JP2001229977A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池Info
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Abstract
提供する。 【解決手段】 リチウムマンガン複合酸化物の粉末が板
状若しくはシート状に成形された正極合材4からなる正
極と、炭素材料の粉末が板状若しくはシート状に成形さ
れた負極合材8と、この負極合材8の表面に接合された
金属リチウム箔9とからなる負極3と、非水電解質とを
具備してなることを特徴とする非水電解質二次電池を採
用する。
Description
びサイクル特性に優れた非水電解質二次電池に関するも
のである。
チウム含有複合酸化物である層状化合物のLiCoO2
やLiNiO2、スピネル型のLiMn2O4を用い、負
極活物質に炭素材料として黒鉛を用いた非水電解質二次
電池が知られている。この非水電解質二次電池の充放電
反応は、以下の式(1)から(4)に示すとおりであ
る。式(1)〜 式(3)はそれぞれLiCoO2、Li
NiO2、LiMn2O4の充放電反応であり、式(4)
は黒鉛の充放電反応である。
は、充電時にLi+(リチウムイオン)がリチウム含有
複合酸化物の結晶中の所定のサイトから脱離し、放電時
にはリチウムイオンがリチウム含有複合酸化物の結晶中
の所定のサイトに挿入する。ところで式(1)〜(3)
に示した充放電反応は、3.6〜4.4V(.vs.Li/
Li+)の電位の範囲、いわゆる4V放電域で起きるも
のであるため、この反応でリチウムイオンを挿入・脱離
させるリチウム含有複合酸化物のサイトは、4V放電域
のサイトと呼ばれている。
電池においては、初回充電時に負極活物質である炭素材
料の表面で非水電解質の還元分解反応が起こり、この反
応によりリチウム含有複合酸化物から放出されるリチウ
ムイオンの10〜20%が負極に消費されてしまい、こ
れにより充放電反応に係るリチウムイオン、すなわちリ
チウム含有複合酸化物の4V放電域のサイトを満たすリ
チウムイオン量が減少してしまうという課題があった。
酸化物においては、上記の4V放電域のサイトのほか
に、3.6V(.vs. Li/ Li+)以下の電位範囲(い
わゆる3V放電域)でリチウムイオンが挿入・脱離され
うるサイトの存在が知られている。この3V放電域のサ
イトを充放電反応に利用できれば、非水電解質二次電池
のエネルギー密度が格段に向上することが期待できる。
物を用いた従来の非水電解質二次電池においては、系内
に含まれるリチウムはリチウムマンガン複合酸化物に含
まれるリチウムのみであり、これらのリチウムは4V放
電域のサイトに対して挿入・脱離反応を行うものであっ
て、3V放電域のサイトに対して挿入・脱離するもので
はないので、リチウムマンガン複合酸化物の3V放電域
のサイトを電池容量として活用できないという課題があ
った。
含有複合酸化物には、リチウムイオンの不在に起因する
未活用容量(潜在容量)が相当量存在する。従って、電
池内にこの未活用容量に見合う量のリチウムイオンを添
加する技術を確立できれば、非水電解質二次電池のエネ
ルギー密度を高くすることが期待できる。
であって、エネルギー密度が高い非水電解質二次電池を
提供することを目的とする。
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の非水電
解質二次電池は、リチウム含有複合酸化物の粉末が少な
くとも含まれて板状若しくはシート状に成形された正極
合材からなる正極と、炭素材料の粉末が少なくとも含ま
れて板状若しくはシート状に成形された負極合材と、こ
の負極合材の表面に接合された金属リチウム箔からなる
負極と、非水電解質とを備えたことを特徴とする。
ウム含有複合酸化物に含まれるリチウムに加えて、更に
金属リチウム箔の形態でリチウムが添加されている。金
属リチウム箔として負極に接合されたリチウムは、電解
質との接触に伴って負極活物質である炭素材料に直ちに
拡散し、充放電反応に供される。このようにして、電池
の充放電反応に係るリチウム量を増加させることがで
き、非水電解質二次電池のエネルギー密度を高くするこ
