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JP2001341329A - 液体吐出装置及び該装置の吐出性能維持回復方法 - Google Patents

液体吐出装置及び該装置の吐出性能維持回復方法

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Publication number
JP2001341329A
JP2001341329A JP2001097035A JP2001097035A JP2001341329A JP 2001341329 A JP2001341329 A JP 2001341329A JP 2001097035 A JP2001097035 A JP 2001097035A JP 2001097035 A JP2001097035 A JP 2001097035A JP 2001341329 A JP2001341329 A JP 2001341329A
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JP
Japan
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liquid
ejection
discharge
recovery
ink
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JP2001097035A
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JP4738618B2 (ja
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Toshimitsu Danzuka
俊光 弾塚
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Canon Inc
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Canon Inc
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Publication date
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Publication of JP2001341329A5 publication Critical patent/JP2001341329A5/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同時に吐出性能維持回復処理が行われる液体
吐出口の数が変化しても、各液体吐出口から必要量の液
体を排出させることによって各液体吐出口の吐出性能を
維持回復させることができ、かつ吐出性能維持回復処理
で消費される液体の量を低減させる。 【解決手段】 2つの記録ヘッドに対応したドットカウ
ンタをチェックして(S51)、回復処理を一方の記録
ヘッドのみに対して行うのか両方の記録ヘッドに対して
行うのかを判定する(S52)。一方の記録ヘッドに対
してのみ回復処理を行うのであれば、吸引ポンプの駆動
速度は予め設定されている規定値のままで変更せず、両
方の記録ヘッドに対して回復処理を行うのであれば、吸
引ポンプの駆動速度を規定値に対して20%増加するよ
うに設定する(S53)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体吐出装置及び該
装置の吐出性能維持回復方法に関し、なかでも、記録媒
体上に液滴(インク滴)を吐出して記録を行うインクジ
ェット記録装置及び該装置の回復方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、インクジェットプリンタ等の
液体吐出装置は、広く研究・開発されており、民生機器
として一般に普及している。
【0003】インクジェットプリンタでは、インク吐出
口(ノズル)からインクの溶媒が蒸発することによって
インクの増粘等が生じ、このため吐出性能が低下する場
合がある。これを防止するために、多くのインクジェッ
トプリンタには、ノズルからインクを強制的に排出させ
る、吸引手段あるいは加圧手段を含んだ回復手段が備え
られている。
【0004】また最近では、記録速度向上に対する要求
が増大しており、これに応えるため、同一種類のインク
が供給されるノズルの数やインクジェットヘッドの数を
増加させる傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同一種
類のインクが供給されるノズルの数やインクジェットヘ
ッドの数を増加させた場合に、全てのノズルからインク
を排出させるように回復手段を構成すると、回復処理で
消費されるインクの量が増え、ランニングコストが上昇
するという問題が生じる。
【0006】この問題に対しては、ノズルをいくつかの
グループに分割して、インク排出の必要なノズルが属す
るグループ毎に回復処理を行うように構成すればよい。
【0007】しかし、回復処理の必要なグループの数が
回復処理を行う度に異なり、そのため同時に回復処理の
行われるグループの数が各回復処理で異なる場合や、各
回復処理において同時に回復処理が行われるグループの
数は同じであるが、各グループに属するノズルの数が異
なる場合等の、同時に回復処理が行われるノズルの数が
回復処理を行う度に異なる場合に、各回復処理における
回復動作が同じであると、一般的に同一種類のインクは
同一のインク貯留手段に貯留されているため、各回復処
理毎に、1つのノズルから排出されるインクの量が異な
ってしまい、各ノズルの吐出性能の維持回復に必要な量
のインク排出が行えない、あるいは、過度にインクが排
出されてしまう、という問題が発生する。
【0008】本発明は以上のような状況に鑑みてなされ
たものであり、同時に吐出性能維持回復処理が行われる
液体吐出口の数が変化しても、各液体吐出口から必要量
の液体を排出させることによって各液体吐出口の吐出性
能を維持回復させることができ、かつ吐出性能維持回復
処理で消費される液体の量を低減させることができる液
体吐出装置及び該装置の吐出性能維持回復方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の液体吐出装置は、同一の液体貯留手段に貯留
された液体が供給される複数の液体吐出口と、前記複数
