JP2001225906A - 自動倉庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、自動倉庫において、入出庫能力を
増大することを目的とし、特に、設置スペース効率を下
げることなく、入出庫能力を高めたものである。 【解決手段】 スタッカの走行通路を挟んで向かい合っ
て保管棚を設置し、少なくとも一方の保管棚は手前側と
奥側に縦列保管できる２重棚とし、スタッカにはダブル
リーチフォークを備えた自動倉庫において、２重棚の低
層階分を縦方向に区割りし、その内側の部分にバッファ
ー棚を形成し、外側の部分に、低層階用のスタッカまた
は走行台車を走行させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動倉庫に関する
もので、特に、入出庫能力を増大した自動倉庫に係わ
る。

【０００２】

【従来の技術】自動倉庫においては、在庫量と入出庫能
力とがある程度バランスする領域において、自動倉庫と
しての機能が有効に発揮される。しかし、自動倉庫で
は、適時適量の入出庫が繰り返されるものではなく、入
荷時や出荷時に短時間に入庫や出庫が集中するものであ
り、そのような時には、保管容量や在庫量に比べて入出
庫能力が低い状態を来すことになる。

【０００３】入出庫能力を高めたい場合には、スタッカ
ークレーン（以下スタッカとする）の高速化を図る。ス
タッカの台数を増やす。スタッカの移載フォークを２個
取りできるツインフォークとする等の対策が考えられ
る。

【０００４】スタッカの高速化を図る場合、荷役作業の
安全性、確実性の面から自ずと限度が有るし、また、ス
タッカのコストが高いものとなる。また、スタッカの台
数を増やす方法は、スペース効率が悪くなる。特に、自
動倉庫設置スペースに限りがある場合は、スタッカを増
やす分、保管棚を減らさざるを得なくなる。しかも、ス
タッカを増やす分設備コストが高くなる。

【０００５】さらに、ツインフォークを使用する場合
は、使用態様が限られるし、常に２個取りするわけでは
なく、ツインフォークで１個取りするような作業状態が
混在するときは、シングルフォークに比べて、約１，５
倍程度が限界である。

【０００６】一方、自動倉庫では使用目的や保管品にも
よるが、パレットに収納して保管されている保管品のう
ち、例えば、出荷注文に応じて１品のみをパレットから
ピッキングし、あとパレットを再入庫させるピッキング
作業が行なわれている。このピッキング作業のため、他
のパレットの入出庫作業の合間をみて、スタッカによっ
てパレットを運び出し、ピッキングしたあと、パレット
を再入庫させるのは、極めてまどろかしく、能率が低い
作業であった。

【０００７】このため、殆どの場合、ピッキング頻度が
高い保管品を収納するパレットは、低層階の保管棚（１
〜２層階の棚）に保管するようにし、該棚に作業員が手
押し車等を帯動して出向き、パレットより所定のピッキ
ング品を集め回っている。現状では、能率面よりこのよ
うな状態でピッキング作業が行なわれている。

【０００８】ところで、このようなピッキング作業中、
スタッカは他の保管品の入出庫作業を行なっており、自
動倉庫内で人とスタッカとが同時に作業するわけであっ
て、極めて危険な作業であり、安全確保のため、防護設
備が必要であった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動倉庫に
おいて、入出庫能力を増大することを目的とし、特に、
設置スペース効率を下げることなく、入出庫能力を高め
たものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】スタッカの走行通路を挟
んで向かい合って保管棚を設置し、少なくとも一方の保
管棚は手前側と奥側に縦列保管できる２重保管棚とし、
スタッカにはダブルリーチフォークを設けた自動倉庫に
おいて、２重保管棚の低層階分を縦方向に区割りし、そ
の内側の部分にバッファ棚を形成し、外側の部分に、低
層階分の昇降を行なうフレームと、該フレームに移載装
置を備えた低層階用スタッカを走行させるようにした。

【００１１】また、前記外側の部分に移載装置を備えた
台車を走行させるようにした。さらに、入庫ステーショ
ンと出庫ステーションとの間に、ピッキングコンベヤ
と、リターンコンベヤを設け、ピッキングのために出庫
したパレットを、ピッキング作業終了後、元の棚に戻す
出庫・再入庫ラインを設けた。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下図に沿って、本発明の実施の
形態について説明する。図１は本発明による自動倉庫の
正面図、図２は同じく低層階の平面図である。１はスタ
ッカの走行通路を挟んで向かい合って設置された保管棚
であって、該保管棚１は手前側Ａと奥側Ｂに縦列保管で
きる２重保管棚となっている。

【００１３】２はスタッカであって、走行通路に敷設さ
れたレール３上に搭載され、保管棚１間を走行自在であ
る。スタッカ２には、昇降フレームと、該昇降フレーム
上に設備されたダブルリーチフォークを設けている。ダ
ブルリーチフォークは２段階にシャトルできるフォーク
で、保管棚１の手前側Ａと奥側Ｂに対応してパレットの
受け取り、受け渡しがなされる。