とができる。
記リチウム含有複合酸化物として、LiCoO2、Li
NiO2、LiMn2O4或いは、これら複合酸化物の遷
移金属の一部を異種元素で置換したものを用いることが
でき、また、これらを2種以上混合したものでもよい。
に記載の非水電解質二次電池であって、複数の金属リチ
ウム箔が、前記負極合材の表面に相互に離間されて均一
に分散配置・接合された負極を備えたことを特徴とす
る。特に、前記箔同士の間隔が、31mm以下であるこ
とが好ましい。
合材表面上に複数の金属リチウム箔を均一に分散して配
置するので、充放電反応の際にリチウムが炭素材料に拡
散し易くなり、金属リチウム箔の一部が残存することが
ない。
に記載の非水電解質二次電池であって、前記リチウムマ
ンガン複合酸化物が、下記の組成式により表されるリチ
ウムマンガン複合酸化物であることを特徴とする。 LiMn2-xMxO4 ただし、MはTi、V、Cr、Fe、Co、Ni、A
l、Ag、Mg、Liのうちの少なくとも1種以上の元
素であり、組成比を示すxは、0≦x≦1.0である。
ピネル型のリチウムマンガン複合酸化物と呼ばれるもの
で、結晶中に3.6〜4.4V(.vs. Li/ Li+)の
電位範囲でリチウムイオンが挿入・脱離するサイト(以
下、4V放電域のサイトと称する)に加えて、3.6V
(.vs. Li/ Li+)以下でリチウムイオンが挿入・脱
離するサイト(以下、3V放電域のサイトと称する)と
を有している。このLiMn2-xMxO4に含まれるリチ
ウムは4V放電域のサイトを満たしており、3V放電域
のサイトは空いた状態になっている。このLiMn2-x
MxO4を有する非水電解質二次電池に、金属リチウム箔
の形態でリチウムを更に添加するならば、3V放電域の
サイトを利用することが可能となり、非水電解質二次電
池のエネルギー密度をより向上させることができる。
e、Co、Ni、Al、Ag、Mg、Liのうちの少な
くとも1種以上の元素を添加することが好ましく、この
中でもCr、Fe、Co、Ni、Liのいずれか1種以
上を添加することが好ましい。これらの元素を添加する
と、放電の進行によってLiMn2-xMxO4に引き起こ
されるヤーン・テラー効果による結晶構造の転移を抑制
することができ、充放電サイクルの進行に伴う電池の放
電容量の低下を抑えることが可能となる。特に、本発明
の非水電解質二次電池の場合は、LiMn2-xMxO4の
3V放電域のサイトを利用するために電池電圧が3V以
下になるまで放電を行うので、元素Mを添加してLiM
n2-xMxO4の結晶構造の転移を防止することが、電池
の放電容量の低下を抑えるために極めて有効である。
質(リチウムマンガン複合酸化物)として、表面に導電
性高分子を被覆したリチウムマンガン複合酸化物を用い
ることが好ましい。導電性高分子を被覆したリチウムマ
ンガン複合酸化物を用いると、導電性高分子の導電性に
より、正極の内部抵抗を低減させることができるので、
3V放電域の放電容量低下を抑制することが可能とな
る。特に、本発明の非水電解質二次電池の場合は、Li
Mn2-xMxO4の3V放電域のサイトを利用するために
電池電圧が3V以下になるまで放電を行うので、導電性
高分子の被覆により正極の内部抵抗を低減させること
が、電池の放電容量の低下を抑えるために極めて有効で
ある。
は、前記金属リチウム箔の重量をLi mとし、前記のL
iMn2-xMxO4の3V放電域のサイトを満たすリチウ
ムの重量をLi3Vとし、非水電解質二次電池の初回充電
時に前記炭素材料表面にて起きる非水電解質の還元反応
で消費されるリチウムの重量をLi1cとしたとき、前記
金属リチウム箔の重量が、Lim≧Li3V+Li1cの関
係を満たすことが好ましい。なお、Li3V及びLi
1cは、前記の正極合材及び前記の負極合材をそれぞれ作
用極とし、リチウムを対極として充放電試験を行い、そ
の試験結果から求めることができる。
素材料に対して3重量%以上10重量%以下の範囲とさ
れたことがより好ましい。
て、前記炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶
質炭素等を用いることができ、また、これらを2種以上
混合したものでもよい。