の液体吐出口のうちの選択された液体吐出口から強制的
に液体を排出させる吐出性能維持回復手段と、前記吐出
性能維持回復手段の吐出性能維持回復動作によって、各
液体吐出口から排出される液体の量が、選択された液体
吐出口の数によらず略等しくなるように、前記選択され
た液体吐出口の数に応じて、前記吐出性能維持回復手段
を制御する制御手段と、を備えている。
【0010】また、上記目的を達成する本発明の液体吐
出装置の吐出性能維持回復方法は、同一の液体貯留手段
に貯留された液体が供給される複数の液体吐出口を有す
る液体吐出装置の吐出性能維持回復方法であって、前記
複数の液体吐出口のうちの選択された液体吐出口から強
制的に液体を排出させる吐出性能維持回復動作を行う吐
出性能維持回復工程と、前記吐出性能維持回復動作の間
に、各液体吐出口から排出される液体の量が、前記選択
された液体吐出口の数によらず略等しくなるように、前
記選択された液体吐出口の数に応じて、前記吐出性能維
持回復動作を制御する制御工程と、を備えている。
【0011】すなわち、本発明では、同一の液体貯留手
段に貯留された液体が供給される複数の液体吐出口を有
する液体吐出装置において、複数の液体吐出口のうちの
選択された液体吐出口から強制的に液体を排出させる吐
出性能維持回復動作を行い、吐出性能維持回復動作の間
に、各液体吐出口から排出される液体の量が、選択され
た液体吐出口の数によらず略等しくなるように、選択さ
れた液体吐出口の数に応じて、吐出性能維持回復動作を
制御する。
【0012】これによれば、同一の液体貯留手段に貯留
された液体が供給される複数の液体吐出口に対して行わ
れる吐出性能維持回復処理において、同時に吐出性能維
持回復処理が行われる液体吐出口の数が変化し、該液体
吐出口の数が増えた場合にも、各液体吐出口から吐出性
能の維持回復に必要な量の液体を排出させることがで
き、かつ、同時に吐出性能維持回復処理が行われる液体
吐出口の数が減った場合にも、各液体吐出口から必要量
以上の液体を排出させることがないため、吐出性能維持
回復処理で消費される液体の量を低減させることができ
る。
【0013】従って、同時に吐出性能維持回復処理が行
われる液体吐出口の数が変化しても、各液体吐出口から
吐出性能を維持回復するのに十分な量の液体を排出させ
て液体吐出装置本来の性能を維持することができ、かつ
吐出性能維持回復処理で消費される液体の量を低減して
液体吐出装置のランニングコストを低下させることがで
きる。
【0014】なお、吐出性能維持回復手段の構成として
は、負圧発生手段を含み、該負圧発生手段の発生した負
圧によって、選択された液体吐出口の液体吐出面から強
制的に液体を排出させる構成、あるいは、複数の液体吐
出口の液体供給路に圧力発生手段を含み、該圧力発生手
段の発生した圧力によって、選択された液体吐出口の液
体吐出面から強制的に液体を排出させる構成とすること
ができる。
【0015】また、複数の液体吐出口が、それぞれ同数
の液体吐出口が属する複数の液体吐出口群に分割される
とき、吐出性能維持回復手段は、複数の液体吐出口群の
うちの選択された液体吐出口群に属する液体吐出口から
強制的に液体を排出させ、制御手段は、吐出性能維持回
復手段の吐出性能維持回復動作によって、各液体吐出口
群から排出される液体の量が、選択された液体吐出口群
の数によらず略等しくなるように、選択された液体吐出
口群の数に応じて、吐出性能維持回復手段の制御を行う
ように、構成、制御するのがよい。
【0016】更に、同数の液体吐出口が属する複数の液
体吐出口群が、それぞれの液体吐出ヘッドに具備される
とき、吐出性能維持回復手段は、複数の液体吐出ヘッド
のうちの選択された液体吐出ヘッドに属する液体吐出口
から強制的に液体を排出させ、制御手段は、吐出性能維
持回復手段の吐出性能維持回復動作によって、各液体吐
出ヘッドから排出される液体の量が、選択された液体吐
出ヘッドの数によらず略等しくなるように、選択された
液体吐出ヘッドの数に応じて、吐出性能維持回復手段の
制御を行うように、構成、制御するのがよい。
【0017】加えて、吐出性能維持回復動作の必要な液
体吐出口を検出する検出手段を更に備えるのが好まし
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】なお、以下の実施形態では、液体吐出装置
として、記録媒体上に液滴(インク滴)を吐出して記録
を行う、インクジェットプリンタを例に挙げて、説明す
る。
【0020】また、本明細書において、「記録」(「プ
リント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の
情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、ま
た人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものである
か否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パター
ン等を形成する、または、媒体の加工を行う場合も言う
ものとする。
【0021】ここで、「記録媒体」とは、一般的な記録
装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチッ
ク・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、
皮革等、インクを受容可能なものも言うものとする。
【0022】さらに、「インク」(「液体」と言う場合
もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様
広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されるこ
とによって、画像、模様、パターン等の形成または記録
媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付
与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され
得る液体を言うものとする。
【0023】[第1の実施形態]図1は、本発明の第1
の実施形態であるインクジェットプリンタの概略構成を
示す部分断面斜視図である。
【0024】図1において、記録媒体(以下、メディア
とも称する)Mは、副走査モータ1の駆動に伴って図中
矢印R方向に回転するプラテンローラ2及び不図示の搬
送ローラ群によって、図中矢印F方向に送られる。
