表す。ただしnが2以上の場
合、R2は異なっていてもよい。)で示されるα,α’
−ジハロゲノオルトキシレン化合物と下記一般式(VI)、
一般式(VI) 【化12】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表
す。)で示されるカルボン酸を相間移動触媒を用いて反
応させることを特徴とする下記一般式(I)、一般式(I) 【化13】 (式中、R1はアルキル基あるいはアリール基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキ
シ基、アミノ基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基
またはカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数を表
す)で示されるジエステル化合物の製造方法。 - 【請求項11】 相間移動触媒が、4級アンモニウム塩
である請求項10に記載のジエステル化合物の製造方
法。 - 【請求項12】 請求項10または11に記載の製造方
法により得られるジエステル化合物を用いることを特徴
とする請求項1に記載の3−イソクロマノン類の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000115967A JP2001302658A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | 3−イソクロマノン類の製造方法 |
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---|---|---|---|
JP2000115967A JP2001302658A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | 3−イソクロマノン類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001302658A true JP2001302658A (ja) | 2001-10-31 |
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ID=18627485
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000115967A Pending JP2001302658A (ja) | 2000-04-18 | 2000-04-18 | 3−イソクロマノン類の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001302658A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7208596B2 (en) | 2003-11-25 | 2007-04-24 | Bristol-Myers Squibb Pharma Company | Processes for the preparation of pyrazolo[1,5-a]-1,3,5-triazines and intermediates thereof |
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-
2000
- 2000-04-18 JP JP2000115967A patent/JP2001302658A/ja active Pending
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US7442792B2 (en) | 2003-11-25 | 2008-10-28 | Bristol-Myers Squibb Pharma Company | Process for the preparation of pyrazolo[1,5-a]-1,3,5-triazines and intermediates thereof |
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US10104891B2 (en) | 2014-08-13 | 2018-10-23 | Sds Biotech K.K. | Fused 11-membered compounds and agricultural/horticultural fungicides containing them |
WO2017138068A1 (ja) * | 2016-02-08 | 2017-08-17 | 株式会社エス・ディー・エス バイオテック | 1,2-ベンゼンジメタノール化合物の製造方法 |
JPWO2017138068A1 (ja) * | 2016-02-08 | 2018-03-29 | 株式会社エス・ディー・エス バイオテック | 1,2−ベンゼンジメタノール化合物の製造方法 |
CN108602765A (zh) * | 2016-02-08 | 2018-09-28 | Sds生物技术株式会社 | 1,2-苯二甲醇化合物的制造方法 |
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