溶媒の単独若しくは2種以上の非プロトン性溶媒の混合
溶媒に、種々のリチウム塩を溶解させた非水電解液を用
いることができる。また、非水電解液の代わりに、上記
非水電解液と高分子材料とを混合してゲル化させたゲル
電解質や、上記電解質を高分子材料に分散させた固体電
解質を用いることもできる。
る場合に、正極と負極を隔てる為に用いられるセパレー
タとしては、通常使用される多孔質ポリプロピレン膜、
多孔質ポリエチレン膜等の多孔質ポリオレフィン系膜を
使用することができる。
は、円筒型、角形、コイン型、シート型等のいずれかで
あっても良い。
を参照して説明するが、本発明の非水電解質二次電池
は、以下の図面に示す形態に限られるものではない。図
1には、本発明の実施形態である非水電解質二次電池の
一例を示す。この非水電解質二次電池は、いわゆるコイ
ン型と呼ばれるもので、リチウム複合酸化物が少なくと
も含まれた円板状の正極合材(正極)4と、炭素材料が
少なくとも含まれた円板状の負極3と、これら正極合材
4と負極合材3の間に配置されたセパレータ6と、非水
電解液とを主体として構成されている。
ンレス等からなる略扁平円筒状の電池ケース1と、ステ
ンレス等からなる封口板2とを備えており、電池ケース
1内に、円板状の負極3とセパレータ6と円板状の正極
合材4とが順に積層され、その上に封口板2が配置され
ている。また、電池ケース1と封口板2の間にはポリプ
ロピレンからなる円環状のガスケット7が介在されてい
る。また、セパレータ6と、正極合材4及び負極3との
間には、ガラスウール濾紙5、5がそれぞれ挿入されて
いる。非水電解液は、正極合材4、負極3、セパレータ
6及びガラスウール濾紙5、5に含侵されている。
粉末と、黒鉛粉末等からなる導電助材とが、ポリフッ化
ビニリデン樹脂等からなるバインダーにより円板状に成
形されてなるものである。
iCoO2、LiNiO2、LiMn 2O4或いはこれら複
合酸化物の遷移金属の一部を異種元素で置換した材料を
用いることができ、また、これらを2種以上混合したも
のでもよい。
て、組成式LiMn2-xMxO4で表されるものを用いる
ことが好ましい。ここで、元素MはTi、V、Cr、F
e、Co、Ni、Al、Ag、Mg、Liのうちの少な
くとも1種以上の元素を示し、組成比を示すxは、0≦
x≦1.0である。
のリチウムマンガン複合酸化物と呼ばれるもので、結晶
中に3.6〜4.4V(.vs. Li/ Li+)の電位範囲
でリチウムイオンが挿入・脱離するサイト(以下、4V
放電域のサイトと称する)と、3.6V(.vs. Li/
Li+)以下でリチウムイオンが挿入・脱離するサイト
(以下、3V放電域のサイトと称する)とを有してい
る。また、LiMn2-xMxO4に含まれるリチウムは4
V放電域のサイトを満たしており、3V放電域のサイト
は空いた状態になっている。
てTi、V、Cr、Fe、Co、Ni、Al、Ag、M
g、Liのうちの少なくとも1種以上の元素が添加され
ているが、この中でもCr、Fe、Co、Ni、Al、
Ag、Mg、Liのいずれか1種以上を添加されたこと
が好ましい。これら元素Mを添加すると、放電の進行に
よってLiMn2-xMxO4に引き起こされるヤーン・テ
ラー効果による結晶構造の転移を抑制することができ、
充放電サイクルの進行に伴う電池の放電容量の低下を抑
えることが可能となる。
質であるリチウムマンガン複合酸化物として、表面に導
電性高分子を被覆したリチウムマンガン複合酸化物を用
いることが好ましい。導電性高分子を被覆したリチウム
マンガン複合酸化物を用いると、正極の内部抵抗を低減
させることができるので、3V放電域の放電容量低下を
抑制することが可能となる。
含む負極合材8と、この負極合材8の表面に接合された
金属リチウム箔9とからなるものである。負極合材8
は、炭素材料の粉末がポリフッ化ビニリデン樹脂等から
なるバインダーにより円板状に成形されたもので、必要
に応じて黒鉛粉末等の導電助剤を添加することができ
る。
とすることが好ましい。この金属リチウム箔9は、負極
合材8を成形した後に、負極合材8に接合される。なお
図2では、1枚の金属リチウム箔9を負極合材8に接合
した例を示しているが、これに限られず、複数の金属リ