【0025】このメディア搬送方向(副走査方向)と垂
直な方向にガイドシャフト3a及び3bが平行に置かれ
ており、キャリッジ4に搭載された記録ヘッド5a及び
5bが主走査モータ6の駆動によって図中矢印S方向
(主走査方向)に往復走査する。
【0026】メディアMは副走査モータ1によって間欠
送りされるが、メディアMが停止しているときに記録ヘ
ッド5a及び5bが主走査方向に往復走査され、その際
に記録信号に応じたインク滴を吐出して記録を行う。
【0027】記録ヘッド5a及び5bにはそれぞれ、ノ
ズルが副走査方向に600dpi間隔で256個配列さ
れており、ノズルに連通したインク路内にはそれぞれ、
インクを局所的に加熱し膜沸騰を起こさせ、その圧力に
よってインクを吐出させるための電気熱変換体が設けら
れている。
【0028】それぞれのインク路は、記録ヘッド5a及
び5bにそれぞれ設けられた共通液室に連通している
が、この共通液室には同一のインクカートリッジ7内に
貯留されているインクが供給される。
【0029】同一のインクを吐出する記録ヘッドを5a
及び5bと2つにすることによって、主走査の速度を倍
にすることができるようになり、記録速度を大幅に向上
させることが可能となる。
【0030】図中8a及び8bは、記録ヘッド5a及び
5bのノズルからインクを吸引排出させるための吸引ポ
ンプ(不図示)とチューブを介して接続された吸引キャ
ップであり、それぞれに接続された吸引ポンプを独立ま
たは同時に駆動させることによって、記録ヘッド5a及
び5bのノズルから独立または同時にインクを吸引して
排出させることができるように構成されている。
【0031】次に、上述した装置の記録制御を実行する
ための制御系の構成について説明する。
【0032】図4は図1のインクジェットプリンタの制
御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す
同図において、1700は記録信号を入力するインター
フェース、1701はMPU、1702はMPU170
1が実行する制御プログラムを格納するROM、170
3は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記
録データ等)を保存しておくDRAMである。1704
は記録ヘッド5aおよび5bに対する記録データの供給
制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インター
フェース1700、MPU1701、DRAM1703
間のデータ転送制御も行う。6は記録ヘッド5aおよび
5bを走査させるための主走査モータ、1はメディア搬
送のための副走査モータである。1705は記録ヘッド
を駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれ
ぞれ副走査モータ1、主走査モータ6を駆動するための
モータドライバである。
【0033】上記制御系の動作を以下に説明する。
【0034】インターフェース1700に記録信号が入
力されると、ゲートアレイ1704とMPU1701と
の間で記録信号がプリント用の記録データに変換され
る。そして、モータドライバ1706、1707が駆動
されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録
データに従って記録ヘッドが駆動され、記録が行われ
る。
【0035】ここでは、MPU1701が実行する制御
プログラムをROM1702に格納するものとしたが、
EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更
に追加して、インクジェットプリンタと接続されたホス
トコンピュータから制御プログラムを変更できるように
構成することもできる。
【0036】次に、本実施形態における回復処理のシー
ケンスについて説明する。
【0037】本実施形態のインクジェットプリンタに
は、記録ヘッド5a及び5bそれぞれが記録したドット
数をカウントするドットカウンタが備えられており、そ
れぞれの記録ヘッド5a及び5bが記録したドット数が
一定値(本実施形態における具体的な数値は3×108
ドット)に達すると、記録(1頁)終了後に、当該記録
ヘッドに対する回復処理を行う。
【0038】この回復処理では、記録ヘッドの各ノズル
からインク及びインク吐出動作によって析出する溶存気
体を吸引排出させるべく、主走査モータ6の駆動によっ
てキャリッジ4上に搭載された記録ヘッド5a及び5b
を吸引キャップ8a及び8bに対向する位置(以下、ホ
ームポジションと称する)に移動させ、吸引キャップ8
a及び8bを不図示のキャップ着脱機構によって記録ヘ
ッド5a及び5bに当接させて、不図示の吸引ポンプの
作動によって吸引動作が行われるように、制御部によっ
て制御が行われる。
【0039】この吸引動作によって、析出する溶存気体
が気泡となって成長し、インク吐出性能を低下させるこ
とを防止している。
【0040】なお、吸引排出されたインクは不図示の廃
インクタンクへと導かれ、吸引動作が終了すると、ドッ
トカウンタはリセットされる。
【0041】ところで、記録ヘッド5a及び5bが記録
するドットの数は、記録される画像のドット配列によっ
て異なるため、上記回復処理は、記録ヘッド5a及び5
bそれぞれに対して独立に行われる場合もあるし、同時
に行われる場合もある。
【0042】この独立に行われる場合と同時に行われる
場合とで、吸引ポンプの動作を同一に設定すると、記録
ヘッド5a及び5bには同一のインクカートリッジ7内
に貯留されているインクが供給されるために、各ノズル
に対する吸引能力に差が生じ、吸引量不足あるいは吸引
量過多が発生してしまうことが、本発明者らによって確
認された。
【0043】具体的には、同時に行われる場合の吸引量
は独立に行われる場合の吸引量に比べて、約20%少な
いことが確認された。
【0044】この結果に鑑み、本実施形態のインクジェ
ットプリンタにおいては、記録ヘッド5a及び5bそれ
ぞれに対して独立に回復処理が行われる場合において
も、同時に回復処理が行われる場合においても、吸引量
が略等しく(実質的に等しく)なるように、記録ヘッド
5a及び5bに対して同時に吸引が行われる場合の吸引
ポンプの駆動速度を、記録ヘッド5a及び5bそれぞれ
に対して独立に吸引が行われる場合の駆動速度に対し
て、20%増加させるようにシーケンスを設定した。
【0045】ここで、図5のフローチャートを参照し
て、本実施形態の回復処理について再度説明する。