【００１４】４は、保管棚１の前面に設置された入庫ス
テーションであり、５は同じく保管棚１の前面に設置さ
れた出庫ステーションである。このような構成の自動倉
庫は従来より公知であり、スタッカ２によって、入庫ス
テーション４からパレットを受け取り、保管棚１の所定
の位置にパレットを入庫し、あるいはスタッカ２によっ
て、保管棚１よりパレットを取り出し、出庫ステーショ
ン５に受け渡し、出庫するようになっている。

【００１５】さて、図において６は、保管棚１の低層階
（２〜３層階）を縦割りに区画し、その奥側（スタッカ
２からみて）の部分に設置された低層階用スタッカであ
る。該低層階用スタッカ６は、当該部の床面に敷設され
たレール７上に搭載され、保管棚１内の低層階部分を縦
方向に走行可能であって、昇降フレームと、該フレーム
上に設備された移載装置を備えている。

【００１６】移載装置は、シャトルフォークやあるいは
チェーンコンベヤ式のものが使用されるが、１段階移載
するものでよい。また、低層階用スタッカ６の昇降範囲
は、保管棚１の２〜３層階程度とし、移載装置を１段階
移載するものとしている外は、前記スタッカ２と同じ構
造のものでよい。つまり、図１に示すように、低層階用
スタッカ６は保管棚１に組み込まれた構成であり、低層
階用スタッカ６の上層階も保管棚として形成されてい
る。

【００１７】８は、保管棚１の低層階を縦割りに区画し
た、その手前側（スタッカ２からみて）の部分に形成さ
れたバッファー棚である。該バッファー棚８は、奥側が
なく、１列棚である外は、間口や天井高さ等棚１の他の
各棚と同一である。

【００１８】したがって、バッファー棚８に対しては、
低層階用スタッカ６によって、奥側から、スタッカ２に
よっても、手前側からパレットの受け渡しが可能であ
る。９は低層階用スタッカ６の出庫ステーションであ
り、前記入庫ステーション４とコンベヤ１０で連絡され
ている。１１は低層階用スタッカ６の入庫ステーション
であり、前記出庫ステーション５とコンベヤ１２で連絡
されている。

【００１９】１３はピッキングステーションであって、
前記低層階用スタッカ６の入、出庫ステーション１１、
９とコンベヤ１４、１５で連絡されている。１６は低層
階用スタッカ６の出庫ステーション９と入庫ステーショ
ン１１との間に配置された横渡しコンベヤである。

【００２０】このように出庫ステーション９と入庫ステ
ーション１１との間にピッキングステーション１３と、
横渡しコンベヤ１６を設け、ピッキングパレットの出庫
・再入庫ラインが形成されている。なお、入、出庫ステ
ーション１１、９は、夫々クロスし、昇降機能を有する
チェーンコンベヤやローラコンベヤで構成されており、
同一構造のものである。

【００２１】本発明の構成は以上の通りであって、次に
入出庫作業について説明する。まず、一般的な入出庫作
業は、フォークリフトによって運ばれて来たパレット
は、コンベヤ１４上に載置され、そこから低層階用スタ
ッカ６の出庫ステーション９、コンベヤ１０を径由して
入庫ステーション４上に送られる。

【００２２】入庫ステーション４上に送られたパレット
は、スタッカ２によってピックアップされ、保管棚１の
所定の位置に運ばれて入庫される。なお、この入庫にあ
たりピッキング頻度が高い保管品を収納したパレット
は、バッファー棚８に入庫するようにする。このとき、
入庫ステーション４上から低層階用スタッカ６によって
入庫させてもよい。

【００２３】出庫する場合も同様であって、保管棚１に
保管されているパレットが、スタッカ２によって取り出
され、出庫ステーション５に運ばれる。そこからコンベ
ヤ１２、低層階用スタッカ６の入庫ステーション１１、
コンベヤ１５を径由して出庫される。

【００２４】次に、ピッキング作業について説明する。
予め、ピッキング頻度が高い保管品を収納したパレット
は、バッファー棚８に保管してあるので、バッファー棚
８の所定のパレットを、低層階用スタッカ６によって取
り出し、低層階用スタッカ６の出庫ステーション９上に
載置する。

【００２５】出庫ステーション９上に載置されたパレッ
トは、そこから横送りコンベヤ１６、低層階用スタッカ
６の入庫ステーション１１、コンベヤ１５からピッキン
グステーション１３に送られ、そこで目的の保管品がピ
ッキングされる。ピッキング作業を終えたパレットは、
コンベヤ１４から、出庫ステーション９上に戻され、低
層階用スタッカ６によって元の棚に再入庫される。

【００２６】勿論、低層階用スタッカ６は両側に備えて
あるから、他側の棚から他側のスタッカ６によって取り
出されたパレットは、入庫ステーション１１上に載置さ
れ、上記と同様の状態でピッキング作業と再入庫が行な
われる。この低層階用スタッカ６による入出庫にあたっ
て、空いていれば入、出庫ステーション４、５を使用す
ることもできる。また、パレットの収納状況に応じて、
再入庫は必ずしも元の棚に行なわなくてもよい。