チウム箔を相互に離間させて負極合材の表面に接合して
も良い。特に、相互に離間されて均一に分散配置された
金属リチウム箔の間隔が、31mm以下であることが好
ましい。金属リチウム箔の形態で添加されたリチウム
は、電解質との接触に伴って負極活物質である炭素材料
中に拡散し、充放電反応に供される。
し、LiMn2-xMxO4の3V放電域のサイトを満たす
リチウムの重量をLi3Vとし、非水電解質二次電池の初
回充電時に前記炭素材料表面にて起きる非水電解質の還
元反応で消費されるリチウムの重量をLi1cとしたと
き、金属リチウム箔9の重量が、Lim≧Li3V+Li
1cを満たすことが好ましい。なお、Li3V及びLi
1cは、前記の正極合材及び前記の負極合材をそれぞれ作
用極とし、リチウムを対極として充放電試験を行い、そ
の試験結果から求めることができる。特に、金属リチウ
ム箔9の重量が、負極合材8に含まれる炭素材料の重量
に対して3重量%以上10重量%以下、より好ましくは
4.5重量%以上10重量%以下とされるとよい。な
お、金属リチウム箔9は、LiMn2-xMxO4の3V放
電域のサイトを満たすリチウムが消費され、かつ初回充
電時に炭素材料表面にて起きる非水電解質の還元反応で
リチウムが消費された場合であっても、その一部が残存
するように添加することが好ましい。
ムイオンを可逆的に挿入・脱離させるものであれば良
く、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質炭素等のいず
れか1種、または、これらの2種以上を混合したもので
もよい。
エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ベンゾ
ニトリル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、2
メチルテトラヒドロフラン、γ ブチロラクトン、ジオ
キソラン、4−メチルジオキソラン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシド、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、スル
ホラン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ニトロベン
ゼン、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネー
ト、メチルイソプロピルカーボネート、エチルブチルカ
ーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピル
カーボネート、ジブチルカーボネート、ジエチレングリ
コール、ジメチルエーテル等の非プロトン性溶媒、ある
いはこれらの溶媒のうちの二種以上を混合した混合溶媒
に、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAs
F6、LiClO4、LiCF3SO3、LiC4F9S
O3、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、Li
N(CxF2x+1SO2)(CyF2y+1SO2)(ただしx、
yは自然数)、LiCl、LiI等のリチウム塩からな
る電解質の1種または2種以上を混合させたものを溶解
したものを用いることができる。また、非水電解液の代
わりに、上記非水電解液と高分子材料とを混合してゲル
化させたゲル電解質や、上記電解質を高分子材料に分散
させた固体電解質を用いることができる。
孔質ポリプロピレン膜、多孔質ポリエチレン膜等の多孔
質ポリオレフィン系膜を使用することができる。
ウム含有複合酸化物に含まれるリチウムに加えて、更に
金属リチウム箔の形態でリチウムが添加されている。こ
の非水電解質二次電池の初回充電時においては、負極の
炭素材料の表面で非水電解質の還元分解反応が起こり、
この反応によりリチウム含有複合酸化物から放出される
リチウムイオンの10〜20%が負極に固定されてしま
い、これにより充放電反応に係るリチウムイオン、すな
わちリチウム含有複合酸化物の4V放電域のサイトを満
