JP2001347403A - 被覆切削工具 - Google Patents
被覆切削工具Info
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- JP2001347403A JP2001347403A JP2000174161A JP2000174161A JP2001347403A JP 2001347403 A JP2001347403 A JP 2001347403A JP 2000174161 A JP2000174161 A JP 2000174161A JP 2000174161 A JP2000174161 A JP 2000174161A JP 2001347403 A JP2001347403 A JP 2001347403A
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
加工が可能な被覆切削工具を提供する。 【解決手段】 基材1上に被膜2を有し、すくい面3と逃
げ面4とを具える被覆切削工具である。すくい面3の膜厚
を0.5μm〜2.0μmとする。逃げ面4の膜厚を1〜4μmとす
る。逃げ面側とすくい面側とで個別に被膜の厚さを適正
化することで、被膜のチッピングを抑制して工具寿命を
改善する。
Description
の加工などのように高い加工精度が求められる分野での
利用に最適な被覆切削工具に関するものである。特に、
被膜のチッピングを抑制できる被覆切削工具に関するも
のである。
ードディスク部品などの精密部品はコンピュータ業界の
熾烈なコスト競争の結果、従来にない加工コスト低減の
圧力にさらされている。
超硬合金基材のみからなる工具と、この基材上にセラミ
ック被膜を形成した工具とが知られている。
の切削工具であっても、精密部品の加工には次のような
問題があった。
くなった加工精度の要求に対応することが難しい、コ
スト的にも工具寿命を延長する必要があるが、超硬合金
のみからなる工具では工具寿命の延長が難しい、高速
加工には超硬合金のみの工具では対応しきれないことが
ある。
加工送りや切り込みが小さい場合、セラミック被膜がチ
ッピングしやすい。一旦チッピングが発生すると、加工
面粗さが低下したり、工具補正量が急激に増加したりし
て使用できなくなる場合が多く、高精度加工用工具とし
ては使用できなかった。
ングを抑制して、高精度・高速加工が可能な被覆切削工
具を提供することにある。
くい面側とで個別に被膜の厚さを適正化したり、厚さが
一様でない被膜を形成することで上記の目的を達成す
る。
上に被膜を有し、すくい面と逃げ面とを具える被覆切削
工具において、すくい面の膜厚が0.5μm〜2.0μmで、逃
げ面の膜厚が1〜4μmで構成されることにある。
い面と逃げ面とを具える被覆切削工具において、すくい
面の膜厚を0.5μm〜4μmとし、逃げ面の被膜は、刃先部
側ほど膜厚が薄くなる傾斜部と、傾斜部に連続して膜厚
がほぼ一定の平坦部とから構成して、平坦部の膜厚を4
μm以下とすることにある。より好ましい傾斜部の膜厚
は、刃先部側において2μm以下で、刃先部から遠ざかる
側において1〜4μmである。
N、TiCNおよびTiAlNよりなる群から選択される少なくと
も1種が好適である。これらの材料は、耐摩耗性に優
れ、超硬合金などの基材にも容易に被覆できるからであ
る。被膜は単層であっても多層であっても構わない。被
膜の形成方法は、公知のCVDまたはPVD法が利用できる。
一様の被膜を形成した後、逃げ面における刃先部近傍の
被膜を研磨したり、ブラシで摩耗させたりすることなど
が挙げられる。その他、刃先部に遮蔽物を設置した状態
で被膜を形成しても傾斜部を形成することができる。ま
た、傾斜部の長さ(刃先部から傾斜部と平坦部との境界
までの距離)は、平坦部の膜厚の1/3以上程度、より
好ましくは平坦部の膜厚と同等の距離があればよい。
合金やサーメットが利用できる。
ようにして発生するのかについて研究した。一般に切削
工具は、図1に示すように、基材1上に被膜2が形成さ
れ、すくい面3と逃げ面4とで構成される稜線が刃先部10
となる。研究の結果、チッピングは刃先部10で被膜2が
割れることによって発生し、これによって被削材の面粗
さが低下したり、被膜2の割れが発生した瞬間に工具の
補正量が増大することをつきとめた。
作製してテストを繰り返した結果、被覆切削工具のう
ち、すくい面の膜厚が0.5μm〜2μmで、逃げ面の膜厚が
1〜4μmであれば、このような被膜の破壊は発生しない
ことを発見した。このようにすくい面と逃げ面の膜厚を
適正な値とすることで被膜の割れを防止し、高精度加工
に用いることのできる工具を得ることができる。
先部に近づくほど薄くしておけば膜の割れが発生しにく
いこともわかった。図2に示すように、基材1上に形成