【0046】記録ヘッド5aまたは5bのいずれかのド
ットカウンタの値が所定値に達すると、記録中の記録媒
体への記録が終了した時点で、回復処理が開始される。
【0047】始めに、2つのドットカウンタをチェック
して(ステップS51)、回復処理が必要な記録ヘッド
を判定すると共に、回復処理を一方の記録ヘッドのみに
対して行うのか両方の記録ヘッドに対して行うのかを判
定する(ステップS52)。
【0048】一方の記録ヘッドに対してのみ回復処理を
行うのであれば、吸引ポンプの駆動速度は予め設定され
ている規定値のままで変更せず、両方の記録ヘッドに対
して回復処理を行うのであれば、吸引ポンプの駆動速度
を規定値に対して20%増加するように設定する(ステ
ップS53)。
【0049】そして、記録ヘッドを吸引キャップと対向
する位置に移動させ(ステップS54)、吸引ポンプを
設定された駆動速度で動作させて記録ヘッドの各ノズル
に対して吸引回復処理を実行する(ステップS55)。
【0050】次に、回復処理を行った記録ヘッドのドッ
トカウンタをリセットし、吸引ポンプの駆動速度を規定
値に戻す(ステップS56)。以上の動作により本実施
形態の回復処理は終了する。
【0051】以上説明したように本実施形態によれば、
記録ヘッド5a及び5bそれぞれに対して独立に回復処
理が行われる場合においても、同時に回復処理が行われ
る場合においても、析出する溶存気体を除去するのに必
要十分な吸引能力を確保することができ、また、吸引動
作で消費されるインクの量を低減することができる。
【0052】[第2の実施形態]上記で説明した第1の
実施形態では、各ノズルからインクを排出させる手段と
して吸引手段を用いた構成について説明したが、本実施
形態においては、インクを排出させる手段として加圧手
段を用いたものについて説明する。以下、上記第1の実
施形態と異なる部分についてのみ説明し、同様な部分に
ついては説明を省略する。
【0053】図2は、本実施形態における各記録ヘッド
へのインクの供給経路を示す図である。
【0054】図2において、50a及び50bはそれぞ
れ記録ヘッドであり、第1の実施形態と同様、256個
のノズル、インク路、電気熱変換体及び共通液室をそれ
ぞれ有している。
【0055】図中21はインクを貯留するインクタンク
であり、記録のために記録ヘッド50a及び50bから
インクが吐出され消費されると、インクタンク21内に
貯留されているインクは、毛管現象の作用によって、イ
ンクチューブ22、チューブポンプ23、インクチュー
ブ24を通る図中矢印Cで示したルート、及びインクチ
ューブ27を通る図中矢印Dで示したルートで、図中J
点を経由して、弁26a及び26bを介したインクチュ
ーブ25a及び25bを通って、記録ヘッド50a及び
50bに供給される。
【0056】また、20は回復処理の際に記録ヘッドの
吐出面に当接するキャップであり、内部にインク吸収体
28を備えている。30は回復処理によって記録ヘッド
から排出されたインクを受容して貯留する廃インクタン
クであり、チューブ29によってキャップ20と接続さ
れている。
【0057】以下で説明する回復動作を行っているとき
以外の通常の状態では、チューブポンプ23は動作して
おらず、インクの通過が可能であるように、制御部によ
って制御されている。
【0058】また、弁26a及び26bも通常の状態で
は閉鎖しておらず、インクはインクチューブ25a及び
25bを通過することができる。
【0059】次に、本実施形態における回復処理につい
て説明する。
【0060】本実施形態のインクジェットプリンタに
は、第1の実施形態同様、記録ヘッド50a及び50b
それぞれが記録したドット数をカウントするドットカウ
ンタが備えられており、それぞれの記録ヘッド50a及
び50bが記録したドット数が一定値(本実施形態にお
いても具体的な数値は3×108ドット)に達すると、
記録(1頁)終了後に、当該記録ヘッドのノズルからイ
ンク及びインク吐出動作によって析出する溶存気体を加
圧排出させるべく、回復処理を実行する。
【0061】回復処理が開始されると、キャリッジ4
(図1参照)が移動して記録ヘッド50aおよび50b
がキャップ20に対向するホームポジションに移動し、
不図示のキャップ着脱機構によって、内部にインク吸収
体28を有し、チューブ29によって廃インクタンク3
0に接続されたキャップ20が、記録ヘッド50a及び
50bに当接し、その状態でチューブポンプ23が駆動
される。
【0062】チューブポンプ23が駆動されると、加圧
されたインクは図中矢印Eに示したように循環するが、
本実施形態では弁26a及び26bの開閉を制御するこ
とによって、回復処理が必要な記録ヘッド50aおよび
/または50bの各ノズルから、選択的にインク及びイ
ンク吐出動作によって析出する溶存気体を加圧排出させ
る。
【0063】加圧排出されたインクは、インク吸収体2
8に吸収された後、重力の作用によってチューブ29を
介して廃インクタンク30へと導かれる。
【0064】弁26a及び26bの開閉の制御は例え
ば、記録ヘッド50aのみの回復処理が必要であれば、
弁26aを開、弁26bを閉とすればよく、記録ヘッド
50bのみの回復処理が必要であれば、その逆とすれば
よい。また、両方の記録ヘッドの回復処理が必要であれ
ば、両方の弁を開とすればよい。
【0065】ここで、1つの記録ヘッドからインクを加
圧排出させる場合と、2つの記録ヘッドからインクを加
圧排出させる場合とで、チューブポンプ23の動作を同
一に設定すると、1つの記録ヘッドに対する加圧力に差
が生じ、インク排出量不足あるいは排出量過多が発生し
てしまうことが、上記第1の実施形態と同様に本実施形
態においても確認された。
【0066】本実施形態において、2つの記録ヘッドが
同時に加圧される場合のインク排出量は、1つの記録ヘ
ッドに対して加圧が行われる場合の排出量に比べて、約
20%少ないことが確認された。
【0067】そのため、本実施形態においては、記録ヘ
ッド50a及び50bに対して同時に加圧が行われる場
合のチューブポンプ23の駆動時間を、記録ヘッド50
a及び50bそれぞれに対して独立に加圧が行われる場
合の駆動時間に対して、20%増加させるようにシーケ
ンスを設定した。
【0068】従って、本実施形態の回復処理のフローチ
ャートは、上記第1の実施形態に関して説明した図5の
フローチャートの「吸引ポンプ」を「チューブポン
プ」、「駆動速度」を「駆動時間」、「吸引動作」を
「加圧動作」にそれぞれ代えたものとなる。