たすリチウムイオン量が減少する現象が起きる。また、
リチウムマンガン複合酸化物LiMn2-xMxO4には、
4V放電域でリチウムが挿入・脱離するサイトと、3V
放電域でリチウムのが挿入・脱離するサイトが存在して
いて、LiMn2-xMxO4に含まれるリチウムは4V放
電域のサイトに配置されており、3V放電域のサイトは
空いた状態になっている。この様に、正極活物質である
リチウム含有複合酸化物には、リチウムイオンの不在に
起因する未活用容量(潜在容量)が相当量存在してい
る。従って、この未活用容量に相当する量のリチウムを
金属リチウム箔の形態で負極に添加することにより、正
極活物質であるリチウム含有複合酸化物の未活用容量を
利用することが可能となり、非水電解質二次電池のエネ
ルギー密度を高くすることができる。
は、負極合材8表面上に複数の金属リチウム箔9を均一
に分散して配置することにより、充放電反応の際にリチ
ウムが負極の炭素材料に拡散し易くなり、金属リチウム
箔の一部が残存することなく添加したリチウムの全てが
充放電反応に利用されるので、非水電解質二次電池のエ
ネルギー密度を高めることができる。
複合酸化物として、Mnの一部を元素Mで置換したLi
Mn2-xMxO4で表されるリチウムマンガン複合酸化物
を用いており、元素Mを添加することにより、放電の進
行によってLiMn2-xMxO 4に引き起こされるヤーン
・テラー効果による結晶構造の転移を抑制することがで
き、充放電サイクルの進行に伴う電池の放電容量の低下
を抑えることが可能となり、特に、本発明の非水電解質
二次電池の場合は、LiMn2-xMxO4の3V放電域の
サイトを利用するために電池電圧が3V以下になるまで
放電を行うので、元素Mを添加してLiMn2-xMxO4
の結晶構造の転移を防止することにより、電池の放電容
量の低下を極めて有効に抑えることができる。
次電池を作製し、金属リチウム箔の添加が、電池のサイ
クル特性に及ぼす影響を調査した。まずリチウムコバル
ト複合酸化物(LiCoO2)80重量部、導電助材と
して黒鉛粉末5重量部及びアセチレンブラック粉末5重
量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部を
混合し、この混合物にN−メチルピロリドン100重量
部を加え、ホモミキサーで充分混合してスラリーとし
た。その後、100mm×140mm、厚さ20μmの
Al基板上に、ドクターブレード法によってこのスラリ
ーを塗工し、空気中で予備乾燥し、ホットプレスにて圧
縮成型した後、直径16mmの円板状に打ちぬき、真空
中で加熱乾燥することにより、正極を得た。
してポリフッ化ビニリデン10重量部を混合し、更にこ
の混合物に溶媒としてN−メチルピロリドン200重量
部を加え、ホモミキサーで充分混合してスラリーとし
た。その後、100mm×140mm、厚さ10μmの
銅基板上に、ドクターブレード法によりスラリーを塗工
し、空気中で予備乾燥し、ロールプレスで圧縮成型した
後、直径16mm、の円板状に打ちぬき、真空中で加熱
乾燥することにより、負極合材を得た。この負極合材上
に、別途用意した市販の金属リチウム箔を、ドライルー
ム(露点 -50℃以下)中でローラープレスを用いて圧着
することにより負極を作製した。なお、金属リチウム箔
の量は、負極活物質である天然黒鉛の重量に対して、
1.5重量%とした負極を作製した。
いて、ドライルーム中で図1に示すようなコイン型の非
水電解質二次電池を作製した。非水電解質にはエチレン
カーボネート:ジメチルカーボネート=1:2(モル
比)の混合溶媒に電解質としてLiPF6を1モル/リ
ットルの濃度で溶解したものを用いた。この電池の寸法
は直径20mm、電池総高1.6mmであった。
解質二次電池にポテンシオガルバノスタットを接続し、
充放電電流密度100mAh/g-負極活物質重量、充
電終止電圧4.1V、放電終止電圧3.0V、の条件で
定電流充放電試験を行った。
ケル複合酸化物(LiNiO2)を用いた以外は、実施
例1と同様に、非水電解質二次電池を作製し、充放電試
験を行った。
ガン複合酸化物(LiMn2O4)を用い、充放電条件を
充電終止電圧4.15V、放電終止電圧2.2Vとした