された被膜2は、すくい面3側がほぼ一様な厚みであり、
逃げ面4側が刃先部10に向かって厚みが薄くなる傾斜部1
1と、この傾斜部11に連続してほぼ一様な厚みの平坦部1
2とから構成される。この場合、特に刃先部10にて膜厚
は0に近いほど被膜2の破壊は発生しにくい。被膜の厚み
は薄くなるほど割れが発生しにくくなるが、被膜が薄い
と耐摩耗性が低下するので、膜厚は刃先部で薄く、刃先
から離れるとなるべく速やかに膜厚が増大する方がよ
い。すなわち、刃先部10のみ被膜が薄くなっていること
が好ましい。
する。 (実験例1)型番VCGTの形状の微粒超硬合金基材(Co:
11mass%)に表1に示す膜厚のTiCN被膜を形成した。こ
の被膜は、アークPVD法で形成した。次に、そのサンプ
ルを使ってステンレスのハブを下記条件で切削し、各サ
ンプルの加工可能ワーク数を評価した。TiCN被膜がなく
基材のみの工具でも同様の切削を行ったが、加工可能ワ
ーク数は60個であった。
加工 切削速度:200m/min 送り :0.03mm/刃 切り込み:0.3mm 切削形態:乾式 切削長 :400個 切削方法:連続旋削切削
B、Cが比較例であるサンプルD、Eと比べ明らかに加工可
能ワーク数が多く、工具として優れていることがわか
る。サンプルDは加工可能ワーク数が380個と多い場合も
あるが、同ワーク数が5個と非常に少ない場合もあり、
安定性がない。これはすくい面の膜厚が厚く、被膜のチ
ッピンクが起こりやすくなっているためであると考えら
れる。
側で薄く、刃先部から遠ざかるに伴って厚くなる被覆切
削工具を作製した。図2に示すように、刃先部側に向か
って漸次膜厚が薄くなる傾斜部の形成は、基材上にほぼ
一様な膜厚の被膜を形成し、この被膜の刃先部から逃げ
面側にかけてを研磨することで行った。基材および被膜
の組成ならびに被膜の形成方法は実験例1と同様であ
る。そして、実験例1と同じ条件で切削を行い、加工可
能ワーク数を評価した。その結果を表2に示す。
F、G、J、Lが比較例であるサンプルH、I、Kと比べ明ら
かに加工可能ワーク数が多く、工具として優れているこ
とがわかる。サンプルHはすくい面の膜厚が薄すぎて耐
摩耗性が不足し、同I、Kではすくい面の膜厚が厚すぎて
被膜がチッピングして被削材の面粗度が悪化した。
具によれば、すくい面と逃げ面の各々に対応した膜厚と
したり、逃げ面の被膜として、刃先部側に向かって膜厚
が薄くなる傾斜部を設けることで、被膜のチッピングを
抑制して、工具寿命を大幅に向上することができる。そ
れに伴って大幅なコストダウンに寄与するという顕著な
効果も有する。さらに、被膜のチッピング抑制により、
高精度の加工を高速で実現でき、本発明工具はコンピュ
ータ部品のような精密部品の加工に最適である。
部周辺の断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 基材上に被膜を有し、すくい面と逃げ面
とを具える被覆切削工具において、 すくい面の膜厚が0.5μm〜2.0μmで、 逃げ面の膜厚が1〜4μmで構成されることを特徴とする
被覆切削工具。 - 【請求項2】 基材上に被膜を有し、すくい面と逃げ面
とを具える被覆切削工具において、 すくい面の膜厚が0.5μm〜4μmで、 逃げ面の被膜は、刃先部側ほど膜厚が薄くなる傾斜部
と、傾斜部に連続して膜厚がほぼ一定の平坦部とを有
し、平坦部の膜厚が4μm以下であることを特徴とする被
覆切削工具。 - 【請求項3】 傾斜部における膜厚が、刃先部側におい
て2μm以下で、刃先部から遠ざかる側において1〜4μm
であることを特徴とする請求項2に記載の被覆切削工
具。 - 【請求項4】 被膜がTiN、TiCNおよびTiAlNよりなる群
から選択される少なくとも1種で構成されることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の被覆切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000174161A JP2001347403A (ja) | 2000-06-09 | 2000-06-09 | 被覆切削工具 |
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JP2000174161A JP2001347403A (ja) | 2000-06-09 | 2000-06-09 | 被覆切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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A02 | Decision of refusal |
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