【0069】以上説明したように本実施形態によれば、
インクを排出させるための手段を加圧手段とした構成に
おいて、第1の実施形態と同様に、2つの記録ヘッドそ
れぞれに対して独立に回復処理が行われる場合において
も、同時に回復処理が行われる場合においても、析出す
る溶存気体を除去するのに必要十分な能力を確保するこ
とができ、また、回復処理で消費されるインクの量を低
減することができる。
【0070】[第3の実施形態]上記で説明した第1及
び第2の実施形態では、2つの記録ヘッドを備える構成
において、記録ヘッド単位で回復処理を行う場合を例に
挙げて説明したが、本発明はこのような例に限られるも
のではなく、具備されている記録ヘッドの数が1つであ
るようなインクジェットプリンタに対しても適用可能で
ある。
【0071】本実施形態では、ノズルが2列に配列され
ている単一の記録ヘッドを備えるインクジェットプリン
タにおいて、ノズル列毎に回復処理を実行するような例
について説明する。以下、上記第1の実施形態と異なる
部分についてのみ説明し、同様な部分については説明を
省略する。
【0072】図3は、本実施形態の回復処理を説明する
ための概念図であり、記録ヘッド500をメディアMの
搬送方向(副走査方向)から見た状態を示している。
【0073】記録ヘッド500には、図中A及びBで示
した、1mm隔てた位置それぞれに、256個のノズル
が300dpi間隔で、副走査方向に、1列に配列され
ている。なお、Aのノズル列と、Bのノズル列とは、相
互のノズル列が千鳥状になるように配設されており、記
録ヘッド500全体としては、副走査方向に間隔600
dpiで、ノズルが512個設けられていることにな
る。
【0074】それぞれのノズルにはインク路が連通して
おり、インク路内にはそれぞれ、電気熱変換体が設けら
れている。また、それぞれのインク路は共通液室に連通
しており、共通液室には不図示のインクカートリッジか
らインクが供給される。
【0075】図中300は吸引キャップであり、内部に
空間301を有し、該空間はチューブ32を介して吸引
ポンプ31と連通している。吸引ポンプ31によって吸
引されたインクは、チューブ32、吸引ポンプ31、チ
ューブ33を介して廃インクタンク34へ導かれて貯留
される。
【0076】キャップ300は不図示のキャップ着脱機
構の動作によって、図中矢印G方向に往復移動し、記録
ヘッド500のノズル面501と、吸引キャップ300
のヘッド当接面302とが、当接あるいは離間した状態
で停止するように制御部によって制御される。
【0077】次に、本実施形態における回復処理につい
て簡単に説明する。
【0078】本実施形態のインクジェットプリンタで
は、吐出性能が低下したノズルを検知する方法として、
テストパターンを記録し、その記録結果をユーザーが目
視して吐出性能の低下したノズルを検知する方法を採用
している。また、テストパターンの構成は、ユーザーが
目視することにより、吐出性能の低下したノズルが存在
するか否かだけでなく、吐出性能の低下したノズルが、
図3のノズル列AおよびBのいずれに位置するノズルで
あるのかを検知することができるようになっている。
【0079】また、吐出性能の低下したノズルが存在す
ることを検知したユーザーが、回復処理を指示するため
の回復処理指示手段も有しており、この回復処理指示手
段は、図3に示したノズル列Aに位置するノズルのみの
回復処理(以下、Aのみの回復処理と称する)、ノズル
列Bに位置するノズルのみの回復処理(以下、Bのみの
回復処理と称する)、全てのノズルの回復処理(以下、
両方の回復処理と称する)の3つの処理を選択すること
が可能であるように構成されている。
【0080】図3(a)は、2つのノズル列AおよびB
のノズル、即ち全てのノズルに対して同時に回復処理を
行う状態を示している。また、図3(b)はノズル列A
のみに対して回復処理を行う状態、図3(c)はノズル
列Bに対してのみ回復処理を行う状態をそれぞれ示して
いる。
【0081】例えば、ノズル列Aのみの回復処理が指示
されると、記録ヘッド500を搭載したキャリッジ4
(図1参照)は、図3(b)に示した位置にまで移動
し、その後、不図示のキャップ着脱機構の動作によっ
て、吸引キャップ300のヘッド当接面302は記録ヘ
ッド500のノズル面501と当接させられる。
【0082】吸引キャップ300のヘッド当接面302
が記録ヘッド500のノズル面501と当接させられる
と、吸引ポンプ31が作動し、記録ヘッド500のノズ
ル列Aの各ノズルからインク及びインク吐出性能を低下
させていた要因(例えば、インク路内の泡やノズル面5
01に付着したゴミ等)が吸引排出させられる。このと
き、図3に示したノズル列Bの各ノズルは、吸引キャッ
プ300のヘッド当接面302によって覆われているた
め、インクの吸引排出は行われず、ノズル列Aの各ノズ
ルからのみ吸引排出が行われる。
【0083】このように構成、制御することによって、
吐出性能が低下しているノズルが存在しない、ノズル列
Bの各ノズルからの不必要なインクの排出を防止するこ
とができる。
【0084】同様に、ノズル列Bのみの回復処理が指示
されると、キャリッジ4は図3(c)に示した位置にま
で移動し、吸引キャップ300のヘッド当接面302は
記録ヘッド500のノズル面501と当接させられ、そ
の後同様に、吸引ポンプ31の作動によって図3のノズ
ル列Bの各ノズルからの吸引排出が行われる。
【0085】両方のノズル列の回復処理が指示された場
合も同様に、キャリッジ4は図3(a)に示した位置に
まで移動し、吸引キャップ300のヘッド当接面302
は記録ヘッド500のノズル面501と当接させられ、
吸引ポンプ31が作動し、このときは記録ヘッド500
に配設された全てのノズルからインク及びインク吐出性
能を低下させていた要因が吸引排出させられる。
【0086】しかしながら、回復処理が必要なノズル列
が1つの場合と2つの場合、すなわち、AあるいはBの
みの回復処理の場合と、両方の回復処理の場合とで、吸
引ポンプ31の動作を同一に設定すると、ノズル列A及
びBには同一のインクカートリッジ内に貯留されている
インクが供給されるために、各ノズルに対する吸引能力
に差が生じ、吸引量不足あるいは吸引量過多が発生して
しまうことが本実施形態においても確認された。
【0087】本実施形態の構成においても、両方のノズ
ル列に対して回復処理を行う際の吸引量は、ノズル列A
あるいはBの一方に対して回復処理を行う際の吸引量に
比べて、約20%少ないことが確認された。