以外は、実施例1と同様に、非水電解質二次電池を作製
し、充放電試験を行った。
加量を、負極活物質である天然黒鉛の重量に対して、0
重量%とした以外は、実施例1と同様にして、非水電解
質二次電池を作製し、充放電試験を行った。
加量を、負極活物質である天然黒鉛の重量に対して、0
重量%とした以外は、実施例2と同様にして、非水電解
質二次電池を作製し、充放電試験を行った。
加量を、負極活物質である天然黒鉛の重量に対して、0
重量%とした以外は、実施例3と同様にして、非水電解
質二次電池を作製し、充放電試験を行った。
電解質二次電池のサイクル特性を示す。図3から明らか
なように、金属リチウムの添加により、放電容量の増加
だけでなく、サイクル数の増大に伴う放電容量の低下が
減少し、優れたサイクル特性を示すことが判る。以上の
ことから、負極への金属リチウム箔の添加が電池の容量
向上だけでなく、サイクル特性向上に繋がることが考え
られる。
て、非水電解質二次電池を作製し、金属リチウム箔の添
加量と、電池の放電容量及びサイクル特性との関係を調
査した。まず、実施例3と同様にして、LiMn2O4粉
末と、黒鉛粉末及びアセチレンブラック粉末と、ポリフ
ッ化ビニリデンとを混合し、この混合物にN−メチルピ
ロリドンを加え、ホモミキサーで充分混合してスラリー
とした。その後、100mm×140mm、厚さ20μ
mのAl基板上に、ドクターブレード法によってこのス
ラリーを塗工し、空気中で予備乾燥し、ホットプレスに
て圧縮成型した後、直径16mmの円板状に打ちぬき、
真空中で加熱乾燥することにより、正極を得た。
末とポリフッ化ビニリデンを混合し、更にこの混合物に
N−メチルピロリドンを加え、ホモミキサーで充分混合
してスラリーとした。その後、100mm×140m
m、厚さ10μmの銅基板上に、ドクターブレード法に
よりスラリーを塗工し、空気中で予備乾燥し、ロールプ
レスで圧縮成型した後、直径16mm、の円板状に打ち
ぬき、真空中で加熱乾燥することにより、負極合材を得
た。この負極合材上に、別途用意した市販の金属リチウ
ム箔を、ドライルーム(露点 -50℃以下)中でローラー
プレスを用いて圧着することにより負極を作製した。な
お金属リチウム箔の量を、負極活物質である天然黒鉛の
重量に対して、0、1.5、3.0、4.5、6.0、
7.5、10重量%とした負極を作製した。
いて、ドライルーム中で図1に示すようなコイン型の非
水電解質二次電池を作成した。非水電解質にはエチレン
カーボネート:ジメチルカーボネート=1:2(モル
比)の混合溶媒に電解質としてLiPF6を1モル/リ
ットルの濃度で溶解したものを用いた。この電池の寸法
は直径20mm、電池総高1.6mmであった。
解質二次電池にポテンシオガルバノスタットを接続し、
充放電電流密度100mAh/g−負極炭素重量、充電
終止電圧4.15V、放電終止電圧2.2Vの条件で定
電流充放電試験を行った。結果を図4及び図5に示す。
用いた場合の、非水電解質二次電池の金属リチウム箔の
重量と初回放電容量との関係を示す。リチウムを添加す
るにつれて放電容量は増大し、4.5重量%まではリチ
ウム添加量と共に放電容量が増大するが、4.5重量%
を超えると放電容量が一定になることがわかる。また図
5には、正極材料としてLiMn2O4を用いた場合の、
非水電解質二次電池のサイクル特性を示す。金属リチウ
ムの添加量が1.5重量%以下ではサイクル数の増大と
共に放電容量の低下が認められるが、3.0重量%以
上、特に4.5〜10重量%の範囲では放電容量の低下
が極めて少なく、優れたサイクル特性を示している。以
上のことから、金属リチウム箔の添加量は、少なくとも
3重量%以上、好ましくは4.5〜10重量%の範囲が
よいと考えられる。なお、10重量%以上添加しても、
放電容量の増大やサイクル特性の向上の効果は見られな
かった。
性能計測用電解槽を用いて、金属リチウム箔の形状及び
配置を種々変更した際の、非水電解質二次電池のサイク
ル特性を調査した。まず、実施例3と同様にして、Li
Mn2O4粉末と、黒鉛粉末及びアセチレンブラック粉末
と、ポリフッ化ビニリデンとを混合し、この混合物にN
−メチルピロリドンを加え、ホモミキサーで混合してス