【００２７】なお、ピッキング頻度が低い保管品を収納
したパレットは、上層階の棚に保管されているので、こ
の中からピッキングするときには、当該パレットはスタ
ッカ２で取り出してくることになる。しかし、このとき
でも本発明では、ピッキングステーション１３と、ピッ
キングパレットの出庫・再入庫ラインを設けているの
で、ピッキング作業と再入庫作業を行なっている間に、
スタッカ２は他の入出庫作業に使用され得る。

【００２８】次に、短時間に入出庫が集中する作業につ
いて説明する。まず、入庫が集中する場合には、入庫ス
テーション４からスタッカ２によって通常の入庫作業を
行ないながら、同時に低層階用スタッカ６の入庫ステー
ション１１および出庫ステーション９から低層階用スタ
ッカ６を使用して、バッファー棚８にも入庫パレットを
一旦保管する。バッファー棚８に一旦保管したパレット
は、入庫の集中が解かれたときに、上層階の保管棚１に
移し替える。

【００２９】また、短時間に出庫が集中するときには、
予め出庫予定のパレットをバッファー棚８に集めておい
て、上記と同様にスタッカ２と低層階用スタッカ６とを
同時に使用して、一斉に出庫を行なうことで対処でき
る。

【００３０】なお、上述の実施例においては、両側の保
管棚１の低層階に、バッファー棚８を形成し、低層階用
スタッカ６を設備するようにしたが、片側の保管棚１だ
けにバッファー棚８を形成し、低層階用スタッカ６を設
備してもよい。また、片側だけが２重棚の自動倉庫にお
いては、２重棚側だけにバッファー棚８を形成し、低層
階用スタッカ６を設備すればよい。

【００３１】さらに、低層階用スタッカ６に替えて、昇
降機能は備えないが、移載装置を備えた走行台車を使用
することもできる。この場合バッファー棚８は１段形成
とすればよい。

【００３２】

【発明の効果】本発明は、手前側と奥側に保管品を縦列
保管できる２重棚を設置した自動倉庫において、保管棚
の低層階を縦方向に区画し、内側にバッファー棚を形成
すると共に、外側に低層階用スタッカまたは台車を走行
させるようにし、また、入、出庫ステーション間にピッ
キングステーションと横渡しコンベアを設けて、ピッキ
ングパレットの出庫・再入庫ラインを形成した。

【００３３】この構成により、低層階用スタッカを走行
させる上層階は保管棚として使用できるので、自動倉庫
のスペース効率を減らすことなく、入出庫能力を上げる
ことができた。また、保管品のピッキング作業を迅速
に、かつ、安全に行なうことができるようになった。

【００３４】さらに、低層階用スタッカは小型であるた
め、軽量であり、高加速、高減速できるので、通常のス
タッカを増やすのに比べてコストが安く、消費エネルギ
ー量も少ないと云う効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動倉庫の正面図。

【図２】同じく低層階の平面図。

【符号の説明】

１ 保管棚 ２ スタッカ ３ レール ４ 入庫ステーシ
ョン ５ 出庫ステーション ６ 低層階用スタ
ッカ ７ レール ８ バッファー棚 ９ 出庫ステーション １０ 連絡コンベヤ １１ 入庫ステーション １２ 連絡コンベ
ヤ １３ ピッキングステーション １４ 連絡コンベ
ヤ １５ 連絡コンベヤ １６ 横送りコン
ベヤ

フロントページの続き (72)発明者 川口 英二 東京都品川区北品川５丁目９番11号 住友 重機械工業株式会社内 (72)発明者 八木 孝一郎 茨城県北相馬郡藤代町光風台１丁目10番５ 号 Ｆターム(参考） 3F022 EE02 FF01 JJ07 JJ11 JJ14 KK01

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スタッカの走行通路を挟んで向かい合って
   保管棚を設置し、少なくとも一方の保管棚は手前側と奥
   側に縦列保管できる２重保管棚とし、スタッカにはダブ
   ルリーチフォークを設けた自動倉庫において、２重保管
   棚の低層階分を縦方向に区割りし、その内側の部分にバ
   ッファ棚を形成し、外側の部分に、低層階分の昇降を行
   なうフレームと、該フレームに移載装置を備えた低層階
   用スタッカを走行させるようにしたことを特徴とする自
   動倉庫。
2. 【請求項２】縦割りに区画した外側の部分に、移載装置
   を備えた走行台車を走行させるようにしたことを特徴と
   する請求項１記載の自動倉庫。
3. 【請求項３】入庫ステーションと出庫ステーションとの
   間にピッキングコンベヤと、リターンコンベヤを設け、
   ピッキングのために出庫したパレットを、ピッキング作
   業後、元の棚に戻す出庫・再入庫ラインを設けたことを
   特徴とする請求項１または請求項２記載の自動倉庫。