【0088】従って、本実施形態では、いずれの場合に
おいても各ノズルからの吸引量を略等しくするために、
両方のノズル列の回復処理を行う際の吸引時間を、Aあ
るいはBの一方に対しての回復処理の際の吸引時間に対
して、20%増加させるようにシーケンスを設定した。
【0089】以上説明したように本実施形態によれば、
2つのノズル列を有する構成において、2つのノズル列
それぞれに対して独立に回復処理が行われる場合におい
ても、同時に回復処理が行われる場合においても、イン
ク吐出性能を低下させていた要因を除去するのに必要十
分な能力を確保することができ、また、回復処理で消費
されるインクの量を低減することができる。
【0090】また、本実施形態においては、記録された
テストパターンをユーザーが目視する方式の吐出性能低
下ノズル検知手段を用いた例について説明したが、本発
明はそのような方式の吐出性能低下ノズル検知手段に限
られるものではなく、周知の、記録されたテストパター
ンを装置内に設けた光学系等を用いて自動的に検知する
方式であってもよいし、インクの吐出自体を光学系等を
用いて自動的に検知する方式であってもよい。
【0091】このときには、検知手段による検知データ
に応じて、自動的に回復処理を行うように構成、制御す
ることも可能となる。
【0092】
【他の実施形態】なお、上記第1から第3の実施形態に
おいては、間欠送りされるメディアに対してキャリッジ
上に搭載された記録ヘッドが往復走査する、シリアルス
キャンタイプのインクジェットプリンタに本発明を適用
した例について説明したが、メディアの幅方向全体にノ
ズルが配設され、メディアのみが搬送される、いわゆる
フルラインタイプのインクジェットプリンタに対しても
本発明は有効である。
【0093】また、記録ヘッドに関しては、上記実施形
態において説明した、インクを局所的に加熱し膜沸騰を
起こさせ、その圧力によってインクを吐出させるタイプ
の記録ヘッドのみではなく、例えば圧電素子を用いるタ
イプ等の、他の方式のインクジェット記録ヘッドに対し
ても本発明は有効である。
【0094】更に、上記実施形態においては、1種類の
みのインクを用いて記録を行うインクジェットプリンタ
の例について説明したが、複数種類のインクを用いるも
のであっても差し支えない。
【0095】その際には、必ずしも全ての種類のインク
が供給される複数のノズルに対して本発明を適用する必
要はなく、少なくともそのうちの1種類のインクが供給
される複数のノズルに対して本発明を適用すれば、本発
明は十分に効果を発揮する。
【0096】加えて、上記実施形態においては、1種類
のインクが供給される記録ヘッドの数が2つ以下の例に
ついてのみ説明したが、本発明はそのようなものに限定
されるものではなく、1種類のインクが供給される記録
ヘッドの数は3つ以上であってもよい。
【0097】また、上記実施形態においては、同一のイ
ンク貯留手段に貯留されたインクが供給される全てのノ
ズルを2つのグループに分割し、それぞれあるいは両方
のグループに対して回復処理を行う例についてのみ説明
したが、グループの分割数は2に限られるものではな
く、3以上であってもかまわない。この場合、グループ
の分割数が3以上であるときのほうが、本発明はより有
効である。
【0098】更に、上記実施形態においては、分割され
た各グループに属するノズルの数が同一である例につい
てのみ説明したが、各グループに属するノズル数は同一
である必要はなく、異なっていても何ら差し支えはな
い。
【0099】また、上記実施形態においては、制御され
る回復動作の例として、吸引ポンプの駆動速度,チュー
ブポンプの駆動時間,吸引ポンプの吸引時間を例に挙げ
たが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、例
えば、複数種類のポンプを用いて、動作させるポンプを
切り換えるような構成としてもよい。
【0100】加えて、本発明における吸引時間には、ポ
ンプが駆動されている時間のみならず、ポンプの駆動を
停止してから吸引キャップを液体吐出面より離間させる
までの間の、いわゆる負圧保持時間も含まれるものとす
ることができる。
【0101】以上の実施形態は、特にインクジェット記
録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用され
るエネルギーとしての熱エネルギーを発生する手段(例
えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネル
ギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いる
ことにより、記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0102】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0103】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。
【0104】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0105】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書に記載された構成も本発明に含
まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネ
ルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭59−138461号公報に基づい
た構成としても良い。
【0106】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0107】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0108】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0109】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0110】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものであれば用いても良く、あるいは、
インクジェット方式ではインク自体を30°C以上70
°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安