ラリーとし、100mm×140mm、厚さ20μmの
Al基板21上にドクターブレード法によってこのスラ
リーを塗工し、空気中で予備乾燥し、ホットプレスにて
圧縮成型した後、真空中で加熱乾燥した。このようにし
てAl基板21上に正極合材22を固着させた。そし
て、Al基板21に正極端子18を溶接して正極13を
作成した。
末とポリフッ化ビニリデンを混合し、更にこの混合物に
N−メチルピロリドンを加え、ホモミキサーで混合して
スラリーとし、このスラリーを100mm×140m
m、厚さ10μmのCu基板19上にドクターブレード
法により塗工し、空気中予備乾燥し、ロールプレスで圧
縮成型した後、真空中で加熱乾燥した。このようにして
Cu基板19上に負極合材20を固着させた。そして、
Cu基板に負極端子17を溶接して図7に示すような負
極14aを作製した。
ム箔をロールプレス機を用いて接合させた。このとき金
属リチウム箔は、3通りのパターンで負極14a上に接
合させた。まず図8に示すように、縦81mm、横58
mm、厚み0.025mmの1枚の金属リチウム箔24
を負極合材20の中央に配置したもの(試料1)、次に
図9に示すように、縦40mm、横19mm、厚み0.
025mmの6枚の金属リチウム箔25…を負極合材2
0の表面に均一に配置したもの(試料2)、そして図1
0に示すように、縦16mm、横100mm、厚み0.
025mmの3枚の金属リチウム箔26…を負極合材2
0の表面に均一に配置したもの(試料3)、である。こ
のようにして、3種類の負極14(14b〜14d)を
作成した。
ほぼ同一としているが、箔自体の大きさ及び枚数が異な
り、試料1〜3の各々の金属リチウム箔の外周長を比較
すると、試料1:試料2:試料3=1:2.6:2.2
となる。
に示す負極14(14b〜14d)を用いて、図7に示
すような電池性能計測用電解槽を組み立てた。まず、多
孔質ポリプロピレン製のセパレータ15を正極13と負
極14(14a 14c)とで挟み、これらを一対のポ
リプロピレン製のスペーサ12、12で更に挟み、ステ
ンレス製の電池容器11に収納した。そして、エチレン
カーボネート:ジメチルカーボネート=1:2(モル
比)の混合溶媒に電解質としてLiPF6を1モル/リッ
トルの濃度で溶解した非水電解液を電池容器11に注入
し、この電池容器11の開口部をO リング16を介し
て封口板23で封口することにより、電池性能計測用電
解槽を作製した。なお、正極端子18及び負極端子17
は、封口板23を貫通して電池性能計測用電解槽の外部
に露出させた。この正極端子18及び負極端子17をポ
テンシオガルバノスタットに接続し、充放電電流密度1
00mAh/g−C、充電終止電圧4.15V、放電終
止電圧2.2Vの条件で定電流充放電試験を行った。結
果を図11に示す。
イクル特性の最も良好なものは試料2の負極14cであ
り、次に良好なものは試料3の負極14dであり、最後
に試料1の負極14bとなる。この順序は、金属リチウ
ム箔の外周長の比の大きい順と一致している。これは、
金属リチウム箔が負極上に均一に分散して配置されたこ
とにより、金属リチウムが負極活物質である天然黒鉛中
に拡散しやすくなって、サイクル特性が向上したものと
思われる。従って、金属リチウム箔の外周を長くするよ
うに、複数の金属リチウムを相互に離間して負極上に均
一に分散配置することにより、サイクル特性が向上して
エネルギー密度の高い非水電解質二次電池を得ることが
できることが判明した。特に、箔同士の間隔を31mm
以下にすれば、負極中への金属リチウムの拡散がより容
易になり、良好なサイクル特性を得ることができるもの
と考えられる。
非水電解質二次電池は、炭素材料の粉末を含んでなる負
極合材の表面に、金属リチウム箔が接合された負極を備
えており、リチウム含有複合酸化物に含まれるリチウム
に加えて、更に金属リチウム箔の形態でリチウムが電池
系内に添加されているので、充放電反応に係るリチウム
量を増加させることができ、非水電解質二次電池のエネ
ルギー密度を高くすることができる。
リチウム箔が相互に離間されて接合されているので、充
放電反応の際にリチウムが炭素材料に拡散し易くなり、
金属リチウム箔の一部が残存することがなく、非水電解