定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であ
るから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすもの
であればよい。
【0111】加えて、積極的に、熱エネルギーによる昇
温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエ
ネルギーとして使用させることで防止するため、また
は、インクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加
熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体
に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、
熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のイン
クを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0112】このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0113】なお、本発明は、複数の機器(例えば、ホ
ストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリ
ンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つ
の機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装
置など)に適用してもよい。
【0114】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読み出し実行することによっても、達成さ
れることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読
み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の
機能を実現することになり、そのプログラムコードを記
憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行する
ことにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけ
でなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピ
ュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)
などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理に
よって前述した実施形態の機能が実現される場合も含ま
れることは言うまでもない。
【0115】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0116】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明した(図5に示す)フローチ
ャートに対応するプログラムコードが格納されることに
なる。
【0117】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、同一の液体貯留手段に貯留された液体が供給され
る複数の液体吐出口に対して行われる吐出性能維持回復
処理において、同時に吐出性能維持回復処理が行われる
液体吐出口の数が変化し、該液体吐出口の数が増えた場
合にも、各液体吐出口から吐出性能の維持回復に必要な
量の液体を排出させることができ、かつ、同時に吐出性
能維持回復処理が行われる液体吐出口の数が減った場合
にも、各液体吐出口から必要量以上の液体を排出させる
ことがないため、吐出性能維持回復処理で消費される液
体の量を低減させることができる。
【0118】従って、同時に吐出性能維持回復処理が行
われる液体吐出口の数が変化しても、各液体吐出口から
吐出性能を維持回復するのに十分な量の液体を排出させ
て液体吐出装置本来の性能を維持することができ、かつ
吐出性能維持回復処理で消費される液体の量を低減して
液体吐出装置のランニングコストを低下させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット
プリンタの外観を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るインクジェット
プリンタの主要部の構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態における回復処理を説
明するための図である。
【図4】図1のインクジェットプリンの制御回路の構成
を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における回復処理のフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1 副走査モータ 2 プラテンローラ 3 ガイドシャフト 4 キャリッジ 5、50、500 記録ヘッド 6 主走査モータ 7 インクカートリッジ 8、300 吸引キャップ 20 キャップ 21 インクタンク 22、24、25、27 インクチューブ 23 チューブポンプ 26 弁 28 インク吸収体 29、32、33 チューブ 30、34 廃インクタンク 31 吸引ポンプ 301 キャップ内空間 302 ヘッド当接面 501 ノズル面

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の液体貯留手段に貯留された液体が
    供給される複数の液体吐出口と、 前記複数の液体吐出口のうちの選択された液体吐出口か
    ら強制的に液体を排出させる吐出性能維持回復手段と、 前記吐出性能維持回復手段の吐出性能維持回復動作によ
    って、各液体吐出口から排出される液体の量が、選択さ
    れた液体吐出口の数によらず略等しくなるように、前記
    選択された液体吐出口の数に応じて、前記吐出性能維持
    回復手段を制御する制御手段と、 を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 【請求項2】 前記吐出性能維持回復手段は、負圧発生
    手段を含み、該負圧発生手段の発生した負圧によって、
    前記選択された液体吐出口の液体吐出面から強制的に液
    体を排出させることを特徴とする請求項1に記載の液体
    吐出装置。
  3. 【請求項3】 前記吐出性能維持回復手段は、前記複数
    の液体吐出口への液体供給路に圧力発生手段を含み、該
    圧力発生手段の発生した圧力によって、前記選択された
    液体吐出口の液体吐出面から強制的に液体を排出させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の液体吐出口は、それぞれ同数
    の液体吐出口が属する複数の液体吐出口群に分割され、 前記吐出性能維持回復手段は、前記複数の液体吐出口群
    のうちの選択された液体吐出口群に属する液体吐出口か
    ら強制的に液体を排出させ、 前記制御手段は、前記吐出性能維持回復手段の吐出性能
    維持回復動作によって、各液体吐出口群から排出される
    液体の量が、選択された液体吐出口群の数によらず略等
    しくなるように、前記選択された液体吐出口群の数に応
    じて、前記吐出性能維持回復手段の制御を行う、ことを
    特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体
    吐出装置。
  5. 【請求項5】 前記同数の液体吐出口が属する複数の液
    体吐出口群は、それぞれの液体吐出ヘッドに具備され、 前記吐出性能維持回復手段は、前記複数の液体吐出ヘッ
    ドのうちの選択された液体吐出ヘッドに属する液体吐出
    口から強制的に液体を排出させ、 前記制御手段は、前記吐出性能維持回復手段の吐出性能
    維持回復動作によって、各液体吐出ヘッドから排出され
    る液体の量が、選択された液体吐出ヘッドの数によらず
    略等しくなるように、前記選択された液体吐出ヘッドの
    数に応じて、前記吐出性能維持回復手段の制御を行う、
    ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 【請求項6】 前記吐出性能維持回復動作が必要な液体
    吐出口を検出する検出手段を更に備えることを特徴とす
    る請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記液体吐出装置は、熱エネルギーを利
    用して液滴を吐出することを特徴とする請求項1から6
    のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 【請求項8】 前記液体吐出装置は、記録媒体上に液滴
    を吐出して記録を行うことを特徴とする請求項1から7
    のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 【請求項9】 同一の液体貯留手段に貯留された液体が
    供給される複数の液体吐出口を有する液体吐出装置の吐
    出性能維持回復方法であって、 前記複数の液体吐出口のうちの選択された液体吐出口か
    ら強制的に液体を排出させる吐出性能維持回復動作を行
    う吐出性能維持回復工程と、 前記吐出性能維持回復動作の間に、各液体吐出口から排
    出される液体の量が、前記選択された液体吐出口の数に
    よらず略等しくなるように、前記選択された液体吐出口
    の数に応じて、前記吐出性能維持回復動作を制御する制
    御工程と、 を備えることを特徴とする液体吐出装置の吐出性能維持
    回復方法。
  10. 【請求項10】 前記吐出性能維持回復工程では、負圧
    発生手段の発生した負圧によって、前記選択された液体
    吐出口の液体吐出面から強制的に液体が排出されること
    を特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置の吐出性能
    維持回復方法。
  11. 【請求項11】 前記吐出性能維持回復工程では、前記
    複数の液体吐出口への液体供給路に設けられた圧力発生
    手段の発生した圧力によって、前記選択された液体吐出
    口の液体吐出面から強制的に液体が排出されることを特
    徴とする請求項9に記載の液体吐出装置の吐出性能維持
    回復方法。
  12. 【請求項12】 前記複数の液体吐出口は、それぞれ同
    数の液体吐出口が属する複数の液体吐出口群に分割さ
    れ、 前記吐出性能維持回復工程では、前記複数の液体吐出口
    群のうちの選択された液体吐出口群に属する液体吐出口
    から強制的に液体が排出され、 前記制御工程では、前記吐出性能維持回復動作の間に、
    各液体吐出口群から排出される液体の量が、選択された
    液体吐出口群の数によらず略等しくなるように、前記選
    択された液体吐出口群の数に応じて、前記吐出性能維持
    回復動作の制御が行われる、ことを特徴とする請求項9
    から11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  13. 【請求項13】 前記同数の液体吐出口が属する複数の
    液体吐出口群は、それぞれの液体吐出ヘッドに具備さ
    れ、 前記吐出性能維持回復工程では、前記複数の液体吐出ヘ
    ッドのうちの選択された液体吐出ヘッドに属する液体吐
    出口から強制的に液体が排出され、 前記制御工程では、前記吐出性能維持回復動作の間に、
    各液体吐出ヘッドから排出される液体の量が、選択され
    た液体吐出ヘッドの数によらず略等しくなるように、前
    記選択された液体吐出ヘッドの数に応じて、前記吐出性
    能維持回復動作の制御が行われる、ことを特徴とする請
    求項12に記載の液体吐出装置の吐出性能維持回復方
    法。
  14. 【請求項14】 前記吐出性能維持回復動作が必要な液
    体吐出口を検出する検出工程を更に備えることを特徴と
    する請求項9から13のいずれか1項に記載の液体吐出
    装置の吐出性能維持回復方法。
  15. 【請求項15】 請求項9から14のいずれか1項に記
    載の液体吐出装置の吐出性能維持回復方法を実現するプ
    ログラムのコードを格納することを特徴とする記憶媒
    体。
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