質二次電池のエネルギー密度を高くすることができる。
特に、金属リチウム箔を離間して均一に分散配置する場
合、箔同士の間隔を31mm以下にすれば、負極中への
金属リチウムの拡散がより容易になり、良好なサイクル
特性を得ることができる。
iMn2-xMxO4の式で表されるリチウムマンガン複合
酸化物であり、このLiMn2-xMxO4を有する非水電
解質二次電池に金属リチウム箔の形態でリチウムを更に
添加するならば、LiMn2- xMxO4の3V放電域のサ
イトを利用することが可能となり、非水電解質二次電池
のエネルギー密度をより向上させることができる。特
に、本発明の非水電解質二次電池の場合は、LiMn
2-xMxO4の3V放電域のサイトを利用するために電池
電圧が3V以下になるまで放電を行うので、元素Mを添
加してLiMn2-xMxO4の結晶構造の転移を防止する
ことが、電池の放電容量の低下を抑えるために極めて有
効である。
は、前記金属リチウム箔の重量をLimとし、LiMn
2-xMxO4の3V放電域のサイトを満たすリチウムの重
量をLi3Vとし、非水電解質二次電池の初回充電時に炭
素材料表面にて起きる非水電解質の還元反応で消費され
るリチウムの重量をLi1cとしたとき、金属リチウム箔
の重量がLim≧Li3V+Li1cを満たすので、必要充
分量のリチウムを添加することができ、非水電解質二次
電池のエネルギー密度を高くすることができる。特に、
金属リチウム箔の量が、前記炭素材料に対して3重量%
以上10重量%以下の範囲とされたことにより、非水電
解質二次電池のエネルギー密度をより高くすることがで
きる。
質二次電池の断面図である。
図である。
二次電池のサイクル特性を示すグラフである。
ムの添加量と、初回放電容量との関係を示すグラフであ
る。
性を示すグラフである。
図である。
電解槽のサイクル特性を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 リチウム含有複合酸化物の粉末が少なく
とも含まれて板状若しくはシート状に成形された正極合
材からなる正極と、炭素材料の粉末が少なくとも含まれ
て板状若しくはシート状に成形された負極合材と、この
負極合材の表面に、接合された金属リチウム箔からなる
負極と、非水電解質とを備えたことを特徴とする非水電
解質二次電池。 - 【請求項2】 複数の金属リチウム箔が、前記負極合材
の表面に相互に離間されて均一に分散配置・接合された
負極を備えたことを特徴とする請求項1に記載の非水電
解質二次電池。 - 【請求項3】 前記負極において、相互に離間されて接
合された複数の金属リチウム箔の間隔が、31mm以下
であることを特徴とする請求項2記載の非水電解質二次
電池。 - 【請求項4】 前記リチウム含有複合酸化物が、下記の
組成式により表されるリチウムマンガン複合酸化物であ
ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
に記載の非水電解質二次電池。 LiMn2-xMxO4 ただし、MはTi、V、Cr、Fe、Co、Ni、A
l、Ag、Mg、Liのうちの少なくとも1種以上の元
素であり、組成比を示すxは、0≦x≦1.0である。 - 【請求項5】 前記金属リチウム箔の重量をLimと
し、前記のリチウムマンガン複合酸化物3V放電域のサ
イトを満たすリチウムの重量をLi3Vとし、非水電解質
二次電池の初回充電時に前記炭素材料表面にて生じる非
水電解質の還元反応で消費されるリチウムの重量をLi
1cとしたとき、 前記金属リチウム箔の重量が、Lim≧Li3V+Li1c
の関係を満たすことを特徴とする請求項1ないし請求項
4のいずれかに記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項6】 前記金属リチウム箔の重量が、前記炭素
材料の重量に対して3重量%以上10重量%以下の範囲
とされたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
ずれかに記載の非水電解質二次電池。
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